コンピュータ装置、ストローク表示システム及びプログラム
【課題】用紙においてアプリケーションの内容が印刷される領域内の座標から、ディスプレイにおいてアプリケーションの内容が表示される領域内の座標への座標変換を適切に行う。
【解決手段】コンピュータ装置は、所定のアプリケーションを実行する。画面解像度取得手段は、コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得し、スライドサイズ取得手段は、アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得し、印刷設定情報取得手段は、アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する。そして、座標変換関数演算手段は、画面解像度、スライドサイズ及び印刷設定情報に基づいて、用紙においてアプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、表示手段においてアプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。
【解決手段】コンピュータ装置は、所定のアプリケーションを実行する。画面解像度取得手段は、コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得し、スライドサイズ取得手段は、アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得し、印刷設定情報取得手段は、アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する。そして、座標変換関数演算手段は、画面解像度、スライドサイズ及び印刷設定情報に基づいて、用紙においてアプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、表示手段においてアプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンテーション用のアプリケーションなどを実行するコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンピュータ装置が所定のアプリケーションを実行している際に、アプリケーションの内容が印刷されると共にドットパターンが形成された用紙(専用紙)を用いて、ユーザが当該用紙に電子ペンによって記入した手書きストロークをアプリケーション上に表示させる場面が考えられる。この場合、手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応するディスプレイ上の適切な位置に、手書きストロークを表示させたり、そのように表示させた手書きストロークを記憶させたりすることが望ましいと言える。
【0005】
しかしながら、用紙の印刷設定(例えば用紙サイズや用紙の向き(縦か横か))やコンピュータ装置の画面解像度などに応じて、アプリケーションの内容が印刷される用紙上の位置と、アプリケーションの内容が表示されるディスプレイ上の位置との対応関係が変化する。つまり、用紙に印刷されたアプリケーションの内容のうち、ある位置の座標ZPと、当該アプリケーションの内容がディスプレイ上に表示される場合の該当する位置の座標ZDとの対応関係を考えると、用紙が例えばA4サイズであるかB4サイズであるかによって、アプリケーションの内容が印刷される領域の大きさや座標ZPの値が変化するため、座標ZPと座標ZDとの対応関係も変化する。また別の例では、同じ用紙を用いる場合であっても、ディスプレイの解像度(画面解像度)が異なれば、アプリケーションの内容が表示されるディスプレイ上の領域の大きさや、座標ZDの値が変化するため、座標ZPと座標ZDとの対応関係も変化する。したがって、手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応する適切な位置に手書きストロークを表示させたりするためには、このような対応関係を把握しておいて適切に処理する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、画面解像度や用紙の印刷設定などに応じて、用紙においてアプリケーションの内容が印刷される領域内の座標から、ディスプレイにおいてアプリケーションの内容が表示される領域内の座標への座標変換を適切に行うことが可能なコンピュータ装置、ストローク表示システム及びプログラムを提案することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点では、所定のアプリケーションを実行するコンピュータ装置は、当該コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得する画面解像度取得手段と、前記アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得するスライドサイズ取得手段と、前記アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する印刷設定情報取得手段と、前記画面解像度、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記用紙において前記アプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、前記表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める座標変換関数演算手段と、を備える。
【0008】
上記のコンピュータ装置は、例えばプレゼンテーション用のアプリケーションなどを実行する。画面解像度取得手段は、コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度(表示解像度)を取得し、スライドサイズ取得手段は、アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得し、印刷設定情報取得手段は、アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する。そして、座標変換関数演算手段は、画面解像度、スライドサイズ及び印刷設定情報に基づいて、用紙においてアプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。これにより、画面解像度やアプリケーション側で設定されたスライドサイズや用紙の印刷設定などに基づいて、用紙における第1領域内の座標値から、表示手段における第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を適切に求めることができる。
【0009】
上記のコンピュータ装置の一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記第1領域内に位置する2以上の点の第1座標値を求めると共に、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記第2領域内に位置すると共に、前記第1座標値の点に対応する場所に位置する2以上の点の第2座標値を求め、前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記座標変換関数を求める。この態様によれば、スライドサイズ及び印刷設定情報に基づいて、第1領域内に位置する第1座標値を適切に求めることができると共に、画面解像度及びスライドサイズに基づいて、第2領域内に位置する第2座標値を適切に求めることができ、これらの座標値を用いて座標変換関数を精度良く求めることができる。
【0010】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域である。
【0011】
好適には、前記印刷設定情報取得手段は、前記用紙の向きを示す情報と、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるかを示す情報と、前記用紙のサイズを示す情報と、を取得する。なお、ノート印刷とは、スライド及び当該スライドに対応するノートの内容を、用紙の上下に配置して印刷する印刷スタイルである。
【0012】
また好適には、前記座標変換関数演算手段は、前記印刷スタイルが前記スライド印刷である場合と、前記印刷スタイルが前記ノート印刷である場合とで、異なる方法によって前記第1座標値を求める。印刷スタイルがスライド印刷である場合とノート印刷である場合とで、用紙においてスライドの内容が印刷される第1領域の位置や大きさが異なるため、このように各印刷スタイルに適した方法を採ることで、処理負荷を抑えて適切に第1座標値を求めることができる。
【0013】
また好適には、複数の前記印刷設定情報の各々について、前記第1座標値を求めるために用いられる情報が記述された複数の設定ファイルを記憶する記憶手段を更に備え、前記座標変換関数演算手段は、複数の前記設定ファイルの中から、前記印刷設定情報取得手段が取得した前記印刷設定情報に対応する前記設定ファイルを選択し、選択した当該設定ファイルに記述された情報に基づいて前記第1座標値を求める。
【0014】
例えば、複数の前記設定ファイルにはそれぞれ、前記用紙の幅及び高さと、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷又は前記ノート印刷のどちらであるかと、前記ノート印刷である場合における前記第1領域の高さ及び幅の少なくともいずれか一方と、当該第1領域の中心座標と、が記述されている。そして、前記座標変換関数演算手段は、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズを前記第1領域のサイズとして用いて、当該スライドサイズ及び選択した前記設定ファイルに記述された前記用紙の幅及び高さに基づいて、前記第1座標値を求めることができ、また、前記座標変換関数演算手段は、前記用紙への印刷スタイルが前記ノート印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズから縦と横との比率を求め、当該比率及び選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の高さ及び幅の一方から、前記第1領域の高さ及び幅の他方を求め、当該第1領域の高さ及び幅、並びに選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の中心座標に基づいて、前記第1座標値を求めることができる。
【0015】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記座標変換関数演算手段は、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記スライドの内容全体が前記表示手段の表示範囲内に収まり且つ最大サイズになるように第2領域のサイズを調整したうえで、前記第2座標値を求める。つまり、座標変換関数演算手段は、スライドショーによってスライドの内容が全画面表示される場合の第2領域について、第2座標値を求めることができる。
【0016】
好適な例では、前記第1座標値は、前記第1領域の四隅の座標値であり、前記第2座標値は、前記第2領域の四隅の座標値である。
【0017】
また上記のコンピュータ装置において好適には、前記印刷設定情報をユーザに入力させるための設定画面を表示する手段を更に備え、前記印刷設定情報取得手段は、ユーザが前記設定画面に入力した前記印刷設定情報を取得する。
【0018】
本発明の他の観点では、上記コンピュータ装置と、前記アプリケーションの内容を前記用紙に印刷すると共に、当該用紙上にコード化パターンを印刷するプリンタと、前記用紙上に印刷された前記コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、を備えるストローク表示システムにおいて、前記コンピュータ装置は、前記電子ペンから受信した前記記入情報及び前記座標変換関数演算手段が求めた前記座標変換関数に基づいて、当該記入情報に対応する前記手書きストロークを表すストローク画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段を有する。
【0019】
上記のストローク表示システムによれば、電子ペンによって手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応する表示手段上の位置に、適切に手書きストロークを表示させることが可能となる。具体的には、用紙の印刷設定や表示手段の画面解像度などの種々の設定の違いに影響を受けることなく、手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応する表示手段上の適切な位置に、手書きストロークを表示させることが可能となる。
【0020】
上記のストローク表示システムの一態様では、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを文字認識することで得られる文字情報に対応する文字画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該文字画像を表示させる。この態様は、プレゼンテーション用のアプリケーションでは、ノートとして、文字のみを取り扱うことを想定したものである。この態様によれば、用紙においてノートの内容が印刷された領域に手書きストロークとして文字が記入された場合に、当該手書きストロークを文字認識することで得られた文字を適切に表示させることができる。
【0021】
上記のストローク表示システムの他の一態様では、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該ストローク画像を表示させる。この態様は、プレゼンテーション用のアプリケーションでは、ノートとして、文字だけでなく図形なども取り扱うことを考慮したものである。この態様によれば、用紙においてノートの内容が印刷された領域に手書きストロークとして図形が記入された場合にも、そのような手書きストロークを適切に表示させることができる。
【0022】
本発明の更に他の観点では、所定のアプリケーションを実行するコンピュータ装置によって実行されるプログラムは、当該コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得する画面解像度取得手段、前記アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得するスライドサイズ取得手段、前記アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する印刷設定情報取得手段、前記画面解像度、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記用紙において前記アプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、前記表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める座標変換関数演算手段、として前記コンピュータ装置を機能させる。
【0023】
上記のプログラムの一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記第1領域内に位置する2以上の点の第1座標値を求めると共に、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記第2領域内に位置すると共に、前記第1座標値の点に対応する場所に位置する2以上の点の第2座標値を求め、
前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記座標変換関数を求める。
【0024】
上記のプログラムの他の一態様では、プレゼンテーション用の前記アプリケーションは、スライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域である。
【0025】
上記のプログラムの他の一態様では、前記印刷設定情報取得手段は、前記用紙の向きを示す情報と、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるかを示す情報と、前記用紙のサイズを示す情報と、を取得する。
【0026】
上記のプログラムの他の一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記印刷スタイルが前記スライド印刷である場合と、前記印刷スタイルが前記ノート印刷である場合とで、異なる方法によって前記第1座標値を求める。
【0027】
上記のプログラムの他の一態様では、複数の前記印刷設定情報の各々について、前記第1座標値を求めるために用いられる情報が記述された複数の設定ファイルを記憶する記憶手段として前記コンピュータ装置を更に機能させ、前記座標変換関数演算手段は、複数の前記設定ファイルの中から、前記印刷設定情報取得手段が取得した前記印刷設定情報に対応する前記設定ファイルを選択し、選択した当該設定ファイルに記述された情報に基づいて前記第1座標値を求める。
【0028】
上記のプログラムの他の一態様では、複数の前記設定ファイルにはそれぞれ、前記用紙の幅及び高さと、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド又は前記ノート印刷のどちらであるかと、前記ノート印刷である場合における前記第1領域の高さ及び幅の少なくともいずれか一方と、当該第1領域の中心座標と、が記述されている。
【0029】
上記のプログラムの他の一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズを前記第1領域のサイズとして用いて、当該スライドサイズ及び選択した前記設定ファイルに記述された前記用紙の幅及び高さに基づいて、前記第1座標値を求め、前記用紙への印刷スタイルが前記ノート印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズから縦と横との比率を求め、当該比率及び選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の高さ及び幅の一方から、前記第1領域の高さ及び幅の他方を求め、前記第1領域の高さ及び幅、並びに選択した前記設定ファイルに設定された前記第1領域の中心座標に基づいて、前記第1座標値を求める。
【0030】
上記のプログラムの他の一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記スライドの内容全体が前記表示手段の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように前記第2領域のサイズを調整したうえで、前記第2座標値を求める。
【0031】
上記のプログラムの他の一態様では、前記第1座標値は、前記第1領域の四隅の座標値であり、前記第2座標値は、前記第2領域の四隅の座標値である。
【0032】
上記のプログラムの他の一態様では、前記印刷設定情報をユーザに入力させるための設定画面を表示する手段として前記コンピュータ装置を更に機能させ、前記印刷設定情報取得手段は、ユーザが前記設定画面に入力した前記印刷設定情報を取得する。
【0033】
これらのプログラムを実行することにより、上記のコンピュータ装置を実現することができる。
【0034】
本発明の更に他の観点では、上記コンピュータ装置と、前記アプリケーションの内容を前記用紙に印刷すると共に、当該用紙上にコード化パターンを印刷するプリンタと、前記用紙上に印刷された前記コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、を備えるストローク表示システムにおいて、前記コンピュータ装置により実行されるプログラムは、前記電子ペンから受信した前記記入情報及び前記座標変換関数演算手段が求めた前記座標変換関数に基づいて、当該記入情報に対応する前記手書きストロークを表すストローク画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段、として前記コンピュータ装置を機能させる。
【0035】
上記のプログラムの他の一態様では、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、前記表示制御手段は、前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを文字認識することで得られる文字情報に対応する文字画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該文字画像を表示させる。
【0036】
上記のプログラムの他の一態様では、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、前記表示制御手段は、前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該ストローク画像を表示させる。
【0037】
これらのプログラムを実行することにより、上記のストローク表示システムを実現することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、ディスプレイ(表示手段)の画面解像度や、アプリケーションファイルに設定されたスライドサイズや、アプリケーションファイルが印刷された用紙に関する印刷設定などに基づいて、用紙における第1領域内の座標値から、表示手段における第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を適切に求めることができる。よって、電子ペンによって手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応する表示手段上の位置に、適切に手書きストロークに対応するストローク画像を表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態におけるストローク表示システムのシステム構成図である。
【図2】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図3】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図4】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図5】他の電子ペンの構造を示す概略図である。
【図6】スクリーンの断面構造を示す図である。
【図7】コンピュータ装置の機能ブロック図である。
【図8】専用アプリケーションでパワーポイントのファイルを開くために行われる操作の一例を示す図である。
【図9】専用アプリケーションでパワーポイントのファイルを開くために行われる操作の他の例を示す図である。
【図10】印刷設定画面の一例を示す図である。
【図11】動作設定ファイルの一例を示す図である。
【図12】スライド印刷された場合の、第1スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明するための図を示す。
【図13】スライド印刷された用紙に手書きストロークが記入された際に表示される画面例を示す。
【図14】ノート印刷された場合の、第1スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明するための図を示す。
【図15】ノート印刷された用紙に手書きストロークが記入された際に表示される画面例を示す。
【図16】第2スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明するための図を示す。
【図17】本実施形態における座標変換関数演算処理を示すフローチャートである。
【図18】変形例1におけるストローク表示システムのシステム構成図である。
【図19】DOLの断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0041】
[ストローク表示システムの構成]
図1は、本実施形態に係るストローク表示システムの構成を示す。図1に示すように、ストローク表示システムは、ユーザが使用する電子ペン1A、1B(1)と、電子ペン1から記入情報等を受信して処理するコンピュータ装置2と、コンピュータ装置2からの印刷指示(出力命令)に従って用紙6を印刷するプリンタ3と、コンピュータ装置2のディスプレイに表示する画像と同様の画像をスクリーン5に映し出すプロジェクタ4と、を有する。
【0042】
コンピュータ装置2は、プレゼンテーション用のアプリケーション(プレゼンアプリ)のプログラムがインストールされており、プレゼンアプリを実行する。詳しくは、コンピュータ装置2は、マイクロソフト社のパワーポイント(登録商標)のプログラムがインストールされている。コンピュータ装置2から、ユーザがパワーポイントにて作成したファイルの内容を印刷するための印刷指示をプリンタ3に出力することで、プリンタ3は、当該内容を用紙6に印刷する。また、コンピュータ装置2から、用紙6上に位置座標をコード化したドットパターンを印刷するための印刷指示をプリンタ3に出力することで、プリンタ3は、ドットパターンを用紙6に印刷する。ドットパターンは、電子ペン1により読み取ることができるように赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより用紙6に印刷される。他方で、パワーポイントにて作成したファイル(以下、単に「PPTファイル」とも呼ぶ。)の内容は、電子ペン1によるドットパターンの読み取りを阻害しないよう、赤外域に吸収性を持たないインキにより用紙6に印刷される。このようなドットパターンは、スクリーン5の表面にも形成されている。但し、用紙6とスクリーン5とでは、異なるドットパターン(言い換えるとユニークなドットパターン)が形成されている。なお、本実施形態では、ドットパターンは、アノト方式のものによるが、他のコード化パターンを用いても良い。
【0043】
また、コンピュータ装置2は、電子ペン1から手書きストロークに関する記入情報等を受信して種々の処理を行う。具体的には、コンピュータ装置2は、電子ペン1によって記入された手書きストロークに対応する画像を表示させたり記憶させたり、電子ペン1による記入に応じてアプリケーションの操作を行ったりすることが可能なプレゼンテーション用のアプリケーション(以下、「専用アプリ(専用アプリケーション)」と呼ぶ。)のプログラムがインストールされており、専用アプリを実行する。コンピュータ装置2は、上記したパワーポイントのファイルを専用アプリで開くことで、当該ファイルに応じたプレゼンテーション(つまりスライドショー)を実行することができる。コンピュータ装置2は、専用アプリによるプレゼンテーションの実行中において、ユーザが電子ペン1Aによって用紙6に記入した手書きストロークに対応する画像を、ディスプレイに表示させると共にプロジェクタ4を介してスクリーン5に映し出す。また、コンピュータ装置2は、専用アプリによるプレゼンテーションの実行中において、ユーザが電子ペン1Bによってスクリーン5に記入した手書きストロークに対応する画像を、ディスプレイに表示させる。
【0044】
更に、コンピュータ装置2は、上記したように専用アプリでPPTファイルを開くときに、ディスプレイの画面解像度や用紙6の印刷設定などに応じて、用紙6においてスライドの内容が印刷された領域内の座標から、ディスプレイにおいてスライドの内容が表示される領域内の座標へ座標変換するための座標変換関数を求める処理を行う(この処理の詳細は後述する)。そして、コンピュータ装置2は、ユーザが電子ペン1Aによって用紙6に手書きストロークを記入した場合に、求めた座標変換関数及び電子ペン1から受信した記入情報に基づいて、手書きストロークに対応する画像をディスプレイに表示させる。つまり、コンピュータ装置2は、座標変換関数に基づいて座標変換を行うことで、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応するディスプレイ上の位置に、手書きストロークに対応する画像を表示させる。
【0045】
[ドットパターン]
図2及び図3を参照して、スクリーン5及び用紙6に形成されたアノト方式のドットパターンについて説明する。図2は、スクリーン5及び用紙6に形成されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図2に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組み合わせにより、スクリーン5及び用紙6上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0046】
図3(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図3(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、スクリーン5上及び1枚以上の用紙6上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがスクリーン5及び用紙6上のどの位置にあるのか)を保持している。図3(b)は、図3(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図2に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0047】
[電子ペン]
次に、電子ペン1について図4及び図5を用いて説明する。図4は、電子ペン1Aの構造を示す概略図である。電子ペン1Aは、用紙6に手書きストロークを記入するためにユーザによって使用される。図4に示すように、電子ペン1Aは、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104A、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。インクカートリッジ104Aの先端はペン先部103となっており、ユーザは、電子ペン1Aのペン先部103を用紙6に当接させて、ストローク(手書きストローク)を記入する。ここで、電子ペン1Aのペン先部103が用紙6に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1Aのペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。
【0048】
バッテリー112は電子ペン1A内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1Aのキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1A自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1Aにより用紙6に文字やマークを書いたりタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104Aを通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0049】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、ユーザが電子ペン1Aにより用紙6に文字など書いたりすると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報PDと、後述するペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。また、ユーザが1つのストロークを記入し終えて電子ペン1Aを用紙6から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。
【0050】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1Aのペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、用紙6上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103が用紙6に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、用紙6に印刷されたドットのインク素材(具体的にはカーボン)は赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。よって、CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、用紙6に文字や枠線などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図3(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0051】
プロセッサ108は、ユーザの記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、ユーザが記入するストローク(筆跡)の用紙6上におけるX、Y座標(以後、単に「位置座標」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図3(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図3(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1Aの角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算の際、その機能を発揮させる。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、用紙6における6×6のドットパターンは、用紙6内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1Aで文字等を記入すると、記入された位置が用紙6のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
【0052】
メモリ109には、電子ペン1Aを識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1Aのペンダウンからペンアップまでの間に生成されてコンピュータ装置2に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、コンピュータ装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、コンピュータ装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。このように、ユーザの一つのストロークの記入により、電子ペン1Aによって生成される座標属性情報の集合を「ストローク情報」と呼ぶ。
【0053】
図5は、電子ペン1Bの構造を示す概略図である。電子ペン1Bは、スクリーン5に手書きストロークを記入するためにユーザによって使用される。図5に示すように、電子ペン1Bは、インクカートリッジ104Aの代わりに、インクカートリッジを有しないペン部104Bを具備する点で、電子ペン1Aと異なる。それ以外の構成要素は、電子ペン1Aと同様である。基本的には、電子ペン1Bは、電子ペン1Aで説明した機能と同様の機能を有する。よって、電子ペン1Bの詳細な説明は省略する。
【0054】
[スクリーン]
次に、図6を参照して、スクリーン5について説明する。図6は、スクリーン5の断面構造を示す。図6に示すように、スクリーン5は、例えば樹脂などにより構成された基板51上にドット52が形成され、さらに透明なEB硬化樹脂などの保護層53で保護された層構成を有している。
【0055】
[コンピュータ装置]
次に、コンピュータ装置2について説明する。コンピュータ装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等で構成されるパーソナルコンピュータ等で構成される。図7は、コンピュータ装置2の機能ブロック図である。コンピュータ装置2は、機能的には、入力手段21、受信手段22、処理手段24、記憶手段25、表示手段26、画像出力手段27及び印刷出力手段28を備える。
【0056】
受信手段22は、アンテナ受信回路等により構成され、電子ペン1(1A、1B)から記入情報を受信し、処理手段24に伝送する。画像出力手段27は、処理手段24の指示による画像信号をプロジェクタ4に送信する。印刷出力手段28は、処理手段24の指示による資料6の印刷指示(出力命令)をプリンタ3に送信する。なお、プリンタ3及び/又はプロジェクタ4へのデータ送信方式は、有線式であっても無線式であってもよい。表示手段26は、ディスプレイ等によって構成され、処理手段24によって指示された内容を表示する(なお、本明細書では、表示手段26のことを適宜「ディスプレイ」と表記する)。
【0057】
記憶手段25は、ハードディスクやROM、RAMといったメモリによって構成される。記憶手段25は、処理手段24の処理命令により、電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶し、さらに、処理手段24の指示により、記憶領域を確保して、ペンダウンからペンアップまでの記入情報に含まれる座標属性情報をストローク情報としてペンID毎に記憶する。また、記憶手段25は、予め、パワーポイント及び専用アプリ(専用アプリケーション)などのアプリケーションプログラムや、これらのアプリケーションで利用する各種情報などを記憶している。
【0058】
また、記憶手段25は、用紙6においてパワーポイントのスライドの内容が印刷される第1領域(以下、「第1スライド領域」と呼ぶ。)の四隅の座標値(第1座標値)を求めるために必要な情報が記述された、複数の動作設定ファイルを記憶している。詳しくは、各々の動作設定ファイルには、PPTファイルが用紙6にどのように印刷されたかに関する情報(印刷設定情報)に応じて、用紙6の幅及び高さや、用紙の印刷スタイルがスライド及びノートである場合における第1スライド領域の中心座標及び高さなどの組合せが記述されている。
【0059】
処理手段24は、CPU等のプロセッサによって構成され、コンピュータ装置2の全体の制御を行う。具体的には、処理手段24は、画面解像度取得手段241と、スライドサイズ取得手段242と、印刷設定情報取得手段243と、座標変換関数演算手段244と、表示制御手段245と、を備える。
【0060】
画面解像度取得手段241は、専用アプリでPPTファイルを開くときに、OS(オペレーティングシステム)のディスプレイ設定を取得する関数より、表示手段26に設定された画面解像度(表示解像度)を取得する。なお、画面解像度は、表示に用いられる総画素数に対応し、表示手段26の物理的な解像度(像を分解しうる程度を示すもの)を意味するわけではない。例えば、画面解像度は「1024×768ピクセル」などである。なお、画面解像度取得手段241は、専用アプリが起動するときに、画面解像度を取得することとしてもよい。
【0061】
スライドサイズ取得手段242は、専用アプリでPPTファイル(パワーポイントのファイル)を開くときに、PPTファイルに設定されたスライドサイズを取得して、ピクセルの単位に換算する。具体的には、画面解像度取得手段241は、ファイルに設定されたスライドサイズの縦の長さ及び横の長さ(以下では、これらの長さをそれぞれ「tate」及び「yoko」と適宜表記する。)を、PPTファイルのプロパティ情報から取得して、ピクセルの単位に換算する。このような「tate」及び「yoko」は、パワーポイントのアプリケーション側で設定されているパラメータであって、通常は画面表示を考慮して、印刷する用紙6のサイズより小さく且つ一般的なディスプレイの縦横比と一致するように、「tate」及び「yoko」のサイズが設定されている。
【0062】
印刷設定情報取得手段243は、専用アプリでPPTファイルを開くときに、ユーザが入力手段21を用いて印刷設定情報を入力するための設定画面を表示して、入力された印刷設定情報を取得する。印刷設定情報は、ユーザがパワーポイントで作成したファイルの内容が用紙6にどのように印刷されたかに関する情報に対応する(当該印刷はパワーポイントのアプリケーションで行われたものである)。具体的には、印刷設定情報は、印刷した用紙6の向き(縦又は横)と、用紙6への印刷スタイルがスライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、それとも用紙6への印刷スタイルがスライドの内容及び当該スライドに対応するノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるか(ノート印刷では、スライドの内容及びノートの内容を、用紙の上下に配置して印刷する。)を示す情報と、印刷した用紙6のサイズ(A4やA3やB5など)とを含む。ユーザは、印刷設定情報取得手段243が表示制御手段245を介して表示手段26に表示させた設定画面(以下、「印刷設定画面」と呼ぶ。)に対して、マウスやキーボードなどの入力手段21を操作することで、このような印刷設定情報を入力する。
【0063】
座標変換関数演算手段244は、用紙6においてスライドの内容が印刷された第1スライド領域内の座標値(第1座標値)から、表示手段26においてスライドの内容が表示される第2領域(以下、「第2スライド領域」と呼ぶ。)内の座標値(第2座標値)へ座標変換するための座標変換関数を求める。具体的には、座標変換関数演算手段244は、専用アプリでPPTファイルを開くときに、画面解像度取得手段241が取得した画面解像度と、スライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズと、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報とに基づいて、座標変換関数を求める。詳しくは、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ及び印刷設定情報に基づいて第1スライド領域の四隅の座標値を求めると共に、画面解像度及びスライドサイズに基づいて第2スライド領域の四隅の座標値を求め、これらの四隅の座標値に基づいて座標変換関数を求める。より詳細には、座標変換関数演算手段244は、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択し、選択した動作設定ファイルに記述された情報を用いて、第1スライド領域の四隅の座標値を求める。また、座標変換関数演算手段244は、画面解像度及びスライドサイズに基づいて、スライドの内容全体が表示手段26の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように第2スライド領域のサイズを調整したうえで、第2スライド領域の四隅の座標値を求める。
【0064】
表示制御手段245は、印刷設定情報取得手段243の指示によって、ユーザに印刷設定情報を入力させるための印刷設定画面を表示手段26に表示させる。また、表示制御手段245は、専用アプリでPPTファイルを開いてスライドショーを実行している間、受信手段22が電子ペンから受信した記入情報に対応する手書きストロークを、座標変換関数演算手段244が求めた座標変換関数に基づいて、表示手段26にストローク画像として表示させる。つまり、表示制御手段245は、座標変換関数に基づいて座標変換を行うことで、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の位置に、手書きストロークに対応するストローク画像を表示させる。より詳しくは、表示制御手段245は、用紙6の第1スライド領域に手書きストロークが記入された場合には、表示手段26の第2スライド領域の対応する位置にストローク画像を表示させる。他方で、表示制御手段245は、ノート印刷が行われた場合において、用紙6においてノートの内容が印刷された領域(以下、「第1ノート領域」と呼ぶ。)に手書きストロークが記入された場合には、表示手段26においてノートの内容が表示された領域(以下、「第2ノート領域」と呼ぶ。)に、手書きストロークを文字認識することで得られた文字情報に対応する文字画像を表示させる。この場合、表示制御手段245は、文字認識することで得られた文字を、所定のフォントで表示させる。
【0065】
[座標変換関数演算方法]
次に、本実施形態における座標変換関数演算方法について説明する。ここで、本実施形態における座標変換関数演算方法の流れを簡単に説明する。なお、座標変換関数演算は、コンピュータ装置2の処理手段24が専用アプリケーションを実行することで実現される。また、予め、PPTファイルの内容を用紙6に印刷しているものとする。つまり、座標変換関数演算が行われる際に、PPTファイルの内容を印刷した用紙6が用意されているものとする。
【0066】
まず、ユーザの操作によって専用アプリでPPTファイルを開くための操作が行われた際に、画面解像度取得手段241が、表示手段26に設定された画面解像度を取得すると共に、スライドサイズ取得手段242が、PPTファイルに設定されたスライドサイズを取得する。これと同時に、印刷設定情報取得手段243の指示によって、表示制御手段245が、印刷設定画面を表示手段26に表示させる。そして、印刷設定情報取得手段243が、ユーザが印刷設定画面を用いて入力した印刷設定情報を取得する。
【0067】
この後、座標変換関数演算手段244が、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択し、選択した動作設定ファイルに記述された情報及びスライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズに基づいて、用紙6においてスライドの内容が印刷された第1スライド領域の四隅の座標値を求める。この場合、座標変換関数演算手段244は、用紙6がスライド印刷された場合とノート印刷された場合とで、異なる方法によって、第1スライド領域の四隅の座標値を求める。また、座標変換関数演算手段244は、画面解像度取得手段241が取得した画面解像度及びスライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズに基づいて、表示手段26においてスライドの内容が表示された第2スライド領域の四隅の座標値を求める。そして、座標変換関数演算手段244は、こうして求めた第1スライド領域の四隅の座標値及び第2スライド領域の四隅の座標値に基づいて、第1スライド領域内の座標値から第2スライド領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。
【0068】
以下では、図8乃至図16を参照して、本実施形態における座標変換関数演算方法について具体的に説明する。
【0069】
図8は、専用アプリでPPTファイルを開くために行われる操作の一例を示す図である。ここでは、専用アプリが既に起動している場合を例に挙げる。この場合には、専用アプリで使用される種々の操作ボタン(アイコン)を有するツールボックス202が表示される。ツールボックス202は、専用アプリでファイルを開くためのファイル挿入エリア202A(言い換えるとコントロールエリア)を有する。このようなファイル挿入エリア202Aに、ユーザがマウスなどの入力手段21を用いて、PPTファイル201をドラッグ&ドロップすると、専用アプリでPPTファイルを開くための処理が開始される。具体的には、画面解像度取得手段241が、OSのディスプレイ設定を取得する関数より、表示手段26に設定された画面解像度を取得する。これと同時に、スライドサイズ取得手段242が、PPTファイルに設定されたスライドサイズ(tate及びyoko)を取得する。
【0070】
図9は、専用アプリでPPTファイルを開くために行われる操作の他の例を示す図である。ここでは、専用アプリが起動していない場合を例に挙げる。図9に示すように、デスクトップ上に、PPTファイルのアイコン201と、専用アプリの実行ファイルのアイコン203とが表示されているものとする。この場合、専用アプリの実行ファイルのアイコン203に、ユーザがマウスなどの入力手段21を用いて、PPTファイルのアイコン201をドラッグ&ドロップすると、専用アプリが起動されると共に、専用アプリでPPTファイルを開くための処理が開始される。この処理の内容は、図8の説明で述べた処理と同様である。
【0071】
図10は、印刷設定画面の一例を示す図である。図10に示すように、印刷設定画面300は、印刷した用紙6の向き(縦又は横)を選択するためのラジオボタンのグループを表示した選択エリア301と、用紙6に印刷した対象(スライド又はノート)を選択するためのラジオボタンのグループを表示した選択エリア302と、印刷した用紙6のサイズ(A4やA3やB5など)を選択するためのリストボックスを表示した選択エリア303と、OKボタン304と、キャンセルボタン305とを有する。印刷設定画面300は、上記のように専用アプリでPPTファイルを開くための操作が行われた際に、表示制御手段245によってポップアップ表示される。ユーザは、このような印刷設定画面300に表示された選択エリア301〜303に対して、マウスなどの入力手段21を操作することで、印刷した用紙6の向きと、用紙6への印刷スタイル(つまりスライド印刷及びノート印刷のいずれを行ったか)と、印刷した用紙6のサイズとを選択する。この場合、ユーザは、PPTファイルの内容を用紙6に印刷させたときの印刷設定を選択するものとする。
【0072】
そして、上記のような選択の完了後に、ユーザがOKボタン304をマウス操作により押下すると、当該選択の内容が確定されて、印刷設定情報取得手段243が、ユーザが印刷設定画面300に表示された選択肢より選択した印刷設定情報を取得する。この後、座標変換関数演算手段244が、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択する。他方で、ユーザがキャンセルボタン305をマウス操作により押下した場合には、当該選択の内容がキャンセルされて、印刷設定情報取得手段243は印刷設定情報を取得しない。この場合には、処理手段24はPPTファイルを開かずに、処理を終了する。なお、専用アプリにエラーメッセージを表示してから処理を終了するように構成しても良い。
【0073】
図11は、動作設定ファイルに含まれるパラメータの種類の一例を示す図である。図11に示すように、動作設定ファイルには、用紙6のサイズを示す「sheetsize」と、用紙6の幅を示す「sheetwidth」と、用紙6の高さを示す「sheetheight」と、用紙6の向きを示す「sheetdirection」と、用紙6への印刷スタイルを示す「printstyle」と、ノート印刷した場合の第1スライド領域の中心点のX座標を示す「slidecenterX」と、ノート印刷した場合の第1スライド領域の中心点のY座標を示す「slidecenterY」と、ノート印刷した場合の第1スライド領域の高さを示す「slideheight」といった設定に用いられる各情報の値(変数)が記述される。
【0074】
「sheetsize」は、例えばA4やA3やB5などの印刷用紙(用紙)の定型サイズである。「sheetdirection」は、用紙6の向きが縦であれば「0」で記述され、用紙6の向きが横であれば「1」で記述される。「printstyle」は、用紙6への印刷スタイルがスライド印刷である場合には「0」で記述され、用紙6への印刷スタイルがノート印刷である場合には「1」で記述される。これらの「sheetsize」、「sheetdirection」及び「printstyle」は上記した印刷設定情報に対応するものである。
【0075】
動作設定ファイルは、「sheetsize」、「sheetdirection」及び「printstyle」の値の組み合わせに応じた数だけ規定できるが、よく使われる値の組み合わせで数種類のみ規定することとしてもよい。また、動作設定ファイルには、「sheetsize」、「sheetdirection」及び「printstyle」の値に応じて、「sheetwidth」、「sheetheight」、「slidecenterX」、「slidecenterY」、「slideheight」のそれぞれの値が記述される。
【0076】
ここで、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」は、「printstyle」が「1」(つまりノート印刷)である場合のみ、動作設定ファイルに記述されている。言い換えると、「printstyle」が「0」(つまりスライド印刷)である場合には、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」は、動作設定ファイルに記述されない(ブランクとなっている)。こうしているのは、スライド印刷した場合には、第1スライド領域の中心座標が用紙6の中心座標と一致するため、「slidecenterX」及び「slidecenterY」が自明であり、また、第1スライド領域の高さが上記したPPTファイルに設定されたスライドサイズの「tate」に一致するため、「slideheight」が自明であるからである。
【0077】
本実施形態では「sheetwidth」、「sheetheight」、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」を「ピクセル(pixel)」の単位にて記述する例を示すが、「ピクセル」の代わりに「mm(ミリメートル)」の単位にて記述しても良い。後者の場合、スライドサイズ取得手段242は、取得した「tate」及び「yoko」を、mmの単位に換算する。また、本実施形態では、「1ピクセル」を「0.3mm」と換算する。なお、上記したようなパラメータを動作設定ファイルとして記述することに限定はされず、第1スライド領域の四隅の座標値を求めるために用いることができる情報であれば、下記するようなパラメータ以外のパラメータを動作設定ファイルとして記述しても良い。例えば、ノート印刷した場合の第1スライド領域の高さを示す「slideheight」の代わりに、ノート印刷した場合の第1スライド領域の幅を示すパラメータを、動作設定ファイルとして記述しても良い。
【0078】
具体的には、「sheetwidth」及び「sheetheight」としては、「sheetsize」及び「sheetdirection」の値に応じて一義的に定まる用紙6の幅及び高さが、「ピクセル」の単位にて記述される。1つの例では、「sheetsize」がA4で、且つ「sheetdirection」が「0」(つまり用紙6の向きが縦)である場合には、A4用紙の縦横のサイズから換算して、「sheetwidth」は「700(ピクセル)」であり、「sheetheight」は「990(ピクセル)」である。
【0079】
他方で、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」は、種々の用紙6のサイズ及び向きにて、PPTファイルの内容を実際にノート印刷した場合の、第1スライド領域の中心座標及び高さを計測して得た平均値をピクセルの単位に換算した値である。1つの例では、「sheetsize」がA4で、且つ「sheetdirection」が「0」(つまり用紙6の向きが縦)である場合には、「slidecenterX」は「350(ピクセル)」であり、「slidecenterY」は「280(ピクセル)」に設定されており、「slideheight」は「355(ピクセル)」に設定されている。
【0080】
座標変換関数演算手段244は、このような複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択する。つまり、座標変換関数演算手段244は、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、取得した印刷設定情報に対応する「sheetsize」、「sheetdirection」及び「printstyle」の値を有する動作設定ファイルを選択する。そして、座標変換関数演算手段244は、選択した動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」、「sheetheight」、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」などに基づいて、用紙6においてスライドの内容が印刷された第1スライド領域の四隅の座標値を求める。この場合、座標変換関数演算手段244は、スライド印刷された場合とノート印刷された場合とで、異なる方法によって、第1スライド領域の四隅の座標値を求める。
【0081】
まず、図12を参照して、スライド印刷された場合の、第1スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明する。図12(a)はスライド印刷された用紙6を示し、図12(b)はコンピュータ装置2を示す。ここでは、図12(a)に示すように、用紙6が横向きでスライド印刷された場合を例示する。また、図12(b)に示すように、コンピュータ装置2の表示手段26における第2スライド領域2Aの高さ及び幅の比は、PPTファイルに設定されたスライドサイズの「tate」及び「yoko」の比と一致しており、表示手段26にはスライドの内容が全画面表示されるものとする。
【0082】
図12(a)に示すように、用紙6の幅及び高さは、動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」及び「sheetheight」と一致する。また、スライド印刷した場合には、用紙6における第1スライド領域6Aの幅及び高さ(「slidewidth」及び「slideheight」)は、PPTファイルに設定されたスライドサイズの「yoko」及び「tate」と一致する。そのため、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「yoko」及び「tate」(これらは、ピクセルの単位に換算した値とする)と、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」及び「sheetheight」とに基づいて、用紙6における第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を求める。
【0083】
具体的には、用紙6の左上の隅を原点とすると、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Aの左上の隅に位置する点A1のX座標を「(sheetwidth−yoko)/2」より求め、点A1のY座標を「(sheetheight−tate)/2」より求める。また、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Aの右上の隅に位置する点A2のX座標を、点A1のX座標に「yoko」を加算することで求め、点A2のY座標については、点A1のY座標を用いる。そして、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Aの右下の隅に位置する点A3のX座標については、点A2のX座標を用い、点A3のY座標については、点A2のY座標に「tate」を加算することで求め、第1スライド領域6Aの左下の隅に位置する点A4のX座標については、点A1のX座標を用い、点A4のY座標については、点A3のY座標を用いる。
【0084】
この後、詳細は後述するが、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「yoko」及び「tate」並びに画面解像度取得手段241が取得した画像解像度に基づいて、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅A1’〜A4’の座標値(第2座標値)を求める。そして、座標変換関数演算手段244は、用紙6における第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を、それぞれ、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅A1’〜A4’の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。
【0085】
なお、上記したような第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を求める方法は一例であり、他にも種々の方法を用いることができる。例えば、用紙6の中心点6Aaの座標値(sheetwidth/2、sheetheight/2)並びに第1スライド領域6Aの幅及び高さを用いて、第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を求める方法がある。
【0086】
図13は、スライド印刷された用紙6に電子ペン1Aによって手書きストロークが記入された際に表示されるコンピュータ装置2の画面例を示す。具体的には、上記したようにしてスライド印刷された用紙6について求められた座標変換関数を用いて、手書きストロークに対応するストローク画像を表示させる場合を例示する。図13(a)はスライド印刷された用紙6を示し、図13(b)はコンピュータ装置2を示す。図13(b)は、専用アプリでPPTファイルを開いた場合に、表示手段26に表示される画面例を示している。つまり、専用アプリでスライドショーが行われた際のある時点での表示画面例を示している。この場合、表示手段26には、PPTファイルにおけるスライドの内容が全画面表示されることとする。つまり、表示手段26の画面全体が第2スライド領域2Aとなる。
【0087】
図13(a)に示すように電子ペン1Aによって用紙6の第1スライド領域6Aに手書きストロークが記入された場合、表示制御手段245は、図13(b)中の矢印400で示すように、表示手段26の第2スライド領域2Aに当該手書きストロークに対応するストローク画像を表示する。具体的には、表示制御手段245は、受信手段22によって電子ペン1から逐次受信する記入情報に含まれる座標データに基づいて、第1スライド領域6Aに記入された手書きストロークを構成する複数の座標点のそれぞれを、座標変換関数演算手段244が求めた座標変換関数によって座標変換し、座標変換によって得られた複数の座標点から構成されるストロークの画像を描画し、描画したストローク画像を第2スライド領域2Aに表示する。これにより、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の適切な位置に、手書きストロークに対応するストローク画像が表示されることとなる。
【0088】
次に、図14を参照して、ノート印刷された場合の、第1スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明する。図14(a)はノート印刷された用紙6を示し、図14(b)はコンピュータ装置2を示す。ここでは、図14(a)に示すように、用紙6が縦向きでノート印刷された場合を例示する。このようにノート印刷された場合には、スライドの内容が印刷された第1スライド領域6Bの下方に、ノートの内容が印刷された第1ノート領域6Cが位置する。また、図14(b)に示すように、コンピュータ装置2の表示手段26における第2スライド領域2Aの高さ及び幅の比率は、PPTファイルに設定されたスライドサイズの「tate」及び「yoko」の比率と一致しており、表示手段26にはスライドの内容が全画面表示されるものとする。なお、図14(b)では、説明の便宜上、ノートの内容が表示される第2ノート領域を図示していない。
【0089】
図14(a)に示すように、用紙6の幅及び高さは、動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」及び「sheetheight」と一致する。また、ノート印刷した場合には、用紙6における第1スライド領域6Bの中心点6BaのX座標及びY座標は、動作設定ファイルに記述された「slidecenterX」及び「slidecenterY」と一致し、第1スライド領域6Bの高さは、動作設定ファイルに記述された「slideheight」と一致する。ここで、ノート印刷した場合には、基本的には、第1スライド領域6Bの幅及び高さは、PPTファイルに設定されたスライドサイズの「yoko」及び「tate」の比を保って縮小されたサイズとなっている。そのため、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「yoko」及び「tate」と、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」、「sheetheight」、「slidecenterY」及び「slideheight」とに基づいて、用紙6における第1スライド領域6Bの四隅B1〜B4の座標値を求める。
【0090】
具体的には、座標変換関数演算手段244は、まず、第1スライド領域6Bの高さに対する幅の比率(以下、単に「比率」ともいう)を「yoko/tate」より求める。そして、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Bの幅(以下、適宜「slidewidth」と表記する。)を、「slideheight×比率」より求める。この後、用紙6の左上の隅を原点とすると、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Bの左上の隅に位置する点B1のX座標を「(sheetwidth−slidewidth)/2」より求め、点B1のY座標を「slidecenterY−slideheight/2」より求める。また、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Bの右上の隅に位置する点B1のX座標を、点B1のX座標に「slidewidth」を加算することで求め、点B2のY座標については、点B1のY座標を用いる。そして、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Bの右下の隅に位置する点B3のX座標については、点B2のX座標を用い、点B3のY座標については、点B2のY座標に「slideheight」を加算することで求め、第1スライド領域6Bの左下の隅に位置する点B4のX座標については点B1のX座標を用い、点B4のY座標については点B3のY座標を用いる。
【0091】
この後、詳細は後述するが、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「yoko」及び「tate」並びに画面解像度取得手段241が取得した画像解像度に基づいて、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅B1’〜B4’の座標値(第2座標値)を求める。そして、座標変換関数演算手段244は、用紙6における第1スライド領域6Bの四隅B1〜B4の座標値を、それぞれ、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅B1’〜B4’の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。
【0092】
なお、スライド印刷された場合の第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を求める方法の場合と同様に、上記したような第1スライド領域6Bの四隅B1〜B4の座標値を求める方法は一例であり、他にも種々の方法を用いることができる。
【0093】
図15は、ノート印刷された用紙6に電子ペン1Aによって手書きストロークが記入された際に表示されるコンピュータ装置2の画面例を示す。具体的には、上記したようにしてノート印刷された用紙6について求められた座標変換関数を用いて、手書きストロークに対応するストローク画像を表示させる場合を例示する。図15(a)はノート印刷された用紙6を示し、図15(b)はコンピュータ装置2を示す。図15(b)は、専用アプリでPPTファイルを開いた場合に、表示手段26に表示される画面例を示している。つまり、専用アプリでスライドショーが行われた際のある時点での表示画面例を示している。この場合、表示手段26には、PPTファイルにおけるスライドの内容が全画面表示されることとする。つまり、表示手段26の画面全体が第2スライド領域2Aとなる。また、表示手段26には、用紙6の第1ノート領域6Cへの電子ペン1Aによる記入に応じて、第2スライド領域2A上に、ノートの内容が表示される第2ノート領域2Bが別ウィンドウで表示される。第2ノート領域2Bに対応するウィンドウには、当該ウィンドウを最小化したり閉じたりするための操作ボタンが表示される。また、当該ウィンドウには、必要に応じてスクロールバーが表示される。
【0094】
図15(a)に示すように電子ペン1Aによって用紙6の第1スライド領域6Bに手書きストロークが記入された場合、コンピュータ装置2の表示制御手段245は、図15(b)中の矢印401で示すように、表示手段26の第2スライド領域2Aに当該手書きストロークに対応するストローク画像を表示する。具体的には、表示制御手段245は、受信手段22によって電子ペン1から逐次受信する記入情報に含まれる座標データに基づいて、第1スライド領域6Bに記入された手書きストロークを構成する複数の座標点のそれぞれを、座標変換関数演算手段244が求めた座標変換関数によって座標変換し、座標変換によって得られた複数の座標点から構成されるストロークの画像を描画し、描画したストローク画像を第2スライド領域2Aに表示する。これにより、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の適切な位置に、手書きストロークに対応するストローク画像が表示されることとなる。
【0095】
また、図15(a)に示すように電子ペン1Aによって用紙6の第1ノート領域6Cに手書きストロークが記入された場合、表示制御手段245は、当該手書きストロークを文字認識することで得られた文字情報に対応する文字画像を、図15(b)中の矢印403で示すように第2ノート領域2Bに表示させる。この場合、表示制御手段245は、文字認識することで得られた文字を、所定のフォントで第2ノート領域2Bに表示させる。このように文字認識することで得られた文字を第2ノート領域2Bに表示させる例は、プレゼンテーション用のアプリで、ノートとしては文字のみを取り扱うことを想定したものである。但し、手書きストロークを文字認識することで得られた文字を第2ノート領域2Bに表示させることに限定はされず、第2スライド領域2Aと同様に、第2ノート領域2Bに手書きストロークに対応するストローク画像を表示させるようにしても良い。後者の例では、用紙6の第1ノート領域6Cに図形など文字認識できない手書きストロークが記入されても、表示制御手段245は、対応するストローク画像を第2ノート領域2Bに表示させる。これにより、用紙6の第1ノート領域6Cへの記入自由度を高くすることができる。
【0096】
次に、図16を参照して、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める方法を説明する。座標変換関数演算手段244は、画面解像度取得手段241が取得した画面解像度及びスライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズ(tate及びyoko)に基づいて、スライドの内容全体が表示手段26の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように第2スライド領域2Aのサイズを調整したうえで、当該第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める。具体的には、座標変換関数演算手段244は、画面解像度によって定まる表示手段26の表示範囲にスライドの内容全体が収まるように、「tate」と「yoko」との比を一定に維持した状態で第2スライド領域2Aのサイズを拡大又は縮小する。
【0097】
詳しくは、まず、座標変換関数演算手段244は、PPTファイルに設定されたスライドサイズの長辺(tate及びyokoのうち長いほう)を、表示手段26の表示範囲の対応する辺に一致するように拡大又は縮小させ、これと同じ比率で、スライドサイズの短辺を拡大又は縮小する。このような拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺が表示手段26の表示範囲に収まる場合には、座標変換関数演算手段244は、拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの長辺及び短辺のサイズを第2スライド領域2Aのサイズとして確定し、その第2スライド領域2Aを表示手段26の表示範囲における中心位置に配置し、当該配置後の第2スライド領域の四隅の座標値を求める。他方で、上記のように拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺が表示手段26の表示範囲に収まらない場合には、座標変換関数演算手段244は、拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺を、表示手段26の表示範囲の対応する辺に一致するように縮小させ、これと同じ比率で、拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの長辺を縮小して、第2スライド領域2Aのサイズとして確定する。そして、座標変換関数演算手段244は、その第2スライド領域2Aを表示手段26の表示範囲における中心位置に配置し、当該配置後の第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める。
【0098】
図16は、上記したような方法にて、表示手段26の表示範囲に収まるようにサイズ調整されると共に表示範囲の中心位置に配置された第2スライド領域の具体例を示している。図16(a)に示すような第2スライド領域2A1が得られた場合(1回目の拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺が表示手段26の表示範囲に収まらず、縮小した場合)には、座標変換関数演算手段244は、第2スライド領域2A1の4隅C1〜C4の座標値を求める。また、図16(b)に示すような第2スライド領域2A2が得られた場合(1回目の拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺が表示手段26の表示範囲に収まった場合)には、座標変換関数演算手段244は、第2スライド領域2A2の4隅D1〜D4の座標値を求める。
【0099】
なお、表示手段26の表示範囲において第2スライド領域2A1、2A2以外の領域は、バックグラウンドとして黒が表示される。但し、このような第2スライド領域2A1、2A2はあくまで一例であり、サイズ調整後の第2スライド領域が表示手段26の表示範囲にちょうど収まる場合もあり、そのような場合にはバックグラウンドは表示されない。
【0100】
[座標変換関数演算処理]
次に、図17を参照して、本実施形態における座標変換関数演算処理の流れについて説明する。図17は、本実施形態における座標変換関数演算処理を示すフローチャートである。この処理は、コンピュータ装置2の処理手段24によって、専用アプリでPPTファイルが開かれるときに実行される。具体的には、当該処理は、ユーザによって専用アプリでPPTファイルを開くための操作(図8及び図9参照)が行われた際に開始される。
【0101】
まず、ステップS101では、画面解像度取得手段241が、OSのディスプレイ設定を取得する関数より、表示手段26に設定された画面解像度を取得すると共に、スライドサイズ取得手段242が、PPTファイルに設定されたスライドサイズ(tate及びyoko)を取得してピクセルの単位に換算する。そして、ステップS102では、印刷設定情報取得手段243の指示により表示制御手段245が、ユーザに印刷設定情報を入力させるための印刷設定画面300(図10参照)を表示手段26に表示させる。
【0102】
この後、ユーザが印刷設定画面300のOKボタン304をマウス操作により押下した場合(ステップS103:OKボタン)、印刷設定情報取得手段243が、印刷設定画面300に表示された選択肢からユーザにより選択された印刷設定情報を取得する。そして、座標変換関数演算手段244が、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択する(ステップS104)。一方、ユーザが印刷設定画面300のキャンセルボタン305をマウス操作により押下した場合(ステップS103:キャンセルボタン)、処理は終了する。この場合には、専用アプリでPPTファイルが開かれない。
【0103】
ステップS104の処理後、座標変換関数演算手段244は、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に基づいて、用紙6への印刷スタイルがスライド印刷であるか、ノート印刷であるかを判定する(ステップS105)。スライド印刷であると判定した場合(ステップS105:スライド印刷)、座標変換関数演算手段244は、ステップS104で選択した動作設定ファイルに記述されている、用紙6の幅及び高さをそれぞれ示す「sheetwidth」及び「sheetheight」と、スライドサイズ取得手段242が取得した「tate」及び「yoko」をそれぞれピクセルの単位に換算した値とに基づいて、用紙6の第1スライド領域6Aの四隅の座標値を求める(ステップS106)。具体的には、座標変換関数演算手段244は、「tate」及び「yoko」を第1スライド領域6Aの高さ及び幅として用いて、スライド印刷した場合の第1スライド領域6Aの四隅の座標値を求める。例えば、座標変換関数演算手段244は、図12の説明で述べたような演算方法により、スライド印刷された用紙6の第1スライド領域6Aの四隅の座標値を求める。そして、処理はステップS110に進む。
【0104】
一方、印刷スタイルがノート印刷であると判定した場合(ステップS105:ノート印刷)、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「tate」及び「yoko」より、「tate」に対する「yoko」の比率を求める(ステップS107)。そして、座標変換関数演算手段244は、ステップS104で選択した動作設定ファイルに記述されている、ノート印刷した場合の第1スライド領域6Bの高さを示す「slideheight」に対して、ステップS107で求めた比率を乗算することで、ノート印刷した場合の第1スライド領域の幅「slidewidth」を求める(ステップS108)。この後、座標変換関数演算手段244は、ステップS104で選択した動作設定ファイルに記述されている、「sheetwidth」、「slidecenterY」及び「slideheight」と、ステップS108で求めた「slidewidth」とに基づいて、ノート印刷された用紙6の第1スライド領域6Bの四隅の座標値を求める(ステップS109)。例えば、座標変換関数演算手段244は、図14の説明で述べたような演算方法により、ノート印刷した場合の第1スライド領域6Bの四隅の座標値を求める。そして、処理はステップS110に進む。
【0105】
ステップS110では、座標変換関数演算手段244は、画面解像度取得手段241が取得した画面解像度及びスライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズ(tate及びyoko)に基づいて、表示手段26の第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める(ステップS110)。具体的には、座標変換関数演算手段244は、画面解像度によって定まる表示手段26の表示範囲に第2スライド領域2Aが最大サイズで収まるように、「tate」と「yoko」の比を一定に維持した状態で第2スライド領域2Aのサイズを拡大又は縮小する。そして、座標変換関数演算手段244は、サイズ調整後の第2スライド領域2Aを表示手段26の表示範囲における中心位置に配置し、当該配置後の第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める。
【0106】
次に、座標変換関数演算手段244は、ステップS106又はS109で求めた第1スライド領域6A又は6Bの四隅の座標値、及びステップS110で求めた第2スライド領域2Aの四隅の座標値に基づいて、第1スライド領域内の座標値から第2スライド領域2A内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める(ステップS111)。この後、処理手段24は、専用アプリ上でPPTファイルを開き、第2スライド領域2AにPPTファイルのスライドを表示する。(ステップS112)。そして、処理は終了する。
【0107】
[本実施形態による作用効果]
以上説明した本実施形態によれば、画面解像度やパワーポイントのアプリケーション側で設定されたスライドサイズや用紙6の印刷設定などを考慮して、用紙6における第1スライド領域内の座標値から、表示手段26における第2スライド領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を適切に求めることができる。よって、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の位置に、適切に手書きストロークに対応するストローク画像を表示させることが可能となる。具体的には、用紙6の印刷設定や画面解像度などの種々の組み合わせに影響を受けることなく、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の適切な位置に、手書きストロークの画像を表示させることが可能となる。
【0108】
[変形例]
次に、上記した実施形態の変形例について説明する。なお、以下で示す変形例は適宜組み合わせて実施することができる。
【0109】
(変形例1)
図18は、変形例1に係るストローク表示システムの構成を示す。変形例1に係るストローク表示システムは、プロジェクタ4及びスクリーン5を具備せずに、コンピュータ装置2の表示手段26上にドットパターンオーバーレイヤ(以下、「DOL」と表記する。)30が配置されている点で、前述した実施形態に係るストローク表示システム(図1参照)と異なる。なお、図18において図1と同一の符号を付した構成要素は、図1と同様であるものとする。また、ここでは、前述した実施形態と異なる点についてのみ説明を行い、特に説明しない構成や処理などについては前述した実施形態と同様であるものとする。
【0110】
図19は、DOL30の断面構造を示す。DOL30は、表示手段26のディスプレイパネル26Aの上に配置される。DOL30は、ポリエチレンテレフタラートなどの透明樹脂基板である基材フィルム33に、電子ペン1Bにより読み取ることができるよう赤外線を反射する素材(酸化チタン、コレステリック液晶、赤外線反射性顔料など)を含んだインキによりドットパターンのドット32が印刷され、さらに透明なEB硬化樹脂などの保護層31で保護された層構成を有している。ここで、ドットパターンを、赤外線を反射する素材で印刷しているのは、DOL30の下層にあるディスプレイパネル26Aから様々な色の可視光が放射されても、電子ペン1Bによってコントラストよくドットパターンを認識させるのに、望ましいからである。
【0111】
このような変形例1に係るストローク表示システムにおいても、コンピュータ装置2は、上記した方法と同様の方法で座標変換関数を求める。そして、コンピュータ装置2は、PPTファイルを専用アプリ上で開き、ユーザが電子ペン1Aによって用紙6に記入した手書きストロークを、求めた座標変換関数に基づいて、表示手段26に描画させる。また、コンピュータ装置2は、ユーザが電子ペン1BによってDOL30上に記入した手書きストロークを、表示手段26に描画させたり、記憶手段25に記憶させたりする。
【0112】
(変形例2)
上記では、専用アプリでPPTファイルを開くための操作が行われた後に、印刷設定画面に表示された選択肢より選択させることで印刷設定情報を取得する実施形態を示した。変形例2では、専用アプリでPPTファイルを開くための操作が行われる前に、印刷設定情報を事前に取得しておくことができる。例えば、ユーザがPPTファイルの内容を用紙6に印刷させたときに、印刷設定情報を取得することができる。具体的には、パワーポイントのアプリケーションで用紙6を印刷した際の印刷設定情報を、当該PPTファイルの識別情報(ファイル名、作成日時、更新日時などの情報)と関連付けて記憶手段25に記憶させておくことができる。この場合には、印刷設定情報取得手段243は、上記したような印刷設定画面を表示する代わりに、PPTファイルの識別情報をキーとして、記憶手段25から該当する印刷設定情報を取得する。
【0113】
(変形例3)
上記では、第1スライド領域及び第2スライド領域の四隅の座標値を求めることで、座標変換関数を求める実施形態を示した。変形例3では、このような四隅の座標値の代わりに、第1スライド領域及び第2スライド領域において対応する場所に位置する、予め定めた2以上の点の座標値を求めることで、座標変換関数を求めることができる。
【0114】
(変形例4)
上記では、動作設定ファイルに記述された情報などに基づいて、第1スライド領域の四隅の座標値を求める実施形態を示した。変形例4では、事前に求められた、第1スライド領域の四隅の座標値を動作設定ファイルに記述しておき、印刷設定情報に基づいて選択した動作設定ファイルから、第1スライド領域の四隅の座標値を取得することができる。なお、変形例3で述べたように、第1スライド領域の四隅の座標値の代わりに、第1スライド領域内に位置する2以上の所定の点の座標値を、動作設定ファイルに記述しても良い。
【0115】
(変形例5)
上記では、PPTファイルの内容を事前に用紙6に印刷しておき、そのような用紙6が存在する状態で、座標変換関数を求める実施形態を示した。変形例5では、PPTファイルの内容を印刷した用紙6の存在に関わらず、予め印刷設定情報ごとに画面解像度別の座標変換関数を求めて、各印刷設定情報に関連付けて記憶手段25に記憶させておくことができる。この場合、ユーザが印刷設定画面にて、印刷設定情報を入力すると、処理手段24では、座標変換関数演算手段244が座標変換関数を演算する代わりに、当該印刷設定情報および画面解像度取得手段241が取得した画面解像度をキーとして、記憶手段25から該当する座標変換関数を取得する。
【0116】
(変形例6)
上記では、コンピュータ装置2に接続されたプリンタ3によって印刷された用紙6を用いる実施形態を示した。変形例6では、コンピュータ装置2に接続されていないプリンタによって印刷された用紙6を用いることができる。例えば、コンピュータ装置2に接続されたプリンタ3にドットパターンを印刷するためのドライバがインストールされていない場合に、コンピュータ装置2に接続されていないが、ドットパターンを印刷するためのドライバがインストールされているプリンタによって用紙6を印刷させることができる。この場合には、コンピュータ装置2は、そのようなプリンタが用紙6に印刷したドットパターンに関する情報を取得しておく必要がある。
【0117】
(変形例7)
上記では、スライド印刷された場合及びノート印刷された場合について、第1スライド領域の四隅の座標値を求める実施形態を示した。変形例7では、スライド印刷及びノート印刷以外の種々の印刷レイアウトについて、第1スライド領域の四隅の座標値を求めることができる。例えば、種々の印刷レイアウトとしては、ページ集約(1枚の印刷用紙に複数ページを割り付けて印刷する方式)により印刷した場合や、印刷スタイルを配布資料として印刷した場合などが挙げられる。そのような種々の印刷レイアウトのそれぞれについて、第1スライド領域の四隅の座標値を求めるために必要な情報を予め動作設定ファイルに記述しておけば、第1スライド領域の四隅の座標値を求めることができる。
【0118】
(変形例8)
上記では、本発明をプレゼンアプリに適用する実施形態を示したが、本発明は、プレゼンアプリ以外にも種々のアプリケーションに適用することができる。
【符号の説明】
【0119】
1(1A、1B)…電子ペン
2…コンピュータ装置
2A…第2スライド領域(第2領域)
3…プリンタ
4…プロジェクタ
5…スクリーン
6…用紙
6A、6B…第1スライド領域(第1領域)
21…入力手段
22…受信手段
24…処理手段
25…記憶手段
26…表示手段
27…画像出力手段
28…印刷出力手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンテーション用のアプリケーションなどを実行するコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンピュータ装置が所定のアプリケーションを実行している際に、アプリケーションの内容が印刷されると共にドットパターンが形成された用紙(専用紙)を用いて、ユーザが当該用紙に電子ペンによって記入した手書きストロークをアプリケーション上に表示させる場面が考えられる。この場合、手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応するディスプレイ上の適切な位置に、手書きストロークを表示させたり、そのように表示させた手書きストロークを記憶させたりすることが望ましいと言える。
【0005】
しかしながら、用紙の印刷設定(例えば用紙サイズや用紙の向き(縦か横か))やコンピュータ装置の画面解像度などに応じて、アプリケーションの内容が印刷される用紙上の位置と、アプリケーションの内容が表示されるディスプレイ上の位置との対応関係が変化する。つまり、用紙に印刷されたアプリケーションの内容のうち、ある位置の座標ZPと、当該アプリケーションの内容がディスプレイ上に表示される場合の該当する位置の座標ZDとの対応関係を考えると、用紙が例えばA4サイズであるかB4サイズであるかによって、アプリケーションの内容が印刷される領域の大きさや座標ZPの値が変化するため、座標ZPと座標ZDとの対応関係も変化する。また別の例では、同じ用紙を用いる場合であっても、ディスプレイの解像度(画面解像度)が異なれば、アプリケーションの内容が表示されるディスプレイ上の領域の大きさや、座標ZDの値が変化するため、座標ZPと座標ZDとの対応関係も変化する。したがって、手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応する適切な位置に手書きストロークを表示させたりするためには、このような対応関係を把握しておいて適切に処理する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、画面解像度や用紙の印刷設定などに応じて、用紙においてアプリケーションの内容が印刷される領域内の座標から、ディスプレイにおいてアプリケーションの内容が表示される領域内の座標への座標変換を適切に行うことが可能なコンピュータ装置、ストローク表示システム及びプログラムを提案することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点では、所定のアプリケーションを実行するコンピュータ装置は、当該コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得する画面解像度取得手段と、前記アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得するスライドサイズ取得手段と、前記アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する印刷設定情報取得手段と、前記画面解像度、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記用紙において前記アプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、前記表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める座標変換関数演算手段と、を備える。
【0008】
上記のコンピュータ装置は、例えばプレゼンテーション用のアプリケーションなどを実行する。画面解像度取得手段は、コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度(表示解像度)を取得し、スライドサイズ取得手段は、アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得し、印刷設定情報取得手段は、アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する。そして、座標変換関数演算手段は、画面解像度、スライドサイズ及び印刷設定情報に基づいて、用紙においてアプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。これにより、画面解像度やアプリケーション側で設定されたスライドサイズや用紙の印刷設定などに基づいて、用紙における第1領域内の座標値から、表示手段における第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を適切に求めることができる。
【0009】
上記のコンピュータ装置の一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記第1領域内に位置する2以上の点の第1座標値を求めると共に、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記第2領域内に位置すると共に、前記第1座標値の点に対応する場所に位置する2以上の点の第2座標値を求め、前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記座標変換関数を求める。この態様によれば、スライドサイズ及び印刷設定情報に基づいて、第1領域内に位置する第1座標値を適切に求めることができると共に、画面解像度及びスライドサイズに基づいて、第2領域内に位置する第2座標値を適切に求めることができ、これらの座標値を用いて座標変換関数を精度良く求めることができる。
【0010】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域である。
【0011】
好適には、前記印刷設定情報取得手段は、前記用紙の向きを示す情報と、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるかを示す情報と、前記用紙のサイズを示す情報と、を取得する。なお、ノート印刷とは、スライド及び当該スライドに対応するノートの内容を、用紙の上下に配置して印刷する印刷スタイルである。
【0012】
また好適には、前記座標変換関数演算手段は、前記印刷スタイルが前記スライド印刷である場合と、前記印刷スタイルが前記ノート印刷である場合とで、異なる方法によって前記第1座標値を求める。印刷スタイルがスライド印刷である場合とノート印刷である場合とで、用紙においてスライドの内容が印刷される第1領域の位置や大きさが異なるため、このように各印刷スタイルに適した方法を採ることで、処理負荷を抑えて適切に第1座標値を求めることができる。
【0013】
また好適には、複数の前記印刷設定情報の各々について、前記第1座標値を求めるために用いられる情報が記述された複数の設定ファイルを記憶する記憶手段を更に備え、前記座標変換関数演算手段は、複数の前記設定ファイルの中から、前記印刷設定情報取得手段が取得した前記印刷設定情報に対応する前記設定ファイルを選択し、選択した当該設定ファイルに記述された情報に基づいて前記第1座標値を求める。
【0014】
例えば、複数の前記設定ファイルにはそれぞれ、前記用紙の幅及び高さと、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷又は前記ノート印刷のどちらであるかと、前記ノート印刷である場合における前記第1領域の高さ及び幅の少なくともいずれか一方と、当該第1領域の中心座標と、が記述されている。そして、前記座標変換関数演算手段は、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズを前記第1領域のサイズとして用いて、当該スライドサイズ及び選択した前記設定ファイルに記述された前記用紙の幅及び高さに基づいて、前記第1座標値を求めることができ、また、前記座標変換関数演算手段は、前記用紙への印刷スタイルが前記ノート印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズから縦と横との比率を求め、当該比率及び選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の高さ及び幅の一方から、前記第1領域の高さ及び幅の他方を求め、当該第1領域の高さ及び幅、並びに選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の中心座標に基づいて、前記第1座標値を求めることができる。
【0015】
上記のコンピュータ装置において好適には、前記座標変換関数演算手段は、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記スライドの内容全体が前記表示手段の表示範囲内に収まり且つ最大サイズになるように第2領域のサイズを調整したうえで、前記第2座標値を求める。つまり、座標変換関数演算手段は、スライドショーによってスライドの内容が全画面表示される場合の第2領域について、第2座標値を求めることができる。
【0016】
好適な例では、前記第1座標値は、前記第1領域の四隅の座標値であり、前記第2座標値は、前記第2領域の四隅の座標値である。
【0017】
また上記のコンピュータ装置において好適には、前記印刷設定情報をユーザに入力させるための設定画面を表示する手段を更に備え、前記印刷設定情報取得手段は、ユーザが前記設定画面に入力した前記印刷設定情報を取得する。
【0018】
本発明の他の観点では、上記コンピュータ装置と、前記アプリケーションの内容を前記用紙に印刷すると共に、当該用紙上にコード化パターンを印刷するプリンタと、前記用紙上に印刷された前記コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、を備えるストローク表示システムにおいて、前記コンピュータ装置は、前記電子ペンから受信した前記記入情報及び前記座標変換関数演算手段が求めた前記座標変換関数に基づいて、当該記入情報に対応する前記手書きストロークを表すストローク画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段を有する。
【0019】
上記のストローク表示システムによれば、電子ペンによって手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応する表示手段上の位置に、適切に手書きストロークを表示させることが可能となる。具体的には、用紙の印刷設定や表示手段の画面解像度などの種々の設定の違いに影響を受けることなく、手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応する表示手段上の適切な位置に、手書きストロークを表示させることが可能となる。
【0020】
上記のストローク表示システムの一態様では、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを文字認識することで得られる文字情報に対応する文字画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該文字画像を表示させる。この態様は、プレゼンテーション用のアプリケーションでは、ノートとして、文字のみを取り扱うことを想定したものである。この態様によれば、用紙においてノートの内容が印刷された領域に手書きストロークとして文字が記入された場合に、当該手書きストロークを文字認識することで得られた文字を適切に表示させることができる。
【0021】
上記のストローク表示システムの他の一態様では、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該ストローク画像を表示させる。この態様は、プレゼンテーション用のアプリケーションでは、ノートとして、文字だけでなく図形なども取り扱うことを考慮したものである。この態様によれば、用紙においてノートの内容が印刷された領域に手書きストロークとして図形が記入された場合にも、そのような手書きストロークを適切に表示させることができる。
【0022】
本発明の更に他の観点では、所定のアプリケーションを実行するコンピュータ装置によって実行されるプログラムは、当該コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得する画面解像度取得手段、前記アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得するスライドサイズ取得手段、前記アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する印刷設定情報取得手段、前記画面解像度、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記用紙において前記アプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、前記表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める座標変換関数演算手段、として前記コンピュータ装置を機能させる。
【0023】
上記のプログラムの一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記第1領域内に位置する2以上の点の第1座標値を求めると共に、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記第2領域内に位置すると共に、前記第1座標値の点に対応する場所に位置する2以上の点の第2座標値を求め、
前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記座標変換関数を求める。
【0024】
上記のプログラムの他の一態様では、プレゼンテーション用の前記アプリケーションは、スライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域である。
【0025】
上記のプログラムの他の一態様では、前記印刷設定情報取得手段は、前記用紙の向きを示す情報と、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるかを示す情報と、前記用紙のサイズを示す情報と、を取得する。
【0026】
上記のプログラムの他の一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記印刷スタイルが前記スライド印刷である場合と、前記印刷スタイルが前記ノート印刷である場合とで、異なる方法によって前記第1座標値を求める。
【0027】
上記のプログラムの他の一態様では、複数の前記印刷設定情報の各々について、前記第1座標値を求めるために用いられる情報が記述された複数の設定ファイルを記憶する記憶手段として前記コンピュータ装置を更に機能させ、前記座標変換関数演算手段は、複数の前記設定ファイルの中から、前記印刷設定情報取得手段が取得した前記印刷設定情報に対応する前記設定ファイルを選択し、選択した当該設定ファイルに記述された情報に基づいて前記第1座標値を求める。
【0028】
上記のプログラムの他の一態様では、複数の前記設定ファイルにはそれぞれ、前記用紙の幅及び高さと、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド又は前記ノート印刷のどちらであるかと、前記ノート印刷である場合における前記第1領域の高さ及び幅の少なくともいずれか一方と、当該第1領域の中心座標と、が記述されている。
【0029】
上記のプログラムの他の一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズを前記第1領域のサイズとして用いて、当該スライドサイズ及び選択した前記設定ファイルに記述された前記用紙の幅及び高さに基づいて、前記第1座標値を求め、前記用紙への印刷スタイルが前記ノート印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズから縦と横との比率を求め、当該比率及び選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の高さ及び幅の一方から、前記第1領域の高さ及び幅の他方を求め、前記第1領域の高さ及び幅、並びに選択した前記設定ファイルに設定された前記第1領域の中心座標に基づいて、前記第1座標値を求める。
【0030】
上記のプログラムの他の一態様では、前記座標変換関数演算手段は、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記スライドの内容全体が前記表示手段の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように前記第2領域のサイズを調整したうえで、前記第2座標値を求める。
【0031】
上記のプログラムの他の一態様では、前記第1座標値は、前記第1領域の四隅の座標値であり、前記第2座標値は、前記第2領域の四隅の座標値である。
【0032】
上記のプログラムの他の一態様では、前記印刷設定情報をユーザに入力させるための設定画面を表示する手段として前記コンピュータ装置を更に機能させ、前記印刷設定情報取得手段は、ユーザが前記設定画面に入力した前記印刷設定情報を取得する。
【0033】
これらのプログラムを実行することにより、上記のコンピュータ装置を実現することができる。
【0034】
本発明の更に他の観点では、上記コンピュータ装置と、前記アプリケーションの内容を前記用紙に印刷すると共に、当該用紙上にコード化パターンを印刷するプリンタと、前記用紙上に印刷された前記コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、を備えるストローク表示システムにおいて、前記コンピュータ装置により実行されるプログラムは、前記電子ペンから受信した前記記入情報及び前記座標変換関数演算手段が求めた前記座標変換関数に基づいて、当該記入情報に対応する前記手書きストロークを表すストローク画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段、として前記コンピュータ装置を機能させる。
【0035】
上記のプログラムの他の一態様では、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、前記表示制御手段は、前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを文字認識することで得られる文字情報に対応する文字画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該文字画像を表示させる。
【0036】
上記のプログラムの他の一態様では、前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、前記表示制御手段は、前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該ストローク画像を表示させる。
【0037】
これらのプログラムを実行することにより、上記のストローク表示システムを実現することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、ディスプレイ(表示手段)の画面解像度や、アプリケーションファイルに設定されたスライドサイズや、アプリケーションファイルが印刷された用紙に関する印刷設定などに基づいて、用紙における第1領域内の座標値から、表示手段における第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を適切に求めることができる。よって、電子ペンによって手書きストロークが記入された用紙上の位置に対応する表示手段上の位置に、適切に手書きストロークに対応するストローク画像を表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態におけるストローク表示システムのシステム構成図である。
【図2】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図3】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図4】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図5】他の電子ペンの構造を示す概略図である。
【図6】スクリーンの断面構造を示す図である。
【図7】コンピュータ装置の機能ブロック図である。
【図8】専用アプリケーションでパワーポイントのファイルを開くために行われる操作の一例を示す図である。
【図9】専用アプリケーションでパワーポイントのファイルを開くために行われる操作の他の例を示す図である。
【図10】印刷設定画面の一例を示す図である。
【図11】動作設定ファイルの一例を示す図である。
【図12】スライド印刷された場合の、第1スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明するための図を示す。
【図13】スライド印刷された用紙に手書きストロークが記入された際に表示される画面例を示す。
【図14】ノート印刷された場合の、第1スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明するための図を示す。
【図15】ノート印刷された用紙に手書きストロークが記入された際に表示される画面例を示す。
【図16】第2スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明するための図を示す。
【図17】本実施形態における座標変換関数演算処理を示すフローチャートである。
【図18】変形例1におけるストローク表示システムのシステム構成図である。
【図19】DOLの断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0041】
[ストローク表示システムの構成]
図1は、本実施形態に係るストローク表示システムの構成を示す。図1に示すように、ストローク表示システムは、ユーザが使用する電子ペン1A、1B(1)と、電子ペン1から記入情報等を受信して処理するコンピュータ装置2と、コンピュータ装置2からの印刷指示(出力命令)に従って用紙6を印刷するプリンタ3と、コンピュータ装置2のディスプレイに表示する画像と同様の画像をスクリーン5に映し出すプロジェクタ4と、を有する。
【0042】
コンピュータ装置2は、プレゼンテーション用のアプリケーション(プレゼンアプリ)のプログラムがインストールされており、プレゼンアプリを実行する。詳しくは、コンピュータ装置2は、マイクロソフト社のパワーポイント(登録商標)のプログラムがインストールされている。コンピュータ装置2から、ユーザがパワーポイントにて作成したファイルの内容を印刷するための印刷指示をプリンタ3に出力することで、プリンタ3は、当該内容を用紙6に印刷する。また、コンピュータ装置2から、用紙6上に位置座標をコード化したドットパターンを印刷するための印刷指示をプリンタ3に出力することで、プリンタ3は、ドットパターンを用紙6に印刷する。ドットパターンは、電子ペン1により読み取ることができるように赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより用紙6に印刷される。他方で、パワーポイントにて作成したファイル(以下、単に「PPTファイル」とも呼ぶ。)の内容は、電子ペン1によるドットパターンの読み取りを阻害しないよう、赤外域に吸収性を持たないインキにより用紙6に印刷される。このようなドットパターンは、スクリーン5の表面にも形成されている。但し、用紙6とスクリーン5とでは、異なるドットパターン(言い換えるとユニークなドットパターン)が形成されている。なお、本実施形態では、ドットパターンは、アノト方式のものによるが、他のコード化パターンを用いても良い。
【0043】
また、コンピュータ装置2は、電子ペン1から手書きストロークに関する記入情報等を受信して種々の処理を行う。具体的には、コンピュータ装置2は、電子ペン1によって記入された手書きストロークに対応する画像を表示させたり記憶させたり、電子ペン1による記入に応じてアプリケーションの操作を行ったりすることが可能なプレゼンテーション用のアプリケーション(以下、「専用アプリ(専用アプリケーション)」と呼ぶ。)のプログラムがインストールされており、専用アプリを実行する。コンピュータ装置2は、上記したパワーポイントのファイルを専用アプリで開くことで、当該ファイルに応じたプレゼンテーション(つまりスライドショー)を実行することができる。コンピュータ装置2は、専用アプリによるプレゼンテーションの実行中において、ユーザが電子ペン1Aによって用紙6に記入した手書きストロークに対応する画像を、ディスプレイに表示させると共にプロジェクタ4を介してスクリーン5に映し出す。また、コンピュータ装置2は、専用アプリによるプレゼンテーションの実行中において、ユーザが電子ペン1Bによってスクリーン5に記入した手書きストロークに対応する画像を、ディスプレイに表示させる。
【0044】
更に、コンピュータ装置2は、上記したように専用アプリでPPTファイルを開くときに、ディスプレイの画面解像度や用紙6の印刷設定などに応じて、用紙6においてスライドの内容が印刷された領域内の座標から、ディスプレイにおいてスライドの内容が表示される領域内の座標へ座標変換するための座標変換関数を求める処理を行う(この処理の詳細は後述する)。そして、コンピュータ装置2は、ユーザが電子ペン1Aによって用紙6に手書きストロークを記入した場合に、求めた座標変換関数及び電子ペン1から受信した記入情報に基づいて、手書きストロークに対応する画像をディスプレイに表示させる。つまり、コンピュータ装置2は、座標変換関数に基づいて座標変換を行うことで、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応するディスプレイ上の位置に、手書きストロークに対応する画像を表示させる。
【0045】
[ドットパターン]
図2及び図3を参照して、スクリーン5及び用紙6に形成されたアノト方式のドットパターンについて説明する。図2は、スクリーン5及び用紙6に形成されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図2に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組み合わせにより、スクリーン5及び用紙6上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0046】
図3(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図3(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、スクリーン5上及び1枚以上の用紙6上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがスクリーン5及び用紙6上のどの位置にあるのか)を保持している。図3(b)は、図3(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図2に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0047】
[電子ペン]
次に、電子ペン1について図4及び図5を用いて説明する。図4は、電子ペン1Aの構造を示す概略図である。電子ペン1Aは、用紙6に手書きストロークを記入するためにユーザによって使用される。図4に示すように、電子ペン1Aは、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104A、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。インクカートリッジ104Aの先端はペン先部103となっており、ユーザは、電子ペン1Aのペン先部103を用紙6に当接させて、ストローク(手書きストローク)を記入する。ここで、電子ペン1Aのペン先部103が用紙6に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1Aのペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。
【0048】
バッテリー112は電子ペン1A内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1Aのキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1A自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1Aにより用紙6に文字やマークを書いたりタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104Aを通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0049】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、ユーザが電子ペン1Aにより用紙6に文字など書いたりすると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報PDと、後述するペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。また、ユーザが1つのストロークを記入し終えて電子ペン1Aを用紙6から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。
【0050】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1Aのペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、用紙6上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103が用紙6に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、用紙6に印刷されたドットのインク素材(具体的にはカーボン)は赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。よって、CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、用紙6に文字や枠線などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図3(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0051】
プロセッサ108は、ユーザの記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、ユーザが記入するストローク(筆跡)の用紙6上におけるX、Y座標(以後、単に「位置座標」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図3(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図3(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1Aの角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算の際、その機能を発揮させる。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、用紙6における6×6のドットパターンは、用紙6内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1Aで文字等を記入すると、記入された位置が用紙6のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
【0052】
メモリ109には、電子ペン1Aを識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1Aのペンダウンからペンアップまでの間に生成されてコンピュータ装置2に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、コンピュータ装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、コンピュータ装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。このように、ユーザの一つのストロークの記入により、電子ペン1Aによって生成される座標属性情報の集合を「ストローク情報」と呼ぶ。
【0053】
図5は、電子ペン1Bの構造を示す概略図である。電子ペン1Bは、スクリーン5に手書きストロークを記入するためにユーザによって使用される。図5に示すように、電子ペン1Bは、インクカートリッジ104Aの代わりに、インクカートリッジを有しないペン部104Bを具備する点で、電子ペン1Aと異なる。それ以外の構成要素は、電子ペン1Aと同様である。基本的には、電子ペン1Bは、電子ペン1Aで説明した機能と同様の機能を有する。よって、電子ペン1Bの詳細な説明は省略する。
【0054】
[スクリーン]
次に、図6を参照して、スクリーン5について説明する。図6は、スクリーン5の断面構造を示す。図6に示すように、スクリーン5は、例えば樹脂などにより構成された基板51上にドット52が形成され、さらに透明なEB硬化樹脂などの保護層53で保護された層構成を有している。
【0055】
[コンピュータ装置]
次に、コンピュータ装置2について説明する。コンピュータ装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等で構成されるパーソナルコンピュータ等で構成される。図7は、コンピュータ装置2の機能ブロック図である。コンピュータ装置2は、機能的には、入力手段21、受信手段22、処理手段24、記憶手段25、表示手段26、画像出力手段27及び印刷出力手段28を備える。
【0056】
受信手段22は、アンテナ受信回路等により構成され、電子ペン1(1A、1B)から記入情報を受信し、処理手段24に伝送する。画像出力手段27は、処理手段24の指示による画像信号をプロジェクタ4に送信する。印刷出力手段28は、処理手段24の指示による資料6の印刷指示(出力命令)をプリンタ3に送信する。なお、プリンタ3及び/又はプロジェクタ4へのデータ送信方式は、有線式であっても無線式であってもよい。表示手段26は、ディスプレイ等によって構成され、処理手段24によって指示された内容を表示する(なお、本明細書では、表示手段26のことを適宜「ディスプレイ」と表記する)。
【0057】
記憶手段25は、ハードディスクやROM、RAMといったメモリによって構成される。記憶手段25は、処理手段24の処理命令により、電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶し、さらに、処理手段24の指示により、記憶領域を確保して、ペンダウンからペンアップまでの記入情報に含まれる座標属性情報をストローク情報としてペンID毎に記憶する。また、記憶手段25は、予め、パワーポイント及び専用アプリ(専用アプリケーション)などのアプリケーションプログラムや、これらのアプリケーションで利用する各種情報などを記憶している。
【0058】
また、記憶手段25は、用紙6においてパワーポイントのスライドの内容が印刷される第1領域(以下、「第1スライド領域」と呼ぶ。)の四隅の座標値(第1座標値)を求めるために必要な情報が記述された、複数の動作設定ファイルを記憶している。詳しくは、各々の動作設定ファイルには、PPTファイルが用紙6にどのように印刷されたかに関する情報(印刷設定情報)に応じて、用紙6の幅及び高さや、用紙の印刷スタイルがスライド及びノートである場合における第1スライド領域の中心座標及び高さなどの組合せが記述されている。
【0059】
処理手段24は、CPU等のプロセッサによって構成され、コンピュータ装置2の全体の制御を行う。具体的には、処理手段24は、画面解像度取得手段241と、スライドサイズ取得手段242と、印刷設定情報取得手段243と、座標変換関数演算手段244と、表示制御手段245と、を備える。
【0060】
画面解像度取得手段241は、専用アプリでPPTファイルを開くときに、OS(オペレーティングシステム)のディスプレイ設定を取得する関数より、表示手段26に設定された画面解像度(表示解像度)を取得する。なお、画面解像度は、表示に用いられる総画素数に対応し、表示手段26の物理的な解像度(像を分解しうる程度を示すもの)を意味するわけではない。例えば、画面解像度は「1024×768ピクセル」などである。なお、画面解像度取得手段241は、専用アプリが起動するときに、画面解像度を取得することとしてもよい。
【0061】
スライドサイズ取得手段242は、専用アプリでPPTファイル(パワーポイントのファイル)を開くときに、PPTファイルに設定されたスライドサイズを取得して、ピクセルの単位に換算する。具体的には、画面解像度取得手段241は、ファイルに設定されたスライドサイズの縦の長さ及び横の長さ(以下では、これらの長さをそれぞれ「tate」及び「yoko」と適宜表記する。)を、PPTファイルのプロパティ情報から取得して、ピクセルの単位に換算する。このような「tate」及び「yoko」は、パワーポイントのアプリケーション側で設定されているパラメータであって、通常は画面表示を考慮して、印刷する用紙6のサイズより小さく且つ一般的なディスプレイの縦横比と一致するように、「tate」及び「yoko」のサイズが設定されている。
【0062】
印刷設定情報取得手段243は、専用アプリでPPTファイルを開くときに、ユーザが入力手段21を用いて印刷設定情報を入力するための設定画面を表示して、入力された印刷設定情報を取得する。印刷設定情報は、ユーザがパワーポイントで作成したファイルの内容が用紙6にどのように印刷されたかに関する情報に対応する(当該印刷はパワーポイントのアプリケーションで行われたものである)。具体的には、印刷設定情報は、印刷した用紙6の向き(縦又は横)と、用紙6への印刷スタイルがスライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、それとも用紙6への印刷スタイルがスライドの内容及び当該スライドに対応するノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるか(ノート印刷では、スライドの内容及びノートの内容を、用紙の上下に配置して印刷する。)を示す情報と、印刷した用紙6のサイズ(A4やA3やB5など)とを含む。ユーザは、印刷設定情報取得手段243が表示制御手段245を介して表示手段26に表示させた設定画面(以下、「印刷設定画面」と呼ぶ。)に対して、マウスやキーボードなどの入力手段21を操作することで、このような印刷設定情報を入力する。
【0063】
座標変換関数演算手段244は、用紙6においてスライドの内容が印刷された第1スライド領域内の座標値(第1座標値)から、表示手段26においてスライドの内容が表示される第2領域(以下、「第2スライド領域」と呼ぶ。)内の座標値(第2座標値)へ座標変換するための座標変換関数を求める。具体的には、座標変換関数演算手段244は、専用アプリでPPTファイルを開くときに、画面解像度取得手段241が取得した画面解像度と、スライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズと、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報とに基づいて、座標変換関数を求める。詳しくは、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ及び印刷設定情報に基づいて第1スライド領域の四隅の座標値を求めると共に、画面解像度及びスライドサイズに基づいて第2スライド領域の四隅の座標値を求め、これらの四隅の座標値に基づいて座標変換関数を求める。より詳細には、座標変換関数演算手段244は、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択し、選択した動作設定ファイルに記述された情報を用いて、第1スライド領域の四隅の座標値を求める。また、座標変換関数演算手段244は、画面解像度及びスライドサイズに基づいて、スライドの内容全体が表示手段26の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように第2スライド領域のサイズを調整したうえで、第2スライド領域の四隅の座標値を求める。
【0064】
表示制御手段245は、印刷設定情報取得手段243の指示によって、ユーザに印刷設定情報を入力させるための印刷設定画面を表示手段26に表示させる。また、表示制御手段245は、専用アプリでPPTファイルを開いてスライドショーを実行している間、受信手段22が電子ペンから受信した記入情報に対応する手書きストロークを、座標変換関数演算手段244が求めた座標変換関数に基づいて、表示手段26にストローク画像として表示させる。つまり、表示制御手段245は、座標変換関数に基づいて座標変換を行うことで、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の位置に、手書きストロークに対応するストローク画像を表示させる。より詳しくは、表示制御手段245は、用紙6の第1スライド領域に手書きストロークが記入された場合には、表示手段26の第2スライド領域の対応する位置にストローク画像を表示させる。他方で、表示制御手段245は、ノート印刷が行われた場合において、用紙6においてノートの内容が印刷された領域(以下、「第1ノート領域」と呼ぶ。)に手書きストロークが記入された場合には、表示手段26においてノートの内容が表示された領域(以下、「第2ノート領域」と呼ぶ。)に、手書きストロークを文字認識することで得られた文字情報に対応する文字画像を表示させる。この場合、表示制御手段245は、文字認識することで得られた文字を、所定のフォントで表示させる。
【0065】
[座標変換関数演算方法]
次に、本実施形態における座標変換関数演算方法について説明する。ここで、本実施形態における座標変換関数演算方法の流れを簡単に説明する。なお、座標変換関数演算は、コンピュータ装置2の処理手段24が専用アプリケーションを実行することで実現される。また、予め、PPTファイルの内容を用紙6に印刷しているものとする。つまり、座標変換関数演算が行われる際に、PPTファイルの内容を印刷した用紙6が用意されているものとする。
【0066】
まず、ユーザの操作によって専用アプリでPPTファイルを開くための操作が行われた際に、画面解像度取得手段241が、表示手段26に設定された画面解像度を取得すると共に、スライドサイズ取得手段242が、PPTファイルに設定されたスライドサイズを取得する。これと同時に、印刷設定情報取得手段243の指示によって、表示制御手段245が、印刷設定画面を表示手段26に表示させる。そして、印刷設定情報取得手段243が、ユーザが印刷設定画面を用いて入力した印刷設定情報を取得する。
【0067】
この後、座標変換関数演算手段244が、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択し、選択した動作設定ファイルに記述された情報及びスライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズに基づいて、用紙6においてスライドの内容が印刷された第1スライド領域の四隅の座標値を求める。この場合、座標変換関数演算手段244は、用紙6がスライド印刷された場合とノート印刷された場合とで、異なる方法によって、第1スライド領域の四隅の座標値を求める。また、座標変換関数演算手段244は、画面解像度取得手段241が取得した画面解像度及びスライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズに基づいて、表示手段26においてスライドの内容が表示された第2スライド領域の四隅の座標値を求める。そして、座標変換関数演算手段244は、こうして求めた第1スライド領域の四隅の座標値及び第2スライド領域の四隅の座標値に基づいて、第1スライド領域内の座標値から第2スライド領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。
【0068】
以下では、図8乃至図16を参照して、本実施形態における座標変換関数演算方法について具体的に説明する。
【0069】
図8は、専用アプリでPPTファイルを開くために行われる操作の一例を示す図である。ここでは、専用アプリが既に起動している場合を例に挙げる。この場合には、専用アプリで使用される種々の操作ボタン(アイコン)を有するツールボックス202が表示される。ツールボックス202は、専用アプリでファイルを開くためのファイル挿入エリア202A(言い換えるとコントロールエリア)を有する。このようなファイル挿入エリア202Aに、ユーザがマウスなどの入力手段21を用いて、PPTファイル201をドラッグ&ドロップすると、専用アプリでPPTファイルを開くための処理が開始される。具体的には、画面解像度取得手段241が、OSのディスプレイ設定を取得する関数より、表示手段26に設定された画面解像度を取得する。これと同時に、スライドサイズ取得手段242が、PPTファイルに設定されたスライドサイズ(tate及びyoko)を取得する。
【0070】
図9は、専用アプリでPPTファイルを開くために行われる操作の他の例を示す図である。ここでは、専用アプリが起動していない場合を例に挙げる。図9に示すように、デスクトップ上に、PPTファイルのアイコン201と、専用アプリの実行ファイルのアイコン203とが表示されているものとする。この場合、専用アプリの実行ファイルのアイコン203に、ユーザがマウスなどの入力手段21を用いて、PPTファイルのアイコン201をドラッグ&ドロップすると、専用アプリが起動されると共に、専用アプリでPPTファイルを開くための処理が開始される。この処理の内容は、図8の説明で述べた処理と同様である。
【0071】
図10は、印刷設定画面の一例を示す図である。図10に示すように、印刷設定画面300は、印刷した用紙6の向き(縦又は横)を選択するためのラジオボタンのグループを表示した選択エリア301と、用紙6に印刷した対象(スライド又はノート)を選択するためのラジオボタンのグループを表示した選択エリア302と、印刷した用紙6のサイズ(A4やA3やB5など)を選択するためのリストボックスを表示した選択エリア303と、OKボタン304と、キャンセルボタン305とを有する。印刷設定画面300は、上記のように専用アプリでPPTファイルを開くための操作が行われた際に、表示制御手段245によってポップアップ表示される。ユーザは、このような印刷設定画面300に表示された選択エリア301〜303に対して、マウスなどの入力手段21を操作することで、印刷した用紙6の向きと、用紙6への印刷スタイル(つまりスライド印刷及びノート印刷のいずれを行ったか)と、印刷した用紙6のサイズとを選択する。この場合、ユーザは、PPTファイルの内容を用紙6に印刷させたときの印刷設定を選択するものとする。
【0072】
そして、上記のような選択の完了後に、ユーザがOKボタン304をマウス操作により押下すると、当該選択の内容が確定されて、印刷設定情報取得手段243が、ユーザが印刷設定画面300に表示された選択肢より選択した印刷設定情報を取得する。この後、座標変換関数演算手段244が、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択する。他方で、ユーザがキャンセルボタン305をマウス操作により押下した場合には、当該選択の内容がキャンセルされて、印刷設定情報取得手段243は印刷設定情報を取得しない。この場合には、処理手段24はPPTファイルを開かずに、処理を終了する。なお、専用アプリにエラーメッセージを表示してから処理を終了するように構成しても良い。
【0073】
図11は、動作設定ファイルに含まれるパラメータの種類の一例を示す図である。図11に示すように、動作設定ファイルには、用紙6のサイズを示す「sheetsize」と、用紙6の幅を示す「sheetwidth」と、用紙6の高さを示す「sheetheight」と、用紙6の向きを示す「sheetdirection」と、用紙6への印刷スタイルを示す「printstyle」と、ノート印刷した場合の第1スライド領域の中心点のX座標を示す「slidecenterX」と、ノート印刷した場合の第1スライド領域の中心点のY座標を示す「slidecenterY」と、ノート印刷した場合の第1スライド領域の高さを示す「slideheight」といった設定に用いられる各情報の値(変数)が記述される。
【0074】
「sheetsize」は、例えばA4やA3やB5などの印刷用紙(用紙)の定型サイズである。「sheetdirection」は、用紙6の向きが縦であれば「0」で記述され、用紙6の向きが横であれば「1」で記述される。「printstyle」は、用紙6への印刷スタイルがスライド印刷である場合には「0」で記述され、用紙6への印刷スタイルがノート印刷である場合には「1」で記述される。これらの「sheetsize」、「sheetdirection」及び「printstyle」は上記した印刷設定情報に対応するものである。
【0075】
動作設定ファイルは、「sheetsize」、「sheetdirection」及び「printstyle」の値の組み合わせに応じた数だけ規定できるが、よく使われる値の組み合わせで数種類のみ規定することとしてもよい。また、動作設定ファイルには、「sheetsize」、「sheetdirection」及び「printstyle」の値に応じて、「sheetwidth」、「sheetheight」、「slidecenterX」、「slidecenterY」、「slideheight」のそれぞれの値が記述される。
【0076】
ここで、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」は、「printstyle」が「1」(つまりノート印刷)である場合のみ、動作設定ファイルに記述されている。言い換えると、「printstyle」が「0」(つまりスライド印刷)である場合には、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」は、動作設定ファイルに記述されない(ブランクとなっている)。こうしているのは、スライド印刷した場合には、第1スライド領域の中心座標が用紙6の中心座標と一致するため、「slidecenterX」及び「slidecenterY」が自明であり、また、第1スライド領域の高さが上記したPPTファイルに設定されたスライドサイズの「tate」に一致するため、「slideheight」が自明であるからである。
【0077】
本実施形態では「sheetwidth」、「sheetheight」、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」を「ピクセル(pixel)」の単位にて記述する例を示すが、「ピクセル」の代わりに「mm(ミリメートル)」の単位にて記述しても良い。後者の場合、スライドサイズ取得手段242は、取得した「tate」及び「yoko」を、mmの単位に換算する。また、本実施形態では、「1ピクセル」を「0.3mm」と換算する。なお、上記したようなパラメータを動作設定ファイルとして記述することに限定はされず、第1スライド領域の四隅の座標値を求めるために用いることができる情報であれば、下記するようなパラメータ以外のパラメータを動作設定ファイルとして記述しても良い。例えば、ノート印刷した場合の第1スライド領域の高さを示す「slideheight」の代わりに、ノート印刷した場合の第1スライド領域の幅を示すパラメータを、動作設定ファイルとして記述しても良い。
【0078】
具体的には、「sheetwidth」及び「sheetheight」としては、「sheetsize」及び「sheetdirection」の値に応じて一義的に定まる用紙6の幅及び高さが、「ピクセル」の単位にて記述される。1つの例では、「sheetsize」がA4で、且つ「sheetdirection」が「0」(つまり用紙6の向きが縦)である場合には、A4用紙の縦横のサイズから換算して、「sheetwidth」は「700(ピクセル)」であり、「sheetheight」は「990(ピクセル)」である。
【0079】
他方で、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」は、種々の用紙6のサイズ及び向きにて、PPTファイルの内容を実際にノート印刷した場合の、第1スライド領域の中心座標及び高さを計測して得た平均値をピクセルの単位に換算した値である。1つの例では、「sheetsize」がA4で、且つ「sheetdirection」が「0」(つまり用紙6の向きが縦)である場合には、「slidecenterX」は「350(ピクセル)」であり、「slidecenterY」は「280(ピクセル)」に設定されており、「slideheight」は「355(ピクセル)」に設定されている。
【0080】
座標変換関数演算手段244は、このような複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択する。つまり、座標変換関数演算手段244は、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、取得した印刷設定情報に対応する「sheetsize」、「sheetdirection」及び「printstyle」の値を有する動作設定ファイルを選択する。そして、座標変換関数演算手段244は、選択した動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」、「sheetheight」、「slidecenterX」、「slidecenterY」及び「slideheight」などに基づいて、用紙6においてスライドの内容が印刷された第1スライド領域の四隅の座標値を求める。この場合、座標変換関数演算手段244は、スライド印刷された場合とノート印刷された場合とで、異なる方法によって、第1スライド領域の四隅の座標値を求める。
【0081】
まず、図12を参照して、スライド印刷された場合の、第1スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明する。図12(a)はスライド印刷された用紙6を示し、図12(b)はコンピュータ装置2を示す。ここでは、図12(a)に示すように、用紙6が横向きでスライド印刷された場合を例示する。また、図12(b)に示すように、コンピュータ装置2の表示手段26における第2スライド領域2Aの高さ及び幅の比は、PPTファイルに設定されたスライドサイズの「tate」及び「yoko」の比と一致しており、表示手段26にはスライドの内容が全画面表示されるものとする。
【0082】
図12(a)に示すように、用紙6の幅及び高さは、動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」及び「sheetheight」と一致する。また、スライド印刷した場合には、用紙6における第1スライド領域6Aの幅及び高さ(「slidewidth」及び「slideheight」)は、PPTファイルに設定されたスライドサイズの「yoko」及び「tate」と一致する。そのため、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「yoko」及び「tate」(これらは、ピクセルの単位に換算した値とする)と、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」及び「sheetheight」とに基づいて、用紙6における第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を求める。
【0083】
具体的には、用紙6の左上の隅を原点とすると、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Aの左上の隅に位置する点A1のX座標を「(sheetwidth−yoko)/2」より求め、点A1のY座標を「(sheetheight−tate)/2」より求める。また、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Aの右上の隅に位置する点A2のX座標を、点A1のX座標に「yoko」を加算することで求め、点A2のY座標については、点A1のY座標を用いる。そして、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Aの右下の隅に位置する点A3のX座標については、点A2のX座標を用い、点A3のY座標については、点A2のY座標に「tate」を加算することで求め、第1スライド領域6Aの左下の隅に位置する点A4のX座標については、点A1のX座標を用い、点A4のY座標については、点A3のY座標を用いる。
【0084】
この後、詳細は後述するが、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「yoko」及び「tate」並びに画面解像度取得手段241が取得した画像解像度に基づいて、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅A1’〜A4’の座標値(第2座標値)を求める。そして、座標変換関数演算手段244は、用紙6における第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を、それぞれ、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅A1’〜A4’の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。
【0085】
なお、上記したような第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を求める方法は一例であり、他にも種々の方法を用いることができる。例えば、用紙6の中心点6Aaの座標値(sheetwidth/2、sheetheight/2)並びに第1スライド領域6Aの幅及び高さを用いて、第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を求める方法がある。
【0086】
図13は、スライド印刷された用紙6に電子ペン1Aによって手書きストロークが記入された際に表示されるコンピュータ装置2の画面例を示す。具体的には、上記したようにしてスライド印刷された用紙6について求められた座標変換関数を用いて、手書きストロークに対応するストローク画像を表示させる場合を例示する。図13(a)はスライド印刷された用紙6を示し、図13(b)はコンピュータ装置2を示す。図13(b)は、専用アプリでPPTファイルを開いた場合に、表示手段26に表示される画面例を示している。つまり、専用アプリでスライドショーが行われた際のある時点での表示画面例を示している。この場合、表示手段26には、PPTファイルにおけるスライドの内容が全画面表示されることとする。つまり、表示手段26の画面全体が第2スライド領域2Aとなる。
【0087】
図13(a)に示すように電子ペン1Aによって用紙6の第1スライド領域6Aに手書きストロークが記入された場合、表示制御手段245は、図13(b)中の矢印400で示すように、表示手段26の第2スライド領域2Aに当該手書きストロークに対応するストローク画像を表示する。具体的には、表示制御手段245は、受信手段22によって電子ペン1から逐次受信する記入情報に含まれる座標データに基づいて、第1スライド領域6Aに記入された手書きストロークを構成する複数の座標点のそれぞれを、座標変換関数演算手段244が求めた座標変換関数によって座標変換し、座標変換によって得られた複数の座標点から構成されるストロークの画像を描画し、描画したストローク画像を第2スライド領域2Aに表示する。これにより、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の適切な位置に、手書きストロークに対応するストローク画像が表示されることとなる。
【0088】
次に、図14を参照して、ノート印刷された場合の、第1スライド領域の四隅の座標値を求める方法を説明する。図14(a)はノート印刷された用紙6を示し、図14(b)はコンピュータ装置2を示す。ここでは、図14(a)に示すように、用紙6が縦向きでノート印刷された場合を例示する。このようにノート印刷された場合には、スライドの内容が印刷された第1スライド領域6Bの下方に、ノートの内容が印刷された第1ノート領域6Cが位置する。また、図14(b)に示すように、コンピュータ装置2の表示手段26における第2スライド領域2Aの高さ及び幅の比率は、PPTファイルに設定されたスライドサイズの「tate」及び「yoko」の比率と一致しており、表示手段26にはスライドの内容が全画面表示されるものとする。なお、図14(b)では、説明の便宜上、ノートの内容が表示される第2ノート領域を図示していない。
【0089】
図14(a)に示すように、用紙6の幅及び高さは、動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」及び「sheetheight」と一致する。また、ノート印刷した場合には、用紙6における第1スライド領域6Bの中心点6BaのX座標及びY座標は、動作設定ファイルに記述された「slidecenterX」及び「slidecenterY」と一致し、第1スライド領域6Bの高さは、動作設定ファイルに記述された「slideheight」と一致する。ここで、ノート印刷した場合には、基本的には、第1スライド領域6Bの幅及び高さは、PPTファイルに設定されたスライドサイズの「yoko」及び「tate」の比を保って縮小されたサイズとなっている。そのため、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「yoko」及び「tate」と、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルに記述された「sheetwidth」、「sheetheight」、「slidecenterY」及び「slideheight」とに基づいて、用紙6における第1スライド領域6Bの四隅B1〜B4の座標値を求める。
【0090】
具体的には、座標変換関数演算手段244は、まず、第1スライド領域6Bの高さに対する幅の比率(以下、単に「比率」ともいう)を「yoko/tate」より求める。そして、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Bの幅(以下、適宜「slidewidth」と表記する。)を、「slideheight×比率」より求める。この後、用紙6の左上の隅を原点とすると、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Bの左上の隅に位置する点B1のX座標を「(sheetwidth−slidewidth)/2」より求め、点B1のY座標を「slidecenterY−slideheight/2」より求める。また、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Bの右上の隅に位置する点B1のX座標を、点B1のX座標に「slidewidth」を加算することで求め、点B2のY座標については、点B1のY座標を用いる。そして、座標変換関数演算手段244は、第1スライド領域6Bの右下の隅に位置する点B3のX座標については、点B2のX座標を用い、点B3のY座標については、点B2のY座標に「slideheight」を加算することで求め、第1スライド領域6Bの左下の隅に位置する点B4のX座標については点B1のX座標を用い、点B4のY座標については点B3のY座標を用いる。
【0091】
この後、詳細は後述するが、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「yoko」及び「tate」並びに画面解像度取得手段241が取得した画像解像度に基づいて、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅B1’〜B4’の座標値(第2座標値)を求める。そして、座標変換関数演算手段244は、用紙6における第1スライド領域6Bの四隅B1〜B4の座標値を、それぞれ、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅B1’〜B4’の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める。
【0092】
なお、スライド印刷された場合の第1スライド領域6Aの四隅A1〜A4の座標値を求める方法の場合と同様に、上記したような第1スライド領域6Bの四隅B1〜B4の座標値を求める方法は一例であり、他にも種々の方法を用いることができる。
【0093】
図15は、ノート印刷された用紙6に電子ペン1Aによって手書きストロークが記入された際に表示されるコンピュータ装置2の画面例を示す。具体的には、上記したようにしてノート印刷された用紙6について求められた座標変換関数を用いて、手書きストロークに対応するストローク画像を表示させる場合を例示する。図15(a)はノート印刷された用紙6を示し、図15(b)はコンピュータ装置2を示す。図15(b)は、専用アプリでPPTファイルを開いた場合に、表示手段26に表示される画面例を示している。つまり、専用アプリでスライドショーが行われた際のある時点での表示画面例を示している。この場合、表示手段26には、PPTファイルにおけるスライドの内容が全画面表示されることとする。つまり、表示手段26の画面全体が第2スライド領域2Aとなる。また、表示手段26には、用紙6の第1ノート領域6Cへの電子ペン1Aによる記入に応じて、第2スライド領域2A上に、ノートの内容が表示される第2ノート領域2Bが別ウィンドウで表示される。第2ノート領域2Bに対応するウィンドウには、当該ウィンドウを最小化したり閉じたりするための操作ボタンが表示される。また、当該ウィンドウには、必要に応じてスクロールバーが表示される。
【0094】
図15(a)に示すように電子ペン1Aによって用紙6の第1スライド領域6Bに手書きストロークが記入された場合、コンピュータ装置2の表示制御手段245は、図15(b)中の矢印401で示すように、表示手段26の第2スライド領域2Aに当該手書きストロークに対応するストローク画像を表示する。具体的には、表示制御手段245は、受信手段22によって電子ペン1から逐次受信する記入情報に含まれる座標データに基づいて、第1スライド領域6Bに記入された手書きストロークを構成する複数の座標点のそれぞれを、座標変換関数演算手段244が求めた座標変換関数によって座標変換し、座標変換によって得られた複数の座標点から構成されるストロークの画像を描画し、描画したストローク画像を第2スライド領域2Aに表示する。これにより、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の適切な位置に、手書きストロークに対応するストローク画像が表示されることとなる。
【0095】
また、図15(a)に示すように電子ペン1Aによって用紙6の第1ノート領域6Cに手書きストロークが記入された場合、表示制御手段245は、当該手書きストロークを文字認識することで得られた文字情報に対応する文字画像を、図15(b)中の矢印403で示すように第2ノート領域2Bに表示させる。この場合、表示制御手段245は、文字認識することで得られた文字を、所定のフォントで第2ノート領域2Bに表示させる。このように文字認識することで得られた文字を第2ノート領域2Bに表示させる例は、プレゼンテーション用のアプリで、ノートとしては文字のみを取り扱うことを想定したものである。但し、手書きストロークを文字認識することで得られた文字を第2ノート領域2Bに表示させることに限定はされず、第2スライド領域2Aと同様に、第2ノート領域2Bに手書きストロークに対応するストローク画像を表示させるようにしても良い。後者の例では、用紙6の第1ノート領域6Cに図形など文字認識できない手書きストロークが記入されても、表示制御手段245は、対応するストローク画像を第2ノート領域2Bに表示させる。これにより、用紙6の第1ノート領域6Cへの記入自由度を高くすることができる。
【0096】
次に、図16を参照して、表示手段26における第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める方法を説明する。座標変換関数演算手段244は、画面解像度取得手段241が取得した画面解像度及びスライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズ(tate及びyoko)に基づいて、スライドの内容全体が表示手段26の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように第2スライド領域2Aのサイズを調整したうえで、当該第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める。具体的には、座標変換関数演算手段244は、画面解像度によって定まる表示手段26の表示範囲にスライドの内容全体が収まるように、「tate」と「yoko」との比を一定に維持した状態で第2スライド領域2Aのサイズを拡大又は縮小する。
【0097】
詳しくは、まず、座標変換関数演算手段244は、PPTファイルに設定されたスライドサイズの長辺(tate及びyokoのうち長いほう)を、表示手段26の表示範囲の対応する辺に一致するように拡大又は縮小させ、これと同じ比率で、スライドサイズの短辺を拡大又は縮小する。このような拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺が表示手段26の表示範囲に収まる場合には、座標変換関数演算手段244は、拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの長辺及び短辺のサイズを第2スライド領域2Aのサイズとして確定し、その第2スライド領域2Aを表示手段26の表示範囲における中心位置に配置し、当該配置後の第2スライド領域の四隅の座標値を求める。他方で、上記のように拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺が表示手段26の表示範囲に収まらない場合には、座標変換関数演算手段244は、拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺を、表示手段26の表示範囲の対応する辺に一致するように縮小させ、これと同じ比率で、拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの長辺を縮小して、第2スライド領域2Aのサイズとして確定する。そして、座標変換関数演算手段244は、その第2スライド領域2Aを表示手段26の表示範囲における中心位置に配置し、当該配置後の第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める。
【0098】
図16は、上記したような方法にて、表示手段26の表示範囲に収まるようにサイズ調整されると共に表示範囲の中心位置に配置された第2スライド領域の具体例を示している。図16(a)に示すような第2スライド領域2A1が得られた場合(1回目の拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺が表示手段26の表示範囲に収まらず、縮小した場合)には、座標変換関数演算手段244は、第2スライド領域2A1の4隅C1〜C4の座標値を求める。また、図16(b)に示すような第2スライド領域2A2が得られた場合(1回目の拡大又は縮小を行った後のスライドサイズの短辺が表示手段26の表示範囲に収まった場合)には、座標変換関数演算手段244は、第2スライド領域2A2の4隅D1〜D4の座標値を求める。
【0099】
なお、表示手段26の表示範囲において第2スライド領域2A1、2A2以外の領域は、バックグラウンドとして黒が表示される。但し、このような第2スライド領域2A1、2A2はあくまで一例であり、サイズ調整後の第2スライド領域が表示手段26の表示範囲にちょうど収まる場合もあり、そのような場合にはバックグラウンドは表示されない。
【0100】
[座標変換関数演算処理]
次に、図17を参照して、本実施形態における座標変換関数演算処理の流れについて説明する。図17は、本実施形態における座標変換関数演算処理を示すフローチャートである。この処理は、コンピュータ装置2の処理手段24によって、専用アプリでPPTファイルが開かれるときに実行される。具体的には、当該処理は、ユーザによって専用アプリでPPTファイルを開くための操作(図8及び図9参照)が行われた際に開始される。
【0101】
まず、ステップS101では、画面解像度取得手段241が、OSのディスプレイ設定を取得する関数より、表示手段26に設定された画面解像度を取得すると共に、スライドサイズ取得手段242が、PPTファイルに設定されたスライドサイズ(tate及びyoko)を取得してピクセルの単位に換算する。そして、ステップS102では、印刷設定情報取得手段243の指示により表示制御手段245が、ユーザに印刷設定情報を入力させるための印刷設定画面300(図10参照)を表示手段26に表示させる。
【0102】
この後、ユーザが印刷設定画面300のOKボタン304をマウス操作により押下した場合(ステップS103:OKボタン)、印刷設定情報取得手段243が、印刷設定画面300に表示された選択肢からユーザにより選択された印刷設定情報を取得する。そして、座標変換関数演算手段244が、記憶手段25に記憶された複数の動作設定ファイルの中から、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に対応する動作設定ファイルを選択する(ステップS104)。一方、ユーザが印刷設定画面300のキャンセルボタン305をマウス操作により押下した場合(ステップS103:キャンセルボタン)、処理は終了する。この場合には、専用アプリでPPTファイルが開かれない。
【0103】
ステップS104の処理後、座標変換関数演算手段244は、印刷設定情報取得手段243が取得した印刷設定情報に基づいて、用紙6への印刷スタイルがスライド印刷であるか、ノート印刷であるかを判定する(ステップS105)。スライド印刷であると判定した場合(ステップS105:スライド印刷)、座標変換関数演算手段244は、ステップS104で選択した動作設定ファイルに記述されている、用紙6の幅及び高さをそれぞれ示す「sheetwidth」及び「sheetheight」と、スライドサイズ取得手段242が取得した「tate」及び「yoko」をそれぞれピクセルの単位に換算した値とに基づいて、用紙6の第1スライド領域6Aの四隅の座標値を求める(ステップS106)。具体的には、座標変換関数演算手段244は、「tate」及び「yoko」を第1スライド領域6Aの高さ及び幅として用いて、スライド印刷した場合の第1スライド領域6Aの四隅の座標値を求める。例えば、座標変換関数演算手段244は、図12の説明で述べたような演算方法により、スライド印刷された用紙6の第1スライド領域6Aの四隅の座標値を求める。そして、処理はステップS110に進む。
【0104】
一方、印刷スタイルがノート印刷であると判定した場合(ステップS105:ノート印刷)、座標変換関数演算手段244は、スライドサイズ取得手段242が取得した「tate」及び「yoko」より、「tate」に対する「yoko」の比率を求める(ステップS107)。そして、座標変換関数演算手段244は、ステップS104で選択した動作設定ファイルに記述されている、ノート印刷した場合の第1スライド領域6Bの高さを示す「slideheight」に対して、ステップS107で求めた比率を乗算することで、ノート印刷した場合の第1スライド領域の幅「slidewidth」を求める(ステップS108)。この後、座標変換関数演算手段244は、ステップS104で選択した動作設定ファイルに記述されている、「sheetwidth」、「slidecenterY」及び「slideheight」と、ステップS108で求めた「slidewidth」とに基づいて、ノート印刷された用紙6の第1スライド領域6Bの四隅の座標値を求める(ステップS109)。例えば、座標変換関数演算手段244は、図14の説明で述べたような演算方法により、ノート印刷した場合の第1スライド領域6Bの四隅の座標値を求める。そして、処理はステップS110に進む。
【0105】
ステップS110では、座標変換関数演算手段244は、画面解像度取得手段241が取得した画面解像度及びスライドサイズ取得手段242が取得したスライドサイズ(tate及びyoko)に基づいて、表示手段26の第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める(ステップS110)。具体的には、座標変換関数演算手段244は、画面解像度によって定まる表示手段26の表示範囲に第2スライド領域2Aが最大サイズで収まるように、「tate」と「yoko」の比を一定に維持した状態で第2スライド領域2Aのサイズを拡大又は縮小する。そして、座標変換関数演算手段244は、サイズ調整後の第2スライド領域2Aを表示手段26の表示範囲における中心位置に配置し、当該配置後の第2スライド領域2Aの四隅の座標値を求める。
【0106】
次に、座標変換関数演算手段244は、ステップS106又はS109で求めた第1スライド領域6A又は6Bの四隅の座標値、及びステップS110で求めた第2スライド領域2Aの四隅の座標値に基づいて、第1スライド領域内の座標値から第2スライド領域2A内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める(ステップS111)。この後、処理手段24は、専用アプリ上でPPTファイルを開き、第2スライド領域2AにPPTファイルのスライドを表示する。(ステップS112)。そして、処理は終了する。
【0107】
[本実施形態による作用効果]
以上説明した本実施形態によれば、画面解像度やパワーポイントのアプリケーション側で設定されたスライドサイズや用紙6の印刷設定などを考慮して、用紙6における第1スライド領域内の座標値から、表示手段26における第2スライド領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を適切に求めることができる。よって、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の位置に、適切に手書きストロークに対応するストローク画像を表示させることが可能となる。具体的には、用紙6の印刷設定や画面解像度などの種々の組み合わせに影響を受けることなく、手書きストロークが記入された用紙6上の位置に対応する表示手段26上の適切な位置に、手書きストロークの画像を表示させることが可能となる。
【0108】
[変形例]
次に、上記した実施形態の変形例について説明する。なお、以下で示す変形例は適宜組み合わせて実施することができる。
【0109】
(変形例1)
図18は、変形例1に係るストローク表示システムの構成を示す。変形例1に係るストローク表示システムは、プロジェクタ4及びスクリーン5を具備せずに、コンピュータ装置2の表示手段26上にドットパターンオーバーレイヤ(以下、「DOL」と表記する。)30が配置されている点で、前述した実施形態に係るストローク表示システム(図1参照)と異なる。なお、図18において図1と同一の符号を付した構成要素は、図1と同様であるものとする。また、ここでは、前述した実施形態と異なる点についてのみ説明を行い、特に説明しない構成や処理などについては前述した実施形態と同様であるものとする。
【0110】
図19は、DOL30の断面構造を示す。DOL30は、表示手段26のディスプレイパネル26Aの上に配置される。DOL30は、ポリエチレンテレフタラートなどの透明樹脂基板である基材フィルム33に、電子ペン1Bにより読み取ることができるよう赤外線を反射する素材(酸化チタン、コレステリック液晶、赤外線反射性顔料など)を含んだインキによりドットパターンのドット32が印刷され、さらに透明なEB硬化樹脂などの保護層31で保護された層構成を有している。ここで、ドットパターンを、赤外線を反射する素材で印刷しているのは、DOL30の下層にあるディスプレイパネル26Aから様々な色の可視光が放射されても、電子ペン1Bによってコントラストよくドットパターンを認識させるのに、望ましいからである。
【0111】
このような変形例1に係るストローク表示システムにおいても、コンピュータ装置2は、上記した方法と同様の方法で座標変換関数を求める。そして、コンピュータ装置2は、PPTファイルを専用アプリ上で開き、ユーザが電子ペン1Aによって用紙6に記入した手書きストロークを、求めた座標変換関数に基づいて、表示手段26に描画させる。また、コンピュータ装置2は、ユーザが電子ペン1BによってDOL30上に記入した手書きストロークを、表示手段26に描画させたり、記憶手段25に記憶させたりする。
【0112】
(変形例2)
上記では、専用アプリでPPTファイルを開くための操作が行われた後に、印刷設定画面に表示された選択肢より選択させることで印刷設定情報を取得する実施形態を示した。変形例2では、専用アプリでPPTファイルを開くための操作が行われる前に、印刷設定情報を事前に取得しておくことができる。例えば、ユーザがPPTファイルの内容を用紙6に印刷させたときに、印刷設定情報を取得することができる。具体的には、パワーポイントのアプリケーションで用紙6を印刷した際の印刷設定情報を、当該PPTファイルの識別情報(ファイル名、作成日時、更新日時などの情報)と関連付けて記憶手段25に記憶させておくことができる。この場合には、印刷設定情報取得手段243は、上記したような印刷設定画面を表示する代わりに、PPTファイルの識別情報をキーとして、記憶手段25から該当する印刷設定情報を取得する。
【0113】
(変形例3)
上記では、第1スライド領域及び第2スライド領域の四隅の座標値を求めることで、座標変換関数を求める実施形態を示した。変形例3では、このような四隅の座標値の代わりに、第1スライド領域及び第2スライド領域において対応する場所に位置する、予め定めた2以上の点の座標値を求めることで、座標変換関数を求めることができる。
【0114】
(変形例4)
上記では、動作設定ファイルに記述された情報などに基づいて、第1スライド領域の四隅の座標値を求める実施形態を示した。変形例4では、事前に求められた、第1スライド領域の四隅の座標値を動作設定ファイルに記述しておき、印刷設定情報に基づいて選択した動作設定ファイルから、第1スライド領域の四隅の座標値を取得することができる。なお、変形例3で述べたように、第1スライド領域の四隅の座標値の代わりに、第1スライド領域内に位置する2以上の所定の点の座標値を、動作設定ファイルに記述しても良い。
【0115】
(変形例5)
上記では、PPTファイルの内容を事前に用紙6に印刷しておき、そのような用紙6が存在する状態で、座標変換関数を求める実施形態を示した。変形例5では、PPTファイルの内容を印刷した用紙6の存在に関わらず、予め印刷設定情報ごとに画面解像度別の座標変換関数を求めて、各印刷設定情報に関連付けて記憶手段25に記憶させておくことができる。この場合、ユーザが印刷設定画面にて、印刷設定情報を入力すると、処理手段24では、座標変換関数演算手段244が座標変換関数を演算する代わりに、当該印刷設定情報および画面解像度取得手段241が取得した画面解像度をキーとして、記憶手段25から該当する座標変換関数を取得する。
【0116】
(変形例6)
上記では、コンピュータ装置2に接続されたプリンタ3によって印刷された用紙6を用いる実施形態を示した。変形例6では、コンピュータ装置2に接続されていないプリンタによって印刷された用紙6を用いることができる。例えば、コンピュータ装置2に接続されたプリンタ3にドットパターンを印刷するためのドライバがインストールされていない場合に、コンピュータ装置2に接続されていないが、ドットパターンを印刷するためのドライバがインストールされているプリンタによって用紙6を印刷させることができる。この場合には、コンピュータ装置2は、そのようなプリンタが用紙6に印刷したドットパターンに関する情報を取得しておく必要がある。
【0117】
(変形例7)
上記では、スライド印刷された場合及びノート印刷された場合について、第1スライド領域の四隅の座標値を求める実施形態を示した。変形例7では、スライド印刷及びノート印刷以外の種々の印刷レイアウトについて、第1スライド領域の四隅の座標値を求めることができる。例えば、種々の印刷レイアウトとしては、ページ集約(1枚の印刷用紙に複数ページを割り付けて印刷する方式)により印刷した場合や、印刷スタイルを配布資料として印刷した場合などが挙げられる。そのような種々の印刷レイアウトのそれぞれについて、第1スライド領域の四隅の座標値を求めるために必要な情報を予め動作設定ファイルに記述しておけば、第1スライド領域の四隅の座標値を求めることができる。
【0118】
(変形例8)
上記では、本発明をプレゼンアプリに適用する実施形態を示したが、本発明は、プレゼンアプリ以外にも種々のアプリケーションに適用することができる。
【符号の説明】
【0119】
1(1A、1B)…電子ペン
2…コンピュータ装置
2A…第2スライド領域(第2領域)
3…プリンタ
4…プロジェクタ
5…スクリーン
6…用紙
6A、6B…第1スライド領域(第1領域)
21…入力手段
22…受信手段
24…処理手段
25…記憶手段
26…表示手段
27…画像出力手段
28…印刷出力手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のアプリケーションを実行するコンピュータ装置であって、
当該コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得する画面解像度取得手段と、
前記アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得するスライドサイズ取得手段と、
前記アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する印刷設定情報取得手段と、
前記画面解像度、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記用紙において前記アプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、前記表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める座標変換関数演算手段と、を備えることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項2】
前記座標変換関数演算手段は、
前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記第1領域内に位置する2以上の点の第1座標値を求めると共に、
前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記第2領域内に位置すると共に、前記第1座標値の点に対応する場所に位置する2以上の点の第2座標値を求め、
前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記座標変換関数を求めることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であることを特徴とする請求項2に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
前記印刷設定情報取得手段は、前記用紙の向きを示す情報と、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるかを示す情報と、前記用紙のサイズを示す情報と、を取得することを特徴とする請求項3に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
前記座標変換関数演算手段は、前記印刷スタイルが前記スライド印刷である場合と、前記印刷スタイルが前記ノート印刷である場合とで、異なる方法によって前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ装置。
【請求項6】
複数の前記印刷設定情報の各々について、前記第1座標値を求めるために用いられる情報が記述された複数の設定ファイルを記憶する記憶手段を更に備え、
前記座標変換関数演算手段は、複数の前記設定ファイルの中から、前記印刷設定情報取得手段が取得した前記印刷設定情報に対応する前記設定ファイルを選択し、選択した当該設定ファイルに記述された情報に基づいて前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項7】
複数の前記設定ファイルにはそれぞれ、前記用紙の幅及び高さと、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷又は前記ノート印刷のどちらであるかと、前記ノート印刷である場合における前記第1領域の高さ及び幅の少なくともいずれか一方と、当該第1領域の中心座標と、が記述されている請求項6に記載のコンピュータ装置。
【請求項8】
前記座標変換関数演算手段は、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズを前記第1領域のサイズとして用いて、当該スライドサイズ及び選択した前記設定ファイルに記述された前記用紙の幅及び高さに基づいて、前記第1座標値を求め、
前記用紙への印刷スタイルが前記ノート印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズから縦と横との比率を求め、当該比率及び選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の高さ及び幅の一方から、前記第1領域の高さ及び幅の他方を求め、当該第1領域の高さ及び幅、並びに選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の中心座標に基づいて、前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項7に記載のコンピュータ装置。
【請求項9】
前記座標変換関数演算手段は、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記スライドの内容全体が前記表示手段の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように前記第2領域のサイズを調整したうえで、前記第2座標値を求めることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項10】
前記第1座標値は、前記第1領域の四隅の座標値であり、
前記第2座標値は、前記第2領域の四隅の座標値であることを特徴とする請求項2乃至9のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項11】
前記印刷設定情報をユーザに入力させるための設定画面を表示する手段を更に備え、
前記印刷設定情報取得手段は、ユーザが前記設定画面に入力した前記印刷設定情報を取得することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項12】
請求項1又は2に記載のコンピュータ装置と、
前記アプリケーションの内容を前記用紙に印刷すると共に、当該用紙上にコード化パターンを印刷するプリンタと、
前記用紙上に印刷された前記コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、を備えるストローク表示システムであって、
前記コンピュータ装置は、
前記電子ペンから受信した前記記入情報及び前記座標変換関数演算手段が求めた前記座標変換関数に基づいて、当該記入情報に対応する前記手書きストロークを表すストローク画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段を有することを特徴とするストローク表示システム。
【請求項13】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、
前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、
前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを文字認識することで得られる文字情報に対応する文字画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該文字画像を表示させることを特徴とする請求項12に記載のストローク表示システム。
【請求項14】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、
前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、
前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該ストローク画像を表示させることを特徴とする請求項12に記載のストローク表示システム。
【請求項15】
所定のアプリケーションを実行するコンピュータ装置によって実行されるプログラムであって、
当該コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得する画面解像度取得手段、
前記アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得するスライドサイズ取得手段、
前記アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する印刷設定情報取得手段、
前記画面解像度、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記用紙において前記アプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、前記表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める座標変換関数演算手段、として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
前記座標変換関数演算手段は、
前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記第1領域内に位置する2以上の点の第1座標値を求めると共に、
前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記第2領域内に位置すると共に、前記第1座標値の点に対応する場所に位置する2以上の点の第2座標値を求め、
前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記座標変換関数を求めることを特徴とする請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記印刷設定情報取得手段は、前記用紙の向きを示す情報と、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるかを示す情報と、前記用紙のサイズを示す情報と、を取得することを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記座標変換関数演算手段は、前記印刷スタイルが前記スライド印刷である場合と、前記印刷スタイルが前記ノート印刷である場合とで、異なる方法によって前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
複数の前記印刷設定情報の各々について、前記第1座標値を求めるために用いられる情報が記述された複数の設定ファイルを記憶する記憶手段として前記コンピュータ装置を更に機能させ、
前記座標変換関数演算手段は、複数の前記設定ファイルの中から、前記印刷設定情報取得手段が取得した前記印刷設定情報に対応する前記設定ファイルを選択し、選択した当該設定ファイルに記述された情報に基づいて前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項21】
複数の前記設定ファイルにはそれぞれ、前記用紙の幅及び高さと、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷又は前記ノート印刷のどちらであるかと、前記ノート印刷である場合における前記第1領域の高さ及び幅の少なくともいずれか一方と、当該第1領域の中心座標と、が記述されている請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記座標変換関数演算手段は、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズを前記第1領域のサイズとして用いて、当該スライドサイズ及び選択した前記設定ファイルに記述された前記用紙の幅及び高さに基づいて、前記第1座標値を求め、
前記用紙への印刷スタイルが前記ノート印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズから縦と横との比率を求め、当該比率及び選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の高さ及び幅の一方から、前記第1領域の高さ及び幅の他方を求め、当該第1領域の高さ及び幅、並びに選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の中心座標に基づいて、前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記座標変換関数演算手段は、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記スライドの内容全体が前記表示手段の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように前記第2領域のサイズを調整したうえで、前記第2座標値を求めることを特徴とする請求項16乃至22のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項24】
前記第1座標値は、前記第1領域の四隅の座標値であり、
前記第2座標値は、前記第2領域の四隅の座標値であることを特徴とする請求項16乃至23のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項25】
前記印刷設定情報をユーザに入力させるための設定画面を表示する手段として前記コンピュータ装置を更に機能させ、
前記印刷設定情報取得手段は、ユーザが前記設定画面に入力した前記印刷設定情報を取得することを特徴とする請求項15乃至24のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項26】
請求項1又は2に記載のコンピュータ装置と、前記アプリケーションの内容を前記用紙に印刷すると共に、当該用紙上にコード化パターンを印刷するプリンタと、前記用紙上に印刷された前記コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、を備えるストローク表示システムにおいて、前記コンピュータ装置により実行されるプログラムであって、
前記電子ペンから受信した前記記入情報及び前記座標変換関数演算手段が求めた前記座標変換関数に基づいて、当該記入情報に対応する前記手書きストロークを表すストローク画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段、として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項27】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、
前記表示制御手段は、
前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドの内容に対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを文字認識することで得られる文字情報に対応する文字画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該文字画像を表示させることを特徴とする請求項26に記載のプログラム。
【請求項28】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、
前記表示制御手段は、
前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該ストローク画像を表示させることを特徴とする請求項26に記載のプログラム。
【請求項1】
所定のアプリケーションを実行するコンピュータ装置であって、
当該コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得する画面解像度取得手段と、
前記アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得するスライドサイズ取得手段と、
前記アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する印刷設定情報取得手段と、
前記画面解像度、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記用紙において前記アプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、前記表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める座標変換関数演算手段と、を備えることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項2】
前記座標変換関数演算手段は、
前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記第1領域内に位置する2以上の点の第1座標値を求めると共に、
前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記第2領域内に位置すると共に、前記第1座標値の点に対応する場所に位置する2以上の点の第2座標値を求め、
前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記座標変換関数を求めることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であることを特徴とする請求項2に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
前記印刷設定情報取得手段は、前記用紙の向きを示す情報と、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるかを示す情報と、前記用紙のサイズを示す情報と、を取得することを特徴とする請求項3に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
前記座標変換関数演算手段は、前記印刷スタイルが前記スライド印刷である場合と、前記印刷スタイルが前記ノート印刷である場合とで、異なる方法によって前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ装置。
【請求項6】
複数の前記印刷設定情報の各々について、前記第1座標値を求めるために用いられる情報が記述された複数の設定ファイルを記憶する記憶手段を更に備え、
前記座標変換関数演算手段は、複数の前記設定ファイルの中から、前記印刷設定情報取得手段が取得した前記印刷設定情報に対応する前記設定ファイルを選択し、選択した当該設定ファイルに記述された情報に基づいて前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項7】
複数の前記設定ファイルにはそれぞれ、前記用紙の幅及び高さと、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷又は前記ノート印刷のどちらであるかと、前記ノート印刷である場合における前記第1領域の高さ及び幅の少なくともいずれか一方と、当該第1領域の中心座標と、が記述されている請求項6に記載のコンピュータ装置。
【請求項8】
前記座標変換関数演算手段は、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズを前記第1領域のサイズとして用いて、当該スライドサイズ及び選択した前記設定ファイルに記述された前記用紙の幅及び高さに基づいて、前記第1座標値を求め、
前記用紙への印刷スタイルが前記ノート印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズから縦と横との比率を求め、当該比率及び選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の高さ及び幅の一方から、前記第1領域の高さ及び幅の他方を求め、当該第1領域の高さ及び幅、並びに選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の中心座標に基づいて、前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項7に記載のコンピュータ装置。
【請求項9】
前記座標変換関数演算手段は、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記スライドの内容全体が前記表示手段の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように前記第2領域のサイズを調整したうえで、前記第2座標値を求めることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項10】
前記第1座標値は、前記第1領域の四隅の座標値であり、
前記第2座標値は、前記第2領域の四隅の座標値であることを特徴とする請求項2乃至9のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項11】
前記印刷設定情報をユーザに入力させるための設定画面を表示する手段を更に備え、
前記印刷設定情報取得手段は、ユーザが前記設定画面に入力した前記印刷設定情報を取得することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
【請求項12】
請求項1又は2に記載のコンピュータ装置と、
前記アプリケーションの内容を前記用紙に印刷すると共に、当該用紙上にコード化パターンを印刷するプリンタと、
前記用紙上に印刷された前記コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、を備えるストローク表示システムであって、
前記コンピュータ装置は、
前記電子ペンから受信した前記記入情報及び前記座標変換関数演算手段が求めた前記座標変換関数に基づいて、当該記入情報に対応する前記手書きストロークを表すストローク画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段を有することを特徴とするストローク表示システム。
【請求項13】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、
前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、
前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを文字認識することで得られる文字情報に対応する文字画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該文字画像を表示させることを特徴とする請求項12に記載のストローク表示システム。
【請求項14】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、
前記コンピュータ装置の前記表示制御手段は、
前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該ストローク画像を表示させることを特徴とする請求項12に記載のストローク表示システム。
【請求項15】
所定のアプリケーションを実行するコンピュータ装置によって実行されるプログラムであって、
当該コンピュータ装置の表示手段に設定された画面解像度を取得する画面解像度取得手段、
前記アプリケーションのファイルに設定されたスライドサイズを取得するスライドサイズ取得手段、
前記アプリケーションの内容が印刷された用紙に関する印刷設定情報を取得する印刷設定情報取得手段、
前記画面解像度、前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記用紙において前記アプリケーションの内容が印刷される第1領域内の座標値から、前記表示手段において前記アプリケーションの内容が表示される第2領域内の座標値へ座標変換するための座標変換関数を求める座標変換関数演算手段、として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
前記座標変換関数演算手段は、
前記スライドサイズ及び前記印刷設定情報に基づいて、前記第1領域内に位置する2以上の点の第1座標値を求めると共に、
前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記第2領域内に位置すると共に、前記第1座標値の点に対応する場所に位置する2以上の点の第2座標値を求め、
前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記座標変換関数を求めることを特徴とする請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記印刷設定情報取得手段は、前記用紙の向きを示す情報と、前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容を印刷対象とするスライド印刷であるか、前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷であるかを示す情報と、前記用紙のサイズを示す情報と、を取得することを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記座標変換関数演算手段は、前記印刷スタイルが前記スライド印刷である場合と、前記印刷スタイルが前記ノート印刷である場合とで、異なる方法によって前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
複数の前記印刷設定情報の各々について、前記第1座標値を求めるために用いられる情報が記述された複数の設定ファイルを記憶する記憶手段として前記コンピュータ装置を更に機能させ、
前記座標変換関数演算手段は、複数の前記設定ファイルの中から、前記印刷設定情報取得手段が取得した前記印刷設定情報に対応する前記設定ファイルを選択し、選択した当該設定ファイルに記述された情報に基づいて前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項21】
複数の前記設定ファイルにはそれぞれ、前記用紙の幅及び高さと、前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷又は前記ノート印刷のどちらであるかと、前記ノート印刷である場合における前記第1領域の高さ及び幅の少なくともいずれか一方と、当該第1領域の中心座標と、が記述されている請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記座標変換関数演算手段は、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライド印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズを前記第1領域のサイズとして用いて、当該スライドサイズ及び選択した前記設定ファイルに記述された前記用紙の幅及び高さに基づいて、前記第1座標値を求め、
前記用紙への印刷スタイルが前記ノート印刷である場合には、前記スライドサイズ取得手段が取得した前記スライドサイズから縦と横との比率を求め、当該比率及び選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の高さ及び幅の一方から、前記第1領域の高さ及び幅の他方を求め、当該第1領域の高さ及び幅、並びに選択した前記設定ファイルに記述された前記第1領域の中心座標に基づいて、前記第1座標値を求めることを特徴とする請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記座標変換関数演算手段は、前記画面解像度及び前記スライドサイズに基づいて、前記スライドの内容全体が前記表示手段の表示範囲内に収まり且つ最大サイズとなるように前記第2領域のサイズを調整したうえで、前記第2座標値を求めることを特徴とする請求項16乃至22のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項24】
前記第1座標値は、前記第1領域の四隅の座標値であり、
前記第2座標値は、前記第2領域の四隅の座標値であることを特徴とする請求項16乃至23のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項25】
前記印刷設定情報をユーザに入力させるための設定画面を表示する手段として前記コンピュータ装置を更に機能させ、
前記印刷設定情報取得手段は、ユーザが前記設定画面に入力した前記印刷設定情報を取得することを特徴とする請求項15乃至24のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項26】
請求項1又は2に記載のコンピュータ装置と、前記アプリケーションの内容を前記用紙に印刷すると共に、当該用紙上にコード化パターンを印刷するプリンタと、前記用紙上に印刷された前記コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、を備えるストローク表示システムにおいて、前記コンピュータ装置により実行されるプログラムであって、
前記電子ペンから受信した前記記入情報及び前記座標変換関数演算手段が求めた前記座標変換関数に基づいて、当該記入情報に対応する前記手書きストロークを表すストローク画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段、として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項27】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、
前記表示制御手段は、
前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドの内容に対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを文字認識することで得られる文字情報に対応する文字画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該文字画像を表示させることを特徴とする請求項26に記載のプログラム。
【請求項28】
前記アプリケーションは、プレゼンテーション用のスライド及びノートに文字及び/又は図形が記入されて利用されるプレゼンテーション用のアプリケーションであり、
前記第1領域は、前記用紙において前記スライドの内容が印刷される領域であり、
前記第2領域は、前記表示手段において前記スライドの内容が表示される領域であり、
前記表示制御手段は、
前記用紙の前記第1領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段の前記第2領域に当該ストローク画像を表示させ、
前記用紙への印刷スタイルが前記スライドの内容及び当該スライドに対応する前記ノートの内容を印刷対象とするノート印刷である場合において、前記用紙において前記ノートの内容が印刷された領域に前記手書きストロークが記入された場合、当該手書きストロークを表す前記ストローク画像を描画して、前記表示手段において前記ノートの内容が表示される領域に、当該ストローク画像を表示させることを特徴とする請求項26に記載のプログラム。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1】
【図8】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1】
【図8】
【公開番号】特開2013−20402(P2013−20402A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152548(P2011−152548)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]