説明

コンテンツ管理装置、記録装置、操作装置、コンテンツ管理システムおよびそれらの制御方法

【課題】撮影時に付加情報を記録する操作において、付加したい画像に正確に記録することができるコンテンツ管理装置を提供する。
【解決手段】動画または音を含むコンテンツを記録する記録装置は、付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理、付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理を、それぞれの実行指示に応じて実行する。現在、記録装置がコンテンツを記録中である場合は、操作装置において第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、記録中ではない場合は、第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録媒体に記録されたコンテンツに関連付けて付加情報を記録するコンテンツ管理装置、記録装置、操作装置、コンテンツ管理システムおよびそれらの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、小型軽量なメモリカードに撮影した画像等のコンテンツを記録するデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの電子撮像装置が普及している。このような電子撮像装置は多機能化されており、撮影画像だけでなく、撮影した画像に関連付けた様々な付加情報を記録することもできるようになっている。例えば、撮影した画像と共に撮影者情報、撮影場所情報、コメントなどの文字情報を記録することができる。撮影した画像に関連付けた付加情報は、例えば、編集作業を行う際に目的の画像を検索するための情報として用いられている。
【0003】
特許文献1には、画像の撮影後に撮影画像とともに人物アイコンやジャンルアイコンを表示し、いずれかのアイコンがタッチされると、そのアイコンに関連付けられている個人情報、キーワード等の情報を識別情報として画像に付加することが開示されている。
【0004】
特許文献2では画像撮像装置に無線機能を搭載し、携帯性に優れたタブレットPCやスマートフォンなどの端末機器で編集した付加情報を無線を使用して画像撮像装置に転送することで付加情報の変更処理を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−146317号公報
【特許文献2】特開2003−188950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像に付加する付加情報をユーザが入力した際、その付加情報を関連付ける対象の画像として、主に、これから撮影する画像、現在撮影中である画像、直前に記録した画像の3種類が想定される。そのため、入力された付加情報をどの画像に付加するのかを、上記の3つの選択肢から選ばせることで、ユーザが所望する画像に付加情報を付加することができる。しかし、動画の撮影中において、端末機器でこれら3つの選択肢を表示すると、“これから撮影する画像”が、現在の記録を継続することで記録される画像であるのか、現在の記録を一旦やめた後に改めて記録を開始して記録される画像であるのか分かりにくい。また、“直前に記録した画像”が、現在の記録が始まる前に記録した画像なのか、現在記録している動画クリップのうち記録済み部分のことなのか、が分かりにくい。このように撮影中(記録中)に端末機器を用いて画像に付加情報を付ける際に、どの画像に付加するのかを選択できるようにすると、どの画像に付加されるのかが分かりにくくなり、誤操作に繋がる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コンテンツの記録時に付加情報を記録するための操作において、付加情報をユーザが意図したコンテンツに正確に関連付けることを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の位置態様によるコンテンツ管理装置は、たとえば以下の構成を備える。すなわち、
動画または音を含むコンテンツを記録する記録装置と、前記記録装置により記録されたコンテンツに付加情報を付加するためのユーザ操作を受け付ける操作装置とを有するコンテンツ管理装置であって、
前記記録装置において、付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理、付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理を、それぞれの処理に対応したユーザ操作に応じて実行する処理手段と、
現在、前記記録装置がコンテンツを記録中であるか否か、を判定する判定手段と、
前記判定手段により記録中であると判定された場合は、前記操作装置において、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに、前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、前記判定手段により記録中ではないと判定された場合は、前記操作装置において前記第1と第2の処理を実行させる実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする制御手段と、を備えることを特徴とするコンテンツ管理装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像または音を含むコンテンツの記録時に付加情報を記録するための操作において、付加情報をユーザが意図したコンテンツに正確に関連付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態のデジタルビデオカメラ100のハードウェアブロック図。
【図2】実施形態の携帯端末200のハードウェアブロック図。
【図3】第1実施形態のデジタルビデオカメラ100によるカメラモードでの全体処理を示すフローチャート。
【図4】デジタルビデオカメラ100の制御情報生成処理のフローチャート。
【図5】携帯端末200の外部機器制御モードでの全体処理のフローチャート。
【図6】携帯端末200の外部機器制御モードでの画面の表示例を示す図。
【図7】第2の実施形態のデジタルビデオカメラ100によるカメラモードでの全体処理を示すフローチャート。
【図8】第3の実施形態のデジタルビデオカメラ100のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下の実施形態では、画像または音を含むコンテンツを記録する記録装置と、記録装置により記録されたコンテンツに付加情報を付加するためのユーザ操作を受け付ける操作装置とを具備したコンテンツ管理システムあるいはコンテンツ管理装置として、動画管理装置を例示して説明する。また、動画を記録可能なデジタルビデオカメラを記録装置として、デジタルビデオカメラと無線または有線により通信が可能な携帯端末を操作装置として例示するが、本発明は、これらに限られるものではない。また、記録装置と操作装置は別体でなくてもよく、記録装置に操作装置が組み込まれた形態であってもよい。図1と図2に、本発明を適用可能な画像管理装置の構成の一例を示す。画像管理装置は、図1に示すデジタルビデオカメラ100(カムコーダ)と図2に示す携帯端末200を用いて構成可能なものである。
【0012】
まず、図1を参照して、本実施形態のデジタルビデオカメラ100の構成を説明する。図1において、制御部10には、画像圧縮/伸長部11、撮像部12、画像処理部13、無線通信部14、表示部15、操作部16、ROM17、RAM18、記録媒体I/F19、等の構成部分が接続される。制御部10と各構成部は互いにデータのやり取りを行うことができるようにされている。
【0013】
制御部10は、デジタルビデオカメラ100のシステム全般を制御するシステム制御部として機能する。制御部10はROM17に記録されたプログラムをRAM18に展開して実行することで、各構成部を制御し、後述のフローチャートを実行する。ROM17は、不揮発性の記録媒体であり、制御部10が実行するプログラムを記憶している。RAM18は制御部10のワークメモリとして用いられる揮発性の記録媒体である。また、RAM18は撮像部12で撮像され、画像処理部13により画像処理されて得られた画像データや着脱可能な記録媒体20から読み出した画像データを、画像圧縮/伸長部11へ提供するために一時格納するメモリとして用いられる。さらに、RAM18は、そのような画像データを表示部15で表示するために一時格納するVRAMとしても用いられる。さらには、RAM18は、撮像した画像と共に関連付けて記録すべき付加情報を一時格納する保持領域を提供するためのメモリとしても用いられる。付加情報は無線通信部14より携帯端末200から受信することができる。
【0014】
デジタルビデオカメラ100には、画像データを記録するための記録媒体20を着脱可能に装着できる記録媒体I/F19を有する。記録媒体I/F19は、メモリカード等の記録媒体20を着脱可能に挿入できるスロットになっている。図1においては、記録媒体I/F19に着脱可能な記録媒体20が装着されている例が示されている。デジタルビデオカメラ100では、着脱可能な記録媒体20に画像データを記録する構成で説明したが着脱が不可能でデジタルビデオカメラ100に内蔵されたメモリに画像データを記録する構成も考えられる。
【0015】
画像処理部13は、撮像部12で撮像された画像データに、所定の画素補間、リサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部13では撮像された画像データを用いて所定の演算処理が行われ、制御部10は得られた演算結果に基づいて撮像部12による撮像に関する各種制御(露光制御、オートホワイトバランス制御など)を行う。画像圧縮/伸長部11は画像処理部13で画像処理された画像データを圧縮する処理や、着脱可能な記録媒体20から読み出した画像データに対する伸長処理を行う。
【0016】
撮像部12は、撮影レンズ(ズームレンズとフォーカスレンズ含む)と撮像素子を有し、制御部10の制御に基づき被写体を撮像し、静止画や動画像といった画像データを取得する。表示部15は、制御部10の制御に基づき、各種設定状態や、撮像部12で撮像されている画像、着脱可能記録媒体から読み出して再生した画像などを表示するためのディスプレイである。表示部15は、覗き込み形のファインダー内のディスプレイや、バリアングルの液晶モニタなどとして構成される。
【0017】
操作部16はデジタルビデオカメラ100に電源を供給するための電源スイッチや、記録開始ボタン、カメラモード(撮影モード)や再生モードに切り替え可能なモード切替ボタンなどを含み、ユーザからの操作を受け付ける。なお操作部16にタッチパネルが含まれる場合、制御部10はタッチパネルへの以下のユーザ操作を検出できる。
・タッチパネルを指やペンで触れたこと(以下、タッチダウンと称する)。
・タッチパネルを指やペンで触れている状態であること(以下、タッチオンと称する)。
・タッチパネルを指やペンで触れたまま移動していること(以下、ムーブと称する)。
・タッチパネルへ触れていた指やペンを離したこと(以下、タッチアップと称する)。
・タッチパネルに何も触れていない状態(以下、タッチオフと称する)。
【0018】
これらのユーザ操作や、タッチパネル上に指やペンが触れている位置座標は制御部10に通知され、制御部10は通知された情報に基づいてタッチパネル上にどのような操作が行なわれたかを判定する。ムーブについてはタッチパネル上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。またタッチパネル上をタッチダウンから一定のムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル上に指を触れたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でムーブしたことが検出された場合はドラッグが行なわれたと判定するものとする。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。
【0019】
無線通信部14は、制御部10の制御に基づき、携帯端末200やパーソナルコンピュータといった外部機器とデータの送受信を無線通信により行う。例えば、制御部10は、無線通信部14を介して、デジタルビデオカメラ100の設定情報や操作情報などを外部機器へ送信し、デジタルビデオカメラ100を操作するコマンドや画像データと共に記録する付加情報などを外部機器から受信する。また、送受信可能なデータとして、デジタル画像データやアナログ映像信号が含まれてもよい。また、デジタルビデオカメラ100と携帯端末200の接続は、無線通信に限られず、有線通信が用いられてもよい。
【0020】
次に、本実施形態の携帯端末200の構成について説明する。図2において、制御部21には、表示部22、操作部23、無線通信部24、ROM25、RAM26などの構成部分が接続されている。制御部21と各構成部は互いにデータのやり取りを行うことができるようにされている。
【0021】
制御部21は、携帯端末200のシステム全般を制御するシステム制御部である。制御部21はROM25に記録されたプログラムをRAM26に展開して実行することで、各構成部を制御し、後述のフローチャートを実行する。ROM25は、不揮発性の記録媒体であり、制御部21が実行するプログラムを記憶している。RAM26は制御部21のワークメモリとして用いられる揮発性の記録媒体である。表示部22は、制御部21の制御に基づき、各種設定状態や、無線通信部24より受信したデータ(デジタル画像データやアナログ映像信号を含む)などを表示するためのディスプレイである。
【0022】
操作部23は携帯端末200に電源を供給するための電源スイッチなど、ユーザからの操作を受け付ける各種スイッチを含む。なお操作部23は操作部16と同様にタッチパネルを含む。操作部23に含まれるタッチパネルで受付け可能なユーザ操作及び方式は、前述の操作部16に含まれるタッチパネルと同様であるものとする。
【0023】
無線通信部24は、制御部21の制御に基づき、デジタルビデオカメラ100(外部カメラ)やパーソナルコンピュータといった外部機器とデータの送受信を無線通信により行う。データはデジタルビデオカメラ100の設定情報や操作情報などを受信し、デジタルビデオカメラ100を操作するコマンドや画像データと共に記録する付加情報などを送信する。また、送受信可能なデータにはデジタル画像データやアナログ映像信号を含み得る。
【0024】
図3〜図5に示されるフローチャートは、デジタルビデオカメラ100、携帯端末200による動作を示す。図3と図4のフローチャートにおける各処理は、デジタルビデオカメラ100を構成する制御部10がROM17に格納されたプログラムをRAM18に展開して実行することにより実現される。ユーザの操作部16に対する操作によってデジタルビデオカメラ100がカメラモード(撮影モード)に設定されると図3の処理を開始する。また、本実施形態では、カメラモードにおいて付加情報を設定する操作として、以下の3つの処理を例示する。
第1の処理:携帯端末200から受信した付加情報で直前に記録したクリップに関連付けられている付加情報を書き替える、
第2の処理:これから記録しようとしているクリップに関連付ける付加情報として、携帯端末200から受信した付加情報を適用する、
第3の処理:携帯端末200から受信した付加情報を現在記録している動画像に関連付ける付加情報として適用する。
【0025】
図3は、カメラモードでの全体的な処理手順を示したフローチャートである。カメラモードに設定されるとまず、S300で、制御部10は、デジタルビデオカメラ100の設定状態により携帯端末200に送信するための制御情報を生成する。この処理の詳細は図4を用いて後述する。S301では、制御部10は、S300で生成した制御情報を無線通信部14を介して携帯端末200に送信する。S302では、制御部10は、無線通信部14を介して携帯端末200からデジタルビデオカメラ100を動作させるコマンドおよび付加情報のデータを受信する。S303では、制御部10は、動画の記録中であるか、それ以外の記録待機中であるかを判定する。記録中であると判定されるのは例えば、記録開始がなされたあと記録停止がなされていない場合、である。記録中であると判定すると処理はS304に進み、記録中でない(記録待機中)と判定すると処理はS308に進む。
【0026】
S304では、制御部10は、S302で受信した付加情報を現在記録している動画像に関連付ける付加情報として適用する第3の処理を実行指示するコマンド(以下、Apply Clipコマンドと呼ぶ)を受信したかどうかを判定する。Apply Clipコマンドを受信したと判定した場合は、処理はS305に進み、受信していないと判定した場合はS306に進む。S305では、制御部10は、画像に関連付けて記録すべき付加情報としてRAM18の保持領域に保持している付加情報をS302で受信した付加情報に更新する(この段階ではまだ付加情報を画像自体に関連付ける処理は行わない)。S306では、制御部10は、記録が停止されたか否かを判定する。記録が停止されたと判定するのは、例えば、
・操作部16に含まれる映像記録停止ボタンによって動画像データの記録停止が指示された場合、
・S302で記録を停止するコマンドを受信して動画像データの記録停止が指示された場合、である。
【0027】
記録を停止したと判定すると処理はS307に進み、停止していないと判定するとS300に戻り、上記の処理が繰り返される。S307では、制御部10は、今まで記録していたクリップに関連付けられている付加情報の更新を行う。なお1クリップは1つの動画ファイルであるものとする。ただし、単一の動画ファイルのうち記録開始指示を受付けてから記録停止指示を受付けるまでに記録した範囲を示す動画の一部範囲を1クリップとしてもよい。
【0028】
また、S312で後述するように、動画の記録を開始した時点で一旦その動画に付加情報が関連付けられるので、記録の停止時にはそれまで記録していたクリップには付加情報がすでに関連付けられて存在する。S307では、その既存の付加情報を最新の内容に書き換える処理が行われる。
【0029】
また、今まで記録していたクリップとそれに関連付けられた付加情報は着脱可能な記録媒体20に記録されている。例えば、今まで記録していたクリップは動画像のストリームデータを有する動画像ファイルとして、それに関連づけられた付加情報は付加情報ファイルとして、1対1で同一のフォルダに格納されていることで、関連付けがなされている。S307では、記録媒体20に記録されている今まで記録していたクリップに関連付けられた付加情報ファイルの内容がRAM18に保持していた付加情報の内容で更新される。これによって、記録停止をするまでにApply Clipコマンドと共に受信した付加情報があれば、記録を停止した際に、Apply Clipコマンドと共に受信した付加情報でもって画像に関連づけられた付加情報が更新される。記録停止をするまでにApply Clipコマンドと共に受信した付加情報がなければ、画像に関連づけられた付加情報の内容は記録を開始した際に付加された内容と同じとなる。
【0030】
一方、S308では、制御部10は、S302で直前に記録したクリップに関連付けられている付加情報を書きかえる第1の処理を実行指示するコマンド(以下、Rewrite Prevコマンドと呼ぶ)を受信したか否かを判定する。Rewrite Prevコマンドを受信したと判定されると処理はS309に進み、受信していないと判定されるとS313に進む。S309では、制御部10は、S305と同様に、画像に関連付けて記録すべき付加情報としてRAM18の保持領域に保持されている付加情報をS302で受信した付加情報に更新する。S310では、制御部10は、直前に記録したクリップに関連付けて記録媒体20に記録されている付加情報を更新する。直前に記録したクリップとそれに関連付けられた付加情報は記録媒体20に、前述のように同一フォルダ内に1対1の対応関係を持って記録されている。従って、制御部10は、記録媒体20に記録されている直前に記録したクリップに関連付けられた付加情報を、RAM18に保持していた付加情報で更新する。これによって、直前に記録したクリップに関連づけて着脱可能な記録媒体20に記録されている付加情報の内容が、Rewrite Prevと共に受信した付加情報の内容に更新される。
【0031】
一方、S313では、制御部10は、これから記録しようとしているクリップに関連付けて記録する付加情報を適用する第2の処理を実行指示するコマンド(以下、Next Clipコマンドと呼ぶ)を受信したか否かを判定する。Next Clipコマンドを受信したと判定されると処理はS314に進み、受信していないと判定されるとS311に進む。S314では、制御部10は、S305と同様に、画像に関連付けて記録すべき付加情報としてRAM18に保持している付加情報をS302で受信した付加情報に更新する。
【0032】
S311では、制御部10は、記録を開始したか否かを判定する。記録を開始したと判定する場合としては、例えば、
・操作部16に含まれる記録開始ボタンによって動画像データの記録開始が指示された場合、
・S302で記録を開始するコマンドを受信して動画像データの記録開始が指示された場合、
等が挙げられる。記録を開始したと判定されると処理はS312に進み、開始していないと判定されるとS300に戻り上記の処理が繰り返される。S312では、制御部10は、新しく記録を開始したクリップに、RAM18に保持している付加情報を関連付けて記録媒体20に記録する。これによって、前回の記録停止から今回の記録開始までの間にNext Clipコマンドと共に受信した付加情報があれば、今回記録を開始する画像にNext Clipコマンドと共に受信した付加情報が関連付けて着脱可能な記録媒体20記録されることとなる。
【0033】
なお、Rewrite Prevコマンドと共に受信された付加情報であっても、RAM18の保持領域に保持されている付加情報がS309で更新されるため、今回記録を開始する画像に関連付けて記録されることになる。これを避けるため、図3に示す処理からS309の処理を省き、S310ではS302でRewrite Prevコマンドとともに受信した付加情報で記録媒体20を更新し、RAM18に保持している付加情報は更新しないように処理してもよい。このようにすることで、Rewrite Prevにおいて直前に記録した画像の付加情報だけを更新するようにすることができる。前回の記録停止から今回の記録開始までの間にNext ClipコマンドもRewrite Prevコマンドも受けなかった場合は、その前からRAM18の保持領域に保持している付加情報が、直前に記録された画像に関連付けられる。すなわち、前回記録した画像に関連付けられた付加情報と同一内容の付加情報が、直前に記録された画像に関連づけられることとなる。
【0034】
図4は、図3のS300における制御情報生成処理の詳細を示すフローチャートである。S400では、制御部10は、デジタルビデオカメラが記録中であるか否かを判定する。なお、デジタルビデオカメラ100が記録中であると判定するのは前述したS303、S306の処理で説明した通りである。S400において記録中であると判定されると処理はS401へ進み、記録中でないと判定されるとS402へ進む。
【0035】
S401で、制御部10は、S400の検出結果が記録中であることに応じ、S301で携帯端末200に送信される制御情報として、Rewrite Prev/Next Clipを無効にし、Apply Clipを有効にすることを示す情報を生成する。一方、S400の検出結果が記録中でない場合、処理はS402に進む。S402において、制御部10は、S301で携帯端末200に送信される制御情報として、Rewrite Prev/Next Clipを有効にし、Apply Clipを無効にすることを示す情報を生成する。なお、S401において、上述の動作に代えて単に記録中であることを示す情報を生成するようにしてもよい。同様に、S402において、上述の動作に代えて単に記録中でないことを示す情報を生成するようにしてもよい。
【0036】
次に、付加情報の編集等が可能な携帯端末200の動作を、図5のフローチャート、図6の画面表示例を参照して説明する。なお、図5における各処理は、携帯端末200を構成する制御部21がROM25に格納されたプログラムをRAM26に展開して実行することにより実現される。ユーザの操作部23に対する操作によって携帯端末200が外部機器制御モードに設定されると図5の処理が開始される。また、図6は、外部機器制御モードになったときの携帯端末200の表示部22に表示される画面の一例を示す。ここでは携帯端末200で編集した付加情報をデジタルビデオカメラ100に送信する操作を行う画面をデジタルビデオカメラ100が記録中である場合とそうでない場合に分けて説明する。
【0037】
図6の付加情報編集画面600はデジタルビデオカメラ100が記録中であった場合に、記録したクリップに関連付けて記録する付加情報の編集を行いデジタルビデオカメラ100へデータを送信する操作を行うための画面である。ユーザは操作部23に含まれる十字キーを操作して各項目の編集を行う。クリップタイトルのフィールド601はクリップのタイトルを入力するフィールドである。撮影者のフィールド602はクリップを撮影した撮影者を入力するフィールドである。撮影場所のフィールド603はクリップの撮影場所を入力するフィールドである。撮影内容のフィールド604はクリップの撮影内容を入力するフィールドである。Apply Clipボタン605は入力した付加情報を現在記録しているクリップに関連付けて記録するためにデジタルビデオカメラ100にApply Clipコマンドと付加情報データを無線通信部24を介して送信する、第3の表示アイテムである。
【0038】
図6の付加情報編集画面600はデジタルビデオカメラ100が記録中でなかった場合に、記録したクリップに関連付けて記録する付加情報の編集を行いデジタルビデオカメラ100へデータを送信する操作を行うための画面である。ユーザは操作部23に含まれる十字キーを操作して各項目の編集を行う。フィールド601〜604の内容は付加情報編集画面600での説明と同じである。Rewrite Prevボタン606は入力した付加情報を直前に記録したクリップに関連付けて記録するためにデジタルビデオカメラ100にRewrite Prevコマンドと付加情報データを無線通信部24を介して送信する第1の表示アイテムである。Next Clipボタン607は入力した付加情報をこれから記録しようとするクリップに関連付けて記録するためにデジタルビデオカメラ100にNext Clipコマンドと付加情報データを無線通信部24を介して送信するための第2の表示アイテムである。
【0039】
以下、図5を参照して、第1実施形態の携帯端末200による全体的な処理手順を説明する。外部機器制御モードに設定されるとまず、S500で、制御部21は、デジタルビデオカメラ100から無線通信部24を介してデジタルビデオカメラ100の制御情報を受信する。S501では、制御部21は、S500で受信した制御情報からデジタルビデオカメラ100が記録中か否かを判定する。記録中と判定されると処理はS502に進み、記録中でないと判定されるとS508に進む。なお、S501では、上述のS401で生成された情報が受信されるとデジタルビデオカメラ100が記録中であると判定され、S402で生成された情報が受信されるとデジタルビデオカメラ100が記録中ではないと判定される。
【0040】
S502では、制御部21は、記録中でない場合の付加情報編集画面608で表示されていたRewrite Prevボタン606とNext Clipボタン607を非表示とする。なお、付加情報編集画面608におけるRewrite Prevボタン606とNext Clipボタン607の表示は後述のS509でなされる。S503では、制御部21は、付加情報編集画面600にデジタルビデオカメラ100で現在記録中のクリップに関連付けて記録する付加情報のデータとコマンドを送信するApply Clipボタン605を表示する。この結果、デジタルビデオカメラ100が記録中の場合には、表示部22に付加情報編集画面600が表示されることになる。
【0041】
S504では、制御部21は、図6で示すクリップタイトルのフィールド601、撮影者のフィールド602、撮影場所のフィールド603、撮影内容のフィールド604のいずれかのフィールドへの入力があったか否かを判定する。いずれかのフィールドへの入力があったと判定した場合には、処理はS505に進み、フィールドへの入力がなかった場合には処理はS506に進む。S505では、制御部21は、図6で示す付加情報編集画面600を更新する。
【0042】
S506では、制御部21は、Apply Clipボタンがユーザにより押されたか否かを判定する。なお、「押された」とは、表示されたボタンに対するタッチ操作(タッチダウンやタッチアップ)が行われること、操作部23を用いて表示されたボタンを選択した後に決定操作が行われたことなどを意味するものとする。Apply Clipボタン605が押されたと判定されると処理はS507に進み、押されていないと判定するとS516に進む。S507では、制御部21は、デジタルビデオカメラ100に送信するApply Clipコマンドと付加情報データを生成する。
【0043】
一方、S508では記録中である場合に表示される付加情報編集画面600で表示されていたApply Clipボタン605を非表示とする。そして、S509では、制御部21は、付加情報編集画面にRewrite Prevボタン606とNext Clipボタン607を表示する。こうして、デジタルビデオカメラ100が記録中でない場合に表示される付加情報編集画面608が表示部22に表示されることになる。
【0044】
S510では、S504と同様に、制御部21は、図6で示すフィールド601〜604のいずれかに入力があったか否かの判定をする。いずれかのフィールドへの入力があったと判定された場合には処理はS511に進み、フィールドへの入力がなかった場合にはS512に進む。S511では、制御部21は、図6で示す付加情報編集画面608を更新する。
【0045】
S512では、制御部21は、Rewrite Prevボタン606が押下されたか否かを判定する。ユーザによりRewrite Prevボタン606が押されたと判定した場合には処理はS513に進み、押されていないと判定した場合にはS514に進む。S513では、制御部21は、デジタルビデオカメラ100に送信するRewrite Prevコマンドと付加情報データを生成する。
【0046】
一方、S514では、制御部21は、Next Clipボタン607がユーザにより押されたか否かを判定する。Next Clipボタン607が押されたと判定された場合には処理はS515に進み、押されていないと判定された場合にはS516に進む。S515では、制御部21は、デジタルビデオカメラ100に送信するNext Clipコマンドと付加情報データを生成する。
【0047】
S516では、制御部21は、デジタルビデオカメラ100に送信するコマンドおよびデータが生成されたか否かを判定する。ここでコマンドおよびデータが生成されたと判定するのはS507、S513、S515のいずれかを処理した場合である。送信するコマンドおよびデータが生成されたと判定されると処理はS517に進み、生成されていないと判定されるとS500に戻り、上記の処理が繰り返される。S517では、制御部21は、生成されたコマンドおよび付加情報データを無線通信部24を介してデジタルビデオカメラ100に送信する。
【0048】
以上のように、第1実施形態によればデジタルビデオカメラ100が記録中である場合とそうでない場合で、携帯端末200上のボタン(Apply Clip、Rewrite Prev、Next Clip)の表示が切り替わる。これにより、記録中と判定された場合は、操作装置としての携帯端末200において、Rewrite PrevとNext Clipの処理の実行指示のためのユーザ操作が不能になり、Apply Clipの処理の実行指示のためのユーザ操作が可能になる。また、記録中ではないと判定された場合は、操作装置である携帯端末200においてRewrite PrevとNext Clipの実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともにApply Clipの処理の実行指示のためのユーザ操作が不能になる。すなわち、デジタルビデオカメラ100の記録状態に適するように携帯端末200上のボタン表示が切り替わる。このため、すでに記録されてる画像に付加情報を関連付ける操作、これから記録しようとしている画像に付加情報を関連付けて記録する操作、記録している画像に関連付けて記録する操作を、確実に、且つ、容易に行うことができる。なお、上記実施形態では、ボタンの表示/非表示を切り替えたが、ボタンの有効状態、無効状態を切り替えるとともに、それをユーザに提示できればよい。例えば、無効状態のボタンをグレーアウトするようにしてもよい。このように、本実施形態によれば、デジタルビデオカメラ100における画像の記録状態に応じて、付加情報を付加する対象を選択するために携帯端末200に表示される操作ボタンの構成が適切に変更される。そのため、付加情報をユーザが意図した画像に正確に記録することができる。
【0049】
<第2実施形態>
第1実施形態では、デジタルビデオカメラ100から携帯端末200への制御情報の提供により、携帯端末200はデジタルビデオカメラ100が記録中か否かに応じて不要なボタンを無効化する構成を示した。しかしながら、機器間の通信遅延などにより、デジタルビデオカメラ100の状態と携帯端末200が把握している状態との間に不一致が生じる場合がある。たとえば、携帯端末200から記録停止状態に関連したデータ入力コマンド(Rewrite PrevやNext Clip)がデジタルビデオカメラ100に転送されるまでの間に、デジタルビデオカメラ100が記録状態に遷移するような場合が挙げられる。第1実施形態では、そのような場合には、記録停止状態に関連したデータ入力コマンドは、S303の判定により無視されることになるが、携帯端末200から付加情報を発信したユーザはこれに気付かず、意図どおりの付加情報が付与されないことになる。第2実施形態では、このような、不一致が生じた場合にも、適切に付加情報の付与を行なえる画像管理装置を説明する。
【0050】
第2実施形態のデジタルビデオカメラ100および携帯端末200の構成は、第1実施形態(図1、図2)と同様である。図7は、第2実施形態によるデジタルビデオカメラ100の、記録動作中の処理を説明するフローチャートである。第2実施形態のデジタルビデオカメラ100は、記録状態においてRewrite PrevやNext Clipを受信した場合にも、これらを単に無視することはせず、適切に動画へ付加情報を関連付ける。そのため、第2実施形態のデジタルビデオカメラ100では、図3のS304〜S307の処理を図7に示す処理で置き換える。
【0051】
まず、第1実施形態の処理と同様に、S300で、制御部10は、デジタルビデオカメラ100の設定状態により携帯端末200に送信するための制御情報を生成する。S301では、制御部10は、S300で生成した制御情報を無線通信部14を介して携帯端末200に送信する。S302では、制御部10は、無線通信部14を介して携帯端末200からデジタルビデオカメラ100を動作させるコマンドおよび付加情報のデータを受信する。
【0052】
そして、S303にて、制御部10は、デジタルビデオカメラ100が記録中か否かを判断し、記録中であれば処理をS700へ、記録中でなければ処理をS308へ進める。S700において、制御部10は、Rewrite Prevコマンドを受信したか否かを検出し、受信した場合はS701の処理に進み、受信しなかった場合はS703の処理に進む。S701では、制御部10は、Rewrite Prevコマンドを受けたことに応じて、RAM18に、“1回前に記録した画像用の付加情報の保持領域”を新たに生成する。この処理により、RAM18には、2つの付加情報保持領域が形成されることになる。すなわち、Apply Clipコマンドとともに取得された付加情報を保持する“現在記録をしている画像に付加すべき付加情報の保持領域”と、“1回前に記録した画像に付加すべき付加情報の保持領域”である。次に、S702で、制御部10は、“現在記録をしている画像に付加すべき付加情報の保持領域”とS701で生成された“1回前に記録した画像に付加すべき付加情報の保持領域”の2つの付加情報保持領域に、S302で受信した付加情報を保持させる。
【0053】
次に、S703では、制御部10は、Next Clipコマンドを受信したか否かを検出する。Next Clipコマンドを受信したと判定されると、S704において、制御部10は、RAM18上の“現在記録をしている画像に付加すべき付加情報の保持領域”に保持しているデータを更新する。ただし、“1回前に記録した画像に付加すべき付加情報の保持領域”は更新されない。また、Next Clipコマンドを受信していないと判定された場合は、S704はスキップされて、処理はS705に進む。
【0054】
S705において、制御部10は、デジタルビデオカメラ100が記録状態に本来受けるべきコマンド(Apply Clipコマンド)を受信したか否かを検出する。Apply Clipを受信したと判定された場合は処理はS706へ移行し、受信しなかったと判定された場合は処理はS707に移行する。
【0055】
S706では、制御部10は、“現在記録をしている画像に付加すべき付加情報の保持領域”の内容を携帯端末200からApply Clipコマンドとともに受信した付加情報で更新する。ただし、2つの付加情報保持領域のうちのもう片方である、“1回前に記録した画像に付加すべき付加情報の保持領域”の内容は更新されない。
【0056】
S707において、制御部10は、記録停止の要求があったか否かを判定する。記録停止の要求があった場合は、処理はS708に移行する。S708で、制御部10は、記録を停止したクリップに関連付けて、“現在記録をしている画像に付加すべき付加情報の保持領域”に保持されているデータを記録媒体20に記録する。そして、S709において、制御部10は、S701において“1回前に記録した画像に付加すべき付加情報の保持領域”が生成されたか否かを判定する。“1回前に記録した画像に付加すべき付加情報の保持領域”が生成されたと判定されると処理はS710に進み、そうでない場合は処理はS300へ戻る。
【0057】
S710では、制御部10は、S704で生成された“1回前に記録した画像に付加すべき付加情報の保持領域”のデータを、記録媒体20に記録された画像のうち上記停止したクリップの1回前に記録されたクリップに関連付けて記録媒体20に記録する。これによって、記録の開始後に受信したRewrite Prevコマンドを正しく反映することができる。その後、デジタルビデオカメラ100の記録状態と携帯端末200において把握される記録状態とが一致するようになると、Rewrite PrevコマンドやNext Clipコマンドの操作ができなくなり、S700〜S704の処理は実行されなくなる。なお、記録中に切り替わった時に起動されるタイマにより、「記録待機中」から「記録中」に切り替わった際のS700〜S704の実行期間を制限してもよい。
【0058】
以上のように、第2実施形態によれば、デジタルビデオカメラ100が記録状態である場合に、携帯端末200から記録停止状態に発行されるべきコマンドを受信した場合もユーザが選択したクリップに正しく付加情報を関連付けることが可能となる。
【0059】
<第3実施形態>
第2実施形態では、デジタルビデオカメラ100が記録動作中に記録停止状態で発行されるべきコマンド(Rewrite Prev/Next Clip)を受信した場合の動作を説明した。第3実施形態では、デジタルビデオカメラ100が記録停止中に、記録動作状態で発行されるべきコマンド(Apply Clip)を受信した場合でも、正しく付加情報を画像(クリップ)に関連付ける構成を説明する。なお、第3実施形態のデジタルビデオカメラ100、携帯端末200の構成は、第1実施形態(図1、図2)と同様である。以下、図8のフローチャートを参照して、第3実施形態によるデジタルビデオカメラ100の動作を説明する。
【0060】
図8は、デジタルビデオカメラ100が記録停止状態である場合に、携帯端末200から記録動作中に発行されるべきデータ入力コマンド(Apply Clip)を受信した場合のデジタルビデオカメラ100の動作を示すフローチャートである。図8の処理は、図3のS303(NO)とS308の間に挿入される処理である。なお、上記のような不一致な状態は、機器間の通信遅延などにより発生する。たとえば、携帯端末200から記録状態に関連したデータ入力コマンドがデジタルビデオカメラ100に転送されるまでの間に、デジタルビデオカメラ100が記録停止状態に遷移するような場合に発生し得る。
【0061】
まず、第1実施形態の処理と同様に、S300で、制御部10は、デジタルビデオカメラ100の設定状態に応じて携帯端末200に送信するための制御情報(記録中か否か、或いは各コマンドが無効か否かを示す情報を含む)を生成する。S301では、制御部10は、S300で生成した制御情報を無線通信部14を介して携帯端末200に送信する。S302では、制御部10は、無線通信部14を介して携帯端末200からデジタルビデオカメラ100を動作させるコマンドおよび付加情報のデータを受信する。
【0062】
S303において、デジタルビデオカメラ100が記録中と判定されると、処理はS800へ進む。S800にて、制御部10は、Apply Clipコマンドを受信したか否かを検出する。Apply Clipコマンドを受信したと判定された場合は処理はS801に進み、受信しなかったと判定された場合は、処理をS308へ進める。S801では、制御部10は、Apply Clipコマンドを受けたことに応じて、RAM18上の付加情報保持領域に保持しているデータを、S302で受信したデータで更新する。そして、S802において、制御部10は、直前に記録を停止したクリップ(記録媒体20への記録を直前に終了した、記録済みの最新の画像)に関連付けて付加情報を記録媒体20に記録する。そして、処理はS311へ進む。その後、デジタルビデオカメラ100の記録状態と携帯端末200において把握される記録状態とが一致するようになると、Apply Clipコマンドの操作ができなくなり、S800〜S802の処理は実行されなくなる。なお、記録中に切り替わった時に起動されるタイマにより、「記録中」から「記録待機中」に切り替わった際の、S800〜S802の実行期間を制限してもよい。
【0063】
以上のように、第3実施形態によれば、デジタルビデオカメラ100が記録停止状態に、携帯端末200から記録動作中に発行されるべきコマンド(Apply Clip)を受信した場合もユーザが選択したクリップに正しく付加情報を記録することが可能となる。
【0064】
以上、説明したように、上記各実施形態によれば、画像管理装置での画像の記録状態に応じて、端末端末の操作ボタンの構成が変更される。このため、「すでに記録されてる画像に付加情報を関連付ける」のか、「これから記録しようとしている画像に付加情報を関連付ける」のか、「現在記録している画像に関連付けるのか」をユーザが正確に把握し記録することができる。
【0065】
なお、上述の各実施形態では、デジタルビデオカメラ100とは別体の携帯端末200から画像の付加情報の内容と付加する対象の画像の指定を行えるようにしている。このような構成としたシステムを用いた場合、映画の撮影現場などでは、監督、デジタルビデオカメラ100を用いて画像を撮影するカメラマン、携帯端末200を用いて付加情報を入力するスタッフとをそれぞれ別の人物として作業にあたることが考えられる。このような場合には、カメラマンが行うカメラ操作タイミングと、付加情報を入力する入力スタッフが付加情報を付加するタイミングの連携を取ることが難しく、誤操作が起きやすいため、本発明の効果は特に顕著である。
【0066】
また、上述の第1〜第3の実施形態で説明した携帯端末200で行える操作を、デジタルビデオカメラ100に備えられた表示部15と操作部16を介して行えるようにすることもできる。すなわち、本実施形態でデジタルビデオカメラ100側と携帯端末200側で行った処理は、デジタルビデオカメラ100側でも行うこともできる。すなわち、本発明は、単一の装置としての画像管理装置が、画像を記録する処理と、付加情報の内容の入力と付加対象画像の選択を行う処理の双方を行う場合にも適用可能である。すなわち、制御部10及び制御部21の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、制御を行ってもよい。
【0067】
さらに、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0068】
付加情報の関連付けの仕方としては、付加情報を画像ファイルとは独立した付加情報ファイルとして、動画ファイルと同一のフォルダに格納することで関連付けを行う例を説明したが、これに限られるものではない。関連付けの方法はリストや、ファイル名に同一の文字列をいれることなどにより行ってもよいし、画像ファイル内のヘッダ部分に付加情報を直接記録する方法などでもよい。
【0069】
さらに、上述した実施形態においては、本発明をデジタルビデオカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されない。撮像された画像以外でも、例えば外部から入力された画像や音楽等を記録する際に付加情報を関連づけて記録する際にも本発明は適用可能である。すなわち、画像や音楽等のコンテンツを記録し、記録したコンテンツに付加情報を関連づけられるコンテンツ管理装置であれば本発明は適用可能である。従って、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダー、テレビ、DVDレコーダーなどに適用可能である。
【0070】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを記録する記録装置と、前記記録装置により記録されたコンテンツに付加情報を付加するためのユーザ操作を受け付ける操作装置とを有するコンテンツ管理装置であって、
付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理、付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理を、それぞれの処理に対応したユーザ操作に応じて実行する処理手段と、
現在、前記記録装置がコンテンツを記録中であるか否か、を判定する判定手段と、
前記判定手段により記録中であると判定された場合は、前記操作装置において、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに、前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、前記判定手段により記録中ではないと判定された場合は、前記操作装置において前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする制御手段と、を備えることを特徴とするコンテンツ管理装置。
【請求項2】
前記操作装置は、前記第1から第3の処理のそれぞれの実行を指示するユーザ操作を受け付けるための第1から第3の表示アイテムを表示する機能を有し、
前記制御手段は、
前記判定手段により記録中であると判定された場合は前記第3の表示アイテムを表示して、前記第1と第2の表示アイテムを表示させないかまたは無効状態の表示とし、
前記判定手段により記録中でないと判定された場合は前記第1と第2の表示アイテムを表示して、前記第3の表示アイテムを表示させないかまたは無効状態の表示とする、ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項3】
前記記録装置と前記操作装置は別体で構成され、無線または有線による通信手段により接続され、
前記操作装置は、ユーザ操作に応じて前記第1から第3の処理の実行指示を付加情報とともに前記記録装置に前記通信手段を介して送信することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項4】
前記判定手段による記録中の判定に応じて前記第1の処理の実行指示のためのユーザ操作が不能になるまでの間に前記第1の処理の実行指示が前記操作装置から送信され、前記記録装置がコンテンツの記録中に前記第1の処理の実行指示を受信した場合、
前記処理手段は、記録中のコンテンツの直前に記録されたコンテンツの付加情報を該実行指示とともに受信した付加情報で更新することを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項5】
前記判定手段による記録中の判定に応じて前記第2の処理の実行指示のためのユーザ操作が不能になるまでの間に前記第2の処理の実行指示が前記操作装置から送信され、前記記録装置がコンテンツの記録中に前記第2の処理の実行指示を受信した場合、
前記処理手段は、前記第3の処理の実行により付加情報が更新されるまでは、該実行指示とともに受信した付加情報を記録中のコンテンツに関連付けるべき付加情報として保持することを特徴とする請求項3または4に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項6】
前記判定手段による記録待機中の判定に応じて前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作が不能になるまでの間に前記第3の処理の実行指示が前記操作装置から送信され、前記記録装置が記録待機中に前記第3の処理の実行指示を受信した場合、
前記処理手段は、該実行指示とともに受信した付加情報を直前に記録を終えたコンテンツに関連付けることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項7】
前記判定手段による記録中の判定に応じて前記第1または第2の処理の実行指示のためのユーザ操作が不能になるまでの間に前記第1または第2の処理の実行指示が前記操作装置から送信され、前記記録装置がコンテンツの記録中に前記第1または第2の処理の実行指示を受信した場合、または、
前記判定手段による記録待機中の判定に応じて前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作が不能になるまでの間に前記第3の処理の実行指示が前記操作装置から送信され、前記記録装置が記録待機中に前記第3の処理の実行指示を受信した場合、
前記処理手段は、受信した実行指示を無視する、ことを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ管理装置。
【請求項8】
コンテンツを記録する記録装置と、前記記録装置により記録されたコンテンツに付加情報を付加するためのユーザ操作を受け付ける操作装置とを有するコンテンツ管理装置の制御方法であって、
処理手段が、付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理、付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理を、それぞれの処理に対応したユーザ操作に応じて実行する処理工程と、
判定手段が、現在、前記記録装置がコンテンツを記録中であるか否か、を判定する判定工程と、
制御手段が、前記判定工程で記録中であると判定された場合は、前記操作装置において、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに、前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、前記判定工程で記録中ではないと判定された場合は、前記操作装置において前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする制御工程と、を有することを特徴とするコンテンツ管理装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至7のいずれか1項に記載されたコンテンツ管理装置の各手段として機能させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1乃至7のいずれか1項に記載されたコンテンツ管理装置の各手段として機能させるプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項11】
コンテンツを記録する記録装置と、前記記録装置により記録されたコンテンツに付加情報を付加するためのユーザ操作を受け付ける操作装置とを有するコンテンツ管理システムであって、
付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理、付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理を、それぞれの処理に対応したユーザ操作に応じて実行する処理手段と、
前記記録装置がコンテンツを記録中である場合は、前記操作装置における、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに、前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、前記記録装置がコンテンツを記録中ではない場合は、前記操作装置における、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする制御手段と、を備えることを特徴とするコンテンツ管理システム。
【請求項12】
操作装置と通信が可能な記録装置であって、前記操作装置は、前記記録装置がコンテンツを記録中である場合は、付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理と付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、前記記録装置がコンテンツを記録中ではない場合は、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする制御手段を有し、
コンテンツを記録する記録手段と、
付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理、付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理を、前記操作装置からの、それぞれの処理に対応した実行指示に応じて実行する処理手段と、を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項13】
コンテンツを記録する記録手段を備えた記録装置と通信が可能な操作装置であって、
前記記録装置で直前に記録されたコンテンツに付加情報を関連付けて記録する第1の処理の実行、前記記録装置でこれから記録されるコンテンツに関連付けて付加情報を記録する第2の処理の実行、前記記録装置で現在記録しているコンテンツに関連付けて付加情報を記録する第3の処理の実行を、それぞれに対応したユーザ操作に応じて指示する指示手段と、
前記記録装置がコンテンツを記録中である場合は、前記操作装置における、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに、前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、前記記録装置がコンテンツを記録中ではない場合は、前記操作装置における、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする制御手段と、を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項14】
コンテンツを記録する記録装置と、前記記録装置により記録されたコンテンツに付加情報を付加するためのユーザ操作を受け付ける操作装置とを有するコンテンツ管理システムの制御方法であって、
処理手段が、付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理、付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理を、それぞれの処理に対応したユーザ操作に応じて実行する工程と、
制御手段が、前記記録装置がコンテンツを記録中である場合は、前記操作装置における、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに、前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、前記記録装置がコンテンツを記録中ではない場合は、前記操作装置における、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする工程と、を有することを特徴とするコンテンツ管理システムの制御方法。
【請求項15】
操作装置と通信が可能な記録装置の制御方法であって、前記操作装置は、前記記録装置がコンテンツを記録中である場合は、付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理と付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、前記記録装置がコンテンツを記録中ではない場合は、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする制御手段を有し、、
記録手段が、コンテンツをメモリに記録する工程と、
処理手段が、付加情報を直前に記録されたコンテンツに関連付けて記録する第1の処理、付加情報をこれから記録されるコンテンツに関連付けて記録する第2の処理、付加情報を現在記録しているコンテンツに関連付けて記録する第3の処理を、前記操作装置からの、それぞれの処理に対応した実行指示に応じて実行する工程と、を有することを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項16】
コンテンツを記録する記録手段を備えた記録装置と通信が可能な操作装置の制御方法であって、
指示手段が、前記記録装置で直前に記録されたコンテンツに付加情報を関連付けて記録する第1の処理の実行、前記記録装置でこれから記録されるコンテンツに関連付けて付加情報を記録する第2の処理の実行、前記記録装置で現在記録しているコンテンツに関連付けて付加情報を記録する第3の処理の実行を、それぞれに対応したユーザ操作に応じて指示する工程と、
制御手段が、前記記録装置がコンテンツを記録中である場合は、前記操作装置における、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にするとともに、前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にし、前記記録装置がコンテンツを記録中ではない場合は、前記操作装置における、前記第1と第2の処理の実行指示のためのユーザ操作を可能にするとともに前記第3の処理の実行指示のためのユーザ操作を不能にする工程と、を有することを特徴とする操作装置の制御方法。
【請求項17】
コンピュータに、請求項14乃至16のいずれか1項に記載の制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータに、請求項14乃至16のいずれか1項に記載の制御方法の各工程を実行させるためのプログラムを格納した、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−98658(P2013−98658A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237964(P2011−237964)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】