説明

コンテンツ再生装置およびそのプログラム

【課題】 複数のコンテンツを連続再生する際にセッションキーの取得処理のために連続再生が中断することを防止すること。
【解決手段】 コンテンツ再生装置は、複数のコンテンツを連続再生する場合に、セッションキーの有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いか否かを判断する。セッションキーの有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いと判断された場合に、新たなセッションキーをサーバから取得した後、新たなセッションキーを使用し複数のコンテンツを連続再生する。セッションキーの有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間以上であると判断された場合に、新たなセッションキーをサーバから取得することなく、現在のセッションキーを使用し複数のコンテンツを連続再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗号鍵を使用しコンテンツを再生するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプは、インターネットラジオ端末としての機能を備え、インターネットラジオサーバからインターネット経由でコンテンツデータ(曲データ)をストリーミング形式で取得し、再生することができる。AVアンプは、曲リストをサーバから取得して表示し、ユーザは再生すべき所望の曲を曲リストの中から選択する。AVアンプは、サーバによって設定されたapiキーをサーバに送信し、サーバにセッションキーを生成させ、セッションキーをサーバから取得する。セッションキーは、曲リストや曲データをサーバから取得する際に必要な暗号鍵である。セッションキーには有効期限が存在し、有効期限が切れると、AVアンプはサーバからセッションキーを再度取得する必要がある。
【0003】
ここで、曲リスト内の複数の曲データをサーバから取得し、連続再生する場合を考える。例えば1曲目および2曲目の曲データをサーバに要求するときにはセッションキーが有効であったために、セッションキーを再取得せず曲データを取得できたが、セッションキーの有効期限が2曲目の曲データの再生中に切れてしまった場合には、3曲目以降の曲データを現在のセッションキーを使用して取得することができない。この場合、AVアンプは、曲データの連続再生を一時中断し、セッションキーをサーバから再度取得した後に、3曲目の曲データをサーバに要求して、取得し再生する必要がある。従って、2曲目と3曲目との間でセッションキーを再取得するまので時間、連続再生が中断してしまい、ユーザに不快感を与えてしまう。
【0004】
下記特許文献1には、有効期限に近づいたら暗号鍵を暗号鍵更新するが、有効期間中であっても、CPU負荷が低い状態を判定した際に、通信量が少ない相手先の暗号通信装置の暗号鍵を検索して暗号鍵を更新することが記載されている。しかし、この文献には、複数曲を連続再生する際の上記問題を解決する技術については何ら記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−103988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数のコンテンツを連続再生する際に暗号鍵の取得処理のために連続再生が中断することを防止するコンテンツ再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、サーバから有効期限を有する暗号鍵を取得する取得部と、前記暗号鍵を使用し、コンテンツを再生する再生部と、前記再生部が複数のコンテンツを連続再生する場合に、現在の暗号鍵を使用し前記複数のコンテンツを連続再生できるか否かを判断する判断部とを備え、現在の暗号鍵を使用し前記複数のコンテンツを連続再生できないと判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得した後、前記再生部が新たな前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生し、現在の暗号鍵を使用し前記複数のコンテンツを連続再生できると判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得することなく、前記再生部が現在の前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生する。
【0008】
現在の暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生できないと判断される場合、新たな暗号鍵をサーバから取得した後、新たな暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生することで、複数のコンテンツの連続再生中に暗号鍵の有効期限が切れることを防止できる。一方、現在の暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生できると判断された場合、新たな暗号鍵をサーバから取得しないことによって、通信回数を削減し、無駄な通信を防止することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記判断部が、前記再生部が複数のコンテンツを連続再生する場合に、前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間(又は、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間のうち、最後に再生するコンテンツの再生時間を除く。)よりも短いか否かを判断し、前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いと判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得した後、前記再生部が新たな前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生し、前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間以上であると判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得することなく、前記再生部が現在の前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生する。
【0010】
暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短い場合、複数のコンテンツの連続再生中に暗号鍵の有効期限が切れると判断される。従って、新たな暗号鍵をサーバから取得した後、新たな暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生することで、複数のコンテンツの連続再生中に暗号鍵の有効期限が切れることを防止できる。一方、暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間以上である場合、複数のコンテンツの連続再生中に暗号鍵の有効期限が切れないと判断される。従って、新たな暗号鍵をサーバから取得しないことによって、通信回数を削減し、無駄な通信を防止することができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記取得部が前記暗号鍵を前記サーバから取得した時刻と、現在時刻とに基づいて、前記暗号鍵の有効期限の残り時間を算出する算出部をさらに備え、前記判断部が、前記算出部によって算出された前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いか否かを判断する。
【0012】
この場合、サーバから暗号鍵の有効期限の残り時間の情報を取得する必要がないので、通信回数を削減し、無駄な通信を防止することができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記取得部が前記暗号鍵の有効期限の残り時間の情報を前記サーバから取得し、前記判断部が、前記取得部によって取得された前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いか否かを判断する。
【0014】
この場合、サーバから暗号鍵の有効期限の残り時間の情報を取得することによって、暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いか否かを判断する精度を高めることができる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記取得部が前記暗号鍵を前記サーバから取得した時刻と、現在時刻とに基づいて、前記暗号鍵の有効期限の残り時間を算出する算出部をさらに備え、前記取得部が前記暗号鍵の有効期限の残り時間の情報を前記サーバから取得し、前記判断部が、前記算出部によって算出された前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いと判断し、かつ、前記取得部によって取得された前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いと判断した場合に、前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いと判断し、前記取得部によって取得された前記暗号鍵の有効期限の残り時間と、前記算出部によって算出された前記暗号鍵の有効期限の残り時間との差に基づいて、前記取得部が前記暗号鍵を前記サーバから取得した時刻を補正する補正部をさらに備える。
【0016】
この場合、暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いか否かを判断する精度を高めることができる。
【0017】
好ましい実施形態においては、前記判断部が、前記再生部が複数のコンテンツを連続再生する場合に、前記暗号鍵の残り再生可能回数が、連続再生する複数のコンテンツの数よりも少ないか否かを判断し、前記暗号鍵の残り再生可能回数が、連続再生する複数のコンテンツの数よりも少ないと判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得した後、前記再生部が新たな前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生し、前記暗号鍵の残り再生可能回数が、連続再生する複数のコンテンツの数以上であると判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得することなく、前記再生部が現在の前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生する。
【発明の効果】
【0018】
複数のコンテンツを連続再生する際に暗号鍵の取得処理のために連続再生が中断することを防止するコンテンツ再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置(AVアンプ)を示すブロック図である。
【図2】セッションキーの取得処理を示すシーケンス図である。
【図3】複数曲を連続再生する際の制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図4】複数曲を連続再生する際の制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図5】複数曲を連続再生する際の制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の別の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置を示すブロック図である。
【図7】複数曲を連続再生する際の制御部2の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1に示すように、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置が適用されるAVアンプ1は、インターネット等の任意の電気通信回線を経由して、インターネットラジオサーバ(以下、サーバという。)10に接続可能である。AVアンプ1は、サーバ10からコンテンツデータを例えばストリーミング形式で取得し、再生する。コンテンツデータは、曲(音楽)データ、映像データ、画像データ等の総称であるが、本例では曲データ(曲ファイル)である。AVアンプ1は、サーバ10が蓄積する曲の一覧である曲リストをサーバ10から受信し、表示部に表示させる。ユーザ操作によって曲リストから曲が選択されると、AVアンプ1は、選択された曲およびそれ以降の曲の曲データを連続的にサーバに要求し、取得して再生する。AVアンプ1が曲リストや曲データをサーバ10に要求して取得するためには、セッションキー(暗号鍵)が必要である。セッションキーはapiキー(有効期限のない恒久キー)をサーバに送信することによって、サーバ10から取得する。セッションキーには有効期限が存在し、有効期限が切れると、AVアンプ1はサーバ10からセッションキーを再度取得する必要がある。
【0021】
AVアンプ1は、制御部2、ROM及びRAM等のメモリ3、再生部4、増幅部5、操作部6、表示部7および通信部8を備える。制御部2は、AVアンプ1の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部2は、ROMに格納されているコンテンツ再生プログラムをRAMに読み出して実行することにより、後述する処理を実行する。
【0022】
再生部4は、サーバ10からストリーミング形式で受信した曲データを再生する。再生とは、デコード処理、D/A変換処理等である。増幅部5は、再生部4によって再生された曲データの音声信号に対して音量調整処理や増幅処理を実行し、外部に接続された図示しないスピーカーに音声信号を供給する。
【0023】
操作部6は、ユーザ操作を受け付けるものであり、AVアンプ1のフロントパネルに設けられた操作ボタンやリモコン等である。表示部7は、曲リスト画面などを表示するものであり、LCD等である。表示部7は、外部に接続されるディスプレイ装置にこれらの画面をOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示するものでもよい。通信部8は、インターネット経由でサーバ10と通信するものであり、サーバ10に曲リストや曲ファイルの要求を送信し、サーバ10から曲リストや曲ファイルを受信する。
【0024】
制御部2は、曲リストから曲が選択され、選択された曲およびそれ以降の曲データを連続再生する際に、現在のセッションキーを使用して連続再生すべき全曲を再生することができるか否かを判断する。詳細には、制御部2は、連続再生する全曲データの総再生時間(つまり、全曲データを再生し終えるまでに必要な時間)と、セッションキーの有効期限の残り時間とを比較することによって、複数の曲データの連続再生中にセッションキーの有効期限が切れるか否かを判断する。複数の曲データの連続再生中にセッションキーの有効期限が切れると判断すると、制御部2は、連続再生を開始する前に(つまり1曲目の曲データを要求する前に)、セッションキーをサーバに要求し、取得する。そして新たに取得したセッションキーを使用し、曲データの連続再生を開始する。これにより、複数の曲データの連続再生中にセッションキーの有効期限が切れることを防止できる。また、複数の曲データの連続再生中にセッションキーの有効期限が切れないと判断すると、制御部2は、新たなセッションキーをサーバ10から取得することなく、現在のセッションキーを使用し、曲データの連続再生を開始する。従って、AVアンプ1とサーバ10との通信回数を削減することができる。
【0025】
以下、本実施形態の動作を説明する。図2は、セッションキー取得処理を示すシーケンス図である。図2の処理は、最初にAVアンプ1がセッションキーをサーバ10から取得するとき、又は、セッションキーを再度取得するときの処理である。AVアンプ1は、createSessionというコマンドをサーバ10に送信し、セッションキーを要求する(S21)。createSessionには、AVアンプ1に設定されたapiキーが含まれている。サーバ10は、createSessionを受信すると、apiキーが有効なキーであるか否かを判断する(S22)。有効でなければ、セッションキーを返信しない。ここでは、有効であるので、サーバ10はapiキーからセッションキーを生成し、生成したセッションキーとその有効期限の情報とを含むXMLデータを生成し、AVアンプ1に返信する(S23)。セッションキーの有効期限は、例えば、セッションキーの生成時刻から6時間(3600秒)である。
【0026】
AVアンプ1は、XMLデータを受信すると、XMLデータを解析し、セッションキーと、その有効期限の情報とを抽出し、メモリ3に保存する(S24)。また、AVアンプ1は、セッションキーを取得した時刻をAVアンプ1内の図示しない時計処理部(例えば、OS(オペレーティングシステム)で動作する場合、OSの内部時計)から取得し、メモリ3にstartTimeとして保存する(S25)。
【0027】
図3は、曲リスト内の曲を連続再生する際のAVアンプ1の制御部2の処理を示す。制御部2は、曲リストから例えばユーザ操作によって曲が選択され、選択された曲およびそれ以降の曲を連続再生する指示が入力されたか否かを判断する(S1)。もしくは、ユーザ操作ではなく、制御部2が任意の曲リストを選択して、曲リスト内の曲を全て連続再生するようにしてもよい。
【0028】
曲リスト内の曲を連続再生する場合(S1でYES)、制御部2は、まず、AVアンプ1側で管理している時間情報に基づいて、セッションキーの有効期限の残り時間が、連続再生する曲の総再生時間よりも短いか否かを判断する(S2〜S5)。詳細には、制御部2は、時計処理部から現在の時刻を取得し、メモリ3にcurrentTimeとして保存する(S2)。制御部2は、現在のセッションキーを取得した時刻からの経過時間をcurrentTime−startTimeによって算出し、メモリ3に保存する(S3)。制御部2は、有効期限の残り時間remTimeを期限規定時間−経過時間によって算出し、メモリ3に保存する(S4)。期限規定時間は、セッションキーの有効期間であり、例えば上記の通り6時間(3600秒)である。
【0029】
制御部2は、remTimeが連続再生する曲の総再生時間よりも短いか否か、つまり、連続再生途中でセッションキーの有効期限が切れるか否かを判断する(S5)。なお、各曲の再生時間はサーバ10から取得される曲リストにメタデータの一つとして含まれているので、それを連続再生する曲について全て加算することによって総再生時間が求められる。remTimeが連続再生する曲の総再生時間以上である場合(S5でNO)、曲を連続再生し終える間、セッションキーの有効期限は切れない。従って、制御部2は、新たなセッションキーを取得せずに、現在のセッションキーを使用して、サーバ10に曲データを要求し、取得して再生する(S10)。
【0030】
詳細には、制御部2は、サーバから事前に取得した曲のURLであるPlayURLに現在のセッションキーを加え、getTrackStreamingData(PlayURL
+ sessionKey)というコマンドをサーバ10に送信する。サーバ10は、これに応じて、PlayURLで特定される曲データをAVアンプ1に送信する。
【0031】
一方、remTimeが連続再生する曲の総再生時間よりも短い場合(S5でYES)、曲を連続再生し終える間に、セッションキーの有効期限が切れると判断される。この場合、制御部2は、サーバ10からセッションキーの有効期限の残り時間の情報を取得し、セッションキーの有効期限の残り時間が、連続再生する曲の総再生時間よりも短いか否かを再度判断する(S6〜S8)。詳細には、制御部2は、getSessionInformation(sessionKey)というコマンドをサーバ10に送信し、セッションキーの有効期限の残り時間の情報を要求する(S6)。サーバ10は、このコマンドに応じて、セッションキーの有効期限の残り時間の情報を含むXMLデータをAVアンプ1に返信する。制御部2は、XMLデータからセッションキーの有効期限の残り時間の情報を抽出し、メモリ3にremainSecとして保存する(S7)。
【0032】
制御部2は、remainSecが連続再生する曲の総再生時間よりも短いか否か、つまり、連続再生途中でセッションキーの有効期限が切れるか否かを判断する(S8)。remainSecが連続再生する曲の総再生時間よりも短い場合(S8でYES)、曲を連続再生し終える間に、セッションキーの有効期限が切れると判断される。この場合、制御部2は、サーバ10からセッションキーを再度取得する処理を実行する。この処理は、図2で説明した通りである。制御部2は、新たに取得したセッションキーを使用して、サーバ10に曲データを要求し、取得して再生する(S10)。
【0033】
詳細には、制御部2は、サーバから事前に取得した曲のURLであるPlayURLに新たに取得したセッションキーを加え、getTrackStreamingData(PlayURL + sessionKey)というコマンドをサーバ10に送信する。サーバ10は、これに応じて、PlayURLで特定される曲データをAVアンプ1に送信する。従って、曲を連続再生し終える間、セッションキーの有効期限を切れないようにすることができる。
【0034】
一方、remainSecが連続再生する曲の総再生時間以上である場合(S8でNO)、曲を連続再生し終える間、現在のセッションキーの有効期限は切れない。このとき、制御部2は、メモリ3に保存されているstartTimeに、“remainSec−remTime”を加算することによって、startTimeの値を補正する。これにより、AVアンプ1側の有効期限の残り時間のカウントがサーバ10側の有効期限の残り時間のカウントに対してずれていたとしても、AVアンプ1側でstartTimeに基づいて算出されるremTimeと、サーバ10側で管理されているremainSecとを略同じ値に調整することができる。その後、制御部2は、現在のセッションキーを使用して、サーバ10に曲データを要求し、取得して再生する(S10)。
【0035】
以上の処理によって、曲の連続再生途中でセッションキーの有効期限の残り時間が切れて、曲の連続再生が途中で停止することを防止できる。なお、図3では、セッションキーの有効期限の残り時間が連続再生する曲の総再生時間よりも短いか否かの判断を、AVアンプ1側で算出するセッションキーの有効期限の残り時間によって判断する処理(S2〜S5)と、サーバ10側で管理するセッションキーの有効期限の残り時間によって判断する処理(S6〜S8)との2段階で実行しているが、いずれか一方のみで実行してもよい。図4は、AVアンプ1側で算出するセッションキーの有効期限の残り時間によって判断する処理(S2〜S5)のみの場合を、図5は、サーバ10側で管理するセッションキーの有効期限の残り時間によって判断する処理(S6〜S8)のみの場合を示す。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、コンテンツ再生装置がサーバに記録されている曲データをストリーミング再生するのではなく、図6に示すように、コンテンツ再生装置1BがHDD9等の記憶媒体を備え、HDD9に曲データ(例えばダウンロードした曲データ)を記録しており、HDD9に記録されている曲データを再生する際にセッションキーを使用する必要がある場合にも適用することができる。この場合、サーバ10Bは単にセッションキーの生成と送信のみを実行する暗号鍵サーバであればよい。また、連続再生する全曲の総再生時間と、セッションキーの有効期限とを比較する代わりに、連続再生する全曲の総再生時間のうち最後に再生する曲の再生時間を除いたものと、セッションキーの有効期限とを比較してもよい。なぜなら、最後の曲をサーバに要求する際にセッションキーが必要だが、最後の曲が再生開始してから再生終了するまでの間はセッションキーを使用しないからである。しかし、連続再生する全曲の総再生時間と、セッションキーの有効期限とを比較した方がより確実である。
【0037】
また、図7に示すように、本発明は、セッションキーが有効期限(残り時間)ではなく有効再生回数(残り再生可能回数)で管理される場合にも適用することができる。1つのコンテンツを再生する毎に、残り再生可能回数が1減算されるようにメモリ上で更新される。そして、複数の曲を連続再生する場合に(S21でYES)、制御部2は、連続再生するコンテンツ数をリストから取得し(S22)、セッションキーの残り再生可能回数をメモリから取得する(S23)。制御部2は、セッションキーの残り再生可能回数が連続再生するコンテンツ数よりも少ないか否かを判断する(S24)。少ない場合(S24でYES)、制御部2は、セッションキーをサーバから取得した後(S25)、新たなセッションキーを使用し複数のコンテンツを連続再生する(S26)。少なくない場合(S24でNO)、新たなセッションキーをサーバから取得することなく、現在のセッションキーを使用し複数のコンテンツを連続再生する(S26)。
【0038】
コンテンツ再生装置は、TV受像機、携帯電話機、カーナビゲーションシステム、携帯型プレーヤ、ゲーム機等であってもよい。上記のコンテンツ再生装置の動作をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、AVアンプ、ネットワークAVクライアント等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0040】
1 AVアンプ
2 制御部
3 メモリ
4 再生部
5 増幅部
6 操作部
7 表示部
8 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバから有効期限を有する暗号鍵を取得する取得部と、
前記暗号鍵を使用し、コンテンツを再生する再生部と、
前記再生部が複数のコンテンツを連続再生する場合に、現在の暗号鍵を使用し前記複数のコンテンツを連続再生できるか否かを判断する判断部とを備え、
現在の暗号鍵を使用し前記複数のコンテンツを連続再生できないと判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得した後、前記再生部が新たな前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生し、
現在の暗号鍵を使用し前記複数のコンテンツを連続再生できると判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得することなく、前記再生部が現在の前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生する、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記判断部が、前記再生部が複数のコンテンツを連続再生する場合に、前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間(又は、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間のうち、最後に再生するコンテンツの再生時間を除く。)よりも短いか否かを判断し、
前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いと判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得した後、前記再生部が新たな前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生し、
前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間以上であると判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得することなく、前記再生部が現在の前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生する、請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記取得部が前記暗号鍵を前記サーバから取得した時刻と、現在時刻とに基づいて、前記暗号鍵の有効期限の残り時間を算出する算出部をさらに備え、
前記判断部が、前記算出部によって算出された前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いか否かを判断する、請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記取得部が前記暗号鍵の有効期限の残り時間の情報を前記サーバから取得し、
前記判断部が、前記取得部によって取得された前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いか否かを判断する、請求項2または3に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記取得部が前記暗号鍵を前記サーバから取得した時刻と、現在時刻とに基づいて、前記暗号鍵の有効期限の残り時間を算出する算出部をさらに備え、
前記取得部が前記暗号鍵の有効期限の残り時間の情報を前記サーバから取得し、
前記判断部が、前記算出部によって算出された前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いと判断し、かつ、前記取得部によって取得された前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いと判断した場合に、前記暗号鍵の有効期限の残り時間が、連続再生する複数のコンテンツの総再生時間よりも短いと判断し、
前記取得部によって取得された前記暗号鍵の有効期限の残り時間と、前記算出部によって算出された前記暗号鍵の有効期限の残り時間との差に基づいて、前記取得部が前記暗号鍵を前記サーバから取得した時刻を補正する補正部をさらに備える、請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
前記判断部が、前記再生部が複数のコンテンツを連続再生する場合に、前記暗号鍵の残り再生可能回数が、連続再生する複数のコンテンツの数よりも少ないか否かを判断し、
前記暗号鍵の残り再生可能回数が、連続再生する複数のコンテンツの数よりも少ないと判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得した後、前記再生部が新たな前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生し、
前記暗号鍵の残り再生可能回数が、連続再生する複数のコンテンツの数以上であると判断された場合に、前記取得部が新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得することなく、前記再生部が現在の前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生する、請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
サーバから有効期限を有する暗号鍵を取得する取得ステップと、
前記暗号鍵を使用し、コンテンツを再生する再生ステップと、
前記再生ステップが複数のコンテンツを連続再生する場合に、現在の暗号鍵を使用し前記複数のコンテンツを連続再生できるか否かを判断する判断ステップとをコンピュータに実行させ、
現在の暗号鍵を使用し前記複数のコンテンツを連続再生できないと判断された場合に、前記取得ステップが新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得した後、前記再生ステップが新たな前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生し、
現在の暗号鍵を使用し前記複数のコンテンツを連続再生できると判断された場合に、前記取得ステップが新たな前記暗号鍵を前記サーバから取得することなく、前記再生ステップが現在の前記暗号鍵を使用し複数のコンテンツを連続再生する、コンテンツ再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−229112(P2011−229112A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249342(P2010−249342)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】