説明

コンベア

本発明は、キャリアプレートとガイドとの抵抗を低くする高駆動効率のコンベアを提供する。本発明は、中心軸線を中心とした螺旋状経路を通じて垂直方向に製品やこれに類するものを搬送するためのコンベアであって、搬送方向に螺旋状経路に沿って可動する無端コンベアベルトを支持するフレームを備えたコンベアに関する。コンベアベルトは、互いに可動に接続されたキャリアプレートを含む。フレームは、少なくともガイドを含み、多数のキャリアプレートが、回転軸線を中心として回転可能なガイドローラを少なくとも備える。ガイドローラは、第1の接触位置でガイドと接触する少なくとも第1のガイドローラ面と、第2の接触位置でガイドと接触する第2のガイドローラ面とを少なくとも有する。第1及び第2の接触位置は互いに離隔し、第1の接触位置での第1のガイドローラ面に対する法線は、第2の接触位置での第2のガイドローラ面に対する法線と相違する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に基づく、製品(piece goods)又はこれに類するものを運搬するためのコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなコンベアは、特許文献1に開示されている。特許文献1は、垂直方向案内面を有したガイドによって案内されるガイドローラを備えているキャリアプレートが設けられたコンベアを開示している。これらガイド及びガイドローラの既知の構成によって、キャリアプレートが螺旋状経路に沿って移動する際における摩擦力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第1009692号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、さらに高い運転効率で動作するように改善されたコンベアを提供することである。
【0005】
当該目的を達成するために、本発明のコンベアは、請求項1の特徴部に記載の特徴によって特徴づけられている。
【0006】
これら特徴に起因して、キャリアプレートのガイドローラは、2つの異なる方向、すなわち回転軸線に対して平行な方向及び垂直な方向でガイドによって支持されている。ガイドローラが両方向で支持されているので、ガイドローラが僅かに滑るか又は滑ることなく回転することによって、ガイドローラはガイドに対して移動する。これにより、キャリアプレートがガイドに沿って移動する際に、キャリアプレートとガイドとの間における摩擦を低くすることができるので、高い駆動効率が得られる。
【0007】
回転軸は、搬送面に対して略垂直に延在している場合がある。この向きの利点は、ガイドローラが搬送面の近傍に位置決めされるので、キャリアプレートの高さを小さく構成可能なことである。
【0008】
第1の接触位置における第1のガイドローラ面に対する法線は、回転軸線に対して略垂直とされる場合がある。このことの利点は、第1の接触位置における第1のガイドローラ面と第1のガイド面との摩擦が低くなることである。この特徴によって、結果的に第1のガイドローラ面のみが第1のガイド面上で回転するからである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
好ましい実施例では、第1の接触位置は、回転軸線の径方向において第2の接触位置と同一又は近傍に位置決めされているので、当該構成では、第1の接触位置と第2の接触位置とにおけるガイドローラの回転速度の差が小さいか又は無くなる。その上、第2の接触位置におけるガイドローラのガイドに対するスリップが最小限度に抑えられるので、結果としてさらに駆動効率が改善される。
【0010】
好ましくは、第2のガイド面及び第2のダイドローラ面は、第2の接触位置では略点接触するように適合している。このことの利点は、回転軸に対する距離の変化に起因する、第2の接触位置におけるスリップが最小限度に抑えられることである。
【0011】
第1のガイドローラ面が、円筒状のガイドローラ部分によって形成されており、第1のガイド面が、搬送方向に対して垂直な平面内で回転軸線に対して平行に延在しているので、ガイドローラとガイドとが、第1の接触位置において線接触している場合がある。線接触は、ガイドが回転軸線方向でガイドローラに対して安定的に支持され、低い回転抵抗が実現されるという利点を有している。
【0012】
第2のガイド面が、第1のガイド面に隣接しており、中心軸線から回転軸線に向かって見ると斜め下方に延在している場合がある。この構成の利点は、ガイドに沿ってガイドローラの側壁で摩擦を生じさせることなく、円筒状のガイドローラが適用可能であることである。
【0013】
ガイドローラは、円筒状の形態とされる場合がある。ガイドは、搬送方向で見ると溝状の断面を有しており、溝状の断面の開口部がガイドローラを受容するように、回転軸線の径方向において向いている。コンベアの運転中にキャリアプレートが上方に持ち上げられた場合にガイドローラをガイドに沿って案内するために、溝状の断面の開口部の下壁には第2のガイド面が形成されており、溝状の断面の開口部の底壁には第1のガイド面が形成されており、溝状の断面の下壁に対向する上壁には第3のガイド面が形成されている。この構成の利点は、製造が比較的容易であり、キャリアプレートの上方向及び下方向の両方においてガイドローラを案内するためにガイドが設けられていることである。
【0014】
代替的には、第2のガイドローラ面は、少なくともガイドローラと同軸に配置されたフランジによって形成されている。このフランジは、第2のガイドローラ面が第1のガイドローラ面に隣接しており、回転軸線から径方向に見ると斜め上方に延在しているように適合されている。フランジを備えたこのようなガイドローラは、比較的容易に製造することができる。
【0015】
好ましくは、ガイドローラは、その周囲に溝が形成されたディアボロ状の形態とされる。この溝は、コンベアの運転中にキャリアプレートが上方に持ち上げられた場合にガイドローラをガイドに沿って案内するために、第2のガイドローラ面である上壁と、第1のガイドローラ面であって、回転軸線と同軸に延在している底壁と、第3のガイドローラ面であって、上壁に対向して配置された下壁とによって形成されている。ディアボロ状のガイドローラの利点は、キャリアプレートが上方に持ち上げられた場合に、ガイドが上方向、径方向、及び下方向に支持することである。
【0016】
キャリアプレートは、中心軸線の径方向においてガイドローラから離隔した少なくとも第2のガイドローラを備えている。第2のガイドローラは、フレームに設けられた第2のガイドによって支持され、且つ第2のガイドに沿って傾くように適合されている。このことは、キャリアプレートとガイドとが滑りながら接触することがないように、キャリアプレートがガイドローラによって複数の支持位置で支持されている場合に有利である。
【0017】
好ましくは、第2のガイドローラは、ガイドローラと同一の大きさであるので、製造コストを最小限度に抑えることができる。
【0018】
キャリアプレートは鏡像対称の形態とされ、上側搬送面に対して垂直で且つ搬送方向に対して平行な平面が対称面を形成している。対称な構成とすることによって、製造工程が容易になる。
【0019】
代替的には、キャリアプレートは、単一のガイドローラを含み、ガイドローラの回転軸線から離隔した支持部分を備えている。コンベアは、中心軸線の径方向で見ると、キャリアプレートに隣接した少なくとも第2のキャリアプレートを含んでいる。第2のキャリアプレートは、第2のキャリアプレートのガイドによって支持された少なくとも第2のキャリアプレートのガイドローラと、第2のキャリアプレートのガイドローラの回転軸線の近傍に配置された支持部分とを備えている。この支持部分は、第2のキャリアプレートのガイドローラを介してキャリアプレートの支持部分を支持するように、キャリアプレートの支持部分と係止している。当該実施例の利点は、比較的短い長手方向長さを有しているキャリアプレートが、単一のガイドローラのみが隣接する第2のキャリアプレートの第2のキャリアプレートのガイドローラを支持することができることである。キャリアプレートと第2のキャリアプレートとが支持位置での搬送方向における同一速度を有している場合には、キャリアプレートは、キャリアプレートと第2のキャリアプレートとの間に摩擦抵抗を生じさせること無く、ガイドローラ及び第2のキャリアプレートのガイドローラによって支持されている。
【0020】
本発明については、本発明におけるコンベアの例示的な実施例を表わす図面を参照しつつ、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明におけるコンベアの実施例の概略的な側面図である。
【図2】図1のコンベアのフレームの平面図である。
【図3】図1及び図2のコンベアの螺旋状経路のコンベアベルトの一部分におけるキャリアプレートの拡大平面図である。
【図4】キャリアプレートの上側搬送面に対して垂直な、図3のIV−IV断面における拡大断面図である。
【図5】図4の一部の拡大図である。
【図6】ガイドローラ及びガイドの代替的な実施例を表わす、図5に対応する図面である。
【図7】キャリアプレートの代替的な実施例を表わす、図4に対応する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、製品又はこれに類するものを螺旋状経路を介して垂直方向に搬送するように適合されたコンベアを表わす。実際に、このようなコンベアは、スパイラルコンベアやワインディングコンベアとして知られている。これらコンベアは、物品を搬送方向に向かって連続的な流れで搬送することができる。この製品の流れは、垂直方向に搬送するか、又は処理セクションに留める(buffer)ようにすることができる。これらコンベアは、例えば食品加工業、流通センター、グラフィック産業やこれらに類する領域で利用することができる。
【0023】
図示のコンベアは、フレーム1を備えている。この場合には、前記フレームは、中心軸線2aを有する中央柱状体2と、脚部3と、中央柱状体2の周囲に延在し、該中央柱状体に固定された螺旋状の案内シュート4と備えている。様々な種類の他のフレーム構造を利用することもできる。エンドプーリ5,6が案内シュート4の上端及び下端に設けられており、フレーム1の復帰シュート7が螺旋状の案内シュート4の両端間に延在している。この場合には、無端コンベアベルト8は、フレーム1によって支持されており、搬送部分及び復帰部分においてもう1つの経路を通じて案内されている。しかしながら、搬送部分が案内シュート4の下側で戻るように案内されている場合もある。無端コンベアベルトは、駆動手段(図示しない)によって搬送方向に駆動される。
【0024】
図示の場合では、螺旋状の案内シュート4には4つの屈曲部が設けられている。しかしながら、この数は状況に応じて増減させることができる。本発明では、駆動上の問題を生じずに高効率で多数の屈曲部を通過するように無端コンベアベルト8を駆動させることができる。図示の実施例では、駆動モータは、コンベアの経路の端部に設けられたエンドプーリ、すなわちエンドプーリ5又は6に係合している。必要であれば、搬送経路の他の位置で補助的な駆動モータを利用することもできる。リニア式駆動装置が、無端コンベアベルト8のために利用される場合がある。コンベアは、上側のエンドプーリ5及び下側のエンドプーリ6で他のコンベアに結合されている場合がある。
【0025】
図3は、コンベアのコンベアベルトの一部におけるキャリアプレートの平面図である。図4は、搬送方向に対して垂直な(図3の断面IV−IVに沿った)平面における断面図である。図3及び図4を参照すると、無端コンベアベルト8には、直接又は例えばサイドボーチェーン(side bow chain)のような無端接続部材を介して互いに可動に結合された、複数のキャリアプレートが設けられている。当該実施例では、各キャリアプレート9には、平坦な上側搬送面10が形成されている。キャリアプレート9は搬送経路内で近接して互いに結合されているので、物品は多数の隣り合うキャリアプレート9によって支持されている。キャリアプレート9は、中心軸線2aに関して略径方向に延在している長手方向に延在している細長要素である。
【0026】
図4は、2つのガイドローラ、すなわちガイドローラ11及び第2のガイドローラ11aを備えたキャリアプレート9の実施例を表わす。これらガイドローラは、中心軸線2aの径方向(X方向)において互いから離隔している。両ガイドローラ11,11aは、Y方向に延在する回転軸線12,12aを中心として回転可能である。本明細書では、Y方向は、上側搬送面に対して垂直に延在する方向として規定されているので、螺旋状経路の傾斜角度に依存して垂直方向に近づく。ガイドローラ11,11aの回転軸線12,12aの向きは、Y方向に限定される訳ではない。回転軸線12,12aがY方向に対して傾斜して延在している場合もある。例えば、両ガイドローラ11,11aには、搬送方向に対して垂直な平面内で互いに対角を有した回転軸線12,12aが設けられている場合がある。例えば搬送方向において見ると、回転軸線がV字状に方向付けられている場合がある。
【0027】
ガイドローラ11,11aは、ガイドローラ11,11aを滑らかに回転させるために、好ましくは転がり軸受によって、対応する回転軸13,13aに支承されている。
【0028】
図4に表わす実施例では、ガイドローラ12,12aは、それぞれフレーム1に固定されたガイド14及び第2のガイド14aと協働する。当該実施例では、コンベア1の中央柱状体2は、図4に表わすキャリアプレート9の右側(X方向)に配置されている。このことは、ガイド14が中心軸線2aの径方向においてガイドローラ11を支持することができるので、コンベアが正常に動作している場合における主な径方向の力が図4に表わすガイドローラ11及びガイド14に作用することを意味する。図4では、キャリアプレート9にはガイドローラ11,11aが設けられており、これらガイドローラは、上側搬送面10に対して垂直な平面に関して鏡面対称であり、搬送方向に対して並列して配置されている。図示の実施例では、この平面は、自身の軸線方向においてキャリアプレート9の中心と交差している。第2のガイドローラ11aは、ガイドローラ11と相違するように構成され、且つキャリアプレートに取り付けられている。図4に表わすガイド14,14aは螺旋状経路に沿った溝状の形態であり、これら溝は互いに向き合っており、ガイドローラ11,11aを案内する。中心軸線2aに沿って見た場合には、ガイドローラ11aと中心軸線2aとの距離はガイドローラ11と中心軸線2aとの距離よりも大きいので、第2のガイド14aの直径はガイド14の直径よりも大きい。
【0029】
図5は、図4に表わす実施例の一部の拡大図である。ガイド14には、第1の案内面15及び第2の案内面16が形成されている。ガイドローラ11には、第1のガイドローラ面17及び第2のガイドローラ面18が形成されている。コンベアが動作している場合には、第1のガイドローラ表面17及び第1のガイド面15が第1の接触位置19で互いに接触しており、第2のガイドローラ面18及び第2のガイド面16が第2の接触位置20で互いに接触している。
【0030】
当該実施例では、ガイドローラ11が円筒状であり、且つ、第1のガイド面15が搬送方向に対して垂直な平面内で回転軸線12に対して平行に延在しているので、第1の接触位置19では線接触している。線接触は数学用語であり、実際には線接触に近い状態であるにすぎないことに留意すべきである。
【0031】
本発明では、図5から理解されるように、第1の接触位置19における第1のガイドローラ面17に対する法線と、第2の接触位置における第2のガイドローラ面18に対する法線とは互いから逸れている。この特徴に起因して、ガイドローラ11はガイド14によって上方(Y方向)及び径方向(X方向)において支持されている。好ましくは、第2の接触位置20では点接触している。この第2の接触位置は第1の接触位置19に非常に近接しているので、第1の接触位置19及び第2の接触位置20におけるガイドローラ11の回転速度の差に起因する、ガイドローラ11とガイド14との滑りを最小限に抑えることができる。このことは、第2のガイド面16が好ましくは第1のガイド面15に隣接しており、ガイドローラ11が円筒状である場合には、第2の接触位置において点接触するために第1のガイド面15から回転軸線12に向かって下方に延在していることを意味する。点接触は数学用語であり、実際には点接触に近い状態であるにすぎないことに留意すべきである。
【0032】
図5の実施例では、ガイド14の断面は溝状(trough-shaped)である。この溝の開口部は、回転軸線12に対して径方向に向いており、螺旋状経路に沿って延在している。溝状のガイド14には、第2のガイド面16が前記開口部の下壁部として形成されており、第1のガイド面15が前記溝の底壁として形成されており、第3のガイド面21が前記溝の上壁部として形成されている。第3のガイド面21は、第2のガイド面16に対向して形成されており、キャリアプレート9がフレームに対して上方(Y方向)に持ち上がった場合に、ガイドローラ11をガイド14に沿って案内するように機能する。
【0033】
図6に表わすガイドローラ11及びガイド14から成る代替的な実施例では、ガイドローラ11はディアボロ状(diabolo shape)の形態である。このガイドローラ11は、例えばナイロンのようなプラスチック製のディアボロ状のカバー要素によって周囲を覆われた円筒状のローラから作られている。当該実施例では、ガイド14の一部は、ディアボロ状のガイドローラ11の周囲に設けられた溝に係止されており、その断面は矩形状である。好ましくは、溝に面したガイドの当該部分の角部が図6に表わすように丸められているので、過剰な局所的接触圧力を避けることができる。
【0034】
ガイド14には、第1のガイド面15及び第2のガイド面16が形成されている。当該実施例では、第2のガイド面16は、第2のガイドローラ面18において上方にディアボロ状のガイドローラ11を支持するように上方に面している。コンベアが動作している場合に、第1のガイドローラ面17及び第1のガイド面15が第1の接触位置19で互いに接触している。第1のガイドローラ面17が円筒状部分から成り、且つ、第1のガイド面15が搬送方向に対して垂直な平面内で回転軸線12に対して平行に延在しているので、第1の接触位置19では線接触している。第2のガイドローラ面18及び第2のガイド面16は、第2の接触位置20で互いに接触している。
【0035】
第2のガイドローラ面18は、第1のガイドローラ面17に隣接しており、回転軸線12から見ると斜め上方に延在している。ディアボロ状のガイドローラの周囲に設けられた溝の開口部においては、その上壁が第2のガイドローラ面18によって形成されており、その底壁が回転軸線12に対して平行に延在するように第1のガイドローラ面17によって形成されており、その下壁が上壁に対向するように第3のガイドローラ面22によって形成されている。第3のガイドローラ面22は、コンベアが動作している際にキャリアプレートが上方に持ち上げられた場合に、ガイドローラをガイドに沿って案内するように機能する。
【0036】
図7は、キャリアプレート9の代替的な実施例を表わす。キャリアプレート9の長手方向長さが比較的短いので、実際にはキャリアプレートは単一のガイドローラ11を備えているにすぎない。この場合には、コンベアには、複数のキャリアプレート9が該コンベアの中心軸線2aの径方向において互いに隣接して配置されている。図7は、長手方向が搬送方向に対して略垂直に延在し、且つ上側搬送面10の平面に対して略平行に延在している3つのキャリアプレート9,9′,9″を(部分的に)表わす。第2のキャリアプレート9′には、第2のキャリアプレートのガイドローラ11′が設けられている。このガイドローラは、第2のキャリアプレートのガイド14′によって案内される。キャリアプレート9は、ガイド14によって支持されており、回転軸線12で効果的な支持位置を有している。当該実施例では、キャリアプレートは、第2の支持位置、この場合には端部分23を含んでいる。キャリアプレート9の端部分23は、回転軸線12から所定距離離隔して配置されている。第2のキャリアプレート9′には、支持位置、この場合には第2のキャリアプレートのガイドローラ11′の回転軸線の近傍に配置された第2のキャリアプレート9′の端部分24が形成されている。
【0037】
第2のキャリアプレート9′の端部分24は、キャリアプレート9の端部分23と係合している。結果として、キャリアプレート9は、ガイドローラ11と、隣接する第2のキャリアプレート9′のガイドローラ11′との両方によって支持されている。端部分23,24は、上側搬送面10が略平坦となるような形状とされる。各端部分23,24での搬送方向におけるキャリアプレート9,9′両方の速度が略同一である場合には、隣接するキャリアプレート9,9′の間には摩擦力が生じない。以上より、本発明が、運転中にキャリアプレートとガイドとの間における抵抗を低くすることは明白である。第1の接触位置及第2の接触位置における第1のガイドローラ面及び第2のガイドローラ面に対する逸れた各法線によって、コンベアは高い駆動効率を実現することができる。
【0038】
本発明は、上述の実施例に限定される訳ではないので、本発明の技術的範囲に属する多様な方法で変更することができる。例えば、キャリアプレートには、略垂直な回転軸線を有する第1のガイドローラと、キャリアプレートを上方にのみ支持するように搬送方向に対して垂直な水平回転軸を有しているもう一つのガイドローラとが設けられている場合がある。キャリアプレート及びガイドには、キャリアプレートが上方に移動することを防止する周知の要素が設けられている場合がある。キャリアプレートが1つのガイドローラを備え、キャリアプレートの第2の部分が滑動可能に支持されている場合がある。ディアボロ状のガイドローラを備えた代替的な実施例では、ガイドローラの第2のガイド面が、2つの同軸に配置されたフランジを備えたディアボロ状のガイドローラの代わりに、例えば円筒状のガイドローラと同軸に配置された唯一のフランジによって形成されている場合がある。第3の接触面が、キャリアプレートが上方に持ち上げられた場合に滑動可能に接触するように形成される場合がある。
【符号の説明】
【0039】
1 フレーム
2 コンベア
2a 中心軸線
8 コンベアベルト
9 キャリアプレート
10 上側搬送面
11 ガイドローラ
11a 第2のガイドローラ
12 回転軸線
14 ガイド
14a 第2のガイド
15 第1のガイド面
16 第2のガイド面
17 第1のガイドローラ面
18 第2のガイドローラ面
19 第1の接触位置
20 第2の接触位置
22 第3のガイドローラ面
23 支持部分
24 支持部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の中心軸線(2a)を中心とする螺旋状の経路を介して垂直方向に製品又はこれに類するものを搬送するためのコンベアであって、前記螺旋状の経路に沿って移動可能であり、且つ、駆動手段によって搬送方向に駆動される、無端コンベアベルト(8)を支持するフレーム(1)を備えている前記コンベアにおいて、
前記無端コンベアベルトは、互いに可動に接続され、且つ、それぞれが上側搬送面(10)を有した、キャリアプレート(9)を含んでおり、
前記フレームは、前記キャリアプレート(9)を前記螺旋状の経路に沿って案内するためにガイド(14)を少なくとも含んでおり、
少なくとも多数の前記キャリアプレート(9)は、前記上側搬送面(10)に対して垂直な方向に延在している要素を有した回転軸線(12)を中心として回転可能なガイドローラ(11)を少なくとも備えており、
前記ガイドローラ(11)は、第1の接触位置(19)で前記ガイド(14)の第1のガイド面(15)と接触している第1のガイドローラ面(17)と、第2の接触位置(20)で前記ガイド(14)に形成された第2のガイド面(16)と接触し、且つ、前記第1の接触位置(19)及び前記第2の接触位置(20)が互いに離隔している第2のガイドローラ面(18)と、を少なくとも有しており、
前記第1の接触位置(19)における前記第1のガイドローラ面(17)に対する法線は、前記第2の接触位置(20)における前記第2のガイドローラ面(18)に対する法線から逸れており、これにより前記ガイドローラが前記ガイドによって上方向及び径方向において支持されていることを特徴とするコンベア。
【請求項2】
前記回転軸線(12)は、前記上側搬送面(10)に対して略垂直に延在していることを特徴とする請求項1に記載のコンベア。
【請求項3】
前記第1の接触位置(19)における前記第1のガイドローラ面(17)に対する法線は、前記回転軸線(12)に対して略垂直とされることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベア。
【請求項4】
前記第1の接触位置(19)は、前記回転軸線(12)の径方向において前記第2の接触位置(20)と同一の位置又はその近傍に位置決めされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンベア。
【請求項5】
少なくとも前記第2のガイド面(17)及び前記第2のガイドローラ面(18)は、前記第2の接触位置(20)で点接触するように適合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンベア。
【請求項6】
前記第1のガイドローラ面(17)は、円筒状のガイドローラ部分によって形成されており、
前記第1のガイド面(15)は、前記搬送方向に対して垂直な平面内で前記回転軸線(12)に対して平行に延在しており、
前記ガイドローラ(11)と前記ガイド(14)とが線接触していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンベア。
【請求項7】
前記第2のガイド面(16)は、前記中心軸線(2a)から前記回転軸線(12)に向かって見た場合に斜め下方に延在している前記第1のガイド面(15)に隣接していることを特徴とする請求項6に記載のコンベア。
【請求項8】
前記ガイドローラ(11)は、円筒状の形態であり、
前記ガイド(14)は、前記搬送方向で見ると溝状の断面を有しており、
前記ガイド(14)は、前記溝状の断面の開口部が前記回転軸線(12)の径方向において前記ガイドローラ(11)を受容するように向いており、
前記溝状の断面の前記開口部の下壁は、前記第2のガイド面(16)であり、その底壁は、前記第1のガイド面(15)であり、その上壁は、前記下壁に対向し且つ第3のガイド面であり、
前記第3のガイド面は、前記コンベアの運転中に前記キャリアプレート(9)が前記回転軸線(12)に対して平行な方向において上方に持ち上げられた場合に、前記ガイドローラ(11)を前記ガイド(14)に沿って案内することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のコンベア。
【請求項9】
前記第2のガイドローラ面(18)は、前記ガイドローラ(11)と同軸に配置された少なくともフランジによって形成されており、
前記フランジは、前記第2のガイドローラ面(18)が前記第1のガイドローラ面(17)に隣接し、且つ、前記回転軸線(12)から径方向に見た場合に斜め上方に延在しているように適合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンベア。
【請求項10】
前記ガイドローラ(11)は、溝が周囲に形成されたディアボロ状の形態とされ、
前記溝は、前記第2のガイドローラ面(18)である上壁と、前記回転軸線(12)と同軸に延在し、前記第1のガイドローラ面(17)である円筒状の底壁と、前記上壁に対向して配置され、第3のガイドローラ面(22)である下壁とによって形成されており、
これにより、前記第3のガイドローラ面は、前記コンベアの動作中に前記キャリアプレート(9)が前記回転軸線(12)に対して平行な方向において上方に持ち上げられた場合に、前記ガイドローラ(11)を前記ガイド(14)に沿って案内することを特徴とする請求項9に記載のコンベア。
【請求項11】
前記キャリアプレート(9)は、前記中心軸線(2a)の径方向において前記ガイドローラ(11)から離隔された第2のガイドローラ(11a)を少なくとも備えており、
前記第2のガイドローラ(11a)は、前記フレームに設けられた第2のガイド(14a)によって支持され、前記第2のガイドに沿って転動するように適合されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のコンベア。
【請求項12】
前記第2のガイドローラ(11a)は、前記ガイドローラ(11)と同一の大きさとされることを特徴とする請求項11に記載のコンベア。
【請求項13】
前記キャリアプレートは、鏡像対称の形態をしており、
前記上側搬送面(10)に対して垂直且つ前記搬送方向に対して平行な平面が、対称線を形成していることを特徴とする請求項11又は12に記載のコンベア。
【請求項14】
前記キャリアプレート(9)は、単一の前記ガイドローラ(11)を含み、
前記キャリアプレート(9)は、前記ガイドローラ(11)の前記回転軸線(12)から離隔された支持部分を備えており、
前記コンベアは、前記中心軸線(2a)の径方向で見ると前記キャリアプレート(9)に隣接する第2のキャリアプレート(9′)を少なくとも含んでおり、
前記第2のキャリアプレート(9′)は、第2のキャリアプレートのガイド(14′)によって支持された第2のキャリアプレートのガイドローラ(11′)と、前記第2のキャリアプレートの前記ガイドローラ(11′)の回転軸線の近傍に配置された支持部分(24)とを少なくとも備えており、
前記支持部分(24)は、前記第2のキャリアプレートの前記ガイドローラ(11′)を介して前記キャリアプレート(9)の支持部分(23)を支持するように、前記キャリアプレート(9)の前記支持部分(23)と係合していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のコンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−504261(P2010−504261A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528739(P2009−528739)
【出願日】平成19年9月24日(2007.9.24)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060091
【国際公開番号】WO2008/037686
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(508170586)
【Fターム(参考)】