説明

コンピューター出力用の「サイド針金付き連続荷札」(ライン荷札)

【課題】従来の技術はドットプリンターでの連続用紙には3枚の用紙を貼り合わせる必要がありコスト高になる。またレーザープリンターでは構造上、針金付き用紙印刷は現状不可能である。
【解決手段】現行ドットプリンターのスプロケットの位置を考慮すると、針金取付け位置を連続用紙の印刷面裏側に、用紙左右の端部から14mmから17mmの位置を中心に紙送り方向に沿って連続用紙に針金を縦位置に直線的に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドットプリンター用の針金付き荷札に関する。
【背景技術】
【0002】
「針金付き荷札」は、先行技術として「実用新案公報 昭54−61596号」がある。これは3枚のシートを貼り合わせて作成された荷札として、自動車工業界の部品流通等用として発表されている。目指している荷札は建設業の鉄筋工事業者が搬入施工する鉄筋に取り付けられる明細の役割をするものである。その為、破れにくい用紙であり取り付けやすく、はずれにくいという要素を求められる事から針金でくくりつける必要がある。以上の点から作業効率、即ち時間と費用を節約できる連続印刷用紙による針金付き荷札が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実用昭54−61596 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンピューターによる様々な異なるデーターを低費用で、印刷速度も速く連続印刷が出来る針金付き荷札の作成である。現在、荷札加工業者が使用している単票の荷札にハトメと針金を取り付ける機械はあるが、荷札使用者がコンピューターにより出力された連続荷札用紙にそのまま同時に針金を取り付ける機械は現存しない。機械の開発及び設置する事は費用面からも普及が難しい。今回出願の案は印刷後、針金取り付けをしている人手や時間を大幅に合理化する。前記した特許文献1の発明による針金付き荷札シートとは異なり、不経済な裏紙も不要であり、裏紙除去の手間も要らず、不要なごみを出さない事においても経済的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は請求項1として、コンピューター用連続用紙の左右両側に紙送り用として案内孔が設けられている用紙の印刷面裏側に端部から14mmから17mm前後内側に、紙送り方向に沿って直線的に補強シールまたは金具を用いて針金を固定する。この位置は針金によるプリンターへの負荷もかからず、用紙の印刷面はプリンターの規格通りの印刷領域並びに平らな用紙面を確保している。荷札用針金としては30番手(0.33mm)から18番手(1.20mm)まで用途に応じて利用する事ができる。ドットプリンターのスプロケットによる紙送りは優れていて、針金を全面的に被う必要もなく、針金の直線的な性質を利用した最小限の固定方法により、からまることもなく印刷可能である。針金の太さ、長さによりロール状用紙、折りたたんだ連続用紙も作成が可能となる。ドットプリンターを印刷にふさわしいとした理由には、針金を取り付けた連続用紙がロール状で円錐形になっていても、折りたたみ状でページの厚さに左右の差があったとしても、紙送りに支障をきたさない事と、コンピューター用印刷装置として普及しているレーザープリンター、インクジェトプリンター、感熱式印刷機、静電気式コピー機等と比較して用紙の制約が少なく、プリンターの堅牢性もありエンドレス・インクリボンによる印字はコストの安さにおいても優っていると思われるからである。
【発明の効果】
【0006】
鉄筋工事業界で懸案だったコンピューターによる針金付き連続荷札や、その他針金を付けたままの連続帳票を要望している業界に、針金付き荷札シートを提供することにより低コストで大きな効果を与えるものである。印刷業界及び紙加工業界において、針金付きの連続帳票は懸案であった。この技術は、新たな印刷業界用針金取り付けロボット開発にもつながるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の荷札シートの裏面から見た図である。
【図2】本発明の単票である荷札の裏面から見た図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】本発明の別の実施例を示す荷札シートの裏面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例について、図を用いて以下に説明する。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明の荷札シート1の裏面から見た図である。荷札シート1は、各荷札6の巾154mm、長さ63mmのものを実施例とした。荷札シート1は荷札6、6がミシン目2,2を介して荷札6の巾方向に複数枚連なり帯状のシートとなっている。そして、荷札シート1の巾方向の両側には、ドットプリンターの送り部材であるスプロケットの歯が入る案内孔3,3がほぼ等間隔に荷札シート1の長手方向に形成されている。ドットプリンターで印刷する場合は、この長手方向に荷札シート1が順次送られる。この荷札シート1とは別に二つ折りした針金4とこの針金4の折り曲げ部を荷札シート1に固着するための取り付け部材5を準備する。この針金4は荷札シート1の裏面側であって、印刷時に前記スプロケットの歯(図示しない。)の邪魔にならない位置である。連続した案内孔3,3に並列して、これよりも内側に、且つ、荷札6の巾の中央部に固着する。針金4の荷札シート1への固着は、針金4の長手方向と連続した案内札3,3が並列するように針金4の折り曲げ部を荷札シート1に固着することとなる。
上記荷札シート1はロール状、折りたたみ状のいずれの状態にも適用できる。
ドットプリンターとしたのは、元々、複写伝票印刷用として利用されており、スプロケット部に隙間があり、伝票3枚〜7枚まで印刷可能に作られている。その為に、その隙間に針金が取り付けられた用紙でも紙送りが可能との理由からである。
荷札シート1の裏面側に針金4を固着する理由は、針金を固定する際に針金全面を完全に荷札に固着しなくても、プリンターへの負荷がなく紙送りが可能であるとともに、表面に取付けて、万一針金がずれた場合、印字の為のプリンターヘッドを傷つけるからである。
針金は、二つ折りにしたものを、その折り曲げ部を固着するものとしたが、荷札の使用用途としては一本の針金でも利用可能である。
針金の固着部は、荷札シート1の連続した案内孔3,3よりも内側で、印刷範囲の外側になる位置であるのがよい。
図2は荷札を一枚に切り離した状態を裏面から見た図である。この印刷された荷札をもとに鉄筋を加工し、加工した鉄筋にくくりつけて出荷、運搬をするのである。
図3は荷札の側面図である。固着するための部材は、現在は円形の中央部に穴があけられていて接着剤の接着効果の高いシールを用いているが、将来はより小さくしたピンやパンチ状のハトメなど用途を広げる可能性は十分考慮できる。
図4は横二枚印刷ができる荷札を裏面から見た図である。この場合には左右二枚の荷札に針金をつけて利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
運搬用荷札、加工品加工指示書、商品・物品仕訳用荷札など幅広く荷札業界に用いられる。今後、需要の伸びに合わせて印刷業界及び紙加工業界において、針金付きの連続帳票を印刷するロボット開発にもつながる新案である。
【符号の説明】
【0011】
1,荷札シート
2,ミシン目
3,案内孔
4,針金
5,取付け部材
6,荷札
7,ミシン目
8,荷札表
9,荷札裏
a,印刷範囲
b,案内孔の位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷札シートは複数枚の荷札がミシン目を介して縦方向に一枚一列または横方向二枚を縦一列に連なる帯状のシートであり、荷札である該荷札シートの横幅方向の両端にはそれぞれ等間隔の案内孔が連続して設けられており、少なくとも該一方の側の前記案内孔よりも内側寄りで且つ表面印刷可能領域外の裏面に、針金を案内孔に並列するように配し、前記針金の一端を前記各荷札の縦方向位置に固着したことを特徴とするドットインパクトプリンター用連続荷札シート。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−176520(P2012−176520A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39998(P2011−39998)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【特許番号】特許第4781488号(P4781488)
【特許公報発行日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(511051812)有限会社ピーシーエス (2)