説明

コンテンツ再生処理装置およびコンテンツ再生システム

【課題】災害情報等の速報情報を含まないコンテンツの再生中であっても速報情報をユーザーに提供可能な技術を得る。
【解決手段】コンテンツ再生処理装置20は主コンテンツ処理手段200と速報情報処理手段300と合成手段400とを含む。手段200は、再生対象コンテンツ102をコンテンツ源100から取得し、コンテンツ102を再生して主コンテンツ104として出力する。手段300は、コンテンツ102に含まれない速報情報を含んだ速報供給データ132を速報情報源130から取得し、速報供給データ132から速報情報を抽出し、速報情報を速報コンテンツ138として出力する。手段400は、速報コンテンツ138が入力された場合は速報コンテンツ138を主コンテンツ104に合成して合成コンテンツ190を出力し、速報コンテンツ138が入力されていない場合は主コンテンツ104を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生処理装置およびコンテンツ再生システムに関し、特に災害情報や速報ニュース等の速報情報を含まないコンテンツの再生中であっても速報情報をユーザーに提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からテレビジョン放送では、災害情報や速報ニュース等の速報情報が、放送の映像および/または音声に重畳される場合がある。例えば地上デジタルテレビジョン放送等では、放送局が、速報情報のTS(トランスポートストリーム)パケットを、放送の映像および/または音声のTSパケットとは別個に生成し、放送のTSパケットとともに多重化して送出する方式がある。より具体的には、速報情報は、文字スーパーのデータとして所定の方式で符号化され、TSパケットに分割され、放送のTSパケットとともに送出される。また、速報情報を、テロップとして放送映像に重畳することにより、放送映像のTSパケットとして送出する方式もある。
【0003】
ところで、近年、ネットワーク回線の普及や、ネットワーク機能を有するデジタル放送再生端末の普及によって、例えばインターネットを利用したVOD(ビデオオンデマンド)の動画配信サービスが数多く提供されている。このような動画配信サービスでは、TS形式のデータとして符号化されたコンテンツデータが配信サーバーに格納されている。TS形式のデータでは、映像および/または音声は所定の符号化方式で符号化された後にTSパケットに分割され、これらのTSパケットが再生順等に従って多重化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−290794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のインターネットを利用したVODサービスでは、災害情報や速報ニュース等の速報情報を急遽挿入する運用が必ずしもなされていないのが現状である。
【0006】
VODサービスにおいて速報情報を挿入するための技術が、例えば特許文献1に紹介されている。この技術では、表示すべき文字情報が無い場合でも、例えばNULLデータ等で構成される字幕パケット(透明字幕パケット)を予めTSデータ内に多重化しておく。そして、急遽、新規の字幕データを挿入表示する場合、その新規字幕データのパケットを、上記の予め用意されていた透明字幕パケットに上書きする。この上書きされたTSデータを配信することによって、VODサービスでも速報情報が表示される。
【0007】
しかし、この技術によれば、透明字幕パケットの生成および上書きのための処理を、配信する全てのコンテンツに対して行う必要がある。このため、コンテンツ配信サーバーを増強しなければならない状況が生じうる。大規模なサーバーの利用または保有はVODサービス提供者にとって負担である。他方、VODサービス利用中に速報情報が提供されないのは、ユーザーにとって利便性が低い。
【0008】
なお、VODサービスに限らず、コンテンツの再生中に速報情報が提供されない状況は種々存在する。
【0009】
本発明は、災害情報や速報ニュース等の速報情報を含まないコンテンツの再生中であっても速報情報をユーザーに提供可能なコンテンツ再生処理装置およびコンテンツ再生システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、再生対象のコンテンツをコンテンツ源から取得し、取得した前記コンテンツを再生して主コンテンツとして出力する主コンテンツ処理手段と、前記再生対象コンテンツに含まれない速報情報を含んだ速報供給データを速報情報源から取得し、取得した前記速報供給データから前記速報情報を所定の抽出処理によって抽出し、抽出した前記速報情報を速報コンテンツとして出力する速報情報処理手段と、前記速報情報処理手段から前記速報コンテンツが入力された場合には前記速報コンテンツを前記主コンテンツに合成し、得られた合成コンテンツを出力する一方で、前記速報コンテンツが入力されていない場合には前記主コンテンツを出力する合成手段と、を含むコンテンツ再生処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
上記の一態様によれば、コンテンツ再生処理装置は、速報情報を取得して速報コンテンツとして出力する速報情報処理手段と、速報コンテンツを再生中の主コンテンツに合成する合成手段とを有している。このため、速報情報を含まないコンテンツの再生中であっても速報情報をユーザーに提供することができる。
【0012】
本発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1に係るコンテンツ再生システムを例示するブロック図である。
【図2】速報供給データの構成を例示する概念図である。
【図3】速報供給データの他の構成を例示する概念図である。
【図4】表示領域分割合成を例示する模式図である。
【図5】実施の形態3に係るコンテンツ再生処理装置を例示するブロック図である。
【図6】実施の形態4に係るコンテンツ再生処理装置を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態1>
図1に実施の形態1に係るコンテンツ再生システム(以下、再生システムとも称する)10のブロック図を例示する。図1の例では再生システム10は、コンテンツ再生処理装置(以下、再生処理装置とも称する)20と、コンテンツ出力装置(以下、出力装置とも称する)30とを含んでいる。なお、図1では符号20について「コンテンツ再生処理装置」を「コンテンツ再生処理」と表記しており、同様の表記手法を他の要素および他の図面についても用いる場合がある。
【0015】
図1には、説明のため、再生システム10で再生するコンテンツ(より詳細にはコンテンツのデータ)102の供給源であるコンテンツ源100と、災害情報や緊急ニュース等の速報情報を含んだデータ132の供給源である速報情報源130も図示している。なお、速報情報源130から供給される速報情報を含んだ上記データ132を、速報供給データ132とも称することにする。特にコンテンツ源100から配信されるコンテンツ102は、速報情報を含まないものとする。
【0016】
以下では、説明のため、次のような例を挙げる。但し、本発明はこの例に限定されるものではなく、後述の更なる例を含めて種々の実施の形態が想定され得る。
【0017】
まず、コンテンツ再生システム10が、インターネット経由のVOD(ビデオオンデマンド)サービスを利用可能に構成されている場合を例示する。
【0018】
この例によれば、コンテンツ源100はVODサービス提供者のコンテンツ配信サーバーに対応し、当該コンテンツ源100はインターネット経由で再生システム10に接続される。
【0019】
また、ここでは、速報情報は、VODサービス提供者がユーザー向けに提供するものとする。この例によれば、速報情報源130は、VODサービス提供者によって予め準備され速報情報が登録されるサーバー(以下、速報情報専用サーバーとも称する)に対応し、当該速報情報源130はインターネット経由で再生システム10に接続される。但し、速報供給データ132は配信コンテンツ102とは別の信号で伝達されるものとする。
【0020】
なお、速報情報専用サーバーがVODサービス提供者とは別の事業者によって準備される場合にも、以下の説明は当てはまる。すなわち、速報情報源130とコンテンツ源100とは別々の事業者によって準備されていても構わない。
【0021】
なお、ここでの例によれば、コンテンツ源100と速報情報源130の両方が再生システム10の外部、従って再生処理装置20の外部に設けられることになる。
【0022】
また、再生システム10がコンテンツ源100から取得する再生対象コンテンツ102が、視覚的コンテンツと聴覚的コンテンツの両方を含む場合を例示する。但し、コンテンツ102は視覚的コンテンツと聴覚的コンテンツのいずれか一方のみで構成されていてもよい。
【0023】
ここで、視覚的コンテンツとは再生システム10のユーザーが視覚によって感知可能な形式で提供されるコンテンツであり、また、聴覚的コンテンツとは再生システム10のユーザーが聴覚によって感知可能な形式で提供されるコンテンツである。視覚的コンテンツは例えば映像、画像、グラフィックの形式によって表現される。聴覚的コンテンツは音声(例えば人の声、音楽等)の形式によって表現される。聴覚的コンテンツは音声コンテンツと称してもよい。
【0024】
なお、「映像」という用語は基本的に動画像に対して用い、「画像」という用語は基本的に静止画像に対して用い、「グラフィック」という用語は基本的に、再生システム10によって作成された動画像または静止画像に対して用いるものとする。但し、これらの用語は一般的に厳密に区別されているわけではなく、このため以下の説明においてもこれらの用語は適宜、解釈されるべきである。例えば、動画像と静止画像をまとめて画像と称する場合もある。また、映像と画像とグラフィックのうちの2つまたは3つが合成された(「混在した」、「組み合わされた」等と表現してもよい)視覚的コンテンツに対しては、映像と画像とグラフィックのいずれの用語も用いることが可能である。なお、映像、画像、グラフィック等は文字を含んでいても構わない。
【0025】
また以下の例では、速報供給データ132は、図2および図3の概念図に例示するように速報情報本体データ(以下、速報情報本体、速報情報等とも称する)134を含み、図3の概念図に例示するようにさらに付加的なデータ(以下、付加情報とも称する)136も含むことができるものとする。付加情報136として例えば、作成日時の情報や、制御情報が挙げられる(後に、さらに例示する)。なお、速報供給データ132は速報情報134および付加情報136以外の情報を含んでいても構わない。
【0026】
また、速報情報本体134が視覚的コンテンツと聴覚的コンテンツの両方で提供される場合を例示する。但し、速報情報本体134は視覚的コンテンツと聴覚的コンテンツのいずれか一方のみで提供されてもよい。
【0027】
<コンテンツ再生システム10>
上記のように、図1に例示の再生システム10は、コンテンツ再生処理装置20と、コンテンツ出力装置30とを含んでいる。
【0028】
コンテンツ再生処理装置20は、コンテンツ源100から再生対象のコンテンツ102を取得し、当該コンテンツ102を再生して主コンテンツ104としてコンテンツ出力装置30へ出力する。また、再生処理装置20は、速報情報源130から速報情報データ132を取得した場合には、当該速報情報データ132に対応する速報コンテンツ138を上記の再生された主コンテンツ104に合成し、合成したコンテンツ190をコンテンツ出力装置30へ出力する。
【0029】
再生処理装置20は、例えばハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現可能である。例えば、再生対象コンテンツ102および速報供給データ132の取得は、インターネット接続のためのインターフェース(I/F)機器、インターネット通信を行うためのソフトウェアによって実現可能である。また、例えば、コンテンツ102の再生およびコンテンツの合成はソフトウェアによって実現可能である。なお、ソフトウェアによる処理の一部または全部をハードウェア(例えば処理内容を実行可能に構成された専用回路)によって実現することも可能である。
【0030】
ソフトウェアによる処理は、例えば、マイクロプロセッサ(MPU、CPU、マイクロコンピュータとも称される)が所定のプログラムに記述された処理ステップ(換言すれば処理手順)を実行することによって、実現可能である。なお、マイクロプロセッサは例えばマルチプロセッサまたはマルチコアの構成を採用することも可能である。マイクロプロセッサが実行するプログラムは記憶装置に格納される。記憶装置は、当該プログラムを記憶する他に、各種データ等を記憶する。また、記憶装置は、プログラムを実行するための作業領域を提供する。記憶装置はROM、RAM、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM等)、ハードディスク(HD)等の記憶手段で構成可能である。なお、複数の記憶手段が設けられる場合には、それらをまとめて記憶装置と称するものとする。
【0031】
コンテンツ出力装置30は、コンテンツ再生処理装置20から主コンテンツ104または合成コンテンツ190を受け取り、受け取ったコンテンツをユーザーが視覚および聴覚で感知可能な形式で以て出力する。図1の例では、コンテンツ出力装置30は、視覚的コンテンツの表示を行う視覚的出力手段32と、聴覚的コンテンツの音声出力を行う聴覚的出力手段34とを含んでいる。視覚的出力手段32は、例えば液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置等の表示装置によって構成される。聴覚的出力手段34は、例えばスピーカー、ヘッドホン等の音声形成装置によって構成され、アンプ等の装置も適宜含んで構成される。
【0032】
両出力手段32,34は1つの装置として構成されていてもよいし、別々の装置として構成されていてもよい。例えばいわゆるテレビジョン装置をコンテンツ出力装置30に利用可能であり、この場合は両出力手段32,34が1つの装置であるテレビジョン装置によって提供される。また、例えば、音声出力機能を有さないモニターディスプレイ装置を視覚的出力手段32に利用する場合には、聴覚的出力手段34は別の装置として準備される。
【0033】
ここで、コンテンツ再生処理装置20は、VODサービス用の専用端末装置として構成可能である。また、パーソナルコンピュータ(PC)によって、再生処理装置20を構成することも可能である。また、再生処理装置20はテレビジョン装置に内蔵されてもよい。また、再生処理装置20は録画装置に内蔵されてもよい(換言すれば、当該再生処理装置20に録画機能を内蔵してもよい)。
【0034】
<コンテンツ再生処理装置20>
図1に例示のコンテンツ再生処理装置20は、主コンテンツ処理手段200と、速報情報処理手段300と、合成手段400と、操作手段(図示略)とを含んでいる。
【0035】
<主コンテンツ処理手段200>
主コンテンツ処理手段200は、再生対象のコンテンツ102をコンテンツ源100から取得し、取得したコンテンツ102に対して所定の再生処理を行い、再生処理後のコンテンツ104を出力する。図1の例では、主コンテンツ処理手段200は、コンテンツ取得手段202と、コンテンツ再生手段204とを含んでいる。
【0036】
コンテンツ取得手段202は、インターネット通信を行う手段であり、コンテンツ源100からインターネット経由で再生対象のコンテンツ102を受信する。ここでは、コンテンツ102が映像(換言すれば視覚的コンテンツ)と音声(換言すれば聴覚的コンテンツ)がTS(トランスポートストリーム)多重されたデータ形式でコンテンツ源100から送信される場合を例示する。但し、コンテンツ102の配信はTS形式に限定されるものではない。
【0037】
コンテンツ再生手段204は、受信したコンテンツ102に対して所定の再生処理を行う手段である。ここでは、コンテンツ102がTS形式で送信されるのに対応して、コンテンツ再生手段204はTS分離手段206と、映像復号手段208と、音声復号手段210とを含んでいる。
【0038】
TS分離手段206は、TS形式の受信データから映像のTSパケットと音声のTSパケットを分離する。映像パケットは映像復号手段208によって復号され、復号されたデータは映像コンテンツ(以下、主映像コンテンツとも称する)106として出力される。音声パケットは音声復号手段210によって復号され、復号されたデータは音声コンテンツ(以下、主音声コンテンツとも称する)108として出力される。
【0039】
主映像コンテンツ104と主音声コンテンツ106は、主コンテンツ104として主コンテンツ処理手段200から出力され、合成手段400へ入力される。
【0040】
<速報情報処理手段300>
速報情報処理手段300は、速報情報源130から速報供給データ132を取得し、取得した速報供給データ132から速報情報本体134を所定の抽出処理によって抽出し、抽出した速報情報本体134を速報コンテンツ138として出力する(図2および図3も参照)。図1の例では、速報情報処理手段300は、速報供給データ取得手段302と、速報情報抽出手段304とを含んでいる。
【0041】
速報供給データ取得手段302は、インターネット通信を行う手段であり、速報情報源130からインターネット経由で速報供給データ132を受信する。ここでは、速報供給データ132は速報情報源130から自動的に配信される場合を例示する。但しこの例に限定されるものではなく、例えば、速報情報抽出手段304が速報供給データ取得手段302を介して速報情報源130に定期的または不定期にアクセスし、速報供給データ132の存否を確認するようにしてもよい。
【0042】
なお、図1の例では、速報供給データ取得手段302がコンテンツ取得手段202とは別個に設けられている。しかし上記のように両手段202,302は機能的に共通するので、両手段202,302を同じハードウェア等で実現しても構わない。その場合、インターネット通信を担う単一の構成が、コンテンツ取得手段202として機能するとともに、速報供給データ取得手段302としても機能する。
【0043】
速報供給データ132は、例えばXML(eXtensible Markup Language)のようなタグ言語によって構成される。但し、速報供給データ132は他のデータ形式で構成されても構わない。
【0044】
タグ言語によれば、見出し、発生時刻、更新時刻、ジャンル、情報の概要、映像、音声、出力方法等のタグが設けられ、各タグに、対応する情報が記述される。この例によれば、見出し、発生時刻、更新時刻、ジャンル、情報の概要、映像、音声のタグの情報が速報情報本体134に対応する。なお、見出し、発生時刻、更新時刻、ジャンルおよび情報概要のうちの一部または全部を付加情報136(図3参照)として扱うことも可能である。出力方法タグの情報は、例えば速報コンテンツ138の出力時間、繰り返し回数等の制御情報であり、付加情報136に対応する。
【0045】
取得した速報供給データ132は、速報情報抽出手段304によって処理される。すなわち、速報情報抽出手段304は、速報供給データ132を解析することによって(より具体的には当該データ132のタグを識別することによって)速報情報本体134を抽出し、抽出した速報情報本体134を速報コンテンツ138として出力する。
【0046】
ここでは速報コンテンツ138が視覚的コンテンツ140と聴覚的コンテンツ142で構成される場合を例示するが、速報コンテンツ138が視覚的コンテンツ140と聴覚的コンテンツ142のいずれか一方のみで構成される場合をありうる。なお、以下、視覚的コンテンツ140を速報視覚的コンテンツ140とも称し、聴覚的コンテンツ142を速報聴覚的コンテンツ142とも称する。
【0047】
速報情報抽出手段304は、具体的には、映像タグの情報(すなわち映像データ)を視覚的コンテンツ140として出力し、音声タグの情報(すなわち音声データ)を聴覚的コンテンツ142として出力する。また、見出し、発生時刻、更新時刻、ジャンルおよび情報概要のタグの情報が文字や画像で構成されている場合、速報情報抽出手段304はその文字および/または画像をグラフィックとして構築し、視覚的コンテンツ140として出力する。
【0048】
視覚的コンテンツ140と聴覚的コンテンツ142は、速報コンテンツ138として速報情報処理手段300から出力され、合成手段400へ入力される。
【0049】
ここでは、上記のように、速報供給データ132から映像とグラフィックの両方が得られ、その両方が視覚的コンテンツ140として速報情報処理手段300から出力される場合を例示する。これに対し、映像とグラフィックの一方のみを出力するようにしても構わない。例えば映像による視覚的コンテンツ140を優先的に出力するという出力規則を予め設定しておき、当該出力規則に従って速報情報抽出手段304が処理を行えばよい。
【0050】
また、速報情報抽出手段304による速報供給データ132の解析結果によっては、映像とグラフィックのうちの一方だけしか得られない場合がある。その場合は、映像とグラフィックを区別することなく、得られたものを速報視覚的コンテンツ140として出力すればよい。なお、映像とグラフィックのいずれも得られない場合、速報情報処理手段300から速報視覚的コンテンツ140は出力されない。
【0051】
ところで、速報供給データ132が付加情報136を含む場合(図3参照)、速報情報抽出手段304等は付加情報136の内容に応じた処理を行う。例えば、上記例のように付加情報136によって出力方法が指示されている場合、速報情報抽出手段304は、その出力方法に従って速報コンテンツ138を合成手段400へ出力する。なお、速報供給データ132において出力方法の指示が無い場合、速報情報抽出手段304は、予め規定された出力方法で速報コンテンツ138を出力する。
【0052】
また、例えば付加情報136によって合成方法が指示されている場合(換言すれば、合成方法を示すタグが設けられている場合)、速報情報抽出手段304がその付加情報136を合成手段400へ転送し、合成手段400が、指示された合成方法に従って合成処理を行うようにすることが可能である。
【0053】
<合成手段400>
合成手段400は、主コンテンツ処理手段200から出力される主コンテンツ104と、速報情報処理手段300から出力される速報コンテンツ138とを、所定の合成処理に従って、あるいは、上記例のように速報供給データ132の付加情報136で指示された合成処理に従って合成する。そして、合成手段400は、合成したコンテンツ190をコンテンツ出力装置30へ出力する。ここで、合成手段400は速報情報処理手段300から速報コンテンツ138が入力された場合に当該合成処理を行う。これに対し、速報コンテンツ138が入力されていない場合、合成手段400は主コンテンツ104をそのままコンテンツ出力装置30へ出力する。
【0054】
図1の例では、合成手段400は、視覚的コンテンツ合成手段402と、聴覚的コンテンツ合成手段404とを含んでいる。
【0055】
視覚的コンテンツ合成手段402は、主コンテンツ処理手段200から出力される主映像コンテンツ106と、速報情報処理手段300から出力される速報視覚的コンテンツ140とを合成することによって、合成視覚的コンテンツ192を生成する。なお、視覚的コンテンツ合成手段402は、速報視覚的コンテンツ140の入力が無い場合、主映像コンテンツ106をそのまま出力する。
【0056】
聴覚的コンテンツ合成手段404は、主コンテンツ処理手段200から出力される主音声コンテンツ108と、速報情報処理手段300から出力される速報聴覚的コンテンツ142とを合成することによって、合成聴覚的コンテンツ194を生成する。すなわち、合成視覚的コンテンツ192と合成聴覚的コンテンツ194によって合成コンテンツ190が構成される。なお、聴覚的コンテンツ合成手段404は、速報聴覚的コンテンツ142の入力が無い場合、主音声コンテンツ108をそのまま出力する。
【0057】
主映像コンテンツ106と速報視覚的コンテンツ140の合成手法として、両コンテンツ106,140を重畳する手法が例示される(オーバーレイ合成)。この場合、上側のレイヤーの透過率の設定によって、重畳具合を調整することが可能である。例えば速報視覚的コンテンツ140を上側レイヤーに設定した場合、上側の速報視覚的コンテンツ140の透過率が大きいほど下側の主映像コンテンツ106の表示が優先され、逆に上側の速報視覚的コンテンツ140の透過率が小さいほど当該速報視覚的コンテンツ140の表示が優先される。
【0058】
また、主映像コンテンツ106と速報視覚的コンテンツ140の合成手法として、両コンテンツ106,140の表示領域を分割する手法が例示される(表示領域分割合成)。この合成手法による表示画面の一例を図4の模式図に示す。
【0059】
また、速報視覚的コンテンツ140が映像とグラフィックの両方を含む場合、予め設定された選択規則やユーザーの切り替え指示等に従って映像とグラフィックのいずれかを選択し、選択されたコンテンツを主映像コンテンツ106に合成してもよい(選択合成)。
【0060】
なお、主映像コンテンツ106と速報視覚的コンテンツ140は、他の手法によって合成しても構わないし、種々の手法の組み合わせによって合成しても構わない。
【0061】
主音声コンテンツ108と速報聴覚的コンテンツ142の合成手法として、両コンテンツ108,142を重畳する手法が例示される(ミキシング合成)。この場合、ミキシング比率の設定によって、重畳具合を調整することが可能である。主音声コンテンツ108の比率が大きいほど当該コンテンツ108が感知されやすくなり、逆に速報聴覚的コンテンツ142の比率が大きいほど当該コンテンツ142が感知されやすくなる。
【0062】
また、主音声コンテンツ108と速報聴覚的コンテンツ142の合成手法として、主音声コンテンツ108の途中に速報聴覚的コンテンツ142を割り込ませることによって、両コンテンツ108,142を時分割で重畳する手法が例示される(割り込み合成)。
【0063】
また、聴覚的出力手段34が複数のチャンネルを有する場合、主音声コンテンツ108と速報聴覚的コンテンツ142を別々のチャンネルに割り当てることによって両コンテンツ108,142を重畳する手法が例示される(チャンネル分割合成)。なお、複数のチャンネルは、例えば左スピーカー用および右スピーカー用であってもよいし、あるいは、例えば主音声コンテンツ108に割り当てられたスピーカー用および速報聴覚的コンテンツ142に割り当てられたスピーカー用であってもよい。
【0064】
なお、主音声コンテンツ108と速報聴覚的コンテンツ142は、他の手法によって合成しても構わないし、種々の手法の組み合わせによって合成しても構わない。
【0065】
<操作手段>
操作手段(図示略)は、コンテンツ再生処理装置20とユーザーとを繋ぐマン・マシン・インターフェースである。操作手段を介して入力されたユーザー指示は再生処理装置20での各種処理に供される。例えば、ユーザーが操作手段を操作して再生対象のコンテンツ102を指定することにより、その指示は主コンテンツ処理手段200へ伝達されコンテンツ102のダウンロード処理に供される。操作手段は、リモートコントローラ、装置筐体に設けられる操作パネル、キーボード、マウス等によって実現可能である。なお、操作手段は再生処理装置20とコンテンツ出力装置30で共用しても構わない。
【0066】
<効果>
上記例によれば、速報情報処理手段300および合成手段400が設けられているので、速報情報を含まないコンテンツ102の再生中であっても速報情報をユーザーに提供することができる。これにより利便性が向上する。
【0067】
<実施の形態1の変形例1>
上記では、コンテンツ源100が、インターネット経由で接続された、VODサービス提供者のコンテンツ配信サーバーである場合を例示した。これに対し、コンテンツ源100はLAN(Local Area Network)に接続されたコンテンツ配信サーバーであっても構わないし、コンテンツ源100から取得する再生対象コンテンツ102はVODサービスのためのコンテンツでなくても構わない。
【0068】
さらに、コンテンツ源100はブルーレイディスク(商標)等の蓄積メディアであってもよい。また、再生対象コンテンツ102はテレビジョン放送を蓄積メディア(光ディスク、ハードディスク等)に録画したコンテンツであってもよい。
【0069】
つまり、再生対象コンテンツ102は、その再生中に発生する速報情報をリアルタイムに含み得なければ、供給源、供給目的等に依存しない。
【0070】
なお、コンテンツ源100が各種の蓄積メディアである場合、例えば、コンテンツ取得手段202を蓄積メディアの読み取り機能を有した装置として構成可能である。あるいは、再生処理装置20の外部に設けられた機器で蓄積メディアを再生する場合、コンテンツ取得手段202は当該外部再生機器と再生処理装置20とのインターフェースとして構成される。
【0071】
<実施の形態1の変形例2>
上記では速報コンテンツ138が視覚的コンテンツ140と聴覚的コンテンツ142の少なくとも一方を含む場合を例示した。これに対し、速報コンテンツ138が視覚的コンテンツ140を含まない規格を採用することも可能であり、そのような規格の場合は視覚的コンテンツ合成手段402を省略してもよい。この場合、主映像コンテンツ106がそのまま出力される。逆に、速報コンテンツ138が聴覚的コンテンツ142を含まない規格の場合、聴覚的コンテンツ合成手段404を省略してもよい。この場合、主音声コンテンツ108がそのまま出力される。
【0072】
<実施の形態1の変形例3>
上記では再生対象コンテンツ102が視覚的コンテンツと聴覚的コンテンツの両方を含む場合を例示した。これに対し、主コンテンツ処理手段200を、視覚的コンテンツを含まないコンテンツ102専用に変形することも可能である。逆に、主コンテンツ処理手段200を、聴覚的コンテンツを含まないコンテンツ102専用に変形することも可能である。但し、これらの例の場合でも、速報情報処理手段300、合成手段400およびコンテンツ出力装置30の構成は、上記変形例2に応じて構成される。
【0073】
なお、例えば、主コンテンツ104が映像コンテンツ106のみで構成され、速報コンテンツ138が聴覚的コンテンツ142のみで構成される場合であっても、両コンテンツ104,138が合成されることによって合成コンテンツ190が生成される。すなわち、この例の場合、合成コンテンツ190は、主映像コンテンツ106で構成された合成視覚的コンテンツ192と、速報聴覚的コンテンツ142で構成された合成聴覚的コンテンツ194とを含む。
【0074】
<実施の形態2>
実施の形態1では、速報情報源130がそれ専用のサーバー(速報情報専用サーバー)である場合を例示した。これに対し、速報情報源130として、インターネット上に公開された1つまたは複数のウェブサイトを利用することも可能である。この場合、例えば、速報情報抽出手段304は、速報供給データ取得手段302を介して公開ウェブサイトに定期的または不定期にアクセスし、速報供給データ132の存否を確認し、新しい速報供給データ132が在ればそれを取得する。ウェブサイトとのインターネット通信は例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)によって行うことが可能であり、あるいは他のプロトコルを利用しても構わない。
【0075】
また、速報情報源130として利用する1つまたは複数のウェブサイトは予め選定しておく例が挙げられる。この場合、選定したウェブサイトのインターネット上の所在は例えばコンテンツ再生処理装置20内の不揮発性メモリ(図示略)に保存され、アクセス時に利用される。
【0076】
あるいは、ウェブ検索API(Application Program Interface)等の手法によって得られた検索結果に含まれている1つまたは複数のウェブサイトを、速報情報源130として利用する例が挙げられる。なお、ウェブ検索APIによれば文字列(キーワード)だけでなく動画像や静止画像も検索可能である。
【0077】
上記のように速報供給データ132の形式として、例えばXMLのようなタグ言語が例示される。特に速報情報に関連する地域(例えば、事件等が発生した地名、速報情報の発信国、等)が記述されるタグを設け、当該地域情報タグを速報供給データ132の解析に利用してもよい。すなわち、当該地域情報タグは、インターネット上から収集される全世界的な速報情報の中から、ユーザーに好適な情報を抽出するのに役立つ。
【0078】
上記例によれば、実施の形態1と同様に、速報情報を含まないコンテンツ102の再生中であっても速報情報をユーザーに提供することができ、利便性が向上する。上記例は、特に速報情報専用サーバーが準備されない環境に好適である。
【0079】
なお、実施の形態1,2を組み合わせてコンテンツ再生処理装置を構成することも可能である。
【0080】
<実施の形態3>
実施の形態1,2では速報情報源130がインターネット上のサーバーまたはウェブサイトである場合を例示した。これに対し、実施の形態3では速報情報源130が放送事業者であり、当該放送事業者から速報情報を取得する場合を例示する。例えば、再生対象コンテンツ102に所定の放送事業者を予め関連付けておくことにより、当該放送事業者を速報情報源130として利用可能である。
【0081】
より具体的には、コンテンツ源100のコンテンツ102を、再生制御メタファイルを使って再生する例が挙げられる。再生制御メタファイルによれば、例えばコンテンツ102の配信事業者、制作事業者、権利主体等(以下、コンテンツ事業者と総称する)を特定するための情報(以下、コンテンツ事業者情報とも称する)用のタグを設けることが可能であり、そのタグにコンテンツ事業者情報を記述すればよい。これにより、再生対象コンテンツ102と所定のコンテンツ事業者とを関連付けることが可能である。さらに、コンテンツ事業者情報と、所定の放送事業者(例えば、地上デジタルテレビジョン放送の事業者、CATV事業者等)を特定するための情報(以下、放送事業者情報とも称する)とを、予め関連付けておくことにより、コンテンツ事業者情報を介して再生対象コンテンツ102と所定の放送事業者とを間接的に関連付けることが可能である。なお、コンテンツ事業者と放送事業者との関連付けの情報は、VODサービス提供者が提供してもよいし、他の事業者が提供してもよい。
【0082】
あるいは、再生制御メタファイルに上記放送事業者情報を記述するためのタグを設けて、再生対象コンテンツ102と所定の放送事業者とを直接的に関連付けてもよい。
【0083】
なお、再生対象コンテンツ102と、速報情報源130として利用する放送事業者との関連付けは、再生制御メタファイル以外の手法を採用しても構わない。
【0084】
図5に実施の形態3に係るコンテンツ再生処理装置20Bのブロック図を例示する。当該再生処理装置20Bは上記再生処理装置20(図1参照)において速報情報処理手段300を速報情報処理手段300Bに変更した構成を有している。再生処理装置20Bのその他の部分は基本的に上記再生処理装置20と同様に構成され、上記再生処理装置20と同様に動作する。なお、再生処理装置20Bは上記再生処理装置20に代えてコンテンツ再生システム10(図1参照)に適用可能である。
【0085】
実施の形態3に係る速報情報処理手段300Bは、速報供給データ取得手段302Bと、速報情報抽出手段304Bとを含んでいる。
【0086】
速報供給データ取得手段302Bは、放送事業者から速報供給データ132を取得するための手段であり、例えば地上デジタルテレビジョンの放送波(換言すれば放送信号)を受信するためのフロントエンドモジュールに対応する。なお、例えば速報情報源130がCATV事業者である場合、速報供給データ取得手段302BはCATVの放送信号に合わせて構成される。
【0087】
速報情報抽出手段304Bは、再生対象コンテンツ102に関連付けられた放送事業者を特定するとともに、特定された放送事業者による放送を、速報供給データ取得手段302Bを介して取得し、取得した放送から速報情報を抽出する。つまり、受信放送を速報供給データ132として利用する。
【0088】
速報情報抽出手段304Bは、図5の例では、放送事業者特定手段310と、放送TS分離手段312と、映像処理手段314と、音声処理手段316と、文字スーパー処理手段318とを含んでいる。
【0089】
放送事業者特定手段310は、例えば、主コンテンツ処理手段200から(実施の形態1の例によればコンテンツ取得手段202またはコンテンツ再生手段204から)上記コンテンツ事業者情報110を取得し、取得したコンテンツ事業者情報110から、再生対象コンテンツ102に関連付けられた所定の放送事業者を特定する。
【0090】
なお、コンテンツ事業者と放送事業者との関連付けの情報は、再生処理装置20B内に予めダウンロードしておいてもよいし、あるいは、放送事業者特定手段310が、必要時にその都度、コンテンツ取得手段202を介して取得するようにしてもよい。
【0091】
あるいは、放送事業者特定手段310が主コンテンツ処理手段200から上記放送事業者情報112自体を取得するように構成することも可能である。
【0092】
再生対象コンテンツ102に関連付けられた放送事業者が特定されると、放送事業者特定手段310は、速報供給データ取得手段302Bによる受信チャンネルを、特定された放送事業者に選局する。これにより、速報供給データ取得手段302Bは、特定された放送事業者の放送を受信可能になる。受信した放送信号は復調、エラー訂正等の処理が施されて、放送TS分離手段312へ伝達される。
【0093】
放送TS分離手段312は、TS形式の放送信号から映像のTSパケットと音声のTSパケットを分離する。ここでは放送信号が文字スーパー用のパケットも含むものとし、文字スーパー用のTSパケットも放送TS分離手段312において分離される。
【0094】
映像処理手段314は、分離された映像パケットを復号し、復号した映像中から速報情報を抽出し、抽出した速報情報を速報視覚的コンテンツ140として合成手段400へ出力する。
【0095】
音声処理手段316は、分離された音声パケットを復号し、復号した音声中から速報情報を抽出し、抽出した速報情報を速報聴覚的コンテンツ142として合成手段400へ出力する。
【0096】
文字スーパー処理手段318は、分離された文字スーパーパケットを復号し、復号したデータ中から速報情報を抽出し、抽出した速報情報を速報視覚的コンテンツ140として合成手段400へ出力する。
【0097】
なお、速報情報は映像、音声および文字スーパーの全てから得られる場合もあるし、これらのうちの一部だけから速報情報が得られる場合もある。また、これらのうちのいずれからも速報情報が得られない場合もある(例えば、速報情報が元々含まれていない場合)。
【0098】
以下では、まず文字スーパー処理手段318での処理を、より具体的に例示する。受信した文字スーパーのデータは、表示すべき文字列のデータの他に、付加情報(例えば、表示位置、表示タイミング、内蔵音の再生等についての指示情報)を含んでいる場合がある。この場合、文字スーパー処理手段318は、受信データのデータ構造(予め規定されている)を解析することによって表示文字列のデータを抽出し、抽出した文字列をグラフィックとして構築し、生成したグラフィックを速報視覚的コンテンツ140として出力する。
【0099】
この際、例えば、受信した文字列が速報情報に特徴的な文字列(「速報」、「地震」、「災害」、「津波」等)を含んでいるか否かを文字検索によって判別し、そのような特徴的な文字列を含んでいる部分を速報情報として抽出してもよい。
【0100】
また、付加情報に表示タイミングの指示情報が含まれている場合、文字スーパー処理手段318はその表示タイミング指示に合わせて速報視覚的コンテンツ140を出力する。
【0101】
次に、映像処理手段314での処理を、より具体的に例示する。特に受信映像に速報情報がテロップとして重畳されている場合、そのようなテロップの存在を解析することによって速報情報の抽出が可能である。例えば光学文字認識等の解析手法によれば、映像中の文字列を抽出可能である。映像処理手段314は、抽出した文字列をグラフィックとして構築し、生成したグラフィックを速報視覚的コンテンツ140として出力する。
【0102】
この際、例えば、抽出した文字列が速報情報に特徴的な文字列(「速報」、「地震」、「災害」、「津波」等)を含んでいるか否かを文字検索によって判別し、そのような特徴的な文字列を含んでいる部分を速報情報として抽出してもよい。
【0103】
また、速報情報のテロップは例えば画面上側に表示されることが多いので、その部分に表示される文字列を速報情報として抽出してもよい。
【0104】
次に、音声処理手段316での処理を、より具体的に例示する。特に受信音声に速報情報が含まれている場合、音声出力の冒頭に速報情報に特徴的な音声(チャイム音、アラーム音等)を含み、しかもそのよう特徴的な音声は定型化されていることが多い。このため、そのような特徴的な定型音声を受信音声中から検出することによって速報情報の抽出が可能である。特徴的な定型音声の検出は、例えば、当該定型音声のデータをコンテンツ再生処理装置20Bに予め与えておき、当該定型音声データと受信音声データとを比較する解析手法によって、行うことが可能である。
【0105】
音声処理手段316は、例えば特徴的な定型音声の検出位置から所定の時間長さ分の音声を速報情報として抽出し、抽出した速報情報を速報聴覚コンテンツ142として出力する。
【0106】
なお、当該3つの処理手段314,316,318のうちの2つまたは3つが互いの処理結果等を参照することによって、受信放送における速報情報の挿入部分をより確実に特定することができる。
【0107】
上記例によれば、実施の形態1と同様に、速報情報を含まないコンテンツ102の再生中であっても速報情報をユーザーに提供することができ、利便性が向上する。特に地上デジタルテレビジョン放送の例によれば、文字スーパー、テロップおよび音声という多彩な情報源を利用して速報情報の抽出処理を行うことが可能であるので、速報情報をより確実に提供することができる。
【0108】
なお、実施の形態1〜3を種々に組み合わせてコンテンツ再生処理装置を構成することも可能である。
【0109】
<実施の形態3の変形例1>
上記では、再生対象コンテンツ102をインターネット経由で取得する場合を例示した。これに対し、LANに接続されたコンテンツ配信サーバーから再生対象コンテンツ102を取得する場合、UPnP(Universal Plug and Play)等のプロトコルを使ってコンテンツ配信サーバーから、再生中のコンテンツに関連する放送事業者情報112をメタファイル等の形式によって取得する変形例が挙げられる。
【0110】
また、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等によって接続された外部機器から再生対象コンテンツ102を取得する場合、CEC(Consumer Electronics Control)等のコマンドによって、再生中のコンテンツに関連する放送事業者情報112を取得する変形例が挙げられる。
【0111】
また、テレビジョン放送等を録画したコンテンツを再生対象コンテンツ102とする場合、録画手段が録画の際に、その放送事業者についての放送事業者情報112を、録画コンテンツとともにあるいは録画コンテンツとは別に記録しておく変形例が挙げられる。
【0112】
<実施の形態4>
図6に実施の形態4に係るコンテンツ再生処理装置20Cのブロック図を例示する。当該再生処理装置20Cは上記再生処理装置20(図1参照)に音声追加手段600を追加した構成を有している。なお、再生処理装置20Cは上記再生処理装置20に代えてコンテンツ再生システム10(図1参照)に適用可能である。
【0113】
音声追加手段600は、再生処理装置20Cが速報情報を出力していることをユーザーに通知するための音声コンテンツ(換言すれば聴覚的コンテンツ)を生成する手段である。より具体的には、音声再生手段600は、速報情報処理手段300による速報コンテンツ138の出力を通知する情報(速報コンテンツ出力通知情報とも称する)150を速報情報処理手段300から取得し、取得した速報コンテンツ出力通知情報150に基づいて追加音声コンテンツ170を合成手段400へ出力する。
【0114】
音声追加手段600は、図6の例では、音声合成手段602と、内蔵音声供給手段604とを含んでいる。なお、これら2つの手段602,604のうちの一方を省略することも可能である。
【0115】
音声合成手段602は、速報情報処理手段300から出力される速報コンテンツ138に含まれる文字列を音声コンテンツに変換する。より具体的には、音声合成手段602は、速報情報抽出手段304が速報視覚的コンテンツ140を生成する際に得られた、速報情報に関する文字列のデータを、当該速報情報抽出手段304から取得し、取得した文字列を例えばテキスト読み上げ技術等を利用して合成音声のデータに変換する。
【0116】
この場合、速報視覚的コンテンツ140に含まれる文字列が速報情報抽出手段304から入力されることは、速報情報処理手段300が速報コンテンツ138を出力することの通知として利用可能である。かかる点に鑑みると、速報コンテンツ出力通知情報150は上記文字列データによって構成可能である。
【0117】
また、音声合成手段602は、光学文字認識等の文字抽出技術をさらに利用することによって、速報情報抽出手段304から速報視覚的コンテンツ140として出力されるグラフィックまたはその元となった画像から、速報情報に関する文字列、すなわち音声化する文字列を抽出することも可能である。この場合、速報コンテンツ出力通知情報150は上記グラフィックまたはその元画像によって構成可能である。
【0118】
音声合成手段602によって生成された合成音声による音声コンテンツ172は聴覚的コンテンツ合成手段404へ入力される。
【0119】
内蔵音声供給手段604は、速報情報処理手段300から速報コンテンツ138が出力されるのに合わせて、予め内蔵された(例えば不図示の不揮発性メモリに予め格納された)音声コンテンツ174を出力する。音声コンテンツ174は例えばチャイム音、アラーム音、人の声によるアナウンス等である。内蔵音声コンテンツは所定の処理が施された後に出力される場合もある。
【0120】
内蔵音声供給手段604は、速報情報処理手段300による速報コンテンツ138の出力タイミングを、速報コンテンツ出力通知情報150の入力タイミングによって取得可能である。かかる点に鑑みると、内蔵音声供給手段604が利用する速報コンテンツ出力通知情報150はどのような情報で構成されていてもよい。このため、音声合成手段602が利用する速報コンテンツ出力通知情報150をそのまま内蔵音声供給手段604も利用可能である。すなわち、両手段602,604で同じ速報コンテンツ出力通知情報150を利用可能である。
【0121】
内蔵音声供給手段604から出力された内蔵音声による音声コンテンツ174は、聴覚的コンテンツ合成手段404へ入力される。
【0122】
聴覚的コンテンツ合成手段404は、入力された聴覚的コンテンツ、すなわち主音声コンテンツ108と、速報聴覚的コンテンツ142と、合成音声による音声コンテンツ172と、内蔵音声による音声コンテンツ174とを合成し、得られた合成聴覚的コンテンツ194を出力する。
【0123】
上記例によれば、実施の形態1と同様に、速報情報を含まないコンテンツ102の再生中であっても速報情報をユーザーに提供することができ、利便性が向上する。特に音声追加手段600によって音声出力が追加されるので、速報情報を出力中であることをユーザーに通知することができる。例えば料理中である等の理由で画面を注視できない状況に好適であり、この点においても利便性が向上する。
【0124】
なお、実施の形態1〜4を種々に組み合わせてコンテンツ再生処理装置を構成することも可能である。
【0125】
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0126】
10 コンテンツ再生システム、20,20B,20C コンテンツ再生処理装置、30 コンテンツ出力装置、100 コンテンツ源、102 再生対象コンテンツ、104 主コンテンツ、110 コンテンツ事業者情報、112 放送事業者情報、130 速報情報源、132 速報供給データ、134 速報情報(速報情報本体)、138 速報コンテンツ、150 速報コンテンツ出力通知情報、170 追加音声コンテンツ、172 合成音声による音声コンテンツ、174 内蔵音声による音声コンテンツ、190 合成コンテンツ、200 主コンテンツ処理手段、300,300B 速報情報処理手段、302,302B 速報供給データ取得手段、304,304B 速報情報抽出手段、310 放送事業者特定手段、314 映像処理手段、316 音声処理手段、318 文字スーパー処理手段、400 合成手段、600 音声追加手段、602 音声合成手段、604 内蔵音声供給手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生対象のコンテンツをコンテンツ源から取得し、取得した前記コンテンツを再生して主コンテンツとして出力する主コンテンツ処理手段と、
前記再生対象コンテンツに含まれない速報情報を含んだ速報供給データを速報情報源から取得し、取得した前記速報供給データから前記速報情報を所定の抽出処理によって抽出し、抽出した前記速報情報を速報コンテンツとして出力する速報情報処理手段と、
前記速報情報処理手段から前記速報コンテンツが入力された場合には前記速報コンテンツを前記主コンテンツに合成し、得られた合成コンテンツを出力する一方で、前記速報コンテンツが入力されていない場合には前記主コンテンツを出力する合成手段と
を備えるコンテンツ再生処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ再生処理装置であって、
前記速報情報源は、インターネット上に公開された1つまたは複数のウェブサイトであり、
前記速報情報処理手段は、前記1つまたは複数のウェブサイトから前記速報供給データを取得する、
コンテンツ再生処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のコンテンツ再生処理装置であって、
前記主コンテンツ処理手段が取得する前記再生対象コンテンツには、前記速報情報源として利用可能な所定の放送事業者が予め関連付けられており、
前記速報情報処理手段は、前記所定の放送事業者による放送を前記速報供給データとして利用する、
コンテンツ再生処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載のコンテンツ再生処理装置であって、
前記所定の放送事業者が送信する前記放送は、文字スーパー用のパケットを含み、
前記速報情報処理手段は、前記文字スーパー用パケットから前記速報情報を抽出する、
コンテンツ再生処理装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のコンテンツ再生処理装置であって、
前記所定の放送事業者が送信する前記放送は、テロップが重畳された映像を含み、
前記速報情報処理手段は、前記テロップの文字列を前記速報情報として抽出する、
コンテンツ再生処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載のコンテンツ再生処理装置であって、
前記速報コンテンツに含まれる文字列を音声コンテンツに変換して出力する音声合成手段と、前記速報情報処理手段から前記速報コンテンツが出力されるのに合わせて、予め内蔵された音声コンテンツを出力する内蔵音声供給手段と、のうちの少なくとも一方の手段を含む音声追加手段をさらに備え、
前記合成手段は、前記音声追加手段から出力される前記音声コンテンツと、前記主コンテンツと、前記速報コンテンツとを合成する、
コンテンツ再生処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載のコンテンツ再生処理装置と、
前記コンテンツ再生処理装置から出力される前記主コンテンツおよび前記合成コンテンツを、当該システムのユーザーが視覚と聴覚のうちの少なくとも一方で感知可能な形式で以て出力するコンテンツ出力装置と
を備えるコンテンツ再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−244200(P2012−244200A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108926(P2011−108926)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】