説明

コントローラー装置

【課題】 入力端子から入力した複数のオーディオ信号をミックスしたり、出力するオーディオ信号を選択する作業を容易にすることができるコントローラー装置を提供する。
【解決手段】 オーディオ信号を入力する第1の入力部及び第2の入力部と、前記第1の入力部及び前記第2の入力部に入力されたオーディオ信号を入力するマスター入力コントロール部とを備え、前記マスター入力コントロール部は、つまみ部を時計回り方向または反時計回り方向に回転させることにより前記第1の入力部及び前記第2の入力部に入力されたオーディオ信号の音量バランスを変化させて出力するPANコントロール部と、つまみ部を時計回り方向または反時計回り方向に回転させることにより前記PANコントロール部から入力したオーディオ信号の音量レベルを一括して変化させて出力するレベルコントロール部とを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクジョッキー等が用いるDJ用パーソナルコンピュータ用のソフトウェアの動作及び外部から入力したオーディオ信号のミキシングをコントロールするコントローラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクジョッキー(Disc Jockey(以下、DJという。))がダンスクラブ等で用いるオーディオ再生装置として、オーディオ再生装置の操作部を操作してアナログレコードまたはコンパクトディスク(Compact Disc(以下、CDという。))等のオーディオ記録媒体に記録されたオーディオデータをアレンジし、例えば、スクラッチ奏法やループ再生奏法などの様々な再生を行うDJ用の再生装置がある(例えば、特許文献1及び2参照)。一方、近年、パーソナルコンピュータ(Personal Computer(以下、PCという。))と専用のソフトウェアによって、DJが行うパフォーマンスと同じようにオーディオデータをアレンジして再生を行うPCDJと言われるものがある(例えば、非特許文献1参照)。このPCDJは、高価なDJ用の再生装置と比較して、自前のPCと専用のソフトウェアを用意するのみで安価で手軽にDJと同じようなアレンジパフォーマンスを行うことができることから、このPCDJのシステムが急激に普及してきている。
【0003】
近年、前述したDJ用の再生装置に備える操作子と同様の操作子を備え、この操作子を操作することによって前述したPCDJの動作をコントロールすることができるコントローラー装置が知られている。このコントローラー装置は、従来のDJ用再生装置に備えられている様々な操作子と同様の操作子を操作することによって、PCDJの動作をコントロールすることができるため、PCDJとコントローラー装置を用いることによって、高価なDJ用の再生装置を用いなくても、従来のDJ用再生装置と同様のパフォーマンスを行うことができる。
【0004】
このコントローラー装置は、PCDJの動作をコントロールする機能に加え、例えば、従来のミキシング装置(例えば、特許文献3参照)のように、オーディオ信号を入力する複数の入力端子とオーディオ信号を出力する複数の出力端子を備え、パネル上に備えた様々な操作子を操作して当該入力端子から入力した複数のオーディオ信号をミックスして出力するミキシング機能や、入力した複数のオーディオ信号の内から出力端子によって出力するオーディオ信号を選択するセレクター機能を備えたものが知られている。
【0005】
図6は、従来のコントローラー装置を示すブロック図である。
コントローラー装置100は、デジタルデータ入力部6、D/A変換部7、マスター出力ボリュウム部8、第1の入力部11、第2の入力部12、マスター出力部13、操作部15、コントロール信号出力部16、第1の入力ボリュウム部50及び第2の入力ボリュウム部51を備える。
【0006】
操作部15は、PCDJの動作をコントロールするための各種操作指示を受け付ける。コントロール信号出力部16は、操作部15によって受け付けたPCDJの各種操作指示信号をPCDJに出力する。PCDJは、コントロール信号出力部16から出力された各種操作指示信号に応じて再生開始動作、再生停止動作等を行う。
【0007】
デジタルデータ入力部6は、PCDJから出力されたデジタルオーディオデータを入力する。D/A変換部7は、デジタルデータ入力部6から入力されたデジタルオーディオデータをアナログオーディオ信号に変換する。第1の入力部11及び第2の入力部12は、例えば、外部のCDプレーヤから出力されたアナログオーディオ信号をそれぞれ入力する。
【0008】
第1の入力ボリュウム部50及び第2の入力ボリュウム部51は、回動可能なボリュウムから成り、当該ボリュウムを回転させることによって、それぞれ第1の入力部11及び第2の入力部12から入力されたアナログオーディオ信号の音量レベルを変化させる。マスター出力ボリュウム部8は、回動可能なボリュウムから成り、当該ボリュウムを回転させることによって、第1の入力ボリュウム部50、第2の入力ボリュウム部51及びD/A変換部7から出力されたそれぞれのアナログオーディオ信号の音量レベルを一括して変化させる。マスター出力部13は、マスター出力ボリュウム部8から出力されたアナログオーディオ信号をアンプ装置等に出力する。
【0009】
以上のように、従来のコントローラー装置100は、操作部15によって受け付けたPCDJの各種操作指示信号をPCDJに出力することによって、PCDJの再生開始動作、再生停止動作等のコントロールをすることができる。また、従来のコントローラー装置100は、第1の入力部11及び第2の入力部12にCDプレーヤからのアナログオーディオ信号がそれぞれ入力され、また、デジタルデータ入力部6にPCDJからのデジタルオーディオデータが入力された場合、ユーザが第1の入力ボリュウム部50、第2の入力ボリュウム部51及びマスター出力ボリュウム部8のボリュウムを調節することによって、ユーザが所望するオーディオ信号を任意にミックスさせ、また、ユーザが希望するオーディオ信号の音量レベルを任意に変化させたオーディオ信号をマスター出力部13を介してアンプ装置に出力することができる。
【0010】
例えば、第1の入力部11及び第2の入力部12にCDプレーヤからのアナログオーディオ信号がそれぞれ入力され、また、デジタルデータ入力部6にPCDJからのデジタルオーディオデータが入力されている場合、ユーザが第1の入力ボリュウム部50及び第2の入力ボリュウム部51を操作して第1の入力部11及び第2の入力部12に入力されたオーディオ信号の音量レベルを絞りきっておくことにより、マスター出力ボリュウム部8にはデジタルデータ入力部6から入力されたPCDJからのオーディオ信号のみが入力される。このため、マスター出力部13を介してアンプ装置に出力されるオーディオ信号はPCDJから出力されたオーディオ信号のみとなるので、ユーザは、マスター出力ボリュウム部8を操作してPCDJから出力されたオーディオ信号の音量を任意のレベルに変化させてマスター出力部13を介してアンプ装置にPCDJから出力されたオーディオ信号を出力することができる。
【0011】
また、例えば、第1の入力部11及び第2の入力部12にCDプレーヤからのアナログオーディオ信号がそれぞれ入力され、デジタルデータ入力部6にPCDJからのデジタルオーディオデータが入力されている場合、第2の入力ボリュウム部51を操作して第2の入力部12から入力されたオーディオ信号の音量レベルを絞りきった状態とし、第1の入力ボリュウム部50を操作して第1の入力部11から入力されたオーディオ信号がマスター出力ボリュウム部8に出力されるオーディオ信号のレベルをある程度の音量レベルに設定しておくことにより、マスター出力ボリュウム部8には、デジタルデータ入力部6から入力されたPCDJからのオーディオ信号と、第1の入力部11から入力されたCDプレーヤからのオーディオ信号が入力される。このため、マスター出力部13を介してアンプ装置に出力されるオーディオ信号は第1の入力部11に入力されたCDプレーヤからのオーディオ信号とPCDJから出力されたオーディオ信号がミックスされたオーディオ信号となるので、ユーザは、マスター出力ボリュウム部8を操作してPCDJから出力されたオーディオ信号の音量と第1の入力部11から入力したCDプレーヤからのオーディオ信号を一括させて任意のレベルに変化させてマスター出力部13を介してアンプ装置にPCDJから出力されたオーディオ信号を出力することができる。
【0012】
このように、従来のコントローラー装置100は、2台のCDプレーヤからそれぞれ出力されたオーディオ信号とPCDJから出力されたオーディオ信号をそれぞれ入力し、アンプ装置に出力させるオーディオ信号を任意に選択しつつ、選択した任意のオーディオ信号の信号レベルを変化させてアンプ装置に出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−021379号公報
【特許文献2】特開2007−257771号公報
【特許文献3】特開平9−28483号公報
【非特許文献1】CDJ講座、[平成22年5月19日検索]、インターネット<URL:http://www.PC-DJ.net/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
図6に示すような従来のコントローラー装置100は、第1の入力部11に入力されたオーディオ信号の音量レベルを第1の入力ボリュウム部50によって変化させ、また第2の入力部12入力されたオーディオ信号の音量レベルを第2の入力ボリュウム部51によって変化させる構成であるため、マスター出力ボリュウム部8に入力される第1の入力部11からのオーディオ信号、第2の入力部12からのオーディオ信号及びデジタルデータ入力部6から入力されD/A変換部7によってアナログ変換されたオーディオ信号の音量レベルをそれぞれ所望する音量レベルに調節してアンプ装置に出力することが困難となる。つまり、例えば、第1の入力部11に入力されたオーディオ信号と第2の入力部12に入力されたオーディオ信号及びD/A変換部7を介してデジタルデータ入力部6から入力されたオーディオ信号の3つのオーディオ信号を、略同じ音量レベルとしてアンプ装置に出力させたい場合、D/A変換部7を介してデジタルデータ入力部6から入力されるマスター出力ボリュウム部8に出力されるオーディオ信号の信号レベルは予め定めた一定の音量レベルであるため、マスター出力ボリュウム部8に入力される第1の入力部11及び第2の入力部12からのオーディオ信号の信号レベルがD/A変換部7から出力されるPCDJからのオーディオ信号の信号レベルと略同一となるように、それぞれ第1の入力ボリュウム部50及び第2の入力ボリュウム部51の操作によって調整しておく必要があり、この調整作業が煩わしい。
【0015】
また、例えば、PCDJからの入力信号がなく、第1の入力部11から入力されるオーディオ信号の音量レベルと第2の入力部12から入力されるオーディオ信号が著しく異なった音量レベルで入力されている場合であって、第1の入力部11から入力されるオーディオ信号と第2の入力部12から入力されるオーディオ信号のそれぞれのオーディオ信号の音量レベルを略同一にしてアンプ装置に出力したい場合、マスター出力ボリュウム部8に入力される第1の入力部11及び第2の入力部12からのオーディオ信号の信号レベルが略同一となるように、それぞれ第1の入力ボリュウム部50及び第2の入力ボリュウム部51を操作によって調整しておく必要があり、この調整作業が煩わしい。
【0016】
更に、第1の入力部11及び第2の入力部12にはCDプレーヤが接続されずに、デジタルデータ入力部6にPCDJから入力されたオーディオ信号のみが入力され、マスター出力部13を介してアンプ装置にPCDJが出力したオーディオ信号のみを出力させている場合に、急遽、第1の入力部11及び第2の入力部12にCDプレーヤが接続され、アンプ装置に出力させるオーディオ信号をPCDJからのオーディオ信号に代えて、第1の入力部11及び第2の入力部12から入力されるCDプレーヤからのオーディオ信号に切替えようとする場合、ユーザは第1の入力部11及び第2の入力部12に新たに接続されたCDプレーヤから出力されるオーディオ信号の音量レベルを確認しつつ、第1の入力ボリュウム部50及び第2の入力ボリュウム部51を操作してマスター出力ボリュウム部8に入力されるオーディオ信号の音量レベルを調整しつつ、マスター出力ボリュウム部8による一括音量レベルの調整も行わなければならないため、この調整作業が煩わしい。
【0017】
本発明は、操作子を操作することによってPCDJの動作をコントロールすると共に、複数の入力端子と複数の出力端子を備え、パネル上に備えた様々な操作子を操作して当該入力端子から入力した複数のオーディオ信号をミックスしたり、出力するオーディオ信号を選択するセレクター機能を備えたコントローラー装置において、入力端子から入力した複数のオーディオ信号をミックスしたり、出力するオーディオ信号を選択する作業を容易にすることができるコントローラー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の課題を解決するために、本願の請求項1記載の発明は、パーソナルコンピュータ用のソフトウェアの動作及び外部から入力したオーディオ信号のミキシングをコントロールするコントローラー装置において、オーディオ信号を入力する第1の入力部及び第2の入力部と、前記第1の入力部及び前記第2の入力部に入力されたオーディオ信号を入力するマスター入力コントロール部とを備え、前記マスター入力コントロール部は、つまみ部を時計回り方向または反時計回り方向に回転させることにより前記第1の入力部及び前記第2の入力部に入力されたオーディオ信号の音量バランスを変化させて出力するPANコントロール部と、つまみ部を時計回り方向または反時計回り方向に回転させることにより前記PANコントロール部から入力したオーディオ信号の音量レベルを一括して変化させて出力するレベルコントロール部とを備えることを特徴とする。
【0019】
本願の請求項2記載の発明は、請求項1記載のコントローラー装置において、前記PANコントロール部は、前記つまみ部を反時計回り方向に所定の角度だけ回転させた場合、前記第1の入力部から入力したオーディオ信号のみを出力し、前記つまみ部を時計回り方向に所定の角度だけ回転させた場合、前記第2の入力部から入力したオーディオ信号のみを出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、操作子を操作することによってPCDJの動作をコントロールすると共に、複数の入力端子と複数の出力端子を備え、パネル上に備えた様々な操作子を操作して当該入力端子から入力した複数のオーディオ信号をミックスしたり、出力するオーディオ信号を選択するセレクター機能を備えたコントローラー装置において、入力端子から入力した複数のオーディオ信号をミックスしたり、出力するオーディオ信号を選択する作業を容易にすることができるコントローラー装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例であるコントローラー装置の構成を示す斜視図。
【図2】本実施例のコントローラー装置1を示すブロック図。
【図3】本実施例のコントローラー装置1のマスター入力コントロール部5を示すブロック図。
【図4】本実施例のコントローラー装置1のマスター入力コントロール部5を示す上面図。
【図5】本実施例のコントローラー装置1において、マスター入力コントロール部5の操作によるオーディオ信号のミキシング特性を示す図で、図5(a)はPANコントロール部501のつまみ部5011の回転に伴うオーディオ信号のミキシング特性を示す図、図5(b)はレベルコントロール部502のつまみ部5021の回転に伴うオーディオ信号のミキシング特性を示す図。
【図6】従来のコントローラー装置を示すブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるコントローラー装置の構成を示す斜視図である。
コントローラー装置1は、マスター入力コントロール部5、デジタルデータ入力部6、マスター出力ボリュウム部8、第1の入力部11、第2の入力部12、マスター出力部13、操作部15、コントロール信号出力部16、筐体101及びパネル102を備える。マスター入力コントロール部5及びマスター出力ボリュウム部8は、パネル102の表面に配設され、また、デジタルデータ入力部6、第1の入力部11、第2の入力部12、マスター出力部13及びコントロール信号出力部16は、筐体101の側面に配設されている。
【0023】
図2は、本実施例のコントローラー装置1を示すブロック図である。
コントローラー装置1は、前述した構成の他に、筐体101の内部にD/A変換部7を備える。
【0024】
操作部15は、PCDJの動作をコントロールするための各種操作指示を受け付ける。コントロール信号出力部16は、操作部15によって受け付けたPCDJの各種操作指示信号をPCDJに出力する。PCDJは、コントロール信号出力部16から出力された各種操作指示信号に応じて再生開始動作、再生停止動作等を行う。
【0025】
デジタルデータ入力部6は、PCDJから出力されたデジタルオーディオデータを入力する。D/A変換部7は、デジタルデータ入力部6から入力されたデジタルオーディオデータをアナログオーディオ信号に変換する。第1の入力部11及び第2の入力部12は、例えば、外部のCDプレーヤから出力されたアナログオーディオ信号をそれぞれ入力する。
【0026】
図3は、本実施例のコントローラー装置1のマスター入力コントロール部5を示すブロック図である。
【0027】
図3に示すように、マスター入力コントロール部5は、PANコントロール部501及びレベルコントロール部502を備える。PANコントロール部501は、回動可能なボリュウムから成り、当該ボリュウムを回転させることによって、第1の入力部11及び第2の入力部12から入力されたアナログオーディオ信号のバランスを調整してダウンミックスする。レベルコントロール部502は、回動可能なボリュウムから成り、当該ボリュウムを回転させることによって、PANコントロール部501から入力したオーディオ信号の音量レベルを調整する。
【0028】
マスター出力ボリュウム部8は、後述するように回動可能なボリュウムから成り、当該ボリュウムを回転させることによって、マスター入力コントロール部5及びD/A変換部7から出力されたそれぞれのオーディオ信号の音量レベルを一括して変化させる。マスター出力部13は、マスター出力ボリュウム部8から出力されたアナログオーディオ信号をアンプ装置等に出力する。
【0029】
図4は、本実施例のコントローラー装置1のマスター入力コントロール部5を示す上面図である。
【0030】
図4に示すように、PANコントロール部501は、円筒形のつまみ部5011を備え、このつまみ部5011は、表面に目印5010を備える。また、レベルコントロール部502は、円筒形のつまみ部5021を備え、このつまみ部5021は、表面に目印5020を備える。つまみ部5011及びつまみ部5021は、それぞれパネル102から上方に突出している。
【0031】
パネル102は、PANコントロール部501のつまみ部5011の周囲に、図4に示すような印刷部9が施される。PANコントロール部501のつまみ部5011は、目印5010が「LINE1」の印刷部9が施された位置から「LINE2」の印刷部9が施された位置までの回転範囲において、時計回り及び反時計周りに自在に回転可能に成される。
【0032】
また、パネル102は、レベルコントロール部502のつまみ部5021の周囲に、図4に示すような印刷部9が施される。レベルコントロール部502のつまみ部5021は、目印5020が「−∞」の印刷部9が施された位置から「MAX」の印刷部9が施された位置までの回転範囲において、時計回り及び反時計周りに自在に回転可能に成される。
【0033】
図5は、本実施例のコントローラー装置1において、マスター入力コントロール部5の操作によるオーディオ信号のミキシング特性を示す図で、図5(a)はPANコントロール部501のつまみ部5011の回転に伴うオーディオ信号のミキシング特性を示す図、図5(b)はレベルコントロール部502のつまみ部5021の回転に伴うオーディオ信号のミキシング特性を示す図である。
【0034】
PANコントロール部501は、図4及び図5に示すように、目印5010が略中央の位置になっている場合、第1の入力部11から入力されたオーディオ信号と第2の入力部12から入力されたオーディオ信号を略同一の音量バランスでダウンミックスする。
【0035】
PANコントロール部501は、図4及び図5に示すように、つまみ部5011の目印5010が略中央の位置から反時計回り方向に回転するのに伴って第1の入力部11から入力されたオーディオ信号の音量を第2の入力部12から入力されたオーディオ信号の音量よりも大きな音量レベルとなるようバランス調整してダウンミックスしてレベルコントロール部502に出力し、更につまみ部5011を反時計回り方向に回転させて目印5010が「LINE1」の位置となったときは、第1の入力部11から入力されたオーディオ信号のみをダウンミックスしてレベルコントロール部502に出力する。また、PANコントロール部501は、図4及び図5に示すように、つまみ部5021の目印5010が略中央の位置から時計回り方向に回転するのに伴って第2の入力部12から入力されたオーディオ信号の音量を第1の入力部11から入力されたオーディオ信号の音量よりも大きな音量レベルとなるようバランス調整してダウンミックスしてレベルコントロール部502に出力し、更につまみ部5021を時計回り方向に回転させて目印5010が「LINE2」の位置となったときは、第2の入力部12から入力されたオーディオ信号のみをダウンミックスしてレベルコントロール部502に出力する。
【0036】
レベルコントロール部502は、図4及び図5に示すように、つまみ部5021の目印5020が略中央の位置から反時計回り方向に回転するのに伴ってPANコントロール部501から入力されたオーディオ信号の音量レベルを一括して小さい音量レベルにして出力し、更につまみ部5021を反時計回り方向に回転させて目印5020が「−∞」の位置となったときは、PANコントロール部501から入力されたオーディオ信号の音量レベルを0にし、マスター出力ボリュウム部8にオーディオ信号を出力しない。また、レベルコントロール部502は、図4及び図5に示すように、つまみ部5021の目印5020が略中央の位置から時計回り方向に回転するのに伴ってPANコントロール部501から入力されたオーディオ信号の音量レベルを一括して大きい音量レベルにして出力し、更につまみ部5021を時計回り方向に回転させて目印5020が「MAX」の位置となったときは、PANコントロール部501から入力されたオーディオ信号の音量レベルを最大の音量レベルにしてマスター出力ボリュウム部8に出力する。
【0037】
以上のように、本実施例のコントローラー装置1は、PANコントロール部501及びレベルコントロール部502を備えたマスター入力コントロール部5を備えているため、第1の入力部11及び第2の入力部12から入力されたオーディオ信号の信号レベルのバランス調整と、バランス調整後にダウンミックスしたオーディオ信号の音量レベルの調整を簡単に行うことができる。
【0038】
例えば、第1の入力部11に入力されたオーディオ信号と第2の入力部12に入力されたオーディオ信号及びD/A変換部7を介してデジタルデータ入力部6から入力されたオーディオ信号の3つのオーディオ信号を略同じ音量レベルとしてアンプ装置に出力させたい場合、先ず、PANコントロール部501のつまみ部5011を回転させて第1の入力部11から入力されたオーディオ信号と第2の入力部12から入力されたオーディオ信号の音量バランスが略同一となるよう調節し、次に、レベルコントロール部502のつまみ部5021を回転させて、PANコントロール部501によってバランス調節後にダウンミックスされた信号の音量レベルがD/A変換部7を介してデジタルデータ入力部6から入力されるオーディオ信号の音量レベルと略同一の音量レベルとなるよう調節する。このように、PANコントロール部501及びレベルコントロール部502のそれぞれのつまみ部5011及びつまみ部5021を調節することによって、第1の入力部11に入力されたオーディオ信号と第2の入力部12に入力されたオーディオ信号及びD/A変換部7を介してデジタルデータ入力部6から入力されたオーディオ信号の3つのオーディオ信号を簡単に略同じ音量レベルとしてアンプ装置に出力させることができる。
【0039】
また、例えば、デジタルデータ入力部6への入力信号がなく、第1の入力部11から入力されるオーディオ信号の音量レベルと第2の入力部12から入力されるオーディオ信号が著しく異なった音量レベルで入力されている場合であって、第1の入力部11から入力されるオーディオ信号と第2の入力部12から入力されるオーディオ信号のそれぞれのオーディオ信号の音量レベルを略同一にしてアンプ装置に出力したい場合、先ず、PANコントロール部501のつまみ部5011を回転させて第1の入力部11から入力されたオーディオ信号と第2の入力部12から入力されたオーディオ信号の音量バランスが略同一の音量レベルとなるよう調節し、次に、レベルコントロール部502のつまみ部5021を回転させて、PANコントロール部501によってバランス調節後にダウンミックスされたオーディオ信号の音量レベルをある程度の音量レベルになるよう調節する。このように、PANコントロール部501及びレベルコントロール部502のそれぞれのつまみ部5011及びつまみ部5021を調節することによって、第1の入力部11から入力されるオーディオ信号の音量レベルと第2の入力部12から入力されるオーディオ信号が著しく異なった音量レベルで入力されている場合であっても、第1の入力部11から入力されるオーディオ信号と第2の入力部12から入力されるオーディオ信号のそれぞれのオーディオ信号の音量レベルを簡単に略同一にしてアンプ装置に出力することができる。
【0040】
また、更に、第1の入力部11及び第2の入力部12にはCDプレーヤが接続されずに、デジタルデータ入力部6にPCDJから入力されたオーディオ信号のみが入力され、マスター出力部13を介してアンプ装置にPCDJが出力したオーディオ信号のみを出力させている場合に、急遽、第1の入力部11及び第2の入力部12にCDプレーヤが接続され、アンプ装置に出力させるオーディオ信号をPCDJからのオーディオ信号に代えて、第1の入力部11及び第2の入力部12から入力されるCDプレーヤからのオーディオ信号に切替えようとする場合、先ず、PANコントロール部501のつまみ部5011を回転させて第1の入力部11から入力されたオーディオ信号と第2の入力部12から入力されたオーディオ信号の音量バランスが略同一となるよう調節し、次に、レベルコントロール部502のつまみ部5021を回転させて、PANコントロール部501によってバランス調節後にダウンミックスされた信号の音量レベルをPCDJから入力されたオーディオ信号の音量レベルになるよう調節する。このように、PANコントロール部501及びレベルコントロール部502のそれぞれのつまみ部5011及びつまみ部5021を調節することによって、急遽、第1の入力部11及び第2の入力部12にCDプレーヤが接続され、アンプ装置に出力させるオーディオ信号をPCDJからのオーディオ信号に代えて、第1の入力部11及び第2の入力部12から入力されるCDプレーヤからのオーディオ信号に切替えようとする場合でも、簡単にアンプ装置に出力させるオーディオ信号をPCDJからのオーディオ信号に代えて第1の入力部11及び第2の入力部12から入力されるCDプレーヤからのオーディオ信号に切替えることができる。
【0041】
また、例えば、第1の入力部11及び第2の入力部12のそれぞれからオーディオ信号が入力されている場合において、アンプ装置に出力するオーディオ信号を第1の入力部11または第2の入力部12のどちらか一方のみのオーディオ信号に切替えたい場合、マスター入力コントロール部5のPANコントロール部501のつまみ部5011を回転させてPANコントロール部501の目印5010を「LINE1」の位置にするか、または、「LINE2」の位置にすることによって、簡単にアンプ装置に出力するオーディオ信号を第1の入力部11または第2の入力部12のどちらか一方のみにすることができる。
【0042】
以上のように本実施例のコントローラー装置1は、マスター入力コントロール部5に備えたPANコントロール部501及びレベルコントロール部502のそれぞれのつまみ部5011及びつまみ部5021を操作して第1の入力部11から入力されたオーディオ信号と第2の入力部12から入力されたオーディオ信号の音量バランスとダウンミックスしたオーディオ信号の音量レベルを調整することによって、それぞれの入力端子から入力した複数のオーディオ信号をミックスしたり、出力するオーディオ信号を選択する作業を容易にすることができる。
【0043】
本実施例のコントローラー装置1は、マスター入力コントロール部5に入力される信号を第1の入力部11から入力されるオーディオ信号と第2の入力部12から入力されるオーディオ信号の2系統のオーディオ信号としたが、3系統以上のオーディオ信号が入力される構成としても良い。
【0044】
また、本実施例のコントローラー装置1は、デジタルデータを入力する入力部としてデジタルデータ入力部6の1系統の入力部のみを備える構成としたが、2系統以上のデジタルデータを入力する入力部を備える構成としても良い。また、本実施例のコントローラー装置1は、マスター入力コントロール部5から入力されたオーディオ信号とD/A変換部7から入力されたオーディオ信号の音量レベルを一括して調整するマスター出力ボリュウム部8を備える構成としたが、マスター入力コントロール部5からのオーディオ信号とD/A変換部7からのオーディオ信号の音量レベル調整が不要な場合は、マスター出力ボリュウム部8を備えない構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ディスクジョッキー等が用いるDJ用パーソナルコンピュータ用のソフトウェアの動作及び外部から入力したオーディオ信号のミキシングをコントロールするコントローラー装置に有用に用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 コントローラー装置、101 筐体、102 パネル、
5 マスター入力コントロール部、
501 PANコントロール部、5010 目印、5011 つまみ部、
502 レベルコントロール部、5020 目印、5021 つまみ部、
6 デジタルデータ入力部、7 D/A変換部、8 マスター出力ボリュウム部、
9 印刷部、11 第1の入力部、12 第2の入力部、13 マスター出力部、
15 操作部、16 コントロール信号出力部、100 コントローラー装置、
50 第1の入力ボリュウム部、51 第2の入力ボリュウム部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルコンピュータ用のソフトウェアの動作及び外部から入力したオーディオ信号のミキシングをコントロールするコントローラー装置において、
オーディオ信号を入力する第1の入力部及び第2の入力部と、
前記第1の入力部及び前記第2の入力部に入力されたオーディオ信号を入力するマスター入力コントロール部とを備え、
前記マスター入力コントロール部は、つまみ部を時計回り方向または反時計回り方向に回転させることにより前記第1の入力部及び前記第2の入力部に入力されたオーディオ信号の音量バランスを変化させて出力するPANコントロール部と、つまみ部を時計回り方向または反時計回り方向に回転させることにより前記PANコントロール部から入力したオーディオ信号の音量レベルを一括して変化させて出力するレベルコントロール部とを備えることを特徴とするコントローラー装置。
【請求項2】
請求項1記載のコントローラー装置において、
前記PANコントロール部は、前記つまみ部を反時計回り方向に所定の角度だけ回転させた場合、前記第1の入力部から入力したオーディオ信号のみを出力し、前記つまみ部を時計回り方向に所定の角度だけ回転させた場合、前記第2の入力部から入力したオーディオ信号のみを出力することを特徴とするコントローラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−93737(P2013−93737A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234503(P2011−234503)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(309039716)株式会社ディーアンドエムホールディングス (37)