説明

コンテンツ送受信システム、コンテンツ送受信装置及びコンテンツ受信装置

【課題】 AVアンプ20の入力セレクタを変更する際に、ユーザ操作を要することなく、ディスプレイ装置40の設定を、選択された入力セレクタに割り当てられているコンテンツ送信装置に適した設定に自動的に変更すること。
【解決手段】 AVアンプ20のメモリ27内の設定テーブルにはセレクタに対応付けてディスプレイ装置40の設定情報が登録されている。セレクタが変更された場合、選択されたセレクタに対応付けて登録されているディスプレイ装置40の設定情報がAVアンプ20からディスプレイ装置40に送信される。ディスプレイ装置40は、受信した設定情報に基づいて設定を実行することにより、ユーザ操作を要することなく、変更後のセレクタに割り当てられているコンテンツ送信装置に適した設定に自動的に変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ送受信装置及びコンテンツ受信装置を備えるコンテンツ送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ソース機器(例えば、DVDプレーヤ)と、リピータ機器(例えば、AVアンプ)と、シンク機器(例えば、ディスプレイ装置)とを備えるコンテンツ送受信システムが利用されている。DVDプレーヤは、DVDディスクに記録されているコンテンツを再生し、AVアンプに送信する。AVアンプは、コンテンツに含まれる音声データに音声処理を実行し、スピーカーから音声を出力する。AVアンプは、映像データをディスプレイ装置に送信する。ディスプレイ装置は、AVアンプから供給された映像データに映像処理を実行し、表示する。
【0003】
AVアンプに複数のソース機器が接続される場合、AVアンプは、ユーザ操作によってセレクタが選択され、コンテンツを送信するソース機器を1つ選択する。例えば、AVアンプにDVDプレーヤ、TVチューナ及びゲーム機が接続されており、AVアンプのセレクタ1〜3にそれぞれ割り当てられている場合、セレクタ1が選択されると、DVDプレーヤからコンテンツを受信し、AVアンプがスピーカーに音声を出力し、ディスプレイ装置が映像を表示する。
【0004】
ディスプレイ装置は、ユーザ操作に基づいて、明るさ、色合いおよび解像度等の映像設定を実行する。その他に、ディスプレイ装置は、ユーザ操作に応じて、音声設定、機能設定、初期設定等を実行する。AVアンプのセレクタが変更され、コンテンツを送信するソース機器が変更される毎に、ユーザ操作によって、ディスプレイ装置の設定を選択されたソース機器に適した設定に変更する必要があるので、その操作が非常に煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−123339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンテンツ送信元のコンテンツ送信装置を変更する際に、コンテンツ受信装置の設定を、ユーザ操作を要することなく自動的に変更することができるコンテンツ送受信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ送受信システムは、複数のコンテンツ送信装置が接続可能なコンテンツ送受信装置と、前記コンテンツ送受信装置が接続可能なコンテンツ受信装置とを備え、前記コンテンツ送受信装置が、複数の前記コンテンツ送信装置の中から、コンテンツ送信元のコンテンツ送信装置を選択する選択手段と、選択されたコンテンツ送信元の前記コンテンツ送信装置からコンテンツを受信する受信手段と、前記コンテンツ受信装置にコンテンツを送信する送信手段と、コンテンツ送信元のコンテンツ再生装置に対応付けて、前記コンテンツ受信装置の設定情報を登録する設定登録手段と、前記選択手段によってコンテンツ送信元のコンテンツ送信装置が選択されたとき、選択されたコンテンツ送信元のコンテンツ送信装置に対応付けて前記設定登録手段によって登録されている前記コンテンツ受信装置の設定情報を、前記コンテンツ受信装置に送信する設定情報送信手段とを有し、前記コンテンツ受信装置が、前記コンテンツ送受信装置からコンテンツを受信する第2受信手段と、前記コンテンツ受信装置から設定情報を受信し、受信した設定情報に応じて設定を実行する設定実行手段とを有する。
【0008】
コンテンツ送信元のコンテンツ送信装置が変更された場合、選択されたコンテンツ送信装置に対応付けて登録されているコンテンツ受信装置の設定情報がコンテンツ送受信装置からコンテンツ受信装置に送信される。コンテンツ受信装置は、受信した設定情報に基づいて設定を実行することにより、ユーザ操作を要することなく、送信元のコンテンツ送信装置が変更された際に、変更後のコンテンツ送信装置に適した設定に自動的に変更することができる。
【0009】
好ましくは、前記設定実行手段が、ユーザ操作に応じて設定を実行する場合、複数階層の設定メニュー画面を表示部に表示させ、各階層の設定メニュー画面における設定項目数を前記コンテンツ送受信装置に送信し、前記コンテンツ送受信装置から受信した各階層の設定メニュー画面における設定項目番号に応じて特定される設定を実行し、前記コンテンツ送受信装置が、ユーザ操作に応じて設定を実行する場合、前記コンテンツ受信装置から受信した各階層の設定メニュー画面における設定項目数の中からユーザ操作に応じて選択された設定項目番号を前記コンテンツ受信装置に送信する手段をさらに有し、各階層の設定メニュー画面における設定項目番号を前記コンテンツ再生装置に送信した場合に、前記設定登録手段が、前記選択手段によって選択されているコンテンツ送信元のコンテンツ再生装置に対応付けて、各階層の設定メニュー画面における設定項目番号を前記設定情報として登録する。
【0010】
この場合、ユーザ操作によってコンテンツ受信装置の設定が実行される際に、入力された設定情報を送信元として現在選択されているコンテンツ送信装置に対応付けて登録することができる。従って、別途ユーザ操作によって設定情報を入力する必要がない。
【0011】
本発明の別の好ましい実施形態によるコンテンツ送受信システムは、コンテンツ送信装置が接続可能なコンテンツ送受信装置と、前記コンテンツ送受信装置が接続可能なコンテンツ受信装置とを備え、前記コンテンツ送受信装置が、前記コンテンツ送信装置からコンテンツを受信する受信手段と、前記コンテンツ受信装置にコンテンツを送信する送信手段と、前記コンテンツ受信装置から受信した各階層の設定メニュー画面における設定項目数の中からユーザ操作に応じて選択された設定項目番号を前記コンテンツ受信装置に送信する手段とを有し、前記コンテンツ受信装置が、前記コンテンツ送受信装置からコンテンツを受信する第2受信手段と、複数階層の設定メニュー画面を表示部に表示させ、各階層の設定メニュー画面における設定項目数を前記コンテンツ送受信装置に送信し、前記コンテンツ送受信装置から受信した各階層の設定メニュー画面における設定項目番号に応じて特定される設定を実行する設定実行手段とを有する。
【発明の効果】
【0012】
コンテンツ送信元のコンテンツ送信装置を変更する際に、コンテンツ受信装置の設定を、ユーザ操作を要することなく自動的に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ20及びディスプレイ装置40を示すブロック図である。
【図2】設定テーブルを示す図である。
【図3】設定メニュー画面と、AVアンプ20に送信される設定項目数との遷移を示す図である。
【図4】AVアンプ20の動作を説明するフローチャートである。
【図5】ディスプレイ装置40の動作を説明するフローチャートである。
【図6】AVアンプ20の動作を説明するフローチャートである。
【図7】ディスプレイ装置40の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本実施形態において、コンテンツは、映像(画像も含む、以下同様。)データおよび/または音声データ等である。
【0015】
図1に示すように、AVアンプ(コンテンツ送受信装置、リピータ機器)20の入力側には複数のコンテンツ送信装置(ソース機器であり、DVDプレーヤ10A、TVチューナ10Bおよびゲーム機10C)が接続されている。AVアンプ20の出力側には、コンテンツ受信装置(シンク機器であり、ディスプレイ装置40)が接続されている。AVアンプ20及びディスプレイ装置40は、例えばHDMI規格に準拠しており、HDMIケーブルを介して相互に接続されている。複数のコンテンツ送信装置は、HDMIケーブルを介してAVアンプ20に接続されてもよく、デジタル又はアナログの音声ケーブルや、アナログ映像ケーブルを介してAVアンプ20に接続されてもよい。
【0016】
[AVアンプの構成]
AVアンプ20は、セレクタ部21と、HDMI送信部22と、音声処理部23と、制御部24と、操作部25と、表示部26と、メモリ27と、入力端子(音声及び/又は映像入力端子)28A〜28Cと、HDMI出力端子29Aと、アナログ映像出力端子29Bとを有している。なお、一般的なAVアンプは、HDMI入力端子及びHDMI受信部等をさらに備えているが、図1では簡単のため記載を省略している。
【0017】
セレクタ部21は、入力端子28A〜28Cの中から、コンテンツを受信する入力端子を選択する。つまり、セレクタ部21は、複数のコンテンツ送信装置の中から、コンテンツ送信元のコンテンツ送信装置を1つ選択する。入力端子28Aはセレクタ1に、入力端子28Bはセレクタ2に、入力端子28Cはセレクタ3にそれぞれ割り当てられている。ユーザ操作によってセレクタ1が選択されると、セレクタ部21は、入力端子28Aを選択し、DVDプレーヤ10Aからのコンテンツを受信する。ユーザ操作によってセレクタ2が選択されると、セレクタ部21は、入力端子28Bを選択し、TVチューナ10Bからのコンテンツを受信する。ユーザ操作によってセレクタ3が選択されると、セレクタ部21は、入力端子28Cを選択し、ゲーム機10Cからのコンテンツを受信する。セレクタ部21は、入力されたコンテンツのうち、音声データを音声処理部23に供給する。セレクタ部21は、入力されたコンテンツのうち、映像データをHDMI送信部22に供給、又は、アナログ映像出力端子29Bを介してディスプレイ装置40に供給する。
【0018】
HDMI送信部22は、セレクタ部21から供給された映像データをHDMIデータに変換する。HDMI送信部22は、HDMI出力端子29Aを介してディスプレイ装置40にHDMIデータを送信する。
【0019】
音声処理部23は、セレクタ部21から供給された音声データに対して、例えば、信号処理、遅延処理、イコライザ処理、音量調整処理、増幅処理、DA変換等の音声処理を実行し、外部に接続されたスピーカー60に音声信号を供給する。
【0020】
制御部24は、メモリ27に記憶されているAVアンプの動作プログラムに基づいて、AVアンプ20の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。制御部24は、HDMIのCECラインを介してディスプレイ装置40の制御部44に接続され、制御部44とコマンドを送受信する。
【0021】
メモリ27(例えば、ROM、RAM等)には、図2に示す設定テーブルが格納されている。設定テーブルは、各セレクタ(セレクタ1〜セレクタ3)、すなわち、コンテンツ送信装置に対応付けて、ディスプレイ装置40の設定情報を登録するためのテーブルである。なお、設定テーブルには最初は何も登録されておらず、後述する処理によって設定情報が登録される。ユーザ操作によってセレクタが変更された時に、制御部24は、設定テーブルを参照し、変更後のセレクタに対応付けられている設定情報を設定テーブルから読み出し、CECラインを介してディスプレイ装置40の制御部44に送信することにより、ディスプレイ装置40に設定を自動的に変更させる。
【0022】
また、制御部24は、ディスプレイ装置40の制御部44とCEラインを介してコマンドを送受信することにより、ユーザ操作に応じて、ディスプレイ装置40の各設定(例えば、映像設定、音声設定、機能設定および初期設定等)を実行する。つまり、ユーザがAVアンプ20の操作部25を操作することによって、ディスプレイ装置40の各設定を実行することができる。
【0023】
図3は、ユーザ操作によって、ディスプレイ装置40の各設定を実行するための設定メニュー画面(図3上側)と、ディスプレイ装置40の制御部44からCECラインを介してAVアンプ20の制御部24に送信される設定項目数(図3下側)との遷移を示す図である。本例では、ディスプレイ装置40の制御部44は、設定メニュー画面における設定項目のテキスト情報自体を制御部24に送信するのではなく、現在表示されている設定メニュー画面に存在する設定項目数のみを制御部24に送信する。従って、制御部44から制御部24に送信されるコマンドのデータ量を削減することができる。
【0024】
図3に示すように、最上位階層(図3の一番左側)の設定メニュー画面においては、お知らせ〜初期設定までの5つの設定項目が存在するので、設定項目数5がディスプレイ装置40の制御部44から制御部24に送信される。ユーザ操作によって、設定項目番号(設定項目番号は5つの設定項目の上からの通し番号であり、ここでは1〜5の整数である。)が決定されると、制御部24は、CECラインを介して、決定された設定項目番号をディスプレイ装置40の制御部44に送信する。例えば、設定項目番号が2に決定され、ディスプレイ装置40の制御部44に送信された場合、制御部44は、設定項目番号2で特定される設定項目である映像設定がユーザ操作によって選択されたときの動作を実行し、映像設定の1つ下の階層の設定メニュー画面を表示する(左から2番目)。
【0025】
映像設定の設定メニュー画面では、映像メニュー〜明るさセンサーまでの7つの設定項目が存在するので、設定項目数7がディスプレイ装置40の制御部44から制御部24に送信される。ユーザ操作によって、設定項目番号が決定されると、制御部24は、CECラインを介して、決定された設定項目番号をディスプレイ装置40の制御部44に送信する。例えば、設定項目番号が5に決定され、ディスプレイ装置40の制御部44に送信された場合、制御部44は、設定項目番号5で特定される設定項目である色空間がユーザ操作によって選択されたときの動作を実行し、色空間の1つ下の階層の設定メニュー画面を表示する(左から3番目)。
【0026】
色空間の設定メニュー画面では、オート〜スタンダードまでの3つの設定項目が存在するので、設定項目数3がディスプレイ装置40の制御部44から制御部24に送信される。色空間の1つ下の階層の設定メニュー画面が最終階層であるので、最終階層である旨の情報も制御部44から制御部24に送信される。例えば、設定項目番号2に決定されると、ディスプレイ装置40の制御部44に設定項目番号「2」が送信され、制御部44は、設定項目番号2で特定される設定項目であるワイドがユーザ操作によって選択されたときの動作を実行し、色空間がワイドに設定される(一番右)。
【0027】
制御部24は、最終階層の設定メニュー画面において、設定項目番号をディスプレイ装置40の制御部44に送信した際には、ディスプレイ装置40の設定内容が確定するので、図2の設定テーブルにおいて、現在選択されているセレクタに対応付けて、各階層の設定メニュー画面において決定した設定項目番号を登録する。例えば、図2のように、セレクタ1に対応付けて、最上位階層から順番に、設定項目番号2、5、2が登録される。なお、図2では、便宜上1つのセレクタに1つの設定情報しか登録されていないが、複数の設定情報が登録されてもよい。例えば、映像設定についての設定情報と、音声設定についての設定情報とが同じセレクタに対応付けて登録されてもよい。この場合、当該セレクタが選択されたとき、登録されている映像設定および音声設定にディスプレイ装置40が自動的に設定される。
【0028】
なお、上記のようにユーザがAVアンプ20の操作部25を介してディスプレイ装置40の設定を実行するのではなく、ユーザがディスプレイ装置40の操作部45を介してディスプレイ装置40の設定を実行し、ディスプレイ装置40の制御部44が設定情報を制御部24に送信し、制御部24が現在選択されているセレクタに対応付けて、受信した設定情報を登録してもよい。
【0029】
操作部25は、ユーザ操作を受け付けるものであり、AVアンプ20の筐体に設けられた操作ボタン、及び/又は、リモコン送受信機等である。操作部25は、例えば、図3に示す設定メニュー画面を操作するために、カーソルアップ/ダウンキー、決定キー等を含む。
【0030】
[ディスプレイ装置40の構成]
ディスプレイ装置40は、HDMI受信部41と、映像処理部42と、表示部43と、制御部44と、操作部45と、メモリ46と、HDMI入力端子47Aと、アナログ映像入力端子47Bとを備える。なお、音声入力端子、音声処理部及びスピーカー等は簡単のため記載を省略している。
【0031】
HDMI受信部41は、AVアンプ20のHDMI送信部22から送信されたHDMIデータを受信して、HDMIデータから元の映像データを生成し、映像処理部42に供給する。
【0032】
映像処理部42は、HDMI受信部41から供給された映像データに映像処理を実行し、表示部43に映像を表示させる。例えば、映像処理部42は、映像データの明るさ及び色合い等を調整し、解像度変換等を実行する。映像処理部42は、図3に示す設定メニュー画面において選択された設定情報やAVアンプ20からセレクタ変更に伴い送信された設定情報に基づいて、制御部44によって実行された設定に従って、映像処理を実行する。
【0033】
表示部43は、映像処理部42から映像データが供給され、当該映像データに基づいて映像を表示するものであり、例えば、LCDまたはPDP等である。
【0034】
制御部44は、メモリ(例えば、ROM、RAM等)46に格納されたディスプレイ装置の動作プログラムに基づいて、ディスプレイ装置の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。
【0035】
制御部44は、CECラインを介して、AVアンプ20の制御部24に接続されており、AVアンプ20の制御部24とコマンドを送受信する。詳細には、上記の通り、制御部44は、図3の設定メニュー画面を表示部43に表示させるとき、設定メニュー画面に存在する設定項目数を、CECラインを介してAVアンプ20の制御部24に送信する。また、制御部44は、AVアンプ20の制御部24から、設定項目番号を受信したとき、設定メニュー画面においてカーソルを移動させる。また、制御部44は、AVアンプ20の制御部24から、決定指示を受信したとき、設定メニュー画面においてカーソルが位置している設定項目の内容を決定し、設定メニュー画面の階層を下の階層に移動させたり、設定を実行したりする。
【0036】
以下、本実施形態の動作を説明する。図4に示すように、AVアンプ20の制御部24は、ユーザ操作によってセレクタが変更されたか否かを判断している(S1)。セレクタが変更された場合(S1でYES)、制御部24は、図2の設定テーブルを参照し、変更後のセレクタに対応付けてディスプレイ装置40の設定情報が登録されているか否かを判断する(S2)。登録されていなければ(S2でNO)、S1に戻る。登録されていれば(S2でYES)、制御部24は、変更後のセレクタに対応付けて登録されている設定情報を設定テーブルから読み出して、CECラインを介して、読み出した設定情報を含む設定変更指示をディスプレイ装置40の制御部44に送信する(S3)。例えば、図2の設定テーブルの場合に、セレクタ1に変更された場合、設定情報として、2.5.2が読み出されて、ディスプレイ装置40の制御部44に送信される。
【0037】
図5に示すように、ディスプレイ装置40の制御部44は、AVアンプ20の制御部24からCECラインを介して、設定変更指示を受信したか否かを判断している(S51)。受信した場合(S51でYES)制御部44は、受信した設定情報に基づいて自動的に設定を実行する(S52)。例えば、設定情報が、2.5.2である場合、制御部44は、図3において、最上位階層の設定メニュー画面において設定項目番号2に対応する設定項目である映像設定を選択し、映像設定のメニュー画面において設定項目番号5に対応する設定項目である色空間を選択し、色空間の設定メニュー画面において設定項目番号2に対応する設定項目であるワイドを選択し、色空間=ワイドに設定を実行する。
【0038】
以上のようにAVアンプ20においてセレクタが変更される際に、自動的にディスプレイ装置40の設定を変更することができる。
【0039】
次に、ユーザ操作によってディスプレイ装置40の設定が実行される際に、設定情報を設定テーブルに登録する処理を説明する。図6に示すように、AVアンプ20の制御部24は、ユーザ操作によって設定メニュー画面を表示する指示が入力されたか否かを判断している(S11)。入力された場合(S11でYES)、制御部24は、設定メニュー画面の表示指示をディスプレイ装置40の制御部44に送信する(S12)。図7に示すように、ディスプレイ装置40の制御部44は、設定メニュー画面の表示指示を受信したか否かを判断している(S61)。受信した場合(S61でYES)、制御部44は、最上位階層の設定メニュー画面(図3の一番左)をメモリ46から読み出して表示部43に表示する。そして、制御部44は、現在表示されている設定メニュー画面の設定項目数を取得し、AVアンプ20の制御部23に送信する(S62)。ここでは、お知らせ〜初期設定までの5つの設定項目が存在するので、設定項目数5が制御部44から制御部24に送信される。
【0040】
図6に示すように、AVアンプ20の制御部24は、ディスプレイ装置40の制御部44から設定項目数を受信したか否かを判断している(S13)。受信しなければ(S13でNO)、S16に進む。受信した場合(S13でYES)、受信した設定項目数をメモリ27に保存し(S14)、メモリ27内で設定項目番号を初期値に設定し保持する(S15)。ここでは、設定項目数5をメモリ27に保持し、初期値1に設定する。
【0041】
続いて、制御部24は、ユーザ操作によってカーソルを移動する(つまり、設定項目番号を増減する)指示が入力されたか否かを判断している(S16)。入力されない場合(S16でNO)、S19に進む。入力された場合(S16でYES)、制御部24は、メモリ27内で保持している設定項目番号をユーザ操作に応じて増減させ(S17)、カーソルを移動させる指示(つまり設定項目番号)をディスプレイ装置40の制御部44に送信する(S18)。ここでは、ユーザ操作によってカーソルダウン指示が入力されるので、制御部44は、メモリ27で保持している設定項目番号を初期値の1から1増加させ、2に設定し、設定項目番号2をディスプレイ装置40の制御部44に送信する。
【0042】
図7に示すように、ディスプレイ装置40の制御部44は、AVアンプ20の制御部24からカーソルを移動する指示(つまり設定項目番号)を受信したか否かを判断している(S63)。受信しなければ(S63でNO)、S65に進む。受信した場合(S63でYES)、制御部44は、受信した設定項目番号に従って、現在の設定メニュー画面においてカーソルを移動させる(又は明るさ等の数値の場合はその数値を増減させる)(S64)。ここでは、設定項目番号が2であるので、図3の最上位階層の設定メニュー画面において設定項目番号2の設定項目である映像設定にカーソルを移動させる。
【0043】
なお、ユーザが設定メニュー画面を見ながらカーソルを連続的に移動させる場合には、図6において、S16〜S18の処理を繰り返すことによって、カーソルが連続的に移動される。
【0044】
続いて、図6に示すように、AVアンプ20の制御部24は、ユーザ操作によって決定指示が入力されたか否かを判断している(S19)。入力されない場合(S19でNO)、S13に戻る。入力された場合(S19でYES)、制御部24は、決定指示をディスプレイ装置40の制御部44に送信する(S20)。このとき、メモリ27内に保持している現在の設定メニュー画面の階層に対する設定項目番号をメモリ27に保持しておく。また、制御部24は、現在表示されている設定メニュー画面が最終階層であるか否かを判断する(S21)。ここでは、最終階層でないので(S21でNO)、S13に戻る。
【0045】
図7に示すように、ディスプレイ装置40の制御部44は、AVアンプ20の制御部24から決定指示を受信したか否かを判断している(S65)。受信しない場合(S65でNO)、S63に戻る。受信した場合(S65でYES)、制御部44は、現在表示されている設定メニュー画面が最終階層の設定メニュー画面であるか否かを判断する(S66)。最終階層の設定メニュー画面でない場合(S66でNO)、制御部44は、カーソルが位置している設定項目において1つ下の階層の設定メニュー画面を表示部に表示し(S67)、S62に戻る。ここでは、最上位階層の設定画面メニューで映像設定にカーソルが位置する状態であるので、映像設定についての設定画面メニュー(左から2番目)が表示される。
【0046】
制御部44は、現在表示されている映像設定の設定メニュー画面の設定項目数を取得し、AVアンプ20の制御部23に送信する(S62)。ここでは、映像メニュー〜明るさセンサーまでの7つの設定項目が存在するので、設定項目数7が制御部44から制御部24に送信される。
【0047】
図6に示すように、AVアンプ20の制御部24は、ディスプレイ装置40の制御部44から設定項目数7を受信し(S13でYES)、受信した設定項目数7をメモリ27に保存し(S14)、メモリ27内で設定項目番号を初期値1に設定する(S15)。
【0048】
続いて、制御部24は、ユーザ操作によってカーソルを移動する(つまり設定項目番号を増減する)指示が入力された場合(S16でYES)、制御部24は、メモリ27内で保持している設定項目番号をユーザ操作に応じて増減させ(S17)、カーソルを移動させる指示(つまり設定項目番号)をディスプレイ装置40の制御部44に送信する(S18)。ここでは、最終的に、制御部44は、メモリ27で保存している設定項目番号を5に設定し、設定項目番号5をディスプレイ装置40の制御部44に送信する。
【0049】
図7に示すように、ディスプレイ装置40の制御部44は、AVアンプ20の制御部24からカーソルを移動する指示(つまり設定項目番号)を受信し(S63でYES)、制御部44は、受信した設定項目番号5に従って、現在の設定メニュー画面においてカーソルを色空間に移動させる(S64)。
【0050】
図6に示すように、AVアンプ20の制御部24は、ユーザ操作によって決定指示が入力された場合(S19でYES)、決定指示をディスプレイ装置40の制御部44に送信する(S20)。このとき、メモリ27内に保持している現在の設定メニュー画面の階層に対する設定項目番号5をメモリ27に保持する。また、最終階層でないので(S21でNO)、S13に戻る。
【0051】
図7に示すように、ディスプレイ装置40の制御部44は、AVアンプ20の制御部24から決定指示を受信し(S65でYES)、現在表示されている設定メニュー画面が最終階層の設定メニュー画面でないので(S66でNO)、カーソルが位置している色空間の設定項目において1つ下の階層の設定メニュー画面(左から3番目)を表示部に表示し、S62に戻る。
【0052】
制御部44は、現在表示されている色空間の設定メニュー画面の設定項目数を取得し、AVアンプ20の制御部23に送信する(S62)。ここでは、オートー〜スタンダードまでの3つの設定項目が存在するので、設定項目数3が制御部44から制御部24に送信される。また、最終階層の設定メニュー画面である旨の情報も制御部44から制御部24に送信される。
【0053】
図6に示すように、AVアンプ20の制御部24は、ディスプレイ装置40の制御部44から設定項目数3を受信し(S13でYES)、受信した設定項目数3をメモリ27に保存し(S14)、メモリ27内で設定項目番号を初期値1に設定する(S15)。
【0054】
続いて、制御部24は、ユーザ操作によってカーソルを移動する(つまり設定項目番号を増減する)指示が入力された場合(S16でYES)メモリ27内で保持している設定項目番号をユーザ操作に応じて増減させ(S17)、カーソルを移動させる指示(つまり設定項目番号)をディスプレイ装置40の制御部44に送信する(S18)。ここでは、最終的に、制御部44は、メモリ27で保存している設定項目番号を2に設定し、設定項目番号2をディスプレイ装置40の制御部44に送信する。
【0055】
図7に示すように、ディスプレイ装置40の制御部44は、AVアンプ20の制御部24からカーソルを移動する指示(つまり設定項目番号)を受信し(S63でYES)、制御部44は、受信した設定項目番号2に従って、現在の設定メニュー画面においてカーソルをワイドに移動させる(S63)。
【0056】
図6に示すように、AVアンプ20の制御部24は、ユーザ操作によって決定指示が入力された場合(S19でYES)、決定指示をディスプレイ装置40の制御部44に送信する(S20)。このとき、メモリ27内に保持している現在の設定メニュー画面の階層に対する設定項目番号2をメモリ27に保持する。ここで、現在表示されている設定メニュー画面は最終階層であるので(S21でYES)、各階層の設定メニュー画面に対してメモリ27に保存している設定項目番号(ここでは、2.5.2)を現在選択されているセレクタに対応付けて、設定テーブルに保存する(S22)。これにより、別途ユーザ操作によって設定テーブルの設定情報を入力する必要なく、設定テーブルに設定情報を登録することができる。
【0057】
図7に示すように、ディスプレイ装置40の制御部44は、AVアンプ20の制御部24から決定指示を受信し(S65でYES)、現在表示されている設定メニュー画面が最終階層の設定メニュー画面であるので(S66でYES)、カーソルが位置している色空間の設定項目において設定を実行し(つまり色空間をワイドに設定し)、S61に戻る。
【0058】
以上のように、本実施形態によると、AVアンプ20のセレクタが変更された際にディスプレイ装置40の設定をセレクタに割り当てられたソース機器に適した設定に自動的に変更することができる。また、ユーザ操作によってディスプレイ装置40の設定が変更されたときに、現在選択されているセレクタに対応付けて変更された設定情報を自動的に設定テーブルに登録することができる。例えば、ソース機器がAVアンプ20にアナログの映像ケーブルで接続されている場合に、ユーザがディスプレイ装置40のノイズリダクションをオンに設定した際には、その設定が登録され、次回当該ソース機器が選択された際に、自動的にディスプレイ装置40のノイズリダクションがオンに設定される。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、CECラインの代わりにLAN、USB、IEEE1394等の他の通信ラインが使用されてもよい。また、DVDプレーヤ10AがAVアンプ20に内蔵された機器、又は、AVアンプ20とディスプレイ装置40とが一体となった機器が採用されてもよい。また、AVアンプ、ディスプレイ装置の上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。また、AVアンプ又はディスプレイ装置の上記動作の一部のみのプログラムを、AVアンプやディスプレイ装置にファームウェアアップデートという形態で提供されてもよい。さらには、AVアンプ又はディスプレイ装置の上記動作の一部のみのプログラムが格納されたHDMI送信部、HDMI受信部、システム制御部などの電子部品という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、AVアンプおよびディスプレイ装置等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0061】
20 AVアンプ
21 セレクタ部
22 HDMI送信部
23 音声処理部
24 制御部
25 操作部
26 表示部
27 メモリ
28A〜28C 入力端子
40 ディスプレイ装置
41 HDMI受信部
42 映像処理部
43 表示部
44 制御部
45 操作部
46 メモリ
47A HDMI入力端子
47B アナログ映像入力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツ送信装置が接続可能なコンテンツ送受信装置と、前記コンテンツ送受信装置が接続可能なコンテンツ受信装置とを備え、
前記コンテンツ送受信装置が、複数の前記コンテンツ送信装置の中から、コンテンツ送信元のコンテンツ送信装置を選択する選択手段と、
選択されたコンテンツ送信元の前記コンテンツ送信装置からコンテンツを受信する受信手段と、
前記コンテンツ受信装置にコンテンツを送信する送信手段と、
コンテンツ送信元のコンテンツ再生装置に対応付けて、前記コンテンツ受信装置の設定情報を登録する設定登録手段と、
前記選択手段によってコンテンツ送信元のコンテンツ送信装置が選択されたとき、選択されたコンテンツ送信元のコンテンツ送信装置に対応付けて前記設定登録手段によって登録されている前記コンテンツ受信装置の設定情報を、前記コンテンツ受信装置に送信する設定情報送信手段とを有し、
前記コンテンツ受信装置が、前記コンテンツ送受信装置からコンテンツを受信する第2受信手段と、
前記コンテンツ受信装置から設定情報を受信し、受信した設定情報に応じて設定を実行する設定実行手段とを有する、コンテンツ送受信システム。
【請求項2】
前記設定実行手段が、ユーザ操作に応じて設定を実行する場合、複数階層の設定メニュー画面を表示部に表示させ、各階層の設定メニュー画面における設定項目数を前記コンテンツ送受信装置に送信し、前記コンテンツ送受信装置から受信した各階層の設定メニュー画面における設定項目番号に応じて特定される設定を実行し、
前記コンテンツ送受信装置が、ユーザ操作に応じて設定を実行する場合、前記コンテンツ受信装置から受信した各階層の設定メニュー画面における設定項目数の中からユーザ操作に応じて選択された設定項目番号を前記コンテンツ受信装置に送信する手段をさらに有し、
各階層の設定メニュー画面における設定項目番号を前記コンテンツ再生装置に送信した場合に、前記設定登録手段が、前記選択手段によって選択されているコンテンツ送信元のコンテンツ再生装置に対応付けて、各階層の設定メニュー画面における設定項目番号を前記設定情報として登録する、請求項1に記載のコンテンツ送受信システム。
【請求項3】
コンテンツ送信装置が接続可能なコンテンツ送受信装置と、前記コンテンツ送受信装置が接続可能なコンテンツ受信装置とを備え、
前記コンテンツ送受信装置が、前記コンテンツ送信装置からコンテンツを受信する受信手段と、
前記コンテンツ受信装置にコンテンツを送信する送信手段と、
前記コンテンツ受信装置から受信した各階層の設定メニュー画面における設定項目数の中からユーザ操作に応じて選択された設定項目番号を前記コンテンツ受信装置に送信する手段とを有し、
前記コンテンツ受信装置が、前記コンテンツ送受信装置からコンテンツを受信する第2受信手段と、
複数階層の設定メニュー画面を表示部に表示させ、各階層の設定メニュー画面における設定項目数を前記コンテンツ送受信装置に送信し、前記コンテンツ送受信装置から受信した各階層の設定メニュー画面における設定項目番号に応じて特定される設定を実行する設定実行手段とを有する、コンテンツ送受信システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ送受信システムに適用される、前記コンテンツ送受信装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ送受信システムに適用される、前記コンテンツ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−49819(P2011−49819A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196539(P2009−196539)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000000273)オンキヨーサウンド&ビジョン株式会社 (502)
【Fターム(参考)】