説明

コンテンツデータ配信システム、コンテンツデータ配信方法、及び半導体装置

【課題】「口コミ」によるコンテンツデータの販売を促進する。
【解決手段】
以下に説明する実施の形態のコンテンツデータ配信方法では、まず、コンテンツサーバから、ネットワークを介してコンテンツデータを第1の半導体装置に送信するステップが実行される。続いて、第1の半導体装置から第2の半導体装置へ、コンテンツデータ、コンテンツデータを特定するコンテンツID、及びコンテンツデータを取得した経路を示す経路データを近接無線通信を用いて送信するステップが実行される。その後、コンテンツID、及び経路データを第2の半導体装置からコンテンツサーバに送信する。さらに経路データに基づいて、第1の半導体装置に対し、コンテンツIDに対応する報酬を計算し、その報酬を第1の半導体装置に付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施の形態は、コンテンツデータ配信システム、コンテンツデータ配信方法、及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットや電子商取引の普及により、音楽データや映画データなどのコンテンツデータをインターネットを介して配信するコンテンツデータ配信システムが普及している。
このようなコンテンツデータ配信システムにおいては、ユーザは、様々な事象が動機となってコンテンツデータの購入に至るが、その中でも、知り合いや友人からの、いわゆる「口コミ」を参考にする傾向が強い。そこで、このような「口コミ」に基づくコンテンツデータの販売を推進することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−53665号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】TransferJet(TM) ホワイトペーパー 2009年発行 TransferJetコンソーシアム発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の記載される実施の形態は、「口コミ」によるコンテンツデータの販売を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に説明する実施の形態のコンテンツデータ配信方法では、まず、コンテンツサーバから、ネットワークを介してコンテンツデータを第1の半導体装置に送信するステップが実行される。続いて、第1の半導体装置から第2の半導体装置へ、コンテンツデータ、コンテンツデータを特定するコンテンツID、及びコンテンツデータを取得した経路を示す経路データを近接無線通信を用いて送信するステップが実行される。その後、コンテンツID、及び経路データを第2の半導体装置からコンテンツサーバに送信する。さらに経路データに基づいて、第1の半導体装置に対し、コンテンツIDに対応する報酬を計算し、その報酬を第1の半導体装置に付与する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態に係るコンテンツデータ配信方法の概略を示す概念図である。
【図2】第1の実施の形態に係るコンテンツデータ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図2のシステムにより実行されるコンテンツデータ配信方法の実行手順を示すフローチャートである。
【図4】図3のコンテンツデータ配信方法の実行中における携帯端末10及び20の表示画面例を示す。
【図5】図3のコンテンツデータ配信方法の実行中における携帯端末10及び20の表示画面例を示す。
【図6】第2の実施の形態に係るコンテンツデータ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図7】第3の実施の形態に係るコンテンツデータ配信システムにより実行されるコンテンツデータ配信方法の実行手順を示すフローチャートである。
【図8】第4の実施の形態に係るコンテンツデータ配信システムにより実行されるコンテンツデータ配信方法の実行手順を示すフローチャートである。
【図9】変形例を示す。
【図10】変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施の形態]
図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係るコンテンツデータ配信システム及び配信方法の概要を示す概念図である。
本実施の形態では、半導体装置の一例としての複数の携帯端末(図1では、第1の携帯端末10と、第2の携帯端末20の2つを例示している)が、それぞれコンテンツサーバからコンテンツデータの配信を受けるとともに、そのようにして取得したコンテンツデータを、複数の携帯端末の間で推薦し合うシステムを提供する。これによりコンテンツデータの流通の促進を図っている。以下、本実施の形態のコンテンツデータ配信システム及び配信方法の概要を、図1を参照して説明する。
【0010】
このコンテンツデータ配信システムでは、一例として、コンテンツデータを提供・販売するコンテンツ業者により管理されるコンテンツ業者サーバ30と、このコンテンツ業者サーバ30が提供するコンテンツデータのWeb上での紹介・推薦・広告代行等を行って、コンテンツデータの配信(販売)を仲介するサービス業者サーバ40とを含んでいる。コンテンツ業者サーバ30とサービス業者サーバ40とにより、コンテンツデータを携帯端末10、20に対し提供するコンテンツサーバ(広義)が形成される。なお、コンテンツ業者サーバ30がサービス業者サーバ40を介さずに、携帯端末10、20との間で直接コンテンツデータ配信を行う形態も採用可能である。コンテンツ業者サーバ30が、さらにポータルサーバ、課金サーバ等の複数のサーバに分割されていてもよい。
【0011】
以下、コンテンツデータ配信方法の概要を図1に沿って説明する。ここでは、一例として、第1の携帯端末10が最初にコンテンツデータCiを取得し、その後第1の携帯端末の所有者X(紹介者)が、第2の携帯端末20の所有者Y(購入者)に対し、取得したコンテンツデータを推薦する場合について説明する。これとは逆に、第2の携帯端末20の所有者Yが最初に取得したコンテンツデータを、第1の携帯端末10の所有者Xに推薦することも可能であるが、動作等は同一ではあるので、その説明は省略する。
【0012】
まず、第1の携帯端末10の所有者Xは、サービス業者サーバ40にアクセスして、支払手続等を済ませることにより、コンテンツデータCiを取得する((1))。その後、所有者Xが所有者Yに対しこのコンテンツデータCiを推薦する場合、第1の携帯端末10から、内蔵の近接無線通信ユニットを用いて、第2の携帯端末20に向けてコンテンツデータCiを送信する((2))。このとき、コンテンツデータCiとともに、コンテンツデータCiに対応するコンテンツID(IDCi)、コンテンツデータCiをどのようなルート(経路)で取得したのかを示す経路データROUTE、及びコンテンツ業者サーバ30のURL(Uniform Resource Locator)も併せて送信される。経路データROUTEは、一例として、サービス業者サーバ40を特定するためのサービス業者ID(IDS)、及び紹介者Xの第1の携帯端末10の端末ID(IDT)を含む。以下では、経路データROUTEがIDT、IDSを含む場合、ROUTE(IDT、IDS)のように表記する。
【0013】
近接無線通信ユニットとしては、一例としてTransferJet(登録商標)の規格に準拠した通信ユニットを用いることができる。TransferJetは通信距離が非常に短く、通信を行う2つの機器のカプラ同士を所定の近接距離以内(例えばなら3cm以内)に近づけると接続が確立され、所定の近接距離以上に遠ざけると切断されるよう制御される。なお、TransferJetは機器同士が1対1でデータ通信を行うことを想定している。TransferJetの詳細はwww.transferjet.orgにホワイトペーパーとして公開されている。
【0014】
第2の携帯端末20の所有者Yは、第1の携帯端末10から受信したコンテンツデータCiを再生する。コンテンツデータCiには、利用許諾データが付加されることにより、その再生時期、再生時間、又は再生回数に関し何らかの制限がかけられる。
【0015】
所有者YがコンテンツデータCiを気に入り、その購入を希望する場合には、コンテンツデータCiとともに受信したコンテンツ業者サーバ30のURLを用いて、コンテンツ業者サーバ30にアクセスしする((3))。そして、第2の携帯端末20は、コンテンツデータCiについてのコンテンツID(IDCi)を、経路データROUTE(IDT、IDS)とともにコンテンツ業者サーバ30に送信して、コンテンツデータCiの購入手続を進める。
【0016】
コンテンツ業者サーバ30は、第2の携帯端末20からの受信情報に対応し、コンテンツデータCiの購入手続、及び支払手続を実行し、その完了後、第2の携帯端末20に対し、コンテンツデータCiの利用を許諾する利用許諾データを送信する((4))。
【0017】
コンテンツデータCiの購入手続・及び支払手続の完了後、コンテンツ業者サーバ30は、受領したコンテンツデータCiの種類、金額、紹介者Xや購入者Yの属性、その他さまざまな情報に応じて、紹介者Xに与えるべき報酬RWを計算する。この報酬RWは、例えば、購入者のクレジットカードへのキャッシュバック金額、商品券、電子マネー口座のポイント増加、次回の別の買い物時における代金割引など、購入者の利益になる事項のすべてを含む。報酬RWが計算されると、コンテンツ業者サーバ30は、この報酬RW及び端末ID(IDT)を、サービス業者サーバ40に送信する。サービス業者サーバ40は、端末ID(IDTA)に基づいて、第1の携帯端末10に報酬RWを送信する((5)、(6))。
【0018】
以上のように、本実施の形態によれば、複数の携帯端末10、20の間で、互いに自身が所有するコンテンツデータを、近接無線通信により推薦することができる。近接無線通信による場合、通信距離は数cm以下であり、所有者X,Yは会話のできる距離にいるので、会話も通じてコンテンツデータCiの内容を説明したり、推薦したりすることができる。また所有者X,Yは同時にその時にその場にいることが必要で、いつでもどこからでもアクセスできるインターネット上での推薦よりも稀少性が増す。近接無線通信の一例であるTransferJet(登録商標)によれば、USB2.0インタフェースと同等の速度でデータの送受信が可能であるので、音楽データ等はほとんど待機時間を意識することのない短い時間で送信することができる。こうして、第2の携帯端末20の所有者YはコンテンツデータCそれ自体を、業者サーバ30や40からでなく、別のユーザの携帯端末からインターネット接続無しに取得することができる。このコンテンツデータCiには、購入手続の完了前においては利用許諾データに基づき視聴制限がかけられるが、コンテンツ業者サーバ30にアクセスして購入手続きを完了させ、利用許諾データを取得することにより、コンテンツデータCiを正式に取得することができる。
なお、第1の携帯端末10と第2の携帯端末20との間のコンテンツ鍵の受け渡しは近接無線通信ユニット17,27を通じて行われるが、その他の場合の通信方式は制限されない。具体的には無線LAN、USBケーブル、Ethernetなどを使用した通信方式を採用してよい。コンテンツ鍵や経路は通常、抜き取られなどを考慮して、コンテンツ業者サーバ30とサービス業者サーバ40間、携帯端末とサービス業者サーバ40間、携帯端末間でそれぞれセキュアセッションが構築される。セキュアセッションとは事前・その場での鍵共有のプロセスを経て、2者間で共有する暗号鍵を用いてデータを暗号化して受け渡す方式であり、途中で通信データを盗み見ても内容が分からないものである。例えばSSL (Secure Sockets Layer、www.mozilla.org/projects/security/pki/nss/ssl/draft302.txt )や鍵共有技術としてISO/IEC 9798-2, 9798-3, 9798-4(www.iso.org/iso/search.htm?qt=9798&searchSubmit=Search&sort=rel&type=simple&published=on)を用いることが可能である。
【0019】
次に、本実施の形態の第1の携帯端末10、第2の携帯端末20、コンテンツ業者サーバ30、及びサービス業者サーバ40の具体的な構成例を図2を参照して説明する。
【0020】
第1の携帯端末10は、一例として、主制御部11、記憶部12、表示制御部13、表示部14、通信制御部15、暗復号処理部16、近接無線通信ユニット17、キャッシュメモリ18、ユーザインタフェース19、及びROM101を備えている。
主制御部11は、第1の携帯端末10の制御を司る部分であり、一般的なCPUが用いられ得る。記憶部12は、外部から自由にアクセス可能な通常記憶部12Aと、所定の認証手続の完了を条件にアクセスが可能になる秘密記憶部12Bを備えている。ここでは、一例として、通常記憶部12Aには、コンテンツ鍵データKCiによりコンテンツデータCiを暗号化してなる暗号化コンテンツデータEnc(KCi:Ci)、及びコンテンツID(IDci)が格納されるものとする。また、秘密記憶部12Bは、端末ID(IDT)、報酬RW、ユーザに固有の鍵でありコンテンツ鍵データKCiを暗号化するのに用いられるユーザ鍵データKuA、履歴情報HS、暗号化コンテンツ鍵データEnc(KuA:KCi)、及びコンテンツデータCiの利用許諾データLCiを格納しているものとする。
【0021】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイであり、表示制御部13は、この表示部14の表示状態を制御する。また、通信制御部15は、外部機器との間のデータ通信を制御する。暗復号処理部16は、暗号化データを復号するとともに、逆に平文データを暗号化する機能を有する。近接無線通信ユニット17は、前述のように、例えばTransferJetに準拠したものとすることができる。TransferJetに準拠する場合、近接無線通信ユニット17は、所定の近接距離例えば3cm以内において、遠方電界成分を抑制し且つ近電界成分を増幅可能なカプラを備えたものとすることができる。
【0022】
また、キャッシュメモリ18は、各種データ処理において、一時的にデータを保持する機能を有している。また、ユーザインタフェース19は、ユーザとの間で各種データ入力を担当する部分であり、例えばキーボード、タッチパネルなどである。ROM101は、本実施の形態に係るコンテンツデータ配信方法を主制御部11に実行させるためのプログラムを格納している。
【0023】
第2の携帯端末20は、一例として、主制御部21、記憶部22、表示制御部23、表示部24、通信制御部25、暗復号処理部26、近接無線通信ユニット27、キャッシュメモリ28、ユーザインタフェース29、及びROM201を備えている。これらの機能は、第1の携帯端末10中の同一の名称の部材と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0024】
コンテンツ業者サーバ30は、主制御部31、通信制御部32、各種データベース331〜338、サービス業者ID生成部、サービス業者登録部35、利用者登録部36、鍵生成部27、及び報酬形成部38を備えている。
主制御部31は、コンテンツ業者サーバ30全体の制御を司る、通信制御部32は、外部機器との間のデータ通信を制御する。
【0025】
コンテンツデータベース(DB)331は、配信対象とされる多数のコンテンツデータCを、例えば対応するコンテンツIDと関連付けて格納する。コンテンツIDデータベース332は、コンテンツデータCに対応するコンテンツIDを格納する。コンテンツ鍵データベース333は、コンテンツデータCを暗号化するためのコンテンツ鍵データKCを格納する。サービス業者IDデータベース334は、サービス業者サーバ40を特定するためのサービス業者ID(IDS)を、サービス業者サーバ40のURL等と関連付けて格納する。
【0026】
ユーザ鍵データベース335は、ユーザ鍵データKuを格納する。ユーザ鍵IDデータベース336は、ユーザ鍵データKuに対応するユーザ鍵IDを、ユーザ鍵データKu、及びそのユーザ鍵データKuに関する利用許諾データ等と関連付けて格納する。
【0027】
利用許諾データベース337は、コンテンツデータCiについての利用許諾を与えるための利用許諾データLCiを、コンテンツID(IDc)と関連付けて格納する。また、端末IDデータベース338は、携帯端末10、20・・・を特定するための端末ID(IDT)を、ユーザ鍵データKuや、ユーザのクレジットカード情報などと関連付けて格納する。
【0028】
サービス業者ID生成部34は、サービス業者サーバ40を有するサービス業者を、コンテンツ業者サーバ30が提供するコンテンツデータの販売を仲介するサービス業者として登録するため、サービス業者ID(IDS)を生成する。サービス業者登録部35は、生成されたサービス業者ID(IDS)を、サービス業者名、及びサービス業者サーバ40のURL等と関連付けてサービス業者IDデータベース334に格納させる機能を有する。
【0029】
利用者登録部36は、コンテンツデータ配信システムを利用する携帯端末10、20・・・の端末ID(IDT)を、ユーザのクレジットカード情報等と関連付け、その情報を端末IDデータベース338に格納する機能を有する。鍵生成部37は、利用者登録が完了したユーザのためにユーザ鍵データを発行したり、その他コンテンツデータ配信に必要な各種の鍵を発行する。報酬計算部38は、提示されたコンテンツID(IDCi)、その他の情報に応じて報酬RWを計算する。
【0030】
サービス業者サーバ40は、主制御部41と、記憶部42と、通信制御部43とを備えている。主制御部41は、サービス業者サーバ40の全体の制御を司る。記憶部42は、通常記憶部42Aと、秘密記憶部42Bを備えている。通常記憶部42Aには、携帯端末10に受け渡すための各種データを格納する。秘密記憶部42Bには、前述のサービス業者ID(IDS)が格納される。
【0031】
次に、図2に示すコンテンツデータ配信システムにおいて、第1の携帯端末10が有するコンテンツデータCiが、所有者Xの推薦の下、第2の携帯端末20に提供される手順を、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、第1の携帯端末10の所有者Xは、サービス業者サーバ40にアクセスし、所定の購入手続の完了後、コンテンツデータCiの配信を受ける(S11)。
【0032】
そのコンテンツデータCiが所有者Yの嗜好に合うと考えた場合などにおいて、所有者XはYに対し、コンテンツデータCiを推薦する。推薦に従い、YがコンテンツデータCiの視聴を希望した場合、所有者Xは、第1の携帯端末10の近接無線ユニット17を、第2の携帯端末20の近接無線通信ユニット27に近接させる。所定の近接距離以内(例えば3cm以内)に両者が近接すると、ユニット17と27との間で通信経路が確立される。
【0033】
Xは、図4に示すように、第1の携帯端末10に格納されているコンテンツデータのリスト(コンテンツデータリスト110)を表示部14に表示させ、この中から、Yに対し推薦したいコンテンツデータCiを選択する((1))。
表示部14には、コンテンツデータリスト110の他、再生制御アイコン111、ごみ箱アイコン112、近接無線通信アイコン113が表示されている。Xがこの近接無線通信アイコン113をクリックすると、携帯端末10と20との間でコンテンツデータCiのデータ送受信が開始される。
【0034】
コンテンツデータCiは、コンテンツ鍵データKCiで暗号化されて暗号化コンテンツデータEnc(KCi:Ci)の形式で送信される(図3のステップS12)。この暗号化コンテンツデータとともに、コンテンツID(IDCi)、コンテンツ鍵データKCi、利用許諾データLCi、経路データROUTE(IDT、IDS)、及びコンテンツ業者サーバ30のURLも、近接無線通信により送信される。受信されたデータは、適宜記憶部22に記憶される。
【0035】
第2の携帯端末20の所有者Yは、このようにして第1の携帯端末10から受領したコンテンツデータCiを再生する(図4参照)。再生の途中、又は終了後に、表示部24には、図5に示すようなメッセージ214が表示され、受信したコンテンツデータCiを購入するか否かの質問が表示される。所有者YがコンテンツデータCiを気に入り、購入を希望する場合には、「購入」アイコンをクリックする。これがクリックされると、コンテンツデータCiの購入手続きに移行する。なお、「廃棄」アイコンがクリックされた場合には、コンテンツデータCi、及びこれに関連するデータは記憶部22から消去される。「保留」アイコンがクリックされた場合には、所定時間経過後、再度メッセージ214が表示される。
【0036】
Yが「購入」アイコンをクリックすると、図3のステップS13に移行する。ステップS13では、第2の携帯端末20からコンテンツ業者サーバ30へ、コンテンツデータCiの購入リクエストが送信される。この購入リクエストには、端末ID(IDT)に加え、購入を希望するコンテンツデータCiに対応するコンテンツID(IDCi)、及び経路データROUTE(IDT、IDS)が含まれ、通信制御部25、ネットワーク50を介して送信される。
【0037】
コンテンツ業者サーバ30は、この購入リクエストを受け、端末IDデータベース338にて端末ID(IDT)を照合した後、利用許諾データベース337を照合して、所望のコンテンツデータCiに対応する利用許諾データLCiを取得し、第2の携帯端末20に向けて送信する(S14)。これにより、第2の携帯端末20では、利用制限を受けずにコンテンツデータCiを利用することが可能になる。
【0038】
続いてコンテンツ業者サーバ30は、紹介者Xに対する報酬RWを、紹介に係るコンテンツデータCi、その他の情報に基づいて算出する(S15)。この報酬RWは、コンテンツ業者サーバ30からサービス業者サーバ40へ、端末ID(IDT)とともに送信される(S16)。報酬RWは、サービス業者サーバ40から携帯端末10に付与される(S17)。以上により、コンテンツデータの配信、及び報酬の付与を含む一連の動作が完了する。
【0039】
なお、報酬RWに関するデータは、携帯端末10のみに保持させてもよいし、サービス業者サーバ40と携帯端末10との両方に保持させてもよい。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態によれば、コンテンツデータCiを、近接無線通信ユニットの利用により簡単に携帯端末の間で推薦することができる。また、推薦をうける購入者Yは、コンテンツデータCiを、コンテンツ業者サーバ30やサービス業者サーバ40からでなく、紹介者Xが所有する携帯端末10から近接無線通信を介して受信することができる。近接無線通信は、セキュリティ上の問題も少ない上に、通信速度も速いため、ストレスを感じることなく、しかも信頼のおける紹介者Xの紹介の下で取得することができる、したがって、本実施の形態によれば「口コミ」にしたがってコンテンツデータの販売を促進することが可能になる。
【0041】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を、図6を参照して説明する。図6は、第2の実施の形態に係るコンテンツデータ配信システムの構成を示すブロック図である。第1の実施の形態と同一の構成要素については図6において図2と同一の符号を付しているので、以下ではそれらの説明は省略する。第1の実施の形態のシステムとの相違点は、サービス業者サーバ40が、署名生成部44を備えている点である。経路データROUTEに、署名生成部44で生成された署名データSignを付加し、署名付き経路データRoute(Sign)として通常記録部12Aに保存される。なお、署名生成、署名検証処理はデジタル署名技術として広く利用されているもので、例えばDSS(Digital Signature Standard:http://csrc.nist.gov/publications/fips/fips186-3/fips_186-3.pdf)が利用可能である。
【0042】
サービス業者サーバ40から第1の携帯端末10へコンテンツデータCiを受け渡しする際に、サービス業者サーバ40は第1の携帯端末10から端末ID(IDT)を受け取る。サービス業者ID(IDS)と端末ID(IDT)とにより経路データROUTE(IDT、IDS)が生成される。さらにその経路情報ROUTE(IDT、IDS)に対して署名生成部44で生成された署名Signが作成され、この署名Signが経路データROUTEに付加されて、署名付き経路情報ROUTE(IDT、IDS、Sign)が作成される。
署名付き経路データROUTE(IDT、IDS、Sign)はサービス業者サーバ40から第1の携帯端末10へ受け渡される。署名データSignが付加されているので改ざんのおそれはないため、通常記録部12Aに保存することが可能となる。署名付き経路データは第2の携帯端末20からコンテンツ業者サーバ30へ受け渡される。
コンテンツ業者サーバ30は、署名データSignに基づき、経路データROUTEが改ざんされていないかどうかを検証することができる。
【0043】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を、図7を参照して説明する。図7は、第3の実施の形態に係るコンテンツデータ配信システムの動作を示すフローチャートである。第3の実施の形態のコンテンツデータ配信システムは、第1の実施の形態と略同一である。ただし、第3の実施の形態のシステムでは、コンテンツデータCiを第1の携帯端末10から第2の携帯端末20に送信する際、コンテンツデータCiのすべてではなく、コンテンツデータCiを構成するチャプタデータCi1、Ci2・・・のうちの一部のみをまず送信する(図7のS12−1)。その後、所有者YがコンテンツデータCiを気に入った場合に、再度近接無線通信ユニット17,27を用いて、残りのチャプタデータCi2、Ci3・・・を受信する。これによれば、コンテンツデータCiを所有者Yが気に入らず結果として廃棄する場合に、データ通信に要する時間を短くすることができる。
【0044】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態を、図8を参照して説明する。図8は、第4の実施の形態に係るコンテンツデータ配信システムの動作を示すフローチャートである。第4の実施の形態のコンテンツデータ配信システムの構成は、第1の実施の形態と略同一である。ただし、第4の実施の形態のシステムでは、コンテンツデータCiを第1の携帯端末10から第2の携帯端末20に送信する際、第1の携帯端末10でのコンテンツデータCiの再生回数などを示す利用状況情報USを送信する。その後、第2の携帯端末20からコンテンツ業者サーバ30にコンテンツID(IDCi)、経路データROUTEなどを送信するときにその利用状況情報USも一緒に転送する。コンテンツ業者サーバ30が経路データROUTEから報酬RWを計算する際に、その利用状況情報USに応じて報酬RWの内容を変更することが可能となる。これによれば、コンテンツデータCiを所有者Xが再生していないのに口コミするような場合と、より多く再生して楽しんだコンテンツデータCiを口コミする場合とで報酬RWに差をつけることができる。
【0045】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述の実施の形態では、記憶部12、22が携帯端末10、20に内蔵されている例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。一例として、図9に示すように、カードインタフェース18を備え、外付けのメモリカード12´と接続可能な携帯端末を用いてもよい。
また、図10に示すように、外付けのメモリカードに、近接無線通信ユニット17を形成してもよい。
【符号の説明】
【0046】
10、20・・・携帯端末、 30・・・コンテンツ業者サーバ、 40・・・サービス業者サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツサーバから、ネットワークを介してコンテンツデータを第1の半導体装置に送信するステップと、
前記第1の半導体装置から第2の半導体装置へ、前記コンテンツデータ、前記コンテンツデータを特定するコンテンツID、及び前記コンテンツデータを取得した経路を示す経路データを近接無線通信を用いて送信するステップと、
前記コンテンツID、及び前記経路データを前記第2の半導体装置からコンテンツサーバに送信するステップと、
前記経路データに基づいて、前記第1の半導体装置に対し、前記コンテンツIDに対応する報酬を計算し、その報酬を前記第1の半導体装置に付与するステップと
を備えたことを特徴とするコンテンツデータ配信方法。
【請求項2】
前記コンテンツサーバは、コンテンツデータを提供するコンテンツ業者サーバと、コンテンツデータを前記コンテンツサーバから受領して前記第1端末との間でデータの送受信を行うサービス業者サーバとを備える
ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツデータ配信方法。
【請求項3】
前記近接無線通信は、TransferJet(登録商標)の規格に準拠したものである請求項2記載のコンテンツデータ配信方法。
【請求項4】
コンテンツデータを保持する記憶部と、
外部との間でデータ通信を実行しコンテンツデータを受信する通信制御部と、
所定の距離以内に存在する外部機器との間で近接無線通信を実行する近接無線通信ユニットと、
を備え、
前記近接無線通信ユニットは、前記外部機器が前記所定の距離以内に位置している場合、前記外部機器に対し、前記コンテンツデータ、前記コンテンツデータを特定するコンテンツID、及び前記コンテンツデータを取得した経路を示す経路データを前記外部機器に向けて送信するように構成される
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
前記近接無線通信は、TransferJet(登録商標)の規格に準拠したものである請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
コンテンツデータを提供するコンテンツサーバと、
前記コンテンツサーバからコンテンツデータの配信を受ける複数の半導体装置とから構成され、
前記複数の半導体装置は、それぞれ
他の半導体装置との間で、前記コンテンツデータ、前記コンテンツデータを特定するコンテンツID、及び前記コンテンツデータを取得した経路を示す経路データを送受信する近接無線通信ユニットと、
前記近接無線通信ユニットから前記コンテンツデータを受信した後、前記コンテンツデータを購入するため、前記コンテンツID、及び前記経路データを前記コンテンツサーバに送信する通信制御部と
を備え、
前記コンテンツサーバは、前記他の半導体装置から、前記コンテンツID及び前記経路データを含む前記コンテンツデータの購入要求を受信した場合に、前記経路データに基づき、前記コンテンツIDに対応する報酬を計算し、前記複数の半導体装置の1つに対しその報酬を付与するよう構成された
ことを特徴とするコンテンツデータ配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−9201(P2013−9201A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141109(P2011−141109)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】