説明

コンテンツ共有通信システム、通信システム管理サーバ、コンテンツ共有管理サーバ、コンテンツ共有通信サービス管理装置、および、コンテンツ共有通信方法

【課題】簡単な操作によってコンテンツを共有しながら通話を行うことができ、且つ、コンテンツのデータを必ずしも相手方に供与することなく実効的にコンテンツを共有することが可能なコンテンツ共有通信システムを提供する。
【解決手段】コンテンツ共有通信サービスをサポートする通信システム管理サーバ130と、共有コンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を管理するコンテンツ共有管理サーバ140とを含んでコンテンツ共有通信システムを構成し、通信システム管理サーバ130からの指令に応じてコンテンツ共有管理サーバ140がコンテンツデータ記憶領域を開設し、通信システム管理サーバ130からのセッション終了通知に応じてコンテンツ共有管理サーバ140がこのコンテンツデータ記憶領域を解放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスを提供するための、コンテンツ共有通信システム、通信システム管理サーバ、コンテンツ共有管理サーバ、コンテンツ共有通信サービス管理装置、および、コンテンツ共有通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電話通信を行う通信当事者間で、写真(静止画)や映像(動画)、或いは、Webページ等のコンテンツを共有し、これらのコンテンツを通信当事者が同時に見ながら通話を行うことができれば、民生用途であると業務用途であるとを問わず、その通信当事者は高機能な通信を享受できる。例えば、通話の当事者は実際には遠く離れていても恰も同じ場所に居合わせているような臨場感を持って円滑な通話を行うことができる。
通話中に通信当事者間で同じコンテンツを見る方法としては、予めメールを利用してURLを相手方に伝え、該当するWebページ等のコンテンツを所要に応じてダウンロードして通信当事者間で同時に見るといった方法が採られ得る。
また、通常の利用において厳密には同じコンテンツを共有する訳ではないが、映像を伴う通話方法として、テレビ電話やテレビ会議システムがよく知られている。
【0003】
また、従来、上述のような方法の他にも、端末装置相互間で通話中に写真(静止画)や映像(動画)などのコンテンツを共有する仕組みも存在する。例えば、RCS(Rich Communication Suite)がこれに該当する。
一方、画像・音声等のコンテンツを楽しみながらコミュニケーションを行うことを可能にして、従来のような端末装置間での通話では表現しきれない点を補うべく、サーバに保持されたコンテンツを共有しながら端末装置間で通話をする技術が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1の技術では、通信網に接続されたコンテンツ共有支援サーバと、通信網を介してコンテンツ共有支援サーバに接続可能な複数の端末装置とを含んで通信システムが構成される。各端末装置は、コンテンツ共有支援サーバを介して他の端末装置に会話情報を送信し、他の端末装置から会話情報を受信する。また、共有するコンテンツのデータをコンテンツ共有支援サーバを介して他のユーザの端末装置に送信し、また他のユーザによって選択されたコンテンツのデータを受け取る。コンテンツ共有支援サーバは、同一のコミュニケーショングループに属する端末装置間において会話情報と共有コンテンツのデータを共有させるようにこれらの転送を行う。
【0005】
また、それぞれ会話装置を搭載した複数のコンピュータ間で同じコンテンツを見ながら相手と通信する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に開示の技術では、一方のコンピュータ内の会話装置のコンテンツ記憶部に格納されたTV放送録画コンテンツなどのコンテンツリストを、相手方のコンピュータ内の会話装置に送信するとともに、自らも相手方からTV放送録画などのコンテンツリストを受信する。双方のコンピュータにおけるそれぞれの会話装置は、自己のコンテンツリストと受信したコンテンツリストとを比較して両者が共通して有するコンテンツを、自己のコンテンツ記憶部から検索してディスプレイ610に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−223407号公報
【特許文献2】特開2007−159098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようなWebページ等のコンテンツを共有する従来技術では、予めメール等を利用してURLを相手方に伝え、該当するWebページ等のコンテンツを共有する場合も、共有するアクセス先を通話の相手方に事前に伝え、また、相手方でもそのURLにアクセスする必要がある。更に、通話の相手が変わったり、共有したいコンテンツが変わったりした場合には、その都度、改めてURLを相手方に伝えなくてはならず、コンテンツを共有した状態を維持するための操作が種々煩雑である。
【0008】
また、テレビ電話やテレビ会議システムでは、周知のとおり、普通の用い方をする場合には、リアルタイムな映像しか共有することができず、事前に取得した写真や映像を共有することは難しい。また、仮に共有できたとしても、その場合は適用する機材や通信サービスの利用の仕方に関して特別な準備がされていることが前提であり、実際には種々制約があるのが普通である。
更にまた、RCSの場合は、ピア・ツー・ピア方式で端末装置相互間が結ばれるため、共有するコンテンツのデータを相手方に送信して供与することが必須となる。
【0009】
一方、上掲の特許文献1の技術では、当初の発信者側から見た通信の相手方は偶発的且つ受動的に決定されるものであり、発信者側から意図的に選んだ相手方とセッションを確立させて、この確立に応じてネットワーク上に共通のコンテンツの保持領域を確保するという用い方は考えられていない。
また、上掲の特許文献2の技術では、結果的に、見かけ上同じコンテンツを通信の当事者間で同期をとって再生させるものの、既述のとおり、予め通信の当事者間でコンテンツリストを交換し、その上で双方のコンテンツリスト上で共通のコンテンツを共有するものであるため、実際にコンテンツを共有して通信を行うまでの準備が煩雑であり、共有するコンテンツの変更等についても操作が面倒で所謂使い勝手が良いとはいえない。
【0010】
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、簡単な操作によってコンテンツを共有しながら通話を行うことができ、且つ、コンテンツのデータを必ずしも相手方に供与することなく実効的にコンテンツを共有することが可能な、コンテンツ共有通信システム、通信システム管理サーバ、コンテンツ共有管理サーバ、コンテンツ共有通信サービス管理装置、および、コンテンツ共有通信方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスを提供するコンテンツ共有通信システムであって、
前記双方の通信当事者間での通話セッションを管理し、当該通話セッションの終了時には通話セッション終了通知を発する通信システム管理サーバと、
前記通信システム管理サーバによる管理下で、何れかの通信当事者からの前記コンテンツ共有通信サービスの利用申し込み情報を受付けて双方の通信当事者間で共有されるコンテンツを前記双方の通信当事者からアクセス可能に保持するためのコンテンツデータ記憶領域を開設し、前記通信システム管理サーバからの前記通話セッション終了通知を受けて、当該コンテンツデータ記憶領域を解放するコンテンツ共有管理サーバと、
を含んで構成されていることを特徴とするコンテンツ共有通信システム。
【0012】
上記(1)のコンテンツ共有通信システムでは、通信システム管理サーバの下で通信当事者間での通話セッションが管理され、当該通話セッションの終了時には前記通信システム管理サーバから通話セッション終了通知が発せられる。
また、コンテンツ共有管理サーバは、通信システム管理サーバの管理下で、何れかの通信当事者からの前記コンテンツ共有通信サービスの利用申し込み情報を受付けて双方の通信当事者間で共有されるコンテンツを保持するためのコンテンツデータ記憶領域を開設し、更に、前記通信システム管理サーバからの前記通話セッション終了通知を受けて、この領域を解放する。
【0013】
(2)前記通信システム管理サーバは、
前記通信当事者間での通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報を外部と授受するセッション管理部と、
前記セッション管理部が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、前記コンテンツ共有管理サーバに通話セッション終了通知を発するセッション終了通知部と、
を備えていることを特徴とする(1)のコンテンツ共有通信システム。
【0014】
上記(2)のコンテンツ共有通信システムでは、(1)のコンテンツ共有通信システムにおいて特に、その通信システム管理サーバが、セッション管理部と、セッション終了通知部とを含んで構成される。
セッション管理部は、前記通信当事者間での通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報を外部と授受する。
また、セッション終了通知部は、前記セッション管理部が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、前記コンテンツ共有管理サーバに通話セッション終了通知を発する。
【0015】
(3)前記コンテンツ共有管理サーバは、
前記通信システム管理サーバによる管理下で、何れかの通信当事者からの前記コンテンツ共有通信サービスの利用申し込み情報を受付けて該当するコンテンツデータ記憶領域を開設するコンテンツデータ記憶領域開設制御部と、
前記通信システム管理サーバからの当該コンテンツ共有通信サービスに係る通話セッション終了通知に応じて前記コンテンツデータ記憶領域を解放するコンテンツデータ記憶領域解放制御部と、
を備えていることを特徴とする(1)のコンテンツ共有通信システム。
【0016】
上記(3)のコンテンツ共有通信システムは、(1)のコンテンツ共有通信システムにおいて特に、そのコンテンツ共有管理サーバが、コンテンツデータ記憶領域開設制御部と、コンテンツデータ記憶領域解放制御部とを含んで構成される。
コンテンツデータ記憶領域開設制御部は、前記通信システム管理サーバによる管理下で、何れかの通信当事者からの前記コンテンツ共有通信サービスの利用申し込み情報を受付けて該当するコンテンツデータ記憶領域を開設する。
また、コンテンツデータ記憶領域解放制御部は、前記通信システム管理サーバからの当該コンテンツ共有通信サービスに係る通話セッション終了通知に応じて前記コンテンツデータ記憶領域を解放する。
【0017】
(4)一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをサポートする通信システム管理サーバと、前記通信システム管理サーバの管理下で当該コンテンツ共有通信サービスにおける共有コンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を管理するコンテンツ共有管理サーバとを含んで構成されるコンテンツ共有通信システムに適合する通信システム管理サーバであって、
前記通信当事者間での通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報を外部と授受するセッション管理部と、
前記セッション管理部が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、前記コンテンツ共有管理サーバに通話セッション終了通知を発するセッション終了通知部と、
を備えていることを特徴とする通信システム管理サーバ。
【0018】
上記(4)の通信システム管理サーバは、一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをサポートする通信システム管理サーバと、前記通信システム管理サーバの管理下で当該コンテンツ共有通信サービスにおける共有コンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を管理するコンテンツ共有管理サーバとを含んで構成されるコンテンツ共有通信システムに適合する。
この通信システム管理サーバは、セッション管理部と、セッション終了通知部とを含んで構成される。
セッション管理部は、前記通信当事者間での通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報を外部と授受する。
また、セッション終了通知部は、前記セッション管理部が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、前記コンテンツ共有管理サーバに通話セッション終了通知を発する。
【0019】
(5)一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをサポートする通信システム管理サーバと、前記通信システム管理サーバの管理下で当該コンテンツ共有通信サービスにおける共有コンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を管理するコンテンツ共有管理サーバとを含んで構成されるコンテンツ共有通信システムに適合するコンテンツ共有管理サーバであって、
前記通信システム管理サーバによる管理下で、何れかの通信当事者からの前記コンテンツ共有通信サービスの利用申し込み情報を受付けて該当するコンテンツデータ記憶領域を開設するコンテンツデータ記憶領域開設制御部と、
前記通信システム管理サーバからの当該コンテンツ共有通信サービスに係る通話セッション終了通知に応じて前記コンテンツデータ記憶領域を解放するコンテンツデータ記憶領域解放制御部と、
を備えていることを特徴とするコンテンツ共有管理サーバコンテンツ共有管理サーバ。
【0020】
上記(5)のコンテンツ共有管理サーバは、一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをサポートする通信システム管理サーバと、前記通信システム管理サーバの管理下で当該コンテンツ共有通信サービスにおける共有コンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を管理するコンテンツ共有管理サーバとを含んで構成されるコンテンツ共有通信システムに適合する。
【0021】
このコンテンツ共有管理サーバは、コンテンツデータ記憶領域開設制御部と、コンテンツデータ記憶領域解放制御部とを含んで構成される。
コンテンツデータ記憶領域開設制御部は、前記通信システム管理サーバによる管理下で、何れかの通信当事者からの前記コンテンツ共有通信サービスの利用申し込み情報を受付けて該当するコンテンツデータ記憶領域を開設する。
また、コンテンツデータ記憶領域解放制御部は、前記通信システム管理サーバからの当該コンテンツ共有通信サービスに係る通話セッション終了通知に応じて前記コンテンツデータ記憶領域を解放する。
【0022】
(6)一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをコンテンツ共有通信サービス管理装置による管理下で提供するコンテンツ共有通信システムであって、
前記コンテンツ共有通信サービス管理装置は、双方の通信当事者間での通話セッションを管理し、前記何れかの通信当事者による所定の操作に基づくコンテンツ共有通信サービス要求を受付けて前記コンテンツ共有通信サービスをサポートし、前記一方の通信当事者の操作に応じて双方の通信当事者間で共有されるコンテンツを前記双方の通信当事者からアクセス可能に保持するためのコンテンツデータ記憶領域を開設し、前記双方の通信当事者間での通話セッションの終了後に、当該コンテンツデータ記憶領域を解放することを特徴とするコンテンツ共有通信システム。
【0023】
上記(6)のコンテンツ共有通信システムは、コンテンツ共有通信サービス管理装置の下で通信当事者間での通話セッションが管理され、コンテンツ共有通信サービスがサポートされる。そして、何れかの通信当事者からのコンテンツ共有通信サービスの利用要求が、このコンテンツ共有通信サービス管理装置で受付けられる。
また、コンテンツ共有通信サービス管理装置は、双方の通信当事者間で共有されるコンテンツを保持するためのコンテンツデータ記憶領域を開設し、更に、通信当事者間での通話セッションの終了後にこの領域を解放する。
【0024】
(7)一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをサポートするコンテンツ共有通信サービス管理装置であって、
前記通信当事者間での通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報を外部と授受するセッション管理部と、
前記何れかの通信当事者による所定の操作に基づくコンテンツ共有通信サービス要求を受付けるユーザインターフェース部と、
前記ユーザインターフェース部が受付けた当該コンテンツ共有通信サービス要求に応じて当該共有するコンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を開設するコンテンツデータ記憶領域開設制御部と、
前記セッション管理部が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、前記コンテンツデータ記憶領域を解放するコンテンツデータ記憶領域解放制御部と、
を備えていることを特徴とするコンテンツ共有通信サービス管理装置。
【0025】
上記(7)のコンテンツ共有通信サービス管理装置は、一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをサポートする。
このコンテンツ共有通信サービス管理装置は、セッション管理部と、ユーザインターフェース部と、コンテンツデータ記憶領域開設制御部と、コンテンツデータ記憶領域解放制御部とを含んで構成される。
セッション管理部は、前記通信当事者間での通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報を外部と授受する。
【0026】
また、ユーザインターフェース部は、前記何れかの通信当事者による所定の操作に基づくコンテンツ共有通信サービス要求を受付ける。
更に、コンテンツデータ記憶領域開設制御部は、前記ユーザインターフェース部が受付けた当該コンテンツ共有通信サービス要求に応じて当該共有するコンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を開設する。
そして、コンテンツデータ記憶領域解放制御部は、前記セッション管理部が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、前記コンテンツデータ記憶領域を解放する。
【0027】
(8)ネットワークにおける一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスを提供するコンテンツ共有通信方法であって、
前記双方の通信当事者間での通話セッションを管理し、何れかの通信当事者からのコンテンツ共有通信サービス要求を受付けて前記コンテンツ共有通信サービスをサポートするための管理を実行し、
前記一方の通信当事者の操作に応じて双方の通信当事者間で共有されるコンテンツを前記双方の通信当事者からアクセス可能に保持するためのコンテンツデータ記憶領域を前記ネットワーク上に開設し、前記双方の通信当事者間での通話セッションの終了後に、当該コンテンツデータ記憶領域を解放することを特徴とするコンテンツ共有通信方法。
【0028】
上記(8)のコンテンツ共有通信方法では、双方の通信当事者間での通話セッションを管理すると共に、何れかの通信当事者からのコンテンツ共有通信サービス要求を受付けて前記コンテンツ共有通信サービスをサポートする。
そして、一方の通信当事者の操作に応じて双方の通信当事者間で共有されるコンテンツを前記双方の通信当事者からアクセス可能に保持するためのコンテンツデータ記憶領域を前記ネットワーク上に開設し、前記双方の通信当事者間での通話セッションの終了後に、当該コンテンツデータ記憶領域を解放する。
【発明の効果】
【0029】
簡単な操作によってコンテンツを共有しながら通話を行うことができ、且つ、コンテンツのデータを必ずしも相手方に供与することなく実効的にコンテンツを共有することが可能な、コンテンツ共有通信システム、通信システム管理サーバ、コンテンツ共有管理サーバ、コンテンツ共有通信サービス管理装置、および、コンテンツ共有通信方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一つの実施の形態としてのコンテンツ共有通信システムをコンテンツ共有通信状態時の情報の流れを伴って表す図である。
【図2】図1のコンテンツ共有通信システムにおける音声通話切断時の情報の流れを表す図である。
【図3】図1のコンテンツ共有通信システムにおいて適用される通信システム管理サーバの構成を例示する機能ブロック図である。
【図4】図1のコンテンツ共有通信システムにおいて適用されるコンテンツ共有管理サーバの構成を例示する機能ブロック図である。
【図5】本発明の他の実施の形態としてのコンテンツ共有通信システムをコンテンツ共有通信状態時の情報の流れを伴って表す図である。
【図6】図5のコンテンツ共有通信システムにおいて適用されるコンテンツ共有通信サービス管理装置の構成を例示する機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより、本発明を明らかにする。
(コンテンツ共有通信システムの構成の概要)
図1は、本発明の一つの実施の形態としてのコンテンツ共有通信システムを表す機能ブロック図である。
図1のコンテンツ共有通信システムでは、通信サービスの一態様として画像等のコンテンツを共有しながら音声通話を行う通信(コンテンツ共有通信サービスによる通話であり、以下、適宜、コンテンツ共有通信という)が可能である。
図1のコンテンツ共有通信システムにおけるコンテンツ共有通信では、一方の通信当事者(以下、当事者A)は、携帯情報端末装置111およびパーソナルコンピュータ112を、コンテンツ共有通信における当事者A側の端末装置110として用いる。
【0032】
同様に、他方の通信当事者(以下、当事者B)は、携帯情報端末装置121およびパーソナルコンピュータ122を、コンテンツ共有通信における当事者B側の端末装置120として用いる。
当事者Aおよび当事者B間、即ち、端末装置110および端末装置120を間のコンテンツ共有通信は、ネットワーク100を介して行われる。ネットワーク100には、基地局、基地局制御装置、交換機、HLR等々の携帯情報端末装置による通信を可能にするための公知の各ノードやサーバが含まれるが、これらについては本発明思想の特徴との関連において別段の構成・作用を持つものではないため、説明を省略する。
このネットワーク100には、通信システム管理サーバ130、および、コンテンツ共有管理サーバ140が接続されている。
【0033】
通信システム管理サーバ130は、ネットワーク100における通信当事者間でのセッションを監視し、該当するセッションが確立している期間に亘ってコンテンツ共有通信のサービスをサポートし、更に、所要に応じて該期間を超えて通信当事者間での通信を管理する。
コンテンツ共有管理サーバ140は、通信システム管理サーバ130との連携によって、ネットワーク100における通信当事者間でのコンテンツ共有通信のセッションが確立している期間に亘って、コンテンツ共有通信において通信当事者間で共有されるコンテンツのデータ(以下、適宜、コンテンツデータという)をアクセス可能に保持するためのコンテンツデータ記憶領域を開設する。
【0034】
尚、上述の構成において、通信システム管理サーバ130とコンテンツ共有管理サーバ140とは、所定の伝送路によって直接的に結ばれ、同一の事業者によって運営、管理される形態で設置される形態が採られ得る。しかしながら、コンテンツ共有通信サービスを提供するためのシステムは、この形態に限定される必然はない。
即ち、通信システム管理サーバ130とコンテンツ共有管理サーバ140とは、ネットワーク100を介して結ばれ、且つ、通信システム管理サーバ130とコンテンツ共有管理サーバ140は別個の事業者によって運営、管理される形態が採られ得る。
【0035】
(コンテンツ共有通信サービスの開始プロセス)
次に、図1を参照してコンテンツ共有通信サービスの開始プロセスについて説明する。
P1:当事者Aが当事者Bに通常の如く電話をかけることによって、当事者A,B間(携帯情報端末装置111、121間)に通話セッションが確立する。当事者A,B間での通話セッションの管理は通信システム管理サーバ130の所管である(図1において破線にてその概念を図示)。
尚、通話セッションが確立する過程では、従来のシステムにおけると同様に基地局、基地局制御装置、交換機、HLR等々が関与するが、これら自体については既述の図示省略の経緯のとおり公知である。
P2:通信システム管理サーバ130は、ネットワーク100においてP1での通話セッションが確立したことを認識する。
【0036】
P3:当事者Aは、P1で通話セッションが確立すると、次いで、携帯情報端末装置111またはパーソナルコンピュータ112を用いて、コンテンツ共有管理サーバ140にアクセスする。
P4:上記P3でのアクセスを受けたコンテンツ共有管理サーバ140は、通信システム管理サーバ130に、当事者Aがこのネットワーク100でのサービスを利用可能な正規の加入者であるか否かを確認し、且つ、当事者Aの通話相手を確認する。ここでは、当事者Aはコンテンツ共有通信サービスを含むサービスを利用可能な正規の加入者であるものとする。
P5:通信システム管理サーバ130は、P4での確認を受けて、当事者Aは正規の加入者であり、且つ、当事者Aの通話相手は当事者Bである旨コンテンツ共有管理サーバ140に通知する。
【0037】
P6:コンテンツ共有管理サーバ140は、当事者Aおよび当事者B用の共有コンテンツを双方の通信当事者からアクセス可能に保持するためのコンテンツデータ記憶領域を開設する。
P7:コンテンツ共有管理サーバ140は、P6で開設したコンテンツデータ記憶領域へのアクセス先(URL)を当事者Aに通知する。この通知に応じて、当事者Aは、パーソナルコンピュータ112から上記アクセス先(URL)に接続する。尚、この場合、当事者Aは、パーソナルコンピュータ112を用いるに替えて、携帯情報端末装置111から上記アクセス先(URL)に接続することもできる。
P8:当事者Aのパーソナルコンピュータ112の表示部にコンテンツデータ記憶領域が表示される。上述のように携帯情報端末装置111から上記アクセス先(URL)に接続した場合には、携帯情報端末装置111の表示部にコンテンツデータ記憶領域が表示される。
【0038】
P9:当事者Aがパーソナルコンピュータ112または携帯情報端末装置111から通話先と共有を意図している、例えば動画や静止画等のコンテンツデータを上記アクセス先(URL)であるコンテンツデータ記憶領域に格納する。即ち、当事者A側の端末装置110(携帯情報端末装置111、パーソナルコンピュータ112)からコンテンツ共有管理サーバ140にコンテンツデータをアップロードする。
尚、P9におけるコンテンツデータの格納は、サーバホスティング事業者が運営するネットワーク上のサーバの特定記憶領域に用意してあったコンテンツデータのうちから当事者Aが選択したものを、上述のコンテンツデータ記憶領域に転送することによって格納するようにしてもよい。
P10:コンテンツ共有管理サーバ140は、コンテンツデータ記憶領域にコンテンツデータが格納されたことを当事者B(そのパーソナルコンピュータ122)に通知する。
【0039】
P11:上記P10での通知を受けて、当事者Bがパーソナルコンピュータ122からコンテンツ共有管理サーバ140のコンテンツデータ記憶領域にアクセスする。
P12:上記P10でのアクセスを受けたコンテンツ共有管理サーバ140は、当事者Bが正規の加入者であるか否かを通信システム管理サーバ130に確認し、且つ、当事者Bの通話相手を確認する。ここでは、当事者Bは正規の加入者であるものとする。
P13:通信システム管理サーバ130は、P12での確認を受けて、当事者Bは正規の加入者であり、且つ、当事者Bの通話相手は当事者Aである旨コンテンツ共有管理サーバ140に通知する。
【0040】
P14:上記P13での処理によって、コンテンツ共有管理サーバ140のコンテンツデータ記憶領域に当事者Aが格納したコンテンツデータへの当事者B側の端末装置120(携帯情報端末装置121、パーソナルコンピュータ122)からのアクセスが許容されることになる。
従って、当事者Aおよび当事者Bは、当事者A側の端末装置110(携帯情報端末装置111、パーソナルコンピュータ112)および事者B側の端末装置120(携帯情報端末装置121、パーソナルコンピュータ122)からコンテンツ共有管理サーバ140のコンテンツデータ記憶領域における上述のコンテンツデータによるコンテンツを共有しながら通話を行うことができる。
【0041】
(コンテンツ共有通信サービスの終了プロセス)
次に、図2を参照してコンテンツ共有通信サービスの終了プロセスについて説明する。
図2は、図1のコンテンツ共有通信システムにおける音声通話切断時の情報の流れを表す図である。
P15:当事者A(携帯情報端末装置111)および当事者B(携帯情報端末装置121)での通話が終了する。
P16:通信システム管理サーバ130は、通話セッションが終了したことを認識する。
P17:通信システム管理サーバ130は、通話セッションが終了したことをコンテンツ共有管理サーバ140に通知する。
【0042】
P18:コンテンツ共有管理サーバ140はP17の通知を受けて、上述のコンテンツデータ記憶領域を解放する。この解放は、コンテンツデータ記憶領域における保持データを消去する操作と共に実行され得る。そして、解放時点以降は、当事者A側の端末装置110(携帯情報端末装置111、パーソナルコンピュータ112)および事者B側の端末装置120(携帯情報端末装置121、パーソナルコンピュータ122)からこのコンテンツデータ記憶領域へのアクセスが遮断される。
【0043】
(通信システム管理サーバの構成)
図3は、図1のコンテンツ共有通信システムにおいて適用される通信システム管理サーバの構成を例示する機能ブロック図である。尚、図3では、図1における通信システム管理サーバ130について、改めて、符号300を割当てている。
図示のように、この実施の形態では、通信システム管理サーバ300は、セッション管理部310、コンテンツ共有管理サーバインターフェース部320、正規加入者識別部330、および、セッション終了通知部340を含んで構成されている。
セッション管理部310は、関与するネットワーク100における通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報(例えば、加入者情報、コンテンツ共有通信サービスに係る契約状況の情報等)を図示しないHLRや上述のコンテンツ共有管理サーバ等の外部と授受する。
【0044】
また、コンテンツ共有管理サーバインターフェース部320はコンテンツ共有管理サーバ140と所要の情報の授受を行うためのインターフェース部である。
更に、正規加入者識別部330は通信当事者が正規の加入者であるか否かの識別を行う機能部であり、それ自体はこの種のシステムにおける通常の機能部である。
そして、セッション終了通知部340は、セッション管理部310が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、コンテンツ共有管理サーバ140に該セッションの終了を通知する。
【0045】
(コンテンツ共有管理サーバの構成)
図4は、図1のコンテンツ共有通信システムにおいて適用されるコンテンツ共有管理サーバの構成を例示する機能ブロック図である。尚、図4では、図1におけるコンテンツ共有管理サーバ140について、改めて、符号400を割当てている。
図示のように、この実施の形態では、コンテンツ共有管理サーバ400は、コンテンツデータ記憶領域開設制御部410、コンテンツデータ記憶領域解放制御部420、通信システム管理サーバインターフェース部430、および、ユーザインターフェース部440を含んで構成されている。また、コンテンツ共有管理サーバ400は外部の記憶装置450と接続される。そして、この記憶装置450はネットワーク100経由で外部からアクセス可能な記憶領域を保有している。
【0046】
コンテンツデータ記憶領域開設制御部410は、通信システム管理サーバ300(図1:130)から、通信当事者間でのセッションが確立した旨の通知、および、通信当事者は当該通信システムにおける正規加入者である旨の通知を、通信システム管理サーバインターフェース部430を通して受信し、且つ、何れかの通信当事者(例えば、当事者A)によるコンテンツ共有通信サービスに入るための、例えば、携帯情報端末装置111の特定の番号キーへの操作等の所定の操作に基づくコンテンツ共有通信サービス要求を、ユーザインターフェース部440を通して受付けると、該当するコンテンツデータ記憶領域を記憶装置450に開設する。
通信システム管理サーバインターフェース部430は通信システム管理サーバと所要の情報の授受を行うためのインターフェース部である。
【0047】
また、ユーザインターフェース部440は、通信当事者からのコンテンツ共有通信サービス要求およびその他の操作を受付けるためのインターフェース部である。
上述のように記憶装置450に開設されたコンテンツデータ記憶領域には、本コンテンツ共有通信サービスに係る何れの当事者(当事者A、当事者B)からもアクセス可能であり、双方の当事者は同じコンテンツを観察乃至鑑賞しながら、通話を行うことが可能になる。
但し、本実施の形態では、当該コンテンツデータ記憶領域に自ら意図したコンテンツをアップロード乃至転送することによって他方の当事者Bと共有可能にした一方の当事者Aのコンテンツデータは、他方の当事者Bにおいてダウンロード等により取得することは禁止される。
【0048】
この禁止を行うための手法自体は、例えば、次のURLに所在の情報等により公知である:
http://www.css-lecture.com/log/javascript/dwimageprotector.html
http://www.netmania.jp/technique/hp/error.php
そして、コンテンツデータ記憶領域解放制御部420は、通信システム管理サーバ300(図1:130)から、通信システム管理サーバインターフェース部430を通して伝達される、当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションの終了通知に応じて、記憶装置450におけるコンテンツデータ記憶領域を解放する。
この解放は、コンテンツ共有管理サーバ400或いは記憶装置450自体に対してコンテンツ共有通信サービスの利用者(当事者B)からのアクセスを遮断する態様でも実行され得る。しかし、本例の場合は、記憶装置450に開設されていたコンテンツデータ記憶領域を特定して、該特定した記憶領域への当事者Bからのアクセスを遮断する態様が採られる。
【0049】
以上のとおり、図1乃至図4を参照して説明した実施の形態では、本コンテンツ共有通信サービスに係る通信当事者(当事者A、当事者B)間では、双方の通信当事者間に通話セッションが確立している期間に限ってコンテンツの共有がなされ、当該通話セッションの終了と共にコンテンツの共有も解消する。
従って、結果的に、共有に供したコンテンツデータを一方の通信当事者から他方の通信当事者に対して供与することなくコンテンツ共有通信サービスの通話が行われ、その期間に限って実効的にコンテンツの共有が実現する。
このため、コンテンツ共有通信の利便性を双方の通信当事者間で享受しつつも、コンテンツデータの供与については不所望とするような利用者の意思をも理想的に反映された通信が実現する。
【0050】
より具体的には、例えば、次のような場面が想定される。即ち、或る商品の営業担当者が特別な得意先である顧客に、開発中の新商品の画像を提示して種々電話で口頭説明するような場面がこれに該当する。特別な得意先であるからこそ、早期に新商品のイメージをコンテンツ共有通信によって提示する。このように、電話であるとはいえ、早期に且つイメージを伴うという他とは一線を画すような水準の接遇をすることは、新商品購入の予約実績に結びつく蓋然性が高い。しかしながら、画像を提示する時期がプレス発表前であったり、仕様については未確定な部分を残すといった極めて早期の時点である場合などでは、当該新商品の画像に関する元データが第三者に流出することは回避したい。そして、このような場面において特に、本発明のシステムによって実現されるコンテンツ共有通信サービスは、格好の営業ツールとなり得る。
【0051】
画像(イメージコンテンツ)を伴ってはじめて可能になる微妙なイメージに亘る詳細な説明が簡易な操作で可能になる一方で、当該新商品のイメージコンテンツの元データまでは顧客に供与せず、手許に留保しておくことが可能であるからである。
一方、より日常的な場面において、利便性を享受しつつプライバシーの保護やセキュリティーの面から安心して利用することができる場面が想定される。
例えば、友人同士で会話をしながら静止画や動画(イメージコンテンツ)を共有する場合において、自分の昔の写真や、自分以外の人が写っている写真などについては、相手方にこれらのデータが残ってしまうことは避けたいといったことも少なくない。本発明の実施の形態によれば、このような場合においても、安心して仲間同士で静止画や動画(イメージコンテンツ)を共有し、一緒に見ながら歓談することが可能である。
【0052】
また、昨今、引越しの見積もりを電話とその後の引越し業者の訪問によって行うことが多い。このような場合、電話での連絡に際して、室内や家の状況を写真で引越し業者と共有しておけば、訪問前に大まかな見当をつけることができる。従って、予め相応の用意をすることが可能になり、より実情に即した質の高いサービスが期待できる。しかしながら、室内や家の状況の写真(画像データ)が引越し業者側に保存されてしまうことは望ましくない。本発明の実施の形態によれば、上述のような不所望な点を回避しつつ、イメージコンテンツの共有によるサービス向上という利点を享受できる。
【0053】
更にまた、異なる視点において、本発明は、コンテンツの受信者側となる通信当事者に特定の便宜を与えるものとなる。即ち、コンテンツの受信者側の端末装置に当該コンテンツデータをダウンロードすることがそのコンテンツを利用するための必須の条件となるようなシステムでは、当該端末装置の紛失は、そのまま当該コンテンツの紛失を意味する。しかしながら、本発明の実施の形態では、コンテンツの利用は該当するURLへのアクセスによるものであって、当該コンテンツデータをダウンロードしておくことを前提としていない。このため、仮にも、当該端末装置を紛失したとしても、その紛失が、当該コンテンツデータの状態に影響することがない。
【0054】
尚、以上に説明したコンテンツ共有通信システムは、通信システム管理サーバとコンテンツ共有管理サーバとを別個のものとして設置し、上述のように機能分担する形態を採るものであった。
このように機能分担する形態を採る場合は、セッションの監視機能を担う通信システム管理サーバ内に他の機能部を付加することによって、或いは、セッションの監視に基づいて取得される情報を外部に提供することによって、例えば、プレゼンスサービス(通話中や通話待機中といった通信当事者の状態を第三者に表示するサービス)のような他のサービスを提供するための機能部としても上述の通信システム管理サーバを兼用するといった他の応用面での展開が期待できる。
【0055】
(他の実施の形態におけるコンテンツ共有通信システム)
図5は、本発明の他の実施の形態としてのコンテンツ共有通信システムをコンテンツ共有通信状態時の情報の流れを伴って表す図である。
図5において、既述の図1との対応部は同一の符号によって示されている。
この図5におけるコンテンツ共有通信管理装置500は、図1の実施の形態における通信システム管理サーバ130の機能とコンテンツ共有管理サーバ140の機能とが統合された機能を保有する。
従って、図1を参照して既述の、P4(当事者Aが正規加入者であるかの確認と、通話相手の確認)、P5(P4への返答)、P12(当事者Bが正規加入者であるかの確認と、通話相手の確認)、および、P13(P12への返答)の処理、乃至これらに準ずる処理は、コンテンツ共有通信管理装置500内で実行される。
【0056】
他の、P1、P2、P3、P6、P7、P8、P9、P10、P11、P14、P15の処理については図1を参照して既述のところと実質的に同様であるため、図5においてこれらの番号を表記し、対応する番号を参照して図1について説明した記述を援用する。
また一方、図2を参照して既述のコンテンツ共有通信サービスの終了プロセスについても、同様に、当事者Aと当事者Bとの通話が終了すると(P15)、コンテンツ共有通信管理装置500は通話の終了を認識し(P16)、コンテンツデータ記憶領域の解放処理が実行される(P18)。この場合、コンテンツ共有通信管理装置500内では、通信システム管理サーバ130は、通話セッションが終了したことをコンテンツ共有管理サーバ140に通知する処理(P17)に準ずる処理が行われるか乃至は省略され得る。
【0057】
(コンテンツ共有通信管理装置の構成)
図6は、図5のコンテンツ共有通信システムにおいて適用されるコンテンツ共有通信サービス管理装置の構成を例示する機能ブロック図である。
図6において、コンテンツ共有通信管理装置500は、セッション管理部510、ユーザインターフェース部520、コンテンツデータ記憶領域開設制御部530、および、コンテンツデータ記憶領域解放制御部540を含んで構成されている。また、コンテンツ共有通信管理装置500は外部の記憶装置550と接続される。そして、この記憶装置550はネットワーク100経由で外部からアクセス可能な記憶領域を保有している。
セッション管理部510は、関与するネットワーク100における通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報(例えば、加入者情報、コンテンツ共有通信サービスに係る契約状況の情報等)を図示しないHLR等の外部装置と授受する。
【0058】
また、ユーザインターフェース部520は、何れかの通信当事者(例えば、当事者A)によるコンテンツ共有通信サービスに入るための、例えば、携帯情報端末装置111の特定の番号キーの操作等の所定の操作に基づくコンテンツ共有通信サービス要求を受付ける。
更に、コンテンツデータ記憶領域開設制御部530は、ユーザインターフェース部520が当該コンテンツ共有通信サービス要求を受付けたときには、当該共有するコンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を記憶装置550に開設する。
上述のように開設されたコンテンツデータ記憶領域には、本コンテンツ共有通信サービスに係る何れの通信当事者(当事者A、当事者B)からもアクセス可能であり、双方の通信当事者は同じコンテンツを観察乃至鑑賞しながら、通話を行うことが可能になる点は、図1乃至図4を参照して既述の実施の形態と同様である。
【0059】
また、当該コンテンツデータ記憶領域に自ら意図したコンテンツをアップロード乃至転送することによって他方の当事者Bと共有可能にした一方の当事者Aのコンテンツデータは、他方の当事者Bにおいてダウンロード等により取得することは禁止される点も既述の実施の形態と同様である。
そして、コンテンツデータ記憶領域解放制御部540は、セッション管理部510における当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッション終了の認識に応じて、記憶装置550におけるコンテンツデータ記憶領域を解放する。
この解放は、記憶装置550自体に対してコンテンツ共有通信サービスを利用する通信当事者(当事者B)からのアクセスを遮断する態様でも実行され得る。しかし、本例の場合は、記憶装置550に開設されていたコンテンツデータ記憶領域を特定して、該特定した記憶領域への当事者Bからのアクセスを遮断する態様が採られる。
【0060】
以上、図5および図6を参照して説明した実施の形態においても、本コンテンツ共有通信サービスに係る通信当事者(当事者A、当事者B)間では、双方の通信当事者間に通話セッションが確立している期間に限ってコンテンツの共有がなされ、当該通話セッションの終了と共にコンテンツの共有も解消する。
従って、結果的に、共有に供したコンテンツデータを一方の通信当事者から他方の通信当事者に対して供与することなくコンテンツ共有通信サービスの通話が行われ、その期間に限ってコンテンツの共有が実現する。
【0061】
このため、コンテンツ共有通信の利便性を双方の通信当事者間で享受しつつも、コンテンツデータの供与については不所望とする利用者の意思が理想的に反映された通信が実現する。
具体的な場面については、図1乃至図4を参照して説明した実施の形態に関する場合と同様である。また、通信当事者が端末装置を紛失したような場合における影響に関しても前述同様である。
【符号の説明】
【0062】
100………………ネットワーク
110………………端末装置(当事者A側)
111………………携帯情報端末装置
112………………パーソナルコンピュータ
120………………端末装置(当事者B側)
121………………携帯情報端末装置
122………………パーソナルコンピュータ
130………………通信システム管理サーバ
140………………コンテンツ共有管理サーバ
300………………通信システム管理サーバ
310………………セッション管理部
320………………コンテンツ共有管理サーバインターフェース部
330………………コンテンツデータ記憶領域開設指令部
340………………セッション終了通知部
400………………コンテンツ共有管理サーバ
410………………コンテンツデータ記憶領域開設制御部
420………………コンテンツデータ記憶領域解放制御部
430………………記憶装置
500………………コンテンツ共有通信管理装置
510………………セッション管理部
520………………ユーザインターフェース部
530………………コンテンツデータ記憶領域開設制御部
540………………コンテンツデータ記憶領域解放制御部
550………………記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスを提供するコンテンツ共有通信システムであって、
前記双方の通信当事者間での通話セッションを管理し、当該通話セッションの終了時には通話セッション終了通知を発する通信システム管理サーバと、
前記通信システム管理サーバによる管理下で、何れかの通信当事者からの前記コンテンツ共有通信サービスの利用申し込み情報を受付けて双方の通信当事者間で共有されるコンテンツを前記双方の通信当事者からアクセス可能に保持するためのコンテンツデータ記憶領域を開設し、前記通信システム管理サーバからの前記通話セッション終了通知を受けて、当該コンテンツデータ記憶領域を解放するコンテンツ共有管理サーバと、
を含んで構成されていることを特徴とするコンテンツ共有通信システム。
【請求項2】
前記通信当事者間での通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報を外部と授受するセッション管理部と、
前記セッション管理部が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、前記コンテンツ共有管理サーバに通話セッション終了通知を発するセッション終了通知部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ共有通信システム。
【請求項3】
前記通信システム管理サーバによる管理下で、何れかの通信当事者からの前記コンテンツ共有通信サービスの利用申し込み情報を受付けて該当するコンテンツデータ記憶領域を開設するコンテンツデータ記憶領域開設制御部と、
前記通信システム管理サーバからの当該コンテンツ共有通信サービスに係る通話セッション終了通知に応じて前記コンテンツデータ記憶領域を解放するコンテンツデータ記憶領域解放制御部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ共有通信システム。
【請求項4】
一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをサポートする通信システム管理サーバと、前記通信システム管理サーバの管理下で当該コンテンツ共有通信サービスにおける共有コンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を管理するコンテンツ共有管理サーバとを含んで構成されるコンテンツ共有通信システムに適合する通信システム管理サーバであって、
前記通信当事者間での通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報を外部と授受するセッション管理部と、
前記セッション管理部が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、前記コンテンツ共有管理サーバに通話セッション終了通知を発するセッション終了通知部と、
を備えていることを特徴とする通信システム管理サーバ。
【請求項5】
一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをサポートする通信システム管理サーバと、前記通信システム管理サーバの管理下で当該コンテンツ共有通信サービスにおける共有コンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を管理するコンテンツ共有管理サーバとを含んで構成されるコンテンツ共有通信システムに適合するコンテンツ共有管理サーバであって、
前記通信システム管理サーバによる管理下で、何れかの通信当事者からの前記コンテンツ共有通信サービスの利用申し込み情報を受付けて該当するコンテンツデータ記憶領域を開設するコンテンツデータ記憶領域開設制御部と、
前記通信システム管理サーバからの当該コンテンツ共有通信サービスに係る通話セッション終了通知に応じて前記コンテンツデータ記憶領域を解放するコンテンツデータ記憶領域解放制御部と、
を備えていることを特徴とするコンテンツ共有管理サーバ。
【請求項6】
一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをコンテンツ共有通信サービス管理装置による管理下で提供するコンテンツ共有通信システムであって、
前記コンテンツ共有通信サービス管理装置は、双方の通信当事者間での通話セッションを管理し、前記何れかの通信当事者による所定の操作に基づくコンテンツ共有通信サービス要求を受付けて前記コンテンツ共有通信サービスをサポートし、前記一方の通信当事者の操作に応じて双方の通信当事者間で共有されるコンテンツを前記双方の通信当事者からアクセス可能に保持するためのコンテンツデータ記憶領域を開設し、前記双方の通信当事者間での通話セッションの終了後に、当該コンテンツデータ記憶領域を解放することを特徴とするコンテンツ共有通信システム。
【請求項7】
一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスをサポートするコンテンツ共有通信サービス管理装置であって、
前記通信当事者間での通話セッションの状況を監視して呼制御に係る所要の情報を外部と授受するセッション管理部と、
前記何れかの通信当事者による所定の操作に基づくコンテンツ共有通信サービス要求を受付けるユーザインターフェース部と、
前記ユーザインターフェース部が受付けた当該コンテンツ共有通信サービス要求に応じて当該共有するコンテンツを保持するコンテンツデータ記憶領域を開設するコンテンツデータ記憶領域開設制御部と、
前記セッション管理部が当該コンテンツ共有通信サービスに係るセッションが終了したことを検出したときには、前記コンテンツデータ記憶領域を解放するコンテンツデータ記憶領域解放制御部と、
を備えていることを特徴とするコンテンツ共有通信サービス管理装置。
【請求項8】
ネットワークにおける一方の通信当事者および他方の通信当事者の双方の通信当事者間でコンテンツを共有しながら通話を行うことが可能なコンテンツ共有通信サービスを提供するコンテンツ共有通信方法であって、
前記双方の通信当事者間での通話セッションを管理し、何れかの通信当事者からのコンテンツ共有通信サービス要求を受付けて前記コンテンツ共有通信サービスをサポートするための管理を実行し、
前記一方の通信当事者の操作に応じて双方の通信当事者間で共有されるコンテンツを前記双方の通信当事者からアクセス可能に保持するためのコンテンツデータ記憶領域を前記ネットワーク上に開設し、前記双方の通信当事者間での通話セッションの終了後に、当該コンテンツデータ記憶領域を解放することを特徴とするコンテンツ共有通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−99916(P2012−99916A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243993(P2010−243993)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】