説明

コンテンツ再生制御システム、コンテンツ再生制御方法、コンテンツサーバ、携帯端末及びプログラム

【課題】携帯端末等の処理負担を軽減しつつ、レンダラの機種・機能追加等の変更を吸収し所望のコンテンツの再生を制御することのできるコンテンツ再生制御システムを提供すること。
【解決手段】コンテンツ再生制御方法であって、コンテンツとコンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、再生制御情報とを格納する管理データベースが備えられ、携帯端末は、機器情報と再生制御情報の取得要求をコンテンツサーバに送信し、コンテンツサーバは、携帯端末からの要求に基づき上記管理データベースよりメタ情報と制御情報を取得して携帯端末に送信し、携帯端末は、メタ情報と制御情報とコンテンツURL情報をコンテンツ再生装置に送信し、該情報の送信に基づきコンテンツサーバより送信されるコンテンツを該コンテンツ再生装置に再生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット上のコンテンツサーバで管理される動画や映像等のコンテンツの再生制御を行うコンテンツ再生制御システム、コンテンツ再生制御方法、コンテンツサーバ、携帯端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、パーソナルコンピュータのみならず、テレビやハードディスク録画機、ホームターミナルといった家電製品においても、ネットワークに接続することが出来る製品が多数登場している。そして、パーソナルコンピュータや家電製品を相互にネットワークに接続することで、映像や音楽(これらを「コンテンツ」とも称する)を機器間でやりとりすることが可能となる。
【0003】
このような異なる機器間のネットワーク接続に関しては、異なるメーカー間の機器の相
互接続を容易にするために設立されたDigital Living Network
Alliance(DLNA)によって、機器間のネットワーク接続のためのガイドライ
ン(DLNAガイドライン)が策定されている。このDLNAガイドラインに対応してい
る機器は、当該ガイドラインに従うことで、異なる機器とのネットワーク接続が容易に行
える。
【0004】
上記DLNAでは、ホームネットワーク機器として、サーバのコンテンツをクライアントに配信するDMS(Digital Media Server)、サーバのコンテンツを検索して、再生するDMP(Digital Media Player)、コンテンツの再生機能を有するDMR(Digital Media Renderer)、DMSとDMRをコントロールするDMC(Digital Media Controller)等が規定されている。
【0005】
DLNAにしたがって構築されたホームネットワークでは、DMSに保存したコンテンツをネットワーク経由で、DMPで選択して再生したり、DMCによって選択したコンテンツをDMRで再生させたりすることができる。ネットワークに複数のホームネットワーク機器が接続されている場合、ユーザが複数の機器の一つを選択してDMCによって制御する。
【0006】
一方、ユーザがコンテンツを十分に楽しむためには、コンテンツのURL(コンテンツの所在を示すアドレス情報)に加え、そのコンテンツを再生する機器の情報であるメタ情報及びコンテンツの再生形態を指定するためのコンテンツ再生制御情報(制御情報)をDMCがDMRに送信する必要がある。ただし、同一のコンテンツに対しても、DMRの製品規格等によって「送るべきメタ情報・制御関連情報の内容」が異なるため、DMCは相手のレンダラの製品規格に応じて送信内容を最適化する必要がある。
【0007】
そこで、メーカー毎に異なるレンダラ等の情報家電機器の制御設定を行なうことなく、かつ簡単に情報家電機器の制御設定を行う情報家電ネットワーク制御システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−110300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来のシステムでは、メーカー毎に異なる機器の制御命令群がサービスコンポーネントデータベースに保持され、そのデータベースから制御命令が取得されて情報家電機器が制御されるというものであるが、その制御がサービスシナリオに基づくものであるため、ユーザは、端末よりサービスシナリオを入力しなければならない。そのため、ユーザ側の負担が増すという問題があった。
【0010】
また、DMC側でメーカー毎に異なる機器の情報や制御情報を保持しておくことは、その情報の量が膨大になることが予想され、そのような情報を保持しておくことは、無駄にデータ領域を占有してしまうという問題があった。また、DMCが携帯端末等の小型の情報機器においては、メーカー毎に異なる機器の仕様変更の度に、機器情報を更新することは、無駄な電力消費にも繋がってしまう。
【0011】
本発明は、上記のような課題に対応するもので、その目的は、携帯端末等の処理負担を軽減しつつ、レンダラの機種・機能変更等を吸収し所望のコンテンツの再生を制御することのできるコンテンツ再生制御システム、コンテンツ再生制御方法、コンテンツサーバ、携帯端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムであって、前記コンテンツサーバは、コンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とを格納するメタ制御情報管理データベースを備え、前記携帯端末は、前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するメタ制御情報取得要求手段を備え、前記コンテンツサーバは、前記携帯端末からの要求に基づいて、前記メタ制御情報管理データベースにアクセスしてメタ情報と制御情報を取得して前記携帯端末に送信するメタ制御情報送信手段を備え、前記携帯端末は、受信した前記メタ情報と制御情報と共に、コンテンツのURL情報を、デジタル家電制御用プロトコルを用いて前記コンテンツ再生装置に送信し、該情報の送信に基づき前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツを該コンテンツ再生装置に再生させるコンテンツ再生制御手段を備えることを特徴とするコンテンツ再生制御システムを要旨としている。
【0013】
また、請求項2に記載されるように、請求項1記載のコンテンツ再生制御システムにおいて、前記コンテンツサーバは、前記ネットワーク上で前記コンテンツ再生装置を検出したときに、最新のメタ情報を取得して前記メタ制御情報管理データベースの内容を更新するデータベース更新手段を備える。
【0014】
また、請求項3に記載されるように、請求項1又は2記載のコンテンツ再生制御システムにおいて、前記コンテンツ再生装置は、前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツの取得時、前記携帯端末の代わりに前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するコンテンツ取得時メタ制御情報取得要求手段を備える。
【0015】
また、請求項4に記載されるように、請求項1乃至3いずれか記載のコンテンツ再生制御システムにおいて、DRM処理されたコンテンツの利用許諾ライセンスを発行するライセンス管理サーバをさらに備え、前記携帯端末は、前記DRM処理されたコンテンツのライセンスIDをコンテンツサーバより受信して前記コンテンツ再生装置に送信するライセンスID送受手段を備え、前記コンテンツ再生装置は、受信したライセンスIDと、自身のクライアント情報とを前記ライセンス管理サーバに送信する認証情報送信手段を備え、前記ライセンス管理サーバは、前記DRM処理されたコンテンツの使用権限があるか否かを前記受信したライセンスIDとクライアント情報に基づき認証する認証処理手段と、前記認証が成功した場合にコンテンツキーを生成し、そのコンテンツキーをコンテンツ再生装置に送信するコンテンツキー生成送信手段と、を備え、前記コンテンツ再生装置は、受信されるコンテンツキーを用いて前記DRM処理されたコンテンツを復号するDRMコンテンツ復号手段を備える。
【0016】
また、請求項5に記載されるように、請求項1乃至4いずれか記載のコンテンツ再生制御システムにおいて、前記デジタル家電制御用プロトコルはDLNAプロトコルである。
【0017】
また、請求項6に記載されるように、ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムに用いられるコンテンツ再生制御方法であって、コンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とを格納するメタ制御情報管理データベースが備えられ、前記携帯端末は、前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するステップを備え、前記コンテンツサーバは、前記携帯端末からの要求に基づいて、前記メタ制御情報管理データベースにアクセスしてメタ情報と制御情報を取得して前記携帯端末に送信するステップを備え、前記携帯端末は、受信した前記メタ情報と制御情報と共に、コンテンツのURL情報を前記コンテンツ再生装置に送信し、該情報の送信に基づき前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツを該コンテンツ再生装置に再生させるステップを備えることを特徴とするコンテンツ再生制御方法として構成することができる。
【0018】
また、請求項7に記載されるように、ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムにおけるコンテンツサーバであって、前記コンテンツサーバのデータベースにコンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とが記憶され、前記コンテンツサーバは、前記携帯端末から送信される前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求に基づいて、前記メタ制御情報管理データベースにアクセスしてメタ情報と制御情報を取得して前記携帯端末に送信するメタ制御情報送信手段を備えることを特徴とするコンテンツサーバを要旨としている。
【0019】
また、請求項8に記載されるように、ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムにおける携帯端末であって、前記コンテンツサーバのデータベースにコンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とが記憶され、前記携帯端末は、前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するメタ制御情報取得要求手段と、前記取得要求に応じて前記コンテンツサーバより送信されるメタ情報と制御情報を受信するメタ制御情報受信手段と、前記受信した前記メタ情報と制御情報と共に、コンテンツのURL情報を前記コンテンツ再生装置に送信し、該情報の送信に基づき前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツを該コンテンツ再生装置に再生させるコンテンツ再生制御手段と、を備えることを特徴とする携帯端末を要旨としている。
【0020】
また、請求項9に記載されるように、ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムにおけるコンテンツサーバに、前記コンテンツサーバのデータベースにコンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とが記憶され、前記携帯端末から送信される前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を受信するステップと、前記受信した取得要求に基づいて、前記データベースにアクセスしてメタ情報と制御情報を取得して前記携帯端末に送信するステップと、を実行させるためのプログラムとして構成することができる。
【0021】
また、請求項10に記載されるように、ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムにおける携帯端末に、前記コンテンツサーバのデータベースにコンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とが記憶され、前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するステップと、前記取得要求に応じて前記コンテンツサーバより送信されるメタ情報と制御情報を受信するステップと、前記受信した前記メタ情報と制御情報と共に、コンテンツのURL情報を前記コンテンツ再生装置に送信するステップと、前記情報の送信に基づき前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツを該コンテンツ再生装置に再生させるステップと、を実行させるためのプログラムとして構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、コンテンツ再生装置の機種名やバージョン情報を示すメタ情報と、コンテンツの再生態様を示す制御情報をメタ制御データベースにて管理するようにしたので、携帯端末は、メタ情報、制御情報をメタ・制御DBに問い合わせることで取得できる。すなわち、携帯端末が、「ある機種、あるバージョンのコンテンツ再生装置に対し、あるコンテンツに対するメタ情報・制御情報をどのような形式で送信するか」を予め全て把握する必要がない。その結果、ユーザの負担を抑え携帯端末へかかる処理負担を軽減しつつ、ユーザ所望の再生形態でコンテンツ再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態にかかるコンテンツ再生制御システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施形態にかかるコンテンツ再生制御システムにおける機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の第一の実施形態にかかるメタ・制御DBのデータ格納例を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施形態にかかるコンテンツ再生制御の処理例を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第一の実施形態にかかるコンテンツリストの表示例を示す図である。
【図6】本発明の第二の実施形態にかかるコンテンツ再生装置の機能ブロックを示す図である。
【図7】本発明の第二の実施形態にかかるコンテンツ再生制御の処理例を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の実施形態にかかるライセンス管理サーバの構成例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態にかかるDRMで保護されたコンテンツの再生制御の処理例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態にかかるコンテンツ再生制御システムの一例を示す図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るコンテンツ再生制御システム1は、ネットワーク(インターネット)20を介して接続されるコンテンツサーバ10と、コンテンツ再生装置30と、携帯端末40とから構成される。コンテンツサーバ10は、動画や画像等のコンテンツを格納して配信を行い、コンテンツ再生装置30、例えば、レンダラはコンテンツサーバ10から配信されるコンテンツの再生を行う。携帯端末40は、例えば、携帯電話、PDA、スマートフォン、電子書籍端末等であってブラウザを備え、コンテンツ再生装置で再生されるコンテンツの再生を制御する(遠隔制御する)。携帯端末40に備えられるブラウザは、インターネットの標準プロトコルであるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)等に従い、HTML(Hyper Text Markup Language)等の言語で記述されたページデータの要求、取得及び表示、フォームデータの送信等を行う機能を有している。本実施態様において、コンテンツサーバ10がDMSに対応し、コンテンツ再生装置30がDMRに対応し、携帯端末40がDMCに対応する。また、携帯端末40とコンテンツ再生装置30間は、デジタル家電制御用プロトコル、例えば、家電標準化技術であるDLNAプロトコルあるいはこれに相当するプロトコルを用いて接続される。
【0026】
図2は本発明の実施形態にかかるコンテンツ再生制御システム1における機能ブロックを示す図である。コンテンツサーバ10は、コンテンツのリスト、例えば、動画リストを格納する動画リストデータベース(DB)11と、動画リストを送信する動画リスト送信部12と、コンテンツ情報、例えば、動画情報を格納する動画DB13と、コンテンツ再生装置から送信されるコンテンツ取得要求(動画リクエスト)を受信する動画リクエスト受信部14と、動画DB13から動画情報を取得して動画をコンテンツ再生装置30に送信する動画送信部15と、コンテンツを識別するためのコンテンツIDとコンテンツ再生装置30に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生形態を示すコンテンツ再生制御情報(以下、制御情報という)を格納するメタ・制御DB16と、メタ情報と制御情報を携帯端末40又はコンテンツ再生装置30からの要求に応じて送信するメタ・制御情報送信部17とを備える。上記メタ・制御DB16は、本例では、コンテンツサーバ内10に設けられる場合を例示しているが、上記メタ・制御DB16が独立して存在するような場合であってもよい。
【0027】
コンテンツ再生装置30は、コンテンツ再生に必要なコンテンツURLを判定するURL判定部31と、コンテンツサーバ10に対して上記URL判定の結果に基づいて動画の送信をリクエストする動画リクエスト送信部32と、コンテンツサーバ10から送信される動画情報を受信する動画受信部33と、その受信した動画を再生する動画再生部34とを備える。
【0028】
携帯端末40は、コンテンツサーバ10に対して、メタ情報、制御情報の取得要求を行うメタ制御情報取得要求部41と、コンテンツリストを表示する表示部42と、コンテンツリストの中からコンテンツの選択処理がなされる選択部43とを備える。
【0029】
図3は、上記メタ・制御DB16の例を示す図であり、メタ情報として、コンテンツを識別する「コンテンツID」フィールドと、コンテンツ再生装置30の製品の各種情報、例えば、製品名、型名、製品ID等を示す「製品情報」フィールドと、製品のバージョン情報を示す「Ver情報」フィールドとを含んで構成される。
【0030】
また、制御情報として、チャプター再生可能か否かを示す「チャプター再生」フィールドと、対応字幕言語を示す「字幕言語」フィールドと、動画の再生の符号化方式を示す「符号化方式」フィールドとを含んで構成される。
【0031】
図4は、本発明の一実施例によるコンテンツ再生制御方法を説明するための動作シーケンス図である。
【0032】
まず、DLNAに接続されているコンテンツ再生装置30が検出されると、コンテンツ再生装置30は、DLNAへの接続を検出し、製品情報を携帯端末40に送信する(ステップS11)。携帯端末40は、上記製品情報を受信した後、コンテンツリストの要求をコンテンツサーバ10に送信する(ステップS12)。コンテンツサーバ10は、携帯端末40からの要求に基づき、動画リストDB11に格納されている動画リストを検索し、その検索された動画リストがコンテンツリストとして動画リスト送信部12から携帯端末40に送信される(ステップS13)。携帯端末40の表示部42には、例えば、図5に示すように、コンテンツリストが表示される。この例では、映画コンテンツの一覧が表示されており、映画A、B、C、D、Eの順に、タイトル(x1〜x5)と映画の再生時間(例:yy h(時間) zz m(分))が表示される。
【0033】
携帯端末40は、上記のようにしてコンテンツリストを受信した後、ユーザにより選択されるコンテンツのIDと、そのコンテンツの再生に必要なメタ情報、制御情報の取得要求がメタ・制御情報取得要求部41からコンテンツサーバ10へ送信される(ステップS14)。
【0034】
コンテンツサーバ10は、携帯端末40から送信されるコンテンツIDと、メタ情報、制御情報の取得要求を受信すると、メタ・制御DB16を参照して、上記コンテンツIDに対応するコンテンツ再生装置30のメタ情報、制御情報を抽出して携帯端末40に送信する(ステップS15)。ここで送信されるメタ情報は、例えば、コンテンツ再生装置30の製品情報、バージョン情報であり、制御情報は、例えば、コンテンツ再生装置30がチャプター再生に対応しているか否かの情報、複数の字幕言語に対応しているか否かの情報、符号化方式の情報等が抽出される。本例では、コンテンツID10に対応する制御情報として、チャプター再生可(Yes)、字幕言語として、A、B、Cの言語に対応(A、B、C)、符号化方式として「AA」方式の情報が送信されるものとする。
【0035】
携帯端末40は、上記のようにして、メタ情報、制御情報を取得すると、表示部42に表示されるコンテンツリスト(図5a)がユーザにてブラウズされ、クリックされると、選択部43にてユーザ希望のコンテンツが選択されたと判断される。例えば、コンテンツの選択は、携帯端末40がタッチパネル形式であれば、リストがアイコン状で表示され(図5参照)、リストの操作選択は2本指、あるいは専用ペン等でブラウズしクリックすることでなされる。なお、コンテンツリストがテキスト表示されるような態様であっても勿論よい。本例では、映画Bのコンテンツが選択されたとものとする(図5b)。
【0036】
上記映画Bのコンテンツが選択されると、次画面に遷移し、携帯端末の表示部42には
映画Bをコンテンツ再生装置30に再生させる形態が表示される。例えば、「チャプター再生:可」、「字幕:A、B、C」の情報が表示される。本例では、ユーザがチャプターを「3」を指定し、字幕言語として「A」を指定したとする(図5c)。
【0037】
上記のようにして選択された映画BのコンテンツのURL情報と、メタ情報と制御情報がDLNAのプロトコルで送信可能な形態に変換されて携帯端末40からコンテンツ再生装置30にホームネットワーク経由で送信される(ステップS16)。
【0038】
コンテンツ再生装置30では、携帯端末40より受信したコンテンツURLの情報に基づきコンテンツサーバ10に対し、該コンテンツURLで指定されるコンテンツの取得要求を送信する(ステップS17)。コンテンツサーバ10は、上記コンテンツ取得要求に基づき、動画DB13からコンテンツである映画Bの動画情報を取得して動画送信部15よりコンテンツ再生装置30に送信する(ステップS18)。コンテンツ再生装置30は、受信したコンテンツを映像データとしてストリーミング再生する(ステップS19)。本例の場合、指定されたチャプター「3」から再生が開始され、かつ字幕として「A」言語が表示される。
【0039】
コンテンツサーバ10で管理されるメタ・制御DB16は、メタ情報、制御情報を格納するが、本態様では、新たにDLNA対応機器であるコンテンツ再生装置30がリリースされた場合、その新規にリリースされたコンテンツ再生装置30の機器情報が、例えば、インターネットを通じてアップロードされ、メタ・制御DB16に追加登録される。また、コンテンツ再生装置30のアップグレード等により、機能追加変更等があった場合にも、機能更新情報、例えば、バージョンアップ情報がインターネットを通じてアップロードされ、メタ・制御DB16に更新登録される。
【0040】
以上のように、本実施形態では、コンテンツ再生装置30の機種名やバージョン情報を示すメタ情報と、コンテンツの再生態様を示す制御情報をメタ・制御DB16にて管理するようにしたので、携帯端末40は、メタ情報、制御情報をメタ・制御DB16に問い合わせることで取得できる。すなわち、携帯端末40が、「ある機種、あるバージョンのコンテンツ再生装置に対し、あるコンテンツに対するメタ情報・制御情報をどのような形式で送信するか」を予め全て把握する必要がない。その結果、ユーザの負担を抑え携帯端末40へかかる処理負担を軽減しつつ、ユーザ所望の再生形態でコンテンツ再生が可能となる。
【0041】
また、携帯端末40が、タッチパネル形式であれば、コンテンツリストを視覚的に確認しながら、所望のコンテンツを選択することができるので、ユーザにとってはより好適となる。さらに、携帯端末での処理負担が軽減されることから、コンテンツリストの確認・選択動作がスムーズになされ、操作フィーリングに優れたものにできる。
【0042】
上記態様は、携帯端末40が、メタ情報、制御情報をコンテンツサーバ10に問い合わせる態様を例示したが、例えば、上記メタ情報、制御情報をコンテンツ再生装置30が問い合わせるような態様であってもよい。図6は、本発明の第二の実施形態にかかるコンテンツ再生装置30の機能ブロックを示す図である。以下、図2に示すコンテンツ再生装置30との変更点のみ説明する。
【0043】
本例の場合、コンテンツ再生装置30は、メタ・制御情報をコンテンツサーバ10に問い合わせるメタ・制御情報送信部35を備える。図7は、本例によるコンテンツ再生制御方法を説明するための動作シーケンス図である。ステップS23までの処理は、図4と同様なので説明を省略する。
【0044】
図7において、携帯端末40は、コンテンツリストをコンテンツサーバ10より受信すると、ユーザによりブラウズされて選択されたコンテンツのURLの情報をコンテンツ再生装置30に送信する(ステップS24)。コンテンツ再生装置30は、受信したコンテンツURLの情報と、メタ情報、制御情報をコンテンツサーバ10に送信して問い合わせる(ステップS25)。コンテンツサーバ10では、受信したコンテンツURLに対応する動画の情報が動画DB13から抽出され、また、該コンテンツURLに対応するコンテンツ再生装置30のメタ情報、制御情報がメタ・制御DB16から抽出される。そして、その制御情報に基づいた動画の情報がコンテンツサーバ10からコンテンツ再生装置30へ送信される(ステップS26)。コンテンツ再生装置30は、受信したコンテンツを映像データとしてストリーミング再生する(ステップS27)。
【0045】
上記のように、本態様では、コンテンツ再生装置30が、メタ情報、制御情報をコンテンツサーバ10で管理されるメタ・制御DB16に問い合わせるようにしたので、携帯端末40とコンテンツ再生装置30間の通信量及び携帯端末40とコンテンツサーバ10間の通信量を減らすことができる。その結果、携帯端末40の電力消費が低減され、バッテリーの寿命を長くすることができる。
【0046】
ところで、コンテンツサーバ10の動画DB13に格納される動画コンテンツ等がDRM(Digital Rights Management)等により暗号化され保護されているような場合、本発明では、DRMで保護されたファイルを再生するライセンスを管理するライセンス管理サーバが設けられる。
【0047】
図8の実線部は、ライセンス管理サーバ50の機能ブロックを示す図である。点線部のコンテンツサーバ10、携帯端末40の構成は、図2で既述であるのでここではその説明を省略する。同図に示すように、本ライセンス管理サーバ50は、コンテンツ再生装置30の認証をする認証処理部51と、該認証の結果に基づき、コンテンツキーをコンテンツ再生装置30に対し送信する認証結果送信部52とを備える。また、本態様では、図2と比して、コンテンツ再生装置30にコンテンツキーを受信するコンテンツキー受信部36が新たに備えられる。
【0048】
図9は、コンテンツがDRMによる保護がなされていた場合のコンテンツ再生制御方法を説明するための図である。本例の場合、ステップS31からステップS33までの処理は、図4のステップS11からステップS13までの処理と同じであるのでその説明は省略する。
【0049】
携帯端末40は、コンテンツサーバ10に対し、メタ情報、制御情報の取得要求と、コンテンツリストから選択されるコンテンツのURLの情報を送信する(ステップS34)。コンテンツサーバ10は、受信したコンテンツURLに対応するコンテンツIDの
ライセンス情報(ライセンスID)と、メタ・制御情報を携帯端末40に送信する(ステップS35)。携帯端末40は、上記受信したライセンス情報と、メタ・制御情報をコンテンツ再生装置30に送信する(ステップS36)。
【0050】
コンテンツ再生装置30は、コンテンツサーバ10から受け取ったライセンス情報と、自身の「DRMクライアント」の情報をライセンス問い合わせ要求に含めライセンス管理サーバ50に送信する(ステップS37)。ライセンス管理サーバ50の認証処理部51は、上記ライセンス問い合わせに基づいて前記DRM処理されたコンテンツの使用権限があるか否かを判断する認証処理を行い(ステップS38)、認証が成功したら「コンテンツキー」が認証結果送信部52からコンテンツ再生装置30に送信される(ステップS39)。
【0051】
コンテンツ再生装置30のコンテンツキー受信部36は、コンテンツキーを受信すると
その旨を動画リクエスト送信部32に通知する。動画リクエスト送信部32は、上記通知を契機にしてコンテンツURLの情報に基づきコンテンツサーバ10に上記コンテンツURLで指定されるコンテンツの取得要求を送信する(ステップS40)。コンテンツサーバ10の動画送信部15は、暗号化されたDRMコンテンツをコンテンツ再生装置30に送信する(ステップS41)。コンテンツ再生装置30の動画受信部33は、コンテンツサーバ10より送信される上記DRMコンテンツを受信して動画再生部34に転送する。コンテンツ再生装置30の動画再生部34では、コンテンツキー受信部36から得られるコンテンツキーを用いて、上記DRMコンテンツを復号して再生する(ステップS42)。
【0052】
このように本態様では、コンテンツ再生装置30の機種、バージョン、機能追加変更に伴う携帯端末40へかかる処理負担を軽減しつつDRMで保護されているコンテンツの再生を容易に行わせることができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0054】
1 コンテンツ再生制御システム
10 コンテンツサーバ
11 動画リストDB
12 動画リスト送信部
13 動画DB
14 動画リクエスト受信部
15 動画送信部
16 メタ・制御DB
17、35 メタ・制御情報送信部
20 ネットワーク(インターネット)
30 コンテンツ再生装置(レンダラ)
31 URL判定部
32 動画リクエスト送信部
33 動画受信部
34 動画再生部
36 コンテンツキー受信部
40 携帯端末
41 メタ・制御情報取得要求部
42 表示部
43 選択部
50 ライセンス管理サーバ
51 認証処理部
52 認証結果送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムであって、
前記コンテンツサーバは、コンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とを格納するメタ制御情報管理データベースを備え、
前記携帯端末は、前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するメタ制御情報取得要求手段を備え、
前記コンテンツサーバは、前記携帯端末からの要求に基づいて、前記メタ制御情報管理データベースにアクセスしてメタ情報と制御情報を取得して前記携帯端末に送信するメタ制御情報送信手段を備え、
前記携帯端末は、受信した前記メタ情報と制御情報と共に、コンテンツのURL情報を、デジタル家電制御用プロトコルを用いて前記コンテンツ再生装置に送信し、該情報の送信に基づき前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツを該コンテンツ再生装置に再生させるコンテンツ再生制御手段を備えることを特徴とするコンテンツ再生制御システム。
【請求項2】
前記コンテンツサーバは、前記ネットワーク上で前記コンテンツ再生装置を検出したときに、最新のメタ情報を取得して前記メタ制御情報管理データベースの内容を更新するデータベース更新手段を備えることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生制御システム。
【請求項3】
前記コンテンツ再生装置は、前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツの取得時、前記携帯端末の代わりに前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するコンテンツ取得時メタ制御情報取得要求手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のコンテンツ再生制御システム。
【請求項4】
DRM処理されたコンテンツの利用許諾ライセンスを発行するライセンス管理サーバをさらに備え、
前記携帯端末は、前記DRM処理されたコンテンツのライセンスIDをコンテンツサーバより受信して前記コンテンツ再生装置に送信するライセンスID送受手段を備え、
前記コンテンツ再生装置は、受信したライセンスIDと、自身のクライアント情報とを前記ライセンス管理サーバに送信する認証情報送信手段を備え、
前記ライセンス管理サーバは、前記DRM処理されたコンテンツの使用権限があるか否かを前記受信したライセンスIDとクライアント情報に基づき認証する認証処理手段と、
前記認証が成功した場合にコンテンツキーを生成し、そのコンテンツキーをコンテンツ再生装置に送信するコンテンツキー生成送信手段と、を備え、
前記コンテンツ再生装置は、受信されるコンテンツキーを用いて前記DRM処理されたコンテンツを復号するDRMコンテンツ復号手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のコンテンツ再生制御システム。
【請求項5】
前記デジタル家電制御用プロトコルはDLNAプロトコルであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のコンテンツ再生制御システム。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムに用いられるコンテンツ再生制御方法であって、
コンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とを格納するメタ制御情報管理データベースが備えられ、
前記携帯端末は、前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するステップを備え、
前記コンテンツサーバは、前記携帯端末からの要求に基づいて、前記メタ制御情報管理データベースにアクセスしてメタ情報と制御情報を取得して前記携帯端末に送信するステップを備え、
前記携帯端末は、受信した前記メタ情報と制御情報と共に、コンテンツのURL情報を前記コンテンツ再生装置に送信し、該情報の送信に基づき前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツを該コンテンツ再生装置に再生させるステップを備えることを特徴とするコンテンツ再生制御方法。
【請求項7】
ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムにおけるコンテンツサーバであって、
前記コンテンツサーバのデータベースにコンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とが記憶され、
前記コンテンツサーバは、前記携帯端末から送信される前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求に基づいて、前記メタ制御情報管理データベースにアクセスしてメタ情報と制御情報を取得して前記携帯端末に送信するメタ制御情報送信手段を備えることを特徴とするコンテンツサーバ。
【請求項8】
ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムにおける携帯端末であって、
前記コンテンツサーバのデータベースにコンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とが記憶され、
前記携帯端末は、前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するメタ制御情報取得要求手段と、
前記取得要求に応じて前記コンテンツサーバより送信されるメタ情報と制御情報を受信するメタ制御情報受信手段と、
前記受信した前記メタ情報と制御情報と共に、コンテンツのURL情報を前記コンテンツ再生装置に送信し、該情報の送信に基づき前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツを該コンテンツ再生装置に再生させるコンテンツ再生制御手段と、を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項9】
ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムにおけるコンテンツサーバに、
前記コンテンツサーバのデータベースにコンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とが記憶され、
前記携帯端末から送信される前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を受信するステップと、
前記受信した取得要求に基づいて、前記データベースにアクセスしてメタ情報と制御情報を取得して前記携帯端末に送信するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
ネットワークを介して接続されるコンテンツサーバと、コンテンツ再生装置と、携帯端末とを備えるコンテンツ再生制御システムにおける携帯端末に、
前記コンテンツサーバのデータベースにコンテンツと前記コンテンツ再生装置に対する機器情報とを関連付けたメタ情報と、コンテンツの再生制御情報とが記憶され、
前記機器情報と、前記再生制御情報の取得要求を前記コンテンツサーバに送信するステップと、
前記取得要求に応じて前記コンテンツサーバより送信されるメタ情報と制御情報を受信するステップと、
前記受信した前記メタ情報と制御情報と共に、コンテンツのURL情報を前記コンテンツ再生装置に送信するステップと、
前記情報の送信に基づき前記コンテンツサーバより送信されるコンテンツを該コンテンツ再生装置に再生させるステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−223124(P2011−223124A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87419(P2010−87419)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】