説明

コンピュータシステム

【課題】入力デバイスを共用するコンピュータの台数が増えても、表示部の表示画面で入力デバイスの接続切替作業を行うことができ、作業効率の低下を防止できるコンピュータシステムを提供すること。
【解決手段】入力デバイスをそれぞれ表示部を有する複数のコンピュータで共用するように構成されたコンピュータシステムにおいて、
前記各表示部上の所定の位置に前記入力デバイスが切替接続される前記各コンピュータがあらかじめ割り付けられていて、前記入力デバイスの操作に応じてカーソルが前記各表示部上の所定の位置に移動することにより、前記入力デバイスがあらかじめ設定された所定のコンピュータに接続されることを特徴とするもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムに関し、詳しくは、キーボードやマウスなどの入力デバイスを複数のコンピュータで共用するように構成されたコンピュータシステムの改良に関するものである。
【0002】
近年のプロセス制御システムの運転管理にあたっては、プラントを構築している伝送器や制御弁などのフィールド機器やこれらフィールド機器との間で各種の信号を授受しながら所定の製品を製造するための制御動作を実行する調節計などが所定どおりに動作するように必要に応じてそれらを直接操作する製造プラント系システムの運転管理はもちろんのこと、情報系システムにアクセスして製品の安全性や品質管理や製造に伴う省エネルギーや効率化などの各種管理データもリアルタイムで参照しながら、全社的な視点からの最適なプラント運転が期待されつつある。
【0003】
そこで、プラント運転管理を行う操作卓に、製造プラント系システムに接続され必要に応じて製造プラント系の各部に直接アクセスするための表示画面を表示する表示部を備えたコンピュータと、情報系システムに接続されリアルタイムで各種の管理データを参照するための表示部を備えたコンピュータを設けることが検討されている。
【0004】
このような操作卓でプラント運転管理を行う作業者は、操作卓に設けられているこれらコンピュータの各表示部の表示画面の表示に基づき、必要な管理データを把握確認するとともに、キーボードやマウスなどの入力デバイスを介して製造プラント系システムの各部を直接操作することになる。
【0005】
このとき、それぞれのコンピュータにそれぞれ専用の入力デバイスを設けておき、必要に応じて所定の入力デバイスを操作することが一般的ではあるが、同時に複数の入力デバイスを操作する可能性はきわめて低いにもかかわらず、それぞれのコンピュータにそれぞれ専用の入力デバイスを設けてそれらを操作するためのスペースを確保しなければならない。
【0006】
そこで、たとえば特許文献1に開示されているように、コンピュータ切替器を用いて1組の入力デバイスを複数のコンピュータで共用することが提案されている。
【0007】
図9は、入力デバイス切替器を用いて1組の入力デバイスを複数のコンピュータで共用するように構成された従来のコンピュータシステムの一例を示す接続図である。図9において、2台のコンピュータ(以下パソコンという)1A,1Bが設けられていて、一方のパソコン1AはA系統としてたとえば図示しない製造プラント系に接続され、他方のパソコン1BはB系統としてたとえば図示しない情報系システムに接続されている。
【0008】
パソコン1Aにはたとえば液晶表示部よりなる表示部2Aが接続され、パソコン1Bにはたとえば液晶表示部よりなる表示部2Bが接続されている。
【0009】
そして、これらパソコン1A,1Bには、切替器3を介して、キーボード4とマウス5が1組の入力デバイスとして接続されている。
【0010】
このような構成において、キーボード4とマウス5は、切替器3の切替操作部31をA系統側に切り替えることによりA系統のパソコン1Aに接続され、切替器3の切替操作部31をB系統側に切り替えることによりB系統のパソコン1Bに接続されることになり、キーボード4とマウス5よりなる1組の入力デバイスを、パソコン1A,1Bで共用することができる。
【0011】
たとえばA系統とB系統とを交互に切り替えて、表示部2Bに表示される必要な管理データを把握確認しながら表示部2Aに表示される製造プラント系システムを直接操作するような場合、作業者は、「表示部2A→切替操作部31の切替操作→表示部2B→切替操作部31の切替操作→表示部2A」の動作を繰り返すことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−216251号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、このような構成によれば、作業者は表示部2A、2Bを監視しながらも切替器3の切替操作部31を操作して入力デバイスとコンピュータとの接続を切り替えることを常に意識していなければならず、特に入力デバイスを共用するコンピュータの台数が3台以上になると切替先のコンピュータを確認しなければならないことから、作業効率の低下は避けられない。
【0014】
本発明は、このような従来の問題点に着目したものであり、その目的は、入力デバイスを共用するコンピュータの台数が増えても、表示部の表示画面で入力デバイスの接続切替作業を行うことができ、作業効率の低下を防止できるコンピュータシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このような課題を達成する請求項1の発明は、
入力デバイスをそれぞれ表示部を有する複数のコンピュータで共用するように構成されたコンピュータシステムにおいて、
前記各表示部上の所定の位置に前記入力デバイスが切替接続される前記各コンピュータがあらかじめ割り付けられていて、
前記入力デバイスの操作に応じてカーソルが前記各表示部上の所定の位置に移動することにより、
前記入力デバイスがあらかじめ設定された所定のコンピュータに接続されることを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記各コンピュータがあらかじめ割り付けられている前記各表示部上の所定の位置は、前記各表示部における表示部の配列方向に沿った表示画面領域の端部であることを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記各コンピュータがあらかじめ割り付けられている前記各表示部上の所定の位置は、前記各表示部の表示画面領域に表示される前記各コンピュータに対応したアイコンであることを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンピュータシステムにおいて、
前記入力デバイスと前記各コンピュータは、無線回線を介して接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
これらにより、作業者が表示部の表示画面上でカーソルを所定の位置に移動させることにより、入力デバイスを所定のコンピュータに切替接続でき、作業効率の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例を示す構成説明図である。
【図2】表示部の配置パターン例図である。
【図3】図1のカーソル座標検出部64における画面座標生成説明図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す構成説明図である。
【図5】図4の入力デバイス切り替え装置7の具体例を示す外観上面図である。
【図6】図4の構成における動作の流れを説明するフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施例を示す構成説明図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す構成説明図である。
【図9】従来のコンピュータシステムの一例を示す接続図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明について、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成説明図であり、図9と共通する部分には同一の符号を付けている。図1と図9の相違点は、作業者が直接切替操作する従来のコンピュータ切替器に代えて切替インタフェースを設けていることと、表示部の表示画面上にあらかじめ設定されている所定の位置にカーソルを移動させて切り替えることである。
【0022】
図1において、コンピュータシステムは、複数N台のパソコン1A〜1Nで構築されている。各パソコン1A〜1Nには、それぞれ無線通信部11A〜11Nと解像度出力部12A〜12Nとカーソル座標出力部13A〜13Nが設けられるとともに、それぞれに対応した表示部2A〜2Nを備えている。
【0023】
切替インタフェース6は、バスBを介して、パソコン無線通信部61と入力デバイス無線通信部62と表示部解像度確認部63とカーソル座標検出部64と表示部配置設定部65とパソコン接続切替部66と制御部67が相互に接続されている。
【0024】
1組の入力デバイスを構成するキーボード4およびマウス5には、それぞれ無線通信部41および51が設けられている。
【0025】
このような構成において、各パソコン1A〜1Nの無線通信部11A〜11Nは切替インタフェース6のパソコン無線通信部61との間で無線通信を行い、入力デバイスを構成するキーボード4およびマウス5の無線通信部41および51は切替インタフェース6の入力デバイス無線通信部62との間で無線通信を行いながら、以下に説明するような入力デバイスの切替接続処理を実行する。
【0026】
表示部解像度確認部63は、電源投入時点でキーボード4およびマウス5と接続されているいずれかの表示部2の解像度出力部12から出力されている解像度情報を確認し、その情報をカーソル座標検出部64に出力する。
【0027】
表示部配置設定部65は、操作卓における各パソコン1A〜1Nの表示部2A〜2Nの配列実装状態に対応した図2に示すような配置パターンを選択設定する。図2において、(A)は2台の表示部2A、2Bを横置きした例を示し、(B)は2台の表示部2A、2Bを縦置きした例を示している。
【0028】
この表示部配置情報は、カーソルが各表示部2A、2Bの表示画面領域の端部に移動したことに基づき、パソコン接続切替部66によりキーボード4およびマウス5とパソコン1A、1Bとの接続を切り替えるときの「配列方向」情報として機能する。
【0029】
図3は、カーソル座標検出部64における画面座標生成説明図である。
たとえば、各表示部2A、2Bの画素数を1600×1200(横×縦)とすると、画面座標の範囲は、x軸:0〜1559、y軸:0〜1199になる。なお、図中には、カーソルの位置座標の変化を説明するためにマウスカーソルを記載している。
【0030】
ここで、パソコン1A起動時の表示部2AにおけるマウスカーソルCAの位置座標を(xa1:800,ya1:600)とし、パソコン1B起動時の表示部2BにおけるマウスカーソルCBの位置座標を(xb1:800,yb1:600)とする。
【0031】
表示部解像度確認部63は、パソコン1Aおよびパソコン1Bの画面解像度が変更されていないかを確認し、もし変更されていたら変更後の画面解像度情報をカーソル座標検出部64に出力する。
【0032】
表示部2Bに表示されているマウスカーソルCB1を表示部2Aに移動させる場合は、マウスカーソルCBを、現在の位置座標(xb1:800,yb1:600)から軌跡Tを経て表示領域左端の位置座標(xb2:0,yb2:600)に移動させる。このマウスカーソルCB1の位置座標の変化は、リアルタイムにパソコン1Bのカーソル座標出力部13Bからカーソル座標検出部64に出力される。
【0033】
そして、パソコン接続切替部66は、以下に説明する切替判断条件にしたがって、マウスカーソルCBを表示部2Bから表示部2Aに移動させるとともに、キーボード4およびマウス5とパソコン1Bとの接続をパソコン1Aとの接続に切り替える。なお、以下の説明では、2台の表示部2A、2Bは表示部2Aが左側で表示部2Bが右側に横置きされているものとする。
【0034】
その1<パソコン1BのマウスカーソルCBが有効な場合>
1)マウスカーソルCBの位置座標が表示領域左端(xb2:0(x座標の最小値),yb2:任意のy座標)であること
2)マウスカーソルCBの位置座標が表示領域左端に達する一つ前の位置座標が(xb2’:xb2+1=1(xb2’>x2b),yb2’:任意のy座標)であること
【0035】
その2<パソコン1AのマウスカーソルCAが有効な場合>
1)マウスカーソルCAの位置座標が表示領域右端(xa2:1559(x座標の最大値),ya2:任意のy座標)
であること
2)マウスカーソルCAの位置座標が表示領域右端に達する一つ前の位置座標が(xa2’:xa2−1=1558(xa2’<xa2),ya2’:任意のy座標)であること
【0036】
これら2つの切替判断条件1)と2)を満たすことにより、キーボード4およびマウス5とパソコン1Aおよびパソコン1Bとの接続関係が切り替わるとともに、その1の場合にはマウスカーソルCBの操作権限はパソコン1Bからパソコン1Aに切り替わり、その2の場合にはマウスカーソルCAの操作権限はパソコン1Aからパソコン1Bに切り替わる。
【0037】
なお、切替判断条件2)は、切替判断の安全性を高めるための追加条件といえるものであり、システムが安定している場合には切替判断条件1)のみにして省略してもよい。
【0038】
これら接続切り替え後のアクティブなマウスカーソルの位置座標は、マウスカーソルの操作権限がパソコン1Bから1Aに移った「その1」の場合には、
x座標:1559(x座標の最大値)
y座標:パソコン1BのマウスカーソルCBのy座標をそのまま引き継ぐ
ことになり、マウスカーソルの操作権限がパソコン1Aから1Bに移った「その2」の場合には、
x座標:0(x座標の最小値)
y座標:パソコン1AのマウスカーソルCAのy座標をそのまま引き継ぐ
ことになる。
【0039】
また、パソコン1A起動時のマウスカーソルCAの位置座標が(800,600)の状態において、表示部2BのマウスカーソルCBが表示部2Aに移動すると、この表示部2Bから移動したマウスカーソルCBが表示部2Aの新しいマウスカーソルCAとして表示領域の右端に表示されることになる。そこで、パソコン接続切替部66は、パソコン1Aに新しいマウスカーソルCAの位置座標(1559,600)を送信する。
【0040】
パソコン1Aは、パソコン接続切替部66から送信された新しいマウスカーソル座標の受信の有無を確認し、新しいマウスカーソル座標を受信することにより表示部2Aの所定の位置座標(1559,600)にマウスカーソルCAを表示させる。
【0041】
なお、図1の例では、入力デバイスと切替インタフェースと各パソコンが無線回線を介して接続される構成を示しているが、図4に示すようにコンピュータシステムを構成する各部間を信号線で接続することもできる。
【0042】
図4において、パソコン1Aおよびパソコン1Bには、各々表示部2Aと表示部2Bがビデオ信号ケーブルを介して接続されている。
【0043】
1組の入力デバイスを構成するキーボード4とマウス5は、それぞれケーブルを介して入力デバイス切替装置7のコネクタKBC、MCに接続されている。
【0044】
入力デバイス切替装置7には、1組の入力デバイスを構成するキーボード4とマウス5をパソコン1Aおよびパソコン1Bに切替接続するとともに、パソコン1Aおよびパソコン1Bとの間で各種信号を授受するための2系統のコネクタKBA、MA、CTAとKBB、MB、CTBが設けられている。
【0045】
すなわち、コネクタKBA、MA、CTAはそれぞれケーブルを介してパソコン1Aのキーボードコネクタ、マウスコネクタおよび制御コネクタに接続され、コネクタKBB、MB、CTBはそれぞれケーブルを介してパソコン1Bのキーボードコネクタ、マウスコネクタおよび制御コネクタに接続されている。
【0046】
ここで、コネクタCTAとパソコン1Aの制御コネクタ間ではパソコン1Aが保持している表示部2Aの画面解像度の情報やマウスカーソルの位置情報を入力デバイス切替装置7に伝えたり、入力デバイス切替装置7からパソコン1Aに切り替え情報やマウスカーソルの位置情報を伝えるための信号授受が行われ、コネクタCTBとパソコン1Bの制御コネクタ間ではパソコン1Bが保持している表示部2Bの画面解像度の情報やマウスカーソルの位置情報を入力デバイス切替装置7に伝えたり、入力デバイス切替装置7からパソコン1Bに切り替え情報やマウスカーソルの位置情報を伝えるための信号授受が行われる。
【0047】
また、パソコン1Aおよびパソコン1Bには、入力デバイス切替装置7と各種情報をやり取りして処理するためのソフトウェアSA、SBがそれぞれインストールされている。
【0048】
入力デバイス切替装置7には、入力デバイス切替装置7に接続されている1組の入力デバイスを構成するキーボード4およびマウス5の物理的な接続先を切り替えるための切替スイッチSWKおよびSWMが設けられている。
【0049】
切替スイッチSWKの一方の固定接点AはコネクタKBAに接続され、他方の固定接点BはコネクタKBBに接続され、可動接点CにはコネクタKBCを介してキーボード4が接続されている。切替スイッチSWMの一方の固定接点AはコネクタMAに接続され、他方の固定接点BはコネクタMBに接続され、可動接点CにはコネクタMCを介してマウス5が接続されている。これら切替スイッチSWKおよびSWMは、制御回路71から出力される駆動制御信号に基づき連動して切り替え駆動される。
【0050】
制御回路71は、入力デバイス切替装置7の動作を制御する部分であり、外部装置との間で授受する各種入出力情報を処理したり、内部での処理情報を記憶するために記憶領域72を備えている。
【0051】
表示部配置設定回路73は、パソコン1Aおよびパソコン1Bに接続されている表示部2Aおよび表示部2Bの配置を、前述の図2に示すように横置きまたは縦置きに設定するための機能を有している。
【0052】
図5は、図4のように構成された入力デバイス切り替え装置7の具体例を示す外観上面図である。図5において、入力デバイス切り替え装置7には、キーボード4を接続するためのコネクタKBC、マウス5を接続するためのコネクタMC、パソコン1Aと接続するためのコネクタKBA、MA、CTA、パソコン1Bと接続するためのコネクタKBB、MB、CTBの他、制御卓に実装されている表示部2Aおよび表示部2Bの配置状態に合わせて、前述の図2に示すように横置きまたは縦置きの表示部配置設定情報を制御回路71に出力するためのメカニカルスイッチで構成された表示部配置切替ボタン74〜77が設けられている。
【0053】
図6は図4の構成における動作の流れを説明するフローチャートであって、(A)は入力デバイス切替装置7の動作の流れを示し、(B)はパソコン1の動作の流れを示している。
【0054】
入力デバイス切替装置7の電源がオンになると(ステップS1)、切替スイッチSWKおよびSWMの可動接点Cが接触している固定接点AまたはBの切替設定情報が制御回路71に読み込まれるとともに(ステップS2)、表示部配置設定回路73で設定される表示部の配置情報も制御回路71に読み込まれる(ステップS3)。
【0055】
一方、パソコン1Aまたはパソコン1Bの電源がオンになると(ステップS4)、パソコン1Aおよびパソコン1Bに設定されている画面解像度の情報が入力デバイス切替装置7に送信されるとともに(ステップS5)、パソコン1Aまたはパソコン1Bがそれぞれ保持しているマウスカーソルの位置情報が入力デバイス切替装置7に送信される(ステップS6)。入力デバイス切替装置7は、これらパソコン1Aまたはパソコン1Bから受信した情報を記憶領域72に格納保管する。
【0056】
パソコン1Aまたはパソコン1Bは、画面解像度が変更されていないかを確認し(ステップS7)、もし変更されていたら変更後の画面解像度情報を入力デバイス切替装置7に送信する(ステップS8)。
【0057】
また、パソコン1Aまたはパソコン1Bは、マウスカーソルの位置座標が変更されていないかを確認し(ステップS9)、もし変更されたらリアルタイムに変更された位置座標情報を入力デバイス切替装置7に送信する(ステップS10)。
【0058】
入力デバイス切替装置7は、パソコン1Aまたはパソコン1Bの画面解像度が変更されていないかを確認し(ステップS11)、もし変更されていたら変更後の画面解像度情報をパソコン1Aまたはパソコン1Bから受信する(ステップS12)。
【0059】
さらに入力デバイス切替装置7は、パソコン1Aまたはパソコン1Bからマウスカーソルの新しい位置座標情報を受信していないかを確認し(ステップS13)、もし新しい位置座標情報を受信していたらマウスカーソルの新しい位置座標を演算する(ステップS14)。
【0060】
そして、新しい位置座標の演算結果が前述のような入力デバイスの切替判断条件を満たしているかを確認し(ステップS15)、切替判断条件を満たしている場合には切替スイッチSWKおよびSWMの可動接点Cを切り替えて入力デバイスの接続先を所定のパソコン1Aまたはパソコン1Bに切り替えるとともに(ステップS16)、切り替わったパソコン1Aまたはパソコン1Bにマウスカーソルの位置座標情報を送信する(ステップS17)。
【0061】
パソコン1Aまたはパソコン1Bは入力デバイス切替装置7から新しいマウスカーソル座標情報を受信したかを確認し(ステップS18)、新しいマウスカーソル座標情報を受信したら表示部2Aまたは表示部2Bのその位置座標にマウスカーソルを表示させる(ステップS19)。
【0062】
これにより、たとえば2台の表示部2Aおよび表示部2Bが横に並べて配置されている条件下において、マウスカーソルが隣接する表示部2Aおよび表示部2Bの配列方向に沿った表示画面領域の端部に移動することにより、入力デバイスの接続先が自動的に切り替わる。したがって、作業者は従来の構成のように入力デバイスの切り替えを意識することなくパソコンの操作に集中することができ、効率よく一連の作業を実行できる。
【0063】
図7は入力デバイス切り替え装置7の他の具体例を示す外観上面図であり、図5のメカニカルスイッチで構成された表示部配置切替ボタン74〜77に代えて、タッチパネル78を設けたものである。
【0064】
図7において、タッチパネル78には、コンピュータシステムを構成する表示部のアイコン(たとえば2A、2B)が表示されている。これら表示部のアイコン2A、2Bをたとえば指でドラッグして移動させることにより、操作卓における各パソコン1A〜1Nの表示部2A〜2Nの配列実装状態に対応した横置きあるいは縦置きの配置パターンを設定できる。
【0065】
図7のようにタッチパネル78にすることにより、コンピュータシステムを構成するパソコンの台数が増減した場合でも、容易に変更対処できる。
【0066】
なお、上記実施例では、各表示部2A、2Bの画面解像度が同じ値の場合について説明したが、異なる画面解像度の表示部を組み合わせた場合でも、画像座標マップを生成する過程で表示部間におけるマウスカーソルの表示座標を決めておくことで、異なる画面解像度を有する表示部間をマウスカーソルが移動しても視覚的には違和感のない表示画面が実現できる。
【0067】
また、上記実施例では表示部2A、2Bを横置きにした例を説明したが、表示部2A、2Bを縦置きにした場合にはマウスカーソルを表示領域の縦方向の端部に移動させることにより隣接する表示部に移動させることができ、縦置きにした場合についても同様な動作が得られる。
【0068】
また、上記各実施例では、マウスカーソルを表示領域の縦方向の端部に移動させることにより隣接する表示部に移動させているが、図8に示すように各表示部2A〜2Dの表示画面にコンピュータシステムを構成する各表示部のアイコンA〜Dを表示させて現在入力デバイスが接続されているパソコンの表示部のアイコン(図8の例ではC)をアクティブ表示させ、入力デバイスを切替接続したいパソコンの表示部のアイコンをクリックすることにより入力デバイスとパソコンの接続が切り替わるようにしてもよい。
【0069】
また、切替スイッチSWK、SWMや表示部配置切替ボタン74〜77は、メカニカルスイッチに限るものではなく、半導体スイッチを用いてもよい。
【0070】
さらに、上記各実施例では、製造プラント系システムのコンピュータと情報系システムのコンピュータで入力デバイスを共用する例について説明したが、これらのシステムの組み合わせに限るものではなく、特定の分野にかかわらず同時に複数のパソコンを用いるのにあたって入力デバイスを共用したい場合に有効である。
【0071】
以上説明したように、本発明によれば、入力デバイスを共用するコンピュータの台数が増えても、表示部の表示画面で入力デバイスの接続切替作業を行うことができ、作業効率の低下を防止できるコンピュータシステムを実現できる。
【符号の説明】
【0072】
1 コンピュータ(パソコン)
11 無線通信部
12 解像度出力部
13 カーソル座標出力部
2 表示部
4 キーボード
41 無線通信部
5 マウス
51 無線通信部
6 切替インタフェース
61 パソコン無線通信部
62 入力デバイス無線通信部
63 表示部解像度確認部
64 カーソル座標検出部
65 表示部配置設定部
66 パソコン接続切替部
67 制御部
7 入力デバイス切替装置
71 制御回路
72 記憶領域
73 表示部配置設定回路
74〜77 表示部配置切替ボタン
78 タッチパネル
SWK、SWM 切替スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力デバイスをそれぞれ表示部を有する複数のコンピュータで共用するように構成されたコンピュータシステムにおいて、
前記各表示部上の所定の位置に前記入力デバイスが切替接続される前記各コンピュータがあらかじめ割り付けられていて、
前記入力デバイスの操作に応じてカーソルが前記各表示部上の所定の位置に移動することにより、
前記入力デバイスがあらかじめ設定された所定のコンピュータに接続されることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
前記各コンピュータがあらかじめ割り付けられている前記各表示部上の所定の位置は、前記各表示部における表示部の配列方向に沿った表示画面領域の端部であることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記各コンピュータがあらかじめ割り付けられている前記各表示部上の所定の位置は、前記各表示部の表示画面領域に表示される前記各コンピュータに対応したアイコンであることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記入力デバイスと前記各コンピュータは、無線回線を介して接続されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンピュータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−221884(P2011−221884A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92002(P2010−92002)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】