説明

コンテンツ利用端末、コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法、コンテンツ管理プログラムおよびサーバ装置

【課題】暗号化コンテンツの著作権保護を図りつつ、複数のコンテンツ利用端末で暗号化コンテンツを利用できるようにして利便性を向上させる。
【解決手段】コンテンツ管理システム10は、端末1と、サーバ13と、顧客DB14と、PC15とを備える。ユーザが端末1で暗号化コンテンツ8dの閲覧を行っている最中に、可変する待ち時間Tごとに、閲覧可否をサーバ13に問い合せるようにし、閲覧不可と判断された場合は、待ち時間Tを次第に短くして、ユーザに警告表示を行う頻度を増やし、しまいには、閲覧不可の状態にする。また、コンテンツ管理画面上で、ユーザが閲覧を希望する端末1の設定変更を行うと、その設定変更がエラーかどうかをサーバ13側でチェックして、そのチェック結果をコンテンツ管理画面に反映させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子書籍や電子コミック等のデジタルコンテンツを閲覧可能なコンテンツ利用端末、コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法、コンテンツ管理プログラムおよびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置の低価格化と低消費電力化に伴って、電子書籍や電子コミック等のデジタルコンテンツを携帯電話やスマートフォン等の携帯型電子機器やパーソナルコンピュータ(以下、総称して電子機器と呼ぶ)で手軽に閲覧できるようにした新たなコンテンツ提供サービスが急速に普及している(特許文献1参照)。
【0003】
電子書籍等のデジタルコンテンツは、大量の情報を劣化なく提供できるため、利便性が高いが、その一方で、著作権保護が問題となる。
【0004】
著作権保護を図るには、デジタルコンテンツにプロテクトをかけて、予め登録した電子機器でしか、閲覧できないようにするのが望ましい。ところが、ユーザの多くは、複数の電子機器を所持しており、職場や自宅などの異なる環境下で、これら電子機器を任意に使い分けているのが実情である。このような場合、そのうちの一つでしか、デジタルコンテンツの閲覧ができないとなると、著しく使い勝手が悪くなる。
【0005】
ユーザの立場に立てば、自分が正規に購入した電子書籍である以上、どの電子機器で閲覧するかは、ユーザの自由であるという主張が成り立つ。また、閲覧可能な電子機器を一台に制限すると、それが足かせとなって、電子書籍の普及が進まない可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4405961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1は、電子書籍データを書庫サーバに格納しておき、この書庫サーバから必要なときに電子書籍データをダウンロードして閲覧するものである。この特許文献1の場合、電子書籍端末から書庫サーバにアクセスする際に、電子書籍端末の端末IDに基づいて照合を行うのではなく、ユーザ自身のIDやパスワードに基づいて照合を行っている。このため、ユーザ自身のIDとパスワードさえ入手できれば、どの電子書籍端末でも電子書籍データをダウンロードできることになり、著作権保護が損なわれるおそれがある。
【0008】
このように、従来は、暗号化コンテンツの著作権保護を損なうことなく、複数のコンテンツ利用端末で暗号化コンテンツを利用できるようにして利便性を高める方式が確立されていなかった。
【0009】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、暗号化コンテンツの著作権保護を図りつつ、複数のコンテンツ利用端末で暗号化コンテンツを利用できるようにして利便性を向上させたコンテンツ利用端末、コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法、コンテンツ管理プログラムおよびサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様は、サーバ装置から暗号化コンテンツをダウンロードする暗号化コンテンツ取得部と、
前記暗号化コンテンツを復号するための復号鍵を前記サーバ装置からダウンロードする復号鍵取得部と、
前記復号鍵を用いて前記暗号化コンテンツを復号するコンテンツ復号部と、
可変可能な待ち時間が経過するたびに、前記暗号化コンテンツの利用可否を前記サーバ装置に問合せる利用可否問合せ部と、
前記利用可否問合せ部により問い合せた結果、前記暗号化コンテンツが利用不可であるか否かを判定する利用不可判定部と、
前記サーバ通信不可判断部により利用不可と判定された回数が所定回数に達した場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を禁止する利用禁止制御部と、
前記利用不可判定部により利用不可と判定されたが、その回数が前記所定回数に達していない場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を所定の警告表示とともに許可する警告表示制御部と、を備えることを特徴とするコンテンツ利用端末を提供するものである。
【0011】
また、本発明の一態様は、所定のネットワークを介して通信を行うコンテンツ利用端末およびサーバ装置とを備えたコンテンツ管理システムにおいて、
前記コンテンツ利用端末の所有者の識別情報と、該所有者に利用許可している暗号化コンテンツを識別する情報と、を登録する顧客データベース装置を備え、
前記コンテンツ利用端末は、
前記サーバ装置から暗号化コンテンツをダウンロードする暗号化コンテンツ取得部と、
前記暗号化コンテンツを復号するための復号鍵を前記サーバ装置からダウンロードする復号鍵取得部と、
前記復号鍵を用いて前記暗号化コンテンツを復号するコンテンツ復号部と、
可変可能な待ち時間が経過するたびに、前記暗号化コンテンツの利用可否を前記サーバ装置に問合せる利用可否問合せ部と、
前記利用可否問合せ部により問い合せた結果、前記暗号化コンテンツが利用不可であるか否かを判定する利用不可判定部と、
前記サーバ通信不可判断部により利用不可と判定された回数が所定回数に達した場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を禁止する利用禁止制御部と、
前記利用不可判定部により利用不可と判定されたが、その回数が前記所定回数に達していない場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を所定の警告表示とともに許可する警告表示制御部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記利用可否問合せ部からの問合せがあると、前記顧客データベース装置を参照した結果に基づいて、利用可否の問合せのあった前記暗号化コンテンツの利用可否を判定する利用可否判定部と、
前記利用可否判定部の判定結果に基づいて、利用可否の問合せのあった前記暗号化コンテンツの利用可否情報を前記コンテンツ利用端末に応答する利用可否情報応答部と、を有することを特徴とするコンテンツ管理システムを提供するものである。
【0012】
また、本発明の一態様は、コンテンツ利用端末との間で、所定のネットワークを介して通信を行うサーバ装置において、
暗号化コンテンツのダウンロード要求をした前記コンテンツ利用端末の所有者の識別情報と、該所有者に利用許可している暗号化コンテンツの識別情報と、を登録した顧客データベース装置内の登録情報に基づいて、該暗号化コンテンツを復号するための復号鍵を生成する復号鍵生成部と、
前記復号鍵を用いて前記暗号化コンテンツを復号した前記コンテンツ利用端末から、可変可能な待ち時間が経過するたびに、前記暗号化コンテンツの利用可否の問合せがあった場合には、その都度、前記顧客データベース装置の登録情報に基づいて、該コンテンツ利用端末に対して暗号化コンテンツの利用を許可するか否かを判定する利用可否判定部と、
前記利用可否判定部の判定結果に基づいて、利用可否の問合せのあった前記暗号化コンテンツの利用可否情報を前記コンテンツ利用端末に応答する利用可否情報応答部と、を備えることを特徴とするサーバ装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、暗号化コンテンツの著作権保護を図りつつ、複数のコンテンツ利用端末で暗号化コンテンツを利用できるようにして利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ利用端末1の概略構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態の利用状況を説明する図。
【図3】本実施形態に係るコンテンツ管理システム10の概略構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態に係る初期購入時の処理手順を示すフローチャート。
【図5】サーバ13と端末1との間で送受される情報を図4の各ステップに対応づけた図。
【図6】コンテンツ管理画面の一例を示す図。
【図7】図4のステップS12とS13の詳細フローチャート。
【図8】サーバ問合せ処理の詳細フローチャート。
【図9】コンテンツ情報ファイルの一例を示す図。
【図10】サーバ13が行う処理の一例を示すフローチャート。
【図11】コンテンツ管理画面を更新手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係るコンテンツ利用端末1の概略構成を示すブロック図である。図1のコンテンツ利用端末1は、主には、携帯電話、スマートフォン、PDA等の携帯可能な電子機器を想定しているが、据置き型の汎用のパーソナルコンピュータでもよい。すなわち、サーバと通信を行う通信機能と、サーバからダウンロードした種々のデジタルコンテンツを格納する機能と、ダウンロードしたデジタルコンテンツを表示する表示機能と、ユーザの操作を受け付ける機能とを備えているものであれば、実現形態は問わない。
【0017】
したがって、コンテンツ利用端末1の概略構成にも自由度があり、必ずしも図1に示したものに限定されないが、以下では、一例として、図1のコンテンツ利用端末1を説明する。以下では、コンテンツ利用端末1を略して単に端末1と呼ぶ。
【0018】
なお、図1の端末1にて閲覧可能なデジタルコンテンツは、電子書籍、電子コミック、ストリームデータおよび各種のAVデータなど、特に種類を問わないが、以下では、電子書籍を閲覧する例について説明する。
【0019】
図1の端末1は、CPU2と、入力部3と、通信部4と、表示制御部5と、表示メモリ6と、表示部7と、記憶部8とを備えている。入力部3は、キーボードでもよいし、タッチパネルを備える場合には、タッチ検出部が入力部3に該当する。
【0020】
通信部4は、サーバとの通信を行うものであり、無線でも有線でもよい。また、通信回線の形態も特に問わないため、公衆回線や専用回線を利用してもよいし、無線LANやBluetooth、赤外線等の近接無線通信回線、あるいは有線のEthernet(登録商標)を利用しでもよい。
【0021】
表示部7は、液晶表示装置またはEL表示装置等の平面表示装置であり、場合によっては、表示パネル面にタッチパネルが取付けられる。
【0022】
記憶部8は、不図示のROMやRAMなどからなる。CPU2は、電源投入時に、ROMに格納されたオペレーティングシステム(以下、OS)8aを起動して、OS8a上でさらに本棚アプリ8bを起動する。本棚アプリ8bを起動すると、端末1のユーザが閲覧可能な電子書籍をリスト形式で一覧表示する。このリストの中から、ユーザが入力部3により所望の電子書籍を選択すると、ビューアアプリ8cが起動し、後述する所定の条件を満たす場合には、このビューアアプリ8c上で、ユーザが選択した電子書籍が閲覧可能な状態となる。
【0023】
個々の電子書籍は、電子書籍データ本体を暗号化した暗号化コンテンツ8dと、この暗号化コンテンツ8dを復号するための復号鍵8eと、ユーザの読書データ8fとを含んでいる。
【0024】
暗号化コンテンツ8dは、適切な復号鍵8eとビューアアプリ8cがなければ閲覧できないものである。暗号化コンテンツ8dだけ取得しても、復号鍵8eがなければ復号できないため、本実施形態では、暗号化コンテンツ8dは購入手続なしでダウンロードできるようにしている。ただし、暗号化コンテンツ8dをダウンロードする際に、ユーザ認証等を行う変形例も考えられる。
【0025】
復号鍵8eは、販売サイト等の販売元を通じて所望の暗号化コンテンツ8dを正規に購入したユーザに対して、販売元から付与される鍵情報である。暗号化コンテンツ8dは、一般にはデータ量が大きい(例えば、数Mバイトなど)のに対して、復号鍵8eのデータ量はそれほど大きくなく、例えば数百〜数Kバイト程度である。
【0026】
読書データ8fは、個々の暗号化コンテンツ8dに関連づけられるものであり、ユーザがどこまで閲覧したかを示す進捗情報や、しおり、文字サイズ、使用フォント等の情報である。これらは、著作権保護を図る必要性はないことから、暗号化しない平文データで送受しても構わない。ただし、処理の効率化のために、暗号化コンテンツ8dと同様の手法で暗号化して、暗号化コンテンツ8dと組にして復号するようにしてもよい。
【0027】
上述したように、本実施形態では、購入の有無にかかわらず誰でも暗号化コンテンツ8dをダウンロードできるようにしているため、例えば、暗号化コンテンツ8dをダウンロードしたユーザは、自分が所持する複数の端末1間で暗号化コンテンツ8dをコピーすることも問題なくできる。読書データ8fも同様である。
【0028】
これに対して、復号鍵8eとビューアアプリ8cは、サーバによる認証手続を経なければ、他の端末1にコピーできないようにしている。これにより、ユーザがある端末1で閲覧をしていた暗号化コンテンツ8dを、別の端末1にコピーしたとしても、後述する予め定めた所定の手続を踏まない限り、コピーした暗号化コンテンツ8dを閲覧することはできない。
【0029】
ビューアアプリ8cは、個々のユーザを識別するユーザIDと、個々の端末1を識別する端末IDとを保持している。ビューアアプリ8cは、ユーザIDと端末ID等を用いてサーバと認証を行い、認証に成功した場合に限り、サーバから復号鍵8eを取得する。
【0030】
ビューアアプリ8cは、暗号化コンテンツ8dを販売するサーバからダウンロードされるものである。ビューアアプリ8c自体は、無料で提供されることが多いが、ビューアアプリ8c内にユーザIDと端末IDの情報を保持しているため、上述したように他の端末1に直接コピーすることはできない。
【0031】
復号鍵8eは、暗号化コンテンツ8d(場合によっては読書データ8fも含む)を復号するのに必要な鍵情報である。具体的には、ユーザID、端末ID、暗号化コンテンツ8dを識別するコンテンツID、コンテンツ有効期限情報、システム固有の制御情報などを種(シード)として、ハッシュ演算を行って得られる固定ビット長の鍵情報である。復号鍵8e自体は、比較的容量の小さいデータを想定している。
【0032】
後述するように、本実施形態は、所定の条件下で、ユーザが所持する複数の端末1で、同一の電子書籍を閲覧(以下、このことを同時読みと呼ぶ)できるようにしている。同時読みが可能な端末1の数は、個々の暗号化コンテンツ8dごとに異なるため、復号鍵8eを生成する際の種の中に、同時閲覧が可能な端末1の上限数の情報を含めてもよい。この場合、同時読みが可能な上限数に応じて、端末1での閲覧を許容するかどうかをサーバに問合せる頻度を制御することが考えられる。
【0033】
また、復号鍵8eの種の中に埋め込まれるコンテンツ有効期限を制御することで、例えば、限られた時間のみ閲覧を許容する立ち読みモードと、予め定めた期間のみ閲覧を許容するレンタルモードと、期間無制限で閲覧を許容する購入モードとを設けることも可能である。この場合、立ち読みモード、レンタルモード、購入モードの順に、利用価格を高くすることが考えられる。立ち読みモードやレンタルモードの利用価格を購入価格よりも大幅に低く設定することで、利用者層を広げることができる。
【0034】
上述した説明からわかるように、本実施形態において、電子書籍を購入するとは、特定の暗号化コンテンツ8d自体を取得することではなく、特定の暗号化コンテンツ8dを復号可能な復号鍵8eを購入することを意味する。
【0035】
図2は本実施形態の利用状況を説明する図である。図2では、複数の端末1を所持しているユーザが複数の暗号化コンテンツ8dを購入した例を示している。個々の端末1は、互いに異なる端末IDを所持する。ユーザが同じである限り、ユーザIDは同一である。また、サーバにアクセスするためのパスワードも同一である。ユーザが購入した複数の暗号化コンテンツ8dは、それぞれ異なるコンテンツIDと、それぞれ異なる読書データ8fとを持っており、各コンテンツの有効期限情報も個別に持っている。
【0036】
このように、端末IDとユーザID(パスワード)は、多対一の関係にあり、ユーザID(パスワード)とコンテンツID(読書データ8f、有効期限情報)は、一対多の関係にある。
【0037】
図3は本実施形態に係るコンテンツ管理システム10の概略構成を示すブロック図である。図3のコンテンツ管理システム10は、図1に示した端末1が基地局11と無線通信を行って、インターネット12を介してサーバ13にアクセスする例を示している。サーバ13は、必ずしも一台だけとは限らないが、図3では簡略化のため、一台のみを図示している。図示のサーバ13は、電子書籍を販売する販売元であり、顧客データベース装置(以下、顧客DB)14が接続されている。顧客DB14には、個々の暗号化コンテンツ8dを購入したユーザのユーザID、パスワードおよび端末ID等の利用者属性情報が格納されている。また、各ユーザが暗号化コンテンツ8dを購入した履歴情報や、各暗号化コンテンツ8dの読書データ8fなども顧客DB14に格納される。
【0038】
図3のコンテンツ管理システム10は、インターネット12に接続されたPC15を備えている。このPC15は必ずしも必須ではないが、例えば、ユーザが最初に販売サイトにアクセスして、上述した利用者属性情報を登録する際などにPC15が利用される。PC15を利用する理由は、利用者属性情報の登録は、PC15上のOSの管理下で起動される汎用ウェブブラウザにて特定の販売サイトにアクセスして行うことを想定しているためである。なお、この利用者属性情報の顧客DB14への登録を、ユーザが所持するいずれかの端末1で行ってもよい。この場合、PC15は不要となる。また、電子書籍の閲覧を端末1ではなく、PC15で行う場合には、端末1は不要となる。
【0039】
サーバ13は、ユーザが特定の暗号化コンテンツ8dを購入すると、顧客DB14に格納された利用者属性情報を参照して、特定の暗号化コンテンツ8dのみの復号に用いられる復号鍵8eを生成して、ユーザが購入手続を行った特定の端末1に送信する。サーバ13が復号鍵8eを生成することにより、復号鍵8e、コンテンツIDおよび読書データ8f等が関連づけられることになる。
【0040】
顧客DB14には、ユーザが所持する個々の端末1の端末IDも登録される。この端末IDの登録は、ユーザが特定の端末1にビューアアプリ8cをダウンロードした後、このビューアアプリ8cを使用してサーバ13にアクセスした際に、サーバ13が端末IDを顧客DB14に登録する。
【0041】
図4は本実施形態に係る初期購入時の処理手順を示すフローチャートである。図5はサーバ13と端末1との間で送受される情報を図4の各ステップに対応づけた図である。図5に示すように、サーバ13は、ビューアアプリ格納部21と、暗号化コンテンツ格納部22と、復号鍵生成部23と、読書データ取得部24とを有する。
【0042】
次に、図4のフローチャートを参照して、初期購入時の処理手順を順に説明する。まず、ユーザは、例えばPC15上で汎用のブラウザ等を起動して販売サイトにアクセスし、ユーザID、パスワードおよび決済情報等の利用者属性情報を登録する(ステップS1)。販売サイトを運営するサーバ13は、ユーザが登録した利用者属性情報を顧客DB14に格納する。
【0043】
次に、ユーザは、自分が所持する特定の端末1(PC15でもよい)を用いて販売サイトにアクセスし、この販売サイトからビューアアプリ8cをダウンロードする(ステップS2)。次に、ユーザは、ダウンロードしたビューアアプリ8cを起動して、販売サイトにアクセスする。このとき、ユーザはステップS1で登録したユーザIDとパスワードを入力する。サーバ13は、ユーザIDとパスワードが登録情報と一致することを確認した場合には、ビューアアプリ8cを起動している端末1の端末IDを取得して、顧客DB14に登録する(ステップS3)。
【0044】
次に、ユーザは、ビューアアプリ8c上で、所望の暗号化コンテンツ8dをダウンロードする(ステップS4、暗号化コンテンツ取得部)。ステップS4に並行して、サーバ13内の復号鍵生成部23は、顧客DB14を参照して、ユーザID、端末ID、コンテンツID、コンテンツ有効期限、システム10固有の制御情報のうち、少なくとも2つ以上を種として復号鍵8eを生成する(ステップS5、復号鍵生成部)。
【0045】
ユーザは、ステップS4の暗号化コンテンツ8dのダウンロードが終了すると、サーバ13がステップS5で生成した復号鍵8eをダウンロードする(ステップS6、復号鍵取得部)。
【0046】
サーバ13は、ステップS5の復号鍵8eの生成に前後して、ステップS4でユーザがダウンロードした暗号化コンテンツ8dの読書データ8fを顧客DB14から取得する(ステップS7)。ユーザは、ステップS6の復号鍵8eのダウンロードに前後して、サーバ13がステップS7で取得した読書データ8fをダウンロードする(ステップS8)。
【0047】
ステップS4で暗号化コンテンツ8dをダウンロードした端末1に、ステップS6の復号鍵8eとステップS8の読書データ8fがダウンロードされると、暗号化コンテンツ8dの復号処理が自動的に行われ、閲覧が可能となる(ステップS9、コンテンツ復号部)。もし、暗号化コンテンツ8dと復号鍵8eが一致しない場合は、閲覧不可となるため、不正な閲覧を防止できる。
【0048】
その後、端末1は、予め設定した頻度で、ユーザの閲覧進捗状況を示す読書データ8fを販売サイトにアップロードする(ステップS10)。サーバ13は、受信した読書データ8fを顧客DB14に格納する(ステップS11)。すなわち、顧客DB14内の読書データ8fを更新する。
【0049】
端末1は、後述する計算式で計算した待ち時間が経過するたびに、閲覧中の暗号化コンテンツ8dの閲覧可否をサーバ13に問い合せる(ステップS12)。このステップS12について、後に詳述する。
【0050】
そして、ステップS12で問い合せた結果に基づいて、閲覧を継続するか、それともビューアアプリ8cを強制終了させるかを決定する(ステップS13)。このステップS13についても、後に詳述する。
【0051】
本実施形態では、ユーザが所持する複数の端末1で、予め設定した台数の範囲内で同時読みができるようにしている。例えば、図4のステップS4でダウンロードした暗号化コンテンツ8dを別の端末1で閲覧する場合は、この新たな端末1にてステップS2以降の処理を行うことになる。その際、ステップS4の処理については、サーバ13から暗号化コンテンツ8dをダウンロードする代わりに、今まで閲覧していた端末1から直接コピーしてもよい。
【0052】
同時読みを可能とするために、サーバ13は、図6に示すコンテンツ管理画面をユーザごとに作成して、ユーザ側に提供する。このコンテンツ管理画面は、ブラウザ等でアクセスされる販売サイト上に設けられるものである。
【0053】
図6のコンテンツ管理画面には、ユーザが購入したすべての暗号化コンテンツ8dの名称と、各暗号化コンテンツ8dがユーザの所持するどの端末1で閲覧可能であるかを示す情報とが一覧表示されている。
【0054】
より詳細には、暗号化コンテンツ8dと端末1との各組合せごとに、ユーザが任意にチェックマークを付けたり外したりすることができるボタン25が設けられており、このボタン25を不図示のカーソル等でユーザが選択したり、ユーザが指でボタン25をタッチすることで、チェックマークを付けたり外したりすることができるようになっている。図6の例では、チェックマークの付いた箇所は、その箇所に対応する端末1で、対応する暗号化コンテンツ8dを閲覧することを示している。
【0055】
ボタン25はチェックボックスになっており、ユーザが選択するたびに、チェックマークが交互に付いたり、消えたりする。これにより、ユーザは簡易に、同時読みを行いたい暗号化コンテンツ8dと端末1を任意に設定できる。
【0056】
ユーザがコンテンツ管理画面上でボタン25の設定変更を行った場合は、サーバ13はユーザの設定に問題がないかどうかを確認する。例えば、個々の暗号化コンテンツ8dごとに、同時読みを許容する端末1の制限台数が異なるため、ユーザが制限台数以上のチェックマークを付けた場合は、エラーと判断して、コンテンツ管理画面の設定を強制的に元に戻す処理を行う。このサーバ13の処理については、後に詳述する。
【0057】
ユーザは、コンテンツ管理画面の設定変更を行う際に、端末1上で行ってもよいし、PC15上で行ってもよい。他人のコンテンツ管理画面を勝手に設定変更しないよう、ユーザIDとパスワードの照合に成功した場合のみ、コンテンツ設定画面を表示させて、設定変更できるようにするのが望ましい。
【0058】
次に、図4のステップS12とS13の処理をより詳細に説明する。ユーザが、ビューアアプリ8cを介して暗号化コンテンツ8dの閲覧を開始すると、端末1は図7のフローチャートに示す主処理を実行する。この主処理は、図4のステップS12とS13に対応するものである。以下、図4のフローチャートに基づいて、主処理の内容を説明する。
【0059】
まず、サーバ問合せ処理を行う(ステップS11、利用可否問合せ部)。このサーバ問合せ処理の詳細な処理手順は、図8のフローチャートに示されている。以下、図8を用いて、ステップS11のサーバ問合せ処理を説明する。
【0060】
まず、待ち時間Tを計算する(ステップS21)。待ち時間Tの計算は、直前のサーバ13への問合せ結果に応じて、計算方法が異なる。直前にサーバ13に問合せた結果、閲覧中の暗号化コンテンツ8dが閲覧可と判断される場合は、下記の(1)式に基づいて待ち時間Tを計算し、閲覧不可と判断される場合は、下記の(2)式に基づいて待ち時間Tを計算する。
【0061】
ここで、閲覧不可とは、閲覧中の暗号化コンテンツ8dは閲覧不可である旨の回答がサーバ13から得られた場合か、あるいは、何らかの事情によりサーバ13との通信ができない場合を意味する。
【0062】
T=a×b×(60×60×24)×m …(1)
T=a×{1/(c+1)}×(60×60)×n …(2)
ここで、aは同時閲覧可能な端末1の上限数、bはサーバ13が閲覧可と判断した回数、cは上述した閲覧不可の回数である。すなわち、cは、閲覧中の暗号化コンテンツ8dは閲覧不可である旨の回答がサーバ13から得られた回数か、あるいは、何らかの事情によりサーバ13との通信ができない回数である。mは閲覧可の場合のOK重み係数、nは閲覧不可の場合のNG重み係数である。
【0063】
上述した(1)式または(2)式により待ち時間Tを計算する場合、小数点以下は丸め処理して構わない。
【0064】
ユーザが所持する端末1で、特定の暗号化コンテンツ8dの閲覧を開始した直後は、直前のサーバ13への問合せ結果は存在しないため、このような場合は、予め定めた初期待ち時間を設定する。
【0065】
上述した変数m、nや初期待ち時間の情報は、予め復号鍵8eに付属するコンテンツ情報ファイルに含めてもよい。図9はコンテンツ情報ファイルの一例を示す図である。図9のコンテンツ情報ファイルは、ユーザID31と、デバイスID32と、書誌情報33と、上述した変数aに対応する上限数34と、上述した変数mに対応するOK重み係数35と、上述した変数nに対応するNG重み係数36と、後述する回数閾値37と、上述した初期待ち時間38とを含んでいる。このコンテンツ情報ファイルに含まれる情報は利用者属性情報であり、保護する必要があることから、復号鍵8eで暗号化された状態でサーバ13からダウンロードされる。
【0066】
上述した(1)式からわかるように、閲覧中の暗号化コンテンツ8dは閲覧可であるとサーバ13が判断した場合は、閲覧可と判断された回数bが大きいほど、待ち時間Tは長くなる。すなわち、閲覧可と判断された場合は、正規の利用と考えられるため、頻繁にはサーバ13に問合せを行わないようにする。これにより、端末1がサーバ13に問い合せる頻度を減らすことができ、端末1は無駄に電力を消費しなくて済む。
【0067】
一方、上述した(2)式からわかるように、閲覧不可の回数cが多いほど、待ち時間Tは短くなる。閲覧不可の回数cが多いということは、サーバ13が閲覧不可と判断した場合か、何らかの事情によりサーバ13と通信ができなかった場合であり、いずれにしても、不正な閲覧である可能性が高いため、より頻繁にサーバ13への問合せを行って、不正な閲覧が長時間続かないようにする。
【0068】
図8のステップS21で待ち時間Tが計算されると、次に、計算した待ち時間Tに達したか否かを判定する(ステップS22)。待ち時間Tに達するまでステップS22に留まり、待ち時間Tに達すると、サーバ13との通信が可能か否かを判定する(ステップS23)。何らかの事情によりサーバ13との通信ができない場合は、閲覧不可の回数をカウントする上述した変数cを1だけインクリメントし(ステップS24)、ステップS21に戻る。
【0069】
ステップS23でサーバ13との通信が可能と判定された場合は、閲覧中の暗号化コンテンツ8dの閲覧可否をサーバ13に問い合せる(ステップS25)。以上により、図7のステップS11におけるサーバ問合せ処理が終了する。
【0070】
このサーバ問合せ処理が終了すると、次に閲覧中の暗号化コンテンツ8dは閲覧不可か否かを判定する(図7のステップS12、利用不可判定部)。このステップS12では、閲覧中の暗号化コンテンツ8dは閲覧不可である旨の回答がサーバ13から得られた場合か、何らかの事情によりサーバ13との通信ができない場合に、閲覧不可と判定して、逆にサーバ13から閲覧可と回答があった場合に閲覧可と判定する。
【0071】
ステップS12で閲覧可と判定された場合は、端末1の表示画面上に閲覧が許可された旨の表示を行う(ステップS13)。この表示形態は特に問わない。また、場合によっては、表示を省略してもよい。
【0072】
次に、上述した(1)式で待ち時間Tを計算する際に用いる変数bを1だけインクリメントする(ステップS14)。ステップS14が終了すると、ステップS11以降の処理を繰り返す。このステップS14で変数bを大きくしたため、ステップS11で計算される待ち時間Tは直前の値よりも長くなる。
【0073】
一方、ステップS12で閲覧不可と判定された場合は、閲覧不可の回数をカウントする変数cを1だけインクリメントする(ステップS15)。次に、変数cが予め定めた閾値Kより大きいか否かを判定する(ステップS16、)。変数cが閾値K以下であれば、閲覧不可の警告表示を行い(ステップS17、警告表示制御部)、ステップS11以降の処理を繰り返す。このステップS17では、警告表示は行うものの、閲覧自体は許容する。
【0074】
ステップS16で変数cが閾値Kより大きいと判断されると、端末1上で起動していたビューアアプリ8cを強制終了させて、閲覧不可の状態にする(ステップS18、利用禁止制御部)。
【0075】
このように、図7の主処理では、暗号化コンテンツ8dの閲覧中に、可変する待ち時間Tが経過するごとに、閲覧可否をサーバ13に問い合せて、その問合せ結果に応じて、待ち時間Tの長さを制御するため、不正が疑われる閲覧については頻繁にサーバ13に問い合せて不正な閲覧を長時間継続させないようにできる一方で、正規の閲覧の場合には、サーバ13への問合せ頻度を減らすことができる。
【0076】
次に、図8のステップS25のサーバ13への問合せを受けて、サーバ13が行う処理を図10のフローチャートに基づいて説明する。まず、端末1から利用問合せがあったか否かを判定する(ステップS31)。
【0077】
次に、端末1からのリクエスト情報を取得する(ステップS32)。このリクエスト情報が暗号化コンテンツ8dの閲覧可否の場合には、顧客DB14を検索して、閲覧可否を判断する(ステップS33、利用可否判定部)。そして、その判断結果を含む応答情報を生成して、リクエストを寄せた端末1に送信する(ステップS34、利用可否情報応答部)。
【0078】
次に、サーバ13の処理を終了させるか否かを判定し(ステップS35)、終了させるまではステップS31以降の処理を繰り返す。
【0079】
上述したように、サーバ13は、販売サイト上でユーザに対してコンテンツ管理画面を提供し、この画面内のボタン25をユーザが新たに設定変更した場合は、即座にサーバ13は、その設定変更にエラーがあるかどうかを判断する処理を行う。この場合のサーバ13の処理手順は図11のフローチャートで表される。まず、ユーザがPC15または端末1にて、図6のコンテンツ管理画面の設定変更を行ったか否かを判定する(ステップS41)。設定変更を行った場合には、設定変更した情報を取得する(ステップS42)。ここでは、図6のコンテンツ管理画面上で、ユーザがチェックマークの設定変更を行った情報を取得する。
【0080】
次に、ユーザによるチェックマークの設定変更箇所にエラーがないかどうかをチェックする(ステップS43、エラー確認部)。このとき、顧客DB14にアクセスして、各暗号化コンテンツ8dごとに同時読みが可能な端末数を取得して、コンテンツ管理画面内のチェックマークの数が上限数を超えていないかどうかをチェックする。
【0081】
ユーザが特定の暗号化コンテンツ8dについて、同時読みが可能な上限数以上のチェックマークを付けた場合は、エラーと判断する(ステップS44)。エラーと判断した場合は、コンテンツ管理画面のチェックマークをユーザが設定変更する前の状態に自動的に戻すとともに、設定変更がエラーである旨の表示などを行う。そして、ステップS41以降の処理を繰り返す。
【0082】
一方、ステップS43でエラーでないと判定された場合は、ユーザによるコンテンツ管理画面の設定変更情報に基づいて、顧客DB14を更新する(ステップS45)。すなわち、現在同時読みしている端末情報や、同時読みしている端末数などを、顧客DB14に格納する。そして、コンテンツ管理画面を新たに更新する(ステップS46、コンテンツ管理画面作成部)。必要に応じて、ユーザの設定変更が受入れられた旨の表示を行ってもよい。
【0083】
次に、サーバ13の処理を終了させるか否かを判定し(ステップS47)、終了させるまではステップS41以降の処理を繰り返す。
【0084】
このように、本実施形態では、暗号化コンテンツ8dのそれぞれごとに、同時読みが可能な上限数に達するまで、閲覧を行う端末1をユーザが任意に設定変更できるよう、コンテンツ管理画面を設ける。そして、コンテンツ管理画面上で、ユーザが閲覧を希望する端末1の設定変更を行うと、その設定変更がエラーかどうかをサーバ13側でチェックして、そのチェック結果をコンテンツ管理画面に反映させる。その設定変更にエラーがない限りは、ユーザは、閲覧する端末1を自由に切り替えることができるため、好きなときに、自分の望む端末1で、自分が購入した暗号化コンテンツ8dを閲覧でき、ユーザの利便性が向上する。また、ユーザがコンテンツ管理画面の設定変更を行っても、サーバ13はその設定変更にエラーがないかどうかを必ず確認して、予め決められた範囲内でしか、同時読みを許容しないため、暗号化コンテンツ8dの著作権保護を図ることができる。
【0085】
また、本実施形態では、ユーザが端末1で暗号化コンテンツ8dの閲覧を行っている最中に、可変する待ち時間Tごとに、閲覧可否をサーバ13に問い合せるようにし、閲覧不可と判断された場合は、待ち時間Tを次第に短くして、ユーザに警告表示を行う頻度を増やし、しまいには、閲覧不可の状態にする。これにより、不正な閲覧を確実に防止でき、暗号化コンテンツ8dの著作権保護が図れる。一方、サーバ13に問い合せた結果、閲覧可と判断された場合は、街時間Tを次第に長くするため、頻繁にサーバ13に問い合せなくて済み、端末1の消費電力を無駄に消費しなくて済む。
【0086】
上述した実施形態では、電子書籍を閲覧することを念頭に置いたが、本発明は、電子書籍だけでなく、電子コミックや写真データ、あるいは、各種の音声および動画像データなど、各種のデジタルコンテンツの利用に幅広く適用可能である。音声や動画像データは、音声または映像を視聴する行為が上述した利用に該当する。
【0087】
上述した実施形態では、サーバ13と顧客DB14を別個に設ける例を示したが、顧客DB14をサーバ13と一体化してもよい。
【0088】
上述した実施形態で説明したコンテンツ管理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、コンテンツ管理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0089】
また、コンテンツ管理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0090】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれない。したがって、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 コンテンツ閲覧端末、 2 CPU、3 入力部、4 通信部、5 表示制御部、6 表示メモリ、7 表示部、8 記憶部、10 コンテンツ管理システム、11 基地局、12 インターネット、13 サーバ、14 顧客DB、15 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置から暗号化コンテンツをダウンロードする暗号化コンテンツ取得部と、
前記暗号化コンテンツを復号するための復号鍵を前記サーバ装置からダウンロードする復号鍵取得部と、
前記復号鍵を用いて前記暗号化コンテンツを復号するコンテンツ復号部と、
可変可能な待ち時間が経過するたびに、前記暗号化コンテンツの利用可否を前記サーバ装置に問合せる利用可否問合せ部と、
前記利用可否問合せ部により問い合せた結果、前記暗号化コンテンツが利用不可であるか否かを判定する利用不可判定部と、
前記サーバ通信不可判断部により利用不可と判定された回数が所定回数に達した場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を禁止する利用禁止制御部と、
前記利用不可判定部により利用不可と判定されたが、その回数が前記所定回数に達していない場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を所定の警告表示とともに許可する警告表示制御部と、を備えることを特徴とするコンテンツ利用端末。
【請求項2】
前記利用不可判定部は、前記暗号化コンテンツが利用不可である旨の回答を前記サーバ装置から受けた場合と、前記サーバ装置との通信が行えなかった場合と、の少なくとも一方の場合に、利用不可と判定することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ利用端末。
【請求項3】
前記利用可否問合せ部は、新たに利用不可であると判定されるたびに、前記待ち時間を短くして、前記サーバ装置に問い合せる頻度を高くすることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ利用端末。
【請求項4】
前記利用可否問合せ部は、前記サーバ装置から前記暗号化コンテンツが利用可である旨の回答を新たに受けるたびに、前記待ち時間を長くして、前記サーバ装置に問い合せる頻度を低くすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンテンツ利用端末。
【請求項5】
前記利用可否問合せ部は、同時利用を許容する端末の上限数が多い暗号化コンテンツほど、前記サーバ装置に問い合せる時間間隔を長くすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコンテンツ利用端末。
【請求項6】
前記暗号化コンテンツは、著作権保護が必要な電子書籍であり、
前記利用可否問合せ部は、前記電子書籍の閲覧可否を前記サーバ装置に問合せ、
前記利用不可判定部は、前記電子書籍が閲覧不可であるか否かを判定し、
前記利用禁止制御部は、前記所定回数に達した場合は、閲覧可否を問い合せた前記電子書籍の閲覧を禁止し、
前記警告表示制御部は、前記前記利用不可判定部により閲覧不可と判定されたが、その回数が前記所定回数に達していない場合は、閲覧可否を問い合せた前記電子書籍の閲覧を所定の警告表示とともに許容することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンテンツ利用端末。
【請求項7】
所定のネットワークを介して通信を行うコンテンツ利用端末およびサーバ装置とを備えたコンテンツ管理システムにおいて、
前記コンテンツ利用端末の所有者の識別情報と、該所有者に利用許可している暗号化コンテンツを識別する情報と、を登録する顧客データベース装置を備え、
前記コンテンツ利用端末は、
前記サーバ装置から暗号化コンテンツをダウンロードする暗号化コンテンツ取得部と、
前記暗号化コンテンツを復号するための復号鍵を前記サーバ装置からダウンロードする復号鍵取得部と、
前記復号鍵を用いて前記暗号化コンテンツを復号するコンテンツ復号部と、
可変可能な待ち時間が経過するたびに、前記暗号化コンテンツの利用可否を前記サーバ装置に問合せる利用可否問合せ部と、
前記利用可否問合せ部により問い合せた結果、前記暗号化コンテンツが利用不可であるか否かを判定する利用不可判定部と、
前記サーバ通信不可判断部により利用不可と判定された回数が所定回数に達した場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を禁止する利用禁止制御部と、
前記利用不可判定部により利用不可と判定されたが、その回数が前記所定回数に達していない場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を所定の警告表示とともに許可する警告表示制御部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記利用可否問合せ部からの問合せがあると、前記顧客データベース装置を参照した結果に基づいて、利用可否の問合せのあった前記暗号化コンテンツの利用可否を判定する利用可否判定部と、
前記利用可否判定部の判定結果に基づいて、利用可否の問合せをした前記暗号化コンテンツの利用可否情報を前記コンテンツ利用端末に応答する利用可否情報応答部と、を有することを特徴とするコンテンツ管理システム。
【請求項8】
前記顧客データベース装置は、ユーザごとに、各ユーザが所持する個々の前記コンテンツ利用端末を識別する情報と、それぞれの前記コンテンツ利用端末での利用を許可した前記暗号化コンテンツを識別する情報とを、前記顧客データベース装置に登録し、
前記サーバ装置は、
各ユーザごとに、前記顧客データベース装置に登録された各ユーザが所持するすべての前記コンテンツ利用端末の情報と、登録された各コンテンツ利用端末で利用が許可された前記暗号化コンテンツの情報とを対応づけたコンテンツ管理画面を作成して、ユーザに提供するコンテンツ管理画面作成部と、
ユーザが前記コンテンツ管理画面上で、利用が許可された前記暗号化コンテンツを利用するコンテンツ利用端末を設定変更したときに、その設定変更にエラーがないか否かを前記顧客データベース装置を参照して確認するエラー確認部と、を有し、
前記コンテンツ管理画面作成部は、前記エラー確認部の確認結果に応じて、前記コンテンツ管理画面の更新を行うことを特徴とする請求項7に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項9】
コンテンツ利用端末の所有者の識別情報と、該所有者に利用許可している暗号化コンテンツを識別する情報と、を登録する顧客データベース装置を用いて、所定のネットワークを介して通信を行う前記コンテンツ利用端末およびサーバ装置との間で、暗号化コンテンツを管理するコンテンツ管理方法において、
前記コンテンツ利用端末の所有者の識別情報と、該所有者に利用許可している暗号化コンテンツを識別する情報と、を登録する顧客データベース装置を備え、
前記コンテンツ利用端末は、
前記サーバ装置から暗号化コンテンツをダウンロードするステップと、
前記暗号化コンテンツを復号するための復号鍵を前記サーバ装置からダウンロードするステップと、
前記復号鍵を用いて前記暗号化コンテンツを復号するステップと、
可変可能な待ち時間が経過するたびに、前記暗号化コンテンツの利用可否を前記サーバ装置に問合せるステップと、
前記暗号化コンテンツの利用可否を問い合せた結果、前記暗号化コンテンツが利用不可であるか否かを判定するステップと、
前記暗号化コンテンツが利用不可と判定された回数が所定回数に達した場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を禁止するステップと、
前記暗号化コンテンツが利用不可と判定されたが、その回数が前記所定回数に達していない場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を所定の警告表示とともに許可するステップと、を有し、
前記サーバ装置は、
前記利用可否問合せ部からの問合せがあると、前記コンテンツ利用端末の所有者の識別情報と、該所有者に利用許可している暗号化コンテンツを識別する情報と、を登録した顧客データベース装置を参照した結果に基づいて、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用可否を判定するステップと、
前記暗号化コンテンツの利用可否の判定結果に基づいて、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用可否情報を前記コンテンツ利用端末に応答するステップと、を有することを特徴とするコンテンツ管理方法。
【請求項10】
コンテンツ利用端末の所有者の識別情報と、該所有者に利用許可している暗号化コンテンツを識別する情報と、を登録する顧客データベース装置を用いて、所定のネットワークを介して通信を行う前記コンテンツ利用端末およびサーバ装置との間で、暗号化コンテンツを管理するコンテンツ管理プログラムにおいて、
前記サーバ装置から暗号化コンテンツをダウンロードするステップと、
前記暗号化コンテンツを復号するための復号鍵を前記サーバ装置からダウンロードするステップと、
前記復号鍵を用いて前記暗号化コンテンツを復号するステップと、
可変可能な待ち時間が経過するたびに、前記暗号化コンテンツの利用可否を前記サーバ装置に問合せるステップと、
前記暗号化コンテンツの利用可否を問い合せた結果、前記暗号化コンテンツが利用不可であるか否かを判定するステップと、
前記暗号化コンテンツが利用不可と判定された回数が所定回数に達した場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を禁止するステップと、
前記暗号化コンテンツが利用不可と判定されたが、その回数が前記所定回数に達していない場合は、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用を所定の警告表示とともに許可するステップと、
前記利用可否問合せ部からの問合せがあると、前記コンテンツ利用端末の所有者の識別情報と、該所有者に利用許可している暗号化コンテンツを識別する情報と、を登録した顧客データベース装置を参照した結果に基づいて、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用可否を判定するステップと、
前記暗号化コンテンツの利用可否の判定結果に基づいて、利用可否を問い合せた前記暗号化コンテンツの利用可否情報を前記コンテンツ利用端末に応答するステップと、をコンピュータに実行させるコンテンツ管理プログラム。
【請求項11】
コンテンツ利用端末との間で、所定のネットワークを介して通信を行うサーバ装置において、
暗号化コンテンツのダウンロード要求をした前記コンテンツ利用端末の所有者の識別情報と、該所有者に利用許可している暗号化コンテンツの識別情報と、を登録した顧客データベース装置内の登録情報に基づいて、該暗号化コンテンツを復号するための復号鍵を生成する復号鍵生成部と、
前記復号鍵を用いて前記暗号化コンテンツを復号した前記コンテンツ利用端末から、可変可能な待ち時間が経過するたびに、前記暗号化コンテンツの利用可否の問合せがあった場合には、その都度、前記顧客データベース装置の登録情報に基づいて、該コンテンツ利用端末に対して該暗号化コンテンツの利用を許可するか否かを判定する利用可否判定部と、
前記利用可否判定部の判定結果に基づいて、利用可否の問合せのあった前記暗号化コンテンツの利用可否情報を前記コンテンツ利用端末に応答する利用可否情報応答部と、を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
各ユーザごとに、前記顧客データベース装置に登録された各ユーザが所持するすべての前記コンテンツ利用端末の情報と、登録された各コンテンツ利用端末で利用が許可された前記暗号化コンテンツの情報とを対応づけたコンテンツ管理画面を作成して、ユーザに提供するコンテンツ管理画面作成部と、
ユーザが前記コンテンツ管理画面上で、利用が許可された前記暗号化コンテンツを利用するコンテンツ利用端末の種類を設定変更したときに、その設定変更にエラーがないか否かを前記顧客データベース装置を参照して確認するエラー確認部と、を有し、
前記コンテンツ管理画面作成部は、前記エラー確認部の確認結果に応じて、前記コンテンツ管理画面の更新を行うことを特徴とする請求項11に記載のサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−190268(P2012−190268A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53346(P2011−53346)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】