説明

コンテンツ提供システム、コンテンツ提供方法、この方法を実行するプログラムおよびこのプログラムを格納した記録媒体

【課題】 ネットワーク上のコンテンツに接続する際のユーザの利便性を向上できるコンテンツ提供システム、コンテンツ提供方法、この方法を実行するプログラムおよびこのプログラムを格納した記録媒体を提供すること。
【解決手段】 ユーザ10が操作するユーザ端末11,12から接続可能なネットワーク13には、ウェブサイト41〜45としてコンテンツを提供するコンテンツサーバ31〜33とこれらへの接続情報を記録するCIDサーバ39とが接続されている。CIDサーバ39は、共通コンテンツコードであるCID399に端末種別毎の複数のCID398等(専用コンテンツコード)を関連付けたCIDレコード392をCIDデータベース391に蓄積しており、出力媒体コードにより端末種別を特定することで最適なコンテンツが指定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ提供システム、コンテンツ提供方法、この方法を実行するプログラムおよびこのプログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるインターネットには多数のウェブサイトが開設されている。各ウェブサイトではWWW(World Wide Web)形式を用いて様々なコンテンツが公開されており、インターネットに接続したユーザは世界中のウェブサイトのコンテンツを自由に閲覧できるようになっている。
ウェブサイトにおいては、インターネットに接続されたサーバにウェブサイトを構成する一連のファイルを格納し、外部からの閲覧要求に対して各ファイルに記録されたコンテンツを返すようになっている。
【0003】
このようなウェブサイトのコンテンツ利用は、いわゆるパーソナルコンピュータ上で動作するウェブブラウザ等の汎用閲覧ソフトウェアを用いて行われることが一般的である。しかし、近年ではコンテンツを利用するための機器の多様化が進んでおり、例えば家庭用テレビジョン装置、表示機能つき固定電話機、ファクシミリ装置、データ通信機能付きの携帯電話、あるいはカーナビゲーション装置などの車載用コンピュータシステム等からも利用できるようになっている。
【0004】
ところで、インターネット上の各ウェブサイトに公開された膨大なコンテンツに辿り着くために、一般にURL(Universal Resource Locator)と呼ばれるファイル位置およびプロトコルを指定する情報を用いている。
このURLは、一般に「http:」等の参照プロトコルの指定と「www.server.co.jp」等サーバ識別情報および「index.htm」等のファイル識別情報とを含み、区切り記号を含めて「http://www.server.co.jp/index.htm」等の形式で日常的によく知られるものとなっている。
【0005】
このようなURLは、ネットワーク上に公開されたコンテンツ等に記載されるだけでなく、企業等のパンフレットや社員の名刺等に記載され、あるいは雑誌広告やテレビ番組の宣伝等にも表示され、その企業のウェブサイトへの接続を促すものとしてきわめて一般化したものとなっている。
【0006】
ところで、前述したように、URLはコンテンツを格納したファイルの位置等を指定する情報であり、コンテンツそのものを指定するものではない。つまり、「AサーバのB区画に置かれたCというファイル」という指定であって、「D社のEサービスについて説明したページ」という指定ではない。
このため、サーバ側でファイル位置を移動した場合、過去に接続したユーザが同位置のファイルを探しても捕捉できない、あるいは同ファイル名だが異なるコンテンツを閲覧することがある。そして、ユーザは意図したコンテンツを改めて探さなくてはならない。
【0007】
このような問題に対して、コンテンツのファイル位置ではなくコンテンツ毎に設定されるCID(コンテンツ識別子)を用い、このCIDをCIDサーバに蓄積しておき、ユーザが適宜CIDを参照することにより。簡単かつ確実に所望のコンテンツを閲覧できるようにするシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
このようなCIDサーバでは、コンテンツサーバからの要望に基づいてコンテンツに対してCIDを割り当て、ユニークなCIDの下にコンテンツとそのURL等とを含むCIDレコードを作成し、これらを蓄積する。
そして、何れかのコンテンツサーバにおいて登録済コンテンツのファイル位置が変更された場合等、その変更情報に基づいてCIDサーバではCIDレコードの該当部分の更新を行う。
【0009】
これにより、ユーザは何らかのコンテンツが必要な場合、過去に記録しておいたCIDを参照すれば、CIDサーバから該当CIDに対応する常に最新のURLが得られ、所望のコンテンツを簡単かつ確実に閲覧することができる。
【0010】
【特許文献1】特開2002−14969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、前述した従来のCIDの利用システムにおいては、次のような問題がある。
すなわち、CIDサーバがCIDを設定するのは、コンテンツを提供するコンテンツサーバ側から要望されたコンテンツに限られていた。このため、ユーザが要望する任意のコンテンツに対してCIDが登録されていないことがあり、CIDの利便性を十分に得られないことがある。
【0012】
また、近年ではコンテンツを利用するための機器が多様化しているにも拘わらず、各機器間でCIDを効率的に利用できるようになっていない。
例えば、パーソナルコンピュータであるコンテンツを閲覧した後、同じコンテンツをパーソナルコンピュータで再度閲覧する場合、このコンピュータの履歴に残っているCIDをそのまま利用可能である。しかし、同じコンテンツを携帯電話で利用しようとすると、例えばコンピュータ側からCIDをメモしてメールで送る等の操作が必要であったりする。このように、従来のCIDを用いるシステムは十分にユーザの利便性を満足するものとはなっていなかった。
【0013】
本発明の目的は、ネットワーク上のコンテンツに接続する際のユーザの利便性を向上できるコンテンツ提供システム、コンテンツ提供方法、この方法を実行するプログラムおよびこのプログラムを格納した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のコンテンツ提供システムは、共通の内容を有しかつ出力媒体毎に適合された複数の専用コンテンツをユーザに提供するコンテンツ提供システムであって、前記出力媒体毎に設定された出力媒体コードと、前記共通コンテンツに設定された共通コンテンツコードと、前記専用コンテンツ毎に設定された専用コンテンツコードとを有し、前記専用コンテンツコードは前記共通コンテンツコードと前記出力媒体コードとの組合せに基づき一義的に決定されることを特徴とする。
本発明のコンテンツ提供方法は、共通の内容を有しかつ出力媒体毎に適合された複数の専用コンテンツをユーザに提供するコンテンツ提供方法であって、前記出力媒体毎に設定された出力媒体コードと、前記共通コンテンツに設定された共通コンテンツコードと、前記専用コンテンツ毎に設定された専用コンテンツコードとを用い、前記専用コンテンツコードを前記共通コンテンツコードと前記出力媒体コードとの組合せに基づき一義的に決定することを特徴とする。
本発明のコンテンツ提供プログラムは、前述した本発明のコンテンツ提供方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明のコンテンツ提供プログラムの記録媒体は、前述した本発明のコンテンツ提供プログラムを格納したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2には本実施形態のコンテンツ提供システムの全体構成が示されている。
図1において、コンテンツ提供システムは、ユーザ10が操作するユーザ端末としてパーソナルコンピュータ11とデータ通信機能付の携帯電話12とを備えている。
これらのパーソナルコンピュータ11および携帯電話12は、これらのユーザ端末から接続可能ないわゆるインターネット等の広域ネットワーク13に接続されている。
【0016】
このネットワーク13には、これらのパーソナルコンピュータ11および携帯電話12からの要求に応じてコンテンツを提供するコンテンツサーバ31〜33が接続されている。
コンテンツサーバ31にはウェブサイト41が格納され、ウェブサイト41はネットワーク13上の位置を示す独自のURL411A,412Aで特定されるコンテンツ411,412を含んでいる。
コンテンツサーバ32にはウェブサイト42が格納され、ウェブサイト42は同様にURL421A,422Aで特定されるコンテンツ421,422を含んでいる。
【0017】
コンテンツサーバ33には3つのウェブサイト43〜45が格納されている。
ウェブサイト43〜45はそれぞれ同様に独自のURL431A〜453Aで特定されるコンテンツ431〜453とを含んでいる。
前述したコンテンツ411〜453は、その一部がパーソナルコンピュータ11等で閲覧することを想定して開設されており、そのために一般的なhtml(hyper text markup language)で記述されている。一方、他の一部は携帯電話12等で閲覧することを想定して開設されており、これらに適したchtml(compact html)で記述されている。
【0018】
例えば、コンテンツ411,421,431,441,451はパーソナルコンピュータ用に編集されている。一方、コンテンツ412,422,432,442,452は携帯電話用に編集されている。他のコンテンツ433,443,453は例えばパーソナルコンピュータ用であってより高精細の画像などを含むバージョン等とすることができる。
ここにおいて、コンテンツ412〜453はそれぞれ本発明における専用コンテンツであり、各々に独自に設定されたURL411A〜453Aは本発明における専用コンテンツコードである。
【0019】
これらの各コンテンツには、URLの変更等にも柔軟に対応できるように、既存のCID(コンテンツ識別子)が付与されるようになっている。図1で家型のマークで表示されたウェブサイト41,43〜45は後述する通りCIDが設定済であることを示し、異なる形状で表示されたウェブサイト42はこのCIDが未設定であることを示す。
更に、前述した各コンテンツは、各々のサイト毎に同じ内容を有するが対応する出力媒体であるユーザ端末が異なる設定とされている。これらの出力媒体の相違に拘わらず同じ内容のコンテンツの包括的な特定を行うため、各サイトには本発明に基づく共通コンテンツコードが設定される。本実施形態においては、各サイト(共通のコンテンツ)に設定される共通コンテンツコードは、各コンテンツに設定されるCIDと同じ形式として処理されるようになっている。
【0020】
ネットワーク13には、コンテンツを有する各ウェブサイト41〜45にCIDを付与するためのCIDサーバ39が接続されている。
CIDサーバ39は、前述したコンテンツサーバ31〜33がウェブサイト41〜45として提供する各コンテンツに独自のCIDを設定する。
【0021】
例えば、ウェブサイト42のコンテンツ421にはCID421Bを付与する。このCID421Bはコンテンツ421のURL421Aを指しており、このCID421Bを用いて接続することによりコンテンツ422に到達できる。
なお、ウェブサイト42に変更があり、コンテンツ421のURL421Aが変わった場合、CID421Bには新たなURL421Aが関連付けされる。このため、CID421Bを用いて接続すればウェブサイト42の変更があっても確実に所期のコンテンツ421に到達可能である。
更に、各ウェブサイト41〜45には共通コンテンツコードとしてCID41B〜45Bが設定されるが、各コードとして各サイトのURL41A〜45Aが適用される。
このように、各サイトのコンテンツはCID411B〜453Bにより特定されるとともに、各コンテンツの共通内容は各サイトのCID41B〜45Bにより特定される。ここで、各サイトのCID41B〜45Bは本発明における共通コンテンツであり、このCIDと後述する端末種別D23(本発明の出力媒体コードである)とに基づいて各コンテンツのURL411A〜453Aが一義的に決定されるようになっている。
【0022】
このように利用されるCIDは次に述べるCIDサーバにより管理される。ここで、本実施形態のCIDサーバは本発明のコンテンツコードサーバを兼ねるものである。
CIDサーバ39は、前述のように各ウェブサイト41〜45およびそのコンテンツ411〜453にそれぞれ独自のCIDを設定するとともに、これらのCIDをCIDデータベース391に蓄積する。
CIDデータベース391は、共通コンテンツコードである各サイトのCID399(CID41B〜45Bが相当)とこれに対応するコンテンツの接続情報398,397等(CID411B〜453B)とを含むCIDレコード392を基本単位とし、このCIDレコード392を多数格納するものである。なお、これらのCIDはhtml、chtmlのほか、rdf(Resource Description Framework)形式で記述される。
【0023】
なお、前述したコンテンツサーバ31〜33において、各ウェブサイト41〜45のコンテンツ411〜453には、コンテンツ参照時に共通コンテンツコードを提示するために前述したCIDサーバ39が設定したサイトのCID41B〜45Bが組み込まれる。
【0024】
サイトのCIDとしては、サイトの入口あるいは最上位のコンテンツ(いわゆる「ホームページ」あるいは「トップ」と呼ばれるコンテンツ、標準的に「index.html」等のファイル名が与えられるコンテンツ)に付与されるCIDを用いることができる。あるいは、サイトのコンテンツが格納される場所の最上位のURLを用いることもできる。なお、前述した「ホームページ」等と各コンテンツは、必ずしも上下関係にある一連のファイル構造に収まっている必要はなく、異なるツリー構造にあって互いにリンクされているものであってもよい。
このように各ウェブサイト41〜45に組み込まれたCIDは、要求されたコンテンツをユーザ10に提供する際にこのコンテンツとともに提供される。
【0025】
ネットワーク13には、ユーザ10がウェブサイト41〜45に接続した際にその履歴を記録する履歴サーバ38が接続されている。
履歴サーバ38は、ユーザ10がログインする端末を監視し、コンテンツサーバ31〜33からコンテンツが提供された際にそのコンテンツのCIDを捕捉する。そして、捕捉されたCIDをユーザ毎に系統化し、更に各コンテンツの共通コンテンツコードであるサイトのCIDを抽出し、履歴レコード382として時系列で履歴データベース381に蓄積する。
【0026】
例えば、ユーザ10がパーソナルコンピュータ11で何れかのウェブサイトに接続すると、パーソナルコンピュータ11には指定されたウェブサイト40のコンテンツ401〜404のうち必要なものが読み込まれる。この際、履歴サーバ38は、パーソナルコンピュータ11から閲覧したコンテンツのウェブサイト40のCID40Bが読み込まれ、このCID40Bは履歴データベース381に蓄積される。
【0027】
履歴サーバ38は、ユーザ10の要求があった場合には、履歴データベース381を参照し、このユーザ10の履歴として蓄積されたCID(共通コンテンツコード)をユーザ10に提供することが可能である。この共通コンテンツコードは、ユーザ端末を特定する情報(本発明の出力媒体コード、後述する端末種別D23等)と合わせることで、特定のコンテンツを示す専用コンテンツコード(各コンテンツのCID)を一義的に指定するものとなる。
【0028】
図2において、ユーザ10がパーソナルコンピュータ11から接続履歴を要求すると、履歴サーバ38は履歴データベース381を検索し、ユーザ10に関する履歴データを集め、履歴リスト383としてパーソナルコンピュータ11に送る。
この履歴リスト383は、過去に閲覧したコンテンツに関する履歴レコード382を含んでおり、その何れかを選択するとそのレコードに記録されたCIDが得られ、このCIDに基づいて過去に接続したコンテンツに再接続することができる。
【0029】
例えば、履歴サーバ38で選択したものがCID41Bだったとすると、パーソナルコンピュータ11からCIDサーバ39にこのCID41Bが送られる。CIDサーバ39では、このCIDをキーとしてCIDデータベース391を検索することで、該当するCIDレコード392が捕捉される。そして、このレコードの記録から、例えばウェブサイト41が補足され、端末種別であるパーソナルコンピュータ11に適合するようにコンテンツ411のCID411Bが指定され、このCIDが示すURL411Aが判明する。その結果、履歴から調べられたURL411Aを用いてウェブサイト41に接続し、パーソナルコンピュータ11用のコンテンツ411を再び閲覧することができる。
【0030】
同様に、ユーザ10が携帯電話12から履歴を要求すると、履歴サーバ38はユーザ10に関する履歴リスト383を返す。そこで、過去に接続したCID459を選択すると、CIDサーバ39から対応するウェブサイト45のコンテンツのうち、携帯電話12に適合したコンテンツ452のCID452Bが指定され、このCIDが示すURL451Aが得られ、コンテンツ452に再接続することができる。
このように、本実施形態の履歴サーバ38およびCIDサーバ39においては、端末種別に応じたコンテンツ選定が自動的に行われるようになっている。
なお、履歴データベース381には、各コンテンツの内容の把握のためにCIDとともにタイトル等を記録しておき、ユーザ10からの要求に対して並列に表示する等することが望ましい。タイトルは、例えばhtml形式コンテンツのヘッダ部分のtitleタグを参照すればよい。
【0031】
次に、本実施形態において利用される各データベースのデータ構造について説明する。
本実施形態のシステムにおいては、ユーザ10のネットワーク13へのログオン管理を行うために、コンテンツサーバ31〜33の何れか等にログオン管理サーバを設定し、ユーザ10に関するレコードおよびを蓄積し、適宜参照できるようにすることが望ましい。
また、ログオン管理サーバには、ユーザ10がどのユーザ端末(11,12)からログオンしているかを識別するために、ユーザ10の端末に関する情報を蓄積しておき、ログインがあった際には利用されている端末がどれであるかを記録し、適宜参照できるようにすることが望ましい。
【0032】
図3において、ユーザ10に関するユーザレコードD10は、メールアドレスD11、ユーザID D12、ユーザ氏名D13、ログイン用のパスワードD14を備えるものとすることができる。また、最後にログオンした日時D15、最後に接続したレコードD16に関する情報をも記録しておくことが望ましい。
【0033】
図4において、ユーザ端末に関する端末レコードD20は、ユーザ10のユーザID D22、ユーザ端末(11,12)の機器自体の固定的な識別番号である端末ID D21、ユーザ端末の種別(コンピュータや携帯電話などの別)を示す端末種別D23を備えたものとすることができる。
このうち、ユーザID D22は、ユーザレコードD10のユーザID D12に対してリンクされる。
【0034】
図5において、現在ログオンしているユーザ10の接続状況を示すセッションレコードD30は、接続サービスを特定するためのセッションID D31、ログオンしたユーザ10を示すユーザID D35、このユーザ10の前回アクセス日時D32、タイムアウト記録D34、端末ID D36、端末種別D33を備えたものとすることができる。
このうち、ユーザID D35はユーザレコードD10のユーザID D12に対してリンクされる。また、端末ID D36、端末種別D33は、端末レコードD20におけるユーザID D35に該当するデータ(D21,D23)を参照して設定される。
【0035】
一方、CIDデータベース391においては、次のようなデータ構造が利用できる。
図6において、CIDデータベースD40は、共通コンテンツコードとなるサイトのCID D41、対応するコンテンツの接続情報D42〜D44、位置D45、コンテンツ実体D46、更新日付D47を備えたものとすることができる。接続情報D42〜D44は該当するサイトに含まれる端末種別毎のコンテンツを示す専用コンテンツコードに相当するものであり、通常は各コンテンツのCIDが格納される。但し、専用コンテンツコードとして各コンテンツの
URLを直接記録してもよく(D42の例)、携帯電話用にchtmlによるURLを記録してもよく(D43の例)、RDFで記録してもよい(D44の例)。
このうち、CID D41が図1におけるCID399であり、接続情報D42〜D44が接続情報398,397に相当し、これらの1セットがCIDレコード392に相当する。
【0036】
また、履歴データベース381においては、次のようなデータ構造が利用できる。
図7において、履歴データベースD70は、ユーザ10のコンテンツ接続を特定する操作ID D71、操作の実施日時D72、接続対象のCID D73、およびユーザ10のユーザID D74および端末ID D75を備えたものとすることができる。
このうち、ユーザID D74はユーザレコードD10のユーザID D12に対してリンクされる。また、ユーザID D74、端末ID D75には、セッションレコードD30におけるユーザID D74、端末ID D75が転記される。
これらの1セットが履歴レコード382に相当する。
【0037】
なお、履歴サーバ38はユーザが作成した任意のデータを蓄積し、任意に再呼び出しが可能である。
具体的には、ユーザがテキストエディタ等で作成した文書ファイルや、外部から取り込んだ画像ファイルを指定し、その格納位置を順次履歴サーバ38に送信すると、送信された格納位置をCID D73に保存するとともに、ユーザに関する各情報D71〜D75を記録する。
このような任意のファイルが登録された履歴レコード382をユーザが指定すると、該当するファイルが呼び出されて表示等される。従って、一つのパーソナルコンピュータでファイルを登録し、他のコンピュータで呼び出して表示あるいは編集することも可能である。特に、呼び出しの際には履歴サーバ38が出力する自身のユーザ履歴の一覧から選択可能であるため、操作を効率的に行える。
【0038】
次に、本実施形態において実行される各サーバでの処理手順について説明する。
本実施形態のシステムでは、予めCIDサーバ39によりウェブサイト41〜45に対してCID(共通コンテンツコード)が設定され、各サイトに含まれる端末毎の各コンテンツにもぞれぞれCID(専用コンテンツコード)が設定される。これらの各コンテンツのCIDは、サイトのCID(共通コンテンツコード)と端末種別(出力媒体コード)とを指定することで一義的に決定されるものとなる。
ここで、各サイトおよびコンテンツにCIDが設定されていれば、ユーザ10はCIDを用いたウェブサイト接続が可能である。もちろん、CIDが未設定のサイトあるいはCIDが解らないサイトについては通常のURLによる接続を行うことができる。CIDの設定は通常はウェブサイト側からの要求に基づいて実行される。
【0039】
図8〜図10には、本実施形態のCIDの設定およびコンテンツへの組み込み処理が示されている。
このうち、図8はウェブサイトへのCID発行処理、図10は先に発行したCIDに登録されたURLを変更する処理であり、これらはCIDサーバ39で実行される。図9は、ウェブサイト側からのCIDサーバ39へのCID発行要求および発行されたCIDに対して各コンテンツのURLを登録させる処理であり、これはコンテンツサーバ31〜33において実行される。
【0040】
図8において、CIDサーバは、ウェブサイトからのCID発行要求があると(S11)、このウェブサイトの認証を行う(S12)。ここで、要求を出したウェブサイトがこのシステムに未登録である場合、CID発行対象とは認められないので、そのまま処理を完了する。ウェブサイトがこのシステムに登録されている場合、そのサイト用のCID(共通コンテンツコードとなるサイトのCIDおよびこのサイトに含まれる各コンテンツのCID)を発行し(S13)、これをウェブサイトに送信する(S14)。また、発行した各CIDをCIDデータベース391に登録する。
【0041】
図9において、コンテンツサーバ側では、このサーバが提供するウェブサイトに関して、CIDサーバにCID発行要求(S21)を行う。CIDサーバからCIDが付与されたら、これを読み込み(S22)、このウェブサイトのホームページ等の対象コンテンツページに組み込む(S23)。具体的には、ホームページのhtmlドキュメントのヘッダ部分にmetaタグ等を用い、例えば<meta contents-id=CID0001>等の埋め込みを行う。
このウェブサイトが複数の端末毎に異なる形式のコンテンツを含む場合(パーソナルコンピュータ用コンテンツ、携帯電話用コンテンツなど)、これらの他のコンテンツページを調べ(S24)、他のコンテンツページが有る場合にはそのコンテンツを先に発行されたCIDに関連付けて登録するようにCIDサーバに要求する(S25)。
CIDを組み込んでいない他のコンテンツが無くなったら、CID組み込み処理が完了したことをCIDサーバに送信する(S26)。これにより、先に発行されたサイトのCID(共通コンテンツコード)で形式別の全コンテンツのCID(専用コンテンツコード)が包括的に関連付けられる。そして、このサイトCIDに端末種別を合わせて指定することで各コンテンツのCIDが一義的に決定され、この各コンテンツのCIDが示すURLから端末種別に合ったコンテンツが指定される状態となる。
【0042】
図10において、CIDサーバは、前述したウェブサイトへのCID発行(図8参照)の後、ウェブサイトのから要求に応じて任意のCIDへのURL変更処理を行う。
ウェブサイトのからCIDに登録されたURLの変更要求があると、CIDサーバは、変更すべきURL情報(旧URLと新URLのセット等)を待機する(S31)。このウェブサイトからURL情報を受信した際には、受信した旧URLから対応するCID(図8でウェブサイトに対して発行したもの)を確認し(S32)、CIDDB(CIDデータベース391)で該当するCIDを検索する(S34)。ここで、CIDDBに該当するCIDない場合、未発行エラーとして処理を終了する(S35)。CIDDBに該当するCIDがあったら、このCIDを含むCIDレコードに新URLを記録する(S36)。
このようなURL変更処理は、ウェブサイトからそのCIDへの処理の完了が通知されるまで繰り返される(S37)。
【0043】
図11〜図15には、本実施形態におけるCIDを利用したコンテンツ接続処理が示されている。
図11はユーザ10による通常のコンテンツ接続の手順であり、図12はユーザ10が履歴リスト383を用いてコンテンツ接続する際の手順を示す。
【0044】
図11において、通常の手順でウェブサイト閲覧を行う場合、ユーザ10は、ユーザ端末(パーソナルコンピュータ11または携帯電話12など)からコンテンツサーバ31〜33のウェブサイト41〜45に接続し、ユーザ端末で動作するブラウザ(閲覧ソフトウェア)を用いて各サイトのコンテンツを閲覧する(S41)。この際、閲覧する各コンテンツページにCIDが組み込まれているかを検査し(S42)、組み込まれていなければそのまま閲覧を続けるが、組み込まれていればその履歴登録を行う。すなわち、検出されたCIDを履歴サーバ38に送り、履歴データベース381に記録させ(S43)、利用中のユーザ端末にも記録する(S44)。この後、処理S41に戻り、適宜ウェブサイトの閲覧を続ける。これにより、履歴サーバ38には、ユーザ10とその接続履歴CIDが蓄積されてゆく。
【0045】
図12において、過去の接続記録からウェブサイトの閲覧を行う場合、ユーザ10は、履歴サーバ38に履歴の参照要求を送り(S51)、履歴サーバ38から履歴リスト383が返されたら、この履歴リスト383に表示されたCID(共通コンテンツコードとしてのサイトのCID)および付随されたタイトル等を参照し(S52)、閲覧したいCIDを選択する(S53)。
ユーザ10は、選択したCIDをCIDサーバ39に送り(S54)、このCIDに関するURLを受け取り(S55)、このURLで接続を行うことでユーザ端末に該当するコンテンツを表示させる(S56)。
この際、共通コンテンツコードとしてのサイトのCIDに、現在操作しているユーザ端末の種別(出力媒体コード)が自動的に付加され、これにより特定される専用コンテンツコードとしての各コンテンツのCIDが選択され、そのコンテンツが表示される。
【0046】
図13には、前述した履歴リスト383を用いたコンテンツ接続の状況が模式的に示されている。
この図において、例えばパーソナルコンピュータ11からユーザ10が履歴の参照を要求すると、履歴サーバ38からパーソナルコンピュータ11へとユーザ10の過去の接続履歴が送られ、パーソナルコンピュータ11のディスプレイには履歴リスト383が表示される。
履歴サーバ38から送られるのは、CIDと対応するコンテンツのタイトルとのセットであり、履歴リスト383としてディスプレイに表示されるのはコンテンツのタイトルである。もちろんCIDも併せて表示してもよいが、ユーザ10にとって意味のあるのはタイトル等である。
【0047】
表示された履歴リスト383を見て、ユーザ10は何れかのコンテンツ(正確にはコンテンツを示す項目)を選択する。選択は、パーソナルコンピュータ11のキーボード等を用い、いわゆるハイライト部分を動かして所望の項目で実行キーを押すか、あるいはマウス等のポインティングデバイスで所望の項目をハイライトさせて参照ボタンをクリックする等、既存の操作を利用することができる。
【0048】
このようにして何れかのコンテンツを示す項目が選択されると、該当するコンテンツのCIDがパーソナルコンピュータ11からCIDサーバ39に送られる。CIDサーバ39は、CIDデータベース391を参照し、選択されたCIDに対応するコンテンツのURLを探し出す。この際、ユーザ10がログオンしているユーザ端末がパーソナルコンピュータ11であることも併せてCIDサーバ39に通知される。この情報に基づき、CIDサーバ39は選択されたCIDに対応するCIDレコード392からパーソナルコンピュータ用のURLを選択し、パーソナルコンピュータ11に返す。パーソナルコンピュータ11は、返されたURLに接続して該当するコンテンツを表示する。
これによりユーザ10は、履歴リスト383から選択したコンテンツを簡単に閲覧することができる。
【0049】
図14には前述した履歴リスト383を用いたコンテンツ接続における履歴サーバ38およびCIDサーバ39の処理が示されている。
この図において、ユーザ10がユーザ端末から接続要求を出すと(S61)、履歴サーバ38はユーザ10の認証を行ない(S62)、認証できなかった場合には認証エラーをユーザ10に通知し(S63)、処理を終了する。一方、認証ができたらユーザ10からの履歴要求を受信し(S64)、履歴データベース381を検査してユーザ10に対応する履歴の有無を確認する(S65)。ここで履歴が検索できなかった場合、その旨をユーザ10に通知する等して処理を終了する。履歴が検索できたら、履歴リスト383の作成などの以下の処理を行う。
【0050】
先ず、履歴サーバ38は履歴データベース381で捕捉されたユーザ10に対応する履歴レコード382から、CIDとタイトルとをセットにして取り出し、履歴リスト383としてユーザ端末に送る。ユーザ端末においては、送られた履歴リスト383を前述した図13の例のように表示し、ユーザ10の選択を待つ状態となる(S67)。ここで、ユーザ10が何れかのCID(実際にはCIDに対応したタイトル等)を選択すると、このCIDはCIDサーバ39に送られ(S68)、このCIDに関連付けられたURLがユーザに返され(S69)、ユーザ端末においてこのCIDに対応するコンテンツが参照できる。
【0051】
図15には前述した履歴リスト383を用いたコンテンツ接続におけるCIDサーバ39の処理(図14の処理S68〜S69に相当)が示されている。
この図において、ユーザ10がユーザ端末から接続要求を出すと(S71)、CIDサーバ39はユーザ10の認証を行ない(S72)、認証できなかった場合には認証エラーをユーザ10に通知する等したうえ、処理を終了する。一方、認証ができたらユーザ10が選択したCIDを受信し(S73)、ユーザ10がログインしているユーザ端末の種別を確認して該当する種別コード(出力媒体コード)を選択し(S74)、CIDデータベース391を検査して指定されたCID(共通コンテンツコード)に対応するCIDレコード392を検索する(S65)。ここで該当レコードが検索できなかった場合、その旨をユーザ10に通知する等のエラー処理(S76)を行って処理を終了する。該当レコードが検索できたら、更にそのCIDレコード392に登録された複数のCID(専用コンテンツコード)のうち、先に確認したユーザ10の現在のユーザ端末の種別(出力媒体コード)から、この種別に対応したCIDを選択し、そのCIDが示すURLユーザ端末に送信する(S77)。
これにより、ユーザ10は単にサイトのCIDを指定すれば、ユーザ端末が異なっていてもその端末に最適なコンテンツのURLが自動的に得られる。
【0052】
以上に述べた本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、CIDサーバ39に設定されるCIDにより、URLに拘束されないコンテンツへの接続が実現できるとともに、本発明ではCIDの設定はコンテンツを提供するコンテンツサーバ31〜33側からの要望に限らず、ユーザが要望するコンテンツに対して適宜CIDを登録することができ、CIDの利便性を高めることができる。
【0053】
CIDサーバ39においては、CIDとコンテンツのURLを関連付けるCIDレコード392が、サイトのCID(共通コンテンツコード)に複数のCID(専用コンテンツコード)を関連付けるとともに、指定されたCIDに対して現在ユーザが利用しているユーザ端末の種別(出力媒体コードで識別)に応じた適切なコンテンツのCIDを得ることができる。
このため、本発明のCIDは、パーソナルコンピュータ11あるいは携帯電話12等の各機器間で同じCIDを効率的に利用することができる。
【0054】
履歴サーバ38により、ユーザ10の閲覧履歴を蓄積することができる。このため、ユーザ10が過去に接続したコンテンツに再度接続したい場合、この履歴サーバ38の記録を参照することで容易に接続を行うことができる。
この際、履歴サーバ38に記録されるのはCIDであるため、過去の参照からURLが変更になっていても所望のコンテンツに確実に到達できる。
【0055】
履歴サーバ38がネットワーク13上に設定されていることで、ユーザ10は異なるユーザ端末から履歴を自由に参照することができる。
特に、前述したように本発明ではCIDサーバ39がユーザ端末の種別対応しているため、ユーザ10は種別の異なるユーザ端末、例えばパーソナルコンピュータ11と携帯電話12などから履歴を参照すれば、端末種別毎に自動的に対応したURLが得られる。
そして、得られたURLに接続することで、同内容だが記述形式が異なる可能性もある複数のコンテンツを自動的に選択して参照することができる。
【0056】
このため、従来のように同じコンテンツを携帯電話で利用するために、例えばコンピュータ側からCIDをメモしてメールで送る等の操作が必要なく、CIDを用いるシステムとして十分にユーザの利便性を満足することができる。
【0057】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、ユーザ10が利用するユーザ端末としてパーソナルコンピュータ11と携帯電話12を用いたが、通信機能付きの個人情報端末(PDA)、カーナビゲーション装置、データ通信機能付きの固定電話機あるいはファクシミリ装置、テレビジョン装置等を利用してもよい。
【0058】
図16において、コンテンツサーバシステム100は、ユーザ10にコンテンツを提供する総体として表され、例えば前述した実施形態におけるコンテンツサーバ31〜33およびCIDサーバ39、履歴サーバ38の各機能を包含したものとする。
このコンテンツサーバシステム100は、コンテンツを提供する出力媒体200を幅広くとったシステムとして構成されており、ネットワークに接続されたユーザ端末210〜240に電子情報の形でコンテンツを提供可能であるとともに、同様のコンテンツを印刷出版媒体250や掲示広告媒体260などにも出力可能とされている。
このために、コンテンツサーバシステム100は全体がネットワークあるいはこれに接続された情報機器に限らず、一部に印刷設備あるいは編集作業などの人的な要素を含むものとする。
【0059】
ユーザ端末としては、パーソナルコンピュータ210,携帯電話220(PDA;個人情報端末などを含む)、テレビジョン放送受信機230(音声に限られるがラジオ放送受信機も可)、通信機能付きのカーナビゲーション装置240)が設定され、コンテンツは静止画像や動画、文字表示や音声、音楽等の形態とされる。
印刷出版媒体250としては、新聞、雑誌、パンフレットなどが例示でき、コンテンツは主に写真、文章などの記事として印刷され掲示される。
掲示広告媒体260としては、街頭ポスター、サインボード、電車中吊りなどが例示でき、コンテンツは主に写真、文章などの記事として印刷あるいは手書き表示され掲示される。
これらの印刷出版媒体250および掲示広告媒体260において、コンテンツには、他の媒体におけるURLやCIDを示す文字表示や、情報端末で読み取り可能なバーコードその他の情報を含めることができる。
【0060】
このような多様な出力媒体に対応するべく、コンテンツサーバシステム100においては、出力媒体別のコンテンツ設定が行われている。
コンテンツサーバシステム100には、特定のテーマ等に基づく共通コンテンツ本体101が設定され、この共通コンテンツ本体101の内容に基づいて各出力媒体別の専用コンテンツ本体121〜161が編集されている。
例えば、共通コンテンツ本体101が動画を含む場合、パーソナルコンピュータ210、テレビジョン放送受信機230、カーナビゲーション装置240の専用コンテンツ本体111,131,141にはそのまま動画が維持されるが、携帯電話220の専用コンテンツ本体121には表示データの大きさを考慮して解像度が低いものに置き換えられ、印刷出版媒体250および掲示広告媒体260の専用コンテンツ本体151,161では何枚かの静止画像に置き換えられる等の対応が行われる。
【0061】
共通コンテンツ本体101には共通コンテンツコード102が設定される。
共通コンテンツコード102としては、例えば共通コンテンツコード「CCC」が「C001」である等と設定される。この場合、C001が共通コンテンツ本体101に特有のコードとなる。
この共通コンテンツコード102は、共通コンテンツ本体101から編集された専用コンテンツ本体111〜161の各々に記録される。
電子情報となる各専用コンテンツ111〜141では、表示画像の一部に表示され、あるいは閲覧しているユーザが適宜操作により取り出し得る形で伝達できればよい。印刷等されて非電子情報となる各専用コンテンツ151〜161では、記事の一部に文字列等として記載しておけば、ユーザが別途識別し利用できる。また、バーコードで表示する等しておけば、他の情報機器で読み取って電子情報化することができる。これにより、ユーザ10は出力媒体の何れからでも、共通コンテンツコード102を知ることができる。
【0062】
専用コンテンツ本体111〜161には、それぞれ専用コンテンツコード112〜162が設定される。
専用コンテンツコード112〜162としては、共通コンテンツコードCCCと出力媒体コードMCとから一義的に決まる専用コンテンツコードECCであればよく、データテーブルにより関連を規定する方式の他、単純に各々のコード文字列を合成したもの等であってもよい。
【0063】
例えば、パーソナルコンピュータ210においては出力媒体コード「MC=PC」である等と設定される(図17参照)。共通コンテンツコード「CCC=C001」であるとすると、出力媒体コード「MC=PC」であり、これらを合成して「ECC=C001PC1」(末尾の1はバージョン番号等とする)が専用コンテンツコードとなる。
他の出力媒体(210〜260)においても同様とすることができ、共通コンテンツコード(CCC)102と、各々の出力媒体コード(MC)113〜163とから、専用コンテンツコード(ECC)112〜162を一義的に規定することができる。
これらの専用コンテンツコード112〜162を指定することにより、各専用コンテンツ本体111〜161を特定することができる。
【0064】
このようなコンテンツおよびコンテンツコード体系を有するコンテンツサーバシステム100においては、ユーザ10は出力媒体200の何れか(210〜260)において専用コンテンツ本体111〜161を閲覧する。
閲覧した専用コンテンツ本体111〜161に関心を持つなどしたなら、再度この専用コンテンツ本体を閲覧しようとする。
ここで、同じ出力媒体で閲覧する場合、例えばパーソナルコンピュータ210を用いているのであれば、一般的な閲覧ソフトに備えられた履歴機能を用いることも可能であるし、コンテンツサーバシステム100に前記実施形態の履歴サーバ38の機能があれば、これを利用することができる。
【0065】
更に、コンテンツサーバシステム100においては、パーソナルコンピュータ210に表示された専用コンテンツ本体111から、共通コンテンツコード102を調べ、これに相当する専用コンテンツの表示を要求することで専用コンテンツ本体111を再度閲覧することができる。
図17において、パーソナルコンピュータ210で共通コンテンツコード102が「CCC=C001」であるものを要求した場合、特に出力媒体コードを指定しない限り、出力媒体コード113(MC=PC)が付加され、専用コンテンツコード112(ECC=C001PC1)がコンテンツサーバシステム100に送られる。その結果、専用コンテンツ本体111が再度パーソナルコンピュータ210で表示される。
【0066】
一方、コンテンツサーバシステム100においては、異なる出力媒体で閲覧することができる。例えばパーソナルコンピュータ210を用いているのであれば、表示された専用コンテンツ本体111から、共通コンテンツコード102を調べ、コンテンツサーバシステム100に対して共通コンテンツコード102(CCC=C001)とともに所望の出力媒体コード123〜163を指定することで、それぞれ所定の専用コンテンツコード122〜162が指定され、対応する専用コンテンツ本体121〜161をパーソナルコンピュータ210上で閲覧することができる。
すなわち、パーソナルコンピュータ210で共通コンテンツコード102が「CCC=C001」とし、これにテレビジョン放送受信機230の出力媒体コード133(MC=TV)を付加した場合、専用コンテンツコード132(ECC=C001TV1)が指定され、コンテンツサーバシステム100に送られる。その結果、テレビジョン放送されている専用コンテンツ本体131がパーソナルコンピュータ210で表示されることになる。
【0067】
なお、前述のように共通コンテンツコードとともに所望の出力媒体コードを指定するためには、専用の操作用ソフトウェアを準備する必要があるが、当業者であれば既存のソフトウェア技術により一般的な閲覧ソフトのプラグイン等の形で容易に作成することができる。
また、印刷出版媒体250および掲示広告媒体260は本来電子情報ではないが、各々の印刷原稿となった専用コンテンツ本体151,161をパーソナルコンピュータ210上で閲覧等できるようにすればよい。
これにより、パーソナルコンピュータ210で他の出力媒体用の版までをも自由に閲覧することが可能になる。
【0068】
コンテンツサーバシステム100においては、印刷出版媒体250および掲示広告媒体260で見かけたコンテンツを他の出力媒体で再び閲覧する際にも同様の処理が行われる。
すなわち、印刷出版媒体250および掲示広告媒体260で見かけたコンテンツ(専用コンテンツ本体151,161)には共通コンテンツコードCCCが埋め込まれており、この共通コンテンツコードCCCと任意の出力媒体コードMCとで任意の専用コンテンツコードECCが指定される。例えば、印刷出版媒体250および掲示広告媒体260の記事に掲載されたバーコードを携帯電話220で読み取り、共通コンテンツコード102(CCC=C001)を取得し、出力媒体コードMCは無指定(自動的にMC=MPとなる)としてコンテンツサーバシステム100に閲覧要求を出せば、対応する専用コンテンツ本体121が表示されることになる。
このように、本発明では、共通コンテンツコードと出力媒体コードとで専用コンテンツコードを特定することで、異なる出力媒体においても同じコンテンツを容易に閲覧することができる。そして、システムの構成、共通、専用および出力媒体等の各コード等の設定等は特定の態様に限定されるものではない。
【0069】
本発明において、コンテンツとしては、いわゆるウェブサイトに一般的なhttp形式に限らず、他のファイル形式を用いてもよく、その接続指定もURLに限らずRDF等を用いてもよい。
コンテンツを提供するコンテンツサーバ31〜33は、その形式や形態を何ら限定されるものではなく、ネットワーク13に接続されてユーザ10が接続可能なものであればよい。
【0070】
本発明において、例えば閲覧対象となるコンテンツページにCIDが組み込まれていない場合、そのURLからテンプレートを用いてCIDとなりうるIDを抽出し、CIDとして履歴サーバに蓄積することもできる。
テンプレートとしては、コンテンツ提供サイトのコンテンツ提供URLにおいてコンテンツが異なっても変動しない部分を採用し、この部分のテキスト情報とコンテンツページのURLとをテキストマッチングして、異なる部分をCIDとして利用するという方法をとることもできる。
ここでコンテンツ提供サイトは提供媒体が異なってもコンテンツ自体のIDは同じものを使用しているとすることで、異なる媒体でのコンテンツの共有が可能となる。
【0071】
本発明において、CIDサーバ39および履歴サーバ38は、その形式や形態を何ら限定されるものではなく、ネットワーク13に接続されてユーザ10が接続可能、かつCIDの設定機能や履歴の蓄積〜参照機能など、各々に必要な機能を提供できるものであればよい。
これらの機能は、既存のコンピュータ技術、ソフトウェア技術あるいは電子回路技術を利用して実現すればよく、具体的な形態等は実施にあたって適宜設計すればよい。
【0072】
[実施形態の作用効果]
前述の通り、本実施形態では、共通する内容のコンテンツを異なる出力媒体でも容易に参照でき、CIDサーバ39および履歴サーバ38の利用により、CIDを用いて所望のコンテンツに確実に接続できるとともに、操作を容易にでき、利用するユーザ端末の種別にも自動的に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態のコンテンツ提供システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】前記実施形態のコンテンツ提供システムの全体構成の異なる状態を示すブロック図。
【図3】前記実施形態のユーザレコードのデータ構造を示す模式図。
【図4】前記実施形態の端末レコードのデータ構造を示す模式図。
【図5】前記実施形態のセッションレコードのデータ構造を示す模式図。
【図6】前記実施形態のCIDデータベースのデータ構造を示す模式図。
【図7】前記実施形態の履歴データベースのデータ構造を示す模式図。
【図8】前記実施形態のウェブサイトへのCID発行処理を示すフローチャート。
【図9】前記実施形態のCID発行および発行済CIDに各コンテンツのURLを登録する処理を示すフローチャート。
【図10】前記実施形態の発行済CIDに各コンテンツのURLを登録する処理を示すフローチャート。
【図11】前記実施形態のユーザによる通常のコンテンツ接続の手順を示すフローチャート。
【図12】前記実施形態のユーザが履歴リストを用いてコンテンツ接続する手順を示すフローチャート。
【図13】前記実施形態のユーザによる通常のコンテンツ接続を示す模式図。
【図14】前記実施形態の履歴リストを用いたコンテンツ接続における履歴サーバおよびCIDサーバの処理を示すフローチャート。
【図15】前記実施形態の履歴リストを用いたコンテンツ接続におけるCIDサーバの処理を示すフローチャート。
【図16】本発明の他の実施形態を示すブロック図。
【図17】本発明の他の実施形態を示すブロック図。
【符号の説明】
【0074】
10 ユーザ
11 ユーザ端末であるパーソナルコンピュータ
12 ユーザ端末である携帯電話
13 ネットワーク
31〜33 コンテンツサーバ
38 履歴サーバ
381 履歴データベース
382 履歴レコード
383 履歴リスト
39 サーバ
391 データベース
392 レコード
398,397 接続情報
399 CID
40〜45 ウェブサイト
401〜452 コンテンツ
415、433〜453 CID
411〜451 URL
100 コンテンツサーバシステム
101 共通コンテンツ本体
102 共通コンテンツコード
111〜161,CCC 専用コンテンツ本体
112〜162,ECC 専用コンテンツコード
113〜163,MC 出力媒体コード
200 出力媒体
210 出力媒体であるパーソナルコンピュータ
220 出力媒体である携帯電話
230 出力媒体であるテレビジョン放送受信機
240 出力媒体であるカーナビゲーション装置
250 出力媒体である印刷出版媒体
260 出力媒体である掲示広告媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の内容を有しかつ出力媒体毎に適合された複数の専用コンテンツをユーザに提供するコンテンツ提供システムであって、
前記出力媒体毎に設定された出力媒体コードと、前記共通コンテンツに設定された共通コンテンツコードと、前記専用コンテンツ毎に設定された専用コンテンツコードとを有し、
前記専用コンテンツコードは前記共通コンテンツコードと前記出力媒体コードとの組合せに基づき一義的に決定されることを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載したコンテンツ提供システムにおいて、
前記出力媒体は、通信ネットワークに接続されてユーザによる情報の入出力が可能なユーザ端末を含み、このユーザ端末はコンピュータシステム、携帯電話機、移動情報端末、通信機器、カーナビゲーション装置、放送プログラム受信機の何れかを含むことを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項3】
請求項2に記載したコンテンツ提供システムにおいて、
前記出力媒体は、出版物、街頭配布物、街頭掲示物の何れかを含むことを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載したコンテンツ提供システムにおいて、
前記通信ネットワークには、前記ユーザの操作に基づいて前記専用コンテンツコードを決定するコンテンツコードサーバと、前記コンテンツコードサーバで決定された前記専用コンテンツコードに対応した前記専用コンテンツを前記前記ユーザ端末に提供するコンテンツサーバとが接続されていることを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れかに記載したコンテンツ提供システムにおいて、
前記ユーザ端末は、前記ユーザが任意の前記共通コンテンツコードを指定可能であり、
前記コンテンツコードサーバは、前記ユーザ端末に予め設定されている前記出力媒体コードを取得し、この出力媒体コードと前記ユーザ端末で指定された前記共通コンテンツコードとに基づいて前記専用コンテンツコードを決定することを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項6】
請求項2から請求項5の何れかに記載したコンテンツ提供システムにおいて、
前記ユーザ端末は、前記ユーザが任意の前記共通コンテンツコードおよび任意の前記出力媒体コードを指定可能であり、
前記コンテンツコードサーバは、前記ユーザ端末で指定された前記出力媒体コードと前記共通コンテンツコードとに基づいて前記専用コンテンツコードを決定することを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項7】
請求項2から請求項6の何れかに記載したコンテンツ提供システムにおいて、
前記ユーザが指定した前記共通コンテンツコードを蓄積する履歴データベースを有し、前記ユーザの要求に応じて前記履歴データベースに蓄積された任意の前記共通コンテンツコードを出力可能な履歴サーバを有することを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項8】
請求項7に記載したコンテンツ提供システムにおいて、
前記履歴サーバは前記コンテンツコードサーバと一体に設置されていることを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載したコンテンツ提供システムにおいて、
前記履歴サーバは前記ユーザが作成した任意のデータを蓄積可能であることを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項10】
共通の内容を有しかつ出力媒体毎に適合された複数の専用コンテンツをユーザに提供するコンテンツ提供方法であって、
前記出力媒体毎に設定された出力媒体コードと、前記共通コンテンツに設定された共通コンテンツコードと、前記専用コンテンツ毎に設定された専用コンテンツコードとを用い、
前記専用コンテンツコードを前記共通コンテンツコードと前記出力媒体コードとの組合せに基づき一義的に決定することを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項11】
請求項10に記載したコンテンツ提供方法において、
前記出力媒体として、通信ネットワークに接続されてユーザによる情報の入出力が可能なユーザ端末を含み、このユーザ端末はコンピュータシステム、携帯電話機、移動情報端末、通信機器、カーナビゲーション装置、放送プログラム受信機の何れかを用いることを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項12】
請求項11に記載したコンテンツ提供方法において、
前記出力媒体として、出版物、街頭配布物、街頭掲示物の何れかを用いることを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載したコンテンツ提供方法において、
前記通信ネットワークには、前記ユーザの操作に基づいて前記専用コンテンツコードを決定するコンテンツコードサーバと、前記コンテンツコードサーバで決定された前記専用コンテンツコードに対応した前記専用コンテンツを前記前記ユーザ端末に提供するコンテンツサーバとが接続されていることを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項14】
請求項11から請求項13の何れかに記載したコンテンツ提供方法において、
前記ユーザ端末は、前記ユーザが任意の前記共通コンテンツコードを指定可能であり、
前記コンテンツコードサーバは、前記ユーザ端末に予め設定されている前記出力媒体コードを取得し、この出力媒体コードと前記ユーザ端末で指定された前記共通コンテンツコードとに基づいて前記専用コンテンツコードを決定することを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項15】
請求項11から請求項14の何れかに記載したコンテンツ提供方法において、
前記ユーザ端末は、前記ユーザが任意の前記共通コンテンツコードおよび任意の前記出力媒体コードを指定可能であり、
前記コンテンツコードサーバは、前記ユーザ端末で指定された前記出力媒体コードと前記共通コンテンツコードとに基づいて前記専用コンテンツコードを決定することを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項16】
請求項11から請求項15の何れかに記載したコンテンツ提供方法において、
前記ユーザが指定した前記共通コンテンツコードを蓄積する履歴データベースを有し、前記ユーザの要求に応じて前記履歴データベースに蓄積された任意の前記共通コンテンツコードを出力可能な履歴サーバを有することを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項17】
請求項16に記載したコンテンツ提供方法において、
前記履歴サーバは前記コンテンツコードサーバと一体に設置されていることを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項18】
請求項16または請求項17に記載したコンテンツ提供方法において、
前記履歴サーバは前記ユーザが作成した任意のデータを蓄積可能であることを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項19】
請求項10から請求項18の何れかに記載したコンテンツ提供方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンテンツ提供プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載したコンテンツ提供プログラムを格納したことを特徴とするコンテンツ提供プログラムの記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−139399(P2006−139399A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326728(P2004−326728)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)