説明

コンテンツ利用管理システム、コンテンツ提供システム、及びコンテンツ利用装置

【課題】不特定多数による利用を抑制しつつ、コンテンツ利用の利便性を上げる。
【解決手段】コンテンツ管理サーバ10は、利用者端末20に対し、利用側固有情報に対応したコンテンツ識別情報と一次配布先フィールドとを有するコンテンツを提供する。利用者端末20はコンテンツの利用指示を受けた場合に、そのコンテンツに含まれるコンテンツ識別情報が利用者端末20の利用側固有情報に対応している場合は利用を許可する。対応していない場合は、そのコンテンツの一次配布先フィールドに当該利用者端末20の利用者の利用側固有情報が設定されていれば利用を許可し、一次配布先フィールドが未設定の場合は当該利用者端末20の利用側固有情報を一次配布先フィールドに書き込んで利用を許可し、一次配布先フィールドに当該利用者端末20の利用側固有情報に対応しない情報が設定されている場合は利用を許可しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルコンテンツの利用を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子文書や音声データ、マルチメディアデータなどのデジタルコンテンツ(以下単にコンテンツと呼ぶ)に対して著作権その他の権利を有する者の権利保護のために、従来より各種のシステムが開発されている。例えば、その一つとして、利用者がネットワーク上のデータベースからコンテンツを取得した際に、その取得記録を残すシステムはよく知られている。取得記録が残るので、例えばコンテンツの不正利用の抑止力となる。また、コンテンツの中にID情報を埋め込み、利用者が自分の端末内にあるコンテンツを利用しようとする際にその端末からネットワーク上の管理サーバにそのID情報を送信し、管理サーバがそのID情報を用いてそのコンテンツの利用記録を残すシステムも知られている。
【0003】
このようなシステムは、いずれも利用者の端末がネットワーク上のデータベースや管理サーバとオンラインで接続されていることを前提としている。特に後者は、利用記録を残すためには、コンテンツの利用の時点で利用者の端末と管理サーバとがオンライン接続される必要がある。従来システムは、オフライン環境にある端末上でのコンテンツの利用は想定していない。したがって、従来システムでは、オフライン環境ではコンテンツを利用できないようにコンテンツに保護をかけるか、或いは利用記録をとらずにコンテンツの利用を認めるかの対応しかできなかった。
【0004】
しかし、前者の方式ではネットワークと切り離された例えば携帯端末などの環境ではコンテンツの利用ができないため不便である。また後者の方式では、コンテンツがコピーされ配布されてしまうと、オフライン環境ではコンテンツを自由に利用できてしまうため、不特定多数の人が利用記録を残さないままコンテンツを利用できるという問題がある。
【0005】
コンテンツに対するコピー対策としては、例えば特許文献1に示されるシステムがある。このシステムは、利用者端末のシステム固有情報からキーを生成しサーバに送信するアプリケーションと、利用者固有のキーを受信しそのキーが適合した場合にコンテンツを利用できるようにする管理ツールとを備える。このシステムでは、利用者端末にダウンロードされたファイルは、その利用者端末の固有キーを用いなければ利用できないので、そのコンテンツをコピーして別の端末で利用することはできない。
【0006】
しかし、この従来技術では、ある端末にダウンロードしたコンテンツは他の端末で利用することができないため、かえって不便な場合がある。例えば、利用者がデスクトップPC(パーソナルコンピュータ)にダウンロードしたコンテンツを自分のモバイルPCにコピーして利用しようとしても、従来システムではそれは不可能である。また不特定の人にコンテンツが利用されるような事態さえ避けることができれば、できるだけ簡便にコンテンツが配布できる方が利便性が高いが、従来システムでは、利用する人が必ずサーバからコンテンツをダウンロードする必要があり、煩雑な操作が要求される。
【0007】
【特許文献1】特開2003−060636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点の少なくとも1つを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの側面では、コンテンツ提供システムとコンテンツ利用装置とを備えるコンテンツ利用管理システムを提供する。ここで、コンテンツ提供システムは、コンテンツ利用装置に対し、そのコンテンツ利用装置又はそのコンテンツ利用装置の利用者に固有の利用側固有情報に対応したコンテンツ識別情報と、一次配布先フィールドと、を有するデジタルコンテンツを提供する提供手段を備える。コンテンツ利用装置は、利用者からデジタルコンテンツに対する利用指示を受けた場合に、そのデジタルコンテンツに含まれるコンテンツ識別情報が当該コンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報に対応している場合には当該デジタルコンテンツの利用を許可し、対応していない場合にはそのデジタルコンテンツの一次配布先フィールドの値に応じた制御処理を行う第1制御手段を備える。第1制御手段は、当該デジタルコンテンツの一次配布先フィールドに当該コンテンツ利用装置又はその利用者にの利用側固有情報が設定されている場合は当該デジタルコンテンツの利用を許可し、一次配布先フィールドが未設定の場合は当該コンテンツ利用装置又はその利用者の利用側固有情報をその一次配布先フィールドに書き込んで当該デジタルコンテンツの利用を許可し、一次配布先フィールドに当該コンテンツ利用装置又はその利用者の利用側固有情報に対応しない情報が設定されている場合は当該デジタルコンテンツの利用を許可しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下「実施形態」と呼ぶ)について説明する。
【0011】
本実施形態のコンテンツ利用管理システムは、図1に示すように、コンテンツ管理サーバ10と1以上の利用者端末20を備える。ここでは、説明を簡潔にするためのコンテンツ管理サーバ10は1台しかないとして説明するが、同様の機能を持つコンテンツ管理サーバ10が複数存在してももちろんよい。
【0012】
このシステムでは、利用者は、自分が利用したいコンテンツ100をコンテンツ管理サーバ10から自分の利用者端末20へとダウンロードすることができる。また、ダウンロードしたコンテンツ100は、例えば電子メールに添付するなどして、別の利用者端末20に配布することができる。コンテンツ管理サーバ10が管理するコンテンツは、ワードプロセッサその他のアプリケーションにより作成された電子文書、音声データ、画像データ、動画データ、マルチメディアデータ、プログラムなどの様々な種類のいずれであってもよい。このシステムは、このようなコンテンツの利用を管理するためのものである。ここでいうコンテンツの利用には、コンテンツの閲覧、再生、書込、修正、実行など、様々な形態が含まれ得る。
【0013】
本実施形態のシステムでは、利用者端末20がコンテンツ管理サーバ10からコンテンツをダウンロードした場合、コンテンツ管理サーバ10は、その端末がコンテンツを取得した履歴として記録できるので、そのコンテンツの利用を認める。また、コンテンツ管理サーバ10にオンラインでアクセスできる利用者端末20については、コンテンツの利用を許可し、利用の履歴をコンテンツ管理サーバ10に記録する。このように、コンテンツ管理サーバ10が、コンテンツの取得や利用の履歴を記録した利用者端末を、以下では、当該コンテンツについての「記録済み端末」と呼ぶ。
【0014】
また、オフライン状態、すなわちコンテンツ管理サーバ10にアクセスできない利用者端末20においてコンテンツの利用指示が利用者からなされた場合、その端末20が記録済み端末であれば、利用を許可する。また、記録済み端末でない利用者端末20であっても、そのコンテンツの取得又は利用の履歴が記録されている利用者端末20から直接当該コンテンツの配布を受けた利用者端末20(以下、このような端末を当該コンテンツについての「一次配布先端末」と呼ぶ)は、オフライン状態でもそのコンテンツの利用を認める。
【0015】
しかし、一次配布先端末から利用後のコンテンツの配布を受けた利用者端末20(すなわち「二次配布先」)については、オフライン状態での利用は許可しない。二次配布先から配布を受けた三次配布先やそれ以降についても同様に、オフライン状態での利用は許可しない。
【0016】
本実施形態では、オフライン状態でのコンテンツの利用を許可する端末を、記録済み端末及び一次配布先端末に限定することで、コンテンツが不特定多数の人に利用されてしまうことを抑制している。すなわち、記録済み端末は、コンテンツの取得又は利用の履歴がコンテンツ管理サーバ10に記録されているので、コンテンツの行方を把握するという目的が満たされればよいとの立場をとるならば、記録済み端末にそのコンテンツのオフライン利用を認めても問題はない。また、一次配布先端末については、コンテンツがオフライン利用された場合には管理サーバ10に履歴を記録することはできないが、記録済み端末からの直接の配布先なので、コンテンツの行方を追跡することは比較的容易なので、オフライン利用を認める。このように、例えば、利用者が自分のデスクトップPCにコンテンツ管理サーバ10からダウンロードしたコンテンツを自分のモバイルPCにコピーした場合、そのモバイルPCがコンテンツ管理サーバ10にアクセスできない状況でもそのコンテンツの利用が可能になるので、利便性が高い。また、利用者が自分のダウンロードしたコンテンツを関係者に配布した場合、その配布先の人々も、オフライン環境でもそのコンテンツを利用できるので利便性が高い。
【0017】
以上、本実施形態におけるコンテンツ利用の管理の概要を説明した。以下では、このような管理を実現するための仕組みを説明する。
【0018】
まず、このシステムの利用者端末20は、図2に示すように、端末ID記憶部22とビューワ24を備える。端末ID記憶部22は、その利用者端末20に識別情報である端末IDを記憶する手段である。端末IDとしては、その利用者端末20に設けられたネットワークカードのMAC(Media Access Control)アドレス、ハードディスクのシリアル番号、その利用者端末20を制御するオペレーティングシステムのシリアル番号、など、その利用者端末20に固有の情報を用いることができる。例えば、MACアドレスを端末IDとして用いる場合は、ネットワークカード上のMACアドレスを記憶した記憶領域が、端末ID記憶部22となる。
【0019】
ビューワ24は、コンテンツを利用するためのソフトウエアであり、コンテンツ処理部26と判定部28を備える。コンテンツ処理部26は、ユーザがコンテンツを利用する際の各種処理を行う。コンテンツ処理部26は、従来より公知のビューワやメディアプレーヤその他のソフトウエアと同等のものでよい。判定部28は、利用者がコンテンツ処理部26を用いてコンテンツを利用することを許可するか否かを判定する。判定部28が実行する処理については、後で詳しく説明する。
【0020】
コンテンツ管理サーバ10は、図3に示すように、要求処理部11、コンテンツID生成部13、コンテンツDB(データベース)15、履歴情報生成部17及び履歴DB19を備える。
【0021】
要求処理部11は、利用者端末20からネットワークを介して到来する各種の要求を処理する。要求処理部11は、例えば、利用者端末20からコンテンツ取得要求が来た場合に図4に例示するようなデータ構造を持つコンテンツファイル100を作成して提供したり、利用要求に対する応答の処理を行ったりする。また、要求処理部11は、それら各要求に対して処理を行ったことを示す履歴情報を履歴情報生成部17に生成させ、履歴DB19に記録する。
【0022】
コンテンツID生成部13は、要求処理部11からの指示に応じて、コンテンツファイル100に組み込まれるコンテンツIDを生成する。コンテンツIDは、コンテンツ自体を識別する識別情報であると同時に、コンテンツファイルが提供された利用者端末20の端末IDに依存する値を持っており、コンテンツファイルが提供された利用者端末を識別する役目を果たす。
【0023】
コンテンツDB15は、利用者端末20に提供可能なコンテンツの本体データが格納される。利用者端末20には、コンテンツDB15に格納されたコンテンツ本体120そのものが提供されるのではなく、そのコンテンツ本体120にコンテンツID112等のメタデータ110を付加して生成されたコンテンツファイル100が提供される。コンテンツDB15内では、格納したコンテンツ本体120を内部的な識別情報(内部IDと呼ぶ)により識別するが、この内部IDはコンテンツファイル100に組み込まれるコンテンツIDとは別物である。
【0024】
履歴情報生成部17は、利用者端末20からの要求に応じて要求処理部11が行った処理についての履歴情報を生成する。生成された履歴情報は、履歴DB19に登録される。
【0025】
次に、図4を参照して、利用者端末20に提供されるコンテンツファイル100について説明する。
【0026】
コンテンツファイル100は、メタデータ部110とコンテンツ本体120とを含む。このうちコンテンツ本体120は上述のようにコンテンツ管理サーバ10に蓄積されたコンテンツの本体データである。なお、コンテンツ本体120は、文書や画像などのようなコンテンツそのものの他に属性データを含んでいてもよい。すなわち、本実施形態では、従来のアプリケーションが取り扱うコンテンツ(属性を含み得る)に対し、管理のためにコンテンツID112及びオフラインアクセススロット114を追加することで、コンテンツファイル100を生成しているが、そのような本実施形態の管理のために付加した情報を除いた既存のコンテンツそのものという意味でコンテンツ本体120と呼んでいる。
【0027】
メタデータ部110は、コンテンツファイル100の属性情報など、コンテンツ本体120に付随するデータの格納領域であり、コンテンツID112とオフラインアクセススロット114を有する。このうちコンテンツID112は上述したようにコンテンツ本体120とその提供先である利用者端末20の端末IDに依存した識別情報である。コンテンツIDは、例えば、端末IDに対応した利用側固有情報(利用側固有情報は、端末IDそのものでもよいし、端末IDに所定の演算(例えば暗号化)を施して得られる値であってもよい)とコンテンツ本体120の内部IDとを組み合わせたものを用いることができる。また利用側固有情報とコンテンツ本体120(又はその内部ID)を組み合わせたものから十分な長さを持つハッシュ値を生成し、そのハッシュ値をコンテンツIDとして用いてもよい。利用者端末20とコンテンツ本体120とが共に同じならば、それらの組合せに対して常に同じ値のコンテンツIDが生成される。コンテンツID112のフィールドには、コンテンツ管理サーバ10がコンテンツファイル100を生成した際、その値がセットされる。
【0028】
オフラインアクセススロット114のフィールドには、一次配布先の利用者端末20がオフラインでコンテンツファイル100を利用した際に、その端末の利用側固有情報が書き込まれる。したがって、コンテンツ管理サーバ10がコンテンツファイル100を生成し、利用者端末20に送信した段階では、オフラインアクセススロット114のフィールドは未設定(空)である。オフラインアクセススロット114は、ビューワ24以外からは書き込みができないように保護される。
【0029】
また、メタデータ部110に、当該コンテンツファイル100を提供したコンテンツ管理サーバ10を特定する情報(例えばIPアドレス等のネットワークアドレス情報)を組み込んでおけば、利用者端末20は、その情報を用いてコンテンツ管理サーバ10へアクセスできる。
【0030】
メタデータ部110には、例示したもの以外の情報が含まれていてもよい。また、ここではコンテンツ本体120以外の付随的なデータをメタデータと呼んだが、どのように呼ぶかは本質的な問題ではなく、コンテンツID及びオフラインアクセススロットを含んでいればよい。また、メタデータ部110は、コンテンツ本体120と明確に分離されている必要はなく、例えば電子透かしなどの形でコンテンツ本体120に組み込まれていてもよい。
【0031】
次に、図5を参照して、履歴DB19に登録された履歴情報について説明する。この実施形態では、例えば、利用者端末20からの要求ごとに(言い換えれば、その要求に対して行った処理ごとに)、1つの履歴情報が登録される。履歴情報には、項目として、要求を受けた日時、要求の種類を示すイベント情報、要求の対象となるコンテンツの内部ID、その要求に含まれていたコンテンツID(「取得したコンテンツID」)、その要求に応じてコンテンツ管理サーバ10が発行したコンテンツID、その要求に含まれていた利用側固有情報が含まれる。このような履歴情報を記録することで、後で様々なことが分かる。例えば日時と利用側固有情報の組合せから、どの利用者端末からの要求であるかが分かり、更に「発行したコンテンツID」の情報からその利用者端末に提供したコンテンツIDが分かる。コンテンツの内部IDから、どのコンテンツ本体に対する要求かが分かる。
【0032】
また、「取得したコンテンツID」が分かれば、そのコンテンツIDを「発行したコンテンツID」として持つ履歴情報の利用者端末の値を見ることで、その要求が、どの利用者端末に提供したコンテンツファイルを用いたものかが分かり、コンテンツの流通経路の分析に役立つ。
【0033】
なお、利用者端末20からの要求にその要求を発した利用者の利用者IDが含まれる場合には、その利用者IDを履歴情報に組み込んでもよい。また、コンテンツファイル100の利用要求を発する際にそのファイル内のオフラインアクセススロット114の値を利用者端末20からコンテンツ管理サーバ10に送るようにし、この値を履歴情報に組み込んでもよい。
【0034】
次に、本実施形態のシステムにおける処理の流れを説明する。
【0035】
まず、図6を参照して、コンテンツ管理サーバ10から利用者端末20にコンテンツをダウンロードする際の処理の流れを説明する。この手順では、まず利用者端末20のビューワ24に対し、利用者からコンテンツ検索指示が入力され(S101)、利用者からキーワード等の検索条件が入力されると、ビューワ24は通信プロトコルを用いてコンテンツ管理サーバ10にアクセスし、その検索条件を送信する(S102)。
【0036】
コンテンツ管理サーバ10は、その検索条件に合致するコンテンツ本体120をコンテンツDB15から検索し(S201)、検索されたコンテンツのリスト(例えば内部IDのリスト)を検索結果としてビューワ24に返す(S202)。
【0037】
ビューワ24が検索結果を表示し、利用者がその検索結果の中から取得したいコンテンツを選択すると(S103)、ビューワ24は選択されたコンテンツの内部IDと、端末ID記憶部24に記憶された端末IDから生成した利用側固有情報と、を含んだ取得要求を生成しコンテンツ管理サーバ10に送信する(S104)。なお、ここでは、利用側固有情報が取得要求に含まれているとして説明したが、取得要求とそれを発した利用者端末の利用側固有情報との対応付けがコンテンツ管理サーバ10に分かるのであれば、利用側固有情報は取得要求に含まれていなくてもよい。後で説明する利用要求の場合も同様である。
【0038】
以上では、取得対象のコンテンツを検索により探し出す場合を例にとったが、これはあくまで一例に過ぎない。この他にも例えばコンテンツDB15内のディレクトリ構造をたどって利用者が取得対象のコンテンツを見つけ出すようなユーザインタフェースを用いることもできる。
【0039】
取得要求を受けたコンテンツ管理サーバ10では、要求処理部11が、取得対象となるコンテンツ本体120をコンテンツDB15から取り出し、コンテンツID生成部13にコンテンツIDを生成させる(S203)。コンテンツID生成部13は、取得要求に含まれる利用側固有情報と、取得対象のコンテンツ本体120の情報とに基づき、コンテンツIDを生成する。要求処理部11は、そのコンテンツIDとコンテンツ本体とを組み込んだコンテンツファイル100を生成し、利用者端末20に送信する(S204)。また、このとき、履歴情報生成部17が、その取得要求についての履歴情報(言い換えればコンテンツを提供したことを示す履歴)を作成し、履歴DB19に登録する(S205)。ここで、取得要求にはコンテンツIDは含まれないので、この履歴情報には、「取得したコンテンツID」は含まれない(例えば図5の上から1番目の履歴情報を参照)。
【0040】
利用者端末20のビューワ24は、そのコンテンツファイル100を取得し(S105)、利用者端末20の記憶装置に保存する(S106)。
【0041】
次に、利用者端末20の記憶装置に保存されたコンテンツファイル100を利用する旨の指示が利用者から入力された場合の処理手順を、図7及び図8を参照して説明する。
【0042】
記憶装置内のコンテンツファイル100に対する利用指示が利用者端末20に入力されると(S111)、ビューワ24の判定部28が、そのコンテンツファイル100に示されたコンテンツ管理サーバ10にアクセス可能かどうかを、通信プロトコルを用いて判定する(S112)。アクセス可能な場合は、図8の手順に進む(後述)。
【0043】
アクセス不可能な場合、判定部28は、そのコンテンツファイル100内のコンテンツID112を検査し(S113)、そのコンテンツID112が端末ID記憶部22内の端末IDと整合するか否かを判定する(S114)。このとき、判定部28は、例えば、その端末IDから利用側固有情報を生成し、その利用側固有情報とコンテンツファイル100内のコンテンツ本体120の情報とを用いて、コンテンツ管理サーバ10のコンテンツID生成部13と同じアルゴリズムを用いてコンテンツIDを生成する。そして、生成したコンテンツIDと、コンテンツファイル100内のコンテンツID112とが一致すれば、そのコンテンツID112が端末IDに整合したと判定する。コンテンツID112が端末IDに整合するのは、その利用者端末20が、コンテンツ管理サーバ10からそのコンテンツファイル100を取得した場合か、或いはコンテンツ管理サーバ10にそのコンテンツファイル100の利用要求を行ったことがある場合か、のいずれかであり、いずれにしてもその利用者端末20は、そのコンテンツファイル100を持つ端末であるとして履歴DB19に記録済みである。すなわちその利用者端末20は記録済み端末である。このような場合は、判定部28は、そのコンテンツファイル100の利用を許可する(S115)。この許可を受けて、コンテンツ処理部26がそのコンテンツファイル100からコンテンツ本体120を取り出し、利用者が利用できるようにする。
【0044】
また、ステップS114の判定で、コンテンツID112が端末IDに整合しないと判定した場合、判定部28は、次にそのコンテンツファイル100内のオフラインアクセススロット114の値を検査する(S116)。
【0045】
この検査の結果、オフラインアクセススロット114が未設定である場合は(S117の判定結果がYes)、判定部28は、端末ID記憶部22内の端末IDから生成した利用側固有情報を、そのオフラインアクセススロット114にセットし(S118)、コンテンツ処理部26にそのコンテンツファイル100の利用を許可する(S115)。このケースは、当該利用者端末20が一次配布先端末である場合に該当する。すなわち、記録済み端末では、コンテンツファイルをオフラインで何度利用しても、オフラインアクセススロット114に値が設定されることはないので、一次配布先端末でオフライン利用をしようとした時に初めてステップS117の判定結果がYesとなるのである。
【0046】
一方、ステップS117の判定結果がNoの場合、判定部28は、オフラインアクセススロット114に設定されている値が、端末ID記憶部22に記憶された端末IDに整合するか否かを判定する(S119)。ここでは、判定部28は、例えばその端末IDから利用側固有情報を生成し、この利用側固有情報がオフラインアクセススロット114の値と等しい場合は整合すると判定し、そうでない場合は整合しないと判定する。整合するのは、一時配布先端末が、過去にそのコンテンツをオフライン状態で利用してその端末の利用側固有情報がオフラインアクセススロット114に設定された後、再度そのコンテンツをオフライン状態で利用しようとした場合であり、この場合判定部28はそのコンテンツファイルの利用を許可する(S115)。
【0047】
ステップS119で整合しないと判定された場合、当該利用者端末20は、二次以降の配布先であるということなので、判定部28は、そのコンテンツファイル100の利用を許可しない(S120)。
【0048】
以上、図7を用いて、利用者端末20がオフライン状態の時にコンテンツファイル100の利用が指示された場合の利用可否の判定処理を説明した。次に、図8を参照して、利用者端末20がオンライン状態にあるときのシステムの処理手順を説明する。
【0049】
記憶装置内のコンテンツファイル100の利用が指示されたときに、コンテンツ管理サーバ10にアクセス可能であれば、ビューワ24は端末IDから生成された利用側固有情報と、そのコンテンツファイル100のコンテンツIDとを含んだ利用要求を生成し、コンテンツ管理サーバ10へと送信する(S121)。このほかに、コンテンツファイル100中のオフラインアクセススロット(OAS)114の値を利用要求に組み込んでもよい。
【0050】
利用者端末20から利用要求を受けたコンテンツ管理サーバ10は、その要求に含まれる利用側固有情報と、その要求に含まれるコンテンツIDから特定されるコンテンツ本体の情報と、に基づきコンテンツIDを生成し(S211)、その利用者端末20に送信する(S212)。そして、コンテンツ管理サーバ10は、その利用要求についての履歴情報を生成し、履歴DB19に登録する(S213)。利用要求には、コンテンツIDが含まれるので、履歴情報には「取得したコンテンツID」の値が組み込まれる(図5の2〜4番目のレコードを参照)。また、利用要求の中にオフラインアクセススロット114の値が含まれる場合は、それを履歴情報の中に組み込んで記録してもよい。
【0051】
利用要求に応じてコンテンツ管理サーバ10からコンテンツIDを受け取った利用者端末20では、判定部28が、そのコンテンツIDを検査し(S122)、利用要求の対象であるコンテンツファイル100内のコンテンツIDと一致するか否かを判定する(S123)。一致した場合は、その利用者端末20が記録済み端末であるということであり、この場合、コンテンツ処理部26に対してそのコンテンツファイル100の利用を許可する(S126)。
【0052】
ステップS123の判定結果がNoの場合は、その利用者端末20が記録済み端末以外の端末(すなわちコンテンツ管理サーバ10に履歴が記録されていない端末)であったということである。しかし、今回の利用要求により、その利用者端末20の利用側固有情報を含む履歴情報がコンテンツ管理サーバ10に記録されたので、その利用者端末20は新たに記録済み端末となった。そこで、判定部28は、当該コンテンツファイル100内のコンテンツIDを、ステップS122で受信したコンテンツIDへと書き換えた上で(S124)、コンテンツ処理部26にそのコンテンツファイル100の利用を許可する。これにより、その利用者端末20では、そのコンテンツファイル100をオフラインでも自由に利用することが可能になる。なお、コンテンツIDの更新に併せて、そのコンテンツファイル100のオフラインアクセススロット114を未設定状態へとクリアすれば(S125)、その利用者端末20から他の利用者端末20ヘそのコンテンツファイル100を配布した場合、配布先の端末は一次配布先となり、オフラインでもそのコンテンツファイル100の利用が可能になる。
【0053】
次に、図9を参照して、このシステムにおけるコンテンツの流通の流れの具体例を説明する。この例は、図5に示した履歴情報に対応しており、この図も適宜参照して説明する。
【0054】
(1)まず、利用者端末Aが、内部IDが「001234」であるコンテンツを取得するために、自分の利用側固有情報「A」を含んだ取得要求をコンテンツ管理サーバ10に送る。
【0055】
(2)コンテンツ管理サーバ10は、利用側固有情報「A」と、内部ID「001234」のコンテンツ本体の情報とに基づきコンテンツID「α」を生成し、このコンテンツID「α」と空のオフラインアクセススロットと、コンテンツ本体とを含んだコンテンツファイルを生成して利用者端末Aに返す。このとき、コンテンツ管理サーバ10は、図5の上から1番目の履歴レコードを生成し、履歴DB19に記録する。
【0056】
(3)そのコンテンツファイルを受け取った利用者端末Aで、利用者がそのファイルの利用を指示したとき、利用者端末Aがコンテンツ管理サーバ10にアクセス可能であるとすると、ビューワ24は、コンテンツID「α」と、利用側固有情報「A」とを含んだ利用要求(オフラインアクセススロットは空)を生成し、コンテンツ管理サーバ10へ送る。
【0057】
(4)コンテンツ管理サーバ10は、その利用要求に応じてコンテンツIDを生成するが、この場合は取得要求の時と同じ利用者端末Aからの同じコンテンツ「001234」への要求なので、同じコンテンツID「α」が生成される。コンテンツ管理サーバ10は、生成したコンテンツID「α」を利用者端末Aに返すとともに、その利用要求について図5の上から2番目の履歴レコードを生成し、履歴DB19に記録する。
【0058】
コンテンツID「α」を受け取った利用者端末Aは、そのIDがコンテンツファイル内のコンテンツIDと一致するので、利用者によるそのコンテンツファイルの利用を認める。この利用では、コンテンツファイル内のコンテンツIDは変更されず、オフラインアクセススロットも空のままである。
【0059】
(5)利用者端末Aから、そのコンテンツファイル(のコピー)が、例えば電子メール等を経由して、利用者端末Bへと配布される。
【0060】
(6)利用者端末Bを操作する利用者が、そのコンテンツファイルの利用を指示した際に、利用者端末Bがコンテンツ管理サーバ10にアクセスできない状態であったとする。この場合、そのコンテンツファイルのオフラインアクセススロットが空(未設定)なので、判定部28は、オフラインアクセススロットに利用者端末Bの利用側固有情報「B」を設定した上で、その利用を認める。このように、一次配布先でのオフライン利用は許可される。
【0061】
(7)利用者端末Bから、そのコンテンツファイル(のコピー)が、例えば電子メール等を経由して、利用者端末Cへと配布される。配布されるコンテンツファイルは、コンテンツIDは「α」のままであるが、オフラインアクセススロットに利用者端末Bの利用側固有情報「B」が設定されている。
【0062】
(8)利用者端末Cを操作する利用者が、そのコンテンツファイルの利用を指示した際に、利用者端末Cがコンテンツ管理サーバ10にアクセスできない状態であったとする。この場合、そのコンテンツファイルのオフラインアクセススロットに「B]が設定されており、これは利用者端末Cの利用側固有情報とは異なるので、判定部28はそのコンテンツファイルの利用を禁止する。すなわち、二次配布先である利用者端末Cでは、オフライン状態でのコンテンツファイルの利用は不可能となる。
【0063】
(9)その後、利用者端末Cがコンテンツ管理サーバ10にアクセス可能な状態となった時に、そのコンテンツファイルの利用指示が入力された場合、利用者端末Cは、自分の利用側固有情報「C」と、コンテンツID「α」とを含む利用要求をコンテンツ管理サーバ10に送る。ここで、オフラインアクセススロットの値「B」を利用要求と共に送ってもよい。
【0064】
(10)コンテンツ管理サーバ10は、その利用要求に応じて、コンテンツID「β」を生成する。利用者端末Aとは別の利用者端末Cからの要求に基づくものなので、コンテンツIDの値は、「α」とは異なる「β」となる。コンテンツ管理サーバ10は、生成したコンテンツID「β」を利用者端末Cに返す。
【0065】
またコンテンツ管理サーバ10は、その利用要求についての履歴情報を作成し、履歴DB19に登録する(図5の上から3番目の履歴レコード参照)。この履歴情報を参照すれば、利用者端末Aに提供したコンテンツ「001234」が、利用者端末Cに配布され利用されたことが把握できる。すなわち、コンテンツの利用要求を発した利用者端末が、どの記録済み端末からそのコンテンツの(直接又は他の利用者端末を介して)配布を受けたのかが、履歴情報から把握できる。また、利用要求に伴ってオフラインアクセススロットの値が送られてくる場合、その値から一次配布先の端末を特定することもできる。すなわち、利用要求を発した利用者端末が、記録済み端末から一次配布先端末を介してコンテンツファイルを受け取っていた場合、オフラインアクセススロットの値を調べることで、そのコンテンツファイルの流通経路として記録済み端末だけでなく一次配布先端末も把握することができる。オフラインアクセススロットの値を履歴情報に記録すれば、このような効果が得られる。
【0066】
なお、コンテンツID「β」を受け取った利用者端末Cでは、当該コンテンツファイルの利用が許可されると共に、当該コンテンツファイルのコンテンツIDが「β」へと更新され、オフラインアクセススロットがクリアされる。
【0067】
(11)その後、利用者端末Bがコンテンツ管理サーバ10にアクセス可能となった時に、コンテンツファイルの利用指示が入力されると、利用者端末Bは、自分の利用側固有情報「B」と、コンテンツID「α」と(場合によっては、更にオフラインアクセススロットの値「B」と)を含む利用要求をコンテンツ管理サーバ10に送る。
【0068】
(12)この利用要求に応じ、コンテンツ管理サーバ10は、新たなコンテンツID「γ」を生成し、これを利用者端末Bに返す。また、その利用要求について、図5の4番目の履歴レコードを生成し、履歴DB19に記録する。
【0069】
コンテンツID「γ」を受け取った利用者端末Bでは、当該コンテンツファイルの利用が許可されると共に、当該コンテンツファイルのコンテンツIDが「γ」へと更新され、オフラインアクセススロットがクリアされる。
【0070】
以上に説明した実施形態によれば、履歴がコンテンツ管理サーバ10に残されている記録済み端末、及びその記録済み端末から直接コンテンツの配布を受けた一次配布先端末では、オフライン状態でもそのコンテンツが利用できるので、利用者の利便性が高い。また、二次以降の配布先端末では、コンテンツのオフライン利用ができないので、不特定多数の人にコンテンツが利用されてしまうリスクを低減できる。一次配布先だけならば、記録済み端末から配布先が比較的容易に追跡できるので、セキュリティ面での問題も少ない。
【0071】
また、本実施形態では、コンテンツの取得要求又は利用要求についての履歴をコンテンツ管理サーバ10に記録するので、履歴の分析により、コンテンツの流通経路その他の解析ができる。
【0072】
また、本実施形態では、二次以降の配布先でも、コンテンツ管理サーバ10に接続可能であれば、コンテンツ管理サーバ10に利用要求を送ってその履歴を残すことで、コンテンツの利用ができる。また、コンテンツの一次配布先でも二次以降の配布先でも、コンテンツ管理サーバ10に利用要求を送って履歴を残せば、記録済み端末の権限を得ることができる。
【0073】
以上の実施形態では、コンテンツ管理サーバ10は利用者端末20からコンテンツに対する利用要求があった場合には無条件で利用を認めていたが、利用要求を認めるか否かをコンテンツ管理サーバ10で判定するようにしてもよい。例えば、各利用者の各コンテンツに対するアクセス権の有無を登録したアクセス制御リストをコンテンツ管理サーバ10に設け、コンテンツ管理サーバ10がそのアクセス制御リストに基づき、要求元の利用側固有情報に利用を認めるか否かを判定すればよい。利用を認める場合、コンテンツ管理サーバ10は、利用許可の旨と生成したコンテンツIDとを含む回答を利用者端末20に返せばよい。これを受け取った利用者端末20は上述と同様の処理を行えばよい。一方、利用を認めない場合、コンテンツ管理サーバ10は、利用不可を示す回答を利用者端末20に返す。利用不可の回答を受けた利用者端末20では、判定部28が当該コンテンツの利用を不許可とする。
【0074】
また、上記実施形態において、コンテンツ管理サーバ10がコンテンツ本体120を暗号化してコンテンツファイル100に組み込むようにしてもよい。この場合、利用者端末20側では、判定部28がそのコンテンツファイル100の利用を許可した場合にのみ、コンテンツ処理部26が暗号化されたコンテンツ本体を復号し、開くことができるようにすればよい。このように配布及び保存されるコンテンツファイル100内のコンテンツ本体を暗号化しておくことにより、コンテンツ本体がビューワ24を介さずに利用されることを防止することができる。
【0075】
また、以上の実施形態では、利用者端末20のハードウエア又はソフトウエアに固有の端末IDを用いることより、コンテンツの利用の可否を利用者端末20単位で判定した。しかし、これは1つの例である。この代わりに、利用者単位で判定を行うようにすることもできる。これには、端末IDの代わりに利用者のIDを用いればよい。利用者のIDは、利用者端末20又は本システムに対して利用者がログインする際のログイン認証などの処理により取得することができる。利用者単位で判定を行う場合、同じ利用者ならばどの端末を用いてもコンテンツに対して同じ権限が得られる。
【0076】
また、コンテンツ管理サーバ10は1つのコンピュータ上に実装される必要は必ずしもなく、各機能をネットワーク上の複数のコンピュータに分散させてもよい。例えば、コンテンツの保持及び提供の機能と、利用要求を受けて履歴を管理する機能とを、別々のコンピュータに実装するなどの実施例もあり得る。
【0077】
以上に説明したコンテンツ管理サーバ10及び利用者端末20は、典型的には、汎用のコンピュータにて上述の各部の機能又は処理内容を記述したプログラムを実行することにより実現される。コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、図10に示すように、CPU(中央演算装置)30、メモリ(一次記憶)32、各種I/O(入出力)インタフェース34等がバス36を介して接続された回路構成を有する。また、そのバス36に対し、例えばI/Oインタフェース24経由で、ハードディスクドライブ38やCDやDVD、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体を読み取るためのディスクドライブ40が接続される。このようなドライブ38又は40は、メモリに対する外部記憶装置として機能する。実施形態の処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク経由で、ハードディスクドライブ38等の固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがメモリに読み出されCPUにより実行されることにより、実施形態の処理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】コンテンツ利用管理システムの概要を示す図である。
【図2】利用者端末の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】コンテンツ管理サーバの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】コンテンツファイルのデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【図5】履歴DBに蓄積される履歴情報の一例を示す図である。
【図6】コンテンツ取得時のシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】コンテンツ利用時の利用者端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】コンテンツ利用時において利用者端末がコンテンツ管理サーバに接続可能な時のシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】コンテンツの取得・利用・配布の具体例を示す図である。
【図10】実施形態の装置が実装されるコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
10 コンテンツ管理サーバ、11 要求処理部、13 コンテンツID生成部、15コンテンツDB、17 履歴情報生成部、19 履歴DB、20 利用者端末、22 端末ID記憶部、24 ビューワ、26 コンテンツ処理部、28 判定部、100 コンテンツファイル、110 メタデータ、112 コンテンツID、114 オフラインアクセススロット、120 コンテンツ本体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ提供システムとコンテンツ利用装置とを備えるコンテンツ利用管理システムであって、
コンテンツ提供システムは、
コンテンツ利用装置に対し、そのコンテンツ利用装置又はそのコンテンツ利用装置の利用者に固有の利用側固有情報に対応したコンテンツ識別情報と、一次配布先フィールドと、を有するデジタルコンテンツを提供する提供手段、
を備え、
コンテンツ利用装置は、
利用者からデジタルコンテンツに対する利用指示を受けた場合に、そのデジタルコンテンツに含まれるコンテンツ識別情報が当該コンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報に対応している場合には当該デジタルコンテンツの利用を許可し、対応していない場合にはそのデジタルコンテンツの一次配布先フィールドの値に応じた制御処理を行う第1制御手段、
を備え、
前記第1制御手段は、当該デジタルコンテンツの一次配布先フィールドに当該コンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報が設定されている場合は当該デジタルコンテンツの利用を許可し、一次配布先フィールドが未設定の場合は当該コンテンツ利用装置又はその利用者の利用側固有情報をその一次配布先フィールドに書き込んで当該デジタルコンテンツの利用を許可し、一次配布先フィールドに当該コンテンツ利用装置又はその利用者の利用側固有情報に対応しない情報が設定されている場合は当該デジタルコンテンツの利用を許可しない、
ことを特徴とするコンテンツ利用管理システム。
【請求項2】
請求項1記載のコンテンツ利用管理システムであって、
前記コンテンツ提供システムは、
コンテンツ利用装置にデジタルコンテンツを提供した場合に、そのデジタルコンテンツのコンテンツ識別情報とそのコンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報とを含む提供履歴を記録する第1記録手段、
を備えるコンテンツ利用管理システム。
【請求項3】
請求項1記載のコンテンツ利用管理システムであって、
前記コンテンツ利用装置は、
デジタルコンテンツの利用指示を受けた場合に、前記コンテンツ提供システムにアクセスできる場合は、前記第1制御手段に制御を行わせずにそのデジタルコンテンツの利用を許可し、そのデジタルコンテンツのコンテンツ識別情報と当該コンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報とを含む利用通知を前記コンテンツ提供システムに送信する第2制御手段、
を更に備えるコンテンツ利用管理システム。
【請求項4】
請求項1記載のコンテンツ利用管理システムであって、
前記コンテンツ利用装置は、
デジタルコンテンツの利用指示を受けた場合に、前記コンテンツ提供システムにアクセスできる場合は、前記第1制御手段に制御を行わせずに、そのデジタルコンテンツのコンテンツ識別情報と当該コンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報とを含む利用通知を前記コンテンツ提供システムに送信し、その利用通知に対する前記コンテンツ提供システムからの応答に基づきそのデジタルコンテンツの利用の可否を制御する第2制御手段、
を更に備えるコンテンツ利用管理システム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のコンテンツ利用管理システムであって、
前記コンテンツ提供システムは、
前記コンテンツ利用装置から利用通知を受けた場合に、その利用通知に含まれるコンテンツ識別情報及び利用側固有情報を含んだ利用通知履歴を記録する第2記録手段、
を備えることを特徴とするコンテンツ利用管理システム。
【請求項6】
請求項3又は4に記載のコンテンツ利用管理システムであって、
前記コンテンツ提供システムは、
前記デジタルコンテンツについての前記利用通知に含まれる利用側固有情報に対応したコンテンツ識別情報を生成し、前記コンテンツ利用装置に送信する応答手段、
を備え、
前記コンテンツ利用装置は、
前記デジタルコンテンツについての前記利用通知に応じて受け取ったコンテンツ識別情報を用いて、そのデジタルコンテンツ内のコンテンツ識別情報を更新する更新手段と、
を備える、
ことを特徴とするコンテンツ利用管理システム。
【請求項7】
請求項6記載のコンテンツ利用管理システムであって、
前記コンテンツ利用装置の前記更新手段は、更新により前記デジタルコンテンツ内のコンテンツ識別情報の値が変更された場合、前記一次配布先フィールドを未設定状態へと変更する、ことを特徴とするコンテンツ利用管理システム。
【請求項8】
コンテンツ利用装置に対し、デジタルコンテンツを提供するコンテンツ提供システムであって、
前記コンテンツ利用装置に対して提供するデジタルコンテンツとして、そのコンテンツ利用装置又はそのコンテンツ利用装置の利用者に固有の利用側固有情報に対応したコンテンツ識別情報と、そのコンテンツ利用装置以外の第2のコンテンツ利用装置がそのデジタルコンテンツをオフラインで利用する場合に第2のコンテンツ利用装置の利用側固有情報が書き込まれるための一次配布先フィールドと、を有するデジタルコンテンツを生成する、
ことを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項9】
コンテンツ利用装置に対し、デジタルコンテンツを提供するコンテンツ提供システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンテンツ利用装置に対して提供するデジタルコンテンツとして、そのコンテンツ利用装置又はそのコンテンツ利用装置の利用者に固有の利用側固有情報に対応したコンテンツ識別情報と、そのコンテンツ利用装置以外の第2のコンテンツ利用装置がそのデジタルコンテンツをオフラインで利用する場合に第2のコンテンツ利用装置の利用側固有情報が書き込まれるための一次配布先フィールドと、を有するデジタルコンテンツを生成する、
ように前記コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項10】
コンテンツ提供システムから提供されるデジタルコンテンツを利用するコンテンツ利用装置であって、
利用者からデジタルコンテンツに対する利用指示を受けた場合に、そのデジタルコンテンツに含まれるコンテンツ識別情報が当該コンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報に対応している場合には当該デジタルコンテンツの利用を許可し、対応していない場合にはそのデジタルコンテンツ内の一次配布先フィールドの値に応じた制御処理を行う第1制御手段、
を備え、
前記第1制御手段は、当該デジタルコンテンツの一次配布先フィールドに当該コンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報が設定されている場合は当該デジタルコンテンツの利用を許可し、一次配布先フィールドが未設定の場合は当該コンテンツ利用装置又はその利用者の利用側固有情報をその一次配布先フィールドに書き込んで当該デジタルコンテンツの利用を許可し、一次配布先フィールドに当該コンテンツ利用装置又はその利用者の利用側固有情報に対応しない情報が設定されている場合は当該デジタルコンテンツの利用を許可しない、
ことを特徴とするコンテンツ利用装置。
【請求項11】
コンテンツ提供システムから提供されるデジタルコンテンツを利用するコンテンツ利用装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
利用者からデジタルコンテンツに対する利用指示を受けた場合に、そのデジタルコンテンツに含まれるコンテンツ識別情報が当該コンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報に対応している場合には当該デジタルコンテンツの利用を許可し、対応していない場合にはそのデジタルコンテンツ内の一次配布先フィールドの値に応じた制御処理を行う第1制御手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記第1制御手段は、当該デジタルコンテンツの一次配布先フィールドに当該コンテンツ利用装置又はその利用者に固有の利用側固有情報が設定されている場合は当該デジタルコンテンツの利用を許可し、一次配布先フィールドが未設定の場合は当該コンテンツ利用装置又はその利用者の利用側固有情報をその一次配布先フィールドに書き込んで当該デジタルコンテンツの利用を許可し、一次配布先フィールドに当該コンテンツ利用装置又はその利用者の利用側固有情報に対応しない情報が設定されている場合は当該デジタルコンテンツの利用を許可しない、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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