コンピュータ・ネットワーク上における購買方法およびシステム
【課題】ＡＴＭカード等を用いて、コンピュータ・ネットワーク上で購買を行う方法およびシステム（１０）を提供する。
【解決手段】本発明によれば、消費者（１２）が彼のＡＴＭカード番号をネットワーク（２４）を通じてオンライン商人（１６）に送信する。次いで、オンライン商人（１６）はＡＴＭカード番号を、銀行のような第三者の契約者（２０）に転送し、第三者の契約者が取引を監視し許可を与える。同時にまたはその後、消費者（１２）は彼のＰＩＮをネットワークを通じて第三者の契約者（２０）に送信し、第三者の契約者はＡＴＭカードおよびＰＩＮが有効であることを検証する。
【解決手段】本発明によれば、消費者（１２）が彼のＡＴＭカード番号をネットワーク（２４）を通じてオンライン商人（１６）に送信する。次いで、オンライン商人（１６）はＡＴＭカード番号を、銀行のような第三者の契約者（２０）に転送し、第三者の契約者が取引を監視し許可を与える。同時にまたはその後、消費者（１２）は彼のＰＩＮをネットワークを通じて第三者の契約者（２０）に送信し、第三者の契約者はＡＴＭカードおよびＰＩＮが有効であることを検証する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、一般的に、コンピュータ・ネットワーク上において購買を行う方法およびシステムに関し、更に特定すれば、インターネットまたはその他の非安全(non-secure)コンピュータ・ネットワーク上において、現金自動預け払い機（ＡＴＭ）カード、デビット・カード、または取引の許可に有効な個人識別番号（ＰＩＮ）を必要とし得る他のいずれかのカードを用いて、商品およびサービスの購買を行う方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【０００２】
消費者のワールド・ワイド・ウェブおよび電子メールによるインターネット上での商品およびサービス購買のためのパーソナル・コンピュータの使用は、近年非常に普及し、なおも成長し続ける経済の一部を構成する。インターネット上での購買では、典型的なユーザはクレジット・カードまたはＡＴＭカードを用いる。消費者は、彼の購買選択を行った後、彼のカード情報をインターネットを通じてオンライン商人に送信する。すると、オンライン商人は発行元銀行に連絡し、カード情報を検証し、取引を完了する許可を得る。銀行からの応答によって、オンライン商人は購買を受け入れるか、または拒否する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
インターネットは非安全（即ち、公開）ネットワークであるので、消費者のクレジット・カードまたはＡＴＭカード情報が第三者によって傍受されるという危険性がある。この第三者が悪人である場合、クレジット・カードで不正に借金したり、またＡＴＭカードの場合消費者の銀行口座から直接現金を抜き取ることができる。近年、このセキュリティ上の危険性を低減する多数の手法が実施されてきた。最も普及している手法は、１２８ビット・セキュア・ソケット・レイヤ（ＳＳＬ）暗号化のように、クレジット・カードまたはＡＴＭカード・データを仮想的に第三者には読み取り不可能にする、精巧な暗号化技法である。
【０００４】
しかしながら、ＡＴＭカードを用いてインターネット上で買い物をするとき、セキュリティの考慮は一層重要性を増す。何故なら、ＡＴＭ機における業務処理とは異なり、ＰＩＮは現在インターネット上でのＡＴＭ業務処理には用いられていないからである。したがって、ＡＴＭカード番号が破廉恥な第三者の手に落ちた場合、カード保持者の銀行口座全体が不正なインターネット取引を通じて抜き取られる恐れがある。
【０００５】
この問題を克服する１つの方法は、インターネット上のＡＴＭ業務処理においてＰＩＮの使用を要求することである。しかしながら、これは今日まで不可能であった。何故なら、オンライン商人はＰＩＮを検証することができないからである。加えて、オンライン商人にＡＴＭカード番号および対応するＰＩＮを与えるのは望ましくない。何故なら、インライン・マーチャントの不正従業員がＰＩＮを用いて、カード保持者の銀行口座に不正にアクセスし、そこから現金を引き出す恐れがあるからである。
【０００６】
したがって、本発明の目的は、所与の取引に対する許可を得るために有効なＰＩＮが必要となるようにして、ＡＴＭカードを用いてインターネット上で購買を行う新規な方法およびシステムを提供することである。また、本発明の別の目的は、所与の取引に対する許可を得るために有効なＰＩＮが必要であるが、ＰＩＮをオンライン商人に供給しないようにして、ＡＴＭカードを用いてインターネット上で購買を行う新規な方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の第１の態様によれば、ＡＴＭカードを用いて非安全コンピュータ・ネットワーク上で購買を行う方法を提供する。前記方法によれば、消費者は彼のＡＴＭカード番号をネットワークを通じてオンライン商人に送信する。次いで、オンライン商人はＡＴＭカード番号を、銀行のような第三者の契約者に転送する。第三者の契約者は、取引を監視し許可する。同時にまたはその後、消費者は、オンライン商人を迂回して、彼のＰＩＮをネットワークを通じて第三者の契約者に送信する。第三者の契約者は、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮ双方を入手し、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが正しいことを検証し、資金が十分あるかチェックし、この取引を許可または拒絶する。許可または拒絶は、ネットワークを通じてオンライン商人に伝達され、オンライン商人は、購買を完了または拒否し、その旨消費者に通知する。
【０００８】
本発明の第２の態様によれば、ＡＴＭカードを用いて非安全コンピュータ・ネットワーク上で購買を行うシステムを提供する。このシステムは、コンピュータ・ネットワークに接続してある第１、第２および第３コンピュータを含む。第１コンピュータは、ネットワークを通じて、オンライン商人によって、またはオンライン商人のために動作する第２コンピュータに、消費者のＡＴＭカード番号を送信する。第２コンピュータは、ネットワークを通じて、第三者の契約者によって、または第三者の契約者のために動作する第３コンピュータに、ＡＴＭカード番号を送信する。同時にまたはその後、第１コンピュータは、第２コンピュータを迂回して、消費者のＰＩＮをネットワークを通じて第３コンピュータに送信する。次いで、第３コンピュータは、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが正しいことを検証し、取引の金額を支払うのに足りる十分な資金が銀行口座にあることを検証する。次いで、第３コンピュータは、検証手順の結果を第２コンピュータに送信する。検証結果に応じて、購買は完了または拒否される。
【０００９】
これより、以下に特定する図面を頻繁に参照しながら、本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】図１は、本発明の一実施形態によるシステムのブロック図である。
【図２】図２は、図１のシステムの動作を示すフロー・チャートである。
【図３】図３は、消費者が彼のＰＩＮを入力し第三者の契約者に送信可能にするために用いられるグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す。
【図４】図４は、図１のシステムによるデータの流れを要約した図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
本発明の一実施形態によるシステム１０を概略的に図１に示す。システム１０は、消費者の場所１４にある第１コンピュータ１２、オンライン商人の場所１８にある第２コンピュータ１６、および第三者の契約者の場所２２にある第３コンピュータ２０を含む。３台のコンピュータ１２、１６、２０は、コンピュータ・ネットワーク２４を通じて互いに接続されている。コンピュータ・ネットワーク２４は、この論述の目的上、インターネットとするが、本発明は、いずれの公衆または私的コンピュータ・ネットワーク、あるいはその組み合わせでも実施可能である。当業者にはおわかりであろうが、インターネット２４は、複雑かつ無定型なコンピュータ・ネットワークであり、数千ものノードおよびコンポーネントから成り、とりわけ、電話回線、衛星および光ファイバによって信号を送信する。
【００１２】
第１コンピュータ１２は、通常消費者の家庭または事務所（消費者の場所１４）に位置し、従来のパーソナル・コンピュータ（ＰＣ）であるのが通例であり、中央演算装置（ＣＰＵ）や支援回路を収容するシャーシ、さらにはフロッピ・ドライブ、ハード・ドライブ、および内蔵モデムを含む。シャーシを介して、キーボード、マウスおよびモニタがＣＰＵに接続されている。キーボードおよびマウスは、消費者が第１コンピュータ１２の動作を制御し、情報を第１コンピュータ１２に入力するために用いられる。第１コンピュータ１２は、大抵の場合、モデムに接続した電話回線を通じてインターネットに結合するが、コンピュータは高速データ伝送ラインを通じてインターネットに接続することもできる。消費者は、ErolsTMまたはAmerica OnLineTMのようなインターネット・サービス・プロバイダを用いてインターネットに接続するのが通例であるが、インターネットへの直接接続を有する場合もある。
【００１３】
消費者は、従来のＰＣを用いるのが通例であるが、消費者はインターネットに接続可能なコンピュータであれば、いずれの種類でも使用可能であり、ローカル・エリア・ネットワーク上のワークステーションやいずれのオペレーティング・システムも含む。第１コンピュータ１２の個々の詳細は、その多くが本発明とは無関係である。単に、第１コンピュータ１２は、消費者がインターネット上で商品やサービスを発注するために便利なインターフェースとして機能するに過ぎない。
【００１４】
図１において次に示すのは、オンライン商人の場所１８に位置する第２コンピュータ１６である。第２コンピュータ１６は、ワークステーションのように、パーソナル・コンピュータよりも強力な機械であることが好ましいが、パーソナル・コンピュータでもオンライン商人が使用してもよい。この場合も、第２コンピュータ１６の個々の詳細は、その多くが本発明とは無関係である。
【００１５】
通例では、第２コンピュータ１６は、オンライン商人またはオンライン商人が契約しているインターネット・サービス・プロバイダが所有し運営するウェブ・サーバ（インターネット上のワールド・ワイド・ウェブに直接アクセスするコンピュータであり、必要なハードウエア、オペレーティング・システム、ウェブ・サーバ・ソフトウエア、ＴＣＰ／ＩＰプロトコル、およびウェブ・サイト・コンテンツを含む）である。この論述の目的上、オンライン商人の場所１８は第２コンピュータ１６の場所のことであり、必ずしもオンライン商人の実際の物理的な場所とは限らない。
【００１６】
好ましくは、第２コンピュータ１６は、Internet Information Server TM4.0およびCommerce Server TM 3.0を用いて、Windows NT TM 4.0を走らせる。第２コンピュータ１６のＣＰＵは、受け入れ可能なパワーを有している必要があり、少なくとも６４メガバイトのＲＡＭを有していて当然である。
【００１７】
第２コンピュータ１６は、メモリ内にオンライン・カタログを有するのが通例であり、消費者は、オンライン商人が供給する適当なグラフィカル・ユーザ・インターフェース（ＧＵＩ）によってインターネット２４上でオンライン・カタログにアクセスし閲覧することができる。
【００１８】
図１において次に示すのは、第三者の契約者の場所２２に位置する第３コンピュータ２０である。第三者の契約者は、銀行のような、独立した信用のある機関であり、オンライン商人と契約を結び、ＡＴＭサービスを提供する。第３コンピュータ２０は、第２コンピュータ１６と同様、パーソナル・コンピュータとすることもできるが、ワークステーションのように、かなり強力な機械であることが好ましい。同様に、第３コンピュータ２０も、第三者の契約者または第三者の契約者が契約しているインターネット・サービス・プロバイダが所有し運営するウェブ・サーバであることが好ましい。第三者の契約者の場所２２は、第３コンピュータ２０の場所であり、必ずしも第三者の契約者の実際の物理的場所であるとは限らない。第１および第２コンピュータ１２、１６と同様、第３コンピュータ２０がここに記載する機能を実行可能である限り、第３コンピュータ２０の個々の詳細は、その多くが本発明とは無関係である。好ましくは、第３コンピュータは、５００ＭＨＺで走り、１２８ＭＢのＲＡＭを有し、Windows NTTM 4.0を用いる、Compaq ProLiantTMサーバである。
【００１９】
図２に提示するフロー・チャート２６は、システム１０の動作を示す。ブロック２８に示すように、消費者は最初にインターネット上において、Internet ExplorerTMまたはNetscape Navigator TMのような市販のブラウザを用いてオンライン商人のウェブ・サイトにアクセスすることによって、第１コンピュータ１２と第２コンピュータ１６との間に接続を確立する。次に、ブロック３０および３２に示すように、オンライン商人が供給するＧＵＩを用いて、消費者はオンライン・カタログを閲覧し、購入したい商品および／またはサービスを選択する。一旦消費者が彼の選択を行い、発注する用意ができたなら、消費者は購買発注メッセージをインターネットを通じてオンライン商人に送信する（ブロック３４）。
【００２０】
次に、ブロック３６に示すように、消費者に彼の支払い情報を催促する。この論述の目的上、支払い情報は、ＡＴＭカード番号および有効期限とするが、支払い情報は、消費者の名前およびアドレスのような、追加データを含むことも可能である。次に、ブロック３８に示すように、消費者は彼の支払い情報をインターネットを通じてオンライン商人に送信する。ここで用いる場合、「ＡＴＭカード」という用語は、銀行カード、デビット・カード、および発行元銀行または機関が使用のために有効なＰＩＮを要求し得るその他のあらゆるカードを含む。支払い情報は、１２８ビット暗号化ＳＳＬのような暗号化接続を用いて、インターネットを通じて送信する。
【００２１】
オンライン商人がＡＴＭカード番号を受信したとき、またはそれ以前に、第２コンピュータ１６は、消費者を一意に識別する消費者のＩＰアドレスを日付／時間スタンプと組み合わせることによって、一意のセッション識別子を作成する。次に、一意のセッション識別子、オンライン商人を一意に識別するマーチャントｉｄ、オンライン商人が使用している端末を識別する端末ｉｄ、ＡＴＭカードの有効期限、および購買価格と共に、ＡＴＭカード番号を、インターネットを通じて、第２コンピュータ１６から第三者の契約者の場所２２にある第３コンピュータ２０に転送、即ち、エコーする（ブロック４０）。このデータ・パッケージを、第３コンピュータ上のメモリに一列に格納する。この場合も、１２８ビット暗号化ＳＳＬを用いることが好ましい。
【００２２】
第２コンピュータ１６から第３コンピュータ２０に送信するデータ・パッケージは、好ましくは、ISO 8583またはVISA-Kフォーマットのような業界標準フォーマットで送信する。しかしながら、本発明は、いずれの特定フォーマットにも限定されず、オンライン商人が所望するフォーマットであればいずれとでも使用可能である。一意のセッション識別子を作成しデータ・パッケージをフォーマットする、Ｊａｖａで書いたコンピュータ・プログラムの見本を、補足試料Ａに提供する。このプログラムは、Windows NT 4.0の下におけるInternet Server 40.上でActive Server Pageとして走るように設計されているが、このプログラムは、他のプラットフォームおよびプログラミング環境でも用いることができ、当業者であれば容易に実施可能である。このプログラムが、発行される特許の補足試料Ａとして再生産されることを除いて、補足試料（Appendix）Ａとしてここに添付するプログラムの再生産、派生作品の準備、コピーの配布、表示、またはその他の使用に対しては、明示的な使用許諾も暗示的な使用許諾も、ここでは付与しない。
【００２３】
同時にまたはその後直ちに、第２コンピュータは第３コンピュータへのハイパーリンクを実行し、消費者は、第３コンピュータによって、彼のＰＩＮを入力するように促される（ブロック４２）。消費者は彼のＰＩＮを第１コンピュータ１２に入力し、それをインターネットを通じて第３コンピュータ２０に送信する（ブロック４４）。第１コンピュータ１２および第３コンピュータ２０間の接続は、暗号化されており、第１コンピュータ１２および第２コンピュータ１６間の接続とは独立しているので、オンライン商人は決してＰＩＮを入手できない。第２コンピュータ１６と同様、第１コンピュータ１２は一意のセッション識別子、マーチャントｉｄ、端末ｉｄ、ＡＴＭカードの有効期限、および購買価格を、ＰＩＮと共にデータ・パッケージに入れて、第３コンピュータ２０に送信する。
【００２４】
図３は、第三者の契約者が供給し、消費者の画面上でポップ・アップし、消費者に彼のＰＩＮを入力させ、それを第三者の契約者に送信させる、典型的なＧＵＩ４６を示す。図３から明らかなように、ＧＵＩ４６は、実際のＡＴＭ機をエミュレートし、シミュレートしたキー・パッド４８および画面５０を含む。画面５０は、オンライン商人の名前およびメール・アドレス５２、ならびに購買価格５４を示す。一連の点５６で示すように、消費者は、彼のマウスを用いて、彼のＰＩＮを入力する。SUBMITボタン５８を押すことにより、ＰＩＮ番号は第三者の契約者に送信される。消費者が間違えた場合、CLEARボタン６０を押し、彼のＰＩＮを再度タイプ入力する。消費者が第三者の契約者からの助けを必要とする場合、単にHELPボタン６２を押せばよい。すると、第三者の契約者が提供するヘルプ・メニューが画面上に現れ、消費者がそれを閲覧することができる。
【００２５】
次に、第３コンピュータ２０は、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが有効であることを検証する（ブロック６４）。第三者の契約者はいずれの所与の時点でも多数の取引を監視している可能性があるので、第３コンピュータ２０は、第１および第２コンピュータ１２、１６から受信したデータ・パッケージを同期させる必要がある。これを行うために、第３コンピュータ２０は、第１および第２コンピュータ１２、１６から受信したデータ・パッケージに含まれる、一意のセッション識別子、マーチャントｉｄ、端末ｉｄ、ＡＴＭカードの有効期限、および購買価格欄を照合する。第１および第２コンピュータ１２、１６から受信したパッケージを同期させるコンピュータ・プログラムの見本を、補足試料（Appendix）Ｂに提示する。このプログラムはＣ＋＋で書かれており、当業者であれば容易に実装可能である。このプログラムが、発行される特許の補足試料Ｂとして再生産されることを除いて、補足試料Ｂとしてここに添付するプログラムの再生産、派生作品の準備、コピーの配布、表示、またはその他の使用に対しては、明示的な使用許諾も暗示的な使用許諾も、ここでは付与しない。
【００２６】
取引を実行するためには、前述のデータ欄全てが一致しなければならない。セキュリティ上の理由で、二分間の枠を照合のために設けることが好ましい。二分間の枠以内で一致がない場合、取引を中止する。
【００２７】
一旦第１および第２コンピュータ１２、１６からのデータ・パッケージが第３コンピュータ２０によって同期化されると、第３コンピュータは、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮをチェックする。ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが無効な場合、第３コンピュータ２０はその旨第２コンピュータ１６に知らせ、オンライン商人は購買の発注を拒否し、消費者に通知する（ブロック６６）。ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが有効な場合、第３コンピュータ２０は、購買代金５６を支払うのに足りる十分な資金があるか否か確かめるためにチェックを行う（ブロック６８）。口座に十分な資金がある場合、第３コンピュータは許可メッセージを第２コンピュータに送信し、消費者の口座に請求し(debit)、購買が完了し、消費者に通知する（ブロック７０）。十分な資金がない場合、拒否メッセージを送信し、オンライン商人は購買を拒否し、消費者に通知する（ブロック７２）。
【００２８】
ＡＴＭカードが第三者の契約者によって発行されている場合、検証ステップ（ブロック６４および６８）を行うには、単に第３コンピュータ２０内にある、またはこれに接続されている内部データベースにアクセスするだけでよい。しかしながら、ＡＴＭカードが別の銀行によって発行された場合、第三者の契約者は、直接安全回線上で、CIRRUSのような私的ＡＴＭネットワークを通じて、またはその他の利用可能ないずれかの経路(avenue)を通じて、発行元銀行に連絡することによって、カード情報を検証しなければならない。
【００２９】
図４に、システム全体のデータ・フローを示す。最初に、消費者（第１コンピュータ）が彼のＡＴＭカード番号をネットワークを通じてオンライン商人（第２コンピュータ）に送信する（ブロック７４）。第２に、オンライン商人はＡＴＭカード番号をネットワークを通じて第三者の契約者（第３コンピュータ）に転送する（ブロック７６）。第３に、消費者は彼のＰＩＮをネットワークを通じて第三者の契約者に送信する（ブロック７８）。図４に示すように、オンライン商人は完全に迂回され、決してＰＩＮを受信することはない。第４に、第三者の契約者はＡＴＭカード番号およびＰＩＮを検証し、資金が十分であるかチェックする（ブロック８０）。第５に、第三者の契約者は、検証プロセスの結果をネットワークを通じてオンライン商人に送信する（ブロック８２）。そして、第６に、オンライン商人は結果をネットワークを通じて消費者に転送し、検証結果に応じて購買を完了するか拒否する（ブロック８４）。
【００３０】
以上のように、本発明の前述の目的が達成される。本発明に対する変更は、当業者には明白であろうが、添付した特許請求の範囲を逸脱する程に、本発明を変更しないこととする。
【００３１】
【表１−１】
【００３２】
【表１−２】
【００３３】
【表１−３】
【００３４】
【表１−４】
【００３５】
【表１−５】
【００３６】
【表２−１】
【００３７】
【表２−２】
【００３８】
【表２−３】
【００３９】
【表２−４】
【００４０】
【表２−５】
【００４１】
【表２−６】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、一般的に、コンピュータ・ネットワーク上において購買を行う方法およびシステムに関し、更に特定すれば、インターネットまたはその他の非安全(non-secure)コンピュータ・ネットワーク上において、現金自動預け払い機（ＡＴＭ）カード、デビット・カード、または取引の許可に有効な個人識別番号（ＰＩＮ）を必要とし得る他のいずれかのカードを用いて、商品およびサービスの購買を行う方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【０００２】
消費者のワールド・ワイド・ウェブおよび電子メールによるインターネット上での商品およびサービス購買のためのパーソナル・コンピュータの使用は、近年非常に普及し、なおも成長し続ける経済の一部を構成する。インターネット上での購買では、典型的なユーザはクレジット・カードまたはＡＴＭカードを用いる。消費者は、彼の購買選択を行った後、彼のカード情報をインターネットを通じてオンライン商人に送信する。すると、オンライン商人は発行元銀行に連絡し、カード情報を検証し、取引を完了する許可を得る。銀行からの応答によって、オンライン商人は購買を受け入れるか、または拒否する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
インターネットは非安全（即ち、公開）ネットワークであるので、消費者のクレジット・カードまたはＡＴＭカード情報が第三者によって傍受されるという危険性がある。この第三者が悪人である場合、クレジット・カードで不正に借金したり、またＡＴＭカードの場合消費者の銀行口座から直接現金を抜き取ることができる。近年、このセキュリティ上の危険性を低減する多数の手法が実施されてきた。最も普及している手法は、１２８ビット・セキュア・ソケット・レイヤ（ＳＳＬ）暗号化のように、クレジット・カードまたはＡＴＭカード・データを仮想的に第三者には読み取り不可能にする、精巧な暗号化技法である。
【０００４】
しかしながら、ＡＴＭカードを用いてインターネット上で買い物をするとき、セキュリティの考慮は一層重要性を増す。何故なら、ＡＴＭ機における業務処理とは異なり、ＰＩＮは現在インターネット上でのＡＴＭ業務処理には用いられていないからである。したがって、ＡＴＭカード番号が破廉恥な第三者の手に落ちた場合、カード保持者の銀行口座全体が不正なインターネット取引を通じて抜き取られる恐れがある。
【０００５】
この問題を克服する１つの方法は、インターネット上のＡＴＭ業務処理においてＰＩＮの使用を要求することである。しかしながら、これは今日まで不可能であった。何故なら、オンライン商人はＰＩＮを検証することができないからである。加えて、オンライン商人にＡＴＭカード番号および対応するＰＩＮを与えるのは望ましくない。何故なら、インライン・マーチャントの不正従業員がＰＩＮを用いて、カード保持者の銀行口座に不正にアクセスし、そこから現金を引き出す恐れがあるからである。
【０００６】
したがって、本発明の目的は、所与の取引に対する許可を得るために有効なＰＩＮが必要となるようにして、ＡＴＭカードを用いてインターネット上で購買を行う新規な方法およびシステムを提供することである。また、本発明の別の目的は、所与の取引に対する許可を得るために有効なＰＩＮが必要であるが、ＰＩＮをオンライン商人に供給しないようにして、ＡＴＭカードを用いてインターネット上で購買を行う新規な方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の第１の態様によれば、ＡＴＭカードを用いて非安全コンピュータ・ネットワーク上で購買を行う方法を提供する。前記方法によれば、消費者は彼のＡＴＭカード番号をネットワークを通じてオンライン商人に送信する。次いで、オンライン商人はＡＴＭカード番号を、銀行のような第三者の契約者に転送する。第三者の契約者は、取引を監視し許可する。同時にまたはその後、消費者は、オンライン商人を迂回して、彼のＰＩＮをネットワークを通じて第三者の契約者に送信する。第三者の契約者は、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮ双方を入手し、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが正しいことを検証し、資金が十分あるかチェックし、この取引を許可または拒絶する。許可または拒絶は、ネットワークを通じてオンライン商人に伝達され、オンライン商人は、購買を完了または拒否し、その旨消費者に通知する。
【０００８】
本発明の第２の態様によれば、ＡＴＭカードを用いて非安全コンピュータ・ネットワーク上で購買を行うシステムを提供する。このシステムは、コンピュータ・ネットワークに接続してある第１、第２および第３コンピュータを含む。第１コンピュータは、ネットワークを通じて、オンライン商人によって、またはオンライン商人のために動作する第２コンピュータに、消費者のＡＴＭカード番号を送信する。第２コンピュータは、ネットワークを通じて、第三者の契約者によって、または第三者の契約者のために動作する第３コンピュータに、ＡＴＭカード番号を送信する。同時にまたはその後、第１コンピュータは、第２コンピュータを迂回して、消費者のＰＩＮをネットワークを通じて第３コンピュータに送信する。次いで、第３コンピュータは、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが正しいことを検証し、取引の金額を支払うのに足りる十分な資金が銀行口座にあることを検証する。次いで、第３コンピュータは、検証手順の結果を第２コンピュータに送信する。検証結果に応じて、購買は完了または拒否される。
【０００９】
これより、以下に特定する図面を頻繁に参照しながら、本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】図１は、本発明の一実施形態によるシステムのブロック図である。
【図２】図２は、図１のシステムの動作を示すフロー・チャートである。
【図３】図３は、消費者が彼のＰＩＮを入力し第三者の契約者に送信可能にするために用いられるグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す。
【図４】図４は、図１のシステムによるデータの流れを要約した図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
本発明の一実施形態によるシステム１０を概略的に図１に示す。システム１０は、消費者の場所１４にある第１コンピュータ１２、オンライン商人の場所１８にある第２コンピュータ１６、および第三者の契約者の場所２２にある第３コンピュータ２０を含む。３台のコンピュータ１２、１６、２０は、コンピュータ・ネットワーク２４を通じて互いに接続されている。コンピュータ・ネットワーク２４は、この論述の目的上、インターネットとするが、本発明は、いずれの公衆または私的コンピュータ・ネットワーク、あるいはその組み合わせでも実施可能である。当業者にはおわかりであろうが、インターネット２４は、複雑かつ無定型なコンピュータ・ネットワークであり、数千ものノードおよびコンポーネントから成り、とりわけ、電話回線、衛星および光ファイバによって信号を送信する。
【００１２】
第１コンピュータ１２は、通常消費者の家庭または事務所（消費者の場所１４）に位置し、従来のパーソナル・コンピュータ（ＰＣ）であるのが通例であり、中央演算装置（ＣＰＵ）や支援回路を収容するシャーシ、さらにはフロッピ・ドライブ、ハード・ドライブ、および内蔵モデムを含む。シャーシを介して、キーボード、マウスおよびモニタがＣＰＵに接続されている。キーボードおよびマウスは、消費者が第１コンピュータ１２の動作を制御し、情報を第１コンピュータ１２に入力するために用いられる。第１コンピュータ１２は、大抵の場合、モデムに接続した電話回線を通じてインターネットに結合するが、コンピュータは高速データ伝送ラインを通じてインターネットに接続することもできる。消費者は、ErolsTMまたはAmerica OnLineTMのようなインターネット・サービス・プロバイダを用いてインターネットに接続するのが通例であるが、インターネットへの直接接続を有する場合もある。
【００１３】
消費者は、従来のＰＣを用いるのが通例であるが、消費者はインターネットに接続可能なコンピュータであれば、いずれの種類でも使用可能であり、ローカル・エリア・ネットワーク上のワークステーションやいずれのオペレーティング・システムも含む。第１コンピュータ１２の個々の詳細は、その多くが本発明とは無関係である。単に、第１コンピュータ１２は、消費者がインターネット上で商品やサービスを発注するために便利なインターフェースとして機能するに過ぎない。
【００１４】
図１において次に示すのは、オンライン商人の場所１８に位置する第２コンピュータ１６である。第２コンピュータ１６は、ワークステーションのように、パーソナル・コンピュータよりも強力な機械であることが好ましいが、パーソナル・コンピュータでもオンライン商人が使用してもよい。この場合も、第２コンピュータ１６の個々の詳細は、その多くが本発明とは無関係である。
【００１５】
通例では、第２コンピュータ１６は、オンライン商人またはオンライン商人が契約しているインターネット・サービス・プロバイダが所有し運営するウェブ・サーバ（インターネット上のワールド・ワイド・ウェブに直接アクセスするコンピュータであり、必要なハードウエア、オペレーティング・システム、ウェブ・サーバ・ソフトウエア、ＴＣＰ／ＩＰプロトコル、およびウェブ・サイト・コンテンツを含む）である。この論述の目的上、オンライン商人の場所１８は第２コンピュータ１６の場所のことであり、必ずしもオンライン商人の実際の物理的な場所とは限らない。
【００１６】
好ましくは、第２コンピュータ１６は、Internet Information Server TM4.0およびCommerce Server TM 3.0を用いて、Windows NT TM 4.0を走らせる。第２コンピュータ１６のＣＰＵは、受け入れ可能なパワーを有している必要があり、少なくとも６４メガバイトのＲＡＭを有していて当然である。
【００１７】
第２コンピュータ１６は、メモリ内にオンライン・カタログを有するのが通例であり、消費者は、オンライン商人が供給する適当なグラフィカル・ユーザ・インターフェース（ＧＵＩ）によってインターネット２４上でオンライン・カタログにアクセスし閲覧することができる。
【００１８】
図１において次に示すのは、第三者の契約者の場所２２に位置する第３コンピュータ２０である。第三者の契約者は、銀行のような、独立した信用のある機関であり、オンライン商人と契約を結び、ＡＴＭサービスを提供する。第３コンピュータ２０は、第２コンピュータ１６と同様、パーソナル・コンピュータとすることもできるが、ワークステーションのように、かなり強力な機械であることが好ましい。同様に、第３コンピュータ２０も、第三者の契約者または第三者の契約者が契約しているインターネット・サービス・プロバイダが所有し運営するウェブ・サーバであることが好ましい。第三者の契約者の場所２２は、第３コンピュータ２０の場所であり、必ずしも第三者の契約者の実際の物理的場所であるとは限らない。第１および第２コンピュータ１２、１６と同様、第３コンピュータ２０がここに記載する機能を実行可能である限り、第３コンピュータ２０の個々の詳細は、その多くが本発明とは無関係である。好ましくは、第３コンピュータは、５００ＭＨＺで走り、１２８ＭＢのＲＡＭを有し、Windows NTTM 4.0を用いる、Compaq ProLiantTMサーバである。
【００１９】
図２に提示するフロー・チャート２６は、システム１０の動作を示す。ブロック２８に示すように、消費者は最初にインターネット上において、Internet ExplorerTMまたはNetscape Navigator TMのような市販のブラウザを用いてオンライン商人のウェブ・サイトにアクセスすることによって、第１コンピュータ１２と第２コンピュータ１６との間に接続を確立する。次に、ブロック３０および３２に示すように、オンライン商人が供給するＧＵＩを用いて、消費者はオンライン・カタログを閲覧し、購入したい商品および／またはサービスを選択する。一旦消費者が彼の選択を行い、発注する用意ができたなら、消費者は購買発注メッセージをインターネットを通じてオンライン商人に送信する（ブロック３４）。
【００２０】
次に、ブロック３６に示すように、消費者に彼の支払い情報を催促する。この論述の目的上、支払い情報は、ＡＴＭカード番号および有効期限とするが、支払い情報は、消費者の名前およびアドレスのような、追加データを含むことも可能である。次に、ブロック３８に示すように、消費者は彼の支払い情報をインターネットを通じてオンライン商人に送信する。ここで用いる場合、「ＡＴＭカード」という用語は、銀行カード、デビット・カード、および発行元銀行または機関が使用のために有効なＰＩＮを要求し得るその他のあらゆるカードを含む。支払い情報は、１２８ビット暗号化ＳＳＬのような暗号化接続を用いて、インターネットを通じて送信する。
【００２１】
オンライン商人がＡＴＭカード番号を受信したとき、またはそれ以前に、第２コンピュータ１６は、消費者を一意に識別する消費者のＩＰアドレスを日付／時間スタンプと組み合わせることによって、一意のセッション識別子を作成する。次に、一意のセッション識別子、オンライン商人を一意に識別するマーチャントｉｄ、オンライン商人が使用している端末を識別する端末ｉｄ、ＡＴＭカードの有効期限、および購買価格と共に、ＡＴＭカード番号を、インターネットを通じて、第２コンピュータ１６から第三者の契約者の場所２２にある第３コンピュータ２０に転送、即ち、エコーする（ブロック４０）。このデータ・パッケージを、第３コンピュータ上のメモリに一列に格納する。この場合も、１２８ビット暗号化ＳＳＬを用いることが好ましい。
【００２２】
第２コンピュータ１６から第３コンピュータ２０に送信するデータ・パッケージは、好ましくは、ISO 8583またはVISA-Kフォーマットのような業界標準フォーマットで送信する。しかしながら、本発明は、いずれの特定フォーマットにも限定されず、オンライン商人が所望するフォーマットであればいずれとでも使用可能である。一意のセッション識別子を作成しデータ・パッケージをフォーマットする、Ｊａｖａで書いたコンピュータ・プログラムの見本を、補足試料Ａに提供する。このプログラムは、Windows NT 4.0の下におけるInternet Server 40.上でActive Server Pageとして走るように設計されているが、このプログラムは、他のプラットフォームおよびプログラミング環境でも用いることができ、当業者であれば容易に実施可能である。このプログラムが、発行される特許の補足試料Ａとして再生産されることを除いて、補足試料（Appendix）Ａとしてここに添付するプログラムの再生産、派生作品の準備、コピーの配布、表示、またはその他の使用に対しては、明示的な使用許諾も暗示的な使用許諾も、ここでは付与しない。
【００２３】
同時にまたはその後直ちに、第２コンピュータは第３コンピュータへのハイパーリンクを実行し、消費者は、第３コンピュータによって、彼のＰＩＮを入力するように促される（ブロック４２）。消費者は彼のＰＩＮを第１コンピュータ１２に入力し、それをインターネットを通じて第３コンピュータ２０に送信する（ブロック４４）。第１コンピュータ１２および第３コンピュータ２０間の接続は、暗号化されており、第１コンピュータ１２および第２コンピュータ１６間の接続とは独立しているので、オンライン商人は決してＰＩＮを入手できない。第２コンピュータ１６と同様、第１コンピュータ１２は一意のセッション識別子、マーチャントｉｄ、端末ｉｄ、ＡＴＭカードの有効期限、および購買価格を、ＰＩＮと共にデータ・パッケージに入れて、第３コンピュータ２０に送信する。
【００２４】
図３は、第三者の契約者が供給し、消費者の画面上でポップ・アップし、消費者に彼のＰＩＮを入力させ、それを第三者の契約者に送信させる、典型的なＧＵＩ４６を示す。図３から明らかなように、ＧＵＩ４６は、実際のＡＴＭ機をエミュレートし、シミュレートしたキー・パッド４８および画面５０を含む。画面５０は、オンライン商人の名前およびメール・アドレス５２、ならびに購買価格５４を示す。一連の点５６で示すように、消費者は、彼のマウスを用いて、彼のＰＩＮを入力する。SUBMITボタン５８を押すことにより、ＰＩＮ番号は第三者の契約者に送信される。消費者が間違えた場合、CLEARボタン６０を押し、彼のＰＩＮを再度タイプ入力する。消費者が第三者の契約者からの助けを必要とする場合、単にHELPボタン６２を押せばよい。すると、第三者の契約者が提供するヘルプ・メニューが画面上に現れ、消費者がそれを閲覧することができる。
【００２５】
次に、第３コンピュータ２０は、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが有効であることを検証する（ブロック６４）。第三者の契約者はいずれの所与の時点でも多数の取引を監視している可能性があるので、第３コンピュータ２０は、第１および第２コンピュータ１２、１６から受信したデータ・パッケージを同期させる必要がある。これを行うために、第３コンピュータ２０は、第１および第２コンピュータ１２、１６から受信したデータ・パッケージに含まれる、一意のセッション識別子、マーチャントｉｄ、端末ｉｄ、ＡＴＭカードの有効期限、および購買価格欄を照合する。第１および第２コンピュータ１２、１６から受信したパッケージを同期させるコンピュータ・プログラムの見本を、補足試料（Appendix）Ｂに提示する。このプログラムはＣ＋＋で書かれており、当業者であれば容易に実装可能である。このプログラムが、発行される特許の補足試料Ｂとして再生産されることを除いて、補足試料Ｂとしてここに添付するプログラムの再生産、派生作品の準備、コピーの配布、表示、またはその他の使用に対しては、明示的な使用許諾も暗示的な使用許諾も、ここでは付与しない。
【００２６】
取引を実行するためには、前述のデータ欄全てが一致しなければならない。セキュリティ上の理由で、二分間の枠を照合のために設けることが好ましい。二分間の枠以内で一致がない場合、取引を中止する。
【００２７】
一旦第１および第２コンピュータ１２、１６からのデータ・パッケージが第３コンピュータ２０によって同期化されると、第３コンピュータは、ＡＴＭカード番号およびＰＩＮをチェックする。ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが無効な場合、第３コンピュータ２０はその旨第２コンピュータ１６に知らせ、オンライン商人は購買の発注を拒否し、消費者に通知する（ブロック６６）。ＡＴＭカード番号およびＰＩＮが有効な場合、第３コンピュータ２０は、購買代金５６を支払うのに足りる十分な資金があるか否か確かめるためにチェックを行う（ブロック６８）。口座に十分な資金がある場合、第３コンピュータは許可メッセージを第２コンピュータに送信し、消費者の口座に請求し(debit)、購買が完了し、消費者に通知する（ブロック７０）。十分な資金がない場合、拒否メッセージを送信し、オンライン商人は購買を拒否し、消費者に通知する（ブロック７２）。
【００２８】
ＡＴＭカードが第三者の契約者によって発行されている場合、検証ステップ（ブロック６４および６８）を行うには、単に第３コンピュータ２０内にある、またはこれに接続されている内部データベースにアクセスするだけでよい。しかしながら、ＡＴＭカードが別の銀行によって発行された場合、第三者の契約者は、直接安全回線上で、CIRRUSのような私的ＡＴＭネットワークを通じて、またはその他の利用可能ないずれかの経路(avenue)を通じて、発行元銀行に連絡することによって、カード情報を検証しなければならない。
【００２９】
図４に、システム全体のデータ・フローを示す。最初に、消費者（第１コンピュータ）が彼のＡＴＭカード番号をネットワークを通じてオンライン商人（第２コンピュータ）に送信する（ブロック７４）。第２に、オンライン商人はＡＴＭカード番号をネットワークを通じて第三者の契約者（第３コンピュータ）に転送する（ブロック７６）。第３に、消費者は彼のＰＩＮをネットワークを通じて第三者の契約者に送信する（ブロック７８）。図４に示すように、オンライン商人は完全に迂回され、決してＰＩＮを受信することはない。第４に、第三者の契約者はＡＴＭカード番号およびＰＩＮを検証し、資金が十分であるかチェックする（ブロック８０）。第５に、第三者の契約者は、検証プロセスの結果をネットワークを通じてオンライン商人に送信する（ブロック８２）。そして、第６に、オンライン商人は結果をネットワークを通じて消費者に転送し、検証結果に応じて購買を完了するか拒否する（ブロック８４）。
【００３０】
以上のように、本発明の前述の目的が達成される。本発明に対する変更は、当業者には明白であろうが、添付した特許請求の範囲を逸脱する程に、本発明を変更しないこととする。
【００３１】
【表１−１】
【００３２】
【表１−２】
【００３３】
【表１−３】
【００３４】
【表１−４】
【００３５】
【表１−５】
【００３６】
【表２−１】
【００３７】
【表２−２】
【００３８】
【表２−３】
【００３９】
【表２−４】
【００４０】
【表２−５】
【００４１】
【表２−６】
【特許請求の範囲】
【請求項１】
購買代金を支払うために資金を引き出す消費者の口座を識別する第１の番号と、前記第１の番号と関連し、該第１の番号と共に用いて前記口座からの資金の引き出しを可能にする第２の番号とを用いて、コンピュータ・ネットワーク上で購買を行う方法であって、
前記ネットワークを通じて消費者の場所からオンライン商人の場所に前記第１の番号を電子的に送信するステップと、
前記ネットワークを通じて前記オンライン商人の場所から第三者の契約者の場所に前記第１の番号を電子的に転送するステップと、
前記ネットワークを通じて前記オンライン商人の場所から前記第三者の契約者の場所に前記第２の番号を電子的に送信するステップと、
前記第三者の場所において、前記第１および第２の番号の有効性を判断するステップと、
から成る方法。
【請求項２】
請求項１記載の方法において、前記消費者の場所から前記第三者の契約者の場所に前記第２の番号を送信するとき、前記オンライン商人の場所を迂回する、方法。
【請求項３】
請求項１記載の方法において、前記第１および第２の番号を、暗号化接続を介して、前記ネットワークを通じて送信する、方法。
【請求項４】
請求項１記載の方法において、前記ネットワークはインターネットである、方法。
【請求項５】
請求項１記載の方法であって、前記口座が前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金を有するか否か、前記第三者の契約者の場所において判定する追加ステップを含む、方法。
【請求項６】
請求項１記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記第三者の契約者の場所から前記オンライン商人の場所に、前記第１および第２の番号が有効か否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項７】
請求項５記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記第三者の契約者の場所から前記オンライン商人の場所に、前記口座に前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金があるか否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項８】
請求項１記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記オンライン商人の場所から前記消費者の場所に、前記購買が許可されたか否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項９】
購買代金を支払うために資金を引き出す消費者の口座を識別する第１の番号と、前記第１の番号と関連し、該第１の番号と共に用いて前記口座からの資金の引き出しを可能にする第２の番号とを用いて、コンピュータ・ネットワーク上で購買を行うシステムであって、
消費者の場所にある第１コンピュータであって、前記ネットワークに接続してある、第１コンピュータと、
オンライン商人の場所にある第２コンピュータであって、前記ネットワークに接続してある、第２コンピュータと、
第三者の契約者の場所にある第３コンピュータであって、前記ネットワークに接続してある、第３コンピュータと、
を備え、
前記ネットワークを通じて前記第１コンピュータから前記第２コンピュータに前記第１の番号を送信し、
前記ネットワークを通じて前記第２コンピュータから前記第３コンピュータに前記第１の番号を転送し、
前記ネットワークを通じて前記第１コンピュータから前記第３コンピュータに前記第２の番号を送信し、
前記第３コンピュータが、前記第１および第２の番号が有効か否か判断する、
システム。
【請求項１０】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第１コンピュータは、前記第２の番号を前記第３コンピュータに送信するとき、前記第２コンピュータを迂回する、システム。
【請求項１１】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第１および第２の番号を、暗号化接続を介して、前記ネットワークを通じて送信する、システム。
【請求項１２】
請求項９記載のシステムにおいて、前記ネットワークがインターネットである、システム。
【請求項１３】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第３コンピュータが、前記口座が前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金を有するか否かチェックする、システム。
【請求項１４】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第３コンピュータは、前記第１および第２の番号が有効か否か前記第２コンピュータに通知する、システム。
【請求項１５】
請求項１３記載のシステムにおいて、前記第３コンピュータは、前記口座に、前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金があるか否か前記第２コンピュータに通知する、システム。
【請求項１６】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第２コンピュータは、前記購買が許可されたか否か前記第１コンピュータに通知する、システム。
【請求項１７】
購買代金を支払うために資金を引き出す消費者の口座を識別する第１の番号と、前記第１の番号と関連し、該第１の番号と共に用いて前記口座からの資金の引き出しを可能にする第２の番号とを用いて、コンピュータ・ネットワーク上で行われる購買を許可する方法であって、
第三者の契約者の場所において、前記ネットワークを通じてオンライン商人の場所から電子的に送信された前記第１の番号を受信するステップと、
前記第三者の契約者の場所において、前記ネットワークを通じて消費者の場所から電子的に送信された前記第２の番号を受信するステップと、
前記第三者の契約者の場所において、前記第１および第２の番号の有効性を判断するステップと、
から成る方法。
【請求項１８】
請求項１７記載の方法において、前記ネットワークがインターネットである、方法。
【請求項１９】
請求項１７記載の方法であって、前記口座が前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金を有するか否か、前記第三者の契約者の場所において判定する追加ステップを含む、方法。
【請求項２０】
請求項１７記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記第三者の契約者の場所から前記オンライン商人の場所に、前記第１および第２の番号が有効か否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項２１】
請求項１９記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記第三者の契約者の場所から前記オンライン商人の場所に、前記口座に前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金があるか否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項２２】
購買代金を支払うために資金を引き出す消費者の口座を識別する第１の番号と、前記第１の番号と関連し、該第１の番号と共に用いて前記口座からの資金の引き出しを可能にする第２の番号とを用いて、コンピュータ・ネットワーク上で行われる購買を許可するシステムであって、
前記ネットワークに接続してあるコンピュータを備え、
前記コンピュータが、前記ネットワークを通じてオンライン商人の場所から電子的に送信された前記第１の番号を受信し、前記ネットワークを通じて消費者の場所から電子的に送信された前記第２の番号を受信し、前記第１および第２の番号の有効性を検証するように構成した、システム。
【請求項２３】
請求項２２記載のシステムにおいて、前記ネットワークがインターネットである、システム。
【請求項２４】
請求項２２記載のシステムにおいて、前記口座が前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金を有するか否か判定するように前記コンピュータを構成した、システム。
【請求項２５】
請求項２２記載のシステムにおいて、前記第１および第２の番号が有効か否かを前記オンライン商人のコンピュータに通知するように前記コンピュータを構成した、システム。
【請求項２６】
請求項２４記載のシステムにおいて、前記口座に前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金があるか否か前記オンライン商人のコンピュータに通知するように前記コンピュータを構成した、システム。
【請求項１】
購買代金を支払うために資金を引き出す消費者の口座を識別する第１の番号と、前記第１の番号と関連し、該第１の番号と共に用いて前記口座からの資金の引き出しを可能にする第２の番号とを用いて、コンピュータ・ネットワーク上で購買を行う方法であって、
前記ネットワークを通じて消費者の場所からオンライン商人の場所に前記第１の番号を電子的に送信するステップと、
前記ネットワークを通じて前記オンライン商人の場所から第三者の契約者の場所に前記第１の番号を電子的に転送するステップと、
前記ネットワークを通じて前記オンライン商人の場所から前記第三者の契約者の場所に前記第２の番号を電子的に送信するステップと、
前記第三者の場所において、前記第１および第２の番号の有効性を判断するステップと、
から成る方法。
【請求項２】
請求項１記載の方法において、前記消費者の場所から前記第三者の契約者の場所に前記第２の番号を送信するとき、前記オンライン商人の場所を迂回する、方法。
【請求項３】
請求項１記載の方法において、前記第１および第２の番号を、暗号化接続を介して、前記ネットワークを通じて送信する、方法。
【請求項４】
請求項１記載の方法において、前記ネットワークはインターネットである、方法。
【請求項５】
請求項１記載の方法であって、前記口座が前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金を有するか否か、前記第三者の契約者の場所において判定する追加ステップを含む、方法。
【請求項６】
請求項１記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記第三者の契約者の場所から前記オンライン商人の場所に、前記第１および第２の番号が有効か否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項７】
請求項５記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記第三者の契約者の場所から前記オンライン商人の場所に、前記口座に前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金があるか否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項８】
請求項１記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記オンライン商人の場所から前記消費者の場所に、前記購買が許可されたか否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項９】
購買代金を支払うために資金を引き出す消費者の口座を識別する第１の番号と、前記第１の番号と関連し、該第１の番号と共に用いて前記口座からの資金の引き出しを可能にする第２の番号とを用いて、コンピュータ・ネットワーク上で購買を行うシステムであって、
消費者の場所にある第１コンピュータであって、前記ネットワークに接続してある、第１コンピュータと、
オンライン商人の場所にある第２コンピュータであって、前記ネットワークに接続してある、第２コンピュータと、
第三者の契約者の場所にある第３コンピュータであって、前記ネットワークに接続してある、第３コンピュータと、
を備え、
前記ネットワークを通じて前記第１コンピュータから前記第２コンピュータに前記第１の番号を送信し、
前記ネットワークを通じて前記第２コンピュータから前記第３コンピュータに前記第１の番号を転送し、
前記ネットワークを通じて前記第１コンピュータから前記第３コンピュータに前記第２の番号を送信し、
前記第３コンピュータが、前記第１および第２の番号が有効か否か判断する、
システム。
【請求項１０】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第１コンピュータは、前記第２の番号を前記第３コンピュータに送信するとき、前記第２コンピュータを迂回する、システム。
【請求項１１】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第１および第２の番号を、暗号化接続を介して、前記ネットワークを通じて送信する、システム。
【請求項１２】
請求項９記載のシステムにおいて、前記ネットワークがインターネットである、システム。
【請求項１３】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第３コンピュータが、前記口座が前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金を有するか否かチェックする、システム。
【請求項１４】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第３コンピュータは、前記第１および第２の番号が有効か否か前記第２コンピュータに通知する、システム。
【請求項１５】
請求項１３記載のシステムにおいて、前記第３コンピュータは、前記口座に、前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金があるか否か前記第２コンピュータに通知する、システム。
【請求項１６】
請求項９記載のシステムにおいて、前記第２コンピュータは、前記購買が許可されたか否か前記第１コンピュータに通知する、システム。
【請求項１７】
購買代金を支払うために資金を引き出す消費者の口座を識別する第１の番号と、前記第１の番号と関連し、該第１の番号と共に用いて前記口座からの資金の引き出しを可能にする第２の番号とを用いて、コンピュータ・ネットワーク上で行われる購買を許可する方法であって、
第三者の契約者の場所において、前記ネットワークを通じてオンライン商人の場所から電子的に送信された前記第１の番号を受信するステップと、
前記第三者の契約者の場所において、前記ネットワークを通じて消費者の場所から電子的に送信された前記第２の番号を受信するステップと、
前記第三者の契約者の場所において、前記第１および第２の番号の有効性を判断するステップと、
から成る方法。
【請求項１８】
請求項１７記載の方法において、前記ネットワークがインターネットである、方法。
【請求項１９】
請求項１７記載の方法であって、前記口座が前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金を有するか否か、前記第三者の契約者の場所において判定する追加ステップを含む、方法。
【請求項２０】
請求項１７記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記第三者の契約者の場所から前記オンライン商人の場所に、前記第１および第２の番号が有効か否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項２１】
請求項１９記載の方法であって、前記ネットワークを通じて前記第三者の契約者の場所から前記オンライン商人の場所に、前記口座に前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金があるか否かを示す信号を電子的に送信する追加ステップを含む、方法。
【請求項２２】
購買代金を支払うために資金を引き出す消費者の口座を識別する第１の番号と、前記第１の番号と関連し、該第１の番号と共に用いて前記口座からの資金の引き出しを可能にする第２の番号とを用いて、コンピュータ・ネットワーク上で行われる購買を許可するシステムであって、
前記ネットワークに接続してあるコンピュータを備え、
前記コンピュータが、前記ネットワークを通じてオンライン商人の場所から電子的に送信された前記第１の番号を受信し、前記ネットワークを通じて消費者の場所から電子的に送信された前記第２の番号を受信し、前記第１および第２の番号の有効性を検証するように構成した、システム。
【請求項２３】
請求項２２記載のシステムにおいて、前記ネットワークがインターネットである、システム。
【請求項２４】
請求項２２記載のシステムにおいて、前記口座が前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金を有するか否か判定するように前記コンピュータを構成した、システム。
【請求項２５】
請求項２２記載のシステムにおいて、前記第１および第２の番号が有効か否かを前記オンライン商人のコンピュータに通知するように前記コンピュータを構成した、システム。
【請求項２６】
請求項２４記載のシステムにおいて、前記口座に前記購買代金を支払うのに足りる十分な資金があるか否か前記オンライン商人のコンピュータに通知するように前記コンピュータを構成した、システム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１３−３０１８１（Ｐ２０１３−３０１８１Ａ）
【公開日】平成２５年２月７日（２０１３．２．７）
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願２０１２−２１０６３３（Ｐ２０１２−２１０６３３）
【出願日】平成２４年９月２５日（２０１２．９．２５）
【分割の表示】特願２０１０−２８６９７９（Ｐ２０１０−２８６９７９）の分割
【原出願日】平成１２年９月７日（２０００．９．７）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．ＪＡＶＡ
【出願人】（５０８０１２８６２）マスターカード インターナショナル インコーポレーテッド (9)
【公開日】平成２５年２月７日（２０１３．２．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−２１０６３３（Ｐ２０１２−２１０６３３）
【出願日】平成２４年９月２５日（２０１２．９．２５）
【分割の表示】特願２０１０−２８６９７９（Ｐ２０１０−２８６９７９）の分割
【原出願日】平成１２年９月７日（２０００．９．７）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．ＪＡＶＡ
【出願人】（５０８０１２８６２）マスターカード インターナショナル インコーポレーテッド (9)
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