コンテンツ送受信装置
【課題】 AVアンプ20の下流に同一物理アドレスが付与される複数のTV30を接続する場合でも、CECラインを介して相互に正確に制御すること。
【解決手段】 AVアンプ20は、第1CECラインと、第2CECラインと、第1CECラインの出力端であり、TV30Aが接続可能な出力端子31Aと、第2CECラインの出力端であり、TV30Aと同一物理アドレスが付与されるTV30Bが接続可能な出力端子31Bと、第1CECラインの入力端であり、BDプレーヤ10Cが接続可能な入力端子31Cと、第1CECラインを介して、TV30A及びBDプレーヤ10Cとの間でコマンドを送受信するメイン制御部25と、第2CECラインを介して、TV30Bとの間でコマンドを送受信し、かつ、メイン制御部25との間でコマンドを送受信するサブ制御部26とを備える。
【解決手段】 AVアンプ20は、第1CECラインと、第2CECラインと、第1CECラインの出力端であり、TV30Aが接続可能な出力端子31Aと、第2CECラインの出力端であり、TV30Aと同一物理アドレスが付与されるTV30Bが接続可能な出力端子31Bと、第1CECラインの入力端であり、BDプレーヤ10Cが接続可能な入力端子31Cと、第1CECラインを介して、TV30A及びBDプレーヤ10Cとの間でコマンドを送受信するメイン制御部25と、第2CECラインを介して、TV30Bとの間でコマンドを送受信し、かつ、メイン制御部25との間でコマンドを送受信するサブ制御部26とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下流側に複数のシンク機器が接続可能なコンテンツ送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(又はBD)プレーヤと、AVアンプと、TV(ディスプレイ装置)とを備えるコンテンツ送受信システムが利用されている。DVDプレーヤは、DVDディスクに記録されているコンテンツデータを再生し、AVアンプに送信する。AVアンプは、コンテンツデータに含まれる音声データに音声処理を実行し、スピーカーから音声を出力する。AVアンプは、映像データをTVに送信する。TVは、AVアンプから供給された映像データに映像処理を実行し、表示する。
【0003】
DVDプレーヤと、AVアンプと、TVとはHDMIケーブルを介して相互接続されている。HDMIケーブルには通信ラインであるCECラインが設けられており、DVDプレーヤと、AVアンプと、TVとはCECラインを介して相互にコマンドを送受信し、制御することができる。各機器には、論理アドレス及び物理アドレスが付与される。図1において、各機器は1つのCECラインによって接続されており、AVアンプ20の下流側(シンク側)に2つのTV30A、30Bが接続される場合、物理アドレスが[0.0.0.0]となるTVが2つ存在し、物理アドレスが[2.0.0.0]となるDVDプレーヤが2つ存在することになる。その結果、以下に示すように、CECラインを介して正常な動作が実行できない場合が生じる。
【0004】
図1において、DVDプレーヤ10Aが再生開始するとき、DVDプレーヤ10Aは、自身の物理アドレスを指定し、Active Source[2.0.0.0]というコマンドをCECライン上に送信し、当該コマンドはTV30AおよびAVアンプ20に送信される。AVアンプ20は、当該コマンドを受信すると、音声入力としてTV30Aを選択し、DVDプレーヤ10Aからの音声データをTV30Aを介して受信することが求められる。しかし、上記の通り、1つのCECラインによって全ての機器が接続されており、物理アドレスが[2.0.0.0]であるDVDプレーヤが2つ存在し、TVも2つ存在するので、AVアンプ20は、Active Source[2.0.0.0]というコマンドが、DVDプレーヤ10AからTV30Aを介して送信されたコマンドであるか、DVDプレーヤ10BからTV30B側を介して送信されたコマンドであるかを特定することができない。従って、AVアンプ20は、音声入力をTV30A側に切り換えることができない。
【0005】
また、TV30A、30Bは、HDMI経由で接続されている上流機器を特定するために、論理アドレスを指定しPolling MessageというコマンドをCECライン上に送信する。指定された論理アドレスを有する機器がPolling Messageに対する応答コマンドをTVに送信することによって、TVは接続されている機器を特定することができる。しかし、TVがPolling Messageを各機器に送信し、その応答コマンドを待ち受けている時には、CECラインが当該コマンドによって占有されるので、TV以外の機器が他のコマンドをCECライン上に送信することができなくなる。図1のように、2つのTV30A、30Bが1本のCECライン上にPolling Messageを同時に送信すると、その問題はより顕著になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−3882号公報
【特許文献2】特開2008−244980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンテンツ送受信装置の下流に複数のシンク機器を接続する場合でも、所定規格通信ラインを介して相互に正確に制御することができるコンテンツ送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ送受信装置は、第1の所定規格通信ラインと、前記第1の所定規格通信ラインと同一規格である第2の所定規格通信ラインと、前記第1の所定規格通信ラインの出力端であり、第1シンク機器が接続可能な第1出力端と、前記第2の所定規格通信ラインの出力端であり、前記第1シンク機器と同一物理アドレスが付与される第2シンク機器が接続可能な第2出力端と、前記第1の所定規格通信ラインの入力端であり、ソース機器が接続可能な入力端と、前記第1の所定規格通信ラインを介して、前記第1シンク機器および前記ソース機器との間でコマンドを送受信する第1制御部と、前記第2の所定規格通信ラインを介して、前記第2シンク機器との間でコマンドを送受信し、かつ、前記第1制御部との間でコマンドを送受信する第2制御部とを備える。
【0009】
第1シンク機器および第2シンク機器は同一の物理アドレスが付与される。従って、第1シンク機器に接続されるソース機器、及び、第2シンク機器に接続されるソース機器も同一の物理アドレスが付与される可能性がある。物理アドレスを含むコマンドを受信した際に、当該物理アドレスが付与された機器が2つ存在する場合には、従来では、コマンドで指定される機器を特定できない。本発明では、第1の所定規格通信ラインと、第2の所定規格通信ラインとの2つの通信ラインを設けており、最下流の第1シンク機器および第2シンク機器を互いに異なる通信ラインに接続しているので、1つの通信ラインで接続される各機器の中には同一の物理アドレスが付与されることはない。従って、コマンドに含まれる物理アドレスと、コマンドが送信された通信ラインとを判別することによって、コマンドで特定される機器を一意に特定することができる。また、第1制御部と第2制御部との間でコマンドを送受信することにより、第2シンク機器から第2の所定規格通信ラインを介しソース機器に対するコマンドが送信された場合に、第2制御部が当該コマンドを第1制御部に送信し、第1制御部が当該コマンドを第1の所定規格通信ラインを介してソース機器に送信することができる。
【0010】
好ましい実施形態においては、前記第1制御部が、前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器にコマンドを送信する場合、前記コマンドを前記第2制御部に送信し、前記第2制御部が、前記第1制御部から受信した前記コマンドを、前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する。
【0011】
この場合、第1シンク機器と第2シンク機器とが異なる通信ラインに接続されているにも関わらず、第1シンク機器に送信したコマンドと同じコマンドを第2シンク機器にも送信することができる。
【0012】
好ましい実施形態においては、前記第1制御部が物理アドレスを含むコマンドを前記第1の所定規格通信ラインを介して受信した場合、第1の所定規格通信ラインに接続されている機器の中で前記物理アドレスが付与されている機器がコマンドによって指定されている機器であると判断し、前記第2制御部が物理アドレスを含むコマンドを前記第2の所定規格通信ラインを介して受信した場合、第2の所定規格通信ラインに接続されている機器の中で前記物理アドレスが付与されている機器がコマンドによって指定されている機器であると判断する。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記第1シンク機器から前記第1の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信され、前記ソース機器から前記コマンドに対する応答コマンドが前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器に送信される場合、前記第1制御部が、前記応答コマンドを前記第2制御部に送信し、前記第2シンク機器から前記第2の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信される場合、前記第2制御部が、前記第1制御部から送信された前記応答コマンドを、前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する。
【0014】
この場合、第2シンク機器とソース機器とは通信ラインを介して接続されていないが、第2シンク機器からソース機器に対するコマンドに対する応答コマンドを、第2シンク機器に送信することができる。また、第2シンク機器からソース機器へのコマンドがソース機器に送信されないので、通信ラインが当該コマンドにより占有されることを防止できる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記第2シンク機器から前記第2の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信される場合、前記第2制御部が、前記コマンドを前記第1制御部に送信し、前記第1制御部が、前記コマンドを前記第1の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に送信する。
【0016】
好ましい実施形態においては、前記コンテンツ送受信装置および前記ソース機器に関して、前記第1シンク機器に対する物理アドレスと、前記第2シンク機器に対する物理アドレスとの対応関係を管理する物理アドレス管理手段と、前記第1シンク機器との間でコマンドを送受信する場合と、前記第2シンク機器との間でコマンドを送受信する場合とで、前記物理アドレス管理手段の管理内容に基づいて、コマンドに含まれる前記コンテンツ送受信装置又は前記ソース機器の物理アドレスを、送信先となる前記第1シンク機器または前記第2シンク機器に対する物理アドレスに変換する物理アドレス変換手段とをさらに備える。
【0017】
この場合、コンテンツ送受信装置およびソース機器の第1シンク機器に対する物理アドレスと、第2シンク機器に対する物理アドレスとが異なる場合でも、物理アドレスから機器を特定できないという問題を解決できる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ送受信システムは、第1の所定規格通信ラインと、前記第1の所定規格通信ラインと同一規格である第2の所定規格通信ラインと、コンテンツ送受信装置と、前記コンテンツ送受信装置と前記第1の所定規格通信ラインを介して接続されたソース機器および第1シンク機器と、前記コンテンツ送受信装置と前記第2の所定規格通信ラインを介して接続された第2シンク機器とを備え、前記第1シンク機器の物理アドレスと前記第2シンク機器の物理アドレスとが同一であり、前記ソース機器から前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器に送信されるコマンドと同じコマンドを、前記コンテンツ送受信装置が前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する。
【発明の効果】
【0019】
コンテンツ送受信装置の下流に複数のシンク機器を接続する場合でも、所定規格通信ラインを介して相互に正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】AVアンプ20、TV30A、30B、DVDプレーヤ10A、10B及びBDプレーヤ10Cの接続関係を示す図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ20を示すブロック図である。
【図3】TV30A、DVDプレーヤ10A及びBDプレーヤ10Cが認識する接続関係を示す図である。
【図4】TV30B及びDVDプレーヤ10Bが認識する接続関係を示す図である。
【図5】送信先から送信元にコマンドが送信される場合におけるメイン制御部25及びサブ制御部26の動作を示す表である。
【図6】メイン制御部25及びサブ制御部26の処理を示すシーケンス図である。
【図7】サブ制御部26の処理を示すフローチャートである。
【図8】他の実施形態によるAVアンプ20、TV30A、30B、DVDプレーヤ10A、10B及びBDプレーヤ10Cの接続関係を示す図である。
【図9】物理アドレス変換テーブルを示す図である。
【図10】他の実施形態によるAVアンプ20、TV30A、30B、DVDプレーヤ10A、10B、BDプレーヤ10C及びHDMIスイッチ40の接続関係を示す図である。
【図11】物理アドレス変換テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態によるDVD(又はBD(Blue Lay Disk))プレーヤ(コンテンツ送信装置、ソース機器)、AVアンプ(コンテンツ送受信装置)及びTV(ディスプレイ装置、コンテンツ受信装置、シンク機器)を備えるコンテンツ送受信システムについて、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本例において、コンテンツは、映像(画像も含む、以下同様。)データおよび/または音声データ等の総称である。
【0022】
図1は、DVDプレーヤ10A、10B、BDプレーヤ10C、AVアンプ20、TV30A、30Bの接続構成を示すブロック図である。これらの機器は、HDMI規格に準拠しており、HDMIケーブルを介して相互に接続されている。HDMIケーブルには通信ラインであるCECラインが含まれており、これらの機器は、CECラインを介して相互にコマンドを送受信し、相互に制御することができる。例えば、TV30AのHDMI入力IN1にはAVアンプ20のHDMI出力OUT1が接続され、HDMI入力IN2にはDVDプレーヤ10AのHDMI出力が接続されている。AVアンプ20のHDMI入力IN1にはBDプレーヤ10CのHDMI出力が接続されている。TV30BのHDMI入力端子IN1にはAVアンプ20のHDMI出力OUT2が接続され、HDMI入力端子IN2にはDVDプレーヤ10BのHDMI出力が接続されている。
【0023】
各機器には、物理アドレスと論理アドレスとが付与される。物理アドレスは、コンテンツ送受信システムを構成する各機器のツリー構造を示すものであり、主として入力切り換え先を指定するために使用される。最下流(シンク)の機器であるTV30A、30Bには、物理アドレス[0.0.0.0.]が付与される。TV30Aの1つ上流側に接続されているAVアンプ20A、DVDプレーヤ10Aには[1.0.0.0]、[2.0.0.0.]がそれぞれ付与される。つまり、TV30Aの物理アドレス[0.0.0.0]の一番左の数字が、その機器が接続されているHDMI入力の番号に変更されたものが各機器の物理アドレスになる。同様に、TV30Bの1つ上流側に接続されているDVDプレーヤ10Bには[2.0.0.0]が付与される。AVアンプ20の1つ上流側に接続されているBDプレーヤ10Cには、[1.1.0.0]が付与される。つまり、AVアンプ20の物理アドレス[1.0.0.0]の左から2番目の数字が、BDプレーヤ10Cが接続されているHDMI入力の番号に変更された[1.1.0.0]がBDプレーヤ10Cの物理アドレスになる。
【0024】
論理アドレスは、機器の種類(TV、AVアンプ、DVDプレーヤ等)を示すものである。論理アドレスは、主としてコマンドの送信元および送信先を指定するために使用される。なお、各機器における物理アドレスや論理アドレスの管理方法自体は周知技術であり、また、上記特許文献2においても開示されているので、説明を割愛する。
【0025】
図2は、AVアンプ20の構成を示すブロック図である。AVアンプ20は、第1CECラインと、第2CECラインと、HDMI受信部21と、画像処理部22と、HDMI送信部23と、音声処理部24と、メイン制御部25と、サブ制御部26と、操作部27と、表示部28と、メモリ29と、第1CECラインの入力端であるHDMI入力端子31C(図1のIN1に対応)と、第1CECラインの出力端であるHDMI出力端子31A(図1のOUT1に対応)と、第2CECラインの出力端であるHDMI出力端子31B(図1のOUT2に対応)とを有している。なお、図2では、図1のHDMI入力IN2(第1CECラインの入力端)に対応するHDMI入力端子を簡単のため省略している。
【0026】
HDMI受信部21は、BDプレーヤ10Cから送信されたHDMIデータを受信し、受信したHDMIデータから元の映像データ(HDMI変換前の映像データ)を生成し、画像処理部22に供給する。また、HDMI受信部21は、受信したHDMIデータから元の音声データを生成し、音声処理部24に供給する。
【0027】
画像処理部22は、HDMI受信部21から供給された映像データに画像処理(明るさ及び色合い等の調整、解像度変換等)を実行し、HDMI送信部23に供給する。
【0028】
HDMI送信部23は、画像処理部22から供給された映像データをHDMIデータに変換する。HDMI送信部23は、HDMI出力端子30A又は30Bを介してTV30A又は30BにHDMIデータを送信する。
【0029】
音声処理部24は、HDMI受信部21から供給された音声データに対して、例えば、信号処理、遅延処理、イコライザ処理、音量調整処理、増幅処理、DA変換等の音声処理を実行し、外部に接続されたスピーカー60に音声信号を供給する。
【0030】
メイン制御部25は、メモリ29に記憶されているプログラムに基づいて、AVアンプ20の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。メイン制御部25は、第1CECラインを介してBDプレーヤ10C、TV30A、DVDプレーヤ10Aの各制御部に接続され、BDプレーヤ10C、TV30A、DVDプレーヤ10Aの各制御部と第1CECラインを介してコマンドを送受信する。
【0031】
サブ制御部26は、メモリ29に記憶されているプログラムに基づいて、AVアンプ20の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。サブ制御部26は、第2CECラインを介してTV30B、DVDプレーヤ10Bの各制御部に接続され、TV30B、DVDプレーヤ10Bの各制御部と第2CECラインを介してコマンドを送受信する。
【0032】
本例のコンテンツ送受信システムは、メイン制御部25がコマンドを送受信する第1CECラインで接続された通信システム、および、サブ制御部26がコマンドを送受信する第2CECラインで接続された通信システムを含んでいる。つまり、TV30A、DVDプレーヤ10A、BDプレーヤ10Cは、第1CECラインのみに接続されており(第2CECラインには接続されておらず)、図3に示すように、TV30A、DVDプレーヤ10A、及び、BDプレーヤ10Cは、TV30A、DVDプレーヤ10A、BDプレーヤ10C、及び、AVアンプ20のみがCECライン上に存在することを認識し、TV30B及びDVDプレーヤ10Bを認識しない。
【0033】
一方、TV30B、及び、DVDプレーヤ10Bは、第2CECラインのみに接続されており(第1CECラインには接続されておらず)、図4に示すように、TV30B、及び、DVDプレーヤ10Bは、TV30B、DVDプレーヤ10B、BDプレーヤ10C、及び、AVアンプ20のみがCECライン上に存在すると認識し、TV30A、及び、DVDプレーヤ10Aを認識しない。なお、BDプレーヤ10Cは第2CECラインには接続されていないが、AVアンプ20の上流側に接続されているので、TV30B、及び、DVDプレーヤ10Bによって認識される。
【0034】
図1、図3及び図4に示すように、TV30AおよびTV30Bには同じ物理アドレス[0.0.0.0]が付与され、DVDプレーヤ10Aおよび10Bには同じ物理アドレス[2.0.0.0]が付与される。しかし、第1CECラインで接続されたシステム、および、第2CECラインで接続されたシステム毎で見ると同じ物理アドレスが付与された機器は存在しない。従って、コンテンツ送受信システム全体で見ると同じ物理アドレスが付与された機器が存在する場合であっても、コマンドに含まれている物理アドレスと、第1CECラインと第2CEラインとのどちらに送信されたコマンドであるかとを判断することにより、物理アドレスで指定された機器を一意に特定することができる。例えば、物理アドレス[2.0.0.0]がコマンドに含まれている場合、そのコマンドが第2CECライン上に送信されている場合、物理アドレスで指定される機器はDVDプレーヤ10Bであることが分かる。
【0035】
メイン制御部25とサブ制御部26とは、例えばI2Cや三線シリアル等によって接続されており、相互にコマンドやデータを送受信する。メイン制御部25は、第1CECラインを介してTV30Aに送信したコマンドをサブ制御部26にも送信する。サブ制御部26は、メイン制御部25から送信されたコマンドを受信し、第2CECラインを介してTV30Bに送信する。また、サブ制御部25は、第2CECラインを介してTV30Bに送信したコマンドをメイン制御部25にも送信する。メイン制御部25は、サブ制御部26から送信されたコマンドを受信し、第1CECラインを介してTV30Aに送信する。従って、TV30AとTV30Bとには同じコマンドが送信される。
【0036】
図5は、第1又は第2CECライン上へのコマンドの送信元(横軸)とコマンドの送信先(縦軸)とに対応するメイン制御部25及びサブ制御部26の各動作を示す表である。なお、斜線箇所については、送信元から送信先に対して機器を認識しないので、コマンドが送信されないことを示している。
【0037】
(1)TV30Aから第1CECライン上にコマンドが送信される場合
(1−1)送信先がDVDプレーヤ10Aの場合
メイン制御部25は、TV30Aから第1CECラインを介してDVDプレーヤ10Aに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行する。送信先のDVDプレーヤ10Aは第2CECライン上では認識されないので、サブ制御部26は、動作を実行しない。例えば、TV30AがDVDプレーヤ10Aを再生経路して選択するコマンドSetStreamPath[2.0.0.0]を第1CECライン上に送信すると、メイン制御部25は、SetStreamPath[2.0.0.0]に応じて、第1CECライン上に存在する物理アドレスが[2.0.0.0]である機器から音声データが供給されるように、音声入力をTV30Aに切り換える。つまり、DVDプレーヤ10AからTV30Aを介して音声データがAVアンプ20に供給されるように切り換える。ここで、図示しないが、TV30AとAVアンプ20とはデジタル音声ケーブル等を介して接続されているので、DVDプレーヤ10Aからの音声データがTV30Aを介して、AVアンプ20に供給される。
【0038】
SetStreamPathは物理アドレスを指定して再生経路を選択するコマンドであり、DVDプレーヤ10A、10Bは共に物理アドレスが[2.0.0.0]であるが、TV30AからのSetStreamPath[2.0.0.0]は第1CECライン上のみに送信されるので、第2CECライン上に存在するTV30BおよびDVDプレーヤ10BはSetStreamPath[2.0.0.0]を受信せず、誤動作を起こさない。また、AVアンプ20のメイン制御部25は、SetStreamPath[2.0.0.0]が第1CECライン上に送信されることにより、物理アドレス[2.0.0.0]で指定される機器がDVDプレーヤ10Aであることを特定することができる。従って、同一物理アドレスを有することによって複数の機器が再生経路として選択されるような誤動作が起こることが防止される。
【0039】
(1−2)送信先がAVアンプ20の場合
メイン制御部25は、TV30Aから第1CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行する。メイン制御部25は、TV30Aに対して応答コマンドを送信し、TV30Aに送信した応答コマンドをサブ制御部26にも送信する。サブ制御部26は、TV30Aからのコマンドに対して動作を実行しないが、TV30Aに送信した応答コマンドをメイン制御部25から受信し、同じ応答コマンドをTV30Bにも送信する。例えば、TV30Aがボリュームを増加させるコマンドを第1CECライン上に送信すると、メイン制御部25は当該コマンドを受信し、ボリューム値を増加させる。メイン制御部25は、第1CECラインを介してTV30Aにボリュームを増加させた旨の応答コマンドをTV30Aに送信する。サブ制御部26は、ボリュームを増加させた旨の応答コマンドをメイン制御部25から受信し、第2CECラインを介してTV30Bに送信する。
【0040】
(1−3)送信先がBDプレーヤ10Cの場合
メイン制御部25は、TV30Aから第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行する。メイン制御部25がコマンドに応じた動作を実行すれば足りるので、サブ制御部26は動作を実行する必要がない。例えば、TV30AがBDプレーヤ10Cを再生経路して選択するコマンドSetStreamPath[1.1.0.0]を第1CECライン上に送信すると、メイン制御部25は、SetStreamPath[1.1.0.0]に応じて、音声入力をBDプレーヤ10Cに切り換えるように動作する。つまり、BDプレーヤ10Cから音声データがAVアンプ20に供給されるように切り換える。
【0041】
また、TV30AがBDプレーヤ10Cの論理アドレスを指定し、PollingMessage[1]を第1CECライン上に送信すると、BDプレーヤ10Cは、TV30AへのPollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)を送信する。TV30Aは、PollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)に基づいて、第1CECライン上にBDプレーヤ10Cが存在しているか否かを認識する。メイン制御部25は、BDプレーヤ10CからTV30AへのPollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)を第1CECラインを介して受信すると、サブ制御部26に送信する。サブ制御部26は、BDプレーヤ10CからTV30AへのPollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)を受信し、メモリ29に保存する。TV30Bが同一コマンドであるPollingMessage[1]を第2CECライン上に送信した時に、サブ制御部26が、メモリ29に記憶されているBDプレーヤ10CからTV30AへのPollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)をTV30Bに送信するためである。
【0042】
(1−4)ブロードキャストの場合
メイン制御部25は、通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。
【0043】
(2)TV30Bから第2CECライン上にコマンドが送信される場合
(2−1)送信先がDVDプレーヤ10Bの場合
サブ制御部26は、TV30Bから第2CECラインを介してDVDプレーヤ10Bに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、メイン制御部25は動作を実行しない。例えば、TV30BがDVDプレーヤ10Bの物理アドレスを再生経路して選択するコマンドSetStreamPath[2.0.0.0]を第2CECライン上に送信すると、サブ制御部26は、SetStreamPath[2.0.0.0]に応じて、第2CECライン上に存在する物理アドレスが[2.0.0.0]である機器から音声データが供給されるように、音声入力をTV30Bに切り換える。つまり、DVDプレーヤ10BからTV30Bを経由して音声データがAVアンプ20に供給されるように切り換える。ここで、図示しないが、TV30BとAVアンプ20とはデジタル音声ケーブル等を介して接続されているので、DVDプレーヤ10Bからの音声データがTV30Bを介して、AVアンプ20に供給される。
【0044】
SetStreamPathは物理アドレスを指定して再生経路を選択するコマンドであり、DVDプレーヤ10A、10Bは共に物理アドレスが[2.0.0.0]であるが、TV30BからのSetStreamPath[2.0.0.0]は第2CECライン上のみに送信されるので、第1CECライン上に存在するTV30AおよびDVDプレーヤ10AはSetStreamPath[2.0.0.0]を受信せず、誤動作を起こさない。また、AVアンプ20のサブ制御部26は、SetStreamPath[2.0.0.0]が第2CECライン上に送信されることにより、物理アドレス[2.0.0.0]で指定される機器がDVDプレーヤ10Bであることを特定することができる。従って、同一物理アドレスを有することによって複数の機器が再生経路として選択されるような誤動作が起こることが防止される。
【0045】
(2−2)送信先がAVアンプ20の場合
サブ制御部26は、TV30Bから第2CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、TV30Bに対して応答コマンドを送信し、TV30Bに送信した応答コマンドをメイン制御部25に送信する。メイン制御部25は、TV30Bに送信した応答コマンドをサブ制御部26から受信し、同じ応答コマンドをTV30Aにも送信する。例えば、TV30Bがボリュームを増加させるコマンドを第2CECライン上に送信すると、サブ制御部26は当該コマンドを受信し、ボリューム値を増加させる。サブ制御部26は、第2CECラインを介してボリュームを増加させた旨の応答コマンドをTV30Bに送信する。メイン制御部25は、ボリュームを増加させた旨の応答コマンドをサブ制御部25から受信し、第1CECラインを介してTV30Aに送信する。
【0046】
(2−3)送信先がBDプレーヤ10Cの場合
サブ制御部26は、TV30Bから第2CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、メイン制御部25に当該コマンドを送信する。メイン制御部25は、サブ制御部26から当該コマンドを受信し、TV30Aから第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドと見なして、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。TV30BはBDプレーヤ10Cを認識しているが、BDプレーヤ10CはTV30Aを認識していないからである。
【0047】
例えば、TV30BがBDプレーヤ10Cを再生経路して選択するコマンドSetStreamPath[1.1.0.0]を第2CECライン上に送信すると、サブ制御部26は、SetStreamPath[1.1.0.0]に応じて、音声入力をBDプレーヤ10Cに切り換えるように動作する。つまり、BDプレーヤ10Cから音声データがAVアンプ20に供給されるように切り換える。また、サブ制御部26は、メイン制御部25にSetStreamPath[1.1.0.0]を送信する、メイン制御部25は、SetStreamPath[1.1.0.0]を第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。BDプレーヤ10Cは、第1CECラインを介して、SetStreamPath[1.1.0.0]を受信すると、TV30Aから第1CECラインを介して送信されたコマンドであると判断し動作する。
【0048】
(2−4)ブロードキャストの場合
同様に、サブ制御部26は、第2CECライン上に送信されたTV30BからBDプレーヤ10Cへのコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、かつ、メイン制御部25に当該コマンドを送信する。メイン制御部25は、サブ制御部26からコマンドを受信し、TV30AからBDプレーヤ10Cへのコマンドと見なして、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。
【0049】
(3)DVDプレーヤ10Aから第1CECライン上にコマンドが送信される場合
(3−1)送信先がTV30Aの場合
メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介してTV30Aに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。例えば、DVDプレーヤ10Aが再生開始した旨のコマンドActive Source[2.0.0.0]をTV30Aに対して第1CECライン上に送信すると、TV30Aは音声入力をDVDプレーヤ10Aが接続されているHDMI入力IN2に切り換え、音声出力をAVアンプ20に切り換える。メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Aが再生開始した旨のコマンドActive Source[2.0.0.0]に応じて、音声入力をTV30Aに切り換える。
【0050】
Active Sourceは物理アドレスを指定して再生経路を選択するコマンドであり、DVDプレーヤ10A、10Bは共に物理アドレスが[2.0.0.0]であるが、DVDプレーヤ10AからのActive Source[2.0.0.0]は第1CECライン上のみに送信されるので、第2CECライン上に存在するTV30BおよびDVDプレーヤ10BはActive Source[2.0.0.0]を受信せず、誤動作を起こさない。また、AVアンプ20のメイン制御部25は、Active Source[2.0.0.0]が第1CECライン上に送信されることにより、物理アドレス[2.0.0.0]で指定される機器がDVDプレーヤ10Aであることを特定することができる。従って、同一物理アドレスを有することによって複数の機器が再生経路として選択されるような誤動作が起こることが防止される。
【0051】
(3−2)送信先がAVアンプ20の場合
メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。例えば、DVDプレーヤ10Aがボリュームを増加させるコマンドを第1CECライン上にAVアンプ20に対して送信すると、メイン制御部25は当該コマンドを受信し、ボリューム値を増加させる。
【0052】
(3−3)送信先がBDプレーヤ10Cの場合
メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドを受信すると、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに当該コマンドを送信する。ここでは、メイン制御部25およびサブ制御部26共に動作を実行しない。
【0053】
(3−4)ブロードキャストの場合
メイン制御部25は、通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。
【0054】
(4)DVDプレーヤ10Bから第2CECライン上にコマンドが送信される場合
(4−1)送信先がTV30Bの場合
サブ制御部26は、DVDプレーヤ10Bから第2CECラインを介してTV30Bに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、メイン制御部25は動作を実行しない。例えば、DVDプレーヤ10Bが再生開始した旨のコマンドActive Source[2.0.0.0]をTV30Bに対して第2CECライン上に送信すると、TV30Bは音声入力をDVDプレーヤ10Bが接続されているHDMI入力IN2に切り換え、音声出力をAVアンプ20に切り換える。メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Bが再生開始した旨のコマンドActive Source[2.0.0.0]に応じて、音声入力をTV30Bに切り換える。
【0055】
Active Sourceは物理アドレスを指定して再生経路を選択するコマンドであり、DVDプレーヤ10A、10Bは共に物理アドレスが[2.0.0.0]であるが、DVDプレーヤ10BからのActive Source[2.0.0.0]は第2CECライン上のみに送信されるので、第1CECライン上に存在するTV30AおよびDVDプレーヤ10AはActive Source[2.0.0.0]を受信せず、誤動作を起こさない。また、AVアンプ20のサブ制御部26は、Active Source[2.0.0.0]が第2CECライン上に送信されることにより、物理アドレス[2.0.0.0]で指定される機器がDVDプレーヤ10Bであることを特定することができる。従って、同一物理アドレスを有することによって複数の機器が再生経路として選択されるような誤動作が起こることが防止される。
【0056】
(4−2)送信先がAVアンプ20の場合
サブ制御部26は、DVDプレーヤ10Bから第2CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、メイン制御部24は動作を実行しない。例えば、DVDプレーヤ10Bがボリュームを増加させるコマンドを第2CECライン上にAVアンプ20に対して送信すると、サブ制御部26は当該コマンドを受信し、ボリューム値を増加させる。
【0057】
(4−3)送信先がBDプレーヤ10Cである場合
サブ制御部26は、DVDプレーヤ10Bから第2CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドを受信すると、当該コマンドをメイン制御部25に送信する。メイン制御部25は、当該コマンドを受信すると、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介して受信したコマンドと見なして、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。このように処理するのは、BDプレーヤ10Cは、第1CECラインのみに接続されており、DVDプレーヤ10BはBDプレーヤ10Cを認識しているが、BDプレーヤ10CはDVDプレーヤ10Aを認識し、DVDプレーヤ10Bを認識していないからである。BDプレーヤ10Cは、第1CECラインを介して受信した当該コマンドに応じて、DVDプレーヤ10Aからコマンドが送信されたと判断し、動作を実行する。
【0058】
(4−4)ブロードキャストの場合
サブ制御部26は、コマンドをDVDプレーヤ10Bから第2CECラインを介して受信すると、当該コマンドをメイン制御部25に送信する。メイン制御部25は、当該コマンドを受信すると、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介して受信したコマンドと見なして、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。BDプレーヤ10Cは、第1CECラインのみに接続されているからである。BDプレーヤ10Cは、第1CECラインを介して受信した当該コマンドに応じて、DVDプレーヤ10Aからコマンドが送信されたと判断し、動作を実行する。
【0059】
(5)AVアンプ20からコマンドを送信する場合
(5−1)送信先が第1CECラインを介してTV30Aである場合
メイン制御部25は、通常のCEC動作を実行し、TV30Aに第1CECラインを介してTV30Aに対するコマンドを送信する。また、メイン制御部25は、TV30Aに送信したコマンドをサブ制御部26にも送信する。サブ制御部26は、TV30Aに送信したコマンドと同一コマンドを第2CECラインを介してTV30Bにも送信する。例えば、メイン制御部25が、ボリューム値を増加させた旨のコマンドをTV30Aに送信する場合、サブ制御部26も同じコマンドをTV30Bに送信する。
【0060】
(5−2)送信先が第2CECラインを介してTV30Bである場合
サブ制御部26は、通常のCEC動作を実行し、TV30Bに第2CECラインを介してTV30Bに対するコマンドを送信する。また、サブ制御部26は、TV30Bに送信したコマンドをメイン制御部25に送信する。メイン制御部25は、TV30Bに送信したコマンドと同一コマンドを第1CECラインを介してTV30Aに送信する。
【0061】
(5−3)送信先が第1CECラインを介してDVDプレーヤ10Aである場合
メイン制御部25は通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。例えば、メイン制御部25は、第1CECラインを介してDVDプレーヤ10Aに再生経路を選択するコマンドSetStreamPath[2.0.0.0]を送信し、サブ制御部26は、第2CECラインを介して、同一コマンドをDVDプレーヤ10Bに送信しない。
【0062】
(5−4)送信先が第2CECラインを介してDVDプレーヤ10Bである場合
サブ制御部26は通常のCEC動作を実行するが、メイン制御部25は動作を実行しない。例えば、サブ制御部26は、第2CECラインを介してDVDプレーヤ10Bに再生経路を選択するコマンドSetStreamPath[2.0.0.0]を送信するが、メイン制御部25は、第1CECラインを介して、同一コマンドをDVDプレーヤ10Aに送信しない。
【0063】
(5−5)送信先が第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cである場合
メイン制御部25は通常のCEC動作を実行するが、サブ制御部26は動作を実行しない。例えば、メイン制御部25は、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに再生経路を選択するコマンドSetStreamPath[1.1.0.0]コマンドを送信するが、サブ制御部26はコマンドを送信しない。
【0064】
(5−6)ブロードキャストの場合
メイン制御部25及びサブ制御部26共に通常のCEC動作を実行する。
【0065】
(6)BDプレーヤ10Cから第1CECライン上にコマンドが送信される場合
(6−1)送信先がTV30Aの場合
メイン制御部25は、BDプレーヤ10Cから第1CECラインを介してTV30Aに対するコマンドを受信すると、当該コマンドを第1CECラインを介してTV30Aに送信する。TV30Aは、第1CECラインを介してBDプレーヤ30Aからのコマンドを受信すると、コマンドに応じた動作を実行する。また、メイン制御部25は、当該コマンドをサブ制御部26に送信する。サブ制御部26は、当該コマンドをメイン制御部25から受信すると、BDプレーヤ10CからTV30Bに対するコマンドとして第2CECラインを介してTV30Bに送信する。BDプレーヤ10CはTV30Bを認識していないが、TV30BはBDプレーヤ10Cを認識しているからである。TV30Bは、第2CECラインを介してコマンドを受信すると、BDプレーヤ10CからTV30Bに対するコマンドであると判断し、コマンドに応じた動作を実行する。
【0066】
(6−2)送信先がDVDプレーヤ10Aである場合
メイン制御部25は、BDプレーヤ10Cから第1CECラインを介してコマンドを受信すると、第1CECラインを介して、TV30Aを介してDVDプレーヤ10Aに当該コマンドを送信する。DVDプレーヤ10AはBDプレーヤ10Cからのコマンドを受信し、コマンドに応じた動作を実行する。サブ制御部26は、当該コマンドをDVDプレーヤ10Bに送信しない。BDプレーヤ10CはDVDプレーヤ10Bを認識していないからである。メイン制御部25及びサブ制御部26は、当該コマンドに応じて動作を実行しない。
【0067】
(6−3)送信先がAVアンプ20である場合
メイン制御部25は、BDプレーヤ10Cから第1CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、コマンドに応じた動作を実行する。サブ制御部28は動作を実行しない。
【0068】
(6−4)ブロードキャストである場合
メイン制御部25は、第1CECラインをコマンドを受信すると、コマンドに応じた動作を実行する。サブ制御部28は動作を実行しない。
【0069】
図6は、メイン制御部25とサブ制御部26との処理を示すシーケンス図である。メイン制御部25は、TV30AからAVアンプ20の上流機器(BDプレーヤ10C)に対するコマンドを受信すると(S1)、BDプレーヤ10Cに第1CECラインを介してコマンドを送信する。BDプレーヤ10Cは、コマンドを受信すると、TV30Aに対する応答コマンドを第1CECラインを介してAVアンプ20に送信する。メイン制御部25は、第1CECラインを介してTV30Aに、BDプレーヤ10Cからのコマンドを送信する(S2)。メイン制御部25は、TV30Aに送信したコマンドをサブ制御部26に送信する(S3)。
【0070】
サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したコマンドを受信し、メモリ29に記憶する(S4)。サブ制御部26は、TV30BからAVアンプ20の上流機器(BDプレーヤ10C)に対するコマンドを受信すると(S5)、BDプレーヤ10Cから受信しTV30Aに送信したコマンドをメモリ29から読み出して、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S6)。このように、サブ制御部26は、メイン制御部25が第1CECラインを介してTV30Aに送信したコマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する。
【0071】
なお、TV30AからDVDプレーヤ10Aに対するコマンド(PollingMessage)が第1CECライン上に送信され、DVDプレーヤ10AがTV30Aに応答コマンドを送信した後、TV30BからDVDプレーヤ10Aに対するコマンド(PollingMessage)が第2CECライン上に送信された場合には、サブ制御部26は、DVDプレーヤ10AからTV30Aに対する応答コマンドと同じ応答コマンドをTV30Bに送信しない。これにより、TV30Bは、DVDプレーヤ10Aを認識しない。同様に、TV30BからDVDプレーヤ10Bに対するコマンド(PollingMessage)が第2CECライン上に送信され、DVDプレーヤ10BがTV30Bに応答コマンドを送信した後、TV30AからDVDプレーヤ10Bに対するコマンド(PollingMessage)が第1CECライン上に送信された場合には、メイン制御部25は、DVDプレーヤ10BからTV30Bに対する応答コマンドと同じ応答コマンドをTV30Aに送信しない。これにより、TV30Aは、DVDプレーヤ10Bを認識しない。
【0072】
図7は、図6のS5、S6の処理の詳細を示すフローチャートである。サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのPollingMessageを受信したか否かを判断している(S11)。受信した場合(S11でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したPollingMessageに対する応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S12)。
【0073】
次に、サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのGetCECVersionを受信したか否かを判断している(S13)。受信した場合(S13でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したCECVersionの応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S14)。
【0074】
次に、サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのGivePhygicalAddressを受信したか否かを判断している(S15)。受信した場合(S15でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したReportPhygicalAddressの応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S16)。
【0075】
次に、サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのGetMenuLanguageを受信したか否かを判断している(S17)。受信した場合(S17でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したSetMenuLanguageの応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S18)。
【0076】
次に、サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのGiveOSDNameを受信したか否かを判断している(S19)。受信した場合(S19でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したSetOSDNameの応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S20)。
【0077】
なお、AVアンプ20の音声入力セレクタとして、TV30A、TV30B等を設けることにより、TV30Aから再生開始したことを示すActiveSouce[0.0.0.0]が第1CECラインを介してメイン制御部25に送信された場合には、メイン制御部25は、物理アドレス[0.0.0.0.]と第1CECラインを介して送信されたコマンドであることに基づいて、TV30Aが再生開始したことを特定することができ、音声入力セレクタをTV30Aに切り換えることができる。同様に、TV30Bから再生開始したことを示すActiveSouce[0.0.0.0]が第2CECラインを介してサブ制御部26に送信された場合には、サブ制御部26は、物理アドレス[0.0.0.0.]と第2CECラインを介して送信されたコマンドであることに基づいて、TV30Bが再生開始したことを特定することができ、音声入力セレクタをTV30Bに切り換えることができる。
【0078】
ここで、図8に示すように、AVアンプ20がTV30BのHDMI入力IN3に接続されている場合、AVアンプ20の物理アドレスは、TV30Aに対する物理アドレス[1.0.0.0]と、TV30Bに対する物理アドレス[3.0.0.0]とで異なっている。また、BDプレーヤ10Cの物理アドレスも、TV30Aに対する物理アドレス[1.1.0.0]と、TV30Bに対する物理アドレス[3.1.0.0]とで異なっている。このような場合に、物理アドレスを指定する必要のあるコマンドを送受信する際に、各機器で誤動作を起こす可能性がある。例えば、メイン制御部25がTV30AにBDプレーヤ10Cの物理アドレス[1.1.0.0]を指定したコマンドを送信し、サブ制御部25が同じコマンドをメイン制御部25から受信して、TV30Bに送信すると、TV30Bは、物理アドレス[1.1.0.0]をBDプレーヤ10Cとは異なる機器が指定されていると判断するので、本来求められる動作とは異なる動作を実行してしまう。
【0079】
そこで、本例では、メモリ29に図9に示す物理アドレス変換テーブルが格納されている。物理アドレス変換テーブルは、TV30A及びTV30Bの両方に接続されている機器であり、TV30Aに対する物理アドレスとTV30Bに対する物理アドレスとが異なる機器(図8では、AVアンプ20及びBDプレーヤ10C)について、TV30Aに対する物理アドレスとTV30Bに対する物理アドレスとの対応関係を管理する。例えば、機器の論理アドレスに対応付けて、物理アドレス1(TV30Aに対する物理アドレス)と、物理アドレス2(TV30Bに対する物理アドレス)とが登録されている。物理アドレス変換テーブルには最初は何も登録されておらず、初期接続時に物理アドレスが決定される時に登録される。
【0080】
メイン制御部25は、TV30AにBDプレーヤ10Cの物理アドレス[1.1.0.0]を指定したコマンドを第1CECラインを介して送信するとき、サブ制御部26に、当該コマンドとBDプレーヤ10Cの論理アドレス1とを送信する。サブ制御部25は、BDプレーヤ10Cの論理アドレス1に対する物理アドレス[3.1.0.0]を特定し、当該コマンドの指定物理アドレス[1.1.0.0]を特定した物理アドレス[3.1.0.0]に変換し、第2CECラインを介してTV30Bに送信する。従って、TV30Bは、物理アドレス[3.1.0.0]を含むコマンドを受信することにより、指定された機器がBDプレーヤ10Cであると正確に判断することができる。
【0081】
また、サブ制御部26は、TV30Bに自身の物理アドレス[3.0.0.0]を指定したコマンドを第2CECラインを介して送信するとき、メイン制御部25に、当該コマンドを送信する。メイン制御部26は、自身の論理アドレス5に対する物理アドレス[1.0.0.0]を特定し、当該コマンドの指定物理アドレス[3.0.0.0]を特定した物理アドレス[1.0.0.0]に変換し、第1CECラインを介してTV30Aに送信する。従って、TV30Aは、物理アドレス[1.0.0.0]を含むコマンドを受信することにより、指定された機器がAVアンプ20であると正確に判断することができる。上記の物理アドレスの変換は、コマンドがTV30A、30Bに送信されるときだけでなく、DVDプレーヤやBDプレーヤに送信されるときにも必要に応じて適宜実行される。
【0082】
同様に、図10に示すように、AVアンプ20とTV30Bとの間にHDMIスイッチ40が接続されている場合、AVアンプ20の物理アドレスは、TV30Aに対する物理アドレス[1.0.0.0]と、TV30Bに対する物理アドレス[1.1.0.0]とで異なっている。また、BDプレーヤ10Cの物理アドレスも、TV30Aに対する物理アドレス[1.1.0.0]と、TV30Bに対する物理アドレス[1.1.1.0]とで異なっている。そこで、メモリ29に図11に示す物理アドレス変換テーブルが格納されており、図8の場合と同様に、メイン制御部25、サブ制御部26は、物理アドレスを適宜変換してTV30A、TV30にコマンドを送信する。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。AVアンプの上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。また、AVアンプの上記動作の一部のみのプログラムを、AVアンプやディスプレイ装置にファームウェアアップデートという形態で提供されてもよい。さらには、AVアンプの上記動作の一部のみのプログラムが格納されたHDMI送信部、HDMI受信部、システム制御部などの電子部品という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、AVアンプ等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0085】
10A、10B DVDプレーヤ
10C BDプレーヤ
20 AVアンプ
30A、30B TV
【技術分野】
【0001】
本発明は、下流側に複数のシンク機器が接続可能なコンテンツ送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(又はBD)プレーヤと、AVアンプと、TV(ディスプレイ装置)とを備えるコンテンツ送受信システムが利用されている。DVDプレーヤは、DVDディスクに記録されているコンテンツデータを再生し、AVアンプに送信する。AVアンプは、コンテンツデータに含まれる音声データに音声処理を実行し、スピーカーから音声を出力する。AVアンプは、映像データをTVに送信する。TVは、AVアンプから供給された映像データに映像処理を実行し、表示する。
【0003】
DVDプレーヤと、AVアンプと、TVとはHDMIケーブルを介して相互接続されている。HDMIケーブルには通信ラインであるCECラインが設けられており、DVDプレーヤと、AVアンプと、TVとはCECラインを介して相互にコマンドを送受信し、制御することができる。各機器には、論理アドレス及び物理アドレスが付与される。図1において、各機器は1つのCECラインによって接続されており、AVアンプ20の下流側(シンク側)に2つのTV30A、30Bが接続される場合、物理アドレスが[0.0.0.0]となるTVが2つ存在し、物理アドレスが[2.0.0.0]となるDVDプレーヤが2つ存在することになる。その結果、以下に示すように、CECラインを介して正常な動作が実行できない場合が生じる。
【0004】
図1において、DVDプレーヤ10Aが再生開始するとき、DVDプレーヤ10Aは、自身の物理アドレスを指定し、Active Source[2.0.0.0]というコマンドをCECライン上に送信し、当該コマンドはTV30AおよびAVアンプ20に送信される。AVアンプ20は、当該コマンドを受信すると、音声入力としてTV30Aを選択し、DVDプレーヤ10Aからの音声データをTV30Aを介して受信することが求められる。しかし、上記の通り、1つのCECラインによって全ての機器が接続されており、物理アドレスが[2.0.0.0]であるDVDプレーヤが2つ存在し、TVも2つ存在するので、AVアンプ20は、Active Source[2.0.0.0]というコマンドが、DVDプレーヤ10AからTV30Aを介して送信されたコマンドであるか、DVDプレーヤ10BからTV30B側を介して送信されたコマンドであるかを特定することができない。従って、AVアンプ20は、音声入力をTV30A側に切り換えることができない。
【0005】
また、TV30A、30Bは、HDMI経由で接続されている上流機器を特定するために、論理アドレスを指定しPolling MessageというコマンドをCECライン上に送信する。指定された論理アドレスを有する機器がPolling Messageに対する応答コマンドをTVに送信することによって、TVは接続されている機器を特定することができる。しかし、TVがPolling Messageを各機器に送信し、その応答コマンドを待ち受けている時には、CECラインが当該コマンドによって占有されるので、TV以外の機器が他のコマンドをCECライン上に送信することができなくなる。図1のように、2つのTV30A、30Bが1本のCECライン上にPolling Messageを同時に送信すると、その問題はより顕著になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−3882号公報
【特許文献2】特開2008−244980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンテンツ送受信装置の下流に複数のシンク機器を接続する場合でも、所定規格通信ラインを介して相互に正確に制御することができるコンテンツ送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ送受信装置は、第1の所定規格通信ラインと、前記第1の所定規格通信ラインと同一規格である第2の所定規格通信ラインと、前記第1の所定規格通信ラインの出力端であり、第1シンク機器が接続可能な第1出力端と、前記第2の所定規格通信ラインの出力端であり、前記第1シンク機器と同一物理アドレスが付与される第2シンク機器が接続可能な第2出力端と、前記第1の所定規格通信ラインの入力端であり、ソース機器が接続可能な入力端と、前記第1の所定規格通信ラインを介して、前記第1シンク機器および前記ソース機器との間でコマンドを送受信する第1制御部と、前記第2の所定規格通信ラインを介して、前記第2シンク機器との間でコマンドを送受信し、かつ、前記第1制御部との間でコマンドを送受信する第2制御部とを備える。
【0009】
第1シンク機器および第2シンク機器は同一の物理アドレスが付与される。従って、第1シンク機器に接続されるソース機器、及び、第2シンク機器に接続されるソース機器も同一の物理アドレスが付与される可能性がある。物理アドレスを含むコマンドを受信した際に、当該物理アドレスが付与された機器が2つ存在する場合には、従来では、コマンドで指定される機器を特定できない。本発明では、第1の所定規格通信ラインと、第2の所定規格通信ラインとの2つの通信ラインを設けており、最下流の第1シンク機器および第2シンク機器を互いに異なる通信ラインに接続しているので、1つの通信ラインで接続される各機器の中には同一の物理アドレスが付与されることはない。従って、コマンドに含まれる物理アドレスと、コマンドが送信された通信ラインとを判別することによって、コマンドで特定される機器を一意に特定することができる。また、第1制御部と第2制御部との間でコマンドを送受信することにより、第2シンク機器から第2の所定規格通信ラインを介しソース機器に対するコマンドが送信された場合に、第2制御部が当該コマンドを第1制御部に送信し、第1制御部が当該コマンドを第1の所定規格通信ラインを介してソース機器に送信することができる。
【0010】
好ましい実施形態においては、前記第1制御部が、前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器にコマンドを送信する場合、前記コマンドを前記第2制御部に送信し、前記第2制御部が、前記第1制御部から受信した前記コマンドを、前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する。
【0011】
この場合、第1シンク機器と第2シンク機器とが異なる通信ラインに接続されているにも関わらず、第1シンク機器に送信したコマンドと同じコマンドを第2シンク機器にも送信することができる。
【0012】
好ましい実施形態においては、前記第1制御部が物理アドレスを含むコマンドを前記第1の所定規格通信ラインを介して受信した場合、第1の所定規格通信ラインに接続されている機器の中で前記物理アドレスが付与されている機器がコマンドによって指定されている機器であると判断し、前記第2制御部が物理アドレスを含むコマンドを前記第2の所定規格通信ラインを介して受信した場合、第2の所定規格通信ラインに接続されている機器の中で前記物理アドレスが付与されている機器がコマンドによって指定されている機器であると判断する。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記第1シンク機器から前記第1の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信され、前記ソース機器から前記コマンドに対する応答コマンドが前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器に送信される場合、前記第1制御部が、前記応答コマンドを前記第2制御部に送信し、前記第2シンク機器から前記第2の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信される場合、前記第2制御部が、前記第1制御部から送信された前記応答コマンドを、前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する。
【0014】
この場合、第2シンク機器とソース機器とは通信ラインを介して接続されていないが、第2シンク機器からソース機器に対するコマンドに対する応答コマンドを、第2シンク機器に送信することができる。また、第2シンク機器からソース機器へのコマンドがソース機器に送信されないので、通信ラインが当該コマンドにより占有されることを防止できる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記第2シンク機器から前記第2の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信される場合、前記第2制御部が、前記コマンドを前記第1制御部に送信し、前記第1制御部が、前記コマンドを前記第1の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に送信する。
【0016】
好ましい実施形態においては、前記コンテンツ送受信装置および前記ソース機器に関して、前記第1シンク機器に対する物理アドレスと、前記第2シンク機器に対する物理アドレスとの対応関係を管理する物理アドレス管理手段と、前記第1シンク機器との間でコマンドを送受信する場合と、前記第2シンク機器との間でコマンドを送受信する場合とで、前記物理アドレス管理手段の管理内容に基づいて、コマンドに含まれる前記コンテンツ送受信装置又は前記ソース機器の物理アドレスを、送信先となる前記第1シンク機器または前記第2シンク機器に対する物理アドレスに変換する物理アドレス変換手段とをさらに備える。
【0017】
この場合、コンテンツ送受信装置およびソース機器の第1シンク機器に対する物理アドレスと、第2シンク機器に対する物理アドレスとが異なる場合でも、物理アドレスから機器を特定できないという問題を解決できる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ送受信システムは、第1の所定規格通信ラインと、前記第1の所定規格通信ラインと同一規格である第2の所定規格通信ラインと、コンテンツ送受信装置と、前記コンテンツ送受信装置と前記第1の所定規格通信ラインを介して接続されたソース機器および第1シンク機器と、前記コンテンツ送受信装置と前記第2の所定規格通信ラインを介して接続された第2シンク機器とを備え、前記第1シンク機器の物理アドレスと前記第2シンク機器の物理アドレスとが同一であり、前記ソース機器から前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器に送信されるコマンドと同じコマンドを、前記コンテンツ送受信装置が前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する。
【発明の効果】
【0019】
コンテンツ送受信装置の下流に複数のシンク機器を接続する場合でも、所定規格通信ラインを介して相互に正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】AVアンプ20、TV30A、30B、DVDプレーヤ10A、10B及びBDプレーヤ10Cの接続関係を示す図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ20を示すブロック図である。
【図3】TV30A、DVDプレーヤ10A及びBDプレーヤ10Cが認識する接続関係を示す図である。
【図4】TV30B及びDVDプレーヤ10Bが認識する接続関係を示す図である。
【図5】送信先から送信元にコマンドが送信される場合におけるメイン制御部25及びサブ制御部26の動作を示す表である。
【図6】メイン制御部25及びサブ制御部26の処理を示すシーケンス図である。
【図7】サブ制御部26の処理を示すフローチャートである。
【図8】他の実施形態によるAVアンプ20、TV30A、30B、DVDプレーヤ10A、10B及びBDプレーヤ10Cの接続関係を示す図である。
【図9】物理アドレス変換テーブルを示す図である。
【図10】他の実施形態によるAVアンプ20、TV30A、30B、DVDプレーヤ10A、10B、BDプレーヤ10C及びHDMIスイッチ40の接続関係を示す図である。
【図11】物理アドレス変換テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態によるDVD(又はBD(Blue Lay Disk))プレーヤ(コンテンツ送信装置、ソース機器)、AVアンプ(コンテンツ送受信装置)及びTV(ディスプレイ装置、コンテンツ受信装置、シンク機器)を備えるコンテンツ送受信システムについて、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本例において、コンテンツは、映像(画像も含む、以下同様。)データおよび/または音声データ等の総称である。
【0022】
図1は、DVDプレーヤ10A、10B、BDプレーヤ10C、AVアンプ20、TV30A、30Bの接続構成を示すブロック図である。これらの機器は、HDMI規格に準拠しており、HDMIケーブルを介して相互に接続されている。HDMIケーブルには通信ラインであるCECラインが含まれており、これらの機器は、CECラインを介して相互にコマンドを送受信し、相互に制御することができる。例えば、TV30AのHDMI入力IN1にはAVアンプ20のHDMI出力OUT1が接続され、HDMI入力IN2にはDVDプレーヤ10AのHDMI出力が接続されている。AVアンプ20のHDMI入力IN1にはBDプレーヤ10CのHDMI出力が接続されている。TV30BのHDMI入力端子IN1にはAVアンプ20のHDMI出力OUT2が接続され、HDMI入力端子IN2にはDVDプレーヤ10BのHDMI出力が接続されている。
【0023】
各機器には、物理アドレスと論理アドレスとが付与される。物理アドレスは、コンテンツ送受信システムを構成する各機器のツリー構造を示すものであり、主として入力切り換え先を指定するために使用される。最下流(シンク)の機器であるTV30A、30Bには、物理アドレス[0.0.0.0.]が付与される。TV30Aの1つ上流側に接続されているAVアンプ20A、DVDプレーヤ10Aには[1.0.0.0]、[2.0.0.0.]がそれぞれ付与される。つまり、TV30Aの物理アドレス[0.0.0.0]の一番左の数字が、その機器が接続されているHDMI入力の番号に変更されたものが各機器の物理アドレスになる。同様に、TV30Bの1つ上流側に接続されているDVDプレーヤ10Bには[2.0.0.0]が付与される。AVアンプ20の1つ上流側に接続されているBDプレーヤ10Cには、[1.1.0.0]が付与される。つまり、AVアンプ20の物理アドレス[1.0.0.0]の左から2番目の数字が、BDプレーヤ10Cが接続されているHDMI入力の番号に変更された[1.1.0.0]がBDプレーヤ10Cの物理アドレスになる。
【0024】
論理アドレスは、機器の種類(TV、AVアンプ、DVDプレーヤ等)を示すものである。論理アドレスは、主としてコマンドの送信元および送信先を指定するために使用される。なお、各機器における物理アドレスや論理アドレスの管理方法自体は周知技術であり、また、上記特許文献2においても開示されているので、説明を割愛する。
【0025】
図2は、AVアンプ20の構成を示すブロック図である。AVアンプ20は、第1CECラインと、第2CECラインと、HDMI受信部21と、画像処理部22と、HDMI送信部23と、音声処理部24と、メイン制御部25と、サブ制御部26と、操作部27と、表示部28と、メモリ29と、第1CECラインの入力端であるHDMI入力端子31C(図1のIN1に対応)と、第1CECラインの出力端であるHDMI出力端子31A(図1のOUT1に対応)と、第2CECラインの出力端であるHDMI出力端子31B(図1のOUT2に対応)とを有している。なお、図2では、図1のHDMI入力IN2(第1CECラインの入力端)に対応するHDMI入力端子を簡単のため省略している。
【0026】
HDMI受信部21は、BDプレーヤ10Cから送信されたHDMIデータを受信し、受信したHDMIデータから元の映像データ(HDMI変換前の映像データ)を生成し、画像処理部22に供給する。また、HDMI受信部21は、受信したHDMIデータから元の音声データを生成し、音声処理部24に供給する。
【0027】
画像処理部22は、HDMI受信部21から供給された映像データに画像処理(明るさ及び色合い等の調整、解像度変換等)を実行し、HDMI送信部23に供給する。
【0028】
HDMI送信部23は、画像処理部22から供給された映像データをHDMIデータに変換する。HDMI送信部23は、HDMI出力端子30A又は30Bを介してTV30A又は30BにHDMIデータを送信する。
【0029】
音声処理部24は、HDMI受信部21から供給された音声データに対して、例えば、信号処理、遅延処理、イコライザ処理、音量調整処理、増幅処理、DA変換等の音声処理を実行し、外部に接続されたスピーカー60に音声信号を供給する。
【0030】
メイン制御部25は、メモリ29に記憶されているプログラムに基づいて、AVアンプ20の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。メイン制御部25は、第1CECラインを介してBDプレーヤ10C、TV30A、DVDプレーヤ10Aの各制御部に接続され、BDプレーヤ10C、TV30A、DVDプレーヤ10Aの各制御部と第1CECラインを介してコマンドを送受信する。
【0031】
サブ制御部26は、メモリ29に記憶されているプログラムに基づいて、AVアンプ20の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。サブ制御部26は、第2CECラインを介してTV30B、DVDプレーヤ10Bの各制御部に接続され、TV30B、DVDプレーヤ10Bの各制御部と第2CECラインを介してコマンドを送受信する。
【0032】
本例のコンテンツ送受信システムは、メイン制御部25がコマンドを送受信する第1CECラインで接続された通信システム、および、サブ制御部26がコマンドを送受信する第2CECラインで接続された通信システムを含んでいる。つまり、TV30A、DVDプレーヤ10A、BDプレーヤ10Cは、第1CECラインのみに接続されており(第2CECラインには接続されておらず)、図3に示すように、TV30A、DVDプレーヤ10A、及び、BDプレーヤ10Cは、TV30A、DVDプレーヤ10A、BDプレーヤ10C、及び、AVアンプ20のみがCECライン上に存在することを認識し、TV30B及びDVDプレーヤ10Bを認識しない。
【0033】
一方、TV30B、及び、DVDプレーヤ10Bは、第2CECラインのみに接続されており(第1CECラインには接続されておらず)、図4に示すように、TV30B、及び、DVDプレーヤ10Bは、TV30B、DVDプレーヤ10B、BDプレーヤ10C、及び、AVアンプ20のみがCECライン上に存在すると認識し、TV30A、及び、DVDプレーヤ10Aを認識しない。なお、BDプレーヤ10Cは第2CECラインには接続されていないが、AVアンプ20の上流側に接続されているので、TV30B、及び、DVDプレーヤ10Bによって認識される。
【0034】
図1、図3及び図4に示すように、TV30AおよびTV30Bには同じ物理アドレス[0.0.0.0]が付与され、DVDプレーヤ10Aおよび10Bには同じ物理アドレス[2.0.0.0]が付与される。しかし、第1CECラインで接続されたシステム、および、第2CECラインで接続されたシステム毎で見ると同じ物理アドレスが付与された機器は存在しない。従って、コンテンツ送受信システム全体で見ると同じ物理アドレスが付与された機器が存在する場合であっても、コマンドに含まれている物理アドレスと、第1CECラインと第2CEラインとのどちらに送信されたコマンドであるかとを判断することにより、物理アドレスで指定された機器を一意に特定することができる。例えば、物理アドレス[2.0.0.0]がコマンドに含まれている場合、そのコマンドが第2CECライン上に送信されている場合、物理アドレスで指定される機器はDVDプレーヤ10Bであることが分かる。
【0035】
メイン制御部25とサブ制御部26とは、例えばI2Cや三線シリアル等によって接続されており、相互にコマンドやデータを送受信する。メイン制御部25は、第1CECラインを介してTV30Aに送信したコマンドをサブ制御部26にも送信する。サブ制御部26は、メイン制御部25から送信されたコマンドを受信し、第2CECラインを介してTV30Bに送信する。また、サブ制御部25は、第2CECラインを介してTV30Bに送信したコマンドをメイン制御部25にも送信する。メイン制御部25は、サブ制御部26から送信されたコマンドを受信し、第1CECラインを介してTV30Aに送信する。従って、TV30AとTV30Bとには同じコマンドが送信される。
【0036】
図5は、第1又は第2CECライン上へのコマンドの送信元(横軸)とコマンドの送信先(縦軸)とに対応するメイン制御部25及びサブ制御部26の各動作を示す表である。なお、斜線箇所については、送信元から送信先に対して機器を認識しないので、コマンドが送信されないことを示している。
【0037】
(1)TV30Aから第1CECライン上にコマンドが送信される場合
(1−1)送信先がDVDプレーヤ10Aの場合
メイン制御部25は、TV30Aから第1CECラインを介してDVDプレーヤ10Aに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行する。送信先のDVDプレーヤ10Aは第2CECライン上では認識されないので、サブ制御部26は、動作を実行しない。例えば、TV30AがDVDプレーヤ10Aを再生経路して選択するコマンドSetStreamPath[2.0.0.0]を第1CECライン上に送信すると、メイン制御部25は、SetStreamPath[2.0.0.0]に応じて、第1CECライン上に存在する物理アドレスが[2.0.0.0]である機器から音声データが供給されるように、音声入力をTV30Aに切り換える。つまり、DVDプレーヤ10AからTV30Aを介して音声データがAVアンプ20に供給されるように切り換える。ここで、図示しないが、TV30AとAVアンプ20とはデジタル音声ケーブル等を介して接続されているので、DVDプレーヤ10Aからの音声データがTV30Aを介して、AVアンプ20に供給される。
【0038】
SetStreamPathは物理アドレスを指定して再生経路を選択するコマンドであり、DVDプレーヤ10A、10Bは共に物理アドレスが[2.0.0.0]であるが、TV30AからのSetStreamPath[2.0.0.0]は第1CECライン上のみに送信されるので、第2CECライン上に存在するTV30BおよびDVDプレーヤ10BはSetStreamPath[2.0.0.0]を受信せず、誤動作を起こさない。また、AVアンプ20のメイン制御部25は、SetStreamPath[2.0.0.0]が第1CECライン上に送信されることにより、物理アドレス[2.0.0.0]で指定される機器がDVDプレーヤ10Aであることを特定することができる。従って、同一物理アドレスを有することによって複数の機器が再生経路として選択されるような誤動作が起こることが防止される。
【0039】
(1−2)送信先がAVアンプ20の場合
メイン制御部25は、TV30Aから第1CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行する。メイン制御部25は、TV30Aに対して応答コマンドを送信し、TV30Aに送信した応答コマンドをサブ制御部26にも送信する。サブ制御部26は、TV30Aからのコマンドに対して動作を実行しないが、TV30Aに送信した応答コマンドをメイン制御部25から受信し、同じ応答コマンドをTV30Bにも送信する。例えば、TV30Aがボリュームを増加させるコマンドを第1CECライン上に送信すると、メイン制御部25は当該コマンドを受信し、ボリューム値を増加させる。メイン制御部25は、第1CECラインを介してTV30Aにボリュームを増加させた旨の応答コマンドをTV30Aに送信する。サブ制御部26は、ボリュームを増加させた旨の応答コマンドをメイン制御部25から受信し、第2CECラインを介してTV30Bに送信する。
【0040】
(1−3)送信先がBDプレーヤ10Cの場合
メイン制御部25は、TV30Aから第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行する。メイン制御部25がコマンドに応じた動作を実行すれば足りるので、サブ制御部26は動作を実行する必要がない。例えば、TV30AがBDプレーヤ10Cを再生経路して選択するコマンドSetStreamPath[1.1.0.0]を第1CECライン上に送信すると、メイン制御部25は、SetStreamPath[1.1.0.0]に応じて、音声入力をBDプレーヤ10Cに切り換えるように動作する。つまり、BDプレーヤ10Cから音声データがAVアンプ20に供給されるように切り換える。
【0041】
また、TV30AがBDプレーヤ10Cの論理アドレスを指定し、PollingMessage[1]を第1CECライン上に送信すると、BDプレーヤ10Cは、TV30AへのPollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)を送信する。TV30Aは、PollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)に基づいて、第1CECライン上にBDプレーヤ10Cが存在しているか否かを認識する。メイン制御部25は、BDプレーヤ10CからTV30AへのPollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)を第1CECラインを介して受信すると、サブ制御部26に送信する。サブ制御部26は、BDプレーヤ10CからTV30AへのPollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)を受信し、メモリ29に保存する。TV30Bが同一コマンドであるPollingMessage[1]を第2CECライン上に送信した時に、サブ制御部26が、メモリ29に記憶されているBDプレーヤ10CからTV30AへのPollingMessage[1]に対する応答コマンド(ACK、又は、NACK)をTV30Bに送信するためである。
【0042】
(1−4)ブロードキャストの場合
メイン制御部25は、通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。
【0043】
(2)TV30Bから第2CECライン上にコマンドが送信される場合
(2−1)送信先がDVDプレーヤ10Bの場合
サブ制御部26は、TV30Bから第2CECラインを介してDVDプレーヤ10Bに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、メイン制御部25は動作を実行しない。例えば、TV30BがDVDプレーヤ10Bの物理アドレスを再生経路して選択するコマンドSetStreamPath[2.0.0.0]を第2CECライン上に送信すると、サブ制御部26は、SetStreamPath[2.0.0.0]に応じて、第2CECライン上に存在する物理アドレスが[2.0.0.0]である機器から音声データが供給されるように、音声入力をTV30Bに切り換える。つまり、DVDプレーヤ10BからTV30Bを経由して音声データがAVアンプ20に供給されるように切り換える。ここで、図示しないが、TV30BとAVアンプ20とはデジタル音声ケーブル等を介して接続されているので、DVDプレーヤ10Bからの音声データがTV30Bを介して、AVアンプ20に供給される。
【0044】
SetStreamPathは物理アドレスを指定して再生経路を選択するコマンドであり、DVDプレーヤ10A、10Bは共に物理アドレスが[2.0.0.0]であるが、TV30BからのSetStreamPath[2.0.0.0]は第2CECライン上のみに送信されるので、第1CECライン上に存在するTV30AおよびDVDプレーヤ10AはSetStreamPath[2.0.0.0]を受信せず、誤動作を起こさない。また、AVアンプ20のサブ制御部26は、SetStreamPath[2.0.0.0]が第2CECライン上に送信されることにより、物理アドレス[2.0.0.0]で指定される機器がDVDプレーヤ10Bであることを特定することができる。従って、同一物理アドレスを有することによって複数の機器が再生経路として選択されるような誤動作が起こることが防止される。
【0045】
(2−2)送信先がAVアンプ20の場合
サブ制御部26は、TV30Bから第2CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、TV30Bに対して応答コマンドを送信し、TV30Bに送信した応答コマンドをメイン制御部25に送信する。メイン制御部25は、TV30Bに送信した応答コマンドをサブ制御部26から受信し、同じ応答コマンドをTV30Aにも送信する。例えば、TV30Bがボリュームを増加させるコマンドを第2CECライン上に送信すると、サブ制御部26は当該コマンドを受信し、ボリューム値を増加させる。サブ制御部26は、第2CECラインを介してボリュームを増加させた旨の応答コマンドをTV30Bに送信する。メイン制御部25は、ボリュームを増加させた旨の応答コマンドをサブ制御部25から受信し、第1CECラインを介してTV30Aに送信する。
【0046】
(2−3)送信先がBDプレーヤ10Cの場合
サブ制御部26は、TV30Bから第2CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、メイン制御部25に当該コマンドを送信する。メイン制御部25は、サブ制御部26から当該コマンドを受信し、TV30Aから第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドと見なして、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。TV30BはBDプレーヤ10Cを認識しているが、BDプレーヤ10CはTV30Aを認識していないからである。
【0047】
例えば、TV30BがBDプレーヤ10Cを再生経路して選択するコマンドSetStreamPath[1.1.0.0]を第2CECライン上に送信すると、サブ制御部26は、SetStreamPath[1.1.0.0]に応じて、音声入力をBDプレーヤ10Cに切り換えるように動作する。つまり、BDプレーヤ10Cから音声データがAVアンプ20に供給されるように切り換える。また、サブ制御部26は、メイン制御部25にSetStreamPath[1.1.0.0]を送信する、メイン制御部25は、SetStreamPath[1.1.0.0]を第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。BDプレーヤ10Cは、第1CECラインを介して、SetStreamPath[1.1.0.0]を受信すると、TV30Aから第1CECラインを介して送信されたコマンドであると判断し動作する。
【0048】
(2−4)ブロードキャストの場合
同様に、サブ制御部26は、第2CECライン上に送信されたTV30BからBDプレーヤ10Cへのコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、かつ、メイン制御部25に当該コマンドを送信する。メイン制御部25は、サブ制御部26からコマンドを受信し、TV30AからBDプレーヤ10Cへのコマンドと見なして、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。
【0049】
(3)DVDプレーヤ10Aから第1CECライン上にコマンドが送信される場合
(3−1)送信先がTV30Aの場合
メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介してTV30Aに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。例えば、DVDプレーヤ10Aが再生開始した旨のコマンドActive Source[2.0.0.0]をTV30Aに対して第1CECライン上に送信すると、TV30Aは音声入力をDVDプレーヤ10Aが接続されているHDMI入力IN2に切り換え、音声出力をAVアンプ20に切り換える。メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Aが再生開始した旨のコマンドActive Source[2.0.0.0]に応じて、音声入力をTV30Aに切り換える。
【0050】
Active Sourceは物理アドレスを指定して再生経路を選択するコマンドであり、DVDプレーヤ10A、10Bは共に物理アドレスが[2.0.0.0]であるが、DVDプレーヤ10AからのActive Source[2.0.0.0]は第1CECライン上のみに送信されるので、第2CECライン上に存在するTV30BおよびDVDプレーヤ10BはActive Source[2.0.0.0]を受信せず、誤動作を起こさない。また、AVアンプ20のメイン制御部25は、Active Source[2.0.0.0]が第1CECライン上に送信されることにより、物理アドレス[2.0.0.0]で指定される機器がDVDプレーヤ10Aであることを特定することができる。従って、同一物理アドレスを有することによって複数の機器が再生経路として選択されるような誤動作が起こることが防止される。
【0051】
(3−2)送信先がAVアンプ20の場合
メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。例えば、DVDプレーヤ10Aがボリュームを増加させるコマンドを第1CECライン上にAVアンプ20に対して送信すると、メイン制御部25は当該コマンドを受信し、ボリューム値を増加させる。
【0052】
(3−3)送信先がBDプレーヤ10Cの場合
メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドを受信すると、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに当該コマンドを送信する。ここでは、メイン制御部25およびサブ制御部26共に動作を実行しない。
【0053】
(3−4)ブロードキャストの場合
メイン制御部25は、通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。
【0054】
(4)DVDプレーヤ10Bから第2CECライン上にコマンドが送信される場合
(4−1)送信先がTV30Bの場合
サブ制御部26は、DVDプレーヤ10Bから第2CECラインを介してTV30Bに対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、メイン制御部25は動作を実行しない。例えば、DVDプレーヤ10Bが再生開始した旨のコマンドActive Source[2.0.0.0]をTV30Bに対して第2CECライン上に送信すると、TV30Bは音声入力をDVDプレーヤ10Bが接続されているHDMI入力IN2に切り換え、音声出力をAVアンプ20に切り換える。メイン制御部25は、DVDプレーヤ10Bが再生開始した旨のコマンドActive Source[2.0.0.0]に応じて、音声入力をTV30Bに切り換える。
【0055】
Active Sourceは物理アドレスを指定して再生経路を選択するコマンドであり、DVDプレーヤ10A、10Bは共に物理アドレスが[2.0.0.0]であるが、DVDプレーヤ10BからのActive Source[2.0.0.0]は第2CECライン上のみに送信されるので、第1CECライン上に存在するTV30AおよびDVDプレーヤ10AはActive Source[2.0.0.0]を受信せず、誤動作を起こさない。また、AVアンプ20のサブ制御部26は、Active Source[2.0.0.0]が第2CECライン上に送信されることにより、物理アドレス[2.0.0.0]で指定される機器がDVDプレーヤ10Bであることを特定することができる。従って、同一物理アドレスを有することによって複数の機器が再生経路として選択されるような誤動作が起こることが防止される。
【0056】
(4−2)送信先がAVアンプ20の場合
サブ制御部26は、DVDプレーヤ10Bから第2CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、通常のCEC動作を実行し、メイン制御部24は動作を実行しない。例えば、DVDプレーヤ10Bがボリュームを増加させるコマンドを第2CECライン上にAVアンプ20に対して送信すると、サブ制御部26は当該コマンドを受信し、ボリューム値を増加させる。
【0057】
(4−3)送信先がBDプレーヤ10Cである場合
サブ制御部26は、DVDプレーヤ10Bから第2CECラインを介してBDプレーヤ10Cに対するコマンドを受信すると、当該コマンドをメイン制御部25に送信する。メイン制御部25は、当該コマンドを受信すると、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介して受信したコマンドと見なして、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。このように処理するのは、BDプレーヤ10Cは、第1CECラインのみに接続されており、DVDプレーヤ10BはBDプレーヤ10Cを認識しているが、BDプレーヤ10CはDVDプレーヤ10Aを認識し、DVDプレーヤ10Bを認識していないからである。BDプレーヤ10Cは、第1CECラインを介して受信した当該コマンドに応じて、DVDプレーヤ10Aからコマンドが送信されたと判断し、動作を実行する。
【0058】
(4−4)ブロードキャストの場合
サブ制御部26は、コマンドをDVDプレーヤ10Bから第2CECラインを介して受信すると、当該コマンドをメイン制御部25に送信する。メイン制御部25は、当該コマンドを受信すると、DVDプレーヤ10Aから第1CECラインを介して受信したコマンドと見なして、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに送信する。BDプレーヤ10Cは、第1CECラインのみに接続されているからである。BDプレーヤ10Cは、第1CECラインを介して受信した当該コマンドに応じて、DVDプレーヤ10Aからコマンドが送信されたと判断し、動作を実行する。
【0059】
(5)AVアンプ20からコマンドを送信する場合
(5−1)送信先が第1CECラインを介してTV30Aである場合
メイン制御部25は、通常のCEC動作を実行し、TV30Aに第1CECラインを介してTV30Aに対するコマンドを送信する。また、メイン制御部25は、TV30Aに送信したコマンドをサブ制御部26にも送信する。サブ制御部26は、TV30Aに送信したコマンドと同一コマンドを第2CECラインを介してTV30Bにも送信する。例えば、メイン制御部25が、ボリューム値を増加させた旨のコマンドをTV30Aに送信する場合、サブ制御部26も同じコマンドをTV30Bに送信する。
【0060】
(5−2)送信先が第2CECラインを介してTV30Bである場合
サブ制御部26は、通常のCEC動作を実行し、TV30Bに第2CECラインを介してTV30Bに対するコマンドを送信する。また、サブ制御部26は、TV30Bに送信したコマンドをメイン制御部25に送信する。メイン制御部25は、TV30Bに送信したコマンドと同一コマンドを第1CECラインを介してTV30Aに送信する。
【0061】
(5−3)送信先が第1CECラインを介してDVDプレーヤ10Aである場合
メイン制御部25は通常のCEC動作を実行し、サブ制御部26は動作を実行しない。例えば、メイン制御部25は、第1CECラインを介してDVDプレーヤ10Aに再生経路を選択するコマンドSetStreamPath[2.0.0.0]を送信し、サブ制御部26は、第2CECラインを介して、同一コマンドをDVDプレーヤ10Bに送信しない。
【0062】
(5−4)送信先が第2CECラインを介してDVDプレーヤ10Bである場合
サブ制御部26は通常のCEC動作を実行するが、メイン制御部25は動作を実行しない。例えば、サブ制御部26は、第2CECラインを介してDVDプレーヤ10Bに再生経路を選択するコマンドSetStreamPath[2.0.0.0]を送信するが、メイン制御部25は、第1CECラインを介して、同一コマンドをDVDプレーヤ10Aに送信しない。
【0063】
(5−5)送信先が第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cである場合
メイン制御部25は通常のCEC動作を実行するが、サブ制御部26は動作を実行しない。例えば、メイン制御部25は、第1CECラインを介してBDプレーヤ10Cに再生経路を選択するコマンドSetStreamPath[1.1.0.0]コマンドを送信するが、サブ制御部26はコマンドを送信しない。
【0064】
(5−6)ブロードキャストの場合
メイン制御部25及びサブ制御部26共に通常のCEC動作を実行する。
【0065】
(6)BDプレーヤ10Cから第1CECライン上にコマンドが送信される場合
(6−1)送信先がTV30Aの場合
メイン制御部25は、BDプレーヤ10Cから第1CECラインを介してTV30Aに対するコマンドを受信すると、当該コマンドを第1CECラインを介してTV30Aに送信する。TV30Aは、第1CECラインを介してBDプレーヤ30Aからのコマンドを受信すると、コマンドに応じた動作を実行する。また、メイン制御部25は、当該コマンドをサブ制御部26に送信する。サブ制御部26は、当該コマンドをメイン制御部25から受信すると、BDプレーヤ10CからTV30Bに対するコマンドとして第2CECラインを介してTV30Bに送信する。BDプレーヤ10CはTV30Bを認識していないが、TV30BはBDプレーヤ10Cを認識しているからである。TV30Bは、第2CECラインを介してコマンドを受信すると、BDプレーヤ10CからTV30Bに対するコマンドであると判断し、コマンドに応じた動作を実行する。
【0066】
(6−2)送信先がDVDプレーヤ10Aである場合
メイン制御部25は、BDプレーヤ10Cから第1CECラインを介してコマンドを受信すると、第1CECラインを介して、TV30Aを介してDVDプレーヤ10Aに当該コマンドを送信する。DVDプレーヤ10AはBDプレーヤ10Cからのコマンドを受信し、コマンドに応じた動作を実行する。サブ制御部26は、当該コマンドをDVDプレーヤ10Bに送信しない。BDプレーヤ10CはDVDプレーヤ10Bを認識していないからである。メイン制御部25及びサブ制御部26は、当該コマンドに応じて動作を実行しない。
【0067】
(6−3)送信先がAVアンプ20である場合
メイン制御部25は、BDプレーヤ10Cから第1CECラインを介してAVアンプ20に対するコマンドを受信すると、コマンドに応じた動作を実行する。サブ制御部28は動作を実行しない。
【0068】
(6−4)ブロードキャストである場合
メイン制御部25は、第1CECラインをコマンドを受信すると、コマンドに応じた動作を実行する。サブ制御部28は動作を実行しない。
【0069】
図6は、メイン制御部25とサブ制御部26との処理を示すシーケンス図である。メイン制御部25は、TV30AからAVアンプ20の上流機器(BDプレーヤ10C)に対するコマンドを受信すると(S1)、BDプレーヤ10Cに第1CECラインを介してコマンドを送信する。BDプレーヤ10Cは、コマンドを受信すると、TV30Aに対する応答コマンドを第1CECラインを介してAVアンプ20に送信する。メイン制御部25は、第1CECラインを介してTV30Aに、BDプレーヤ10Cからのコマンドを送信する(S2)。メイン制御部25は、TV30Aに送信したコマンドをサブ制御部26に送信する(S3)。
【0070】
サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したコマンドを受信し、メモリ29に記憶する(S4)。サブ制御部26は、TV30BからAVアンプ20の上流機器(BDプレーヤ10C)に対するコマンドを受信すると(S5)、BDプレーヤ10Cから受信しTV30Aに送信したコマンドをメモリ29から読み出して、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S6)。このように、サブ制御部26は、メイン制御部25が第1CECラインを介してTV30Aに送信したコマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する。
【0071】
なお、TV30AからDVDプレーヤ10Aに対するコマンド(PollingMessage)が第1CECライン上に送信され、DVDプレーヤ10AがTV30Aに応答コマンドを送信した後、TV30BからDVDプレーヤ10Aに対するコマンド(PollingMessage)が第2CECライン上に送信された場合には、サブ制御部26は、DVDプレーヤ10AからTV30Aに対する応答コマンドと同じ応答コマンドをTV30Bに送信しない。これにより、TV30Bは、DVDプレーヤ10Aを認識しない。同様に、TV30BからDVDプレーヤ10Bに対するコマンド(PollingMessage)が第2CECライン上に送信され、DVDプレーヤ10BがTV30Bに応答コマンドを送信した後、TV30AからDVDプレーヤ10Bに対するコマンド(PollingMessage)が第1CECライン上に送信された場合には、メイン制御部25は、DVDプレーヤ10BからTV30Bに対する応答コマンドと同じ応答コマンドをTV30Aに送信しない。これにより、TV30Aは、DVDプレーヤ10Bを認識しない。
【0072】
図7は、図6のS5、S6の処理の詳細を示すフローチャートである。サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのPollingMessageを受信したか否かを判断している(S11)。受信した場合(S11でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したPollingMessageに対する応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S12)。
【0073】
次に、サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのGetCECVersionを受信したか否かを判断している(S13)。受信した場合(S13でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したCECVersionの応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S14)。
【0074】
次に、サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのGivePhygicalAddressを受信したか否かを判断している(S15)。受信した場合(S15でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したReportPhygicalAddressの応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S16)。
【0075】
次に、サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのGetMenuLanguageを受信したか否かを判断している(S17)。受信した場合(S17でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したSetMenuLanguageの応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S18)。
【0076】
次に、サブ制御部26は、TV30BからBDプレーヤ10CへのGiveOSDNameを受信したか否かを判断している(S19)。受信した場合(S19でYES)、サブ制御部26は、メイン制御部25がTV30Aに送信したSetOSDNameの応答コマンドと同じコマンドを、第2CECラインを介してTV30Bに送信する(S20)。
【0077】
なお、AVアンプ20の音声入力セレクタとして、TV30A、TV30B等を設けることにより、TV30Aから再生開始したことを示すActiveSouce[0.0.0.0]が第1CECラインを介してメイン制御部25に送信された場合には、メイン制御部25は、物理アドレス[0.0.0.0.]と第1CECラインを介して送信されたコマンドであることに基づいて、TV30Aが再生開始したことを特定することができ、音声入力セレクタをTV30Aに切り換えることができる。同様に、TV30Bから再生開始したことを示すActiveSouce[0.0.0.0]が第2CECラインを介してサブ制御部26に送信された場合には、サブ制御部26は、物理アドレス[0.0.0.0.]と第2CECラインを介して送信されたコマンドであることに基づいて、TV30Bが再生開始したことを特定することができ、音声入力セレクタをTV30Bに切り換えることができる。
【0078】
ここで、図8に示すように、AVアンプ20がTV30BのHDMI入力IN3に接続されている場合、AVアンプ20の物理アドレスは、TV30Aに対する物理アドレス[1.0.0.0]と、TV30Bに対する物理アドレス[3.0.0.0]とで異なっている。また、BDプレーヤ10Cの物理アドレスも、TV30Aに対する物理アドレス[1.1.0.0]と、TV30Bに対する物理アドレス[3.1.0.0]とで異なっている。このような場合に、物理アドレスを指定する必要のあるコマンドを送受信する際に、各機器で誤動作を起こす可能性がある。例えば、メイン制御部25がTV30AにBDプレーヤ10Cの物理アドレス[1.1.0.0]を指定したコマンドを送信し、サブ制御部25が同じコマンドをメイン制御部25から受信して、TV30Bに送信すると、TV30Bは、物理アドレス[1.1.0.0]をBDプレーヤ10Cとは異なる機器が指定されていると判断するので、本来求められる動作とは異なる動作を実行してしまう。
【0079】
そこで、本例では、メモリ29に図9に示す物理アドレス変換テーブルが格納されている。物理アドレス変換テーブルは、TV30A及びTV30Bの両方に接続されている機器であり、TV30Aに対する物理アドレスとTV30Bに対する物理アドレスとが異なる機器(図8では、AVアンプ20及びBDプレーヤ10C)について、TV30Aに対する物理アドレスとTV30Bに対する物理アドレスとの対応関係を管理する。例えば、機器の論理アドレスに対応付けて、物理アドレス1(TV30Aに対する物理アドレス)と、物理アドレス2(TV30Bに対する物理アドレス)とが登録されている。物理アドレス変換テーブルには最初は何も登録されておらず、初期接続時に物理アドレスが決定される時に登録される。
【0080】
メイン制御部25は、TV30AにBDプレーヤ10Cの物理アドレス[1.1.0.0]を指定したコマンドを第1CECラインを介して送信するとき、サブ制御部26に、当該コマンドとBDプレーヤ10Cの論理アドレス1とを送信する。サブ制御部25は、BDプレーヤ10Cの論理アドレス1に対する物理アドレス[3.1.0.0]を特定し、当該コマンドの指定物理アドレス[1.1.0.0]を特定した物理アドレス[3.1.0.0]に変換し、第2CECラインを介してTV30Bに送信する。従って、TV30Bは、物理アドレス[3.1.0.0]を含むコマンドを受信することにより、指定された機器がBDプレーヤ10Cであると正確に判断することができる。
【0081】
また、サブ制御部26は、TV30Bに自身の物理アドレス[3.0.0.0]を指定したコマンドを第2CECラインを介して送信するとき、メイン制御部25に、当該コマンドを送信する。メイン制御部26は、自身の論理アドレス5に対する物理アドレス[1.0.0.0]を特定し、当該コマンドの指定物理アドレス[3.0.0.0]を特定した物理アドレス[1.0.0.0]に変換し、第1CECラインを介してTV30Aに送信する。従って、TV30Aは、物理アドレス[1.0.0.0]を含むコマンドを受信することにより、指定された機器がAVアンプ20であると正確に判断することができる。上記の物理アドレスの変換は、コマンドがTV30A、30Bに送信されるときだけでなく、DVDプレーヤやBDプレーヤに送信されるときにも必要に応じて適宜実行される。
【0082】
同様に、図10に示すように、AVアンプ20とTV30Bとの間にHDMIスイッチ40が接続されている場合、AVアンプ20の物理アドレスは、TV30Aに対する物理アドレス[1.0.0.0]と、TV30Bに対する物理アドレス[1.1.0.0]とで異なっている。また、BDプレーヤ10Cの物理アドレスも、TV30Aに対する物理アドレス[1.1.0.0]と、TV30Bに対する物理アドレス[1.1.1.0]とで異なっている。そこで、メモリ29に図11に示す物理アドレス変換テーブルが格納されており、図8の場合と同様に、メイン制御部25、サブ制御部26は、物理アドレスを適宜変換してTV30A、TV30にコマンドを送信する。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。AVアンプの上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。また、AVアンプの上記動作の一部のみのプログラムを、AVアンプやディスプレイ装置にファームウェアアップデートという形態で提供されてもよい。さらには、AVアンプの上記動作の一部のみのプログラムが格納されたHDMI送信部、HDMI受信部、システム制御部などの電子部品という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、AVアンプ等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0085】
10A、10B DVDプレーヤ
10C BDプレーヤ
20 AVアンプ
30A、30B TV
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の所定規格通信ラインと、
前記第1の所定規格通信ラインと同一規格である第2の所定規格通信ラインと、
前記第1の所定規格通信ラインの出力端であり、第1シンク機器が接続可能な第1出力端と、
前記第2の所定規格通信ラインの出力端であり、前記第1シンク機器と同一物理アドレスが付与される第2シンク機器が接続可能な第2出力端と、
前記第1の所定規格通信ラインの入力端であり、ソース機器が接続可能な入力端と、
前記第1の所定規格通信ラインを介して、前記第1シンク機器および前記ソース機器との間でコマンドを送受信する第1制御部と、
前記第2の所定規格通信ラインを介して、前記第2シンク機器との間でコマンドを送受信し、かつ、前記第1制御部との間でコマンドを送受信する第2制御部とを備える、コンテンツ送受信装置。
【請求項2】
前記第1制御部が、前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器にコマンドを送信する場合、前記コマンドを前記第2制御部に送信し、
前記第2制御部が、前記第1制御部から受信した前記コマンドを、前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する、請求項1に記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項3】
前記第1制御部が物理アドレスを含むコマンドを前記第1の所定規格通信ラインを介して受信した場合、第1の所定規格通信ラインに接続されている機器の中で前記物理アドレスが付与されている機器がコマンドによって指定されている機器であると判断し、
前記第2制御部が物理アドレスを含むコマンドを前記第2の所定規格通信ラインを介して受信した場合、第2の所定規格通信ラインに接続されている機器の中で前記物理アドレスが付与されている機器がコマンドによって指定されている機器であると判断する、請求項1または2に記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項4】
前記第1シンク機器から前記第1の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信され、前記ソース機器から前記コマンドに対する応答コマンドが前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器に送信される場合、前記第1制御部が、前記応答コマンドを前記第2制御部に送信し、
前記第2シンク機器から前記第2の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信される場合、前記第2制御部が、前記第1制御部から送信された前記応答コマンドを、前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項5】
前記第2シンク機器から前記第2の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信される場合、前記第2制御部が、前記コマンドを前記第1制御部に送信し、前記第1制御部が、前記コマンドを前記第1の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に送信する、請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項6】
前記コンテンツ送受信装置および前記ソース機器に関して、前記第1シンク機器に対する物理アドレスと、前記第2シンク機器に対する物理アドレスとの対応関係を管理する物理アドレス管理手段と、
前記第1シンク機器との間でコマンドを送受信する場合と、前記第2シンク機器との間でコマンドを送受信する場合とで、前記物理アドレス管理手段の管理内容に基づいて、コマンドに含まれる前記コンテンツ送受信装置又は前記ソース機器の物理アドレスを、送信先となる前記第1シンク機器または前記第2シンク機器に対する物理アドレスに変換する物理アドレス変換手段とをさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項7】
第1の所定規格通信ラインと、
前記第1の所定規格通信ラインと同一規格である第2の所定規格通信ラインと、
コンテンツ送受信装置と、
前記コンテンツ送受信装置と前記第1の所定規格通信ラインを介して接続されたソース機器および第1シンク機器と、
前記コンテンツ送受信装置と前記第2の所定規格通信ラインを介して接続された第2シンク機器とを備え、
前記第1シンク機器の物理アドレスと前記第2シンク機器の物理アドレスとが同一であり、前記ソース機器から前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器に送信されるコマンドと同じコマンドを、前記コンテンツ送受信装置が前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する、コンテンツ送受信システム。
【請求項1】
第1の所定規格通信ラインと、
前記第1の所定規格通信ラインと同一規格である第2の所定規格通信ラインと、
前記第1の所定規格通信ラインの出力端であり、第1シンク機器が接続可能な第1出力端と、
前記第2の所定規格通信ラインの出力端であり、前記第1シンク機器と同一物理アドレスが付与される第2シンク機器が接続可能な第2出力端と、
前記第1の所定規格通信ラインの入力端であり、ソース機器が接続可能な入力端と、
前記第1の所定規格通信ラインを介して、前記第1シンク機器および前記ソース機器との間でコマンドを送受信する第1制御部と、
前記第2の所定規格通信ラインを介して、前記第2シンク機器との間でコマンドを送受信し、かつ、前記第1制御部との間でコマンドを送受信する第2制御部とを備える、コンテンツ送受信装置。
【請求項2】
前記第1制御部が、前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器にコマンドを送信する場合、前記コマンドを前記第2制御部に送信し、
前記第2制御部が、前記第1制御部から受信した前記コマンドを、前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する、請求項1に記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項3】
前記第1制御部が物理アドレスを含むコマンドを前記第1の所定規格通信ラインを介して受信した場合、第1の所定規格通信ラインに接続されている機器の中で前記物理アドレスが付与されている機器がコマンドによって指定されている機器であると判断し、
前記第2制御部が物理アドレスを含むコマンドを前記第2の所定規格通信ラインを介して受信した場合、第2の所定規格通信ラインに接続されている機器の中で前記物理アドレスが付与されている機器がコマンドによって指定されている機器であると判断する、請求項1または2に記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項4】
前記第1シンク機器から前記第1の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信され、前記ソース機器から前記コマンドに対する応答コマンドが前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器に送信される場合、前記第1制御部が、前記応答コマンドを前記第2制御部に送信し、
前記第2シンク機器から前記第2の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信される場合、前記第2制御部が、前記第1制御部から送信された前記応答コマンドを、前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項5】
前記第2シンク機器から前記第2の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に対するコマンドが送信される場合、前記第2制御部が、前記コマンドを前記第1制御部に送信し、前記第1制御部が、前記コマンドを前記第1の所定規格通信ラインを介して前記ソース機器に送信する、請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項6】
前記コンテンツ送受信装置および前記ソース機器に関して、前記第1シンク機器に対する物理アドレスと、前記第2シンク機器に対する物理アドレスとの対応関係を管理する物理アドレス管理手段と、
前記第1シンク機器との間でコマンドを送受信する場合と、前記第2シンク機器との間でコマンドを送受信する場合とで、前記物理アドレス管理手段の管理内容に基づいて、コマンドに含まれる前記コンテンツ送受信装置又は前記ソース機器の物理アドレスを、送信先となる前記第1シンク機器または前記第2シンク機器に対する物理アドレスに変換する物理アドレス変換手段とをさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ送受信装置。
【請求項7】
第1の所定規格通信ラインと、
前記第1の所定規格通信ラインと同一規格である第2の所定規格通信ラインと、
コンテンツ送受信装置と、
前記コンテンツ送受信装置と前記第1の所定規格通信ラインを介して接続されたソース機器および第1シンク機器と、
前記コンテンツ送受信装置と前記第2の所定規格通信ラインを介して接続された第2シンク機器とを備え、
前記第1シンク機器の物理アドレスと前記第2シンク機器の物理アドレスとが同一であり、前記ソース機器から前記第1の所定規格通信ラインを介して前記第1シンク機器に送信されるコマンドと同じコマンドを、前記コンテンツ送受信装置が前記第2の所定規格通信ラインを介して前記第2シンク機器に送信する、コンテンツ送受信システム。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【公開番号】特開2011−49820(P2011−49820A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196545(P2009−196545)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000000273)オンキヨーサウンド&ビジョン株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000000273)オンキヨーサウンド&ビジョン株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
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