説明

コンデンサ内蔵コネクタ

【課題】 簡素かつコンパクトな構造で、通常の形状を有するコンデンサを介して電線側端子をアースに接続する。
【解決手段】 コンデンサ10と、このコンデンサ10をアース側及び電線側端子60にそれぞれ接続するアース接続導体30及び電線接続導体40とを絶縁ハウジング20に保持する。コンデンサ10は本体12からコンデンサ端子14,16が同じ向きに突出する形状をもつ。アース接続導体30は、絶縁ハウジング20から前記両コンデンサ端子14,16とほぼ同じ向きに突出するアース端子部32と、コンデンサ端子14に接続されるコンデンサ接続部34とを有する。電線接続導体40は、絶縁ハウジング20に形成された端子挿入孔22内に両コンデンサ端子14,16と逆向きに突出して電線側端子60と嵌合される端子嵌合部44と、コンデンサ端子16に接続されるコンデンサ接続部42とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ワイヤハーネス等から導出されるアース用電線をコンデンサを介してアースに接続するためのコンデンサ内蔵コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に配索されるワイヤハーネス等においては、そのノイズ対策として、当該ワイヤハーネスに含まれるアース用電線をコンデンサを介して適当な接地部分(例えば車両のボディ)に接続することが行われる。
【0003】
従来、このようにコンデンサを介して所定の電線をアースに接続するためのコンデンサ内蔵コネクタとして、特許文献1に記載されるものが知られている。その概要を図10(a)(b)に示す。
【0004】
図示のコネクタは、電線Dの端末に固定される電線側端子200と、コネクタハウジング210と、端子ユニット220とを備え、端子ユニット220は、中継端子230と、コンデンサ240と、アース接続端子250とを含んでいる。
【0005】
前記コンデンサ240は、その本体から一対の端子242,244が互いに逆向きに突出する形状をなし、これらの端子242,244がそれぞれ前記アース接続端子250及び中継端子230に接続されることにより、前記中継端子230、コンデンサ240、及びアース接続端子250が軸方向に直線状に配列された状態となっている。さらに、前記中継端子244は筒状の保持部材260内に挿入され、同部材260内に保持されるようになっている。
【0006】
前記コネクタハウジング210は、前記端子ユニット220と同じく軸方向に延びている。このコネクタハウジング210の一方の端部には前記電線側端子200が挿入される端子収容室212が形成され、その奥に前記電線側端子200を係止するランス214が形成されており、当該コネクタハウジング210の他方の端部には部品収納室216が形成されている。
【0007】
このコネクタでは、前記コネクタハウジング210の部品収納室216内に前記端子ユニット220がその保持部材260側から挿入され、この保持部材260が前記コネクタハウジング210内に係止されることにより、当該保持部材260を介して前記中継端子230がコネクタハウジング210内に保持される。その後、前記端子ユニット220とコネクタハウジング210の内周面との隙間にポッティング剤270(図10(b))が充填され、固化することにより、端子ユニット220がコネクタハウジング210内に固定される。この状態で、前記端子収容室212内に電線側端子200を挿入することにより、当該電線側端子200が前記中継端子230に嵌合して当該中継端子230及びコンデンサ240を介してアース接続端子250に接続されるとともに、ランス214によってコネクタハウジング210内に係止される。
【特許文献1】特開平10−335003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献記載のコネクタでは、アース接続端子250、コンデンサ240、中継端子230、及び電線側端子200がこの順に軸方向に一列に並んだ状態で接続されるようになっているので、コネクタ全体の軸長が大きく、よって前記電線Dを含むワイヤハーネスとアース接続部位(アース接続端子250が固定される部位)との間に距離を置かなければならず、その分だけ前記ワイヤハーネスの配索位置に制約を受けることになる。
【0009】
また、一般に使用されるコンデンサはその本体から一対の端子が同じ向きに突出する形状を有するのに対し、前記のような配列を行うためには一対の端子242,244がコンデンサ本体から互いに逆向きに突出する特殊形状のコンデンサ240を用いなければならず、その分コストアップとなる。
【0010】
また、前記のように各部品が一直線上に並んで配列される関係上、中継端子230に対する電線側端子200の嵌合及び引抜きによる軸方向荷重がコンデンサ240の端子242,244と中継端子230及びアース接続端子250との接続箇所に作用し易く、これを回避するためには、前記中継端子230を前記コネクタハウジング210とは別部材である専用の保持部材260に保持した上で当該保持部材260をコネクタハウジング210内に装着するといった必要が生じる。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑み、通常の形状を有するコンデンサを用いながら、簡素かつコンパクトな構造で、当該コンデンサを介して電線側端子をアースに接続することができるコンデンサ内蔵コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、コンデンサ本体から第1コンデンサ端子及び第2コンデンサ端子が互いに同じ向きに突出するコンデンサを内蔵し、そのコンデンサを介して電線側端子をアースに接続するコンデンサ内蔵コネクタであって、前記コンデンサを保持する絶縁ハウジングと、接地部分に接続されるアース端子部及び前記第1コンデンサ端子に接続される第1コンデンサ接続部を有するとともに、前記第1コンデンサ接続部が前記第1コンデンサ端子と接続可能でかつ前記アース端子部が前記絶縁ハウジングから前記両コンデンサ端子とほぼ同じ向きに突出する姿勢で前記絶縁ハウジングにより保持されるアース接続導体と、前記電線側端子と嵌合される端子嵌合部及び前記第2コンデンサ端子に接続される第2コンデンサ接続部を有するとともに、前記第2コンデンサ接続部が前記第2コンデンサ端子と接続可能でかつ前記端子嵌合部が前記両コンデンサ端子と逆を向く姿勢で前記絶縁ハウジングにより保持される電線接続導体とを備え、前記絶縁ハウジングには、前記コンデンサの側方に位置して前記両コンデンサ端子の向きと逆向きに前記電線側端子が挿入される端子挿入部と、この端子挿入部に挿入される電線側端子を係止する係止部とが設けられ、前記端子挿入部に挿入された電線側端子が前記端子嵌合部と嵌合してその嵌合位置で前記係止部により係止されるように構成されているものである。
【0013】
この構成によれば、コンデンサ本体から第1コンデンサ端子及び第2コンデンサ端子が互いに同一の向きに突出する一般的な形状のコンデンサを用いながら、その突出の向きと同じ向きに絶縁ハウジングから突出するアース接続導体のアース端子部を接地部分に接続し、かつ、当該アース端子部と反対の側から前記絶縁ハウジングの端子挿入部内に電線側端子を挿入して電線接続導体の端子嵌合部に嵌合することにより、この電線側端子を前記電線接続導体、前記コンデンサ、及び前記アース接続導体が順に並ぶ接続経路を通じて前記接地部分に電気的に接続することができる。
【0014】
また、その接続経路は前記コンデンサ及び電線接続導体で電流の向きが反転する蛇行した経路となっているので、前記特許文献1に記載されるように全部品が軸方向に一列に配置されるものに比べ、コネクタの軸長が大幅に短縮されるとともに、電線接続導体の端子嵌合部に対する電線側端子の嵌合時及び引抜き時に加えられる荷重(挿脱荷重)が前記コンデンサの第2コンデンサ端子と電線接続導体の第2コンデンサ接続部との接続部位や第1コンデンサ端子とアース接続導体の第1コンデンサ接続部との接続部位に作用しにくく、よって、従来のように特別な保持部材を用いなくても前記電線接続導体を前記挿脱荷重に抗して絶縁ハウジング側に直接かつ容易に保持することが可能になる。
【0015】
例えば、前記絶縁ハウジングが、前記電線接続導体の第2コンデンサ接続部及び端子嵌合部がそれそれ同じ側から圧入される電線接続導体用圧入孔を有し、その圧入によって当該絶縁ハウジングに前記第2コンデンサ接続部及び端子嵌合部が固定される構成にすることも可能であり、これによって、構造の更なる簡素化及び組立作業の容易化を図ることができる。
【0016】
さらに、前記電線接続導体が、その第2コンデンサ接続部と端子嵌合部とを当該端子嵌合部の向きと略直交する方向につなぐ連結部を有し、かつ、この連結部が前記絶縁ハウジングの側面に当接する位置まで前記第2コンデンサ接続部及び端子嵌合部が前記圧入孔に圧入される構成とすれば、当該連結部と絶縁ハウジング側面との当接によって、前記第2コンデンサ接続部及び端子嵌合部の位置決めを確実に行うことができる。
【0017】
また、前記絶縁ハウジングが、前記コンデンサを保持する位置からその両コンデンサ端子の並び方向と直交する方向に外れた位置にアース接続導体用圧入孔を有し、前記アース接続導体が、前記アース端子部と反対側に突出して前記アース接続導体用圧入孔に圧入されることにより前記絶縁ハウジングに固定される圧入固定部を有するとともに、この圧入固定部から前記両コンデンサ端子の並び方向と直交する方向に外れた位置であって前記第1コンデンサ端子と接続可能な位置に前記第1コンデンサ接続部を有する構成とすれば、前記アース接続導体とコンデンサとの干渉を回避し、かつ、コンパクトな構造を保ちながら、当該アース接続導体も圧入によって絶縁ハウジングに固定することが可能になる。
【0018】
本発明において、前記電線側端子は、前記絶縁ハウジングとは別のコネクタハウジングに保持されていて当該コネクタハウジングが前記絶縁ハウジングに嵌合されるものでもよいが、前記絶縁ハウジングの端子挿入部が前記電線側端子がほぼ隙間なく嵌入される形状を有しており、当該絶縁ハウジングの係止部が前記電線側端子に直接係合するものであれば、コネクタ全体をさらに小型化することが可能になる。
【0019】
また、前記絶縁ハウジングに、少なくとも前記両コンデンサ端子と前記両コンデンサ接続部との接続箇所を外部に開放する開口部が形成されるとともに、この開口部を覆うように前記絶縁ハウジングに装着されるカバーを備えるようにすれば、当該絶縁ハウジングにコンデンサを組み込んだ状態で当該コンデンサの両コンデンサ端子と両コンデンサ接続部とを前記開口部を通じて容易に接続する(例えば溶接により接続する)ことができるとともに、その接続後にカバーを装着して前記開口部を塞ぐことにより、前記接続箇所を有効に保護することができる。
【0020】
さらに、前記絶縁ハウジングに、前記両コンデンサ端子と前記両コンデンサ接続部との接続箇所を囲む凹部が形成され、この凹部により、前記接続箇所に供給される接着剤の広がり範囲が規制されるように構成されていれば、当該接着剤を前記接続箇所に供給しかつその広がり範囲を規制することにより、少ない接着剤で前記接続箇所の防水を効率良く行うことができる。
【0021】
さらに、前記凹部内に、前記両コンデンサ端子と前記両コンデンサ接続部との接続箇所を覆うのに加えて当該コンデンサの本体と絶縁ハウジングとの間を接着するように接着剤が供給されて固化している構成とすれば、当該接着剤によって前記接続箇所を防水できるのと同時にコンデンサと絶縁ハウジングとの相対変位をより確実に阻止することができる。従って、このコンデンサ内蔵コネクタが搭載される車両の走行等に起因して前記接続箇所に振動荷重が加わるのをより有効に抑止することができる。
【0022】
また、前記カバーに、このカバーが前記絶縁ハウジングに装着された状態で前記電線側端子を二次係止する二次係止部が設けられ、この二次係止部が、前記電線側端子が前記端子嵌合部に嵌合された位置にあるときにのみ当該電線側端子と係合可能となる位置に設けられている構成であれば、前記カバーの装着により、前記接続箇所の保護と同時に、前記電線側端子の半嵌合状態の検出及びその二重係止を行うことができる。
【0023】
具体的に、前記カバーとしては、前記絶縁ハウジングがその端子挿入部側から挿入可能な開口部をもつ容器状をなし、その開口部と反対側の側壁の内面に前記二次係止部が突設されているものが、好適である。この構成によれば、前記カバー内にその開口部から前記絶縁ハウジングを挿入することによって当該絶縁ハウジングの外面を大きな面積に亘って保護することができるとともに、その挿入方向への装着動作によって前記二次係止部を絶縁ハウジング内に進入させることができる。
【0024】
また、前記絶縁ハウジング及びカバーには、前記電線接続端子と接触してその導通検査を行うための導通検査治具がカバーの外側から挿入可能な治具挿入窓が設けられていることが、より好ましい。
【0025】
さらに、前記治具挿入窓が、前記導通検査治具に加え、前記係止部による前記電線側端子の係止状態を解除する方向に当該係止部を操作するための係止解除治具が挿入可能な形状を有する構成とすれば、共通の治具挿入窓を用いて、前記導通検査と係止解除の双方を行うことが可能になる。
【0026】
また、本発明において、前記アース接続導体のアース端子部は、他のアース端子と合体可能な形状を有し、当該アース端子とともに共通の接地部分に接続可能となるように構成されていれば、必要となるアース接続箇所の個数を削減して配線形態をより簡素化することが可能になる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によれば、一対のコンデンサ端子がコンデンサ本体から互いに同じ向きに突出する一般的な形状のコンデンサを用いながら、簡素かつコンパクトな構造で、前記コンデンサを介して電線側端子をアースに接続することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の好ましい実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0029】
ここに示すコンデンサ内蔵コネクタは、コンデンサ10と、このコンデンサ10を保持する絶縁ハウジング20と、この絶縁ハウジング20に保持されるアース接続導体30及び電線接続導体40と、前記絶縁ハウジング20に被着されるカバー50とを備え、適当な電線Dの端末に固定された電線側端子60を前記電線接続導体40、前記コンデンサ10、及び前記アース接続導体30を順に介してアースに接続するように構成されている。
【0030】
前記電線側端子60は通常の雌型端子であり、箱型の電気接触部62を有するとともに、その後方に導体バレル63及びインシュレーションバレル64を順に有しており、その両バレル63,64により(図例では)アース接続すべき2本の電線Dがまとめて抱き込み保持されている。すなわち、単一の電線側端子60が2本の電線Dの端末に共通圧着されている。また、前記電気接触部62の適所からは逆姿勢挿入防止用のスタビライザ66が突出している。
【0031】
前記コンデンサ10は、ごく一般的な形状、すなわち、略直方体状のコンデンサ本体12からピン状の第1コンデンサ端子14及び第2コンデンサ端子16が互いに間隔をおいて同じ向きに突出する形状を有している。
【0032】
前記絶縁ハウジング20は、図例では平面視が略正方形の直方体状をなしている。この絶縁ハウジング20には上方に開口する比較的大面積の開口部21Aが形成され、この開口部21A内に前記コンデンサ10が横向きの姿勢で収納可能となっている。
【0033】
この絶縁ハウジング20は、前記開口部21Aのすぐ側方の位置に端子挿入孔22を有している。この端子挿入孔22は、前記開口部21A内に収納されるコンデンサ12の両コンデンサ端子14,16の突出の向きと逆向きに開口し、その開口22aから当該端子挿入孔22内に前記電線側端子60が挿入可能となっている。図例では、この電線側端子60の前記スタビライザ66が絶縁ハウジング20の外側を向く姿勢でのみ前記端子挿入孔22内に挿入可能とされている。
【0034】
前記アース接続導体30及び電線接続導体40は、金属板を所定形状に打ち抜いて曲げ加工することにより形成されており、このうちアース接続導体30は、アース端子部32と、第1コンデンサ接続部34と、圧入固定部36とを一体に有している。
【0035】
前記アース端子部32と圧入固定部36とは僅かな段差を挟んで略同一平面上に並び、かつ、互いに逆向きに突出しており、前記第1コンデンサ接続部34は、前記圧入固定部36の上面から上方に隆起し、かつ、前記アース端子部32と逆向きに突出する鍵状をなしている。これに対し、絶縁ハウジング20においては、前記コンデンサ10からその両コンデンサ端子14,16の並び方向と直交する方向に外れた位置(図例ではコンデンサ10よりも下方の位置)に、前記圧入固定部36が前記両コンデンサ端子14,16の突出の向きと逆向きに圧入可能である偏平なアース接続導体用圧入孔23Aを有するとともに、その圧入に伴って前記第1コンデンサ接続部34が挿入可能な形状の第1コンデンサ接続部用挿入孔23Bを有している。
【0036】
そして、前記アース接続導体用圧入孔23A内に前記圧入固定部36が圧入されることにより、前記アース接続導体30が前記絶縁ハウジング20に固定されるようになっている。具体的には、前記第1コンデンサ接続部34が前記第1コンデンサ端子14に対して下側から接触する位置に保持され、また、前記アース端子部32が前記絶縁ハウジング20から前記両コンデンサ端子14,16の突出の向きと同じ向きに突出する姿勢でアース接続導体30が保持される。
【0037】
前記アース端子部32にはボルト挿通孔32aが設けられ、このボルト挿通孔32aに挿通されるボルトによって当該アース端子部32を所定の接地部位(例えば車両のボディ)に締結することが可能となっている。また、図4(a)に示すように、前記絶縁ハウジング20の下半部には、前記第1コンデンサ接続部34が前記第1コンデンサ端子14と接触する部位を下方に開放する開口部21Bが形成されており、この開口部21B及び前記開口部21Aを通じて上下から溶接用電極を挿入して前記第1コンデンサ端子14とこれに接触する前記第1コンデンサ接続部34とを上下から挟み込むことにより、これら第1コンデンサ端子14と第1コンデンサ接続部34とを電気溶接により接続することが可能となっている。
【0038】
一方、前記電線接続導体40は、第2コンデンサ接続部42と、端子嵌合部44と、これらを連結する連結部46とを一体に有しており、この連結部46の両端から前記第2コンデンサ接続部42及び端子嵌合部44が互いに同じ向きに突出する形状をなしている。
【0039】
前記第2コンデンサ接続部42は、前記連結部46からこれと直交する方向に延び、絶縁ハウジング20に立直姿勢で保持される立直部42aと、この立直部42aの端部下縁から端子嵌合部44側に延びるコンデンサ端子接触部42bとで構成されている。前記端子嵌合部44は、前記電線側端子60の電気接触部62内に嵌入可能なタブ(雄型端子)を構成しており、前記立直部42aと同様に立直姿勢で絶縁ハウジング20に保持されるようになっている。
【0040】
具体的に、前記絶縁ハウジング20には、前記アース接続導体用圧入孔23Aが開口する側面と同じ側面に開口する第2コンデンサ接続部用圧入孔24A及び端子嵌合部用圧入孔24Bが形成されており、これらの圧入孔24A,24B内に前記第2コンデンサ接続部42及び端子嵌合部44がそれぞれ両コンデンサ端子14,16の突出の向きと逆の向きに挿入され、かつ、前記連結部46が前記ハウジング側面に当接する深さまで圧入されることにより、電線接続導体40全体が絶縁ハウジング20に固定されるようになっている。その固定位置は、前記第2コンデンサ接続部42のコンデンサ端子接触部42bが前記第2コンデンサ端子16に対して下側から接触可能で、かつ、前記端子嵌合部44が立直姿勢で前記端子挿入孔22内に前記両コンデンサ端子14,16の突出の向きと逆向きに突出する位置に設定されている。
【0041】
ここで、図4(a)に示すように、前記絶縁ハウジング20の下半部には、前記第2コンデンサ接続部42のコンデンサ端子接触部42bが前記第2コンデンサ端子16と接触する部位を下方に開放する開口部21Cが形成されており、前記アース接続導体30の圧入固定部36には前記開口部21Cを避けてこれを開通させるための切欠36a(図6(a)参照)が形成されている。そして、この開口部21C及び前記開口部21Aを通じて上下から溶接用電極を挿入して前記第1コンデンサ端子14とこれに接触する前記第1コンデンサ接続部34とを上下から挟み込むことにより、これら第1コンデンサ端子14と第1コンデンサ接続部34とを電気溶接により接続することが可能となっている。
【0042】
また、前記端子嵌合部44の位置は、前記端子挿入孔22内に挿入される電線側端子60の電気接触部62と嵌合可能な位置に設定されている。一方、絶縁ハウジング20には、前記端子挿入孔22の外側に位置する側壁に撓み変形可能なランス25が形成され、前記端子嵌合部44に嵌合する位置まで前記電線側端子60が挿入された状態で前記ランス25の端部に形成された係止部25aが前記電線側端子60を係止するように構成されている。
【0043】
なお、図例では電線側端子60が雌型端子、端子嵌合部44が雄型端子となっているが、その雌雄は逆でもよい。
【0044】
前記カバー50は、前記絶縁ハウジング20のほぼ全体を収容する容器状をなしている。具体的には、内部空間を四方から囲む周壁52と、この周壁52により囲まれた内部空間を一方の側から塞ぐ側壁54とを有し、この側壁54と反対側に開口している。そして、この開口部56を入口として前記絶縁ハウジング20がその端子挿入孔22側から挿入可能となっている。
【0045】
前記カバー50の周壁52のうち、前記端子挿入孔22の開口22aに面する周壁には、当該開口22aと合致する開口52aが形成され、両開口22a,52aを通じて端子挿入孔22内に電線側端子60が挿入可能となっている。
【0046】
ここで、前記絶縁ハウジング20に対するカバー50の装着位置は、図3(a)及び図5(a)に示すような仮装着位置(一次係止位置)と、図3(b)及び図5(b)に示すような完全装着位置(二次係止位置)の二段にわたって設定されており、この完全装着位置においてカバー50が後述のような電線側端子60の二次係止を行うように構成されている。
【0047】
ます仮装着位置について、前記カバー50の開口52aからはさらに被係止窓57が延長される一方、これに対応する絶縁ハウジング20の側面には仮係止突起27が突設されている。そして、この仮係止突起27が前記被係止窓57に嵌まり込む位置までカバー50内に絶縁ハウジング20を挿入することにより、当該絶縁ハウジング20に対して前記カバー50が前記完全装着位置よりも手前側の仮装着位置に係止されるようになっている。
【0048】
さらに、完全装着位置について、前記カバー50の周壁52のうち前記開口52aが形成されている周壁と反対側の周壁には、図1に示すように水平方向に延びる上下のスリット51に挟まれた撓み片53が形成され、この撓み片53の先端部に内向きの突起53aが形成される一方、これに対応する絶縁ハウジング20の側面には係止凹部28が形成されており、前記仮装着位置からさらに深くカバー50内に絶縁ハウジング20を挿入することにより前記係止凹部28に前記撓み片53の突起53aが嵌まり込んでカバー50が完全装着位置に保持されるようになっている。
【0049】
ここで、前記スリット51のうち下側のスリット51は前記アース接続導体30の圧入固定部36が差込可能な位置に形成されており、当該圧入固定部36とカバー50との干渉防止用スリットを兼ねている。
【0050】
前記側壁54の内側面には、図2及び図5(a)(b)に示すような上下一対の二次係止突起58が内向きに突設されている。これに対し、前記絶縁ハウジング20における前記端子挿入孔22の外側の側壁には、前記ランス25から上下に外れた位置に二次係止突起挿入孔26が設けられている。そして、カバー50が前記仮装着位置にあり、かつ、前記端子嵌合部44に完全嵌合する位置まで端子挿入孔22内に電線側端子60が挿入された状態で、当該仮装着位置から前記完全装着位置までカバー50と絶縁ハウジング20とを相対移動させることにより、当該カバー50の二次係止突起58が前記二次係止突起挿入孔26を通じて前記電線側端子60のスタビライザ66のすぐ後側の位置まで進入し、これにより当該電線側端子60を二次係止するように、当該二次係止突起58の位置が設定されている。
【0051】
また、前記絶縁ハウジング20の四隅のうち前記ランス25の先端部及び端子嵌合部44に近接する隅部と、この隅部に対応するカバー50の隅部とには、図3(a)に示すような仮装着位置において互いに開通する治具挿入窓22b,55がそれぞれ形成されている。そして、これら治具挿入窓22b,55から導通検査用治具70を挿入して前記端子嵌合部44に接触させ、別の導通検査用治具をアース接続導体30に接触させることにより、前記コンデンサ10を介してのアース接続導体30と電線接続導体40との導通を検査することが可能となっている。さらに、同じ治具挿入窓22b,55から端子挿入孔22内に係止解除治具72も挿入可能となっており、当該係止解除治具72を用いてランス25を強制的に撓ませることによって当該ランス25による電線側端子60の係止を解除することが可能となっている。
【0052】
なお、このカバー50の具体的な形状は問わず、例えば開口部21A〜21Cのみを局所的に覆う形状でもよい。また、絶縁ハウジング20の構造によっては適宜省略も可能である。
【0053】
次に、このコンデンサ内蔵コネクタの組立要領及び使用要領を図6及び図7の工程図も併せて参照しながら説明する。
【0054】
1)図6(a)に示すようにアース接続導体30及び電線接続導体40を絶縁ハウジング20に固定する。具体的には、絶縁ハウジング20のアース接続導体用圧入孔23Aにアース接続導体30の圧入固定部36を圧入するとともに第1コンデンサ接続部用挿入孔23Bに第1コンデンサ接続部34を挿入することにより、当該絶縁ハウジング20にアース接続導体30を固定する。また、前記絶縁ハウジング20の第2コンデンサ接続部用圧入孔24A及び端子嵌合部用圧入孔24Bにそれぞれ電線接続導体40の第2コンデンサ接続部42及び端子嵌合部44を圧入することにより、当該絶縁ハウジング20に電線接続導体40を固定する。
【0055】
2)図6(b)に示すような市販のコンデンサ、すなわち、コンデンサ本体12から同じ側に第1コンデンサ端子14及び第2コンデンサ端子16が突出するコンデンサ10を用意し、そのコンデンサ端子14,16を適当な長さに切断して同図(c)に示すように絶縁ハウジング20内にセットする。具体的には、前記コンデンサ10を絶縁ハウジング20内に開口部21Aから嵌め込み、その第1コンデンサ端子14及び第2コンデンサ端子16がそれぞれアース接続導体30の第1コンデンサ接続部34及び電線接続導体40の第2コンデンサ接続部42のコンデンサ端子接触部42bに上から接触する状態にする。
【0056】
3)図4(b)に示す開口部21A,21B内にそれぞれ溶接用電極を挿入して第1コンデンサ端子14と第1コンデンサ接続部34との接触部位を上下から挟み込むことにより、これら第1コンデンサ端子14と第1コンデンサ接続部34とを溶接により接続する。同様に、開口部21A,21C内にそれぞれ溶接用電極を挿入して第2コンデンサ端子16と第2コンデンサ接続部42のコンデンサ端子接触部42bとの接触部位を上下から挟み込むことにより、これら第2コンデンサ端子16とコンデンサ端子接触部42bとを溶接により接続する。さらに、必要に応じて前記各接続部位に接着剤を滴下する等して防水処理を施す。
【0057】
その場合、図示の構成では、図8(a)(b)に示すように、前記開口部21Aが両コンデンサ端子14,16と前記両コンデンサ接続部42,44との接続箇所を囲む凹部を構成しており、この凹部により、前記接続箇所に供給される接着剤の広がり範囲が規制されるようになっているので、当該接着剤を前記接続箇所に供給しかつその広がり範囲を規制することにより、少ない接着剤で前記接続箇所の防水を効率良く行うことができる。
【0058】
特に、図8(a)に示すように、前記凹部内に、前記両コンデンサ端子14,16と前記両コンデンサ接続部42,44との接続箇所を覆うのに加えて当該コンデンサの本体12の縁部と絶縁ハウジング20における開口部21Aの底面との間を接着するように接着剤80が供給されて固化している構成とすれば、当該接着剤80によって、前記接続箇所の防水と同時にコンデンサ10と絶縁ハウジング20との相対変位をより確実に阻止することができる。従って、このコンデンサ内蔵コネクタが搭載される車両の走行等に起因して前記接続箇所に振動荷重が加わるのをより有効に抑止することができる。
【0059】
4)図7(a)に示すようにカバー50の開口部56に対して絶縁ハウジング20をその端子挿入孔22側の端部から挿入し、当該カバー50の被係止窓57内に絶縁ハウジング20側の仮係止突起27を入り込ませて当該カバー50を同図(b)に示すような仮装着位置に保持する。このとき、図5(a)に示すようにカバー50側の二次係止突起58は端子挿入孔22内に侵入しておらず、よって当該端子挿入孔22内に電線側端子60が侵入可能な状態にある。
【0060】
5)ワイヤハーネスに含まれる適当な電線D(図例では2本の電線D)の端末に電線側端子60を圧着しておき、この電線側端子60をカバー50及び絶縁ハウジング20の開口52a,22aを通じて端子挿入孔22内に奥まで挿入することにより、当該端子挿入孔22内に突出する端子嵌合部44に前記電線側端子60を嵌合する。
【0061】
このとき、端子嵌合部44は前記第2コンデンサ端子16と第2コンデンサ接続部42との接続部位から側方に外れた位置で当該第2コンデンサ端子16の突出の向きと逆向きに突出しているので、前記特許文献1記載のように各部品が軸方向に一列に並ぶ配置のものに比べ、前記端子嵌合部44に対する電線側端子60の嵌合や引抜きの際に加えられる荷重が前記第2コンデンサ端子16と第2コンデンサ接続部42との接続部位に作用しにくい。また、電線接続導体40は絶縁ハウジング20側にそのまま圧入保持できるので、従来のように電線接続導体40を保持するための保持部材を絶縁ハウジング20とは別に設ける必要もない。
【0062】
6)前記仮装着位置からさらに絶縁ハウジング20に対してカバー50を変位させて図7(c)に示すような完全装着位置にする。この完全装着位置は、図3(b)に示すようにカバー50側の撓み片53の突起53aが絶縁ハウジング20の係止凹部28に嵌まり込むことにより維持される。
【0063】
この完全装着位置への変位の際、図5(b)に示すようにカバー50側の二次係止突起58が二次係止突起挿入孔26から端子挿入孔22内に進入して同孔22内における電線側端子60のスタビライザ66の後側に位置することにより、当該電線側端子60の二次係止すなわち抜け止めが行われる。このとき、電線側端子60が半嵌合状態であると前記スタビライザ66に前記二次係止突起58が当たる等して同突起58が端子挿入孔22内に深く進入できないので、この工程で半嵌合状態の検知も行うことができる。
【0064】
7)以上のようにして電線Dの端末にコンデンサ内蔵コネクタが取付けられたワイヤハーネスを車両内の適当な位置に配索し、前記コンデンサ内蔵コネクタにおけるアース接続導体30のアース端子部32を適当な接地部分(例えば車のボディ)に締結する。これにより、前記電線側端子60が電線接続導体40、コンデンサ10、及びアース接続導体30を順に経由してアースに接続された状態となる。
【0065】
なお、アース端子部30の具体的な形状は適宜設定可能であり、例えば図9(a)(b)に示すように、通常のアース端子74と合体可能な形状とすることも可能である。図示の構造では、前記コンデンサ内蔵コネクタを経由してアースに接続すべき電線Dとは別に、アースに直接接続すべきアース電線DaがワイヤハーネスWHから引き出され、その端末にアース端子74が圧着されており、このアース端子74と前記アース端子部32を重ね合わせて合体させた状態で当該アース端子74とアース端子部32とを共通の接地部分にまとめて接続することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンデンサ内蔵コネクタの本体とカバーとを示す斜視図である。
【図2】前記コンデンサ内蔵コネクタの本体とカバーとを示す一部断面斜視図である。
【図3】(a)(b)は前記コンデンサ内蔵コネクタを図4(b)のD−D線の高さで切った断面平面図であり、(a)はカバーが仮装着位置にある状態を示す断面平面図、(b)はカバーが完全装着位置にある状態を示す断面平面図である。
【図4】(a)は図3(b)のA−A線断面図、(b)は図3(b)のB−B線断面図、(c)は(a)のC−C線断面図である。
【図5】(a)(b)は前記コンデンサ内蔵コネクタを図4(b)のC−C線の高さで切った断面平面図であり、(a)はカバーが仮装着位置にある状態を示す断面平面図、(b)はカバーが完全装着位置にある状態を示す断面平面図である。
【図6】(a)〜(c)は前記コンデンサ内蔵コネクタの組立工程を示す斜視図である。
【図7】(a)〜(c)は前記コンデンサ内蔵コネクタの本体に対してカバーを装着する工程を示す斜視図である。
【図8】(a)は前記コンデンサ内蔵コネクタの適所に接着剤が供給されて固化した状態を示す斜視図、(b)は(a)のD−D線断面図である。
【図9】(a)は前記コンデンサ内蔵コネクタの変形例を示す斜視図、(b)は(a)に示すコンデンサ内蔵コネクタのアース端子部に別のアース端子が合体した状態を示す斜視図である。
【図10】(a)は従来のコンデンサ内蔵コネクタの例を示す分解断面図、(b)は(a)のコンデンサ内蔵コネクタの組立状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0067】
10 コンデンサ
12 コンデンサ本体
14 第1コンデンサ端子
16 第2コンデンサ端子
20 絶縁ハウジング
21A,21B,21C 開口部
22 端子挿入孔
22a 開口
22b 治具挿入窓
23A アース接続導体用圧入孔
24A 第2コンデンサ接続部圧入孔
24B 端子嵌合部圧入孔
25a 係止部
26 二次係止突起挿入孔
27 仮係止突起
30 アース接続導体
32 アース端子部
34 第1コンデンサ接続部
36 圧入固定部
40 電線接続導体
42 第2コンデンサ接続部
44 端子嵌合部
46 連結部
50 カバー
54 側壁
55 治具挿入窓
56 開口部
58 二次係止突起
60 電線側端子
70 導通検査治具
72 係止解除治具
74 他のアース端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサ本体から第1コンデンサ端子及び第2コンデンサ端子が互いに同じ向きに突出するコンデンサを内蔵し、そのコンデンサを介して電線側端子をアースに接続するコンデンサ内蔵コネクタであって、前記コンデンサを保持する絶縁ハウジングと、接地部分に接続されるアース端子部及び前記第1コンデンサ端子に接続される第1コンデンサ接続部を有するとともに、前記第1コンデンサ接続部が前記第1コンデンサ端子と接続可能でかつ前記アース端子部が前記絶縁ハウジングから前記両コンデンサ端子とほぼ同じ向きに突出する姿勢で前記絶縁ハウジングにより保持されるアース接続導体と、前記電線側端子と嵌合される端子嵌合部及び前記第2コンデンサ端子に接続される第2コンデンサ接続部を有するとともに、前記第2コンデンサ接続部が前記第2コンデンサ端子と接続可能でかつ前記端子嵌合部が前記両コンデンサ端子と逆を向く姿勢で前記絶縁ハウジングにより保持される電線接続導体とを備え、前記絶縁ハウジングには、前記コンデンサの側方に位置して前記両コンデンサ端子の向きと逆向きに前記電線側端子が挿入される端子挿入部と、この端子挿入部に挿入される電線側端子を係止する係止部とが設けられ、前記端子挿入部に挿入された電線側端子が前記端子嵌合部と嵌合してその嵌合位置で前記係止部により係止されるように構成されていることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングには、前記電線接続導体の第2コンデンサ接続部及び端子嵌合部がそれそれ同じ側から圧入される電線接続導体用圧入孔を有し、その圧入によって当該絶縁ハウジングに前記第2コンデンサ接続部及び端子嵌合部が固定されることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項3】
請求項2記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記電線接続導体は、その第2コンデンサ接続部と端子嵌合部とを当該端子嵌合部の向きと略直交する方向につなぐ連結部を有し、かつ、この連結部が前記絶縁ハウジングの側面に当接する位置まで前記第2コンデンサ接続部及び端子嵌合部が前記圧入孔に圧入されることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングは、前記コンデンサを保持する位置からその両コンデンサ端子の並び方向と直交する方向に外れた位置にアース接続導体用圧入孔を有し、前記アース接続導体は、前記アース端子部と反対側に突出して前記アース接続導体用圧入孔に圧入されることにより前記絶縁ハウジングに固定される圧入固定部を有するとともに、この圧入固定部から前記両コンデンサ端子の並び方向と直交する方向に外れた位置であって前記第1コンデンサ端子と接続可能な位置に前記第1コンデンサ接続部を有することを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングの端子挿入部は前記電線側端子がほぼ隙間なく嵌入される形状を有しており、当該絶縁ハウジングの係止部は前記電線側端子に直接係合するものであることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングに、少なくとも前記両コンデンサ端子と前記両コンデンサ接続部との接続箇所を外部に開放する開口部が形成されるとともに、この開口部を覆うように前記絶縁ハウジングに装着されるカバーを備えたことを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記両コンデンサ端子と前記両コンデンサ接続部とが溶接により接続されていることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項8】
請求項6または7記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングに、前記両コンデンサ端子と前記両コンデンサ接続部との接続箇所を囲む凹部が形成され、この凹部により、前記接続箇所に供給される接着剤の広がり範囲が規制されるように構成されていることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項9】
請求項8記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記凹部内に、前記両コンデンサ端子と前記両コンデンサ接続部との接続箇所を覆いかつ当該コンデンサの本体と絶縁ハウジングとの間を接着するように接着剤が供給されて固化していることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれかに記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記カバーには、このカバーが前記絶縁ハウジングに装着された状態で前記電線側端子を二次係止する二次係止部が設けられており、この二次係止部は、前記電線側端子が前記端子嵌合部に嵌合された位置にあるときにのみ当該電線側端子と係合可能となる位置に設けられていることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項11】
請求項10記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記カバーは、前記絶縁ハウジングがその端子挿入部側から挿入可能な開口部をもつ容器状をなし、その開口部と反対側の側壁の内面に前記絶縁ハウジング内に進入可能な形状の二次係止部が突設されていることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項12】
請求項6〜11のいずれかに記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記絶縁ハウジング及びカバーには、前記電線接続端子と接触してその導通検査を行うための導通検査治具がカバーの外側から挿入可能な治具挿入窓が設けられていることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項13】
請求項12記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記治具挿入窓は、前記導通検査治具に加え、前記係止部による前記電線側端子の係止状態を解除する方向に当該係止部を操作するための係止解除治具が挿入可能な形状を有することを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載のコンデンサ内蔵コネクタにおいて、前記アース接続導体のアース端子部は、他のアース端子と合体可能な形状を有し、当該アース端子とともに共通の接地部分に接続可能となるように構成されていることを特徴とするコンデンサ内蔵コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−100061(P2006−100061A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283302(P2004−283302)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】