説明

コンテンツ配信制御装置、コンテンツ配信制御方法およびプログラム

【課題】繰り返し行われる、映像コンテンツのアクセスを伴うプレゼンテーションにおいて、説明者の映像コンテンツアクセス操作量を低減する。
【解決手段】コンテンツ配信制御装置10は、クライアント端末30からの配信制御情報に応じた配信制御命令をコンテンツ配信装置20へ送信する配信制御処理部14と、制御履歴記録開始の制御情報を受信した場合には、その後、制御履歴記録停止の制御情報を受信するまでの間に、クライアント端末30からの配信制御情報を制御履歴データとして制御履歴データ記憶部15に格納する制御履歴記録部11と、制御履歴再生開始の制御情報を受信した場合には、制御履歴データ記憶部15から制御履歴データを読み出し、その制御履歴データによって指定される配信制御情報をクライアント端末30に代わって配信制御処理部14へ送信する制御履歴再生部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像などのコンテンツを配信するのに好適なコンテンツ配信制御装置、コンテンツ配信制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業内の報告会、商品の展示会、学術研究会などでは、パソコンなどを用いて複数の映像コンテンツをアクセスしつつ、毎回同じようなプレゼンテーションを繰り返し行うことが珍しくない。このような場合、説明者は、プレゼンテーションの進行状況に合わせて、映像コンテンツをアクセスする操作を、毎回毎回繰り返して行う必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザが指定する時刻にユーザが指定するコンテンツの情報を取得して、ユーザ端末に提供するコンテンツ配信システムの例が開示されている。このようなコンテンツ配信システムを利用すれば、説明者は、プレゼンテーションの時刻に合わせて、プレゼンテーションに必要なコンテンツを取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−323557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたコンテンツ配信システムでは、複数の映像コンテンツを参照するような場合、プレゼンテーションの進行状況に合わせて複数の映像コンテンツのそれぞれが提供されるわけでもなく、ユーザ端末に表示されるわけでもない。従って、プレゼンテーションの説明者は、提供された映像コンテンツをプレゼンテーションの進行状況に合わせて表示する操作を省略することはできない。つまり、説明者が行う操作量を大きく減少させることはできない。
【0006】
また、引用文献1に開示されたコンテンツ配信システムにおいて、映像コンテンツが提供される時刻を、例えば、分刻みに細かく設定するものとし、さらに、ユーザ端末が配信された映像コンテンツを受信すると同時に表示するものとしたとしても、このコンテンツ配信システムは、繰り返し行うプレゼンテーションにとって使い易いものとはいえない。それは、プレゼンテーションが繰り返し行われること、すなわち、コンテンツの配信が繰り返し行われることが考慮されていないからにほかならない。
【0007】
そこで、本発明は、繰り返し行われる、映像コンテンツのアクセスを伴うプレゼンテーションにおいて、説明者の映像コンテンツアクセス操作量を低減させることが可能なコンテンツ配信制御装置、コンテンツ配信制御方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコンテンツ配信制御装置は、クライアント端末から映像コンテンツの配信制御情報を受信したとき、その受信した配信制御情報に応じた配信制御命令をコンテンツ配信装置へ送信する配信制御処理部と、クライアント端末から制御履歴記録開始の制御情報を受信した場合には、その後、クライアント端末から制御履歴記録停止の制御情報を受信するまでの間に、クライアント端末から受信した配信制御情報を制御履歴データとして記憶装置に格納する制御履歴記録部と、クライアント端末から制御履歴再生開始の制御情報を受信した場合には、記憶装置に格納されている制御履歴データを読み出し、その制御履歴データによって指定される配信制御情報をクライアント端末に代わって配信制御処理部へ送信する制御履歴再生部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、繰り返し行われる、映像コンテンツのアクセスを伴うプレゼンテーションにおいて、説明者の映像コンテンツアクセス操作量を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信制御装置の構成の例、および、そのコンテンツ配信制御装置を適用した映像コンテンツ配信システムの構成の例を示した図。
【図2】制御履歴データ記憶部に格納される制御履歴データの構成の例を示した図。
【図3】クライアント端末の表示部に表示される主制御画面の例を示した図。
【図4】クライアント端末の表示部に表示される制御履歴記録用画面の例を示した図。
【図5】クライアント端末の表示部に表示される制御履歴再生用画面の例を示した図。
【図6】クライアント端末の表示部に表示される制御履歴編集用画面の例を示した図。
【図7】制御履歴記録機能を実現するためのクライアント端末、コンテンツ配信制御装置およびコンテンツ配信装置における処理フローの例を示した図。
【図8】制御履歴再生機能を実現するためのクライアント端末、コンテンツ配信制御装置およびコンテンツ配信装置における処理フローの例を示した図。
【図9】制御履歴編集機能を実現するためのクライアント端末、コンテンツ配信制御装置およびコンテンツ配信装置における処理フローの例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るコンテンツ配信制御装置の構成の例、および、そのコンテンツ配信制御装置を適用した映像コンテンツ配信システムの構成の例を示した図である。図1に示すように、映像コンテンツ配信システム100は、コンテンツ配信制御装置10、コンテンツ配信装置20およびクライアント端末30を含んで構成される。ここで、コンテンツ配信制御装置10、コンテンツ配信装置20およびクライアント端末30は、通信ネットワーク40によって相互に通信可能に接続される。
【0013】
映像コンテンツ配信システム100の基本機能は、映像コンテンツを有するコンテンツ配信装置20が、コンテンツ配信制御装置10の制御の下に、クライアント端末30からの求めに応じて、映像コンテンツをクライアント端末30へ配信するシステムである。従って、図1では、それぞれ1台ずつしか示されていないが、コンテンツ配信装置20およびクライアント端末30は、それぞれ複数あってもよい。
【0014】
ここで、クライアント端末30は、一般的なパーソナルコンピュータなどによって構成され、少なくとも1つの表示部35を有する。また、コンテンツ配信装置20は、図示しない演算処理装置および記憶装置を備えた一般的なコンピュータによって構成され、その記憶装置には、1つ以上の映像コンテンツが蓄積された映像コンテンツ記憶部25が設けられている。
【0015】
また、コンテンツ配信制御装置10は、図示しない演算処理装置および記憶装置を備えた一般的なコンピュータによって構成され、制御履歴記録部11、制御履歴再生部12、制御履歴編集部13、配信制御処理部14、制御履歴データ記憶部15などの機能ブロックを含んで構成される。以下、コンテンツ配信制御装置10に含まれる各機能ブロックの機能ついて簡単に説明する。
【0016】
制御履歴記録部11は、クライアント端末30から制御履歴記録開始の制御情報を受信すると、それ以降、クライアント端末30から映像コンテンツ配信制御用の制御情報(以下、配信制御情報という)を受信したときには、その配信制御情報を再現可能な制御履歴データを作成し、作成した制御履歴データを制御履歴データ記憶部15に格納する(以下、この機能を「制御履歴記録機能」という)。また、制御履歴記録部11は、クライアント端末30から制御履歴記録停止の制御情報を受信すると、この制御履歴記録機能を停止する。
【0017】
ここで、映像コンテンツ配信用の制御情報(配信制御情報)は、映像コンテンツの配信開始、配信停止、配信の一時停止などを求める制御情報であり、ユーザがクライアント端末30を用いてコンテンツ配信装置20の映像コンテンツ記憶部25に蓄積されている映像コンテンツをアクセスする操作をするたびに、クライアント端末30からコンテンツ配信制御装置10へ送信される。従って、制御履歴記録機能とは、ユーザがクライアント端末30で操作することにより、クライアント端末30から発行される一連の映像コンテンツ配信用の制御情報(配信制御情報)を、制御履歴データとしてコンテンツ配信制御装置10の制御履歴データ記憶部15に記録し、保存しておく機能ということができる。
【0018】
また、制御履歴記録開始、制御履歴記録停止の制御情報は、後記するように、ユーザがクライアント端末30で制御履歴記録開始または制御履歴記録停止の操作することによって、クライアント端末30からコンテンツ配信制御装置10へ送信される。なお、制御履歴記録開始、制御履歴記録停止の制御情報は、本実施形態の映像コンテンツ配信システム100に特有の制御情報である。
【0019】
制御履歴再生部12は、クライアント端末30から制御履歴再生開始の制御情報を受信すると、制御履歴データ記憶部15に格納されている制御履歴データを読み出し、その制御履歴データに応じた配信制御情報を再生し、再生した配信制御情報を配信制御処理部14へ送信する(以下、この機能を「制御履歴再生機能」という)。なお、配信制御処理部14は、この配信制御情報を受信すると、その配信制御情報に応じた配信制御命令をコンテンツ配信装置20へ送信し、コンテンツ配信装置20ではその配信制御命令が実行される。一方、制御履歴再生部12は、クライアント端末30から制御履歴再生停止の制御情報を受信すると、この制御履歴再生機能を停止させる。
【0020】
ここで、制御履歴再生開始、制御履歴再生停止の制御情報は、後記するように、ユーザがクライアント端末30で制御履歴再生開始または制御履歴再生停止の操作をしたとき、クライアント端末30からコンテンツ配信制御装置10へ送信される。従って、制御履歴再生機能とは、制御履歴データ記憶部15に保存しておいた、ユーザが過去にクライアント端末30で操作した一連の映像コンテンツ配信のための制御操作の記録(実際には、操作に際して発行された配信制御情報に基づく制御履歴データ)を読み出して、クライアント端末30が発行すべき映像コンテンツ配信用の制御情報(配信制御情報)を、代行して発行する機能ということができる。
【0021】
この制御履歴再生機能により、ユーザは、クライアント端末30で制御履歴再生開始の操作をするだけで、制御履歴データ記憶部15に保存しておいた過去の一連の映像コンテンツ配信用の制御操作を、容易に再現することができる。従って、同じ映像コンテンツを同じように繰り返してアクセスするような場合には、クライアント端末30におけるユーザの操作量を大幅に削減することができる。
【0022】
さらに、図1において、制御履歴編集部13は、制御履歴データ記憶部15に保存されている制御履歴データの全部または一部を読み出し、読み出した制御履歴データをクライアント端末30へ送信し、クライアント端末30おいて、修正、更新された制御履歴データをクライアント端末30から受け取り、その更新された制御履歴データを制御履歴データ記憶部15に再保存する。すなわち、ユーザは、制御履歴データ記憶部15に保存した、過去の映像コンテンツ配信用の制御操作の記録を変更(追加、削除も含む)することができる。
【0023】
配信制御処理部14は、クライアント端末30または制御履歴再生部12から送信されてくる映像コンテンツ配信用の制御命令(実質的には、配信制御情報と同じ)をコンテンツ配信装置20へ送信することにより、コンテンツ配信装置20における映像コンテンツの配信を制御する。
【0024】
図2は、制御履歴データ記憶部15に格納される制御履歴データの構成の例を示した図である。図2に示すように、制御履歴データは、ユーザ名、履歴名、備考データなどからなるヘッダレコードと、受信日時、コンテンツ名、配信制御名、配信制御パラメータなどからなる制御履歴データレコードとにより構成される。
【0025】
ここで、ユーザ名は、クライアント端末30で映像コンテンツアクセスのためにログインしているユーザの識別情報、履歴名は、制御履歴データ記憶部15に保存されている一連の制御履歴データを識別する情報、備考データは、その履歴名で指定される一連の制御履歴データについてユーザが付したメモ情報である。また、受信日時は、その行に記憶されているコンテンツ配信用の制御情報(配信制御情報)を受信した日時の情報、コンテンツ名は、その配信制御情報によってアクセスする映像コンテンツの名称、配信制御名は、同配信制御情報で指定されるコンテンツ配信のための制御名、配信制御パラメータは、同配信制御情報で指定されるコンテンツ配信のための制御に付随する情報である。
【0026】
なお、図2では、制御履歴データの1レコードは、複数のフィールドで構成されているものとしているが、クライアント端末30から送信された配信制御情報そのものに、制御履歴記録部11がその配信制御情報を受信した日時情報を付加した情報であるとしてもよい。また、以下、本明細書では、制御履歴データの1レコードを、単に、制御履歴データという場合もある。
【0027】
図3は、コンテンツ配信制御装置10へのログイン直後にクライアント端末30の表示部35に表示される主制御画面50の例を示した図である。図3に示すように、主制御画面50には、ログインしたユーザのユーザ名51、および、制御履歴データの一覧である履歴一覧52が表示され、さらに、記録ボタン53、再生ボタン54、編集ボタン55、削除ボタン56などが表示される。ここで、履歴一覧52には、当該ユーザが過去に作成した、または、使用が許可されている他のユーザが作成した制御履歴データの名称である履歴名およびその備考データが表示される。
【0028】
この主制御画面50において、ユーザが記録ボタン53をクリックすると、クライアント端末30の表示部35には、図4に示すような制御履歴記録用画面60が表示される。また、ユーザが履歴一覧52に表示されたいずれかの履歴名を選択した上で、再生ボタン54をクリックすると、クライアント端末30の表示部35には、図5に示すような制御履歴再生用画面70が表示される。また、ユーザが履歴一覧52に表示されたいずれかの履歴名を選択した上で、編集ボタン55をクリックすると、クライアント端末30の表示部35には、図6に示すような制御履歴編集用画面80が表示される。さらに、ユーザが履歴一覧52に表示されたいずれかの履歴名を選択した上で、削除ボタン56をクリックすると、その選択された履歴名を有する制御履歴データは、制御履歴データ記憶部15から削除される。
【0029】
図4は、クライアント端末30の表示部35に表示される制御履歴記録用画面60の例を示した図である。図4に示すように、制御履歴記録用画面60には、制御履歴データの名称である履歴名を入力するための履歴名入力欄61と、映像コンテンツ記憶部25に蓄積されている映像コンテンツのうち、当該ユーザによるアクセスが許可されている映像コンテンツのコンテンツ一覧62が表示され、さらに、開始ボタン63、停止ボタン64、一時停止ボタン65、登録ボタン66などが表示される。ここで、コンテンツ一覧62には、当該ユーザによるアクセスが許可されている映像コンテンツのコンテンツ名およびその備考データが表示される。
【0030】
この制御履歴記録用画面60において、ユーザがコンテンツ一覧62に表示されたいずれかのコンテンツ名を選択した上で、開始ボタン63をクリックすると、選択したコンテンツ名で指定される映像コンテンツがコンテンツ配信装置20から配信され、配信された映像コンテンツが映像表示ウィンドウ67に表示される。なお、ユーザは、その開始ボタン63をクリックするに当たっては、図示しないパラメータ設定欄などを介して、配信されたコンテンツの表示を制御するための制御情報(再生速度や再生開始位置など)を設定することができるものとする。
【0031】
また、映像表示ウィンドウ67に映像コンテンツが表示されているときに、停止ボタン64がクリックされたときには、映像表示ウィンドウ67に表示中の映像コンテンツの表示が停止、消去されるとともに、コンテンツ配信装置20からの当該映像コンテンツの配信が停止される。また、映像表示ウィンドウ67に映像コンテンツが表示されているときに、一時停止ボタン65がクリックされたときには、映像表示ウィンドウ67に表示中の映像コンテンツの表示が一時停止される。この場合には、表示中の映像コンテンツは消去されず、例えば、動画コンテンツは、動画が停止した状態で表示される。
【0032】
また、コンテンツ一覧62に表示された1つ以上の映像コンテンツを順次選択しつつ、開始ボタン63、停止ボタン64および一時停止ボタン65のクリックを、適宜、繰り返した後、登録ボタン66をクリックすると、それまでにボタン操作したことによりクライアント端末30から発行(送信)された映像コンテンツの配信制御情報が制御履歴データとして制御履歴データ記憶部15に格納(登録)される。なお、この登録ボタン66がクリックされるときまでには、履歴名入力欄61には、当該配信履歴データの名称が入力されているものとし、入力されていない場合には、入力を促すメッセージが表示されるものとする。そして、当該配信履歴データが制御履歴データ記憶部15に格納(登録)されると、クライアント端末30の表示部35における表示は、図3の主制御画面50へ戻る。
【0033】
図5は、クライアント端末30の表示部35に表示される制御履歴再生用画面70の例を示した図である。図5に示すように、制御履歴再生用画面70には、制御履歴再生の対象となる制御履歴データの名称である履歴名71(図3の主制御画面50で選択された履歴名)と、コンテンツ配信装置20から配信された映像コンテンツを表示する映像表示ウィンドウ72が表示され、さらに、開始ボタン73、停止ボタン74、一時停止ボタン75などが表示される。
【0034】
クライアント端末30の表示部35に制御履歴再生用画面70が表示され、ユーザが開始ボタン73をクリックすると、コンテンツ配信制御装置10では、履歴名71で指定される制御履歴データに基づく映像コンテンツの配信制御が行われ、その配信制御によってコンテンツ配信装置20からクライアント端末30へ配信された映像コンテンツが映像表示ウィンドウ72に表示される。
【0035】
また、履歴名71で指定される制御履歴データに基づく映像コンテンツの配信制御を実行中または終了後に停止ボタン74をクリックすると、当該制御履歴データに基づく映像コンテンツの配信制御は停止され、クライアント端末30の表示部35における表示は、図3の主制御画面50へ戻る。また、当該制御履歴データに基づく映像コンテンツの配信制御を実行中に一時停止ボタン75をクリックすると、実行中のコンテンツの配信制御の実行は、一時中断される。なお、この一時中断は、開始ボタン73のクリックによって再開される。
【0036】
図6は、クライアント端末30の表示部35に表示される制御履歴編集用画面80の例を示した図である。図6に示すように、制御履歴編集用画面80には、制御履歴編集の対象となる制御履歴データの名称である履歴名81(図3の主制御画面50で選択された履歴名)と、制御履歴データ記憶部15から読み出した当該履歴名で指定される制御履歴データ一覧82が表示され、さらに、保存ボタン83、別名保存ボタン84、削除ボタン85などが表示される。
【0037】
なお、制御履歴編集用画面80に表示された制御履歴データ一覧82は、制御履歴データ記憶部15から読み出した制御履歴データの制御履歴データレコードであるが、ここでは、受信時刻の欄は、相対時刻に変換されて表示されている。このほうが、ユーザにとっては、各配信制御が実施される時間間隔などがわかりやすくなる。
【0038】
また、制御履歴編集用画面80においては、ユーザは、制御履歴データ一覧82に表示された制御履歴データレコードの各欄の内容を適宜変更することができる。例えば、相対時刻やコンテンツ名を変更したり、配信制御パラメータを通常再生から2倍速再生などに変更したりすることができる。さらには、制御履歴データ一覧82に表示された制御履歴データレコード(行のデータ)を選択し、カットアンドペーストやドラッグアンドドロップにより、そのコピーを作成したり、移動させたりすることができるものとする。また、制御履歴データレコード(行)を選択して、削除ボタン85をクリックすると、その制御履歴データレコード(行)を削除できるものとする。
【0039】
ユーザが、以上のような操作により、制御履歴データ一覧82に表示された制御履歴データレコードの各欄の内容を適宜変更した後、保存ボタン83をクリックすると、当該履歴名81で制御履歴データ記憶部15に記憶されている制御履歴データは、その変更された制御履歴データレコードの各欄の内容によって更新される。
【0040】
また、ユーザが、制御履歴データ一覧82に表示された制御履歴データレコードの各欄の内容を適宜変更し、さらに、履歴名81を変更した後、別名保存ボタン84をクリックすると、その変更された制御履歴データレコードの各欄の内容に従って、新たな履歴名81を有する新たな制御履歴データが作成され、制御履歴データ記憶部15に格納(登録)される。
【0041】
続いて、図7〜図9を参照して、クライアント端末30、コンテンツ配信制御装置10およびコンテンツ配信装置20における制御履歴記録機能、制御履歴再生機能および制御履歴編集機能をそれぞれ実現するための処理フローについて説明する。
【0042】
図7は、制御履歴記録機能を実現するためのクライアント端末30、コンテンツ配信制御装置10およびコンテンツ配信装置20における処理フローの例を示した図である。
クライアント端末30は、まず、主制御画面50(図3参照)で記録ボタン53がクリックされると、「制御履歴記録開始」の制御情報をコンテンツ配信制御装置10の制御履歴記録部11へ送信する(ステップS01)。制御履歴記録部11は、その「制御履歴記録開始」の制御情報を受信すると、制御履歴の記録を開始する(ステップS02)。
【0043】
次に、クライアント端末30は、制御履歴記録用画面(図4参照)で開始ボタン63がクリックされると、コンテンツ一覧62で選択されたコンテンツ名を含んだ「配信開始」の配信制御情報を制御履歴記録部11へ送信する(ステップS03)。制御履歴記録部11は、その「配信開始」の配信制御情報を受信すると、その受信した「配信開始」の配信制御情報を制御履歴データ記憶部15に記録(格納)するとともに(ステップS04)、その「配信開始」の配信制御情報を配信制御処理部14へ送信する(ステップS05)。
【0044】
なお、制御履歴記録部11は、受信した「配信開始」の配信制御情報を制御履歴データ記憶部15に記録(格納)するときには、そのときの受信日時、配信対象のコンテンツ名、配信制御名(ステップS04の例では「配信開始」)、配信制御パラメータなどを1行のレコードとして記録(格納)する(図2参照)。
【0045】
配信制御処理部14は、その「配信開始」の配信制御情報を受信すると、コンテンツ配信装置20に対し、「配信開始」の配信制御情報で指定された映像コンテンツの「配信開始命令」を送信する(ステップS06)。コンテンツ配信装置20は、その「配信開始命令」に従って、指定された映像コンテンツの配信を開始し(ステップS07)、その映像コンテンツをクライアント端末30へ送信する(ステップS08)。
【0046】
次に、クライアント端末30は、制御履歴記録用画面(図4参照)で停止ボタン64または一時停止ボタン65がクリックされると、「配信停止」の制御情報を制御履歴記録部11へ送信する(ステップS09)。制御履歴記録部11は、その「配信停止」の配信制御情報を受信すると、その受信した「配信停止」の配信制御情報を制御履歴データ記憶部15に記録(格納)するとともに(ステップS10)、その「配信停止」の配信制御情報を配信制御処理部14へ送信する(ステップS11)。
【0047】
配信制御処理部14は、その「配信停止」の配信制御情報を受信すると、コンテンツ配信装置20に対し、「配信停止」の配信制御情報で指定された映像コンテンツの「配信停止命令」を送信する(ステップS12)。コンテンツ配信装置20は、その「配信停止命令」に従って、指定された映像コンテンツの配信を停止する(ステップS13)。
【0048】
なお、以上のステップS03〜ステップS12までの処理は、1回に限定されず、クライアント端末30でのユーザの操作次第で何回でも繰り返して行われる。
【0049】
次に、クライアント端末30は、制御履歴記録用画面(図4参照)で登録ボタン66がクリックされると、「制御履歴記録停止」の制御情報を制御履歴記録部11へ送信する(ステップS14)。なお、この「制御履歴記録停止」の制御情報には、制御履歴の登録名(図4の履歴名入力欄61に記入されている履歴名)が添付されているものとする。
【0050】
次に、制御履歴記録部11は、クライアント端末30からの「制御履歴記録停止」の制御情報を受信すると、制御履歴の記録を停止する(ステップS15)とともに、制御履歴の記録開始(ステップS02)から制御履歴の記録停止(ステップS15)までに制御履歴データ記憶部15に記録(格納)した「配信開始」や「配信停止」などの一連の配信制御情報に履歴名を付して保存する(ステップS16)。
【0051】
図8は、制御履歴再生機能を実現するためのクライアント端末30、コンテンツ配信制御装置10およびコンテンツ配信装置20における処理フローの例を示した図である。
クライアント端末30は、主制御画面50(図3参照)で再生ボタン54がクリックされ、続いて、制御履歴再生用画面70(図5参照)で開始ボタン73がクリックされると、「制御履歴再生開始」の制御情報をコンテンツ配信制御装置10の制御履歴再生部12へ送信する(ステップS21)。このとき、「制御履歴再生開始」の制御情報には、制御履歴再生の対象となる制御履歴データの履歴名が添付されている。
【0052】
続いて、制御履歴再生部12は、その「制御履歴再生開始」の制御情報を受信すると、制御履歴の再生を開始し(ステップS22)、制御履歴データ記憶部15から、「制御履歴再生開始」の制御情報に添付された履歴名で指定される制御履歴データを読み出す(ステップS23)。
【0053】
そして、制御履歴再生部12は、その読み出した制御履歴データの1レコード(1行)ごとに、その制御履歴データで指定される「配信開始」や「配信停止」などの配信制御情報を生成し、生成した配信制御情報を、クライアント端末30に代わって、配信制御処理部14へ送信する。
【0054】
なお、このとき、制御履歴再生部12が1レコード(1行)ごとの制御履歴データに基づき配信制御情報を生成し、配信制御処理部14へ送信する時間間隔は、制御履歴データ(図2参照)の各レコードに含まれる日時情報の間隔と同じに設定される。
【0055】
具体的には、図8に示すように、制御履歴再生部12が制御履歴データのレコードに基づき生成した「配信開始」の配信制御情報を配信制御処理部14へ送信すると(ステップS24)、配信制御処理部14は、その「配信開始」の配信制御情報を受信して、その配信制御情報で指定された映像コンテンツの「配信開始命令」をコンテンツ配信装置20に送信する(ステップS25)。次に、コンテンツ配信装置20は、その配信開始命令に従って、指定された映像コンテンツの配信を開始し(ステップS26)、その映像コンテンツをクライアント端末30へ送信する(ステップS27)。
【0056】
次に、制御履歴再生部12が制御履歴データの次のレコードに基づき生成した「配信停止」の配信制御情報を配信制御処理部14へ送信すると(ステップS28)、配信制御処理部14は、その「配信停止」の配信制御情報を受信して、その配信制御情報で指定された映像コンテンツの「配信停止命令」をコンテンツ配信装置20へ送信する(ステップS29)。次に、コンテンツ配信装置20は、その「配信開始命令」に従って、指定された映像コンテンツの配信を停止する(ステップS30)。
【0057】
以上のステップS24〜ステップS30までの処理は、1回に限定されず、ステップS23で読み出した制御履歴データのレコードがなくなるまで繰り返し実行される。
【0058】
次に、クライアント端末30は、制御履歴再生用画面70(図5参照)で停止ボタン74がクリックされると、「制御履歴再生停止」の制御情報を制御履歴再生部12へ送信する(ステップS31)。制御履歴再生部12は、その「制御履歴停止」の制御情報を受信すると、制御履歴の再生を停止する(ステップS32)。
【0059】
図9は、制御履歴編集機能を実現するためのクライアント端末30およびコンテンツ配信制御装置10における処理フローの例を示した図である。クライアント端末30は、主制御画面50(図3参照)で編集ボタン55がクリックされると、「制御履歴編集要求」の制御情報を制御履歴編集部13へ送信する(ステップS41)。制御履歴編集部13は、その「制御履歴編集要求」の制御情報を受信すると、その制御情報に添付された履歴名で指定される制御履歴データを制御履歴データ記憶部15から読み出し(ステップS42)、その読み出した制御履歴データの全部または一部をクライアント端末30へ送信する(ステップS43)。
【0060】
クライアント端末30は、その受信した制御履歴データの全部または一部を制御履歴編集用画面80(図6参照)の中に表示し、ユーザによる編集操作の入力を受け付けて、制御履歴データを編集する(ステップS44)。そして、そのユーザによる編集操作の入力終了後、制御履歴編集用画面80において保存ボタン83または別名保存ボタン84がクリックされると、クライアント端末30は、編集操作によって更新された制御履歴データを制御履歴編集部13へ送信する(ステップS45)。
【0061】
以上、本実施形態によれば、コンテンツ配信制御装置10は、制御履歴記録機能により、クライアント端末30で実施される一連の映像コンテンツアクセスの操作に際して発行される配信制御情報を制御履歴データ記憶部15に記録しておくことができ、また、制御履歴再生機能により、制御履歴データ記憶部15に記録しておいた配信制御情報をクライアント端末30に代わって発行し、その配信制御情報に基づく配信制御命令をコンテンツ配信装置へ送信することができる。
【0062】
従って、クライアント端末30のユーザは、複数の同じ映像コンテンツを用いて、同じプレゼンテーションを繰り返して行うような場合には、最初のプレゼンテーションで映像コンテンツをアクセスする操作による配信制御情報を制御履歴情報として記録しておけば、その後のプレゼンテーションでは、ほとんど映像コンテンツをアクセスする操作を省略することが可能になる。従って、ユーザの操作量は、大幅に低減される。
【符号の説明】
【0063】
10 コンテンツ配信制御装置
11 制御履歴記録部
12 制御履歴再生部
13 制御履歴編集部
14 配信制御処理部
15 制御履歴データ記憶部
20 コンテンツ配信装置
25 映像コンテンツ記憶部
30 クライアント端末
35 表示部
40 通信ネットワーク
50 主制御画面
60 制御履歴記録用画面
70 制御履歴再生用画面
80 制御履歴編集用画面
100 映像コンテンツ配信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信装置からクライアント端末へ映像コンテンツを配信するための制御を行うコンテンツ配信制御装置であって、
前記クライアント端末から前記映像コンテンツの配信を制御するための配信制御情報を受信したとき、その受信した配信制御情報に応じた配信制御命令を前記コンテンツ配信装置へ送信する配信制御処理部と、
前記クライアント端末から制御履歴記録開始の制御情報を受信した場合には、その後、前記クライアント端末から制御履歴記録停止の制御情報を受信するまでの間に、前記クライアント端末から受信した前記配信制御情報を制御履歴データとして記憶装置に格納する制御履歴記録部と、
前記クライアント端末から制御履歴再生開始の制御情報を受信した場合には、前記記憶装置に格納されている制御履歴データを読み出し、その制御履歴データによって指定される配信制御情報を前記クライアント端末に代わって前記配信制御処理部へ送信する制御履歴再生部と、
を備えること
を特徴とするコンテンツ配信制御装置。
【請求項2】
前記クライアント端末から制御履歴編集要求の制御情報を受信した場合には、
前記記憶装置に格納されている制御履歴データを読み出し、その読み出した制御履歴データの全部または一部を前記クライアント端末へ送信し、前記クライアント端末での編集操作によって更新され、前記クライアント端末から送信された前記制御履歴データを受信し、その受信した制御履歴データを前記記憶装置に格納する制御履歴編集部
を、さらに、備えること
を特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信制御装置。
【請求項3】
前記制御履歴記録部は、
前記映像コンテンツの配信制御情報を前記制御履歴データとして前記記憶装置に格納するときには、前記制御履歴データに前記配信制御情報を受信したときの日時情報を添付しておき、
前記制御履歴再生部は、
前記記憶装置から読み出した第1の制御履歴データに基づく第1の配信制御情報を前記配信制御処理部へ送信し、その後、前記記憶装置から読み出した第2の制御履歴データに基づく第2の配信制御情報を前記配信制御処理部へ送信する場合には、
前記第1の配信制御情報を前記配信制御処理部へ送信した後、前記第2の配信制御情報を前記配信制御処理部へ送信するまでの経過時間を、前記第1の制御履歴データに添付されている日時情報と前記第2の制御履歴データに添付されている日時情報とから得られる時間間隔と同じにすること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンテンツ配信制御装置。
【請求項4】
コンテンツ配信装置からクライアント端末へ映像コンテンツを配信するための制御を行うコンテンツ配信制御装置におけるコンテンツ配信制御方法であって、
前記コンテンツ配信制御装置は、
前記クライアント端末から前記映像コンテンツの配信を制御するための配信制御情報を受信したとき、その受信した配信制御情報に応じた配信制御命令を前記コンテンツ配信装置へ送信する配信制御処理と、
前記クライアント端末から制御履歴記録開始の制御情報を受信した場合には、その後、前記クライアント端末から制御履歴記録停止の制御情報を受信するまでの間に、前記クライアント端末から受信した前記配信制御情報を制御履歴データとして記憶装置に格納する制御履歴記録処理と、
前記クライアント端末から制御履歴再生開始の制御情報を受信した場合には、前記記憶装置に格納されている制御履歴データを読み出し、その制御履歴データによって指定される配信制御情報を前記クライアント端末に代わって前記配信制御処理部へ送信する制御履歴再生処理と、
を実行すること
を特徴とするコンテンツ配信制御方法。
【請求項5】
前記コンテンツ配信制御装置は、
前記クライアント端末から制御履歴編集要求の制御情報を受信した場合には、
前記記憶装置に格納されている制御履歴データを読み出し、その読み出した制御履歴データの全部または一部を前記クライアント端末へ送信し、前記クライアント端末での編集操作によって更新され、前記クライアント端末から送信された前記制御履歴データを受信し、その受信した制御履歴データを前記記憶装置に格納する制御履歴編集処理を
を、さらに、実行すること
を特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信制御方法。
【請求項6】
前記コンテンツ配信制御装置は、
前記制御履歴記録処理において、
前記映像コンテンツの配信制御情報を前記制御履歴データとして前記記憶装置に格納するときには、前記制御履歴データに前記配信制御情報を受信したときの日時情報を添付しておき、
前記制御履歴再生処理において、
前記記憶装置から読み出した第1の制御履歴データに基づく第1の配信制御情報を前記配信制御処理部へ送信し、その後、前記記憶装置から読み出した第2の制御履歴データに基づく第2の配信制御情報を前記配信制御処理部へ送信する場合には、
前記第1の配信制御情報を前記配信制御処理部へ送信した後、前記第2の配信制御情報を前記配信制御処理部へ送信するまでの経過時間を、前記第1の制御履歴データに添付されている日時情報と前記第2の制御履歴データに添付されている日時情報とから得られる時間間隔と同じにすること
を特徴とする請求項4または請求項5に記載のコンテンツ配信制御方法。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のコンテンツ配信制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−61705(P2013−61705A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198093(P2011−198093)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】