コンベア用倒容器除去ガイド
【課題】コンベアにより単列の容器を搬送する場合に、搬送される容器のうち倒れた容器(倒壜)のみをコンベアから排除することができるとともに可動の部品(又は要素)を必要としない装置構成が簡易なコンベア用倒容器除去ガイドを提供する。
【解決手段】容器2を直線状の搬送経路からコンベア1の搬送面1Sの一側端1e側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は一側端1eより外側を通るように容器2を案内しつつ倒れた容器2を搬送面1Sから除去し、さらに容器2を案内して直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部G2を備え、倒れた容器2は、倒容器除去ガイド部G2に入り、他方の案内面における直線状に延びる案内面S2−1から斜行案内面S2−2に進行し、倒れた容器2の口部2m及び/又は肩部2kが斜行案内面S2−2に当たり、倒れた容器2は一方の案内面側に押し出され開口部4ROから排出される。
【解決手段】容器2を直線状の搬送経路からコンベア1の搬送面1Sの一側端1e側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は一側端1eより外側を通るように容器2を案内しつつ倒れた容器2を搬送面1Sから除去し、さらに容器2を案内して直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部G2を備え、倒れた容器2は、倒容器除去ガイド部G2に入り、他方の案内面における直線状に延びる案内面S2−1から斜行案内面S2−2に進行し、倒れた容器2の口部2m及び/又は肩部2kが斜行案内面S2−2に当たり、倒れた容器2は一方の案内面側に押し出され開口部4ROから排出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア用倒容器除去ガイド(コンベア用倒壜除去ガイド)に係り、特にコンベアにより直立した状態で搬送されるガラス壜やバイアル等の容器の間に倒れた容器がある場合に、この倒れた容器のみをコンベアから排除するコンベア用倒容器除去ガイドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品、薬品、化粧品等の各種製造プラントにおいて、ガラス壜やバイアルに液体を充填することが行われている。この場合、容器は液体を充填する前に容器に欠陥がないかを検査することが必要であり、そのため、容器をコンベアにより搬送して検査機に搬入している。また、検査後に容器に液体を充填する際にも、容器をコンベアにより搬送して充填機に搬入し、液体を容器に充填した後も、容器へのラベルの貼付、入味検査等の各種工程があり、この場合にも容器をコンベアにより搬送して各種工程を実施するための装置に搬入している。
【0003】
このように、コンベアは各種装置へ容器を搬入・搬出するために重要な役割を果たしているが、コンベアにより搬送される容器の中に倒れた容器がある場合がある。この倒れた容器が直立した容器と同様に、検査機や充填機等の装置に搬入されると、装置側で不具合を発生させる原因になる。そのため、コンベアから倒れた容器を排除するために容器除去装置が用いられている。
【0004】
容器除去装置の一種として、例えば、特開2006−306532号公報(特許文献1)には、複数列の容器を1列に整列させる装置の一部として構成された除去装置が開示されている。特許文献1に開示された装置は、搬送速度が異なる複数のコンベアを搬送方向に直交する方向に並べ、多列で搬送される容器を斜めに傾斜したガイドによって移動経路を変更して徐々に単列に整列させ、前記斜めに傾斜したガイドの一部に、倒れていない容器と倒れた容器とでは回動量が異なる可動のガイド部材を設け、可動のガイド部材の回動量を、倒れていない容器がコンベアによる搬送に伴ってガイド部材によってガイドされるときよりも、倒れた容器がコンベアによる搬送に伴ってガイド部材によってガイドされるときの方が小さいようにしている。これにより、容器が可動のガイド部材に接触してガイドされるとき、倒れていない容器よりも倒れた容器の方がガイド部材による移動経路の修正が大きくなされることによって、倒れた容器は、ガイド部材によって排斥部方向に跳ね飛ばされて排斥部に排斥されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−306532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている除去装置は、複数のコンベアにより複数列の容器を1列に整列させるような場合に設置できる構成のものであって、単列で搬送するコンベアには適用することはできないという問題がある。また、倒れた容器を排除するための可動のガイド部材および可動のガイド部材を回動可能にするためにスプリング等の復元力発生機構を必須とし、装置構造が複雑であり、装置コストが上昇するという問題もある。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、コンベアにより容器を搬送する場合に、搬送される容器のうち倒れた容器(倒壜)のみをコンベアから排除することができるとともに可動の部品(又は要素)を必要としない装置構成が簡易なコンベア用倒容器除去ガイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明のコンベア用倒容器除去ガイドは、容器を直線状の搬送経路に沿って搬送する搬送面を有したコンベアの上方に配置され、前記コンベアによって搬送される容器の両側に接触して容器を所定の方向に案内する対向する案内面を有した容器ガイドであって、直線状に延びる対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路に沿って案内する入口側直線状ガイド部と、前記入口側直線状ガイド部に連設されるとともに対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路から前記コンベアの搬送面の一側端側に移動させ、容器の中心が前記搬送面の一側端又は該一側端より外側を通るように容器を案内しつつ倒れた容器を搬送面から除去し、さらに容器を案内して前記直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部と、前記倒容器除去ガイド部に連設されるとともに直線状に延びる対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路に沿って案内する出口側直線状ガイド部とを備え、前記倒容器除去ガイド部における一方の案内面は、概略円弧状に湾曲して一部の案内面が前記搬送面より外側に突出し、かつ前記一方の案内面は、前記搬送面より外側に突出した部分で倒れた容器が通過して排出できるように開口部を有した案内面であり、前記倒容器除去ガイド部における他方の案内面は、入口部において前記入口側直線状ガイド部の直線状に延びる案内面に連続して直線状に延びる案内面と、この直線状に延びる案内面に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面と、この斜行案内面に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面とを有し、倒れた容器は、前記入口側直線状ガイド部を通り前記倒容器除去ガイド部に入り、前記他方の案内面における前記直線状に延びる案内面から前記斜行案内面に進行し、倒れた容器の口部及び/又は肩部または底部が前記斜行案内面に当たり、該倒れた容器は前記一方の案内面側に押し出され前記開口部から排出されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、容器を入口側直線状ガイド部における案内面により案内して直進させた後に、倒容器除去ガイド部による案内面により案内してコンベアの搬送面の一側端に移動させ、容器を容器の中心が搬送面の一側端又は一側端よりやや外側を通るように案内することにより、倒れた容器を容器の中心が搬送面から外側に外れるようにし、案内面の下方の開口部を通って排出することができる。この場合、倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面に案内されつつ斜行案内面に向かって進行した倒れた容器は、口部及び/又は肩部または底部が斜行案内面に当たり、倒れた容器は対向する案内面側に押し出され、容器の口部又は底部が先行する容器の胴部から外れ、倒れた容器は搬送面の一側端に向かって移動して容器の中心が搬送面から外側に外れてしまい排出される。
【0010】
本発明における概略円弧状に湾曲した案内面には、所定の曲率半径で案内面を円弧状に形成した案内面を含み、また所定の曲率半径又はそれぞれ異なった曲率半径の複数の円弧を滑らかに接続することによって形成された曲面からなる案内面も含むものである。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面は、前記入口側直線状ガイド部と前記倒容器除去ガイド部の境から容器の直径の2〜3倍の長さだけ延びていることを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記倒容器除去ガイド部における斜行案内面は、前記倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面に対してθ=45°±5°の範囲内の角度をなすように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面により案内されて斜行案内面に進行した倒れた容器は、上記θ=45°±5°の範囲内の角度に設定された斜行案内面により対向する案内面側に確実に押し出すことができる。これにより、倒れた容器の口部又は底部が先行する容器から外れるため、倒れた容器を搬送面から確実に除去できる。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記倒容器除去ガイド部における開口部は、前記搬送面から容器の直径以上の高さと容器の高さ以上の幅を有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記容器ガイドの前記案内面の下端部と前記搬送面との間隙は、倒れた容器を案内できるように容器の直径の1/2未満であり、前記案内面の上端部は、搬送される直立した容器の胴部の上端より上方にあることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記容器ガイドは、前記対向する案内面をそれぞれ備えるガイド部材により構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のコンベア用倒容器除去ガイドは、容器を搬送する搬送面を有したコンベアの上方に配置され、前記コンベアによって搬送される容器の両側に接触して容器を所定の方向に案内する対向する案内面を有した容器ガイドであって、対向する案内面を有し、容器を前記コンベアの搬送面の一側端側に移動させ、容器の中心が前記搬送面の一側端又は該一側端より外側を通るように容器を案内しつつ倒れた容器を搬送面から除去する倒容器除去ガイド部を備え、前記倒容器除去ガイド部における一方の案内面は、概略円弧状に湾曲して一部の案内面が前記搬送面より外側に突出し、かつ前記一方の案内面は、前記搬送面より外側に突出した部分で倒れた容器が通過して排出できるように開口部を有した案内面であり、前記倒容器除去ガイド部における他方の案内面は、入口部において直線状に延びる案内面と、この直線状に延びる案内面に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面と、この斜行案内面に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面とを有し、倒れた容器は、前記倒容器除去ガイド部に入り、前記他方の案内面における前記直線状に延びる案内面から前記斜行案内面に進行し、倒れた容器の口部及び/又は肩部または底部が前記斜行案内面に当たり、該倒れた容器は前記一方の案内面側に押し出され前記開口部から排出されることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、容器を倒容器除去ガイド部による案内面により案内してコンベアの搬送面の一側端に移動させ、容器を容器の中心が搬送面の一側端又は一側端よりやや外側を通るように案内することにより、倒れた容器を容器の中心が搬送面から外側に外れるようにし、案内面の下方の開口部を通って排出することができる。この場合、倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面に案内されつつ斜行案内面に向かって進行した倒れた容器は、口部及び/又は肩部または底部が斜行案内面に当たり、倒れた容器は対向する案内面側に押し出され、容器の口部又は底部が先行する容器の胴部から外れ、倒れた容器は搬送面の一側端に向かって移動して容器の中心が搬送面から外側に外れてしまい排出される。
本発明の容器搬送装置は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイドと、容器を搬送するコンベアとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
(1)本発明の倒容器除去ガイドによれば、容器を倒容器除去ガイド部による案内面により案内してコンベアの搬送面の一側端に移動させ、容器を容器の中心が搬送面の一側端又は一側端よりやや外側を通るように案内することにより、倒れた容器を容器の中心が搬送面から外側に外れるようにし、案内面の下方の開口部を通って排出することができる。したがって、コンベアの上方に倒容器除去ガイドのみを設置するだけで、搬送される容器のうち倒れた容器(倒壜)のみをコンベアから排除することができる。
(2)本発明によれば、ガイド部材のみにより搬送される容器のうち倒れた容器(倒壜)のみをコンベアから排除することができるため、可動の部材(又は要素)を必要としないので、装置構成が簡易となり装置コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、上述した直線状ガイドと円弧状ガイドとからなる倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)を示す平面図である。
【図2】図2は図1のII−II線断面図である。
【図3】図3は、倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)の詳細を示す拡大平面部である。
【図4】図4は、容器が倒容器除去ガイドにより案内されて進行する状態を示す模式図である。
【図5】図5は、本発明に係るコンベア用倒容器除去ガイドを示す平面図である。
【図6】図6は、倒れた容器が除去される動きを説明する図である。
【図7A】図7Aは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【図7B】図7Bは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【図7C】図7Cは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【図7D】図7Dは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【図7E】図7Eは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明者らは、コンベアが単列の容器を搬送する場合に、搬送される容器のうち倒れた容器(倒壜)のみを除去するために、搬送される容器の両側面を案内する直線状ガイドの一部分を所定の曲率半径で湾曲した円弧状ガイドとし、この円弧状ガイドにより容器をコンベアの搬送面の略中心から搬送面の一側端まで移動させ、容器の中心が搬送面の一側端よりやや外側に出る位置で倒れた容器を落下させるようにした倒容器除去ガイドの開発を試みた。
【0019】
図1は、上述した直線状ガイドと円弧状ガイドとを備えた倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)を示す平面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。図1および図2においては、容器の1例としてバイアルを示している。バイアルは、壜口部が比較的大きく、広口壜の一種である。図1に示すように、搬送コンベア1は、容器(バイアル)2を矢印A方向に直線的に搬送する直線状の搬送コンベアから構成されている。搬送コンベア1の上方には、倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)3が配置されている。倒容器除去ガイド3は、容器2の進行方向に対して左側のガイド部材4Lと右側のガイド部材4Rとから構成されており、左右のガイド部材4L,4Rにより容器入口側の直線状ガイド部から中央部の円弧状ガイド部に移行して容器出口側の直線状ガイド部に戻る案内路を形成している。
【0020】
図2に示すように、搬送コンベア1はトッププレートコンベアからなり、平坦な搬送面1Sを有している。左側のガイド部材4Lは、容器2の壜口部から壜胴部の下部まで延びている。一方、右側のガイド部材4Rは、円弧状ガイド部の部分において、容器2の壜口部から肩部のやや下方の壜胴部の上部まで延びており、下方は開口部4ROになっている。図1および図2に示すように、右側のガイド部材4Rは、開口部4RO以外の部分では、左側のガイド部材4Lと同様に容器2の壜口部から壜胴部の下部近傍まで延びている。また、搬送コンベア1に隣接して倒れた容器(倒壜)2を排出するために下方に傾斜した傾斜シュート6が設置されている。傾斜シュート6の長手方向の長さは、右側のガイド部材4Rの開口部4ROと概略同一の寸法に設定されている。搬送コンベア1の搬送面1Sからの開口部4ROの高さhは、容器2の直径dより大きく設定されている。
容器ガイド部材4Lの案内面の下端部と搬送面1Sとの間隙gは、倒れた容器を案内できるように容器2の直径dの1/2未満であり、案内面の上端部は、搬送される直立した容器2の胴部2bの上端より上方に延びている。
【0021】
図3は、倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)3の詳細を示す拡大平面部である。図3に示すように、倒容器除去ガイド3は、直線状に延びる対向する案内面S1,S1を有し容器2を搬送コンベア1の直線状の搬送経路に沿って案内する入口側直線状ガイド部G1と、入口側直線状ガイド部G1に連設されるとともに概略円弧状に湾曲した対向する案内面S2,S2を有し容器2を前記直線状の搬送経路から搬送コンベア1の搬送面1Sの一側端側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は該一側端1eより外側を通るように容器2を案内して倒れた容器2を搬送面1Sから除去し、さらに容器2を案内して前記直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部G2と、倒容器除去ガイド部G2に連設されるとともに直線状に延びる対向する案内面S3,S3を有し、容器2を前記直線状の搬送経路に沿って案内する出口側直線状ガイド部G3とを備えている。
【0022】
図3に示すように、容器2を搬送するコンベア1の搬送面1Sの幅を2Wとすると、コンベア1の略中心部を通る直線状の搬送経路Lから容器2をコンベア1の搬送面1Sの一側端側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は一側端1eよりやや外側を通るように容器2を案内するためには、倒容器除去ガイド部G2の案内面S2,S2を案内面S1,S1から幅Wだけ偏倚(オフセット)させる必要がある。そのため、対向する案内面S2,S2の中心線CL2が対向する案内面S1,S1の中心線CL1から距離Wだけ偏倚(オフセット)するように、案内面S2,S2は概略円弧状に湾曲して形成されている。
【0023】
すなわち、倒容器除去ガイド部G2の案内面S2,S2は、右側のガイド部材4Rの外側にある点P1を中心として曲率半径R1で描いた円弧と左側のガイド部材4Lの外側にある点P2を中心として曲率半径R2で描いた円弧とによって形成されている。図3では、曲率半径R1,R2の中心P1,P2は、案内面S2,S2の中心線を描く円弧として図示されている。案内面S2,S2の円弧は、案内面S2,S2間の距離をDとすると、図3に示す中心P1,P2から(1/2)Dだけ近接又は離間させればよい。案内面S1,S1間の距離および案内面S3,S3間の距離もDである。なお、距離Dは容器2の直径dより0.5〜2mmだけ大きく設定されている。
【0024】
前記曲率半径R1の中心P1は入口側直線状ガイド部G1と倒容器除去ガイド部G2の境を延長した線上および出口側直線状ガイド部G3と倒容器除去ガイド部G2の境を延長した線上にあり、前記曲率半径R2の中心P2は倒容器除去ガイド部G2の中心を通る線上にある。図3に示す例においては、曲率半径R1=R2に設定されている。そして、案内面S2,S2が案内面S1,S1から滑らかに湾曲して案内面S3,S3に繋がるように、曲率半径R1=R2=(4〜6)Wに設定されている。
【0025】
図1乃至図3に示すように構成された倒容器除去ガイド3によれば、容器2は、入口側直線状ガイド部G1における案内面S1,S1により案内されて直進した後に、倒容器除去ガイド部G2に入り、概略円弧状に湾曲した案内面S2,S2により案内されてコンベア1の搬送面1Sの一側端に移動する。そして、容器2は、案内面S2,S2により容器の中心が搬送面1Sの一側端1e又は一側端1eよりやや外側を通るように案内される。このとき、倒れた容器2は容器の中心が搬送面1Sから外側に外れてしまうため、案内面S2の下方の開口部4ROを通って傾斜シュート6に排出される。直立した容器2は、案内面S2,S2により案内されて進行して出口側直線状ガイド部G3に入り、出口側直線状ガイド部G3における案内面S3,S3により案内されて直進する。
【0026】
本発明者らは、図1乃至図3に示す倒容器除去ガイド3を用いて各種容器について倒れた容器(倒壜)を除去する実験を繰り返し行った。その結果、壜口部の直径が壜胴部の直径に比べて小さい容器(壜)の場合には、倒容器除去ガイド3を用いることにより倒れた容器を排出しやすかった。
図4は、容器が倒容器除去ガイド3により案内されて進行する状態を示す模式図である。図4に示すように、容器2がバイアルの場合には、容器2の口部2mの直径が胴部2bの直径とあまり変わらない広口容器(広口壜)であるため、倒れた容器2の口部2mが倒容器除去ガイド部G2における概略円弧状に湾曲した案内面S2,S2の頂点部に到達しても、倒れた容器2の口部2mが先行する直立する容器2の胴部2bと接触し続ける。そのため、容器2にラインプレッシャが加わった場合、倒れた容器2が前後の直立する容器2に所定の力で挟まれてしまい、倒容器除去ガイド部G2における概略円弧状に湾曲した案内面S2,S2の頂点部S2−P,S2−Pに到達しても除去されずに下流側に流れてしまう場合がある。
【0027】
そこで、本発明者らは、図3に示す倒容器除去ガイド3を更に改良し、例え、容器にラインプレッシャが加わった場合でも、倒れた容器が倒容器除去ガイド部において確実に除去することができるコンベア用倒容器除去ガイドを鋭意研究したものである。
【0028】
図5は、本発明に係るコンベア用倒容器除去ガイドを示す平面図である。図5に示すコンベア用倒容器除去ガイドが図3に示すコンベア用倒容器除去ガイドと異なる点は、倒容器除去ガイド部G2における左側のガイド部材4Lに形成された案内面S2が異なることである。
【0029】
以下、図5に示すコンベア用倒容器除去ガイドについて図3と同様の符号を用いて説明する。図5に示すように、倒容器除去ガイド3は、直線状に延びる対向する案内面S1,S1を有し容器2を搬送コンベア1の直線状の搬送経路に沿って案内する入口側直線状ガイド部G1と、入口側直線状ガイド部G1に連設されるとともに対向する案内面S2,S2を有し容器2を前記直線状の搬送経路から搬送コンベア1の搬送面1Sの一側端側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は該一側端1eより外側を通るように容器2を案内して倒れた容器2を搬送面1Sから除去し、さらに容器2を案内して前記直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部G2と、倒容器除去ガイド部G2に連設されるとともに直線状に延びる対向する案内面S3,S3を有し、容器2を前記直線状搬送経路に沿って案内する出口側直線状ガイド部G3とを備えている。
【0030】
図5に示すように、容器2を搬送するコンベア1の搬送面1Sの幅を2Wとすると、コンベア1の略中心部を通る直線状の搬送経路Lから容器2をコンベア1の搬送面1Sの一側端側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は一側端1eよりやや外側を通るように容器2を案内するためには、倒容器除去ガイド部G2の案内面S2,S2を案内面S1,S1から幅Wだけ偏倚(オフセット)させる必要がある。そのため、対向する案内面S2,S2の中心線CL2が対向する案内面S1,S1の中心線CL1から距離Wだけ偏倚(オフセット)するように、案内面S2,S2は概略円弧状に湾曲して形成されている。
【0031】
しかしながら、倒容器除去ガイド部G2における左側のガイド部材4Lに形成された案内面S2は、入口部において入口側直線状ガイド部G1の直線状に延びる案内面S1に連続して直線状に延びる案内面S2−1と、この直線状に延びる案内面S2−1に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面S2−2と、この斜行案内面S2−2に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面S2−3とから構成されている。直線状に延びる案内面S2−1は、入口側直線状ガイド部G1と倒容器除去ガイド部G2の境から容器の直径dの2〜3倍の長さだけ延びている。斜行案内面S2−2は、直線状に延びる案内面S2−1に対してθ=45°±5°の範囲内の角度をなすように設定されている。図5に示す例においては、θ=45°である。概略円弧状に湾曲した案内面S2−3は、右側のガイド部材4Rに形成された案内面S2と同一の曲率半径で湾曲するように形成されている。
【0032】
倒容器除去ガイド部G2における案内面S2およびS2−3は、右側のガイド部材4Rの外側にある点を中心として曲率半径R1で描いた円弧と左側のガイド部材4Lの外側にある点を中心として曲率半径R2で描いた円弧とによって形成されている。図5では、曲率半径R1,R2の中心P1,P2は、案内面S2,S2−3の中心線を描く円弧として図示されている。案内面S2,S2−3の円弧は、案内面S2,S2間の距離をDとすると、図5に示す中心P1,P2から(1/2)Dだけ近接又は離間させればよい。案内面S1,S1間の距離および案内面S3,S3間の距離もDである。なお、距離Dは容器2の直径dより0.5〜2mmだけ大きく設定されている。
【0033】
前記曲率半径R1の中心P1は入口側直線状ガイド部G1と倒容器除去ガイド部G2の境を延長した線上および出口側直線状ガイド部G3と倒容器除去ガイド部G2の境を延長した線上にあり、前記曲率半径R2の中心P2は倒容器除去ガイド部G2の中心を通る線上にある。図5に示す例においては、曲率半径R1=R2に設定されている。
【0034】
図5に示すように構成された倒容器除去ガイド3によれば、容器2は、入口側直線状ガイド部G1における案内面S1,S1により案内されて直進した後に、倒容器除去ガイド部G2に入り、直線状に延びる案内面S2−1により案内されて斜行案内面S2−2に向かって進行し、直立した容器2は斜行案内面S2−2により案内されて円弧状に湾曲した対向する案内面S2,S2−3に入る。一方、斜行案内面S2−2に向かって進行した倒れた容器2は、口部2m及び/又は肩部2kまたは底部2tが斜行案内面S2−2に当たり、倒れた容器2は対向する案内面S2側に押し出され、容器2の口部2m又は底部2tが先行する容器2の胴部2bから外れ、搬送面1Sの一側端1eに向かって移動する。倒れた容器2は容器の中心が搬送面1Sから外側に外れてしまうため、案内面S2の下方の開口部4ROを通って傾斜シュート6に排出される。直立した容器2は、案内面S2,S2−3により案内されて進行して出口側直線状ガイド部G3に入り、出口側直線状ガイド部G3における案内面S3,S3により案内されて直進する。
【0035】
図6は、本発明に係るコンベア用倒容器除去ガイドにより倒れた容器が除去される様子を示す平面図である。すなわち搬送される容器中に混在する倒れた容器2が倒容器除去ガイド部G2で除去される場合の容器2、特に倒れた容器2の動きを示している。図中、斜線を付した矢印は搬送方向前後における容器によるプレッシャーを示す。また容器2が左から右に搬送される場合を示す。
【0036】
以下、図6を参照して倒れた容器2の動きを説明する。
倒れた容器2は直立した容器に混在しながら、入口側直線要ガイド部G1から倒容器除去ガイド部G2に搬送され、倒れた容器2の口部2mが斜行案内面S2−2に当たる(図6(a))。倒れて搬送される容器2が斜行案内面S2−2に当たると、搬送方向への力と斜行案内面S2−2からの力により、倒れた容器2と斜行案内面S2−2との接触点において外側への力すなわち開口部側への力が働く。一方、倒れた容器2は胴部で搬送面と線接触しているため、上記接触点における外側への力により回転モーメントが作用し倒れた容器2は開口部側へ回転する。
倒れた容器2は口部2mが斜行案内面S2−2に当たることによりわずかに回転するも前後の容器に接触しながらそのまま搬送され続け、容器2の肩部2kも斜行案内面S2−2に当たる(図6(b))。倒れた容器2はさらに回転し肩部2kを斜行案内面S2−2に当てたまま搬送方向に移動する(図6(c))。倒れた容器2は後続する容器に押され容器胴部を斜行案内面S2−2の端部に当てながら容器口部を開口部4RO方向に向ける。このとき倒れた容器2は先行する容器と外れ、後続の容器からの力のみがかかっている状態である(図6(d))。その後、倒れている容器2は斜行案内面S2−2による誘導と後続の容器からの圧力及び容器2自身の回転によって開口部4ROから除去される(図6(e))。
図7Aから図7Eは、上述した図6における図6(a)〜図6(e)にそれぞれ対応した状態を撮影した図であり、特に倒容器除去ガイド部G2を写したものである。
【0037】
図1乃至図7においては、容器を直線状の搬送経路に沿って搬送するコンベアを示しているが、本発明は、湾曲した搬送面で容器を所定の曲線に沿って搬送するコンベアの上方に配置することもできる。
さらに本発明に係るコンベア用倒容器除去ガイドは、図5に示す倒容器除去ガイド部G2の前半部分のみでも成立する。すなわち、本発明は、容器を倒容器除去ガイド部による案内面により案内してコンベアの搬送面の一側端に移動させ、容器を容器の中心が搬送面の一側端又は一側端よりやや外側を通るように案内することにより、倒れた容器を容器の中心が搬送面から外側に外れるようにし、案内面の下方の開口部を通って排出する。
【0038】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
1 搬送コンベア
1S 搬送面
2 容器
2b 胴部
2m 口部
2t 底部
3 倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)
4L,4R ガイド部材
4RO 開口部
6 傾斜シュート
G1 入口側直線状ガイド部
G2 倒容器除去ガイド部
G3 出口側直線状ガイド部
S1,S2 案内面
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア用倒容器除去ガイド(コンベア用倒壜除去ガイド)に係り、特にコンベアにより直立した状態で搬送されるガラス壜やバイアル等の容器の間に倒れた容器がある場合に、この倒れた容器のみをコンベアから排除するコンベア用倒容器除去ガイドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品、薬品、化粧品等の各種製造プラントにおいて、ガラス壜やバイアルに液体を充填することが行われている。この場合、容器は液体を充填する前に容器に欠陥がないかを検査することが必要であり、そのため、容器をコンベアにより搬送して検査機に搬入している。また、検査後に容器に液体を充填する際にも、容器をコンベアにより搬送して充填機に搬入し、液体を容器に充填した後も、容器へのラベルの貼付、入味検査等の各種工程があり、この場合にも容器をコンベアにより搬送して各種工程を実施するための装置に搬入している。
【0003】
このように、コンベアは各種装置へ容器を搬入・搬出するために重要な役割を果たしているが、コンベアにより搬送される容器の中に倒れた容器がある場合がある。この倒れた容器が直立した容器と同様に、検査機や充填機等の装置に搬入されると、装置側で不具合を発生させる原因になる。そのため、コンベアから倒れた容器を排除するために容器除去装置が用いられている。
【0004】
容器除去装置の一種として、例えば、特開2006−306532号公報(特許文献1)には、複数列の容器を1列に整列させる装置の一部として構成された除去装置が開示されている。特許文献1に開示された装置は、搬送速度が異なる複数のコンベアを搬送方向に直交する方向に並べ、多列で搬送される容器を斜めに傾斜したガイドによって移動経路を変更して徐々に単列に整列させ、前記斜めに傾斜したガイドの一部に、倒れていない容器と倒れた容器とでは回動量が異なる可動のガイド部材を設け、可動のガイド部材の回動量を、倒れていない容器がコンベアによる搬送に伴ってガイド部材によってガイドされるときよりも、倒れた容器がコンベアによる搬送に伴ってガイド部材によってガイドされるときの方が小さいようにしている。これにより、容器が可動のガイド部材に接触してガイドされるとき、倒れていない容器よりも倒れた容器の方がガイド部材による移動経路の修正が大きくなされることによって、倒れた容器は、ガイド部材によって排斥部方向に跳ね飛ばされて排斥部に排斥されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−306532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている除去装置は、複数のコンベアにより複数列の容器を1列に整列させるような場合に設置できる構成のものであって、単列で搬送するコンベアには適用することはできないという問題がある。また、倒れた容器を排除するための可動のガイド部材および可動のガイド部材を回動可能にするためにスプリング等の復元力発生機構を必須とし、装置構造が複雑であり、装置コストが上昇するという問題もある。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、コンベアにより容器を搬送する場合に、搬送される容器のうち倒れた容器(倒壜)のみをコンベアから排除することができるとともに可動の部品(又は要素)を必要としない装置構成が簡易なコンベア用倒容器除去ガイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明のコンベア用倒容器除去ガイドは、容器を直線状の搬送経路に沿って搬送する搬送面を有したコンベアの上方に配置され、前記コンベアによって搬送される容器の両側に接触して容器を所定の方向に案内する対向する案内面を有した容器ガイドであって、直線状に延びる対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路に沿って案内する入口側直線状ガイド部と、前記入口側直線状ガイド部に連設されるとともに対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路から前記コンベアの搬送面の一側端側に移動させ、容器の中心が前記搬送面の一側端又は該一側端より外側を通るように容器を案内しつつ倒れた容器を搬送面から除去し、さらに容器を案内して前記直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部と、前記倒容器除去ガイド部に連設されるとともに直線状に延びる対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路に沿って案内する出口側直線状ガイド部とを備え、前記倒容器除去ガイド部における一方の案内面は、概略円弧状に湾曲して一部の案内面が前記搬送面より外側に突出し、かつ前記一方の案内面は、前記搬送面より外側に突出した部分で倒れた容器が通過して排出できるように開口部を有した案内面であり、前記倒容器除去ガイド部における他方の案内面は、入口部において前記入口側直線状ガイド部の直線状に延びる案内面に連続して直線状に延びる案内面と、この直線状に延びる案内面に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面と、この斜行案内面に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面とを有し、倒れた容器は、前記入口側直線状ガイド部を通り前記倒容器除去ガイド部に入り、前記他方の案内面における前記直線状に延びる案内面から前記斜行案内面に進行し、倒れた容器の口部及び/又は肩部または底部が前記斜行案内面に当たり、該倒れた容器は前記一方の案内面側に押し出され前記開口部から排出されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、容器を入口側直線状ガイド部における案内面により案内して直進させた後に、倒容器除去ガイド部による案内面により案内してコンベアの搬送面の一側端に移動させ、容器を容器の中心が搬送面の一側端又は一側端よりやや外側を通るように案内することにより、倒れた容器を容器の中心が搬送面から外側に外れるようにし、案内面の下方の開口部を通って排出することができる。この場合、倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面に案内されつつ斜行案内面に向かって進行した倒れた容器は、口部及び/又は肩部または底部が斜行案内面に当たり、倒れた容器は対向する案内面側に押し出され、容器の口部又は底部が先行する容器の胴部から外れ、倒れた容器は搬送面の一側端に向かって移動して容器の中心が搬送面から外側に外れてしまい排出される。
【0010】
本発明における概略円弧状に湾曲した案内面には、所定の曲率半径で案内面を円弧状に形成した案内面を含み、また所定の曲率半径又はそれぞれ異なった曲率半径の複数の円弧を滑らかに接続することによって形成された曲面からなる案内面も含むものである。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面は、前記入口側直線状ガイド部と前記倒容器除去ガイド部の境から容器の直径の2〜3倍の長さだけ延びていることを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記倒容器除去ガイド部における斜行案内面は、前記倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面に対してθ=45°±5°の範囲内の角度をなすように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面により案内されて斜行案内面に進行した倒れた容器は、上記θ=45°±5°の範囲内の角度に設定された斜行案内面により対向する案内面側に確実に押し出すことができる。これにより、倒れた容器の口部又は底部が先行する容器から外れるため、倒れた容器を搬送面から確実に除去できる。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記倒容器除去ガイド部における開口部は、前記搬送面から容器の直径以上の高さと容器の高さ以上の幅を有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記容器ガイドの前記案内面の下端部と前記搬送面との間隙は、倒れた容器を案内できるように容器の直径の1/2未満であり、前記案内面の上端部は、搬送される直立した容器の胴部の上端より上方にあることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、前記容器ガイドは、前記対向する案内面をそれぞれ備えるガイド部材により構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のコンベア用倒容器除去ガイドは、容器を搬送する搬送面を有したコンベアの上方に配置され、前記コンベアによって搬送される容器の両側に接触して容器を所定の方向に案内する対向する案内面を有した容器ガイドであって、対向する案内面を有し、容器を前記コンベアの搬送面の一側端側に移動させ、容器の中心が前記搬送面の一側端又は該一側端より外側を通るように容器を案内しつつ倒れた容器を搬送面から除去する倒容器除去ガイド部を備え、前記倒容器除去ガイド部における一方の案内面は、概略円弧状に湾曲して一部の案内面が前記搬送面より外側に突出し、かつ前記一方の案内面は、前記搬送面より外側に突出した部分で倒れた容器が通過して排出できるように開口部を有した案内面であり、前記倒容器除去ガイド部における他方の案内面は、入口部において直線状に延びる案内面と、この直線状に延びる案内面に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面と、この斜行案内面に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面とを有し、倒れた容器は、前記倒容器除去ガイド部に入り、前記他方の案内面における前記直線状に延びる案内面から前記斜行案内面に進行し、倒れた容器の口部及び/又は肩部または底部が前記斜行案内面に当たり、該倒れた容器は前記一方の案内面側に押し出され前記開口部から排出されることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、容器を倒容器除去ガイド部による案内面により案内してコンベアの搬送面の一側端に移動させ、容器を容器の中心が搬送面の一側端又は一側端よりやや外側を通るように案内することにより、倒れた容器を容器の中心が搬送面から外側に外れるようにし、案内面の下方の開口部を通って排出することができる。この場合、倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面に案内されつつ斜行案内面に向かって進行した倒れた容器は、口部及び/又は肩部または底部が斜行案内面に当たり、倒れた容器は対向する案内面側に押し出され、容器の口部又は底部が先行する容器の胴部から外れ、倒れた容器は搬送面の一側端に向かって移動して容器の中心が搬送面から外側に外れてしまい排出される。
本発明の容器搬送装置は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイドと、容器を搬送するコンベアとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
(1)本発明の倒容器除去ガイドによれば、容器を倒容器除去ガイド部による案内面により案内してコンベアの搬送面の一側端に移動させ、容器を容器の中心が搬送面の一側端又は一側端よりやや外側を通るように案内することにより、倒れた容器を容器の中心が搬送面から外側に外れるようにし、案内面の下方の開口部を通って排出することができる。したがって、コンベアの上方に倒容器除去ガイドのみを設置するだけで、搬送される容器のうち倒れた容器(倒壜)のみをコンベアから排除することができる。
(2)本発明によれば、ガイド部材のみにより搬送される容器のうち倒れた容器(倒壜)のみをコンベアから排除することができるため、可動の部材(又は要素)を必要としないので、装置構成が簡易となり装置コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、上述した直線状ガイドと円弧状ガイドとからなる倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)を示す平面図である。
【図2】図2は図1のII−II線断面図である。
【図3】図3は、倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)の詳細を示す拡大平面部である。
【図4】図4は、容器が倒容器除去ガイドにより案内されて進行する状態を示す模式図である。
【図5】図5は、本発明に係るコンベア用倒容器除去ガイドを示す平面図である。
【図6】図6は、倒れた容器が除去される動きを説明する図である。
【図7A】図7Aは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【図7B】図7Bは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【図7C】図7Cは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【図7D】図7Dは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【図7E】図7Eは、倒れた容器が除去される動きを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明者らは、コンベアが単列の容器を搬送する場合に、搬送される容器のうち倒れた容器(倒壜)のみを除去するために、搬送される容器の両側面を案内する直線状ガイドの一部分を所定の曲率半径で湾曲した円弧状ガイドとし、この円弧状ガイドにより容器をコンベアの搬送面の略中心から搬送面の一側端まで移動させ、容器の中心が搬送面の一側端よりやや外側に出る位置で倒れた容器を落下させるようにした倒容器除去ガイドの開発を試みた。
【0019】
図1は、上述した直線状ガイドと円弧状ガイドとを備えた倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)を示す平面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。図1および図2においては、容器の1例としてバイアルを示している。バイアルは、壜口部が比較的大きく、広口壜の一種である。図1に示すように、搬送コンベア1は、容器(バイアル)2を矢印A方向に直線的に搬送する直線状の搬送コンベアから構成されている。搬送コンベア1の上方には、倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)3が配置されている。倒容器除去ガイド3は、容器2の進行方向に対して左側のガイド部材4Lと右側のガイド部材4Rとから構成されており、左右のガイド部材4L,4Rにより容器入口側の直線状ガイド部から中央部の円弧状ガイド部に移行して容器出口側の直線状ガイド部に戻る案内路を形成している。
【0020】
図2に示すように、搬送コンベア1はトッププレートコンベアからなり、平坦な搬送面1Sを有している。左側のガイド部材4Lは、容器2の壜口部から壜胴部の下部まで延びている。一方、右側のガイド部材4Rは、円弧状ガイド部の部分において、容器2の壜口部から肩部のやや下方の壜胴部の上部まで延びており、下方は開口部4ROになっている。図1および図2に示すように、右側のガイド部材4Rは、開口部4RO以外の部分では、左側のガイド部材4Lと同様に容器2の壜口部から壜胴部の下部近傍まで延びている。また、搬送コンベア1に隣接して倒れた容器(倒壜)2を排出するために下方に傾斜した傾斜シュート6が設置されている。傾斜シュート6の長手方向の長さは、右側のガイド部材4Rの開口部4ROと概略同一の寸法に設定されている。搬送コンベア1の搬送面1Sからの開口部4ROの高さhは、容器2の直径dより大きく設定されている。
容器ガイド部材4Lの案内面の下端部と搬送面1Sとの間隙gは、倒れた容器を案内できるように容器2の直径dの1/2未満であり、案内面の上端部は、搬送される直立した容器2の胴部2bの上端より上方に延びている。
【0021】
図3は、倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)3の詳細を示す拡大平面部である。図3に示すように、倒容器除去ガイド3は、直線状に延びる対向する案内面S1,S1を有し容器2を搬送コンベア1の直線状の搬送経路に沿って案内する入口側直線状ガイド部G1と、入口側直線状ガイド部G1に連設されるとともに概略円弧状に湾曲した対向する案内面S2,S2を有し容器2を前記直線状の搬送経路から搬送コンベア1の搬送面1Sの一側端側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は該一側端1eより外側を通るように容器2を案内して倒れた容器2を搬送面1Sから除去し、さらに容器2を案内して前記直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部G2と、倒容器除去ガイド部G2に連設されるとともに直線状に延びる対向する案内面S3,S3を有し、容器2を前記直線状の搬送経路に沿って案内する出口側直線状ガイド部G3とを備えている。
【0022】
図3に示すように、容器2を搬送するコンベア1の搬送面1Sの幅を2Wとすると、コンベア1の略中心部を通る直線状の搬送経路Lから容器2をコンベア1の搬送面1Sの一側端側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は一側端1eよりやや外側を通るように容器2を案内するためには、倒容器除去ガイド部G2の案内面S2,S2を案内面S1,S1から幅Wだけ偏倚(オフセット)させる必要がある。そのため、対向する案内面S2,S2の中心線CL2が対向する案内面S1,S1の中心線CL1から距離Wだけ偏倚(オフセット)するように、案内面S2,S2は概略円弧状に湾曲して形成されている。
【0023】
すなわち、倒容器除去ガイド部G2の案内面S2,S2は、右側のガイド部材4Rの外側にある点P1を中心として曲率半径R1で描いた円弧と左側のガイド部材4Lの外側にある点P2を中心として曲率半径R2で描いた円弧とによって形成されている。図3では、曲率半径R1,R2の中心P1,P2は、案内面S2,S2の中心線を描く円弧として図示されている。案内面S2,S2の円弧は、案内面S2,S2間の距離をDとすると、図3に示す中心P1,P2から(1/2)Dだけ近接又は離間させればよい。案内面S1,S1間の距離および案内面S3,S3間の距離もDである。なお、距離Dは容器2の直径dより0.5〜2mmだけ大きく設定されている。
【0024】
前記曲率半径R1の中心P1は入口側直線状ガイド部G1と倒容器除去ガイド部G2の境を延長した線上および出口側直線状ガイド部G3と倒容器除去ガイド部G2の境を延長した線上にあり、前記曲率半径R2の中心P2は倒容器除去ガイド部G2の中心を通る線上にある。図3に示す例においては、曲率半径R1=R2に設定されている。そして、案内面S2,S2が案内面S1,S1から滑らかに湾曲して案内面S3,S3に繋がるように、曲率半径R1=R2=(4〜6)Wに設定されている。
【0025】
図1乃至図3に示すように構成された倒容器除去ガイド3によれば、容器2は、入口側直線状ガイド部G1における案内面S1,S1により案内されて直進した後に、倒容器除去ガイド部G2に入り、概略円弧状に湾曲した案内面S2,S2により案内されてコンベア1の搬送面1Sの一側端に移動する。そして、容器2は、案内面S2,S2により容器の中心が搬送面1Sの一側端1e又は一側端1eよりやや外側を通るように案内される。このとき、倒れた容器2は容器の中心が搬送面1Sから外側に外れてしまうため、案内面S2の下方の開口部4ROを通って傾斜シュート6に排出される。直立した容器2は、案内面S2,S2により案内されて進行して出口側直線状ガイド部G3に入り、出口側直線状ガイド部G3における案内面S3,S3により案内されて直進する。
【0026】
本発明者らは、図1乃至図3に示す倒容器除去ガイド3を用いて各種容器について倒れた容器(倒壜)を除去する実験を繰り返し行った。その結果、壜口部の直径が壜胴部の直径に比べて小さい容器(壜)の場合には、倒容器除去ガイド3を用いることにより倒れた容器を排出しやすかった。
図4は、容器が倒容器除去ガイド3により案内されて進行する状態を示す模式図である。図4に示すように、容器2がバイアルの場合には、容器2の口部2mの直径が胴部2bの直径とあまり変わらない広口容器(広口壜)であるため、倒れた容器2の口部2mが倒容器除去ガイド部G2における概略円弧状に湾曲した案内面S2,S2の頂点部に到達しても、倒れた容器2の口部2mが先行する直立する容器2の胴部2bと接触し続ける。そのため、容器2にラインプレッシャが加わった場合、倒れた容器2が前後の直立する容器2に所定の力で挟まれてしまい、倒容器除去ガイド部G2における概略円弧状に湾曲した案内面S2,S2の頂点部S2−P,S2−Pに到達しても除去されずに下流側に流れてしまう場合がある。
【0027】
そこで、本発明者らは、図3に示す倒容器除去ガイド3を更に改良し、例え、容器にラインプレッシャが加わった場合でも、倒れた容器が倒容器除去ガイド部において確実に除去することができるコンベア用倒容器除去ガイドを鋭意研究したものである。
【0028】
図5は、本発明に係るコンベア用倒容器除去ガイドを示す平面図である。図5に示すコンベア用倒容器除去ガイドが図3に示すコンベア用倒容器除去ガイドと異なる点は、倒容器除去ガイド部G2における左側のガイド部材4Lに形成された案内面S2が異なることである。
【0029】
以下、図5に示すコンベア用倒容器除去ガイドについて図3と同様の符号を用いて説明する。図5に示すように、倒容器除去ガイド3は、直線状に延びる対向する案内面S1,S1を有し容器2を搬送コンベア1の直線状の搬送経路に沿って案内する入口側直線状ガイド部G1と、入口側直線状ガイド部G1に連設されるとともに対向する案内面S2,S2を有し容器2を前記直線状の搬送経路から搬送コンベア1の搬送面1Sの一側端側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は該一側端1eより外側を通るように容器2を案内して倒れた容器2を搬送面1Sから除去し、さらに容器2を案内して前記直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部G2と、倒容器除去ガイド部G2に連設されるとともに直線状に延びる対向する案内面S3,S3を有し、容器2を前記直線状搬送経路に沿って案内する出口側直線状ガイド部G3とを備えている。
【0030】
図5に示すように、容器2を搬送するコンベア1の搬送面1Sの幅を2Wとすると、コンベア1の略中心部を通る直線状の搬送経路Lから容器2をコンベア1の搬送面1Sの一側端側に移動させ、容器2の中心が搬送面1Sの一側端1e又は一側端1eよりやや外側を通るように容器2を案内するためには、倒容器除去ガイド部G2の案内面S2,S2を案内面S1,S1から幅Wだけ偏倚(オフセット)させる必要がある。そのため、対向する案内面S2,S2の中心線CL2が対向する案内面S1,S1の中心線CL1から距離Wだけ偏倚(オフセット)するように、案内面S2,S2は概略円弧状に湾曲して形成されている。
【0031】
しかしながら、倒容器除去ガイド部G2における左側のガイド部材4Lに形成された案内面S2は、入口部において入口側直線状ガイド部G1の直線状に延びる案内面S1に連続して直線状に延びる案内面S2−1と、この直線状に延びる案内面S2−1に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面S2−2と、この斜行案内面S2−2に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面S2−3とから構成されている。直線状に延びる案内面S2−1は、入口側直線状ガイド部G1と倒容器除去ガイド部G2の境から容器の直径dの2〜3倍の長さだけ延びている。斜行案内面S2−2は、直線状に延びる案内面S2−1に対してθ=45°±5°の範囲内の角度をなすように設定されている。図5に示す例においては、θ=45°である。概略円弧状に湾曲した案内面S2−3は、右側のガイド部材4Rに形成された案内面S2と同一の曲率半径で湾曲するように形成されている。
【0032】
倒容器除去ガイド部G2における案内面S2およびS2−3は、右側のガイド部材4Rの外側にある点を中心として曲率半径R1で描いた円弧と左側のガイド部材4Lの外側にある点を中心として曲率半径R2で描いた円弧とによって形成されている。図5では、曲率半径R1,R2の中心P1,P2は、案内面S2,S2−3の中心線を描く円弧として図示されている。案内面S2,S2−3の円弧は、案内面S2,S2間の距離をDとすると、図5に示す中心P1,P2から(1/2)Dだけ近接又は離間させればよい。案内面S1,S1間の距離および案内面S3,S3間の距離もDである。なお、距離Dは容器2の直径dより0.5〜2mmだけ大きく設定されている。
【0033】
前記曲率半径R1の中心P1は入口側直線状ガイド部G1と倒容器除去ガイド部G2の境を延長した線上および出口側直線状ガイド部G3と倒容器除去ガイド部G2の境を延長した線上にあり、前記曲率半径R2の中心P2は倒容器除去ガイド部G2の中心を通る線上にある。図5に示す例においては、曲率半径R1=R2に設定されている。
【0034】
図5に示すように構成された倒容器除去ガイド3によれば、容器2は、入口側直線状ガイド部G1における案内面S1,S1により案内されて直進した後に、倒容器除去ガイド部G2に入り、直線状に延びる案内面S2−1により案内されて斜行案内面S2−2に向かって進行し、直立した容器2は斜行案内面S2−2により案内されて円弧状に湾曲した対向する案内面S2,S2−3に入る。一方、斜行案内面S2−2に向かって進行した倒れた容器2は、口部2m及び/又は肩部2kまたは底部2tが斜行案内面S2−2に当たり、倒れた容器2は対向する案内面S2側に押し出され、容器2の口部2m又は底部2tが先行する容器2の胴部2bから外れ、搬送面1Sの一側端1eに向かって移動する。倒れた容器2は容器の中心が搬送面1Sから外側に外れてしまうため、案内面S2の下方の開口部4ROを通って傾斜シュート6に排出される。直立した容器2は、案内面S2,S2−3により案内されて進行して出口側直線状ガイド部G3に入り、出口側直線状ガイド部G3における案内面S3,S3により案内されて直進する。
【0035】
図6は、本発明に係るコンベア用倒容器除去ガイドにより倒れた容器が除去される様子を示す平面図である。すなわち搬送される容器中に混在する倒れた容器2が倒容器除去ガイド部G2で除去される場合の容器2、特に倒れた容器2の動きを示している。図中、斜線を付した矢印は搬送方向前後における容器によるプレッシャーを示す。また容器2が左から右に搬送される場合を示す。
【0036】
以下、図6を参照して倒れた容器2の動きを説明する。
倒れた容器2は直立した容器に混在しながら、入口側直線要ガイド部G1から倒容器除去ガイド部G2に搬送され、倒れた容器2の口部2mが斜行案内面S2−2に当たる(図6(a))。倒れて搬送される容器2が斜行案内面S2−2に当たると、搬送方向への力と斜行案内面S2−2からの力により、倒れた容器2と斜行案内面S2−2との接触点において外側への力すなわち開口部側への力が働く。一方、倒れた容器2は胴部で搬送面と線接触しているため、上記接触点における外側への力により回転モーメントが作用し倒れた容器2は開口部側へ回転する。
倒れた容器2は口部2mが斜行案内面S2−2に当たることによりわずかに回転するも前後の容器に接触しながらそのまま搬送され続け、容器2の肩部2kも斜行案内面S2−2に当たる(図6(b))。倒れた容器2はさらに回転し肩部2kを斜行案内面S2−2に当てたまま搬送方向に移動する(図6(c))。倒れた容器2は後続する容器に押され容器胴部を斜行案内面S2−2の端部に当てながら容器口部を開口部4RO方向に向ける。このとき倒れた容器2は先行する容器と外れ、後続の容器からの力のみがかかっている状態である(図6(d))。その後、倒れている容器2は斜行案内面S2−2による誘導と後続の容器からの圧力及び容器2自身の回転によって開口部4ROから除去される(図6(e))。
図7Aから図7Eは、上述した図6における図6(a)〜図6(e)にそれぞれ対応した状態を撮影した図であり、特に倒容器除去ガイド部G2を写したものである。
【0037】
図1乃至図7においては、容器を直線状の搬送経路に沿って搬送するコンベアを示しているが、本発明は、湾曲した搬送面で容器を所定の曲線に沿って搬送するコンベアの上方に配置することもできる。
さらに本発明に係るコンベア用倒容器除去ガイドは、図5に示す倒容器除去ガイド部G2の前半部分のみでも成立する。すなわち、本発明は、容器を倒容器除去ガイド部による案内面により案内してコンベアの搬送面の一側端に移動させ、容器を容器の中心が搬送面の一側端又は一側端よりやや外側を通るように案内することにより、倒れた容器を容器の中心が搬送面から外側に外れるようにし、案内面の下方の開口部を通って排出する。
【0038】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
1 搬送コンベア
1S 搬送面
2 容器
2b 胴部
2m 口部
2t 底部
3 倒容器除去ガイド(倒壜除去ガイド)
4L,4R ガイド部材
4RO 開口部
6 傾斜シュート
G1 入口側直線状ガイド部
G2 倒容器除去ガイド部
G3 出口側直線状ガイド部
S1,S2 案内面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を直線状の搬送経路に沿って搬送する搬送面を有したコンベアの上方に配置され、前記コンベアによって搬送される容器の両側に接触して容器を所定の方向に案内する対向する案内面を有した容器ガイドであって、
直線状に延びる対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路に沿って案内する入口側直線状ガイド部と、
前記入口側直線状ガイド部に連設されるとともに対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路から前記コンベアの搬送面の一側端側に移動させ、容器の中心が前記搬送面の一側端又は該一側端より外側を通るように容器を案内しつつ倒れた容器を搬送面から除去し、さらに容器を案内して前記直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部と、
前記倒容器除去ガイド部に連設されるとともに直線状に延びる対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路に沿って案内する出口側直線状ガイド部とを備え、
前記倒容器除去ガイド部における一方の案内面は、概略円弧状に湾曲して一部の案内面が前記搬送面より外側に突出し、かつ前記一方の案内面は、前記搬送面より外側に突出した部分で倒れた容器が通過して排出できるように開口部を有した案内面であり、
前記倒容器除去ガイド部における他方の案内面は、入口部において前記入口側直線状ガイド部の直線状に延びる案内面に連続して直線状に延びる案内面と、この直線状に延びる案内面に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面と、この斜行案内面に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面とを有し、
倒れた容器は、前記入口側直線状ガイド部を通り前記倒容器除去ガイド部に入り、前記他方の案内面における前記直線状に延びる案内面から前記斜行案内面に進行し、倒れた容器の口部及び/又は肩部または底部が前記斜行案内面に当たり、該倒れた容器は前記一方の案内面側に押し出され前記開口部から排出されることを特徴とするコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項2】
前記倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面は、前記入口側直線状ガイド部と前記倒容器除去ガイド部の境から容器の直径の2〜3倍の長さだけ延びていることを特徴とする請求項1記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項3】
前記倒容器除去ガイド部における斜行案内面は、前記倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面に対してθ=45°±5°の範囲内の角度をなすように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項4】
前記倒容器除去ガイド部における開口部は、前記搬送面から容器の直径以上の高さと容器の高さ以上の幅を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項5】
前記容器ガイドの前記案内面の下端部と前記搬送面との間隙は、倒れた容器を案内できるように容器の直径の1/2未満であり、前記案内面の上端部は、搬送される直立した容器の胴部の上端より上方にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項6】
前記容器ガイドは、前記対向する案内面をそれぞれ備えるガイド部材により構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項7】
容器を搬送する搬送面を有したコンベアの上方に配置され、前記コンベアによって搬送される容器の両側に接触して容器を所定の方向に案内する対向する案内面を有した容器ガイドであって、
対向する案内面を有し、容器を前記コンベアの搬送面の一側端側に移動させ、容器の中心が前記搬送面の一側端又は該一側端より外側を通るように容器を案内しつつ倒れた容器を搬送面から除去する倒容器除去ガイド部を備え、
前記倒容器除去ガイド部における一方の案内面は、概略円弧状に湾曲して一部の案内面が前記搬送面より外側に突出し、かつ前記一方の案内面は、前記搬送面より外側に突出した部分で倒れた容器が通過して排出できるように開口部を有した案内面であり、
前記倒容器除去ガイド部における他方の案内面は、入口部において直線状に延びる案内面と、この直線状に延びる案内面に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面と、この斜行案内面に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面とを有し、
倒れた容器は、前記倒容器除去ガイド部に入り、前記他方の案内面における前記直線状に延びる案内面から前記斜行案内面に進行し、倒れた容器の口部及び/又は肩部または底部が前記斜行案内面に当たり、該倒れた容器は前記一方の案内面側に押し出され前記開口部から排出されることを特徴とするコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイドと、容器を搬送するコンベアとを備えたことを特徴とする容器搬送装置。
【請求項1】
容器を直線状の搬送経路に沿って搬送する搬送面を有したコンベアの上方に配置され、前記コンベアによって搬送される容器の両側に接触して容器を所定の方向に案内する対向する案内面を有した容器ガイドであって、
直線状に延びる対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路に沿って案内する入口側直線状ガイド部と、
前記入口側直線状ガイド部に連設されるとともに対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路から前記コンベアの搬送面の一側端側に移動させ、容器の中心が前記搬送面の一側端又は該一側端より外側を通るように容器を案内しつつ倒れた容器を搬送面から除去し、さらに容器を案内して前記直線状の搬送経路に戻す倒容器除去ガイド部と、
前記倒容器除去ガイド部に連設されるとともに直線状に延びる対向する案内面を有し、容器を前記直線状の搬送経路に沿って案内する出口側直線状ガイド部とを備え、
前記倒容器除去ガイド部における一方の案内面は、概略円弧状に湾曲して一部の案内面が前記搬送面より外側に突出し、かつ前記一方の案内面は、前記搬送面より外側に突出した部分で倒れた容器が通過して排出できるように開口部を有した案内面であり、
前記倒容器除去ガイド部における他方の案内面は、入口部において前記入口側直線状ガイド部の直線状に延びる案内面に連続して直線状に延びる案内面と、この直線状に延びる案内面に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面と、この斜行案内面に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面とを有し、
倒れた容器は、前記入口側直線状ガイド部を通り前記倒容器除去ガイド部に入り、前記他方の案内面における前記直線状に延びる案内面から前記斜行案内面に進行し、倒れた容器の口部及び/又は肩部または底部が前記斜行案内面に当たり、該倒れた容器は前記一方の案内面側に押し出され前記開口部から排出されることを特徴とするコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項2】
前記倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面は、前記入口側直線状ガイド部と前記倒容器除去ガイド部の境から容器の直径の2〜3倍の長さだけ延びていることを特徴とする請求項1記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項3】
前記倒容器除去ガイド部における斜行案内面は、前記倒容器除去ガイド部における直線状に延びる案内面に対してθ=45°±5°の範囲内の角度をなすように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項4】
前記倒容器除去ガイド部における開口部は、前記搬送面から容器の直径以上の高さと容器の高さ以上の幅を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項5】
前記容器ガイドの前記案内面の下端部と前記搬送面との間隙は、倒れた容器を案内できるように容器の直径の1/2未満であり、前記案内面の上端部は、搬送される直立した容器の胴部の上端より上方にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項6】
前記容器ガイドは、前記対向する案内面をそれぞれ備えるガイド部材により構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項7】
容器を搬送する搬送面を有したコンベアの上方に配置され、前記コンベアによって搬送される容器の両側に接触して容器を所定の方向に案内する対向する案内面を有した容器ガイドであって、
対向する案内面を有し、容器を前記コンベアの搬送面の一側端側に移動させ、容器の中心が前記搬送面の一側端又は該一側端より外側を通るように容器を案内しつつ倒れた容器を搬送面から除去する倒容器除去ガイド部を備え、
前記倒容器除去ガイド部における一方の案内面は、概略円弧状に湾曲して一部の案内面が前記搬送面より外側に突出し、かつ前記一方の案内面は、前記搬送面より外側に突出した部分で倒れた容器が通過して排出できるように開口部を有した案内面であり、
前記倒容器除去ガイド部における他方の案内面は、入口部において直線状に延びる案内面と、この直線状に延びる案内面に繋がり斜行して直線状に延びる斜行案内面と、この斜行案内面に繋がり概略円弧状に湾曲した案内面とを有し、
倒れた容器は、前記倒容器除去ガイド部に入り、前記他方の案内面における前記直線状に延びる案内面から前記斜行案内面に進行し、倒れた容器の口部及び/又は肩部または底部が前記斜行案内面に当たり、該倒れた容器は前記一方の案内面側に押し出され前記開口部から排出されることを特徴とするコンベア用倒容器除去ガイド。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコンベア用倒容器除去ガイドと、容器を搬送するコンベアとを備えたことを特徴とする容器搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【公開番号】特開2011−126700(P2011−126700A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289059(P2009−289059)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)
【Fターム(参考)】
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