コンバイン
【課題】冷却用ファンを回転させるベルトの摩耗、冷却用ファンの回転速度の変速ができず、冷却用ファンによる冷却効率が悪化する。
【解決手段】ラジエーター29とエンジン11との間に冷却用ファン28を設け、前記ラジエーター29の外側に防塵ネット37を有するラジエーターカバー15を設け、前記冷却用ファン28はエンジン11の駆動力によりファン無段変速装置33を介して正逆可能な構成とし、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28の送風範囲外に設けると共に、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28を機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する冷却状態と、前記冷却用ファン28を機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する除塵状態とに切替自在な構成としたコンバイン。
【解決手段】ラジエーター29とエンジン11との間に冷却用ファン28を設け、前記ラジエーター29の外側に防塵ネット37を有するラジエーターカバー15を設け、前記冷却用ファン28はエンジン11の駆動力によりファン無段変速装置33を介して正逆可能な構成とし、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28の送風範囲外に設けると共に、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28を機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する冷却状態と、前記冷却用ファン28を機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する除塵状態とに切替自在な構成としたコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの外側にエンジンの冷却用のファンと防塵ネットを有するラジエーターカバーを設け、この冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献1)。
また、従来、エンジン冷却用のファンをファン無段変速装置の出力軸に設け、ファン無段変速装置により正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−36762号公報
【特許文献2】特開2008−87723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち前者の構成では、冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成のため、ベルトの摩耗等の課題がある。
また、エンジンの出力回転速度に対する冷却用ファンの回転速度を変更することができず、エンジンに負荷が掛かり、エンジンの主力回転が低下した場合、冷却用ファンの回転速度もこれに伴って低下し、冷却用ファンによる冷却効率が悪化する問題がある。
前記公知例のうち後者の構成では、冷却用ファンをファン無段変速装置の出力軸に設け、ファン無段変速装置により正回転と逆回転とに切り替えるので、前記課題は解決しているが、冷却用ファンとエンジンの間の冷却用ファンの送風範囲内にファン無段変速装置が設けられることになり、ファン無段変速装置が冷却用ファンの送風の抵抗となって、冷却効率が低いという課題がある。
本願は、冷却用ファンの回転機構を工夫し、簡単にラジエーターカバーの防塵ネットの付着物を除去すると共に、冷却効率を向上するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、走行装置2の前方に刈取装置4を設け、走行装置2の上方一側に脱穀装置を、上方他側に操縦部6およびグレンタンク5を設け、前記走行装置2と刈取装置4と脱穀装置を駆動するエンジン11を設け、該エンジン11の外側にはラジエーター29を設け、該ラジエーター29と前記エンジン11との間に冷却用ファン28を設け、前記ラジエーター29の外側に防塵ネット37を有するラジエーターカバー15を設け、前記冷却用ファン28はエンジン11の駆動力によりファン無段変速装置33を介して正逆可能な構成とし、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28の送風範囲外に設けると共に、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28を機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する冷却状態と、前記冷却用ファン28を機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する除塵状態とに切替自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、通常ではエンジン11の駆動回転をファン無段変速装置33によって変速して冷却用ファン28を正回転駆動して機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン11およびラジエーター29を冷却する。一方、ファン無段変速装置33を逆回転出力させて冷却用ファン28を逆回転させると、機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の付着物を除去する。
請求項2の発明は、前記ファン無段変速装置33は、前記エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、前記除塵状態に切り替えずに冷却状態を維持する構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度以下であるときには、ファン無段変速装置33により冷却用ファン28を逆回転させてラジエーターカバー9の防塵ネット31の付着物を除去する。
しかし、エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合には、冷却用ファン28は正回転駆動のみ行う。
請求項3の発明は、前記操縦部6は、機体フレーム1の上方に設けたエンジン11の一部または全部を包囲するエンジンカバー9と一体のキャビン12内に設け、該キャビン12は、グレンタンク5の前側に位置する閉鎖位置と平面視でキャビン12の一部または全部が機体フレーム1よりも側方にはみ出た開放位置とにわたってリンク機構15により移動自在に支持し、前記キャビン12が開放位置に移動し且つエンジン11が駆動している状態では、前記ファン無段変速装置33の回転出力を停止させる構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、キャビン12が通常作業位置のときに、エンジン11の駆動力によりファン無段変速装置33を介して冷却用ファン28を正回転させてエンジン11の冷却あるいは冷却用ファン28を逆回転させてラジエーターカバー9の防塵ネット31の除塵を行う。
しかし、エンジン11の駆動時にキャビン12を開放位置に移動させると、前記ファン無段変速装置33は冷却用ファン28への回転出力を停止し、冷却用ファン28の回転が停止する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、ファン無段変速装置33により冷却用ファン28の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替え、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の付着物を除去することができるものでありながら、ファン無段変速装置33を冷却用ファン28の送風範囲外に設けているので、冷却風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、冷却用ファン28は正回転駆動のみ行うので、機体内部方向への送風を維持してエンジン11がオーバーヒートするのを防止できる。
請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、エンジン11の駆動時にキャビン12を開放位置に移動させると、冷却用ファン28の回転が停止するので、メンテナンスの安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】コンバインの側面図。
【図3】キャビンの外側移動機構の平面図。
【図4】エンジン周辺の一部省略展開状態正面図。
【図5】同一部拡大図。
【図6】エンジン周辺の一部省略展開状態平面図。
【図7】エンジン周辺の一部省略展開状態正面図。
【図8】エンジン周辺の一部側面図。
【図9】伝動機構概略図。
【図10】ブロック図。
【図11】フロー図。
【図12】油圧回路図。
【図13】フロー図。
【図14】ファン無段変速装置の他の実施例図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例を図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方の一側に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5は脱穀装置4の側方に設けたグレンタンク、6は操縦部である。
操縦部6には作業者の立つステップ(図示省略)および作業者の着座する運転座席7および運転座席7の前側に設けたスイッチやレバー類を有する操作ボックス8等により構成する。
前記操縦部6は機体フレーム1の上方に設けたエンジン11の一部または全部を包囲するエンジンカバー(ラジエターカバー)9と一体の任意形状のキャビン12内に設ける。
キャビン12は、グレンタンク5の前側に位置する閉鎖位置と平面視キャビン12の一部または全部が機体フレーム1の側部よりも側方にはみ出た開放位置との間、リンク機構15により移動自在に構成する(図3)。
【0009】
前記リンク機構15の一例を示すと、内側アーム16と外側アーム17の二本のアームにより構成し、内側アーム16および外側アーム17の基部は前記エンジン11よりも後方の機体フレーム1の任意の固定部に内側基部取付軸18と外側基部取付軸19で回動自在に取付ける。
内側アーム16と外側アーム17の先端は、それぞれ運転座席7よりも前方に位置させ、キャビン12の所定部分に内側先端取付軸21と外側先端取付軸22により回動自在に取付ける。
そのため、内側基部取付軸18および外側基部取付軸19と内側先端取付軸21および外側先端取付軸22の四点を回動中心とするリンク機構15によりキャビン12が移動するように構成されることになり、エンジン11の後側まで略開放できて、メンテナンス作業が容易になる。
【0010】
前記外側アーム17は、前記機体フレーム1に出入り自在に設けた支持アーム25により支持するように構成する。
支持アーム25は、前記機体フレーム1の左右方向の横枠26内に左右方向に摺動自在に内蔵し、キャビン12が閉鎖位置のときは横枠26内に収納し、キャビン12を開放位置に外側回動させるとき、横枠26から支持アーム25を手作業により引き出して外側アーム17を支持する。
そのため、外側アーム17を下方から支持アーム25が支持するので、外側アーム17の変形を防止でき、キャビン12の外側オープン時の支持強度を向上させる。
しかして、操縦部6の運転座席7の下方(後側)付近には周囲を包囲されたエンジンルーム27を形成し、エンジンルーム27内にエンジン11を設ける。エンジン11の外側(右側)にはエンジン冷却用ファン28を設ける(図3)。冷却用ファン28の外側にラジエーター29を設け、ラジエーター29の外側にはラジエーターカバー9を設ける。ラジエーターカバー9に設けた開口部30には防塵ネット31を設ける(図2)。
【0011】
前記冷却用ファン28はエンジン11の駆動回転を無段階に変速するファン無段変速装置(H.S.T)33により正逆駆動回転させる。ファン無段変速装置33は、油圧ポンプ34と油圧モータ35を有して構成する。ファン無段変速装置33のトラニオン軸36のトラニオンアーム37には、ロッド38の一端を取付ける。ロッド38の他端にはアーム39の一方アーム部40の先端を軸41により取付ける。アーム39は、一方アーム部40と他方アーム部42とに分割して形成し、他方アーム部42の基部と一方アーム部40の基部とを重ねて軸43によりエンジン11の固定側に回動自在に取付ける(図5,図6)。
他方アーム部42の先端には長孔44を形成し、長孔44内の所定位置に軸45によりアーム46の先端を位置固定状態に取付け、アーム46の基部には正逆転自在の制御モータ47の出力軸48を固定する。
【0012】
前記軸43には、一方アーム部40と他方アーム部42とを一体回動させる付勢バネ50を設ける。付勢バネ50は、制御モータ47からの作動をファン無段変速装置33の油圧ポンプ34のトラニオン軸36に伝達させるが、所定以上の負荷が掛かると、アーム39の他方アーム部42と一方アーム部40とを軸43の部分で折れ曲げさせて、負荷を吸収する弾力に設定する。
また、前記長孔44内を軸45を移動させて前記ファン無段変速装置33の油圧ポンプ油圧モータ35が冷却用ファン28へ出力する回転と制御モータ47の出力値とが一致するように、調節可能に構成している。
そのため、ファン無段変速装置33の油圧ポンプ34と油圧モータ35の作動効率のバラツキ等を調節することができ、制御精度を向上させられる。
【0013】
前記ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28の送風範囲外に設けると共に、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン33を機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する冷却状態と、前記冷却用ファン33を機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する除塵状態とに切替自在に構成する。
即ち、ファン無段変速装置33は、通常作業時で冷却用ファン28を、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転させ、所定の場合に、ファン無段変速装置33から逆回転を出力して冷却用ファン28を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の表側に付着している藁屑や塵埃等の付着物を吹散させて除去する。
ファン無段変速装置33は、冷却用ファン28の送風範囲外に設けているので、ファン無段変速装置33の存在が冷却用ファン28の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
【0014】
前記冷却用ファン28のファン回転軸51は、前記エンジン11の所定位置に設けたウォーターポンプ52のポンプ入力軸53の外周に二重軸状態に回転のみ自在に嵌合させて軸装する。前記冷却用ファン28のファン回転軸51には入力プーリー54を設け、前記油圧モータ35の回転が出力される出力プーリー55との間にベルト56を掛け回す(図9)。
したがって、エンジン11に軸装したファン回転軸51の軸心から外れた位置にファン無段変速装置33を設け、冷却用ファン28の送風範囲外に設置する。
この場合、ファン回転軸51およびポンプ入力軸53は、エンジン11の側面視上下および左右中間に配置し、ファン無段変速装置33をエンジン11の外周所定位置に取付けると、冷却用ファン28の送風範囲外の設置となる。
また、エンジン11の後面側にファン無段変速装置33を取付けると、冷却用ファン28の送風範囲から外せると共に、キャビン12の一部または全部が機体フレーム1の側部よりも側方にはみ出た開放位置にオープンさせて、ファン無段変速装置33のメンテナンスを行うことができ、好適である。
【0015】
57は中間軸、58は中間軸57に固定の中間歯車、59は油圧モータ35の出力歯車、60はウォーターポンプ52のポンプ入力軸53に設けたエンジン11の回転を入力する入力プーリー、60Aはジェネレーター駆動用プーリー、60Bはベルト、62は前記エンジン11の出力軸63に設けた出力プーリー62、64はポンプ入力軸53に設けた出力プーリー、65は油圧ポンプ34の入力プーリー、66はベルトである。
したがって、エンジン11の出力プーリー62の回転がベルト60Bを介して入力プーリー60とジェネレーター駆動用プーリー60Aに伝達されて、ポンプ入力軸53を回転させる。
【0016】
一方、ポンプ入力軸53の回転をベルト66により入力プーリー65に伝達されてファン無段変速装置33を作動させ、ファン無段変速装置33は出力プーリー55とベルト56により冷却用ファン28のファン回転軸51の入力プーリー54を正逆駆動回転させ、冷却用ファン28を正逆駆動回転させる。
それゆえ、ウォーターポンプ52と冷却用ファン28は同一軸心で支持され、ウォーターポンプ52と冷却用ファン28の支持構成を兼用する。
前記ファン無段変速装置33は、前記エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、前記冷却用ファン28を正回転駆動させる構成とする。
即ち、エンジン11の吸気温度とブースト(排気)温度とエンジン11の冷却水の水温の何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、冷却用ファン28を逆転させないので、エンジン11のオーバーヒートを防止する。
【0017】
70はコントローラ、71は冷却水温検出手段、72は吸気温度検出手段、73はブースト温度検出手段、74はファン回転数検出手段、75は走行速度検出手段、76はトラニオン軸位置検出手段、77は「ON」にすると冷却用ファン28の正逆転制御を自動的に行い、「OFF」にすると正転のみに操作する逆転入切スイッチ
、78は手動操作により冷却用ファン28を回転数を設定するファン回転設定手段である(図10)。
また、前記キャビン12を回動させてオープン状態のときには、前記ファン無段変速装置33は冷却用ファン28への回転出力を停止させる。
そのため、キャビン12をオープン状態にしてメンテナンス作業のときには、冷却用ファン28を回転停止させ、安全性を確保する。
即ち、ファン無段変速装置33のトラニオン軸36を中立位置にして、正回転および逆回転出力を停止させる。
【0018】
ファン無段変速装置33の出力軸63側にファン回転数検出手段74を設け(図7)、冷却用ファン28の回転を検出する。
即ち、ファン回転数検出手段74で検出する実際のファン回転速度と、目標回転底度とを比較して、フィードバック制御を行う。
そのため、冷却用ファン28の回転制御を適確に行える。
前記ラジエーターカバー9は左右方向に所定幅を有して構成し、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の内側にオイルクーラー(インタークーラー)79等を設ける。
このラジエーターカバー9の枠体90の側縁91とオイルクーラー79等の一部とを平面視および正面視において重ね合わせ、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81の内周とオイルクーラー79との間にシール部材(密閉部材)82を設ける。
【0019】
即ち、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81とオイルクーラー79とを重ね合わせた空間を利用して、この空間内にシール部材82を設け、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81の内周に設けたシール部材82をオイルクーラー79の外周に当接させて、ラジエーターカバー9内への塵埃の進入を抑制する。
しかして、走行装置2は、エンジン11の駆動回転を無段階に変速する走行用無段変速装置(H.S.T)83により駆動回転させ構成とする。走行用無段変速装置83の主変速レバー84により走行速度を変速するが、主変速レバー84を中立操作して走行停止させ、停止状態で操縦部の駐車ブレーキペダル85の踏み込み操作によりミッションの駐車ブレーキを作動させて、機体停止状態に保持する。
この場合、駐車ブレーキペダル85の操作されているときに、主変速レバー84を中立以外に操作されても、機体を走行させず、また、コントローラの電源起動時に主変速レバー84が中立以外に操作されても、機体を走行させない走行牽制制御を行う(図13)。
【0020】
この走行牽制制御は、主変速レバー84が中立位置に操作されて、始めて解除される。
そのため、走行用無段変速装置83と駐車ブレーキが同時作動して、走行用無段変速装置83とミッションとが破損するのを防止する。
また、コントローラの電源起動時に主変速レバー84が中立以外に操作されていても、機体を走行させない走行牽制制御を行うので、エンジン11始動時に機体が不意に発進するのを防止する。
また、一旦、コントローラの通電が不通になって機体停止後に、不意に通電復帰して機体が発進するのを防止する。
前記ファン無段変速装置33の油圧ポンプ34はエンジン11側に取付け、油圧モータ35は冷却用ファン28の軸に設ける(図14)。
【0021】
そのため、油圧ポンプ34と油圧モータ35を分離することにより、ファン無段変速装置33の配置の自由度が向上する。
油圧モータ35を冷却用ファン28の軸に設けることで、油圧モータ35の支持と冷却用ファン28の支持機構を兼用することができ、冷却用ファン28への駆動ベルトを減らすことができる。
【0022】
(実施例の作用)
エンジン11を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取装置4で刈取った穀稈を脱穀装置で脱穀する。
エンジン11を始動すると、エンジン11の回転がファン無段変速装置33に伝達され、ファン無段変速装置33が無段階に変速して冷却用ファン28を正回転させ、ラジエーターカバー9の防塵ネット31から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター29を通過してエンジン11の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン11の外周を冷却しながら吹き抜ける。
刈取脱穀作業を続けると、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の表側に藁屑や塵埃等の付着物が付着するので、ファン無段変速装置33により冷却用ファン28を逆回転させて、機体内部から機体外部方向へ送風させ、吹散させて除去する。
【0023】
ファン無段変速装置33を制御する制御モータ47にコントローラから信号が送出され、制御モータ47の出力軸48が回転し、出力軸48はアーム46を回動させ、アーム46は軸45を介して他方アーム部42を軸43中心に回動させ、他方アーム部42は一方アーム部40を回動させ、一方アーム部40はロッド38を上下動させ、ロッド38はトラニオンアーム37を回動させてトラニオン軸36を回転させて、ファン無段変速装置33の出力回転を変更する。
一方アーム部40と他方アーム部42は、夫々の基部を重ねて軸軸43によりエンジン11の固定側に回動自在に取付け、軸43には、他方アーム部42と一方アーム部40とを一体回動させる付勢バネ50を設けているので、通常は一方アーム部40と他方アーム部42とが一体回動して前記ファン無段変速装置33を制御する。
【0024】
しかし、他方アーム部42と一方アーム部40の何れかに所定以上の負荷が掛かると、アーム39の他方アーム部42と一方アーム部40とを軸43の部分で折れ曲げさせて、負荷を吸収する。
そのため、制御モータ47とファン無段変速装置33とが破損するのを防止する。
また、制御モータ47のアーム46は、長孔44内を軸45を移動させて他方アーム部42との取付位置を変更できるので、軸45の位置を変更することにより、ファン無段変速装置33の油圧モータ35が冷却用ファン28へ実際に出力する回転と制御モータ47の制御出力値との不一致を修正する。
そのため、ファン無段変速装置33の油圧ポンプ34と油圧モータ35の作動効率のバラツキ等を調節することができ、制御精度を向上させられる。
【0025】
しかして、ファン無段変速装置33は、冷却用ファン28の送風範囲外に設けているので、ファン無段変速装置33の存在が冷却用ファン28の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
本実施例では、冷却用ファン28のファン回転軸51は、エンジン11内の所定位置に設けたウォーターポンプ52のポンプ入力軸53の外周に二重軸状態に回転のみ自在に嵌合させて軸装しているので、エンジン11にファン回転軸51を軸装させながら冷却用ファン28をファン無段変速装置33により逆転・変速回転可能となる。
そのため、エンジン11に対して冷却効率の良好となる、エンジン11の上下左右中間位置に冷却用ファン28の軸心を配置でき、冷却用ファン28の変速逆転と冷却効率とを両立させられ、好適である。
【0026】
また、ファン無段変速装置33は、ファン回転軸51の軸心から外れた位置に設けているので、ファン無段変速装置33は冷却用ファン28の送風範囲から外れて設置され、冷却用ファン28の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
また、エンジン11の後面側にファン無段変速装置33を取付けているので、ファン無段変速装置33は冷却用ファン28の送風範囲から外れて設置され、冷却用ファン28の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させないと共に、キャビン12の一部または全部が機体フレーム1の側部よりも側方にはみ出た開放位置にオープンさせて、ファン無段変速装置33のメンテナンスを行うことができ、好適である。
【0027】
しかして、ファン無段変速装置33は、エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温の何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、前記冷却用ファン28を正回転駆動させる構成としているので、エンジン11の吸気温度とブースト(排気)温度とエンジン11の冷却水の水温の何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、冷却用ファン28を逆転させず、エンジン11のオーバーヒートを防止する。
また、キャビン12を回動させてオープン状態のときには、ファン無段変速装置33は冷却用ファン28への回転出力を停止させるので、キャビン12をオープン状態にしてメンテナンス作業のときには、冷却用ファン28を回転停止させ、安全性を確保する。
【0028】
ファン無段変速装置33の油圧モータ35の出力軸63側にファン回転数検出手段74を設けているので、冷却用ファン28の回転検出精度を向上させ、冷却用ファン28の回転制御を適確に行える。
ラジエーターカバー9は左右方向に所定幅を有して構成し、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の内側にオイルクーラー79等を設け、このラジエーターカバー9の枠体80の側縁81とオイルクーラー79等の一部とを平面視および正面視において重ね合わせ、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81の内周とオイルクーラーオイルクーラー79との間にシール部材(密閉部材)シール部材82を設けているので、ラジエーターカバー9内への塵埃の進入を抑制する。
【0029】
即ち、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81とオイルクーラー79とを重ね合わせた空間を利用して、この空間内にシール部材82を設け、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81の内周に設けたシール部材82をオイルクーラー79の外周に当接させるので、設置スペースを合理的に捻出することができ、その結果、スペースを有効利用して、シール部材82を合理的に配置できる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの各図の実施例は夫々種々組合せ可能であり、一部図示を他の実施例と共用している場合もあり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0030】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、7…運転座席、8…操作ボックス、9…エンジンカバー、11…エンジン、12…キャビン、15…リンク機構、16…内側アーム、17…外側アーム、18…内側基部取付軸、19…外側基部取付軸、21…内側先端取付軸、22…外側先端取付軸、25…支持アーム、26…横枠、27…エンジンルーム、28…冷却用ファン、29…ラジエーター、30…開口部、31…防塵ネット、33…ファン無段変速装置、34…油圧ポンプ、35…油圧モータ、36…トラニオン軸、37…トラニオンアーム、38…ロッド、39…アーム、40…一方アーム部、41…軸、42…他方アーム部、43…軸、44…長孔、45…軸、46…アーム、47…制御モータ、48…出力軸、50…付勢バネ、51…ファン回転軸、52…ウォーターポンプ、53…ポンプ入力軸、54…入力プーリー、55…出力プーリー、56…ベルト、60…入力プーリー、62…出力プーリー、63…出力軸、65…入力プーリー、66…ベルト、70…コントローラ、71…冷却水温検出手段、72…吸気温度検出手段、73…ブースト温度検出手段、74…ファン回転数検出手段、75…走行速度検出手段、76…トラニオン軸位置検出手段、77…逆転入切スイッチ、78…ファン回転設定手段、79…オイルクーラー、80…枠体、81…側縁、82…シール部材、83…走行用無段変速装置、84…主変速レバー、85…駐車ブレーキペダル85。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの外側にエンジンの冷却用のファンと防塵ネットを有するラジエーターカバーを設け、この冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献1)。
また、従来、エンジン冷却用のファンをファン無段変速装置の出力軸に設け、ファン無段変速装置により正回転と逆回転とに切り替える構成は、公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−36762号公報
【特許文献2】特開2008−87723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち前者の構成では、冷却用ファンの回転を、二個のテンションプーリとファンベルトとの当接位置を変更することにより正回転と逆回転とに切り替える構成のため、ベルトの摩耗等の課題がある。
また、エンジンの出力回転速度に対する冷却用ファンの回転速度を変更することができず、エンジンに負荷が掛かり、エンジンの主力回転が低下した場合、冷却用ファンの回転速度もこれに伴って低下し、冷却用ファンによる冷却効率が悪化する問題がある。
前記公知例のうち後者の構成では、冷却用ファンをファン無段変速装置の出力軸に設け、ファン無段変速装置により正回転と逆回転とに切り替えるので、前記課題は解決しているが、冷却用ファンとエンジンの間の冷却用ファンの送風範囲内にファン無段変速装置が設けられることになり、ファン無段変速装置が冷却用ファンの送風の抵抗となって、冷却効率が低いという課題がある。
本願は、冷却用ファンの回転機構を工夫し、簡単にラジエーターカバーの防塵ネットの付着物を除去すると共に、冷却効率を向上するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、走行装置2の前方に刈取装置4を設け、走行装置2の上方一側に脱穀装置を、上方他側に操縦部6およびグレンタンク5を設け、前記走行装置2と刈取装置4と脱穀装置を駆動するエンジン11を設け、該エンジン11の外側にはラジエーター29を設け、該ラジエーター29と前記エンジン11との間に冷却用ファン28を設け、前記ラジエーター29の外側に防塵ネット37を有するラジエーターカバー15を設け、前記冷却用ファン28はエンジン11の駆動力によりファン無段変速装置33を介して正逆可能な構成とし、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28の送風範囲外に設けると共に、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28を機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する冷却状態と、前記冷却用ファン28を機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する除塵状態とに切替自在な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、通常ではエンジン11の駆動回転をファン無段変速装置33によって変速して冷却用ファン28を正回転駆動して機体外部から機体内部方向へ送風させて、エンジン11およびラジエーター29を冷却する。一方、ファン無段変速装置33を逆回転出力させて冷却用ファン28を逆回転させると、機体内部から機体外部方向へ送風し、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の付着物を除去する。
請求項2の発明は、前記ファン無段変速装置33は、前記エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、前記除塵状態に切り替えずに冷却状態を維持する構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度以下であるときには、ファン無段変速装置33により冷却用ファン28を逆回転させてラジエーターカバー9の防塵ネット31の付着物を除去する。
しかし、エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合には、冷却用ファン28は正回転駆動のみ行う。
請求項3の発明は、前記操縦部6は、機体フレーム1の上方に設けたエンジン11の一部または全部を包囲するエンジンカバー9と一体のキャビン12内に設け、該キャビン12は、グレンタンク5の前側に位置する閉鎖位置と平面視でキャビン12の一部または全部が機体フレーム1よりも側方にはみ出た開放位置とにわたってリンク機構15により移動自在に支持し、前記キャビン12が開放位置に移動し且つエンジン11が駆動している状態では、前記ファン無段変速装置33の回転出力を停止させる構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、キャビン12が通常作業位置のときに、エンジン11の駆動力によりファン無段変速装置33を介して冷却用ファン28を正回転させてエンジン11の冷却あるいは冷却用ファン28を逆回転させてラジエーターカバー9の防塵ネット31の除塵を行う。
しかし、エンジン11の駆動時にキャビン12を開放位置に移動させると、前記ファン無段変速装置33は冷却用ファン28への回転出力を停止し、冷却用ファン28の回転が停止する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、ファン無段変速装置33により冷却用ファン28の回転方向を正回転状態と逆回転状態とに切替え、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の付着物を除去することができるものでありながら、ファン無段変速装置33を冷却用ファン28の送風範囲外に設けているので、冷却風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、冷却用ファン28は正回転駆動のみ行うので、機体内部方向への送風を維持してエンジン11がオーバーヒートするのを防止できる。
請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、エンジン11の駆動時にキャビン12を開放位置に移動させると、冷却用ファン28の回転が停止するので、メンテナンスの安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】コンバインの側面図。
【図3】キャビンの外側移動機構の平面図。
【図4】エンジン周辺の一部省略展開状態正面図。
【図5】同一部拡大図。
【図6】エンジン周辺の一部省略展開状態平面図。
【図7】エンジン周辺の一部省略展開状態正面図。
【図8】エンジン周辺の一部側面図。
【図9】伝動機構概略図。
【図10】ブロック図。
【図11】フロー図。
【図12】油圧回路図。
【図13】フロー図。
【図14】ファン無段変速装置の他の実施例図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例を図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方の一側に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5は脱穀装置4の側方に設けたグレンタンク、6は操縦部である。
操縦部6には作業者の立つステップ(図示省略)および作業者の着座する運転座席7および運転座席7の前側に設けたスイッチやレバー類を有する操作ボックス8等により構成する。
前記操縦部6は機体フレーム1の上方に設けたエンジン11の一部または全部を包囲するエンジンカバー(ラジエターカバー)9と一体の任意形状のキャビン12内に設ける。
キャビン12は、グレンタンク5の前側に位置する閉鎖位置と平面視キャビン12の一部または全部が機体フレーム1の側部よりも側方にはみ出た開放位置との間、リンク機構15により移動自在に構成する(図3)。
【0009】
前記リンク機構15の一例を示すと、内側アーム16と外側アーム17の二本のアームにより構成し、内側アーム16および外側アーム17の基部は前記エンジン11よりも後方の機体フレーム1の任意の固定部に内側基部取付軸18と外側基部取付軸19で回動自在に取付ける。
内側アーム16と外側アーム17の先端は、それぞれ運転座席7よりも前方に位置させ、キャビン12の所定部分に内側先端取付軸21と外側先端取付軸22により回動自在に取付ける。
そのため、内側基部取付軸18および外側基部取付軸19と内側先端取付軸21および外側先端取付軸22の四点を回動中心とするリンク機構15によりキャビン12が移動するように構成されることになり、エンジン11の後側まで略開放できて、メンテナンス作業が容易になる。
【0010】
前記外側アーム17は、前記機体フレーム1に出入り自在に設けた支持アーム25により支持するように構成する。
支持アーム25は、前記機体フレーム1の左右方向の横枠26内に左右方向に摺動自在に内蔵し、キャビン12が閉鎖位置のときは横枠26内に収納し、キャビン12を開放位置に外側回動させるとき、横枠26から支持アーム25を手作業により引き出して外側アーム17を支持する。
そのため、外側アーム17を下方から支持アーム25が支持するので、外側アーム17の変形を防止でき、キャビン12の外側オープン時の支持強度を向上させる。
しかして、操縦部6の運転座席7の下方(後側)付近には周囲を包囲されたエンジンルーム27を形成し、エンジンルーム27内にエンジン11を設ける。エンジン11の外側(右側)にはエンジン冷却用ファン28を設ける(図3)。冷却用ファン28の外側にラジエーター29を設け、ラジエーター29の外側にはラジエーターカバー9を設ける。ラジエーターカバー9に設けた開口部30には防塵ネット31を設ける(図2)。
【0011】
前記冷却用ファン28はエンジン11の駆動回転を無段階に変速するファン無段変速装置(H.S.T)33により正逆駆動回転させる。ファン無段変速装置33は、油圧ポンプ34と油圧モータ35を有して構成する。ファン無段変速装置33のトラニオン軸36のトラニオンアーム37には、ロッド38の一端を取付ける。ロッド38の他端にはアーム39の一方アーム部40の先端を軸41により取付ける。アーム39は、一方アーム部40と他方アーム部42とに分割して形成し、他方アーム部42の基部と一方アーム部40の基部とを重ねて軸43によりエンジン11の固定側に回動自在に取付ける(図5,図6)。
他方アーム部42の先端には長孔44を形成し、長孔44内の所定位置に軸45によりアーム46の先端を位置固定状態に取付け、アーム46の基部には正逆転自在の制御モータ47の出力軸48を固定する。
【0012】
前記軸43には、一方アーム部40と他方アーム部42とを一体回動させる付勢バネ50を設ける。付勢バネ50は、制御モータ47からの作動をファン無段変速装置33の油圧ポンプ34のトラニオン軸36に伝達させるが、所定以上の負荷が掛かると、アーム39の他方アーム部42と一方アーム部40とを軸43の部分で折れ曲げさせて、負荷を吸収する弾力に設定する。
また、前記長孔44内を軸45を移動させて前記ファン無段変速装置33の油圧ポンプ油圧モータ35が冷却用ファン28へ出力する回転と制御モータ47の出力値とが一致するように、調節可能に構成している。
そのため、ファン無段変速装置33の油圧ポンプ34と油圧モータ35の作動効率のバラツキ等を調節することができ、制御精度を向上させられる。
【0013】
前記ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン28の送風範囲外に設けると共に、該ファン無段変速装置33は、前記冷却用ファン33を機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する冷却状態と、前記冷却用ファン33を機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する除塵状態とに切替自在に構成する。
即ち、ファン無段変速装置33は、通常作業時で冷却用ファン28を、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転させ、所定の場合に、ファン無段変速装置33から逆回転を出力して冷却用ファン28を機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の表側に付着している藁屑や塵埃等の付着物を吹散させて除去する。
ファン無段変速装置33は、冷却用ファン28の送風範囲外に設けているので、ファン無段変速装置33の存在が冷却用ファン28の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
【0014】
前記冷却用ファン28のファン回転軸51は、前記エンジン11の所定位置に設けたウォーターポンプ52のポンプ入力軸53の外周に二重軸状態に回転のみ自在に嵌合させて軸装する。前記冷却用ファン28のファン回転軸51には入力プーリー54を設け、前記油圧モータ35の回転が出力される出力プーリー55との間にベルト56を掛け回す(図9)。
したがって、エンジン11に軸装したファン回転軸51の軸心から外れた位置にファン無段変速装置33を設け、冷却用ファン28の送風範囲外に設置する。
この場合、ファン回転軸51およびポンプ入力軸53は、エンジン11の側面視上下および左右中間に配置し、ファン無段変速装置33をエンジン11の外周所定位置に取付けると、冷却用ファン28の送風範囲外の設置となる。
また、エンジン11の後面側にファン無段変速装置33を取付けると、冷却用ファン28の送風範囲から外せると共に、キャビン12の一部または全部が機体フレーム1の側部よりも側方にはみ出た開放位置にオープンさせて、ファン無段変速装置33のメンテナンスを行うことができ、好適である。
【0015】
57は中間軸、58は中間軸57に固定の中間歯車、59は油圧モータ35の出力歯車、60はウォーターポンプ52のポンプ入力軸53に設けたエンジン11の回転を入力する入力プーリー、60Aはジェネレーター駆動用プーリー、60Bはベルト、62は前記エンジン11の出力軸63に設けた出力プーリー62、64はポンプ入力軸53に設けた出力プーリー、65は油圧ポンプ34の入力プーリー、66はベルトである。
したがって、エンジン11の出力プーリー62の回転がベルト60Bを介して入力プーリー60とジェネレーター駆動用プーリー60Aに伝達されて、ポンプ入力軸53を回転させる。
【0016】
一方、ポンプ入力軸53の回転をベルト66により入力プーリー65に伝達されてファン無段変速装置33を作動させ、ファン無段変速装置33は出力プーリー55とベルト56により冷却用ファン28のファン回転軸51の入力プーリー54を正逆駆動回転させ、冷却用ファン28を正逆駆動回転させる。
それゆえ、ウォーターポンプ52と冷却用ファン28は同一軸心で支持され、ウォーターポンプ52と冷却用ファン28の支持構成を兼用する。
前記ファン無段変速装置33は、前記エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、前記冷却用ファン28を正回転駆動させる構成とする。
即ち、エンジン11の吸気温度とブースト(排気)温度とエンジン11の冷却水の水温の何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、冷却用ファン28を逆転させないので、エンジン11のオーバーヒートを防止する。
【0017】
70はコントローラ、71は冷却水温検出手段、72は吸気温度検出手段、73はブースト温度検出手段、74はファン回転数検出手段、75は走行速度検出手段、76はトラニオン軸位置検出手段、77は「ON」にすると冷却用ファン28の正逆転制御を自動的に行い、「OFF」にすると正転のみに操作する逆転入切スイッチ
、78は手動操作により冷却用ファン28を回転数を設定するファン回転設定手段である(図10)。
また、前記キャビン12を回動させてオープン状態のときには、前記ファン無段変速装置33は冷却用ファン28への回転出力を停止させる。
そのため、キャビン12をオープン状態にしてメンテナンス作業のときには、冷却用ファン28を回転停止させ、安全性を確保する。
即ち、ファン無段変速装置33のトラニオン軸36を中立位置にして、正回転および逆回転出力を停止させる。
【0018】
ファン無段変速装置33の出力軸63側にファン回転数検出手段74を設け(図7)、冷却用ファン28の回転を検出する。
即ち、ファン回転数検出手段74で検出する実際のファン回転速度と、目標回転底度とを比較して、フィードバック制御を行う。
そのため、冷却用ファン28の回転制御を適確に行える。
前記ラジエーターカバー9は左右方向に所定幅を有して構成し、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の内側にオイルクーラー(インタークーラー)79等を設ける。
このラジエーターカバー9の枠体90の側縁91とオイルクーラー79等の一部とを平面視および正面視において重ね合わせ、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81の内周とオイルクーラー79との間にシール部材(密閉部材)82を設ける。
【0019】
即ち、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81とオイルクーラー79とを重ね合わせた空間を利用して、この空間内にシール部材82を設け、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81の内周に設けたシール部材82をオイルクーラー79の外周に当接させて、ラジエーターカバー9内への塵埃の進入を抑制する。
しかして、走行装置2は、エンジン11の駆動回転を無段階に変速する走行用無段変速装置(H.S.T)83により駆動回転させ構成とする。走行用無段変速装置83の主変速レバー84により走行速度を変速するが、主変速レバー84を中立操作して走行停止させ、停止状態で操縦部の駐車ブレーキペダル85の踏み込み操作によりミッションの駐車ブレーキを作動させて、機体停止状態に保持する。
この場合、駐車ブレーキペダル85の操作されているときに、主変速レバー84を中立以外に操作されても、機体を走行させず、また、コントローラの電源起動時に主変速レバー84が中立以外に操作されても、機体を走行させない走行牽制制御を行う(図13)。
【0020】
この走行牽制制御は、主変速レバー84が中立位置に操作されて、始めて解除される。
そのため、走行用無段変速装置83と駐車ブレーキが同時作動して、走行用無段変速装置83とミッションとが破損するのを防止する。
また、コントローラの電源起動時に主変速レバー84が中立以外に操作されていても、機体を走行させない走行牽制制御を行うので、エンジン11始動時に機体が不意に発進するのを防止する。
また、一旦、コントローラの通電が不通になって機体停止後に、不意に通電復帰して機体が発進するのを防止する。
前記ファン無段変速装置33の油圧ポンプ34はエンジン11側に取付け、油圧モータ35は冷却用ファン28の軸に設ける(図14)。
【0021】
そのため、油圧ポンプ34と油圧モータ35を分離することにより、ファン無段変速装置33の配置の自由度が向上する。
油圧モータ35を冷却用ファン28の軸に設けることで、油圧モータ35の支持と冷却用ファン28の支持機構を兼用することができ、冷却用ファン28への駆動ベルトを減らすことができる。
【0022】
(実施例の作用)
エンジン11を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取装置4で刈取った穀稈を脱穀装置で脱穀する。
エンジン11を始動すると、エンジン11の回転がファン無段変速装置33に伝達され、ファン無段変速装置33が無段階に変速して冷却用ファン28を正回転させ、ラジエーターカバー9の防塵ネット31から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター29を通過してエンジン11の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン11の外周を冷却しながら吹き抜ける。
刈取脱穀作業を続けると、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の表側に藁屑や塵埃等の付着物が付着するので、ファン無段変速装置33により冷却用ファン28を逆回転させて、機体内部から機体外部方向へ送風させ、吹散させて除去する。
【0023】
ファン無段変速装置33を制御する制御モータ47にコントローラから信号が送出され、制御モータ47の出力軸48が回転し、出力軸48はアーム46を回動させ、アーム46は軸45を介して他方アーム部42を軸43中心に回動させ、他方アーム部42は一方アーム部40を回動させ、一方アーム部40はロッド38を上下動させ、ロッド38はトラニオンアーム37を回動させてトラニオン軸36を回転させて、ファン無段変速装置33の出力回転を変更する。
一方アーム部40と他方アーム部42は、夫々の基部を重ねて軸軸43によりエンジン11の固定側に回動自在に取付け、軸43には、他方アーム部42と一方アーム部40とを一体回動させる付勢バネ50を設けているので、通常は一方アーム部40と他方アーム部42とが一体回動して前記ファン無段変速装置33を制御する。
【0024】
しかし、他方アーム部42と一方アーム部40の何れかに所定以上の負荷が掛かると、アーム39の他方アーム部42と一方アーム部40とを軸43の部分で折れ曲げさせて、負荷を吸収する。
そのため、制御モータ47とファン無段変速装置33とが破損するのを防止する。
また、制御モータ47のアーム46は、長孔44内を軸45を移動させて他方アーム部42との取付位置を変更できるので、軸45の位置を変更することにより、ファン無段変速装置33の油圧モータ35が冷却用ファン28へ実際に出力する回転と制御モータ47の制御出力値との不一致を修正する。
そのため、ファン無段変速装置33の油圧ポンプ34と油圧モータ35の作動効率のバラツキ等を調節することができ、制御精度を向上させられる。
【0025】
しかして、ファン無段変速装置33は、冷却用ファン28の送風範囲外に設けているので、ファン無段変速装置33の存在が冷却用ファン28の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
本実施例では、冷却用ファン28のファン回転軸51は、エンジン11内の所定位置に設けたウォーターポンプ52のポンプ入力軸53の外周に二重軸状態に回転のみ自在に嵌合させて軸装しているので、エンジン11にファン回転軸51を軸装させながら冷却用ファン28をファン無段変速装置33により逆転・変速回転可能となる。
そのため、エンジン11に対して冷却効率の良好となる、エンジン11の上下左右中間位置に冷却用ファン28の軸心を配置でき、冷却用ファン28の変速逆転と冷却効率とを両立させられ、好適である。
【0026】
また、ファン無段変速装置33は、ファン回転軸51の軸心から外れた位置に設けているので、ファン無段変速装置33は冷却用ファン28の送風範囲から外れて設置され、冷却用ファン28の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させない。
また、エンジン11の後面側にファン無段変速装置33を取付けているので、ファン無段変速装置33は冷却用ファン28の送風範囲から外れて設置され、冷却用ファン28の送風の抵抗とならず、冷却効率を低下させないと共に、キャビン12の一部または全部が機体フレーム1の側部よりも側方にはみ出た開放位置にオープンさせて、ファン無段変速装置33のメンテナンスを行うことができ、好適である。
【0027】
しかして、ファン無段変速装置33は、エンジン11の吸気温度と排気温度とエンジン11の冷却水温の何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、前記冷却用ファン28を正回転駆動させる構成としているので、エンジン11の吸気温度とブースト(排気)温度とエンジン11の冷却水の水温の何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、冷却用ファン28を逆転させず、エンジン11のオーバーヒートを防止する。
また、キャビン12を回動させてオープン状態のときには、ファン無段変速装置33は冷却用ファン28への回転出力を停止させるので、キャビン12をオープン状態にしてメンテナンス作業のときには、冷却用ファン28を回転停止させ、安全性を確保する。
【0028】
ファン無段変速装置33の油圧モータ35の出力軸63側にファン回転数検出手段74を設けているので、冷却用ファン28の回転検出精度を向上させ、冷却用ファン28の回転制御を適確に行える。
ラジエーターカバー9は左右方向に所定幅を有して構成し、ラジエーターカバー9の防塵ネット31の内側にオイルクーラー79等を設け、このラジエーターカバー9の枠体80の側縁81とオイルクーラー79等の一部とを平面視および正面視において重ね合わせ、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81の内周とオイルクーラーオイルクーラー79との間にシール部材(密閉部材)シール部材82を設けているので、ラジエーターカバー9内への塵埃の進入を抑制する。
【0029】
即ち、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81とオイルクーラー79とを重ね合わせた空間を利用して、この空間内にシール部材82を設け、ラジエーターカバー9の枠体80の側縁81の内周に設けたシール部材82をオイルクーラー79の外周に当接させるので、設置スペースを合理的に捻出することができ、その結果、スペースを有効利用して、シール部材82を合理的に配置できる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの各図の実施例は夫々種々組合せ可能であり、一部図示を他の実施例と共用している場合もあり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0030】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、7…運転座席、8…操作ボックス、9…エンジンカバー、11…エンジン、12…キャビン、15…リンク機構、16…内側アーム、17…外側アーム、18…内側基部取付軸、19…外側基部取付軸、21…内側先端取付軸、22…外側先端取付軸、25…支持アーム、26…横枠、27…エンジンルーム、28…冷却用ファン、29…ラジエーター、30…開口部、31…防塵ネット、33…ファン無段変速装置、34…油圧ポンプ、35…油圧モータ、36…トラニオン軸、37…トラニオンアーム、38…ロッド、39…アーム、40…一方アーム部、41…軸、42…他方アーム部、43…軸、44…長孔、45…軸、46…アーム、47…制御モータ、48…出力軸、50…付勢バネ、51…ファン回転軸、52…ウォーターポンプ、53…ポンプ入力軸、54…入力プーリー、55…出力プーリー、56…ベルト、60…入力プーリー、62…出力プーリー、63…出力軸、65…入力プーリー、66…ベルト、70…コントローラ、71…冷却水温検出手段、72…吸気温度検出手段、73…ブースト温度検出手段、74…ファン回転数検出手段、75…走行速度検出手段、76…トラニオン軸位置検出手段、77…逆転入切スイッチ、78…ファン回転設定手段、79…オイルクーラー、80…枠体、81…側縁、82…シール部材、83…走行用無段変速装置、84…主変速レバー、85…駐車ブレーキペダル85。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)の前方に刈取装置(4)を設け、走行装置(2)の上方一側に脱穀装置を、上方他側に操縦部(6)およびグレンタンク(5)を設け、前記走行装置(2)と刈取装置(4)と脱穀装置を駆動するエンジン(11)を設け、該エンジン(11)の外側にはラジエーター(29)を設け、該ラジエーター(29)と前記エンジン(11)との間に冷却用ファン(28)を設け、前記ラジエーター(29)の外側に防塵ネット(37)を有するラジエーターカバー(15)を設け、前記冷却用ファン(28)はエンジン(11)の駆動力によりファン無段変速装置(33)を介して正逆可能な構成とし、該ファン無段変速装置(33)は、前記冷却用ファン(28)の送風範囲外に設けると共に、該ファン無段変速装置(33)は、前記冷却用ファン((28))を機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する冷却状態と、前記冷却用ファン((28))を機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する除塵状態とに切替自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1記載の発明において、前記ファン無段変速装置(33)は、前記エンジン(11)の吸気温度と排気温度とエンジン(11)の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、前記除塵状態に切り替えずに冷却状態を維持する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1記載の発明において、前記操縦部(6)は、機体フレーム(1)の上方に設けたエンジン(11)の一部または全部を包囲するエンジンカバー(9)と一体のキャビン(12)内に設け、該キャビン(12)は、グレンタンク(5)の前側に位置する閉鎖位置と平面視でキャビン(12)の一部または全部が機体フレーム(1)よりも側方にはみ出た開放位置とにわたってリンク機構(15)により移動自在に支持し、前記キャビン(12)が開放位置に移動し且つエンジン(11)が駆動している状態では、前記ファン無段変速装置(33)の回転出力を停止させる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項1】
走行装置(2)の前方に刈取装置(4)を設け、走行装置(2)の上方一側に脱穀装置を、上方他側に操縦部(6)およびグレンタンク(5)を設け、前記走行装置(2)と刈取装置(4)と脱穀装置を駆動するエンジン(11)を設け、該エンジン(11)の外側にはラジエーター(29)を設け、該ラジエーター(29)と前記エンジン(11)との間に冷却用ファン(28)を設け、前記ラジエーター(29)の外側に防塵ネット(37)を有するラジエーターカバー(15)を設け、前記冷却用ファン(28)はエンジン(11)の駆動力によりファン無段変速装置(33)を介して正逆可能な構成とし、該ファン無段変速装置(33)は、前記冷却用ファン(28)の送風範囲外に設けると共に、該ファン無段変速装置(33)は、前記冷却用ファン((28))を機体外部から機体内部方向へ送風するべく正回転駆動する冷却状態と、前記冷却用ファン((28))を機体内部から機体外部方向へ送風するべく逆回転駆動する除塵状態とに切替自在な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1記載の発明において、前記ファン無段変速装置(33)は、前記エンジン(11)の吸気温度と排気温度とエンジン(11)の冷却水温との何れか一つが個別に設定された設定温度よりも高温の場合、前記除塵状態に切り替えずに冷却状態を維持する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1記載の発明において、前記操縦部(6)は、機体フレーム(1)の上方に設けたエンジン(11)の一部または全部を包囲するエンジンカバー(9)と一体のキャビン(12)内に設け、該キャビン(12)は、グレンタンク(5)の前側に位置する閉鎖位置と平面視でキャビン(12)の一部または全部が機体フレーム(1)よりも側方にはみ出た開放位置とにわたってリンク機構(15)により移動自在に支持し、前記キャビン(12)が開放位置に移動し且つエンジン(11)が駆動している状態では、前記ファン無段変速装置(33)の回転出力を停止させる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−196146(P2012−196146A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60588(P2011−60588)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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