コンベア装置
【課題】曲線状経路においても作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床を形成することができ、被搬送物の積み卸しを行う際に作業ラインを停止させる必要がなく、作業者が乗る連続した作業床を確実に形成することができるコンベア装置を提供する。
【解決手段】台車1の各々を、台車体及び前記台車体の前又は後側に位置して垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体により構成し、上面を略同一水平面とし、前後に位置する台車1,1間を連結する連結手段により台車1の複数を連結して台車群Aとして曲線状経路C1を含む搬送経路に配置し、台車群Aを定速で搬送しながら部品組付け作業を行う作業ラインL1を構成し、台車群Aの前端の台車1を分離して高速で搬送して台車群Aの後端に連結する返送ラインL2を設け、返送ラインL2上で、単体の台車1に対して被搬送物Wの積み卸し作業を行う。
【解決手段】台車1の各々を、台車体及び前記台車体の前又は後側に位置して垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体により構成し、上面を略同一水平面とし、前後に位置する台車1,1間を連結する連結手段により台車1の複数を連結して台車群Aとして曲線状経路C1を含む搬送経路に配置し、台車群Aを定速で搬送しながら部品組付け作業を行う作業ラインL1を構成し、台車群Aの前端の台車1を分離して高速で搬送して台車群Aの後端に連結する返送ラインL2を設け、返送ラインL2上で、単体の台車1に対して被搬送物Wの積み卸し作業を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床を形成することができるコンベア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被搬送物を搭載した搬送用台車を搬送経路に沿って搬送しながら作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)を形成することができるコンベア装置として、搬送用台車の端部同士を互いに当接させて連続した作業床を形成する直線状の作業ラインでは、台車連結装置により前後の搬送用台車を連結した状態として後押し駆動手段により定速搬送し、作業ラインから出た搬送用台車を作業ラインの入り口まで返送するリターンラインでは、作業ラインから出た搬送用台車の連結を解除して高速駆動手段により高速で搬送するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、搬送用台車(可動体)の相対向した前後部間を連結装置を介して横方向で相対回動自在に連結し、搬送用台車群(可動体群)と連結装置群とにより列車状の無端連続体を形成し、この無端連続体を送り装置により駆動するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、搬送用台車(パレット)を、搬送方向に対して複数に分割し、各分割搬送用台車(分割パレット)を水平面内において相互に回動可能になるよう連結するとともに、搬送用台車の搬送方式を、前方を進行する搬送用台車に対して後続する搬送用台車が突き当たると、後続する搬送用台車が後押しするようなフリーフロー方式としたものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−117079号公報
【特許文献2】特開平08−282481号公報
【特許文献3】特開2007−112605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなコンベア装置は、直線状の作業ライン以外(リターンライン)では搬送用台車の連結を解除して高速駆動手段により高速で搬送する構成であることから、直線状の作業ライン以外に作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)を形成することができないため、作業効率及びスペース効率が悪くなる。
また、特許文献2のようなコンベア装置は、列車状の無端連続体全体を送り装置により駆動する構成であることから、搬送用台車に対して被搬送物の積み卸しを行う際には無端連続体全体を停止させる必要があるため、作業効率が悪くなる。
さらに、特許文献3のようなコンベア装置は、前後の搬送用台車を連結せずに後続する搬送用台車により後押しするフリーフロー方式の構成であることから、前後の搬送用台車間に隙間が生じる場合があるため、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)を確実に形成することが困難である。
【0005】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、曲線状経路においても作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)を形成することができ、被搬送物の積み卸しを行う際に作業ラインを停止させる必要がなく、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)を確実に形成することができるコンベア装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンベア装置は、前記課題解決のために、被搬送物を搭載した搬送用台車を搬送経路に沿って搬送しながら作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床を形成することができるコンベア装置であって、前記搬送用台車の各々を、単又は複数の台車体及び前記台車体の搬送方向前側又は後側に位置して前記台車体と垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体により構成し、前記台車体の上面及び前記連結台車体の上面を略同一水平面とし、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車間を連結する連結手段を設け、前記搬送用台車の複数を前記連結手段により連結して搬送用台車群として曲線状経路を含む搬送経路に配置し、前記搬送用台車群を定速で搬送しながら前記台車体及び連結台車体の上面を前記作業床とて前記部品組付け作業を行う作業ラインを構成するとともに、前記搬送用台車群の搬送方向前端の前記搬送用台車を分離して高速で搬送して前記搬送用台車群の後端に連結する返送ラインを設け、この返送ライン上で、前記搬送用台車群から分離した単体の前記搬送用台車に対する前記被搬送物の卸し作業及び新しい被搬送物の積込み作業を行うことを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、搬送用台車の各々を、単又は複数の台車体及び前記台車体の搬送方向前側又は後側に位置して前記台車体と垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体により構成し、前記台車体の上面及び前記連結台車体の上面を略同一水平面としているので、搬送用台車の複数を連結手段により連結して搬送用台車群としたものの台車体及び連結台車体の上面を作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床とすることができるとともに、このような搬送用台車群を曲線状経路を含む搬送経路に配置することができる。
したがって、曲線状経路においても部品組付け作業を行うことができるため、作業効率及びスペース効率を向上することができる。
その上、被搬送物の積み卸し作業が、搬送用台車群から分離した単体の前記搬送用台車に対して返送ライン上で行われるので、被搬送物の積み卸し作業の際に作業ライン上の搬送用台車群を停止させる必要がなく、作業ライン上では搬送用台車群を定速で搬送しながら作業を行うことができるため、さらに作業効率が高くなる。
その上さらに、作業ラインにおける搬送用台車群は、前後の搬送用台車が連結手段により連結されているので、搬送速度の変動等があっても前後の搬送用台車間に隙間が生じることがないため、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)を確実に形成することができる。
【0008】
ここで、前記搬送用台車を搬送経路に沿ってガイドするガイドレールが、前記搬送用台車の幅方向中央部下方に位置する水平ローラをガイドする搬送方向左右のガイド片であり、前記連結手段が、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車の一方から他方に向かう連結ロッドの遊端部に水平揺動可能に取り付けられた揺動片に形成された鉤状係合部を、前記搬送用台車の他方に取り付けられた前記水平ローラの支軸に係合するものであり、前記作業ラインの少なくとも前記曲線状経路では、前記揺動片が前記左右のガイド片の間に位置すると好ましい。
このような構成によれば、少なくとも曲線状経路において、連結手段の揺動片が左右のガイド片の間に位置するので、揺動片の水平揺動が規制されることから、連結ロッドに振動や衝撃が作用した場合であっても揺動片の鉤状係合部と水平ローラの支軸との係合が外れることがないため、搬送方向前後に位置する搬送用台車間の連結手段による連結を安定かつ確実に行うことができる。
その上、連結手段が、連結ロッドの遊端部に水平揺動可能に取り付けられた揺動片に形成された鉤状係合部を水平ローラの支軸に係合する簡素な構成であるため、製造コストを低減することができる。
【0009】
また、前記搬送用台車を搬送経路に沿ってガイドするガイドレールが、前記搬送用台車の幅方向中央部下方に位置する水平ローラをガイドする搬送方向左右のガイド片であり、前記連結手段が、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車の一方に設けられた上下方向にスライド可能な連結ピンを前記搬送用台車の他方に形成された係合穴に挿入するものであり、前記連結手段による連結位置を前記搬送用台車の一方の前記水平ローラの真上とし、前記連結位置に近い前記搬送用台車の他方の水平ローラの位置を上側に転位させ、前記曲線状経路では、前記上側に転位させた水平ローラと干渉しないように前記ガイドレールの内側のガイド片の上部を切り欠いてなると好ましい。
このような構成によれば、連結手段の上下方向にスライド可能な連結ピンを係合穴に挿入した状態で前後の搬送用台車が安定かつ確実に連結されるとともに、前後の搬送用台車を1本の連結ピンで繋ぐ構成であることから、連結部の強度を大きくすることが容易であるため、特に、搬送用台車群を構成する搬送用台車の数が多く、前端の搬送用台車に駆動力を付与して搬送用台車群を牽引駆動する場合において、非常に大きな強度が必要になる前端の搬送用台車と後続の搬送用台車との連結部の強度確保が容易になる。
その上、連結ピン及び係合穴の連結位置が前後の搬送用台車の一方の水平ローラの真上であることから、この水平ローラの軸芯まわりに前後の搬送用台車が相対的に回動するため、作業床(作業平面)における水平方向に相対的に回動する部分の隙間を小さくすることができるとともに、搬送用台車の側面を被駆動面としてフリクションローラ式駆動装置により駆動する際における前記被駆動面の繋がりを良くすることができる。
その上さらに、前記連結位置の真下の水平ローラ近くの水平ローラを上側に転位させるとともに、曲線状経路ではガイドレールの内側のガイド片の上部を切り欠いているため、曲線状経路においても、連結位置の真下の水平ローラをガイドレールによりガイドしながら、上側に転位させた水平ローラとガイドレールとの干渉を防止して搬送用台車群の安定かつ確実な搬送が可能になる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明に係るコンベア装置によれば、曲線状経路を含む搬送経路に搬送用台車群を配置して、曲線状経路においても部品組付け作業を行うことができるため、作業効率及びスペース効率を向上することができ、被搬送物の積み卸し作業を搬送用台車群から分離した単体の搬送用台車に対して返送ライン上で行われるので、作業ライン上では搬送用台車群を定速で搬送しながら作業を行うことができるため、さらに作業効率が高くなり、作業ラインにおける搬送用台車群は、前後の搬送用台車が連結手段により連結されているので、搬送速度の変動等があっても前後の搬送用台車間に隙間が生じることがないため、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)を確実に形成することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンベア装置の概略レイアウト図である。
【図2】実施の形態1に係る搬送用台車の平面図である。
【図3】ガイドレールを省略して示す搬送用台車の正面図である。
【図4】搬送用台車を前方から見た縦断正面図である。
【図5】曲線状経路における連結手段まわりの状態を示す横断平面図である。
【図6】連結手段の構成を示す横断平面図である。
【図7】同じく縦断正面図である。
【図8】実施の形態2に係る搬送用台車の平面図である。
【図9】ガイドレールを省略して示す搬送用台車の正面図である。
【図10】(a)は直線状経路で搬送用台車を前方から見た縦断正面図であり、(b)は曲線状経路で搬送用台車を前方から見た要部拡大縦断正面図である。
【図11】曲線状経路における連結手段まわりの状態を示す横断平面図である。
【図12】連結手段の構成を示す横断平面図である。
【図13】同じく縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
なお、本明細書においては、被搬送物の搬送方向(図中矢印F参照。)を前、その反対側を後とし、前方へ向かって左右をいうものとし、左方から見た図を正面図とする。
【0013】
図1の概略レイアウト図に示すように、本発明の実施の形態に係るコンベア装置は、被搬送物Wを搭載した非自走式の搬送用台車1,1,…を、フリクションローラ式駆動装置である送り装置T1,T2,T3により、直線状経路S1,S2及び曲線状経路C1,C2からなる無端状の搬送経路に沿って搬送するものであり、後述する連結手段C(図2及び図8の平面図参照。)により前後の搬送用台車1,1を連結してなる搬送用台車群Aを、曲線状経路C1を含む搬送経路に配置し、作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)B(図3及び図9の正面図参照。)を形成するようにして作業ラインL1としている。
また、搬送用台車群Aの前端の搬送用台車1は、搬送用台車群Aから分離され、分離された搬送用台車1を高速で搬送して搬送用台車群Aの後端に連結する返送ラインL2を、直線状経路S2の一部、曲線状経路C2及び直線状経路S1の一部により構成している。
さらに、返送ラインL2上に、被搬送物Wの積み卸し作業を行う積込ステーションST1及び卸しステーションST2を備えており、卸しステーションST2では、搬送用台車群Aから分離した単体の搬送用台車1から被搬送物Wを卸す作業が行われ、積込ステーションST1では、空荷になった単体の搬送用台車1に新しい被搬送物Wを積み込む作業が行われる。
【0014】
ここで、搬送用台車群Aの搬送は、定速搬送用送り装置T1により行われる。すなわち、定速搬送用送り装置T1のバックアップローラ17B,…により反力を受け止めながら、定速搬送用送り装置T1のフリクションローラ17A,…を前端の搬送用台車1の側面(図2及び図8の被駆動面H参照。)に圧接して前端の搬送用台車1を駆動することにより、後続の搬送用台車1,1,…が牽引され、搬送用台車群Aは一体となって定速で搬送される。
また、定速搬送用送り装置T1よりも僅かに低速とされたブレーキ用送り装置T3のフリクションローラ17Aを搬送用台車群Aの後端の搬送台車1の側面に圧接することにより、搬送用台車群A全体に引張力が作用することで、台車群A内の搬送用台車1同士のがたつきが発生しない効果がある。
さらに、上述のように搬送用台車群Aから分離された単体の搬送用台車1の搬送は、高速搬送用送り装置T2により、そのフリクションローラ17Aを搬送用台車1の側面に圧接することにより行われ、積込ステーションST1及び卸しステーションST2では、これらの所定位置で搬送用台車1を停止させた状態にして被搬送物Wの積み卸し作業を行う。
さらにまた、積込ステーションST1で新しい被搬送物Wの積み込み作業が行われた搬送用台車1を高速搬送用送り装置T2により高速で搬送して搬送用台車群Aの後端に連結する際には、高速搬送用送り装置T2を低速運転に変速することで、高速で搬送された搬送用台車1を減速させながら後述する連結手段Cにより搬送用台車群Aの後端に連結する。
【0015】
実施の形態1.
図2の平面図及び図3の正面図に示すように、本発明の実施の形態1に係る搬送用台車1は、前後の第1台車体1A及び第2台車体1B及び台車体1A,1Bのそれぞれの後側に位置して台車体1A,1Bと垂直軸まわりに相対回動可能に連結された第1連結台車体2A及び第2連結台車体2Bにより構成され、台車体1A,1Bの上面及び連結台車体2A,2Bの上面を略同一水平面としている。
第1台車体1A及び第2台車体1Bは、前後を円弧状とした平面視略小判形の板部材の下面に枠体が固定されるとともに、前後左右に走行車輪6A,6A,…が取り付けられる。
また、第1連結台車体2A及び第2連結台車体2Bは、前後を円弧状凹部とした平面視略鼓形の板部材の下面に枠体が固定されるとともに、左右に走行車輪6B,6Bが取り付けられ、前側の第1連結台車体2Aにはその前記板部材の下面に前後方向に長い連結ロッド3が固定され、後側の第2連結台車体2Bにはその前記板部材の下面に前後方向に長い連結ロッド4が固定される。
【0016】
第1連結台車体2Aの連結ロッド3の前端部は第1台車体1Aの後部幅方向中央と、連結ロッド3の後端部は第2台車体1Bの前部幅方向中央と、それぞれ垂直軸まわりに相対回動可能に連結され、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の前端部は第2台車体1Bの後部幅方向中央と垂直軸まわりに相対回動可能に連結される。
また、第1台車体1Aの前部幅方向中央下方には水平ローラ5Aが取り付けられ、第1連結台車体2Aの連結ロッド3の前後端部下方には、それぞれ水平ローラ5B,5Cが取り付けられ、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の前後端部下方には、それぞれ水平ローラ5D,5Eが取り付けられる。
さらに、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の後端部には揺動片8が取り付けられ、この揺動片8と第1台車体1Aの前部幅方向中央下方の水平ローラ5Aの支軸Eとが、前後の搬送用台車1,1を連結する連結手段Cを構成する。
【0017】
図3の正面図及び図4の前方から見た縦断正面図に示すように、床面FLに固定されたヨークY,Y,…により左右の走行レールR,R及びガイドレールGが固定され、走行レールR,R上を走行車輪6A,6A,…及び6B,6B,…が転動するとともに、ガイドレールGの左右のガイド片7A,7Bにより水平ローラ5A,5B,5C,5D,5Eがガイドされるため、第1台車体1A上方の被搬送物支持台Dに被搬送物Wが搭載された搬送用台車1,1,…(搬送用台車群A)は、前記搬送経路に沿って移動する。
【0018】
次に、連結手段Cの構成の詳細について説明する。
図2の平面図、図5及び図6の横断平面図並びに図7の縦断正面図に示すように、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の後端部には、垂直軸(水平ローラ5Eの軸芯)まわりに揺動可能な揺動片8が取り付けられ、揺動片8には鉤状係合部8Aが形成されており、揺動片8はねじりコイルばね9により弾性付勢されているため、当止片8Dがストッパ10により当て止めされて揺動片8が後方に延びた状態が保持される。
したがって、例えば図2の搬送用台車1に対して、後方から搬送用台車1が接近すると、水平ローラ5Aの支軸Eが揺動片8の斜面に当接して前記弾性付勢力に抗して揺動片8を揺動させ、揺動片8の鉤状係合部8Aに支軸Eが係合するため、前後の搬送用台車1,1が連結された図6及び図7の状態になる。
また、このような連結手段Cの連結は、図6に示す被操作片8B先端の被操作ローラ8Cを図示しないカムレール等により操作して二点鎖線のように揺動させることにより解除することができる。
【0019】
連結手段Cの連結は、図1の作業ラインL1の上流側(搬送用台車群Aの後端)で行えばよく、連結手段Cの連結の解除は、図1の作業ラインL1の下流側(搬送用台車群Aの前端)で行えばよいため、例えば作業ラインL1(作業ラインL1の経路全体ではなく、曲線状経路C1のみ等の一部であってもよい。)では、図6及び図7のように揺動片8をガイドレールGの左右のガイド片7A,7Bの間に位置させるように、左右のガイド片7A,7Bの高さを高くしておくことができる。
このようにすれば、揺動片8の水平揺動が規制されることから、連結ロッド4に振動や衝撃が作用した場合であっても揺動片8の鉤状係合部8Aと水平ローラ5Aの支軸Eとの係合が外れることがないため、前後に位置する搬送用台車1,1間の連結手段Cによる連結を安定かつ確実に行うことができる。
また、連結手段Cの連結の解除を行う箇所では、ガイド片7Aの高さを低くして図6の二点鎖線のように揺動片8を揺動させることができるようにすればよい。
以上のような連結手段Cの構成によれば、連結ロッド4の遊端部に水平揺動可能に取り付けられた揺動片8に形成された鉤状係合部8Aを水平ローラ5Aの支軸Eに係合する簡素な構成であるため、製造コストを低減することができる。
【0020】
実施の形態2.
図8の平面図、図9の正面図及び図10(a)の前方から見た縦断正面図に示すように、本発明の実施の形態2に係る搬送用台車1の基本構成は実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同一又は実施の形態1に相当する部分には図2〜図4と同じ符号を付すことにより、これらの説明を省略する。実施の形態2において実施の形態1と構成が異なる主要な部分は、連結手段Cであるため、以下において、連結手段Cの構成の詳細について説明する。
【0021】
図8の平面図、図11及び図12の横断平面図並びに図13の縦断正面図に示すように、搬送用台車1の第1台車体1Aの前部幅方向中央下方の水平ローラ5Aの上方(水平ローラ5Aの支軸の軸芯の真上)には、ガイド穴11Aによりガイドされて上下方向にスライド可能な連結ピン11が設けられており、連結ピン11は、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の後端部に形成された上下方向の係合穴12に係合するため、連結手段Cによる前後の搬送用台車1,1の連結位置は、後方の搬送用台車1の第1台車体1Aの前部幅方向中央下方の水平ローラ5Aの真上となっている。
また、前端部が第1台車体1Aの枠体に固定され、略前後方向に延びて上下方向へ揺動する第1リンク13Aの後端部には、略上下方向へ延びる第2リンク13Bの下端部が連結され、第2リンク13Bの上端部には、前後方向に延びてその中間部が左右方向の水平支軸14により支持されて上下方向に揺動する第3リンク13Cの後端部が連結され、第3リンク13Cの前端部が連結ピン11の上端部に連結される。
【0022】
さらに、第3リンク13Cの前端部と水平支軸14との間に引張コイルばね15の一端部が掛止され、引張コイルばね15の他端部は第1台車体1Aの枠体に固定されるため、引張コイルばね15の弾性付勢力により連結ピン11が係合穴12に係合した状態が保持され、第1リンク13A及び第2リンク13Bの連結軸に取り付けられた被操作ローラ16を操作することにより、連結ピン11をガイド穴11Aに沿って昇降させることができる。
したがって、例えば図8の搬送用台車1に対して、後方から搬送用台車1が接近する際に、図示しないカムレール等により被操作ローラ16を押し下げて、図13の二点鎖線のように引張コイルばね15の弾性付勢力に抗して連結ピン11を上昇させた状態にしておき、連結ピン11とガイド穴11Aとの上下方向位置が合った状態で、カムレール等による被操作ローラ16の操作を解除することにより、引張コイルばね15の弾性付勢力により連結ピン11が下降して係合穴12に係合した状態、すなわち前後の搬送用台車1,1が連結された図12及び図13の状態になる。
また、このような連結手段Cの連結は、図12及び図13に示す被操作片16を上述のように操作して図13の二点鎖線のように連結ピン11を上昇させることにより解除することができる。
【0023】
ここで、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の後端部に形成された上下方向の係合穴12の前側の水平ローラ5E(連結手段Cによる前記連結位置に近い水平ローラ5E)の位置を、図9及び図13に示すように上側に転位させているとともに、曲線状経路C1ではガイドレールGの内側のガイド片7Aの上部を図10(b)の前方から見た要部拡大縦断正面図に示すように切り欠いているため、図11に示す曲線状経路C1においても、前後の搬送用台車1,1の連結位置の真下の水平ローラ5AをガイドレールGによりガイドしながら、上側に転位させた水平ローラ5EとガイドレールGとの干渉を防止して搬送用台車群Aの安定かつ確実な搬送が可能になる。
【0024】
以上のような連結手段Cの構成によれば、連結手段Cの上下方向にスライド可能な連結ピン11を係合穴12に挿入した状態で前後の搬送用台車1,1が安定かつ確実に連結されるとともに、前後の搬送用台車1,1を1本の連結ピン11で繋ぐ構成であることから、連結部の強度を大きくすることが容易であるため、特に、搬送用台車群Aを構成する搬送用台車1,1,…の数が多く、定速搬送用送り装置T1により前端の搬送用台車1に駆動力を付与して搬送用台車群Aを牽引駆動する場合において、非常に大きな強度が必要になる前端の搬送用台車1と後続の搬送用台車1との連結部の強度確保が容易になる。
また、連結ピン11及び係合穴12の連結位置が前後の搬送用台車1,1の一方の水平ローラ5Aの真上であることから、この水平ローラ5Aの軸芯まわりに前後の搬送用台車1,1が相対的に回動するため、作業床(作業平面)における水平方向に相対的に回動する部分の隙間を小さくすることができるとともに、搬送用台車1,1,…の側面を被駆動面H,H,…としてフリクションローラ式駆動装置により駆動する際における被駆動面H,H,…の繋がりを良くすることができる。
【0025】
以上の説明においては、搬送用台車1が、図2及び図8のように、2個の台車体(第1台車体1A及び第2台車体1B)と、2個の連結台車体(第1連結台車体2A及び第2連結台車体2B)により構成される場合を示したが、搬送用台車1を1個の台車体及び連結台車体により構成してもよく、3個以上の台車体及び連結台車体により構成してもよい。
また、前後の搬送用台車1,1に備える連結手段Cは、前後の搬送用台車1,1を連結するための相対的なものであるため、搬送用台車1の前部に備える連結手段の構成と後部に備える連結手段を入れ替えて実施することもできるとともに、例えば図2及び図8に示す搬送用台車1の搬送方向を逆方向としてもよい。
【0026】
以上のような構成のコンベア装置の構成によれば、搬送用台車1の各々を、単又は複数の台車体(例えば、台車体1A,1B)及び前記台車体の搬送方向前側又は後側に位置して前記台車体と垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体(例えば、連結台車体2A,2B)により構成し、前記台車体の上面及び前記連結台車体の上面を略同一水平面としているので、搬送用台車1の複数を連結手段Cにより連結して搬送用台車群Aとしたものの台車体及び連結台車体の上面を作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)Bとすることができるとともに、このような搬送用台車群Aを曲線状経路を含む搬送経路に配置することができる。
したがって、曲線状経路においても部品組付け作業を行うことができるため、作業効率及びスペース効率を向上することができる。
また、被搬送物Wの積み卸し作業が、搬送用台車群Aから分離した単体の搬送用台車1に対して返送ラインL2上で行われるので、被搬送物Wの積み卸し作業の際に作業ラインL1上の搬送用台車群Aを停止させる必要がなく、作業ラインL1上では搬送用台車群Aを定速で搬送しながら作業を行うことができるため、さらに作業効率が高くなる。
さらに、作業ラインL1における搬送用台車群Aは、前後の搬送用台車1,1が連結手段Cにより連結されているので、搬送速度の変動等があっても前後の搬送用台車間に隙間が生じることがないため、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)Bを確実に形成することができる。
【符号の説明】
【0027】
A 搬送用台車群
B 連続した作業床
C 連結手段
C1,C2 曲線状経路
D 被搬送物支持台
E 水平ローラの支軸
F 搬送方向
FL 床面
G ガイドレール
H 被駆動面
L1 作業ライン
L2 返送ライン
R 走行レール
S1,S2 直線状経路
ST1 積込ステーション
ST2 卸しステーション
T1 定速搬送用送り装置
T2 高速搬送用送り装置
T3 ブレーキ用送り装置
Y ヨーク
W 被搬送物
1 搬送用台車
1A 第1台車体
1B 第2台車体
2A 第1連結台車体
2B 第2連結台車体
3,4 連結ロッド
5A,5B,5C,5D,5E 水平ローラ
6A,6B 走行車輪
7A,7B ガイド片
8 揺動片
8A 鉤状係合部
8B 被操作片
8C 被操作ローラ
8D 当止片
9 ねじりコイルばね
10 ストッパ
11 連結ピン
11A ガイド穴
12 係合穴
13A 第1リンク
13B 第2リンク
13C 第3リンク
14 水平支軸
15 引張コイルばね
16 被操作ローラ
17A フリクションローラ
17B バックアップローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床を形成することができるコンベア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被搬送物を搭載した搬送用台車を搬送経路に沿って搬送しながら作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)を形成することができるコンベア装置として、搬送用台車の端部同士を互いに当接させて連続した作業床を形成する直線状の作業ラインでは、台車連結装置により前後の搬送用台車を連結した状態として後押し駆動手段により定速搬送し、作業ラインから出た搬送用台車を作業ラインの入り口まで返送するリターンラインでは、作業ラインから出た搬送用台車の連結を解除して高速駆動手段により高速で搬送するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、搬送用台車(可動体)の相対向した前後部間を連結装置を介して横方向で相対回動自在に連結し、搬送用台車群(可動体群)と連結装置群とにより列車状の無端連続体を形成し、この無端連続体を送り装置により駆動するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、搬送用台車(パレット)を、搬送方向に対して複数に分割し、各分割搬送用台車(分割パレット)を水平面内において相互に回動可能になるよう連結するとともに、搬送用台車の搬送方式を、前方を進行する搬送用台車に対して後続する搬送用台車が突き当たると、後続する搬送用台車が後押しするようなフリーフロー方式としたものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−117079号公報
【特許文献2】特開平08−282481号公報
【特許文献3】特開2007−112605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなコンベア装置は、直線状の作業ライン以外(リターンライン)では搬送用台車の連結を解除して高速駆動手段により高速で搬送する構成であることから、直線状の作業ライン以外に作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)を形成することができないため、作業効率及びスペース効率が悪くなる。
また、特許文献2のようなコンベア装置は、列車状の無端連続体全体を送り装置により駆動する構成であることから、搬送用台車に対して被搬送物の積み卸しを行う際には無端連続体全体を停止させる必要があるため、作業効率が悪くなる。
さらに、特許文献3のようなコンベア装置は、前後の搬送用台車を連結せずに後続する搬送用台車により後押しするフリーフロー方式の構成であることから、前後の搬送用台車間に隙間が生じる場合があるため、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)を確実に形成することが困難である。
【0005】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、曲線状経路においても作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)を形成することができ、被搬送物の積み卸しを行う際に作業ラインを停止させる必要がなく、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)を確実に形成することができるコンベア装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンベア装置は、前記課題解決のために、被搬送物を搭載した搬送用台車を搬送経路に沿って搬送しながら作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床を形成することができるコンベア装置であって、前記搬送用台車の各々を、単又は複数の台車体及び前記台車体の搬送方向前側又は後側に位置して前記台車体と垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体により構成し、前記台車体の上面及び前記連結台車体の上面を略同一水平面とし、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車間を連結する連結手段を設け、前記搬送用台車の複数を前記連結手段により連結して搬送用台車群として曲線状経路を含む搬送経路に配置し、前記搬送用台車群を定速で搬送しながら前記台車体及び連結台車体の上面を前記作業床とて前記部品組付け作業を行う作業ラインを構成するとともに、前記搬送用台車群の搬送方向前端の前記搬送用台車を分離して高速で搬送して前記搬送用台車群の後端に連結する返送ラインを設け、この返送ライン上で、前記搬送用台車群から分離した単体の前記搬送用台車に対する前記被搬送物の卸し作業及び新しい被搬送物の積込み作業を行うことを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、搬送用台車の各々を、単又は複数の台車体及び前記台車体の搬送方向前側又は後側に位置して前記台車体と垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体により構成し、前記台車体の上面及び前記連結台車体の上面を略同一水平面としているので、搬送用台車の複数を連結手段により連結して搬送用台車群としたものの台車体及び連結台車体の上面を作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床とすることができるとともに、このような搬送用台車群を曲線状経路を含む搬送経路に配置することができる。
したがって、曲線状経路においても部品組付け作業を行うことができるため、作業効率及びスペース効率を向上することができる。
その上、被搬送物の積み卸し作業が、搬送用台車群から分離した単体の前記搬送用台車に対して返送ライン上で行われるので、被搬送物の積み卸し作業の際に作業ライン上の搬送用台車群を停止させる必要がなく、作業ライン上では搬送用台車群を定速で搬送しながら作業を行うことができるため、さらに作業効率が高くなる。
その上さらに、作業ラインにおける搬送用台車群は、前後の搬送用台車が連結手段により連結されているので、搬送速度の変動等があっても前後の搬送用台車間に隙間が生じることがないため、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)を確実に形成することができる。
【0008】
ここで、前記搬送用台車を搬送経路に沿ってガイドするガイドレールが、前記搬送用台車の幅方向中央部下方に位置する水平ローラをガイドする搬送方向左右のガイド片であり、前記連結手段が、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車の一方から他方に向かう連結ロッドの遊端部に水平揺動可能に取り付けられた揺動片に形成された鉤状係合部を、前記搬送用台車の他方に取り付けられた前記水平ローラの支軸に係合するものであり、前記作業ラインの少なくとも前記曲線状経路では、前記揺動片が前記左右のガイド片の間に位置すると好ましい。
このような構成によれば、少なくとも曲線状経路において、連結手段の揺動片が左右のガイド片の間に位置するので、揺動片の水平揺動が規制されることから、連結ロッドに振動や衝撃が作用した場合であっても揺動片の鉤状係合部と水平ローラの支軸との係合が外れることがないため、搬送方向前後に位置する搬送用台車間の連結手段による連結を安定かつ確実に行うことができる。
その上、連結手段が、連結ロッドの遊端部に水平揺動可能に取り付けられた揺動片に形成された鉤状係合部を水平ローラの支軸に係合する簡素な構成であるため、製造コストを低減することができる。
【0009】
また、前記搬送用台車を搬送経路に沿ってガイドするガイドレールが、前記搬送用台車の幅方向中央部下方に位置する水平ローラをガイドする搬送方向左右のガイド片であり、前記連結手段が、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車の一方に設けられた上下方向にスライド可能な連結ピンを前記搬送用台車の他方に形成された係合穴に挿入するものであり、前記連結手段による連結位置を前記搬送用台車の一方の前記水平ローラの真上とし、前記連結位置に近い前記搬送用台車の他方の水平ローラの位置を上側に転位させ、前記曲線状経路では、前記上側に転位させた水平ローラと干渉しないように前記ガイドレールの内側のガイド片の上部を切り欠いてなると好ましい。
このような構成によれば、連結手段の上下方向にスライド可能な連結ピンを係合穴に挿入した状態で前後の搬送用台車が安定かつ確実に連結されるとともに、前後の搬送用台車を1本の連結ピンで繋ぐ構成であることから、連結部の強度を大きくすることが容易であるため、特に、搬送用台車群を構成する搬送用台車の数が多く、前端の搬送用台車に駆動力を付与して搬送用台車群を牽引駆動する場合において、非常に大きな強度が必要になる前端の搬送用台車と後続の搬送用台車との連結部の強度確保が容易になる。
その上、連結ピン及び係合穴の連結位置が前後の搬送用台車の一方の水平ローラの真上であることから、この水平ローラの軸芯まわりに前後の搬送用台車が相対的に回動するため、作業床(作業平面)における水平方向に相対的に回動する部分の隙間を小さくすることができるとともに、搬送用台車の側面を被駆動面としてフリクションローラ式駆動装置により駆動する際における前記被駆動面の繋がりを良くすることができる。
その上さらに、前記連結位置の真下の水平ローラ近くの水平ローラを上側に転位させるとともに、曲線状経路ではガイドレールの内側のガイド片の上部を切り欠いているため、曲線状経路においても、連結位置の真下の水平ローラをガイドレールによりガイドしながら、上側に転位させた水平ローラとガイドレールとの干渉を防止して搬送用台車群の安定かつ確実な搬送が可能になる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明に係るコンベア装置によれば、曲線状経路を含む搬送経路に搬送用台車群を配置して、曲線状経路においても部品組付け作業を行うことができるため、作業効率及びスペース効率を向上することができ、被搬送物の積み卸し作業を搬送用台車群から分離した単体の搬送用台車に対して返送ライン上で行われるので、作業ライン上では搬送用台車群を定速で搬送しながら作業を行うことができるため、さらに作業効率が高くなり、作業ラインにおける搬送用台車群は、前後の搬送用台車が連結手段により連結されているので、搬送速度の変動等があっても前後の搬送用台車間に隙間が生じることがないため、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)を確実に形成することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンベア装置の概略レイアウト図である。
【図2】実施の形態1に係る搬送用台車の平面図である。
【図3】ガイドレールを省略して示す搬送用台車の正面図である。
【図4】搬送用台車を前方から見た縦断正面図である。
【図5】曲線状経路における連結手段まわりの状態を示す横断平面図である。
【図6】連結手段の構成を示す横断平面図である。
【図7】同じく縦断正面図である。
【図8】実施の形態2に係る搬送用台車の平面図である。
【図9】ガイドレールを省略して示す搬送用台車の正面図である。
【図10】(a)は直線状経路で搬送用台車を前方から見た縦断正面図であり、(b)は曲線状経路で搬送用台車を前方から見た要部拡大縦断正面図である。
【図11】曲線状経路における連結手段まわりの状態を示す横断平面図である。
【図12】連結手段の構成を示す横断平面図である。
【図13】同じく縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
なお、本明細書においては、被搬送物の搬送方向(図中矢印F参照。)を前、その反対側を後とし、前方へ向かって左右をいうものとし、左方から見た図を正面図とする。
【0013】
図1の概略レイアウト図に示すように、本発明の実施の形態に係るコンベア装置は、被搬送物Wを搭載した非自走式の搬送用台車1,1,…を、フリクションローラ式駆動装置である送り装置T1,T2,T3により、直線状経路S1,S2及び曲線状経路C1,C2からなる無端状の搬送経路に沿って搬送するものであり、後述する連結手段C(図2及び図8の平面図参照。)により前後の搬送用台車1,1を連結してなる搬送用台車群Aを、曲線状経路C1を含む搬送経路に配置し、作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)B(図3及び図9の正面図参照。)を形成するようにして作業ラインL1としている。
また、搬送用台車群Aの前端の搬送用台車1は、搬送用台車群Aから分離され、分離された搬送用台車1を高速で搬送して搬送用台車群Aの後端に連結する返送ラインL2を、直線状経路S2の一部、曲線状経路C2及び直線状経路S1の一部により構成している。
さらに、返送ラインL2上に、被搬送物Wの積み卸し作業を行う積込ステーションST1及び卸しステーションST2を備えており、卸しステーションST2では、搬送用台車群Aから分離した単体の搬送用台車1から被搬送物Wを卸す作業が行われ、積込ステーションST1では、空荷になった単体の搬送用台車1に新しい被搬送物Wを積み込む作業が行われる。
【0014】
ここで、搬送用台車群Aの搬送は、定速搬送用送り装置T1により行われる。すなわち、定速搬送用送り装置T1のバックアップローラ17B,…により反力を受け止めながら、定速搬送用送り装置T1のフリクションローラ17A,…を前端の搬送用台車1の側面(図2及び図8の被駆動面H参照。)に圧接して前端の搬送用台車1を駆動することにより、後続の搬送用台車1,1,…が牽引され、搬送用台車群Aは一体となって定速で搬送される。
また、定速搬送用送り装置T1よりも僅かに低速とされたブレーキ用送り装置T3のフリクションローラ17Aを搬送用台車群Aの後端の搬送台車1の側面に圧接することにより、搬送用台車群A全体に引張力が作用することで、台車群A内の搬送用台車1同士のがたつきが発生しない効果がある。
さらに、上述のように搬送用台車群Aから分離された単体の搬送用台車1の搬送は、高速搬送用送り装置T2により、そのフリクションローラ17Aを搬送用台車1の側面に圧接することにより行われ、積込ステーションST1及び卸しステーションST2では、これらの所定位置で搬送用台車1を停止させた状態にして被搬送物Wの積み卸し作業を行う。
さらにまた、積込ステーションST1で新しい被搬送物Wの積み込み作業が行われた搬送用台車1を高速搬送用送り装置T2により高速で搬送して搬送用台車群Aの後端に連結する際には、高速搬送用送り装置T2を低速運転に変速することで、高速で搬送された搬送用台車1を減速させながら後述する連結手段Cにより搬送用台車群Aの後端に連結する。
【0015】
実施の形態1.
図2の平面図及び図3の正面図に示すように、本発明の実施の形態1に係る搬送用台車1は、前後の第1台車体1A及び第2台車体1B及び台車体1A,1Bのそれぞれの後側に位置して台車体1A,1Bと垂直軸まわりに相対回動可能に連結された第1連結台車体2A及び第2連結台車体2Bにより構成され、台車体1A,1Bの上面及び連結台車体2A,2Bの上面を略同一水平面としている。
第1台車体1A及び第2台車体1Bは、前後を円弧状とした平面視略小判形の板部材の下面に枠体が固定されるとともに、前後左右に走行車輪6A,6A,…が取り付けられる。
また、第1連結台車体2A及び第2連結台車体2Bは、前後を円弧状凹部とした平面視略鼓形の板部材の下面に枠体が固定されるとともに、左右に走行車輪6B,6Bが取り付けられ、前側の第1連結台車体2Aにはその前記板部材の下面に前後方向に長い連結ロッド3が固定され、後側の第2連結台車体2Bにはその前記板部材の下面に前後方向に長い連結ロッド4が固定される。
【0016】
第1連結台車体2Aの連結ロッド3の前端部は第1台車体1Aの後部幅方向中央と、連結ロッド3の後端部は第2台車体1Bの前部幅方向中央と、それぞれ垂直軸まわりに相対回動可能に連結され、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の前端部は第2台車体1Bの後部幅方向中央と垂直軸まわりに相対回動可能に連結される。
また、第1台車体1Aの前部幅方向中央下方には水平ローラ5Aが取り付けられ、第1連結台車体2Aの連結ロッド3の前後端部下方には、それぞれ水平ローラ5B,5Cが取り付けられ、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の前後端部下方には、それぞれ水平ローラ5D,5Eが取り付けられる。
さらに、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の後端部には揺動片8が取り付けられ、この揺動片8と第1台車体1Aの前部幅方向中央下方の水平ローラ5Aの支軸Eとが、前後の搬送用台車1,1を連結する連結手段Cを構成する。
【0017】
図3の正面図及び図4の前方から見た縦断正面図に示すように、床面FLに固定されたヨークY,Y,…により左右の走行レールR,R及びガイドレールGが固定され、走行レールR,R上を走行車輪6A,6A,…及び6B,6B,…が転動するとともに、ガイドレールGの左右のガイド片7A,7Bにより水平ローラ5A,5B,5C,5D,5Eがガイドされるため、第1台車体1A上方の被搬送物支持台Dに被搬送物Wが搭載された搬送用台車1,1,…(搬送用台車群A)は、前記搬送経路に沿って移動する。
【0018】
次に、連結手段Cの構成の詳細について説明する。
図2の平面図、図5及び図6の横断平面図並びに図7の縦断正面図に示すように、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の後端部には、垂直軸(水平ローラ5Eの軸芯)まわりに揺動可能な揺動片8が取り付けられ、揺動片8には鉤状係合部8Aが形成されており、揺動片8はねじりコイルばね9により弾性付勢されているため、当止片8Dがストッパ10により当て止めされて揺動片8が後方に延びた状態が保持される。
したがって、例えば図2の搬送用台車1に対して、後方から搬送用台車1が接近すると、水平ローラ5Aの支軸Eが揺動片8の斜面に当接して前記弾性付勢力に抗して揺動片8を揺動させ、揺動片8の鉤状係合部8Aに支軸Eが係合するため、前後の搬送用台車1,1が連結された図6及び図7の状態になる。
また、このような連結手段Cの連結は、図6に示す被操作片8B先端の被操作ローラ8Cを図示しないカムレール等により操作して二点鎖線のように揺動させることにより解除することができる。
【0019】
連結手段Cの連結は、図1の作業ラインL1の上流側(搬送用台車群Aの後端)で行えばよく、連結手段Cの連結の解除は、図1の作業ラインL1の下流側(搬送用台車群Aの前端)で行えばよいため、例えば作業ラインL1(作業ラインL1の経路全体ではなく、曲線状経路C1のみ等の一部であってもよい。)では、図6及び図7のように揺動片8をガイドレールGの左右のガイド片7A,7Bの間に位置させるように、左右のガイド片7A,7Bの高さを高くしておくことができる。
このようにすれば、揺動片8の水平揺動が規制されることから、連結ロッド4に振動や衝撃が作用した場合であっても揺動片8の鉤状係合部8Aと水平ローラ5Aの支軸Eとの係合が外れることがないため、前後に位置する搬送用台車1,1間の連結手段Cによる連結を安定かつ確実に行うことができる。
また、連結手段Cの連結の解除を行う箇所では、ガイド片7Aの高さを低くして図6の二点鎖線のように揺動片8を揺動させることができるようにすればよい。
以上のような連結手段Cの構成によれば、連結ロッド4の遊端部に水平揺動可能に取り付けられた揺動片8に形成された鉤状係合部8Aを水平ローラ5Aの支軸Eに係合する簡素な構成であるため、製造コストを低減することができる。
【0020】
実施の形態2.
図8の平面図、図9の正面図及び図10(a)の前方から見た縦断正面図に示すように、本発明の実施の形態2に係る搬送用台車1の基本構成は実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同一又は実施の形態1に相当する部分には図2〜図4と同じ符号を付すことにより、これらの説明を省略する。実施の形態2において実施の形態1と構成が異なる主要な部分は、連結手段Cであるため、以下において、連結手段Cの構成の詳細について説明する。
【0021】
図8の平面図、図11及び図12の横断平面図並びに図13の縦断正面図に示すように、搬送用台車1の第1台車体1Aの前部幅方向中央下方の水平ローラ5Aの上方(水平ローラ5Aの支軸の軸芯の真上)には、ガイド穴11Aによりガイドされて上下方向にスライド可能な連結ピン11が設けられており、連結ピン11は、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の後端部に形成された上下方向の係合穴12に係合するため、連結手段Cによる前後の搬送用台車1,1の連結位置は、後方の搬送用台車1の第1台車体1Aの前部幅方向中央下方の水平ローラ5Aの真上となっている。
また、前端部が第1台車体1Aの枠体に固定され、略前後方向に延びて上下方向へ揺動する第1リンク13Aの後端部には、略上下方向へ延びる第2リンク13Bの下端部が連結され、第2リンク13Bの上端部には、前後方向に延びてその中間部が左右方向の水平支軸14により支持されて上下方向に揺動する第3リンク13Cの後端部が連結され、第3リンク13Cの前端部が連結ピン11の上端部に連結される。
【0022】
さらに、第3リンク13Cの前端部と水平支軸14との間に引張コイルばね15の一端部が掛止され、引張コイルばね15の他端部は第1台車体1Aの枠体に固定されるため、引張コイルばね15の弾性付勢力により連結ピン11が係合穴12に係合した状態が保持され、第1リンク13A及び第2リンク13Bの連結軸に取り付けられた被操作ローラ16を操作することにより、連結ピン11をガイド穴11Aに沿って昇降させることができる。
したがって、例えば図8の搬送用台車1に対して、後方から搬送用台車1が接近する際に、図示しないカムレール等により被操作ローラ16を押し下げて、図13の二点鎖線のように引張コイルばね15の弾性付勢力に抗して連結ピン11を上昇させた状態にしておき、連結ピン11とガイド穴11Aとの上下方向位置が合った状態で、カムレール等による被操作ローラ16の操作を解除することにより、引張コイルばね15の弾性付勢力により連結ピン11が下降して係合穴12に係合した状態、すなわち前後の搬送用台車1,1が連結された図12及び図13の状態になる。
また、このような連結手段Cの連結は、図12及び図13に示す被操作片16を上述のように操作して図13の二点鎖線のように連結ピン11を上昇させることにより解除することができる。
【0023】
ここで、第2連結台車体2Bの連結ロッド4の後端部に形成された上下方向の係合穴12の前側の水平ローラ5E(連結手段Cによる前記連結位置に近い水平ローラ5E)の位置を、図9及び図13に示すように上側に転位させているとともに、曲線状経路C1ではガイドレールGの内側のガイド片7Aの上部を図10(b)の前方から見た要部拡大縦断正面図に示すように切り欠いているため、図11に示す曲線状経路C1においても、前後の搬送用台車1,1の連結位置の真下の水平ローラ5AをガイドレールGによりガイドしながら、上側に転位させた水平ローラ5EとガイドレールGとの干渉を防止して搬送用台車群Aの安定かつ確実な搬送が可能になる。
【0024】
以上のような連結手段Cの構成によれば、連結手段Cの上下方向にスライド可能な連結ピン11を係合穴12に挿入した状態で前後の搬送用台車1,1が安定かつ確実に連結されるとともに、前後の搬送用台車1,1を1本の連結ピン11で繋ぐ構成であることから、連結部の強度を大きくすることが容易であるため、特に、搬送用台車群Aを構成する搬送用台車1,1,…の数が多く、定速搬送用送り装置T1により前端の搬送用台車1に駆動力を付与して搬送用台車群Aを牽引駆動する場合において、非常に大きな強度が必要になる前端の搬送用台車1と後続の搬送用台車1との連結部の強度確保が容易になる。
また、連結ピン11及び係合穴12の連結位置が前後の搬送用台車1,1の一方の水平ローラ5Aの真上であることから、この水平ローラ5Aの軸芯まわりに前後の搬送用台車1,1が相対的に回動するため、作業床(作業平面)における水平方向に相対的に回動する部分の隙間を小さくすることができるとともに、搬送用台車1,1,…の側面を被駆動面H,H,…としてフリクションローラ式駆動装置により駆動する際における被駆動面H,H,…の繋がりを良くすることができる。
【0025】
以上の説明においては、搬送用台車1が、図2及び図8のように、2個の台車体(第1台車体1A及び第2台車体1B)と、2個の連結台車体(第1連結台車体2A及び第2連結台車体2B)により構成される場合を示したが、搬送用台車1を1個の台車体及び連結台車体により構成してもよく、3個以上の台車体及び連結台車体により構成してもよい。
また、前後の搬送用台車1,1に備える連結手段Cは、前後の搬送用台車1,1を連結するための相対的なものであるため、搬送用台車1の前部に備える連結手段の構成と後部に備える連結手段を入れ替えて実施することもできるとともに、例えば図2及び図8に示す搬送用台車1の搬送方向を逆方向としてもよい。
【0026】
以上のような構成のコンベア装置の構成によれば、搬送用台車1の各々を、単又は複数の台車体(例えば、台車体1A,1B)及び前記台車体の搬送方向前側又は後側に位置して前記台車体と垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体(例えば、連結台車体2A,2B)により構成し、前記台車体の上面及び前記連結台車体の上面を略同一水平面としているので、搬送用台車1の複数を連結手段Cにより連結して搬送用台車群Aとしたものの台車体及び連結台車体の上面を作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床(作業平面)Bとすることができるとともに、このような搬送用台車群Aを曲線状経路を含む搬送経路に配置することができる。
したがって、曲線状経路においても部品組付け作業を行うことができるため、作業効率及びスペース効率を向上することができる。
また、被搬送物Wの積み卸し作業が、搬送用台車群Aから分離した単体の搬送用台車1に対して返送ラインL2上で行われるので、被搬送物Wの積み卸し作業の際に作業ラインL1上の搬送用台車群Aを停止させる必要がなく、作業ラインL1上では搬送用台車群Aを定速で搬送しながら作業を行うことができるため、さらに作業効率が高くなる。
さらに、作業ラインL1における搬送用台車群Aは、前後の搬送用台車1,1が連結手段Cにより連結されているので、搬送速度の変動等があっても前後の搬送用台車間に隙間が生じることがないため、作業者が乗る連続した作業床(作業平面)Bを確実に形成することができる。
【符号の説明】
【0027】
A 搬送用台車群
B 連続した作業床
C 連結手段
C1,C2 曲線状経路
D 被搬送物支持台
E 水平ローラの支軸
F 搬送方向
FL 床面
G ガイドレール
H 被駆動面
L1 作業ライン
L2 返送ライン
R 走行レール
S1,S2 直線状経路
ST1 積込ステーション
ST2 卸しステーション
T1 定速搬送用送り装置
T2 高速搬送用送り装置
T3 ブレーキ用送り装置
Y ヨーク
W 被搬送物
1 搬送用台車
1A 第1台車体
1B 第2台車体
2A 第1連結台車体
2B 第2連結台車体
3,4 連結ロッド
5A,5B,5C,5D,5E 水平ローラ
6A,6B 走行車輪
7A,7B ガイド片
8 揺動片
8A 鉤状係合部
8B 被操作片
8C 被操作ローラ
8D 当止片
9 ねじりコイルばね
10 ストッパ
11 連結ピン
11A ガイド穴
12 係合穴
13A 第1リンク
13B 第2リンク
13C 第3リンク
14 水平支軸
15 引張コイルばね
16 被操作ローラ
17A フリクションローラ
17B バックアップローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を搭載した搬送用台車を搬送経路に沿って搬送しながら作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床を形成することができるコンベア装置であって、
前記搬送用台車の各々を、単又は複数の台車体及び前記台車体の搬送方向前側又は後側に位置して前記台車体と垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体により構成し、前記台車体の上面及び前記連結台車体の上面を略同一水平面とし、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車間を連結する連結手段を設け、前記搬送用台車の複数を前記連結手段により連結して搬送用台車群として曲線状経路を含む搬送経路に配置し、前記搬送用台車群を定速で搬送しながら前記台車体及び連結台車体の上面を前記作業床とて前記部品組付け作業を行う作業ラインを構成するとともに、前記搬送用台車群の搬送方向前端の前記搬送用台車を分離して高速で搬送して前記搬送用台車群の後端に連結する返送ラインを設け、この返送ライン上で、前記搬送用台車群から分離した単体の前記搬送用台車に対する前記被搬送物の卸し作業及び新しい被搬送物の積込み作業を行うことを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
前記搬送用台車を搬送経路に沿ってガイドするガイドレールが、前記搬送用台車の幅方向中央部下方に位置する水平ローラをガイドする搬送方向左右のガイド片であり、
前記連結手段が、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車の一方から他方に向かう連結ロッドの遊端部に水平揺動可能に取り付けられた揺動片に形成された鉤状係合部を、前記搬送用台車の他方に取り付けられた前記水平ローラの支軸に係合するものであり、前記作業ラインの少なくとも前記曲線状経路では、前記揺動片が前記左右のガイド片の間に位置する請求項1記載のコンベア装置。
【請求項3】
前記搬送用台車を搬送経路に沿ってガイドするガイドレールが、前記搬送用台車の幅方向中央部下方に位置する水平ローラをガイドする搬送方向左右のガイド片であり、
前記連結手段が、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車の一方に設けられた上下方向にスライド可能な連結ピンを前記搬送用台車の他方に形成された係合穴に挿入するものであり、前記連結手段による連結位置を前記搬送用台車の一方の前記水平ローラの真上とし、前記連結位置に近い前記搬送用台車の他方の水平ローラの位置を上側に転位させ、前記曲線状経路では、前記上側に転位させた水平ローラと干渉しないように前記ガイドレールの内側のガイド片の上部を切り欠いてなる請求項1記載のコンベア装置。
【請求項1】
被搬送物を搭載した搬送用台車を搬送経路に沿って搬送しながら作業者が乗って部品組付け作業を行う連続した作業床を形成することができるコンベア装置であって、
前記搬送用台車の各々を、単又は複数の台車体及び前記台車体の搬送方向前側又は後側に位置して前記台車体と垂直軸まわりに相対回動可能に連結された連結台車体により構成し、前記台車体の上面及び前記連結台車体の上面を略同一水平面とし、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車間を連結する連結手段を設け、前記搬送用台車の複数を前記連結手段により連結して搬送用台車群として曲線状経路を含む搬送経路に配置し、前記搬送用台車群を定速で搬送しながら前記台車体及び連結台車体の上面を前記作業床とて前記部品組付け作業を行う作業ラインを構成するとともに、前記搬送用台車群の搬送方向前端の前記搬送用台車を分離して高速で搬送して前記搬送用台車群の後端に連結する返送ラインを設け、この返送ライン上で、前記搬送用台車群から分離した単体の前記搬送用台車に対する前記被搬送物の卸し作業及び新しい被搬送物の積込み作業を行うことを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
前記搬送用台車を搬送経路に沿ってガイドするガイドレールが、前記搬送用台車の幅方向中央部下方に位置する水平ローラをガイドする搬送方向左右のガイド片であり、
前記連結手段が、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車の一方から他方に向かう連結ロッドの遊端部に水平揺動可能に取り付けられた揺動片に形成された鉤状係合部を、前記搬送用台車の他方に取り付けられた前記水平ローラの支軸に係合するものであり、前記作業ラインの少なくとも前記曲線状経路では、前記揺動片が前記左右のガイド片の間に位置する請求項1記載のコンベア装置。
【請求項3】
前記搬送用台車を搬送経路に沿ってガイドするガイドレールが、前記搬送用台車の幅方向中央部下方に位置する水平ローラをガイドする搬送方向左右のガイド片であり、
前記連結手段が、搬送方向前後に位置する前記搬送用台車の一方に設けられた上下方向にスライド可能な連結ピンを前記搬送用台車の他方に形成された係合穴に挿入するものであり、前記連結手段による連結位置を前記搬送用台車の一方の前記水平ローラの真上とし、前記連結位置に近い前記搬送用台車の他方の水平ローラの位置を上側に転位させ、前記曲線状経路では、前記上側に転位させた水平ローラと干渉しないように前記ガイドレールの内側のガイド片の上部を切り欠いてなる請求項1記載のコンベア装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−107731(P2013−107731A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253433(P2011−253433)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000211695)中西金属工業株式会社 (222)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000211695)中西金属工業株式会社 (222)
[ Back to top ]