説明

コンテンツ再生装置及びそのプログラム

【課題】 コンテンツ情報がその表記と読み方とで重複してコンテンツ情報リストに登場する場合にも、同一のコンテンツが複数回再生されることを防止する。
【解決手段】 再生テーブルにおいて、既に再生済のコンテンツ情報グループを管理する。制御部2は、1つのコンテンツ情報グループを再生し終えて、コンテンツ情報リストを参照して、次のコンテンツ情報を特定し、そのコンテンツ情報のコンテンツ情報グループを再生しようとするときに、そのコンテンツ情報グループを既に再生済であるか否かを再生テーブルの内容を参照して判断する。そして、そのコンテンツ情報グループを既に再生済である場合には、そのコンテンツ情報グループを再生せずにスキップする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを選択して再生するコンテンツ再生装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDD(Hard Disk Drive)を備え、HDDに記録されている複数のコンテンツ(例えば曲ファイル)の中から選択された曲ファイルを再生する再生装置が普及してきている。HDDに記録されている複数の曲ファイルの中から所望の曲ファイルを選択して再生する場合に、ユーザ操作によって、アーティスト名、アルバム名及びトラック名等の複数カテゴリのコンテンツ情報の中から1つのカテゴリを選択し、選択されたカテゴリから絞り込んで所望の曲ファイルを選択する。例えば、アーティスト名から曲ファイルを選択する場合には、図5(a)の画面で「Artistから検索」がユーザ操作によって選択される。すると、図5(b)の画面で、五十音順に「あ行」、「か行」、「さ行」、「た行」、・・・、アルファベット順に「ABC」、「DEF」、「HIJ」、・・・タブが選択可能となり、1つのタブが選択されたとき、選択されたタブの文字から始まるアーティス名の一覧が表示される。例えば、「あ行」タブが選択された場合、図5(b)のように「あ行」で始まるアーティスト名リストが表示される。ここで、ユーザ操作によって所望のアーティスト名が選択されると、選択されたアーティスト名のアルバム名リストが表示され、所望のアルバム名が選択されると、選択されたアルバム名のトラック名リストが表示される。所望のトラック名が選択されると、選択されたトラック名から順番に曲ファイルが連続再生される。
【0003】
ここで、再生装置が管理するコンテンツ情報データベースには、アーティスト名(アルバム名、トラック名も同様)がその表記に加えてその読み方も登録されている。例えば、アーティスト名「Every」については読み方「エブリー」が登録され、アーティスト名「Ian」については読み方「イアン」が登録されている。その結果、図5(b)に示すように「あ行」タブ内に読み方が「え」で始まるのでアーティスト名「Every」が表示され、かつ、図5(c)に示すように「DEF」タブ内に表記が「E」で始まるのでアーティスト名「Every」が表示されている。すなわち、2つのタブで同一のアーティスト名が表示され、選択可能になっている。同様に、「あ行」タブ内に読み方が「い」で始まるのでアーティスト名「Ian」が表示され、かつ、「GHI」タブ内に表記が「I」で始まるのでアーティスト名「Ian」が表示されている。一方、アーティスト名「王子」は読み方が「オウジ」であるので、「あ行」タブにしか表示されていない。
【0004】
このような検索方法において選択された曲ファイルから連続再生する場合には、次のような問題が生じる。図6はアーティスト名「Ian」の最初の曲ファイル「Trk
Ian-1」が選択された場合の曲ファイルの再生順序を示す模式図である。アーティスト名「Ian」の曲ファイルは「Trk Ian-1」〜「Trk Ian-6」の6つであり、アーティスト名「Every」の曲ファイルは「Trk Every-1」〜「Trk Every-4」の4つであり、アーティスト名「王子」の曲ファイルは「Trk
王子-1」〜「Trk 王子-3」の3つである。このとき、最初に、「あ行」タブ内のアーティスト名「Ian」の曲ファイル「Trk Ian-1」〜「Trk Ian-6」が再生される。続いて、「あ行」タブ内のアーティスト名「Every」の曲ファイル「Trk
Every-1」〜「Trk Every-4」が再生される。続いて、「あ行」タブ内のアーティスト名「王子」の曲ファイル「Trk 王子-1」〜「Trk 王子-3」が再生される。続いて、「DEF」タブ内のアーティスト名「Every」の曲ファイル「Trk Every-1」〜「Trk Every-4」が再生される。最後に、「GHI行」タブ内のアーティスト名「Ian」の曲ファイル「Trk Ian-1」〜「Trk Ian-6」が再生される。このように、アーティスト名「Ian」及び「Every」の曲ファイルは2回ずつ再生され、アーティスト名「王子」の曲ファイルは1回ずつ再生され、アーティスト名によって再生回数が異なってしまう。また、仮にアーティスト名「王子」の曲ファイルが存在しない場合には、図6において、アーティスト名「Every」の曲ファイルが2回連続して再生されてしまう。なお、アルバム名及びトラック名等の他のカテゴリのコンテンツ情報についても同様の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−5967号公報
【特許文献2】特開2003−132662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンテンツ情報がその表記と読み方とで重複してコンテンツ情報リストに登場する場合にも、同一のコンテンツが複数回再生されることを防止するコンテンツ再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、複数のコンテンツと、前記コンテンツに付与された複数カテゴリのコンテンツ情報とを記録する記憶媒体から、選択されたコンテンツを取得して再生するコンテンツ再生装置であって、 コンテンツ情報の複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択するカテゴリ選択手段と、選択されたカテゴリのコンテンツ情報について、前記記憶媒体に記録されたコンテンツ情報の表記及び読み方を、五十音順およびアルファベット順に並べたコンテンツ情報リストを生成するリスト生成手段と、前記コンテンツ情報リストからコンテンツ情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたコンテンツ情報が付与された1又は複数のコンテンツを含むコンテンツ情報グループを再生し、コンテンツ情報グループを再生し終えるとき、前記コンテンツ情報リストにおける次のコンテンツ情報が付与された1又は複数のコンテンツを含む次のコンテンツ情報グループを再生する再生手段と、前記再生手段によって再生済のコンテンツ情報グループを管理する再生管理手段と、前記再生手段が次のコンテンツ情報グループを再生する際に、前記再生管理手段に基づいて、次のコンテンツ情報グループが既に再生済であるか否かを判断する再生判断手段とを備え、次のコンテンツ情報グループが既に再生済であると判断された場合、前記再生手段が、次のコンテンツ情報グループを再生せずに、前記コンテンツ情報リストにおけるさらに次のコンテンツ情報が付与された1又は複数のコンテンツを含むさらに次のコンテンツ情報グループを選択して再生する。
【0008】
再生管理手段は、再生手段によって既に再生済のコンテンツ情報グループを管理する。再生手段は、1つのコンテンツ情報グループを再生し終えて、コンテンツ情報リストを参照して、次のコンテンツ情報を特定し、そのコンテンツ情報のコンテンツ情報グループを再生しようとするときに、そのコンテンツ情報グループを既に再生済であるか否かを再生管理手段の内容を参照して判断する。そして、そのコンテンツ情報グループを既に再生済である場合には、そのコンテンツ情報グループを再生せずにスキップする。従って、コンテンツ情報の表記と読み方とで重複して同一のコンテンツ情報がコンテンツ情報リストに登場する場合であっても、同一のコンテンツが重複して再生されることを防止することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記記憶媒体が、複数カテゴリのコンテンツ情報の各々について前記記憶媒体への登録日時をさらに記録し、前記再生管理手段が、前記再生手段によって再生済のコンテンツ情報グループのコンテンツ情報の登録日時を記憶し、前記再生判断手段が、次のコンテンツ情報グループが再生済であるか否かを、コンテンツ情報の登録日時が前記再生管理手段に記憶されているか否かを判断することによって判断する。
【発明の効果】
【0010】
コンテンツ情報がその表記と読み方とで重複してコンテンツ情報リストに登場する場合にも、同一のコンテンツが複数回再生されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施形態による再生装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】コンテンツ情報DBを示す図である。
【図3】アーティスト登録状況テーブルを示す図である。
【図4】再生テーブルを示す図である。
【図5】曲ファイルを選択する際に表示されるコンテンツ情報リスト(アーティスト名リスト)を示す図である。
【図6】曲ファイルの再生順序を説明する概念図である。
【図7】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図8】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図9】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図10】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0013】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置(以下、再生装置という)1の構成を示すブロック図である。コンテンツは、映像データ、曲(音楽)データ、又は、静止画データ等の総称であるが、本例では曲ファイル(トラックともいう。)である。再生装置1は、HDD(Hard Disk Drive)5に記録されている複数の曲ファイルの中から選択された曲ファイルを再生部6において再生し、図示しないスピーカーから音声を出力する。
【0014】
再生装置1は、制御部2、RAM3、ROM4、HDD等のコンテンツ記憶部5、再生部6、操作部7、及び、表示部8を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。
【0015】
HDD5には複数のコンテンツ(曲ファイル)が記録されている。HDD5に記録されている曲ファイルは、制御部2の指示によって読み出され、再生部6によって再生される。
【0016】
HDD5には、図2に示すコンテンツ情報データベース(以下、コンテンツ情報DBという)が格納されている。コンテンツ情報DBは、HDD5に記録されている全コンテンツに関するコンテンツ情報等を管理するデータベースである。
【0017】
コンテンツ情報DBは、複数カテゴリのコンテンツ情報(例えば、トラック名、アーティスト名およびアルバム名)と、登録日時と、トラックIDとが登録されている。各カテゴリのコンテンツ情報には、その表記に加えて、その読み方が登録されている。図2においては、説明を簡単化するためにアーティスト名の読み方のみを記載し、トラック名及びアルバム名の読み方については割愛している。登録日時は、曲ファイルがHDD5に記録された日時であり、後述する処理において、トラック名及びアルバム名の登録日時として使用される。トラックIDは、曲ファイルを特定するための識別番号であり、後述する処理においてコンテンツ情報グループが次のコンテンツ情報グループに移行したことを判断するために使用される。
【0018】
ここで、同一アーティスト名が付与された1又は複数の曲ファイルの群をそのアーティスト名のアーティスト名グループといい、同一アルバム名が付与された1又は複数の曲ファイルの群をそのアルバム名のアルバム名グループといい、同一トラック名が付与された1又は複数の曲ファイルの群をそのトラック名のトラック名グループという。アーティスト名グループ、アルバム名グループ及びトラック名グループを総称してコンテンツ情報グループという。例えば、アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループは「Trk
Ian-1」〜「Trk Ian-6」を含み、アルバム名「Alb Ian」のアルバム名グループは「Trk Ian-1」〜「Trk Ian-3」を含む。
【0019】
HDD5には、図3に示すアーティスト登録状況テーブルがさらに格納されている。アーティスト登録状況テーブルは、各曲ファイルに付与されているアーティスト名について、そのアーティスト名が付与されている曲ファイルのうち最初にHDD5に記録された登録日時が登録される。例えば、図2のコンテンツ情報DBに関しては、アーティスト名「Ian」が付与された曲ファイルは「Trk
Ian-1」〜「Trk Ian-6」であり、これらの登録日時は「2003/11/23/10:23」又は「2003/11/26/15:10」であるので、最初にHDD5に記録された日時である「2003/11/23/10:23」がアーティスト名「Ian」の登録日時としてアーティスト登録状況テーブルに登録される。すなわち、トラック名「Trk Ian-1」の登録日時は「2003/11/23/10:23」であり、トラック名「Trk Ian-4」の登録日時は「2003/11/26/15:10」であるが、これらのアーティスト名の登録日時は、共に「2003/11/23/10:23」となる。
【0020】
HDD5には、図4に示す再生テーブルがさらに格納されている。再生テーブルは、コンテンツ情報グループが既に再生済であるか否かを判断するためのテーブルである。再生テーブルには、コンテンツ情報(図ではアーティスト名)と必要に応じて登録日時とが登録される。再生テーブルに登録されているコンテンツ情報のコンテンツ情報グループは既に再生済であると判断される。
【0021】
図1に戻り、制御部2は、再生装置1全体を制御するものであり、ROM4またはHDD5に格納された再生装置1の動作プログラムをRAM3内に読み出して実行することにより、後述する各処理を実行する。
【0022】
制御部2は、コンテンツ情報DBに登録されているコンテンツ情報のうち、ユーザ操作によって選択されたカテゴリのコンテンツ情報の一覧であるコンテンツ情報リストを生成して、表示部8に表示させる。
【0023】
図5は、曲ファイルを検索する際の表示部8の画面を示す図である。図5(a)は、曲ファイルを検索する際にどのカテゴリ(アーティスト名、アルバム名又はトラック名)のコンテンツ情報を使用するかを選択する画面である。カテゴリとしてアーティスト名が選択された場合には、図5(b)〜(d)に示すように、アーティスト名リストが生成され表示され、ユーザ操作によってアーティスト名が選択可能になる。五十音順に「あ行」、「か行」、「さ行」、「た行」、・・・、アルファベット順に「ABC」、「DEF」、「HIJ」、・・・タブが選択可能であり、1つのタブが選択されたとき、アーティスト名の表記又は読み方が、選択されたタブの文字から始まるアーティスト名リストが表示される。
【0024】
図5(b)に示すように「あ行」タブが選択された場合、表記又は読み方が「あ行」で始まるアーティスト名のアーティスト名リスト(「Ian」、「Every」、「王子」)が表示される。図5(c)に示すように「DEF」タブが選択された場合、表記又は読み方が「DEF」で始まるアーティスト名のアーティスト名リスト(「Every」)が表示される。「GHI」タブが選択された場合、表記又は読み方が「GHI」で始まるアーティスト名のアーティスト名リスト(「Ian」)が表示される。図5(d)にアーティスト名リスト全体を示すが、表記がアルファベット(英語)等である場合には、五十音順のタブとアルファベットのタブとに重複して同一アーティスト名が登場している。
【0025】
ユーザ操作によってアーティスト名リストの中から所望のアーティスト名が選択されると、選択されたアーティスト名のアルバム名リストがさらに表示され、アルバム名リストの中から所望のアルバム名が選択されると、選択されたアルバム名のトラック名リストが表示される。トラック名リストの中から所望のトラック名が選択されると、選択されたトラック名の曲ファイルに付与されたアーティスト名のアーティスト名グループが選択され、選択されたアーティスト名グループにおいて選択されたトラック名から順番に曲ファイルが連続再生される。
【0026】
図6は、図2のコンテンツ情報DBに関して、アーティスト名がカテゴリとして選択され、アーティスト名「Ian」のトラック名「Trk
Ian-1」が選択された場合の曲ファイルの連続再生の再生順序を示す模式図である。アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループ(「Trk
Ian-1」〜「Trk Ian-6」)、アーティスト名「Every」のアーティスト名グループ(「Trk Every-1」〜「Trk Every-4」)、アーティスト名「王子」のアーティスト名グループ(「Trk 王子-1」〜「Trk 王子-3」)、アーティスト名「Every」のアーティスト名グループ(「Trk Every-1」〜「Trk Every-4」)、アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループ(「Trk Ian-1」〜「Trk Ian-6」)の順に再生される。つまり、アーティスト名「Ian」及び「Every」は2つのタブ内に重複して登場しているので、アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループ(「Trk
Ian-1」〜「Trk Ian-6」)及びアーティスト名「Every」のアーティスト名グループ(「Trk Every -1」〜「Trk I Every -4」)が2回ずつ再生されてしまう。
【0027】
そこで、制御部2は、選択されたカテゴリのコンテンツ情報のコンテンツ情報グループを既に再生済か否かを判断し、再生済であれば、そのコンテンツ情報グループを再生せずにスキップすることにより、同一のコンテンツ情報グループが2回再生されることを防止する。つまり、選択されたカテゴリがアーティスト名の場合、そのアーティスト名のアーティスト名グループを既に再生済であれば、そのアーティスト名のアーティスト名グループを再生せずにスキップする。
【0028】
詳細には、選択されたカテゴリのコンテンツ情報について、既に再生済のコンテンツ情報グループを再生テーブルにおいて管理しておく。次に再生すべきコンテンツ情報グループが再生テーブルに管理されていれば、そのコンテンツ情報グループは既に再生済であるので、そのコンテンツ情報グループを再生しない。図6の例では、「DEF」タブに表示されているアーティスト名「Every」のアーティスト名グループ(「Trk
Every -1」〜「Trk I Every -4」)、及び、「GHI」タブに表示されているアーティスト名「Ian」のアーティスト名グループ(「Trk Ian-1」〜「Trk Ian-6」)は、再生テーブルに管理されているので、スキップされて再生されない。
【0029】
図1に戻り、操作部7は、ユーザからの指示を受け付けて制御部2に送信するものであり、操作ボタンやリモコン等である。表示部8は、LCD(液晶ディスプレイ)やFL管等であり、制御部2の指示に基づいて、図5に示す曲ファイルの検索画面や、再生中の曲ファイルのコンテンツ情報等を表示する。再生部6は、HDD5から読み出された曲ファイルを再生(例えば、デコード、D/A変換、増幅処理等)する。
【0030】
以上の構成を有する再生装置1について、その動作を説明する。
図7に示すように、ユーザ操作によって、コンテンツ情報のカテゴリが選択され、再生すべき曲ファイル(トラック名)が選択されたか否かを判断する(S1)。再生すべきトラック名が選択された場合(S1でYES)、制御部2は、選択されたコンテンツ情報のカテゴリがアーティスト名、アルバム名又はトラック名のいずれであるかを判別する(S2及びS4)。
【0031】
図5(a)において「Artistから検索」が選択され、曲ファイルが選択された場合には、選択されたカテゴリがアーティスト名であると判断されるので(S2でYES)、制御部2は、カテゴリがアーティスト名であることをRAM3に記憶する(S3)。この場合、図5(d)のようなアーティスト名リストをRAM3に記憶しており、選択されたアーティスト名が付与された1又は複数の曲ファイルを含むアーティスト名グループの単位で曲ファイルが連続再生される。
【0032】
図5(a)において「Albumから検索」が選択され、曲ファイルが選択された場合、選択されたカテゴリがアルバム名であると判断されるので(S2でNO、S4でYES)、制御部2は、カテゴリがアルバム名であることをRAM3に記憶する(S5)。この場合、アルバム名リストをRAM3に記憶しており、選択されたアルバム名が付与された1又は複数の曲ファイルを含むアルバム名グループの単位で曲ファイルが連続再生される。
【0033】
図5(a)において「Titleから検索」が選択され、曲ファイルが選択された場合、選択されたカテゴリがトラック名であると判断されるので(S2でNO、S4でNO)、制御部2は、カテゴリがトラック名であることをRAM3に記憶する(S5)。この場合、トラック名リストをRAM3に記憶しており、選択されたトラック名の単位で曲ファイルが連続再生される。
【0034】
続いて、制御部2は、再生テーブルを初期化(記憶内容をクリア)し(S7)、選択された曲ファイルから、選択されたカテゴリのコンテンツ情報リストに従って、コンテンツ情報グループを連続再生するように再生部6を制御する(S8)。
【0035】
以下、選択されたカテゴリがアーティスト名であり、図6に示すようにアーティスト名「Ian」のトラック名「Trk
Ian-1」から再生を開始する場合を例に説明する。
【0036】
図8に示すように、制御部2は、再生すべき曲ファイルのアーティスト名を、コンテンツ情報DBを参照して特定する(S11)。例えば、「Trk Ian-1」のアーティスト名は「Ian」であることが特定される。
【0037】
次に、制御部2は、特定したアーティスト名のアーティスト名グループを既に再生済であるか否かを判断する(S12、S13)。詳細には、制御部2は、特定したアーティスト名の登録日時をアーティスト登録状況テーブルから取得する(S12)。例えば、アーティスト名「Ian」の登録日時が「2003/11/23/10:23」であることが取得される。次に、制御部2は、取得したアーティスト名の登録日時が再生テーブルに登録されているか否かを判断する(S13)。例えば、アーティスト名「Ian」の登録日時「2003/11/23/10:23」は再生テーブルに未だ登録されていないので(S13でNO)、アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループはスキップされず、再生すべきであると判断される。従って、アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループに含まれる曲ファイル「Trk Ian-1」〜「Trk Ian-6」が連続的に再生される。
【0038】
次に、制御部2は、特定したアーティスト名のアーティスト名グループを再生済であることを再生テーブルに登録する。すなわち、制御部2は、特定したアーティスト名とその登録日時を再生テーブルに登録する(S14)。別のタブに表示されている同一アーティスト名のアーティスト名グループを再生せずにスキップするためである。ここでは、図4(a)に示すように、アーティスト名「Ian」とその登録日時「2003/11/23/10:23」を再生テーブルに登録する。
【0039】
なお、本例では、アーティスト名の登録日時が再生テーブルに登録されているか否かを判断することによりアーティスト名グループが再生済であるか否かを確認しているが、アーティスト名の文字列が再生テーブルに登録されているか否かを判断することによりアーティスト名グループが再生済であるか否かを確認してもよい。
【0040】
制御部2は、アーティスト名グループ内の曲ファイルを連続再生していくことによって、アーティスト名グループが次のアーティスト名グループに移行するか否かを判断する(S15)。例えば、曲ファイルのトラックIDにはアーティスト名の通し番号が含まれているので、その通し番号が変更になると、アーティスト名グループが次のアーティスト名グループに移行すると判断することができる。図2のコンテンツ情報DBに登録されているトラックIDにおいては、左から2つ目の数字がアーティスト名の通し番号になっており、左から3つ目の数字がアルバム名の通し番号になって。例えば、アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループの最後の曲ファイル「Trk Ian-6」を再生し終えるとき、アーティスト名グループが次のアーティスト名グループに移行すると判断される(S15でYES)。
【0041】
制御部2は、アーティスト名リストに表示される全てのアーティスト名グループが再生されたか否かを判断する(S16)。ここでいう再生とは、ユーザ操作によって曲ファイルの再生が意図的にスキップされた場合や、アーティスト名グループが既に再生済であると判断されてスキップされた場合も含まれる。アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループの最後の曲ファイル「Trk Ian-6」を再生し終えるとき、未だ全てのアーティスト名グループを再生し終えていないので(S16でNO)、アーティスト名リストにおける次のアーティスト名のアーティスト名グループが選択されて、S11に戻る。つまり、「あ行」タブのアーティスト名「Every」のアーティスト名グループの最初の曲ファイル「Trk Every-1」が選択される。
【0042】
アーティスト名「Every」についても同様に、再生テーブルを参照してアーティスト名「Every」のアーティスト名グループが未だ再生されていないと判断されるので(S13でNO)、制御部2は、図4(b)のように、再生テーブルにアーティスト名「Every」とその登録日時を登録する(S14)。制御部2は、アーティスト名「Every」のアーティスト名グループを連続再生すると共に、最後の曲ファイル「Trk Every-4」を再生し終えるとき、アーティスト名グループがアーティスト名リストにおける次のアーティスト名グループに移行すると判断する(S15でYES)。また、制御部2は、未だ全てのアーティスト名グループを再生し終えていないと判断し(S16でNO)、アーティスト名リストの「あ行」タブの次のアーティスト名「王子」のアーティスト名グループの最初の曲ファイル「Trk 王子-1」を選択する。
【0043】
アーティスト名「王子」についても同様に、再生テーブルを参照してアーティスト名「王子」のアーティスト名グループが未だ再生されていないと判断されるので(S13でNO)、制御部2は、図4(c)のように、再生テーブルにアーティスト名「王子」とその登録日時を登録する(S14)。制御部2は、アーティスト名「王子」のアーティスト名グループを連続再生すると共に、最後の曲ファイル「Trk 王子-3」を再生し終えるとき、アーティスト名グループが次のアーティスト名グループに移行すると判断する(S15でYES)。また、制御部2は、未だ全てのアーティスト名グループを再生し終えていないと判断し(S16でNO)、「DEF」タブのアーティスト名「Every」のアーティスト名グループの最初の曲ファイル「Trk Every-1」を選択する。
【0044】
次に、「DEF」タブ内のアーティスト名「Every」について、制御部2は、アーティスト名「Every」の登録日時が図4(c)のように再生テーブルに登録されていると判断する。つまり、アーティスト名「Every」のアーティスト名グループが既に再生済であると判断される(S13でYES)。従って、制御部2は、アーティスト名「Every」のアーティスト名グループ(トラック名「Trk Every-1」〜「Trk Every-4」)を再生せずに、スキップする。そして、アーティスト名リストにおける次の「GHI」タブのアーティスト名「Ian」を選択し、アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループの最初の曲ファイル「Trk Ian-1」を選択する(S18)。制御部2は、未だ全てのアーティスト名グループを再生し終えていないと判断し(S16でNO)、S11に戻る。このように、「あ行」タブ内のアーティスト名「Every」のアーティスト名グループを再生済であるので、「DEF」タブ内においてはアーティスト名「Every」のアーティスト名グループは再生されずにスキップされる。
【0045】
次に、「GHI」タブ内のアーティスト名「Ian」について、制御部2は、アーティスト名「Ian」の登録日時が図4(c)のように再生テーブルに登録されていると判断する。つまり、アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループが既に再生済であると判断される(S13でYES)。従って、制御部2は、アーティスト名「Ian」のアーティスト名グループ(トラック名「Trk Ian-1」〜「Trk Ian-6」)を再生せずに、スキップする(S18)。このように、「あ行」タブ内においてアーティスト名「Ian」のアーティスト名グループを再生済であるので、「DEF」タブ内においてはアーティスト名「Ian」のアーティスト名グループは再生されずにスキップされる。
【0046】
続いて、制御部2は、全てのアーティスト名グループを再生し終えたと判断し(S16でYES)、再生テーブルを初期化(記憶内容をクリア)して、処理を終了する。なお、再生テーブルを初期化した後に、ユーザ操作によって選択された「あ行」タブのアーティスト名「Ian」の曲ファイル「Trk
Ian-1」に戻って、上記と同様の処理を繰り返してもよい。
【0047】
以上の処理によって、アーティスト名の表記と読み方とで複数のタブに重複してアーティスト名が表示されており、すなわち、アーティスト名リストに同一のアーティスト名が2回登場する場合にも、既に再生済のアーティスト名グループの曲ファイルはスキップされて再生されないので、同一の曲ファイルが2回再生されることを防止することができる。
【0048】
図9は、カテゴリとしてアルバム名が選択された場合の処理を示す。この処理は、図8の処理において、「アーティスト名」を「アルバム名」に変更し、かつ、登録日時をアーティスト登録状況テーブルからではなく、コンテンツ情報DBの登録日時の欄から取得するように変更したものである。つまり、アルバム名リストの順にアルバム名グループが連続再生され、既に再生済のアルバム名グループはスキップされて再生されない。従って、アルバム名の表記と読み方とで複数のタブに重複してアルバム名が表示されており、すなわち、アルバム名リストに同一のアルバム名が2回登場する場合にも、既に再生済のアルバム名グループの曲ファイルはスキップされて再生されないので、同一の曲ファイルが2回再生されることを防止することができる。
【0049】
図10は、カテゴリとしてトラック名が選択された場合の処理を示す。この処理は、図8の処理において、「アーティスト名」を「トラック名」に変更し、かつ、登録日時をアーティスト登録状況テーブルからではなく、コンテンツ情報DBの登録日時の欄から取得するように変更したものである。つまり、トラック名リストの順にトラック名グループが連続再生され、既に再生済のトラック名グループはスキップされて再生されない。従って、トラック名の表記と読み方とで複数のタブに重複してトラック名が表示されており、すなわち、トラック名リストに同一のトラック名が2回登場する場合にも、既に再生済のトラック名グループの曲ファイルはスキップされて再生されないので、同一の曲ファイルが2回再生されることを防止することができる。なお、トラック名グループには通常1の曲ファイルしか含まれていない。
【0050】
カテゴリがトラック名である場合、再生テーブルに登録日時が登録されているか否かを判断することによってトラック名グループが再生済であるか否かを判断することによって、以下の効果が得られる。同一のトラック名の曲ファイルが、シングルCD、アルバムCD、ベストアルバムCD等といった複数のCDに収録されている場合があるので、HDD5には異なるアルバム名で同一のトラック名の曲ファイルが複数記録されている場合がある。このような場合に、トラック名の文字列が再生テーブルに登録済であるか否かを判断してスキップするかを判断すると、それらの複数の曲ファイルをスキップしてしまうが、登録日時が再生テーブルに登録済であるか否かを判断してスキップするかを判断することにより、それら複数の曲ファイルをスキップしないようにすることができる。
【0051】
なお、曲ファイルを連続再生中に、ユーザ操作によって、再びカテゴリが選択されて曲ファイルが選択された場合、図7のフローチャートの処理から実行され、新たに選択されたカテゴリに基づいて曲ファイルが連続再生が開始される。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。再生装置1は、HDD5を内蔵していなくてもよく、外部から挿入される可搬型記録媒体を再生するもの、又は、ネットワーク経由でサーバから取得したコンテンツを再生するものでもよい。本発明は、上記のコンテンツ再生装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明はHDDレコーダやPC等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0054】
1 再生装置
2 制御部
3 RAM
4 ROM
5 HDD
6 再生部
7 操作部
8 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツと、前記コンテンツに付与された複数カテゴリのコンテンツ情報とを記録する記憶媒体から、選択されたコンテンツを取得して再生するコンテンツ再生装置であって、
コンテンツ情報の複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択するカテゴリ選択手段と、
選択されたカテゴリのコンテンツ情報について、前記記憶媒体に記録されたコンテンツ情報の表記及び読み方を、五十音順およびアルファベット順に並べたコンテンツ情報リストを生成するリスト生成手段と、
前記コンテンツ情報リストからコンテンツ情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツ情報が付与された1又は複数のコンテンツを含むコンテンツ情報グループを再生し、コンテンツ情報グループを再生し終えるとき、前記コンテンツ情報リストにおける次のコンテンツ情報が付与された1又は複数のコンテンツを含む次のコンテンツ情報グループを再生する再生手段と、
前記再生手段によって再生済のコンテンツ情報グループを管理する再生管理手段と、
前記再生手段が次のコンテンツ情報グループを再生する際に、前記再生管理手段に基づいて、次のコンテンツ情報グループが既に再生済であるか否かを判断する再生判断手段とを備え、
次のコンテンツ情報グループが既に再生済であると判断された場合、前記再生手段が、次のコンテンツ情報グループを再生せずに、前記コンテンツ情報リストにおけるさらに次のコンテンツ情報が付与された1又は複数のコンテンツを含むさらに次のコンテンツ情報グループを選択して再生する、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記記憶媒体が、複数カテゴリのコンテンツ情報の各々について前記記憶媒体への登録日時をさらに記録し、
前記再生管理手段が、前記再生手段によって再生済のコンテンツ情報グループのコンテンツ情報の登録日時を記憶し、
前記再生判断手段が、次のコンテンツ情報グループが再生済であるか否かを、コンテンツ情報の登録日時が前記再生管理手段に記憶されているか否かを判断することによって判断する、請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ再生装置の動作プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−160868(P2010−160868A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4118(P2009−4118)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】