説明

コンテンツ提供システム,クライアントデバイス,サーバおよびプログラム

【課題】適切にコンテンツの提供が行えないことを防止する。
【解決手段】複合機は、機能サーバから課金処理を経て受信した印刷データに基づく印刷の開始以降、エラーなどにより適切に印刷がなされないと、再度印刷データを機能サーバに要求する。この要求を受けた機能サーバは、要求に伴うIDに対応する印刷データが記憶されていれば(s1104)、つまり要求元が先に印刷データを送信した複合機であれば、対応する印刷データを返信する(s1108)。そのため、複合機において何らかのトラブルにより印刷データの正常な印刷が行われなかった場合、この印刷データの提供に際しての課金は既になされているが、以後の要求に際して課金がなされることなく、印刷データの複合機への送信が行われるため(s1108)、最終的に機能サーバから適切な料金で正常に印刷データを印刷してなるコンテンツを複合機側に提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバからクライアントデバイスに対し、このクライアントデバイス側で記録媒体への印刷が可能なコンテンツを提供するためのコンテンツ提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介してサーバからクライアントデバイスに対してコンテンツを提供する、といったサービスが行われているが、このようなサービスにおいて、提供したコンテンツの料金を徴収するための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、コンテンツを提供するサーバ側において、クライアントデバイス(ゲーム機)からの要求を受けて(ファイル送信要求を受け付けて)、こうして要求されたコンテンツ(特定のファイル)を返信し、このコンテンツの受信完了をクライアントデバイスから通知されたことをもって(確認メッセージを受け付けて)、このクライアントデバイスのユーザに対する課金を行う、といった技術がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−357312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した技術は、クライアントデバイスに提供するコンテンツが、プログラムのようにそのままクライアントデバイスにおいて使用可能なものであることを前提としたものであるため、例えば、コンテンツがユーザに提供されるまでに、このコンテンツをクライアントデバイス側で印刷する必要があるサービスにおいては、適切にコンテンツの提供が行えない虞がある。
【0005】
例えば、このようなサービスにおいて、上記技術のようにクライアントデバイスからの受信完了の通知を受けた際に課金してしまうと、クライアントデバイスにおいてコンテンツの正常な印刷が何らかのトラブルに起因して行えなかった場合、課金自体はなされているにも拘わらず、コンテンツを適切に提供することはできない。また、このように正常な印刷が行えなかった場合に、再度コンテンツの提供を要求したとしても、課金がなされたうえでコンテンツが提供されることになるため、ユーザは倍の料金を支払わなければならず、適切な料金でのコンテンツの提供が行えなくなってしまう。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、適切にコンテンツの提供を行うことができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1に記載のコンテンツ提供システムは、それぞれデータ通信可能なサーバおよびクライアントデバイスからなり、前記サーバから前記クライアントデバイスに対し、該クライアントデバイス側で記録媒体への印刷が可能なコンテンツを提供するためのコンテンツ提供システムである。
【0008】
このシステムのうち、前記クライアントデバイスは、前記サーバに対してコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手段と、該コンテンツ要求手段による要求を受けたサーバにより提供されたコンテンツの記録媒体への印刷を行うコンテンツ印刷手段と、該コンテンツ印刷手段により印刷されるコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に印刷されているか否かを判定するコンテンツ判定手段と、を備え、該コンテンツ判定手段によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合、前記コンテンツ要求手段により再度コンテンツの提供を要求する、ように構成されている。
【0009】
そして、前記サーバは、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された以降に、該クライアントデバイスのユーザに対する課金処理を行う課金処理手段と、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該クライアントデバイスに対して提供するコンテンツ提供手段と、を備え、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該クライアントデバイスが先に前記コンテンツ提供手段によりコンテンツを提供したクライアントデバイスであれば、前記課金処理手段による課金処理を行うことなく、該クライアントデバイスに対して前記コンテンツ提供手段により再度コンテンツを提供する、ように構成されている。
【0010】
このように構成されたコンテンツ提供システムにおいて、クライアントデバイスは、コンテンツを印刷した後、そのコンテンツが適切に印刷されないと判定した場合、再度コンテンツの提供をサーバに対して要求するが、この要求を受けたサーバは、要求元のクライアントデバイスが先にコンテンツを提供したクライアントデバイスであれば、課金処理を行うことなく、再度のコンテンツの提供を行う。
【0011】
そのため、クライアントデバイスにおいて、何らかのトラブルによりコンテンツの正常な印刷が行えない状況が発生した場合、課金自体は既になされているとはいえ、以後の要求に際して課金がなされることなく、コンテンツの提供を受けることができるため、最終的にサーバから適切な料金で正常にコンテンツを提供することができる。
【0012】
なお、この構成における「課金処理」とは、クライアントデバイスのユーザに対する課金を行うために行われる処理であって、例えば、ユーザに提供したコンテンツに対して定められた金額をユーザによる利用料金の合計額(所定の記録領域に記憶されたもの)に加算するといった処理のことである。
【0013】
また、上述したコンテンツ判定手段は、コンテンツが適切に印刷されているか否かを判定する手段であり、その判定方法については、特に限定されない。例えば、コンテンツの印刷途中でコンテンツ印刷手段に機械的なトラブルが発生することにより正常に印刷を終了できなかったことを、コンテンツが適切に印刷されていないと判定する、といったことが考えられる。
【0014】
また、このコンテンツ提供システムにおいて、サーバがクライアントデバイスから渡されたデータに基づいてコンテンツを生成して提供するといった形態が考えられ、この場合、請求項2に記載のように構成するとよい。
【0015】
請求項2に記載のサービス提供システムは、前記クライアントデバイスにおいて、前記コンテンツ要求手段は、前記サーバに対してコンテンツの提供を要求すると共に、該コンテンツを生成するのに必要な生成用データを前記サーバに対して送信する、ように構成されており、前記サーバは、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際に、該要求と共に送信されてくる生成用データに基づいてコンテンツを生成するコンテンツ生成手段を備え、該コンテンツ生成手段により生成されたコンテンツを、前記コンテンツ提供手段により前記クライアントデバイスに対して提供する、ように構成されている。
【0016】
このように構成すれば、サーバは、クライアントデバイス側から受けた生成用データに基づいてコンテンツを生成し、こうして生成したコンテンツをクライアントデバイス側に提供することができる。
【0017】
また、この構成においては、クライアントデバイスからサーバに対してコンテンツの提供を要求する際、その都度、生成用データをやりとりするように構成してもよい。しかし、クライアントデバイスからサーバに対して最初に生成用データが送信された以降は、この生成用データに基づいてコンテンツを生成するように構成するとよい。
【0018】
具体的には、請求項3に記載のように、前記クライアントデバイスにおいて、前記コンテンツ要求手段は、再度のコンテンツの提供を要求する際、前記生成用データを送信することなく、コンテンツの提供を要求する、ように構成されており、前記サーバにおいて、前記コンテンツ提供手段は、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該クライアントデバイスが先に前記コンテンツ生成手段により生成したコンテンツを提供したクライアントデバイスであれば、再度、該クライアントデバイスに対して先に生成されたコンテンツを提供する、ように構成すればよい。
【0019】
このように構成すれば、サーバとクライアントデバイスとの間において最初に生成用データのやりとりが行われた以降、改めて生成用データをやりとりしなくても、このクライアントデバイスに対して生成用データに基づいて生成したコンテンツを提供することができる。
【0020】
これにより、クライアントデバイス側でコンテンツを正常に印刷できない状況が発生した場合には、以降、サーバとクライアントデバイスとの間における生成用データのやりとりが行われないため、この生成用データによりネットワークのトラフィックを無用に圧迫することもない。また、生成用データのやりとりに要する時間を削減できるため、サーバからクライアントデバイスへ最終的にコンテンツを提供するまでの時間を短縮することが期待できる。
【0021】
また、上述したように、サーバがクライアントデバイスから渡されたデータに基づいて生成したコンテンツを提供する構成において、課金処理手段による課金処理は、サーバ側で生成用データの受信が開始された以降であれば、いつ行うように構成してもよく、例えば、生成用データの受信が開始された時点で行う構成とすればよい。ただ、この構成では、通信エラーなどにより生成用データの受信が正常に終了しない事態が発生したときであっても課金自体はなされてしまう。そこで、そのような事態が想定しうる場合には、課金処理を生成用データの受信が終了した後に行うことが望ましい。
【0022】
具体的には、請求項4に記載のように、前記サーバにおいて、前記課金処理手段は、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該要求と共に送信されてくる生成用データを正常に受信し終えた後に、該クライアントデバイスのユーザに対する課金処理を開始する、ように構成すればよい。
【0023】
このように構成すれば、サーバ側で課金処理が行われるのは、クライアントデバイスからの生成用データの受信が終了した後となるため、例えば、通信エラーなどにより生成用データの受信が正常に終了しなかったにも拘わらず課金がなされてしまう、といったことを防止することができる。
【0024】
また、上述したように、サーバがクライアントデバイスから渡されたデータに基づいて生成したコンテンツを提供する構成において、コンテンツ提供手段によるコンテンツの提供は、生成用データの受信が開始された以降であれば、いつ開始するように構成してもよく、例えば、生成用データの受信が開始された以降に受信している分のデータ量に応じて順次行うように構成すればよい。ただ、この構成において、受信後に課金するようにした場合には、クライアントデバイス側においてコンテンツの一部が正常に印刷された時点で、意図的にクライアントデバイス側で生成用データの送信を停止させることにより課金を免れるといった不正行為を行うことができてしまう。
【0025】
そこで、このような不正行為を防止するために、請求項5に記載のように構成するとよい。
請求項5に記載のコンテンツ提供システムは、前記サーバにおいて、前記コンテンツ提供手段は、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該要求と共に送信されてくる生成用データを受信し終えた後に、該生成用データに基づいて前記コンテンツ生成手段により生成されたコンテンツの前記クライアントデバイスに対する提供を開始する、ように構成されている。
【0026】
このように構成すれば、サーバからクライアントデバイスへのコンテンツの提供は、生成用データの受信が終了した後に行われるため、クライアントデバイス側においてコンテンツの一部が正常に印刷された時点で意図的に生成用データの送信を停止させたとしても、この時点ではサーバ側で既に課金処理が終了している。よって、このような行為により課金を免れることを防止することができる。
【0027】
ところで、上述したような課金処理を行う構成においては、この課金処理を行うタイミングで直ちに課金処理を行って課金するように構成すればよいが、クライアントデバイスのユーザからすれば、その課金額によってコンテンツを印刷するか否かを検討し直したい場合もあるはずである。
【0028】
そこで、請求項6に記載のように、前記サーバは、前記クライアントデバイスに対してコンテンツを提供した後、該クライアントデバイスに対して、前記課金処理手段により課金処理を行った場合に課金される課金額を通知する課金通知手段を備え、該課金通知手段により課金額を通知したクライアントデバイスから、コンテンツの記録媒体への印刷を行う旨が通知された場合にのみ、前記課金処理手段による課金処理を行う、ように構成されており、前記クライアントデバイスは、前記コンテンツ要求手段による要求を受けた前記サーバから最初にコンテンツの提供を受けた後、該サーバから通知される課金額に基づいて、前記提供を受けたコンテンツの記録媒体への印刷を行うか否かをユーザに選択させる印刷選択手段と、該印刷選択手段によりコンテンツの記録媒体への印刷を行う旨が選択された場合に、その旨をサーバに通知する印刷通知手段と、を備え、前記印刷選択手段によりコンテンツの記録媒体への印刷を行う旨が選択された場合にのみ、前記コンテンツ印刷手段によるコンテンツの記録媒体への印刷を行う、ように構成するとよい。
【0029】
このように構成すれば、クライアントデバイス側でコンテンツが印刷されるのは、そのコンテンツを印刷した場合の課金額を通知された後、印刷を行う旨が選択された場合であり、こうして、クライアントデバイス側でコンテンツの印刷が行われたときにのみ、通知した課金額の課金が行われる。そのため、クライアントデバイスのユーザは、サーバ側から通知された課金額によって、コンテンツを印刷するか否かを検討し直すことができる。
【0030】
なお、上述したコンテンツ提供手段によるコンテンツの提供については、どのような方法で実現してもよいが、請求項7に記載のように、前記クライアントデバイスに対してコンテンツを送信することによりコンテンツの提供を実現する、ように構成することが考えられる。
【0031】
このように構成すれば、クライアントデバイスは、サーバから直接コンテンツの提供を受けることができる。
また、コンテンツ提供手段によるコンテンツの提供を実現するための構成として、請求項8に記載のように、前記クライアントデバイスからコンテンツへのアクセスが可能な状態とし、該アクセスが可能な状態とした旨を前記クライアントデバイスに対して通知することによりコンテンツの提供を実現する、ように構成することも考えられ、この場合、前記クライアントデバイスにおいては、前記コンテンツのアクセスが可能な状態とした旨の通知を前記サーバから受けた際に、該通知に従って前記コンテンツにアクセスするアクセス手段が備えられ、該アクセス手段によりアクセスされたコンテンツの記録媒体への印刷を前記コンテンツ印刷手段により行う、ように構成すればよい。
【0032】
このように構成すれば、クライアントデバイスは、サーバからの通知を受けて、アクセス可能な状態とされているコンテンツにアクセスすることにより、サーバからのコンテンツの提供を受けることができる。
【0033】
また、請求項9に記載のネットワークデバイスは、記録媒体への印刷が可能なコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該要求元に対してデータ通信回線を介して提供するコンテンツ提供手段と、前記コンテンツの提供を要求された以降に、その要求元に対する課金処理を行う課金処理手段と、を備えるとともに、前記要求元からコンテンツの提供を要求された際、該要求元が先に前記コンテンツ提供手段によりコンテンツを提供した要求元であれば、前記課金処理手段による課金処理を行うことなく、該要求元に対して前記コンテンツ提供手段により再度コンテンツを提供する、ように構成されているサーバから、前記コンテンツの提供を受けることができるコンテンツ提供システムを構成する前記要求元としてのクライアントデバイスである。このクライアントデバイスは、前記サーバに対してコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手段と、該コンテンツ要求手段による要求を受けたサーバにより提供されたコンテンツの記録媒体への記録を行うコンテンツ記録手段と、該コンテンツ記録手段により記録されたコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に記録されているか否かを判定するコンテンツ判定手段と、を備え、該コンテンツ判定手段によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合、前記コンテンツ要求手段により再度コンテンツの提供を要求する、ように構成されている。
【0034】
このように構成すれば、このネットワークデバイスは、請求項1に記載のコンテンツ提供システムの一部(クライアントデバイス)を構成することができる。
なお、このネットワークデバイスについては、請求項2から8のいずれかに記載のクライアントデバイスと同様の構成としてもよく、この場合、請求項2から8のいずれかに記載のコンテンツ提供システムの一部(クライアントデバイス)を構成することができる。
【0035】
また、請求項10に記載のネットワークデバイスは、記録媒体への印刷が可能なコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手段と、該コンテンツ要求手段による要求にともない提供されたコンテンツの記録媒体への記録を行うコンテンツ記録手段と、該コンテンツ記録手段により記録されたコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に記録されているか否かを判定するコンテンツ判定手段と、を備え、該コンテンツ判定手段によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合、前記コンテンツ要求手段により再度コンテンツの提供を要求する、ように構成されているクライアントデバイスを含むコンテンツ提供システムを構成する前記コンテンツの提供元としてのサーバである。このサーバは、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された以降に、該クライアントデバイスのユーザに対する課金処理を行う課金処理手段と、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該クライアントデバイスに対して提供するコンテンツ提供手段と、を備え、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該クライアントデバイスが先に前記コンテンツ提供手段によりコンテンツを提供したクライアントデバイスであれば、前記課金処理手段による課金処理を行うことなく、該クライアントデバイスに対して前記コンテンツ提供手段により再度コンテンツを提供する、ように構成されている。
【0036】
このように構成すれば、このネットワークデバイスは、請求項1に記載のコンテンツ提供システムの一部(サーバ)を構成することができる。
なお、このネットワークデバイスについては、請求項2から8のいずれかに記載のサーバと同様の構成としてもよく、この場合、請求項2から8のいずれかに記載のコンテンツ提供システムの一部(サーバ)を構成することができる。
【0037】
また、請求項11に記載のプログラムは、記録媒体への印刷が可能なコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該要求元に対してデータ通信回線を介して提供するコンテンツ提供手段と、前記コンテンツの提供を要求された以降に、その要求元に対する課金処理を行う課金処理手段と、を備えるとともに、前記要求元からコンテンツの提供を要求された際、該要求元が先に前記コンテンツ提供手段によりコンテンツを提供した要求元であれば、前記課金処理手段による課金処理を行うことなく、該要求元に対して前記コンテンツ提供手段により再度コンテンツを提供する、ように構成されているサーバから、前記コンテンツの提供を受けることができるコンテンツ提供システムを構成する前記要求元としてのクライアントデバイスを制御するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムである。このプログラムは、前記サーバに対してコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手順と、該コンテンツ要求手段による要求を受けたサーバにより提供されたコンテンツの記録媒体への記録を行うコンテンツ記録手順と、該コンテンツ記録手段により記録されたコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に記録されているか否かを判定するコンテンツ判定手順と、を含み、前記コンテンツ要求手順においては、前記コンテンツ判定手順によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合に、再度コンテンツの提供を要求する、ことを特徴とするプログラムである。
【0038】
このプログラムにより制御されるネットワークデバイスは、請求項1に記載のコンテンツ提供システムの一部(クライアントデバイス)を構成することができる。
また、このプログラムについては、請求項2から8のいずれかに記載のクライアントデバイスの備える全手段としての機能を実現するための処理手順をネットワークデバイスに実行させるためのプログラムとしてもよく、この場合、このネットワークデバイスは、請求項2から8のいずれかに記載のコンテンツ提供システムの一部(クライアントデバイス)を構成することができる。
【0039】
また、請求項12に記載のプログラムは、記録媒体への印刷が可能なコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手段と、該コンテンツ要求手段による要求にともない提供されたコンテンツの記録媒体への記録を行うコンテンツ記録手段と、該コンテンツ記録手段により記録されたコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に記録されているか否かを判定するコンテンツ判定手段と、を備え、該コンテンツ判定手段によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合、前記コンテンツ要求手段により再度コンテンツの提供を要求する、ように構成されているクライアントデバイスを含むコンテンツ提供システムを構成する前記コンテンツの提供元としてのサーバを制御するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムである。このプログラムは、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された以降に、該クライアントデバイスのユーザに対する課金処理を行う課金処理手順と、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該クライアントデバイスに対して提供するコンテンツ提供手順と、を含み、前記課金処理手順においては、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該クライアントデバイスが先に前記コンテンツ提供手順によりコンテンツを提供したクライアントデバイスであれば、課金処理を行わない、ことを特徴とするプログラムである。
【0040】
このようなプログラムにより制御されるネットワークデバイスは、請求項1に記載のコンテンツ提供システムの一部(サーバ)を構成することができる。
また、このプログラムについては、請求項2から8のいずれかに記載のサーバの備える全手段としての機能を実現するための処理手順をネットワークデバイスに実行させるためのプログラムとしてもよく、この場合、このネットワークデバイスは、請求項2から8のいずれかに記載のコンテンツ提供システムの一部(サーバ)を構成することができる。
【0041】
なお、上述した各プログラムは、コンピュータによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものであって、例えば、FD,CD−ROM,メモリーカードなどの記録媒体やインターネットなどの通信回線網を介して、各装置(クライアントデバイスやサーバ),または,各装置を利用するユーザに提供されるものである。また、これらプログラムをユーザに提供する形態としては、各装置のハードディスクやメモリにプレインストールされた状態で提供する形態であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
サービス提供システムは、図1に示すように、複合機10,ディレクトリサーバ20,機能サーバ30などからなり、これらがネットワーク(本実施形態においては、WAN:Wide Area Network)1を介してデータ通信可能に接続されている。具体的にいうと、複合機10,ディレクトリサーバ20および機能サーバ30は、それぞれルータ(R:周知のブロードバンドルータ)2〜4を介してネットワーク1と接続されている。
【0043】
複合機10は、制御部11,操作部12,読取部13,記録部14,通信部15,記憶部16,音入力部17および音出力部18などを備えている。
これらのうち、制御部11は、CPU,ROM,RAM等を備え、このCPUが、ROMに記憶されているプログラムに従って複合機10全体を統括制御する。
【0044】
また、操作部12は、図2に示すように、コピーキー41,スキャナキー42,FAXキー43,サービスキー44,設定キー45,上下左右の方向キー46〜49,OKキー50およびキャンセルキー51,ディスプレイ52などからなるユーザインタフェースとして構成されている。
【0045】
また、読取部13は、スキャナとしての機能を実現するための入力デバイスであり、用紙等のシート状記録媒体に記録された画像を読み取り、その画像を表す画像データを生成する。
【0046】
また、記録部14は、プリンタとしての機能を実現するための出力デバイスであり、画像データで示される画像を用紙等のシート状記録媒体に印刷する。
また、通信部15は、複合機10をネットワーク1に接続すると共に、このネットワーク1を介してデータを送受信するための処理を行う。
【0047】
また、記憶部16は、図示しない不揮発性RAMを備えており、この不揮発性RAMにデータを記憶可能に構成されている。
また、音入力部17は、本複合機10が備える図示しないハンドセット(受話器)に設けられたマイクから音を入力し、その音を表す音データ(PCMデータ)を生成する。
【0048】
そして、音出力部18は、音データ(PCMデータ)の表す音を、図示しないハンドセット,または,複合機10本体に設けられた図示しないスピーカから出力する。
ディレクトリサーバ20は、制御部21,通信部22および記憶部23を備えている。
【0049】
これらのうち、制御部21は、CPU,ROM,RAM等を備え、このCPUが、ROMまたはRAMに記憶されているプログラムに従ってディレクトリサーバ20全体を統括制御する。
【0050】
また、通信部22は、ディレクトリサーバ20をネットワーク1に接続すると共に、このネットワーク1を介してデータを送受信するための処理を行う。
そして、記憶部23は、図示しないハードディスクを備えており、このハードディスクにデータを記憶する。この記憶部23には、後述するサービス定義情報25を記憶するためのサービス定義情報記憶部24が設けられている。このサービス定義情報25は、XML(eXtensible Markup Language)により記述されたXMLデータであり、この記述内容に従って後述するサービス選択用画面を表示させることで、機能サーバ30が提供可能なサービス一覧(各サービスの種類及び要求先アドレス(URL;Uniform Resource Locator)を提供することができる。
【0051】
機能サーバ30は、制御部31,通信部32および記憶部33などを備えている。
これらのうち、制御部31は、CPU,ROM,RAM等を備え、このCPUが、ROMまたはRAMに記憶されているプログラムに従って機能サーバ30全体を統括制御する。なお、この制御部31は、複合機10の制御部11に比べて充分に高性能な構成とされており、複合機10の制御部11では実行困難な処理についてもその処理を行うことができる。
【0052】
また、通信部32は、機能サーバ30をネットワーク1に接続すると共に、このネットワーク1を介してデータを送受信するための処理を行う。
そして、記憶部33は、図示しないハードディスクを備えており、このハードディスクにデータを記憶する。この記憶部33は、それぞれ異なるサービスを提供するための処理を実行するサービスソフトウェア122を記憶するためのサービスソフト記憶部120と、後述する課金を行う際に必要となる情報を記憶する課金情報記憶部130と、後述するセッションIDなどの情報を記憶するセッション管理情報記憶部140と、後述する印刷データなどの情報を記憶するサービス出力記憶部150と、からなる。
(2)複合機10による処理
以下に、複合機10の制御部11により実行される各種処理について説明する。
(2−1)複合機処理
はじめに、複合機10が起動された以降、繰り返し実行される処理である複合機処理を図3に基づいて説明する。
【0053】
この複合機処理が起動されたら、まず、初期化処理を行う(s102)。
この初期化処理を終えた後、外部からの指令,例えば、操作部12への入力操作やネットワーク1を介した指令信号の入力などが発生したら(s104)、その入力が動作モードをサービスモードへ移行させるための内容であるか否かをチェックする(s106)。ここでは、例えば、s104による入力が操作部12のサービスキー44を押下する操作であれば、サービスモードへ移行させるための内容であると判定する。なお、この「サービスモード」とは、以下の処理で示すように、機能サーバ30に対してサービスの提供を要求するための処理を実行するための動作モードである。
【0054】
このs106で、入力がサービスモードへ移行させるための内容でないと判定されたら(s106:NO)、その入力内容に応じて他の動作モードに対する処理(その他のモードの処理)を行った後(s108)、s104へ戻る。
【0055】
一方、s106で、サービスモードへ移行させるための内容であると判定されたら(s106:YES)、機能サーバ30に要求すべきサービスを指定する方法をユーザに選択させる(s110)。ここでは、サービスをリストから指定するか、要求先アドレスを直接入力により指定するかを選択させるための選択画面をディスプレイ52に表示させることによりユーザに選択を促す。この選択画面が表示された後、ユーザは、いずれにてサービスを指定するかの選択を操作部12により行うことができる。
【0056】
このs110で、リストから指定する旨が選択されたら(s110:YES)、ディレクトリサーバ20にサービス一覧の照会を要求する(s112)。ここでは、ディレクトリサーバ20に対してサービス定義情報25の送信を要求するためのアドレスとして、あらかじめ記憶部16に記憶されたアドレス宛に、HTTP1.1(HTTP:HyperText Transfer Protocol)に基づくHTTPリクエスト(以降、単に「HTTPリクエスト」という)を送信することにより、サービス一覧の照会を要求する。このアドレスに基づいてアクセスを受けたディレクトリサーバ20は、後述のように、HTTP1.1に基づくHTTPレスポンス(以降、単に「HTTPレスポンス」という)により、トップのサービス定義情報25をHTTPレスポンスにより返信してくる。このトップのサービス定義情報25は、「データ保存サービス」,「印刷サービス」,「コピー応用サービス」といったサービスのカテゴリについての選択を促すカテゴリ選択用画面を表示させるためのサービス定義情報25である。
【0057】
こうして、サービス一覧の照会を要求した後、ディレクトリサーバ20から返信されたサービス定義情報25を受信したら(s114)、このサービス定義情報25に基づいて選択用画面をディスプレイ52に表示させた後(s116)、次の処理(s120)へ移行する。このs116がトップのサービス定義情報25を受信した後に行われる場合には、そのXMLの記述に従って、図4(a)に示すように、表示用タイトルとして「ディレクトリサービス」の文字がディスプレイ52の表示領域上部に配置され、選択可能なカテゴリを表す項目である「データ保存サービス」,「印刷サービス」および「コピー応用サービス」の文字が表示領域下部に配置されてなるカテゴリ選択画面の表示を行う。また、このサービス定義情報25には、カテゴリに対応する別のサービス定義情報25のアドレスがリンク先として割り当てられており、いずれかの項目がサービス選択画面に基づいて選択されることにより、その項目に対応するアドレスのサービス定義情報25をディレクトリサーバ20に要求することができる。なお、表示領域の制約上、すべての項目を一度に表示することができない場合、画面をスクロールさせることで各項目の配置が上下に移動するように構成されている。
【0058】
また、s116の処理がトップ以外のサービス定義情報25を受信した後に行われる場合,具体的な例として、「コピー応用サービス」に関するサービス定義情報25を受信した場合には、そのXMLの記述に従って、図4(b),(c)に示すように、表示用タイトルとして「コピー応用サービス」の文字が表示領域上部に配置され、選択可能な項目として「すかし入りコピー」,「翻訳コピー」,「原稿読み上げ」および「音声テキスト変換」のサービスが表示領域下部に配置されてなるサービス選択画面の表示を行う。また、このサービス定義情報25についても、サービスに対応する別のサービス定義情報25のアドレスがリンク先として割り当てられており、いずれかの項目がサービス選択画面に基づいて選択された際に、その項目に対応するアドレスのサービスの提供を機能サーバ30に要求することになる。なお、これらサービス選択画面についても、表示領域の制約上、すべての項目を一度に表示することができない場合、画面をスクロールさせることで各項目の配置が上下に移動するように構成されている。
【0059】
また、上述したs110で、要求先アドレスを直接入力により指定する旨が選択された場合には(s110:NO)、要求先アドレスを入力するためのアドレス入力画面をディスプレイ52に表示させた後(s118)、次の処理(s120)へ移行する。
【0060】
こうして、選択用画面またはアドレス入力画面が表示された以降、ユーザは、いずれかの項目を選択する操作(アドレスを入力する操作),または,サービスモードを終了する操作(停止操作)を操作部12により行うことができる。
【0061】
次に、ユーザによる操作部12への入力操作を受け付け(s120)、こうして行われた入力操作がリンクを選択する操作であるか否かをチェックする(s122)。ここでは、s116にて表示された選択用画面における項目を選択する操作,または,s118にて表示されたアドレス入力画面にアドレスを入力する操作が入力操作として行われた場合に、リンクを選択する操作であると判定する。
【0062】
このs122で、リンクを選択する操作でないと判定された場合(s122:NO)、その入力操作が停止操作であれば(s124:YES)、s104へ戻ることによりサービスモードとしての処理を終了する一方、入力操作が停止操作でなければ(s124:NO)、拒否音(ブザー音など)を鳴動させた後(s126)、s120へ戻る。
【0063】
また、s122で、入力操作がリンクを選択する操作であると判定された場合(s122:YES)、その選択されたリンクがサービスへのリンク,つまり機能サーバ30にサービスの提供を要求するためのIDであるか否かをチェックする(s128)。
【0064】
このs128で、サービスへのリンクでないと判定された場合,つまり別のサービス定義情報25のIDである場合には(s128:NO)、ディレクトリサーバ20に対してサービス一覧の照会を要求し、該当するサービス定義情報25を受信した後(s130)、s116へ戻ってサービス選択用画面をディスプレイ52に表示させる。
【0065】
そして、s128で、サービスへのリンクであると判定された場合には(s128:YES)、後述するセッション処理(図5)を行った後(s132)、s104へ戻ることによりサービスモードとしての処理を終了する。
(2−2)セッション処理
続いて、図3におけるs132であるセッション処理の詳細な処理手順を図5に基づいて説明する。
【0066】
このセッション処理では、まず、図3におけるs120により選択されたリンク先(アドレスを直接入力した場合には、そのアドレス)に基づいてサービスを起動する(s202)。ここでは、リンク先に対してサービス起動指令をHTTPリクエストにより送信することで、図3におけるs120にてユーザに選択されたサービスを機能サーバ30側において起動させる。このサービス起動指令を受信した機能サーバ30からは、セッションIDがHTTPレスポンスにより返信されてくる。
【0067】
次に、s204によるサービス起動指令に応じて機能サーバ30から返信されてくるセッションIDを受信する(s204)。なお、以降の処理で送信するHTTPリクエストおよびHTTPレスポンスには、特に明示しない限り、全てセッションIDが含まれた状態でやりとりされることとし、このHTTPリクエストを受信した機能サーバ30側では、このセッションIDに基づいて通信中のデバイスを管理(周知のセッション管理)するように構成されている。
【0068】
次に、複合機10自身に対する指令の有無を問い合わせるための「複合機指令問合せ」をHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信する(s206)。この「複合機指令問合せ」を受信した機能サーバ30は、複合機10に対する指令が発生していれば、その内容を示す指令(指令が発生していない場合には「指令なし」を示す指令)をHTTPレスポンスにより返信してくる。
【0069】
次に、s206による問い合わせにより返信されてくる指令(複合機指令)を受信したら(s208)、その指令がジョブ起動指令であるか否かを判定する(s210)。この「ジョブ起動指令」とは、後述のように、s202にてサービス起動指令を送信した以降、機能サーバ30側で発生する指令であり、そのタイミングやサービスの内容に応じたジョブの起動を指令する内容となっている。なお、このジョブ起動指令には起動すべきジョブのジョブID,ジョブの種類およびジョブの通信先アドレスが付加されている。
【0070】
このs210で、ジョブ起動指令であると判定された場合(s210:YES)、ジョブの起動に必要なリソースを確保した後で(s212)、ジョブ起動指令で指令されたジョブを起動する(s213)。ここでは、ジョブ起動指令で指令されたジョブに対して、このジョブ起動指令に付加されたジョブIDおよび通信先アドレスを渡すことにより、そのジョブを起動する。なお、こうして起動されるジョブは、他の処理と並行して実行されるものであり、これについては、複数種類のサービスのうち、本発明を理解する上で重要なサービスである「コピー応用サービス」のうちの「翻訳コピー」を例に挙げて、後述する「コピー応用ジョブ」(図6,図7)において詳述する。
【0071】
こうして、ジョブの起動を行った後、所定インターバル待機した後(s214)、s206へ戻る。
また、上述したs210で、ジョブ起動指令でないと判定された場合(s210:NO)、s208で受信した指令がジョブ終了指令であるか否かをチェックする(s216)。この「ジョブ終了指令」とは、上述したs213でジョブを起動した以降、このジョブが終了した際に機能サーバ30側で発生する指令である。なお、このジョブ終了指令には、その終了したジョブのジョブIDが付加されている。
【0072】
このs216で、ジョブ終了指令であると判定された場合(s216:YES)、このジョブ終了指令に付加されたジョブIDのジョブについて、このジョブを起動するにあたりs212にて確保したリソースを解放した後(s218)、s214へ移行する。
【0073】
また、上述したs216で、ジョブ終了指令でないと判定された場合(s216:NO)、「指令なし」を示すものであるか否かをチェックし(s220)、「指令なし」を示すものであれば(s220:YES)、s214へ移行する一方、「指令なし」を示すものでなければ(s220:NO)、セッション終了指令であるか否かを判定する(s222)。この「セッション終了指令」とは、この複合機10に対するサービスの提供が終了した際に機能サーバ30側で発生する処理である。
【0074】
そして、このs222で、セッション終了指令であると判定された場合(s222:YES)、本セッション処理を終了する一方、s208で受信した指令が上述したいずれの指令でもない場合,例えば、エラー通知情報である場合には(s222:NO)、エラーを報知するための処理(指令エラーの処理)を行った後(s224)、本セッション処理を終了する。このs224では、エラーである旨のメッセージをディスプレイ52に表示させることによりエラーを報知する。
(2−3)コピー応用ジョブ
続いて、図5におけるs213にて起動されるジョブの一種であるコピー応用ジョブの処理手順を図6,図7に基づいて説明する。
【0075】
このコピー応用ジョブが開始されると、まず、ユーザにユーザIDを入力させるためのID入力画面をディスプレイ52に表示させ、これに対応して操作部12によりユーザIDを入力する操作が行われたら(s402)、このユーザIDに基づいてコピー応用サービスを機能サーバ30側において起動させる(s404)。ここでは、サービス定義情報25で示されるコピー応用サービスのアドレス宛に、サービスを起動させるためのサービス起動指令を、入力されたユーザIDと共にHTTPリクエストにより送信することで、コピー応用サービスを機能サーバ30側において起動させる。このサービス起動指令を受信した機能サーバ30からは、第1パラメータ要求がセッションIDと共にHTTPレスポンスにより返信されてくる。この「第1パラメータ要求」は、後述のように、サービス起動指令を受信した機能サーバ30側で発生する指令であり、第1パラメータ(本実施形態においては、翻訳方法)を複合機10に対して要求するための指令となるXMLデータである。
【0076】
次に、s404にて送信したサービス起動指令に応じて機能サーバ30から返信されてくる第1パラメータ要求およびセッションIDを受信する(s406)。なお、以降の処理で送信するHTTPリクエストおよびHTTPレスポンスには、全てセッションIDが含まれた状態で送信されることは、上述したのと同様である。
【0077】
次に、s406にて受信した第1パラメータ要求に基づいて第1パラメータを指定させるためのパラメータ入力画面をディスプレイ52に表示させることにより、第1パラメータを指定する操作をユーザに促す(s408)。本実施形態においては、第1パラメータ要求のXMLの記述に従って、図8(a)に示すように、表示用タイトルとして翻訳コピーの文字が表示領域上部に配置され、翻訳方法を示す「英語→日本語」および「日本語→英語」が表示領域下部に配置されてなるパラメータ入力画面の表示を行う。このパラメータ入力画面が表示された後、ユーザは、いずれかの翻訳方法を第1パラメータとして指定する操作を行うことができる。
【0078】
このパラメータ入力画面の表示後、第1パラメータ(翻訳方法)を指定する操作が行われたら(s410)、その第1パラメータをHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信する(s412)。この第1パラメータを受信した機能サーバ30からは、第2パラメータ要求がHTTPレスポンスにより返信されてくる。この「第2パラメータ要求」は、後述のように、第1パラメータを受信した機能サーバ30側で発生する指令であり、翻訳すべきテキストの記載された原稿をスキャンしてなる画像データを複合機10に対して要求するための指令となるXMLデータである。
【0079】
次に、s412により送信した第1パラメータに応じて機能サーバ30から返信されてくる第2パラメータ要求を受信した後(s414)、この第2パラメータ要求に基づいて第2パラメータを入力させるためのパラメータ入力画面をディスプレイ52に表示させることにより、第2パラメータを生成する操作をユーザに促す(s416)。本実施形態においては、第2パラメータ要求のXMLの記述に従って、図8(b)に示すように、表示用タイトルとして翻訳コピーの文字が表示領域上部に配置され、翻訳すべきテキストが記載されたシート状記録媒体(原稿)をフィーダ(読取部13によりシート状記録媒体を読み込ませるための装置)にセットすべき旨のメッセージが表示領域下部に配置されてなるパラメータ入力画面のディスプレイ52への表示を行う。このパラメータ入力画面が表示された後、ユーザは、フィーダに原稿をセットした後、操作部12のスキャナキー42を押下するといった操作を行うことにより、読取部13で原稿を読み取ってなる画像データを第2パラメータとして生成することができる。
【0080】
このパラメータ入力画面の表示後、第2パラメータ(画像データ)を生成する操作が行われたら(s418)、こうして順次生成される第2パラメータをHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信する(s420)。この第2パラメータを受信した機能サーバ30からは、第3パラメータ要求がHTTPレスポンスにより返信されてくる。この「第3パラメータ要求」は、後述のように、第2パラメータを受信した機能サーバ30側で発生する指令であり、その後の処理内容の指定を複合機10に対して要求するための指令となるXMLデータである。より具体的にいうと、機能サーバ30は、このs420にて送信が開始された第2パラメータの受信が正常に終了したか否かを確認した確認結果と共に、その確認結果に応じた処理内容の指定を要求するための第3パラメータ要求をHTTPレスポンスにより返信してくる。
【0081】
次に、このs420にて送信した第2パラメータに応じて機能サーバ30から返信されてくる第3パラメータ要求を受信する(s422)。
次に、このs422にて受信した第3パラメータ要求に基づいて第3パラメータを指定させるためのパラメータ入力画面をディスプレイ52に表示させることにより、第3パラメータを指定する操作をユーザに促す(s424)。ここでは、第3パラメータ要求が、第2パラメータの受信が正常に終了していない旨の確認結果に対応するものであれば、この第3パラメータ要求のXMLの記述に従って、図8(c)に示すように、正常に受信が終了しなかった旨(スキャン結果失敗)のメッセージが表示領域上部に配置され、第2パラメータの入力をやり直す(再スキャンする)か否かの項目(図8(c)における「再スキャン」,「終了」)が選択可能な項目として表示領域下部に表示されてなるパラメータ入力画面の表示を行う。また、第3パラメータ要求が、第2パラメータの受信が正常に終了したい旨の確認結果に対応するものであれば、この第3パラメータ要求のXMLの記述に従って、図8(d)に示すように、その第2パラメータに基づいてサービスの提供を受けた場合に必要となる料金が表示領域上部に配置され、以降の処理を行う(続ける)か否かの項目(図8(d)における「続ける(課金)」,「終了」)が選択可能な項目として表示領域下部に表示されてなるパラメータ入力画面の表示を行う。
【0082】
このパラメータ入力画面が表示された後、ユーザは、いずれかの項目を第3パラメータとして指定する操作を行うことができる。
このパラメータ入力画面の表示後、タイムアウトとなっているか否かをチェックする(s426)。ここでは、パラメータ入力画面を表示した以降、ユーザにより項目を指定する操作が行われないまま所定時間(本実施形態においては30秒)が経過した場合に、タイムアウトになっていると判定する。
【0083】
このs426にてタイムアウトになっていると判定された場合には(s426:YES)、サービス終了処理を行った後(s428)、本コピー応用ジョブを終了する。このs428では、コピー応用サービスの終了を指令するためのサービス終了指令をHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信し、このサービス終了指令を受信した機能サーバ30からHTTPレスポンスにより返信されてくるサービス終了確認を受信する、といった処理を行う。
【0084】
一方、s428にてタイムアウトになる前に(s426:NO)、第3パラメータを指定する操作が行われたら(s430)、こうして指定された第3パラメータが第2パラメータの入力をやり直す旨のパラメータ(図8(c)における「再スキャン」を指定した場合)であれば(s432:YES)、その第3パラメータをHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信した後(s434)、s414に戻る。なお、このs434にて送信した第3パラメータを受信した機能サーバ30からは、再度、第2パラメータ要求がHTTPレスポンスにより返信されてくるため、s414にて再度、第2パラメータ要求を受信することとなる。
【0085】
また、s430にて指定された第3パラメータが以降の処理を行う旨のパラメータ(図8(d)における「続ける(課金)」を指定した場合)であれば(s432:NO,s436:YES)、その第3パラメータをHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信する(s438)。この第3パラメータを受信した機能サーバ30からは、s420にて送信した第2パラメータで示される画像データに基づき、この画像データで示される画像に含まれるテキストを翻訳してなるデータ(画像データまたはテキストデータ)が生成され、このデータが印刷すべき印刷データとして送信されてくる。
【0086】
次に、s438により送信した第3パラメータに応じて機能サーバ30から返信されてくる印刷データを受信したら(s440)、この印刷データで示される画像の記録部14によるシート状記録用紙への記録を開始させる(s444)。
【0087】
この後、印刷データで示される画像の印刷中にエラーが発生しなければ(s446:NO)、正常に印刷が終了した旨の正常通知をHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信した後(s448)、s428へ移行してサービス終了処理を行い、本コピー応用ジョブを終了する。なお、s448にて正常通知を送信した後は、機能サーバ30からサービス終了確認がHTTPレスポンスにより返信されてくるため、この場合のサービス終了処理は、このサービス終了確認を受信する処理のみを行う。
【0088】
一方、印刷データで示される画像の印刷中にエラーが発生したら(s446:YES)、正常に印刷が終了しなかった(失敗した)旨の失敗通知をHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信した後(s450)、本コピー応用ジョブにおいて利用されたセッションIDを現在時刻と共に保存する(s452)。ここでは、記憶部16に記憶されているデータテーブルに、セッションIDを現在時刻と対応づけた状態で登録することにより、これら情報の保存を行う。
【0089】
そして、セッションIDおよび現在時刻を保存したら、サービス出力情報要求処理を起動した後(s454)、s428へ移行してサービス終了処理を行い、本コピー応用ジョブを終了する。こうしてs454で起動されるサービス出力情報要求処理は、他の処理と並行して実行されるものであり、これについては、後述する「サービス出力情報要求処理」(図9)において詳述する。なお、s450にて失敗通知を送信した後は、機能サーバ30からサービス終了確認がHTTPレスポンスにより返信されてくるため、この場合のサービス終了処理は、このサービス終了確認を受信する処理のみを行う。
【0090】
また、上述したs430にて指定された第3パラメータが、第2パラメータの入力をやり直さない旨(図8(c)における「終了」を指定した場合),または,以降の処理を行わない旨(図8(d)における「終了」を指定した場合)であれば(s436:NO)、s428へ移行してサービス終了処理を行い、本コピー応用ジョブを終了する。
(2−4)サービス出力情報要求処理
続いて、図7におけるs454にて起動されるサービス出力情報要求処理の処理手順を図9に基づいて説明する。
【0091】
このサービス出力情報要求処理が開始されると、まず、図6におけるs402にて入力されたユーザIDおよび図7におけるs452にて保存されたセッションIDをHTTPリクエストにより機能サーバ30に送信する(s502)。これらのIDを受信した機能サーバ30からは、ここで送信したセッションIDに対応する印刷データが記憶されていれば、その印刷データがHTTPレスポンスにより送信されてくるのに対し、対応する印刷データが記憶されていなければ、サービス終了確認がHTTPレスポンスにより送信されてくる。
【0092】
このs502にて送信したIDを受信した機能サーバ30から返信されてくる情報を受信されたら(s504)、その情報が印刷データでなければ(s506:NO)、サービス終了処理を行った後(s508)、本サービス出力情報要求処理を終了する。このs514は、図7におけるs428と同様の処理であり、この場合には、サービス終了確認を受信する処理のみを行う。
【0093】
一方、受信した情報が印刷データであれば(s506:YES)、この印刷データで示される画像の記録部14によるシート状記録用紙への記録を開始させる(s510)。この処理は、図7におけるs444と同様である。
【0094】
こうして、印刷データで示される画像の印刷中にエラーが発生しなければ(s512:NO)、正常通知をHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信した後(s514)、s508へ移行してサービス終了処理を行い、本サービス出力情報要求処理を終了する。このs514は、図7におけるs448と同様の処理であり、この正常通知を受信した機能サーバ30からは、サービス終了確認がHTTPレスポンスにより送信されてくるため、この場合のサービス終了処理は、このサービス終了確認を受信する処理のみを行う。
【0095】
一方、印刷データで示される画像の印刷中にエラーが発生したら(s510:YES)、失敗通知をHTTPリクエストにより機能サーバ30へ送信した後(s516)、s508と同様、サービス終了処理を行う(s518)。このs516は、図7におけるs450と同様の処理であり、この失敗通知を受信した機能サーバ30からは、サービス終了確認がHTTPレスポンスにより送信されてくるため、このサービス終了処理は、このサービス終了確認を受信する処理のみを行う。
【0096】
そして、サービス終了処理を終えたら、所定時間(本実施形態においては、30秒)待機した後(s520)、s502の処理へ戻る。
(2−5)サービス出力情報削除処理
続いて、図7におけるs452にて保存されたセッションIDおよび現在時刻を削除するためのサービス出力情報削除処理の処理手順を、図10に基づいて説明する。このサービス出力情報削除処理は、操作部12により所定の操作が行われた際に開始される。
【0097】
このサービス出力情報削除処理が開始されると、まず、ディスプレイ52にセッションID選択画面を表示させる(s602)。ここでは、図7におけるs452にてセッションIDおよび現在時刻が記憶されている上述したデータテーブルに基づいて、図11に示すように、セッション選択の文字が表示領域上部に配置され、上記データテーブルに登録された現在時刻それぞれが選択可能な項目として表示領域下部に表示されてなるセッションID選択画面を表示させる。このセッションID選択画面が表示された以降、ユーザは、いずれかの項目を選択する操作を操作部12により行うことができる。
【0098】
このセッションID選択画面の表示後、項目を選択する操作が行われたら(s604)、ユーザにユーザIDを入力させるためのID入力画面をディスプレイ52に表示させ、これに対応して操作部12によりユーザIDを入力する操作が行われるのを待って(s606)、このユーザIDおよびs604にて選択された項目(セッションID)を、HTTPリクエストにより機能サーバ30に送信する(s608)。これらIDを受信した機能サーバ30からは、s604にて選択された項目(セッションID)に対応する印刷データが記憶されているか否かを通知すると共に、このように印刷データが記憶されている場合にその印刷データを削除した旨を通知するための印刷削除通知がHTTPレスポンスにより送信されてくる。
【0099】
このs608にてIDを送信した後、機能サーバ30から印刷削除通知を受信したら(s610)、その印刷削除通知で示される内容が、セッションIDに対応する印刷データが記憶されている旨であれば(s612:YES)、s606にて選択された項目に対応する印刷データが機能サーバ30側において削除された旨のメッセージをディスプレイ52に表示させた後(s614)、その項目(セッションIDおよび現在時刻)を上記データベースから削除して(s616)、本サービス出力情報削除処理を終了する。
【0100】
一方、印刷削除通知で示される内容が、セッションIDに対応する印刷データが記憶されていない旨であれば(s612:NO)、s606にて選択された項目に対応する印刷データが機能サーバ30側において記憶されていない旨のメッセージ(エラー情報)を表示させた後(s618)、s616へ移行して該当するセッションIDおよび現在時刻を削除した後、本サービス出力情報削除処理を終了する。
(3)機能サーバ30による処理
以下に、機能サーバ30の制御部31により実行される各種処理について説明する。
(3−1)機能サーバ処理
はじめに、HTTPリクエストが受信される毎に行われる機能サーバ処理の処理手順を図12に基づいて説明する。
【0101】
この機能サーバ処理が起動されると、まず、受信したHTTPリクエストがサービス起動指令であるか否かをチェックする(s702)。この「サービス起動指令」は、図5におけるs202にて複合機10により送信されるものである。
【0102】
このs702で、サービス起動指令であると判定された場合には(s702:YES)、セッションIDを生成し、このセッションIDを示す送信データを生成すると共に、サービスの実行のためのリソースを確保して後述のセッション処理(図13)を起動した後(s708)、ここで生成した送信データをHTTPレスポンスとして複合機10へ返信して(s710)、本機能サーバ処理を終了する。この場合において返信される送信データ(セッションID)は、図5におけるs204にて複合機10が受信するものである。
【0103】
また、s702で、サービス起動指令でないと判定された場合には(s702:NO)、HTTPリクエストがサービス終了指令であるか否かをチェックする(s712)。この「サービス終了指令」は、図7におけるs428,または,複合機10のキャンセルキー51押下などの操作によりサービスの実行の停止が指示されることにより、複合機10側から送信されてくるものである。
【0104】
このs712で、サービス終了指令であると判定された場合には(s712:YES)、セッションIDおよびs708にて確保されたリソースを解放し、サービス終了を表すセッション終了指令を生成した後(s714)、s710へ移行し、このセッション終了指令をHTTPレスポンスとして複合機10へ返信して、本機能サーバ処理を終了する。この場合において返信されるセッション終了指令は、複合機10が図5におけるs208にて受信して同図s222にて「YES」と判定することとなるものである。
【0105】
一方、上述のs712にてサービス終了指令ではないと判定された場合には(s712:NO)、サービスに関する情報が含まれているか否か,具体的には複合機10がセッション処理または他のジョブにおいて送信してきたHTTPリクエストであるか否かをチェックする(s716)。
【0106】
このs716で、サービスに関する情報が含まれていると判定された場合には(s716:YES)、そのHTTPリクエストを送信してきたプロセス(セッション処理,ジョブ)を特定する(s718)。
【0107】
このs718によりプロセスを特定できなければ(s720:YES)、エラーを通知するための情報(エラー通知情報)を生成した後(s722)、次の処理(s736)へ移行する。
【0108】
一方、s718によりプロセスを特定できれば(s720:NO)、その特定したプロセスにHTTPリクエストにて送信されてきた情報を渡す(s724)。
こうして、s724を終えた後、または、s716にてサービスに関する情報が含まれていないと判定された場合(s716:NO)、セッションIDまたはジョブIDに対応する情報の記憶領域を特定する(s726)。
【0109】
このs726により記憶領域を特定できなければ(s728:YES)、s722へ移行してエラー通知情報を生成して次の処理(s736)へ移行する。一方、記憶領域を特定できれば(s728:NO)、この記憶領域に複合機10へ返信すべき情報が存在しているか否かをチェックする(s730)。
【0110】
そして、このs730で、返信すべき情報が存在していないと判定されたら(s730:NO)、「指令なし」の情報を生成した後(s732)、次の処理(s736)へ移行する一方、送信すべき情報が存在していると判定されたら(s730:YES)、その返信情報に基づいて複合機制御指令を生成した後(s734)、次の処理(s736)へ移行する。
【0111】
次に、こうしてs722.s732,s734にて生成した情報をHTTPレスポンスとして複合機10へ返信する(s736)。ここで返信されるHTTPレスポンスのうち、s722にて生成されたエラー通知情報は、複合機10が図5におけるs208にて受信して同図s222にて「NO」と判定した後、同図s224を実施することとなるものである。また、s732にて生成された「指令なし」の情報は、複合機10が同図s208にて受信して同図s220にて「YES」と判定することとなるものである。そして、s734にて生成された複合機制御指令は、後述するジョブにおいて異なる内容のものとなり、それぞれ複合機10側で対応するジョブにおいて受信されるものである。
【0112】
そして、セッションID又はジョブIDに対応するメモリアドレスに「送信済み」をセットした後(s738)、本機能サーバ処理を終了する。
(3−2)セッション処理
続いて、機能サーバ処理と並行して実行されるセッション処理の処理手順を図13に基づいて説明する。
【0113】
このセッション処理が開始されると、まず、初期化処理を行う(s802)。
次に、サービス起動指令により起動を指令されたサービスに対応するジョブを起動する(s804)。このサービス起動指令は、図5におけるs202にて複合機10から送信されたものであり、図12におけるs702にてサービス起動指令であると判定されたものである。
【0114】
次に、該当するジョブの起動指令を複合機指令として出力する(s806)。ここでは、ジョブIDおよび通信先アドレスと共に該当するジョブの起動指令を、返信情報を格納する記憶領域に書き込む処理を行う。これに基づいて、図12におけるs734にて複合機制御指令が生成され、同図s736にて複合機10側に起動指令として送信されることとなる。この起動指令は、複合機10が、図5におけるs208にて受信し、これに基づいて同図s213にて該当するジョブを起動することとなるものである。
【0115】
次に、s804にて起動したジョブが終了するまで待機した後(s808:NO)、そのジョブが終了したら(s808:YES)、該当するジョブの終了指令を複合機指令として出力する(s810)。ここでは、ジョブIDと共に該当するジョブ終了指令を、返信情報を格納する記憶領域に書き込む処理を行う。これに基づいて、図12におけるs734にて複合機制御指令が生成され、同図s736にて複合機10側に終了指令として送信されることとなる。この終了指令は、複合機10が、図5におけるs208にて受信して、同図s216にて「YES」と判定することにより、該当するジョブを停止(終了)することとなるものである。
【0116】
そして、該当するジョブにおいて確保されていたリソースを解放するなどの終了処理を行った後(s812)、本セッション処理を終了する(s814)。このs814では、セッション終了指令を、返信情報を格納する記憶領域に書き込む処理を行う。これに基づいて、図12におけるs734にて複合機制御指令が生成され、同図s736にて複合機10側に送信されることとなる。このセッション終了指令は、複合機10が、図5におけるs208にて受信し、これに基づいてセッション処理を終了することとなる(同図s222)ものである。
(3−3)コピー応用ジョブ
続いて、図13におけるs804にて起動されるジョブのうち、本発明を理解する上で重要なジョブであるコピー応用ジョブの処理手順を図14,図15に基づいて説明する。
【0117】
このコピー応用ジョブが開始されると、まず、複合機10からユーザIDおよびサービス起動指令を受信し(s902)、このユーザIDおよびサービス起動指令を送信してきた複合機10とのセッション管理を行うためのセッションIDを生成してセッション管理情報記憶部140に記憶させる(s904)。本実施形態において、セッション管理情報記憶部140には、図16に示すように、セッションIDをユーザIDなどの情報と対応づけて登録するためのデータベースであるセッション管理情報が記憶されているため、このs904においては、ここで生成されるセッションIDとs902にて受信されるユーザIDとを上記データベースに対応づけて登録することにより、セッションIDの記憶を行う。
【0118】
次に、第1パラメータ要求をHTTPレスポンスにより複合機10へ返信する(s906)。ここで送信される第1パラメータ要求とは、図6におけるs406にて複合機10が受信するものであって、第1パラメータ(本実施形態においては、翻訳方法)を複合機10に対して要求するための指令となるXMLデータである。この第1パラメータ要求を受信した複合機10からは、同図s412にて第1パラメータがHTTPリクエストにより送信されてくる。
【0119】
次に、s906にて送信した第1パラメータ要求を受けた複合機10から第1パラメータを受信したら(s908)、第2パラメータ要求をHTTPレスポンスにより複合機10へ返信する(s910)。ここで送信される第2パラメータ要求とは、図6におけるs414にて複合機10が受信するHTTPリクエストであって、第2パラメータ(原稿をスキャンしてなる画像データ)を複合機10に対して要求するための指令となるXMLデータである。この第2パラメータ要求を受信した複合機10からは、図6におけるs420にて第2パラメータがHTTPリクエストにより送信されてくる。
【0120】
次に、s910にて送信した第2パラメータ要求を受けた複合機10からの第2パラメータの受信を開始した以降(s912)、この第2パラメータの受信が正常に終了しなかった場合(s914:NO)、その旨を通知すると共に第2パラメータを生成し直すか否かの指定を複合機10に指令するための第3パラメータ要求をHTTPレスポンスにより複合機10へ送信する(s916)。ここでは、第3パラメータ要求として、複合機10側での第2パラメータの生成が正常に行われない,または,第2パラメータが正常に受信されなかった旨のメッセージ(スキャン失敗)を通知すると共に、第2パラメータの生成をやり直す(再スキャンする)か否かの選択を指令するためのXMLデータをHTTPレスポンスにより複合機10へ送信する。この第3パラメータ要求は、図6におけるs422にて複合機10が受信するものであり、この第3パラメータ要求を受信した複合機10からは、第2パラメータの生成をやり直す(再スキャンする)か否かを示す第3パラメータがHTTPリクエストにより返信されてくる。
【0121】
このs916にて送信した第3パラメータ要求を受けた複合機10から第3パラメータを受信したら(s918)、その第3パラメータが、第2パラメータの生成をやり直す旨の内容を示すものである(図8(c)における「再スキャン」が指定された)場合(s920:YES)、s910へ移行して第2パラメータ要求を複合機10へ返信する。
【0122】
一方、第3パラメータが、第2パラメータの生成をやり直す旨の内容を示すものでない(図8(c)における「終了」が指定された)場合(s920:NO)、コピー応用サービスの終了を確認した旨を通知するためのサービス終了確認をHTTPレスポンスにより複合機10へ送信した後(s922)、本コピー応用ジョブを終了する。このサービス終了確認は、図7におけるs428にて複合機10が受信するものである。
【0123】
また、s910にて受信を開始した第2パラメータの受信が正常に終了した場合(s914:YES)、図15に示すとおり、第2パラメータで示される画像データをOCR変換する(s924)。ここでは、第2パラメータで示される画像データについて、OCR(Optical Character Recognition )を行うことにより、この画像データで示される画像の読み取りを行い、この画像を構成するテキスト部分を抽出してなるテキストデータに変換する。
【0124】
次に、s924にてOCR変換されたテキストデータを、s908にて受信した第1パラメータで示される翻訳方法により翻訳したテキストデータに変換する(s926)。
次に、s926にて翻訳されたテキストデータを画像として印刷するための印刷データに変換し(s928)、この印刷データを保存する(s930)。ここでは、s928で変換された印刷データを、記憶部33におけるサービス出力記憶部150に記憶させることにより、印刷データの保存を行う。
【0125】
次に、未提供セッション情報を更新する(s931)。本実施形態において、セッション管理情報記憶部140には、以降の処理で印刷データを正常に提供できていないユーザそれぞれに対して、そのユーザID,セッションIDおよび印刷データのパス名(記憶先を示す情報)を対応づけて登録するためのデータテーブルである未提供セッション情報が記憶されているため、このs931においては、s904にてセッション管理情報に登録したユーザIDとセッションID,および,s930にて保存した印刷データのパス名を上記データテーブルに対応づけて登録することにより、未提供セッション情報の更新を行う。
【0126】
次に、s926にてテキストデータを翻訳した際に徴収すべき徴収料金を計算する(s932)。ここでは、s924にて抽出されたテキストデータを構成する文字数(または単語数)やページ数に、翻訳に必要な単位料金を積算した値を徴収料金として計算する。
【0127】
次に、s932にて計算した徴収料金がメッセージとして組み込まれた第3パラメータ要求を生成し、このパラメータ要求をHTTPレスポンスにより複合機10へ送信する(s934)。ここでは、第3パラメータ要求として、s932にて計算した徴収料金を示すメッセージを通知すると共に、以降の処理を行う(続ける)か否かの選択を指令するためのXMLデータをHTTPレスポンスにより複合機10へ送信する。この第3パラメータ要求は、図6におけるs422にて複合機10が受信するものであり、この第3パラメータ要求を受信した複合機10からは、以降の処理を行う(続ける)か否かを示す第3パラメータがHTTPリクエストにより返信されてくる。
【0128】
このs934にて送信した第3パラメータ要求を受けた複合機10から第3パラメータを受信したら(s936)、その第3パラメータが、以降の処理を行わない旨の内容を示すものである(図8(d)における「終了」が指定された)場合(s938:NO)、s922へ移行してサービス終了確認を送信した後、本ユーザ応用ジョブを終了する。
【0129】
一方、第3パラメータが、以降の処理を行う旨の内容を示すものである(図8(d)における「続ける(課金)」が指定された)場合(s938:YES)、後述する課金情報更新処理を行う(s940)。この課金情報更新処理は、この翻訳コピーサービスの提供を受けているユーザに対する課金を行うための処理であって、その詳細な説明は後述する「課金情報更新処理」(図17)にて詳述する。
【0130】
次に、s930にて保存した印刷データをHTTPレスポンスにより複合機10へ送信する(s942)。この印刷データは、図7におけるs440にて複合機10が受信するものであり、この印刷データを受信した複合機10からは、この印刷データで示される画像の印刷が正常に終了したら、正常通知がHTTPリクエストにより送信され、正常に終了しなければ、失敗通知がHTTPリクエストにより返信されてくる。
【0131】
そして、s942にて送信した印刷データを受信した複合機10から通知を受信したら(s944)、その通知が失敗通知であれば(s946:YES)、s922へ移行してサービス終了確認を送信した後、本ユーザ応用ジョブを終了する。一方、受信した通知が正常通知であれば(s946;NO)、s931にて未提供セッション情報に登録した情報(ユーザID,セッションID,印刷データのパス名),および,s930にて保存した印刷データを削除し(s948)、s922へ移行してサービス終了確認を送信した後、本ユーザ応用ジョブを終了する。
(3−4)課金情報更新処理
続いて、図15におけるs940にて実行される課金情報更新処理の処理手順を図17に基づいて説明する。
【0132】
この課金情報更新処理においては、まず、料金を特定する(s1002)。ここでは、図14におけるs908にて受信した第1パラメータに基づき、この第1パラメータに対応する料金を特定する。
【0133】
次に、図14におけるs902にて受信したユーザIDのユーザに対する情報にアクセス制限が課せられていない(ロック解除)状態となるまで待機する(s1004)。本実施形態において、課金情報記憶部130には、図18に示すように、ユーザIDそれぞれについて、このユーザIDのユーザに対して課金を行う際に必要となる情報(決済方法,決済に付随する情報,未決済課金金額)の他、これら情報の更新を制限するためのアクセス制限を課しているか否かを示す情報(図18における「ロック」;「TRUE」がアクセス制限を課している(ロック)状態,「FALSE」がアクセス制限を課していない状態)が対応づけられた状態で登録されたデータベースである課金情報が記憶されている。そのため、このs1004では、該当するユーザIDに対応する情報にアクセス制限が課せられていない状態となるまで待機する。
【0134】
このs1004にてアクセス制限が課せられていない状態となったら、課金情報に登録されたユーザIDのうち、図14におけるs902にて受信したユーザIDのユーザに対する情報にアクセス制限を課す(ロック状態とする)(s1006)。ここでは、該当するユーザIDに対応する情報(図18における「ロック」)を、アクセス制限を課す旨の内容(TRUE)に更新することによりアクセス制限を課す。
【0135】
次に、課金情報に登録された未決済課金金額のうち、図14におけるs902にて受信したユーザIDに対応する未決済課金金額を読み出し(s1008)、こうして読み出した未決済課金金額に、s1002にて特定した料金を加算する(s1010)。
【0136】
次に、課金情報に登録された未決済課金金額のうち、図14におけるs902にて受信したユーザIDに対応する未決済課金金額を、s1010にて加算された金額に更新する(s1012)。
【0137】
そして、課金情報に登録されたユーザIDのうち、図14におけるs902にて受信したユーザIDのユーザに対する情報にアクセス制限を解除した後(s1014)、本課金情報更新処理を終了する。このs1014では、該当するユーザIDに対応する情報(ロック)を、アクセス制限を課さない旨の内容(FALSE)に更新することによりアクセス制限を課す。
【0138】
なお、こうして課金情報に登録された未決済課金金額は、一定期間毎に、各ユーザの金融機関における口座から引き落とされ、チケット発行サービスを提供する提供者の口座に振り込まれることになる。そして、このような引き落としまたは振り込みが正常に行われた後で、課金情報に登録された未決済課金金額が「0」に更新される。
(3−5)サービス出力情報送信処理
続いて、図9におけるs502にて複合機10から送信されるユーザIDおよびセッションIDを受信する毎に開始されるサービス出力情報送信処理の処理手順を、図19に基づいて説明する。
【0139】
このサービス出力情報送信処理において、上述したユーザIDおよびセッションIDを受信した後(s1102)、これらユーザIDおよびセッションIDに対応する印刷データが保存されているか否かをチェックする(s1104)。ここでは、s1102にて受信したユーザIDおよびセッションIDに対応するパス名が未提供セッション情報に登録されている場合に、対応する印刷データが保存されていると判定する。
【0140】
このs1104にて、対応する印刷データが保存されていないと判定した場合(s1104:NO)、上述したサービス終了確認を送信した後(s1106)、本サービス出力情報送信処理を終了する。
【0141】
一方、s1104にて、対応する印刷データが保存されていると判定した場合(s1104:YES)、その対応する印刷データをHTTPレスポンスにより複合機10へ送信する(s1108)。この印刷データは、図9におけるs504にて複合機10が受信するものであり、この印刷データを受信した複合機10からは、この印刷データで示される画像の印刷が正常に終了したら、正常通知がHTTPリクエストにより送信され、正常に終了しなければ、失敗通知がHTTPリクエストにより返信されてくる。
【0142】
そして、s1108にて送信した印刷データを受信した複合機10から通知を受信したら(s1110)、その通知が失敗通知であれば(s1112:YES)、s1106へ移行してサービス終了確認を送信した後、本ユーザ応用ジョブを終了する。一方、受信した通知が正常通知であれば(s1112;NO)、s1104にて登録されていると判定された情報(ユーザID,セッションID,印刷データのパス名),および,この情報における印刷データのパス名で示される記憶先に記憶された印刷データをそれぞれ削除し(s1114)、s1106へ移行してサービス終了確認を送信した後、本ユーザ応用ジョブを終了する。
(4)効果
このように構成されたサービス提供システムにおいて、複合機10は、機能サーバ30から受信した印刷データに基づく印刷を開始した以降(図7におけるs444)、エラーが発生して適切に印刷がなされないと判定した場合(同図s446)、サービス出力情報要求処理を起動することで(同図s454)、再度印刷データの要求を機能サーバ30に対して行う(図9におけるs502)。そして、この要求を受けた機能サーバ30は、この要求に際して送信されるユーザIDおよびセッションIDに対応する印刷データが記憶されている場合に(図19におけるs1104)、つまり要求元である複合機10が先に印刷データを送信した複合機10である場合にのみ、この対応する印刷データを複合機10へ送信している(同図s1108)。
【0143】
そのため、複合機10において、何らかのトラブルにより印刷データの正常な印刷が行われない状況が発生した場合(図7におけるs446,図9における512)、この印刷データの提供に際しての課金自体は機能サーバ30側において既になされているとはいえ(図15における940)、以後の要求に際して課金がなされることなく、印刷データの複合機10への送信が行われるため(図19におけるs1108)、最終的に機能サーバ30から適切な料金で正常に印刷データを印刷してなるコンテンツを複合機10のユーザに提供することができる。
【0144】
また、上述した機能サーバ30から複合機10側に提供されるサービスのうち、「翻訳コピーサービス」については、複合機10側から受けた画像データに基づいて、この画像データで示される画像に含まれるテキストを翻訳してなるデータを生成し、こうして生成したデータを印刷するための印刷データを複合機10側に提供することができる。
【0145】
また、機能サーバ30は、複合機10から最初に要求を受けた際に生成した印刷データを記憶しておき(図15におけるs930)、この印刷データを複合機10からの再度の要求を受けた際に送信している(図19におけるs1108)。そのため、機能サーバ30と複合機10との間において最初に第2パラメータ(原稿を読み取ってなる画像データ)のやりとりが行われた以降、改めて第2パラメータのやりとりをしなくても、この複合機10に対して第2パラメータに基づいて生成した印刷データを送信することができる。
【0146】
これにより、複合機10側で印刷データを正常に印刷できない状況が発生した場合には、以降、機能サーバ30と複合機10との間における第2パラメータのやりとりが行われないため、この第2パラメータによりネットワークのトラフィックを無用に圧迫することもない。また、第2パラメータのやりとりに要する時間を削減できるため、機能サーバ30から複合機10のユーザへ最終的に印刷データを印刷してなるコンテンツを提供するまでの時間を短縮することができる。
【0147】
また、機能サーバ30側で課金処理が行われるのは、複合機10側からの第2パラメータの受信が終了した後となるため(図15におけるs940)、例えば、通信エラーなどにより第2パラメータの受信が正常に終了しなかったにも拘わらず課金がなされてしまう、といったことを防止することができる。
【0148】
また、機能サーバ30から複合機10へ印刷データの送信が行われるのは、この複合機10からの第2パラメータの受信が終了した後となり(図15におけるs942)、これにより不正行為を防止することができる。例えば、機能サーバ30から複合機10への印刷データの送信が第2パラメータの送信が、複合機10からの第2パラメータの受信が終了する前に行われるとすると、複合機10側において印刷データの一部が正常に印刷された時点で第2パラメータの送信が停止されることにより、機能サーバ30側では、第2パラメータの受信が終了していないことから課金が行われなくなってしまう。そのため、このような事態を意図的に発生させることにより、課金を免れるといった不正行為を行うことができてしまう。ところが、上記実施形態のように、機能サーバ30から複合機10へ印刷データの送信が、この複合機10からの第2パラメータの受信が終了した後で行われる構成であれば、複合機10側において印刷データの一部が正常に印刷された時点で意図的に第2パラメータの送信を停止させたとしても、この時点では機能サーバ30側で既に課金処理が行われた後である(図15におけるs940)。よって、このような行為により課金を免れるといったことを防止することができる。
【0149】
また、機能サーバ30側で生成された印刷データは(図15におけるs924〜s928)、複合機10からの要求に応じてこの複合機10へ送信されるため((同図s942,図19におけるs1108)、複合機10側では、機能サーバ30に対する要求を行うだけで(図7におけるs438,図9におけるs502)、特別な処理を行うことなく、この印刷データを取得することができる。
【0150】
また、複合機10側で印刷データに基づく画像が印刷されるのは、その印刷データを印刷した場合の課金額を通知された後(図6におけるs424)、以降の処理を行う旨(図8(d)における「続ける(課金)」を指定した場合)が指定された場合である(図7におけるs444)。そして、このように、複合機10側で印刷データに基づく画像の印刷が行われるときにのみ、先に通知した課金額の課金が行われる(図15における938→s940)。そのため、複合機10のユーザは、機能サーバ30側から通知された課金額によって、印刷データで示される画像を印刷するか否かを検討し直すことができる。
(5)変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0151】
例えば、上記実施形態においては、本発明におけるクライアントデバイスとして、複合機10を適用した構成を例示したが、原稿を読み取ってなる画像データを生成する機能,この画像データを機能サーバ30に送信する機能,機能サーバ30により送信される印刷データを印刷する機能などを有するデバイスであれば、複合機以外の装置として、例えば、プリンタ装置,ファクシミリ装置などに適用することも可能である。
【0152】
また、上記実施形態においては、機能サーバ30が、複合機10からの要求を受けて生成した印刷データを記憶しておき(図15におけるs930)、この印刷データを複合機10からの再度の要求を受けた際に送信するように構成されているものを例示した(図19におけるs1108)。しかし、このように、先に生成した印刷データを機能サーバ30自身が記憶しておくのではなく、複合機10から機能サーバ30に対して要求を行う毎に、原稿を読み取ってなる画像データ(第2パラメータ)を機能サーバ30へ渡すようにし、これに基づいて機能サーバ30側で新たな印刷データを生成するように構成してもよい。
【0153】
また、上記実施形態においては、機能サーバ30側から複合機10に対して直接印刷データを送信する方法により、印刷データが提供されるように構成されたものを例示した。しかし、この印刷データを提供する方法については、この方法に限られない。例えば、機能サーバ30側で生成された印刷データが複合機10からアクセス可能な記憶場所に記憶されるようにし(サービス提供手段に相当)、このようにアクセス可能な状態とした旨を複合機10に通知することにより、印刷データが提供されるように構成してもよい。この場合、複合機10においては、印刷データのアクセスが可能な状態とした旨の通知を機能サーバ30から受けた際に、この通知に従って印刷データにアクセスする処理(アクセス手段に相当)を行うようにし、こうしてアクセスした印刷データを印刷するように構成すればよい。
【0154】
このように構成すれば、複合機10は、機能サーバ30からの通知を受けて、アクセス可能な状態とされている印刷データにアクセスすることにより、機能サーバ30から印刷データの提供を受けることができる。
【0155】
また、上記実施形態においては、複合機10側に印刷データが送信されるのに先立って、この印刷データに基づくに際しての課金額が通知され(図6におけるs424)、以降の処理を行う旨(図8(d)における「続ける(課金する)」)が指定された場合に印刷データの送信が行われるように構成されているものを例示した(図7におけるs444)。しかし、機能サーバ30側から印刷データの送信を行った後、課金額の通知を行い、複合機10側で以降の処理を行う旨が指定された場合に、その旨を機能サーバ30に通知すると共に印刷データに基づく画像の印刷を行うようにし、機能サーバ30側では、その通知を受けた際に課金処理を行う、といった構成としてもよい。
(6)その他の事項
以上説明した実施形態において、複合機10が本発明におけるクライアントデバイスであり、機能サーバ30が本発明におけるサーバであり、サービス提供システムが本発明におけるコンテンツ提供システムである。
【0156】
また、図7におけるs438,図9におけるs502は、本発明におけるコンテンツ要求手段であり、図7におけるs446,図9におけるs512は、本発明におけるコンテンツ判定手段であり、図7におけるs444,図9におけるs510は、本発明におけるコンテンツ印刷手段であり、図6におけるs424,図7におけるs426,s430は、本発明における印刷選択手段であり、図7におけるs438は、本発明における印刷通知手段である。
【0157】
また、図15におけるs940は、本発明における課金処理手段であり、同図s942は、本発明におけるコンテンツ提供手段であり、同図s924〜s928は、本発明におけるコンテンツ生成手段であり、同図s934は、本発明における課金通知手段である。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】サービス提供システムの構成を示すブロック図
【図2】操作部の構成を示す図
【図3】複合機による複合機処理を示すフローチャート
【図4】選択用画面を示す図
【図5】複合機によるセッション処理を示すフローチャート
【図6】複合機によるコピー応用ジョブを示すフローチャート(1/2)
【図7】複合機によるコピー応用ジョブを示すフローチャート(2/2)
【図8】パラメータ入力画面を示す図
【図9】サービス出力情報要求処理を示すフローチャート
【図10】サービス出力情報削除処理を示すフローチャート
【図11】セッションID選択画面を示す図
【図12】機能サーバによる機能サーバ処理を示すフローチャート
【図13】機能サーバによるセッション処理を示すフローチャート
【図14】機能サーバによるコピー応用ジョブを示すフローチャート(1/2)
【図15】機能サーバによるコピー応用ジョブを示すフローチャート(2/2)
【図16】セッション管理情報のデータ構成を示す図
【図17】機能サーバによる課金情報更新処理を示すフローチャート
【図18】課金情報のデータ構成を示す図
【図19】サービス出力情報送信処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0159】
10…複合機、11…制御部、12…操作部、13…読取部、14…記録部、15…通信部、16…記憶部、17…音入力部、18…音出力部、20…ディレクトリサーバ、21…制御部、22…通信部、23…記憶部、24…サービス定義情報記憶部、25…サービス定義情報、30…機能サーバ、31…制御部、32…通信部、33…記憶部、41…コピーキー、42…スキャナキー、43…FAXキー、44…サービスキー、45…設定キー、46…方向キー、50…OKキー、51…キャンセルキー、52…ディスプレイ、120…サービスソフト記憶部、122…サービスソフトウェア、130…課金情報記憶部、140…セッション管理情報記憶部、150…サービス出力記憶部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれデータ通信可能なサーバおよびクライアントデバイスからなり、前記サーバから前記クライアントデバイスに対し、該クライアントデバイス側で記録媒体への印刷が可能なコンテンツを提供するためのコンテンツ提供システムであって、
前記クライアントデバイスは、
前記サーバに対してコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手段と、
該コンテンツ要求手段による要求を受けたサーバにより提供されたコンテンツの記録媒体への印刷を行うコンテンツ印刷手段と、
該コンテンツ印刷手段により印刷されるコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に印刷されているか否かを判定するコンテンツ判定手段と、を備え、
該コンテンツ判定手段によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合、前記コンテンツ要求手段により再度コンテンツの提供を要求する、ように構成されており、
前記サーバは、
前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された以降に、該クライアントデバイスのユーザに対する課金処理を行う課金処理手段と、
前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該クライアントデバイスに対して提供するコンテンツ提供手段と、を備え、
前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該クライアントデバイスが先に前記コンテンツ提供手段によりコンテンツを提供したクライアントデバイスであれば、前記課金処理手段による課金処理を行うことなく、該クライアントデバイスに対して前記コンテンツ提供手段により再度コンテンツを提供する、ように構成されている
ことを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記クライアントデバイスにおいて、
前記コンテンツ要求手段は、前記サーバに対してコンテンツの提供を要求すると共に、該コンテンツを生成するのに必要な生成用データを前記サーバに対して送信する、ように構成されており、
前記サーバは、
前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際に、該要求と共に送信されてくる生成用データに基づいてコンテンツを生成するコンテンツ生成手段を備え、
該コンテンツ生成手段により生成されたコンテンツを、前記コンテンツ提供手段により前記クライアントデバイスに対して提供する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項3】
前記クライアントデバイスにおいて、
前記コンテンツ要求手段は、再度のコンテンツの提供を要求する際、前記生成用データを送信することなく、コンテンツの提供を要求する、ように構成されており、
前記サーバにおいて、
前記コンテンツ提供手段は、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該クライアントデバイスが先に前記コンテンツ生成手段により生成したコンテンツを提供したクライアントデバイスであれば、再度、該クライアントデバイスに対して先に生成されたコンテンツを提供する、ように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項4】
前記サーバにおいて、
前記課金処理手段は、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該要求と共に送信されてくる生成用データを正常に受信し終えた後に、該クライアントデバイスのユーザに対する課金処理を開始する、ように構成されている
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項5】
前記サーバにおいて、
前記コンテンツ提供手段は、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該要求と共に送信されてくる生成用データを受信し終えた後に、該生成用データに基づいて前記コンテンツ生成手段により生成されたコンテンツの前記クライアントデバイスに対する提供を開始する、ように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項6】
前記サーバは、
前記クライアントデバイスに対してコンテンツを提供した後、該クライアントデバイスに対して、前記課金処理手段により課金処理を行った場合に課金される課金額を通知する課金通知手段を備え、
該課金通知手段により課金額を通知したクライアントデバイスから、コンテンツの記録媒体への印刷を行う旨が通知された場合にのみ、前記課金処理手段による課金処理を行う、ように構成されており、
前記クライアントデバイスは、
前記コンテンツ要求手段による要求を受けた前記サーバから最初にコンテンツの提供を受けた後、該サーバから通知される課金額に基づいて、前記提供を受けたコンテンツの記録媒体への印刷を行うか否かをユーザに選択させる印刷選択手段と、
該印刷選択手段によりコンテンツの記録媒体への印刷を行う旨が選択された場合に、その旨をサーバに通知する印刷通知手段と、を備え、
前記印刷選択手段によりコンテンツの記録媒体への印刷を行う旨が選択された場合にのみ、前記コンテンツ印刷手段によるコンテンツの記録媒体への印刷を行う、ように構成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ提供システム。
【請求項7】
前記サーバにおいて、
前記コンテンツ提供手段は、前記クライアントデバイスに対してコンテンツを送信することによりコンテンツの提供を実現する、ように構成されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコンテンツ提供システム。
【請求項8】
前記サーバにおいて、
前記コンテンツ提供手段は、前記クライアントデバイスからコンテンツへのアクセスが可能な状態とし、該アクセスが可能な状態とした旨を前記クライアントデバイスに対して通知することによりコンテンツの提供を実現する、ように構成されており、
前記クライアントデバイスは、
前記コンテンツのアクセスが可能な状態とした旨の通知を前記サーバから受けた際に、該通知に従って前記コンテンツにアクセスするアクセス手段が備えられ、
該アクセス手段によりアクセスされたコンテンツの記録媒体への印刷を前記コンテンツ印刷手段により行う、ように構成されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコンテンツ提供システム。
【請求項9】
記録媒体への印刷が可能なコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該要求元に対してデータ通信回線を介して提供するコンテンツ提供手段と、前記コンテンツの提供を要求された以降に、その要求元に対する課金処理を行う課金処理手段と、を備えるとともに、前記要求元からコンテンツの提供を要求された際、該要求元が先に前記コンテンツ提供手段によりコンテンツを提供した要求元であれば、前記課金処理手段による課金処理を行うことなく、該要求元に対して前記コンテンツ提供手段により再度コンテンツを提供する、ように構成されているサーバから、前記コンテンツの提供を受けることができるコンテンツ提供システムを構成する前記要求元としてのクライアントデバイスであって、
前記クライアントデバイスは、
前記サーバに対してコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手段と、
該コンテンツ要求手段による要求を受けたサーバにより提供されたコンテンツの記録媒体への記録を行うコンテンツ記録手段と、
該コンテンツ記録手段により記録されたコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に記録されているか否かを判定するコンテンツ判定手段と、を備え、
該コンテンツ判定手段によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合、前記コンテンツ要求手段により再度コンテンツの提供を要求する、ように構成されている
ことを特徴とするクライアントデバイス。
【請求項10】
記録媒体への印刷が可能なコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手段と、該コンテンツ要求手段による要求にともない提供されたコンテンツの記録媒体への記録を行うコンテンツ記録手段と、該コンテンツ記録手段により記録されたコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に記録されているか否かを判定するコンテンツ判定手段と、を備え、該コンテンツ判定手段によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合、前記コンテンツ要求手段により再度コンテンツの提供を要求する、ように構成されているクライアントデバイスを含むコンテンツ提供システムを構成する前記コンテンツの提供元としてのサーバであって、
前記サーバは、
前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された以降に、該クライアントデバイスのユーザに対する課金処理を行う課金処理手段と、
前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該クライアントデバイスに対して提供するコンテンツ提供手段と、を備え、
前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該クライアントデバイスが先に前記コンテンツ提供手段によりコンテンツを提供したクライアントデバイスであれば、前記課金処理手段による課金処理を行うことなく、該クライアントデバイスに対して前記コンテンツ提供手段により再度コンテンツを提供する、ように構成されている
ことを特徴とするサーバ。
【請求項11】
記録媒体への印刷が可能なコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該要求元に対してデータ通信回線を介して提供するコンテンツ提供手段と、前記コンテンツの提供を要求された以降に、その要求元に対する課金処理を行う課金処理手段と、を備えるとともに、前記要求元からコンテンツの提供を要求された際、該要求元が先に前記コンテンツ提供手段によりコンテンツを提供した要求元であれば、前記課金処理手段による課金処理を行うことなく、該要求元に対して前記コンテンツ提供手段により再度コンテンツを提供する、ように構成されているサーバから、前記コンテンツの提供を受けることができるコンテンツ提供システムを構成する前記要求元としてのクライアントデバイスを制御するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
前記プログラムは、
前記サーバに対してコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手順と、
該コンテンツ要求手段による要求を受けたサーバにより提供されたコンテンツの記録媒体への記録を行うコンテンツ記録手順と、
該コンテンツ記録手段により記録されたコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に記録されているか否かを判定するコンテンツ判定手順と、を含み、
前記コンテンツ要求手順においては、前記コンテンツ判定手順によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合に、再度コンテンツの提供を要求する
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【請求項12】
記録媒体への印刷が可能なコンテンツの提供を要求するコンテンツ要求手段と、該コンテンツ要求手段による要求にともない提供されたコンテンツの記録媒体への記録を行うコンテンツ記録手段と、該コンテンツ記録手段により記録されたコンテンツに基づき、該コンテンツが適切に記録されているか否かを判定するコンテンツ判定手段と、を備え、該コンテンツ判定手段によりコンテンツが適切に記録されていないと判定された場合、前記コンテンツ要求手段により再度コンテンツの提供を要求する、ように構成されているクライアントデバイスを含むコンテンツ提供システムを構成する前記コンテンツの提供元としてのサーバを制御するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
前記プログラムは、
前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された以降に、該クライアントデバイスのユーザに対する課金処理を行う課金処理手順と、
前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際に、該要求を受けたコンテンツを該クライアントデバイスに対して提供するコンテンツ提供手順と、を含み、
前記課金処理手順においては、前記クライアントデバイスからコンテンツの提供を要求された際、該クライアントデバイスが先に前記コンテンツ提供手順によりコンテンツを提供したクライアントデバイスであれば、課金処理を行わない
ことを特徴とするサーバを制御するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2006−189953(P2006−189953A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381919(P2004−381919)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】