説明

コンピュータによるキャリブレーション実施方法及びキャリブレーション実施システム

【課題】キャリブレーションセンサを用いて、簡単な演算処理により各表示装置の画面間の色度や輝度のムラを効果的に抑制することが可能なコンピュータによるキャリブレーション実施方法を提供する。
【解決手段】各表示装置m1〜m6別に、画面におけるキャリブレーションセンサ1の検出位置を適宜に変更し、つまり画面における表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)を検出して調整する位置を適宜に変更し、これにより各表示装置の画面間の表示ムラが目立たないようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示装置の画面を縦もしくは横に配列してなるマルチディスプレイ装置のキャリブレーションを行うためのコンピュータによるキャリブレーション実施方法及びキャリブレーション実施システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチディスプレイ装置のキャリブレーション実施方法としては、特許文献1に記載されたものがある。ここでは、縦横に配列された複数の表示装置の画面に色度センサを1個ずつ割り当て、各色度センサにより各表示装置の画面の一箇所の色値を検出し、これらの色値から各表示装置の画面の色変換係数を求め、各色変換係数に基づき各表示装置の画面の色変換を行っている。
【0003】
また、特許文献2では、マルチディスプレイ装置のキャリブレーションとは異なるが、カメラによって被撮像面を撮像し、被撮像面に写っている複数のマーカを判別して、被撮像面上の各マーカに基づきカメラのキャリブレーションを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再公表特許WO99/53693号公報
【特許文献2】特開2008−14940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、表示装置の画面全体では色度や輝度が均一でないことが多く、このためにマルチディスプレイ装置を構成する各表示装置の画面の一箇所の色度や輝度が一致するようにキャリブレーションを行っても、各表示装置の画面の他の箇所間では色度や輝度の差が目立つことがあった。例えば、隣り合う2つの表示装置の画面中央の色度や輝度を一致させても、各表示装置の相互に近接するそれぞれの画面周辺では一方の色度や輝度が高くかつ他方の色度や輝度が低くなることがあり、この場合には各表示装置の画面間で色度や輝度のムラが目立った。
【0006】
特許文献1では、各色度センサにより検出された各表示装置の画面一箇所の色値を用いて、各表示装置の画面の色変換を行っていることから、そのような問題が発生することがある。すなわち、各表示装置の画面一箇所の色を適確に設定することができても、各表示装置の相互に近接するそれぞれの画面周辺の一方の色と他方の色との差が大きくなることがあり、各表示装置の画面間で色のムラを効果的に抑制することはできなかった。
【0007】
また、特許文献2では、カメラによって被撮像面を撮像しているので、被撮像面全体の色度や輝度の検出が可能である。このため、特許文献1において、特許文献2のカメラにより各表示装置の画面全体の平均的な色値を検出し、これらの平均的な色値を用いて、各表示装置の画面の色変換を行えば、隣り合う各表示装置の相互に近接するそれぞれの画面周辺の一方の色と他方の色との差が小さくなって、各表示装置の画面間の色ムラを効果的に抑制することができる。しかしながら、このようなカメラは、特許文献1の色度センサと比較すると非常に高価であり、また表示装置の画面全体の色度や輝度を検出して、それらの平均値を求めるまでの演算処理が複雑であった。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、キャリブレーションセンサを用いて、簡単な演算処理により各表示装置の画面間の色度や輝度のムラを効果的に抑制することが可能なコンピュータによるキャリブレーション実施方法及びキャリブレーション実施システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のコンピュータによるキャリブレーション実施方法は、キャリブレーションセンサを用いて、複数の表示装置の画面を縦もしくは横に配列してなるマルチディスプレイ装置のキャリブレーションを行うコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、前記コンピュータは、キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置の有無に応じて前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面における前記キャリブレーションセンサの少なくとも1つの検出位置を設定するセンサ設定工程と、前記センサ設定工程で設定された検出位置に配置された前記キャリブレーションセンサの検出出力に基づき前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面のキャリブレーションを行うキャリブレーション工程とを実施している。
【0010】
このような本発明のキャリブレーション実施方法では、キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置が有った場合は、キャリブレーションの対象となる表示装置の画面において、キャリブレーションセンサの検出位置としてキャリブレーションが終了した他の表示装置の画面に近接する箇所を設定して、この近接する箇所の色度や輝度を調整することができ、その近接する箇所の色度や輝度を他の表示装置の画面の色度や輝度に近づけて、各表示装置の画面間の色度や輝度のムラを効果的に抑制することができる。キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置が無かった場合は、キャリブレーションの対象となる表示装置の画面の中央箇所等をキャリブレーションセンサの検出位置として設定して、表示装置の画面の中央箇所の色度や輝度を適宜に調整すればよい。
【0011】
また、複数のキャリブレーションセンサを用いる場合であっても、各キャリブレーションセンサにより検出された色度や輝度の平均値に基づき表示装置の画面のキャリブレーションを行えば、キャリブレーションのための演算処理が複雑化することはない。
【0012】
尚、隣り合う他の表示装置の画面とは、任意の表示装置の画面の各辺に隣り合う他の表示装置の画面であり、任意の表示装置の画面の対角線方向に隣り合う他の表示装置の画面を含まないものとする。
【0013】
例えば、本発明のキャリブレーション実施方法における前記センサ設定工程では、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置が無かった場合に、前記キャリブレーションセンサの検出位置を前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面中央に設定している。
【0014】
あるいは、本発明のキャリブレーション実施方法における前記センサ設定工程では、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置が有った場合に、前記キャリブレーションセンサの少なくとも1つの検出位置を前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面における該画面中央よりもキャリブレーションを終了した他の表示装置の画面の近くに設定している。
【0015】
また、本発明のキャリブレーション実施方法においては、前記センサ設定工程の前に、前記各表示装置の画面のキャリブレーションを行う順位を設定する順位設定工程を実施し、前記順位設定工程で設定された順位に従って前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面を選択して、前記センサ設定工程及び前記キャリブレーション工程を実施している。
【0016】
このように各表示装置の画面のキャリブレーションを行う順位を設定することにより、各表示装置の画面全てのキャリブレーションを速やかに行うことができる。
【0017】
更に、本発明のキャリブレーション実施方法における前記順位設定工程では、前記各表示装置別に、隣り合う他の表示装置の画面の数を求め、前記隣り合う他の表示装置の画面の数が多くなる程、前記表示装置の画面のキャリブレーションを行う順位を高く設定している。
【0018】
このように隣り合う他の表示装置の画面の数が最も多い表示装置の画面のキャリブレーションを優先した場合は、優先した表示装置の画面の色度や輝度の調整が容易である。逆に、他の多くの表示装置の画面の色度や輝度を優先的に調整した場合は、他の多くの表示装置の画面の色度や輝度に合わせて、1つの表示装置の画面の色度や輝度を調整する必要があり、この調整が困難になる。
【0019】
あるいは、本発明のキャリブレーション実施方法における前記順位設定工程では、前記隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる複数の表示装置の画面がある場合は、前記隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる前記各表示装置の画面を選択して抽出し、この選択して抽出した各表示装置別に、隣り合う他の表示装置の画面の数を求め、隣り合う他の表示装置の画面の数が多くなる程、前記表示装置の画面のキャリブレーションを行う順位を高く設定している。
【0020】
これにより、多数の表示装置を配列したマルチディスプレイ装置であっても、各表示装置の画面のキャリブレーションを行う順位を適確に設定することができる。
【0021】
例えば、本発明のキャリブレーション実施方法においては、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサの検出位置が複数の場合は、複数のキャリブレーションセンサを前記各検出位置にそれぞれ配置して用いる。
【0022】
あるいは、本発明のキャリブレーション実施方法においては、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサの検出位置が複数の場合は、単一のキャリブレーションセンサを前記各検出位置に逐次移動配置して用いる。
【0023】
この場合は、単一のキャリブレーションセンサだけで、キャリブレーションを実施することができる。
【0024】
また、本発明のキャリブレーション実施方法における前記センサ設定工程では、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサの検出位置の数を、前記表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションを終了した他の表示装置の数以上に設定している。
【0025】
これにより、キャリブレーションの対象となる表示装置の画面において、キャリブレーションセンサの検出位置として、隣り合うキャリブレーションを終了した他の表示装置の数に応じたそれぞれの箇所を設定し、これらの箇所の色度や輝度を検出して調整することができ、これらの箇所の色度や輝度をキャリブレーションを終了した他の表示装置の画面の色度や輝度に近づけることができる。
【0026】
更に、本発明のキャリブレーション実施方法においては、前記コンピュータは、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面にキャリブレーションの検出位置の指標を表示している。
【0027】
これにより、キャリブレーションセンサを適確な位置に容易に配置することができる。
【0028】
一方、本発明のキャリブレーション実施システムは、複数の表示装置の画面を縦もしくは横に配列してなるマルチディスプレイ装置のキャリブレーションを行うキャリブレーション実施システムであって、キャリブレーションセンサと、キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置の有無に応じて前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面における前記キャリブレーションセンサの少なくとも1つの検出位置を設定し、前記設定された検出位置に配置された前記キャリブレーションセンサの検出出力に基づき前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面のキャリブレーションを行うコンピュータとを備えている。
【0029】
このような本発明のキャリブレーション実施システムにおいても、上記本発明のキャリブレーション実施方法と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0030】
このような本発明では、キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置が有った場合は、キャリブレーションの対象となる表示装置の画面において、キャリブレーションセンサの検出位置としてキャリブレーションが終了した他の表示装置の画面に近接する箇所を設定して、この近接する箇所の色度や輝度を調整することができ、その近接する箇所の色度や輝度を他の表示装置の画面の色度や輝度に近づけて、各表示装置の画面間の色度や輝度のムラを効果的に抑制することができる。キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置が無かった場合は、キャリブレーションの対象となる表示装置の画面の中央箇所等をキャリブレーションセンサの検出位置として設定して、表示装置の画面の中央箇所の色度や輝度を適宜に調整すればよい。
【0031】
また、複数のキャリブレーションセンサを用いる場合であっても、各キャリブレーションセンサにより検出された色度や輝度の平均値に基づき表示装置の画面のキャリブレーションを行えば、キャリブレーションのための演算処理が複雑化することはない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のキャリブレーション実施システムの一実施形態を概略的に示す図である。
【図2】図1のキャリブレーション実施システムにおける各表示装置及びパーソナルコンピュータ(PC)の構成を示すブロック図である。
【図3】PCによるキャリブレーションの実施手順の概略を示すフローチャートである。
【図4】PCの表示部の画面に表示され、各表示装置の画面の配列を設定するために用いられるウィンドウを例示する図である。
【図5】各表示装置の画面別に、表示装置の画面の上下左右に他の表示装置の画面が有るか否かを示す入力データを例示する図である。
【図6】(a)は、20台の各表示装置の画面別に、隣り合う他の表示装置の台数を記した図表であり、(b)は、(a)において隣り合う他の表示装置の台数が最大となる6台の各表示装置を抽出して、この抽出した各表示装置の画面別に、隣り合う他の表示装置の台数を記した図表である。
【図7】各表示装置の画面別に、表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサが配置される箇所を示す図である。
【図8】PCの表示部の画面に表示され、各表示装置の画面のキャリブレーションの結果を記したウィンドウを例示する図である。
【図9A】図3のフローチャートにおける各表示装置の優先順位を自動的に設定するための処理を詳しく示すフローチャートである。
【図9B】図9Aに引き続く処理を示すフローチャートである。
【図10】(a)〜(d)は、各表示装置の画面の配列を例示する図である。
【図11】図9Bのフローチャートにおける優先順位「2」以降を自動的に設定するための処理を詳しく示すフローチャートである。
【図12】図3のフローチャートにおける表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサの少なくとも1つの検出位置を求めて設定するための処理を詳しく示すフローチャートである。
【図13】、表示装置の画面のキャリブレーションを実施するための処理を詳しく示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明のキャリブレーション実施システムの一実施形態を概略的に示す図である。本実施形態のキャリブレーション実施システムCSは、例えば6台の各表示装置m1〜m6の画面を縦横に配列してなるマルチディスプレイ装置MDのキャリブレーションを行うものであり、各表示装置m1〜m6の画面の色度、輝度、ガンマ値等を検出する複数のキャリブレーションセンサ1と、各キャリブレーションセンサ1の検出出力に基づき各表示装置m1〜m6の画面のキャリブレーションを実施するコンピュータ(以下PCと称す)3とを備えている。
【0035】
各キャリブレーションセンサ1は、例えばセンサに内蔵の受光素子により画面の光を受光して、画面の色度、輝度、ガンマ値等を検出するものであり、市販されている汎用品の適用が可能である。各キャリブレーションセンサ1は、それぞれのケーブル2を通じてPC3に接続されており、利用者により各表示装置m1〜m6の画面に配置されて用いられる。各キャリブレーションセンサ1は、各表示装置m1〜m6の画面の輝度、色度、及びガンマ値等(以下、表示調整値とも称する)を測定検出して、各表示装置m1〜m6の画面の表示調整値を示す検出出力を出力する。
【0036】
各表示装置m1〜m6の画面の表示調整値の検出は、少なくとも1つのキャリブレーションセンサ1により行われ、また各表示装置m1〜m6別に予め設定された順位で行われる。
【0037】
PC3は、各表示装置m1〜m6をキャリブレーションの対象として予め設定された順位で選択し、選択した表示装置の画面の表示調整値が少なくとも1つのキャリブレーションセンサ1により検出されると、キャリブレーションセンサ1の検出出力によって示される表示調整値を取得し、表示装置の画面の表示調整値が予め設定された目標値となるようにケーブル2を通じて表示装置を制御する。すなわち、PC3は、各表示装置m1〜m6を順次選択し、その度に、表示装置の画面の輝度、色度、及びガンマ値等を予め設定されたそれぞれの目標値に調整する。これにより、各表示装置m1〜m6の画面間の輝度、色度、及びガンマ値等の差異が低減される。
【0038】
ところで、各表示装置m1〜m6のいずれについても、画面全体では表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)が均一でないことが多く、このため、例えば各表示装置m1〜m6の画面中央の表示調整値が目標値となるようにキャリブレーションを行っても、隣り合う2つの表示装置の相互に近接するそれぞれの画面周辺では一方の表示調整値が高くかつ他方の表示調整値が低くなることがあり、この場合には各表示装置の画面間で表示ムラが目立つ。
【0039】
そこで、本実施形態のキャリブレーション実施システムCSでは、各表示装置m1〜m6別に、画面におけるキャリブレーションセンサ1の検出位置(配置位置)を適宜に変更し、つまり画面における表示調整値を検出して調整する位置を適宜に変更し、これにより各表示装置の画面間の表示ムラが目立たないようにしている。
【0040】
次に、そのようなキャリブレーションを実施するための各表示装置m1〜m6及びPC3の構成を説明する。
【0041】
図2は、各表示装置m1〜m6及びPC3の構成を示すブロック図である。図2において、各表示装置m1〜m6は、液晶ディスプレイパネル等からなる表示部11と、表示部11を表示駆動する表示駆動部12と、ケーブル2を通じてPC3に接続され、PC3との間でデータ通信を行う通信部13と、操作キー等からなる操作部14と、HDD、ROM、RAM等からなる記憶部15と、表示装置全体を統括的に制御する制御部16とを備えている。
【0042】
通信部13は、RS−232C、USB、有線LAN、無線LAN、HDMI(登録商標)、CEC(登録商標)等に準拠する通信方式によりPC3との間でデータ通信を行う。
【0043】
制御部16は、CPU等からなり、各種のコマンドを処理するコマンド処理部21、各表示装置m1〜m6の画面に表示されるキャリブレーション用パターン等を生成するパターン生成部22、各表示装置m1〜m6の表示部11の画面の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)を調整設定する映像調整部23、及び操作部14の操作により入力された指示を実行する操作処理部24等を含んでいる。
【0044】
一方、PC3は、液晶ディスプレイパネル等からなる表示部31と、ケーブル2を通じて各表示装置m1〜m6及び各キャリブレーションセンサ1に接続され、各表示装置m1〜m6及び各キャリブレーションセンサ1との間でデータ通信を行う通信部33と、操作キー等からなる操作部34と、HDD、ROM、RAM等からなる記憶部35と、PC3を統括的に制御する制御部36とを備えている。
【0045】
通信部33は、RS−232C、USB、有線LAN、無線LAN、HDMI(登録商標)、CEC(登録商標)等に準拠する通信方式により各表示装置m1〜m6及び各キャリブレーションセンサ1との間でデータ通信を行う。
【0046】
制御部36は、CPU等からなり、マルチディスプレイ装置MDにおける各表示装置m1〜m6の画面の配列等を設定するマルチディスプレイ情報入力処理部41、各表示装置m1〜m6の画面におけるキャリブレーションセンサ1の検出位置を設定する検出位置処理部42、キャリブレーションセンサ1の検出出力によって示される表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)を取得する表示調整値処理部43、その取得した輝度、色度、及びガンマ値等をそれぞれの目標値に調整設定するためのそれぞれの調整量を求めるキャリブレーション処理部44、及び各調整量を示す制御コマンドを生成するコマンド生成部45等を含んでいる。
【0047】
次に、図3のフローチャート等を参照しつつ、PC3によるキャリブレーションの実施手順の概略を説明する。尚、ここでは、図1に示すように配列された各表示装置m1〜m6を代表例に挙げて説明する。
【0048】
まず、利用者は、PC3の操作部34を操作して、マルチディスプレイ装置MDを構成する各表示装置m1〜m6の画面の配列を設定するためのウィンドウの表示を指示する。制御部36のマルチディスプレイ情報入力処理部41は、操作部34の操作によるウィンドウの表示の指示に応答して、図4に示すようなウィンドウW1を表示部31の画面に表示する(ステップS101)。
【0049】
図4に示すウィンドウW1では、利用者による操作部34の操作で、マルチディスプレイ装置MDを構成する各表示装置m1〜m6の横の配列数「3」と縦の配列数「2」がそれぞれのセレクトボックスb1、b2で選択される。これに応答して制御部36のマルチディスプレイ情報入力処理部41は、横方向で3列及び縦方向で2列の各表示装置m1〜m6の配列をウィンドウW1のボックスb3に表示し、また横方向をX方向とし、縦方向をY方向とした座標系における表示装置m1の座標位置(1,1)、表示装置m2の座標位置(2,1)、表示装置m3の座標位置(3,1)、表示装置m4の座標位置(1,2)、表示装置m5の座標位置(2,2)、表示装置m6の座標位置(3,2)を設定する。更に、利用者による操作部34の操作で、各表示装置m1〜m6の識別番号ID1〜ID6がボックスb4に記入される。尚、各表示装置m1〜m6の識別番号ID1〜ID6を該各表示装置m1〜m6の配列順序に従って自動的に割り当ててボックスb4に記入してもよい。
【0050】
引き続いて、操作部34の操作により、各表示装置m1〜m6別に、表示装置の画面の上、右、下、左に他の表示装置が有るか否かを入力する。例えば、図5に示すように識別番号ID1の表示装置m1については、「上、右、下、左」と「無、有、有、無」とを対応付けて入力する。また、識別番号ID2の表示装置m2については、「上、右、下、左」と「無、有、有、有」とを対応付けて入力する。更に、識別番号ID3の表示装置m3については、「上、右、下、左」と「無、無、有、有」とを対応付けて入力する。また、識別番号ID4の表示装置m4については、「上、右、下、左」と「有、有、無、無」とを対応付けて入力する。更に、識別番号ID5の表示装置m5については、「上、右、下、左」と「有、有、無、有」とを対応付けて入力する。また、識別番号ID6の表示装置m6については、「上、右、下、左」と「有、無、無、有」とを対応付けて入力する(ステップS102)。尚、操作部34の操作により上、右、下、左の他の表示装置の有無を入力する代わりに、制御部36のマルチディスプレイ情報入力処理部41により上、右、下、左の他の表示装置の有無を判定しても構わない。例えば、各表示装置m1〜m6の座標位置(X,Y)に基づいて、各表示装置m1〜m6別に、上、右、下、左の他の表示装置の有無を判定することができる。
【0051】
そして、制御部36のマルチディスプレイ情報入力処理部41は、各表示装置m1〜m6別に、表示装置の座標位置、識別番号、上、右、下、左の他の表示装置の有無を対応付けて記憶部35に記憶する。
【0052】
引き続いて、利用者による操作部34の操作で、各表示装置m1〜m6の画面のうちからキャリブレーションを優先的に実施する表示装置の画面を選択設定する。例えば、マルチディスプレイ装置MDの視聴ポイントが決まっている場合は、視聴ポイントに近い表示装置の画面を、キャリブレーションを優先的に実施すべきものとして選択設定する(ステップS103)。制御部36のマルチディスプレイ情報入力処理部41は、その選択された表示装置の座標位置及び識別番号等を優先的に実施すべきものとして記憶部35に記憶する。
【0053】
また、ステップS103においては、利用者による操作部34の操作で、任意の優先順位設定条件を設定することができる。例えば、隣り合う他の表示装置の画面の数が同一となった各表示装置については、下側の表示装置の優先順位Nを上側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定し、かつ右側の表示装置の優先順位Nを左側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定するという任意の優先順位設定条件を設定することができる。
【0054】
あるいは、任意の優先順位設定条件が設定されなかった場合は、デフォルトの優先順位設定条件を自動的に設定する。例えば、隣り合う他の表示装置の画面の数が同一となった各表示装置については、上側の表示装置の優先順位Nを下側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定し、かつ左側の表示装置の優先順位Nを右側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定するというデフォルトの優先順位設定条件を自動的に設定する。尚、ステップS103を省略しても構わない。
【0055】
尚、隣り合う他の表示装置の画面とは、任意の表示装置の画面の各辺に隣り合う他の表示装置の画面であり、任意の表示装置の画面の対角線方向に隣り合う他の表示装置の画面を含まないものとする。
【0056】
次に、制御部36のマルチディスプレイ情報入力処理部41は、各表示装置m1〜m6の優先順位Nを設定し、各表示装置m1〜m6の優先順位Nをそれぞれの表示装置の座標位置及び識別番号等に対応付けて記憶部35に記憶する(ステップS104、順位設定工程)。詳しくは、記憶部35に記憶した図5に示すようなデータを参照して、表示装置m1〜m6別に、隣り合う他の表示装置の画面の数を求め、隣り合う他の表示装置の画面の数が多くなる程、表示装置の画面のキャリブレーションを行う順位を高く設定する。ここでは、表示装置m1に隣り合う他の表示装置の画面の数が「2」であり、表示装置m2に隣り合う他の表示装置の画面の数が「3」であり、表示装置m3に隣り合う他の表示装置の画面の数が「2」であり、表示装置m4に隣り合う他の表示装置の画面の数が「2」であり、表示装置m5に隣り合う他の表示装置の画面の数が「3」であり、表示装置m6に隣り合う他の表示装置の画面の数が「2」である。従って、隣り合う他の表示装置の画面の数が「3」である各表示装置m2、m5の優先順位Nが高く、また隣り合う他の表示装置の画面の数が「2」である各表示装置m1、m3、m4、m6の優先順位Nが低くなる。
【0057】
ただし、各表示装置m2、m5については、隣り合う他の表示装置の画面の数が同一であり、各表示装置m1、m3、m4、m6についても、隣り合う他の表示装置の画面の数が同一である。このため、隣り合う他の表示装置の画面の数が同一となった各表示装置については、先に述べたデフォルトの優先順位設定条件に従って、上側の表示装置の優先順位Nを下側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定し、かつ左側の表示装置の優先順位Nを右側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定する。この場合は、表示装置m2の優先順位Nが「1」となり、表示装置m5の優先順位Nが「2」となり、表示装置m1の優先順位Nが「3」となり、表示装置m3の優先順位Nが「4」となり、表示装置m4の優先順位Nが「5」となり、表示装置m6の優先順位Nが「6」となる(m2>m5>m1>m3>m4>m6)。
【0058】
あるいは、先に述べた任意の優先順位設定条件に従って、下側の表示装置の優先順位Nを上側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定し、かつ右側の表示装置の優先順位Nを左側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定してもよい。この場合は、表示装置m5の優先順位Nが「1」となり、表示装置m2の優先順位Nが「2」となり、表示装置m6の優先順位Nが「3」となり、表示装置m4の優先順位Nが「4」となり、表示装置m3の優先順位Nが「5」となり、表示装置m1の優先順位Nが「6」となる(m5>m2>m6>m4>m3>m1)。
【0059】
また、優先順位Nが最も高い各表示装置の数が「6」以上の場合は、これらの表示装置を選択して、この選択した各表示装置別に、隣り合う他の表示装置の画面の数を求め、隣り合う他の表示装置の画面の数が多くなる程、優先順位Nを高く設定しても構わない。例えば、図6(a)に示すように20台の各表示装置mを縦横4×5列で配列したマルチディスプレイ装置では、中央6台の各表示装置mのいずれも、隣り合う他の表示装置の画面の数が「4」となるので、図6(b)に示すように中央6台の各表示装置mを選択して、この選択した各表示装置m別に、隣り合う他の表示装置の画面の数を求め、隣り合う他の表示装置の画面の数が多くなる程、優先順位Nを高く設定する。そして、優先順位Nが同一となった各表示装置mについては、更に優先順位設定条件に従って優先順位Nを設定する。
【0060】
尚、任意の表示装置の優先順位Nを最も高く設定し、以降の優先順位Nについては、表示装置により近くかつ隣り合う他の表示装置の画面の数が多くなる程、優先順位Nを高く設定してもよい。例えば、図4の各表示装置m1〜m6において、表示装置m1の優先順位Nを「1」に設定し、各表示装置m2、m5のうちの表示装置m1により近い表示装置m2の優先順位Nを「2」に設定し、より遠い表示装置m5の優先順位Nを「3」に設定し、また表示装置m4の優先順位Nを「4」に設定し、更に各表示装置m3、m6のうちの表示装置m1により近い表示装置m3の優先順位Nを「5」に設定し、より遠い表示装置m6の優先順位Nを「6」に設定する(m1>m2>m5>m4>m3>m6)。
【0061】
こうして各表示装置m1〜m6の画面のキャリブレーションを実施する優先順位Nが設定され、各表示装置m1〜m6の優先順位Nがそれぞれの表示装置の座標位置及び識別番号等に対応付けて記憶部35に記憶される。
【0062】
この後、制御部36の検出位置処理部42は、最も高い優先順位Nの表示装置を選択して(ステップS105)、この選択した表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置の有無に応じてその選択した表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサ1の少なくとも1つの検出位置を求めて設定する(ステップS106、センサ設定工程)。制御部36のコマンド生成部45は、その選択した表示装置の画面における少なくとも1つの検出位置にセンサ位置指定パターンを表示するべく、その検出位置へのセンサ位置指定パターンの表示を指示するパターン表示コマンドを生成して、このパターン表示コマンドを通信部33からケーブル2を通じてその最も高い優先順位Nの表示装置へと送信する。
【0063】
例えば、表示装置m2の優先順位Nが「1」、表示装置m5の優先順位Nが「2」、表示装置m1の優先順位Nが「3」、表示装置m3の優先順位Nが「4」、表示装置m4の優先順位Nが「5」、表示装置m6の優先順位Nが「6」とすると(m2>m5>m1>m3>m4>m6)、最も高い優先順位Nの表示装置m2を選択し、図7に示すようにその選択された表示装置m2の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置が無いことから、表示装置m2の画面の中央箇所P1だけをキャリブレーションセンサ1の検出位置として求め、この表示装置m2の画面の中央箇所P1にセンサ位置指定パターンを表示することを指示するパターン表示コマンドを表示装置m2に送信する。
【0064】
表示装置m2では、パターン表示コマンドを通信部13で受信して制御部16のコマンド処理部21に入力する。制御部16のコマンド処理部21は、パターン表示コマンドを解析して、センサ位置指定パターンを取得し、センサ位置指定パターンをパターン生成部22に与える。パターン生成部22は、センサ位置指定パターンを表示駆動部12を通じて表示装置m2の表示部11の画面の中央箇所P1に表示する。このとき、利用者は、表示装置m2の画面の中央箇所P1に表示されたセンサ位置指定パターンを見て、このセンサ位置指定パターンの位置にキャリブレーションセンサ1を配置し、キャリブレーションセンサ1をオンにする。また、利用者は、PC3の操作部34を操作して、表示装置のキャリブレーションの開始を指示する。
【0065】
PC3では、操作部34の操作により表示装置のキャリブレーションの開始が指示されると、これに応答してコマンド生成部45は、キャリブレーション用表示パターンを表示することを指示するキャリブレーションコマンドを生成して、このキャリブレーションコマンドを通信部33からケーブル2を通じて表示装置m2へと送信する。
【0066】
表示装置m2では、キャリブレーションコマンドを通信部13で受信して制御部16のコマンド処理部21に入力する。制御部16のコマンド処理部21は、キャリブレーションコマンドを解析して、キャリブレーション用表示パターンを取得し、キャリブレーション用表示パターンをパターン生成部22に与える。パターン生成部22は、キャリブレーション用表示パターンを表示駆動部12を通じて表示部11の画面に表示する。このとき、キャリブレーションセンサ1は、表示部11の画面中央箇所P1の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)を検出し、この表示調整値を示す検出出力をケーブル2を通じてPC3へと出力する。
【0067】
PC3では、表示装置m2の画面の表示調整値を示す検出出力を通信部33で受信して制御部36の表示調整値処理部43に入力する。表示調整値処理部43は、キャリブレーションセンサ1の検出出力から表示装置m2の画面中央箇所P1の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)を取得し、この表示調整値をキャリブレーション処理部44に与える。キャリブレーション処理部44は、表示装置m2の画面中央箇所P1で検出された表示調整値に基づき、輝度、色度、及びガンマ値等をそれぞれの目標値に調整設定するための輝度、色度、及びガンマ値等の調整量を求め、これらの調整量をコマンド生成部45に与える。コマンド生成部45は、輝度、色度、及びガンマ値等の調整量を示す表示調整値制御コマンドを生成し、この表示調整値制御コマンドを通信部33からケーブル2を通じて表示装置m2へと送信する(ステップS107、キャリブレーション工程)。また、表示調整値処理部43は、表示装置m2の画面の輝度、色度、及びガンマ値等の調整量を記憶部35に記憶する(ステップS108)。
【0068】
表示装置m2では、表示調整値制御コマンドを通信部13で受信して制御部16のコマンド処理部21に入力する。制御部16のコマンド処理部21は、表示調整値制御コマンドを解析して、輝度、色度、及びガンマ値等の調整量を取得し、これらを映像調整部23に与える。映像調整部23は、輝度、色度、及びガンマ値等の調整量だけ、表示部11の画面の輝度、色度、及びガンマ値等を調整変更する。これにより、表示部11の画面中央箇所P1の輝度、色度、及びガンマ値等がそれぞれの目標値に調整され、画面のキャリブレーションが終了する。
【0069】
引き続いて、PC3の制御部36は、図4の各表示装置m1〜m6の画面全てのキャリブレーションが終了したか否かを判定し(ステップS109)、表示装置m2の画面のキャリブーションを終了しただけであるから(ステップS109で「Yes」)、ステップS105に戻って、優先順位N「2」の表示装置m5を選択する。
【0070】
そして、図7に示すように優先順位N「2」の表示装置m5の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置m2が存在することから、表示装置m5の画面の中央箇所P2と、キャリブレーションが終了した他の表示装置m2と隣り合う表示装置m5の画面の周辺箇所P3とをキャリブレーションセンサ1の検出位置として求め(ステップS106)、この表示装置m5の画面の中央箇所P2と周辺箇所P3にそれぞれのセンサ位置指定パターンを表示することを指示するパターン表示コマンドを表示装置m5に送信する。
【0071】
表示装置m5では、パターン表示コマンドを受信して解析し、表示部11の画面の中央箇所P2と周辺箇所P3にそれぞれのセンサ位置指定パターンを表示する。利用者は、各センサ位置指定パターンの位置に2つのキャリブレーションセンサ1を配置する。
【0072】
PC3では、操作部34の操作により表示装置のキャリブレーションの開始が指示されると、キャリブレーション用表示パターンを表示することを指示するキャリブレーションコマンドを表示装置m5に送信する。
【0073】
表示装置m5では、キャリブレーションコマンドを受信して解析し、キャリブレーション用表示パターンを表示部11の画面に表示する。このとき、各キャリブレーションセンサ1は、表示部11の画面中央箇所P2の表示調整値と周辺箇所P3の表示調整値とを検出し、これらの表示調整値を示す検出出力をケーブル2を通じてPC3へと出力する。
【0074】
PC3では、表示装置m5の画面中央箇所P2の表示調整値と周辺箇所P3の表示調整値とを受信すると、これらの表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)の平均値を求め、この平均値を目標値に調整設定するための表示調整値の調整量を求め、この調整量を示す表示調整値制御コマンドを表示装置m2に送信する(ステップS107)。また、表示装置m5の画面の表示調整値の調整量を記憶部35に記憶する(ステップS108)。
【0075】
表示装置m5では、表示調整値制御コマンドを受信して解析し、表示調整値の調整量を取得し、この表示調整値の調整量だけ、表示部11の画面の表示調整値を調整変更する。これにより、表示部11の画面の中央箇所P2の表示調整値と周辺箇所P3の表示調整値とが目標値に近づくように調整され、画面のキャリブレーションが終了する。
【0076】
引き続いて、PC3では、図4の各表示装置m1〜m6の画面全てのキャリブレーションが終了されたか否かを判定し(ステップS109)、キャリブレーションが終了していない表示装置が残っていれば、(ステップS109で「Yes」)、ステップS105に戻って、次の優先順位Nの表示装置を選択して、この選択した表示装置の画面のキャリブレーションを実施する(ステップS106〜S108)。
【0077】
ここでは、表示装置m5の画面のキャリブレーション終了以降に、表示装置m1、表示装置m3、表示装置m4、表示装置m6が優先順位Nに従って順次選択され、それぞれの画面のキャリブレーションが逐次実施される。表示装置m1については、図7に示すように画面の中央箇所P4と、キャリブレーションが終了した他の表示装置m2と隣り合う画面の周辺箇所P5とがキャリブレーションセンサ1の検出位置として求められ、画面の中央箇所P4と周辺箇所P5に2つのキャリブレーションセンサ1が配置され、各キャリブレーションセンサ1により表示部11の画面中央箇所P4の表示調整値と周辺箇所P5の表示調整値とが検出され、これらの表示調整値の平均値が求められ、この平均値を目標値に調整設定するための表示調整値の調整量が求められ、この表示調整値の調整量だけ、表示部11の画面の表示調整値が調整変更され、表示部11の画面の中央箇所P4の表示調整値と周辺箇所P5の表示調整値とが目標値に近づくように調整される。同様に、表示装置m3についても、画面の中央箇所P6と、キャリブレーションが終了した他の表示装置m2と隣り合う画面の周辺箇所P7とがキャリブレーションセンサ1の検出位置として求められ、2つのキャリブレーションセンサ1により表示部11の画面中央箇所P6の表示調整値と周辺箇所P7の表示調整値とが検出され、これらの表示調整値の平均値が求められ、この平均値を目標値に調整設定するための表示調整値の調整量が求められ、この表示調整値の調整量だけ、表示部11の画面の表示調整値が調整変更され、表示部11の画面の中央箇所P6の表示調整値と周辺箇所P7の表示調整値とが目標値に近づくように調整される。
【0078】
また、表示装置m4については、画面の中央箇所P8と、キャリブレーションが終了した他の表示装置m1、m5と隣り合う画面の周辺箇所P9、P10とがキャリブレーションセンサ1の検出位置として求められ、画面の中央箇所P8と各周辺箇所P9、P10に3つのキャリブレーションセンサ1が配置され、各キャリブレーションセンサ1により表示部11の3箇所の表示調整値が検出され、これらの表示調整値の平均値が求められ、この平均値を目標値に調整設定するための表示調整値の調整量が求められ、この表示調整値の調整量だけ、表示部11の画面の表示調整値が調整変更され、表示部11の画面の3箇所の表示調整値が目標値に近づくように調整される。同様に、表示装置m6についても、画面の中央箇所P11と、キャリブレーションが終了した他の表示装置m3、m5と隣り合う画面の周辺箇所P12、P13とがキャリブレーションセンサ1の検出位置として求められ、3つのキャリブレーションセンサ1により表示部11の3箇所の表示調整値が検出され、これらの表示調整値の平均値が求められ、この平均値を目標値に調整設定するための表示調整値の調整量が求められ、この表示調整値の調整量だけ、表示部11の画面の表示調整値が調整変更され、表示部11の画面の3箇所の表示調整値が目標値に近づくように調整される。
【0079】
このように優先順位N「2」の表示装置m5では、表示部11の画面の中央箇所P2の表示調整値とキャリブレーションが終了した他の表示装置m2と隣り合う画面の周辺箇所P3の表示調整値とが目標値に近づくように調整されるので、表示装置m5の画面と表示装置m2の画面との間の表示ムラが目立たなくなる。
【0080】
また、優先順位N「3」の表示装置m1では、画面の中央箇所P4の表示調整値と、キャリブレーションが終了した他の表示装置m2と隣り合う画面の周辺箇所P5の表示調整値とが目標値に近づくように調整されるので、表示装置m1の画面と表示装置m2の画面との間の表示ムラが目立たなくなる。同様に、優先順位N「4」の表示装置m3では、画面の中央箇所P6の表示調整値と、キャリブレーションが終了した他の表示装置m2と隣り合う画面の周辺箇所P7の表示調整値とが目標値に近づくように調整されるので、表示装置m3の画面と表示装置m2の画面との間の表示ムラが目立たなくなる。
【0081】
また、優先順位N「4」の表示装置m4では、画面の中央箇所P8の表示調整値と、キャリブレーションが終了した他の表示装置m1、m5と隣り合う画面の周辺箇所P9、P10の表示調整値とが目標値に近づくように調整されるので、表示装置m4の画面と、表示装置m1の画面と、表示装置m5の画面との間の表示ムラが目立たなくなる。同様に、表示装置m6では、画面の中央箇所P11の表示調整値と、キャリブレーションが終了した他の表示装置m3、m5と隣り合う画面の周辺箇所P12、P13の表示調整値とが目標値に近づくように調整されるので、表示装置m6の画面と、表示装置m3の画面と、表示装置m5の画面との間の表示ムラが目立たなくなる。
【0082】
すなわち、マルチディスプレイ装置MDにおいて、各表示装置m1〜m6の画面間の表示ムラが目立たなくなる。
【0083】
また、複数のキャリブレーションセンサ1を用いているが、各キャリブレーションセンサ1により検出された表示調整値の平均値に基づき表示装置の画面のキャリブレーションを行っているので、キャリブレーションのための演算処理が複雑化することはない。
【0084】
尚、各表示装置m1〜m6の画面のキャリブレーションを終了した後に、利用者によるPC3の操作部34の操作で、各表示装置m1〜m6の画面の表示調整値の表示が指示されると、これに応答して制御部36は、図8に示すようなウィンドウW2を表示部31の画面に表示する。
【0085】
図8に示すウィンドウW2では、各表示装置m1〜m6の識別番号ID1〜ID6がボックスb11に表示され、マルチディスプレイ装置MDを構成する各表示装置m1〜m6の配列がボックスb12に表示されている。操作部34の操作により、ボックスb11における各表示装置m1〜m6の識別番号ID1〜ID6のいずれかが指示されると、ボックスb12におけるその指示された識別番号の表示装置の表示状態が変化し、その指示された識別番号の表示装置の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)がボックスb13に表示される。このため、各表示装置m1〜m6の配列と表示調整値を確認することができる。
【0086】
次に、図9A、図9Bのフローチャートを参照しつつ、図3のフローチャートにおける各表示装置の優先順位Nを自動的に設定するためのステップS104の処理(制御部36のマルチディスプレイ情報入力処理部41による処理)を詳しく説明する。尚、図9A、図9Bの連結箇所には符号A、B、Cを付している。また、ここでは図10(a)〜(d)に示すような各表示装置の配列を例に挙げて説明する。
【0087】
まず、優先順位Nを「1」に初期設定し(ステップS201)、図3のステップS103において、キャリブレーションを優先的に実施する表示装置の画面あるいは任意の優先順位設定条件が選択設定されているか否かを判定する(ステップS202)。
【0088】
そして、キャリブレーションを優先的に実施する表示装置の画面あるいは任意の優先順位設定条件が選択設定されていない場合は(ステップS202で「No」)、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面を求めて、この求めた表示装置の画面の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶する(ステップS203)。例えば、図10(a)に示すように3台の表示装置の画面d1、d2、d3を1列に配列したマルチディスプレイ装置では、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大(=2)となる表示装置の画面d2だけを求めて、画面d2の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶する。また、図10(b)に示すように6台の表示装置の画面d11〜d16を縦横2×3列に配列したマルチディスプレイ装置では、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大(=3)となる各表示装置の画面d12、d15を求めて、各画面d12、d15の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶する。更に、図10(c)に示すように20台の各表示装置を縦横4×5列で配列したマルチディスプレイ装置では、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大(=4)となる各表示装置の画面d27〜d29、d32〜d34を求めて、各表示装置の画面d27〜d29、d32〜d34の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶する。
【0089】
この後、記憶部35のメモリ領域Aにおける隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面が複数か否かを判定する(ステップS204)。例えば、図10(a)のマルチディスプレイ装置の場合は、単一の表示装置の画面d2の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶しているので、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面が複数ではないと判定して(ステップS204で「No」)、ステップS205に移る。そして、記憶部35のメモリ領域Aに記憶している単一の表示装置の画面d2の優先順位Nを初期設定値の「1」に設定し(ステップS205)、優先順位Nが未だに設定されていない各表示装置の画面d1、d3が残されていることから(ステップS206で「Yes」)、優先順位Nを歩進して(ステップS207)、次の優先順位の表示装置の画面を求めて、その表示装置の画面の優先順位を設定する(ステップS208)。更に、ステップS206〜S208を繰返して、優先順位Nが設定されていない表示装置の画面が無くなると(ステップS206で「No」)、図9A、図9Bの処理を終了する。
【0090】
また、図10(b)のマルチディスプレイ装置の場合は、2台の表示装置の画面d12、d15の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶しているので、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面が複数であると判定して(ステップS204で「Yes」)、ステップS209に移る。そして、メモリ領域Aにおける各表示装置の画面について、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大(=1)となる表示装置の画面を求めて、この求めた表示装置の画面の配列を記憶部35のメモリ領域Bに記憶する(ステップS209)。ここでは、2台の表示装置の画面d12、d15の配列を記憶部35のメモリ領域Bにも記憶することになる。
【0091】
従って、メモリ領域Aにおける各表示装置の画面d12、d15の配列とメモリ領域Bにおける各表示装置の画面d12、d15の配列とが一致するという判定結果となる(ステップS210で「Yes」)。そして、隣り合う他の表示装置の画面の数が同一となった各表示装置については、上側の表示装置の優先順位Nを下側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定し、かつ左側の表示装置の優先順位Nを右側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定するというデフォルトの優先順位設定条件に従って、表示装置の画面d12を選択して、表示装置の画面d12の配列をメモリ領域Aに上書きして、メモリ領域Aを更新する(ステップS211)。
【0092】
この後、記憶部35のメモリ領域Aに記憶している単一の表示装置の画面d12の優先順位Nを初期設定値の「1」に設定する(ステップS205)。そして、優先順位Nが設定されていない各表示装置の画面d11、d13〜d16があることから(ステップS206で「Yes」)、優先順位Nを歩進して(ステップS207)、次の優先順位の表示装置の画面を求めて、その表示装置の画面の優先順位を設定する(ステップS208)。更に、ステップS206〜S208を繰返して、優先順位Nが設定されていない表示装置の画面が無くなると(ステップS206で「No」)、図9A、図9Bの処理を終了する。
【0093】
また、図10(c)のマルチディスプレイ装置の場合は、6台の表示装置の画面d27〜d29、d32〜d34の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶しているので、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面が複数であると判定し(ステップS204で「Yes」)、ステップS209に移る。そして、メモリ領域Aにおける各表示装置の画面について、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面を求めて、この求めた表示装置の画面の配列を記憶部35のメモリ領域Bに記憶する(ステップS209)。ここでは、図10(d)に示すように2台の表示装置の画面d28、d33の配列を記憶部35のメモリ領域Bに記憶する。
【0094】
従って、メモリ領域Aにおける6台の表示装置の画面d27〜d29、d32〜d34の配列とメモリ領域Bにおける2台の表示装置の画面d28、d33の配列とが一致しないと判定することになる(ステップS210で「No」)。この場合、メモリ領域Bにおける各表示装置の画面d28、d33の配列をメモリ領域Aに上書きして、メモリ領域Aを更新してから(ステップS212)、ステップS204に戻る。
【0095】
そして、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面が複数であると判定し(ステップS204で「Yes」)、メモリ領域Aにおける各表示装置の画面について、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大(=1)となる表示装置の画面を求めて、つまり2台の表示装置の画面d28、d33の配列を求めて、2台の表示装置の画面d28、d33の配列を記憶部35のメモリ領域Bに記憶する(ステップS209)。
【0096】
このとき、メモリ領域Aにおける各表示装置の画面d28、d33の配列とメモリ領域Bにおける各表示装置の画面d28、d33の配列とが一致するという判定結果となる(ステップS210で「Yes」)。そして、隣り合う他の表示装置の画面の数が同一となった各表示装置については、上側の表示装置の優先順位Nを下側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定し、かつ左側の表示装置の優先順位Nを右側の表示装置の優先順位Nよりも高く設定するというデフォルトの優先順位設定条件に従って、表示装置の画面d28を選択して、表示装置の画面d28の配列をメモリ領域Aに上書きして、メモリ領域Aを更新する(ステップS211)。
【0097】
この後、記憶部35のメモリ領域Aに記憶している単一の表示装置の画面d28の優先順位Nを初期設定値の「1」に設定する(ステップS205)。そして、優先順位Nが設定されていない各表示装置の画面d21〜d27、d29〜d40があることから(ステップS206で「Yes」)、優先順位Nを歩進して(ステップS207)、次の優先順位の表示装置の画面を求めて、その表示装置の画面の優先順位を設定する(ステップS208)。更に、ステップS206〜S208を繰返して、優先順位Nが設定されていない表示装置の画面が無くなると(ステップS206で「No」)、図9A、図9Bの処理を終了する。
【0098】
すなわち、ステップS201〜S205、S209〜S211では、優先順位Nを「1」に初期設定し、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面を求め、更に隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面が「6」以上の場合は、これらの表示装置の中で、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面を求めて、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面を絞り込んで行き、デフォルトの優先順位設定条件に従って、1台の表示装置の画面を選択し、この選択した表示装置の画面の優先順位Nを初期設定値の「1」に設定している。そして、ステップS206〜S208では、優先順位Nを歩進して、次の優先順位の表示装置の画面を求めて、その表示装置の画面の優先順位を設定するという処理を繰返し、優先順位N「2」以降の表示装置の画面を求めて設定している。
【0099】
一方、図3のステップS103において、利用者による操作部34の操作で、キャリブレーションを優先的に実施する表示装置の画面あるいは任意の優先順位設定条件が選択設定されている場合は(ステップS202で「Yes」、キャリブレーションを優先的に実施する表示装置の画面が複数であるか否かを判定する(ステップS213)。
【0100】
例えば、キャリブレーションを優先的に実施する表示装置の画面が単一であれば(ステップS213で「No」)、この表示装置の画面の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶してから、ステップS205に移る。そして、記憶部35のメモリ領域Aに記憶しているその単一の表示装置の画面の優先順位Nを初期設定値の「1」に設定し(ステップS205)、優先順位Nが未だに設定されていない各表示装置の画面が残されていれば(ステップS206で「Yes」)、優先順位Nを歩進して(ステップS207)、次の優先順位の表示装置の画面を求めて、その表示装置の画面の優先順位を設定する(ステップS208)。更に、ステップS206〜S208を繰返して、優先順位Nが設定されていない表示装置の画面が無くなると(ステップS206で「No」)、図9A、図9Bの処理を終了する。
【0101】
また、キャリブレーションを優先的に実施する表示装置の画面が複数である場合は(ステップS213で「Yes」)、これらの表示装置の画面の配列において隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面を求めて、この求めた表示装置の画面の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶してから(ステップS214)、メモリ領域Aの各表示装置の配列を対象にして、先に述べたステップS204、S209、S210、S212を行う。あるいは、キャリブレーションを優先的に実施する表示装置の画面が設定されていなくても、任意の優先順位設定条件が設定されている場合は(ステップS213で「Yes」)、全ての表示装置の画面の配列において隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面を求めて、この求めた表示装置の画面の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶してから(ステップS214)、先に述べたステップS204、S209、S210、S212を行う。これにより、メモリ領域Aにおける隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面を絞り込んで行く。
【0102】
そして、図3のステップS103において、任意の優先順位設定条件が設定されていれば、この任意の優先順位設定条件に従って、表示装置の画面を選択し、この選択した表示画面の配列をメモリ領域Aに上書きして、メモリ領域Aを更新する(ステップS215)。
【0103】
更に、任意の優先順位設定条件により表示装置の画面が1つに絞り込まれたか否かを確認し(ステップS216)、表示装置の画面が1つに絞り込まれていれば(ステップS216で「No」)、直ちにステップS205に移り、また表示装置の画面が1つに絞り込まれていなければ(ステップS216で「Yes」)、デフォルトの優先順位設定条件に従って、表示装置の画面を1つに絞り込んで、この表示装置の画面の配列をメモリ領域Aに上書きして、メモリ領域Aを更新してから(ステップS211)、ステップS205に移る。
【0104】
そして、記憶部35のメモリ領域Aに記憶している単一の表示装置の画面の優先順位Nを初期設定値の「1」に設定し(ステップS205)、優先順位Nが設定されていない各表示装置の画面があれば(ステップS206で「Yes」)、優先順位Nを歩進して(ステップS207)、次の優先順位の表示装置の画面を求めて、その表示装置の画面の優先順位を設定する(ステップS208)。更に、ステップS206〜S208を繰返して、優先順位Nが設定されていない表示装置の画面が無くなると(ステップS206で「No」)、図9A、図9Bの処理を終了する。
【0105】
次に、図11のフローチャートを参照しつつ、図9Bのフローチャートにおける優先順位N「2」以降を自動的に設定するためのステップS208の処理(制御部36のマルチディスプレイ情報入力処理部41による処理)を詳しく説明する。尚、図11の連結箇所には符号Dを付している。
【0106】
まず、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面(優先順位Nが既に設定された画面を除く)を求めて、この求めた表示装置の画面の配列を記憶部35のメモリ領域Aに記憶する(ステップS301)。
【0107】
そして、記憶部35のメモリ領域Aにおける隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面が複数か否かを判定する(ステップS302)。例えば、記憶部35のメモリ領域Aにおける表示装置の画面が単一であった場合は(ステップS302で「No」)、記憶部35のメモリ領域Aに記憶している単一の表示装置の画面の優先順位Nを図9BのステップS207で設定された優先順位Nに設定して(ステップS310)、図11の処理を終了する。
【0108】
また、記憶部35のメモリ領域Aにおける表示装置の画面が複数であった場合は(ステップS302で「Yes」)、メモリ領域Aにおける各表示装置の画面について、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面(優先順位Nが既に設定された画面を除く)を求めて、この求めた表示装置の画面の配列を記憶部35のメモリ領域Bに記憶する(ステップS303)。
【0109】
更に、メモリ領域Aにおける各表示装置の画面の配列とメモリ領域Bにおける各表示装置の画面の配列とが一致するか否かを判定し(ステップS304)、一致すれば(ステップS304で「Yes」)、直ちにステップS306に移る。また、一致しなければ(ステップS304で「No」)、メモリ領域Bにおける各表示装置の画面の配列をメモリ領域Aに上書きして、メモリ領域Aを更新してから(ステップS305)、ステップS302に戻って、ステップS302〜S304を繰り返し、隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる表示装置の画面を絞り込んで、メモリ領域Aにおける各表示装置の画面の配列とメモリ領域Bにおける各表示装置の画面の配列とが一致したときに(ステップS304で「Yes」)、ステップS306に移る。
【0110】
そして、図3のステップS103において、任意の優先順位設定条件が設定されているか否かを判定し(ステップS306)、任意の優先順位設定条件が設定されていなければ(ステップS306で「No」)、直ちにステップS308に移る。また、任意の優先順位設定条件が設定されていれば(ステップS306で「Yes」)、この任意の優先順位設定条件に従って、表示装置の画面を選択し、この選択した表示画面の配列をメモリ領域Aに上書きして、メモリ領域Aを更新してから(ステップS307)、ステップS308に移る。
【0111】
更に、任意の優先順位設定条件により表示装置の画面が1つに絞り込まれたか否かを確認し(ステップS308)、表示装置の画面が1つに絞り込まれていれば(ステップS308で「No」)、直ちにステップS310に移り、また表示装置の画面が1つに絞り込まれていなければ(ステップS308で「Yes」)、デフォルトの優先順位設定条件に従って、表示装置の画面を1つに絞り込んで、この表示装置の画面の配列をメモリ領域Aに上書きして、メモリ領域Aを更新してから(ステップS309)、ステップS310に移る。
【0112】
そして、記憶部35のメモリ領域Aに記憶している単一の表示装置の画面の優先順位Nを図9BのステップS207で設定された優先順位Nに設定して(ステップS310)、図11の処理を終了する。
【0113】
このような図11の処理は、図9BのステップS207において優先順位Nが歩進される度に、図9BのステップS208において実施され、優先順位N「2」以降がそれぞれの表示装置の画面に割り当てられて行く。
【0114】
次に、図12のフローチャートを参照しつつ、図3のフローチャートにおける優先順位Nに従って選択された表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置の有無に応じてその選択された表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサ1の少なくとも1つの検出位置を求めて設定するためのステップS106の処理(制御部36の検出位置処理部42による処理)を詳しく説明する。
【0115】
まず、図3のステップS105において、優先順位Nに従って表示装置の画面が選択されると、この選択された表示装置の画面の優先順位Nが「1」であるか否かを判定し(ステップS401)、この選択された表示装置の画面の優先順位Nが「1」であれば(ステップS401で「Yes」)、この選択された表示装置の画面の中央箇所をキャリブレーションセンサ1の検出位置として求める(ステップS402)。
【0116】
また、この選択された表示装置の画面の優先順位Nが「2」以降であれば(ステップS401で「No」)、この選択された表示装置の画面の中央箇所と、キャリブレーションが終了した他の表示装置と隣り合うその選択された表示装置の画面の周辺箇所とをキャリブレーションセンサ1の検出位置として求める(ステップS403)。
【0117】
この結果、例えば、図7に示すような各表示装置m1〜m6の画面において、キャリブレーションセンサ1の検出位置となるそれぞれの箇所P1〜P12が設定される。
【0118】
次に、図13のフローチャートを参照しつつ、表示装置の画面のキャリブレーションを実施するための処理を詳しく説明する。このキャリブレーションは、図3のフローチャートにおけるステップS107の処理がトリガとなって開始され、表示装置m1〜m6、キャリブレーションセンサ1、及びPC3により実施され、利用者の操作を必要とする。
【0119】
まず、図3のステップS105、S106において、優先順位Nに従って表示装置の画面が選択され、この選択された表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサ1が配置される1乃至複数の箇所(検出位置)が設定されると、PC3のコマンド生成部45は、その選択した表示装置の画面における1乃至複数の箇所にセンサ位置指定パターンを表示するべく、その1乃至複数の箇所へのセンサ位置指定パターンの表示を指示するパターン表示コマンドを生成して、このパターン表示コマンドを通信部33からケーブル2を通じてその選択した表示装置へと送信する(ステップS501)。
【0120】
表示装置では、パターン表示コマンドを通信部13で受信して制御部16のコマンド処理部21に入力する。制御部16のコマンド処理部21は、パターン表示コマンドを解析して、センサ位置指定パターンを取得し、1乃至複数の箇所へのセンサ位置指定パターンの表示をパターン生成部22に指示する。パターン生成部22は、センサ位置指定パターンを表示装置の表示部11の画面におけるキャリブレーションセンサ1が配置される1乃至複数の箇所に表示する(ステップS502)。このとき、利用者は、表示装置の画面に表示されたセンサ位置指定パターンを見て、1乃至複数のセンサ位置指定パターンの位置にキャリブレーションセンサ1をそれぞれ配置して(ステップS503)、1乃至複数のキャリブレーションセンサ1をオンにする。また、利用者は、PC3の操作部34を操作して、表示装置のキャリブレーションの開始を指示する(ステップS504)。
【0121】
PC3では、操作部34の操作により表示装置のキャリブレーションの開始が指示されると、これに応答してコマンド生成部45は、キャリブレーション用表示パターンの表示を指示するキャリブレーションコマンドを生成して、このキャリブレーションコマンドを通信部33からケーブル2を通じて表示装置へと送信する(ステップS505)。
【0122】
表示装置では、PC3からのキャリブレーションコマンドを通信部13で受信して制御部16のコマンド処理部21に入力する。制御部16のコマンド処理部21は、キャリブレーションコマンドを解析して、キャリブレーション用表示パターンを取得し、キャリブレーション用表示パターンの表示をパターン生成部22に指示する。パターン生成部22は、キャリブレーション用表示パターンを表示部11の画面に表示する(ステップS506)。
【0123】
また、PC3のコマンド生成部45は、表示装置の画面の表示調整値の検出コマンドを通信部33からケーブル2を通じて1乃至複数のキャリブレーションセンサ1へと送信する(ステップS507)。
【0124】
1乃至複数のキャリブレーションセンサ1は、PC3からの検出コマンドを受信すると(ステップS508)、これに応答して表示部11の画面におけるキャリブレーションセンサ1の配置箇所の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)を検出し(ステップS509)、この表示調整値を示す検出出力をケーブル2を通じてPC3へと出力する(ステップS510)。
【0125】
PC3では、表示装置の画面の表示調整値を示す検出出力を通信部33で受信して制御部36の表示調整値処理部43に入力する(ステップS511)。表示調整値処理部43は、1乃至複数のキャリブレーションセンサ1の検出出力から表示装置の画面の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)を取得する。
【0126】
このとき、表示装置の画面における中央箇所だけに1つのキャリブレーションセンサ1が配置され、このキャリブレーションセンサ1により中央箇所の表示調整値が検出されて、この表示調整値が取得された場合は(ステップS5012で「No」)、この表示調整値をキャリブレーション処理部44に与える。また、表示装置の画面における中央箇所及び周辺箇所に複数のキャリブレーションセンサ1が配置され、各キャリブレーションセンサ1により中央箇所及び周辺箇所の表示調整値が検出されて、これらの表示調整値が取得された場合は(ステップS5012で「Yes」)、各表示調整値の平均値を求め、各表示調整値の平均値をキャリブレーション処理部44に与える(ステップS513)。
【0127】
あるいは、各キャリブレーションセンサ1の配置位置に応じて予め設定されたそれぞれの重み付け係数を各キャリブレーションセンサ1により検出されたそれぞれの表示調整値に掛けて、それぞれの積を求め、これらの積を各キャリブレーションセンサ1の数で割って、平均値を求め、この平均値をキャリブレーション処理部44に与えてもよい。例えば、表示装置の画面における中央箇所の表示調整値を重視するときには、中央箇所の表示調整値に掛けられる重み付け係数を周辺箇所の表示調整値に掛けられる重み付け係数よりも大きくすればよい。逆に、表示装置の画面における周辺箇所の表示調整値を重視するときには、周辺箇所の表示調整値に掛けられる重み付け係数を中央箇所の表示調整値に掛けられる重み付け係数よりも大きくする。
【0128】
そして、表示調整値処理部43は、表示画面の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)を求めると、輝度、色度、及びガンマ値等と、輝度、色度、及びガンマ値等別に予め設定された各目標値とのそれぞれの差分を求め、これらの差分が予め設定された許容誤差以内であるか否かを判定する(ステップS514)。例えば、これらの差分が許容誤差以内であれば(ステップS514で「Yes」)、表示装置の画面の表示調整値を調整する必要が無いため、図13の処理を終了する。
【0129】
また、各差分の少なくとも1つが許容誤差以内でなければ(ステップS514で「No」)、表示調整値処理部43は、表示画面の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)をキャリブレーション処理部44に与える。キャリブレーション処理部44は、この表示調整値に基づき、輝度、色度、及びガンマ値等をそれぞれの目標値に調整設定するための輝度、色度、及びガンマ値等の調整量を求め、これらの調整量をコマンド生成部45に与える(ステップS515)。コマンド生成部45は、輝度、色度、及びガンマ値等の調整量を示す表示調整値制御コマンドを生成し、この表示調整値制御コマンドを通信部33からケーブル2を通じて表示装置へと送信する(ステップS516)。
【0130】
表示装置では、表示調整値制御コマンドを通信部13で受信して制御部16のコマンド処理部21に入力する。制御部16のコマンド処理部21は、表示調整値制御コマンドを解析して、輝度、色度、及びガンマ値等の調整量を取得し、これらを映像調整部23に与える。映像調整部23は、輝度、色度、及びガンマ値等の調整量だけ、表示部11の画面の輝度、色度、及びガンマ値等を調整変更する(ステップS517)。
【0131】
この後、ステップS507〜S514を再度行い、表示画面の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)と各目標値とのそれぞれの差分が許容誤差以内であれば、図13の処理を終了し、また許容誤差以内でなければステップS515〜S517を再度行って、ステップS507〜S514に戻る。従って、表示画面の表示調整値(輝度、色度、及びガンマ値等)と各目標値とのそれぞれの差分が許容誤差以内になるまで、ステップS507〜S514が繰り返されることになる。
【0132】
このような図13の処理は、図3のステップS105、S106において、優先順位Nに従って表示装置の画面が選択され度に繰り返され、各表示装置の全てについて行われて、各表示装置のキャリブレーションが実施される。
【0133】
尚、上記実施形態では、複数のキャリブレーション1を表示装置の画面のそれぞれの箇所に配置しているが、単一のキャリブレーションセンサ1を表示装置の画面の各箇所に順次配置し、その度に表示装置の画面にキャリブレーション用表示パターンを表示して、その箇所の表示調整値をキャリブレーションセンサ1により検出しても構わない。
【0134】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態及び変形例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0135】
1 キャリブレーションセンサ
2 ケーブル
3 コンピュータ(PC)
11 表示部
12 表示駆動部
13 通信部
14 操作部
15 記憶部
16 制御部
21 コマンド処理部
22 パターン生成部
23 映像調整部
24 操作処理部
31 表示部
33 通信部
34 操作部
35 記憶部
36 制御部
41 マルチディスプレイ情報入力処理部
42 検出位置処理部
43 表示調整値処理部
44 キャリブレーション処理部
45 コマンド生成部
CS キャリブレーション実施システム
MD マルチディスプレイ装置
m1〜m6 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリブレーションセンサを用いて、複数の表示装置の画面を縦もしくは横に配列してなるマルチディスプレイ装置のキャリブレーションを行うコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記コンピュータは、
キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置の有無に応じて前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面における前記キャリブレーションセンサの少なくとも1つの検出位置を設定するセンサ設定工程と、
前記センサ設定工程で設定された検出位置に配置された前記キャリブレーションセンサの検出出力に基づき前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面のキャリブレーションを行うキャリブレーション工程とを実施することを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記センサ設定工程では、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置が無かった場合に、前記キャリブレーションセンサの検出位置を前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面中央に設定することを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項3】
請求項1に記載のコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記センサ設定工程では、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置が有った場合に、前記キャリブレーションセンサの少なくとも1つの検出位置を前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面における該画面中央よりもキャリブレーションを終了した他の表示装置の画面の近くに設定することを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記センサ設定工程の前に、前記各表示装置の画面のキャリブレーションを行う順位を設定する順位設定工程を実施し、前記順位設定工程で設定された順位に従って前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面を選択して、前記センサ設定工程及び前記キャリブレーション工程を実施することを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項5】
請求項4に記載のコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記順位設定工程では、前記各表示装置別に、隣り合う他の表示装置の画面の数を求め、前記隣り合う他の表示装置の画面の数が多くなる程、前記表示装置の画面のキャリブレーションを行う順位を高く設定することを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項6】
請求項4に記載のコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記順位設定工程では、前記隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる複数の表示装置の画面がある場合は、前記隣り合う他の表示装置の画面の数が最大となる前記各表示装置の画面を選択して抽出し、この選択して抽出した各表示装置別に、隣り合う他の表示装置の画面の数を求め、隣り合う他の表示装置の画面の数が多くなる程、前記表示装置の画面のキャリブレーションを行う順位を高く設定することを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載のコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサの検出位置が複数の場合は、複数のキャリブレーションセンサを前記各検出位置にそれぞれ配置して用いることを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1つに記載のコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサの検出位置が複数の場合は、単一のキャリブレーションセンサを前記各検出位置に逐次移動配置して用いることを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載のコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記センサ設定工程では、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面におけるキャリブレーションセンサの検出位置の数を、前記表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションを終了した他の表示装置の数以上に設定することを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載のコンピュータによるキャリブレーション実施方法であって、
前記コンピュータは、前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面にキャリブレーションの検出位置の指標を表示することを特徴とするコンピュータによるキャリブレーション実施方法。
【請求項11】
複数の表示装置の画面を縦もしくは横に配列してなるマルチディスプレイ装置のキャリブレーションを行うキャリブレーション実施システムであって、
キャリブレーションセンサと、
キャリブレーションの対象となる表示装置の画面と隣り合うキャリブレーションが終了した他の表示装置の有無に応じて前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面における前記キャリブレーションセンサの少なくとも1つの検出位置を設定し、前記設定された検出位置に配置された前記キャリブレーションセンサの検出出力に基づき前記キャリブレーションの対象となる表示装置の画面のキャリブレーションを行うコンピュータとを備えたことを特徴とするキャリブレーション実施システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−3214(P2013−3214A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131508(P2011−131508)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】