説明

コンバイン

【課題】キャノピが立木等に接触して破損することを防止しながら、キャノピの操作性を向上できるコンバインを実現する。
【解決手段】運転部5の後方に脱穀部3又は穀粒回収部4を備えると共に、運転部5の上方を覆うキャノピ10を備えたコンバインにおいて、運転部5の上方を覆うルーフ部材70と、運転部5の後部に上下向きの軸心周りで回動可能に支持された支柱40とを備えて、支柱40の上部にルーフ部材70を連結してキャノピ10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転部の後方に脱穀部又は穀粒回収部を備えると共に、運転部の上方を覆うキャノピを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、例えば特許文献1に開示されているように、操縦部(特許文献1の図6の14)の運転座席(特許文献1の図6の15)の上方を覆うキャノピ(特許文献1の図6の18)を備えたコンバインや、特許文献2に開示されているように、運転部の運転席(特許文献2の図1の6)の上方を覆う日除装置(特許文献2の図1の7)を備えたコンバインが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−4641号公報(図5及び図6参照)
【特許文献2】実開昭59−141730号公報(図1〜図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のコンバインでは、キャノピが操縦部に固定されているので、例えば立木等の生えた場所においてコンバインを走行させる際に、キャノピがコンバインの走行の妨げになり易かった。その結果、キャノピが立木等に接触して破損し易いといった問題や、キャノピが立木等に接触しないようにコンバインの運転に慎重さが要求され、コンバインの走行作業の作業性が悪くなるといった問題があった。
【0005】
特許文献2のコンバインでは、支柱(特許文献2の図3の8)の頂部にルーフ(特許文献2の図3の9)を支持し、支柱が起立した起立状態(特許文献2の図1参照)と、支柱がルーフと共に後方に倒伏した倒伏状態(特許文献2の図2参照)とに切り換えるように日除装置が構成されている。しかし、特許文献2のコンバインにおいて日除装置の状態を切り換える場合には、支柱をルーフと共に上方に持ち上げて(又は上方に引き上げて)から、支柱をルーフと共に後方(又は前方)に倒す必要があった。その結果、日除装置の状態の切り換えに多大な労力を要し、日除装置の状態の切り換え作業の作業性が悪いといった問題や、高さ制限を受ける場所においては日除装置の状態を切り換えることができないといった問題があった。
本発明は、キャノピが立木等に接触して破損することを防止しながら、キャノピの操作性を向上できるコンバインを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、運転部の後方に脱穀部又は穀粒回収部を備えると共に、前記運転部の上方を覆うキャノピを備えたコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記運転部の上方を覆うルーフ部材と、前記運転部の後部に上下向きの軸心周りで回動可能に支持された支柱とを備えて、前記支柱の上部に前記ルーフ部材を連結して前記キャノピを構成してある。
【0007】
(作用)
本発明の第1特徴によると、キャノピを運転部の後部の上下向きの軸心周りで後方に回動させると、キャノピが運転部の後方の脱穀部又は穀粒回収部側に移動した状態になる。これにより、キャノピを後方に回動させることで、例えば立木等の生えた場所において、キャノピがコンバインを走行させる妨げになり難くなり、キャノピの立木等への接触を防止できる。また、立木等が生えた場所において、立木等をあまり気にしないでコンバインを走行させることができるので、コンバインの走行作業の作業性を向上できる。
【0008】
本発明の第1特徴によると、キャノピを持ち上げたり、キャノピを引き上げたりしなくても、キャノピを上下向きの軸心周りで回動させることで、キャノピの位置を容易に変更できる。これにより、キャノピの位置変更の労力を軽減でき、キャノピの位置変更作業の作業性を向上できる。また、キャノピを上下向きの軸心周りで回動させたとしても、キャノピの高さが大幅に変更されないので、高さ制限をあまり受けないでキャノピの位置を変更できる。
【0009】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、キャノピが立木等に接触して破損することを防止しながら、キャノピの操作性を向上できる。
【0010】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記キャノピを、前記運転部の上方に位置する作業位置よりも機体横方向での内側に位置する収納位置にして支持する収納支持手段を備えてある。
【0011】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、キャノピを収納支持手段によって支持させると、キャノピは、作業位置よりも走行機体横方向での内側に位置した収納位置で支持される。これにより、キャノピの機体横外側への突出を、キャノピが作業位置に位置した場合のそれよりも抑制したり無くしたりできる。
【0012】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、コンバインを格納や搬送する際、キャノピの機体横外側への突出を抑制あるいは無くして、機体横方向での格納スペースが小さくても容易に格納することができ、機体横方向での収納スペースが小さい荷台やコンテナに収納して安価に搬送することができる。
しかも、キャノピを取り外して固縛する場合のように特別な固定手段を準備する必要がなく、この面からも安価に搬送することができる。
【0013】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴のコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記キャノピを、前記運転部の上方に位置する作業位置と、前記脱穀部又は穀粒回収部の上部に沿って後向きに格納した格納位置とに位置変更可能に構成してある。
【0014】
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、キャノピを作業位置から格納位置に位置変更すると、キャノピが脱穀部又は穀粒回収部の上部に沿って後向きになった状態になる。これにより、キャノピを格納位置に位置変更することで、例えば立木等の生えた場所において、キャノピがコンバインを走行させる妨げになり難くなり、キャノピの立木等への接触を防止できる。また、立木等が生えた場所において、立木等をあまり気にしないでコンバインを走行させることができるので、コンバインの走行作業の作業性を向上できる。
【0015】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、キャノピが立木等に接触して破損することを更に防止できると共に、コンバインの走行作業の作業性を更に向上できる。
【0016】
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴のコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記収納位置および前記格納位置でのキャノピの高さを、前記作業位置でのキャノピの高さよりも低く設定してある。
【0017】
(作用)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
作業位置でのキャノピの高さを確保して、キャノピを作業位置に位置変更した状態での運転部の高さ方向への空間を広く確保できると共に、収納位置や格納位置に位置変更した状態でのキャノピを低い位置に配設できる。これにより、キャノピを作業位置に位置変更した状態での運転部の空間を広く確保しながら、格納位置でのキャノピの立木等への接触を更に効果的に防止でき、収納位置にしたキャノピによるコンバインの高さを低く抑制できる。
【0018】
(発明の効果)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によると、キャノピが立木等に接触して破損することを更に防止できると共に、コンバインの走行作業の作業性を更に向上できる。そして、格納や収納スペースの機体上下方向での大きさが小さくても、コンバインの格納を容易に行なったり、コンバインの収納が可能で安価に搬送したりできる。
【0019】
[V]
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第3特徴のコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記格納位置でのキャノピの高さを、前記作業位置でのキャノピの高さより低く設定し、前記収納位置でのキャノピの高さを、前記格納位置でのキャノピの高さより低く設定してある。
【0020】
(作用)
本発明の第5特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第5特徴によると、作業位置でのキャノピの高さを確保して、キャノピを作業位置に位置変更した状態での運転部の高さ方向への空間を広く確保できると共に、格納位置に位置変更した状態でのキャノピを脱穀部又は穀粒回収部に近づけて低い位置に配設でき、収納位置に位置変更した状態でのキャノピをさらに低い位置に設置できる。これにより、キャノピを作業位置に位置変更した状態での運転部の空間を広く確保しながら、格納位置でのキャノピの立木等への接触を更に効果的に防止でき、収納位置にしたキャノピによるコンバインの高さを低く抑制できる。
【0021】
(発明の効果)
本発明の第5特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第5特徴によると、キャノピが立木等に接触して破損することを更に防止できると共に、コンバインの走行作業の作業性を更に向上できる。そして、格納や収納スペースの機体上下方向での大きさが小さくても、コンバインの格納を容易に行なったり、コンバインの収納が可能で安価に搬送したりできる。
【0022】
[VI]
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第2〜第5特徴のうちのいずれか一つのコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記収納位置でのキャノピの高さを、エンジン用のプレクリーナと等しい又はそれに近い高さに設定してある。
【0023】
(作用)
本発明の第6特徴によると、本発明の第2〜第5特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[II]〜[V]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第6特徴によると、キャノピとプレクリーナとによる高さ変化が無い、あるいはさほど無い簡素な形状状態にしてキャノピを収納できる。
【0024】
(発明の効果)
本発明の第6特徴によると、本発明の第2〜第5特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[II]〜[V]に記載の「効果」を備えており、これに加えて以下のような「効果」を備えている。
本発明の第6特徴によると、キャノピやプレクリーナの納屋やコンテナへの衝突を回避しやすくて楽にかつ能率よく格納や収納作業を行うことができる。
【0025】
[VII]
(構成)
本発明の第7特徴は、本発明の第6特徴のコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記プレクリーナを昇降調節自在に支持させ、
前記収納位置でのキャノピの高さを、下降調節されたプレクリーナと等しい又はそれに近い高さに設定してある。
【0026】
(作用)
本発明の第7特徴によると、本発明の第6特徴と同様に前項[VI]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第7特徴によると、キャノピとプレクリーナとによる高さ変化が無い、あるいはさほど無い簡素な形状状態にして、かつキャノピもプレクリーナも極力低く位置した状態にしてキャノピを収納できる。
【0027】
(発明の効果)
本発明の第7特徴によると、本発明の第6特徴と同様に前項[VI]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
機体上下方向での格納や収納スペースが小さくでも、キャノピやプレクリーナの納屋やコンテナへの衝突を回避しやすくて楽にかつ能率よく格納や収納作業を行うことができる。
【0028】
[VIII]
(構成)
本発明の第8特徴は、本発明の第4又は第5特徴のコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記格納位置から前記作業位置への前記キャノピの高さ変更を補助する補助機構を備えてある。
【0029】
(作用)
本発明の第8特徴は、本発明の第4又は5特徴と同様に前項[IV]、[V]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第8特徴によると、キャノピを、高さが低く設定された格納位置から高さが高く設定された作業位置に位置変更する場合に、補助機構に補助されながらキャノピを小さな力で(又は力を加えずに)上方に移動させることができる。これにより、キャノピの格納位置から作業位置への位置変更を容易に行うことができ、簡易迅速にキャノピを位置変更できる。
【0030】
(発明の効果)
本発明の第8特徴によると、本発明の第4又は第5特徴と同様に前項[IV],[V]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第8特徴によると、キャノピの位置変更作業の作業性を更に向上でき、キャノピの操作性を更に向上できる。
【0031】
[IX]
(構成)
本発明の第9特徴は、本発明の第3〜第8特徴のうちのいずれか一つのコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記キャノピに、前記作業位置で前記支柱の機体内側に配設された補助支柱を備え、前記作業位置又は格納位置で前記補助支柱を機体側に固定する固定手段を備えてある。
【0032】
(作用)
本発明の第9特徴によると、本発明の第3〜第8特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[III]〜[VIII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第9特徴によると、固定手段により、作業位置又は格納位置でのキャノピを補助支柱の位置で機体側に固定することができる。これにより、作業位置又は格納位置で、支柱の位置と補助支柱の位置の2箇所でキャノピを支持し、キャノピを安定して機体側に固定できる。
【0033】
(発明の効果)
本発明の第9特徴によると、本発明の第3〜第8特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[III]〜[VIII]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第9特徴によると、作業位置又は格納位置でのキャノピのガタツキ等を防止できる。
【0034】
[X]
(構成)
本発明の第10特徴は、本発明の第1〜第9特徴のうちのいずれか一つのコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記支柱の機体内側への回動を規制する規制部材を備えてある。
【0035】
(作用)
本発明の第10特徴によると、本発明の第1〜第9特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[IX]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第10特徴によると、支柱を機体内側に回動させてキャノピを位置変更しようとすると、規制部材により支柱の機体内側への回動が規制され、例えばキャノピの機体内側の機器(例えば図1のプレクリーナ35等)とキャノピとの干渉を回避できる。これにより、キャノピを誤って機体内側に回動させることによるキャノピ及びキャノピの機体内側の機器の破損を防止できる。
【0036】
(発明の効果)
本発明の第10特徴によると、本発明の第1〜第9特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[IX]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第10特徴によると、キャノピ及びキャノピの機体内側の機器の破損を防止しながら、キャノピを容易に位置変更できる。
【0037】
[XI]
(構成)
本発明の第11特徴は、本発明の第9特徴のコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記支柱の機体内側への回動を規制する規制部材を備え、前記規制部材を前記補助支柱で構成してある。
【0038】
(作用)
本発明の第11特徴によると、本発明の第9特徴と同様に前項[IX]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第11特徴によると、支柱を機体内側に回動させてキャノピを位置変更しようとすると、補助支柱により支柱の機体内側への回動が規制され、例えばキャノピの機体内側の機器(例えば図1のプレクリーナ35等)とキャノピとの干渉を回避できる。これにより、補助支柱を規制部材として兼用してキャノピの構造の簡素化を図りながら、キャノピを誤って機体内側に回動させることによるキャノピ及びキャノピの機体内側の機器の破損を防止できる。
【0039】
(発明の効果)
本発明の第11特徴によると、本発明の第9特徴と同様に前項[IX]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第11特徴によると、キャノピの製造コストを削減しながら、キャノピ及びキャノピの機体内側の機器の破損を防止できる。
【0040】
[XII]
(構成)
本発明の第12特徴は、本発明の第1〜第11特徴のうちのいずれか一つのコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記ルーフ部材の左右中央部に前記支柱の上部を連結してある。
【0041】
(作用)
本発明の第12特徴によると、本発明の第1〜第11特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[XI]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第12特徴によると、キャノピを運転部の後部の上下向きの軸心周りで後方に回動させた場合において、ルーフ部材が機体内側又は機体外側に位置ずれした状態で、後方の脱穀部又は穀粒回収部側に移動することを防止できる。
【0042】
(発明の効果)
本発明の第12特徴によると、本発明の第1〜第11特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[XI]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第12特徴によると、例えばルーフ部材が機体内側に位置ずれして機体内側の機器と干渉することを防止できると共に、例えばルーフ部材が機体外側に大きく出っ張って走行等の妨げになることを防止できる。
【0043】
[XIII]
(構成)
本発明の第13特徴は、本発明の第1〜第12特徴のうちのいずれか一つのコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記支柱を、前記脱穀部又は穀粒回収部の前壁に支持してある。
【0044】
(作用)
本発明の第13特徴によると、本発明の第1〜第12特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[XII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第13特徴によると、支柱を脱穀部又は穀粒回収部の前壁に安定して支持できるとともに、支柱にルーフ部材を支持することによる無理な負荷が作用し難くなる。これにより、キャノピの破損を防止できると共に、支柱を運転部の後部に支持する構造を簡素化することができる。
【0045】
(発明の効果)
本発明の第13特徴によると、本発明の第1〜第12特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[XII]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第12特徴によると、キャノピの製造コストを削減しながら、キャノピの耐久性を向上できる。
【0046】
[XIV]
(構成)
本発明の第14特徴は、本発明の第1〜第13特徴のうちのいずれか一つのコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記ルーフ部材の後部を前記支柱の左右向きの軸心周りで揺動可能に支持し、前記ルーフ部材の前方傾斜角度を変更可能に構成してある。
【0047】
(作用)
本発明の第14特徴によると、本発明の第1〜第13特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[XIII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第14特徴によると、ルーフ部材の前方傾斜角度を変更することで、運転部空間の天井の高さを高く又は低く変更することができる。これにより、例えばコンバインを運転する運転者の身長や前方からの日差しの照り具合等に応じてルーフ部材の前方傾斜角度を変更して、運転部空間の天井の高さを高く又は低く変更することができる。
【0048】
(発明の効果)
本発明の第14特徴によると、本発明の第1〜第13特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[XIII]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第13特徴によると、快適な運転部空間を形成することができ、コンバインの走行作業の作業性を更に向上できる。
【0049】
[XV]
(構成)
本発明の第15特徴は、本発明の第14特徴のコンバインにおいて、次のように構成することにある。
前記ルーフ部材を、前記支柱から機体前方向きに延出し、かつ水平姿勢よりも下向きの姿勢になった下向き使用姿勢に調節自在に構成してある。
【0050】
(作用)
本発明の第15特徴によると、本発明の第14特徴と同様に前項[XIV]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第15特徴によると、下向き使用姿勢にしたルーフ部材によって立木の小枝や葉を押し上げて、小枝や葉の運転部への入り込みを防止することができる。
【0051】
(発明の効果)
本発明の第15特徴によると、本発明の第14特徴と同様に前項[XIV]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第15特徴によると、立木付近の作業箇所であっても、ルーフ部材をガード手段に利用して小枝や葉の運転部への入り込みを防止しながら快適に作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
[普通型コンバインの全体構成]
図1〜図3に基づいて、本発明に係るキャノピ10を備えた普通型コンバインの全体構成について説明する。図1は、普通型コンバインの全体左側面図であり、図2は、普通型コンバインの全体右側面図であり、図3は、普通型コンバインの全体平面図である。
【0053】
図1〜図3に示すように、左右一対のクローラ走行装置1を備えた機体2の上部に、軸流型の脱穀装置3(脱穀部に相当)、穀粒回収ホッパー4(穀粒回収部に相当)、及び運転部5等が配備されている。機体2前部の右横側に運転部5が配設されており、機体2の後部で運転部5の後側に穀粒回収ホッパー4が配設されている。機体2の後部で穀粒回収ホッパー4の左側に、脱穀装置3が穀粒回収ホッパー4と左右に並べて配備されている。
【0054】
脱穀装置3の前部には、支点X周りに上下揺動自在に刈取り穀稈搬送用のフィーダ6が連結されており、このフィーダ6の前端に略機体横幅に相当する刈幅を有する刈取り部7が連結されている。
【0055】
刈取り部7は、左右一対の分草フレーム11に亘って設けられたバリカン型の刈取装置12と、左右一対の分草フレーム11に亘って架設されたオーガ13とを備えて構成されており、刈取装置12により刈り取った穀稈をオーガ13によって左右中央部に横送りしてフィーダ6に供給できるように構成されている。
【0056】
フィーダ6には、巻回張設された左右のチェーン14aに亘って搬送バー14bを横架連結した掻き揚げコンベア14が内装されており、オーガ13から供給された穀稈をフィーダ6の底面に沿って搬送して、脱穀装置3に供給できるように構成されている。脱穀装置3により脱穀された穀粒は、脱穀装置3と穀粒回収ホッパー4とに亘って設けられた穀粒搬送機構9を介して、穀粒回収ホッパー4に供給されるように構成されている。
【0057】
機体2における機体フレーム8の前部とフィーダ6の下部とに亘って油圧シリンダ15が配設されており、この油圧シリンダ15を伸縮することにより、刈取り部7及びフィーダ6を支点X周りに上下揺動駆動できる。
【0058】
刈取り部7の前部上方に、植立した穀稈を後方に掻き込んで引き上げる掻き込みリール16が装備されている。左右の分草フレーム11の後端部に、支点Y周りに上下揺動自在な左右の支持アーム17が枢支連結されており、この支持アーム17の前部に掻き込みリール16が支持ブラケット18を介して枢支連結されている。
【0059】
分草フレーム11と支持アーム17とに亘って油圧シリンダ19が配設されており、この油圧シリンダ19によって支持アーム17を上下揺動することで掻き込みリール16の掻き込み作用高さを変更することができると共に、支持ブラケット18を支持アーム17に沿ってスライド調節して掻き込み作用位置を前後に調節することができるように構成されている。
【0060】
穀粒回収ホッパー4は、その上部が平面視で前後に長い長方形状の角筒状に形成され、その下部の前部及び後部が四角錐状で下すぼまり状に形成されており、この下すぼまり状に形成された部分の下部に前後の穀粒取出口21が形成されている。穀粒取出口21の下部には、スライド式のシャッター装置が装備されており、これにより、穀粒取出口21の下方に穀粒袋を装着してシャッター装置を操作することで、穀粒回収ホッパー4からの穀粒を袋詰めすることができる。
【0061】
機体フレーム8のデッキ面の前部及び後部に、角パイプ状の前部及び後部支持フレーム22,23が締め付け固定されており、この前部及び後部支持フレーム22,23により穀粒回収ホッパー4の前部及び後部が支持されている。前部及び後部支持フレーム22,23に亘って丸パイプ状の手摺24が連結されており、この手摺24が補強フレームとして機能する。
【0062】
機体フレーム8の右側端部には、機体フレーム8から右外方側に張り出した作業姿勢と、上方に揺動し起立格納した非作業姿勢とに姿勢変更自在な補助デッキ25が揺動自在に支持されている。補助デッキ25は、作業姿勢でのその床面が機体フレーム8の床面と略水平で機体フレーム8の床面と略面一になるように構成されており、非作業姿勢での床面が機体フレーム8の床面と略垂直になるように構成されている。
【0063】
前部及び後部支持フレーム22,23の機体横外側の端部上部には、前後の補助具26が装備されている。前後の補助具26は、それぞれ別々に前部及び後部支持フレーム22,23に揺動自在に支持されており、前後の補助具26のそれぞれが機体横外側に張り出した使用姿勢と、機体内側に起立格納した格納姿勢とに姿勢変更可能に構成されている。これにより、作業者が補助デッキ25の上で穀粒の袋詰め作業を行う場合には、補助具26を使用姿勢に姿勢変更し、この補助具26により体勢を安定させながら穀粒の袋詰め作業を行うことができる。
【0064】
[運転部及び穀粒回収ホッパー付近の詳細構造]
図2〜図5に基づいて運転部5及び穀粒回収ホッパー4付近の詳細構造について説明する。図4は、運転部5及び穀粒回収ホッパー4付近の側面図であり、図5は、運転部5付近の正面図である。
【0065】
図2及び図3に示すように、機体フレーム8の前部には、運転部フレーム27と、座席支持フレーム28が立設されている。運転部フレーム27の前部及び左側部から上方に前部及び側部操作パネル29,30が立設されており、この前部及び側部操作パネル29,30に上部に、走向レバー等の複数の操作レバー等が装備されている。
【0066】
図4及び図5に示すように、座席支持フレーム28の上部には、運転座席31が前後にスライド調節可能に装備されており、この運転座席31の後部に位置する座席支持フレーム28の上面側に燃料タンク32が固定されている。座席支持フレーム28の内部には、コンバインの動力源となるエンジンEが搭載されており(図2参照)、このエンジンEに接続される吸気ダクト(図示せず)が、燃料タンク32の横内側に装備されたエアクリーナ33に接続されている。
【0067】
エアクリーナ33には、上下に長い円筒状の吸気ダクト34が接続されており、この吸気ダクト34の上部にプレクリーナ35が接続されている。吸気ダクト34は、穀粒回収ホッパー4の内側に沿って上方に延出されて、その上下中央部が穀粒回収ホッパー4の内側の面に固定されている。これにより、機体上方の塵埃の少ない外気がプレクリーナ35及びエアクリーナ33を介して浄化されてエンジンEの燃焼用空気として供給される。
【0068】
[キャノピの詳細構造]
図3,図6〜図11に基づいてキャノピ10の詳細構造について説明する。図6は、キャノピ10の全体側面図であり、図7は、キャノピ10の全体平面図である。図8は、キャノピ10の支持構造を説明する縦断正面図であり、図9は、キャノピ10の支持構造を説明する平面図である。図10は、傾斜角度調節機構80の構造を説明する側面図であり、図11は、傾斜角度調節機構80の構造を説明する正面図である。
【0069】
図3,図6及び図7に示すように、キャノピ10は、運転部5の後部に上下向きの軸心P1周りで回動可能に支持された支柱40と、運転部5の上方を覆うルーフ部材70とを備えて構成されている。支柱40の上部に、ルーフ部材70が連結されており、これにより、支柱40を上下向きの軸心P1周りに回動させてルーフ部材70を揺動させることで、キャノピ10が、運転部5の上方に位置する作業位置(図3の実線の位置)と、穀粒回収ホッパー4の上方に位置する格納位置(図3の2点鎖線の位置)とに位置変更可能に構成されている。
【0070】
図6〜図9に示すように、支柱40は、丸パイプ材によりその上部が前方上方に屈曲又は湾曲した形状に成形されている。支柱40の上端部には、横方向に長い角パイプ製の連結フレーム41が固着されており、支柱40の下端部には、バネ押え部材42が内嵌されて固着されている。
【0071】
支柱40の上下中央部には、ストッパー部40aが形成されている。ストッパー部40aの下側には、横向きに貫通する上側の位置決め固定穴40bが形成されており、この上側の位置決め固定穴40bから所定の間隔を開けた下側に、横向きに貫通する下側の位置決め固定穴40cが形成されている。
【0072】
連結フレーム41の一端部には、側面視での形状が支柱40と略同じ形状に成形された丸パイプ製の補助支柱43が固着されており、この補助支柱43と支柱40とに亘って補強フレーム44が固着されている。連結フレーム41には、斜め前方上方に延出された左右の支持フレーム41aが延出されており、この左右の支持フレーム41aの先端部に、後述する支軸78を連通する横向きの貫通穴が形成されている。
【0073】
図8及び図9に示すように、穀粒回収ホッパー4の前壁4Aの上部には、側面視での縦断面形状が逆L字状のブラケット46が複数のボルトにより前方から締め付け固定されており、このブラケット46に、支柱支持部材47の上部が固着されている。支柱支持部材47の上下中央部は、ブラケット45を介して穀粒回収ホッパー4の前壁4Aに締め付け固定されている。
【0074】
キャノピ10は、ブラケット45,46により穀粒回収ホッパー4の前壁4Aに固定されているので、例えば組み付けたキャノピ10を機体側への着脱する場合において、ブラケット45,46の部分を穀粒回収ホッパー4の前壁4Aに締め付け固定することで、キャノピ10を簡易に機体側に取り付けることができ、例えばボルトを緩めてブラケット45,46を取り外すことで、キャノピ10全体を簡易に機体側から取り外すことができる(キャノピ10をユニットとして簡易に着脱できる)。
【0075】
また、ブラケット45,46を取り付けるための穀粒回収ホッパー4の前壁4A側の加工が少なくて済むため、機体側の構造を大きく変更しなくても、キャノピ10を装着することができる。これにより、キャノピ10の支持部をコンパクトに構成できると共に、キャノピ10の設計及び製作が容易になり、製造コストを削減できる。
【0076】
支柱支持部材47は、上下に長い丸パイプ材により構成されており、その上部に横向きの支柱固定穴47aが形成され、その下部に横向きの複数のバネ力調節穴47bが形成されている。
【0077】
支柱支持部材47の下部には、バネ支持部材48が内嵌されており、このバネ支持部材48が、複数のバネ力調節穴47bのうちの一つのバネ力調節穴47bに連通させた調節ボルト49により、支柱支持部材47の下部に固定されている。
【0078】
バネ支持部材48の上側における支柱支持部材47の内部には、弾性バネ50が内装されている。弾性バネ50は、圧縮バネで構成されており、その下部がバネ支持部材48により支持され、その上部が支柱40の下端部に固定されたバネ押え部材42に嵌め込まれている。このように、弾性バネ50等により、格納位置から作業位置へのキャノピ10の高さ変更を補助する補助機構が構成されている。
【0079】
支柱支持部材47の下部には、複数のバネ力調節穴47bが形成されているので、バネ支持部材48を固定する調節ボルト49の位置を変更することで、バネ押え部材42とバネ支持部材48との間の長さを変更して弾性バネ50の取り付け長さを変更することができ、弾性バネ50のバネ反力の大きさ(弾性バネ50によりキャノピ10の上昇を補助する補助力)を段階的に強く又は弱く変更できる。なお、例えば複数のバネ力調節穴47bに代えて長穴等を支柱支持部材47の下部に形成する等して、弾性バネ50のバネ反力の大きさを無段階で強く又は弱く変更できるように構成してもよい。
【0080】
支柱40は、支柱支持部材47に上方から内嵌されて、支柱支持部材47の上部に連結部材51により装着されており、これにより、支柱40が支柱支持部材47に上下にスライド移動自在でかつ上下向きの軸心P1周りで回動自在に支持されている。
【0081】
ブラケット46には、前方に延出された縦平板状の操作具支持部材53が固着されている。操作具支持部材53には、左右向きの貫通穴が形成されており、この貫通穴に、操作具54が内嵌挿入されている。操作具54には、円板状の止め金具55が外嵌されており、この止め金具55と操作具支持部材53とに亘って弾性バネ56が操作具54に外嵌された状態で装着されている。
【0082】
弾性バネ56は、圧縮バネで構成されており、操作具54を支柱支持部材47側(左側)に付勢する付勢力が作用するように構成されている。これにより、弾性バネ56の付勢力に抗して操作具54を右側の解除位置(図8の2点鎖線の位置)に引き操作すると、操作具54の先端部が支柱40の位置決め固定穴40b,40cから抜け出して、支柱40の回動操作及び上下移動が可能になる。一方、操作具54の右側への引き操作を止めると、弾性バネ56による付勢力が作用して操作具54が固定位置(図8の実線の位置)に移動し、操作具54の先端部が支柱40の位置決め固定穴40b,40cに入り込んで、支柱40の回動操作及び上下移動が不能になる。
【0083】
操作具支持部材53の右横側には、ブラケット46から前方に延出された操作具保持部材57が、操作具支持部材53から所定の隙間を開けて固着されている。これにより、弾性バネ56による付勢力が作用して、操作具54の先端部が支柱40の位置決め固定穴40b,40cに入り込んだ状態で、操作具54の操作部54aが下側になるように操作具54を下方に回転操作すると、操作具保持部材57により操作具54の右側への移動が阻止されて、操作具54の先端部が支柱40の位置決め固定穴40b,40cに入り込んだ状態を保持(ロック)できる。
【0084】
操作具保持部材57により操作具54の右側への移動が阻止された状態から、操作具54を上方に回動操作すると、弾性バネ56の付勢力が作用し操作具54が解除位置に位置変更され、支柱40を回動操作することが可能になる。これにより、ワンタッチで支柱40を支柱支持部材47に固定することができ、ワンタッチで支柱40の支柱支持部材47への固定を解除できる。
【0085】
ブラケット46の左側部には、横断面形状が後向きに開口したコ字状のフレーム部材59が固着されている。フレーム部材59には、前後向きの貫通穴が形成されており、この貫通穴の位置におけるフレーム部材59の裏面側に、ナットが固着されている。補助支柱43の下部には、横断面形状がL字状の固定部材60が固着されており、キャノピ10を作業位置に位置変更した状態で、この固定部材60の後面側がフレーム部材59の前面側に接当し、キャノピ10を作業位置で位置決めできるように構成されている。
【0086】
固定部材60には、前後向きの貫通穴が形成されており、この貫通穴の位置は、キャノピ10を作業位置に位置変更した状態で、裏面側にナットが固着されたフレーム部材59の貫通穴の位置と一致するように構成されている。
【0087】
キャノピ10を作業位置に位置変更し、固定部材60がフレーム部材59に接当した状態で、フレーム部材59のナットに固定操作具61をねじ込むことで、補助支柱43をフレーム部材59に固定できるように構成されている。このように、フレーム部材59、固定部材60、及び固定操作具61を備えて、作業位置で補助支柱43を機体側に固定する固定手段が構成されている。
【0088】
穀粒回収ホッパー4の前壁4Aにおける右側部には、固定ネジ部4Bが形成されており、キャノピ10を格納位置に位置変更した状態で、固定部材60の貫通穴の位置が、固定ネジ部4Bの位置と略一致するように構成されている。
【0089】
キャノピ10を格納位置に位置変更し、固定部材60が穀粒回収ホッパー4の前壁4Aに接当した状態で、前壁4Aの固定ネジ部4Bに固定操作具61をねじ込むことで、補助支柱43を穀粒回収ホッパー4の前壁4Aに固定できるように構成されている。このように、固定ネジ部4B、固定部材60、及び固定操作具61を備えて、格納位置で補助支柱43を機体側に固定する固定手段が構成されている。この場合、固定部材60及び固定操作具61は、作業位置で補助支柱43を機体側に固定する固定手段と兼用されているので、固定手段の構造を簡素化できる。
【0090】
キャノピ10の上下向きの軸心P1周りの揺動範囲は、補助支柱43が穀粒回収ホッパー4側に接当することで規制され、図3の2点鎖線で示す先端回動軌跡の範囲内でキャノピ10が揺動するように構成されている。これにより、補助支柱43が、支柱40の機体内側への回動を規制する規制部材として機能し、例えば、キャノピ10が機体内側に回動してプレクリーナ35等と干渉して破損することを防止できる(図1〜図3参照)。なお、例えば、補助支柱43を装備しないでキャノピ10を構成した場合等においては、補助支柱43とは別に(又は補助支柱43に代えて)、支柱40の機体内側への回動を規制する規制部材を備えてもよい。
【0091】
操作具54を解除位置に操作し、固定操作具61を取り外すことで、支柱40を上下向きの軸心P1周りで回動操作することが可能になる。そして、キャノピ10を作業位置に位置変更し、操作具54を固定位置に操作し、固定操作具61を締め付けることで、キャノピ10を作業位置で固定でき、キャノピ10を格納位置に位置変更し、操作具54を固定位置に操作し、固定操作具61を締め付けることで、キャノピ10を格納位置で固定できる。
【0092】
例えば、操作具54のみで支柱40を支柱支持部材47に固定すると、操作具54と、支柱40の位置決め固定穴40b,40cと、支柱支持部材47の支柱固定穴47aとの寸法誤差等により、支柱40がガタつくおそれがある。しかし、固定操作具61により補助支柱43側を前方から締め付け固定することで、支柱40のガタつきを効果的に防止でき、作業位置及び格納位置でのキャノピ10の揺れ等を確実に防止できる。
【0093】
また、キャノピ10の作業位置及び格納位置では、操作具54及び固定操作具61により、支柱40の位置と補助支柱43の位置との2箇所で支柱40が穀粒回収ホッパー4側に固定されることになるため、支柱40を強固に穀粒回収ホッパー4側に固定できる。これにより、例えば後述するルーフ部材70に装備された前部又は後部ハンドル73,74等を作業者が操作することにより、支柱40に比較的大きな曲げ力が作用した場合であっても、支柱40に作用する曲げ力を支柱40の位置と補助支柱43の位置との2箇所で強固に支持できる。
【0094】
なお、図示しないが、格納位置でのみ補助支柱43を機体側に固定するように、固定手段を構成してもよく、作業位置でのみ補助支柱43を機体側に固定するように、固定手段を構成してもよい。
【0095】
図6及び図7に示すように、ルーフ部材70は、ルーフフレーム71と、ルーフパネル72と、傾斜角度調節機構80とを備えて構成されている。
【0096】
ルーフフレーム71は、丸パイプ材により平面視で後向きに開口したコ字状に形成されており、その後部が丸パイプ製の支持フレーム71aにより連結されている。ルーフフレーム71には、複数の上下向きの貫通穴が形成されており、この複数の貫通穴に、後述するルーフパネル72が締め付け固定されている。
【0097】
ルーフパネル72は、軽量な樹脂製でプレス成形又は射出成形により一体的に形成されており、その前部及び左右両側部が下方に湾曲又は屈曲した形状に成形されている。なお、ルーフパネル72の材質として異なる材質を採用してもよく、例えば、金属製の材料(例えば鋼板やアルミ板)、FRP等の強化樹脂によりルーフパネル72を構成してもよい。
【0098】
ルーフパネル72は、日差しを透過し難い色に着色された樹脂で成形されており、運転部5の上方から照りつける日差しをルーフパネル72により十分に遮ることができるように構成されている。ルーフパネル72には、上下向きの複数の貫通穴が形成されており、この複数の貫通穴を介してルーフパネル72がルーフフレーム71に締め付け固定される。
【0099】
ルーフパネル72の平面視での形状は、前後に長い縦長の長方形状に形成されており、キャノピ10の作業位置でルーフパネル72の前端が前部操作パネル29の前端より前に位置するように配設されている。これにより、キャノピ10の作業位置で、ルーフパネル72により、運転座席31、燃料タンク32、前部操作パネル29、及び、側部操作パネル30の一部を、広範囲で上方から覆うことができるように構成されている。なお、ルーフパネル72の平面視での形状として異なる形状(横長の長方形状、縦長又は横長の楕円形状、正方形状、円形状等)を採用してもよく、キャノピ10の作業位置でルーフパネル72により覆う運転部5の範囲を広く又は狭く設定してもよい。
【0100】
ルーフフレーム71の左側前部には、前部ハンドル73が装備されており、ルーフフレーム71の右側後部における前部ハンドル73と平面視で対角の位置には、後部ハンドル74が装備されている。前部及び後部ハンドル73,74は、丸棒で構成されており、ルーフフレーム71に固着されている。これにより、例えば傾斜角度調節機構80によりルーフ部材70の傾斜角度を変更する場合や、例えばキャノピ10を作業位置と格納位置との間で位置変更する場合等に、前部及び後部ハンドル73,74を介してルーフ部材70を操作することで、ルーフ部材70を安定して握って持つことができると共に、樹脂で成形されたルーフパネル72の破損を防止できる。
【0101】
図9〜図11に示すように、連結フレーム41の左右の支持フレーム41aの先端部に、左右向きの貫通穴が形成されており、左右の支持フレーム41aの先端部における内面側には、後述する傾斜角度調節機構80を構成する縦平板状の左右の案内部材81が固着されている。
【0102】
ルーフフレーム71における支持フレーム71aには、支持フレーム71aから下方に延出された支持ブラケット75が固着されている。支持ブラケット75は、支持フレーム71aの左右両側部に固着された縦平板状の左右の板状部材76と、この左右の板状部材76の下部に形成された貫通穴に内嵌されて固着された左右に長い丸パイプ状の連結パイプ77とを備えて構成されている。
【0103】
支持ブラケット75の連結パイプ77は、左右の支持フレーム41aの内面側に固着された左右の案内部材81の間に挿入された状態で、丸パイプ製の支軸78により左右の支持フレーム41aに左右向きの軸心P2周りに回動自在に支持されている。これにより、ルーフ部材70が支柱40上部の左右向きの軸心P2周りに回動自在に支持されている。
【0104】
次に、支柱40の上部とルーフ部材70の後部とに亘って設けられている傾斜角度調節機構80について説明する。傾斜角度調節機構80は、左右の支持フレーム41aの先端部に固着された左右の案内部材81と、傾斜角度調節具83と、弾性バネ89とを備えて構成されている。
【0105】
左右の案内部材81には、複数の係合溝81aが左右向きの軸心P2周りの所定の角度毎に形成されており、これにより、ルーフ部材70の傾斜角度を所定の角度毎に変更調節できるように構成されている。また、左右の案内部材81には、左右向きの軸心P2を中心とした円周上に位置する案内溝81bが形成されている。
【0106】
支持ブラケット75における左右の板状部材76の前部上部には、支軸82が左右向きの軸心P3周りで回動自在に支持されており、この支軸82に、傾斜角度調節具83が回動自在に支持されている。これにより、傾斜角度調節具83が板状部材76に左右向きの軸心P3周りで前後揺動可能に支持されている。
【0107】
傾斜角度調節具83は、丸棒により構成されたロッド84と、ロッド84の左側端部に固着された左側アーム部材85と、ロッド84の右側端部に固着された右側アーム部材86とを備えて構成されている。右側アーム部材86は、左側アーム部材85より下方に長く延出されており、この右側アーム部材86の下端部に、樹脂製の握り部83aが外嵌装着されている。
【0108】
傾斜角度調節具83の右側アーム部材86の上下中央部の前側には、平板状の前部支持板87が固着され、支持ブラケット75における連結パイプ77の右側部には、前方に突出した平板状の後部支持板88が固着されており、前部支持板87と後部支持板88とに亘って弾性バネ89が装着されている。弾性バネ89は引っ張りバネで構成されており、この弾性バネ89により傾斜角度調節具83が後方に付勢されている。
【0109】
傾斜角度調節具83を弾性バネ89の付勢力に抗して左右向きの軸心P3周りで前方に揺動させて、ロッド84の係合溝81aへの係合を解除し、ルーフ部材70を左右向きの軸心P2周りで上下に揺動させることで、ルーフ部材70の傾斜角度を段階的に変更調節できる。この場合、ロッド84が係合溝81aに係合した状態では、ロッド84が係合溝81aの奥端(後端)にまで達しないで係合溝81aの前後中央部に隙間なく接当するように構成されている。
【0110】
従って、傾斜角度調節具83を前方に揺動操作しロッド84を左右の案内部材81に形成された案内溝81bに接当させながら、ルーフ部材70の傾斜角度を変更調節することで、左右向きの軸心P2周りで作用するルーフ部材70の重量を傾斜角度調節具83の前方への押し操作により容易に支持でき、ルーフ部材70の傾斜角度の変更が容易になる。
【0111】
また、ルーフ部材70の角度を調節した位置で、弾性バネ89の付勢力により補助されながら傾斜角度調節具83を後方に揺動操作して、ロッド84を係合溝81aに係合させることで、ルーフ部材70の傾斜角度が変更された位置を保持できる。この場合、弾性バネ89の付勢力は、ロッド84が係合溝81aに係合した状態でも作用するように設定されているので、ルーフ部材70の傾斜角度が変更された位置を確実に保持でき、例えば走行時の振動等によりロッド84の係合溝81aへの係合が解除されることを防止できる。
【0112】
[キャノピの操作状況]
図3〜図6に基づいてキャノピ10の操作状況について説明する。まず、図3〜図5に基づいてキャノピ10の位置変更状況について説明する。図3〜図5に示すように、キャノピ10が作業位置に位置変更され操作具54が固定位置に操作され固定操作具61が固定された状態で、固定操作具61を取り外しかつ操作具54を解除位置に位置変更して、支柱40を回動可能に操作し、キャノピ10を右側後方に揺動させて機体後方に移動させる。この場合、補助支柱43の下部に固着された固定部材60の面が穀粒回収ホッパー4の前壁4Aに接当して、キャノピ10の前後方向での位置が格納位置での前後方向での位置(キャノピ10が穀粒回収ホッパー4の上方に移動した位置)に位置決めされる(支柱40の位置決め固定穴40b,40cの向く方向と、支柱支持部材47の支柱固定穴47aの向く方向が略一致する)。
【0113】
そして、前部又は後部ハンドル73,74を握って弾性バネ50の付勢力に抗してキャノピ10を下方に引き下げて、キャノピ10を格納位置に位置変更する。この場合、支柱40に形成したストッパー部40aが連結部材51の上面側に接当して、キャノピ10の上下方向での位置が格納位置での上下方向での位置に位置決めされる(支柱40の位置決め固定穴40bの高さが、支柱支持部材47の支柱固定穴47aの高さと略一致し、固定部材60の貫通穴の高さが、前壁4Aの固定ネジ部4Bの高さと略一致する)。
【0114】
固定部材60及びストッパー部40aにより前後方向及び上下方向での位置が位置決めされて、キャノピ10が格納位置に位置決めされるので、この位置で、操作具54を固定位置に操作し、固定操作具61を締め付けることで、キャノピ10を格納位置で固定できる。これにより、キャノピ10の作業位置から格納位置への位置変更を簡易迅速に行うことができ、キャノピ10の位置変更作業の作業性を向上できる。
【0115】
一方、キャノピ10が格納位置に位置変更され操作具54が固定位置に操作され固定操作具61が固定された状態で、固定操作具61を取り外しかつ操作具54を解除位置に位置変更して、支柱40を回動可能に操作し、キャノピ10を右側前方に揺動させて機体前方に移動させる。この場合、固定操作具61を取り外しかつ操作具54を解除位置に位置変更すると、弾性バネ50による付勢力が作用して、この弾性バネ50(補助機構)の付勢力に補助されてキャノピ10が自動的に上昇し、キャノピ10の上下方向での位置が作業位置での上下方向での位置に自動的に位置決めされる(支柱40の位置決め固定穴40cの高さが、支柱支持部材47の支柱固定穴47aの高さと略一致し、固定部材60の貫通穴の高さが、フレーム部材59の貫通穴の高さと略一致する)。
【0116】
なお、キャノピ10を手で持ち上げなくても、弾性バネ50(補助機構)により作業位置の高さまで完全に上昇するように、弾性バネ50の付勢力を比較的強く設定してもよく、弾性バネ50(補助機構)により格納位置と作業位置との中間の高さに上昇するように、弾性バネ50の付勢力を比較的弱く設定してもよい。
【0117】
キャノピ10を機体前方に移動させると、補助支柱43の下部に固着された固定部材60の面がフレーム部材59に接当して、キャノピ10の前後方向での位置が作業位置での前後方向での位置に位置決めされる。
【0118】
固定部材61及び弾性バネ50により前後方向及び上下方向での位置が位置決めされて、キャノピ10が作業位置に位置決めされるので、この位置で、操作具54を固定位置に操作し、固定操作具61を締め付けることで、キャノピ10を作業位置で固定できる。これにより、キャノピ10の格納位置から作業位置への位置変更を簡易迅速に行うことができ、キャノピ10の位置変更作業の作業性を向上できる。
【0119】
また、キャノピ10を格納位置から作業位置に位置変更する場合において、弾性バネ50の付勢力に補助されてキャノピ10が自動的に上昇するので、キャノピ10を上方に持ち上げなくてもよくなり、キャノピ10の上下方向での位置決めが容易になるだけでなく、位置変更時の作業者の負担を軽減でき、キャノピ10の位置変更作業の作業性を更に向上できる。
【0120】
キャノピ10が作業位置に位置変更され操作具54が固定位置に操作され固定操作具61が固定された状態で、固定操作具61を取り外しかつ操作具54を解除位置に位置変更して、支柱40を回動操作せずに、前部又は後部ハンドル73,74を握って弾性バネ50の付勢力に抗してキャノピ10を下方に引き下げて、キャノピ10を下降させる。そして、支柱40に形成したストッパー部40aが連結部材51の上面側に接当し、支柱40の位置決め固定穴40bの高さが、支柱支持部材47の支柱固定穴47aの高さと略一致した状態で、操作具54を固定位置に位置変更する。
【0121】
これにより、ルーフ部材70が運転部5の上方に位置する状態で、傾斜角度変更調節機構80による高さ調節とは別に、ルーフ部材70の高さを変更調節でき、ルーフ部材70が上昇した上昇位置(作業位置)と、ルーフ部材70が下降した下降位置とに、キャノピ10を位置変更できる。その結果、例えばコンバインを倉庫等に保管する場合やコンバインをトラックの荷台等に積み込む場合において、ルーフ部材70を格納位置に位置変更しなくても、ルーフ部材70を下降位置に位置変更することでコンバインの全高を低く抑えることができる。
【0122】
なお、支柱40に上下方向に並べて複数の位置決め固定穴(又は上下に長い長穴)を形成し、ルーフ部材70の高さを段階的に(又は無段階で)変更できるように構成してもよい。この場合、固定部材60に複数の前後向きの貫通穴(又は上下に長い長穴)を形成し、支柱40を支柱支持部材47に対して上下方向に移動させる複数の位置で、操作具54及び固定操作具61により支柱40及び補助支柱43を複数の異なる高さで固定できるように構成してもよい。
【0123】
次に、図4及び図6に基づいて傾斜角度調節機構80によるルーフ部材70の傾斜角度の変更状況について説明する。図4及び図6に示すように、前部又は後部ハンドル73,74を片手で握ってルーフ部材70を支持し、前部又は後部ハンドル73,74を握った方と逆の手で傾斜角度調節具83を揺動操作することにより、傾斜角度調節機構80を操作する。これにより、ルーフ部材70が左右向きの軸心P2周りに上下に揺動して、ルーフ部材70の傾斜角度を所定の角度ずつ変更できる。
【0124】
傾斜角度調節機構80によりルーフ部材70の傾斜角度を変更すると、運転座席31に着座した作業者が運転部フレーム27のデッキ面の上で起立した状態での作業者の頭上空間が変更されることとなる。これにより、作業者の身長等に合わせてルーフ部材70の傾斜角度を変更してルーフ部材70の高さ(作業者の頭上空間)を変更することで、作業者の身長等に合わせた快適な運転部空間を形成することができる。
【0125】
また、ルーフ部材70を下降位置に位置変更すると共に、傾斜角度調節機構80により、ルーフ部材70が前下がり傾斜した状態にルーフ部材70の傾斜角度を変更することで、例えばコンバインを倉庫等に保管する場合やコンバインをトラックの荷台等に積み込む場合において、更に邪魔になり難い位置にルーフ部材70を位置させることができる。
【0126】
なお、傾斜角度調節機構80により段階的に変更するルーフ部材の角度や、段階的に変更する段数として異なる構成を採用してもよく、また、傾斜角度調節機構80により、ルーフ部材70の傾斜角度を無段階で変更調節できるように構成してもよい。
【0127】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、穀粒回収部の一例としての穀粒回収ホッパー4を配設した例を示したが、図12及び図13に示すように、グレンタンク90を備えたコンバインにおいても同様に適用できる。図12は、この別実施形態での普通型コンバインの全体右側面図であり、図13は、この別実施形態でのキャノピ10の支持構造を説明する正面図である。なお、後述する以外の構成は、前述の[発明を実施するための最良の形態]と同様である。
【0128】
図12に示すように、機体2の後部で運転部5の後側に、脱穀装置3から供給される穀粒を貯留するグレンタンク90が配設されており、機体2の後部でグレンタンク90の左側に、脱穀装置3がグレンタンク90と左右に並べて配備されている。
【0129】
グレンタンク90の後部には、このグレンタンク90から機外に穀粒を排出するアンローダ91が装備されている。アンローダ91には、油圧シリンダと旋回モータ(図示せず)が装備されており、油圧シリンダでアンローダ91を起立させて、旋回モータでアンローダ91を旋回できるように構成されている。
【0130】
図12の実線で示す不使用時におけるアンローダ91は、グレンタンク90の後部(機体2の後部右側部)から機体2の前部左側部に向かって、平面視で対角状に配設されるように構成されている。
【0131】
図12の2点鎖線で示すように、キャノピ10を下降位置に位置変更すると、アンローダ91をあまり起立させなくても、アンローダ91とキャノピ10が干渉することなく、アンローダ91を旋回させることができる。これにより、穀粒の排出時にキャノピ10を下降位置に位置変更することで、アンローダ91による穀粒の排出作業の作業性を向上できる。
【0132】
また、作業位置でのキャノピ10の前端部が上方に移動するように、キャノピ10の前方傾斜角度を傾斜角度調節機構80の操作により変更してから、キャノピ10を作業位置から格納位置に位置変更する。これにより、図12の2点鎖線で示すように、格納位置でのキャノピ10の上面側が後方上方に少し傾斜した状態になり、格納位置でのキャノピ10の後端部の高さを上方に位置させることができる。その結果、格納位置でのキャノピ10の後端部が、グレンタンク90の後部に配設されたアンローダ91等と干渉することを防止できる。
【0133】
図13に示すように、支柱支持部材47は、ブラケット93を介してグレンタンク90の前壁90Aに複数のボルトで締め付け固定されている。
【0134】
支柱支持部材47の上端部には、ブラケット94が固着されており、このブラケット94に止め金具55及び弾性バネ56を介して操作具54が装着されている。操作具54は、弾性バネ56により支柱支持部材47側(左側)に付勢されている。
【0135】
バネ支持部材48の上側における支柱支持部材47の内部には、圧縮バネで構成された2つの弾性バネ50が中間支持部材95を介して直列的に内装されている。弾性バネ50は、圧縮バネで構成されており、下側の弾性バネ50の下部がバネ支持部材48により支持され、上側の弾性バネ50の上部が支柱40の下端部に固定されたバネ押え部材42に嵌め込まれている。
【0136】
キャノピ10は、ブラケット93のみによりグレンタンク90の前壁90Aに固定されているので、例えば組み付けたキャノピ10を機体側への着脱する場合において、ブラケット93の部分をグレンタンク90の前壁90Aに締め付け固定することで、キャノピ10を簡易に機体側に取り付けることができ、例えばボルトを緩めてブラケット93を取り外すことで、キャノピ10全体を簡易に機体側から取り外すことができる(キャノピ10をユニットとしてアタッチメント式に簡易に着脱できる)。
【0137】
また、ブラケット93を取り付けるためのグレンタンク90の前壁90A側の加工が少なくて済むため、機体側の構造を大きく変更しなくても、キャノピ10を装着することができる(例えば、グレンタンク90側の少しの設計変更や機体側の少しの改造等で取り付けることができる)。これにより、キャノピ10の支持部を更にコンパクトに構成できると共に、キャノピ10の設計及び製作が更に容易になり、製造コストを更に削減できる。
【0138】
なお、前述の[発明を実施するための最良の形態]における、穀粒回収部として穀粒回収ホッパー4を採用したコンバインにおいて、この別実施形態でのキャノピ10の支持構造を採用してもよく、この別実施形態における、穀粒回収部としてグレンタンク90を採用したコンバインにおいて、前述の[発明を実施するための最良の形態]におけるキャノピ10の支持構造を採用してもよい。
【0139】
[発明の実施の第2別形態]
図14は、発明の実施の第2別形態を備えたコンバインの全体側面図である。図15は、発明の実施の第2別形態を備えたコンバインの全体平面図である。図16〜図22は、発明の実施の第2別形態を備えたコンバインのキャノピ支持構造を示している。これらの図に示すように、発明の実施の第2別形態を備えたコンバインと、前述の[発明を実施するための最良の形態]において示したコンバインとを比較すると、キャノピ10を作業位置と格納位置とに位置変更する点と、キャノピ10を作業位置で固定する点と、キャノピ10の作業位置から格納位置への高さ変更を補助する点と、支柱40の機体内側への回動を規制する点と、ルーフ部材70と支柱40を連結する点とにおいて、発明の実施の第2別形態を備えたコンバインと、前述の[発明を実施するための最良の形態]において示したコンバインとは、同じ構成を備えている。発明の実施の第2別形態を備えたコンバインでは、さらに次の構成を備えている。
【0140】
図16,20に示すように、実施の第2別形態を備えたコンバインでは、穀粒回収ホッパー4に設けた前記ブラケット46に前記支柱支持部材47よりも機体横方向での内側に配置して設けた収納支持体100と、前記ブラケット46に前記支柱支持部材47よりも機体横方向での外側に配置して設けた固定ネジ部4Bと、前記補助支柱43に設けた上下一対の位置決め体101.102とを備えている。
【0141】
図17に示すように、前記上下一対の位置決め体101,102のうちの下側の位置決め体102(以下、下位置決め体102と呼称する。)は、キャノピ10を前記軸芯P1まわりに回転操作するとともに下降操作して前記格納位置に位置変更すると、前記固定ネジ部4Bの前側に合致し、前記フレーム部材59と前記固定部材60とから取り外した前記固定操作具61を、下位置決め体102のネジ孔102aと前記固定ネジ部4Bとに装着して固定ネジ部4Bに締め付け操作することにより、補助支柱43をブラケット46に固定する。
【0142】
これにより、下位置決め体102と固定ネジ部4Bと固定操作具61とは、格納位置での補助支柱43を機体側に固定してキャノピ10を格納位置に固定する固定手段を構成している。
【0143】
図18,22に示すように、前記収納支持体100は、筒体で構成してあり、前記支柱支持部材47から抜き外した前記支柱40を収納支持体100にこれの上方から差し込むことができるようになっている。この収納支持体100は、前記支柱40を装着して前記ストッパー部40aが収納支持体100の上端に当接するまで下降させると、キャノピ10を収納位置に位置変更させる。この収納位置は、キャノピ10が作業位置よりも機体横方向での内側に移動距離L(支柱支持体47と収納支持体100との機体横方向での間隔に相当)を移動し、かつ作業位置での配置高さよりも下降距離Dを下降した低い配置高さに下降し、さらにルーフ部材70が支柱40から機体前方向きに運転座席31の上方に延出する取り付け姿勢なったものである。
【0144】
図18に示すように、前記上下一対の位置決め体101,102のうちの上側の位置決め体101(以下、上位置決め体101と呼称する。)は、キャノピ10が収納位置に位置変更されると、前記ブラケット46の前側に位置し、前記ブラケット46を前記穀粒回収ホッパー4に連結するようブラケット46と穀粒回収ホッパー4とに装着される複数本の連結ボルトのうちの一つ連結ボルト103を利用し、この連結ボルト103によってブラケット46との共締めで穀粒回収ホッパー4に締め付けることができる。この上位置決め体101は、穀粒回収ホッパー4に締め付けられると、補助支柱43を穀粒回収ホッパー4に固定する。
【0145】
これにより、収納支持体100と上位置決め体101と前記連結ボルト103とは、収納位置での補助支柱43を機体側に固定することにより、キャノピ10を前記収納位置にして支持する収納支持手段104を構成している。
【0146】
図18に示すように、前記プレクリーナ35と前記エアクリーナ33とを接続する前記吸気ダクト34は、エアクリーナ33に支持されたエアクリーナ側ダクト34aと、このエアクリーナ側ダクト34aに摺動伸縮自在に連通したプレクリーナ側ダクト34bとを備えて構成してある。前記プレクリーナ側ダクト34bは、これに固定された取り付け部材105と、脱穀装置3に設けたクリーナ支持部材106とが連結ボルト107によって連結されることによって、前記クリーナ支持部材106に支持される。このプレクリーナ側ダクト4bは、前記連結ボルト107を前記クリーナ支持部材106に機体上下方向に並べて設けてあるボルト孔に付け替えられることにより、前記クリーナ支持部材106に機体上下方向に位置変更して支持される。
【0147】
つまり、前記プレクリーナ35は、クリーナ側ダクト34bのクリーナ支持部材106に対する取り付け位置の上下調節を行なうことにより、図14,18に二点鎖線で示す高所使用の取り付け高さとしての高取り付け高さと、図14,18に実線で示す低所使用及び格納用の取り付け高さとしての低取り付け高さとに昇降調節される。
プレクリーナ側ダクト34bは、プレクリーナ35の昇降調節を行なわれると、エアクリーナ側ダクト34aに対して自ずと伸縮し、プレクリーナ35の高さ変化にかかわらずプレクリーナ35をエアクリーナ33に連通した状態にする。
【0148】
図14と図15とに機体前方向き姿勢でかつ二点鎖線で示すキャノピ10は、作業位置でのキャノピ10を示している。図16は、キャノピ10を作業位置に切り換えた状態での運転部5の正面である。図21は、キャノピ10を作業位置に切り換えた状態でのキャノピ支持構造の平面図である。
【0149】
これらの図に示すように、キャノピ10を使用しながら作業や走行を行なう場合、キャノピ10を上下向きの軸芯P1まわりに回動操作して固定部材60がフレーム部材59の前側に位置すると、キャノピ10が作業位置になり、ルーフ部材70が運転部5の上方を覆う。このとき、操作具54を固定位置に操作して位置決め固定穴40c(図20参照)に装着し、かつ固定操作具61をフレーム部材59に締め付けることにより、キャノピ10が作業位置に固定される。
【0150】
図14と図15に機体後方向き姿勢でかつ二点鎖線で示すキャノピ10は、格納位置でのキャノピ10を示している。図17は、キャノピ10を格納位置に切り換えた状態での運転部5の正面図である。
【0151】
これらの図に示すように、キャノピ10を使用しないで作業や走行を行なう場合、キャノピ10を上下向き軸芯P1まわりに回動操作するとともに弾性バネ50に抗して引き下げ操作し、支柱40のストッパー部40aが支柱支持部材47に当接するとともに下位置決め体102が固定ネジ部4Bの前側に位置すると、キャノピ10が格納位置になり、ルーフ部材70が穀粒回収ホッパー4の上部に沿って位置するとともにキャノピ10の高さが使用位置での高さよりも低くなる。このとき、操作具54を固定位置に操作して位置決め固定穴40b(図19参照)に装着し、固定操作具61を固定ネジ部4Bに締め付けると、キャノピ10が格納位置に固定される。
【0152】
図14と図15に実線で示すキャノピ10は、収納位置でのキャノピ10を示している。図18は、キャノピ10を収納位置に切り換えた状態での運転部5の正面図である。図22は、キャノピ10を収納位置に切り換えた状態でのキャノピ支持構造の平面図である。
【0153】
これらの図に示すように、コンバインを格納や搬送する場合、支柱40を支柱支持部材47から抜き外して収納支持体100に装着し、支柱40のストッパー部40aを収納支持体100に当接させ、連結ボルト103を上位置決め体101とブラケット46と穀粒回収ホッパー4とに装着して締め付ける。すなわち、キャノピ10を収納支持手段104によって支持させる。すると、キャノピ10は収納位置になって支持され、キャノピ10を作業位置および格納位置の場合よりも機体横方向での内側に位置させて、かつ作業位置および格納位置の場合の配置高さよりも低い配置高さにして、さらにルーフ部材70が支柱40から機体前方向きに運転座席31の上方に延出した取り付け姿勢して支持させることができ、キャノピ10の機体横外側への突出が無くなり、かつコンバインのキャノピ10による高さが低くなる。
【0154】
このとき、プレクリーナ35を低取り付けた高さに下げ調節すると、キャノピ10の高さがプレクリーナ35の高さと等しいまたはほぼ等しい高さになる。すなわち、キャノピ10の上端がプレクリーナ35の上端の配置高さに等しい又はほぼ等しい配置高さになる。これにより、キャノピ10の高さは、プレクリーナ35によって決まるコンバイン全体の高さと等しくまたはほぼ等しくなる。
【0155】
図19に示すように、発明の実施の第2別形態を備えたコンバインのキャノピ10は、前記支柱40の上部と前記ルーフ部材70の後部とにわたって設けた傾斜角度調節機構80を備えている。
【0156】
この傾斜角度調節機構80と、前述の[発明を実施するための最良の形態]において示したコンバインのキャノピ10が備える傾斜角度調節機構80とは、左右の案内部材81と、傾斜角度調節具83と、弾性バネ89と、左右の案内部材81に設けた係合溝81aとを備え、傾斜角度調節具83が左右向きの軸芯P3まわりに揺動操作されることにより、ルーフ部材70が左右向きの軸芯P2まわりに上下に揺動操作され、ロッド84が係合溝81aに係合してルーフ部材70が調節後の傾斜角度に保持される点において同じ構成を備えている。
【0157】
図19は、ルーフ部材70の傾斜角度調節機構80による角度調節状態を示す側面図である。この図に最上段の二点鎖線で示すルーフ部材70は、上限使用姿勢に角度調節されたルーフ部材70を示している。この図に実線で示すルーフ部材70は、下限使用姿勢に角度調節されたルーフ部材70を示している。最上段の二点鎖線で示すルーフ部材70と実線で示すルーフ部材70との間に二点鎖線で示すルーフ部材70は、中間使用姿勢に角度調節されたルーフ部材70を示している。
【0158】
これらの図に示すように、ルーフ部材70は、傾斜角度調節機構80によって上限使用姿勢に角度調節された場合、支柱40から機体前方向きに延出し、かつ機体側面視で水平姿勢になった水平取り付け姿勢になる。
ルーフ部材70は、傾斜角度調節機構80によって中間使用姿勢、および下限使用姿勢に角度調節された場合、支柱40から機体前方向きに延出し、かつ機体側面視で上限使用姿勢(水平姿勢)よりも下向き姿勢になった下向き使用姿勢になり、垂れ下がっている小枝や葉を押し上げて運転部5に入り込みにくくする。
【0159】
補助デッキ25と、前後の補助具26とは、機体横外側に張り出した使用姿勢と、機体内側に起立した格納姿勢とに切り換え自在になっている。
【0160】
図15に示す如く前記フィーダ6の前端側に設けた排塵装置110は、フィーダ6の内部に流入や発生した塵埃を、電動モータによって回転駆動される排塵ファンと、この排塵ファンを内装した排塵フードとによってフィーダ6から吸引し、フィーダ6の横外側で排塵フードの排塵口から下向きに排出する。
【0161】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、支柱40を穀粒回収ホッパー4の前壁4A又はグレンタンク90の前壁90Aに支持した例を示したが、異なる部材に支柱40を支持する構造を採用してもよい。具体的には、例えば支柱40を穀粒回収ホッパー4又はグレンタンク90の側壁に支持する構造を採用してもよく、例えば支柱40を穀粒回収ホッパー4又はグレンタンク90の前部上部に支持する構成を採用してもよい。また、例えば支柱40を座席支持フレーム28等の異なるフレーム類に支持する構造を採用してもよい。
【0162】
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、支柱40を穀粒回収ホッパー4の前壁4A又はグレンタンク90の前壁90Aに、ブラケット46,93等を介して支持した例を示したが、支柱40を運転部5の後部に支持する構造として異なる構造を採用してもよい。具体的には、例えば支柱40を運転部5の後部に、ブラケット46,93等を介さずに直接的に支持する構成を採用してもよく、支柱40を運転部5の後部に、異なる形状や構造のブラケット(図示せず)を介して支持する構成を採用してもよい。
【0163】
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、丸パイプ製の支柱支持部材47に、丸パイプ製の支柱40を内嵌することで、支柱40を上下向きの軸心P1周りで回動自在に支持した例を示したが、支柱40を運転部5の後部に上下向きの軸心P1周りで回動自在に支持する構造として異なる構造を採用してもよい。具体的には、例えば支柱40及び支柱支持部材47の材料として、異なる材料(例えば角パイプ材や中実軸材等)を採用してもよく、例えば支軸40の複数の箇所を、ベアリング等を内蔵した周知の軸受部材(図示せず)等で支持する構成を採用してもよい。
【0164】
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、作業位置でのルーフ部材70の後端が支柱40の上下向きの軸心P1より前側に位置するように、側面視で逆L字状のキャノピ10を構成した例を示したが、作業位置でのルーフ部材70の後端が支柱40の上下向きの軸心P1より後側に位置するように、側面視でT字状のキャノピ10を構成してもよい。
【0165】
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、機体2の右横側に運転部5を備え、この運転部5の後方に穀粒貯留ホッパー4又はグレンタンク90を備えたコンバインを例に示したが、機体2に対して運転部5を異なる位置に配設したコンバインにおいても同様に適用できる。具体的には、例えば、機体2の左横側に運転部5を備え、この運転部5の後方に穀粒貯留ホッパー4又はグレンタンク90を備えたコンバイン(上記の実施形態と左右対称構造のコンバイン)においても同様に適用でき、例えば機体2の左右中央部に運転部5を備え、この運転部5の後方に穀粒貯留ホッパー4又はグレンタンク90を備えたコンバインにおいても同様に適用できる。
【0166】
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、運転部5の後側に穀粒貯留ホッパー4又はグレンタンク90を備えたコンバインを例に示したが、運転部5の後側に脱穀部(脱穀装置3)を備えたコンバインにおいても同様に適用できる。
【0167】
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、機体2の後部に脱穀装置3と穀粒回収ホッパー4(又はグレンタンク90)を左右に並べて配備したコンバインを例に示したが、脱穀装置3と穀粒回収ホッパー4(又はグレンタンク90)を前後に並べて配設したコンバインにおいても同様に適用できる。
【0168】
[発明の実施の第5別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]、[発明の実施の第3別形態]、及び[発明の実施の第4別形態]においては、コンバインの一例として普通型コンバインを例に示したが、自脱型コンバインにおいても同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】普通型コンバインの全体左側面図
【図2】普通型コンバインの全体右側面図
【図3】普通型コンバインの全体平面図
【図4】運転部及び穀粒回収ホッパー付近の側面図
【図5】運転部付近の正面図
【図6】キャノピの全体側面図
【図7】キャノピの全体平面図
【図8】キャノピの支持構造を説明する縦断正面図
【図9】キャノピの支持構造を説明する平面図
【図10】傾斜角度調節機構の構造を説明する側面図
【図11】傾斜角度調節機構の構造を説明する正面図
【図12】発明の実施の第1別形態での普通型コンバインの全体右側面図
【図13】発明の実施の第1別形態でのキャノピの支持構造を説明する正面図
【図14】発明の実施の第2別形態での普通型コンバインの全体右側面図
【図15】発明の実施の第2別形態での普通型コンバインの全体平面図
【図16】発明の実施の第2別形態でのキャノピを作業位置に切り換えた状態での運転部の正面図
【図17】発明の実施の第2別形態でのキャノピを格納位置に切り換えた状態での運転部の正面図
【図18】発明の実施の第2別形態でのキャノピを収納位置に切り換えた状態での運転部の正面図
【図19】発明の実施の第2別形態でのキャノピ支持構造を示す側面図
【図20】発明の実施の第2別形態でのキャノピ支持構造を示す正面図
【図21】発明の実施の第2別形態でのキャノピを作業位置に切り換えた状態でのキャノピ支持構造を示す平面図
【図22】発明の実施の第2別形態でのキャノピを収納位置に切り換えた状態でのキャノピ支持構造を示す平面図
【符号の説明】
【0170】
2 機体
3 脱穀装置(脱穀部)
4 穀粒回収ホッパー(穀粒回収部)
4A 前壁
5 運転部
10 キャノピ
40 支柱
43 補助支柱(規制部材)
50 弾性バネ(補助機構)
60 固定部材(固定手段)
70 ルーフ部材
104 収納支持手段
P1 上下向きの軸心
P2 左右向きの軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転部の後方に脱穀部又は穀粒回収部を備えると共に、前記運転部の上方を覆うキャノピを備えたコンバインにおいて、
前記運転部の上方を覆うルーフ部材と、前記運転部の後部に上下向きの軸心周りで回動可能に支持された支柱とを備えて、前記支柱の上部に前記ルーフ部材を連結して前記キャノピを構成してあるコンバイン。
【請求項2】
前記キャノピを、前記運転部の上方に位置する作業位置よりも機体横方向での内側に位置する収納位置にして支持する収納支持手段を備えてある請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記キャノピを、前記運転部の上方に位置する作業位置と、前記脱穀部又は穀粒回収部の上部に沿って後向きに格納した格納位置とに位置変更可能に構成してある請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記収納位置および前記格納位置でのキャノピの高さを、前記作業位置でのキャノピの高さよりも低く設定してある請求項3記載のコンバイン。
【請求項5】
前記格納位置でのキャノピの高さを、前記作業位置でのキャノピの高さより低く設定し、前記収納位置でのキャノピの高さを、前記格納位置でのキャノピの高さより低く設定してある請求項3記載のコンバイン。
【請求項6】
前記収納位置でのキャノピの高さを、エンジン用のプレクリーナと等しい又はそれに近い高さに設定してある請求項2〜5のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項7】
前記プレクリーナを昇降調節自在に支持させ、
前記収納位置でのキャノピの高さを、下降調節されたプレクリーナと等しい又はそれに近い高さに設定してある請求項6記載のコンバイン。
【請求項8】
前記格納位置から前記作業位置への前記キャノピの高さ変更を補助する補助機構を備えてある請求項4又は5記載のコンバイン。
【請求項9】
前記キャノピに、前記作業位置で前記支柱の機体内側に配設された補助支柱を備え、前記作業位置又は格納位置で前記補助支柱を機体側に固定する固定手段を備えてある請求項3〜8のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項10】
前記支柱の機体内側への回動を規制する規制部材を備えてある請求項1〜9のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項11】
前記支柱の機体内側への回動を規制する規制部材を備え、前記規制部材を前記補助支柱で構成してある請求項9記載のコンバイン。
【請求項12】
前記ルーフ部材の左右中央部に前記支柱の上部を連結してある請求項1〜11のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項13】
前記支柱を、前記脱穀部又は穀粒回収部の前壁に支持してある請求項1〜12のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項14】
前記ルーフ部材の後部を前記支柱の左右向きの軸心周りで揺動可能に支持し、前記ルーフ部材の前方傾斜角度を変更可能に構成してある請求項1〜13のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項15】
前記ルーフ部材を、前記支柱から機体前方向きに延出し、かつ水平姿勢よりも下向きの姿勢になった下向き使用姿勢に調節自在に構成してある請求項14記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−207480(P2009−207480A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138285(P2008−138285)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】