説明

コントラスト強化機能を備えた有機発光ダイオード(OLED)

【課題】 放射光の強め合う光干渉を実現する材料および厚さを備えた放射層を有する有機エレクトロルミネセンス装置を提供する。
【解決手段】
この装置は、装置に入る周囲光の弱め合う光干渉によってコントラストを高める付加層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネセンス装置に関し、より詳細にはエレクトロルミネセンス装置に適用されるコントラスト強化フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のコントラスト強化フィルタは、Dobrowoiskiに譲渡された米国特許第5,049,780号とHofstraに譲渡された米国特許第6,411,019号に記載されたような光学干渉フィルタを含み、これらの特許の内容は、引用により本明細書に組み込まれる。DobrowolskiとHofstraのいくつかの技術において、コントラスト強化は、反射性後側電極すなわち反射性後側陰極の前に配置された光学干渉部材によって実現される。これらの明細書で詳細に説明されているように、後側電極すなわち後側陰極からの周囲光の反射が光学干渉部材と併せて使用されて少なくとも2つの位相のずれた波形の周囲光が作成され、この周囲光が互いに干渉して互いに少なくともある程度打ち消し合い、それにより表示装置からの周囲光の望ましくない反射が減少する。
【0003】
他の既知のコントラスト強化フィルタは、反射電極すなわち陰極を被覆する光吸収材料を含む。例えば、反射性後側陰極を被覆するグラファイトの使用を検討するBergerらに譲渡されたWO00/25028を参照されたい。この場合、そのような純粋な吸収材料は、表示装置の前側に入る周囲光を有効に熱に変換することによって周囲光の反射を減少させる。
【0004】
しかしながら、このような従来技術の構造は、装置から放射された光の量を増強するために後側陰極の反射率を積極的に利用したい場合には適切でないことがある。換言すると、前述の従来技術の装置は、表示装置の後側陰極に達する周囲光を減少させるが、この従来技術の装置は、表示装置の後側に後方に放射される光も減少させる傾向がある。実際には、いくつかの従来技術のOLED表示装置において、後方に放射される光の位相を合計で約360°ずらして、2つの光波が積極的に干渉しそれにより装置の輝度が高まるように、発光層の適切な放射領域部分を反射電極と協力するように選択することが知られている。
【0005】
干渉するときに2つの光波の大きさが等しい理想的リフレクタを想定すると、輝度は次の通りである。
Irf=(Ef+Er)2
Ef=Er=E
Irf=4E2
ここで、Efは、前方放射光の電界、Erは後方放射光の電界、およびIrfは、反射性後側電極を使用して見る人が見る輝度である。
【0006】
黒電極の場合のようにErが吸収された場合、式は、単純に次のようになる。
Idk=(Ef+Er)2
Ef=E,Er=0
Idk=E2
ここで、Idkは、黒後側電極を使用して見る人が見た輝度である。したって、Idk/Irf=1/4=0.25であり、黒後側電極を使用する装置は、効率が反射性後側電極を使用する装置のわずか25%である。
【0007】
表示装置の前側に適用された円偏光子を使用して前述の表示装置の周囲光反射を減らすことが知られているが、この円偏光子は、放射光の一部、すなわち装置によっては一般に約56%〜約62%の放射光を吸収するという別の作用を有し、そのような装置では、反射性後側電極装置の効率は約38%〜約44%である。
「Electroluminescent Device」と題するPCT/CA03/00554は、部分吸収(半反射)層、1つまたは複数の発光層、および完全反射層を開示しており、この組み合わせで、発光層で生成された光の強めあう干渉の他に、180°の周囲光の位相ずれが生じる。しかしながら、前述の他の従来技術のシステムと同じように、発光層内で生成された光の後方反射が、弱め合う干渉を引き起こし、これにより強め合う干渉の利点が部分的に取り消される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明の目的は、従来技術の前述の欠点の少なくとも1つを緩和または除去するコントラスト強化機能を表示装置に提供することである。
本発明の態様において、発光層を光学干渉構造自体に埋め込むエレクトロルミネセンス表示装置が提供される。
詳細には、半反射構造と反射構造の間に発光有機層が配置され、半反射構造の厚さと材料は、周囲光の少なくともある程度の弱め合う光干渉を引き起こすように選択され、半反射構造と完全反射構造の間の層の厚さは、半反射構造によって反射される光に対して、それらの層を通過し反射される周囲光の正味0°の位相ずれを実現するように選択される。さらに、完全反射面からの発光領域の距離は、生成され放射光の強め合う干渉を実現するように選択される(すなわち、見る人の方向に進む放射光は、最初見る人から遠ざかる方向に進み次に見る人の方に完全に反射される放射光線と位相が合う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に図1を参照すると、半反射薄膜BL1が、ITOやAlSiOなどの無機層を含むマイクロキャビティの一方の側の隣りに配置され、この無機層の間に発光層(有機層1、有機層2として示された)が配置され、マイクロキャビティの反対側の隣りに反射構造BL2が配置されている。図2と図3と関連して後で説明するように、層BL2は完全反射でもよく、あるいはさらに他の完全反射層(例えば、Al層)から反射された光を部分的に透過させ位相ずれを起こさせてもよい。発光層は、エレクトロルミネセンスによって光を生成し、装置に入る周囲光にとって名目的に透明であり、後でより詳しく説明するように周囲光の位相ずれを起こす材料で作成される。
【0010】
半反射構造BL1は、後でより詳しく説明するような単層薄膜または多層薄膜から成ることができ、次の2つの目的を果たす。
1.入ってきた光を反射光と透過光に分ける。
2.反射光を後側電極から反射した光に対して約180°位相をずらす。光の約10〜15%が見る人の方に反射されることに注意されたい。
【0011】
しかしながら、装置が低い反射率を有し従って黒に見えるようになる弱め合う干渉を達成するために、半反射薄膜と反射薄膜との間に配置された有機層によって提供される相対的な位相ずれの合計が約0°でなければならない。この合計が正味0°の位相ずれは、光が有機層を2回通るときに起き、その1回は光が構造に入るときであり1回は反射したときである(すなわち、2x180°=360°=0°)。
【0012】
本発明によれば、有機層、任意のITOや他の無機層、および(BL2が部分的にだけ反射する場合は)BL2層の合計の厚さを、それらの層を通り後側陰極で反射し装置の後側から逆に進む光が、前にある半反射構造から反射した光に対してほぼ正味0°の位相ずれになるように選択し、同時に有機層1と有機層2の界面と反射性後側電極との間の距離を独立に制御することによって、周囲光の弱め合う干渉を実現することができる。
【0013】
単一薄膜BL1構造において、第1の層から反射される光は、その前面と後面の両方から反射されることに注意されたい。その結果、そのような180°位相がずれた光線が打ち消し合い、したがってその層の厚さは、180°の位相ずれを実現するように選択される。多層BL1構造において、光は、第1の層から反射され、次の層で位相ずれが起こされ、次の層から反射される。
【0014】
図1の装置からの反射率値を小さくするために、BL1の材料は、一般に、反射率値と関連したある程度の吸収度、すなわち光吸収率kを有し、それに対して光学濃度は、屈折率nによって定義される。位相ずれと所望の反射率を実現するために、n、kおよび厚さの組み合せが選択される。
吸光率kとBL1構造の厚さの組み合わせによって、BL1構造によっても光が吸収されることになる。これにより、放射光が装置を出るときにその一部が吸収されることになる。
【0015】
半反射構造BL1は、見る人と発光有機層1および有機層2との間に配置され、内部位相ずれの合計が、この第1の半反射構造から反射された光に対して約0°であるという条件で、装置内の様々な場所に配置することができる。例えば、一般に、装置内には、電流を装置に導きかつ放射光が装置から出て見る人に達する手段を提供する働きをする透明導電材料層(無機層1)(例えば、インジウム酸化錫)がある。
【0016】
また、半反射構造BL1が見る人とITOの間にあってもよく、ITOが半反射構造BL1と見る人の間にあってもよい。特に後者の場合、ITOの厚さは制限されない(しかし、所望の電気的動作に関して、例えば装置の動作電圧と適合するように選択されることがある)。最初のケースでは、ITOの厚さは、約0°の相対的位相ずれを達成するように考慮される。
【0017】
また、BL1の第1の半反射層が装置の有機層と接している場合は、これらの層が適切な仕事関数を有するように選択されることに注意されたい。一方、半反射層と有機層の間に無機層1の一部として仕事関数整合層を挿入してもよい。
有機層は、一般に、正孔注入層(例えば、TPD)と電子注入層(例えば、AIQ3)からなり、その境界面で光が生成される。これらの層の位置は、装置が、陽極が見る人の最も近くに配置された「下面放射装置」(図2)であるか、陰極が見る人の最も近くに配置された「上面放射装置」(図3)であるかに依存する。いずれの場合も、SMOLED装置において、発光領域は、これらの2つの層の境界の50〜200Å以内に配置される。放射光線の強め合う干渉が起こる場合、反射性後側電極に対するこの界面の位置は、注意深く選択される。弱め合う干渉が起こる場合、これらの層の完全な厚さも注意深く選択される。また一般にCuPcの導電有機材料層を後側電極と前側電極のどちらかの隣に挿入することによって様々な距離を制御することができる。
【0018】
最後に、反射構造BL2は、例えばアルミニウムの金属の単層と、従来技術にで知られておりかつ特定レベルの反射率に調整することができるいくつかの層からなる薄膜装置のどちらかからなる。最も単純な装置では、ほとんどの光は、後に反射されて第1の半反射構造から反射された光と干渉する。別の実施形態において、いくつかの層からなる薄膜装置の反射率を、この領域から反射された光の振幅が第1の半反射構造から反射された光の振幅とほぼ同じになるように調整することができ、半反射構造を通過するときに光の一部が吸収されることに注意されたい。
【0019】
また、そのような後側層から反射された光の位相をずらして、光の打ち消しを強化し、他の層すなわち有機スタックと第1の半反射構造の位相ずれ要件の自由度をある程度高めることがことができる。
特に上面放射構造に関係する別の実施形態において、第1の半反射構造は電極として働くことができ、ITOなどの透明導電材料が不要になる。この第1の半反射構造は、「TRANSPARENT-CATHODE FOR TOP-EMISSION ORGANIC LIGHT- EMITTING DIODES」と題する本願の所有者が所有するカナダ国特許出願第2,412,379号に記載されているように、基礎となる有機材料を破壊プロセスから守るバッファ層として働くこともでき、この出願の内容は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0020】
半反射構造が電気を導くような形で装置内に配置されている場合は、構造を接触している電極の形にパターン形成しなけばならない可能性が高い。しかしながら、別の実施形態において、この構造は、絶縁層を使用することよって構造から電気的に分離されてもよい。上面放射構造において、このためには、前側電極の上に絶縁物を付着させ、次に半反射構造を付着させなければならない。次に、透過光の位相ずれにおいて絶縁層の厚さが考慮される。下面放射装置において、半反射構造が基板に絶縁層と共に付着され、前面透明電極から分離される。この場合も、透過光の位相ずれにおいて絶縁層の厚さが考慮される。利点は、半反射構造をパターン形成する必要がなくなり、画素間と画素自体の上に光学干渉効果が生じることである。
【0021】
別の実施形態において、第1の半反射構造自体が絶縁体である場合は絶縁層を除去することができる。
さらに他の実施形態において、有機材料は、発光高分子または無機発光材料からなってもよい。
図2と図3に、以下のような例示的な実施形態を示す。
下面放射装置(図2)
図2の下面放射装置は、ガラスまたはプラスチックの基板上に作成される。最初に、基板上に半反射(半吸収)構造BL1が付着され、次にインジウム酸化錫(ITO)の導電層が付着される。次に、バッファ層CuPcが付着され、その後で正孔伝達層TPDと電子伝達層AlQ3が付着される。図1と一貫性を保つために、第2の完全反射構造BL2を示す。しかしながら、実際には、アルミニウムの最終層によって十分な反射が実現されるので、BL2構造はなくてもよい。
【0022】
前に述べたように、半反射構造BL’1は、入射した周囲光を部分的に反射し同時に周囲光を部分的に透過する。周囲光は外側面から反射されて反射光線R1となる。透過光は、BL1とITO層の間の界面から部分的に反射する前に90°位相ずれが起こされ、反射した光はさらに90°の位相ずれを受け、その結果R2はR1と位相が180°ずれ、弱め合う干渉(すなわち、反射光の打ち消し)が起こる。ITO、CuPC、TPDおよびAlQ3層を透過した周囲光は、さらに180°の位相ずれを受けた後でBL2(またはAl)面から反射し、そこで反射光はさらに180°の位相ずれを受け、その結果、BL1/ITO界面を外方に進む周囲光に対するBL1/ITO界面を内方に進む周囲光の位相ずれは正味360°になる。その結果、R3は、R2と位相特性が類似する(すなわち、R3は入射周囲光と弱め合う干渉を受ける)。一方、有機層(すなわち、正孔層TPDと電子層AlQ3の界面)内で生成された光は、強め合う干渉から利益を得るように、位相が合っている(すなわち、R4とR5は位相が合っている)。
【0023】
様々な構造層の例示的な厚さと厚さの範囲を後に示し、層のいくつかは全く任意選択(すなわち、厚さ0)であることに注意されたい。それにもかかわらず、全体的な厚さと材料は、BL1と反射面(すなわち、BL2またはAl)の間の層を通る周囲光の正味360°の位相ずれを引き起こす屈折率を保証するように選択される。同じように重要なことには、TPDとAlQ3の界面での光反射領域の位置が、その領域内で生成され半反射BL1構造と完全反射BL2またはAl層の間のマイクロキャビティ構造で反射する光の同相特性を保証するように選択される。
BL1:広い範囲の材料でよく、1つまたは複数の層からなることができる。一般に、BL1構造は、AlSiO(比率3:2,5.5nm)、SiO2(60nm)、およびアルミニウム(10nm)からなる。
ITO:標準的な厚さは約1200Åであるが、約0〜約2500Åの範囲内である。
CuPc:標準的な厚さは250Åであるが、約0〜約500Åの範囲内である。ITO層とCuPC層の合計の厚さは、単一経路で180°の位相ずれを起こすように約1450Åでなければならない(標準的なn、k値を想定し、有機材料(TPDとAlQ3)も180°の位相ずれを提供すると想定する)。
TPDまたは有機層1:約450Åが好ましいが、200〜500Åの範囲内である。
AlQ3または有機層2:約600Åが好ましいが、200〜800Åの範囲内である。
【0024】
ITO、CuPC、TPD、およびAlQ3層の厚さの合計が、放射光の2つの経路(標準的なnおよびk値を想定する)で360°の位相ずれを可能にするように約2500Åであることが好ましい。2つの有機層の厚さを小さくするために、バッファ層、例えばCuPcが使用されることがある。
BL2:アルミニウムとケイ素の一酸化物を含む広い範囲の材料を使用することができる。所望の反射率値を提供するようにアルミニウムとケイ素の一酸化物の比率を変更しなければならない。最適の装置において、前述のように後側陰極(Al)から最大の反射を得るために、BL2構造が省略されてもよい(すなわち、厚さ0)。
Al:約1500Å。
上面放射装置(図3)
図3の上面放射構造において、アルミニウム層が約1200Åの厚さに付着されるガラスまたはプラスチックの基板が提供される。次に、ITO、CuPc、TPD、およびAlQ3の連続層が、図2と関連した前の説明と同じ厚さと類似の仕様に付着される。
最後に、図1に関して前に説明したようにBL1構造が1層または複数層で付着される。標準的な構造は、AlSiO(比率3:2、5.5nm)、Si02(60nm)、およびアルミニウム(10nm)からなる。
【0025】
半反射構造の所望の要件を満たすように光学定数を調整するときに、BL1としてITOを使用することができる。アルミニウムまたは銀をドープしたITOは、吸収を高めることが知られている(副次的結果として導電率が高くなる)。この場合、ITOは厚さ約450Åである。
図2と図3の両方の実施形態の現在の好ましい性能は、約555nmの可視光で反射率約0%であり、円偏光子のない最適化された反射陰極装置の理想的なケースと比べて約45%〜約50%の効率である。
【0026】
本発明の以上述べた実施形態は、本発明の例として意図されており、当業者はこれらの実施形態に代替および修正を行うことができる。例えば、材料の注意深い選択によって、可視範囲全体にわたる広い帯域で360°の位相ずれ効果(および180°の弱め合う効果)を作り出すことができる。波長と共に大きくなる屈折率を有する特定の材料を選択しなければならない。AlSiO混合物は、適切な材料セットを提供する。特定の厚さのそのような材料をマイクロキャビティに挿入することによって(例えば、ITOまたは有機材料の一部分を置き換えることによって)、キャビティの光学的厚さは、可視波長の場合ほぼ一定のままになる(すなわち、400nm〜700nm)。そのようなすべての修正と変更は、本明細書に添付した特許請求の範囲によって定義したような本発明の範囲内にあると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
次に添付図面を参照して、本発明の特定の好ましい実施形態を例として説明する。
【図1】本発明の一般的な態様による有機エレクトロルミネセンス装置の発光層とコントラスト強化層の側面断面図である。
【図2】本発明の1つの実施形態による下面放射有機エレクトロルミネセンス装置の側面断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態による上面放射有機エレクトロルミネセンス装置の側面断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半反射構造、反射構造および光生成のための複数の中間層を含むエレクトロルミネセンス装置であって、前記半反射構造の厚さが反射する周囲光の弱め合う光干渉を引き起こすように選択され、前記中間層が、生成された光の強め合う光干渉と、前記半反射構造から透過し前記反射構造から反射した周囲光の約360°の位相ずれと、を引き起こすマイクロキャビティを作成するように選択された厚さを有し、その結果、前記透過した周囲光が、前記半反射構造内でさらに弱め合う光干渉を受けるようになるエレクトロルミネセンス装置。
【請求項2】
前記中間層が正孔伝達層と電子伝達層とを含み、前記正孔伝達層と前記電子伝達層との間の界面には光生成領域を有する、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項3】
前記正孔伝達層がTPDを含み、前記電子伝達層がAlQ3を含む、請求項2に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項4】
前記中間層が前記TPD層に隣接するCuPCのバッファ層を含む、請求項3に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項5】
前記中間層は、前記CuPC層に隣接するITOの導電層を含む、請求項4に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項6】
中間層の前記厚さが、AlQ3=200〜800Å、TPD=200〜500Å、CuPC=0〜500Å、ITO=0〜2500Åである、請求項5に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項7】
前記半反射構造が、Al、SiO2およびCrのうちの少なくとも1つの層を含む、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項8】
前記反射構造がAl層を含む、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項9】
前記反射構造が、上面放射装置を構成するように基板上に付着された、請求項1〜8のいずれかに記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項10】
前記半反射構造が、下面放射装置を構成するように透明基板上に付着された、請求項1〜8のいずれかに記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項11】
前記基板が、透明なプラスチックまたはガラスのいずれかである、請求項10に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項12】
前記中間層が、発光高分子または有機発光材料のいずれかである、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項13】
前記半反射構造は、AlSiO(比率3:2、5.5nm)、Si02(60nm)およびアルミニウム(10nm)を含む、請求項7に記載のエレクトロルミネセンス装置
【請求項14】
中間層の前記厚さが、AlQ3=600Å、TPD=450Å、CuPC=250Å、ITO=1200Åである、請求項6のエレクトロルミネセンス装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半反射構造、反射構造および光生成のための複数の中間層を含むエレクトロルミネセンス装置であって、前記半反射構造の厚さが反射する周囲光の弱め合う光干渉を引き起こすように選択され、前記中間層が、生成された光の強め合う光干渉と、前記半反射構造から透過し前記反射構造から反射した周囲光の約360°の位相ずれと、を引き起こすマイクロキャビティを作成するように選択された厚さを有し、その結果、前記透過した周囲光が、前記半反射構造内でさらに弱め合う光干渉を受けるようになるエレクトロルミネセンス装置。
【請求項2】
前記中間層が正孔伝達層と電子伝達層とを含み、前記正孔伝達層と前記電子伝達層との間の界面には光生成領域を有する、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項3】
前記正孔伝達層がTPDを含み、前記電子伝達層がAlQ3を含む、請求項2に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項4】
前記中間層が前記TPD層に隣接するCuPCのバッファ層を含む、請求項3に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項5】
前記中間層は、前記CuPC層に隣接するITOの導電層を含む、請求項4に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項6】
中間層の前記厚さが、AlQ3=200〜800Å、TPD=200〜500Å、CuPC=0〜500Å、ITO=0〜2500Åである、請求項5に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項7】
前記半反射構造が、Al、SiO2およびCrのうちの少なくとも1つの層を含む、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項8】
前記反射構造がAl層を含む、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項9】
前記反射構造が、上面放射装置を構成するように基板上に付着された、請求項1〜8のいずれかに記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項10】
前記半反射構造が、下面放射装置を構成するように透明基板上に付着された、請求項1〜8のいずれかに記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項11】
前記基板が、透明なプラスチックまたはガラスのいずれかである、請求項10に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項12】
前記中間層が、発光高分子または有機発光材料のいずれかである、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項13】
前記半反射構造は、AlSiO(比率3:2、5.5nm)、Si02(60nm)およびアルミニウム(10nm)を含む、請求項7に記載のエレクトロルミネセンス装置
【請求項14】
中間層の前記厚さが、AlQ3=600Å、TPD=450Å、CuPC=250Å、ITO=1200Åである、請求項6のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項15】
360°の位相ずれが可視光領域でも生じるように、前記中間層が選択されている、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
【請求項16】
波長と共に大きくなる屈折率を有するように選択された層を有する、請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−506776(P2006−506776A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550583(P2004−550583)
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001742
【国際公開番号】WO2004/044998
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(505174286)ラクセル, テクノロジーズ インク (1)
【Fターム(参考)】