説明

コンテンツ処理装置

【課題】ナビゲーション機能起動中に音楽などのコンテンツを再生する場合、ナビゲーション機能に影響を与えないように音楽コンテンツを再生する。
【解決手段】コンテンツ処理負担判定手段16は、再生するコンテンツの処理負担の大きさを判定し、再生するコンテンツの処理負担が大きい場合には、制御手段10は、当該コンテンツに替えて、処理負担が小さいコンテンツを再生するようにAVコンテンツ記憶手段15より選択し再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能なナビゲーション装置などの複数のコンテンツを処理する機能を備えたコンテンツ処理装置に関するもので、特に、ナビゲーション機能を起動して経路案内などのために地図コンテンツを表示しながら同時に他のAVコンテンツの再生処理を可能とするコンテンツ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用ナビゲーション装置の性能は飛躍的に向上し、多機能化が進んでいる。ナビゲーション装置は、出発地点から指定された目的地点までの最適経路を探索してLCD等の表示装置に表示して経路案内するという本来の機能に加えて、外部メモリから音楽データを読み取ってスピーカに出力する音楽視聴機能や映像を受信して表示するテレビ受信機能等、AVコンテンツの再生機能を備えたナビゲーション装置も広く普及している。
【0003】
かかるナビゲーション装置などのコンテンツ処理装置において、当該装置の飛躍的な性能向上やAVコンテンツ処理量の増大に伴い、処理負担も大幅に増大し、それに伴った円滑な処理が求められている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1(特開2004−126685号公報)には、ナビゲーション用等のコンテンツデータを読み出しながら利用すると同時に、オーディオ用等の連続再生が必要なコンテンツデータを途切れなく再生すべく、それぞれのデータを一時的に記憶する分離したバッファと、かかるデータの授受を制御する制御部を有し、連続再生するコンテンツを途切れなく再生しながら別のコンテンツをも同時に利用することを可能とする情報処理装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開2008−152207号公報)には、車載用ナビゲーション装置のような地図表示装置において、地図スクロール処理における制御手段の負荷を軽減するために、地図表示処理時の描画負荷を描画時間として算出し、該描画負荷が所定の負荷を超える場合に、建物画像のデータや特定の場所を示すアイコン画像のデータなどの重要でないデータを間引いて処理することにより、スクロールの負荷を軽減し、スクロール速度が低下することなく、地図画像をスムーズにスクロールすることを可能とする地図表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−126685号公報(段落[0005]〜段落[0006]、段落[0023]〜段落[0030]、図2)
【特許文献2】特開2008−152207号公報(段落[0036]〜段落[0039])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された情報処理装置では、新たなバッファや制御部を設けることにより異なる2つのコンテンツを同時に且つ円滑に処理するものであり、新たな構成を付加しなければならないという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に開示された地図表示装置では、経路案内するために地図をスクロール表示するという1つの機能を速度を低下させることなく円滑に処理するために不要なデータを間引くというものであるが、複数のコンテンツを同時に且つ円滑に処理することを要求する多機能化の時代にあっては充分な対応ができないという問題がある。
【0009】
例えば、ナビゲーション機能と音楽再生機能を同時に処理する場合で且つナビゲーション機能を優先させる場合に、優先するナビゲーション機能に影響を与えるような処理負担の大きい音楽用コンテンツの再生を行おうとした場合に充分な対応ができないという問題があった。
【0010】
よって、本願発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、ナビゲーション機能起動中(ナビゲーション用コンテンツ再生処理中)に、再生するAVコンテンツがある場合、該AVコンテンツの処理負担の大きさを判定し、かかる処理負担が大きい場合には、再生を予定しているAVコンテンツに替えて、処理負担が所定の閾値以下の他のAVコンテンツがあればそれを選択し再生できるようになせば上記問題を解消しうることを想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、ナビゲーション機能起動中に、ナビゲーション機能に影響を与えることなく、副機能のAVコンテンツを再生処理できるようにしたコンテンツ処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本願の請求項1にかかる発明は、主機能と副機能においてそれぞれ異なる処理を行うコンテンツ処理装置であって、
副機能にかかるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段(例えば下記実施例では、AVコンテンツ記憶手段15に相当する)と、前記コンテンツの処理負担を判定するためのコンテンツ処理負担判定手段(例えば下記実施例では、コンテンツ処理負担判定手段16に相当する)と、前記コンテンツ処理負担判定手段による判定結果に基づき前記コンテンツ記憶手段からコンテンツを選択して処理する制御手段(例えば下記実施例では、制御手段10に相当する)と、を有し、
前記主機能起動中に、前記コンテンツ処理負担判定手段は、前記副機能において処理を予定しているコンテンツの処理負担の大きさを判定し、当該コンテンツの処理負担が大きい場合、前記制御手段は、当該コンテンツに替えて、処理負担が小さいコンテンツを前記コンテンツ記憶手段より選択して処理することを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のコンテンツ処理装置において、前記コンテンツ記憶手段に記憶された副機能にかかるコンテンツは、音楽、映像または写真に係るAVコンテンツであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1にかかる発明においては、主機能と副機能においてそれぞれ異なる処理を行うコンテンツ処理装置であって、副機能にかかるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、前記コンテンツの処理負担を判定するためのコンテンツ処理負担判定手段と、前記コンテンツ処理負担判定手段による判定結果に基づき前記コンテンツ記憶手段からコンテンツを選択して処理する制御手段と、を有し、主機能起動中に、前記コンテンツ処理負担判定手段は、前記副機能において処理を予定しているコンテンツの処理負担の大きさを判定し、当該コンテンツの処理負担が大きい場合、前記制御手段は、当該コンテンツに替えて、処理負担が小さいコンテンツを前記コンテンツ記憶手段より選択して処理するようにした。
【0015】
このような構成によれば、主機能起動中であっても、同時に再生される副機能にかかるコンテンツの処理負担の大きさを考慮のうえ主機能に影響を与えることなく、副機能のコンテンツを再生処理することが可能となる。
【0016】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1に記載のコンテンツ処理装置において、前記コンテンツ記憶手段に記憶された副機能にかかるコンテンツは、音楽、映像または写真に係るAVコンテンツとした。
【0017】
こうすることにより、主機能起動中であっても、同時に他の音楽、映像または写真を視聴することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例におけるコンテンツ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における副機能にかかるコンテンツの一例を示す図であり、図2(a)は、コンテンツの圧縮方法により処理負担の大きさを判定する場合のAVコンテンツ再生リストの一例であり、図2(b)は、コンテンツのビットレートにより処理負担の大きさを判断する場合のAVコンテンツ再生リストの一例である。
【図3】本発明の実施例における処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の具体例を実施例および図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのコンテンツ処理装置としてナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のコンテンツ処理装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0020】
図1は本発明の実施例におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、自動車等の車両に搭載されることにより車載用として使用される装置であってもよく、車両から取外されユーザが携帯し使用できるタイプのものであってもよい。以下の説明においては、これらを総称してナビゲーション装置という。
【0021】
ナビゲーション装置1は、制御手段10、現在位置検出手段11、経路探索手段12、経路案内手段13、地図記憶手段14、AVコンテンツ記憶手段15、コンテンツ処理負担判定手段16、表示手段17、音声出力手段18、入力手段19などを備えて構成されている。
【0022】
制御手段10は、図示しないCPU、RAM、ROMからなるプロセッサで構成され、RAM、ROMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御する。
【0023】
現在位置検出手段11は、例えばGPS受信機等で構成され、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それをもとに現在位置情報を算出するものである。さらに、現在位置検出手段11は、操角センサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなる自立航法手段を併用するようにしてもよい。
【0024】
経路探索手段12は、入力手段19の操作により出発地点や目的地点が指定されると、地図記憶手段14に記憶されている道路データを参照し、出発地点から目的地点に至るまでの最適経路を探索し、案内経路データを作成するものである。
【0025】
経路探索手段12によって探索された案内経路は、経路案内手段13によって、表示手段17に現在位置周辺の地図画像と共に表示され、目的地点までの案内に用いられる。
【0026】
地図記憶手段14には、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータと道路リンクデータを含む道路データが記憶されている。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれる。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別は、高速道路や有料道路の別および国道や都道府県道などの別を含む情報である。
【0027】
また、地図記憶手段14には、道路データや背景データの他、地図画像を見やすく表示するためにベクター形式で記憶された地図画像データを含んでいてもよい。これらの道路データと背景データおよび地図画像データは、ナビゲーション装置1を使用する際に、ナビゲーション装置1の現在位置を含む所定範囲の地図が地図記憶手段14から抽出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ね合わされて表示手段17に表示される。
【0028】
AVコンテンツ記憶手段15は、音楽、映像、写真などのコンテンツを記憶しておくもので、入力手段19を通してコンテンツの再生指示があると、制御手段10の制御によりAVコンテンツ記憶手段15に記憶されたコンテンツが読み出され、表示手段17および/または音声出力手段18から出力される。また、AVコンテンツ記憶手段15は、後で説明する図2(a)または(b)に示すAVコンテンツ再生リストを記憶している。
【0029】
コンテンツ処理負担判定手段16は、音楽、映像、写真などのAVコンテンツの処理負担の大きさを判定するものである。コンテンツの処理負担の大きさの判定方法については後で詳細に説明する。制御手段10は、コンテンツ処理負担判定手段16によって判定されたコンテンツの処理負担の大きさに基づきAVコンテンツ記憶手段15に記憶されているコンテンツの中から再生処理に適したコンテンツを選択して読み出す。
【0030】
表示手段17は、LCDなどのディスプレイパネルから構成される表示画面を備えた表示ユニットであり、地図画像や探索経路、現在位置検出手段11で決定した現在位置などを表示する。制御手段10により選択された映像や写真のコンテンツもこれで再生される。
【0031】
音声出力手段18は、ナビゲーション装置1における各種音声ガイダンスの報知を行う。制御手段10により選択された音楽のコンテンツも音声出力手段18から出力される。入力手段19は、操作ボタンやタッチパネルなどにより構成され、ナビゲーション装置1の各種機能を操作したり、所要の数値や文字を入力したりするものである。
【0032】
次に、図2により本発明の実施例におけるAVコンテンツの一例を示すとともに、併せてコンテンツの処理負担の判定方法を説明する。以下、音楽コンテンツを例にとり説明する。コンテンツの処理負担の大きさを判定する場合、二通りの方法が考えられる。
【0033】
一つはコンテンツの圧縮方法に基づいて処理負担を判定するもので、処理負担の大きさを定性的に判定する。コンテンツの圧縮方法には、AAC(MPEG2/Advanced Audio Coding)、WMA(Windows (登録商標) Media Audio)、MP3(MPEG-1 Audio Laye3)などの複数の方法があり、図2(a)は、コンテンツの圧縮方法により処理負担の大きさを判定する場合のAVコンテンツ再生リストの一例である。
【0034】
AACは、高音質で高圧縮な圧縮方法であるため、WMAやMP3に比較してコンテンツを再生する際の再生処理負担が大きいと言える。WMAとMP3との間ではそれ程の差異は認められない。従って、コンテンツの圧縮方法により処理負担の大小を判定する場合、AAC形式のコンテンツの処理負担を「大」、WMAまたはMP3形式のコンテンツの処理負担を「小」と定義することができる。
【0035】
図2(a)に示すAVコンテンツ再生リストに基づき、コンテンツの圧縮方法によって処理負担の大きさを判定し、コンテンツを選択する方法を説明する。リストの再生順から最初に再生されるのはタイトル「a1」のコンテンツであるが、当該コンテンツの圧縮方法は「AAC」であるため処理負担が大きいと判定される。そのため、タイトル「a1」のコンテンツは制御手段10により再生対象として選択されず、再生順の2番目であるタイトル「a2」のコンテンツの圧縮方法がWMAであるため処理負担が小さいと判定され、タイトル「a1」のコンテンツの再生がスキップされ、タイトル「a2」のコンテンツが選択されて再生されることになる。
【0036】
もう一つはコンテンツを再生する際のビットレートに基づいて処理負担を判定するもので、処理負担の大きさを定数的に判定する。ビットレートは1秒当たりの情報量で表現されるものであり、図2(b)は、コンテンツのビットレートにより処理負担の大きさを判定する場合のAVコンテンツ再生リストの一例である。処理負担の大小を判定するビットレートの閾値を、例えば128kbpsとし、このレートを超える場合を処理負担が大きいと定義することができる。
【0037】
図2(b)に示すAVコンテンツ再生リストに基づき、コンテンツのビットレートによって処理負担の大きさを判定し、コンテンツを選択する方法を説明する。リストの再生順から最初に再生されるのはタイトル「a1」のコンテンツであり、当該コンテンツのビットレートは32kbpsのため処理負担は大きくはないと判定される。従って、タイトル「a1」のコンテンツが制御手段10により再生対象として選択され、順位通り再生されることになる。次に、タイトル「a2」のコンテンツも順位通り再生される。しかしながら、タイトル「a3」のコンテンツは223kbpsであることから処理負担が大きいと判定され、タイトル「a3」のコンテンツの再生がスキップされ、閾値以下の次順位のタイトル「a4」のコンテンツが選択されて再生されることになる。
【0038】
更に、図3により本発明の実施例における処理の手順を説明する。図3に示す処理は、制御手段10がROMに記憶されている制御プログラムを実行することで実現される。以下、音楽コンテンツを例にとり、ナビゲーション機能が起動中に図2(a)に示す再生リストに基づきN曲(図2(a)ではN=234)の音楽コンテンツの再生処理を行う場合について説明する。なお、実施例においてナビゲーション機能が起動している状態とは、経路探索中や経路案内中の状態に限らず、単に現在位置を中心とした所定範囲の地図を表示しているだけの状態等も含まれる。
【0039】
まず、ステップS301の処理において、ユーザにより入力手段19から音楽コンテンツの再生要求の指示がなされると、ステップS302において、制御手段10は、再生予定の音楽コンテンツを示すフラグnを再生リストに従って最初に再生予定の音楽コンテンツを示す「1」に設定し、ステップS303において、ナビゲーション機能が起動中か否かを判定する。ナビゲーション機能が起動中でなければ(ステップS303のNO)、ステップS307の処理に進み、制御手段10によりフラグnに対応する音楽コンテンツが音声出力手段19を介して出力される。すなわち、図2(a)に示す再生リストに基づく再生処理の場合には、再生順位が1番目(n=1)であるタイトル「a1」の音楽コンテンツが再生対象となって再生されることになる。
【0040】
一方、ナビゲーション機能が起動中であれば(ステップS303のYES)、ステップS304の処理において、制御手段10の制御によりコンテンツ処理負担判定手段16がフラグnに対応する再生予定の音楽コンテンツの処理負担の大きさを判定する。処理負担が大きいと判定された場合には(ステップS304のYES)、ステップS305の処理に進み、処理負担が小さい判定された場合には(ステップS304のNO)、ステップS307の処理において、制御手段10によりステップS304で処理負担が小さいと判定されたフラグnに対応する音楽コンテンツが音声出力手段18を介して出力される。図2(a)に示す再生リストに基づく再生処理の場合には、再生順位が1番目(n=1)の音楽コンテンツはAAC形式のコンテンツのため、処理負担が大きいと判定されることになる。
【0041】
再生予定の音楽コンテンツの処理負担が大きいと判定されると(ステップS304のYES)、ステップS305において、制御手段10が、フラグnと再生リストの総曲数Nを比較してフラグnが総曲数Nに達しているか判定し、フラグnが再生リストの総曲数Nに達している場合には(ステップS305のYES)、再生リストに従って再生すべき音楽コンテンツがないと判断されて、音楽コンテンツの再生処理は終了する。
【0042】
一方、ステップS305の判定の結果、フラグnが再生リストの総曲数Nに達していない場合には(ステップS305のNO)、ステップS306において、制御手段10はフラグnの値を1だけインクリメントして、ステップS304の処理に戻る。これにより、次の再生順序の音楽コンテンツについての処理負担の判定がコンテンツ処理負担判定手段16によって行われる。コンテンツの処理負担の判定の結果、次の音楽コンテンツが処理負担の小さい音楽コンテンツであれば(ステップS304のNO)、ステップS307の処理において、制御手段10は当該音楽コンテンツを再生するように選択し、当該音楽コンテンツが音声出力手段18を介して出力される。一方、コンテンツの処理負担の判定の結果、次の音楽コンテンツも処理負担の大きい音楽コンテンツであれば(ステップS304のYES)、ステップS305とステップS306の処理が繰り返される。
【0043】
図2(a)に示す再生リストに基づく再生処理の場合には、再生順位が1番目(n=1)の音楽コンテンツはAAC形式のため処理負担が大きいコンテンツと判定されるので、2番目以降の再生順序の音楽コンテンツの中で処理負担が小さいWMA形式あるいはMP3形式の音楽コンテンツ、ここでは2番目(n=2)の音楽コンテンツ(タイトル「a2」の音楽コンテンツ)が再生対象となって再生されることになる。
【0044】
ステップS307の処理において再生対象となった音楽コンテンツの再生が開始されると、ステップS308の処理において、制御手段10が、フラグnと再生リストの総曲数Nを比較することでフラグnが総曲数Nに達して再生リストの最後まで音楽コンテンツの再生が終了したか否かを判定する。フラグnが再生リストの総曲数Nに達している場合には(ステップS308のYES)、現在再生中の音楽コンテンツの再生処理終了後に処理を終了し、フラグnが再生リストの総曲数Nに達していない場合には(ステップS308のNO)、ステップS309において、制御手段10はフラグnの値を1だけインクリメントして、ステップS303の処理に戻り、再生リストに従って次に再生予定の音楽コンテンツについてステップS303以降の処理を繰り返すことになる。なお、繰り返されるステップS303〜ステップS306の処理は現在行再生中の音楽コンテンツの再生処理中に行えばよい。
【0045】
図2(a)に示す再生リストに基づく再生処理の場合には、ステップS307の再生処理においてタイトル「a2」の音楽コンテンツが再生されると、再生リストに従って次に再生予定のコンテンツはn=3のタイトル「a3」の音楽コンテンツとなり、タイトル「a3」の音楽コンテンツはWMA形式のため、ステップS304の判定処理において処理負担が小さいコンテンツと判定され、ステップS307の処理において再生されることになる。
【0046】
以上説明したように、本発明にかかるコンテンツ処理装置によれば、主機能である、例えばナビゲーション機能を起動中であっても、同時に起動される副機能である、例えば音楽コンテンツ再生機能の処理負担の大きさを考慮したうえで、主機能に影響を与えることなく、副機能のコンテンツを再生処理することができる。
【0047】
なお、上記実施例では、主機能としてナビゲーション機能を実行するナビゲーション装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、主機能としては、ゲーム機能などのナビゲーション機能以外のものでもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 :ナビゲーション装置
10 :制御手段
11 :現在位置検出手段
12 :経路探索手段
13 :経路案内手段
14 :地図記憶手段
15 :AVコンテンツ記憶手段
16 :コンテンツ処理負担判定手段
17 :表示手段
18 :音声出力手段
19 :入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主機能と副機能においてそれぞれ異なる処理を行うコンテンツ処理装置であって、
副機能にかかるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、前記コンテンツの処理負担を判定するためのコンテンツ処理負担判定手段と、前記コンテンツ処理負担判定手段による判定結果に基づき前記コンテンツ記憶手段からコンテンツを選択して処理する制御手段と、を有し、
前記主機能起動中に、前記コンテンツ処理負担判定手段は、前記副機能において処理を予定しているコンテンツの処理負担の大きさを判定し、当該コンテンツの処理負担が大きい場合、前記制御手段は、当該コンテンツに替えて、処理負担が小さいコンテンツを前記コンテンツ記憶手段より選択して処理することを特徴とするコンテンツ処理装置。
【請求項2】
前記コンテンツ記憶手段に記憶された副機能にかかるコンテンツは、音楽、映像または写真に係るAVコンテンツであることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−236898(P2010−236898A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82503(P2009−82503)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】