説明

コンピューターソフトウエア・PC用分一(ぶいち)用電子定規(スケール)

【課題】PDF図面やCAD図面及び電子コピーされた紙図面の縮尺された図面をコンピューター画面上に表示し、寸法の表示が無い箇所の寸法が何分の一になっているか計る事ができるコンピューター画面上の分一用電子定規である。
【解決手段】コンピューター画面に表示した図面を任意に認識しやすい縮尺に拡大、縮小しながら寸法を計る事ができるようにする為に図面との識別性よい半透明なカラー表示とし縮尺基準を計る基準線を識別性よい赤色として図面の黒い線と重ね合わせやすくし縦横縮尺の異なる図面に対応するために縦定規、横定規を用意するとともにコンピューター画面のサイズを考慮した定規の長尺化にも対応している。マウス移動では不安定な定規の上下左右への水平垂直移動も矢印キィを利用した移動を採用。任意の縮尺倍率にも何分の一になっているかが計りやすい目盛りを表示した分一用電子定規にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築図面としてコンピューターソフトウエアを利用して描かれているPDF図面やCAD図面上の縮尺が何分の一になっている図面から寸法の表示が無い場合に図面から寸法を計る事ができるコンピューターソフトウエアとしての分一(ぶいち)用電子定規(スケール)である。図面はPDF図面やCAD図面を電子コピーで印刷した紙図面の場合もある。この紙図面はPDF図面やCAD図の原図よりも縮小されて文字が小さい場合や縮尺寸法の倍率も異なる図面となる。この図面をコンピューター画面上に識別性のよい任意の倍率に表示しながら寸法を計測する事ができる分一(ぶいち)用電子定規(スケール)である。
【背景技術】
【0002】
建設業、とりわけ鉄筋加工業を対象に1982年から鉄筋コンクリート造りの建物用積算ソフトウエアの開発を行ってきた。CADを利用できない人向きに誰もが利用できるように寸法を入力する事でCAD図面のような平面図が描けるソフトウエアを開発した。こうしたCAD図面やPDF化した図面を扱って積算業務に携わる時、紙図面に三角形型の分一用定規を用いての縮尺寸法を測定する現状では、図面の縮尺が縦寸法、横寸法とそれぞれ比率が異なっている上、微細な文字や乱れた文字、線が見づらい事に苦心している事に着目した。この図面をコンピューター画面上に表示し、任意に認識性のよい表示倍率に表示して寸法を計測する事できれば作業効率が一段と向上する為の定規として開発した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−92393 配管設備の積算システム
【特許文献2】特開平10−281701 液晶画面を利用して目盛りを無段階に変化できるようにしたスケール
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ぶいち(分一)という表現は、「図解建築現場辞典」、「建築用語大辞典」にて解説されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した特許文献1配管設備の積算方法で考えられている寸法測定は測定する二点をクリックして測定する方法である。特許文献2特開平10−281701 液晶画面を利用して目盛りを無段階に変化できるようにしたスケールは紙図面上の寸法倍率が異なる図面に利用するスケールである。今回提出するソフトウエアとしての分一用電子定規は、コンピューター上のPDF図面やCAD図面にたいする利用とともに、図面がA3用紙にコピーされたPDF図面やCAD図面をコンピューター画面に表示して利用可能である。図面の縮尺が一定ではなく、小さな文字や線の識別もしづらい図面から詳細の寸法を測る為には、コピーの倍率調整や、分一定規を利用するよりも、もっと認識性をよくするために、図面をコンピューター画面上に表示し、誰もが従来の物差しを利用する感覚で寸法が読みとれる方法を考案する事であった。従来からあるコンピューターソフトウエアとしての定規はPDF図面、CAD図面の寸法測定を目的としたソフトウエアではなく、コンピューターソフトウエア開発上の各種サイズを決める事を目的としたピクセル定規であって今回考案した図面の縮尺を計る定規とは異なるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
紙図面上における分一定規を用いての縮尺寸法読みとりは、極細な図面やコピー等にて乱れた文字や線では読みとりづらく、コンピューター画面上に拡大表示する事により認識性が向上する。コンピューター画面上に拡大、縮小しながら表示された図面を、半透明なカラー表示の定規と識別性のよい赤色の基準線を利用する事により黒色を主とする図面との重ね合わせをしたときの識別性がよく、この基準線を図面上で寸法が確定されている位置に合わせ、線の位置からの表示されている寸法を基準値として入力枠に入力することにより分一用定規としての目盛りがコンピューター画面上に表示される。コンピューターソフトウエアによって作成された電子定規を図面上で移動させて寸法を計る事ができる。コンピューター画面上に表示される図面の倍率表示数値を電子定規の倍率入力枠に入力するだけでその図面の縮尺倍率に適合した分一の目盛りを表示する定規となる。コンピューター画面の大型化にも適合する長尺の定規や、色、縦横倍率の異なる定規を用意し、定規のコンピューター上での移動にしてもマウス操作では不安定な垂直、水平移動もコンピューターのキィボード矢印を利用した安定した移動も可能とした。
【発明の効果】
【0007】
見づらい文字、図面をコンピューター画面上で認識しやすい倍率に拡大して文字の読みとりをしながら、分一用電子定規として寸法を計ることができる定規は作業効率を格段と向上させた。今までの作業時間の短縮や、文字などの認識間違いなども防げる事になった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】横定規を画面に表示した図
【図2】縦定規を画面に表示した図
【図3】横定規、縦定規の両方を画面に表示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
この定規の利用者は、コンピューター表示装置、いわゆるディスプレイを複数(マルチディスプレイ)にして、図面を表示したまま測定や読みとりをしながら、片方でその測定結果や状況を判断しつつ、プログラムを使った作業が同時に行えるメリットがうまれた。
【実施例】
【0010】
自社に於いて、鉄筋積算ひろい計算時、該定規を用いて図面上の採寸を行っている。
【産業上の利用可能性】
【0011】
現在、図面のPDF化、CADデータでの送受信は一般的になり、旧来の青コピーによる図面のやりとりは減少している。コンピューターの普及に伴いこの定規の利用価値はめざましく発展利用される事を予測している。コンピューター操作に熟知した人たちを対象とするソフトウエアではなく、一般の人々を対象とした、誰もが図面上の寸法を単純に計測する事を目的として開発した。市販のPDF,CADソフトウエアに組み込まれるソフトとしての利用価値は高い。
【符号の説明】
【0012】
1 赤色の基準線は、測定する図面が黒い線が主流のため重ね合わせて基準線を決定しやすくするためである。
2 コンピューター画面上に、図面を表示した時に認識性のよい倍率をコンピューター上で選択し、その倍率と同じ倍率数値を入力する入力枠
3 図面上に描かれている寸法が特定できる範囲を基準として、特定した範囲の寸法数値の入力枠
4 基準値確定後表示される「定規としての目盛」
5 定規の色の任意変更したい時の色設定ボタン
6 定規の縦、横単独使用時の縦横変更ボタン
7 マウス移動による、マウス位置の基準線からの寸法を表示
8 定規の移動時、このボタンを使ってマウスを移動させ任意に定規を移動できる。但し垂直方向、水平方向の微移動はコンピューターキーの矢印キーを使う
9 定規使用終了ボタン
10 コンピューター画面の表示サイズに適合した定規の長さを選択する為のボタン
11 定規を最小化して一時、定規を一時待避する機能ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は建築図面としてコンピューターソフトウエアを利用して描かれているPDF図面やCAD図面の任意の縮尺倍率にも対応して何分の一になっているかが計りやすい目盛りを表示して図面から寸法の表示が無い部分の寸法を計る事ができるコンピューターソフトウエアとしての分一(ぶいち)用電子定規(スケール)である。図面はPDF図面やCAD図面を電子コピーで印刷した紙図面の場合もある。この紙図面はPDF図面やCAD図の原図よりも縮小されて文字が小さい場合や縮尺寸法の倍率も異なる図面となる。この図面をコンピューター画面上に任意の倍率に表示しながら寸法を計測する事ができる分一(ぶいち)用電子定規(スケール)とする為に定規は図面との重ね合わせを考慮し識別性のよい半透明なカラー表示とし基本となる基準線をより識別性のよい赤色として定規の幅全体に表示し、図面に描かれている黒い線と重ね合わせた時も識別しやすくした。コンピューター画面上での、図面表示倍率も、該定規にある倍率入力箇所に、図面のコンピューター表示上の倍率と同じ数値を入力する事で自動換算された縮尺が何分の一かで計る為の目盛りが表示される定規になる。今回出願したコンピューターソフトウエアとしての分一(ぶいち)用電子定規は、前期特許文献1にある液晶定規という製品が紙図面上での使用目的とはことなり、紙図面上では不鮮明な線や、文字が小さい為に識別しづらい図面を、コンピューター画面上に認識性のよい表示倍率にして図面の細部にわたる寸法を読みとる事を可能とし長さもコンピューター画面サイズの大型化にも自由に対応できる定規である。表示される図面は横倍率と縦倍率がことなることもあり、縦定規と横定規のそれぞれの縮尺倍率に応じた分一用定規となる。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−61713(P2013−61713A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198300(P2011−198300)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【特許番号】特許第5007852号(P5007852)
【特許公報発行日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(511051812)有限会社ピーシーエス (2)
【Fターム(参考)】