コンテンツ再生装置、コンテンツ出力装置、およびコンテンツ再生システム
【課題】従来のコンテンツレコメンドシステムにおいては、レコメンド対象を特定するためにある程度量の視聴履歴が必要となる、という課題がある。あるいはレコメンドされるコンテンツの数が膨大となり、結局どれが有意なレコメンドであるか分からなくなる、という課題もある。また、別の従来技術では視聴者が全く知らない新しいコンテンツを取得することができない、という課題がある。
【解決手段】以上の課題を解決するために、本発明では、例えば再生中のコンテンツが終了シーンに到達した状態で視聴者からさらに再生や早送りなどの操作を受付けた場合に視聴者がその先など関連する新しいコンテンツをさらに見たがっていると想定する。そこで上記状況で当該操作の受付けると、新しい関連コンテンツを検索するための検索キーとして再生中のコンテンツの識別情報を出力する機能を備えるコンテンツ再生装置を提供する。
【解決手段】以上の課題を解決するために、本発明では、例えば再生中のコンテンツが終了シーンに到達した状態で視聴者からさらに再生や早送りなどの操作を受付けた場合に視聴者がその先など関連する新しいコンテンツをさらに見たがっていると想定する。そこで上記状況で当該操作の受付けると、新しい関連コンテンツを検索するための検索キーとして再生中のコンテンツの識別情報を出力する機能を備えるコンテンツ再生装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの再生操作に応じて視聴者に情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、視聴者のコンテンツ視聴履歴などに応じてユーザの趣味嗜好を分析し、その趣味嗜好に合致した新しいコンテンツの情報(タイトルや入手方法など)を視聴者に提供したり、自動的に録画などしたりするコンテンツレコメンドシステムが提供されている。このようにして、視聴者は自身に好適でありながら所有していない新しいコンテンツを入手し視聴することなどができる。また特許文献1には、視聴者が所有していないコンテンツでも容易に視聴することができるよう、視聴者がレコーダに記録していない新しいコンテンツの再生要求を行った際には、外部のビデオオンデマンドサーバに問合せて当該コンテンツを取得し再生する動画表示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−165189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のコンテンツレコメンドシステムにおいては、ある程度量の視聴履歴が必要となる、という課題がある。つまり、例えばある映画の第一作目を見ただけでは第二作目に関する情報を入手することができない。もちろん、システム設計上1回の視聴履歴を利用して関連する新しいコンテンツの情報を視聴者に提供するよう構成することもできる。しかし、その場合レコメンドされるコンテンツの数が膨大となり、結局どれが有意なレコメンドであるか分からなくなる、という別の課題が生じてしまう。
【0005】
また特許文献1の動画表示システムにおいては、外部のビデオオンデマンドサーバから新しいコンテンツを取得するためには、その発明構成上、視聴者が当該新しいコンテンツを認識した上でそれを指定して再生要求操作を行う必要がある、という課題がある。したがって、特許文献1の技術では、視聴者が全く知らない新しいコンテンツを取得することができないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明では、例えば再生中のコンテンツが終了シーンに到達した状態で視聴者からさらに再生や早送りなどの操作を受付けた場合に視聴者がその先など関連する新しいコンテンツをさらに見たがっていると想定する。そこで上記状況で当該操作の受付けると、新しい関連コンテンツを検索するための検索キーとして再生中のコンテンツの識別情報を出力する機能を備えるコンテンツ再生装置を提供する。
【0007】
具体的には、再生すべきコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、取得したコンテンツを再生する再生部と、早送りなどの特殊再生のための操作を受付ける特殊再生操作受付部と、特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、再生部にて再生中のコンテンツの開始位置よりも前の位置に戻ろうとする操作である戻超過操作であるか判断する戻超過操作判断部と、特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、再生部にて再生中のコンテンツの終了位置よりも後の位置に進もうとする操作である進超過操作であるか判断する進超過操作判断部と、超過操作判断部での判断結果が超過操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する識別情報出力部と、を有するコンテンツ再生装置を提供する。また、上記構成に加えて、前記識別情報出力部が、超過操作判断部での判断結果が超過操作であると判断された場合に、その超過操作が戻超過操作であるか、進超過操作であるかを示す戻進超過操作種別情報と、その超過操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する種別付識別情報出力手段をさらに有するコンテンツ再生装置も提供する。
【0008】
また、例えばシリーズ物の映画同士、あるいは同一監督や同一主演者の映画同士という具合に関連のあるコンテンツ同士の識別情報を関連付けたデータベースを保持することで、上記コンテンツ再生装置で取得された識別情報を利用して関連するコンテンツを特定し、そのコンテンツに関する情報をコンテンツ再生装置に対して出力する機能を備えるコンテンツ出力装置も提供する。
【0009】
具体的には、上記構成を備えるコンテンツ再生装置に対してコンテンツを出力するコンテンツ出力装置であって、前記コンテンツ再生装置のコンテンツ取得部にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報であるコンテンツ関連情報を保持する関連情報保持部と、前記コンテンツ再生装置の識別情報出力部からの出力を取得する出力識別情報取得部と、出力識別情報取得部にて取得した識別情報であるキー識別情報を用いてこのキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を関連情報保持部から取得する関連識別情報取得部と、取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する出力部と、を有するコンテンツ出力装置を提供する。また、上記構成に加えて、関連情報保持部が、関連付けられている二つの識別情報が、一方の識別情報をキー識別情報として利用して他方の識別情報を取得する際に、他方の識別情報が戻進超過操作種別情報との関係で選択できるように識別情報と戻進超過操作種別情報とを関連付けて保持する戻進保持手段を有するコンテンツ出力装置も提供する。また、上記構成のコンテンツ再生装置と、上記構成のコンテンツ装置と、からなるコンテンツ再生システムも提供する。
【0010】
また、上記のような再生中のコンテンツに対する早送りなどの操作ではなく、コンテンツリストを利用した再生コンテンツの選択操作に関して、例えば時間順に並べられたコンテンツリストの先頭のコンテンツのさらに前のコンテンツを選択するためのカーソル移動操作を受付けた場合に、上記同様に視聴者がその先など関連する新しいコンテンツをさらに見たがっていると想定する。そこで上記状況で当該操作の受付けると、新しい関連コンテンツを検索するための検索キーとして再生中のコンテンツの識別情報を取得する機能を備えるコンテンツ再生装置も提供する。
【0011】
具体的には、再生すべきコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、所定の条件に基づいてまとめられた複数のコンテンツを時間順に並べたコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成部と、コンテンツリスト内のコンテンツを選択するためのカーソルなどの移動操作を受付ける選択移動操作受付部と、選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの先頭のコンテンツよりも前のコンテンツに移動しようとする操作である前超過移動操作であるか判断する前超過移動操作判断部と、選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの最後のコンテンツよりも後ろのコンテンツに移動しようとする操作である後超過移動操作であるか判断する後超過移動操作判断部と、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する第二識別情報出力部と、を有するコンテンツ再生装置を提供する。また、上記構成に加えて、前記第二識別情報出力部が、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であると判断された場合に、その超過移動操作が前超過移動操作であるか、後超過操作であるかを示す前後超過移動操作種別情報と、その超過移動操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する第二種別付識別情報出力手段をさらに有するコンテンツ再生装置も提供する。
【0012】
また、例えばシリーズ物の映画同士など関連のあるコンテンツ同士の識別情報を関連付けたデータベースを保持することで、上記コンテンツ再生装置で取得された識別情報を利用して関連するコンテンツを特定し、そのコンテンツに関する情報をコンテンツ再生装置に対して出力するため、上記同様の構成を備えるコンテンツ出力装置も提供する。また、上記構成のコンテンツ再生装置と、上記構成のコンテンツ装置と、からなるコンテンツ再生システムも提供する。
【発明の効果】
【0013】
以上のような構成をとる本発明によって、ある程度量の視聴履歴を利用しなくとも、視聴者は1回のコンテンツ視聴によってそのコンテンツに関連する新しい動画の情報を入手することができる。また、例えばコンテンツ終了位置での早送り操作入力などが必要となるため、レコメンドされるコンテンツの数が膨大となることも無い。また視聴者は一のコンテンツを再生しそこで上記操作を行うことで、全く知らない新しいコンテンツに関する情報を入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1のコンテンツ再生装置を利用したコンテンツレコメンドの一例を説明するための概念図
【図2】実施例1のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図
【図3】実施例1のコンテンツ再生装置における戻超過操作の一例を説明するための概念図
【図4】実施例1のコンテンツ再生装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図5】実施例1のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図6】実施例2のコンテンツ出力装置におけるコンテンツ再生装置への提供情報の出力処理の一例を説明するための概念図
【図7】実施例2のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図
【図8】実施例2のコンテンツ再生装置の関連情報保持部における関連情報の保持態様の一例を説明するための概念図
【図9】実施例2のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図10】実施例3のコンテンツ再生装置を利用したコンテンツレコメンドの一例を説明するための概念図
【図11】実施例3のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図
【図12】実施例3のコンテンツ再生装置における超過移動操作の判断の一例を表す図
【図13】実施例3のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1,2について説明する。また、実施例2は、主に請求項3,4,5について説明する。また、実施例3は、主に請求項6から10について説明する。
【0016】
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例のコンテンツ再生装置を利用したコンテンツレコメンドの一例を説明するための概念図である。この図1(a)にあるように、本実施例のコンテンツ再生装置にて映画「ユリシーズ1」が再生されている。そして「ユリシーズ1」の最後のシーン(フレーム)の再生が終わって例えば一時停止状態となっているときに、図1(b)に示すように視聴者からの「早送りボタン」などの操作入力を受付ける。すると、本実施例のコンテンツ再生装置は「視聴者がこの続きをさらに見たがっている」と想定し、図1(c)に示すように、このコンテンツの識別情報、例えばタイトル名や監督名などを取得する。そして取得した識別情報を検索キーとして検索リクエストを出力し、図1(d)に示すように、そのリクエストに応じて返信された例えば同じタイトル名を含む新しいコンテンツ「ユリシーズ2」に関する情報を表示したり再生したりする、という具合である。
【0017】
このようにして、視聴者は「ユリシーズ1」を視聴し、その再生終了時に早送りなどの操作入力をすることで、その再生コンテンツに関連する新しいコンテンツに関する情報を取得したり視聴したりすることができる。
【0018】
<機能的構成>
図2は、本実施例のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお、以下に記載する各装置やシステムの機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用されるユーザ入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。
【0019】
あるいは各装置やシステムの機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。また、この発明は装置やシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0020】
そしてこの図2にあるように、本実施例の「コンテンツ再生装置」(0200)は、「コンテンツ取得部」(0201)と、「再生部」(0202)と、「特殊再生操作受付部」(0203)と、「戻超過操作判断部」(0204)と、「進超過操作判断部」(0205)と、「識別情報出力部」(0206)と、からなる。
【0021】
「コンテンツ取得部」(0201)は、再生すべきコンテンツを取得する機能を有し、例えば、放送受信チューナや各種情報記録媒体の読取ドライブ、外部機器との情報入出力ポート、そしてCPUや主メモリ、コンテンツ取得プログラムなどによって実現することができる。なお、このコンテンツ取得部におけるコンテンツ取得の形態は特に限定せず、例えば放送波に変調された放送番組コンテンツを放送受信チューナにて受信し、それを復調し復号化することで生成したコンテンツデータを主メモリに格納することで取得する形態が挙げられる。また内蔵のハードディスク、あるいは外付けの可搬型フラッシュメモリや光学記録ディスクなどに記録されたコンテンツデータを対応読取ドライブにて読取り、復号化して生成したコンテンツデータを取得する形態や、外部の再生装置やサーバ装置などの外部機器から情報入出力ポートを介して受信したデータを復号化し成したコンテンツデータを取得する形態なども挙げられる。
【0022】
また、本発明におけるコンテンツも特に限定されず、上記例にある映画などの動画コンテンツのほか、静止画コンテンツ、テキストコンテンツ、音声/音楽コンテンツなどが挙げられ、その取得形態もそのコンテンツの種類に合せたものであれば良い。
【0023】
「再生部」(0202)は、取得したコンテンツを再生する機能を有し、CPUや主メモリ、再生プログラム、またコンテンツの種別に合せて映像処理回路などを含むディスプレイ装置や音声処理回路などを含むスピーカ装置などで実現することができる。具体的には、取得したコンテンツが動画や静止画、テキストなど表示系コンテンツであれば、映像処理回路を介してVRAMにコンテンツの描画データを転送し、ディスプレイに当該コンテンツを表示する。また音声系コンテンツであれば音声処理回路を介してスピーカから当該コンテンツを音声出力する、という具合である。
【0024】
そして本実施例のコンテンツ再生装置では、上記のように取得、再生されるコンテンツに対して視聴者から入力された操作を利用して、視聴者がコンテンツの続きなどを見たがっている(聞きたがっている)と想定されるか否かを判断することを特徴とする。
【0025】
「特殊再生操作受付部」(0203)は、早送りなどの特殊再生のための操作を受付ける機能を有し、例えばCPUや主メモリ、リモコン装置や操作パネル、あるいはマウスやキーボードなどのユーザ入力デバイス、特殊再生操作受付プログラムなどによって実現することができる。なお「特殊再生のための操作」とは、上記のように早送りや巻き戻し操作が挙げられる。また早送りや巻き戻し操作は、その送り/戻し間隔が30フレームスキップや10秒スキップといった一定間隔であるスキップ操作のほかに、例えばコンテンツがチャプター(章)や再生ポイントなど不定間隔で分割されていれば、その分割点にスキップするチャプタースキップなどの操作も挙げられる。そして、本実施例のコンテンツ再生装置では以下の構成によって、例えばコンテンツの最後のフレームが再生された後に、さらに早送りなどの特殊再生操作を受付けた場合などに、視聴者がコンテンツの続きなどを見たがっている(聞きたがっている)と想定されるか否かを判断することを特徴とする。
【0026】
「戻超過操作判断部」(0204)は、特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、戻超過操作であるか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、戻超過操作判断プログラムなどによって実現することができる。また、「戻超過操作」とは、再生部にて再生中のコンテンツの開始位置よりも前の位置に戻ろうとする操作をいう。具体的には、例えばコンテンツが動画であれば、図3(a)に示すように、(巻き戻しのできない)最初のフレームが再生表示中であるにも関わらず、そこからさらに巻き戻しを指示する操作が挙げられる。またコンテンツがテキストの電子ブックであれば、図3(b)に示すように、最初の1ページ目を表示中であるにも関わらず、そこからさらに前のページの表示を指示するめくり操作が挙げられる。そして戻超過操作判断部では、例えばある操作入力を受付けると、その操作入力に応じて実行された処理結果を示す情報を取得するよう構成する。そして、その取得した情報によって、「巻き戻し操作で(コンテンツの再生位置が開始位置であったために)フレームの巻き戻を実行することができなかった」、あるいは「前のチャプターへのスキップ操作で現在の再生位置と同じ再生位置までしかスキップできなかった」との処理内容が示された場合、戻超過操作と判断する、という具合である。もちろん、この判断処理は一例であって、例えば現在の再生位置と受付けた操作内容を示す情報を取得し、現在の再生位置が「コンテンツの開始位置」であり、操作内容が「巻き戻し操作」や「前のチャプターへのスキップ操作」であれば戻超過操作と判断するなどの処理であっても良い。
【0027】
「進超過操作判断部」(0205)は、特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、進超過操作であるか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、進超過操作判断プログラムなどによって実現することができる。また「進超過操作」とは、再生部にて再生中のコンテンツの終了位置よりも後の位置に進もうとする操作をいう。具体的には、上記戻超過操作とは逆に、例えばコンテンツが動画であれば、最後のフレームが再生表示中であるにも関わらず、そこからさらに早送りを指示する操作などが挙げられる。また、コンテンツが放送番組の録画コンテンツであって、さらに複数の番組に跨って一つのコンテンツファイルとして録画されたコンテンツであった場合、ファイル単位ではなく番組単位で一つのコンテンツとして処理すると良い。具体的には電子番組表やコンテンツファイルのヘッダデータなどを参照して番組の切れ目を判断し、コンテンツファイルとしては途中位置であっても番組コンテンツとしては開始/終了位置である点を判断し、その位置を基準に戻超過操作や進超過操作であるか判断する、という具合である。
【0028】
そして、本実施例のコンテンツ再生装置では、コンテンツの開始位置の前や終了位置の後のように本来再生されるはずのない再生位置を指定する戻超過操作や進超過操作の入力に対して、視聴者が例えば再生中のコンテンツのさらに前や後、つまり当該コンテンツの前作や続編などの再生を視聴者が希望しているものと想定し、以下の処理を実行することを特徴とする。
【0029】
「識別情報出力部」(0206)は、超過操作判断部での判断結果が超過操作であるとの判断結果である場合には、提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、識別情報出力プログラムなどによって実現することができる。なお「提供情報」とは、視聴者に対して提供すべき情報をいい、視聴者がコンテンツに関する事項を知ることができるような情報であればその内容についてはここでは特に限定しない。一例としては、(戻超過操作などの対象となったコンテンツに関連する別の)コンテンツのタイトルや作者名、映画などであれば主演俳優/女優名、あるいはコンテンツそのものなどが挙げられる。そして、提供情報がタイトルなどの情報であれば、本実施例のコンテンツ再生装置はそれを取得しディスプレイ上に表示することで、視聴者に対して戻超過操作などの対象となったコンテンツの例えば次回作のタイトルなどを知らせることができる。あるいは取得した提供情報が(戻超過操作の対象となったコンテンツに関連する別の)コンテンツそのものであれば、現在再生中のコンテンツに続けて再生などすると良い。
【0030】
また、ここで視聴者に情報提供されるコンテンツの検索キーとなる「識別情報」も特には限定せず、例えば(戻超過操作などの対象となったコンテンツの)タイトルや作者名、主演俳優/女優名、あるいはユニークに割り当てられた数字・文字列などが挙げられる。そして、このように取得した識別情報を含む検索リクエストを、例えば実施例2で後述するようなシリーズ物のコンテンツ同士などを関連付けたデータベースを備えるコンテンツ出力装置に対して行う。そしてコンテンツ出力装置では、識別情報を利用してデータベースを検索し、例えば同じシリーズの別作品などのタイトルやコンテンツそのものを特定し、レスポンスとして返信する、という具合である。
なお、ここで出力される識別情報の取得タイミングについては特に限定しない。例えば再生部でのコンテンツ再生時にその再生中のコンテンツの識別情報を取得し、超過操作の受付に応じてその予め取得した識別情報を取得する構成としても良い。あるいは、超過操作が受付けられたとの判断結果がなされたタイミングで再生中のコンテンツの識別情報を取得し出力する構成としても良い。
【0031】
また本実施例のコンテンツ再生装置では、戻超過操作と進超過操作を区別せず、これら操作入力がなされた際に識別情報を実施例2で後述するコンテンツ出力装置に検索リクエストとして出力するよう構成しても良い。あるいは、両操作を区別して識別情報を検索リクエストとして出力することで、例えば戻超過操作であれば当該コンテンツの前作など時間的に前に製作されたコンテンツが検索され、進超過操作であれば当該コンテンツの次回作など時間的に後に製作されたコンテンツが検索されるよう構成しても良い。
【0032】
具体的には、この識別情報出力部が、図示しない「種別付識別情報出力手段」を有すると良い。そして、この「種別付識別情報出力手段」は、超過操作判断部での判断結果が超過操作であると判断された場合に、その超過操作が戻超過操作であるか、進超過操作であるかを示す戻進超過操作種別情報と、その超過操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する機能を有することを特徴とする。
【0033】
なお、識別情報を検索キーとする提供情報の検索および出力、あるいは上記戻進超過操作種別情報が関連付けられた識別情報を検索キーとする提供情報の検索および出力については、実施例2にて詳述する。
【0034】
以上のように、本実施例のコンテンツ再生装置によって、コンテンツに対して戻超過操作または進超過操作が入力されたことを受けて、当該コンテンツの例えば前作や次回作など関連する別のコンテンツを検索するための検索キーとなる識別情報を出力することができる。そして、その識別情報を含む検索リクエストを実行しそのレスポンスを取得することで、本実施例のコンテンツ再生装置は、一のコンテンツの再生及び戻超過操作/進超過操作に応じて視聴者に新しい別のコンテンツに関する情報を提供することができる。
【0035】
<ハードウェア構成>
図4は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、コンテンツ再生装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して識別情報の取得処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0036】
この図にあるように、コンテンツ再生装置は、戻超過操作判断部、進超過操作判断部および識別情報出力部を実現し、またその他の各種演算処理を実行するための「CPU」(0401)と、「主メモリ」(0402)と、を備えている。また、特殊再生操作受付部である「ユーザ入力デバイス」(0403)、再生部である「映像処理回路」(0404)や「ディスプレイ」(0405)、あるいは「スピーカ」(0406)、コンテンツ取得部を実現する「HDD」(0407)を備えている。また、コンテンツ取得部として図示しない「受信チューナ」、「(記録媒体の)読取ドライブ」、「外部機器接続ポート」などを備えていてもよい。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0037】
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「HDD」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定して格納されているデータにアクセスし、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0038】
ここで、まず、例えば「HDD」内に記録されている録画番組コンテンツをサムネイルリスト化した録画リストが「ディスプレイ」上に表示され、その録画リストを利用して「ユーザ入力デバイス」の決定操作で選択されたコンテンツIDが「主メモリ」に格納される。すると「CPU」はコンテンツ取得プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって「HDD」から指定されたコンテンツデータを読み出す。つづいて「CPU」は再生プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって読み出したコンテンツデータを図示しない「デコーダ」に出力し復号化処理を実行する。そして復号化されたコンテンツデータを「映像処理回路」に出力し、画質調整やVRAMへの転送などの各種処理を経て、当該録画番組コンテンツを「ディスプレイ」に表示する。
【0039】
その後、当該録画番組コンテンツの最終フレームを「映像処理回路」に出力し「ディスプレイ」に表示させると、「CPU」は当該再生処理を一定時間停止し、所定時間経過後にその他の処理(再生処理を終了し録画リストを再表示する処理など)を行う。そして、このように再生処理が一時停止されている状態(コンテンツの再生位置がコンテンツの終了位置にある状態)で、「ユーザ入力デバイス」を介して「早送り」や「次のチャプターへのスキップ」などの操作入力がなされると、当該操作処理を実行することができないことになる。そこで「CPU」は戻超過操作判断プログラム及び進超過操作判断プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって、例えば上記状態で操作入力を受付けた際にはその操作処理の結果を示す情報を取得する。そして、取得した情報によって「操作処理が正確に実行できなかった」ことが示されていると判断された場合、進超過操作が入力されたとの判断結果を「CPU」は出力する。あるいはコンテンツ再生位置が開始位置にある状態でも同様にして戻超過操作が入力されたか否かの判断を行う。
【0040】
そして、このように超過操作が入力されたとの判断結果が出力されると、それをトリガーとして「CPU」は識別情報出力プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって例えばコンテンツのヘッダ情報やコンテンツの各種識別情報をリスト化したデータなどを参照して、そのタイトルなどの識別情報を取得する。なお、この識別情報の取得はコンテンツの再生時などに予め実行されていても良い。そして、この際に超過操作が戻超過操作か進超過操作かを示す情報を生成し、取得した識別情報に関連付けるよう構成しても良い。そして取得した識別情報を、例えば図示しない「インターネット出力回路」などから後述する構成を備えるコンテンツ出力装置に対して出力する、という具合である。
【0041】
このように本実施例のコンテンツ再生装置は、コンテンツに対して戻超過操作または進超過操作が入力されたことを受けて、当該コンテンツに関連する別のコンテンツを検索するための検索キーとなる識別情報を取得し、その識別情報を含む検索リクエストを実行することができる。
【0042】
<処理の流れ>
図5は、本実施例のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、再生すべきコンテンツを取得し(ステップS0501)、取得したコンテンツを再生する(ステップS0502)。そして、その再生実行時に早送りなどの特殊再生のための操作を受付ける(ステップS0503)と、ステップS0503にて受付けた操作が戻超過操作であるか判断する(ステップS0504)。あるいは、当該操作が進超過操作であるか判断する(ステップS0505)。そして、ステップS0504またはS0505での判断結果が超過操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する(ステップS0506)。そして、出力した識別情報を含む検索リクエストを実行し、その検索のレスポンスとして返信され取得した別のコンテンツの情報を表示したり別のコンテンツそのものを再生したりする。
なお前述の通り、ステップS0506で出力される識別情報の取得タイミングについては特に限定しない。例えばステップS0502でのコンテンツ再生時にその再生中のコンテンツの識別情報を取得しても良いし、ステップS0504やS0505での判断結果に応じてその識別情報を取得しても良い。
【0043】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のコンテンツ再生装置によって、コンテンツに対して戻超過操作または進超過操作が入力されたことを受けて、当該コンテンツの例えば前作や次回作など関連する別のコンテンツを検索するための検索キーとなる識別情報を出力することができる。そして、その識別情報を含む検索リクエストを実行し、そのレスポンスを取得することで、本実施例のコンテンツ再生装置は、一のコンテンツの再生及び戻超過操作/進超過操作に応じて視聴者に新しい別のコンテンツに関する情報を提供することができる。
【0044】
≪実施例2≫
<概要>
図6は、本実施例のコンテンツ出力装置におけるコンテンツ再生装置への提供情報の出力処理の一例を説明するための概念図である。この図6(a)にあるように、上記コンテンツ再生装置にて出力され、検索リクエストとして送信されてきた識別情報「ユリシーズ1」を受信する。すると、コンテンツ出力装置は、その「ユリシーズ1」を検索キーとして自身のデータベースを検索する。ここで図6(b)に示すように、このデータベースには例えばシリーズものである映画のタイトル同士など関連付けられており、それによって「ユリシーズ1」の続編である「ユリシーズ2」の識別情報が取得される。そして、本実施例のコンテンツ出力装置は、このようにして取得したタイトル名などのコンテンツの識別情報やコンテンツデータそのものを提供情報としてコンテンツ再生装置に返信出力する、という具合である。
【0045】
<機能的構成>
図7は、本実施例のコンテンツ出力装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお、本実施例の「コンテンツ出力装置」は、上記実施例のコンテンツ再生装置に対してコンテンツを出力する機能を有するが、このコンテンツ出力装置とコンテンツ再生装置は、組み合わさることでコンテンツ再生システムを構成しても良い。また両装置間のコンテンツを含む情報の送受信の形態はさまざまであって良い。例えば上記コンテンツ再生装置と本実施例のコンテンツ出力装置が電子通信網を介して接続され情報を送受信するよう構成しても良いし、両装置ともに一つの装置内に組み込まれて、システムバスなどを介して内部的に接続されて情報を送受信するように構成しても良い。そして、この図7にあるように、本実施例の「コンテンツ出力装置」(0700)は、「関連情報保持部」(0701)と、「出力識別情報取得部」(0702)と、「関連識別情報取得部」(0703)と、「出力部」(0704)と、からなる。
【0046】
「関連情報保持部」(0701)は、コンテンツ関連情報を保持する機能を有し、例えばフラッシュメモリやHDDなどの各種の記録保持装置によって実現することができる。また、「コンテンツ関連情報」とは、前記コンテンツ再生装置のコンテンツ取得部にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報をいい、例えば図8(a)に示すように、同一シリーズの各タイトル同士や連続ドラマなどの各話タイトル同士などを関連付けた情報が挙げられる。あるいは全く異なる作品同士であっても、図8(b)に示すように、例えば同一監督による作品同士や同一主演者による作品同士の識別情報が関連付けられていても良い。もちろん、関連付けられている識別情報は上記図に示すようなタイトルや監督名など以外に、例えばユニークに割り当てられた文字列で構成された識別情報などであっても良い。そして、このコンテンツ関連情報を参照することで、コンテンツ再生装置から取得した識別情報に関連付けられた(別のコンテンツの)識別情報を特定することができる。
【0047】
「出力識別情報取得部」(0702)は、上記実施例のコンテンツ再生装置の識別情報出力部からの出力を取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、外部機器との情報入出力ポートや内部機器とのシステムバス接続ポート、そして出力識別情報取得プログラムなどによって実現することができる。具体的に出力識別情報取得部では、例えばインターネットなどの電子通信網を介してコンテンツ再生装置から識別情報を取得しても良いし、コンテンツ再生装置とコンテンツ出力装置が一つの装置内に組み込まれているのであれば、システムバスなどを介して識別情報を取得しても良い。
【0048】
「関連識別情報取得部」(0703)は、出力識別情報取得部にて取得した識別情報であるキー識別情報を用いてこのキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を関連情報保持部から取得する機能を有し、例えば、CPUや主メモリ、関連識別情報取得プログラムなどによって実現することができる。具体的には、図8に示すようなテーブルデータを参照し、例えば「ユリシーズ2」の識別情報が取得された場合、それをキーとして関連付けられている「ユリシーズ3」の関連識別情報を取得する、という具合である。
【0049】
また、例えば「ユリシーズ2」を再生中に受付けた操作が戻超過操作である場合はその前作である「ユリシーズ1」が取得され、一方、進超過操作である場合にはその次回作である「ユリシーズ3」が取得されるよう構成しても良い。このように構成することで、例えばユーザの操作感(前に戻したか先に進めたか)とレコメンドする作品の時間的な前後関係などを対応させることができる。具体的には、関連情報保持部が、図示しない「戻進保持手段」を有すると良い。「戻進保持手段」は、関連付けられている二つの識別情報が、一方の識別情報をキー識別情報として利用して他方の識別情報を取得する際に、他方の識別情報が戻進超過操作種別情報との関係で選択できるように識別情報と戻進超過操作種別情報とを関連付けて保持する機能を有する。このようにして、例えば「ユリシーズ2」の識別情報が「戻超過操作」を示す戻進超過操作種別情報と関連付けて取得された場合、ユリシーズ2と関連付けられ、さらに戻超過操作と関連付けられているその前作である「ユリシーズ1」が関連識別情報として取得される、という具合である。
【0050】
また、上記例は一例であって、例えば監督名を識別情報として関連付けられていれば、当該監督による製作コンテンツを時間順に並べて戻超過操作と進超過操作によって関連付けが為されていてもよい。
【0051】
「出力部」(0704)は、取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路、出力プログラムなどによって実現することができる。具体的に、提供情報は関連識別情報を利用したものであれば特に限定せず、様々な情報内容のものであって良い。例えば関連識別情報である「タイトル名」そのものを提供情報としてコンテンツ再生装置に出力しても良い。そして、コンテンツ再生装置ではそのタイトル名をディスプレイに表示し、ユーザに関連コンテンツがある旨を通知する、という具合である。また、提供情報に当該関連識別情報で識別されるコンテンツの入手(購入先)WebサイトのURLを含むよう構成し、コンテンツ再生装置に出力するよう構成しても良い。なお、そのURL情報は、例えば図8に示すテーブルデータの項目の一つとして関連識別情報に関連付けることで提供情報に含まれるようにすると良い。あるいは関連識別情報を利用してコンテンツデータそのものを取得し、そのコンテンツデータを提供情報としてコンテンツ再生装置に出力しても良い。
【0052】
以上のように本実施例のコンテンツ出力装置は、上記実施例のコンテンツ再生装置で出力された識別情報に関連する別のコンテンツの識別情報を取得し、それを利用して例えば関連コンテンツの名称や入手先、あるいはコンテンツそのものを視聴者に提供することができる。
【0053】
<処理の流れ>
図9は、本実施例のコンテンツ出力装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、上記実施例のコンテンツ再生装置にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報であるコンテンツ関連情報を、HDDなどで構成される関連情報保持部に保持するため記録し(ステップS0901)、図8に示すようなデータベースを構築する。その後、上記実施例のコンテンツ再生装置から出力された識別情報を取得する(ステップS0902)。そしてその取得した識別情報であるキー識別情報を用いて関連情報保持部を検索し、このキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を取得する(ステップS0903)。そして、取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する(ステップS0904)。
【0054】
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例のコンテンツ出力装置によって、上記実施例のコンテンツ再生装置で取得された識別情報に関連する別のコンテンツの識別情報を取得し、それを利用して例えば関連コンテンツの名称や入手先、あるいはコンテンツそのものを視聴者に提供することができる。
【0055】
したがって、上記コンテンツ再生装置とコンテンツ出力装置とからなるコンテンツ再生システムによって、ある程度量の視聴履歴を利用しなくとも、視聴者は1回のコンテンツ視聴における「戻超過操作」または「進超過操作」をするとによって、そのコンテンツに関連する新しい動画の情報を入手することができる。また、例えばコンテンツ終了位置での早送り操作入力などが必要となるため、レコメンドされるコンテンツの数が膨大となることも無い。また視聴者は一のコンテンツを再生しそこで上記操作を行うことで、全く知らない新しいコンテンツに関する情報を入手することができる。
【0056】
≪実施例3≫
<概要>
本実施例は、上記のように再生中のコンテンツに対する早送りなどの操作ではなく、コンテンツリストを利用した再生コンテンツの選択操作に応じて、関連コンテンツをレコメンドするための機能を備えることを特徴とするコンテンツ再生装置、コンテンツ出力装置、およびコンテンツ再生システムである。
【0057】
図10は、本実施例のコンテンツ再生装置を利用したコンテンツレコメンドの一例を説明するための概念図である。ここで本実施例のコンテンツ再生装置は例えばテレビ番組のレコーダであって、ある連続ドラマDを録画している。そして図10(a)に示すように、再生コンテンツの選択に際しては、その連続ドラマDの各話を録画順でリスト化したコンテンツリストが表示される。ユーザは、そのコンテンツリスト内の例えばカーソルなどを移動操作し、再生したいコンテンツを選択する。
【0058】
そして、本実施例のコンテンツ再生装置では、例えばリストの一番先頭のコンテンツからさらに前のコンテンツを選択するようなカーソルの移動操作が入力された場合に、「視聴者がこの前の話や前作などをさらに見たがっている」と想定する。すると上記実施例1のコンテンツ再生装置と同等に、このリストに含まれるコンテンツの識別情報、例えばドラマタイトル名や監督名などを取得し、それを検索キーとして関連するコンテンツのタイトルを検索する。そして図10(b)に示すように、検索に合致した例えばドラマDの前作のドラマCに関する情報を表示したりドラマCそのものを再生したりする、という具合である。このように本実施例のコンテンツ再生装置においても上記実施例1などと同様に、あるコンテンツに関連する別のコンテンツの情報を取得したり視聴したりすることができる。
【0059】
<機能的構成>
図11は、本実施例のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「コンテンツ再生装置」(1100)は、「コンテンツ取得部」(1101)と、「コンテンツリスト生成部」(1102)と、「選択移動操作受付部」(1103)と、「前超過移動操作判断部」(1104)と、「後超過移動操作判断部」(1105)と、「第二識別情報出力部」(1106)と、からなる。
【0060】
「コンテンツ取得部」(1101)は、再生すべきコンテンツを取得する機能を有し、詳細な説明は、上記実施例1の同名の構成要件と同様であるので省略する。
【0061】
「コンテンツリスト生成部」(1102)は、コンテンツリストを生成する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、コンテンツリスト生成プログラムなどによって実現することができる。「コンテンツリスト」とは、所定の条件に基づいてまとめられた複数のコンテンツを時間順に並べたリストをいう。またコンテンツをまとめるための「所定の条件」については特別限定しないが、コンテンツリストのコンテンツに関連する別コンテンツの情報を提供するという本実施例の作用を考えると、例えば同一シリーズや同一ジャンル、同一監督や主演俳優、同一作者など、別コンテンツを検索する際のコンテンツ識別情報を所定の条件とすると良い。また、「時間順に並べる」際の基準となる時間は各種設定可能であって、例えば録画時間や取得時間を基準として並べても良いし、コンテンツの製作時間(年月日)を外部情報やコンテンツのタグ情報などから取得できるのであれば、その製作時間順に並べても良い。
【0062】
そして、本実施例では、このように生成されたコンテンツリストに対する選択カーソルなどの移動操作が、例えば「視聴者がこの前の話や前作などをさらに見たがっている」と想定されるような操作であるか判断する点を特徴とする。
【0063】
「選択移動操作受付部」(1103)は、コンテンツリスト内のコンテンツを選択するためのカーソルなどの移動操作を受付ける機能を有し、例えばCPUや主メモリ、リモコン装置や操作パネル、あるいはマウスやキーボードなどのユーザ入力デバイス、選択移動操作受付プログラムなどによって実現することができる。なお「カーソル」とは、コンテンツリスト内で選択候補となったコンテンツを示す表示アイテムをいい、例えば矢印カーソルや枠カーソルなどのほか、コンテンツのサムネイルを明滅させる視覚効果で選択候補のコンテンツを示すGUI(グラフィカル・ユーザインターフェース)などであれば、その明滅サムネイルもカーソルに含まれる。そして、この選択移動操作受付部では、このようなカーソルのコンテンツリスト内での移動操作を受付ける、という具合である。
【0064】
「前超過移動操作判断部」(1104)は、選択移動操作受付部にて受付けた操作が、前超過移動操作であるか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、前超過移動操作判断プログラムなどによって実現することができる。また、「前超過移動操作」とは、コンテンツリストの先頭のコンテンツよりも前のコンテンツに移動しようとする操作をいう。具体的には、図12(a)に示すように、例えばコンテンツリストが縦方向にコンテンツ名を並べるリストで、時間が古いものから昇順で並べられたものであれば、リストの1番上の先頭にあるコンテンツ名にカーソルがある状態で、さらにカーソルの上移動を示す操作が挙げられる。また図12(b)に示すように、コンテンツリストが格子状リストで、格子の左上から時間の古い順に配置したリストであれば、一番左上のコンテンツにカーソルがある状態で、さらにカーソルの左移動や上移動を示す操作が挙げられる。
【0065】
なお通常のコンテンツリストでは、上記のような操作を受付けた場合カーソルがループして一番下(最後)のコンテンツ名にカーソルが合わせられる操作となることが多い。そこで、本実施例のコンテンツ再生装置では、これらの操作モードをユーザの切換操作によって切換えるよう構成すると良い。
【0066】
「後超過移動操作判断部」(1105)は、後超過移動操作であるか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、後超過移動操作判断プログラムなどによって実現することができる。また「後超過移動操作」とは、選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの最後のコンテンツよりも後ろのコンテンツに移動しようとする操作をいう。具体的には、上記前超過移動操作とは逆に、図12(a)のコンテンツリストの一番下のコンテンツ名にカーソルがある状態で、さらにカーソルの下移動を示す操作や、図12(b)のコンテンツリストの一番右下のコンテンツにカーソルがある状態で、さらにカーソルの右移動や下移動を示す操作が挙げられる。
【0067】
そして、本実施例のコンテンツ再生装置では、コンテンツリスト内でのこのようなカーソル移動操作の入力に対して、視聴者が例えばコンテンツリスト内のコンテンツのさらに前や後、つまり当該コンテンツの前作や続編などの再生を視聴者が希望しているものと想定し、それを検索するためのコンテンツ識別情報を取得することを特徴とする。
【0068】
「第二識別情報出力部」(1106)は、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であるとの判断結果である場合には、提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、第二識別情報出力プログラムなどによって実現することができる。なお「提供情報」とは、上記実施例1で記載済みであるのでその説明は省略する。
【0069】
また、ここで視聴者に情報提供されるコンテンツの検索キーとなる「識別情報」も上記実施例1で記載済みであるのでその説明は省略する。ただし、前述のように操作対象となったコンテンツリストが例えば「同一シリーズ作品」でコンテンツをまとめたリストであれば、そこで取得されるコンテンツ識別情報は、そのシリーズを識別する情報であることが好ましい。
【0070】
また本実施例のコンテンツ再生装置においても、上記実施例1で記載したように、前超過移動操作と後超過移動操作を区別せず、これら操作入力がなされた際に識別情報を出力しても良いし、両操作を区別して、例えば前超過移動操作であれば当該コンテンツの前作など時間的に前に製作されたコンテンツが検索され、後超過移動操作であれば当該コンテンツの次回作など時間的に後に製作されたコンテンツが検索されるよう構成しても良い。
【0071】
具体的には、この第二識別情報出力部が、図示しない「第二種別付識別情報出力手段」を有すると良い。そして、この「第二種別付識別情報出力手段」は、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であると判断された場合に、その超過移動操作が前超過移動操作であるか、後超過操作であるかを示す前後超過移動操作種別情報と、その超過移動操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する、という具合である。
【0072】
以上のように、本実施例のコンテンツ再生装置も上記実施例1と同様に、コンテンツリストに対するカーソルの前超過移動操作や後超過移動操作に応じて、関連するコンテンツを検索するためのコンテンツ識別情報を出力することができる、という具合である。
【0073】
そしてそのコンテンツ識別情報を、実施例2で説明したようなコンテンツ出力装置に出力することで、コンテンツリスト内のコンテンツの前作や続編など関連する別のコンテンツの識別情報である関連コンテンツ識別情報を取得し、当該コンテンツの入手や再生などを容易に行うことができる、という具合である。なお、このコンテンツ出力装置や、コンテンツ再生装置とコンテンツ出力装置とからなるコンテンツ再生システムについては、基本的な構成や処理など上記実施例2で記載したものと同様であるのでその説明は省略する。
【0074】
<処理の流れ>
図13は、本実施例のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、再生すべきコンテンツを取得し(ステップS1301)、所定の条件に基づいてまとめられた複数のコンテンツを時間順に並べたコンテンツリストを生成する(ステップS1302)。そして生成したコンテンツリストをディスプレイに表示するなどして、コンテンツリスト内のコンテンツを選択するためのカーソルなどの移動操作を受付ける(ステップS1303)と、その受付けた操作が前超過移動操作であるか判断する(ステップS1304)。あるいはその受付けた操作が後超過移動操作であるか判断する(ステップS1305)。そしてステップS1304またはS1305での判断結果が超過移動操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する(ステップS1306)。そして、取得した識別情報を含む検索リクエストを実行し、その検索のレスポンスとして返信され取得した別のコンテンツの情報を表示したり別のコンテンツそのものを再生したりする。
なお実施例1と同様に、ステップS1306で出力される識別情報の取得タイミングについては特に限定しない。例えばステップS1302でのコンテンツリスト生成時にそのリストに関連するコンテンツの識別情報を取得しても良いし、ステップS1304やS1305での判断結果に応じてその識別情報を取得しても良い。
【0075】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のコンテンツ再生装置やコンテンツ再生システムのよって、コンテンツリストを利用した再生コンテンツの選択操作に応じて関連する別のコンテンツの情報をユーザに提示したり、別コンテンツそのものを再生したりすることができる。
【符号の説明】
【0076】
0200 コンテンツ再生装置
0201 コンテンツ取得部
0202 再生部
0203 特殊再生操作受付部
0204 戻超過操作判断部
0205 進超過操作判断部
0206 識別情報出力部
0700 コンテンツ出力装置
0701 関連情報保持部
0702 出力識別情報取得部
0703 関連識別情報取得部
0704 出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの再生操作に応じて視聴者に情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、視聴者のコンテンツ視聴履歴などに応じてユーザの趣味嗜好を分析し、その趣味嗜好に合致した新しいコンテンツの情報(タイトルや入手方法など)を視聴者に提供したり、自動的に録画などしたりするコンテンツレコメンドシステムが提供されている。このようにして、視聴者は自身に好適でありながら所有していない新しいコンテンツを入手し視聴することなどができる。また特許文献1には、視聴者が所有していないコンテンツでも容易に視聴することができるよう、視聴者がレコーダに記録していない新しいコンテンツの再生要求を行った際には、外部のビデオオンデマンドサーバに問合せて当該コンテンツを取得し再生する動画表示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−165189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のコンテンツレコメンドシステムにおいては、ある程度量の視聴履歴が必要となる、という課題がある。つまり、例えばある映画の第一作目を見ただけでは第二作目に関する情報を入手することができない。もちろん、システム設計上1回の視聴履歴を利用して関連する新しいコンテンツの情報を視聴者に提供するよう構成することもできる。しかし、その場合レコメンドされるコンテンツの数が膨大となり、結局どれが有意なレコメンドであるか分からなくなる、という別の課題が生じてしまう。
【0005】
また特許文献1の動画表示システムにおいては、外部のビデオオンデマンドサーバから新しいコンテンツを取得するためには、その発明構成上、視聴者が当該新しいコンテンツを認識した上でそれを指定して再生要求操作を行う必要がある、という課題がある。したがって、特許文献1の技術では、視聴者が全く知らない新しいコンテンツを取得することができないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明では、例えば再生中のコンテンツが終了シーンに到達した状態で視聴者からさらに再生や早送りなどの操作を受付けた場合に視聴者がその先など関連する新しいコンテンツをさらに見たがっていると想定する。そこで上記状況で当該操作の受付けると、新しい関連コンテンツを検索するための検索キーとして再生中のコンテンツの識別情報を出力する機能を備えるコンテンツ再生装置を提供する。
【0007】
具体的には、再生すべきコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、取得したコンテンツを再生する再生部と、早送りなどの特殊再生のための操作を受付ける特殊再生操作受付部と、特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、再生部にて再生中のコンテンツの開始位置よりも前の位置に戻ろうとする操作である戻超過操作であるか判断する戻超過操作判断部と、特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、再生部にて再生中のコンテンツの終了位置よりも後の位置に進もうとする操作である進超過操作であるか判断する進超過操作判断部と、超過操作判断部での判断結果が超過操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する識別情報出力部と、を有するコンテンツ再生装置を提供する。また、上記構成に加えて、前記識別情報出力部が、超過操作判断部での判断結果が超過操作であると判断された場合に、その超過操作が戻超過操作であるか、進超過操作であるかを示す戻進超過操作種別情報と、その超過操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する種別付識別情報出力手段をさらに有するコンテンツ再生装置も提供する。
【0008】
また、例えばシリーズ物の映画同士、あるいは同一監督や同一主演者の映画同士という具合に関連のあるコンテンツ同士の識別情報を関連付けたデータベースを保持することで、上記コンテンツ再生装置で取得された識別情報を利用して関連するコンテンツを特定し、そのコンテンツに関する情報をコンテンツ再生装置に対して出力する機能を備えるコンテンツ出力装置も提供する。
【0009】
具体的には、上記構成を備えるコンテンツ再生装置に対してコンテンツを出力するコンテンツ出力装置であって、前記コンテンツ再生装置のコンテンツ取得部にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報であるコンテンツ関連情報を保持する関連情報保持部と、前記コンテンツ再生装置の識別情報出力部からの出力を取得する出力識別情報取得部と、出力識別情報取得部にて取得した識別情報であるキー識別情報を用いてこのキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を関連情報保持部から取得する関連識別情報取得部と、取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する出力部と、を有するコンテンツ出力装置を提供する。また、上記構成に加えて、関連情報保持部が、関連付けられている二つの識別情報が、一方の識別情報をキー識別情報として利用して他方の識別情報を取得する際に、他方の識別情報が戻進超過操作種別情報との関係で選択できるように識別情報と戻進超過操作種別情報とを関連付けて保持する戻進保持手段を有するコンテンツ出力装置も提供する。また、上記構成のコンテンツ再生装置と、上記構成のコンテンツ装置と、からなるコンテンツ再生システムも提供する。
【0010】
また、上記のような再生中のコンテンツに対する早送りなどの操作ではなく、コンテンツリストを利用した再生コンテンツの選択操作に関して、例えば時間順に並べられたコンテンツリストの先頭のコンテンツのさらに前のコンテンツを選択するためのカーソル移動操作を受付けた場合に、上記同様に視聴者がその先など関連する新しいコンテンツをさらに見たがっていると想定する。そこで上記状況で当該操作の受付けると、新しい関連コンテンツを検索するための検索キーとして再生中のコンテンツの識別情報を取得する機能を備えるコンテンツ再生装置も提供する。
【0011】
具体的には、再生すべきコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、所定の条件に基づいてまとめられた複数のコンテンツを時間順に並べたコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成部と、コンテンツリスト内のコンテンツを選択するためのカーソルなどの移動操作を受付ける選択移動操作受付部と、選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの先頭のコンテンツよりも前のコンテンツに移動しようとする操作である前超過移動操作であるか判断する前超過移動操作判断部と、選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの最後のコンテンツよりも後ろのコンテンツに移動しようとする操作である後超過移動操作であるか判断する後超過移動操作判断部と、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する第二識別情報出力部と、を有するコンテンツ再生装置を提供する。また、上記構成に加えて、前記第二識別情報出力部が、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であると判断された場合に、その超過移動操作が前超過移動操作であるか、後超過操作であるかを示す前後超過移動操作種別情報と、その超過移動操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する第二種別付識別情報出力手段をさらに有するコンテンツ再生装置も提供する。
【0012】
また、例えばシリーズ物の映画同士など関連のあるコンテンツ同士の識別情報を関連付けたデータベースを保持することで、上記コンテンツ再生装置で取得された識別情報を利用して関連するコンテンツを特定し、そのコンテンツに関する情報をコンテンツ再生装置に対して出力するため、上記同様の構成を備えるコンテンツ出力装置も提供する。また、上記構成のコンテンツ再生装置と、上記構成のコンテンツ装置と、からなるコンテンツ再生システムも提供する。
【発明の効果】
【0013】
以上のような構成をとる本発明によって、ある程度量の視聴履歴を利用しなくとも、視聴者は1回のコンテンツ視聴によってそのコンテンツに関連する新しい動画の情報を入手することができる。また、例えばコンテンツ終了位置での早送り操作入力などが必要となるため、レコメンドされるコンテンツの数が膨大となることも無い。また視聴者は一のコンテンツを再生しそこで上記操作を行うことで、全く知らない新しいコンテンツに関する情報を入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1のコンテンツ再生装置を利用したコンテンツレコメンドの一例を説明するための概念図
【図2】実施例1のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図
【図3】実施例1のコンテンツ再生装置における戻超過操作の一例を説明するための概念図
【図4】実施例1のコンテンツ再生装置におけるハードウェア構成の一例を表す図
【図5】実施例1のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図6】実施例2のコンテンツ出力装置におけるコンテンツ再生装置への提供情報の出力処理の一例を説明するための概念図
【図7】実施例2のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図
【図8】実施例2のコンテンツ再生装置の関連情報保持部における関連情報の保持態様の一例を説明するための概念図
【図9】実施例2のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図10】実施例3のコンテンツ再生装置を利用したコンテンツレコメンドの一例を説明するための概念図
【図11】実施例3のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図
【図12】実施例3のコンテンツ再生装置における超過移動操作の判断の一例を表す図
【図13】実施例3のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1,2について説明する。また、実施例2は、主に請求項3,4,5について説明する。また、実施例3は、主に請求項6から10について説明する。
【0016】
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例のコンテンツ再生装置を利用したコンテンツレコメンドの一例を説明するための概念図である。この図1(a)にあるように、本実施例のコンテンツ再生装置にて映画「ユリシーズ1」が再生されている。そして「ユリシーズ1」の最後のシーン(フレーム)の再生が終わって例えば一時停止状態となっているときに、図1(b)に示すように視聴者からの「早送りボタン」などの操作入力を受付ける。すると、本実施例のコンテンツ再生装置は「視聴者がこの続きをさらに見たがっている」と想定し、図1(c)に示すように、このコンテンツの識別情報、例えばタイトル名や監督名などを取得する。そして取得した識別情報を検索キーとして検索リクエストを出力し、図1(d)に示すように、そのリクエストに応じて返信された例えば同じタイトル名を含む新しいコンテンツ「ユリシーズ2」に関する情報を表示したり再生したりする、という具合である。
【0017】
このようにして、視聴者は「ユリシーズ1」を視聴し、その再生終了時に早送りなどの操作入力をすることで、その再生コンテンツに関連する新しいコンテンツに関する情報を取得したり視聴したりすることができる。
【0018】
<機能的構成>
図2は、本実施例のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお、以下に記載する各装置やシステムの機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用されるユーザ入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。
【0019】
あるいは各装置やシステムの機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。また、この発明は装置やシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0020】
そしてこの図2にあるように、本実施例の「コンテンツ再生装置」(0200)は、「コンテンツ取得部」(0201)と、「再生部」(0202)と、「特殊再生操作受付部」(0203)と、「戻超過操作判断部」(0204)と、「進超過操作判断部」(0205)と、「識別情報出力部」(0206)と、からなる。
【0021】
「コンテンツ取得部」(0201)は、再生すべきコンテンツを取得する機能を有し、例えば、放送受信チューナや各種情報記録媒体の読取ドライブ、外部機器との情報入出力ポート、そしてCPUや主メモリ、コンテンツ取得プログラムなどによって実現することができる。なお、このコンテンツ取得部におけるコンテンツ取得の形態は特に限定せず、例えば放送波に変調された放送番組コンテンツを放送受信チューナにて受信し、それを復調し復号化することで生成したコンテンツデータを主メモリに格納することで取得する形態が挙げられる。また内蔵のハードディスク、あるいは外付けの可搬型フラッシュメモリや光学記録ディスクなどに記録されたコンテンツデータを対応読取ドライブにて読取り、復号化して生成したコンテンツデータを取得する形態や、外部の再生装置やサーバ装置などの外部機器から情報入出力ポートを介して受信したデータを復号化し成したコンテンツデータを取得する形態なども挙げられる。
【0022】
また、本発明におけるコンテンツも特に限定されず、上記例にある映画などの動画コンテンツのほか、静止画コンテンツ、テキストコンテンツ、音声/音楽コンテンツなどが挙げられ、その取得形態もそのコンテンツの種類に合せたものであれば良い。
【0023】
「再生部」(0202)は、取得したコンテンツを再生する機能を有し、CPUや主メモリ、再生プログラム、またコンテンツの種別に合せて映像処理回路などを含むディスプレイ装置や音声処理回路などを含むスピーカ装置などで実現することができる。具体的には、取得したコンテンツが動画や静止画、テキストなど表示系コンテンツであれば、映像処理回路を介してVRAMにコンテンツの描画データを転送し、ディスプレイに当該コンテンツを表示する。また音声系コンテンツであれば音声処理回路を介してスピーカから当該コンテンツを音声出力する、という具合である。
【0024】
そして本実施例のコンテンツ再生装置では、上記のように取得、再生されるコンテンツに対して視聴者から入力された操作を利用して、視聴者がコンテンツの続きなどを見たがっている(聞きたがっている)と想定されるか否かを判断することを特徴とする。
【0025】
「特殊再生操作受付部」(0203)は、早送りなどの特殊再生のための操作を受付ける機能を有し、例えばCPUや主メモリ、リモコン装置や操作パネル、あるいはマウスやキーボードなどのユーザ入力デバイス、特殊再生操作受付プログラムなどによって実現することができる。なお「特殊再生のための操作」とは、上記のように早送りや巻き戻し操作が挙げられる。また早送りや巻き戻し操作は、その送り/戻し間隔が30フレームスキップや10秒スキップといった一定間隔であるスキップ操作のほかに、例えばコンテンツがチャプター(章)や再生ポイントなど不定間隔で分割されていれば、その分割点にスキップするチャプタースキップなどの操作も挙げられる。そして、本実施例のコンテンツ再生装置では以下の構成によって、例えばコンテンツの最後のフレームが再生された後に、さらに早送りなどの特殊再生操作を受付けた場合などに、視聴者がコンテンツの続きなどを見たがっている(聞きたがっている)と想定されるか否かを判断することを特徴とする。
【0026】
「戻超過操作判断部」(0204)は、特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、戻超過操作であるか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、戻超過操作判断プログラムなどによって実現することができる。また、「戻超過操作」とは、再生部にて再生中のコンテンツの開始位置よりも前の位置に戻ろうとする操作をいう。具体的には、例えばコンテンツが動画であれば、図3(a)に示すように、(巻き戻しのできない)最初のフレームが再生表示中であるにも関わらず、そこからさらに巻き戻しを指示する操作が挙げられる。またコンテンツがテキストの電子ブックであれば、図3(b)に示すように、最初の1ページ目を表示中であるにも関わらず、そこからさらに前のページの表示を指示するめくり操作が挙げられる。そして戻超過操作判断部では、例えばある操作入力を受付けると、その操作入力に応じて実行された処理結果を示す情報を取得するよう構成する。そして、その取得した情報によって、「巻き戻し操作で(コンテンツの再生位置が開始位置であったために)フレームの巻き戻を実行することができなかった」、あるいは「前のチャプターへのスキップ操作で現在の再生位置と同じ再生位置までしかスキップできなかった」との処理内容が示された場合、戻超過操作と判断する、という具合である。もちろん、この判断処理は一例であって、例えば現在の再生位置と受付けた操作内容を示す情報を取得し、現在の再生位置が「コンテンツの開始位置」であり、操作内容が「巻き戻し操作」や「前のチャプターへのスキップ操作」であれば戻超過操作と判断するなどの処理であっても良い。
【0027】
「進超過操作判断部」(0205)は、特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、進超過操作であるか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、進超過操作判断プログラムなどによって実現することができる。また「進超過操作」とは、再生部にて再生中のコンテンツの終了位置よりも後の位置に進もうとする操作をいう。具体的には、上記戻超過操作とは逆に、例えばコンテンツが動画であれば、最後のフレームが再生表示中であるにも関わらず、そこからさらに早送りを指示する操作などが挙げられる。また、コンテンツが放送番組の録画コンテンツであって、さらに複数の番組に跨って一つのコンテンツファイルとして録画されたコンテンツであった場合、ファイル単位ではなく番組単位で一つのコンテンツとして処理すると良い。具体的には電子番組表やコンテンツファイルのヘッダデータなどを参照して番組の切れ目を判断し、コンテンツファイルとしては途中位置であっても番組コンテンツとしては開始/終了位置である点を判断し、その位置を基準に戻超過操作や進超過操作であるか判断する、という具合である。
【0028】
そして、本実施例のコンテンツ再生装置では、コンテンツの開始位置の前や終了位置の後のように本来再生されるはずのない再生位置を指定する戻超過操作や進超過操作の入力に対して、視聴者が例えば再生中のコンテンツのさらに前や後、つまり当該コンテンツの前作や続編などの再生を視聴者が希望しているものと想定し、以下の処理を実行することを特徴とする。
【0029】
「識別情報出力部」(0206)は、超過操作判断部での判断結果が超過操作であるとの判断結果である場合には、提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、識別情報出力プログラムなどによって実現することができる。なお「提供情報」とは、視聴者に対して提供すべき情報をいい、視聴者がコンテンツに関する事項を知ることができるような情報であればその内容についてはここでは特に限定しない。一例としては、(戻超過操作などの対象となったコンテンツに関連する別の)コンテンツのタイトルや作者名、映画などであれば主演俳優/女優名、あるいはコンテンツそのものなどが挙げられる。そして、提供情報がタイトルなどの情報であれば、本実施例のコンテンツ再生装置はそれを取得しディスプレイ上に表示することで、視聴者に対して戻超過操作などの対象となったコンテンツの例えば次回作のタイトルなどを知らせることができる。あるいは取得した提供情報が(戻超過操作の対象となったコンテンツに関連する別の)コンテンツそのものであれば、現在再生中のコンテンツに続けて再生などすると良い。
【0030】
また、ここで視聴者に情報提供されるコンテンツの検索キーとなる「識別情報」も特には限定せず、例えば(戻超過操作などの対象となったコンテンツの)タイトルや作者名、主演俳優/女優名、あるいはユニークに割り当てられた数字・文字列などが挙げられる。そして、このように取得した識別情報を含む検索リクエストを、例えば実施例2で後述するようなシリーズ物のコンテンツ同士などを関連付けたデータベースを備えるコンテンツ出力装置に対して行う。そしてコンテンツ出力装置では、識別情報を利用してデータベースを検索し、例えば同じシリーズの別作品などのタイトルやコンテンツそのものを特定し、レスポンスとして返信する、という具合である。
なお、ここで出力される識別情報の取得タイミングについては特に限定しない。例えば再生部でのコンテンツ再生時にその再生中のコンテンツの識別情報を取得し、超過操作の受付に応じてその予め取得した識別情報を取得する構成としても良い。あるいは、超過操作が受付けられたとの判断結果がなされたタイミングで再生中のコンテンツの識別情報を取得し出力する構成としても良い。
【0031】
また本実施例のコンテンツ再生装置では、戻超過操作と進超過操作を区別せず、これら操作入力がなされた際に識別情報を実施例2で後述するコンテンツ出力装置に検索リクエストとして出力するよう構成しても良い。あるいは、両操作を区別して識別情報を検索リクエストとして出力することで、例えば戻超過操作であれば当該コンテンツの前作など時間的に前に製作されたコンテンツが検索され、進超過操作であれば当該コンテンツの次回作など時間的に後に製作されたコンテンツが検索されるよう構成しても良い。
【0032】
具体的には、この識別情報出力部が、図示しない「種別付識別情報出力手段」を有すると良い。そして、この「種別付識別情報出力手段」は、超過操作判断部での判断結果が超過操作であると判断された場合に、その超過操作が戻超過操作であるか、進超過操作であるかを示す戻進超過操作種別情報と、その超過操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する機能を有することを特徴とする。
【0033】
なお、識別情報を検索キーとする提供情報の検索および出力、あるいは上記戻進超過操作種別情報が関連付けられた識別情報を検索キーとする提供情報の検索および出力については、実施例2にて詳述する。
【0034】
以上のように、本実施例のコンテンツ再生装置によって、コンテンツに対して戻超過操作または進超過操作が入力されたことを受けて、当該コンテンツの例えば前作や次回作など関連する別のコンテンツを検索するための検索キーとなる識別情報を出力することができる。そして、その識別情報を含む検索リクエストを実行しそのレスポンスを取得することで、本実施例のコンテンツ再生装置は、一のコンテンツの再生及び戻超過操作/進超過操作に応じて視聴者に新しい別のコンテンツに関する情報を提供することができる。
【0035】
<ハードウェア構成>
図4は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、コンテンツ再生装置における構成の一例を表す概略図である。この図を利用して識別情報の取得処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0036】
この図にあるように、コンテンツ再生装置は、戻超過操作判断部、進超過操作判断部および識別情報出力部を実現し、またその他の各種演算処理を実行するための「CPU」(0401)と、「主メモリ」(0402)と、を備えている。また、特殊再生操作受付部である「ユーザ入力デバイス」(0403)、再生部である「映像処理回路」(0404)や「ディスプレイ」(0405)、あるいは「スピーカ」(0406)、コンテンツ取得部を実現する「HDD」(0407)を備えている。また、コンテンツ取得部として図示しない「受信チューナ」、「(記録媒体の)読取ドライブ」、「外部機器接続ポート」などを備えていてもよい。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0037】
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「HDD」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定して格納されているデータにアクセスし、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0038】
ここで、まず、例えば「HDD」内に記録されている録画番組コンテンツをサムネイルリスト化した録画リストが「ディスプレイ」上に表示され、その録画リストを利用して「ユーザ入力デバイス」の決定操作で選択されたコンテンツIDが「主メモリ」に格納される。すると「CPU」はコンテンツ取得プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって「HDD」から指定されたコンテンツデータを読み出す。つづいて「CPU」は再生プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって読み出したコンテンツデータを図示しない「デコーダ」に出力し復号化処理を実行する。そして復号化されたコンテンツデータを「映像処理回路」に出力し、画質調整やVRAMへの転送などの各種処理を経て、当該録画番組コンテンツを「ディスプレイ」に表示する。
【0039】
その後、当該録画番組コンテンツの最終フレームを「映像処理回路」に出力し「ディスプレイ」に表示させると、「CPU」は当該再生処理を一定時間停止し、所定時間経過後にその他の処理(再生処理を終了し録画リストを再表示する処理など)を行う。そして、このように再生処理が一時停止されている状態(コンテンツの再生位置がコンテンツの終了位置にある状態)で、「ユーザ入力デバイス」を介して「早送り」や「次のチャプターへのスキップ」などの操作入力がなされると、当該操作処理を実行することができないことになる。そこで「CPU」は戻超過操作判断プログラム及び進超過操作判断プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって、例えば上記状態で操作入力を受付けた際にはその操作処理の結果を示す情報を取得する。そして、取得した情報によって「操作処理が正確に実行できなかった」ことが示されていると判断された場合、進超過操作が入力されたとの判断結果を「CPU」は出力する。あるいはコンテンツ再生位置が開始位置にある状態でも同様にして戻超過操作が入力されたか否かの判断を行う。
【0040】
そして、このように超過操作が入力されたとの判断結果が出力されると、それをトリガーとして「CPU」は識別情報出力プログラムを解釈し、その解釈結果にしたがって例えばコンテンツのヘッダ情報やコンテンツの各種識別情報をリスト化したデータなどを参照して、そのタイトルなどの識別情報を取得する。なお、この識別情報の取得はコンテンツの再生時などに予め実行されていても良い。そして、この際に超過操作が戻超過操作か進超過操作かを示す情報を生成し、取得した識別情報に関連付けるよう構成しても良い。そして取得した識別情報を、例えば図示しない「インターネット出力回路」などから後述する構成を備えるコンテンツ出力装置に対して出力する、という具合である。
【0041】
このように本実施例のコンテンツ再生装置は、コンテンツに対して戻超過操作または進超過操作が入力されたことを受けて、当該コンテンツに関連する別のコンテンツを検索するための検索キーとなる識別情報を取得し、その識別情報を含む検索リクエストを実行することができる。
【0042】
<処理の流れ>
図5は、本実施例のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、再生すべきコンテンツを取得し(ステップS0501)、取得したコンテンツを再生する(ステップS0502)。そして、その再生実行時に早送りなどの特殊再生のための操作を受付ける(ステップS0503)と、ステップS0503にて受付けた操作が戻超過操作であるか判断する(ステップS0504)。あるいは、当該操作が進超過操作であるか判断する(ステップS0505)。そして、ステップS0504またはS0505での判断結果が超過操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する(ステップS0506)。そして、出力した識別情報を含む検索リクエストを実行し、その検索のレスポンスとして返信され取得した別のコンテンツの情報を表示したり別のコンテンツそのものを再生したりする。
なお前述の通り、ステップS0506で出力される識別情報の取得タイミングについては特に限定しない。例えばステップS0502でのコンテンツ再生時にその再生中のコンテンツの識別情報を取得しても良いし、ステップS0504やS0505での判断結果に応じてその識別情報を取得しても良い。
【0043】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のコンテンツ再生装置によって、コンテンツに対して戻超過操作または進超過操作が入力されたことを受けて、当該コンテンツの例えば前作や次回作など関連する別のコンテンツを検索するための検索キーとなる識別情報を出力することができる。そして、その識別情報を含む検索リクエストを実行し、そのレスポンスを取得することで、本実施例のコンテンツ再生装置は、一のコンテンツの再生及び戻超過操作/進超過操作に応じて視聴者に新しい別のコンテンツに関する情報を提供することができる。
【0044】
≪実施例2≫
<概要>
図6は、本実施例のコンテンツ出力装置におけるコンテンツ再生装置への提供情報の出力処理の一例を説明するための概念図である。この図6(a)にあるように、上記コンテンツ再生装置にて出力され、検索リクエストとして送信されてきた識別情報「ユリシーズ1」を受信する。すると、コンテンツ出力装置は、その「ユリシーズ1」を検索キーとして自身のデータベースを検索する。ここで図6(b)に示すように、このデータベースには例えばシリーズものである映画のタイトル同士など関連付けられており、それによって「ユリシーズ1」の続編である「ユリシーズ2」の識別情報が取得される。そして、本実施例のコンテンツ出力装置は、このようにして取得したタイトル名などのコンテンツの識別情報やコンテンツデータそのものを提供情報としてコンテンツ再生装置に返信出力する、という具合である。
【0045】
<機能的構成>
図7は、本実施例のコンテンツ出力装置における機能ブロックの一例を表す図である。なお、本実施例の「コンテンツ出力装置」は、上記実施例のコンテンツ再生装置に対してコンテンツを出力する機能を有するが、このコンテンツ出力装置とコンテンツ再生装置は、組み合わさることでコンテンツ再生システムを構成しても良い。また両装置間のコンテンツを含む情報の送受信の形態はさまざまであって良い。例えば上記コンテンツ再生装置と本実施例のコンテンツ出力装置が電子通信網を介して接続され情報を送受信するよう構成しても良いし、両装置ともに一つの装置内に組み込まれて、システムバスなどを介して内部的に接続されて情報を送受信するように構成しても良い。そして、この図7にあるように、本実施例の「コンテンツ出力装置」(0700)は、「関連情報保持部」(0701)と、「出力識別情報取得部」(0702)と、「関連識別情報取得部」(0703)と、「出力部」(0704)と、からなる。
【0046】
「関連情報保持部」(0701)は、コンテンツ関連情報を保持する機能を有し、例えばフラッシュメモリやHDDなどの各種の記録保持装置によって実現することができる。また、「コンテンツ関連情報」とは、前記コンテンツ再生装置のコンテンツ取得部にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報をいい、例えば図8(a)に示すように、同一シリーズの各タイトル同士や連続ドラマなどの各話タイトル同士などを関連付けた情報が挙げられる。あるいは全く異なる作品同士であっても、図8(b)に示すように、例えば同一監督による作品同士や同一主演者による作品同士の識別情報が関連付けられていても良い。もちろん、関連付けられている識別情報は上記図に示すようなタイトルや監督名など以外に、例えばユニークに割り当てられた文字列で構成された識別情報などであっても良い。そして、このコンテンツ関連情報を参照することで、コンテンツ再生装置から取得した識別情報に関連付けられた(別のコンテンツの)識別情報を特定することができる。
【0047】
「出力識別情報取得部」(0702)は、上記実施例のコンテンツ再生装置の識別情報出力部からの出力を取得する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、外部機器との情報入出力ポートや内部機器とのシステムバス接続ポート、そして出力識別情報取得プログラムなどによって実現することができる。具体的に出力識別情報取得部では、例えばインターネットなどの電子通信網を介してコンテンツ再生装置から識別情報を取得しても良いし、コンテンツ再生装置とコンテンツ出力装置が一つの装置内に組み込まれているのであれば、システムバスなどを介して識別情報を取得しても良い。
【0048】
「関連識別情報取得部」(0703)は、出力識別情報取得部にて取得した識別情報であるキー識別情報を用いてこのキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を関連情報保持部から取得する機能を有し、例えば、CPUや主メモリ、関連識別情報取得プログラムなどによって実現することができる。具体的には、図8に示すようなテーブルデータを参照し、例えば「ユリシーズ2」の識別情報が取得された場合、それをキーとして関連付けられている「ユリシーズ3」の関連識別情報を取得する、という具合である。
【0049】
また、例えば「ユリシーズ2」を再生中に受付けた操作が戻超過操作である場合はその前作である「ユリシーズ1」が取得され、一方、進超過操作である場合にはその次回作である「ユリシーズ3」が取得されるよう構成しても良い。このように構成することで、例えばユーザの操作感(前に戻したか先に進めたか)とレコメンドする作品の時間的な前後関係などを対応させることができる。具体的には、関連情報保持部が、図示しない「戻進保持手段」を有すると良い。「戻進保持手段」は、関連付けられている二つの識別情報が、一方の識別情報をキー識別情報として利用して他方の識別情報を取得する際に、他方の識別情報が戻進超過操作種別情報との関係で選択できるように識別情報と戻進超過操作種別情報とを関連付けて保持する機能を有する。このようにして、例えば「ユリシーズ2」の識別情報が「戻超過操作」を示す戻進超過操作種別情報と関連付けて取得された場合、ユリシーズ2と関連付けられ、さらに戻超過操作と関連付けられているその前作である「ユリシーズ1」が関連識別情報として取得される、という具合である。
【0050】
また、上記例は一例であって、例えば監督名を識別情報として関連付けられていれば、当該監督による製作コンテンツを時間順に並べて戻超過操作と進超過操作によって関連付けが為されていてもよい。
【0051】
「出力部」(0704)は、取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、通信回路、出力プログラムなどによって実現することができる。具体的に、提供情報は関連識別情報を利用したものであれば特に限定せず、様々な情報内容のものであって良い。例えば関連識別情報である「タイトル名」そのものを提供情報としてコンテンツ再生装置に出力しても良い。そして、コンテンツ再生装置ではそのタイトル名をディスプレイに表示し、ユーザに関連コンテンツがある旨を通知する、という具合である。また、提供情報に当該関連識別情報で識別されるコンテンツの入手(購入先)WebサイトのURLを含むよう構成し、コンテンツ再生装置に出力するよう構成しても良い。なお、そのURL情報は、例えば図8に示すテーブルデータの項目の一つとして関連識別情報に関連付けることで提供情報に含まれるようにすると良い。あるいは関連識別情報を利用してコンテンツデータそのものを取得し、そのコンテンツデータを提供情報としてコンテンツ再生装置に出力しても良い。
【0052】
以上のように本実施例のコンテンツ出力装置は、上記実施例のコンテンツ再生装置で出力された識別情報に関連する別のコンテンツの識別情報を取得し、それを利用して例えば関連コンテンツの名称や入手先、あるいはコンテンツそのものを視聴者に提供することができる。
【0053】
<処理の流れ>
図9は、本実施例のコンテンツ出力装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、上記実施例のコンテンツ再生装置にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報であるコンテンツ関連情報を、HDDなどで構成される関連情報保持部に保持するため記録し(ステップS0901)、図8に示すようなデータベースを構築する。その後、上記実施例のコンテンツ再生装置から出力された識別情報を取得する(ステップS0902)。そしてその取得した識別情報であるキー識別情報を用いて関連情報保持部を検索し、このキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を取得する(ステップS0903)。そして、取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する(ステップS0904)。
【0054】
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例のコンテンツ出力装置によって、上記実施例のコンテンツ再生装置で取得された識別情報に関連する別のコンテンツの識別情報を取得し、それを利用して例えば関連コンテンツの名称や入手先、あるいはコンテンツそのものを視聴者に提供することができる。
【0055】
したがって、上記コンテンツ再生装置とコンテンツ出力装置とからなるコンテンツ再生システムによって、ある程度量の視聴履歴を利用しなくとも、視聴者は1回のコンテンツ視聴における「戻超過操作」または「進超過操作」をするとによって、そのコンテンツに関連する新しい動画の情報を入手することができる。また、例えばコンテンツ終了位置での早送り操作入力などが必要となるため、レコメンドされるコンテンツの数が膨大となることも無い。また視聴者は一のコンテンツを再生しそこで上記操作を行うことで、全く知らない新しいコンテンツに関する情報を入手することができる。
【0056】
≪実施例3≫
<概要>
本実施例は、上記のように再生中のコンテンツに対する早送りなどの操作ではなく、コンテンツリストを利用した再生コンテンツの選択操作に応じて、関連コンテンツをレコメンドするための機能を備えることを特徴とするコンテンツ再生装置、コンテンツ出力装置、およびコンテンツ再生システムである。
【0057】
図10は、本実施例のコンテンツ再生装置を利用したコンテンツレコメンドの一例を説明するための概念図である。ここで本実施例のコンテンツ再生装置は例えばテレビ番組のレコーダであって、ある連続ドラマDを録画している。そして図10(a)に示すように、再生コンテンツの選択に際しては、その連続ドラマDの各話を録画順でリスト化したコンテンツリストが表示される。ユーザは、そのコンテンツリスト内の例えばカーソルなどを移動操作し、再生したいコンテンツを選択する。
【0058】
そして、本実施例のコンテンツ再生装置では、例えばリストの一番先頭のコンテンツからさらに前のコンテンツを選択するようなカーソルの移動操作が入力された場合に、「視聴者がこの前の話や前作などをさらに見たがっている」と想定する。すると上記実施例1のコンテンツ再生装置と同等に、このリストに含まれるコンテンツの識別情報、例えばドラマタイトル名や監督名などを取得し、それを検索キーとして関連するコンテンツのタイトルを検索する。そして図10(b)に示すように、検索に合致した例えばドラマDの前作のドラマCに関する情報を表示したりドラマCそのものを再生したりする、という具合である。このように本実施例のコンテンツ再生装置においても上記実施例1などと同様に、あるコンテンツに関連する別のコンテンツの情報を取得したり視聴したりすることができる。
【0059】
<機能的構成>
図11は、本実施例のコンテンツ再生装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「コンテンツ再生装置」(1100)は、「コンテンツ取得部」(1101)と、「コンテンツリスト生成部」(1102)と、「選択移動操作受付部」(1103)と、「前超過移動操作判断部」(1104)と、「後超過移動操作判断部」(1105)と、「第二識別情報出力部」(1106)と、からなる。
【0060】
「コンテンツ取得部」(1101)は、再生すべきコンテンツを取得する機能を有し、詳細な説明は、上記実施例1の同名の構成要件と同様であるので省略する。
【0061】
「コンテンツリスト生成部」(1102)は、コンテンツリストを生成する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、コンテンツリスト生成プログラムなどによって実現することができる。「コンテンツリスト」とは、所定の条件に基づいてまとめられた複数のコンテンツを時間順に並べたリストをいう。またコンテンツをまとめるための「所定の条件」については特別限定しないが、コンテンツリストのコンテンツに関連する別コンテンツの情報を提供するという本実施例の作用を考えると、例えば同一シリーズや同一ジャンル、同一監督や主演俳優、同一作者など、別コンテンツを検索する際のコンテンツ識別情報を所定の条件とすると良い。また、「時間順に並べる」際の基準となる時間は各種設定可能であって、例えば録画時間や取得時間を基準として並べても良いし、コンテンツの製作時間(年月日)を外部情報やコンテンツのタグ情報などから取得できるのであれば、その製作時間順に並べても良い。
【0062】
そして、本実施例では、このように生成されたコンテンツリストに対する選択カーソルなどの移動操作が、例えば「視聴者がこの前の話や前作などをさらに見たがっている」と想定されるような操作であるか判断する点を特徴とする。
【0063】
「選択移動操作受付部」(1103)は、コンテンツリスト内のコンテンツを選択するためのカーソルなどの移動操作を受付ける機能を有し、例えばCPUや主メモリ、リモコン装置や操作パネル、あるいはマウスやキーボードなどのユーザ入力デバイス、選択移動操作受付プログラムなどによって実現することができる。なお「カーソル」とは、コンテンツリスト内で選択候補となったコンテンツを示す表示アイテムをいい、例えば矢印カーソルや枠カーソルなどのほか、コンテンツのサムネイルを明滅させる視覚効果で選択候補のコンテンツを示すGUI(グラフィカル・ユーザインターフェース)などであれば、その明滅サムネイルもカーソルに含まれる。そして、この選択移動操作受付部では、このようなカーソルのコンテンツリスト内での移動操作を受付ける、という具合である。
【0064】
「前超過移動操作判断部」(1104)は、選択移動操作受付部にて受付けた操作が、前超過移動操作であるか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、前超過移動操作判断プログラムなどによって実現することができる。また、「前超過移動操作」とは、コンテンツリストの先頭のコンテンツよりも前のコンテンツに移動しようとする操作をいう。具体的には、図12(a)に示すように、例えばコンテンツリストが縦方向にコンテンツ名を並べるリストで、時間が古いものから昇順で並べられたものであれば、リストの1番上の先頭にあるコンテンツ名にカーソルがある状態で、さらにカーソルの上移動を示す操作が挙げられる。また図12(b)に示すように、コンテンツリストが格子状リストで、格子の左上から時間の古い順に配置したリストであれば、一番左上のコンテンツにカーソルがある状態で、さらにカーソルの左移動や上移動を示す操作が挙げられる。
【0065】
なお通常のコンテンツリストでは、上記のような操作を受付けた場合カーソルがループして一番下(最後)のコンテンツ名にカーソルが合わせられる操作となることが多い。そこで、本実施例のコンテンツ再生装置では、これらの操作モードをユーザの切換操作によって切換えるよう構成すると良い。
【0066】
「後超過移動操作判断部」(1105)は、後超過移動操作であるか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、後超過移動操作判断プログラムなどによって実現することができる。また「後超過移動操作」とは、選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの最後のコンテンツよりも後ろのコンテンツに移動しようとする操作をいう。具体的には、上記前超過移動操作とは逆に、図12(a)のコンテンツリストの一番下のコンテンツ名にカーソルがある状態で、さらにカーソルの下移動を示す操作や、図12(b)のコンテンツリストの一番右下のコンテンツにカーソルがある状態で、さらにカーソルの右移動や下移動を示す操作が挙げられる。
【0067】
そして、本実施例のコンテンツ再生装置では、コンテンツリスト内でのこのようなカーソル移動操作の入力に対して、視聴者が例えばコンテンツリスト内のコンテンツのさらに前や後、つまり当該コンテンツの前作や続編などの再生を視聴者が希望しているものと想定し、それを検索するためのコンテンツ識別情報を取得することを特徴とする。
【0068】
「第二識別情報出力部」(1106)は、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であるとの判断結果である場合には、提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、第二識別情報出力プログラムなどによって実現することができる。なお「提供情報」とは、上記実施例1で記載済みであるのでその説明は省略する。
【0069】
また、ここで視聴者に情報提供されるコンテンツの検索キーとなる「識別情報」も上記実施例1で記載済みであるのでその説明は省略する。ただし、前述のように操作対象となったコンテンツリストが例えば「同一シリーズ作品」でコンテンツをまとめたリストであれば、そこで取得されるコンテンツ識別情報は、そのシリーズを識別する情報であることが好ましい。
【0070】
また本実施例のコンテンツ再生装置においても、上記実施例1で記載したように、前超過移動操作と後超過移動操作を区別せず、これら操作入力がなされた際に識別情報を出力しても良いし、両操作を区別して、例えば前超過移動操作であれば当該コンテンツの前作など時間的に前に製作されたコンテンツが検索され、後超過移動操作であれば当該コンテンツの次回作など時間的に後に製作されたコンテンツが検索されるよう構成しても良い。
【0071】
具体的には、この第二識別情報出力部が、図示しない「第二種別付識別情報出力手段」を有すると良い。そして、この「第二種別付識別情報出力手段」は、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であると判断された場合に、その超過移動操作が前超過移動操作であるか、後超過操作であるかを示す前後超過移動操作種別情報と、その超過移動操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する、という具合である。
【0072】
以上のように、本実施例のコンテンツ再生装置も上記実施例1と同様に、コンテンツリストに対するカーソルの前超過移動操作や後超過移動操作に応じて、関連するコンテンツを検索するためのコンテンツ識別情報を出力することができる、という具合である。
【0073】
そしてそのコンテンツ識別情報を、実施例2で説明したようなコンテンツ出力装置に出力することで、コンテンツリスト内のコンテンツの前作や続編など関連する別のコンテンツの識別情報である関連コンテンツ識別情報を取得し、当該コンテンツの入手や再生などを容易に行うことができる、という具合である。なお、このコンテンツ出力装置や、コンテンツ再生装置とコンテンツ出力装置とからなるコンテンツ再生システムについては、基本的な構成や処理など上記実施例2で記載したものと同様であるのでその説明は省略する。
【0074】
<処理の流れ>
図13は、本実施例のコンテンツ再生装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、再生すべきコンテンツを取得し(ステップS1301)、所定の条件に基づいてまとめられた複数のコンテンツを時間順に並べたコンテンツリストを生成する(ステップS1302)。そして生成したコンテンツリストをディスプレイに表示するなどして、コンテンツリスト内のコンテンツを選択するためのカーソルなどの移動操作を受付ける(ステップS1303)と、その受付けた操作が前超過移動操作であるか判断する(ステップS1304)。あるいはその受付けた操作が後超過移動操作であるか判断する(ステップS1305)。そしてステップS1304またはS1305での判断結果が超過移動操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する(ステップS1306)。そして、取得した識別情報を含む検索リクエストを実行し、その検索のレスポンスとして返信され取得した別のコンテンツの情報を表示したり別のコンテンツそのものを再生したりする。
なお実施例1と同様に、ステップS1306で出力される識別情報の取得タイミングについては特に限定しない。例えばステップS1302でのコンテンツリスト生成時にそのリストに関連するコンテンツの識別情報を取得しても良いし、ステップS1304やS1305での判断結果に応じてその識別情報を取得しても良い。
【0075】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例のコンテンツ再生装置やコンテンツ再生システムのよって、コンテンツリストを利用した再生コンテンツの選択操作に応じて関連する別のコンテンツの情報をユーザに提示したり、別コンテンツそのものを再生したりすることができる。
【符号の説明】
【0076】
0200 コンテンツ再生装置
0201 コンテンツ取得部
0202 再生部
0203 特殊再生操作受付部
0204 戻超過操作判断部
0205 進超過操作判断部
0206 識別情報出力部
0700 コンテンツ出力装置
0701 関連情報保持部
0702 出力識別情報取得部
0703 関連識別情報取得部
0704 出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生すべきコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
取得したコンテンツを再生する再生部と、
早送りなどの特殊再生のための操作を受付ける特殊再生操作受付部と、
特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、再生部にて再生中のコンテンツの開始位置よりも前の位置に戻ろうとする操作である戻超過操作であるか判断する戻超過操作判断部と、
特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、再生部にて再生中のコンテンツの終了位置よりも後の位置に進もうとする操作である進超過操作であるか判断する進超過操作判断部と、
超過操作判断部での判断結果が超過操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する識別情報出力部と、
を有するコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記識別情報出力部は、超過操作判断部での判断結果が超過操作であると判断された場合に、その超過操作が戻超過操作であるか、進超過操作であるかを示す戻進超過操作種別情報と、その超過操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する種別付識別情報出力手段をさらに有する請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置に対してコンテンツを出力するコンテンツ出力装置であって、
前記コンテンツ再生装置のコンテンツ取得部にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報であるコンテンツ関連情報を保持する関連情報保持部と、
前記コンテンツ再生装置の識別情報出力部からの出力を取得する出力識別情報取得部と、
出力識別情報取得部にて取得した識別情報であるキー識別情報を用いてこのキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を関連情報保持部から取得する関連識別情報取得部と、
取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する出力部と、
を有するコンテンツ出力装置。
【請求項4】
関連情報保持部は、
関連付けられている二つの識別情報が、一方の識別情報をキー識別情報として利用して他方の識別情報を取得する際に、他方の識別情報が戻進超過操作種別情報との関係で選択できるように識別情報と戻進超過操作種別情報とを関連付けて保持する戻進保持手段を有する請求項3に記載のコンテンツ出力装置。
【請求項5】
請求項2に記載のコンテンツ再生装置と、請求項3または4に記載のコンテンツ出力装置と、からなるコンテンツ再生システム。
【請求項6】
再生すべきコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
所定の条件に基づいてまとめられた複数のコンテンツを時間順に並べたコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成部と、
コンテンツリスト内のコンテンツを選択するためのカーソルなどの移動操作を受付ける選択移動操作受付部と、
選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの先頭のコンテンツよりも前のコンテンツに移動しようとする操作である前超過移動操作であるか判断する前超過移動操作判断部と、
選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの最後のコンテンツよりも後ろのコンテンツに移動しようとする操作である後超過移動操作であるか判断する後超過移動操作判断部と、
超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する第二識別情報出力部と、
を有するコンテンツ再生装置。
【請求項7】
前記第二識別情報出力部は、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であると判断された場合に、その超過移動操作が前超過移動操作であるか、後超過操作であるかを示す前後超過移動操作種別情報と、その超過移動操作に応じて識別情報出力部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する第二種別付識別情報出力手段をさらに有する請求項6に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載のコンテンツ再生装置に対してコンテンツを出力するコンテンツ出力装置であって、
前記コンテンツ再生装置のコンテンツ取得部にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報であるコンテンツ関連情報を保持する関連情報保持部と、
前記コンテンツ再生装置の第二識別情報出力部からの出力を取得する出力識別情報取得部と、
出力識別情報取得部にて取得した識別情報であるキー識別情報を用いてこのキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を関連情報保持部から取得する関連識別情報取得部と、
取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する出力部と、
を有するコンテンツ出力装置。
【請求項9】
関連情報保持部は、
関連付けられている二つの識別情報が、一方の識別情報をキー識別情報として利用して他方の識別情報を取得する際に、他方の識別情報が前後超過移動操作種別情報との関係で選択できるように識別情報と前後超過移動操作種別情報とを関連付けて保持する前後保持手段を有する請求項8に記載のコンテンツ出力装置。
【請求項10】
請求項7に記載のコンテンツ再生装置と、請求項8または9に記載のコンテンツ出力装置と、からなるコンテンツ再生システム。
【請求項1】
再生すべきコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
取得したコンテンツを再生する再生部と、
早送りなどの特殊再生のための操作を受付ける特殊再生操作受付部と、
特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、再生部にて再生中のコンテンツの開始位置よりも前の位置に戻ろうとする操作である戻超過操作であるか判断する戻超過操作判断部と、
特殊再生操作受付部にて受付けた操作が、再生部にて再生中のコンテンツの終了位置よりも後の位置に進もうとする操作である進超過操作であるか判断する進超過操作判断部と、
超過操作判断部での判断結果が超過操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する識別情報出力部と、
を有するコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記識別情報出力部は、超過操作判断部での判断結果が超過操作であると判断された場合に、その超過操作が戻超過操作であるか、進超過操作であるかを示す戻進超過操作種別情報と、その超過操作に応じて識別情報取得部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する種別付識別情報出力手段をさらに有する請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置に対してコンテンツを出力するコンテンツ出力装置であって、
前記コンテンツ再生装置のコンテンツ取得部にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報であるコンテンツ関連情報を保持する関連情報保持部と、
前記コンテンツ再生装置の識別情報出力部からの出力を取得する出力識別情報取得部と、
出力識別情報取得部にて取得した識別情報であるキー識別情報を用いてこのキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を関連情報保持部から取得する関連識別情報取得部と、
取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する出力部と、
を有するコンテンツ出力装置。
【請求項4】
関連情報保持部は、
関連付けられている二つの識別情報が、一方の識別情報をキー識別情報として利用して他方の識別情報を取得する際に、他方の識別情報が戻進超過操作種別情報との関係で選択できるように識別情報と戻進超過操作種別情報とを関連付けて保持する戻進保持手段を有する請求項3に記載のコンテンツ出力装置。
【請求項5】
請求項2に記載のコンテンツ再生装置と、請求項3または4に記載のコンテンツ出力装置と、からなるコンテンツ再生システム。
【請求項6】
再生すべきコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
所定の条件に基づいてまとめられた複数のコンテンツを時間順に並べたコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成部と、
コンテンツリスト内のコンテンツを選択するためのカーソルなどの移動操作を受付ける選択移動操作受付部と、
選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの先頭のコンテンツよりも前のコンテンツに移動しようとする操作である前超過移動操作であるか判断する前超過移動操作判断部と、
選択移動操作受付部にて受付けた操作が、コンテンツリストの最後のコンテンツよりも後ろのコンテンツに移動しようとする操作である後超過移動操作であるか判断する後超過移動操作判断部と、
超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であるとの判断結果である場合には、視聴者に対して提供すべき情報である提供情報の構成に利用する検索キーとして利用するために再生中のコンテンツの識別情報を出力する第二識別情報出力部と、
を有するコンテンツ再生装置。
【請求項7】
前記第二識別情報出力部は、超過移動操作判断部での判断結果が超過移動操作であると判断された場合に、その超過移動操作が前超過移動操作であるか、後超過操作であるかを示す前後超過移動操作種別情報と、その超過移動操作に応じて識別情報出力部から出力する識別情報と、を関連付けて出力する第二種別付識別情報出力手段をさらに有する請求項6に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載のコンテンツ再生装置に対してコンテンツを出力するコンテンツ出力装置であって、
前記コンテンツ再生装置のコンテンツ取得部にて取得可能なコンテンツの識別情報どうしを関連付けた情報であるコンテンツ関連情報を保持する関連情報保持部と、
前記コンテンツ再生装置の第二識別情報出力部からの出力を取得する出力識別情報取得部と、
出力識別情報取得部にて取得した識別情報であるキー識別情報を用いてこのキー識別情報と関連付けられている識別情報である関連識別情報を関連情報保持部から取得する関連識別情報取得部と、
取得した関連識別情報を利用して提供情報を構成するとともに、構成した提供情報をそのキー識別情報を出力したコンテンツ再生装置に対して出力する出力部と、
を有するコンテンツ出力装置。
【請求項9】
関連情報保持部は、
関連付けられている二つの識別情報が、一方の識別情報をキー識別情報として利用して他方の識別情報を取得する際に、他方の識別情報が前後超過移動操作種別情報との関係で選択できるように識別情報と前後超過移動操作種別情報とを関連付けて保持する前後保持手段を有する請求項8に記載のコンテンツ出力装置。
【請求項10】
請求項7に記載のコンテンツ再生装置と、請求項8または9に記載のコンテンツ出力装置と、からなるコンテンツ再生システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−4687(P2012−4687A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135483(P2010−135483)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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