コンテンツ再生装置およびそのプログラム
【課題】 ポータブルプレーヤに記録されている曲ファイルと同じ曲ファイルを受信して再生しながら、ポータブルプレーヤのバッテリを高速に充電させる。
【解決手段】 高速充電モードに設定されており(または、ポータブルプレーヤ200のバッテリの充電率が所定値未満であり)、かつ、指定曲ファイルを格納するサーバがネットワーク上で稼働していると判断された場合、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200の代わりにサーバ300から指定曲ファイルを受信して再生する。従って、ポータブルプレーヤ200は、指定曲ファイルをAVアンプ1に送信する必要がなく、動作停止状態となることにより、バッテリを高速に充電することができる。
【解決手段】 高速充電モードに設定されており(または、ポータブルプレーヤ200のバッテリの充電率が所定値未満であり)、かつ、指定曲ファイルを格納するサーバがネットワーク上で稼働していると判断された場合、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200の代わりにサーバ300から指定曲ファイルを受信して再生する。従って、ポータブルプレーヤ200は、指定曲ファイルをAVアンプ1に送信する必要がなく、動作停止状態となることにより、バッテリを高速に充電することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型コンテンツ再生装置に格納されているコンテンツを受信して再生するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプ等のコンテンツ再生装置に、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を内蔵したポータブルプレーヤを接続し、ポータブルプレーヤに記録されている曲データをAVアンプが取得し、増幅して、AVアンプに接続されているスピーカーから音声を再生することが行われている。また、AVアンプはポータブルプレーヤに電源電圧を供給し、ポータブルプレーヤのバッテリを充電させる。ここで、ユーザがポータブルプレーヤに格納されている曲データをAVアンプで再生しながら、ポータブルプレーヤのバッテリをできるだけ早く充電させたい場合がある。しかし、ポータブルプレーヤは曲データを記憶媒体から読み出してAVアンプに送信する必要があるので、バッテリの電源電圧を消耗してしまい、高速に充電することができない。曲データを再生する場合だけではなく、AVアンプがポータブルプレーヤからコンテンツリストを取得してディスプレイにコンテンツリスト表示する場合にも、ポータブルプレーヤはバッテリの電源電圧を消耗するので、高速に充電することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-097216
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、携帯型コンテンツ再生装置に記録されているコンテンツと同じコンテンツを受信して再生しながら、携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させることができるコンテンツ再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、複数のコンテンツを格納する携帯型コンテンツ再生装置と、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツと同じコンテンツを格納する1または複数のサーバとに接続可能であり、前記携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを受信して再生する再生手段と、前記携帯型コンテンツ再生装置に電源電圧を供給し、前記携帯型コンテンツ再生装置を充電させる電源供給手段と、前記電源供給手段が前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があるか否かを判断する充電モード判断手段と、再生すべき前記携帯型コンテンツ再生装置のコンテンツが指定されるとき、前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに、前記指定コンテンツと同じコンテンツを格納する前記サーバから前記指定コンテンツを受信可能か否か判断する状態判断手段とを備え、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断され、かつ、前記指定コンテンツを前記サーバから受信可能であると判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに前記サーバから前記指定コンテンツを受信して再生する。
【0006】
携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断され、かつ、指定コンテンツをサーバから受信可能であると判断された場合、再生手段は、携帯型コンテンツ再生装置の代わりにサーバから指定コンテンツを受信して再生する。従って、携帯型コンテンツ再生装置は、指定コンテンツをコンテンツ再生装置に送信する必要がないので、バッテリの電圧を消耗することが抑制され、その結果、高速に充電することができる。
【0007】
好ましい実施形態においては、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断されたが、前記指定コンテンツを前記サーバから受信可能でないと判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置から前記指定コンテンツを受信して再生する。
【0008】
この場合、携帯型コンテンツ再生装置の高速な充電を優先してしまい、コンテンツ再生装置が指定コンテンツを再生できないという問題を解決できる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを受信して再生しているときに、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、再生中のコンテンツと同じコンテンテンツを前記サーバから受信可能であれば前記サーバから受信し、前記携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツ再生処理から前記サーバからのコンテンツ再生処理にコンテンツの再生途中で切換える。
【0010】
この場合、可能な限り早い時点で、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツ再生処理から、サーバからのコンテンツ再生処理に切換えることができる。従って、より高速に携帯型コンテンツ再生装置を充電させることができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツのうち前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに前記サーバから受信可能なコンテンツのみを選択して連続的に再生する。
【0012】
この場合、連続再生中、常に携帯型コンテンツ再生装置はコンテンツをコンテンツ再生装置に送信する必要がないので、より高速に携帯型コンテンツ再生装置を充電させることができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、前記携帯型コンテンツ再生装置から、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツと同じコンテンツを格納する前記サーバの識別情報を受信して管理するサーバ識別情報管理手段をさらに備え、前記再生手段が、前記サーバ識別情報管理手段の管理内容に基づいて、前記指定コンテンツを格納している前記サーバを特定する。
【発明の効果】
【0014】
帯型コンテンツ再生装置に記録されているコンテンツと同じコンテンツを受信して再生しながら、携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させることができるコンテンツ再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ(コンテンツ再生装置)100を示すブロック図である。
【図2】ポータブルプレーヤが管理するコンテンツ情報DBを示す図である。
【図3】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図4】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図5】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図6】コンテンツツリーを示す図である。
【図7】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図8】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図9】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図10】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図11】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図12】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0017】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ(コンテンツ再生装置)100を示す概略ブロック図である。AVアンプ1は、複数のコンテンツを格納する携帯型コンテンツ再生装置(以下、ポータブルプレーヤという)200と、例えばUSB(ユニバーサルシリアルバス)等の任意の規格のラインを介して接続可能である。ポータブルプレーヤ200は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、複数のコンテンツを蓄積する。コンテンツは、映像(画像)データ、及び/又は、音声(音楽、曲)データの総称であるが、本例では、曲ファイル(以下、トラック、曲データともいう。)である。AVアンプ1は、ポータブルプレーヤ200から曲データを受信して、再生(増幅処理等)する。また、AVアンプ1は、ポータブルプレーヤに電源電圧を供給し、ポータブルプレーヤ200のバッテリを充電させる。
【0018】
AVアンプ1は、1または複数のサーバ300(図1ではサーバ300Aおよび300B)と例えばLANなどのネットワークを介して接続可能である。サーバ300は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、ポータブルプレーヤ200と同じコンテンツの少なくとも1つを蓄積する。すなわち、元々サーバ300に蓄積されているコンテンツが、ポータブルプレーヤ200に転送されて、ポータブルプレーヤ200の記憶媒体にも記録される。
【0019】
図2は、ポータブルプレーヤ200が管理するコンテンツ情報DB(データベース)を示す。コンテンツ情報DBは、ポータブルプレーヤ200が蓄積する全てのコンテンツに関するコンテンツ情報を管理するデータベースであり、曲毎にアーティスト名、アルバム名、トラック名(曲名)、トラックIDおよびサーバIDを含む。サーバIDは、その曲ファイルと同じ曲ファイルを蓄積するサーバ300の識別情報である。コンテンツ情報DBの内容は、サーバ300から曲ファイルが転送されてポータブルプレーヤ200の記憶媒体に記録される際に、登録される。
【0020】
図1に戻って、AVアンプ100は、マイコン等の制御部1、RAM2、ROM3、再生部4、増幅部5、表示部6、操作部7および通信部8を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。また、増幅部5には、図示しないスピーカーが接続されている。
【0021】
マイコン1は、AVアンプ100全体を制御するものであり、ROM3に格納されたコンテンツ再生プログラムをRAM2内に読み出して実行することにより、後述する各処理を実行する。再生部4は、ポータブルプレーヤ200またはサーバ300から受信した曲データを再生処理(例えば、デコード、D/A変換等)する。増幅部5は、再生部4によって再生された曲データの音声信号を増幅し、図示しないスピーカーに音声信号を出力する。
【0022】
表示部6は、コンテンツ情報やコンテンツリスト等を表示するものであり、液晶ディスプレイやFL管等である。また、表示部6は、AVアンプ100の外部に接続されるディスプレイ装置(液晶TV等)にOSD画面を出力するものでもある。操作部7は、ユーザ操作を受け付けるものであり、操作ボタンやリモコン送受信機である。
【0023】
通信部8は、例えばUSB経由でポータブルプレーヤ200と通信し、ポータブルプレーヤ200にコマンドを送信し、かつ、ポータブルプレーヤ200からコンテンツ情報や曲データ等を受信する。また、通信部8は、AVアンプ100の図示しない電源回路によって生成された電源電圧を例えばUSB経由でポータブルプレーヤ200に供給し、ポータブルプレーヤ200のバッテリを充電させる。また、通信部8は、例えばLAN等を介してサーバ300と通信し、サーバ300にコマンドを送信し、かつ、サーバ300からコンテンツ情報や曲データ等を受信する。
【0024】
マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があるか否かを判断する。例えば、マイコン1は、ユーザ操作によって高速充電モードが設定されているか否かを判断する。又は、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200の充電率が所定値(例えば20%)未満であるか否かを判断する。高速充電モードが設定されるとき、又は、ポータブルプレーヤ200の充電率が所定値未満であるとき、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断される。
【0025】
また、マイコン1は、再生すべきポータブルプレーヤ200の曲ファイルが指定されるとき、ポータブルプレーヤ200の代わりに、指定曲ファイルと同じ曲ファイルを格納するサーバ300から指定曲ファイルを受信可能か否か判断する。つまり、指定曲ファイルと同じ曲ファイルを格納するサーバ300がLAN上で稼働しているか否かが判断される。
【0026】
マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断され、かつ、指定曲ファイルをサーバ300から受信可能であると判断された場合、ポータブルプレーヤ200の代わりにサーバ300から指定曲ファイルを受信して再生するように各部を制御する。従って、ポータブルプレーヤ200は、曲データを転送する処理を実行する必要がないので、バッテリの消耗を抑えることができ、高速に充電させることができる。さらに、指定された曲ファイルと同じ曲ファイルをAVアンプ100が再生することができる。
【0027】
一方、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断されたが、指定曲ファイルをサーバ300から受信可能でないと判断された場合、ポータブルプレーヤ200から指定曲ファイルを受信して再生するように各部を制御する。これにより、ポータブルプレーヤ200の充電を優先させるために指定曲ファイルをAVアンプ1が再生できないという問題を解決できる。
【0028】
マイコン1は、ポータブルプレーヤ200から曲データを受信して再生しているときに、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断された場合、再生中の曲ファイルと同じ曲ファイルをサーバ300から受信可能であればサーバ300から受信する。つまり、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からの曲データを受信して再生する処理から、サーバ300から曲データを受信して再生する処理に、曲ファイルの再生途中で切換える。
【0029】
または、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断された場合、ポータブルプレーヤ200が格納する複数の曲ファイルのうち、ポータブルプレーヤ200の代わりにサーバ300から受信可能な曲ファイルのみを選択して連続的に再生する。
【0030】
以下、本例の動作を説明する。図3に示すように、AVアンプ100のマイコン1は、AVアンプ100にポータブルプレーヤ200が接続された状態で、ユーザ操作によって高速充電モードに設定する指示が入力されたか否かを判断する(S1)。高速充電モードに設定する指示が入力されない場合(S1でNO)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200のバッテリの充電率が所定値未満であるか否かを判断する(S2)。例えば、バッテリの充電率が20%未満であるか否かが判断される。充電率の情報は、ポータブルプレーヤ200からUSB経由で取得することができる。バッテリの充電率が所定値以上であると判断された場合(S2でNO)、マイコン1は、通常処理を実行する(S9)。
【0031】
高速充電モードに設定する指示が入力された場合(S1でYES)、又は、充電率が所定値未満であると判断された場合(S2でYES)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200に、図2のコンテンツ情報DBに登録されている全サーバIDを送信するように要求する。ポータブルプレーヤ200は、図2のコンテンツ情報DBを参照して、サーバIDの欄に登録されている全サーバIDを取得して、AVアンプ100に送信する(重複分を送信する必要はない)。マイコン1は、サーバIDを取得する(S3)。図2の例では、23B46S11と、876530UUとの2つのサーバIDが取得される。
【0032】
マイコン1は、ネットワーク上で稼働している(つまり、ネットワークに接続され、かつ、電源オン状態である)サーバ300を探索し、取得したサーバIDで特定されるサーバ300の照合処理を実行し、URL(IPアドレス)を取得する(S4)。そして、マイコン1は、取得したサーバIDで特定されるサーバ300の全部がネットワーク上で稼働しているか否かを判断する(S5)。サーバ300の全部がネットワーク上で稼働している場合(S5でYES)、後述するS7の処理へと進む。サーバ300の全部がネットワーク上で稼働しているのではない場合(S5でNO)、マイコン1は、取得したサーバIDで特定されるサーバ300の一部がネットワーク上で稼働しているか否かを判断する(S6)。サーバ300の一部がネットワーク上で稼働している場合(S6でYES)、後述するS8の処理へと進む。一方、取得したサーバIDで特定されるサーバ300の全部がネットワーク上で稼働していない場合(S6でNO)、マイコン1は通常処理を実行する(S9)。
【0033】
マイコン1は、図3のS3、S4の処理と並列に図4の処理(ポータブルプレーヤ200から曲データを取得して再生する処理)を実行することができる。図4に示すように、マイコン1は、ユーザ操作に応じてポータブルプレーヤ200に曲リストを要求し、曲リストを取得する(S11)。マイコン1は取得した曲リストをディスプレイに表示させる(S12)。ユーザ操作によって曲リストから所望の曲が指定されて再生指示が入力されると(S13でYES)、マイコン1は、指定された曲データをポータブルプレーヤ200に要求して取得し(S14)、取得した曲データを再生する(S15)。
【0034】
次に、図5を参照してS7の処理を説明する。マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からコンテンツリスト(例えば、アーティストリスト、アルバムリスト、トラックリスト等)に関する情報を要求して取得する(S21)。なお、ポータブルプレーヤ200が再生中である場合、現在再生中の曲に関する情報とその再生位置(再生時間)に関する情報とを取得する(S21)。
【0035】
マイコン1は、取得した情報に基づいて、図6に示すコンテンツツリーを生成する(S22)。ここで生成されるコンテンツツリーは、短時間で生成できるように、最低限必要な情報のみを有する簡易なコンテンツツリーである。できるだけ早くポータブルプレーヤ200の動作を停止させ、高速に充電させるためである。コンテンツツリーは、4階層で形成されており、最上位の階層から順に、root、artist、album、trackの順になっている。各ノードは、サーバID(および、必要に応じて、サーバ300のURL(IPアドレス))、および、トラックIDを含む。各ノードのサーバIDは、そのノードに関する曲ファイルやコンテンツ情報を、どのサーバ300が有するかを示し、図2のコンテンツ情報DBのサーバIDに相当している。
【0036】
トラックIDは、図2のコンテンツ情報DBのトラックIDに相当する。アーティスト階層およびアルバム階層の各ノードのトラックIDは、その下位階層に位置するいずれかのトラックノードのトラックIDと同じものが含まれる。例えば、(B)の位置のアーティストノードのトラックIDは、(A)の位置のトラックノードのトラックIDが付与されている。マイコン1は、生成したコンテンツツリーにおいて、現在選択(又は再生)されている位置を特定し、RAM2に記憶する。例えば、図6の(A)のトラックノードの曲ファイルを再生中であれば、(root,artist,album,track)=(1,2,1,2)が記憶される。
【0037】
図5に戻って、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200の曲データを取得して再生中であるか否かを判断する(S23)。ポータブルプレーヤ200の曲データを再生中でなければ(S23でNO)、S29に進む。ポータブルプレーヤ200の曲データを再生中であれば(S23でYES)、マイコン1は、再生中の曲データのトラックIDを特定する(S24)。つまり、コンテンツツリーにおいて、現在選択されている位置(例えば(1,2,1,2))のノードに格納されているトラックIDが読み出される。同様に、マイコン1は、再生中の曲データに対応するサーバIDをコンテンツツリーのノードから特定し、サーバIDに対応するサーバ300を特定する(S25)。
【0038】
マイコン1は、特定したサーバ300に対して、特定したトラックIDの曲データをストリーミング形式で送信するように要求する(S26)。このとき、マイコン1は、S21でポータブルプレーヤ200から受信した再生位置(再生時間)の情報をサーバ300に送信し、再生位置からの曲データをサーバ300に送信させる。これに対して、要求されたサーバ300は、指定された曲データをAVアンプ100にネットワーク経由で、ストリーミング形式で送信する。マイコン1は、サーバ300から曲データを受信すると、バッファに格納させる(S27)。サーバ300から受信してバッファに蓄積している曲データが現在再生している再生位置に追いつき、かつ、所定量以上の曲データがバッファに蓄積された時点で、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からの曲データの再生処理から、サーバ300から取得した曲データの再生処理に切換える(S28)。従って、シームレスな再生切換が可能である。
【0039】
S29において、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせ、充電モードに移行させる(S29)。ここで、動作停止状態は、電源オフ状態(スタンバイ状態等を含む)や低消費電力状態であってもよく、電源オン状態であるが動作を何も実行しない状態であってもよい。
【0040】
図7に示すように、マイコン1は、ユーザ操作によってコンテンツリストの表示切換指示が入力されたか否かを判断する(S31)。つまり、アーティストリスト、アルバムリストおよびトラックリストの各スクロール、あるいは、アーティストリストとアルバムリストとトラックリストとの間の表示切換などの指示が入力されたか否かが判断される。入力された場合(S31でYES)、マイコン1は、切換後に表示する必要がある複数のノードに格納されているサーバIDを特定する(S32)。複数のノードの各々に異なるサーバIDが格納されている場合には、複数のサーバIDが特定される。
【0041】
例えば、図6のコンテンツツリーにおいて、現在(A)のノードが選択されている状態で、2回UPボタンが操作されて、コンテンツツリーの階層を2つ上位に移動させる(つまり、トラックリストの表示から、アーティストリストの表示に切換える)指示が入力されると、(B)のノードに移動する。ディスプレイが3行(つまり、3つのコンテンツ情報)を表示可能な場合、(B)のノードのアーティスト名と、その前後のノードのアーティスト名とを表示する必要があり、それら3つのノードの各々に格納されているサーバIDが特定される。
【0042】
マイコン1は、特定したサーバIDのサーバ300に、特定したトラックIDに対応付けられたコンテンツ情報(アーティスト名、アルバム名、又は、トラック名等)を送信するように要求する。サーバ300は、図2のコンテンツ情報DBと同様のコンテンツ情報DBを自身が蓄積する曲ファイルに関して管理しており、受信したトラックIDに対応付けられているコンテンツ情報をAVアンプ1に返信する。マイコン1は、コンテンツ情報をサーバ300から取得する(S33)。マイコン1は、取得したコンテンツ情報に基づいて、コンテンツリストをディスプレイに表示させる(S34)。先ほどの例では、(B)のノードのアーティスト名と、その前後のノードのアーティスト名とを含むアーティストリストが表示される。このように、マイコン1は、コンテンツリストを表示する際に、表示すべきノードに格納されているサーバIDに対応するサーバ300から、コンテンツ情報を取得して表示する。
【0043】
マイコン1は、ユーザ操作によって曲リストから曲ファイルが指定され、再生指示が入力されたか否かを判断する(S35)。入力された場合(S35でYES)、マイコン1は、図6のコンテンツツリーにおいて、指定された曲ファイルのノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDを特定する(S36)。例えば、図6のコンテンツツリーにおいて、(A)のトラックノードの曲ファイルを再生指示された場合、(A)のトラックノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDが特定される。マイコン1は、特定したサーバIDのサーバ300に、特定したノード(トラックID)の曲データを送信するように要求し、取得する(S37)。マイコン1は、取得した曲データを再生する(S38)。
【0044】
以上の処理によって、高速充電モードに設定される場合、又は、ポータブルプレーヤ200のバッテリの充電率が20%未満である場合に、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にすることで、ポータブルプレーヤ200のバッテリを高速に充電させることができる。また、ポータブルプレーヤ200の代わりに、同じ曲ファイルを格納しているサーバ300から曲データを受信して再生することによって、ポータブルプレーヤ200から曲データを受信する場合と同様の再生動作を実行することができる。
【0045】
次に、図8を参照してS8の処理を説明する。マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からコンテンツリストに関する情報を要求して取得する(S41)。なお、ポータブルプレーヤ200が再生中である場合、現在再生中の曲に関する情報と再生位置に関する情報とを取得する(S41)。マイコン1は、取得した情報に基づいて、図6に示すコンテンツツリーを生成する(S42)。
【0046】
マイコン1は、ポータブルプレーヤ200の曲データを取得して再生中であるか否かを判断する(S43)。ポータブルプレーヤ200の曲データを再生中でなければ(S43でNO)、S50に進む。ポータブルプレーヤ200の曲データを再生中であれば(S43でYES)、マイコン1は、再生中の曲データのトラックIDを特定する(S44)。つまり、コンテンツツリーにおいて、現在選択されている位置(例えば(1,2,1,2))のノードに格納されているトラックIDが読み出される。同様に、マイコン1は、再生中の曲データに対応するサーバIDをコンテンツツリーの対応するノードから特定し、サーバIDに対応するサーバ300を特定する(S45)。
【0047】
マイコン1は、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働中であるか否かを判断する(S46)。この処理は、図3のS4の処理での判断結果を記憶しておいてそれに基づいて判断するとよい。特定したサーバ300がネットワーク上で稼働中でなければ(S46でNO)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からの曲データの再生を継続する(S51)。
【0048】
特定したサーバ300がネットワーク上で稼働中であれば(S46でYES)、マイコン1は、特定したサーバ300に対して、特定したトラックIDの曲データをストリーミング形式で送信するように要求する(S47)。このとき、マイコン1は、S41でポータブルプレーヤ200から受信した再生位置(再生時間)の情報をサーバ300に送信し、再生位置からの曲データをサーバ300に送信させる。これに対して、要求されたサーバ300は、指定された曲データをAVアンプ100にネットワーク経由で、ストリーミング形式で送信する。マイコン1は、サーバ300から曲データを受信すると、バッファに格納させる(S48)。サーバ300から受信してバッファに蓄積している曲データが現在再生している再生位置に追いつき、かつ、所定量以上の曲データがバッファに蓄積された時点で、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からの曲データの再生処理から、サーバ300から取得した曲データの再生処理に切換える(S49)。従って、シームレスな再生切換が可能である。
【0049】
S50において、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせ、充電モードに移行させる。
【0050】
図9に示すように、マイコン1は、ユーザ操作によってコンテンツリストの表示切換指示が入力されたか否かを判断する(S61)。つまり、アーティストリスト、アルバムリストおよびトラックリストの各スクロール、あるいは、アーティストリストとアルバムリストとトラックリストとの間の表示切換などの指示が入力されたか否かが判断される。入力された場合(S61でYES)、マイコン1は、切換後に表示する必要がある複数のノードに格納されているサーバIDを特定する(S62)。複数のノードの各々に異なるサーバIDが格納されている場合には、複数のサーバIDが特定される。
【0051】
マイコン1は、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働しているか否かを判断する(S63)。特定したサーバ300がネットワーク上で稼働している場合(S63でYES)、マイコン1は、特定したサーバIDのサーバ300に、特定したノード(トラックID)のコンテンツ情報(アーティスト名、アルバム名、又は、トラック名等)を送信するように要求し、取得する(S64)。マイコン1は、取得したコンテンツ情報に基づいて、コンテンツリストをディスプレイに表示させる(S66)。
【0052】
一方、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働していない場合(S63でNO)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を一時的に動作停止状態から動作状態に移行させ、特定したノード(トラックID)のコンテンツ情報(アーティスト名、アルバム名、又は、トラック名等)を送信するように要求し、取得する(S65)。マイコン1は、取得したコンテンツ情報に基づいて、コンテンツリストをディスプレイに表示させる(S66)。コンテンツリストを表示させた後、マイコン1は、再度、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態に移行させる。
【0053】
図10に示すように、マイコン1は、ユーザ操作によって曲リストから曲が指定され、再生指示が入力されたか否かを判断する(S71)。入力された場合(S71でYES)、マイコン1は、図6のコンテンツツリーにおいて、指定された曲のノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDを特定する(S72)。例えば、図6のコンテンツツリーにおいて、(A)のトラックノードの曲を再生指示された場合、(A)のトラックノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDが特定される。
【0054】
マイコン1は、特定したサーバがネットワーク上で稼働しているか否かを判断する(S73)。特定したサーバ300がネットワーク上で稼働している場合(S73でYES)、マイコン1は、特定したサーバIDのサーバ300に、特定したノード(トラックID)の曲データを送信するように要求して取得し、取得した曲データを再生する(S74)。そして、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200が動作状態であれば、動作停止状態に移行させることで、ポータブルプレーヤ200のバッテリを高速に充電させる。
【0055】
一方、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働していない場合(S73でNO)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を一時的に動作停止状態から動作状態に移行させ、特定したノード(トラックID)の曲データを送信するように要求して取得し、取得した曲データを再生する(S76)。なお、S76においてポータブルプレーヤ200から受信した曲の再生が終了する際に、マイコン1は、曲リストを参照し、現在再生している曲の次に再生すべき曲を格納するサーバ300が稼働中かを判断する。もし、稼働中でなければ、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせない。ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせても、次の曲の再生の際に直ぐにポータブルプレーヤ200を動作状態にさせる必要があるからである。一方、稼働中であれば、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせることで、バッテリを高速に充電させる。
【0056】
次に、図9、図10の各々に対応する別の処理を図11、図12を参照して説明する。図11に示すように、マイコン1は、ユーザ操作によってコンテンツリストの表示切換指示が入力されたか否かを判断する(S81)。入力された場合(S81でYES)、マイコン1は、切換後に表示する必要がある複数のノードに格納されているサーバIDを特定する(S82)。複数のノードの各々に異なるサーバIDが格納されている場合には、複数のサーバIDが特定される。
【0057】
マイコン1は、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働しているか否かを判断する。そして、マイコン1は、ネットワーク上で稼働している全てのサーバ300に、対応するノード(トラックID)のコンテンツ情報を送信するように要求し、取得する(S83)。なお、サーバ300が稼働していないノードのコンテンツ情報については、ポータブルプレーヤ200を動作状態にしてポータブルプレーヤ200から取得することはしない。従って、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態のままにしておくことができ、ポータブルプレーヤ200のバッテリを高速に充電させることができる。その後、マイコン1は、取得したコンテンツ情報に基づいて、コンテンツリストをディスプレイに表示させる(S84)。
【0058】
図12に示すように、マイコン1は、曲の連続再生処理を開始する(S91)。マイコン1は、図6のコンテンツツリーにおいて、トラック階層の全ノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDを特定する。マイコン1は、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働しているか否かを判断し、サーバがネットワーク上で稼働している曲のノードのみを抽出する(S92)。マイコン1は、ネットワーク上で稼働しているサーバ300のみに、特定したノード(トラックID)の曲データを送信するように要求して取得し、取得した曲データを再生する(S93)。サーバ300が稼働していないノードの曲データについては、ポータブルプレーヤ200を動作状態にしてポータブルプレーヤ200から曲データを取得することはしない。従って、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態のままにしておくことができ、ポータブルプレーヤ200のバッテリを高速に充電させることができる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本発明のコンテンツ再生装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明はAVアンプ等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0061】
100 AVアンプ(コンテンツ再生装置)
1 マイコン
2 RAM
3 ROM
4 再生部
5 増幅部
6 表示部
7 操作部
8 通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型コンテンツ再生装置に格納されているコンテンツを受信して再生するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプ等のコンテンツ再生装置に、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を内蔵したポータブルプレーヤを接続し、ポータブルプレーヤに記録されている曲データをAVアンプが取得し、増幅して、AVアンプに接続されているスピーカーから音声を再生することが行われている。また、AVアンプはポータブルプレーヤに電源電圧を供給し、ポータブルプレーヤのバッテリを充電させる。ここで、ユーザがポータブルプレーヤに格納されている曲データをAVアンプで再生しながら、ポータブルプレーヤのバッテリをできるだけ早く充電させたい場合がある。しかし、ポータブルプレーヤは曲データを記憶媒体から読み出してAVアンプに送信する必要があるので、バッテリの電源電圧を消耗してしまい、高速に充電することができない。曲データを再生する場合だけではなく、AVアンプがポータブルプレーヤからコンテンツリストを取得してディスプレイにコンテンツリスト表示する場合にも、ポータブルプレーヤはバッテリの電源電圧を消耗するので、高速に充電することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-097216
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、携帯型コンテンツ再生装置に記録されているコンテンツと同じコンテンツを受信して再生しながら、携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させることができるコンテンツ再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、複数のコンテンツを格納する携帯型コンテンツ再生装置と、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツと同じコンテンツを格納する1または複数のサーバとに接続可能であり、前記携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを受信して再生する再生手段と、前記携帯型コンテンツ再生装置に電源電圧を供給し、前記携帯型コンテンツ再生装置を充電させる電源供給手段と、前記電源供給手段が前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があるか否かを判断する充電モード判断手段と、再生すべき前記携帯型コンテンツ再生装置のコンテンツが指定されるとき、前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに、前記指定コンテンツと同じコンテンツを格納する前記サーバから前記指定コンテンツを受信可能か否か判断する状態判断手段とを備え、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断され、かつ、前記指定コンテンツを前記サーバから受信可能であると判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに前記サーバから前記指定コンテンツを受信して再生する。
【0006】
携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断され、かつ、指定コンテンツをサーバから受信可能であると判断された場合、再生手段は、携帯型コンテンツ再生装置の代わりにサーバから指定コンテンツを受信して再生する。従って、携帯型コンテンツ再生装置は、指定コンテンツをコンテンツ再生装置に送信する必要がないので、バッテリの電圧を消耗することが抑制され、その結果、高速に充電することができる。
【0007】
好ましい実施形態においては、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断されたが、前記指定コンテンツを前記サーバから受信可能でないと判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置から前記指定コンテンツを受信して再生する。
【0008】
この場合、携帯型コンテンツ再生装置の高速な充電を優先してしまい、コンテンツ再生装置が指定コンテンツを再生できないという問題を解決できる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを受信して再生しているときに、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、再生中のコンテンツと同じコンテンテンツを前記サーバから受信可能であれば前記サーバから受信し、前記携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツ再生処理から前記サーバからのコンテンツ再生処理にコンテンツの再生途中で切換える。
【0010】
この場合、可能な限り早い時点で、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツ再生処理から、サーバからのコンテンツ再生処理に切換えることができる。従って、より高速に携帯型コンテンツ再生装置を充電させることができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツのうち前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに前記サーバから受信可能なコンテンツのみを選択して連続的に再生する。
【0012】
この場合、連続再生中、常に携帯型コンテンツ再生装置はコンテンツをコンテンツ再生装置に送信する必要がないので、より高速に携帯型コンテンツ再生装置を充電させることができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、前記携帯型コンテンツ再生装置から、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツと同じコンテンツを格納する前記サーバの識別情報を受信して管理するサーバ識別情報管理手段をさらに備え、前記再生手段が、前記サーバ識別情報管理手段の管理内容に基づいて、前記指定コンテンツを格納している前記サーバを特定する。
【発明の効果】
【0014】
帯型コンテンツ再生装置に記録されているコンテンツと同じコンテンツを受信して再生しながら、携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させることができるコンテンツ再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ(コンテンツ再生装置)100を示すブロック図である。
【図2】ポータブルプレーヤが管理するコンテンツ情報DBを示す図である。
【図3】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図4】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図5】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図6】コンテンツツリーを示す図である。
【図7】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図8】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図9】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図10】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図11】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【図12】AVアンプ100のマイコン1の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0017】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ(コンテンツ再生装置)100を示す概略ブロック図である。AVアンプ1は、複数のコンテンツを格納する携帯型コンテンツ再生装置(以下、ポータブルプレーヤという)200と、例えばUSB(ユニバーサルシリアルバス)等の任意の規格のラインを介して接続可能である。ポータブルプレーヤ200は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、複数のコンテンツを蓄積する。コンテンツは、映像(画像)データ、及び/又は、音声(音楽、曲)データの総称であるが、本例では、曲ファイル(以下、トラック、曲データともいう。)である。AVアンプ1は、ポータブルプレーヤ200から曲データを受信して、再生(増幅処理等)する。また、AVアンプ1は、ポータブルプレーヤに電源電圧を供給し、ポータブルプレーヤ200のバッテリを充電させる。
【0018】
AVアンプ1は、1または複数のサーバ300(図1ではサーバ300Aおよび300B)と例えばLANなどのネットワークを介して接続可能である。サーバ300は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、ポータブルプレーヤ200と同じコンテンツの少なくとも1つを蓄積する。すなわち、元々サーバ300に蓄積されているコンテンツが、ポータブルプレーヤ200に転送されて、ポータブルプレーヤ200の記憶媒体にも記録される。
【0019】
図2は、ポータブルプレーヤ200が管理するコンテンツ情報DB(データベース)を示す。コンテンツ情報DBは、ポータブルプレーヤ200が蓄積する全てのコンテンツに関するコンテンツ情報を管理するデータベースであり、曲毎にアーティスト名、アルバム名、トラック名(曲名)、トラックIDおよびサーバIDを含む。サーバIDは、その曲ファイルと同じ曲ファイルを蓄積するサーバ300の識別情報である。コンテンツ情報DBの内容は、サーバ300から曲ファイルが転送されてポータブルプレーヤ200の記憶媒体に記録される際に、登録される。
【0020】
図1に戻って、AVアンプ100は、マイコン等の制御部1、RAM2、ROM3、再生部4、増幅部5、表示部6、操作部7および通信部8を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。また、増幅部5には、図示しないスピーカーが接続されている。
【0021】
マイコン1は、AVアンプ100全体を制御するものであり、ROM3に格納されたコンテンツ再生プログラムをRAM2内に読み出して実行することにより、後述する各処理を実行する。再生部4は、ポータブルプレーヤ200またはサーバ300から受信した曲データを再生処理(例えば、デコード、D/A変換等)する。増幅部5は、再生部4によって再生された曲データの音声信号を増幅し、図示しないスピーカーに音声信号を出力する。
【0022】
表示部6は、コンテンツ情報やコンテンツリスト等を表示するものであり、液晶ディスプレイやFL管等である。また、表示部6は、AVアンプ100の外部に接続されるディスプレイ装置(液晶TV等)にOSD画面を出力するものでもある。操作部7は、ユーザ操作を受け付けるものであり、操作ボタンやリモコン送受信機である。
【0023】
通信部8は、例えばUSB経由でポータブルプレーヤ200と通信し、ポータブルプレーヤ200にコマンドを送信し、かつ、ポータブルプレーヤ200からコンテンツ情報や曲データ等を受信する。また、通信部8は、AVアンプ100の図示しない電源回路によって生成された電源電圧を例えばUSB経由でポータブルプレーヤ200に供給し、ポータブルプレーヤ200のバッテリを充電させる。また、通信部8は、例えばLAN等を介してサーバ300と通信し、サーバ300にコマンドを送信し、かつ、サーバ300からコンテンツ情報や曲データ等を受信する。
【0024】
マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があるか否かを判断する。例えば、マイコン1は、ユーザ操作によって高速充電モードが設定されているか否かを判断する。又は、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200の充電率が所定値(例えば20%)未満であるか否かを判断する。高速充電モードが設定されるとき、又は、ポータブルプレーヤ200の充電率が所定値未満であるとき、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断される。
【0025】
また、マイコン1は、再生すべきポータブルプレーヤ200の曲ファイルが指定されるとき、ポータブルプレーヤ200の代わりに、指定曲ファイルと同じ曲ファイルを格納するサーバ300から指定曲ファイルを受信可能か否か判断する。つまり、指定曲ファイルと同じ曲ファイルを格納するサーバ300がLAN上で稼働しているか否かが判断される。
【0026】
マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断され、かつ、指定曲ファイルをサーバ300から受信可能であると判断された場合、ポータブルプレーヤ200の代わりにサーバ300から指定曲ファイルを受信して再生するように各部を制御する。従って、ポータブルプレーヤ200は、曲データを転送する処理を実行する必要がないので、バッテリの消耗を抑えることができ、高速に充電させることができる。さらに、指定された曲ファイルと同じ曲ファイルをAVアンプ100が再生することができる。
【0027】
一方、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断されたが、指定曲ファイルをサーバ300から受信可能でないと判断された場合、ポータブルプレーヤ200から指定曲ファイルを受信して再生するように各部を制御する。これにより、ポータブルプレーヤ200の充電を優先させるために指定曲ファイルをAVアンプ1が再生できないという問題を解決できる。
【0028】
マイコン1は、ポータブルプレーヤ200から曲データを受信して再生しているときに、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断された場合、再生中の曲ファイルと同じ曲ファイルをサーバ300から受信可能であればサーバ300から受信する。つまり、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からの曲データを受信して再生する処理から、サーバ300から曲データを受信して再生する処理に、曲ファイルの再生途中で切換える。
【0029】
または、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を高速に充電させる必要があると判断された場合、ポータブルプレーヤ200が格納する複数の曲ファイルのうち、ポータブルプレーヤ200の代わりにサーバ300から受信可能な曲ファイルのみを選択して連続的に再生する。
【0030】
以下、本例の動作を説明する。図3に示すように、AVアンプ100のマイコン1は、AVアンプ100にポータブルプレーヤ200が接続された状態で、ユーザ操作によって高速充電モードに設定する指示が入力されたか否かを判断する(S1)。高速充電モードに設定する指示が入力されない場合(S1でNO)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200のバッテリの充電率が所定値未満であるか否かを判断する(S2)。例えば、バッテリの充電率が20%未満であるか否かが判断される。充電率の情報は、ポータブルプレーヤ200からUSB経由で取得することができる。バッテリの充電率が所定値以上であると判断された場合(S2でNO)、マイコン1は、通常処理を実行する(S9)。
【0031】
高速充電モードに設定する指示が入力された場合(S1でYES)、又は、充電率が所定値未満であると判断された場合(S2でYES)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200に、図2のコンテンツ情報DBに登録されている全サーバIDを送信するように要求する。ポータブルプレーヤ200は、図2のコンテンツ情報DBを参照して、サーバIDの欄に登録されている全サーバIDを取得して、AVアンプ100に送信する(重複分を送信する必要はない)。マイコン1は、サーバIDを取得する(S3)。図2の例では、23B46S11と、876530UUとの2つのサーバIDが取得される。
【0032】
マイコン1は、ネットワーク上で稼働している(つまり、ネットワークに接続され、かつ、電源オン状態である)サーバ300を探索し、取得したサーバIDで特定されるサーバ300の照合処理を実行し、URL(IPアドレス)を取得する(S4)。そして、マイコン1は、取得したサーバIDで特定されるサーバ300の全部がネットワーク上で稼働しているか否かを判断する(S5)。サーバ300の全部がネットワーク上で稼働している場合(S5でYES)、後述するS7の処理へと進む。サーバ300の全部がネットワーク上で稼働しているのではない場合(S5でNO)、マイコン1は、取得したサーバIDで特定されるサーバ300の一部がネットワーク上で稼働しているか否かを判断する(S6)。サーバ300の一部がネットワーク上で稼働している場合(S6でYES)、後述するS8の処理へと進む。一方、取得したサーバIDで特定されるサーバ300の全部がネットワーク上で稼働していない場合(S6でNO)、マイコン1は通常処理を実行する(S9)。
【0033】
マイコン1は、図3のS3、S4の処理と並列に図4の処理(ポータブルプレーヤ200から曲データを取得して再生する処理)を実行することができる。図4に示すように、マイコン1は、ユーザ操作に応じてポータブルプレーヤ200に曲リストを要求し、曲リストを取得する(S11)。マイコン1は取得した曲リストをディスプレイに表示させる(S12)。ユーザ操作によって曲リストから所望の曲が指定されて再生指示が入力されると(S13でYES)、マイコン1は、指定された曲データをポータブルプレーヤ200に要求して取得し(S14)、取得した曲データを再生する(S15)。
【0034】
次に、図5を参照してS7の処理を説明する。マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からコンテンツリスト(例えば、アーティストリスト、アルバムリスト、トラックリスト等)に関する情報を要求して取得する(S21)。なお、ポータブルプレーヤ200が再生中である場合、現在再生中の曲に関する情報とその再生位置(再生時間)に関する情報とを取得する(S21)。
【0035】
マイコン1は、取得した情報に基づいて、図6に示すコンテンツツリーを生成する(S22)。ここで生成されるコンテンツツリーは、短時間で生成できるように、最低限必要な情報のみを有する簡易なコンテンツツリーである。できるだけ早くポータブルプレーヤ200の動作を停止させ、高速に充電させるためである。コンテンツツリーは、4階層で形成されており、最上位の階層から順に、root、artist、album、trackの順になっている。各ノードは、サーバID(および、必要に応じて、サーバ300のURL(IPアドレス))、および、トラックIDを含む。各ノードのサーバIDは、そのノードに関する曲ファイルやコンテンツ情報を、どのサーバ300が有するかを示し、図2のコンテンツ情報DBのサーバIDに相当している。
【0036】
トラックIDは、図2のコンテンツ情報DBのトラックIDに相当する。アーティスト階層およびアルバム階層の各ノードのトラックIDは、その下位階層に位置するいずれかのトラックノードのトラックIDと同じものが含まれる。例えば、(B)の位置のアーティストノードのトラックIDは、(A)の位置のトラックノードのトラックIDが付与されている。マイコン1は、生成したコンテンツツリーにおいて、現在選択(又は再生)されている位置を特定し、RAM2に記憶する。例えば、図6の(A)のトラックノードの曲ファイルを再生中であれば、(root,artist,album,track)=(1,2,1,2)が記憶される。
【0037】
図5に戻って、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200の曲データを取得して再生中であるか否かを判断する(S23)。ポータブルプレーヤ200の曲データを再生中でなければ(S23でNO)、S29に進む。ポータブルプレーヤ200の曲データを再生中であれば(S23でYES)、マイコン1は、再生中の曲データのトラックIDを特定する(S24)。つまり、コンテンツツリーにおいて、現在選択されている位置(例えば(1,2,1,2))のノードに格納されているトラックIDが読み出される。同様に、マイコン1は、再生中の曲データに対応するサーバIDをコンテンツツリーのノードから特定し、サーバIDに対応するサーバ300を特定する(S25)。
【0038】
マイコン1は、特定したサーバ300に対して、特定したトラックIDの曲データをストリーミング形式で送信するように要求する(S26)。このとき、マイコン1は、S21でポータブルプレーヤ200から受信した再生位置(再生時間)の情報をサーバ300に送信し、再生位置からの曲データをサーバ300に送信させる。これに対して、要求されたサーバ300は、指定された曲データをAVアンプ100にネットワーク経由で、ストリーミング形式で送信する。マイコン1は、サーバ300から曲データを受信すると、バッファに格納させる(S27)。サーバ300から受信してバッファに蓄積している曲データが現在再生している再生位置に追いつき、かつ、所定量以上の曲データがバッファに蓄積された時点で、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からの曲データの再生処理から、サーバ300から取得した曲データの再生処理に切換える(S28)。従って、シームレスな再生切換が可能である。
【0039】
S29において、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせ、充電モードに移行させる(S29)。ここで、動作停止状態は、電源オフ状態(スタンバイ状態等を含む)や低消費電力状態であってもよく、電源オン状態であるが動作を何も実行しない状態であってもよい。
【0040】
図7に示すように、マイコン1は、ユーザ操作によってコンテンツリストの表示切換指示が入力されたか否かを判断する(S31)。つまり、アーティストリスト、アルバムリストおよびトラックリストの各スクロール、あるいは、アーティストリストとアルバムリストとトラックリストとの間の表示切換などの指示が入力されたか否かが判断される。入力された場合(S31でYES)、マイコン1は、切換後に表示する必要がある複数のノードに格納されているサーバIDを特定する(S32)。複数のノードの各々に異なるサーバIDが格納されている場合には、複数のサーバIDが特定される。
【0041】
例えば、図6のコンテンツツリーにおいて、現在(A)のノードが選択されている状態で、2回UPボタンが操作されて、コンテンツツリーの階層を2つ上位に移動させる(つまり、トラックリストの表示から、アーティストリストの表示に切換える)指示が入力されると、(B)のノードに移動する。ディスプレイが3行(つまり、3つのコンテンツ情報)を表示可能な場合、(B)のノードのアーティスト名と、その前後のノードのアーティスト名とを表示する必要があり、それら3つのノードの各々に格納されているサーバIDが特定される。
【0042】
マイコン1は、特定したサーバIDのサーバ300に、特定したトラックIDに対応付けられたコンテンツ情報(アーティスト名、アルバム名、又は、トラック名等)を送信するように要求する。サーバ300は、図2のコンテンツ情報DBと同様のコンテンツ情報DBを自身が蓄積する曲ファイルに関して管理しており、受信したトラックIDに対応付けられているコンテンツ情報をAVアンプ1に返信する。マイコン1は、コンテンツ情報をサーバ300から取得する(S33)。マイコン1は、取得したコンテンツ情報に基づいて、コンテンツリストをディスプレイに表示させる(S34)。先ほどの例では、(B)のノードのアーティスト名と、その前後のノードのアーティスト名とを含むアーティストリストが表示される。このように、マイコン1は、コンテンツリストを表示する際に、表示すべきノードに格納されているサーバIDに対応するサーバ300から、コンテンツ情報を取得して表示する。
【0043】
マイコン1は、ユーザ操作によって曲リストから曲ファイルが指定され、再生指示が入力されたか否かを判断する(S35)。入力された場合(S35でYES)、マイコン1は、図6のコンテンツツリーにおいて、指定された曲ファイルのノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDを特定する(S36)。例えば、図6のコンテンツツリーにおいて、(A)のトラックノードの曲ファイルを再生指示された場合、(A)のトラックノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDが特定される。マイコン1は、特定したサーバIDのサーバ300に、特定したノード(トラックID)の曲データを送信するように要求し、取得する(S37)。マイコン1は、取得した曲データを再生する(S38)。
【0044】
以上の処理によって、高速充電モードに設定される場合、又は、ポータブルプレーヤ200のバッテリの充電率が20%未満である場合に、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にすることで、ポータブルプレーヤ200のバッテリを高速に充電させることができる。また、ポータブルプレーヤ200の代わりに、同じ曲ファイルを格納しているサーバ300から曲データを受信して再生することによって、ポータブルプレーヤ200から曲データを受信する場合と同様の再生動作を実行することができる。
【0045】
次に、図8を参照してS8の処理を説明する。マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からコンテンツリストに関する情報を要求して取得する(S41)。なお、ポータブルプレーヤ200が再生中である場合、現在再生中の曲に関する情報と再生位置に関する情報とを取得する(S41)。マイコン1は、取得した情報に基づいて、図6に示すコンテンツツリーを生成する(S42)。
【0046】
マイコン1は、ポータブルプレーヤ200の曲データを取得して再生中であるか否かを判断する(S43)。ポータブルプレーヤ200の曲データを再生中でなければ(S43でNO)、S50に進む。ポータブルプレーヤ200の曲データを再生中であれば(S43でYES)、マイコン1は、再生中の曲データのトラックIDを特定する(S44)。つまり、コンテンツツリーにおいて、現在選択されている位置(例えば(1,2,1,2))のノードに格納されているトラックIDが読み出される。同様に、マイコン1は、再生中の曲データに対応するサーバIDをコンテンツツリーの対応するノードから特定し、サーバIDに対応するサーバ300を特定する(S45)。
【0047】
マイコン1は、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働中であるか否かを判断する(S46)。この処理は、図3のS4の処理での判断結果を記憶しておいてそれに基づいて判断するとよい。特定したサーバ300がネットワーク上で稼働中でなければ(S46でNO)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からの曲データの再生を継続する(S51)。
【0048】
特定したサーバ300がネットワーク上で稼働中であれば(S46でYES)、マイコン1は、特定したサーバ300に対して、特定したトラックIDの曲データをストリーミング形式で送信するように要求する(S47)。このとき、マイコン1は、S41でポータブルプレーヤ200から受信した再生位置(再生時間)の情報をサーバ300に送信し、再生位置からの曲データをサーバ300に送信させる。これに対して、要求されたサーバ300は、指定された曲データをAVアンプ100にネットワーク経由で、ストリーミング形式で送信する。マイコン1は、サーバ300から曲データを受信すると、バッファに格納させる(S48)。サーバ300から受信してバッファに蓄積している曲データが現在再生している再生位置に追いつき、かつ、所定量以上の曲データがバッファに蓄積された時点で、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200からの曲データの再生処理から、サーバ300から取得した曲データの再生処理に切換える(S49)。従って、シームレスな再生切換が可能である。
【0049】
S50において、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせ、充電モードに移行させる。
【0050】
図9に示すように、マイコン1は、ユーザ操作によってコンテンツリストの表示切換指示が入力されたか否かを判断する(S61)。つまり、アーティストリスト、アルバムリストおよびトラックリストの各スクロール、あるいは、アーティストリストとアルバムリストとトラックリストとの間の表示切換などの指示が入力されたか否かが判断される。入力された場合(S61でYES)、マイコン1は、切換後に表示する必要がある複数のノードに格納されているサーバIDを特定する(S62)。複数のノードの各々に異なるサーバIDが格納されている場合には、複数のサーバIDが特定される。
【0051】
マイコン1は、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働しているか否かを判断する(S63)。特定したサーバ300がネットワーク上で稼働している場合(S63でYES)、マイコン1は、特定したサーバIDのサーバ300に、特定したノード(トラックID)のコンテンツ情報(アーティスト名、アルバム名、又は、トラック名等)を送信するように要求し、取得する(S64)。マイコン1は、取得したコンテンツ情報に基づいて、コンテンツリストをディスプレイに表示させる(S66)。
【0052】
一方、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働していない場合(S63でNO)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を一時的に動作停止状態から動作状態に移行させ、特定したノード(トラックID)のコンテンツ情報(アーティスト名、アルバム名、又は、トラック名等)を送信するように要求し、取得する(S65)。マイコン1は、取得したコンテンツ情報に基づいて、コンテンツリストをディスプレイに表示させる(S66)。コンテンツリストを表示させた後、マイコン1は、再度、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態に移行させる。
【0053】
図10に示すように、マイコン1は、ユーザ操作によって曲リストから曲が指定され、再生指示が入力されたか否かを判断する(S71)。入力された場合(S71でYES)、マイコン1は、図6のコンテンツツリーにおいて、指定された曲のノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDを特定する(S72)。例えば、図6のコンテンツツリーにおいて、(A)のトラックノードの曲を再生指示された場合、(A)のトラックノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDが特定される。
【0054】
マイコン1は、特定したサーバがネットワーク上で稼働しているか否かを判断する(S73)。特定したサーバ300がネットワーク上で稼働している場合(S73でYES)、マイコン1は、特定したサーバIDのサーバ300に、特定したノード(トラックID)の曲データを送信するように要求して取得し、取得した曲データを再生する(S74)。そして、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200が動作状態であれば、動作停止状態に移行させることで、ポータブルプレーヤ200のバッテリを高速に充電させる。
【0055】
一方、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働していない場合(S73でNO)、マイコン1は、ポータブルプレーヤ200を一時的に動作停止状態から動作状態に移行させ、特定したノード(トラックID)の曲データを送信するように要求して取得し、取得した曲データを再生する(S76)。なお、S76においてポータブルプレーヤ200から受信した曲の再生が終了する際に、マイコン1は、曲リストを参照し、現在再生している曲の次に再生すべき曲を格納するサーバ300が稼働中かを判断する。もし、稼働中でなければ、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせない。ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせても、次の曲の再生の際に直ぐにポータブルプレーヤ200を動作状態にさせる必要があるからである。一方、稼働中であれば、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態にさせることで、バッテリを高速に充電させる。
【0056】
次に、図9、図10の各々に対応する別の処理を図11、図12を参照して説明する。図11に示すように、マイコン1は、ユーザ操作によってコンテンツリストの表示切換指示が入力されたか否かを判断する(S81)。入力された場合(S81でYES)、マイコン1は、切換後に表示する必要がある複数のノードに格納されているサーバIDを特定する(S82)。複数のノードの各々に異なるサーバIDが格納されている場合には、複数のサーバIDが特定される。
【0057】
マイコン1は、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働しているか否かを判断する。そして、マイコン1は、ネットワーク上で稼働している全てのサーバ300に、対応するノード(トラックID)のコンテンツ情報を送信するように要求し、取得する(S83)。なお、サーバ300が稼働していないノードのコンテンツ情報については、ポータブルプレーヤ200を動作状態にしてポータブルプレーヤ200から取得することはしない。従って、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態のままにしておくことができ、ポータブルプレーヤ200のバッテリを高速に充電させることができる。その後、マイコン1は、取得したコンテンツ情報に基づいて、コンテンツリストをディスプレイに表示させる(S84)。
【0058】
図12に示すように、マイコン1は、曲の連続再生処理を開始する(S91)。マイコン1は、図6のコンテンツツリーにおいて、トラック階層の全ノードに格納されているサーバIDおよびトラックIDを特定する。マイコン1は、特定したサーバ300がネットワーク上で稼働しているか否かを判断し、サーバがネットワーク上で稼働している曲のノードのみを抽出する(S92)。マイコン1は、ネットワーク上で稼働しているサーバ300のみに、特定したノード(トラックID)の曲データを送信するように要求して取得し、取得した曲データを再生する(S93)。サーバ300が稼働していないノードの曲データについては、ポータブルプレーヤ200を動作状態にしてポータブルプレーヤ200から曲データを取得することはしない。従って、ポータブルプレーヤ200を動作停止状態のままにしておくことができ、ポータブルプレーヤ200のバッテリを高速に充電させることができる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本発明のコンテンツ再生装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明はAVアンプ等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0061】
100 AVアンプ(コンテンツ再生装置)
1 マイコン
2 RAM
3 ROM
4 再生部
5 増幅部
6 表示部
7 操作部
8 通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツを格納する携帯型コンテンツ再生装置と、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツと同じコンテンツを格納する1または複数のサーバとに接続可能であり、
前記携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを受信して再生する再生手段と、
前記携帯型コンテンツ再生装置に電源電圧を供給し、前記携帯型コンテンツ再生装置を充電させる電源供給手段と、
前記電源供給手段が前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があるか否かを判断する充電モード判断手段と、
再生すべき前記携帯型コンテンツ再生装置のコンテンツが指定されるとき、前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに、前記指定コンテンツと同じコンテンツを格納する前記サーバから前記指定コンテンツを受信可能か否か判断する状態判断手段とを備え、
前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断され、かつ、前記指定コンテンツを前記サーバから受信可能であると判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに前記サーバから前記指定コンテンツを受信して再生する、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断されたが、前記指定コンテンツを前記サーバから受信可能でないと判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置から前記指定コンテンツを受信して再生する、請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを受信して再生しているときに、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、再生中のコンテンツと同じコンテンテンツを前記サーバから受信可能であれば前記サーバから受信し、前記携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツ再生処理から前記サーバからのコンテンツ再生処理にコンテンツの再生途中で切換える、請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツのうち前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに前記サーバから受信可能なコンテンツのみを選択して連続的に再生する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、前記携帯型コンテンツ再生装置から、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツと同じコンテンツを格納する前記サーバの識別情報を受信して管理するサーバ識別情報管理手段をさらに備え、
前記再生手段が、前記サーバ識別情報管理手段の管理内容に基づいて、前記指定コンテンツを格納している前記サーバを特定する、請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ再生装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ再生プログラム。
【請求項1】
複数のコンテンツを格納する携帯型コンテンツ再生装置と、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツと同じコンテンツを格納する1または複数のサーバとに接続可能であり、
前記携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを受信して再生する再生手段と、
前記携帯型コンテンツ再生装置に電源電圧を供給し、前記携帯型コンテンツ再生装置を充電させる電源供給手段と、
前記電源供給手段が前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があるか否かを判断する充電モード判断手段と、
再生すべき前記携帯型コンテンツ再生装置のコンテンツが指定されるとき、前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに、前記指定コンテンツと同じコンテンツを格納する前記サーバから前記指定コンテンツを受信可能か否か判断する状態判断手段とを備え、
前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断され、かつ、前記指定コンテンツを前記サーバから受信可能であると判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに前記サーバから前記指定コンテンツを受信して再生する、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断されたが、前記指定コンテンツを前記サーバから受信可能でないと判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置から前記指定コンテンツを受信して再生する、請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツを受信して再生しているときに、前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、再生中のコンテンツと同じコンテンテンツを前記サーバから受信可能であれば前記サーバから受信し、前記携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツ再生処理から前記サーバからのコンテンツ再生処理にコンテンツの再生途中で切換える、請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、前記再生手段が、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツのうち前記携帯型コンテンツ再生装置の代わりに前記サーバから受信可能なコンテンツのみを選択して連続的に再生する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記携帯型コンテンツ再生装置を高速に充電させる必要があると判断された場合、前記携帯型コンテンツ再生装置から、前記携帯型コンテンツ再生装置が格納するコンテンツと同じコンテンツを格納する前記サーバの識別情報を受信して管理するサーバ識別情報管理手段をさらに備え、
前記再生手段が、前記サーバ識別情報管理手段の管理内容に基づいて、前記指定コンテンツを格納している前記サーバを特定する、請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ再生装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ再生プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−173577(P2012−173577A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36423(P2011−36423)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
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