説明

コンプトンカメラ

【課題】検出器を大面積化することなく、奥行き方向の位置分解能を向上させることができるコンプトンカメラを提供する。
【解決手段】カメラヘッド12a、12bを、放射線源20から放出された放射線を検出することが可能な位置に配置し、検出した検出データに基づいて得られる放射線源20の推定位置分布を示すコンプトン円錐を三次元空間に投影して、逆投影法により、検出データ毎に得られたコンプトン円錐の重なりの度合いが大きい部分を抽出して逆投影像を算出し、算出された逆投影像に期待値最大化最尤法を適用して線源分布を求めて放射線源20に基づく画像を再構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンプトンカメラに係り、特に、ガンマ線トモグラフィー(ガンマ線源の三次元分布画像の取得)に用いるマルチヘッドのコンプトンカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物から放出されたガンマ線をカメラ内に設置されたガンマ線検出器において測定し、ガンマ線源となる核種の分布を推測する装置であるコンプトンカメラを用いて、ガンマ線源の二次元画像を取得することが行われている。コンプトンカメラでは、検出器内でのコンプトン散乱及び光電吸収の連続イベントを計測することによって、ガンマ線の飛来方向をコンプトン円錐として推定できるため、物理的なコリメータを排除できる。また、検出器に高エネルギー分解能を持つ半導体検出器を用いることで、同時多核種放射線のイメージングができることが特徴である。
【0003】
これまで、コンプトンカメラは、主に宇宙観測用途に用いられており、最近では核医学検査装置への応用研究が盛んに行われている。宇宙観測用途ではガンマ線の飛来方向の特定を目的としているため、奥行き方向の位置分解能については大きな問題とはならないが、核医学検査装置へ適用する場合には、全ての方向に対して位置分解能を高精度に保つ必要がある。
【0004】
そこで、平行に並べた2台の電極分割型平板ゲルマニウム半導体検出器を備え、その前方に位置するガンマ線源から放出されるガンマ線を測定するガンマ線撮像装置において、前方の検出器に入射してコンプトン散乱し、散乱したガンマ線が後方の検出器に入射されて完全に吸収される事象を測定し、この測定事象について、コンプトン円錐を推定し、このような事象を2組以上測定することにより、円錐面が重なり合う位置をガンマ線源の位置として求めてガンマ線放出体の画像を形成するガンマ線撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−208057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載のガンマ線撮像装置では、検出器面が十分に大きい場合には、コンプトン円錐の頂点がガンマ線源から見て広い立体角の領域に分散されるため、奥行き方向の位置分解能を十分確保することができるが、検出器を大面積化することは、製造技術やコストの面から困難である。また、検出器面積が小さい場合には、ガンマ線源からみた検出器の占める立体角が小さくなり、奥行き方向の位置分解能が悪化する、という問題がある。
【0006】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、検出器を大面積化することなく、奥行き方向の位置分解能を向上させることができるコンプトンカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明に係るコンプトンカメラは、対象物から放出された放射線を検出することが可能な位置に配置されると共に、各々放射線によるコンプトン散乱を検出して検出データを出力する複数の検出器と、前記複数の検出器の各々から出力された前記検出データの各々から得られるコンプトン円錐により定まる放射線源の位置を三次元空間に投影する投影手段と、前記投影手段で投影された位置の重なりの度合いが大きい部分を抽出して前記放射線源に基づく画像を再構成する再構成手段とを含んで構成されている。
【0008】
第1の発明に係るコンプトンカメラによれば、各々放射線によるコンプトン散乱を検出して検出データを出力する複数の検出器が、対象物から放出された放射線を検出することが可能な位置に配置され、投影手段が、複数の検出器の各々から出力された検出データの各々から得られるコンプトン円錐により定まる放射線源の位置を三次元空間に投影し、再構成手段が、投影手段で投影された位置の重なりの度合いが大きい部分を抽出して放射線源に基づく画像を再構成する。
【0009】
このように、複数の検出器の検出データから得られるコンプトン円錐を三次元空間に投影して放射線源に基づく画像を再構成するため、検出器各々の奥行き方向の位置分解能の精度を検出器の各々が補い合うため、検出器を大面積化することなく、奥行き方向の位置分解能を向上させることができる。
【0010】
また、第2の発明に係るコンプトンカメラは、対象物から放出された放射線を検出することが可能な位置に配置されると共に、各々放射線によるコンプトン散乱を検出して検出データを出力する複数の検出器と、前記複数の検出器の各々から出力された前記検出データの各々から得られるコンプトン円錐により定まる放射線源の位置を二次元平面に投影する二次元投影手段と、前記二次元投影手段で投影された位置の重なりの度合いが大きい部分を前記検出器毎に抽出する抽出手段と、前記複数の検出器の各々から出力された前記検出データの各々から得られるコンプトン円錐により定まる放射線源の位置を、前記抽出手段で抽出された抽出部分の各々に含まれる三次元空間に投影する三次元投影手段と、前記三次元投影手段で投影された位置の重なりの度合いが大きい部分を抽出して前記放射線源に基づく画像を再構成する再構成手段とを含んで構成されている。
【0011】
第2の発明に係るコンプトンカメラによれば、二次元投影手段が、複数の検出器の各々から出力された検出データの各々から得られるコンプトン円錐により定まる放射線源の位置を二次元平面に投影し、抽出手段が、二次元投影手段で投影された位置の重なりの度合いが大きい部分を検出器毎に抽出し、三次元投影手段が、複数の検出器の各々から出力された検出データの各々から得られるコンプトン円錐により定まる放射線源の位置を、抽出手段で抽出された抽出部分の各々に含まれる三次元空間に投影する。
【0012】
このように、二次元平面に投影された放射線源の位置に基づいて抽出された抽出部分に含まれる三次元空間にコンプトン円錐を投影するため、上記効果に加え、投影領域の画素数が大きな三次元空間にコンプトン円錐を直接投影して画像を再構成する場合に比べて、処理を行う領域が限定されるため、効率的に画像を再構成することができる。
【0013】
また、前記検出器によって、被検体に注入した薬剤に含まれる核種から放出される放射線を検出し、前記再構成手段によって前記被検体の診断画像を再構成するようにすることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明に係るコンプトンカメラによれば、検出器を大面積化することなく、奥行き方向の位置分解能を向上させることができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1(a)に示すように、第1の実施の形態に係るコンプトンカメラ10は、放射線源20に検出面を対向して配置した2つのカメラヘッド12a、12b、画像再構成の制御を行う制御部14、操作指示等の入力を行うためのキーボードやマウス等で構成された入力装置16、及び再構成された画像を表示するための表示装置18で構成されている。
【0017】
カメラヘッド12a、12bは、図2に示すように、前検出器22及び後検出器24で構成されている。前検出器22として、例えばシリコン(Si)を用い、後検出器24として、例えばテルル化カドミウム(CdTe)を用いたSi/CdTe半導体検出器を、カメラヘッド12a、12bとして用いることができる。なお、図2では、説明のため、後検出器24が1枚の場合について記載しているが、本実施の形態のコンプトンカメラ10で用いられるカメラヘッド12a、12bは、複数の後検出器24を備えている。後検出器24を複数備えることにより、より精度よく放射線を検出することができるため、後述するコンプトン円錐の推定精度が向上する。
【0018】
カメラヘッド12a、12bは、各々の検出面の中心を通る法線が直交するように配置されている。図1(b)に示すyz座標系で説明すると、座標原点に配置された放射線源20に対して、z軸上に検出面をy軸と平行にしてカメラヘッド12aが配置され、y軸上に検出面をz軸と平行にしてカメラヘッド12bが配置される。
【0019】
制御部14は、コンプトンカメラ10全体の制御を司るCPU、後述する画像再構成処理のプログラム等各種プログラムを記憶した記憶媒体としてのROM、ワークエリアとしてデータを一時的に格納するRAM、各種情報が記憶された記憶手段としてのHDD(ハードディスク)、ネットワークと接続するためのネットワークI/F(インタフェース)部、I/O(入出力)ポート、及びこれらを接続するバス等を含んで構成されている。I/Oポートには、入力装置16及び表示装置18が接続されている。また、制御部14は、カメラヘッド12a、12bとも接続されており、カメラヘッド12a、12bで検出される検出データが制御部14へ入力される。
【0020】
ここで、カメラヘッド12a、12bにおける、放射線によるコンプトン散乱の検出及びコンプトン円錐の推定原理について説明する。カメラヘッド12a及びカメラヘッド12bは同じ作用であるので、ここでは、カメラヘッド12aについて説明し、カメラヘッド12bについては説明を省略する。
【0021】
図2に示すように、放射線源20から放出された放射線は、前検出器22に入射され、コンプトン散乱して後検出器24に入射され、吸収される。カメラヘッド12aは、前検出器22及び後検出器24の放射線入射位置と、前検出器22及び後検出器24で吸収したエネルギーとを検出データとして出力する。この検出データからコンプトン運動に基づいて散乱角θが算出される。これにより、前検出器22から後検出器24へ入射した放射線の軌跡の放射線源20方向への延長線を中心軸、放射線の前検出器22への入射位置を頂点、及び2θを頂角とするコンプトン円錐が求められる。この円錐面内に放射線源20が存在することを意味し、検出データを多数取得し、コンプトン円錐を重ねていくことで放射線源20の位置を特定できる。
【0022】
次に、図3を参照して第1の実施の形態のコンプトンカメラ10における画像再構成処理の処理ルーチンについて説明する。
【0023】
ステップ100で、カメラヘッド12a、12bから出力される検出データを取得する。次に、ステップ102で、図4に示すように、取得した検出データから得られるコンプトン円錐を三次元空間に投影する。
【0024】
次に、ステップ104で、投影されたコンプトン円錐に基づいて、逆投影法により逆投影像を算出する。具体的な方法は、図5(a)に示すように、三次元空間を細かな画素、例えば立方体状の画素に分割し、この三次元空間にコンプトン円錐を投影する。コンプトン円錐面を含む1画素分の画素部分を拡大して図5(b)に示す。画素毎に、コンプトン円錐面のうち画素の内部に含まれる部分の面積Sに応じた重みをつけて度数を加算する。全ての検出データより得られるコンプトン円錐をそれぞれ投影して、度数を加算することにより、放射線源20が存在する領域に度数が集中した逆投影像が算出される。
【0025】
次に、ステップ106で、上記ステップ104で算出した逆投影像に対して、期待値最大化最尤法を用いて、放射線源20に基づく画像を再構成する。上記ステップ104の処理では、実際には放射線源20が存在しない部分にも度数が表れる場合があるため、さらに精度よく画像を再構成するための処理である。逆投影法によって得られた逆投影像により放射線源20の位置として推定される線源分布に対する検出器の応答を計算し、この計算結果と実際の検出データとを比較して、よりもっともらしい線源分布に近づくように逆投影像に補正を施す。この処理を複数回繰り返して、最終的に実際の線源分布に近い分布を得て、画像を再構成する。
【0026】
次に、ステップ108で、再構成した画像を表示装置18に表示して、処理を終了する。
【0027】
ここで、従来技術である一台のカメラヘッドを備えたコンプトンカメラで、点線源を観測した場合の位置分解能のシミュレーション結果の例を、図6に示す。カメラヘッド及び点線源の配置は、図1(b)に示す本実施の形態のカメラヘッド12a及び放射線源20の配置と同様である。図6において、(a)は逆投影像、(b)は期待値最大化最尤法による推定結果、及び(c)は(b)の分布のz軸射像である。図6(b)において、度数分布が横長となっており、奥行き方向であるz軸方向の分解能が他の軸(y軸)の分解能に対して非常に悪いことが分かる。図6(c)のz軸射像をガウシアンで近似すると、標準偏差σが約11mm程度であった。
【0028】
これに対し、本実施の形態のコンプトンカメラ10によるシミュレーション結果を図7に示す。図7において、(a)は逆投影像、(b)は期待値最大化最尤法による推定結果、及び(c)は(b)の分布のz軸射像である。図7(c)のz 軸射像をガウシアンで近似すると、標準偏差σが約2.4mmであり、カメラヘッドが一台の場合の結果と比較して改善された(図8参照)。
【0029】
また、図9(a)に示すように配置された2本の棒状線源30を、従来技術である二次元の画像再構成の手法により再構成すると、図9(b)に示すように、単純にそれぞれのカメラヘッドに対しての射影像が得られるに留まるが、本実施の形態のように、三次元空間で画像再構成を行うことにより、それぞれのカメラヘッドの持つ奥行き方向の位置分解能の情報を捨てることなく画像再構成が可能となり、図9(c)に示すように、2本の棒状線源30の位置のずれを反映した画像を得ることができる。
【0030】
以上説明したように、第1の実施の形態に係るコンプトンカメラ10によれば、カメラヘッドを2台配置することにより、奥行き方向の位置分解能を改善することができるため、カメラヘッドの検出面を大面積化することなく、奥行き方向の位置分解能を向上させることができる。また、三次元空間で画像再構成を行うことにより、各カメラヘッドにより撮像された奥行き方向の情報を捨てることなく画像再構成を行うことができ、画像再構成の精度が向上する。
【0031】
なお、第1の実施の形態では、2台のカメラヘッドを、検出面の法線が直交するように配置する場合について説明したが、3台以上のカメラヘッドを用いてもよく、各カメラヘッドの配置は、他のカメラヘッドの奥行き方向の位置分解能の悪さを補完するように配置するとよい。
【0032】
次に、第2の実施の形態に係るコンプトンカメラについて説明する。第1の実施の形態では、画像を再構成する際、投影法及び期待値最大化最尤法を直接三次元空間に適用した場合について説明したが、第2の実施の形態では、二次元及び三次元での画像再構成を組み合わせた場合について説明する。なお、第2の実施の形態に係るコンプトンカメラの構成は、第1の実施の形態に係るコンプトンカメラ10と同一であるので、説明を省略する。
【0033】
図10を参照して、第2の実施の形態のコンプトンカメラ10における画像再構成処理の処理ルーチンについて説明する。なお、第1の実施の形態のコンプトンカメラ10における画像再構成処理と同一の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
ステップ200で、取得した検出データから得られるコンプトン円錐を二次元平面に投影する。図11(a)に示すように、カメラヘッド12a、12bの各々から放射線源20までの距離を仮定し、仮定した放射線源20の位置で、各カメラヘッド12a、12bの検出面と平行な二次元平面を想定する。なお、放射線源20までの距離は、各カメラヘッド12a、12bから、カメラヘッド12a、12bの検出面の法線の交点間での距離を用いたり、放射線源20の表面までの距離を公知の技術で実際に測定した距離を用いたりすることができる。
【0035】
この平面に検出データに基づくコンプトン円錐を投影して描かれる楕円を用いて、二次元平面において逆投影法により逆投影像を算出する。具体的には、図11(b)に示すように、二次元平面を細かな画素に分割し、各画素に含まれる楕円の長さに応じた重みをつけて度数を加算する。続いて、期待値最大化最尤法を適用して画像再構成を行い、図11(c)に示すように、二次元の画像再構成結果から有意な線源分布の輪郭32を抽出する。
【0036】
次に、ステップ202で、図11(d)に示すように、抽出された線源分布の輪郭32上の任意の1点34と、カメラヘッド12a、12b各々の検出面上の任意の1点36とを結ぶ直線38群によって張られる領域vを抽出する。図11(e)に示すような領域vをカメラヘッド12a、12bの各々について抽出し、全ての領域vの共通部分から、さらに三次元空間で有意に線源が存在する領域Vを抽出する。
【0037】
次に、ステップ204で、第1の実施の形態の画像再構成処理のステップ102と同様の処理により、上記ステップ202で抽出された領域Vに含まれる三次元空間に検出データに基づくコンプトン円錐を投影し、続くステップ104及びステップ106で、逆投影法及び期待値最大化最尤法により放射線源20に基づく画像を再構成する。
【0038】
以上説明したように、第2の実施の形態に係るコンプトンカメラによれば、二次元での画像再構成と比較して画素数が多くなり、かつ求めるべき分布の自由度が一つ増える三次元での画像再構成の際に、絞り込まれた領域だけを対象に処理を行うことで、直接三次元で画像再構成を行う場合に比べ、効率的に画像再構成を行うことができる。
【0039】
なお、第2の実施の形態では、上記ステップ200において、二次元平面において逆投影法及び期待値最大化最尤法を適用して画像再構成を行う場合について説明したが、特にこれに限定されず、フーリエ変換法などを用いて画像再構成を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施の形態に係るコンプトンカメラの(a)概略構成を示すブロック図、及び(b)カメラヘッドの配置を示す図である。
【図2】カメラヘッドの構成及びコンプトン円錐の推定原理を示す概略図である。
【図3】第1の実施の形態のコンプトンカメラにおける画像再構成処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】三次元空間に投影したコンプトン円錐の一例を示す図である。
【図5】三次元空間における逆投影法を説明するための図である。
【図6】従来技術であるカメラヘッドが1台の場合の(a)逆投影像を示す図、(b)期待値最大化最尤法による推定結果を示す図、及び(c)同図(b)の分布のz軸射像を示す図である。
【図7】本実施の形態に係るコンプトンカメラの(a)逆投影像を示す図、(b)期待値最大化最尤法による推定結果を示す図、及び(c)同図(b)の分布のz軸射像を示す図である。
【図8】カメラヘッドの台数と奥行き方向の位置分解能を示す図である。
【図9】2本の棒状線源を観測した場合の(a)放射線源及びカメラヘッドの配置を示す図、(b)従来技術である二次元の画像再構成で再構成された画像を示す図、(c)本実施の形態のコンプトンカメラで画像再構成した画像を示す図である。
【図10】第2の実施の形態のコンプトンカメラにおける画像再構成処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態における領域抽出の(a)仮定した放射線源20の位置における平面を示す図、(b)二次元空間における逆投影法を説明する図、(c)二次元の画像再構成結果から線源分布の輪郭を抽出した図、(d)領域vの抽出を説明する図、及び(e)三次元空間で有意に線源が存在する領域Vを抽出した図である。
【符号の説明】
【0041】
10 コンプトンカメラ
12a カメラヘッド
12b カメラヘッド
14 制御部
16 入力装置
18 表示装置
20 放射線源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物から放出された放射線を検出することが可能な位置に配置されると共に、各々放射線によるコンプトン散乱を検出して検出データを出力する複数の検出器と、
前記複数の検出器の各々から出力された前記検出データの各々から得られるコンプトン円錐により定まる放射線源の位置を三次元空間に投影する投影手段と、
前記投影手段で投影された位置の重なりの度合いが大きい部分を抽出して前記放射線源に基づく画像を再構成する再構成手段と、
を含むコンプトンカメラ。
【請求項2】
対象物から放出された放射線を検出することが可能な位置に配置されると共に、各々放射線によるコンプトン散乱を検出して検出データを出力する複数の検出器と、
前記複数の検出器の各々から出力された前記検出データの各々から得られるコンプトン円錐により定まる放射線源の位置を二次元平面に投影する二次元投影手段と、
前記二次元投影手段で投影された位置の重なりの度合いが大きい部分を前記検出器毎に抽出する抽出手段と、
前記複数の検出器の各々から出力された前記検出データの各々から得られるコンプトン円錐により定まる放射線源の位置を、前記抽出手段で抽出された抽出部分の各々に含まれる三次元空間に投影する三次元投影手段と、
前記三次元投影手段で投影された位置の重なりの度合いが大きい部分を抽出して前記放射線源に基づく画像を再構成する再構成手段と、
を含むコンプトンカメラ。
【請求項3】
前記検出器によって、被検体に注入した薬剤に含まれる核種から放出される放射線を検出し、前記再構成手段によって前記被検体の診断画像を再構成するようにした請求項1または請求項2記載のコンプトンカメラ。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−48699(P2010−48699A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213928(P2008−213928)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】