説明

コンベアベルトのモニタリングシステム

【課題】 コンベヤベルトの縦裂きだけでなく、縦裂きの予兆としての異常な高温等も検出して、縦裂きを未然に防ぐ機能も併せもつコンベヤベルトのモニタリングシステムを提供する。
【解決手段】 トランスポンダ4と、コンベヤベルト1の温度または圧力を計測する計測手段2,3とを、コンベヤベルト1の表層部に、所定の間隔を開けて連続的に設置し、自己の識別情報、および計測値を外部から非接触的にエネルギーを得て発信するようにするとともに、コンベアベルト1から所定の距離を離間して所定の固定位置に設置され、トランスポンダ4および計測手段に対して電磁エネルギーを発するとともに、これらトランスポンダ4および計測手段2,3から、自己の識別情報および計測値を載せた電波を受信する送受信装置5を設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトの縦裂きを検出するコンベヤベルトのモニタリングシステムに係り、特に縦裂きの予兆としての異常な高温、異常に大きいベルト張力、磨耗をも検出して、縦裂きを未然に防ぐ機能も併せもつコンベヤベルトのモニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載されたコンベヤベルトのモニタリングシステムは、コンベヤベルトの全幅をカバーする複数のループコイルを、コンベヤベルトの長さ方向に連続的に埋設または表面に敷設したものである。ループコイルのうち、コンベヤベルトの両側縁部に位置する部分は、コンベヤベルトの進行につれて、所定の箇所で、外部の破断検出回路と電気的に接触するようになっている。破断検出回路は、ループコイルの両側縁部と接触することにより、回路全体に電流が流れ、コンベアベルトの正常を確認する。
【0003】
一方、コンベヤベルトのいずれかの箇所で縦裂きが生じると、ループコイルが断線するため、ループコイルの両側縁部が破断検出回路と接触しても、回路全体に電流が流れることはない。したがって、コンベヤベルトの異常を検知しうる。
【0004】
下記特許文献2に記載されたコンベヤベルトのモニタリングシステムは、コンベヤベルトの表層部または基層部に、長さ方向において互いに間隔を開けつつ、複数のトランスポンダを設けるとともに、コンベヤベルトの外部に、少なくとも1つの送受信装置、およびこれに接続されたデータ処理部を設けたものである。
【0005】
送受信装置は、励磁コイルから常時ラジオ周波数の電波を発しており、データ搬送コイルが、コンベヤベルトの進行により、この電波の受信領域に入ると、電磁結合により電圧を発生し、トランスポンダに給電する。
【0006】
トランスポンダは、電磁エネルギーを受けると、固有の識別情報を、データ搬送コイルを介して、送受信装置に送る。したがって、データ処理部は、トランスポンダを識別しつつ、異常がないことを確認する。
【0007】
一方、コンベヤベルトに亀裂や縦裂きが生ずると、その箇所にあるトランスポンダが破損または落下するため、送受信装置は、そのトランスポンダから識別情報を受信できなくなり、データ処理部は、そのトランスポンダの異常を検知する。
【特許文献1】米国特許第373113号明細書
【特許文献2】独国特許第19525326号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の各特許は、亀裂または縦裂きが生じて、ループの破損や、トランスポンダの破損または落下が生じるまで、コンベヤベルトの異常を検知できない。しかし、この段階で異常を検知しても、修復にかかる費用や手間が大きくなる。
【0009】
そこで、本発明は、コンベヤベルトの異常をできるだけ早く検知し、修復に要する費用や手間を節減することができるコンベアベルトのモニタリングシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) コンベアベルトのモニタリングシステムにおいて、コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置されるとともに、自己の識別情報を保持し、かつ外部から非接触的にエネルギーを得て、この識別情報を発信するトランスポンダと、コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置されるとともに、自己の識別情報を保持し、かつ外部から非接触的にエネルギーを得て、コンベヤベルトの温度および圧力の少なくとも一方を計測し、計測値を前記自己の識別情報と併せて電波に載せて発信する計測手段と、コンベアベルトから所定の距離を離間して所定の固定位置に設置され、前記トランスポンダおよび計測手段に対して所定の大きさの電磁エネルギーを発するとともに、これらトランスポンダおよび計測手段から、自己の識別情報および計測値を載せた電波を受信する送受信装置と、前記送受信装置と接続され、この送受信装置から、トランスポンダおよび計測手段より送られた識別情報および計測値の提供を受けて、コンベヤベルトの形状変化ならびに温度および/または圧力の異常を判断するデータ処理装置とを備えるようにする。
【0011】
(2) 上記(1)項において、コンベヤベルトの幅方向におけるトランスポンダの長さを、100mm以上とする。
【0012】
(3) 上記(1)または(2)項において、送受信装置の出力を4〜10Wとする。
【0013】
(4) コンベアベルトのモニタリングシステムにおいて、コンベヤベルトの外部に設置され、コンベアベルトの形状変化を非接触的に検知しうるレーザセンサと、 コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置されるとともに、自己の識別情報を保持し、かつ外部から非接触的にエネルギーを得て、コンベヤベルトの温度および圧力の少なくとも一方を計測し、計測値を前記自己の識別情報と併せて電波に載せて発信する計測手段と、コンベアベルトから所定の距離を離間して所定の固定位置に設置され、前記計測手段に対して所定の大きさの電磁エネルギーを発するとともに、この計測手段から、自己の識別情報および計測値を載せた電波を受信する送受信装置と、前記レーザセンサおよび送受信装置と接続され、これらレーザセンサおよび送受信装置から、それぞれレーザセンサの得たデータ、および計測手段より送られた識別情報および計測値の提供を受けて、コンベヤベルトの形状変化ならびに温度および/または圧力の異常を判断するデータ処理装置とを備えるようにする。
【0014】
(5) コンベアベルトのモニタリングシステムにおいて、コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置される永久磁石と、コンベアベルトから所定の距離を離間して所定の固定位置に設置され、前記永久磁石から発せられる磁束の量の変化を検知しうる磁気センサと、コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置されるとともに、自己の識別情報を保持し、かつ外部から非接触的にエネルギーを得て、コンベヤベルトの温度および圧力の少なくとも一方を計測し、計測値を前記自己の識別情報と併せて電波に載せて発信する計測手段と、コンベアベルトから所定の距離を離間して所定の固定位置に設置され、前記計測手段に対して所定の大きさの電磁エネルギーを発するとともに、これら磁気センサおよび計測手段から、自己の識別情報および計測値を載せた電波を受信する送受信装置と、前記磁気センサおよび送受信装置と接続され、これらの磁気センサおよび送受信装置から、それぞれ磁気センサの得たデータ、および計測手段より送られた識別情報および計測値の提供を受けて、コンベヤベルトの形状変化ならびに温度および/または圧力の異常を判断するデータ処理装置とを備えるようにする。
【発明の効果】
【0015】
(1) 請求項1記載の発明によれば、トランスポンダと計測手段が、ともに送受信装置から非接触的にエネルギーを受け、電磁誘導により発生した電圧を利用して、それぞれ格納してある自己の識別情報を、送受信装置に対して発信する。また、計測手段は、温度および圧力の少なくとも一方を計測して、その計測値をも送受信装置に対して発信する。
コンベヤベルトに亀裂や縦裂きが生ずる前には、通常、温度や圧力の値が異常に高くなるところ、この発明によれば、この温度や圧力の異常値を、送受信装置を介してデータ処理装置において判別しうるため、爾際に亀裂や縦裂きが生じてトランスポンダが破損または落下した場合だけでなく、その予兆も検知することができる。
また、トランスポンダだけでなく、計測手段も自己識別情報を格納し、これを発信するため、データ処理装置において、温度や圧力の異常な箇所を特定し、迅速な対応措置をとることができる。
この発明においては、コンベヤベルトに多数配設するトランスポンダおよび計測手段が電源を内蔵しないため、総コストを節減することができる。
さらに、コンベヤベルトの異常に関する情報を、非接触的に入手ため、接触式の情報入手方法に比べて、故障が生じるおそれが少ない。
【0016】
(2) 請求項2記載の発明によれば、コンベヤベルトの幅方向におけるトランスポンダの長さが、100mm以上であるため、送受信装置におけるトランスポンダからの電波の受信範囲が広がり、コンベヤベルトが蛇行した場合でも、受信漏れによって、異常が発生したとの誤った判断をするおそれが小さくなる。
【0017】
(3) 請求項3記載の発明によれば、十分な出力によって、コンベアベルトと30cmくらいまでのシステムの保持上安全な距離を保って、送受信装置とトランスポンダおよび計測手段との間のエネルギーの供給および情報の入手を行うことができる。
【0018】
(4) 請求項4記載の発明によれば、計測手段は、送受信装置から非接触的にエネルギーを受け、電磁結合により発生した電圧を利用して、温度および圧力の少なくとも一方を計測し、その計測値、ならびに格納してある自己の識別情報を、送受信装置に対して発信する。
一方、レーザセンサは、亀裂や縦裂きを含むコンベヤベルトの形状変化を非接触的に検知することができる。
よって、この発明においても、コンベヤベルトの形状の異常、およびその予兆を非接触的に知ることができるため、コンベヤベルトの異常の拡大を未然に防ぎ、かつ接触式の情報入手方法の欠点を克服することができる。
【0019】
(5) 請求項5記載の発明によれば、計測手段は、送受信装置から非接触的にエネルギーを受け、電磁結合により発生した電圧を利用して、温度および圧力の少なくとも一方を計測し、その計測値、ならびに格納してある自己の識別情報を、送受信装置に対して発信する。
一方、コンベアベルト上の永久磁石が移動すると、磁気センサは、自己に対する磁束の量の変化を測定して、磁石の位置を検出することができる。したがって、亀裂や縦裂きによって、永久磁石が落下すれば、コンベヤベルトの異常を知ることができる。
よって、この発明においても、コンベヤベルトの形状の異常、およびその予兆を非接触的に知ることができるため、コンベヤベルトの異常の拡大を未然に防ぎ、かつ接触式の情報入手方法の欠点を克服することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す。部分的に表されたコンベヤベルト(1)は側面方向から視たものであり、矢印Aで示すように、左方から右方へ向かって進行する。コンベヤベルト(1)の下面(1a)には、右から温度センサ(2)、圧力センサ(3)、およびトランスポンダ(4)が1つのグループを形成して、それぞれ埋設されている。温度センサ(2)、圧力センサ(3)、およびトランスポンダ(4)のグループは、一定の間隔を開けて、コンベヤベルト(1)の長さ方向に連続的に配置されている。なお、計測手段としての温度センサ(2)と圧力センサ(3)は、少なくとも一方が設けられていればよい。
【0021】
コンベヤベルト(1)の約30cm下方には、送受信装置(5)が設置されており、送受信装置(5)にはデータ処理装置(6)が接続されている。また、データ処理装置(6)は、コンベアベルト(1)の稼動と停止を制御する制御機構にも接続されている。送受信装置(5)は、コンベヤベルト(1)に向けて、常時4〜10Wのラジオ周波数の電磁波を発している。この出力は、比較的大きく、このような出力とすることで、遠距離の発信を可能とし、コンベヤベルト(1)との間に、撓みによる破損を回避しうる距離を保つことができる。
【0022】
トランスポンダ(4)は、ICメモリ(図示せず)を内蔵し、自己の識別情報を格納している。また、トランスポンダ(4)は、内部アンテナ(図示せず)も備えており、送受信装置(5)から発せられた電磁波を電気エネルギーに変換し、このエネルギーによって、ICメモリに格納されている自己識別情報を読み出し、これを内部アンテナから、送受信装置(5)に向けて発信する。
【0023】
送受信装置(5)は、トランスポンダ(4)から電波を受信する限り、データ処理装置(6)は、コンベヤベルト(1)が正常に稼動していると判断する。他方、送受信装置(5)が、トランスポンダ(4)から電波を受信できない場合、データ処理装置(6)は、コンベヤベルト(1)に縦裂き等が生じてトランスポンダ(4)が落下する等、何らかの異常が発生したと判断する。
【0024】
コンベヤベルト(1)を稼動させる場合、蛇行が生じて、トランスポンダ(4)が、送受信装置(5)の真上を通過しないことは、通常見られることである。しかし、このような場合に、送受信装置(5)がトランスポンダ(4)からの電波を受信できなくなって、異常が発生したと判断するのは好ましくない。そこで、コンベヤベルト(1)の幅方向におけるトランスポンダ(4)の長さは、100mm以上とするのが好ましい。こうすれば、送受信装置(5)の受信可能範囲が広がり、トランスポンダ(4)が蛇行によって送受信装置(5)の真上を通過しない場合にも、異常発生という誤った判断をするおそれが小さくなる。
【0025】
温度センサ(2)と圧力センサ(3)も、同様にICメモリと内部アンテナ(ともに図示せず)を備えており、ICメモリには、自己の識別情報が格納されている。温度センサ(2)と圧力センサ(3)は、内部アンテナで電圧が発生すると、このエネルギーを利用して、周囲の温度と圧力を計測するとともに、計測値を自己の識別情報とともに、内部アンテナから、送受信装置(5)に向けて発信する。
【0026】
コンベヤベルトに極端な伸び、亀裂、縦裂きなどが生ずる場合には、通常事前に、その周囲で異常に高い温度や高い圧力が発生する。したがって、送受信装置(5)が、温度センサ(2)や圧力センサ(3)から、そのような異常な計測値を受信したときは、データ処理装置(6)において、定常的な値と比較することによって、異常な事態の発生を判断する。
【0027】
データ処理装置(6)は、温度と圧力が一定の閾値を超えた場合には、制御機構へ知らせ、コンベヤベルト(1)の稼動を停止する。この実施形態においては、温度センサ(2)と圧力センサ(3)から識別情報を入手できるため、異常個所を簡単に割出すことができる。
【0028】
本実施形態によれば、通常は亀裂や縦裂きが生じる前に、その兆候を知りうるため、コンベヤベルトの部分的な交換等、費用と手間の係る処置を回避することができる。また、万一、亀裂や縦裂きが生じてしまった場合でも、トランスポンダ(4)の破損や落下により、トランスポンダ(4)の識別情報を受信できなくなった段階で、これを知ることができる。このような場合は、データ処理装置(6)と制御機構を介して、直ちにコンベヤベルト(1)の稼動を停止し、亀裂等の修復をすることにより、コンベヤベルト(1)の形状変化の拡大や被搬送物の落下等を最小限に抑えることができる。
【0029】
本発明においては、コンベヤベルト(1)の異常の検知が、コンベヤベルト(1)と外部検知手段との物理的な接触を介せずに行われる。接触式の検知は、検知手段の故障を生じやすいが、本発明においては、そのようなおそれを回避することができる。
【0030】
図2は、本発明の第2の実施形態を示す。図1と同様の要素には同一の符号を付して、説明を省略する。
【0031】
この実施形態においては、レーザセンサ(10)を用いて、コンベヤベルト(1)の下面(1a)の形状を連続的に監視する。コンベヤベルト(1)の下面(1a)には、温度センサ(2)と圧力センサ(3)の外には、何も設置されない。
【0032】
レーザセンサ(10)は、コンベヤベルト(1)の下面(1a)にスリット状のレーザ光を照射し、三角法原理により対象物の形状を認識する。レーザセンサ(10)も、コンベヤベルト(1)下方の比較的遠距離に配置することができるため、コンベヤベルト(1)の撓みによる破損を回避することができる。
【0033】
レーザセンサ(10)は、送受信装置(5)とともに、データ処理装置(6)に接続されており、データ処理装置(6)は、レーザセンサ(10)からの信号により、コンベヤベルト(1)の垂れ下がりや、穴あきによる反射レーザ光の不認識等があった場合には、直ちに制御機構を介してコンベヤベルト(1)の稼動を停止させる。
【0034】
この実施形態においては、亀裂等の検知のために、コンベヤベルト(1)に連続的に検知用の素子を設ける必要がないため、システム全体の構築に係るコストを節減することができる。
【0035】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す。この図においても、図1と同様の要素には同一の符号を付して、説明を省略する。
【0036】
この実施形態においては、コンベヤベルト(1)の下面(1a)に、永久磁石(20)を所定の間隔を開けて連続的に埋設してある。
【0037】
コンベヤベルト(1)の下方には、磁気センサ(21)が設置されている。磁気センサには種々のタイプのものがあるが、この実施形態においては、ホール素子センサを用いている。
【0038】
永久磁石(20)が、コンベアベルト(1)とともに移動すると、磁気センサ(21)は、永久磁石(20)から自己に向かう磁束の量の変化を測定して、直近の永久磁石(20)の位置を、所定の時間間隔で検出することができる。亀裂や縦裂きによって、永久磁石(20)が落下すれば、定められた時間に永久磁石(20)の位置を知ることができなくなるため、コンベヤベルトの異常を知ることができる。
【0039】
磁気センサ(21)は、送受信装置(5)とともに、データ処理装置(6)に接続されており、データ処理装置(6)は、永久磁石(20)の欠損を判定した場合には、直ちに制御機構を介してコンベヤベルト(1)の稼動を停止させる。
【0040】
コンベヤベルトに連続的に設置される多数の永久磁石は、安価であるため、この実施形態においても、システム全体の構築に係るコストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンベヤベルトのモニタリングシステムの模式図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るコンベヤベルトのモニタリングシステムの模式図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るコンベヤベルトのモニタリングシステムの模式図である。
【符号の説明】
【0042】
(1) コンベヤベルト
(1a) 下面
(2) 温度センサ
(3) 圧力センサ
(4) トランスポンダ
(5) 送受信装置
(6) データ処理装置
(10) レーザセンサ
(20) 永久磁石
(21) 磁気センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置されるとともに、自己の識別情報を保持し、かつ外部から非接触的にエネルギーを得て、この識別情報を発信するトランスポンダと、
コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置されるとともに、自己の識別情報を保持し、かつ外部から非接触的にエネルギーを得て、コンベヤベルトの温度および圧力の少なくとも一方を計測し、計測値を前記自己の識別情報と併せて電波に載せて発信する計測手段と、
コンベアベルトから所定の距離を離間して所定の固定位置に設置され、前記トランスポンダおよび計測手段に対して所定の大きさの電磁エネルギーを発するとともに、これらトランスポンダおよび計測手段から、自己の識別情報および計測値を載せた電波を受信する送受信装置と、
前記送受信装置と接続され、この送受信装置から、トランスポンダおよび計測手段より送られた識別情報および計測値の提供を受けて、コンベヤベルトの形状変化ならびに温度および/または圧力の異常を判断するデータ処理装置とを備えるコンベアベルトのモニタリングシステム。
【請求項2】
コンベヤベルトの幅方向におけるトランスポンダの長さを、100mm以上としたことを特徴とする請求項1記載のコンベアベルトのモニタリングシステム。
【請求項3】
送受信装置の出力を4〜10Wとすることを特徴とする請求項1または2記載のコンベアベルトのモニタリングシステム。
【請求項4】
コンベヤベルトの外部に設置され、コンベアベルトの形状変化を非接触的に検知しうるレーザセンサと、
コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置されるとともに、自己の識別情報を保持し、かつ外部から非接触的にエネルギーを得て、コンベヤベルトの温度および圧力の少なくとも一方を計測し、計測値を前記自己の識別情報と併せて電波に載せて発信する計測手段と、
コンベアベルトから所定の距離を離間して所定の固定位置に設置され、前記計測手段に対して所定の大きさの電磁エネルギーを発するとともに、この計測手段から、自己の識別情報および計測値を載せた電波を受信する送受信装置と、
前記レーザセンサおよび送受信装置と接続され、これらレーザセンサおよび送受信装置から、それぞれレーザセンサの得たデータ、および計測手段より送られた識別情報および計測値の提供を受けて、コンベヤベルトの形状変化ならびに温度および/または圧力の異常を判断するデータ処理装置とを備えるコンベアベルトのモニタリングシステム。
【請求項5】
コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置される永久磁石と、コンベアベルトから所定の距離を離間して所定の固定位置に設置され、前記永久磁石から発せられる磁束の量の変化を検知しうる磁気センサと、
コンベヤベルトの表層部または内部に、長さ方向において所定の間隔を開けて連続的に設置されるとともに、自己の識別情報を保持し、かつ外部から非接触的にエネルギーを得て、コンベヤベルトの温度および圧力の少なくとも一方を計測し、計測値を前記自己の識別情報と併せて電波に載せて発信する計測手段と、
コンベアベルトから所定の距離を離間して所定の固定位置に設置され、前記計測手段に対して所定の大きさの電磁エネルギーを発するとともに、これら磁気センサおよび計測手段から、自己の識別情報および計測値を載せた電波を受信する送受信装置と、
前記磁気センサおよび送受信装置と接続され、これらの磁気センサおよび送受信装置から、それぞれ磁気センサの得たデータ、および計測手段より送られた識別情報および計測値の提供を受けて、コンベヤベルトの形状変化ならびに温度および/または圧力の異常を判断するデータ処理装置とを備えるコンベアベルトのモニタリングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−52039(P2006−52039A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233606(P2004−233606)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】