説明

コンテンツ送信装置/受信装置、コンテンツ送信方法/受信方法

【課題】
記録媒体に記録されたコンテンツを別の方式で再生する際にも製作者の意図どおりにコンテンツを送信すること。
【解決手段】
記録媒体6、コンテンツ読出し部201、再生情報生成部202、コンテンツ送信部203、ネットワーク通信処理部208を備え、記録媒体に記録されたコンテンツの再生情報をコンテンツ受信装置に送信する際に、コンテンツ送信装置と受信装置間の通信方式に沿った形式に変換し、コンテンツ受信装置はコンテンツ送信装置のローカルコンテンツをコンテンツ製作者の意図どおりに再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ送信装置/受信装置、コンテンツ送信方法/受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
BDやDVDなどの記録メディアには、映像や音声を記録するとともにインタラクティブなコンテンツを収録し、ユーザの操作によって、表示するシーンを変化させたりすることができる。このようなにコンテンツ製作者の意図どおりに再生させるために、特許文献1記載の課題として、「DVD(Digital Video Disk)に代表される映像、音声等の情報を高密度に記録可能な高密度光ディスク等の情報記録媒体を用いてインタラクティブな再生を行う際に、製作者の側から所望の制限を容易に加えられるようにする。」と記載され、解決手段として、「DVD1には、アクセス可能な単位であり主映像情報、音声情報及びアクセス情報を含む制御情報から夫々構成される複数のVOBUに区分されて、情報が記録トラック上に記録されている。更に、DVD1には、映像情報及び音声情報の再生手順を規定する再生手順情報と複数のセルにおけるサーチ動作の禁止を示す第1サーチ禁止フラグとを含むPGCIが、記録トラックの一部にまとめて記録されている。情報再生装置S2は、サーチ動作が指定された場合には、PGCIに含まれる第1動作禁止フラグにより禁止されている場合には、その実行を行わないように再生装置S2の各部を制御するシステムコントローラ100を備える。」と記載されている。
【0003】
一方、デジタル映像信号処理技術の発展に伴い、デジタル放送を受信するデジタルチューナ、該デジタルチューナ内蔵テレビ(以下、DTV)や、デジタル放送番組を録画・再生するデジタル記録装置(例えば、HDDレコーダやDVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、BD(Blu-ray Disc)レコーダ、NAS(Network Attached Storage)等)のデジタルAV装置が次々と製品化されている。また、ブロードバンド/インターネットの普及により、これらのPCやデジタルAV装置に有線/無線LAN(Local Area Network)、IEEE1394、USB(Universal SerialBus)、HDMI(High Definition Multimedia Interface)などのデジタルインタフェースを搭載し、ネットワークを介して宅内/宅外でデジタルコンテンツを伝送することが可能になってきた。特に宅内に構築されたネットワークを利用してデジタルコンテンツの共有を行うためのガイドラインとしてDLNA(Digital Living Network Alliance)が広く普及している。現在、市場にはPCを含めた多くのAV装置がDLNAに対応した製品を発売している。デジタルAV装置の間でデジタルコンテンツを送信する際には、コンテンツ送信装置側において暗号化を行い、コンテンツ受信装置側との間で復号化のための情報の共有化を行うことによって、送信先であるコンテンツ受信装置以外の機器ではコンテンツが復号されない様にして、無制限なコピーの作成を防ぐコピープロテクトが実施されている。このようなコピープロテクトの方法の一例としてデジタルAV機器に取り入れられているものには、例えば特許文献2に記載の方式がある。特許文献2に記載の方式ではコンテンツを「Copy free(制限なくコピー可)」「Copy free with EPN asserted(出力保護付きで制限なくコピー可)」「Copy one generation(1世代コピー可)」「No more copies(再コピー禁止)」「Copy never(コピー禁止)」に分類して管理し、録画装置では「Copy free」「Copy free with EPN asserted」「Copy one generation」のコンテンツだけを記録し、「Copy one generation」のコンテンツは一度記録した後は「No more copies」として取り扱い、ネットワーク/バス上では「Copy free」のコンテンツを除いて送信側で暗号化処理を施して伝送を行うことによって、無制限なコンテンツのコピーが行えないようにしている。特許文献3においては、機器間でのコンテンツ伝送の際に、コンテンツの著作権保護を高める技術が開示されている。一方、映画や音楽などの映像・音声コンテンツはBD、DVD、CD(Compact Disc)などの光ディスクへ記録され広く流通している。光ディスクに著作権保護すべきコンテンツが記録される場合には、コピープロテクト技術として、AACS(Advanced AccessContent System)、CSS(Content Scramble System)、CPRM(Content Protection Recordable Media)などDRM(Digital Rights Management)技術が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−274776公報
【特許文献2】特開2005−269288
【特許文献3】特開2010−119137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術ではBDやDVDなどの記録メディアに記録されたコンテンツを、プレーヤーなど装置単体で使用するときに限ってその製作者が意図したとおりに再生することができた。また、DTCP−IP規格など、セキュアな通信路を確保し、個人的利用の範囲を逸脱したコンテンツの不正なコピー作成を防止できる配信する技術がすでに開示されている。しかし、BDやDVDなどの記録メディアに記録されたコンテンツをネットワークを介した別の機器にコンテンツ製作者が意図したとおりに送信することは考慮されていない。
【0006】
例えば、コンテンツの最初にコンテンツに関する注意喚起を行う必要があるにもかかわらず、ユーザが操作によってスキップしてしまうといった事態が生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は、例えば一つの実施態様として、コンテンツ送信装置であって、ローカルコンテンツ再生装置からコンテンツを読出す、コンテンツ読出し部と、
コンテンツ受信装置と接続し情報の受け渡しを行う、ネットワーク制御部と、
ローカルコンテンツの再生制御方法をコンテンツ受信装置との接続方式で規定されている再生制御方法に変換する、再生情報変換部と、
コンテンツに再生情報変換部で変換された再生情報を重畳して送信する、コンテンツ送信部と、
を有し、
通信規格に準じた形式に再生情報を変換してコンテンツ受信装置へコンテンツとともに送信する。
また、コンテンツ受信装置からの特殊再生要求に対して、ローカルコンテンツの再生情報を参照し、ローカルコンテンツの再生情報沿った再生を優先して行い、コンテンツ受信装置からの特殊再生要求は本要求が可能となった時点で自動的に実行する。
【発明の効果】
【0008】
再生情報が付与されたローカルコンテンツを送信する際に、ローカルコンテンツ再生装置に接続されたコンテンツ受信装置で視聴する際にもローカルコンテンツの製作者の意図どおりに再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るコンテンツ送信装置を含む全体構成を説明するブロック図である。
【図2】コンテンツ送信装置と受信装置を説明するブロック図である。
【図3】コンテンツ送信装置と受信装置を説明するブロック図である。
【図4】コンテンツ受信装置の再生制御部のブロック図
【図5】再生制御区間の説明図
【図6】再生が制限された区間外の再生要求があった場合の再生イメージ図
【図7】再生が制限された区間外の再生要求があった場合の再生フローチャート
【図8】コンテンツの内容の一例
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
以下、この発明に好適な実施形態の例について図面を参照しながら説明する。
【0011】
本実施例は、テレビやPCなどのコンテンツ受信装置がネットワークを介してコンテンツ送信装置から送信されるコンテンツを視聴する例である。図1は本実施例の全体像を表す。コンテンツ送信装置100には、光ディスクドライブ101と内蔵ストレージ102を備え、LAN(Local Area Network)104を介して、コンテンツ受信装置であるテレビ103と通信することができる。
【0012】
LAN104においては、ネットワークプロトコルとして標準のIP(Internet Protocol)を使用し、上位のトランスポートプロトコルにはTCP(Transmission Control Protocol)およびUDP(User Datagram Protocol)を用いる。コンテンツの伝送には更に上位のアプリケーションプロトコル、例えばRTP(Real−time Transport Protocol)やHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)等が使用される。なお、IPにはバージョンの違いとしてIPv4とIPv6が有るが、そのどちらかに限定される物ではない。また、図には示していないが、各装置は、LANによりハブやルータを介して接続されても良い。
【0013】
コンテンツ送信装置100は光ディスクドライブ101に装鎮された光ディスクに記録されているコンテンツをネットワーク経由で再生するために、フォーマットを変換して送信する。
【0014】
送信するコンテンツが著作権を保護するべきコンテンツである場合には、ネットワーク上での不正コピーや改竄を防止するため、DTCP−IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)を使用する。
【0015】
図2は、本発明に係るコンテンツ送信装置1とコンテンツ受信装置2の全体構成を説明するブロック図である。
【0016】
コンテンツ送信装置1はDVDやBD等の1つ或いは複数の可換の記録媒体3を内蔵し、コンテンツ読出し部201、再生情報生成部202、コンテンツ送信部203、認証部204、鍵生成部205、暗号化部206、ネットワーク通信処理部208を備える。コンテンツ読出し部201は光ディスクドライブ101に相当し、記録媒体3から読み出した情報は再生情報生成部202とコンテンツ送信部203に送られる。認証部204は再生情報生成部202と鍵生成部205、ネットワーク通信処理部208に接続されている。暗号化部206はコンテンツ送信部203と鍵生成部205とネットワーク信号処理部208と接続されている。
【0017】
コンテンツ受信装置2には、ネットワーク通信処理部209、認証210、鍵生成211、復号化212、再生情報管理部213、コンテンツ受信部214、コンテンツ再生部215を備える。ネットワーク通信処理部209は、コンテンツ送信装置1とLANを介して接続されている。認証部210は鍵生成部211と接続されている。鍵生成部211は認証部210から指示を受取り復号化部212に指示する。コンテンツ受信部214は復号化部212からデータを受取りコンテンツ再生部215に出力する。
【0018】
記録媒体3は、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu−ray Disc)などの映像音声などのコンテンツを想定している。尚、DVDおよびBDには映像音声データだけでなく、ユーザからのリモコン操作を受け付けて再生モードを変更することができるような再生制御用の情報も記録されている。例えば、チャプタをジャンプして見たいところから再生するなどといった機能をもつ。これによりユーザは見たいシーンだけを見ることができる。また、音声言語の切り替えなどもコンテンツ製作者が製作したメニュー画面を通じて設定できる。DVDやBDはユーザに対して前述のような指定位置からの再生や動作モードの切り替えなどの機能をユーザに提供する一方、これらユーザの操作をコンテンツ製作者が制限する機能も持っている。これは、例えば、コンテンツの先頭にコンテンツの注意書きなどを表示する場合に、そのシーンのスキップや早送りといった特殊再生ができないようにすることで、ユーザが誤操作により重要な情報を見落とさないようにして、確実に注意喚起することができる。記録媒体3は、DVDやBD以外にもSDカードやハードディスクなどさまざまな媒体があり、映像音声コンテンツまたは映像のみあるいは音声のみのコンテンツでもよく、ユーザ操作よりもコンテンツ製作者の意図が優先して反映させることのできる再生フォーマットであればよい。
【0019】
コンテンツ読出し部201は、記録媒体3に記録されたコンテンツを読み出す部分で、記録媒体に記録された映像音声データと映像音声データの管理情報を読出す。映像音声データが著作権保護すべきコンテンツであり、AACS、CPRM、CSS等の暗号化されたデータである場合には、コンテンツ読出し部201はコンテンツを復号化しながら読み出す。管理情報には、映像音声データの種類を特定するための情報や、映像音声データのシーンやタイトルに関する情報が含まれている。これにより、連続に記録された映像音声データであっても、指定した位置からの再生を可能にする。したがって、ユーザは先頭から再生し見たいシーンを探す手間が省け、容易に見たいシーンへジャンプし再生することができる。
【0020】
再生情報生成部202はコンテンツ読出部201から読出した管理情報から後述する認証部204からあらかじめ指定されたフォーマットに変換する。本実施例では認証部204からDTCP−IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)規格に準拠するようにフォーマット変換を行う。DTCP−IPを使用してコンテンツの送受信をおこなうと、不正コピーを防止しつつデータの送受信を行うことができる。そのため、記録媒体3に記録されたコンテンツを不正にコピーされることなく他の端末に送信することができ、記録媒体3に記録されたコンテンツの著作権者の権利を守ることができる。ここで、管理情報には前述のとおり映像音声データのシーンやタイトルに関する情報がコンテンツ一覧情報として含まれており、これらの情報を別のフォーマットに変換する。具体的な説明は後述する。
【0021】
コンテンツ送信部203は、前記再生情報生成部202から送信される再生情報とコンテンツ読出部201から取得するコンテンツの映像音声データをDTCP−IP規格に準拠した構成で送信する。
【0022】
認証部204は、コンテンツ受信装置2が不正な装置ではないか認証処理を実行する。コンテンツ受信装置2は認証部210が対応する。認証の際には鍵情報が必要であり、認証部204は鍵生成部205から、認証部210は鍵生成部211からそれぞれ取得する。
【0023】
鍵生成部205は、コンテンツの暗号化に必要な鍵情報を生成する。
【0024】
鍵生成部211は、コンテンツの復号化に必要な鍵情報を生成する。
【0025】
暗号化部206は鍵生成部205の鍵情報を用いてコンテンツを暗号化処理を行う。
【0026】
復号化部212は鍵生成部211の鍵情報を用いてコンテンツの復号化処理を行う。
【0027】
ネットワーク通信処理部208は認証部204との認証データの授受および暗号化されたコンテンツを暗号化部206から受け取り、LANなどのネットワークを介してコンテンツ受信装置2と通信を行う。コンテンツ受信装置2は、ネットワーク通信処理部209を介してコンテンツ送信装置1と通信を行う。コンテンツ送信装置1から送られてくるコンテンツをネットワーク通信処理部209で受信した後、暗号化されたコンテンツは復号化部212に送られる。
【0028】
DVDやBDの規格で記録されたコンテンツをDTCP−IP規格で送信する場合、コンテンツの再生情報はネットワーク通信処理部208、209を介して送信される。コンテンツ一覧情報はネットワーク通信処理部208、209にて通信確立後に送信される。例えば電源起動時やネットワーク再生モードに遷移したとき、あるいはユーザがコンテンツ一覧表示操作を行ったときなどのタイミングでコンテンツ一覧情報が送信される。また、コンテンツ一覧情報に変更があった場合にはその都度送信するか、次回ユーザがコンテンツ一覧表示操作を行ったとき更新されたコンテンツ一覧情報を送信する。
【0029】
復号化部212はあらかじめコンテンツ送信装置1と認証を行い、適切な鍵が鍵生成部211で生成されている。この鍵情報を利用して復号化部212はコンテンツを復号化する。
【0030】
コンテンツ受信部214は、復号化部212から受信したコンテンツから重畳された再生情報を取り出し、再生情報管理部213に送信する。コンテンツ自体はコンテンツ再生部215に送られる。
【0031】
再生情報管理部213は、コンテンツ送信装置1の再生情報生成部202で生成された再生情報をコンテンツ受信部214から受信し、後述するコンテンツ再生部215と連携して再生情報に基づいてデータを再生制御するものであり、具体的な動作については後述する。
【0032】
コンテンツ再生部215は、コンテンツ受信部214で受信したコンテンツの再生制御を行う。コンテンツ再生部215の構成を図4に示す。コンテンツ再生部215は、CPU402とメモリ403、映像音声伸張制御部404、出力I/F405、入力I/F406、再生制御部407が互いにバス401で接続されている。
【0033】
メモリ403は、コンテンツ受信部214からのコンテンツデータを一時的に蓄える領域である。
【0034】
映像音声伸張制御部404は、メモリ403に蓄えられたコンテンツデータを映像音声ともに伸張し出力I/F405へと出力する。DVDやBDのコンテンツデータのフォーマットは映像の場合はMPEG(Moving Picture Experts Group)方式やH.264方式で符号化され、音声はAAC(Advanced Audio Coding)やDolby Digital(Dolby Laboratories, Incが開発した音声のデジタル符号化方式)形式で符号化されている。また、これらの映像音声データはTS(Transport Stream)で多重化されている。このような形式のコンテンツデータを映像と音声に分離し、それぞれ伸張するのが映像音声伸張制御部404である。尚、本発明はこれらフォーマットに依存するものではなく、DVDやBDなど記録媒体に記録されたフォーマットによって規定されたフォーマットであればよい。
【0035】
出力I/F405は、映像や音声など出力するIFであり、本実施例ではディスプレイ450が接続され、ユーザはディスプレイ450に表示されたコンテンツを閲覧できる。出力I/F405の種類は映像音声を一本のケーブルで接続でき高品位なデジタルデータを伝送可能なHDMI(High-Definition Multimedia Interface)や液晶ディスプレイなどのデジタル・ディスプレイ装置の為に設計されたDisplayPortが好適だが、本発明はこれに限定しない。その他のI/Fとしては、映像を伝送するためのD端子やコンポーネント端子、DVI(Digital Visual Interface)端子などがあり、音声を伝送するためにS/PDIF(Sony Philips Digital Interface)などがある。また、映像音声信号を他のIFに重畳してもよい。例えばイーサネット(登録商標) (Ethernet)のIFあるいは無線LANを介して、映像音声データをTCP/IPプロトコルを介して伝送してもよい。
【0036】
入力I/F406は、ユーザからの要求を受け付ける。赤外線で命令コマンドを受信するリモコン451やコンテンツ受信装置2に備え付けのボタン452がある。リモコン451、ボタン452にはコンテンツの再生やスキップ、一時停止など操作ができるようになっている。また、ディスプレイ450を確認しながら上下左右に指示し、ディスプレイ450に表示されたメニューを操作することでも指示することができるように上下左右および決定ボタンを備える。
【0037】
ここで、再生情報が付加された場合の例について説明する。図5は横軸にコンテンツの全体の再生時間軸を表している。コンテンツの一部に再生制限区間として読飛ばし禁止区間(TC1からTC2までの区間)をコンテンツ製作者が設定している例を示す。コンテンツ送信装置は記録媒体3から再生情報を読出し、TC1からTC2まで読飛ばし禁止であることをコンテンツ送信部203に通知し、コンテンツ受信装置2に送信する。コンテンツ受信装置2は該再生情報をコンテンツ受信部214で受信し、再生情報管理部213で該再生情報を保持する。ここで再生時刻がT1の時、ユーザが早送り指示をリモコン451から実行した場合、コンテンツ再生部215は再生情報管理部213に問い合わせ、ユーザの操作を受付可能か判断する。再生時刻T1の時は、コンテンツ製作者が読飛ばしを禁止している区間なので、コンテンツ再生部215はユーザからの操作を受けつけず、再生を続ける。このとき、ディスプレイ450に再生が制限されている旨をアイコンやメッセージで表示してもよい。メッセージを表示することによって、リモコン451の指示が正しくコンテンツ受信装置2に伝わっていないのか、再生制限区間なのかユーザが知ることができ、混乱が生じない。
【0038】
このように、記録媒体3に記録されたコンテンツに製作者の意図などが含まれる再生情報を、コンテンツ送信する際にコンテンツ受信装置が解釈できる形式でコンテンツと同時に送信することで記録媒体3のコンテンツ製作者の意図どおりに再生することができる。
【実施例2】
【0039】
次に再生情報に制限がある場合、その制限を守りつつユーザの操作を最小限に抑える例について説明する。
【0040】
構成は実施例1と同様なので省略する。
【0041】
図6は横軸にコンテンツの全体の再生時間軸を表している。上段は記録されたコンテンツの全体像を表し、下段は実際に再生される順序を横軸時間で表したものである。記録されたコンテンツは3タイトルから構成されており、先頭のタイトルだけ再生制限区間(読飛ばし禁止)が設定されている。このとき、ユーザがT3の位置から再生する例を示す。図7のフローチャートはユーザが途中(図6のT3の位置)から映像を見ようとしたときの受信装置2の処理フローである。まず、コンテンツ受信装置2はユーザから特殊再生要求を受け付ける(S701)。次に、受信装置は現在の再生位置と要求位置でその特殊再生操作ができるかどうかを判断する(S702)。T3の位置にシークできるかどうかは、再生情報に記載されている。再生情報は再生情報生成部202で生成され、ディスク認識時、起動直後、受信装置と送信装置の認証成功後、コンテンツ再生中のいずれかのタイミングでコンテンツ送信装置1からコンテンツ受信装置2に送信される。図8に記録されたコンテンツの内容の例を示す。コンテンツは3タイトルで構成されており、タイトル番号1のコンテンツは必ず再生し、読み飛ばしが禁止されている。したがってユーザがT3の位置すなわち、タイトル番号3の途中から再生しようとする場合、ユーザが指定した再生位置ではなく、コンテンツ受信装置2は再生制限のある区間のデータを転送するようにコンテンツ送信装置1に転送指示する(S704)。再生制限区間の再生が終了すると、コンテンツ受信装置2はコンテンツ送信装置1に対して、最初にユーザが要求した位置からのデータを転送するように転送指示する(S705)。また、ユーザが再生制限区間を再生し終わった後に特殊再生する場合は、コンテンツ受信装置2はコンテンツ送信装置1に対してユーザ指定位置からの転送指示を行う(S703)。これにより、ユーザは再生制限区間があっても、特別な操作をすることなく最低限のステップでスキップ動作を実現できる。ユーザ要求が再生制限区間であった場合にエラー画面を表示することもできるが、再生制限区間中にユーザ要求をエラーとして処理してしまうと、再生制限区間を終えるまでユーザが操作できず不便である。本発明のように、再生制限を再生したあとに自動的にユーザが指定する操作を実行することによってコンテンツ製作者の意図どおりに再生しつつユーザの手間を最小限に抑えることができる。
【実施例3】
【0042】
本実施例では、コンテンツ送信装置が再生制御情報をすべて管理し、コンテンツ受信装置の構成を単純化する例について説明する。
【0043】
図3に、本実施例の全体構成を示す。コンテンツ送信装置4は内蔵の記録媒体6を備え、コンテンツ読出し部301、再生情報生成部302、再生制御部303、コンテンツ送信部304、認証部305、鍵生成部306、暗号化部307、ネットワーク通信処理部308を備える。コンテンツ読出し部301は記録媒体6と接続され、読み出した情報は再生情報生成部302と再生制御部303に送られる。映像音声データが著作権保護すべきコンテンツであり、AACS、CPRM、CSS等の暗号化されたデータである場合には、コンテンツ読出し部301はコンテンツを復号化しながら読み出す。再生制御部303は後述するコンテンツ受信装置5からの指示を受け、再生および特殊再生の実行制御を行い、コンテンツ送信部304映像音声データや管理データを転送する。管理データの一例としてDLNAで規定された形式でコンテンツ名やフォーマット、日時などの情報を持つ。これらの一覧情報であるコンテンツ一覧情報はネットワーク通信処理部308、309(後術)にて通信確立後に送信される。例えば電源起動時やネットワーク再生モードに遷移したとき、あるいはユーザがコンテンツ一覧表示操作を行ったときなどのタイミングでコンテンツ一覧情報が送信される。また、コンテンツ一覧情報に変更があった場合にはその都度送信するか、次回ユーザがコンテンツ一覧表示操作を行ったとき更新されたコンテンツ一覧情報を送信する。
【0044】
認証部305は再生情報生成部302と鍵生成部306、ネットワーク通信処理部308に接続されている。暗号化部307はコンテンツ送信部304と鍵生成部306とネットワーク信号処理部308と接続されている。
【0045】
コンテンツ受信装置5には、ネットワーク通信処理部309、認証部310、鍵生成部311、復号化部312、特殊再生制御部313、コンテンツ受信部314、コンテンツ再生部315を備える。ネットワーク通信処理部309は、コンテンツ装置4とLANを介して接続されている。認証部310は鍵生成部311と接続されている。鍵生成部311は認証部310から指示を受取り復号化部312に指示する。コンテンツ受信部314は復号化部312からデータを受取りコンテンツ再生部315に出力する。
【0046】
コンテンツ読出し部301、再生情報生成部302、認証部305、310、鍵生成部306、311、暗号化部307、ネットワーク通信処理部308、309、復号化部312、コンテンツ受信部314は実施例1と同等であるため詳細な説明は省略する。
【0047】
再生制御部303は再生情報生成部302から取得する再生情報を記憶しておく。再生情報には実施例1で述べたとおり、スキップ操作が禁止されている区間などの情報を含む。
【0048】
コンテンツ受信装置5はユーザによって特殊再生要求があると、特殊再生制御部313がネットワーク通信部309を介してコンテンツ送信装置4に特殊再生要求を出す。特殊再生要求には、コンテンツの再生位置情報を含んでおり、例えばタイトル番号やシーン番号、シーン先頭からの経過時間(時間指定ジャンプ)あるいはシーン先頭からのバイト数(バイト指定ジャンプ)などがある。この再生位置情報はコンテンツ送信装置4のネットワーク通信処理308を介して再生制御部303に送られる。再生制御部303は再生情報生成部302から取得した再生情報から要求された区間が再生可能であるかどうかを判断し、再生可能であれば該当位置からコンテンツをコンテンツ読出し部301から読出し、暗号化部307、ネットワーク通信処理部308を介してコンテンツ受信装置5にコンテンツを送信する。
【0049】
ここで、特殊再生要求位置が再生禁止区間であった場合について説明する。コンテンツ受信装置5はユーザによって特殊再生要求があると、特殊再生制御部313がネットワーク通信部309を介してコンテンツ送信装置4に特殊再生要求を出す。特殊再生要求の内容は前述のとおりである。この再生位置情報はコンテンツ送信装置4のネットワーク通信処理308を介して再生制御部303に送られる。再生制御部303は再生情報生成部302から取得した再生情報から要求された区間が再生可能であるかどうかを判断し、特殊再生要求位置が再生禁止区間であった場合には、コンテンツ読出し部301は読出し位置を変更せず、コンテンツを送信する。コンテンツ送信部304はエラー情報を重畳してコンテンツ受信装置5に送信する。コンテンツ受信装置5はコンテンツ受信部314で該エラー情報を受信しコンテンツ再生部315に通知する。エラー情報には、再生禁止区間であることを示す場合もあれば、コンテンツ送信装置4との通信に不具合が発生した場合など、機器の障害情報も伝送することができ、それぞれ区別できるようにエラーコードにより管理する。コンテンツ再生部は再生禁止区間であるというエラー情報を受け取ると、ユーザに対して特殊再生がエラーであった旨を画面表示装置(図示されていない)のGUIで通知する。尚、エラー情報の伝達方法は、コンテンツ送信部304でTCPI/IPのヘッダ部分に書き込む方法や、HTTPのヘッダに書き込む方法、または、ネットワーク通信処理部308、309間でコンテンツデータの転送とは別の制御用のポートを利用して通知するなどといった方法があるが、本発明はこれに限定するもではない。
【0050】
以上により、コンテンツ受信装置5はコンテンツ送信装置4の記憶媒体6に記録されたコンテンツから生成される再生情報の内容をすべて受信しなくても、記憶媒体6に記録されたコンテンツの製作者の意図どおりに再生することができる。
【0051】
なお、本発明の構成は、前述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、コンテンツ送信装置と受信装置が一体となった装置でもよい。また、コンテンツ送信装置としてBD/DVDドライブを備えたテレビ、コンテンツ受信装置として携帯電話の組み合わせで利用すると、テレビに保存したコンテンツを携帯電話の電波圏内であれば事前に携帯電話にコンテンツを送信する必要がないため、コンテンツを視聴したいときにすぐに視聴することができ、本発明の効果的な組み合わせ例である。
【0052】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0053】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0054】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0055】
100:コンテンツ送信装置
101:光ディスクドライブ
102:内蔵ストレージ
103:テレビ
104:LAN(Local Area Network)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルコンテンツ再生装置を有するコンテンツ送信装置であって、
ローカルコンテンツ再生装置からコンテンツを読出す、コンテンツ読出し部と、
コンテンツ受信装置と接続し情報の受け渡しを行う、ネットワーク制御部と、
ローカルコンテンツの再生制御方法をコンテンツ受信装置との接続方式で規定されている再生制御方法に変換する、再生情報変換部と、
コンテンツに前記再生情報変換部で変換された再生情報を重畳して送信する、コンテンツ送信部と、
を有するコンテンツ送信装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンテンツ送信装置であって、
コンテンツ送信部が前記再生情報をHTTPまたはTCP/IPのヘッダ情報に格納することを特徴とするコンテンツ送信装置。
【請求項3】
ローカルコンテンツ再生装置を有するコンテンツ送信装置であって、
ローカルコンテンツ再生装置からコンテンツを読出す、コンテンツ読出し部と、
コンテンツ受信装置と接続し情報の受け渡しを行う、ネットワーク制御部と、
ローカルコンテンツの再生制御方法をコンテンツ受信装置との接続方式で規定されている再生制御方法に変換する、再生情報変換部と、
前記再生情報変換部が生成した再生情報を送信する再生情報送信部を有し、
前記再生情報送信部がコンテンツ受信装置にコンテンツ一覧送信時またはコンテンツ再生開始前に前記再生情報を送信することを特徴とするコンテンツ送信装置。
【請求項4】
請求項3に記載のコンテンツ送信装置であって、
前記再生情報送信部が送信する前記再生情報が、コンテンツ送信装置の所有するコンテンツ一覧情報の一部であり、コンテンツ受信装置に前記再生情報が付加されていることを通知することを特徴としたコンテンツ送信装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3に記載のコンテンツ送信装置であって、
前記再生情報送信部が送信する前記再生情報として制限情報が付加さされているにもかかわらず、コンテンツ受信装置から許可されない操作が指示された場合、該制限情報の制限が解除されてから該操作を受付けてコンテンツ送信する、コンテンツ送信装置。
【請求項6】
ローカルコンテンツを別の装置に送信可能なコンテンツ送信装置からコンテンツを受信するコンテンツ受信装置であって、
コンテンツ送信装置と接続し情報の受け渡しを行う、ネットワーク制御部と、
コンテンツ送信装置から送信されるコンテンツを再生する、コンテンツ再生部と、
コンテンツ送信装置からコンテンツの再生情報を受信し、該再生情報に基づきコンテンツの再生制御を行う再生情報管理部とを有し、
コンテンツ再生前に前記再生情報を受信し、前記再生情報に従ってコンテンツの再生を制御することを特徴とするコンテンツ受信装置。
【請求項7】
ローカルコンテンツの再生ステップを有するコンテンツ送信方法であって、
ローカルコンテンツ再生装置からコンテンツを読出す、コンテンツ読出しステップと、
コンテンツ受信装置と接続し情報の受け渡しを行う、通信ステップと、
ローカルコンテンツの再生制御方法をコンテンツ受信装置との接続方式で規定されている再生制御方法に変換する、再生情報変換ステップと、
コンテンツに再生情報変換部で変換された再生情報を重畳して送信する、コンテンツ送信ステップと、
を有するコンテンツ送信方法。
【請求項8】
請求項7記載のコンテンツ送信方法であって、
コンテンツ送信ステップにおいて前記再生情報をHTTPまたはTCP/IPのヘッダ情報に格納するステップを有することを特徴とするコンテンツ送信方法。
【請求項9】
ローカルコンテンツの再生ステップを有するコンテンツ送信方法であって、
ローカルコンテンツ再生装置からコンテンツを読出す、コンテンツ読出しステップと、
コンテンツ受信装置と接続し情報の受け渡しを行う、通信ステップと、
ローカルコンテンツの再生制御方法をコンテンツ受信装置との接続方式で規定されている再生制御方法に変換する、再生情報変換ステップと、
再生情報変換ステップで生成した再生情報をコンテンツ受信装置に送信する再生情報送信ステップを有し、
前記再生情報送信ステップでコンテンツ受信装置に事前に前記再生情報を送信することを特徴とするコンテンツ送信方法。
【請求項10】
請求項9に記載のコンテンツ送信方法であって、
前記再生情報送信ステップにおいて、送信する前記再生情報が、コンテンツ送信装置の所有するコンテンツ一覧情報の一部であり、コンテンツ受信装置に前記再生情報が付加されていることを通知することを特徴としたコンテンツ送信方法。
【請求項11】
請求項7から請求項9に記載のコンテンツ送信方法であって、
前記再生情報送信ステップにおいて、送信する前記再生情報として制限情報が付加さされているにもかかわらず、コンテンツ受信装置から許可されない操作が指示された場合、該制限情報の制限が解除されてから該操作を受付けコンテンツ送信する、コンテンツ送信方法。
【請求項12】
ローカルコンテンツを別の装置に送信可能なコンテンツ送信装置からコンテンツを受信するコンテンツ受信方法であって、
コンテンツ送信装置と接続し情報の受け渡しを行う、コンテンツ受信ステップと、
コンテンツ送信装置から送信されるコンテンツを再生する、コンテンツ再生ステップと、
コンテンツ送信装置からコンテンツの再生情報を受信し、該再生情報に基づきコンテンツの再生制御を行う再生情報管理ステップとを有し、
コンテンツ再生前に前記再生情報を受信し、前記再生情報に従ってコンテンツの再生を制御することを特徴とするコンテンツ受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−178622(P2012−178622A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39199(P2011−39199)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】