説明

コンピュータゲームプログラム,コンピュータゲームシステム

【課題】攻撃が積極的に行われる興趣性の高い対戦ゲームを実行するためのプログラムを提供する。
【解決手段】攻撃側の攻撃対象且つ防衛側の防衛対象である物体の耐久度合いを示す値であって,攻撃側の攻撃により変動する耐久値を取得する耐久値取得手段,対戦ゲームの進行に伴う耐久値の変動が第1の基準値を超えたか否か,さらに,対戦ゲームの進行状況が第1の条件を満たしたか否かを判定する条件判定手段,対戦ゲームのプレイ時間の初期値を設定し,当該プレイ時間を順次カウントダウンし,さらに,条件判定手段により第1の条件を満たしたと判定された場合,現在のプレイ時間に所定時間を加算するプレイ時間算出手段,条件判定手段により耐久値の変動が第1の基準値に達したと判定された場合には攻撃側が勝利したと判定し,耐久値の変動が第1の基準値に達せずにプレイ時間設定手段によるカウントダウンが終了した場合には防衛側が勝利したと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,複数のプレイヤが一方と他方に分かれて対戦する対戦ゲームをコンピュータゲームシステムに実行させるコンピュータゲームプログラム,及びそれを実行するコンピュータゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばアミューズメント施設には,複数のプレイヤが対戦ゲームを行うためのゲーム装置が設けられている。アミューズメント施設内においては,複数のゲーム装置がLANなどで接続されているとともに,他のアミューズメント施設のゲーム装置とも,インターネットなどのネットワークを通して接続され,同一ゲームに多人数(例えば20人程度)が参加できるネットワーク対戦ゲームも普及している。
【0003】
対戦ゲームでは,例えば特許文献1に開示されるように,複数のプレイヤが2つのチームに分かれ,ゲーム空間(仮想空間)で銃器などの武器を使って,両チームが,互いに相手側のプレイヤキャラクタ及び拠点を攻撃し,最終的に,チームを構成するプレイヤキャラクタ全てが戦闘不能になった場合,又は拠点が破壊された場合に,当該チームの負けとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−35908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,従来の対戦ゲームでは,次のような問題がある。第一に,積極的に攻撃に出て,相手側からの攻撃により受けるダメージを避けるために,両チームがともに,防衛に重点を置き,攻撃に対して消極的になると,戦闘がなかなか行われず,盛り上がりに欠け,対戦ゲームの醍醐味が発揮されない場合がある。
【0006】
また,多人数(例えば20人程度)が参加できるネットワーク対戦ゲーム(20人参加可能の場合は,10人対10人の対戦ゲーム)では,ゲーム空間内で多くの戦闘が繰り広げられることが期待されるが,せっかくの多人数同士の対戦であっても,ゲーム空間に,プレイヤキャラクタが分散してしまうと,それぞれの戦闘は,ゲーム空間内の複数地点での少人数同士による規模の小さいものとなり,多人数同士の大規模な戦闘が行われず,これも,ゲームの盛り上がりを欠くという事態を招くおそれがある。
【0007】
そこで,本発明の目的は,攻撃が積極的に行われる興趣性の高い対戦ゲームをコンピュータゲームシステムに実行させるコンピュータゲームプログラム,及びそれを実行するコンピュータゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明のコンピュータゲームプログラムは,複数のプレイヤが攻撃側と防衛側に分かれて仮想空間内のキャラクタを操作して対戦ゲームを行うコンピュータシステムにおいて実行可能なプログラムであって,仮想空間内に配置され,攻撃側の攻撃対象且つ防衛側の防衛対象である物体の耐久度合いを示す値であって,前記攻撃側の攻撃により変動する耐久値を取得する耐久値取得手段,対戦ゲームの進行に伴う前記耐久値の変動が第1の基準値を超えたか否か,さらに,対戦ゲームの進行状況が第1の条件を満たしたか否かを判定する条件判定手段,対戦ゲームのプレイ時間の初期値を設定し,対戦ゲームの進行に伴って当該プレイ時間を順次カウントダウンし,さらに,前記条件判定手段により前記第1の条件を満たしたと判定された場合,現在のプレイ時間に所定時間を加算するプレイ時間算出手段,前記条件判定手段により前記耐久値の変動が前記第1の基準値に達したと判定された場合には前記攻撃側が勝利したと判定し,前記耐久値の変化が前記第1の基準値に達せずに前記プレイ時間設定手段によるカウントダウンが終了した場合には前記防衛側が勝利したと判定する勝利判定手段,として,コンピュータシステムを機能させるためのプログラムである。
【0009】
本発明のコンピュータゲームシステムは,複数のプレイヤが攻撃側と防衛側に分かれて仮想空間内のキャラクタを操作して対戦ゲームを行うコンピュータゲームシステムにおいて,仮想空間内に配置され,攻撃側の攻撃対象且つ防衛側の防衛対象である物体の耐久度合いを示す値であって,前記攻撃側の攻撃により変動する耐久値を取得する耐久値取得手段と,対戦ゲームの進行に伴う前記耐久値の変動が第1の基準値を超えたか否か,さらに,対戦ゲームの進行状況が第1の条件を満たしたか否かを判定する条件判定手段と,対戦ゲームのプレイ時間の初期値を設定し,対戦ゲームの進行に伴って当該プレイ時間を順次カウントダウンし,さらに,前記条件判定手段により前記第1の条件を満たしたと判定された場合,現在のプレイ時間に所定時間を加算するプレイ時間算出手段と,前記条件判定手段により前記耐久値の変動が前記第1の基準値に達したと判定された場合には前記攻撃側が勝利したと判定し,前記耐久値の変動が前記第1の基準値に達せずに前記プレイ時間設定手段によるカウントダウンが終了した場合には前記防衛側が勝利したと判定する勝利判定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば,対戦チームを攻撃側と防衛側に分け,ゲーム進行中にプレイ時間延長条件を与えることで,対戦ゲームにおける積極的且つ迅速な攻撃が促され,素早い展開と密度の高い戦闘を行える興趣性の高い対戦ゲームを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態におけるゲームシステムの構成例を示す図である。
【図2】ゲーム装置の構成例を示す図である。
【図3】サーバ装置の構成例を示す図である。
【図4】本実施の形態における対戦ゲームのゲーム空間の平面模式図である。
【図5】一例としてのゲーム空間例の平面図を示す図である。
【図6】本実施の形態における対戦ゲームの時間延長処理について説明するフロー図である。
【図7】拠点Pの占拠を説明するためのゲーム空間の平面模式図である。
【図8】占拠率ゲージが表示されるゲーム装置の画面例を示す図である。
【図9】占拠率ゲージの変化例を示す図である。
【図10】本実施の形態における対戦ゲームの勝敗判定処理について説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下,図面に従い本発明の実施の形態例を説明する。なお,実施の形態例は,本発明の理解のためのものであり,本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0013】
図1は,本実施の形態におけるコンピュータゲームシステムの構成例を示す図である。図2は,ゲーム装置の構成例を示す図である。全国各地にあるアミューズメント施設10内には,ネットワーク対戦ゲームを実行可能な複数のゲーム装置12が設置されている。アミューズメント施設内10の各ゲーム装置12はLAN20で接続されており,アミューズメント施設内の他のゲーム装置12と相互に通信可能である。また,アミューズメント施設内10の各ゲーム装置12はルータ14と接続し,ルータ14を介して,インターネット22に接続されている。従って,あるアミューズメント施設内10の各ゲーム装置12は,他のアミューズメント施設10のゲーム装置12とインターネットを介して通信可能である。
【0014】
図2のゲーム装置12の構成例において,プログラム・データ記憶装置221には,ゲームプログラム,データ(映像・音声データも含む)が格納されている。これは,例えば,磁気記録装置,ゲームプログラムやデータを記憶する外付けDVD−ROMなどの記録媒体を駆動する光ディスクドライブであってもよい。
【0015】
制御手段としてのCPU222は,ゲームプログラムの実行,システム全体の制御及び画像表示のための座標計算などを行う。システムメモリ223は,CPU222が処理を行うのに必要なプログラムやデータなどを格納するバッファメモリである。さらに,BOOTROM224は,ゲーム装置12を起動するためのプログラムやデータを格納する。
【0016】
プログラム・データ記憶装置221,CPU222,システムメモリ223及びBOOTROM224は,バスアービタ225に接続される。バスアービタ225は,ゲーム装置の各ブロックや外部に接続される機器とのデータの流れを制御する。
【0017】
バスアービタ225には,さらに,レンダリングプロセッサ226及びサウンドプロセッサ228が接続されている。ゲームプログラム・データ記憶装置221から読み出した画像データや,プレイヤによる操作や,ゲーム進行に応じて生成すべき画像は,レンダリングプロセッサ226によって生成され,ディスプレイ230に表示される。レンダリングプロセッサ226が画像生成を行うのに必要なグラフィックデータなどはグラフィックメモリ227に格納されている。
【0018】
ゲームプログラム・データ記憶装置221から読み出した音楽データや,プレイヤの操作やゲーム進行に応じて生成すべき効果音や音声は,サウンドプロセッサ228によって生成され,スピーカ232から音声出力される。サウンドプロセッサ228が効果音や音声を生成するために必要なサウンドデータなどはサウンドメモリ229に格納されている。
【0019】
さらに,バスアービタ225には,ペリフェラレルIF(インターフェース)234,ICカードIF236,通信IF238が接続されている。ペリフェラレルIFには,プレイヤの操作を入力するための入力装置235が接続されている。プレイヤの入力装置234の操作に応じて,ペリフェラレルIF234はゲーム操作信号を生成する。ゲーム操作信号は,バスアービタ225を介して,CPU222,レンダリングプロセッサ226及びサウンドプロセッサ228に送られる。
【0020】
ICカードIF236は,プレイヤを識別する識別情報を記憶するICカードに対して読み書きを行うICカードリーダ/ライタと接続されている。通信IF238は,同じアミューズメント施設内の他のゲーム装置12と接続するためのLAN回線,インターネット回線と接続し,各ゲーム装置12は,インターネット回線を介して,他のアミューズメント施設のゲーム装置及びサーバシステム30と通信可能に接続する。通信手段は,電話回線,光ファイバによる通信,無線通信などがさまざまな通信手段を利用可能である。
【0021】
図1に戻り,サーバ30が,インターネット11に接続されており,サーバシステム30は,ゲームサーバ31,マッチングサーバ32,データベースサーバ33及びアクセスサーバ34を備える。ゲームサーバ31,マッチングサーバ32,データベースサーバ33及びアクセスサーバ34は,それぞれ別々のサーバ装置であってもよいし,一体化されたサーバ装置であってもよい。
【0022】
図3は,サーバ装置の構成例を示す図である。サーバ装置は,一般的なコンピュータ装置のハードウェア構成を有し,バス311には,CPU312,ROM313,RAM314,ネットワークインタフェース315,入力装置316,出力装置317及び外部記憶装置318が接続されている。
【0023】
CPU312は,データの処理又は演算を行うと共に,バス311を介して接続された各種構成要素を制御するものである。ROM313には,予めCPU312の制御手順(コンピュータプログラム)を記憶させておき,このコンピュータプログラムをCPU312が実行することにより,サーバ装置は起動する。外部記憶装置318は,例えばハードディスク記憶装置やCD−ROM等の光ディスク媒体であり,対戦ゲームを実行するためのコンピュータゲームプログラムを記憶し,そのコンピュータゲームプログラムがRAM314にコピーされて実行される。CPU312が,このコンピュータゲームプログラムを実行することにより,後述する本実施の形態におけるゲーム処理を実行する。RAM314は,データの入出力,送受信のためのワークメモリ,各構成要素の制御のための一時記憶として用いられる。
【0024】
ネットワークインタフェース315は,ネットワークであるインターネットに接続するためのインターフェースである。入力装置316は,例えばキーボード,マウス等であり,各種指定又は入力等を行うことができる。出力装置317は,ディスプレイ,スピーカ等である。
【0025】
ゲームサーバ31は,ゲーム処理機能として,複数の仮想ゲーム空間を用意し,参加要求したプレイヤは,仮想ゲーム空間(以下,ゲームルームと称する場合がある)のいずれかに割り当てられ,同一のゲームルームに割り当てられたプレイヤ同士で同一のネットワーク対戦ゲームが行われる。ゲームサーバ31は,同一ゲームルーム内のプレイヤが操作するゲーム装置からのゲーム操作信号を同一ゲームルーム内の他のゲーム装置に送信し,ゲーム装置は,サーバシステム30から受信する同一ゲームルーム内の他のゲーム装置からのゲーム操作信号と,自ゲーム装置のゲーム操作信号によりネットワーク対戦ゲームを実行する。
【0026】
そして,ゲームサーバ31は,後述するように,本実施の形態のネットワーク対戦ゲームにおいて特徴的な時間延長処理及び勝敗判定処理を実行する。
【0027】
マッチングサーバ32は,参加要求したプレイヤをゲームサーバ31のルームに割り当てる制御を行う。マッチングサーバ32は,参加要求した複数のプレイヤのうち,同一ルームに割り当てるプレイヤをグループ化するための仮想待機用空間(以下,ロビーと称する場合がある)を用意し,参加要求した各プレイヤの属するチームのチーム識別情報,及び参加要求した各プレイヤの属するチームが含まれるグループのグループ識別情報をデータベースサーバ33より取得し,同一のチーム識別情報を有するプレイヤと,異なるチーム識別情報を有するが同一のグループ情報を有するプレイヤとを,同一のロビーに割り当て,同一のロビーに割り当てられたプレイヤを同一のルームに割り当てる。また,マッチングサーバ32は,同一ルーム内に割り当てられるプレイヤを,後述する攻撃チーム又は防衛チームのいずれかに振り分ける。
【0028】
データベースサーバ33は,プレイヤの情報を格納するデータベースサーバであり,プレイヤ,及びプレイヤが属するグループに関するさまざまな情報を蓄積,管理している。
【0029】
アクセスサーバ34は,コンピュータ装置(PC)や携帯電話機のような情報端末に対して,ネットワーク対戦ゲームに関連する所定のサイトを提供し,当該サイトを通して,新規会員登録,各種グループの作成,加入及び変更などの処理を含むさまざまな登録処理を行う。その具体的な登録処理例の詳細については,特願2010−200303号に記載されている。
【0030】
次に,上述のコンピュータゲームシステムにより実行される本実施の形態の対戦ゲームの概要について説明する。
【0031】
図4は,本実施の形態における対戦ゲームのゲーム空間の平面模式図である。本実施の形態における対戦ゲームでは,攻撃チームと防衛チームに分かれて対戦を行う。複数のプレイヤが2つのチームに分かれて,ゲーム空間で銃器などの武器を使って,キャラクタ(図4中,白丸印は防衛チームのキャラクタを表し,黒丸印は攻撃チームのキャラクタを表す)が交戦する点は,従来の対戦ゲームと共通するが,一方を攻撃チーム,他方を防衛チームとして,攻撃チームのみが,防衛チームの本拠地B1を攻撃可能とし,防衛チームは,攻撃チームの本拠地B2を攻撃するのではなく,自チームの本拠地B1を防衛するために,攻撃チームとの戦闘を行う。一例としてのゲーム空間例の平面図を図5に示す。
【0032】
なお,図4において,ゲーム空間内における両チームの本拠地B1,B2の間の途中にある拠点P1,P2,P3は,後述するように,防衛チームの前線となる施設を表す。また,防衛チームの本拠地B1には,攻撃チームからの攻撃対象となる物体(「コア」と称す場合がある)があり,コアには,あらかじめ与えられた耐久値が設定されている。該耐久値は,攻撃チームからの所定の攻撃を受けると,その攻撃の度合いに応じた値が減算されていく。
【0033】
本実施の形態における対戦ゲームでは,防衛チームは,相手チーム(攻撃チーム)の本拠地を攻撃することでの勝利条件がそもそも設定されていないので,攻撃チームが,与えられたプレイ時間内に防衛チームの本拠地B1のコアの耐久値をゼロにした場合,すなわち,コアを破壊した場合,攻撃チームの勝利となり,反対に,攻撃チームがプレイ時間内に防衛チームの本拠地B1のコアの耐久値をゼロにできなかった場合,すなわち,コアを破壊できなかった場合,防衛チームの勝利となる。耐久値は,例えば,0(ゼロ)から100までの数値で示され,100は,全く破壊されていない状態の数値であり,0(ゼロ)は,完全に破壊され,攻撃チームに占拠された状態の数値である。耐久値の初期値,勝敗決定の値などは適宜選択可能な値である。また,耐久値は,受ける攻撃に応じて加算される数値であってもよく,所定値に達することで,コアの破壊と判定するようにしてもよい。
【0034】
このように,一方のチームを攻撃のみを行うチームとし,積極的に攻撃を仕掛けなければ,攻撃チームが敗北する状況とすることで,防衛に重点を置く戦略を取ることができなくなり,必然的に多くの戦闘が行われるようになり,ゲームが盛り上がり,興趣性の高い対戦ゲームとなる。また,攻撃チームは,自チームの本拠地を防衛する必要がなく,防衛チームの本拠地の防衛対象の破壊,又は占拠という目的のために攻撃に専念でき,より積極的に攻撃を行うことができる。一方,防衛チームも,攻撃チームからの攻撃から自チームの本拠地を守りきるという明確な目的のために,高いモチベーションにて戦闘を行うことできる。
【0035】
そして,このような攻撃チームと防衛チームに分けた対戦ゲームにおいて,本実施の形態では,以下のゲーム処理が実行される。
【0036】
(1)勝敗の判定が,「圧勝」と「通常勝利」の2段階に分けられる。攻撃チーム及び防衛チームの「圧勝」及び「通常勝利」の条件は以下の通りである。
【0037】
攻撃チーム
「圧勝」:残りプレイ時間が所定時間(例えば200秒)以上の状態で,防衛チームの本拠地を占拠した場合。
「通常勝利」:残りプレイ時間が所定時間(例えば200秒)未満の状態で,防衛チームの本拠地を占拠した場合。
【0038】
防衛チーム
「圧勝」:プレイ時間切れの状態で,防衛チームの本拠地のコアの耐久値が所定値(例えば50)以上残った場合。
「通常勝利」:プレイ時間切れの状態で,防衛チームの本拠地のコアの耐久値が所定値(例えば50)未満であった場合。
【0039】
勝敗の判定条件は,上述の例に限らず,時間や数値などは適宜変更可能である。また,勝利の判定基準は,2段階に限らず,3段階以上であってもよい。
【0040】
「圧勝」は,「通常勝利」よりもランクが高い特殊勝利であって,攻撃チーム及び防衛チームともに,「圧勝」することで,「通常勝利」の場合と比較して,「圧勝」チームのプレイヤに,より多くの利益が与えられる。与えられる利益は,例えば,貨幣価値のあるポイントの付与,「圧勝」することでのみ得られる称号やアイテムの付与など,プレイヤが「圧勝」を目指すモチベーションを喚起する特典である。
【0041】
(2)ゲーム空間内における両チームの本拠地の間の途中にある拠点P(以下,プラントと称す場合がある)は,防衛チームが占拠した状態で対戦が開始され,攻撃チームが防衛チームの本拠地B1までの途中にある拠点を占拠することで,追加のプレイ時間が与えられ,プレイ時間が延長される。
【0042】
例えば,ゲーム開始時に与えられるプレイ時間(以下,開始時プレイ時間と称す)を300秒とし,拠点が占拠されるごとに以下の計算式で設定される加算プレイ時間分のプレイ時間が加算される。拠点は予めゲーム空間マップ内に複数個所設定されており,攻撃チームがその全てを占拠することで,プレイ時間は,最大600秒に延長される。換言すると,あらかじめ最大プレイ時間(600秒)と,開始時プレイ時間(300秒)が設定された場合,拠点の占拠ごとに与えられる加算プレイ時間は,
加算プレイ時間=(最大プレイ時間−開始プレイ時間)÷拠点数
により算出される。例えば,拠点数が4だった場合,(600−300)÷4=75となり,一つの拠点を攻撃チーム側が占拠した場合の加算プレイ時間は75秒となる。同様に,拠点数が3だった場合,(600−300)÷3=100となり,加算プレイ時間は100秒となる。各ゲーム空間内の戦場となるマップは複数種類あってもよく,また同一の仮想空間で,本拠地の位置座標のみを変更したり,拠点の位置や場所が複数種類ある設定としてもよい。
【0043】
攻撃チームは,途中の拠点を占拠せずに,直接防衛チームの本拠地を攻撃することができるが,拠点の占拠にかける時間を,加算プレイ時間より短くすることで,防衛チームの本拠地を攻撃する時間を増加させることができ,勝利の確率を高めることができる。
【0044】
また,拠点の占拠は,拠点の一定周囲範囲(仮想空間内の所定座標空間)内にいるプレイヤキャラクタの数により拠点の占拠率が変化し,前記占拠率が所定の閾値に達することで何れかのチームに占拠されたと判定される。少なくとも一体以上のプレイヤキャラクタの所定部位の座標が,拠点の一定周囲範囲に対応する座標空間に含まれるかどうかで判定され,含まれていると判定された場合には,前記座標空間中に含まれていると判定された陣営(攻撃側・防衛側のいずれか)側に占拠率が変化する。本件実施例では攻撃チームプレイヤキャラクタによって拠点が占拠されたと判定された場合,占拠率はそれ以降変化せず,それ以降防衛チームキャラクタが前記座標空間中に侵入しても占拠率が変化しないものとしているが,一度占拠された拠点を防衛チームキャラクタが再度占拠できる構成としてもかまわない。
【0045】
(3)攻撃チームが攻撃できる拠点は,最前線の拠点のみである。最前線の拠点とは,攻撃チームが占拠していない拠点のうち,攻撃チームの本拠地に最も近い拠点である。すなわち,拠点が複数ある場合,攻撃できる拠点の順番が決まっており,一度に攻撃できる拠点は一つである。戦闘の分散を防ぐためである。攻撃できる拠点を一つに絞ることで,戦闘が,その拠点の周囲のみで行われ,多人数同士の対戦ゲームにおいて,少人数同士の小規模の戦闘がゲーム空間各地に分散しておこなわれるのではなく,多人数同士の大規模で激しい戦闘が繰り広げられ,多人数同士の対戦の醍醐味が得られるようになる。
【0046】
例えば,図4において,攻撃チームが攻撃できる拠点の順番は,攻撃チームの本拠地B2から近い順に,P1,P2,P3の順である。順番は,攻撃チームの本拠地B2から近い順でなくともよく,距離に関係なく,あらかじめ指定された順序であってもよい。
【0047】
上述の(1)−(3)のゲーム処理を実現するための具体的なプレイ時間の時間延長処理及び対戦ゲームの勝敗判定処理について,図6−図10に基づいて以下に説明する。該時間延長処理及び該勝敗判定処理は,サーバ30のゲームサーバ31のCPUがゲームプログラムを実行することにより実現される。以下,ゲームサーバ31の処理として説明する。
【0048】
図6は,本実施の形態における対戦ゲームの時間延長処理について説明するフロー図である。ゲームサーバ31は,攻撃チームが攻撃可能な拠点の初期値として,攻撃チームの本拠地B2に最も近い拠点の識別情報を,攻撃対象拠点として設定する。また,ゲームサーバ31は,攻撃対象拠点の順番情報,各拠点の占拠判定に用いる所定周囲範囲の位置情報(座標)を有している。
【0049】
ゲームサーバ31は,攻撃対象拠点の所定周囲範囲にいる攻撃チームのプレイヤキャラクタ数と防衛チームのプレイヤキャラクタ数の差を算出し(S101),いずれか一方のチームのプレイヤキャラクタ数が他方のチームのプレイヤキャラクタ数を超えたか判定する(S102)。超えていない場合(両方のチームのプレイヤキャラクタが0(ゼロ)の場合を含む),S101に戻り,人数差の算出を続ける。超えている場合,攻撃チームあるいは防衛チームによって占拠行動が実施されていると判断し,占拠行動を行なっている陣営側の占拠率を上昇させる。占拠率変化の結果,該当する拠点の占拠率が攻撃チーム側の攻撃チームが,当該拠点を占拠したものとし,現在のプレイ時間に,あらかじめ決められた加算時間を追加し(S103),時間延長を行う。さらに,ゲームサーバ31は,攻撃対象拠点を,攻撃対象拠点の順番情報に従って,次の拠点に設定する(S104,S105)。なお,プレイヤキャラクタは,相手からの攻撃によりダメージを受け,ダメージの程度が所定数値を超えると,ゲーム空間より消滅する。
【0050】
図6の処理により,攻撃チームが途中の拠点を占拠するごとに,プレイ時間に所定の加算時間が追加され,プレイ時間が延長される。
【0051】
図7は,拠点P1の占拠を説明するためのゲーム空間の平面模式図である。拠点P1の周囲(点線囲み範囲)のいる防衛チームのプレイヤキャラクタ数(白丸印)と攻撃チームのプレイヤキャラクタ数(黒丸印)の差に応じて,拠点Pの占拠行動状態が判定される。図7(a)では,拠点P1の所定周囲範囲にいる防衛チームのプレイヤキャラクタ数(白丸印)が,拠点P1の所定周囲範囲にいる攻撃チームのプレイヤキャラクタ数(黒丸印)より多いため,防衛チームによって占拠行動が実施されている状態であり,逆に,図7(b)は,拠点P1の所定周囲範囲にいる攻撃チームのプレイヤキャラクタ数が,拠点P1の所定周囲範囲にいる攻撃チームのプレイヤキャラクタ数を超えたため,攻撃チームによって占拠行動が実施されている状態となる。
【0052】
また,攻撃チームが一旦占拠した拠点を,防衛チームが奪い返すことはできない。ただし,攻撃チームが拠点を占拠する(占拠率が攻撃チーム側の占拠閾値に達する)までは,防衛チームは,相手チームのプレイヤキャラクタ数よりも多い数のプレイヤキャラクタを拠点の所定周囲範囲のエリア内に侵入させることで占拠率を防衛チーム側に変化させ,占拠率ゲージを押し戻すことで防衛チームによる占拠状態を維持するよう対抗することができる。
【0053】
拠点P1の所定周囲範囲における占拠率を表す占拠率ゲージが,各ゲーム装置の画面に表示される。
【0054】
図8は,占拠率ゲージが表示されるゲーム装置の画面例を示す図であり,図9は,占拠率ゲージの変化例を示す図である。
【0055】
各拠点の占拠率は,前述の通り何れかのチームの陣営のキャラクタが各拠点の所定周囲範囲に侵入することで変化する。各拠点は,その占拠率の変化に応じて,攻撃チーム側状態,防衛チーム側状態,中立状態の三種類の何れかの状態に変化する。攻撃チーム側状態においては,攻撃チーム側のみが,防衛チーム側状態においては防衛チーム側のみが,中立状態においてはいずれのチームも拠点を利用することが出来る。ここでいう利用とは,仮想空間において当該拠点から戦闘ゲームに参加することである。
【0056】
図9を用いて,占拠率の変化を説明する。本ゲームにおいては,ゲーム開始当初は,拠点Pは,防衛チームにより完全に占拠されており,拠点Pの所定周囲範囲には,いずれのチームのプレイヤキャラクタも位置していないため,図9(a)に示すように,占拠率ゲージは,防衛チーム側によって当該拠点が占拠していることを示す−100の位置にある。中央ラインが+−0(ゼロ)を示すラインであり,図9(b)〜(d)に示すように,拠点Pの所定周囲範囲に攻撃チームのプレイヤキャラクタが侵入し,進入した状態を維持し続けることによって,占拠率ゲージは,中央付近に近づいていく。攻撃側による占拠状態である+100の位置に達するまでは,図9(d)に示すように,防衛チームのプレイヤキャラクタ数が盛り返すことで,占拠率ゲージは押し戻される。この場合では,中央ラインである+−0(ゼロ)の位置まで達するまでは,当該拠点は防衛チーム側状態となっている。
【0057】
しかし,最終的に,拠点Pの所定周囲範囲内の攻撃チームのプレイヤキャラクタ数が拠点Pの所定周囲範囲内の防衛チームのプレイヤキャラクタ数を超えた状態を維持することで,図9(e)に示すように,占拠率ゲージは,中央ラインを超えると,その時点で拠点Pは中立状態となる。
【0058】
最終的に図9(f)に示すように占拠率ゲージが+100の位置まで達すると,拠点Pが攻撃チームにより占拠されたこととなり,拠点Pは攻撃チーム側状態へと状態を変化させる。
【0059】
本件実施例では,防衛チーム占拠状態を−100,攻撃チーム占拠状態を+100の閾値としたが,各陣営毎の占拠の閾値を上下させても良い。
【0060】
また,占拠率はいずれかのチームによって占拠された状態から中央ラインを超えた時点で中立状態へと変化し,その後何れかのチームによって占拠されるまでは中立状態であるとしたが,必ずしもそれに限定されず,中央ラインを超えた時点でどちらかのチームが占拠した状態に変化させても良い。
【0061】
また,一度攻撃チーム側に占拠された拠点は,防衛チーム側では再占拠できないという設定としたが所定の条件(次の順番に設定された拠点が防衛チーム側によって占拠されていること,攻撃チーム側のキャラクタが所定回数撃破されたこと,など)を満たした場合には再度防衛チーム側で占拠率を取り戻せるようにしてもよい。
【0062】
つづいて,図10は,本実施の形態における対戦ゲームの勝敗判定処理について説明するフロー図である。防衛チームの本拠地B1にあるコアの耐久値があらかじめ設定されている。攻撃チームのプレイヤキャラクタからの攻撃動作を受けることにより,耐久値は徐々に減算され,ゲームサーバ31は,ゲームの進行に伴って変化するコアの耐久値をゲーム装置から取得する。さらに,ゲームサーバ31は,コアの耐久値と残りプレイ時間とに基づいて,当該勝敗判定処理を実行する。
【0063】
ゲームサーバ31は,コアの耐久値がゼロであるかどうか判定する(S201)。ゼロである場合,耐久値がゼロになった時点の残りプレイ時間が所定基準時間より多いか判定する(S202)。ゲームサーバ31は,プレイ時間をカウントダウンし,残りプレイ時間が所定基準時間より多い場合は,攻撃チームの圧勝と判定し(S205),所定基準時間以下の場合は,攻撃チームの通常勝利と判定する(S206)。一方,S201において,コアの耐久値がゼロでない場合,残りプレイ時間の有無を判定し(S203),残りプレイ時間がある場合は,S201に戻る。残りプレイ時間がない場合は,耐久値が所定基準値より大きいか判定する(S204)。所定基準値より大きい場合は,防衛チームの圧勝と判定し(S207),所定基準値以下の場合は,防衛チームの通常勝利と判定する(S208)。
【0064】
このように,本実施の形態における対戦ゲームは,通常の勝利に加えて,より多くの利益を享受できるより上位の勝利(「圧勝」)を設ける。そして,この2段階の勝利判定基準に,プレイ時間の時間延長処理を関連付けることにより,攻撃チームと防衛チームに分かれて対戦を行う本対戦ゲームにおける両チームに与えられた役割(任務)の遂行するモチベーションをより高めることができ,より積極的な戦闘を促し,興奮度の高いゲームとなる。
【0065】
すなわち,防衛チームは,タイムアップ時の本拠地のコアの耐久値をできるだけ高くすることで,「圧勝」を得る可能性を高めることができる。換言すると,時間延長を阻止し,できるだけ早くタイムアップさせることで,耐久値の低下を防ぎ,「圧勝」を得ることができる。
【0066】
防衛チームにとって,本拠地のコアの耐久値が下がるのを防ぐ有効な手段は,できるだけ早くタイムアップさせることである。時間延長が行われない(又は,最大回数行われない)場合は,プレイ時間が相対的に短くなるので,その分,本拠地への攻撃機会が減り,耐久値が減らされる可能性も低くなり,耐久値をより高く保ったままタイムアップさせることができ,防衛チームが「圧勝」する可能性が高まる。よって,防衛チームは,できるだけ時間延長が行われないように,拠点の防戦に力を入れることとなる。
【0067】
一方,攻撃チームは,できるだけ早く防衛チームのコアの耐久値をゼロにすることで,「圧勝」を得る可能性を高めることができる。換言すると,できるだけ多くのプレイ時間を得ることで,攻撃機会が増加し,「圧勝」を得ることができる。攻撃チームにとって,攻撃機会を増やすとともに,残りプレイ時間を稼ぐ有効な手段は,プレイ時間を延長させることである。時間延長が行われない(又は,最大回数行われない)場合は,防衛チームにとっての上記メリットが攻撃チームにとってのデメリットとなり,すなわち,プレイ時間が相対的に短くなるので,その分,本拠地への攻撃機会が減り,さらに,コアの耐久値をゼロとした場合でも,その時点での残りプレイ時間も相対的に短くなり,攻撃チームが「圧勝」する可能性が低下する。よって,攻撃チームは,できるだけ時間延長が行われるように,さらに,できるだけ早く耐久値を低下させるように,必死で攻撃することになる。
【0068】
このように,攻撃のみを行うチームと防衛のみを行うチームに分けて対戦を行う場合であっても,それぞれの任務(攻撃又は防衛)の遂行に高いモチベーションを両チームのプレイヤに与えることができ,対戦ゲームにおける積極的且つ迅速な攻撃が促され,素早い展開と密度の高い戦闘を行える興趣性の高い対戦ゲームとなる。
【0069】
また,ゲームの課金制度として,近年,1ゲームに対して,固定料金(例えば,100円)を課金する従来型の課金制度ではなく,プレイ時間に対して課金する制度(時間課金制度)が採用されているものがある。例えば,単位プレイ時間(例えば1秒)に対して,単位料金(例えば1円)を課金するものである。プレイ可能な時間は,上述したICカードにおけるゲームポイントとして記憶されている(例えば,1ゲームポイントに対してプレイ可能な時間を単位プレイ時間である1秒)。ゲーム装置は,ICカードに記憶されたゲームポイントを単位プレイ時間ごとに所定ポイントずつ減算し,あるプレイヤのICカードに残っているゲームポイントがゼロになると,そのプレイヤは,ゲームが進行中であっても,該進行中のゲームから離脱させられる(ゲームはそのまま進行するが,該プレイヤのプレイヤキャラクタの存在がゲーム空間から消滅する)。
【0070】
ゲーム装置は,ゲームポイントがゼロになる前に,所定の注意喚起表示を行い,プレイヤが金銭価値を投入することで,ICカードに対して,ゲームポイントの加算処理を行う。
【0071】
このような時間課金制度を採用しているゲームにおいては,ポイントの節約のため,より短い時間で迅速にゲームを進行させることが好まれる場合がある。
【0072】
本実施の形態の対戦ゲームでは,初期設定されたプレイ時間(例えば300秒)が,通常のプレイ時間(600秒)の半分程度であり,上述したように,途中の拠点をすべて占拠することで,通常のプレイ時間を得られるように設定されている。
【0073】
攻撃チームにとっては,途中の拠点を占拠することで,プレイ時間を延長させ,防衛チームの本拠地を攻撃する時間を稼ぐという戦略に加えて,ゲームを迅速に進行させるために,途中の拠点を占拠することなく防衛チームの本拠地を直接攻撃する戦略も採りうることとなる。よって,本実施の形態における対戦ゲームの時間延長処理は,プレイヤの戦略に応じてプレイ時間を延長させないという選択ができる点で,より短い時間で迅速にゲームを進行させたいというプレイヤのニーズに対応可能となる。
【0074】
また,攻撃チームは,プレイ時間をより多く残して勝利することで,より上位の勝利である「圧勝」を得られるように設定することで,ゲームの進行の迅速化が促される。防衛チームにとっても,プレイ時間の延長を阻止し,本拠地が受ける攻撃時間を短くすることで,勝利の可能性が高まるから,ゲームの進行の迅速化が促される。
【0075】
本実施の形態の対戦ゲームの別の態様として,例えば,拠点の占拠による時間延長処理に加えて,所定条件による時間短縮処理が実施されてもよい。例えば,防衛チームのプレイヤキャラクタが,攻撃チームのプレイヤキャラクタを1人(又は複数人)倒す毎に,現在のプレイ時間から所定時間が減算されるようにしてもよい。
【0076】
本実施の形態では,ネットワークを介してサーバとゲーム装置が接続する形態のコンピュータシステムにおけるゲーム処理について説明したが,コンピュータシステムの他の形態にも本発明は適用可能である。例えば,複数のゲーム装置がマスターとスレーブの関係でネットワークを介して接続する場合,そのマスターのゲーム装置が,本発明のゲーム処理を実施してもよい。また,1台のゲーム装置に複数のコントローラが接続され,各コントローラを操作するプレイヤが攻撃チームと防衛チームに分かれて対戦する場合にも,本発明は適用可能であり,その場合,コンピュータシステムは単独のゲーム装置の形態をとる。
【符号の説明】
【0077】
12:ゲーム装置,14:ルータ,22:インターネット,30:サーバ,31:データベースサーバ,32:マッチングサーバ,33:ゲームサーバ,34:アクセスサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤが攻撃側と防衛側に分かれて仮想空間内のキャラクタを操作して対戦ゲームを行うコンピュータゲームシステムにおいて実行可能なプログラムであって,
仮想空間内に配置され,攻撃側の攻撃対象且つ防衛側の防衛対象である物体の耐久度合いを示す値であって,前記攻撃側の攻撃により変動する耐久値を取得する耐久値取得手段,
対戦ゲームの進行に伴う前記耐久値の変動が第1の基準値を超えたか否か,さらに,対戦ゲームの進行状況が第1の条件を満たしたか否かを判定する条件判定手段,
対戦ゲームのプレイ時間の初期値を設定し,対戦ゲームの進行に伴って当該プレイ時間を順次カウントダウンし,さらに,前記条件判定手段により前記第1の条件を満たしたと判定された場合,現在のプレイ時間に所定時間を加算するプレイ時間算出手段,
前記条件判定手段により前記耐久値の変動が前記第1の基準値に達したと判定された場合には前記攻撃側が勝利したと判定し,前記耐久値の変動が前記第1の基準値に達せずに前記プレイ時間設定手段によるカウントダウンが終了した場合には前記防衛側が勝利したと判定する勝利判定手段,
として,コンピュータゲームシステムを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって,
前記勝利判定手段は,前記耐久値の変動が前記第1の基準値に達せずに前記プレイ時間カウントダウンが終了した場合において,終了時の前記耐久値の変動が,前記第1の基準値未満且つ前記第1の基準値より小さい第2の基準値以上である場合,前記防衛側の通常勝利と判定し,終了時の前記耐久値の変動が,前記第2の基準値未満である場合,前記防衛側の特殊勝利と判定することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプログラムであって,
前記勝利判定手段は,前記耐久値の変動が前記第1の基準値に達したと判定された場合において,前記第1の基準値に達したときの残りプレイ時間が第1の基準時間未満である場合,前記攻撃側の通常勝利と判定し,前記第1の基準値に達したときの残りプレイ時間が前記第1の基準時間以上である場合,前記攻撃側の特殊勝利と判定することを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のプログラムであって,
前記第1の条件は,仮想空間内に予め設定された領域での攻撃側と防衛側の優劣に関する数値が,攻撃側の方が防衛側より優勢であることを示す所定の値になった場合であることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムであって,
前記条件判定手段は,前記領域が複数箇所設定されている場合には,あらかじめ決められた最初の領域における前記第1の条件について判定し,前記最初の領域における前記第1の条件を満たしたと判定すると,あらかじめ決められた次の領域における前記第1の条件について判定することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって,
前記仮想空間には,予め攻撃側拠点座標が設定されており,
前記領域は,攻撃側拠点座標との距離が小さい順に設定されていることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載のプログラムであって,
前記条件判定手段は,対戦ゲームの進行状況が第2の条件を満たしたか否かを判定し,
前記プレイ時間算出手段は,前記条件判定手段により前記第2の条件を満たしたと判定された場合,現在のプレイ時間から所定時間を減算することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムであって,
前記第2の条件は,仮想空間内において,防衛側のキャラクタが攻撃側のキャラクタを所定の回数撃破した状態であることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
複数のプレイヤが攻撃側と防衛側に分かれて仮想空間内のキャラクタを操作して対戦ゲームを行うコンピュータゲームシステムにおいて,
仮想空間内に配置され,攻撃側の攻撃対象且つ防衛側の防衛対象である物体の耐久度合いを示す値であって,前記攻撃側の攻撃により変動する耐久値を取得する耐久値取得手段と,
対戦ゲームの進行に伴う前記耐久値の変動が第1の基準値を超えたか否か,さらに,対戦ゲームの進行状況が第1の条件を満たしたか否かを判定する条件判定手段と,
対戦ゲームのプレイ時間の初期値を設定し,対戦ゲームの進行に伴って当該プレイ時間を順次カウントダウンし,さらに,前記条件判定手段により前記第1の条件を満たしたと判定された場合,現在のプレイ時間に所定時間を加算するプレイ時間算出手段と,
前記条件判定手段により前記耐久値の変動が前記第1の基準値に達したと判定された場合には前記攻撃側が勝利したと判定し,前記耐久値の変動が前記第1の基準値に達せずに前記プレイ時間設定手段によるカウントダウンが終了した場合には前記防衛側が勝利したと判定する勝利判定手段とを備えることを特徴とするコンピュータゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−249770(P2012−249770A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123821(P2011−123821)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】