説明

コンベア駆動制御装置

【課題】アキュームコンベアから多列コンベアに供給する、単位時間当たりの容器の供給量を一定にする。
【解決手段】フィラ・キャパからランダム状態で送り出された複数列の容器は、アキュームコンベア部110,多列コンベア部120,コンバイナ130により搬送され次第に列幅が狭められて直列の一列状態となり、単列コンベア群140を通ってラベラ20に送られる。アキュームコンベア112上の撮影領域Sを撮影カメラ210にて撮影し、画像処理演算することにより、撮影領域Sに存在する容器本数、更には計測領域K(=2×S)に存在する容器群の本数を演算する。各容器群が、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出される際には、容器本数が多いときにはアキュームコンベア速度を減速し、容器本数が少ないときにはアキュームコンベア速度を増速する。これにより多列コンベア121に搬出される、単位時間当たりの容器の数が均一になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンベア駆動制御装置に関し、アキュームコンベアから多列コンベアに供給する容器の単位時間当たりの供給量を均一にするように工夫したものである。
【背景技術】
【0002】
容器(ペットボトル等)に液体(飲料)を充填する液体充填ラインでは、上流側のフィラー・キャッパと下流側のラベラとの間に、コンベア装置が配置されている。
【0003】
フィラー・キャッパでは、容器に液体が充填されると共に封栓される。封栓された容器は、鉛直方向に立った状態でコンベア装置によりラベラにまで搬送される。ラベラでは、搬送されてきた容器の周囲(容器の筒状の部分)を囲う状態で、リング上にラベルを取り付ける。
【0004】
コンベア装置は、フィラー・キャッパから、ランダム分布となって複数列の状態で送り出されてくる容器を搬送するものであり、上流側では幅広の複数列状態で容器を搬送し、搬送するにしたがい、容器の列数を絞っていき、最終的には直列の一列状態に並べて搬送して、ラベラに供給するものである。
【0005】
コンベア装置は、具体的には、上流側から下流側に沿い、アキュームコンベアと、多列コンベアと、コンバイナと、単列コンベアを順に配列して構成されている。
【0006】
アキュームコンベアは幅広のコンベアであり、フィラー・キャッパから送り出される容器を、ランダム分布となっている複数列の状態で搬送する。このアキュームコンベアは、幅広であるため、下流側のラベラが一時的に停止した場合には、フィラー・キャッパから次々と送り出される容器を、このコンベア上に集積・蓄積することができる。このため、ラベラが一時的に停止したとしても、フィラー・キャッパの連続運転を継続することができる。
【0007】
多列コンベアは、複数の多列コンベアを直列接続したものであり、上流側から下流側に進むに従い、多列コンベアの幅が段階的に細くなっており、搬送する容器の列数(流れ方向に沿い直交する方向に並ぶ容器の本数)を減少させている。この場合、各多列コンベアの速度は、上流側から下流側に進むに従い、段階的に速くなるように設定している。
【0008】
コンバイナは、多列コンベアから送られてきた、複数列の容器を、搬送しつつ整列して直列の一列状態に並べるものである。
【0009】
単列コンベアは、直列の一列状態に並んだ容器を搬送して、ラベラに供給するものである。
【0010】
上述したコンベア装置では、各コンベアは可変速モータにより駆動されており、各コンベアの速度は、上流側のコンベアでは遅く、下流側のコンベアほど速くなるように設定されている。
【0011】
従来では、コンベア装置の、アキュームコンベアと、多列コンベアと、コンバイナの速度制御をフィードバック制御により行なっていた。
【0012】
コンベア装置の各コンベアの速度をフィードバック制御するには、次のような手法が考えられていた。
即ち、単列コンベアの速度を、ラベラの処理速度に同期させた速度としておく。そして、単列コンベアに沿い、容器を検出する容器検出センサ(光センサ等)を備えておく。例えば、単列コンベアに沿い、ラベラに近い下流位置(第1の位置)に第1の容器検出センサを、第1の位置よりもやや上流側の第2の位置に第2の容器検出センサを、第2の位置よりもやや上流側の第3の位置に第3の容器検出センサを備えておく。
【0013】
各容器検出センサは、単列コンベアにより搬送されている容器の通過を検出することにより、先行して搬送される容器と後行して搬送される容器との間に隙間があるか、または先行して搬送される容器と後行する容器どうしが接触しているか否かを検出することができる。
【0014】
そして、
(1)第1の容器検出センサが接触を検出し、第2,第3の容器検出センサが隙間を検出したときは、最適なコンベア速度と判定し、
(2)第1,第2の容器検出センサが接触を検出し、第3の容器検出センサが隙間を検出したときは、ラベラへの容器供給量が多くなったと判定して、各コンベア(単列コンベアを除く)の速度を遅くし、
(3)第1〜第3の容器検出センサが接触を検出したときには、ラベラへの容器供給量が過剰になったと判定して、各コンベア(単列コンベアを除く)の速度を更に遅くし、
(4)第1〜第3の容器検出センサが隙間を検出したときには、ラベラへの容器供給量が過少になったと判定して、各コンベア(単列コンベアを除く)の速度を速くするように制御する。
【0015】
このように適切にコンベア装置の各コンベアの速度を制御することにより、コンベア装置の上に多量の容器が滞留することが原因となって容器どうしが加圧状態で密着して容器の変形や破損が生じることを防止しつつ、ラベラの処理速度に同期させて容器をラベラに適切に供給することができるようにしている。
【0016】
なおラベラの処理速度を可変にできる場合には、ラベラの処理速度に応じて、単列コンベアの速度を制御することも考えられていた。
この場合にも、上述したフィードバック制御を適用することができる。
【0017】
結局、従来技術では、コンベア装置の下流域での、容器の接触・非接触状態を検出することにより容器の搬送量を判定して、単列コンベアよりも上流側に配置した各コンベアの速度を制御していた。
【0018】
【特許文献1】特開平5−51087
【特許文献2】特開2000−7134
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ラベラへの容器の供給量が変動する原因としては、上流ラインにあるアキュームコンベアから多列コンベアに供給する容器の供給量(単位時間当たりの容器供給量)が変動してしまうことが挙げられる。
しかし、従来技術では、ラベラ直前の単列コンベアの容器の供給状況から上流側のコンベアの速度を制御することにより、ラベラへの容器の供給量を制御するフィードバック制御を実施しているにすぎない。
この結果、アキュームコンベアから多列コンベアに供給する容器の供給量(単位時間当たりの容器供給量)が変動した場合には、上述したフィードバック制御では間に合わず、ラベラへの容器の供給が過剰になったり、過少になったりしてしまうという問題があった。
【0020】
本発明は、上記従来技術に鑑み、アキュームコンベアから多列コンベアに供給する容器の供給量(単位時間当たりの容器供給量)を均一に制御することができ、これにより、ラベラへの容器の供給量を適正に制御することができる、コンベア駆動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決する本発明の構成は、
上流側機器から送りだされる容器をランダム分布となっている複数列の状態で搬送する上流側コンベアと、
前記上流側コンベアを駆動すると共に、前記上流側コンベアのコンベア速度を可変にできる上流側コンベア用モータと、
前記上流側コンベアの最下流部から容器を受け取り、受け取った容器を下流側機に向かって搬送する下流側コンベアと、
前記上流側コンベアのコンベア面上の領域のうち、この上流側コンベアの搬送方向に関しては、上流側コンベアの長さに対して整数分の1の長さとなっており、且つ、上流側コンベアの幅方向に関しては、上流側コンベアの幅に対して短くなっている撮影領域を間欠時間毎に撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を画像処理することにより、前記撮影領域に存在する容器の本数を計測し、この計測した容器本数を基に、前記撮影領域の幅方向を前記上流側コンベアの幅方向の全幅に広げた領域である計測領域に存在する一群の容器の本数を演算する容器本数演算手段と、
容器本数が計測された各一群の容器が、順次、前記上流側コンベアにより搬送されて、一群の容器のうち最も先頭に存在する容器が前記上流側コンベアの最下流部に達してから、当該一群の容器のうち最も後尾に存在する容器が前記上流側コンベアの最下流部に達するまでの期間における、前記上流側コンベアの速度を、前記容器本数演算手段で演算した当該一群の容器の本数が多くなると減速し、前記容器本数演算手段で演算した当該一群の容器の本数が少なくなると増速するように、前記上流側コンベア用モータの速度を制御するモータ速度制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0022】
また本発明の構成は、
フィラ・キャパから送りだされる容器をランダム分布となっている複数列の状態で搬送するアキュームコンベアと、
前記アキュームコンベアを駆動すると共に、前記アキュームコンベアのコンベア速度を可変にできるアキュームコンベア用モータと、
前記アキュームコンベアの最下流部から容器を受け取り、受け取った容器をラベラに向かって搬送する多列コンベアと、
前記アキュームコンベアのコンベア面上の領域のうち、このアキュームコンベアの搬送方向に関しては、アキュームコンベアの長さに対して整数分の1の長さとなっており、且つ、アキュームコンベアの幅方向に関しては、アキュームコンベアの幅に対して短くなっている撮影領域を間欠時間毎に撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を画像処理することにより、前記撮影領域に存在する容器の本数を計測し、この計測した容器本数を基に、前記撮影領域の幅方向を前記アキュームコンベアの幅方向の全幅に広げた領域である計測領域に存在する一群の容器の本数を演算する容器本数演算手段と、
容器本数が計測された各一群の容器が、順次、前記アキュームコンベアにより搬送されて、一群の容器のうち最も先頭に存在する容器が前記アキュームコンベアの最下流部に達してから、当該一群の容器のうち最も後尾に存在する容器が前記アキュームコンベアの最下流部に達するまでの期間における、前記アキュームコンベアの速度を、前記容器本数演算手段で演算した当該一群の容器の本数が多くなると減速し、前記容器本数演算手段で演算した当該一群の容器の本数が少なくなると増速するように、前記アキュームコンベア用モータの速度を制御するモータ速度制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0023】
また本発明の構成は、
前記撮影手段は、撮影した一群の容器が搬送されて前記撮影領域から存在しなくなった時点で、次回の撮影をすることを特徴とする。
【0024】
また本発明の構成は、
前記ラベラの直前で、互いに接触しつつ一列に並んでいる容器の数を検出する容器検出手段と、
前記容器検出手段で検出した、互いに接触しつつ一列に並んでいる容器の数が多くなると前記ラベラの処理速度を速くし、互いに接触しつつ一列に並んでいる容器の数が少なくなると前記ラベラの処理速度を遅くするラベラ処理速度制御手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明では、アキュームコンベアの面上にて、各容器群の本数を計測し、
(i)アキュームコンベアの最下流部から多列コンベアに搬送される各容器群の本数が多い時には、その本数に応じた(例えば反比例した)遅い速度で容器がアキュームコンベアから多列コンベアに搬出され、
(ii)アキュームコンベアの最下流部から多列コンベアに搬送される各容器群の本数が少ない時には、その本数に応じた(例えば反比例した)速い速度で容器がアキュームコンベアから多列コンベアに搬出される結果、
アキュームコンベアから多列コンベアに搬出される容器の供給量(単位時間当たりの供給量)を均一にすることができる。
このようにして、アキュームコンベアから多列コンベアに搬出される容器の供給量(単位時間当たりの供給量)を均一にすることができるため、ラベラへの容器の供給量を均一にすることができ、効率的な運転動作を確保することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
本発明の実施例1にかかるコンベア駆動制御装置を、図1を参照しつつ説明する。
同図に示すように、容器(ペットボトル等)に液体(飲料)を充填する液体充填ラインでは、上流側のフィラー・キャッパ10と下流側のラベラ20との間に、コンベア装置100が配置されている。
【0028】
コンベア装置100は、アキュームコンベア部110と、多列コンベア部120と、コンバイナ130と、単列コンベア部140を、上流側(フィラー・キャパ側)から下流側(ラベラ側)に向かって順に配列して構成されている。
【0029】
アキュームコンベア部110は、上流側の幅広のアキュームコンベア111と、下流側の幅広のアキュームコンベア112を直列接続して構成されている。各アキュームコンベア111,112の速度は、可変速モータ111M,112Mの回転速度により規定されている。このアキュームコンベア部110は、フィラ・キャパ10から送りだされる容器を、ランダム分布状態となっている複数列の状態で搬送する。
【0030】
また詳細は後述するように、可変速モータ112Mの回転速度を制御部200により制御することにより、アキュームコンベア112から、その下流側の多列コンベア群120に供給する容器の単位時間当たりの供給量を均一にするように制御動作をしている。
【0031】
多列コンベア部120は、上流側から下流側に向かって、3台の多列コンベア121,122,123を直列接続して構成されている。各多列コンベア121,122,123の速度は、可変速モータ121M,122M,123Mの回転速度により規定されている。なお、上流側の多列コンベア121から下流側の多列コンベア123に向かうに従い、コンベア幅が段階的に細くなっていると共に、コンベア速度が段階的に速くなっている。
なお、124,125,126,127はガイド部材であり、搬送される容器は、これらガイド部材124,125,126,127によりガイドされて下流側に流れていきつつ、容器の列数(流れ方向に沿い直交する方向に並ぶ容器の本数)が減少していく。
【0032】
この多列コンベア部120は、アキュームコンベア112の最下流部から容器を受け取り、受け取った容器を、後流側のコンバイナ130及び単列コンベア部140を介して、ラベラ20に向かって搬送するものである。
【0033】
コンバイナ130は、並列配置した複数のコンベア131〜136により構成されており、各コンベア131〜136の速度は、可変速モータ131M〜136Mの回転速度により規定されている。
またガイド部材137が、コンベア131〜136の下流側において、多列コンベア123からコンベア131,136に向かって斜めに配置されている。
更に、コンベア131からコンベア136に向かうに従い、コンベアの速度を速くしている。
このため、コンバイナ130から搬出される容器は、直列の一列状態に並んだ状態となる。
【0034】
単列コンベア部140は、上流側の単列コンベア141と、下流側の単列コンベア142を直列接続して構成されている。各単列コンベア141,142の速度は、可変速モータ141M,142Mの回転速度により規定されている。
この単列コンベア部140により、直列の一列状態に並んだ容器を搬送して、ラベラ20に供給することができる。
【0035】
最下流の単列コンベア142に沿い、容器を検出する容器検出センサ(光センサ等)151〜153を備えている。具体的には、単列コンベア142に沿い、ラベラ20に近い下流位置(第1の位置)に第1の容器検出センサ151を、第1の位置よりもやや上流側の第2の位置に第2の容器検出センサ152を、第2の位置よりもやや上流側の第3の位置に第3の容器検出センサ153を備えている。
【0036】
各容器検出センサ151〜153は、単列コンベア142により搬送されている容器の通過を検出することにより、先行して搬送される容器と後行して搬送される容器との間に隙間があるか、または先行して搬送される容器と後行する容器どうしが接触しているか否かを検出することができる。このようにして検出した検出結果は、制御部200に送られる。
【0037】
制御部200は、
(1)第1の容器検出センサ151が接触を検出し、第2,第3の容器検出センサ152,153が隙間を検出したときは、単列コンベア142上で互いに接触しつつ並んでいる容器の数が過少であると判定して、ラベラ20の処理速度を低速に設定する。
(2)第1,第2の容器検出センサ151,152が接触を検出し、第3の容器検出センサ153が隙間を検出したときは、単列コンベア141上で互いに接触しつつ並んでいる容器の数が適正であると判定して、ラベラ20の処理速度を中速に設定する。
(3)第1〜第3の容器検出センサ151〜153が接触を検出したときには、単列コンベア141上で互いに接触しつつ並んでいる容器の数が過剰であると判定して、ラベラ20の処理速度を高速に設定する。
(4)第1〜第3の容器検出センサ151〜153が隙間を検出したときには、単列コンベア142上で互いに接触しつつ並んでいる容器の数が極めて過少であると判定して、ラベラ20の処理速度を極低速に設定する。
このようにして、制御装置200により、ラベラ20の処理速度の制御をしている。
【0038】
前述したアキュームコンベア112のコンベア面上には、撮影領域Sと、計測領域Kとが予め設定されている。
撮影領域Sは、図1において、クロスハッチングで示す領域であり、計測領域Kは、図1において、クロスハッチングで示す領域とハッチングで示す領域とを合わせた領域である。
【0039】
更に詳述すると、アキュームコンベア112の搬送方向の長さをA、幅方向の長さをBとする。そして、Aの1/3の長さをa、Bの長さの半分の長さをbとすると、
撮影領域Sは、搬送方向の長さがaであり、幅方向の長さがbであり、
計測領域Kは、搬送方向の長さがaであり、幅方向の長さが2b(=B)となっている。
撮影領域Sも計測領域Kも、アキュームコンベア112の搬送方向に関して、アキュームコンベア112の面上の上流側に設定している。そして、この例では、撮影領域Sの面積は、計測領域Kの半分の面積となっている。
【0040】
なお、アキュームコンベア112の面上のうち、計測領域Kよりも下流側の領域は、搬送方向の長さが2aであり、幅方向の長さが2b(=B)となっている。
【0041】
CCDなどで構成した撮影カメラ(撮影手段)210は、アキュームコンベア112の面上のうち、撮影領域Sを間欠時間毎に撮影する。なお撮影カメラ210による撮影間隔の設定手法は、後述する。
【0042】
撮影カメラ210により撮影された画像(撮影領域Sに存在する容器を撮影した画像)は、制御部200に送られる。この制御部200に内蔵した画像処理部では、撮影した画像を画像処理することにより、撮影領域Sに存在する容器の本数を計測する。
更に、制御部200に内蔵した容器本数演算部では、画像処理部にて計測した、「撮影領域Sに存在する容器の本数」を2倍することにより、計測領域Kに存在する容器の本数を演算する。
【0043】
この例では、面積の小さな撮影領域Sの画像のみを画像処理しているため、撮影領域Kの全域を撮影したものを画像処理するのに比べて、画像処理演算の演算負担を軽くすることができる。これにより、装置全体の製造コストを下げることができる。
【0044】
更に、制御部200に内蔵したモータ速度制御部は、撮影領域Kに存在する容器の本数を基に、可変速モータ112Mの速度制御をしてアキュームコンベア112のコンベア速度を変える。
【0045】
制御部200には、図2に示すような、「演算により求めた、計測領域Kに存在する容器の本数」と「アキュームコンベア112のコンベア速度」との関係特性が予め設定されている。
【0046】
この図2の例では、「演算により求めた、計測領域Kに存在する容器の本数」と「アキュームコンベア112のコンベア速度」とは反比例の関係になっている。
【0047】
なお、両者の関係は反比例関係に限らず、「演算により求めた、計測領域Kに存在する容器の本数」が基準本数N0よりも多くなると「アキュームコンベア112のコンベア速度」を基準速度v0よりも減速し、「演算により求めた、計測領域Kに存在する容器の本数」が基準本数N0よりも少なくなると「アキュームコンベア112のコンベア速度」を基準速度v0よりも増速するような他の特性であってもよい。
【0048】
次に、制御部200のモータ速度制御部により行なう、アキュームコンベア112のコンベア速度の制御手法を、図3(a)(b)を参照して説明する。
【0049】
液体充填ラインが始動して、フィラ・キャパ10から容器が送りだされ始めたときには、アキュームコンベア111,112のコンベア速度は、予め決めた基準速度v0となっている。
【0050】
時刻t1となり、フィラ・キャパ10から送りだされた容器の先頭が、計測領域Kの最下流部に達したら、撮影カメラ210により第1回目の撮影をする。
制御部200では、撮影画像の画像処理及び演算処理をして、計測領域Kに存在する容器本数N1を求める。更に、図2の特性を利用して、容器本数N1に対応するコンベア速度v1を求める。
このとき、第1回目の撮影をしたときに、計測領域Kに存在する容器の一群を、第1の容器群とする。
【0051】
時刻t1から、a/v0時間経過した時刻t2では、第1の容器群が全て計測領域Kから下流側に搬送され、次の容器群(これを第2の容器群)が計測領域Kに搬送されてくる。そして時刻t2では、撮影カメラ210により第2回目の撮影をし、撮影画像の画像処理及び演算処理をして、計測領域Kに存在する容器本数N2を求める。更に、図2の特性を利用して、容器本数N2に対応するコンベア速度v2を求める。
【0052】
時刻t2から、a/v0時間経過した時刻t3では、第2の容器群が全て計測領域Kから下流側に搬送され、次の容器群(これを第3の容器群)が計測領域Kに搬送されてくる。そして時刻t3では、撮影カメラ210により第3回目の撮影をし、撮影画像の画像処理及び演算処理をして、計測領域Kに存在する容器本数N3を求める。更に、図2の特性を利用して、容器本数N3に対応するコンベア速度v3を求める。
【0053】
時刻t3においては、第1の容器群のうち先頭に存在する容器が、アキュームコンベア112の最下流部に達する。そこで、制御部200は、時刻t3において、アキュームコンベア112の速度をv0からv1に変化するように、可変速モータ112Mの速度制御をする。そして、時刻t3からa/v1経過する時刻t4までは、アキュームコンベア112の速度がv1となるように、可変速モータ112Mの速度制御をする。時刻t4では、第1の容器群のうち最も後尾に存在する容器が、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬送される。
【0054】
結局、第1の容器群の容器本数N1は標準の容器本数N0よりもやや多いので、時刻t3から時刻t4では、容器は、基準速度V0よりもやや遅い速度v1にて、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出される。
【0055】
時刻t3から、a/v1時間経過した時刻t4では、第3の容器群が全て計測領域Kから下流側に搬送され、次の容器群(これを第4の容器群)が計測領域Kに搬送されてくる。そして時刻t4では、撮影カメラ210により第4回目の撮影をし、撮影画像の画像処理及び演算処理をして、計測領域Kに存在する容器本数N4を求める。更に、図2の特性を利用して、容器本数N4に対応するコンベア速度v4を求める。
【0056】
時刻t4においては、第2の容器群のうち先頭に存在する容器が、アキュームコンベア112の最下流部に達する。そこで、制御部200は、時刻t4において、アキュームコンベア112の速度をv1からv2に変化するように、可変速モータ112Mの速度制御をする。そして、時刻t4からa/v2経過する時刻t5までは、アキュームコンベア112の速度がv2となるように、可変速モータ112Mの速度制御をする。時刻t5では、第2の容器群のうち最も後尾に存在する容器が、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出される。
【0057】
結局、第2の容器群の容器本数N2は標準の容器本数N0よりもやや少ないので、基準速度V0よりもやや速い速度v2にて、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬送される。
【0058】
時刻t4から、a/v2時間経過した時刻t5では、第4の容器群が全て計測領域Kから下流側に搬送され、次の容器群(これを第5の容器群)が計測領域Kに搬送されてくる。そして時刻t5では、撮影カメラ210により第5回目の撮影をし、撮影画像の画像処理及び演算処理をして、計測領域Kに存在する容器本数N5を求める。更に、図2の特性を利用して、容器本数N5に対応するコンベア速度v5を求める。
【0059】
時刻t5においては、第3の容器群のうち先頭に存在する容器が、アキュームコンベア112の最下流部に達する。そこで、制御部200は、時刻t5において、アキュームコンベア112の速度をv2からv3に変化するように、可変速モータ112Mの速度制御をする。そして、時刻t5からa/v3経過する時刻t6までは、アキュームコンベア112の速度がv3となるように、可変速モータ112Mの速度制御をする。時刻t6では、第3の容器群のうち最も後尾に存在する容器が、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出される。
【0060】
結局、第3の容器群の容器本数N3は標準の容器本数N0よりも多いので、時刻t5から時刻t6では、容器は、基準速度V0よりも遅い速度v3にて、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬送される。
【0061】
時刻t5から、a/v3時間経過した時刻t6では、第5の容器群が全て計測領域Kから下流側に搬送され、次の容器群(これを第6の容器群)が計測領域Kに搬送されてくる。そして時刻t6では、撮影カメラ210により第6回目の撮影をし、撮影画像の画像処理及び演算処理をして、計測領域Kに存在する容器本数N6を求める。更に、図2の特性を利用して、容器本数N6に対応するコンベア速度v6を求める。
【0062】
時刻t6においては、第4の容器群のうち先頭に存在する容器が、アキュームコンベア112の最下流部に達する。そこで、制御部200は、時刻t6において、アキュームコンベア112の速度をv3からv4に変化するように、可変速モータ112Mの速度制御をする。そして、時刻t6からa/v4経過する時刻t7までは、アキュームコンベア112の速度がv4となるように、可変速モータ112Mの速度制御をする。時刻t7では、第4の容器群のうち最も後尾に存在する容器が、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出送される。
【0063】
結局、第4の容器群の容器本数N4は標準の容器本数N0よりも少ないので、時刻t6から時刻t7では、容器は、基準速度V0よりも速い速度v4にて、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出される。
【0064】
このように、
(i)アキュームコンベア112の最下流部から多列コンベア121に搬送される各容器群の本数が多い時には、その本数に応じた(例えば反比例した)遅い速度で容器がアキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出され、
(ii)アキュームコンベア112の最下流部から多列コンベア121に搬送される各容器群の本数が少ない時には、その本数に応じた(例えば反比例した)速い速度で容器がアキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出される結果、
アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出される容器の供給量(単位時間当たりの供給量)を均一にすることができる。
【0065】
このようにして、アキュームコンベア112から多列コンベア121に搬出される容器の供給量(単位時間当たりの供給量)を均一にすることができるため、ラベラ20への容器の供給量を均一にすることができ、効率的な運転動作を確保することができる
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、液体充填ラインのみならず、各種のコンベア装置にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例に係るコンベア駆動制御装置を示す構成図。
【図2】計測領域の容器本数とアキュームコンベアの速度との関係を示す特性図。
【図3】本発明の実施例における、コンベアベルト速度の制御手法を示す説明図。
【符号の説明】
【0068】
10 フィラ・キャパ
20 ラベラ
100 コンベア装置
110 アキュームコンベア部
111,112 アキュームコンベア
120 多列コンベア部
121,122,123 多列コンベア
124〜127 ガイド部材
130 コンバイナ
131〜136 コンベア
137 ガイド部材
140 単列コンベア部
141,142 単列コンベア
151,152,153 容器検出センサ
200 制御装置
210 撮影カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側機器から送りだされる容器をランダム分布となっている複数列の状態で搬送する上流側コンベアと、
前記上流側コンベアを駆動すると共に、前記上流側コンベアのコンベア速度を可変にできる上流側コンベア用モータと、
前記上流側コンベアの最下流部から容器を受け取り、受け取った容器を下流側機に向かって搬送する下流側コンベアと、
前記上流側コンベアのコンベア面上の領域のうち、この上流側コンベアの搬送方向に関しては、上流側コンベアの長さに対して整数分の1の長さとなっており、且つ、上流側コンベアの幅方向に関しては、上流側コンベアの幅に対して短くなっている撮影領域を間欠時間毎に撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を画像処理することにより、前記撮影領域に存在する容器の本数を計測し、この計測した容器本数を基に、前記撮影領域の幅方向を前記上流側コンベアの幅方向の全幅に広げた領域である計測領域に存在する一群の容器の本数を演算する容器本数演算手段と、
容器本数が計測された各一群の容器が、順次、前記上流側コンベアにより搬送されて、一群の容器のうち最も先頭に存在する容器が前記上流側コンベアの最下流部に達してから、当該一群の容器のうち最も後尾に存在する容器が前記上流側コンベアの最下流部に達するまでの期間における、前記上流側コンベアの速度を、前記容器本数演算手段で演算した当該一群の容器の本数が多くなると減速し、前記容器本数演算手段で演算した当該一群の容器の本数が少なくなると増速するように、前記上流側コンベア用モータの速度を制御するモータ速度制御手段と、
を有することを特徴とするコンベア駆動制御装置。
【請求項2】
フィラ・キャパから送りだされる容器をランダム分布となっている複数列の状態で搬送するアキュームコンベアと、
前記アキュームコンベアを駆動すると共に、前記アキュームコンベアのコンベア速度を可変にできるアキュームコンベア用モータと、
前記アキュームコンベアの最下流部から容器を受け取り、受け取った容器をラベラに向かって搬送する多列コンベアと、
前記アキュームコンベアのコンベア面上の領域のうち、このアキュームコンベアの搬送方向に関しては、アキュームコンベアの長さに対して整数分の1の長さとなっており、且つ、アキュームコンベアの幅方向に関しては、アキュームコンベアの幅に対して短くなっている撮影領域を間欠時間毎に撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を画像処理することにより、前記撮影領域に存在する容器の本数を計測し、この計測した容器本数を基に、前記撮影領域の幅方向を前記アキュームコンベアの幅方向の全幅に広げた領域である計測領域に存在する一群の容器の本数を演算する容器本数演算手段と、
容器本数が計測された各一群の容器が、順次、前記アキュームコンベアにより搬送されて、一群の容器のうち最も先頭に存在する容器が前記アキュームコンベアの最下流部に達してから、当該一群の容器のうち最も後尾に存在する容器が前記アキュームコンベアの最下流部に達するまでの期間における、前記アキュームコンベアの速度を、前記容器本数演算手段で演算した当該一群の容器の本数が多くなると減速し、前記容器本数演算手段で演算した当該一群の容器の本数が少なくなると増速するように、前記アキュームコンベア用モータの速度を制御するモータ速度制御手段と、
を有することを特徴とするコンベア駆動制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記撮影手段は、撮影した一群の容器が搬送されて前記撮影領域から存在しなくなった時点で、次回の撮影をすることを特徴とするコンベア駆動制御装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3において、
前記ラベラの直前で、互いに接触しつつ一列に並んでいる容器の数を検出する容器検出手段と、
前記容器検出手段で検出した、互いに接触しつつ一列に並んでいる容器の数が多くなると前記ラベラの処理速度を速くし、互いに接触しつつ一列に並んでいる容器の数が少なくなると前記ラベラの処理速度を遅くするラベラ処理速度制御手段と、
を有することを特徴とするコンベア駆動制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−261802(P2007−261802A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93167(P2006−93167)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】