説明

コンプライアントなオーバープリントワニス

【解決手段】 本発明は、約500〜2,000の数平均分子量、及び約2未満の多分散度性を有するアルキド樹脂を含んでなるワニスコーティング組成物として有用なコーティング組成物を提供する。該コーティング組成物は、再焼き付けされた後、実質上色彩安定である。該コーティング組成物は、缶容器ボディーワニスとしての使用に対し実質上柔軟性がある。本発明は、本発明のコーティング組成物で塗布された塗装基材を又提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ワニスは、木材、プラスチック、金属、及び同様の基材上のコーティングとして有用である。ワニス製品は、基材(エアゾールスプレー缶及び類似の物などの)に対する外装コーティングを、及び/又は化粧コーティング(decorative coating)として提供する為に用いられている。いくつかの適用に於いて、該ワニスは、選択商品(article of choice)に後で形成されるかもしれないフラットシート基材上に適用されてよい。あるいは、該ワニスは、化粧コーティング又は画像(image)の一層以上の上に適用されてよい。更に他の適用に於いて、該ワニスは、典型的には透明又は白色であるベースコート(base coat)に適用されてよい。
【0002】
いくつかのワニスの適用は、湿った基材上に適用された時、より効果的である。他の適用は、該ワニスに乾いた基材に適用できる事を要求する。ワニスコーティングは、湿った及び乾いた双方の基材に適用できる事が、従って望まれる。
【背景技術】
【0003】
ワニスコーティングは、それが適用される基材の表面に依存する複数の(multiple)焼き付けサイクルに被られるかもしれない事が、又予期される。該ワニスが基材の外装表面に適用される所に、次の内装コーティングが適用されてよい事が、通常であり、従って、もう一つの焼き付けサイクルを必要とする。例えば、塗料缶の「栓(plug)」は、内側及び外側の双方上に塗布される。複数の焼き付けサイクルに被られた後、該ワニスコーティングが黄色に変わる又は変色する事を防ぐ事が、長く捜し求められた要求である。
【0004】
外装コーティングとして、塗装(coated)ワニスは、良好な耐磨耗性を又保有すべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今日の環境に於いて、より環境的に敏感であるワニス及び関連した素材への要求は、増加しつつある。溶液及びコーティング組成物中での揮発性有機化合物(VOC)含有量(content)の高水準は、望ましくない。
【0006】
上記から、当然の事ながら、技術に於いて必要とされる事は、適切にフォーミングプロセスでの柔軟度性、外装使用での耐磨耗性であり、黄変又は変色しない、そして乾いた又は湿った表面に適用され得る、低VOC含有量のコーティング組成物である。その様なコーティング組成物及び同じ物を調合する方法は、本明細書に於いて開示されそして請求される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの実施例に於いて、本発明は、約2未満の多分散度性(polydispersity)を有するアルキド樹脂、及び架橋剤を含んでなるコーティング組成物を、提供する。該アルキド樹脂は、好ましくはポリエステル成分及び実質上飽和脂肪酸成分との反応生成物である。該脂肪酸成分は、好ましくは自然に発生しており、そしてパルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、カプリル酸、及びミリスチン酸から構成されるグループからより好ましくは選ばれる。本発明のコーティング組成物は、好ましくは実質上色彩(color)安定である。
【0008】
もう一つの実施例に於いて、本発明は、上記のコーティング組成物で塗布される塗装基材を提供する。
【0009】
もう一つの実施例に於いて、本発明は、ポリエステル成分及び脂肪酸成分を含んでなるアルキド樹脂組成物を提供する。該アルキド樹脂組成物は、約500〜2,000の数平均分子量、及び約2未満の多分散度性を好ましくは有している。該アルキド樹脂の脂肪酸成分は、好ましくは自然に発生しており、そしてより好ましくは実質上飽和している。
【0010】
本発明は、ワニスコーティングとして好ましくは有用である新規のコーティング組成物を提供する。本発明の一つの好ましい実施例に於いて、コーティング組成物は、アルキド樹脂、架橋剤、及び任意に、反応性希釈剤、溶剤、ワックス、及び/又はフローコントロール剤を、含んでなる。適切には、本発明のコーティング組成物は、実質上色彩安定である。好ましくは、コーティング組成物のΔb色彩成分は、ハンターラボカラークエスト比色計(Hunter Lab Color Quest Colorimeter)を用いて評価された時、再焼き付けされた後約+1単位以下である。
【0011】
コーティング組成物のアルキド樹脂は、ポリエステル成分及び実質上飽和脂肪酸成分との反応生成物を好ましくは含んでなる。好ましくは、該アルキド樹脂は、約2未満の多分散度性を有している。
【0012】
該ポリエステル成分は、好ましくは酸成分及びポリオール成分との反応生成物である。ふさわしい酸成分は、芳香族又は脂肪族酸(又は前記酸の無水物)を含む。典型的な酸成分は、単官能性(安息香酸の様な)、二官能性(フタル酸の様な)、又は三官能性(トリメリット酸の様な)、及びそれらの無水物であってよい。本発明のポリエステル成分に有用な好ましい酸成分は、二官能性酸及びそれらの無水物を含む。ふさわしい二官能性酸の限定されない例は、オルト−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、前記の無水物、及び同様の物を、含む。本発明での(presently)好ましい二官能性酸は、無水フタル酸である。
【0013】
不飽和を含んでいる酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及び二量体化脂肪酸などの)の使用は、あまり好まれないと本発明では思われる。同様に、単官能性酸(安息香酸の様な)、及び三官能性酸(トリメリット酸の様な)は、あまり好まれないと本発明では又見なされる。
【0014】
ふさわしいポリオール成分は、単官能性及び複官能性(例えば、二官能性及び三官能性)ポリオールを含む。ポリオール成分は、該ポリエステル成分の互換性、ひいては商業的に入手できるインクで用いられた他のアルキド樹脂に対する該アルキド樹脂の互換性に、影響を与えると思われる。ポリオール成分は、該アルキド樹脂組成物の柔軟度性及び硬度に影響を与えると又思われる。従って、該ポリオール成分の注意深い選択は、好ましい。本発明で有用な典型的なポリオールは、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールエタン、及び同様の物を、含む。本発明での好ましいポリオールは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、及びそれらの組み合わせを含む。
【0015】
該酸成分及びポリオール成分は、好ましくは所望のポリエステル成分を形成するのに十分な量で存在する。該ポリオール官能価(functionality)に対する該酸成分官能価の当量比は、好ましくは1:1.15〜1.6ポリオール当量(equivalents of the polyol)、より好ましくは1:1.3〜1.55、及び最も好ましくは1:1.4〜1.5である。
【0016】
上述の様に、本発明のアルキド樹脂は、脂肪酸成分を好ましくは含んでなる。理論に束縛される事を意図しない一方、該脂肪酸成分の注意深い選択は、硬化(cure)及び再焼き付け後のコーティング組成物の「黄変」の可能性(likelihood)を実質上軽減する又は削除すると、本発明では思われる。本発明の脂肪酸成分は、実質上飽和している自然に発生する脂肪酸から好ましくは選ばれる。
【0017】
本明細書に於いて用いられた様に、用語「実質的飽和した」は、本発明の脂肪酸成分は脂肪酸成分当たり平均0.04個以下の炭素−炭素二重結合を有している事を、意味する。用語「本質的飽和した」は、該脂肪酸成分は脂肪酸成分当たり平均0.02個以下の炭素−炭素二重結合を有している事を、意味する。用語「完全に飽和した」又は「飽和した」は、該脂肪酸成分は脂肪酸成分当たり平均0.01個以下の炭素−炭素二重結合を有している事を、意味する。好ましくは、該脂肪酸成分は、18まで、及びより好ましくは約6〜16の炭素原子を含んでなり、そして飽和している。本発明で有用である典型的な実質上飽和した脂肪酸は、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、カプリン酸(capric)、カプリル酸、ミリスチン酸、アラキン酸(arachidic)、ベヘン酸(behenic)、リグノセリン酸(lignoceric)、及び同様な物を、含む。
【0018】
不飽和脂肪酸(ヒマシ油、トール油、リンシード油、大豆油、ココナッツ油、ヤシ油、及びサフラワー油中に自然に発生している物などの)は、該コーティング組成物の望ましくない黄変を最小化する又は削除するアルキド樹脂の調合(preparation)に於いて、あまり好ましくないと思われる。その結果として、前記不飽和脂肪酸は、黄変が関係しない所で用いられ得る、又は最小の黄変が受け入れる事ができる節度(moderation)で用いられ得る。十分に水素化されている不飽和脂肪酸は、又用いられ得る。
【0019】
該脂肪酸成分は、アルキド−ベースのインクとの互換性を効果的に提供するのに適している量が典型的には存在する。適切には、該脂肪酸成分は、該アルキド樹脂組成物の約40重量%までを構成する。好ましくは、本発明で有用な脂肪酸の量は、約20〜40重量%、より好ましくは約30〜40重量%、及び最も好ましくは該アルキド樹脂組成物の約31〜35重量%である。
【0020】
本発明のアルキド樹脂組成物は、低多分散度性を好ましくは有している。該アルキド樹脂の低多分散度性は、該コーティング組成物での高度の柔軟度性を生む低粘度、低VOC含有量の樹脂を提供すると思われる。好ましくは、該アルキド樹脂の多分散度性は、約2未満、より好ましくは約1.7未満、及び最も好ましくは約1.5未満である。
【0021】
該アルキド樹脂は、塗布、硬化、再焼き付けに適している数平均分子量を好ましくは有している。非常に低数平均分子量樹脂(例えば、500未満の分子量を有する樹脂)は、最適よりより小さいと思われ、そして、例えば、硬化及び再焼き付けサイクルの間中に大量のヒューム(fume)を発生させるかもしれない。典型的には、該アルキド樹脂の数平均分子量は、約2,000未満である。好ましくは、該アルキド樹脂の数平均分子量は、約500〜2,000、より好ましくは約700〜1,500、及び最も好ましくは約800〜1,200である。
【0022】
典型的には、該アルキド樹脂の粘度は、意図とする基材上でのコーティングのスムーズな適用を可能にするのに十分に低い。適切には、該アルキド樹脂の粘度は、約25cm2/秒未満である。好ましくは、該アルキド樹脂の粘度は、約15〜25cm2/秒、より好ましくは約17〜23cm2/秒、及び最も好ましくは約18〜22cm2/秒である。
【0023】
好ましいアルキド樹脂は、約2〜約20、より好ましくは約2〜10、及び最も好ましくは約4〜6の酸価を有している。酸価は、ポリマー固形物(solid)の1グラムを中和するのに必要とされた水酸化カリウムのミリグラムとして定義される。酸価は、ASTM D974−01に準じて評価される。
【0024】
所望ならば、本発明のアルキド樹脂は、一つ以上の溶剤を有する溶液として提供されてよい。好ましいアルキド樹脂溶液は、約70〜90重量%、より好ましくは約75〜90重量%、及び最も好ましくは約80〜90重量%の固形分を有している。本明細書に於いて用いられた様に、固形分は、非揮発性成分に関しての重量パーセントを言う。例えば、80%の固形分を有するアルキド樹脂は、80重量%の非揮発性成分及び20重量%の揮発性成分を有している。固形分は、ASTM D1259−85に準じて評価される。
【0025】
該コーティング組成物のアルキド樹脂成分は、それが意図とする目的に適しているコーティング組成物を形成するのに十分な量で好ましくは存在する。例えば、典型的なコーティング組成物は、少なくとも約40重量%のアルキド樹脂成分を有していてよい。好ましくは、該アルキド樹脂成分は、該コーティング組成物の約40〜80重量%、より好ましくは約50〜80重量%、及び最も好ましくは約50〜70重量%の量で存在する。
【0026】
本発明のコーティング組成物は、架橋剤を好ましくは含む。該架橋剤は、所望の温度及び時間内で反応の効果的な架橋を生じさせるのに十分な量で好ましくは存在する。典型的な架橋剤は、アミノ樹脂、及びブロックトポリイソシアネートを含む。ふさわしい架橋剤は、メラミンホルムアルデヒド、ユリアホルムアルデヒド、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド、グリコールユリル(glycoluril)ホルムアルデヒド、及び同様な物などのホルムアルデヒドを、含む。本発明での好ましい架橋剤は、Cytec Industries of Patterson, New Jerseyから入手できるシメル1156(Cymel 1156)の様な、メラミンホルムアルデヒドである。
【0027】
本発明のコーティング組成物中で用いられた架橋剤の量は、コーティング組成物の硬度、耐磨耗性、及び柔軟度性に影響を与えるかもしれない。典型的には、該架橋剤は、該コーティング組成物の少なくとも約10重量%の量で存在する時、効果的である。好ましくは、該架橋剤は、約10〜40重量%、より好ましくは約15〜35重量%、及び最も好ましくは該コーティング組成物の約20〜35重量%の量で存在する。
【0028】
任意の反応性希釈剤は、該コーティング組成物中に含まれてよい。該反応性希釈剤は、コーティング組成物の成分の混合を容易にし、その意図とする基材に対し組成物の接着性を改善し、及び更に粘度又はVOC含有量を増加させる事なく適用時の固形分を上げる為に、コーティング組成物中に混和されてよい。ふさわしい反応性希釈剤は、エポキシ樹脂、オリゴマー、ポリエーテルポリオール、及び他の低分子量多官能性樹脂を含む。本発明での好ましい任意の反応性希釈剤は、Resolution Performance Products of Houston, Texasからエポン828(Epon 828)として入手できる、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(Diglycidyl ether of Bisphenol A)の様な、エポキシ樹脂である。所望ならば、該エポキシ樹脂は、それを意図とする目的に適させる為に変性されてよい。変性プロセスは、ビスフェノールAとの反応による様な、又は技術的に既知である様な、エポキシ樹脂の分子量を増加させる機能強化(enhancement)又は別の方法を、含む。
【0029】
好ましい実施例に於いて、該任意の反応性希釈剤は、該コーティング組成物の15重量%未満を構成する。好ましくは、該コーティング組成物中に存在する反応性希釈剤の量は、約1〜15重量%、より好ましくは約1〜10重量%、及び最も好ましくは該コーティング組成物の約1〜5重量%である。
【0030】
該コーティング組成物は、溶剤を任意に含んでよい。該任意の溶剤は、コーティング組成物の他の成分に対するキャリア(carrier)として、又は、コーティング又は加工に適している材料の組成物中への混合、その他を容易にする為に、機能してよい。典型的な任意の溶剤は、ミネラルスピリット(mineral spirit)、キシレン、アルコール、ケトン、エステル、グリコールエーテル、及び同様な物などの脂肪族及び芳香族溶剤を含む。本発明での好ましい任意の溶剤は、グリコールエーテル及びアルコールとを組み合わせられた芳香族留出物を含む。
【0031】
溶剤が用いられる時、該量は該コーティング組成物の約35重量%未満である事が好ましく、より好ましくは約30重量%未満及び最も好ましくは約25重量%未満である。一般に、硬化プロセスで取り除かれる溶剤が少なければ少ないほど、該組成物がより環境的に好ましくなる。
【0032】
該コーティング組成物は、ワックスを任意に含んでよい。該任意のワックスは、コーティング組成物に対して潤滑性及び/又は仕上がった塗装基材に対する耐磨耗性を提供する為に含まれてよい。用いる事ができる典型的な任意のワックスは、カルナバ(Carnauba)ワックス、ペトロラタム(Petrolatum)ワックス、ポリエチレンワックス、ポリマーワックス、ラノセリン(Lanocerin)ワックス、及び同様な物などの自然の及び合成のワックスを、含む。
【0033】
好ましい実施例に於いて、該ワックスは、該コーティング乾燥重量の約2重量%未満を構成する。好ましくは、該コーティング組成物中でのワックスの量は、約0.5〜1.8重量%、より好ましくは約0.7〜1.4重量%、及び最も好ましくは約0.9〜1.1重量%である。
【0034】
該コーティング組成物は、フローコントロール剤を任意に含んでよい。フローコントロール剤は、基材上に組成物を塗布するプロセスを容易にするかもしれない。該任意のフローコントロール剤は、シリコーン、フルオロカーボン、アクリル樹脂、及び同様な物を含む。任意のフローコントロール剤が用いられるならば、該存在する量は、該コーティング組成物の約0.1〜3重量%の量であってよい。好ましくは、該任意のフローコントロール剤は、0.25〜3重量%、より好ましくは約0.4〜2重量%、及び最も好ましくは該コーティング組成物の約0.5〜1.5重量%の量で存在する。
【0035】
触媒は、本発明のコーティング組成物中に任意に含まれてよい。任意の触媒は、例えば、該アルキド樹脂と反応性希釈剤及び架橋剤などの他の成分との間の反応プロセスを高める為に用いられてよい。有用である触媒は、酸触媒(無機及び有機触媒などの)を含む。限定されない例は、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、及び同様の物などのスルホン酸を含む。好ましい実施例に於いて、該コーティング組成物は、約1〜7重量%、より好ましくは約4〜6重量%の触媒を含む。
【0036】
該コーティング組成物は、意図とする基材に対する適用に好ましくは適している。該コーティング組成物は、当業者に既知である様な任意の方法で意図とする基材に適用されてよい。典型的な適用プロセスは、ロール塗り、ハケ塗り、及び吹き付け塗りを含む。好ましい実施例に於いて、本発明のコーティング組成物は、下塗りされている又はベースコートで塗布されている基材上に適用されてよい。ベースコートは、透明又は所望通りの有色素であってよい。該コーティング組成物は、インク、化粧コーティング又は塗料の一層以上を有する基材上に又適用されてよい。典型的には、本発明のコーティング組成物は、マルチステーション印刷プロセス(multi-station printing process)(例えば、4色プレス(4-color press))での様なインクの複数層を有するコーティングに適用されてよい。好ましいコーティング組成物は、「湿った」層又は乾燥した基材(例えば、硬化層)上で適用されてよい。
【0037】
本発明のコーティング組成物で塗布された基材は、好ましくは実質上色彩安定である。本発明で用いられた様に、「実質上色彩安定」は、塗装基材が「再焼き付け」された後実質上変色しない又は黄色にならないと言う事を、意味する。「再焼き付け」プロセスは、本明細書に於いて用いられた様に、前もって硬化又は「焼き付け」されている塗装基材が、その後の焼き付けプロセス又はその後に塗装基材(例えば、塗装基材のもう一方の主要な反対側上に適用されたその後のコーティング)を乾燥する又は硬化するプロセスに更に被られる事のような、塗装基材が度々被られるプロシージャ(procedure)に関連する。例えば、エアゾール缶として用いられたパッケージは、外側の化粧表面(本発明のコーティング組成物で塗布された)、及び該パッケージ内容物を保護する為に保護コーティングで塗布される内側の表面を有していてよい。該内側の表面は、該外側のコーティングが硬化プロセスに既に被られている後、塗布され、焼き付けされてよい。その結果として、本発明のコーティングは、205℃で10分と同等の高さであってよい「再焼き付け」条件の下、好ましくは色彩安定でなくてはならない。
【0038】
再焼き付けプロセスは、コーティング組成物が典型的に被る自然のエイジング(aging)プロセスを又加速する。色彩安定でないコーティングは、時間とともに変色する傾向がある。205℃で10分間硬化コーティングを再焼き付けする事は、自然のエイジングプロセスをシミュレートする。初期色彩及び再焼き付け後の最終色彩との間の変化の測定は、長期間にわたって色彩安定である能力を有するコーティングを示す。
【0039】
該コーティング組成物の色彩安定性は、ハンターラボカラークエスト比色計を用いて、硬化後の初期色彩(L、a、b値)及び再焼き付け後の最終色彩との間の変化として測定されてよい。特に、b値での変化(「Δb」として表示された)は、再焼付けの結果として該コーティングの黄変の程度を示す。Δb値が大きければ大きいほど、黄変がより大きい。好ましくは、硬化後の初期色彩及び再焼付け後の最終色彩との間のΔb値での変化は、約+1単位未満、より好ましくは約+0.5単位未満、及び最も好ましくは約+0.25単位未満である。
【0040】
本発明のコーティング組成物は、好ましくは固形物の1リットル当たり(per liter of solids)約0.35kg未満、より好ましくは固形物の1リットル当たり約0.25kg未満、最も好ましくは固形物の1リットル当たり約0.2kg未満、及び最適には固形物の1リットル当たり約0.1kg未満の揮発性有機化合物(VOC)含有量を有している。
【0041】
好ましくは、該コーティング組成物は、該組成物の約60〜80重量%、より好ましくは約65〜80重量%、及び最も好ましくは該コーティング組成物の約65〜75重量%の固形分を有している。
【0042】
本発明のコーティング組成物は、塗装基材が意図とする製品に形成される事を可能にする好ましくは十分な柔軟性がある。本発明の塗装基材は、塗料缶の栓、エアゾール缶、ビール及び飲料用缶、薬のパッケージ、及び同様の物など、多種多様の製品に形成されてよい。該コーティング組成物の初期柔軟度性は、エリクセンカップファブリケーションテスト(Erichsen Cup Fabrication Test)の下評価された時、好ましくは少なくとも約7以上の柔軟性、より好ましくは少なくとも約9以上の柔軟性がある。塗装基材の柔軟度性は、200℃で乾燥加熱の2分後、最も好ましくは少なくとも約5以上である。
【0043】
上述の様に、本発明のコーティング組成物は、ロール塗りを含む多種多様の方法により適用されてよい。ロール塗りは、湿った基材(例えば、未焼き付けのインク又は化粧画像の適用された層を有している基材)上へのコーティング組成物の適用を能率的には含んでよい。典型的には、ロール塗りは、所望の容器にその後に形成されるフラット基材を塗布する為に用いられる。かたどられた基材に対し、コーティング組成物は、吹き付け塗り又はハケ塗りの様なプロセスにより適用されてよい。
【0044】
好ましい実施例に於いて、本発明のコーティング組成物は、塗装基材に対して耐磨耗性を提供する。優れた耐磨耗性を有する基材は、エアゾール缶、ヒゲ剃り用クリーム缶、塗料缶、及び同様の物でなど、使用の要求に合うので好まれる。
【0045】
前述の構成(construction)は、以下の試験により評価された。
磨耗性試験
磨耗性試験は、塗装基材がトラック中での様な、輸送の間中にさらされるかもしれない典型的な磨耗をシミュレートする為に用いられる。前記試験は、もう一つのコーティングに対するコーティングの磨耗性を測定する為にガバーティキャットアブレイションテスター(Gavarti Cat Abrasion Tester)を用いて行われた。前記試験の為に、2個の10cm×10cmの塗装サンプルが、向かい合って置かれ、そして摩擦試験機のパッドの間にはさまられる。次いで、圧力が、所定の時間試験サンプルの上部及び横側に適用される。次いで、サンプルが、コーティングの磨耗性に対し評価される。用いられた評価尺度は、1〜10である。尚、前記に於いて、「1」は完全な破損(failure)を示し、そして「10」は破損無しを示す。
【0046】
グロス性
グロス性は、コーティングの表面の面艶(luster)又は平滑性を測定する。コーティングが滑らかであればあるほど、入射光の特有の角度でのグロス値がより高くなる。塗装サンプルのグロス値は、ガードナーグロスメーター、モデルナンバー4520(Gardner Glossmeter、model number 4520)を用いて20度及び60度の角度で測定された。
【0047】
色彩性
塗装基材の色彩性は、ハンターラボカラークエスト比色計を用いて測定された。比色計は、白色度/黒色度に対するL;赤/緑スペクトル(spectrum)に対する「a」;及び黄/青スペクトルに対する「b」の標準化された値でサンプル(例えば、塗装基材)の色彩性を測定する。各々の値の間での変化は、「Δ」又は「デルタ」で符号化される。例えば、「Δb」値は、初期及び最終の「b」値との間の変化を示す。より小さいΔb値は、再焼き付け後のより少ない黄変コーティングを示す。同様に、プラス(positive)ΔL値は、基材が再焼き付け後により白色に見える事を、示す。
【0048】
柔軟度性
塗装基材の柔軟度性は、エリクセンカップファブリケーションテストを用いて評価された。塗装基材が、エリクセン試験機、モデルナンバー204に置かれ、そしてカップ(cap)に形成された。次いで、形成カップが、50ビード(50 bead)を形成する為にビーダー(beader)に置かれた。次いで、塗装基材が、ビードに接着したコーティングの量を測定し(determine)評価された。塗装基材が、容器上の異なった位置、例えば壁及びドーム(dome)で柔軟度性に対して評価された。壁及びドーム位置での柔軟度性が、サンプルを200℃で2分間乾燥加熱に被った後、又評価された。次いで、試験サンプルは、50ビードに対するコーティングの接着力に対して二度目の評価がされた。
【0049】
耐ブロック性(Block Resistance)
耐ブロック性は、暖かい環境での互いにくっつき合う事に対して塗装基材の耐性を測定し、そして暑い夏期の間中の典型的なコーティングの工場状態をシミュレートする事を目的とされる。耐ブロック性試験は、容器に形成する前に塗装基材上で行われる。5cm×10cmのサンプルが、一つの側上に外装コーティング及び反対側上に内装コーティングで塗布され、そして硬化される。次いで、塗装サンプルが、49℃で16時間、ブロッキング治具中で689.4kPa(7.03kgf/cm2)の圧力の下、外装側に面して内装側で積み重ねられる。次いで、コーティング耐性が、試験サンプルを手で引き離す事により評価される。サンプルは、既知の良好な対照(control)及びネガティブな(negative)対照と比較し評価された。用いられた評価尺度は、0〜10である。尚、前記に於いて、「0」は完全にブロックされ、そして「10」はブロッキングしていない。7より大きい評価は、容認できる。
【0050】
接着性
接着性試験は、コーティングが塗装基材に接着するかどうかを見極める為に実行された。接着性試験は、Minnesota Mining and Manufacturing(3M) Company of Saint Paul, Minnesotaから入手できる、スコッチ(登録商標)610テープを用いて、ASTM D3359−試験方法Bに準じて実行された。接着性試験に対して、「10」の評価は接着による破損がない事を示し、「9」の評価はコーティングの90%が接着したままである事を多分示すであろう、そして「8」の評価はコーティングの80%が接着したままである事等を多分示すであろう。
【0051】
ウエットインク性(wet inking)
ウエットインク性は、湿ったインク上に適用されるワニスの能力を測定する。ウエットインク性は、所望のフィルム重量で有機のベースコート上にインクを適用する事により評価される。次いで、ワニスコーティングが、湿ったインク上に適用され、そして硬化された。インク上に連続なフィルムを形成するワニスの能力が、測定される。次いで、ワニスが、グロス性、フィルム連続性、及び退色(color fade)欠落に対してインク上の外観を視感検査する事により評価される。
【0052】
耐カブリ性(Blush Resistance)
耐カブリ性は、種々の溶液による侵食(attack)に耐えるコーティングの能力を測定する。典型的には、それは、コーティング中に吸収された水の量により測定される。塗装基材が水を吸収する時、通常は濁る又は白色に見える。カブリ性は、目盛り刻んだスケール上で視感測定される。
【0053】
評価尺度
評価尺度は、0〜10を用いた。尚、前記に於いて、「0」は完全な破損であり、そして「10」は破損なしである。カブリ性試験に対して、「10」の評価は、塗装フィルムの白化なしを多分示すだろう、「0」は、塗装フィルムの完全な白化等を多分示すだろう。
【0054】
滅菌処理(sterilization)又は殺菌処理(pasteurization)
滅菌処理又は殺菌処理試験は、コーティングが容器に詰められた製品の異なったタイプ用の加工条件にどのくらい耐えるかを、測定する。典型的には、塗装基材が、水浴中に浸され、そして約5〜60分間65〜100℃に加熱される。本評価に対して、塗装基材が、水浴中に浸され、そして66℃で5分間加熱された。次いで、塗装基材が、水浴から取り外され、そしてコーティングの接着性及び/又はカブリ性に対して試験された。
【0055】
耐プロセス性又は耐レトルト性(Process or Retort Resistance)
前記は、加熱及び圧力を用いて塗装基材の分解の測定である。プロシージャは、容器を約105〜130℃の加熱に;約68.7〜103.0kPa(0.7〜1.05kgf/cm2)の圧力に;及び約15〜90分間被る事により試験が成し遂げられる事を除き、(上記の)滅菌処理又は殺菌処理試験と同類である。前記評価に於いて、塗装基材が、121℃の加熱に;103.0kPa(1.05kg/cm2)の圧力に;及び90分間被られた。次いで、コーティングは、接着性及び/又はカブリ性に対して試験される。
【0056】
耐SD−40性(SD-40 Resistance)
前記試験は、ヘアスプレの様な溶剤での暴露に耐えるコーティングの能力を測定する。試験は、SD−40を含むヘアスプレに対して硬化試験サンプルを暴露する事により実行される。ヘアスプレが、65.6℃で5分間の湯浸漬での暴露より前に試験片上に1分間保持され得る。耐SD−40性は、湯暴露に直ぐに続いて、カブリの程度及び接着の喪失に対して評価される。
【0057】
リバースインパクト(reverse impact)性
リバースインパクト性試験は、ひび割れ又は接着喪失を伴わず半球のヘッドを有するスチールパンチ(steel punch)により衝撃された時、発生した(encounter)変形に耐えるコーティングの能力を測定する。ベースコート及びワニスで塗布された試験サンプルが、4.51N・m(0.46 kilogram-metres(40 inch-pounds))の力に被られ、そしてASTM D2794−93に準じてひび割れ及び接着喪失に対して評価される。
【0058】
摩擦係数(COF)
摩擦係数は、表面の潤滑性を表現する測定(数字)である。COFは、試験器アルテックモデルナンバー9505E(ALTEK Model Number 9505E)を用いて測定された。数字が低ければ低いほど、フィルムがよりスリップ性を保有する。
【0059】
以下の実施例は、本発明の理解に於いて助けとなる様に提供され、そしてその範囲を限定する事として解釈されるものではない。もし別の方法で示されなければ、全ての部及びパーセンテージは重量での意味である。
【実施例】
【0060】
実施例1
アルキド樹脂の調合
【0061】
【表1】

【0062】
Acme-Hardeslyから得られるパルミチン酸95%及びEastman Chemicalから得られるネオペンチルグリコールが、窒素雰囲気生成装置を装備したふさわしい蒸留釜(kettle)中にチャージ(charge)された。該釜は、かき回しながら100〜110℃に加熱された。100〜110℃で温度を維持する一方、Celanese Chemicalから得られるトリメチロールプロパン及びKoppers Chemicalから得られる無水フタル酸が、加えられた。該加熱は、該組成物温度を220℃に上げる為に増加され、そして4〜6の酸価が得られる迄還流(reflux)は維持された。芳香族留出物100(aromatic distillate 100)が加えられ、そして該バッチ(batch)は冷却される。
【0063】
得られたアルキド樹脂は、83.5%の固形分、5の酸価、及びガードナーバブルチューブ(Gardner Bubble Tube)を用いてY−Z1の粘度を有していた。
【0064】
実施例2
コーティング組成物の調合
【0065】
【表2】

【0066】
上記の実施例1からのアルキド樹脂、キシレン及びイーストマンEP(Eastman EP)(Eastman Chemicalから得られる)が、穏やかなかき回しを有するきれいなミキサーにチャージされた。ワックス(カルナバワックス、ポリマーワックス、及びラノセリンワックスの組み合わせ)が、加えられ、そして10分間かき混ぜられた。シメル1156(Cytec Industriesから得られる)及びエポン828(Resolution Performance Products, Houston, TXから得られる)が、穏やかにかき回しながら加えられた。20分後、ドワノールPM(Dowanol PM)(Dow Chemicalから得られる)、エチレングリコールモノブチルエーテル(イーストマンEB、Eastman Chemicalから得られる)、及びナキュアー155(Nacure 155)(King Industriesから得られる)との予備混合品が、該ミキサーにチャージされた。次いで、該コーティング組成物は、10ミクロンのバッグを通して濾過された。
【0067】
得られたコーティング組成物は、67.3%の固形分、26.7℃でフォードカップ粘度計(Ford Cup Viscometer)を用いて55秒の粘度、及び固形物の1リットル当たり0.26kgのVOC含有量を有していた。該コーティング組成物は、サンプリングされ、そしてASTM2369−86に記述された様に揮発性有機化合物含有量に対して試験された。
【0068】
実施例3
比較のコーティング組成物の調合
【0069】
【表3】

【0070】
ポリエステル(ケムポール010−1782(Chempol 010-1782)、CCP Industriesから得られる、及びEPS3083、Engineered Polymer Solutionsから得られる)及びメラミンホルムアルデヒド(シメル303LF、Cytec Industriesから得られる)が、ふさわしいミキサーにチャージされた。かき回しが、渦を発生させる為に開始された。エポキシ化油(エポゾール9−5(Epoxol 9-5)、American Chemicalから得られる)が、かき回しながら加えられた。ジエチレングリコールブチルエーテル(イーストマンDB、Eastman Chemicalから得られる)、酸触媒(ナキュアー5925、King Industriesから得られる)、及び3−エトキシエチルプロピオネート(エクタプロEEP(Ektapro EEP)、Eastman Chemicalから得られる)が、かき回しながら加えられた。次いで、かき回しの10分後、シリコーン(バイク361(Byk 361)及びバイク325、Byk-Chemieから得られる)、及びポリマーワックス(スリップ−アイドSL−404(Slip-Ayd SL-404)、Daniel Productsから得られる)が、更に20分間連続にかき回しながら該組成物に加えられた。該コーティング組成物は、JM4フィルターカートリッジを用いて濾過された。
【0071】
該コーティング組成物は、68.0%の固形分、26.6℃でフォードカップ粘度計を用いて55秒の粘度、及び固形物の1リットル当たり0.3kgのVOC含有量を有していた。該コーティング組成物は、サンプリングされ、そしてASTM2369−86に記述された様に揮発性有機化合物含有量に対して試験された。
【0072】
実施例4
比較の塗装基材の準備
透明なベースコートで塗布されそして10分間193℃で硬化された10cm×20cm×0.028cm(4 in X 8 in X 11 mils)ブリキ鋼板(tinplated steel)基材が、0.0005cm(0.2 mils)のコーティング厚にバー塗り(bar coating)により実施例3のコーティング組成物で塗布された。塗装基材は、10分間171℃で硬化された。塗装基材は、二等分に切断され、そして、切断された基材の一つは、色彩性試験の為10分間205℃で再焼き付けされた。
【0073】
実施例5
塗装基材の準備
透明なベースコートで塗布されそして10分間193℃で硬化された10cm×20cm×0.028cm(4 in X 8 in X 11 mils)ブリキ鋼板基材が、0.013cm(5 mils)のコーティング厚にバー塗りにより実施例2のコーティング組成物で塗布された。塗装基材は、10分間171℃で硬化された。塗装基材は、二等分に切断され、そして、切断された基材の一つは、色彩性試験の為10分間205℃で再焼き付けされた。
【0074】
実施例6
接着性/カブリ性試験結果
【0075】
【表4】

【0076】
色彩性試験結果
【0077】
【表5】

柔軟度性/ブロッキング性/摩擦係数試験結果
【0078】
【表6】

【0079】
磨耗性試験結果
【0080】
【表7】

【0081】
本発明の好ましい実施例を記述しているおり、それ故、当業者は、本明細書に於いて見出された教え(teaching)がここに添付された請求項の範囲内でまだ他の実施例に適用されてよい事を、容易に御理解いただけると存じます。全ての特許、特許文献、及び出版物の完全な開示は、あたかも個々に組み込まれた様に、本明細書に於いて参照として組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約2未満の多分散度性を有し、そしてポリエステル成分及び実質上飽和脂肪酸成分との反応生成物であるアルキド樹脂;及び架橋剤とを含んでなり、実質上色彩安定である、コーティング組成物。
【請求項2】
再焼き付けされた後の該コーティング組成物のΔb色彩成分は、ハンターラボカラークエスト比色計を用いて評価された時、硬化後しかし再焼き付けより前のコーティング組成物と比較し約+1以下である、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
再焼き付けされた後の該コーティング組成物のΔb色彩成分は、ハンターラボカラークエスト比色計を用いて評価された時、硬化後しかし再焼き付けより前のコーティング組成物と比較し約+0.5以下である、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
再焼き付けされた後の該コーティング組成物のΔb色彩成分は、ハンターラボカラークエスト比色計を用いて評価された時、硬化後しかし再焼き付けより前のコーティング組成物と比較し約+0.25以下である、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
該コーティング組成物は固形物の1リットル当たり約0.35kg未満の揮発性有機化合物含有量を有している、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
該コーティング組成物は固形物の1リットル当たり約0.25kg未満の揮発性有機化合物含有量を有している、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
該アルキド樹脂は該コーティング組成物の約40〜80重量%を構成する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
該アルキド樹脂は該コーティング組成物の約50〜70重量%を構成する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
該アルキド樹脂は約500〜2,000の数平均分子量を有している、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
該コーティング組成物のパーセント固形分は約60〜80重量%である、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
該ポリエステル成分は二官能性酸及びポリオールとの反応生成物である、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
該二官能性酸は、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、及びそれらの混合物から構成されるグループから選ばれる、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
該二官能性酸は無水フタル酸である、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
該ポリオールは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールエタン、及びそれらの混合物から構成されるグループから選ばれる、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
該ポリオールはネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロパンとの混合物を含んでなる、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項16】
該脂肪酸成分は自然に発生している、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項17】
該脂肪酸成分は、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、カプリン酸、カプリル酸、ミリスチン酸、及びその混合物から構成されるグループから選ばれる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項18】
該自然に発生する脂肪酸は、6〜16の炭素原子を含んでなり、そして実質上飽和している、請求項16に記載のコーティング組成物。
【請求項19】
該アルキド樹脂は約2〜10の酸価を有している、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項20】
該アルキド樹脂は約4〜6の酸価を有している、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項21】
該コーティング組成物は約10〜40重量%の架橋剤を含んでなる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項22】
該架橋剤は、メラミンホルムアルデヒド、ユリアホルムアルデヒド、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド、及びグリコールユリルホルムアルデヒドから構成されるグループから選ばれる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項23】
該架橋剤はメラミンホルムアルデヒドを含んでなる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項24】
エポキシ素材を含む反応性希釈剤を更に含んでなる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項25】
ミネラルスピリット、キシレン、アルコール、ケトン、エステル、及びグリコールエーテルから構成されるグループから選ばれた溶剤を更に含んでなる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項26】
カルナバ、ペトロラタム、及びポリエチレンから構成されるグループから選ばれたワックスを更に含んでなる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項27】
シリコーン、フルオロカーボン、及びアクリル樹脂から構成されるグループから選ばれたフローコントロール剤を更に含んでなる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項28】
パラトルエンスルホン酸、及びドデシルベンゼンスルホン酸から構成されるグループから選ばれた触媒を更に含んでなる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項29】
該コーティング組成物は、エリクセンカップファブリケーションテストの下で試験される時、少なくとも約7の初期柔軟度性を有している、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項30】
該コーティング組成物の柔軟度性は、エリクセンカップファブリケーションテストを用いて200℃での乾燥加熱の2分後に少なくとも約5である、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項31】
ポリエステル成分;及び約2未満の多分散度性を有する脂肪酸成分とを含んでなるアルキド樹脂組成物であって、該脂肪酸成分は実質上飽和しそして自然に発生しており、そして該アルキド樹脂は約500〜2,000の数平均分子量を有する、アルキド樹脂組成物。
【請求項32】
該二官能性酸は、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、及びそれらの混合物から構成されるグループから選ばれる、請求項31に記載のアルキド樹脂。
【請求項33】
該二官能性酸は、無水フタル酸である、請求項31に記載のアルキド樹脂。
【請求項34】
該ポリオールは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールエタン、及びそれらの組み合わせから構成されるグループから選ばれる、請求項31に記載のアルキド樹脂。
【請求項35】
該ポリオールはネオペンチルグリコール及びトリメチロールプロパンとの混合物を含んでなる、請求項31に記載のアルキド樹脂。
【請求項36】
該自然に発生する脂肪酸は、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、カプリン酸、カプリル酸、及びミリスチン酸から構成されるグループから選ばれる、請求項31に記載のアルキド樹脂。
【請求項37】
該自然に発生する脂肪酸は6〜16の炭素原子を含んでなり、そして不飽和を含んでいない、請求項31に記載のアルキド樹脂。
【請求項38】
該樹脂の酸価は約4〜6である、請求項31に記載のアルキド樹脂。
【請求項39】
該樹脂の粘度は約15cm2/秒〜25cm2/秒である、請求項31に記載のアルキド樹脂。
【請求項40】
該樹脂の固形分は約70〜90%である、請求項31に記載のアルキド樹脂。
【請求項41】
ポリエステル成分;及び実質上飽和した脂肪酸成分との反応生成物であるアルキド樹脂であり、そこでは該脂肪酸成分は自然に発生しており、そして該アルキド樹脂は約500〜2,000の数平均分子量、及び約2未満の多分散度性を有する物であるアルキド樹脂;及び架橋剤とを含んでなるコーティング組成物で塗布された金属基材を含んでなる塗装基材であって、該コーティング組成物は実質上色彩安定である、塗装基材。

【公表番号】特表2006−514122(P2006−514122A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−501516(P2004−501516)
【出願日】平成15年5月2日(2003.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/013913
【国際公開番号】WO2003/093379
【国際公開日】平成15年11月13日(2003.11.13)
【出願人】(503302609)バルスパー ソーシング,インコーポレイティド (5)
【Fターム(参考)】