説明

コンバインの刈取装置

【課題】搬送装置を構成する左右一対の搬送体に挟持されて搬送される穀稈を、搬送装置から横送りオーガへ円滑に搬送して、受継時における穀粒損失を低減させる。
【解決手段】左右一対のデバイダと、該デバイダの後方に配設する搬送装置32と、該搬送装置の下方に配設する刈刃とを一つの刈取ユニットとして、該刈取ユニットを複数備えるとともに、該刈取ユニットの後方に横送りオーガ22とフィーダハウス23を備えるコンバインの刈取装置において、前記搬送装置32を構成する左右一対の搬送体40L・40Rを前後方向に配置し、フィーダハウス23側の搬送体40Lよりも長くなるように、他側の搬送体40Rを後方に突出して構成した。そして、前記フィーダハウス23側の搬送体40Lの後端部に、ガイド部材46を他側の搬送体40Rと平行に設けて後方に延出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、コンバインの前部に刈取ユニットを複数装着してなる刈取装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインにおいて、機体前部に設けられる刈取装置のプラットホームの前端に掻込リールと刈刃を設ける代わりに、大豆などを刈り取るロークロップヘッダ装置として複数の刈取ユニットからなる刈取装置を装着する構成は公知となっている。この刈取装置は、刈取ユニットをデバイダと、該デバイダの後方に配設する搬送装置と、該搬送装置の下方に配設する刈刃などから構成し、左右一対の突起付き下搬送用ベルトと突起付き上搬送用ベルトとからなる搬送装置により、デバイダで分草された穀稈をプラットホーム内に横設された横送りオーガまで搬送し、該オーガにより一側に搬送した穀稈を、フィーダハウスに内装された搬送コンベアで脱穀装置に搬送するように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−180124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の刈取装置においては、刈取ユニットの搬送装置は、左右平行に配置された一対の下搬送用ベルト及び上搬送用ベルトの後端部にガイド部材を設け、フィーダハウス側に向かって回動する搬送ベルトの突起がガイド部材に沿って突出した状態で穀稈を搬送するように構成することで、穀稈を搬送体から停滞することなく、フィーダハウスに近づきながら横送りオーガに搬送するようにしていたが、穀稈が搬送体でしっかりと挟持された状態から、すぐに横送りオーガに受け継がれて左右方向に搬送されることになるため、この受継時に穀稈に衝撃が発生し、穀稈が地面に落下したり、裂莢が生じたりして、穀粒損失が発生することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、左右一対のデバイダと、該デバイダの後方に配設する搬送装置と、該搬送装置の下方に配設する刈刃とを一つの刈取ユニットとして、該刈取ユニットを複数備えるとともに、該刈取ユニットの後方に横送りオーガとフィーダハウスを備えるコンバインの刈取装置において、前記搬送装置を構成する左右一対の搬送体を前後方向に配置し、フィーダハウス側の搬送体よりも長くなるように、他側の搬送体を後方に突出して構成したものである。
【0006】
請求項2においては、前記フィーダハウス側の搬送体の後端部に、ガイド部材を他側の搬送体と平行に設けて後方に延出したものである。
【0007】
請求項3においては、左右一対のデバイダと、該デバイダの後方に配設する搬送装置と、該搬送装置の下方に配設する刈刃とを一つの刈取ユニットとして、該刈取ユニットを複数備えるとともに、該刈取ユニットの後方に横送りオーガとフィーダハウスを備えるコンバインの刈取装置において、前記搬送装置を構成する左右一対の搬送体を前後方向に配置し、フィーダハウス側の搬送体の後端部が位置する搬送空間を大きく構成したものである。
【0008】
請求項4においては、前記フィーダハウス側の搬送体が位置する搬送空間に、ガイド部材を他側の搬送体と平行に前後方向に配設したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1においては、左右一対のデバイダと、該デバイダの後方に配設する搬送装置とを一つの刈取ユニットとして、該刈取ユニットを複数備えるコンバインの刈取装置において、前記搬送装置を構成する左右一対の搬送体を前後方向に配置し、刈取装置後部に接続されるフィーダハウス側の搬送体よりも長くなるように、他側の搬送体を後方に突出して構成したことから、搬送装置の後部において、搬送体による穀稈の挟持力を弱めて、穀稈を搬送体後端からその後方に配置したプラットホームの外に投げ出すことなく、横送りオーガに円滑に搬送することができる。そのため、搬送体から横送りオーガへの穀稈の受継時における穀稈への衝撃を緩和して、穀稈が地面に落下したり、裂莢が生じたりすることを防止して、穀粒損失を低減することができる。
【0011】
請求項2においては、前記フィーダハウス側の搬送体の後端部に、ガイド部材を他側の搬送体と平行に設けて後方に延出したことから、該ガイド部材により穀稈をガイドして、搬送体から横送りオーガに停滞させることなく搬送することができる。
【0012】
請求項3においては、左右一対のデバイダと、該デバイダの後方に配設する搬送装置と、該搬送装置の下方に配設する刈刃とを一つの刈取ユニットとして、該刈取ユニットを複数備えるとともに、該刈取ユニットの後方に横送りオーガとフィーダハウスを備えるコンバインの刈取装置において、前記搬送装置を構成する左右一対の搬送体を前後方向に配置し、フィーダハウス側の搬送体の後端部が位置する搬送空間を大きく構成したことから、搬送装置の後部において、搬送体による穀稈の挟持力を弱めて、穀稈を搬送体後端からその後方に配置したプラットホームの外に投げ出すことなく、横送りオーガに円滑に搬送することができる。そのため、搬送体から横送りオーガへの穀稈の受継時における穀稈への衝撃を緩和して、穀稈が地面に落下したり、裂莢が生じたりすることを防止して、穀粒損失を低減することができる。
【0013】
請求項4においては、前記フィーダハウス側の搬送体が位置する搬送空間に、ガイド部材を他側の搬送体と平行に前後方向に配設したことから、該ガイド部材により穀稈をガイドして、搬送体から横送りオーガに停滞させることなく搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るコンバインの側面図、図2は同じく平面図、図3は刈取ユニットの側面図、図4は刈取ユニットの取付部の斜視図、図5は搬送装置の平面図、図6は搬送装置の別実施例を示す平面図、図7はデバイダの取付構成の別実施例を示す側面図、図8は刈刃の取付構成の別実施例を示す側面図、図9は刈刃フレームの枢支部の構成を示す斜視図である。
【0015】
まず、本発明に係る刈取装置を適用したコンバインの全体構成について、図1と図2を用いて説明する。なお、本実施例においては、大豆用コンバインを用いて説明する。
【0016】
クローラ式走行装置1・1上には機体フレーム2が戴置され、該機体フレーム2上に脱穀装置3が搭載されている。そして、脱穀装置3の側方に穀粒タンク4が搭載され、該穀粒タンク4の前方に運転部5が配設されている。また、脱穀装置3の前方には刈取装置6が設けられている。
【0017】
さらに、前記脱穀装置3の下方には、揺動選別装置7が配置され、該揺動選別装置7の下方に横設された一番コンベアよりバケット式の揚穀コンベア8を介して、揺動選別装置7で選別された一番物などの精粒が穀粒タンク4に搬送されて貯留されるようになっている。該穀粒タンク4の下部には、スクリュー式の搬出コンベアが軸装され、該搬出コンベアの終端部が、その後部に立設したバケット式昇降機である穀粒排出装置9下部に受継ぎケースを介して連通されている。
【0018】
そして、前記穀粒排出装置9の上部に中継搬送装置10を介してコンベア式排出装置11の基部が連通され、該コンベア式排出装置11により穀粒タンク4内の穀粒が外部に排出されるようになっている。該コンベア式排出装置11は、昇降回動及び旋回可能に構成されている。
【0019】
次に、前記刈取装置6について説明する。
【0020】
図1、図2に示すように、刈取装置6は、複数の、本実施例では三つの刈取ユニット20・20・20、プラットホーム21、横送りオーガ22などから構成されており、前記脱穀装置3に連通されたフィーダハウス23の前端にプラットホーム21が固設され、プラットホーム21内に横送りオーガ22が横設されている。そして、プラットホーム21の前端に左右方向に並設された刈取ユニット20・20・20がそれぞれ装着され、該刈取ユニット20・20・20で刈り取られ且つ後方に搬送された刈取穀稈が横送りオーガ22により後方のフィーダハウス23へ送り出され、該フィーダハウス23に内装された搬送コンベア24により脱穀装置3へ搬送されるように構成されている。また、フィーダハウス23と機体フレーム2との間にはシリンダ25が介装され、該シリンダ25の伸縮作動により刈取装置6は昇降可能とされている。
【0021】
前記刈取ユニット20は、図3に示すように、平面視V字状に分草杆を備えるデバイダ31・31と、該デバイダ31・31で分草された穀稈の葉茎部を後上方に搬送する搬送装置32と、該搬送装置32により搬送される穀稈の茎部を搬送始端部側の地面近くにおいて切断する刈刃35などからなり、縦搬送装置32の一側にゲージホィール36が昇降位置調整可能に配置されている。刈取ユニット20・20・20の各搬送装置32と該搬送装置32前端に枢支したデバイダ31・31とは、左右に延伸した一つのユニットフレーム37に回動自在に枢支され、該ユニットフレーム37を介してプラットホーム21のフレーム26前端に固設されたメインフレーム38に取り付けられている。
【0022】
前記ユニットフレーム37は、メインフレーム38に適宜設けられた固定部にて左右位置調整可能に固定されるように構成されている。すなわち、図4に示すように、各固定部において、メインフレーム38には複数、本実施例では三つの孔38a・38a・38aが左右方向に適宜間隔をあけて設けられるとともに、ユニットフレーム37に孔37aが設けられ、該孔37aをメインフレーム36の任意の孔38aに合わせてこれらの孔37a・38aにボルト39を挿入することで、メインフレーム38にユニットフレーム37が締結固定されるように構成されている。
【0023】
これにより、ユニットフレーム37の孔37a及びメインフレーム38の任意の孔38aからボルト39を抜いた状態で、ユニットフレーム37を左右方向に移動させて、その孔37aをメインフレーム38の異なる孔38aに合わせて再度ボルト39を挿入してユニットフレーム37をメインフレーム38に締結固定することで、該ユニットフレーム37の左右方向の移動に伴って、全ての刈取ユニット20の各搬送装置32及びデバイダ31・31が一度に左右方向に移動することになるため、その左右位置を圃場の穀稈の位置に合わせて簡単に調節することができるようになっている。但し、固定方法は限定するものではなく、レールを左右方向に設けて、ネジ軸をユニットフレーム37に螺装して、ネジ軸の回転により左右位置調整することもてきる。
【0024】
ここで、各刈取ユニット20の搬送装置32について説明する。
【0025】
搬送装置32は、左右一対の搬送体40L・40Rを上下2段に設けて構成されている。図5に示すように、左右の搬送体40L・40Rは、本実施例では前端に配置した従動スプロケット41L・41Rと、後端に配置した駆動スプロケット42L・42Rとの間にタイン43a・43a・・・を付設した搬送チェーン43を巻回して構成されるものであり、左右平行に、且つ前低後高に傾斜してプラットホーム21内に横設された横送りオーガ22の前方に配設されている。
【0026】
前記左右の搬送体40L・40Rは、フィーダハウス23側の搬送体40Lが反フィーダハウス側の搬送体40Rよりも前後方向において所定幅L1だけ短くなるように構成されている。言い換えれば、左右の搬送体40L・40Rは、反フィーダハウス側の搬送体40Rがフィーダハウス23側の搬送体40Lよりも後方に所定幅L1だけ突出して長くなるように構成されている。
【0027】
このようにして、フィーダハウス23側の搬送体40Lの後端が反フィーダハウス側の搬送体40Rの後端よりも前方に位置するように配置され、左右の搬送体40L・40Rの間に形成される搬送経路45が、搬送装置32後部において、後方に向かってフィーダハウス23側へ広がるように形成されている。
【0028】
また、前記フィーダハウス23側の搬送体40Lの後端には、後方に突出するように棒状のガイド部材46が設けられている。該ガイド部材は、搬送体40Lの搬送経路45側に配置され、反フィーダハウス側の搬送体40Rと平行にその後端位置と略等しくなる位置まで後方に延出されている。
【0029】
以上により、互いに向かい合わせて配置した左右の搬送体40L・40Rをそれぞれ反対方向に回転させることで、デバイダ31・31により案内された穀稈は左右の搬送体40L・40Rにより後方へ取り込まれ、刈刃で刈り取られた後、搬送体40L・40Rで挟持されて後方へ搬送される。そして、穀稈はフィーダハウス23側の搬送体40Rの後端に達すると、反フィーダハウス側の搬送体40Rのみでその後端までガイド部材46に沿って搬送され、該搬送体40Rの後端から搬送装置32の後方に配設された横送りオーガ22に搬送されることになる。
【0030】
このような構成において、前記搬送装置32を構成する左右一対の搬送体40L・40Rを前後方向に配置し、刈取装置6の後部に接続されるフィーダハウス23側の搬送体40Lよりも長くなるように、他側の搬送体40Rを後方に突出して構成したことから、搬送装置32の後部において、搬送体40L・40Rによる穀稈の挟持力を弱めて、穀稈を搬送体40L・40R後端からその後方に配置したプラットホーム21の外に投げ出すことなく、横送りオーガ22に円滑に搬送することができる。そのため、搬送体40L・40Rから横送りオーガ22への穀稈の受継時における穀稈への衝撃を緩和でき、穀稈が地面に落下したり、裂莢が生じたりすることを防止して、穀粒損失を低減することができる。そして更に、前記フィーダハウス23側の搬送体40Lの後端部に、ガイド部材46を他側の搬送体40Rと平行に設けて後方に延出したことから、該ガイド部材46により穀稈をガイドして、搬送体40L・40Rから横送りオーガ22に停滞させることなく搬送することができる。
【0031】
また、図6に示される搬送装置32の構成では、左右の搬送体50L・50Rは、反フィーダハウス側の搬送体50Rが前端に配置した従動スプロケット51Rと、後端に配置した駆動スプロケット52Rとの間にタイン53a・53a・・・を付設した搬送チェーン53を巻回して構成され、フィーダハウス23側の搬送体51Lが前端に配置した従動スプロケット51Lと、後端に配置した駆動スプロケット52Lと、該従動スプロケット51Lと駆動スプロケット52Lとの間に配置したガイドローラ54との間にタイン53a・53a・・・を付設した搬送チェーン53Lを巻回して構成されるものであり、左右平行に、且つ前低後高に傾斜してプラットホーム21内に横設された横送りオーガ22の前方に配設されている。
【0032】
前記フィーダハウス23側の搬送体50Lは、その後端部が平面視で切欠形状となるように構成されている。つまり、フィーダハウス23側の搬送体50Lが、その後部の搬送面において、他側の搬送体50Rに対し所定角度θ1だけフィーダハウス23側に傾斜するように構成されている。このようにして、左右の搬送体50L・50Rの間に形成される搬送経路55の空間が、搬送装置32後部において、後方に向かってフィーダハウス23側へ広がるように形成されている。
【0033】
また、前記フィーダハウス23側の搬送体50L後部の切欠形状部50Laには、後方に突出するように棒状のガイド部材56が設けられている。該ガイド部材56は、搬送体50Lの搬送経路55側に配置され、反フィーダハウス側の搬送体50Rと平行にその後端位置と略等しくなる位置まで後方に延出されている。
【0034】
以上により、互いに向かい合わせて配置した左右の搬送体50L・50Rをそれぞれ反対方向に回転させることで、デバイダ31・31により案内された穀稈は左右の搬送体50L・50Rにより後方へ取り込まれ、刈刃で刈り取られた後、搬送体50L・50Rで挟持されて後方へ搬送される。そして、穀稈は左右の搬送体50R・50Lの後部に達すると、搬送体50R・50Lから徐々に放されつつ、その後端までガイド部材56に沿って搬送され、該搬送体50R・50Lの後端から搬送装置32の後方に配設された横送りオーガ22に搬送されることになる。
【0035】
このような構成において、前記搬送装置32を構成する左右一対の搬送体を前後方向に配置し、刈取装置6後部に接続されるフィーダハウス23側の搬送体50Lの後端部が位置する搬送空間を大きく構成したことから、搬送体50L・50Rによる穀稈の挟持力を弱めて、穀稈を搬送体50L・50R後端からその後方に配置したプラットホーム21の外に投げ出すことなく、横送りオーガ22に円滑に搬送することができる。そのため、搬送体50L・50Rから横送りオーガ22への穀稈の受継時における穀稈への衝撃を緩和でき、穀稈が地面に落下したり、裂莢が生じたりすることを防止して、穀粒損失を低減することができる。そして更に、前記フィーダハウス23側の搬送体50Lの搬送体が位置する搬送空間に、ガイド部材56を他側の搬送体50Rと平行に前後方向に配設したことから、該ガイド部材56により穀稈をガイドして、搬送体50L・50Rから横送りオーガ22に停滞させることなく搬送することができる。
【0036】
次に、各刈取ユニット20のデバイダ31について説明する。
【0037】
デバイダ31は前記搬送装置32の前端に回転自在に枢支されている。図3に示すように、該デバイダ31の枢支部にはトルクバネ61が設けられ、デバイダ31が搬送装置32に対し常時一定角度となって、前下方に若干傾斜するように支持されている。そして更に、デバイダ31の先端にそり状のガイド部材62が設けられ、該デバイダ31がガイド部材62上に戴置されて、デバイダ31が常に地面上を移動できるように構成されている。これにより、稈長に合わせて刈取高さを変更するために刈取装置6を昇降させた場合、ゲージホィール36を中心として刈取ユニット20が回転して、デバイダ31の先端が下がることがあるが、前記トルクバネ61とそり状のガイド部材62によりデバイダ31が土へささることを防止することができるようになっている。
【0038】
また、図7に示される構成では、該デバイダ31後端には上方に突出するようにアーム65が設けられ、該アーム65にリンク66の前端が枢支されている。そして、該リンク66がメインフレーム38に回動自在に支持された搬送装置32と略平行に後上方に延出されて、その後端がプラットホーム21から突設されたアーム67に枢支されている。該アーム67の先端はリンク又はワイヤーなどを介して本機側と接続されている。
【0039】
こうして、リンク66と搬送装置32とにより平行リンクが構成され、刈取高さを変更すべくフィーダハウス23がシリンダ25の伸縮作動により昇降されても、デバイダ31の対地高さが一定となるようになっている。よって、刈取作業時にデバイダ31を適切な高さに保持できるため、穀稈の引っかけや土へのささりを防止することができる。
【0040】
また、前記刈刃35はプラットホーム21のフレーム26に回動可能に支持することもできる。この場合、図8及び図9に示すように、刈刃35を固設する刈刃フレーム71に後方に突出する凸部71aを設けるとともに、フレーム26前面に凹部26aを設け、該凹部26aに凸部71aを挿入して支軸72で枢支することによって、刈刃フレーム71がフレーム26に回動自在に支持され、刈刃35がフレーム26に対し回動可能とされている。
【0041】
そして、前記フレーム26に平行リンク73・74の前端が枢支されるとともに、該平行リンク73・74の後端が機枠75に枢支されている。このように構成することにより、刈取高さを変更すべくフィーダハウス23がシリンダ25の伸縮作動により昇降されても、該昇降に伴うプラットホーム21の上下位置に関らず、刈刃35を機枠に対して一定角度に保持することができる。つまり、刈刃35の対地角度や穀稈に対する角度も一定に保持することができるので、高刈り時などにおける刈取性能の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバインの側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】刈取ユニットの側面図。
【図4】刈取ユニットの取付部の斜視図。
【図5】搬送装置の平面図。
【図6】搬送装置の別実施例を示す平面図。
【図7】デバイダの取付構成の別実施例を示す側面図。
【図8】刈刃の取付構成の別実施例を示す側面図。
【図9】刈刃フレームの枢支部の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
【0043】
6 刈取装置
20 刈取ユニット
23 フィーダハウス
31 デバイダ
32 搬送装置
40L・40R 搬送体
46 ガイド部材
50L・50R 搬送体
56 ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のデバイダと、該デバイダの後方に配設する搬送装置と、該搬送装置の下方に配設する刈刃とを一つの刈取ユニットとして、該刈取ユニットを複数備えるとともに、該刈取ユニットの後方に横送りオーガとフィーダハウスを備えるコンバインの刈取装置において、前記搬送装置を構成する左右一対の搬送体を前後方向に配置し、フィーダハウス側の搬送体よりも長くなるように、他側の搬送体を後方に突出して構成したことを特徴とするコンバインの刈取装置。
【請求項2】
前記フィーダハウス側の搬送体の後端部に、ガイド部材を他側の搬送体と平行に設けて後方に延出したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの刈取装置。
【請求項3】
左右一対のデバイダと、該デバイダの後方に配設する搬送装置と、該搬送装置の下方に配設する刈刃とを一つの刈取ユニットとして、該刈取ユニットを複数備えるとともに、該刈取ユニットの後方に横送りオーガとフィーダハウスを備えるコンバインの刈取装置において、前記搬送装置を構成する左右一対の搬送体を前後方向に配置し、フィーダハウス側の搬送体の後端部が位置する搬送空間を大きく構成したことを特徴とするコンバインの刈取装置。
【請求項4】
前記フィーダハウス側の搬送体が位置する搬送空間に、ガイド部材を他側の搬送体と平行に前後方向に配設したことを特徴とする請求項3に記載のコンバインの刈取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−14669(P2006−14669A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195955(P2004−195955)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】