説明

コンテンツ情報表示制御装置及びそのプログラム

【課題】アーティストツリーに基づいて曲リストを表示するアーティストモードから、ランキングツリーに基づいて曲情報を表示するランキングモードに変更する際に、迅速に、アーティストモードで選択されていた曲が選択された状態で曲ファイルを表示すること。
【解決手段】 アーティストモードにおいて、曲を再生する際に、再生する曲の再生回数を更新し、その後、再生回数順に曲をソートし、再生する曲の再生回数順の順位を記憶しておく。従って、アーティストモードからランキングモードに変更される際に、迅速に、ランキングツリーを生成し、再生している曲にカーソルが表示された状態で曲リストを表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示させるコンテンツ情報表示制御装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
HDD等の記憶媒体に多数のコンテンツ(例えば曲ファイル)が記録されており、HDDから曲ファイルを読み出して再生するコンテンツ再生装置が提供されている。コンテンツ再生装置には、再生モードとしてアーティストモード、アルバムモード、トラックモード等、HDDに記録されているコンテンツ数が増減しない限りツリー構造が変化しない再生モードと、再生回数順にコンテンツが列挙されており、コンテンツが再生される毎に順番が変わり、ツリー構造が変化するランキングモードとが存在する。
【0003】
アーティストモードにおいて、アーティストツリーに基づいて曲リストが表示されており、再生中の(又は、選択されている)曲ファイルにカーソルが表示されている時に、再生モードがアーティストモードからアルバムモードに変更された場合には、以下の方法によって、アルバムツリーに基づいて曲リストが表示される際に、アーティストモードにおいて選択されていた曲ファイルにカーソルを表示することができる。
【0004】
図11は、左にアーティストツリーを、右はアルバムツリーをそれぞれ示す。アーティストモードにおいて、アーティストツリーのコンテンツID(3,1,4)で特定される曲ファイルが選択されて、カーソルが表示されているとする。コンテンツID(3,1,4)で特定されるアーティストツリーのノードのアドレスが0x9223であると特定する。アーティストツリーとアルバムツリーとの両方について、ノードのアドレスと、曲ファイルのdBIDとの対応関係を示すノードテーブルが保持されている。アーティストツリーのノードテーブルから、ノードのアドレス0x9223に対応するdBIDが特定される。次に、アルバムツリーのノードテーブルから、特定したdBIDに対応するノードのアドレス0x9231が特定される。つまり、選択されている曲ファイルについて、アーティストツリーのノードのアドレスから、アルバムツリーのノードのアドレスへの変換が実行される。次に、アルバムツリーにおいて、アドレスからノードを特定し、特定したノードのコンテンツID(4,21,8)を特定する。その結果、アルバムツリーに基づいて曲リストを表示する際に、コンテンツID(4,21,8)で特定される曲ファイルにカーソルを表示することができる。
【0005】
以上のように、再生モードを変更した際に、変更前の再生モードにおいて選択されていた曲ファイルを、変更後の再生モードにおける曲リストでも選択してカーソルを表示するためには、変換後の再生モードのツリー及びノードアドレス等が必要である。しかし、ランキングモードのように曲ファイルを再生する毎にランキングツリーの構造が変化する場合には、曲ファイルを再生する毎にランキングツリー及びノードテーブルを生成し直すとCPUの負荷が大きくなるので、一般的にはランキングモード以外の時には保持していない。従って、ランキングモードに変更された後に、ランキングツリーを生成し、ノードテーブルを生成し、その後、上記のように、コンテンツIDの変換処理を実行するので、変更後の再生モードにおける曲リストに基づいて曲ファイルを選択してカーソルを表示するまでに多大な処理時間がかかるという問題がある。
【0006】
また、上記の方法を使用することにより、アーティストモードにおいて、アーティストツリーに基づく曲リストを表示すると同時に、アルバムツリーに基づく曲リストを表示することができる。しかし、上記のように、アーティストモードにおいては、ランキングツリーを保持していないので、アーティストツリーに基づいて曲リストを表示すると同時に、ランキングツリーに基づいて曲リストを表示することはできない。
【0007】
また、ランキングモードにおいてランキングツリーを生成するには、再生回数順に曲ファイルをソートし、再生回数が上位所定数分の曲ファイルを抽出して、抽出した曲ファイルの識別情報に基づいてランキングツリーを生成する必要がある。従って、アーティストモードからランキングモードに変更する際に、ランキングツリーを生成するのに多大な時間がかかり、その結果、ランキングツリーに基づいて曲リストを表示するまでに多大な時間がかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2005−507133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の1つの目的は、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態から、再生回数の順番にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態に変更する際に、迅速に、第1の状態で選択されていたコンテンツが選択された状態でコンテンツの一覧を表示することができるコンテンツ情報表示制御装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1の状態において、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示し、かつ、再生回数の順番にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツの一覧を表示することができるコンテンツ情報表示制御装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態から、再生回数の順番にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態に変更する際に、迅速に、第2コンテンツ情報ツリーを生成し、第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツの一覧を表示することができるコンテンツ情報表示制御装置を提供することである。
【0012】
本発明は、上記3つの相関のある課題のうち少なくとも一つを解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ情報表示制御装置は、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態と、再生回数の順にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態とを有し、前記第1状態において、選択されたコンテンツを再生する際に、再生するコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生するコンテンツの再生回数順の順位を記憶する順位記憶手段と、前記第1状態から前記第2状態に変更する際に、第2コンテンツ情報ツリーを生成し、前記順位記憶手段で記憶されている順位によって特定されるコンテンツが選択された状態で、前記第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示させる表示制御手段とを備える。
【0014】
第1状態において、コンテンツを再生する際に、再生するコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生するコンテンツの再生回数順の順位を求めて記憶しておく。つまり、第2コンテンツ情報ツリーを生成したならば、現在再生中のコンテンツが第2コンテンツ情報ツリーにおいて位置する場所を予め算出して記憶しておく。これにより、第1状態から第2状態に変更される際に、第2コンテンツ情報ツリーを生成した後に、再生しているコンテンツが選択された状態でコンテンツの一覧を迅速に表示することができる。
【0015】
本発明の別の好ましい実施形態によるコンテンツ情報表示制御装置は、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態と、再生回数の順にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態とを有し、前記第1状態において、選択されたコンテンツを再生する際に、再生するコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生するコンテンツの再生回数順の順位を記憶する順位記憶手段と、前記第1状態において、前記第1コンテンツ情報ツリーに基づいて、再生されているコンテンツが選択された状態でコンテンツ情報の一覧を表示させ、かつ、前記順位記憶手段で記憶されている順位によって特定されるコンテンツが選択された状態で、前記第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示させる表示制御手段とを備える。
【0016】
第1状態において、コンテンツを再生する際に、再生するコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生するコンテンツの再生回数順の順位を求めて記憶する。つまり、現在再生中のコンテンツが第2コンテンツ情報ツリーにおいて位置する場所を算出して記憶する。これにより、第1状態において、第1コンテンツ情報ツリーに基づいて、再生しているコンテンツを選択した状態でコンテンツの一覧を表示すると同時に、第2コンテンツ情報ツリーに基づいて、再生しているコンテンツを選択した状態でコンテンツの一覧を表示することができる。
【0017】
好ましい実施形態においては、再生されるコンテンツが変更されたか否かを判断する再生判断手段をさらに備え、再生されるコンテンツが変更された場合、前記順位記憶手段が、変更後のコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、変更後のコンテンツの再生回数順の順位を記憶する。
【0018】
この場合、再生されるコンテンツが変更される毎に、再生中のコンテンツが第2コンテンツ情報ツリーにおいて位置する場所を算出して記憶することができる。
【0019】
好ましい実施形態においては、前記第1コンテンツ情報ツリーのノードのアドレスと、コンテンツの識別情報との対応関係を記憶するノード記憶手段をさらに備え、前記順位記憶手段が、再生するコンテンツの前記第1コンテンツ情報ツリーにおけるノードのアドレスを特定し、再生回数が上位所定数分のコンテンツの識別情報をメモリに記憶し、特定したノードのアドレスに対応するコンテンツの識別情報を特定し、特定した識別情報の前記メモリに記憶されている再生回数順の順位を、再生するコンテンツの再生回数順の順位として記憶する。
【0020】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によるコンテンツ情報表示制御装置は、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態と、再生回数の順にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態とを有し、前記第1状態において、選択されたコンテンツを再生する際に、再生するコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生回数が上位所定数分のコンテンツの識別情報を記憶する順位記憶手段と、前記第1状態から前記第2状態に変更する際に、前記順位記憶手段によって記憶されているコンテンツの識別情報を使用して、前記第2コンテンツ情報ツリーを生成し、生成した前記第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示させる表示制御手段とを備える。
【0021】
第1状態において、コンテンツを再生する際に、再生するコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生回数が上位所定数分のコンテンツの識別情報を記憶しておく。つまり、第2コンテンツ情報ツリーを生成したならば第2コンテンツ情報ツリーに含められるコンテンツの識別情報を予め記憶しておく。これにより、第1状態から第2状態に変更される際に、記憶されている再生回数が上位所定数分のコンテンツの識別情報に基づいて第2コンテンツ情報ツリーを生成するので、迅速に第2コンテンツ情報ツリーを生成することができ、第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツの一覧を迅速に表示することができる。
【0022】
好ましい実施形態においては、再生されるコンテンツが変更されたか否かを判断する再生判断手段をさらに備え、再生されるコンテンツが変更された場合、前記順位記憶手段が、変更後のコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生回数が上位所定数分のコンテンツの識別情報を記憶する。
【0023】
この場合、再生されるコンテンツが変更される毎に、ランキングツリーに含めるべきコンテンツの識別情報を記憶し直すことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態から、再生回数の順番にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態に変更する際に、迅速に、第1の状態で選択されていたコンテンツが選択された状態でコンテンツ情報の一覧を表示することができる。
【0025】
本発明によると、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1の状態において、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示し、かつ、再生回数の順番にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報を表示することができる。
【0026】
本発明によると、第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態から、再生回数の順番にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態に変更する際に、迅速に、第2コンテンツ情報ツリーを生成し、第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツの一覧を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置を示すブロック図である。
【図2】(a)はコンテンツ情報DBを示す図であり、(b)コンテンツ情報DBを再生回数順にソートした状態を示す図である。
【図3】アーティストツリーを示す図である。
【図4】ランキングツリーを示す図である。
【図5】アーティストツリーのノードテーブルを示す図である。
【図6】アーティストモードで表示される曲リストを示す図である。
【図7】CPU1のコンテンツ情報表示制御処理を示すフローチャートである。
【図8】ランキングモードで表示される曲リストを示す図である。
【図9】アーティストモードで表示される曲リストを示す図である。
【図10】CPU1のコンテンツ情報表示制御処理を示すフローチャートである。
【図11】CPU1のコンテンツ情報表示制御処理を示すフローチャートである。
【図12】dBIDテーブルを示す図である。
【図13】アーティストツリーからアルバムツリーに変換する処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0029】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置(以下、再生装置という。)100を示すブロック図である。再生装置100は、CPU1、RAM2、ROM3、HDD等のコンテンツ記憶部4、再生部5、表示部6、及び、操作部7を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。また、再生部5には、図示しないスピーカーが接続されている。コンテンツは、映像(画像)データ、及び/又は、音声(音楽、曲)データの総称であるが、本例では、曲ファイル(トラックともいう。)である。
【0030】
HDD4には複数の曲ファイルが記録されている。HDD4に記録されている曲ファイルは、CPU1の指示によって読み出され、再生部5によって再生処理(例えば、デコード処理、D/A変換、増幅処理等)が実行される。再生部5によって再生された音楽信号はスピーカーに供給され、音声が出力される。
【0031】
HDD4には、図2に示すコンテンツ情報データベース(以下、コンテンツ情報DBという。)が格納されている。コンテンツ情報DBには、HDD4に記録されている全曲ファイルに関して、複数カテゴリのコンテンツ情報が格納されている。複数カテゴリのコンテンツ情報には、アーティスト名、アルバム名、曲名等のメタデータ、dBID、及び、再生回数等が含まれる。dBIDは、曲ファイルを示す識別情報であり、曲ファイルがHDD4に記録される際に付与される。再生回数は、曲ファイルの再生回数を示し、例えば曲ファイルを再生開始したとき、又は、再生終了したとき等に1増加される。
【0032】
表示部6は、曲ファイルのコンテンツ情報(曲名、アーティスト名、アルバム名等)の一覧である曲リストを表示するものであり、LCD(液晶ディスプレイ)やFL管等である。操作部7は、ユーザ操作を受け付けるものであり、操作ボタンやリモコン送受信機等である。ユーザが操作部7を操作して表示部6に表示された曲リストを参照し再生すべき曲ファイルを選択することにより、再生部5は選択された曲ファイルを再生する。また、再生部5は、選択された曲ファイルを再生し終えると、曲リストにおける次の曲ファイルを選択して再生する。
【0033】
CPU1は、再生装置100全体を制御するものであり、ROM3またはHDD4に格納されたプログラム(例えば、コンテンツ情報表示制御プログラム等)をRAM2内に読み出して実行することにより、後述するコンテンツ情報表示制御処理を実行する。
【0034】
再生装置100には、複数の再生モードが設けられている。再生モードは、曲ファイルを選択する際に、複数カテゴリのコンテンツ情報の内、最初にどのコンテンツ情報を使って曲ファイルを選択するかを示すものである。例えば、再生モードには、アーティストモード、アルバムモード、トラックモード、ランキングモード等が含まれる。
【0035】
アーティストモードは、最初に五十音順及び/又はアルファベット順でアーティスト名の一覧が表示され、1又は複数のアーティスト名の中から1つのアーティスト名を選択し、次に、選択されたアーティスト名で特定される1又は複数のアルバム名の中から1つのアルバム名を選択し、次に、選択されたアルバム名で特定される1又は複数の曲名の中から1つの曲名を選択する再生モードである。アルバムモードは、最初に五十音順及び/又はアルファベット順でアルバム名の一覧が表示され、1又は複数のアルバム名の中から1つのアルバム名を選択し、次に、選択されたアルバム名で特定される1又は複数の曲名の中から1つの曲名を選択する再生モードである。トラックモードは、最初に五十音順及び/又はアルファベット順で曲名の一覧が表示され、1又は複数の曲名の中から1つの曲名を選択する再生モードである。ランキングモードは、最初に再生回数順で曲名の一覧が表示され、1又は複数の曲名の中から1つの曲名を選択する再生モードである。
【0036】
各再生モードで曲ファイルを選択する場合に、CPU1は、各カテゴリに対応するツリーを生成する。例えば、アーティスモードで曲ファイルを選択する場合には、CPU1は、図3に示すアーティストツリー(第1のコンテンツ情報ツリー)を生成する。ランキングモードで曲ファイルを選択する場合には、CPU1は、図4に示すランキングツリー(第2のコンテンツ情報ツリー)を生成する。同様に、アルバムモードにおいてはアルバムツリー(第1のコンテンツ情報ツリー)が生成され、トラックモードにおいてはトラックツリー(第1のコンテンツ情報ツリー)が生成される。
【0037】
ツリーは、曲ファイルの一覧である曲リストを生成するため、RAM2内に一時的に生成される情報であり、複数の階層構造(本例では4階層)を有する。ツリーは、上位の階層から順に、root階層、Folder階層、Album階層、Track階層の各ノードを含み、各階層のノードには数字(0又は1から始まる番号)が付与される。root階層は、ツリーがどのカテゴリのコンテンツ情報に関するツリーであるかを示す。root階層の数字は、例えば、アーティストツリーの場合は3であり、アルバムツリーの場合は4であり、トラックツリーの場合は5であり、ランキングツリーの場合は9である。
【0038】
Folder階層は、例えばアーティスト名を示す階層であり、図3のアーティストツリーにおいては、アーティストAのノードは数字が1であり、アーティストBのノードは数字が2である。図4のランキングツリーにおいては、Folder階層のノードは常に数字が1に固定されている。アルバムツリー及びトラックツリーでは、アーティスト名による絞り込みを行わないので、Folder階層のノードは使用されない。
【0039】
Album階層は、アルバム名を示す階層であり、図3のアーティストツリーにおいては、アルバムA−1のノードは数字1であり、アルバムA−2のノードは数字2であり、アルバムB−1のノードは1である。つまり、同一アーティスト名から分岐したアルバム名についてそれぞれ1から順に数字が付与される。例えば、アーティストCのアルバム名が10個存在する場合には、それぞれのアルバム名のノードに1〜10の数字が付与される。図4のランキングツリーにおいては、Album階層のノードは常に数字が1に固定されている。アルバムツリーにおいては、アーティスト名とは無関係に、各ノードに順番に数字が付与されている。トラックツリーにおいては、アルバム名によって絞り込みを行わないので、Album階層は使用されない。
【0040】
Track階層は、曲名を示す階層であり、図3のアーティストツリーにおいては、トラックA−1−1のノードは数字が1であり、トラックA−1−2のノードは数字が2であり、トラックA−1−7のノードは数字が7であり、トラックA−2−1のノードは数字が1であり、トラックB−1−1のノードは数字が1であり、トラックB−1−2のノードは数字が2である。つまり、同一アルバム名から分岐された曲名についてそれぞれ1から順に数字が付与される。例えば、アルバムCの曲名が13個存在する場合には、それぞれの曲名のノードに1〜13の数字が付与される。図4のランキングツリーにおいては、再生回数順(例えば降順)に曲名がソートされ、各ノードに数字が1から順に付与される。例えば、トラックA−1−3のノードは数字が1であり、トラックA−1−7のノードは数字が2であり、トラックB−2−1のノードは数字が3である。アルバムツリーでは、各アルバム名から分岐した各曲名のノードに1から順に数字が付与され、トラックツリーでは五十音順及びアルファベット順に曲名がソートされ、各曲名のノードに数字が1から順に付与される。
【0041】
ツリーの各階層のノードに付与された数字を使って、各曲ファイルにはコンテンツIDが付与される。つまり、root階層の数字をa、Folder階層の数字をb、Album階層の数字をc、Track階層の数字をdとすると、コンテンツIDは(a,b,c,d)で表される。例えば、図3のアーティストツリーにおいては、トラックA−1−1は(3,1,1,1)であり、トラックA−1−2は(3,1,1,2)であり、トラックA−1−7は(3,1,1,7)であり、トラックA−2−1は(3,1,2,1)であり、トラックB−1−1は(3,2,1,1)であり、トラックB−1−2は(3,2,1,2)である。図4のランキングツリーにおいては、トラックA−1−3は(9,1,1,1)であり、トラックA−1−7は(9,1,1,2)であり、トラックB−2−1は(9,1,1,3)である。このように、同じ曲名であっても、生成されるツリーによってコンテンツIDは異なっている。
【0042】
CPU1は、RAM2に保存される各ツリーのTrack階層のノード領域に、曲ファイルのdBIDを記憶する。また、CPU1は、RAM2内のノードテーブルに、各ツリーのTrack階層のノードのアドレスと、そのノードに記憶したdBIDとの対応関係を登録する。図5は、アーティストツリーにおけるノードテーブルを示す。例えば、アーティストツリーのノードのアドレス0x9223は、dBIDが453の曲ファイルを指すことを意味している。
【0043】
CPU1は、ユーザ操作によって、アーティストモード(又は、アルバムモード、トラックモード)等の、HDD4に記録されている曲ファイルが増減しない限りツリー構造が変更されない再生モード(第1状態)から、ランキングモード等の曲ファイルが再生される毎にツリー構造が変更される再生モード(第2状態)に変更された際に、アーティストモードにおいて、表示されている曲リストで選択されカーソルが表示されている曲名を、変更後のランキングモードにおいて表示されている曲リストにおいて、迅速に選択しカーソルを表示させることができる。
【0044】
詳細には、CPU1は、アーティストモードにおいて、選択された曲ファイルを再生する際に、再生する曲ファイルのコンテンツ情報DBにおける再生回数を更新し、その後、再生回数順に曲ファイルをソートし、再生する曲ファイルの再生回数順の順位をRAM2に予め記憶しておく。その結果、アーティストモードからランキングモードに変更する際に、ランキングツリーを生成した後、RAM2に記憶されている順位によって特定される曲ファイルを曲リストから選択することにより、ランキングモードで曲リストを表示する際に迅速にアーティストモードで選択していた曲ファイルを選択しカーソルを表示することができる。
【0045】
以上の構成を有する再生装置100において、アーティストモード(アルバムモードやトラックモードについても同様。)からランキングモードに変更される際の表示処理について説明する。
【0046】
図6は、アーティストモードにおいて表示される曲リストを示す図である。図7は、CPU1の処理を示すフローチャートである。まず、ユーザ操作によってアーティストモードが選択されると(S1)、アーティストツリーに基づいて曲リストが生成され、図6に示すように表示される。図6では、アーティストA、アルバムA−1の曲名が4つ(トラックA−1−1〜A−1−4)表示されており、これ以外の曲名はカーソルを移動させるとスクロールされて表示される。表示されている4つの曲名は図3のアーティストツリーにおけるコンテンツIDが(3,1,1,1)〜(3,1,1,4)の曲名に対応している。
【0047】
図6において例えばトラックA−1−2が選択され(カーソルが表示され)、再生指示が入力されると、CPU1は、トラックA−1−2をHDD4から読み出して再生部5に再生開始させる(S2)。CPU1は、再生する曲ファイルのコンテンツIDをアーティストツリーから特定し、RAM2内の変数pID(present Content ID)に保持する。ここでは、トラックA−1−2が再生されているので、図3のアーティストツリーを参照し、コンテンツID(3,1,1,2)がpIDに保持される。
【0048】
次に、CPU1は、コンテンツ情報DBにおいて、再生されている曲ファイルの再生回数を1増加するように、再生回数を更新する(S4)。例えば、トラックA−1−2の再生回数が40であれば、図2に示すようにトラックA−1−2の再生回数を41に更新する。
【0049】
再生回数を更新すると、再生回数の順位が変動し、ランキングツリーの構造が変更される可能性がある。従って、CPU1は、再生回数の多い順(降順)にコンテンツ情報DBから所定数分のdBIDを読み出して、RAM2内のbuf[]に保持する(S5)。所定数は、ランキングツリーに基づいて生成される曲リストの曲数であり、例えば10である。詳細には、図2(a)のコンテンツ情報DBを図2(b)のように再生回数が多い順にソートする。そして、再生回数の順位が上位10までの曲ファイルのdBIDを再生回数順で読み出して、buf[]に保持する。ここでは、dBIDが1250,88,123,・・・3412が読み出される。
【0050】
CPU1は、S3で保持したpIDに対応するアーティストツリーにおけるノードのアドレスを特定し、さらに、ノードのアドレスに対応するdBIDを図5のノードテーブルを参照して特定し、このdBIDをartdbIDとする(S6)。ここでは、図5を参照し、pID(3,1,1,2)に対応するdBIDとして161がartdbIDとして特定される。
【0051】
次に、CPU1は、buf[]内にartdbIDと一致するdBIDが存在するか否かを判断する(S7)。つまり、アーティストモードにおいて現在再生されている曲ファイルが、再生回数を更新した後のランキングツリーにおいて存在するか否かが判断される。
【0052】
buf[]内にartdbIDと一致するdBIDが存在しない場合(S7でNO)、S9に進む。一方、buf[]内にartdbIDと一致するdBIDが存在する場合(S7でYES)、CPU1は、一致するdBIDのbuf[]内における順位を取得し、変数numに代入する(S8)。つまり、アーティストモードにおいて現在再生中の曲ファイルが、ランキングツリーでは再生回数が多い順に何番目に該当するかを調べ、記憶する。ここでは、dBIDが161であるので、再生回数の多い順番として9が変数numに保持される。
【0053】
CPU1は、アーティストモードにおいて、現在再生中の曲が再生を終了し(又は、ユーザの曲選択指示、又は、スキップ指示に応じて)、再生する曲を次の曲に進めるか否かを判断する(S9)。再生する曲を次の曲に進める場合には(S9でYES)、S2に戻って、上記の処理を再度実行する。つまり、アーティストモードで再生する曲が変更される毎に、再生回数を更新し、かつ、現在再生中の曲ファイルがランキングツリーにおいて再生回数が多い順の何番目に該当するかを記憶する。
【0054】
一方、再生する曲を次の曲に進めない場合には(S9でNO)、CPU1は、ユーザ操作によって再生モードがアーティストモードからランキングモードに変更されるか否かを判断する(S10)。再生モードが変更されない場合(S10でNO)、S9に戻る。一方、再生モードがランキングモードに変更される場合(S10でYES)、CPU1は、図4に示すランキングツリーを生成する(S11)。CPU1は、ランキングツリーに基づいて曲リストを生成し、表示させ、コンテンツIDが(9,1,1,num)で特定される曲ファイルを選択し、カーソルを表示させる。ここでは、num=9であるので、コンテンツIDが(9,1,1,9)で特定される曲ファイルにカーソルが表示される。すなわち、図8に示すように、ランキングツリーに基づく曲リスト(再生回数の多い順の曲リスト)が表示され、再生回数が多い順番が9番目であるトラックA−1−2にカーソルが表示されている。なお、図8では、曲リストに、(9,1,1,num−3)〜(9,1,1,num+1)の曲名が表示されている。
【0055】
以上のように、図6に示すようにアーティストツリーに基づく曲リストでトラックA−1−2にカーソルが表示されている状態で、ランキングモードに変更されたとき、図8に示すようにランキングツリーに基づく曲リストにおいても同じ曲ファイルであるトラックA−1−2にカーソルが表示されるので、ユーザは曲ファイルの選択操作が非常に分かりやすくなる。また、選択すべき曲ファイルのランキングツリーにおける順位を記憶しておくことにより、迅速に曲リストにカーソルを表示することができる。
【0056】
次に、本発明の別の好ましい実施形態について説明する。本例では、アーティストモードで曲ファイルを再生しているときに、アーティストツリーに基づく曲ファイルを表示すると同時に、ランキングツリーに基づく曲リストを表示することができる。本例では、アーティストモードにおいてもランキングツリーに基づく曲リストを表示するために、図4に示すランキングツリーは常にRAM2内に保持されている。図9は、アーティストモードにおいて表示される曲リストを示す図であり、左側はアーティストツリーに基づく曲リストであり、右側はランキングツリーに基づく曲リストである。アーティストモードにおいて、トラックA−1−2が選択されて再生している際に、ランキングツリーに基づく曲リストにおいても同じトラックA−1−2が選択されてカーソルが表示される。従って、再生中の曲ファイルのランキングモードにおける再生回数の順位を知ることができる。
【0057】
図10は、CPU1の処理を示すフローチャートである。まず、ユーザ操作によってアーティストモードが選択されると(S21)、アーティストツリーに基づく曲リストが図9左側に示すように表示される(S22)。図9左側において例えばトラックA−1−2が選択され、カーソルが表示され、再生指示が入力されると、CPU1は、トラックA−1−2をHDD4から読み出して再生部5に再生開始させる(S22)。CPU1は、再生中の曲ファイルのコンテンツIDをアーティストツリーから特定し、変数pIDに保持する(S23)。ここでは、トラックA−1−2が再生されているので、コンテンツID(3,1,1,2)がpIDに保持される。
【0058】
次に、CPU1は、コンテンツ情報DBにおいて、再生されている曲ファイルの再生回数を1増加するように再生回数を更新する(S24)。例えば、トラックA−1−2の再生回数が40であれば、図2に示すようにトラックA−1−2の再生回数を41に更新する。
【0059】
再生回数を更新すると、ランキングツリーの構造が変更される可能性がある。従って、CPU1は、再生回数の多い順(降順)にコンテンツ情報DBから所定数のdBIDを読み出して、ランキングツリーのTrack階層のノードに上から順番に(番号が1のノードから順番に)格納する(S25)。詳細には、まず、図2(a)のコンテンツ情報DBを図2(b)のように再生回数が多い順にソートする。そして、再生回数が上位10までの曲ファイルのdBIDをこの順番で読み出して、ランキングツリーのTrack階層のノードに順番に保持する。ここでは、dBIDが1250,88,123,・・・3412が読み出される。
【0060】
CPU1は、S23で保持したpIDに対応するアーティストツリーにおけるノードのアドレスを特定し、さらに、ノードのアドレスに対応するdBIDを図5のノードテーブルを参照して特定し、artdbIDとする(S26)。ここでは、図5を参照し、pID(3,1,1,2)に対応するdBIDとして161がartdbIDとして特定される。
【0061】
次に、CPU1は、ランキングツリーのTrack階層のノードにartdbIDと一致するdBIDが存在するか否かを判断する(S27)。つまり、アーティストモードにおいて現在再生されている曲ファイルが、再生回数を更新した後のランキングツリーにおいて存在するか否かが判断される。
【0062】
ランキングツリーのTrack階層のノードにartdbIDと一致するdBIDが存在しない場合(S27でNO)、アーティストモードにおいて現在再生されている曲ファイルは、新たなランキングツリーに基づく曲リストには含まれない。従って、CPU1は、新たなランキングツリーを生成し、ランキングツリーに基づく曲リストを表示し直すが、曲ファイルを選択することができず、カーソルを非表示にする(S30)。
【0063】
一方、ランキングツリーのTrack階層のノードにartdbIDと一致するdBIDが存在する場合(S27でYES)、CPU1は、一致するdBIDのランキングツリーのTrack階層のノードにおける数字を取得し、変数numに代入する(S28)。つまり、アーティストモードにおいて現在再生中の曲ファイルが、ランキングツリーでは再生回数が多い順に何番目に該当するかを調べ、記憶する。ここでは、dBIDが161であるので、ランキングツリーのTrack階層の数字が9のノードに当該dBIDが保持されており、再生回数の多い順番として9が変数numに保持される。
【0064】
CPU1は、図4に示すランキングツリーを生成し、ランキングツリーに基づく曲リストを表示し、コンテンツIDが(9,1,1,num)で特定される曲ファイルを選択してカーソルを表示させる。例えば、曲リストには、(9,1,1,num−3)〜(9,1,1,num+1)の5つの曲ファイルの曲名が表示されている。ここでは、num=9であるので、コンテンツIDが(9,1,1,9)で特定される曲ファイルにカーソルが表示される。すなわち、図9右側に示すように、ランキングツリーに基づく曲リスト(再生回数の多い順の曲リスト)が表示され、再生回数が多い順番が9番目であるトラックA−1−2にカーソルが表示されている。
【0065】
CPU1は、アーティストモードにおいて、現在再生中の曲が再生を終了し(又は、ユーザの曲選択指示、又は、スキップ指示に応じて)、再生する曲を次の曲に進めるか否かを判断する(S31)。再生する曲を次の曲に進める場合には(S31でYES)、S22に戻って、上記の処理を再度実行する。つまり、アーティストモードで再生する曲が変更される毎に、再生回数を更新し、現在再生中の曲ファイルがランキングツリーにおいて再生回数が多い順の何番目に該当するかを記憶し、ランキングツリーを再構築し、ランキングツリーに基づく曲リストを表示し直し、現在再生中の曲ファイルにカーソルを表示する。
【0066】
以上のように、アーティストモードで曲ファイルを再生しているときに、アーティストツリーに基づく曲リストを表示すると同時に、ランキングツリーに基づく曲リストを表示することができ、かつ、ランキングツリーに基づく曲リストにおいて、現在再生中の曲ファイルにカーソルを表示することができる。
【0067】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本例では、アーティストモードからランキングモードに変更された際に、迅速にランキングツリーを生成し、ランキングツリーに基づく曲リストを表示する。
【0068】
図11は本例の処理を示すフローチャートである。まず、ユーザ操作によってアーティストモードが選択されると(S41)、アーティストツリーに基づいて曲リストが生成され、図6に示すように表示される。図6では、アーティストA、アルバムA−1の曲名が4つ(トラックA−1−1〜A−1−4)表示されており、これ以外の曲名はカーソルを移動させるとスクロールされて表示される。表示されている4つの曲名は図3のアーティストツリーにおけるコンテンツIDが(3,1,1,1)〜(3,1,1,4)の曲名に対応している。
【0069】
図6において例えばトラックA−1−2が選択され(カーソルが表示され)、再生指示が入力されると、CPU1は、トラックA−1−2をHDD4から読み出して再生部5に再生開始させる(S42)。CPU1は、コンテンツ情報DBにおいて、再生されている曲ファイルの再生回数を1増加するように、再生回数を更新する(SS43)。例えば、トラックA−1−2の再生回数が40であれば、図2に示すようにトラックA−1−2の再生回数を41に更新する。
【0070】
再生回数を更新すると、再生回数の順位が変動し、ランキングツリーの構造が変更される可能性がある。従って、CPU1は、再生回数の多い順(降順)にコンテンツ情報DBから所定数分のdBIDを読み出して、RAM2内のdBIDテーブル(図12参照)に格納する(S44)。所定数は、ランキングツリーに基づいて生成される曲リストの曲数であり、例えば10である。詳細には、図2(a)のコンテンツ情報DBを図2(b)のように再生回数が多い順にソートする。そして、再生回数の順位が上位10までの曲ファイルのdBIDを再生回数順で読み出して、dBIDテーブルに格納する。ここでは、dBIDが1250,88,123,・・・3412が読み出され、dBIDテーブルに格納される。
【0071】
CPU1は、アーティストモードにおいて、現在再生中の曲が再生を終了し(又は、ユーザの曲選択指示、又は、スキップ指示に応じて)、再生する曲を次の曲に進めるか否かを判断する(S45)。再生する曲を次の曲に進める場合には(S45でYES)、S42に戻って、上記の処理を再度実行する。つまり、アーティストモードで再生する曲が変更される毎に、再生回数を更新し、かつ、再生回数が多い順に曲ファイルをソートして、上位10のdBIDをdBIDテーブルに格納する。
【0072】
一方、再生する曲を次の曲に進めない場合には(S45でNO)、CPU1は、ユーザ操作によって再生モードがアーティストモードからランキングモードに変更されるか否かを判断する(S46)。再生モードが変更されない場合(S46でNO)、S45に戻る。一方、再生モードがランキングモードに変更される場合(S46でYES)、CPU1は、図4に示すランキングツリーを生成する(S47,S48)。詳細には、ランキングツリーの固定ノード(図4のランキングツリーにおいて、root階層、Folder階層、Album階層の各ノード)を生成する(S47)。続いて、CPU1は、図4のランキングツリーのTrackノードをdBIDテーブルの行数分(つまりランキングツリーの曲数分)生成し、各Trackノードに順番にdBIDテーブル内のdBIDを保持させる。図12ではdBIDテーブルは10行であるので、10個のTrackノードを生成し、dBIDを登録する。
【0073】
続いて、CPU1は、ランキングツリーに基づいて曲リストを生成し、表示させる(S49〜S51)。詳細には、CPU1は、曲リストに表示させる曲ファイルのコンテンツIDを特定する(S49)。例えば、コンテンツID(9,1,1,1)〜(9,1,1,5)が特定される。次に、CPU1は、コンテンツIDで特定されるランキングツリーのノードからdBIDを読み出す(S50)。例えば、1250,88,123,166,803のdBIDが読み出される。最後に、CPU1は、読み出したdBIDに対応するコンテンツ情報(例えば曲名)をコンテンツ情報DBから読み出して、曲リストを生成し、表示させる(S51)。
【0074】
以上のように、アーティストモードにおいて、ランキングツリーを生成するために必要なdBIDテーブルを保持しているので、アーティストモードからランキングモードに変更する際に、dBIDテーブルに登録されているdBIDに基づいて、迅速にランキングツリーを生成し、ランキングツリーに基づいて曲リストを表示することができる。つまり、アーティストモードからランキングモードに変更された後で、再生回数順に曲ファイルをソートすることや、上位10の曲ファイルのdBIDの抽出処理を実行する必要がなく、処理が迅速になる。また、アーティストモードにおいて、ランキングツリーを保持していないので、再生する曲ファイルが変更される毎にランキングツリーを生成し直し、CPU1の負荷が大きくなることを防止できる。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。再生装置100は、HDD4を内蔵していなくてもよく、外部から挿入されるメモリカードに記録されたコンテンツを再生するもの、又は、ネットワーク経由でサーバから取得したコンテンツを再生するものでもよい。ランキングツリーは、再生回数の少ない順(昇順)にソートされたツリーでもよい。また、再生回数の多い順又は少ない順は、所定期間(例えば6ヶ月間)の再生回数であってもよく、HDD4にその曲ファイルが記録されてからの累積の再生回数でもよい。本発明は、上記のコンテンツ再生装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明はHDD等の記憶媒体を備えたコンテンツ再生装置やPC等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0077】
100 コンテンツ再生装置
1 CPU
2 RAM
3 ROM
4 HDD
5 再生部
6 表示部
7 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態と、再生回数の順にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態とを有し、
前記第1状態において、選択されたコンテンツを再生する際に、再生するコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生するコンテンツの再生回数順の順位を記憶する順位記憶手段と、
前記第1状態から前記第2状態に変更する際に、第2コンテンツ情報ツリーを生成し、前記順位記憶手段で記憶されている順位によって特定されるコンテンツが選択された状態で、前記第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示させる表示制御手段とを備える、コンテンツ情報表示制御装置。
【請求項2】
第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態と、再生回数の順にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態とを有し、
前記第1状態において、選択されたコンテンツを再生する際に、再生するコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生するコンテンツの再生回数順の順位を記憶する順位記憶手段と、
前記第1状態において、前記第1コンテンツ情報ツリーに基づいて、再生されているコンテンツが選択された状態でコンテンツ情報の一覧を表示させ、かつ、前記順位記憶手段で記憶されている順位によって特定されるコンテンツが選択された状態で、前記第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示させる表示制御手段とを備える、コンテンツ情報表示制御装置。
【請求項3】
再生されるコンテンツが変更されたか否かを判断する再生判断手段をさらに備え、
再生されるコンテンツが変更された場合、前記順位記憶手段が、変更後のコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、変更後のコンテンツの再生回数順の順位を記憶する、請求項1または2に記載のコンテンツ情報表示制御装置。
【請求項4】
前記第1コンテンツ情報ツリーのノードのアドレスと、コンテンツの識別情報との対応関係を記憶するノード記憶手段をさらに備え、
前記順位記憶手段が、再生するコンテンツの前記第1コンテンツ情報ツリーにおけるノードのアドレスを特定し、再生回数が上位所定数分のコンテンツの識別情報をメモリに記憶し、特定したノードのアドレスに対応するコンテンツの識別情報を特定し、特定した識別情報の前記メモリに記憶されている再生回数順の順位を、再生するコンテンツの再生回数順の順位として記憶する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ情報表示制御装置。
【請求項5】
第1コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第1状態と、再生回数の順にコンテンツをソートした第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示する第2状態とを有し、
前記第1状態において、選択されたコンテンツを再生する際に、再生するコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生回数が上位所定数分のコンテンツの識別情報を記憶する順位記憶手段と、
前記第1状態から前記第2状態に変更する際に、前記順位記憶手段によって記憶されているコンテンツの識別情報を使用して、前記第2コンテンツ情報ツリーを生成し、生成した前記第2コンテンツ情報ツリーに基づいてコンテンツ情報の一覧を表示させる表示制御手段とを備える、コンテンツ情報表示制御装置。
【請求項6】
再生されるコンテンツが変更されたか否かを判断する再生判断手段をさらに備え、
再生されるコンテンツが変更された場合、前記順位記憶手段が、変更後のコンテンツの再生回数を更新し、その後、再生回数順にコンテンツをソートし、再生回数が上位所定数分のコンテンツの識別情報を記憶する、請求項5に記載のコンテンツ情報表示制御装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のコンテンツ情報表示制御装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ情報表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−257368(P2010−257368A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108896(P2009−108896)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】