説明

コンベヤベルトおよび組立て方法

複数のリンク・エレメントと複数のピボット・ロッドとを含むコンベヤベルトとを含むコンベヤベルト、およびコンベヤベルトの組み立て方法である。各リンク・エレメントは、複数の嵌合エクステンションと周縁に少なくとも1つのエッジ・エクステンションとを含む。複数の嵌合エクステンションは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わされた受容コンパートメントを形成し、横断開口部を含む。複数のピボット・ロッドは、複数の嵌合エクステンションの横断ロッド開口部に受容され、それによって隣接するリンク・エレメントを相互に連結する。エッジ・エクステンションは、ピボット・ロッドの嵌入を可能にするように寸法設定された入口孔とピボット・ロッドの一端を保持する受容コンパートメントとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルト、より詳細には、モジュール式コンベヤベルトに関する。さらに、本発明は、このようなベルトを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤシステムは、一般的に、材料の処理および加工目的で様々な産業分野で使用される。例えば、コンベヤシステムは、食品がある位置から別の位置へと運搬される間に、コンベヤベルトの支持面に配置されて加工される食品加工システムで用いられる。このような用途において、食品は、コンベヤベルト上で運搬される間、加熱・天火焼き・冷凍・洗浄され、あるいはその他の加工を受ける。例えばワイヤメッシュ・コンベヤベルトのような様々な異なる種類のコンベヤベルトがこのような用途で用いられているが、種々のモジュラーベルトは、食品加工システムにおいてとりわけ普及してきた。さらに、そのようなコンベヤシステムは、らせん形アキュムレータでしばしば利用され、例えばLayneらによる米国特許第5,070,999号にコンベヤシステムにおいて大量の貯蔵を可能にするものが開示されている。
【0003】
多くのモジュール式コンベヤベルトは複数のリンク・エレメント(連結部材)を含んでおり、各リンク・エレメントは、隣接するリンク・エレメントのエクステンションと嵌合する、間隔のあいた複数の嵌合エクステンション(インターメッシング・エクステンション)を有する。嵌合するリンク・エレメントは、連続的なコンベヤベルトを形成するため、延出したピボット・ロッド(回転軸)によってヒンジで動くように相互に連結され、複数のリンク・エレメントは搬送面に配備される。このリンク・エレメントは、一般的に、プラスチック、ナイロン、またはその他の複合材料といった非金属材料から形成されている。このようなリンク・エレメントの使用は、とりわけ食品加工用途で普及してきた。なぜなら、搬送面は掃除が容易であり且つ微生物・真菌・ウィルス・バクテリアといった病原体の成長を阻止するように処理できるためである。このような方法で、モジュール式コンベヤベルトは、衛生状態を良くして食品由来の病気の削減に寄与できる。
【0004】
ピボット・ロッドが嵌合したリンク・エレメントに嵌入され、リンク・エレメントに設けられた機構により保持されている種々のコンベヤベルトも公知である。例えば、Tanによる米国特許第5,105,938号は、相互に嵌合され且つロッドによって回動可能な状態で接続されるリンクを有するコンベヤベルトであって、2つの双安定状態位置の1つの所定位置に、ピボット・ロッドを保持するための閉塞した孔を有するリンク上にベルトリンク端が具備されるものを開示する。Tanによる本特許は、ピボット・ロッドの取付けおよび/または除去を可能にする事実上円形状の出入口孔と、回転ロッドを保持するために弾力的に形成された陸線(リッジ)またはくびれ(ウエスト)を開示する。しかしながらこの特許では、リッジの変形によってロッドが陸線上を動かされるようにする必要があり、これは連結具の材料によっては連結具を弱体化させる可能性がある。さらに、ロッドが出入口孔と合わさる位置へ意図せずに移動する場合にピボット・ロッドが思いがけず外れる可能性がある。
【0005】
Hortonらによる米国特許第5,598,916号は、本特許文献のモジュラー式コンベヤベルト・リンクが隆線を含まない点を除いては、上記開示されたTanの発明に類似するモジュール式コンベヤベルトを開示する。このベルトリンク上に具備される孔は、ロッドの取付けおよび取り外しを可能にする。しかしながら本特許において、この孔は、リンクのロッド受容孔と相殺される。これにより、ある角度でのピボット・ロッドの挿入、または、屈曲可能なピボット・ロッドを使用することが必要となる。ある角度でのピボット・ロッドの挿入は扱いにくく、かつしばしば実現困難であるが、一方で屈曲可能なピボット・ロッドを使用することは強度の減少のために、多くの用途で好ましくない。
【0006】
加えて、特にコンベヤベルトの横縁で、他の一体機構を提供する種々の他のモジュラ・コンベヤベルトが提案されてきた。例えば、Guldenfelsによる米国特許第6,523,680は、コンベヤベルトをたたみ込む際に他のリンクと入れ子になるリンク・エレメントの外面にあるエッジリンク端を含む、モジュラ・コンベヤベルトを開示する。Hortonによる米国特許第5,372,248号もまた、操作中にコンベヤベルトを支持するためにサイドレールの支持フランジと嵌合するエッジ面から延出する突出部のあるリンク・エレメントを有するラジアスコンベヤベルトを開示する。この種の支持フランジは、コンベヤベルトのテンティングを防止することが可能である。しかしながら、サイドレールをコンベヤベルトの全長に渡って設けることは、コストがひどく高い。さらに、Knotらによる米国特許第6,644,466号は、モジュールが回転ロッドの端に延出する突出部であって、突起部と狭いヒンジエレメントとの間に適合する突出部を含むプラットフォーム上部ラジアスベルトを開示する。この特許は、ピボット・ロッドがヒンジエレメントの孔へ嵌入するのを可能にするための切欠きを含む。しかし、ロッドが意図せず外れることを防ぐことはしない。
【特許文献1】米国特許第5,070,999号公報
【特許文献2】米国特許第5,105,938号公報
【特許文献3】米国特許第5,598,916号公報
【特許文献4】米国特許第6,523,680号公報
【特許文献5】米国特許第5,372,248号公報
【特許文献6】米国特許第6,644,466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のコンベヤベルトは、例えばピボット・ロッドの取付けおよび保持といった種々の異なるコンベヤベルトの課題に対する解決策を提供する。しかしながら、これらのコンベヤベルトは、コンベヤベルトの使用法に関連するこれらの問題に対する総合的解決策を提供しない。従って、この種の課題に対する総合的解決策を提供するコンベヤベルトへの未実現のニーズが、依然として存在する。とりわけ、ピボット・ロッドの容易な取付けおよび保持を可能にするコンベヤベルトへの未実現のニーズが、依然として存在する。加えて、テンティングの可能性を減少させ、かつコンベヤベルトの最小回転半径を制御する仕組みを提供するコンベヤベルトへの未実現のニーズが、依然として存在する。
【0008】
上記より鑑みて、本発明の一態様は、ピボット・ロッドの容易な取り付け及び保持を可能にする、コンベヤベルトである。
【0009】
本発明の他の優位な点は、操作時のテンティングの可能性を低減するコンベヤベルトを提供する点にある。
【0010】
本発明のさらに別の優位な点は、コンベヤベルトの最小回転半径を制御する仕組みを備えるコンベヤベルトを提供する点にある。
【0011】
本発明の別の態様は、コンベヤベルトの組立て方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施態様によれば、複数のリンク・エレメントおよび複数のピボット・ロッドを備えるコンベヤベルトが提供される。各リンク・エレメントは、その周縁に複数の嵌合エクステンション(嵌合延伸部)および少なくとも1つのエッジ・エクステンション(エッジ延伸部)を含む。複数の嵌合エクステンションは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成し、横断ロッド開口部を含む。複数のピボット・ロッドは、複数の嵌合エクステンションの横断ロッド開口部中に受容され、これにより隣接するリンク・エレメント同士を相互接続する。複数のリンク・エレメントのうちの少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、少なくとも1つのエッジ・エクステンションを通ってピボット・ロッドが挿入可能になるよう寸法設定された入口孔と、突出部が設けられたリンク・エレメント以外の一対のリンク・エレメントを連結するピボット・ロッドを保持するために隣接するリンク・エレメントの入口孔をブロックするよう延びる突出部と、を含む。
【0013】
別の実施態様によれば、横断ロッド開口部のうち少なくともいくつかは、コンベヤベルトの複数のリンク・エレメント同士がたたみこまれるようにするスロット状の開口部になっている。エッジ・エクステンションは、上部フランジおよび下部フランジにより規定される受容スロットであって、リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際に隣接するリンク・エレメントの突出部を受容するように寸法設定されている受容スロットを含んでよい。
【0014】
加えて、エッジ・エクステンションは、ピボット・ロッドの一端を中に受容するロッド受容コンパートメントをさらに含む。エッジ・エクステンションは、更に、少なくとも部分的にロッド受容コンパートメントを規定する横向き障害物を含む。一実施態様において、この障害物は、連続する仕切り(ディバイダ)であってもよい。別の実施態様において、障害物は、一つ以上の突起であってもよい。突起は、実質的にピボット・ロッドの半径と同じ半径でカーブしてもよい。
【0015】
別の実施態様によれば、この突出部は、コンベヤベルトの最小回転半径を制限するために、受容スロットの深さ寸法より長くてもよい。さらに、ドライブ・エクステンション(駆動延伸部)が設けられてもよく、ドライブ・エクステンションは、ロッド・ドライブ開口部と、それ自身を介してピボット・ロッドを受容するカーブしたロッド面を有する横断的なスロット状の開口部とを有する。
【0016】
本発明の別の実施態様において、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成する複数の嵌合エクステンションをリンク・エレメントが含むようなコンベヤベルトが提供され、複数の嵌合エクステンションはそれぞれ中を通る横断ロッド開口部を含み、少なくともいくつかの横断ロッド開口部は、コンベヤベルトの複数のリンク・エレメント同士がたたみ込まれることを可能にするスロット状の開口部であり、また、リンク・エレメントの周縁の少なくとも1つのエッジ・エクステンションであって、突出部、および、リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際に隣接するリンク・エレメント同士を相互に連結するために隣接するリンク・エレメントの突出部を受容するように寸法設定された受容スロット、を含むエッジ・エクステンション、を含む。
【0017】
本発明のさらに別の実施態様では、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成する嵌合する複数の嵌合エクステンションをリンク・エレメントが含むようなコンベヤベルトが提供され、複数の嵌合エクステンションはそれぞれ、中を通る横断ロッド開口部を含み、横断ロッド開口部の少なくともいくつかは、コンベヤベルトの複数のリンク・エレメント同士がたたみ込まれることを可能にするスロット状の開口部であり、また、リンク・エレメントの周縁の少なくとも1つのエッジ・エクステンションであって、コンベヤベルトの周縁のリンク・エレメントがたたみ込まれる程度を制限し、これによりコンベヤベルトの最小回転半径を規定する突出部を含むようなエッジ・エクステンションを含む。
【0018】
別の実施態様において、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成する複数の嵌合エクステンションを複数のリンク・エレメントが含むようなコンベヤベルトが提供され、複数の嵌合エクステンションは、中を通る横断ロッド開口部を含み、横断ロッド開口部のうち少なくともいくつかはスロット状の開口部であり、また、その周縁に少なくとも1つのエッジ・エクステンションであって、エッジ・エクステンションを通ってピボット・ロッドが挿入可能になるよう寸法設定された突出部及び入口孔を含む前記エッジ・エクステンションを含み、リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際に、前記突出部はピボット・ロッドが外れることを防ぐ。
【0019】
本発明のさらに別の実施態様によれば、リンク・エレメントが複数の嵌合エクステンションと、周縁に少なくとも1つのエッジ・エクステンションを有するようなコンベヤベルトが提供され、複数の嵌合エクステンションは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成し、横断ロッド開口部を含む。コンベヤベルトは、複数の嵌合エクステンションの横断ロッド開口部に受容された複数のピボット・ロッドを含み、これによって隣接するリンク・エレメントを相互接続する。複数のリンク・エレメントのうち少なくとも1つのリンク・エレメントのエッジ・エクステンションは、エッジ・エクステンションを通ってピボット・ロッドが嵌入可能になるように寸法設定された入口孔と、ピボット・ロッドの一端を受容するためにロッド受容コンパートメントを少なくとも部分的に規定する横向き障害物と、を含む。この横向き障害物は、ピボット・ロッドの端が、強制的に入口孔からロッド受容コンパートメントへと入れられることを防ぐ。
【0020】
一実施態様によれば、この障害物は、連続的な仕切りである。別の実施態様において、この障害物は少なくとも1つの突起である。この障害物は、エッジ・エクステンションの幅の一部分のみを横切って横幅方向に延びるように設定してもよく、または、エッジ・エクステンションの全幅に渡って横幅方向に延びるように設定することもできる。さらに別の実施態様において、リンク・エレメントは、ピボット・ロッドが受容コンパートメントへと移動可能になるように、ピボット・ロッドの端が横向きの障害物を越えることが可能になるように、横方向に延伸されるように調整されてもよい。
【0021】
本発明のさらに別の実施態様において、リンク・エレメントが複数の嵌合エクステンションと、周縁に少なくとも1つのエッジ・エクステンションとを有するようなコンベヤベルトが提供され、複数の嵌合エクステンションは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成し、スロット状の横断ロッド開口部を含む。コンベヤベルトは、複数の嵌合エクステンションの横断ロッド開口部に受容される複数のピボット・ロッドを含み、これによって隣接するリンク・エレメントを相互接続する。複数のリンク・エレメントのうち少なくとも1つのリンク・エレメントのエッジ・エクステンションは、このエッジ・エクステンションを通ってピボット・ロッドが嵌入可能になるように寸法設定された入口孔と、中でピボット・ロッドの一端を受容するために少なくとも部分的にロッド受容コンパートメントを規定する横向き障害物と、を含む。このロッド受容コンパートメントは、ピボット・ロッドの端が中で転置できるようにピボット・ロッドの端よりも長く寸法設定されている。
【0022】
本発明のさらに別の態様によれば、コンベヤベルトの組立て方法であって、複数のリンク・エレメントを用意するステップを備える方法が提供され、各リンク・エレメントは、横断ロッド開口部を有する複数の嵌合エクステンションと、入口孔及びロッド受容コンパートメントを少なくとも部分的に規定する横向き障害物を含む少なくとも1つのエッジ・エクステンションとを周縁に有する。この方法は、また、複数のピボット・ロッドを用意するステップを含み、一対の隣接するリンク・エレメントを嵌合し、嵌合する一対のリンク・エレメントのうち1つのリンク・エレメントの入口孔を通し、さらに前記横断ロッド開口部を通してピボット・ロッドを嵌入し、それによって嵌合する前記一対のリンク・エレメントを相互接続する。この方法は、ピボット・ロッドの一端が横向き障害物を越えられるように、嵌合する一対のリンク・エレメントを横方向に引き伸ばし、ピボット・ロッドの端を受容コンパートメントへと移動させるステップをさらに含む。別の実施態様によれば、この方法は、さらに、嵌合する一対のリンク・エレメントを通常の寸法に戻すことを可能にするために、引き伸ばされた勘合する一対のリンク・エレメントを解放するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明のこれらの利点及びその他の利点と特徴は、本発明の好適な実施例についての次の詳細な説明を付随の図面と合わせて見れば明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1から図7は、上述したようなコンベヤベルトの使用に関係する種々の問題に対する総合的解決策を提供する本発明の一実施態様に係るコンベヤベルト10の種々の断片図を示す。以下に詳述するように、コンベヤベルト10は、前述のような複数のリンク・エレメントを相互接続するために使用されるピボット・ロッドの容易な取り付けおよび保持を可能にする。さらに、図示されたコンベヤベルト10は、テンティングの可能性を減少させ、さらにコンベヤベルト10の最小回転半径を制御するための仕組みを提供する。本発明の種々の態様およびその利点を、種々の図、特に図1乃至7に関して、以下に記述する。しかしながら、これらの図は、単に本発明の特定の実施態様を示すにすぎないこと、また、本発明は記述される特定の実施態様に限定されないことが、理解される。
【0025】
図1乃至7に示すように、コンベヤベルト10について図示された実施態様は、複数のリンク・エレメント12を備える。ここでは、明瞭な説明を目的として、2つのリンク・エレメントのみが示され、それゆえコンベヤベルト10の一部分のみが示されている。実際の実施態様において、他の多数のリンク・エレメント12が、これらによって連続的なコンベヤベルト10を形成するよう設けられる。さらに、これらの図は、明瞭な説明を目的として、リンク・エレメント12の一部分しか示さないことにも留意されたい。実際の実施態様において、このリンク・エレメント12は、コンベヤベルト10の横幅に広がるように取り付けられうる。当然、他の実施態様においては多数のリンク・エレメントが代わりに横向きに並べられ、コンベヤベルト10の幅に及んでもよい。
【0026】
再び図1乃至7を参照すると、コンベヤベルト10の各リンク・エレメント12は、複数の嵌合エクステンション14と、リンク・エレメント12の周縁にある少なくとも1つのエッジ・エクステンション16とを含む。さらに、図示された実施態様において、リンク・エレメント12には、以下に記載のようにコンベヤベルト10を駆動するために使用されるドライブ・エクステンション18がさらに設けられている。リンク・エレメント12の嵌合エクステンション14は、リンク・エレメント12の前後両方向に延び、例えば、図2に最も明瞭に示すような形で、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するよう寸法が設定された受容コンパートメント20を形成するように間隔を空けている。
【0027】
また、この嵌合エクステンション14は、リンク・エレメント12の幅を横向きに広がる横断ロッド開口部22をさらに含む。この横断ロッド開口部22は、ピボット・ロッド24を受容するよう寸法設定され、それによって図1および図2に示す形で、隣接するリンク・エレメント12の嵌合エクステンション14を全体的に相互接続する。図示した実施態様のピボット・ロッド24は、ステンレススチールのような何らかの適切な材料からできている硬いロッドとして設定されている。さらに、図示された実施態様においては、このピボット・ロッド24には頭部がない、すなわち、その終端にはいかなる構造的特徴もないため、製造コストを最小限にし、且つ複数のリンク・エレメント12同士をともに相互接続するためにピボット・ロッド24のどちらの端からも挿入できる。当然、その他の実施態様において、異なるピボット・ロッド、例えば弾力性があり、且つ/又は、頭部に特徴のあるピボット・ロッドを使用することができる。
【0028】
本実施態様において、横断ロッド開口部22は、図1に示すようにスロット状の開口部として設けられている。嵌合エクステンション14はスロット状の開口部を備えるため、コンベヤベルト10の隣接するリンク・エレメント12同士は、図4及び図5により明確に示されるような入れ子状で全体的にたたみ込まれる。このことは、コンベヤベルト10の一方の端がたたみ込まれることを可能にする一方で、例えば図1に示すように、コンベヤベルト10の他の端が広げられることによって、コンベヤベルト10が軌道に沿って上手く曲がれるようにする。当然、これらの図は、スロット状の開口部が設けられ前後両方向へ広がる嵌合エクステンション14を示すことは、理解されるべきである。その他の実施態様において、ただ1方向に延びる嵌合エクステンション14に、隣接するリンク・エレメント同士がたたみ込まれて回転能力を付与できるようなスロット状の開口部が設けられてもよい。
【0029】
本発明の図示された実施態様において、リンク・エレメント12の嵌合エクステンション14は、図2で最も明瞭に示すように、縦断開口部26をさらに備える。この縦断開口部26は、運搬される物品の加工用のコンベヤベルト10上に支持される物品に、例えばガス、水、もしくはその他の液体を、コンベヤベルト10を通して注ぐことを可能にする。例えば、運搬される物品を洗浄するため、コンベヤベルトを通して水を流すことができる。しかしながら、このような縦断開口部26を設けることは任意であり、さらに、他の実施態様において、嵌合エクステンション14には、コンベヤベルト10上で運搬される物品を支持する閉じた面が設けられてもよい。
【0030】
図1および図4で最も明瞭に示すように、リンク・エレメントのドライブ・エクステンション18には、そこを通過するピボット・ロッド24を受容するためのロッド開口部19が具備されている。この点に関しては、図示された実施態様によれば、ロッド開口部19は、図4乃至図6に示すように、隣接するリンク・エレメント12同士がたたみ込まれるようにスロット状の開口部として設けられている。さらに、このロッド開口部19には、ピボット・ロッド24に対してリンク・エレメント12の動きを容易にするカーブした面21が設けられている。とりわけ、このカーブした面21は、コンベヤベルト10がターンを通り抜ける際にピボット・ロッド24が接触する面を提供する。カーブした面21は、隣接するリンク・エレメント12が曲がる際にリンク・エレメント12にかかるストレスを減少させる。
【0031】
ドライブ・エクステンション18はドライブ開口部23も含んでおり、これを介してピボット・ロッド24へのアクセスが提供される。これは、例えば駆動ホィール(図示せず)のような駆動メカニズムがピボット・ロッド24と係合するのを可能にし、コンベヤベルト10を駆動させる。この点に関しては、上述したように、図示した実施態様のピボット・ロッド24は、例えば、上述した方法でリンク・エレメント12を相互接続し、さらにコンベヤベルト10を駆動しうるに十分な、ステンレス鋼又はその他の適切な材料といった十分硬い材料からできている。
【0032】
当然、コンベヤベルト10について上述した特徴は、単なる一例として提供されるものである。本発明に係るコンベヤベルトの他の実施態様は、本実施態様と関連して記述された各々の特徴を備える必要はないが、いずれかの、または組み合わされた特徴を備えてよい。この点において、他の実施態様では、コンベヤベルトは、ドライブ・エクステンション又はピボット・ロッド24に対する係合を必要としない別の方法で駆動することができる。このように、上述したコンベヤベルト10の駆動機構は、単なる一実施態様の例に過ぎない。
【0033】
図1乃至図7に示す本発明の実施例に係れば、コンベヤベルト10のリンク・エレメント12はさらに、以下でさらに詳述されるような種々の特徴を有するエッジ・エクステンション16を備える。エッジ・エクステンション16に具備されたこれらの特徴は、コンベヤベルト10のピボット・ロッド24の容易な取り付け及び保持を可能にする。なお、これらの特徴はまた、コンベヤベルト10の最小回転半径を制御するための機構をさらに提供する一方で、テンティングの発生を最小化する。
【0034】
上記に関して、エッジ・エクステンション16は、エッジ・エクステンション16を通るピボット・ロッド24の嵌入を可能にし、嵌合されるリンク・エレメント12の横断ロッド開口部22内で受容されるように寸法を設定された入口孔30を備える。以下に詳述されるように、ピボッド・ロッド24の終端は、横向き障害物があることによって、ピボッド・ロッド24が意図されずに外される可能性を減らすようにエッジ・エクステンション16に保持される。さらに、図示された実施態様ではエッジ・エクステンション16は、図4および図6に最も明瞭に示した形で隣接するリンク・エレメント12同士がたたみ込まれる際に、隣接するリンク・エレメントの入口孔30をブロックする突出部32をその一端に備える。この点において、図示された実施態様では、入口孔30は受容スロット34内に設けられているが、これは、本実施態様では、エッジ・エクステンション16から延びる上部フランジ36および下部フランジ38によって規定される。図6の例から分かるように、受容スロット34は、リンク・エレメント12が図4に示す方法でたたみ込まれる際に、隣接するリンク・エレメント12の突出部32を受容するように寸法設定される。コンベヤベルト10を組み立てる間、リンク・エレメント12が並んで相互接続される際に、ピボット・ロッド24は、入口孔30に、そして、嵌合するリンク・エレメント12の横断ロッド開口部22のみならずドライブ・エクステンション18のロッド開口部19も通って、容易に嵌入されうる。
【0035】
図7は、図示した実施態様に従って、リンク・エレメント12の種々の特徴をより明瞭に図示するコンベヤベルト10の断面と、リンク・エレメント12同士が図示した方法でたたみ込まれる際に本実施態様がどのようにして機能するかについて示す。リンク・エレメント12同士が図示した方法でたたみ込まれるように、リンク・エレメント12のエクステンションは、スロット状の開口部に導入される。上述したように、リンク・エレメント12のエッジ・エクステンション16には入口孔30が設けられ、そこからピポット・ロッド24が嵌入され、隣接し嵌合するリンク・エレメント12を相互に接続する。ピボット・ロッド24の端25は、リンク・エレメント12のエッジ・エクステンション16に規定されるロッド受容コンパートメント42に受容される。
【0036】
既に述べたように、リンク・エレメント12のエッジ・エクステンション16は横向き障害物を少なくとも一つ含むが、これはエッジ・エクステンション16を横幅方向に延び、少なくとも部分的に、ロッド受容コンパートメント42を規定する。この横向き障害物44は、エッジ・エクステンション16の幅の少なくとも一部分を横切って横方向に延びる1つまたは複数の突起として作りつけられてよい(図7は、下部フランジ38に隣接する1つの突起だけを示す)。横向き障害物44は、ロッド受容コンパートメント42でピボット・ロッド24の端を保持し、入口孔30経由でピボット・ロッド24が意図しないで除去されてコンベヤベルト10が故障する原因となるようなことを防ぐ。図示した実施態様において、ロッド受容コンパートメント42は、ピボット・ロッド24の端より大きく寸法設定される。このことは、例えば、コンベヤベルトが回転中にたたみ込まれる際に、ピボット・ロッド24の端を、ロッド受容コンパートメント内で転置させることを可能にする。図示された実施態様において、ピボット・ロッド24の端の外寸は、ピボット・ロッド24自体の直径に対応する。しかしながら、頭部に特徴があるような態様においては、ピボット・ロッドの端の外寸は、ピボット・ロッドの直径とは異なる場合もある。
【0037】
図示された横向き障害物44は、実質的にピボット・ロッド24の半径と同じ半径で上方向に湾曲している。当然、他の実施態様において、障害物は、いかなる形状でも実施することができるし、湾曲型である必要もない。障害物は、代替案として、ロッド受容コンパートメント42を部分的に規定する連続的な仕切り(ディバイダ)として設定することができる。しかしながら、ピボット・ロッド24の半径と実質的に同じ半径で湾曲する障害物を設けることによって、受容コンパートメント42内のピボット・ロッド24の移動を容易にすることができ、それによってリンク・エレメント12の耐久性を強化し、その一方で、リンク・エレメント12の製造効率を向上させる。
【0038】
組立ての間、コンベヤベルト10のリンク・エレメント12は互いにかみ合わされ、ドライブ・エクステンション18のロッド開口部19と嵌合エクステンション14の横断ロッド開口部22とは、隣接して互いに繋がるリンク・エレメント12の入口孔30と並ぶ。ピボット・ロッド24は、これらの開口部を通って嵌入され、それにより隣接するリンク・エレメント12を相互接続する。ピボット・ロッド24の端25は、その後、受容コンパートメント42へと移動する。一実施態様においては、これは、ピボット・ロッド24の端25を、障害物44を越えて受容コンパートメント42へと移動させることによって達成することができる。障害物44は、好ましくはピボット・ロッド24の端25が障害物44を越えてロッド受容コンパートメント42へと移動するのを防ぐよう形成される。この点に関して、障害物44は、ピボット・ロッド24が入口孔30から押し出されてロッド受容コンパートメント42へ至るのを妨げることができるように適切に寸法付けされた硬い1つまたは複数の不連続な突起として設定されてよい。別の実施例において、障害物は、ロッド受容コンパートメントを定める連続壁として設定することができる。別の実施態様において、障害物44は、ピボット・ロッド24が入口孔30から強制的に押し出されて障害物を越えてロッド受容コンパートメント42へ至れるように寸法設定された十分な仕様の不連続な突起として設定されてもよい。
【0039】
ピボット・ロッド24の端25が障害物44を通るのを妨げる上述の実施態様において、リンク・エレメント12は、横幅方向に少し引き伸ばされるように調整されているので、コンベヤベルト10の幅は、わずかに増加する。また、ピボット・ロッド24の端25は、その後障害物44の周囲、及びロッド受容コンパートメント42へと移動することが可能である。図7に見られるように、図示した実施態様の横向き障害物44は、エッジ・エクステンション16の横幅に沿って部分的に延びるように寸法設定される。したがって、ピボット・ロッド24の端が横向き障害物44を越えて、ピボット・ロッド24が受容コンパートメント42内に保持されうるようにピボット・ロッド24を取り付ける間、リンク・エレメント12はわずかに引き伸ばす必要があるのみである。当然、その他の実施態様において、この横向き障害物は、エッジ・エクステンション16の横幅いっぱいに延びるよう寸法決めしてもよい。そのような例において、リンク・エレメント12は、ピボット・ロッドの端が横向き障害物を越えるために十分に引き伸ばされるように調整されうる。
【0040】
この点において、ピボット・ロッド24がリンク・エレメント12の向かい合う両端にあるエッジ・エクステンションの横向き障害物の端と端の間の距離よりわずかに長くなる一方で、これらエッジ・エクステンションの受容コンパートメント42の側壁17間の距離よりも小さくなるようにピボット・ロッド24は長さがそれ相応に設定されており、ピボット・ロッド24の2つの端はリンク・エレメント12の向かい合う両端の受容コンパートメント42内で受容されうる。リンク・エレメント12をわずかに引き伸ばすことは、リンク・エレメント12が好ましくはわずかに変形可能なプラスチック又はその他の適切な材料から作られることで可能となる。例えば、リンク・エレメント12は、アセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び/又は、ナイロンといったプラスチックから作ることもできる。当然、その他の適切な材料も使用することができる。さらに、このようなピボット・ロッド24の取り付けは、障害物44が連続的な仕切りとして設定されるような実施態様において同様に実施されると思われる。
【0041】
図1乃至3に示すように、リンク・エレメント12が展開され相互に離れた位置にある際に、ピボット・ロッド24がロッド受容コンパートメント42内に明らかに位置することは、当業者にとって明らかである。このような配置においては、ピボット・ロッド24は、エッジ・エクステンション16の入口孔30とは並ばず、代わりに、上述したように、エッジ・エクステンションのロッド受容コンパートメント42に保持される。
【0042】
しかしながら、コンベヤベルト10が上手く回転していくか、あるいはリンク・エレメント12同士が別なふうにたたみ込まれるような場合において、ピボット・ロッド30が入口孔30に向かって移動してこれと並び、ピボット・ロッド24が入口孔30を通って意図せずに外されてリンク・エレメント12同士の接続を切断し、コンベヤベルト10が故障する原因となる可能性がある。それゆえ、図7に最も明瞭に示すような本実施態様では、隣接するリンク・エレメント12同士がたたみ込まれる際に、エッジ・エクステンション16に設けられるオプションの突出部32が、隣接するリンク・エレメント12の入口孔30をブロックする。このように、例えばコンベヤベルト10が上手く回転していく時、リンク・エレメント12同士がたたみ込まれる際に、突出部32はピボット・ロッド24の意図しない抜けを防ぐ。
【0043】
再び図6に関して、エッジ・エクステンション16に設けられ、且つ、上部フランジ36及び下部フランジ38によって規定される受容スロット34は、リンク・エレメント同士が上述の方法でたたみ込まれる際に、隣接するリンク・エレメント12の突出部32を受容するように寸法設定される。上述のようにピボット・ロッド24を保持するため入口孔30をブロックすることに加え、本組み立て態様はさらに、隣接するリンク・エレメント12の「テンティング」を妨げる。テンティングは、相互接続されたリンク・エレメントがピボット・ロッドに沿って上方向に曲がる際、複数のリンク・エレメント間で発生し、先端でリンク・エレメントがピボット・ロッドとともに傾斜する。当然のことながら、ピボット・ロッドによって枢動可能に接続されたコンベヤベルトのリンク・エレメント同士がたたみ込まれて無理やり互いに押される際に、コンベヤベルトはテンティングしがちである。テンティングが起こると、リンク・エレメントは、もはや実質的に平坦な運搬面を提供せず、それどころか、複数のリンク・エレメントからなる上向きの三角形状の傾斜面を提供してしまう。
【0044】
本発明の前記実施態様は、エッジ・エクステンション16が隣接するリンク・エレメント12の突出部32を受容するための受容スロット34を備える図1乃至図7に示すように、コンベヤベルト10のテンティングを防ぐ。特に、テンティングは図示された実施態様では防止される。なぜなら、突出部32が受容スロット34内で受容される際、受容スロット34を規定する上部フランジ36及び下部フランジ38が、隣接するリンク・エレメント12の突出部32の角度移動を妨げるためである。このように、コンベヤベルトの隣接するエレメント12同士がたたみ込まれると、たたみ込まれた各リンク・エレメント12は互いにかみ合わされ、受容スロット34および突出部32を介して隣接するリンク・エレメントに対するテンティングを防ぐ。
【0045】
本発明の図示した実施態様に従い且つ図7に最も明瞭に示されるように、あるリンク・エレメント12に設けられる突出部32は、隣接するリンク・エレメントを別のリンク・エレメントと連結するピボット・ロッド24を保持するために、隣接するリンク・エレメントの入口孔30をブロックする。言い換えると、あるリンク・エレメントのエッジ・エクステンションから延びる突出部は、この突出部が設けられているリンク・エレメント以外の一対のリンク・エレメントを連結するピボット・ロッドを保持するために隣接するリンク・エレメントの入口孔をブロックする。この特徴は、以下により詳細に記載される。
【0046】
図8及び図9は、本発明の別の実施態様に係るコンベヤベルト110の断面図を示す。この点に関して、コンベヤベルト110は、上述した図1乃至図7に示す実施態様のものと実質的に同様である。よって、コンベヤベルト110に関する種々の詳細であって上述した先の実施態様と同じものについての議論は、反復を避けるためにここでは割愛する。明らかに分かるように、図8に示す実施態様と図1乃至図7に関連する上述の実施態様のものとの主要な差異は、リンク・エレメント112のエッジ・エクステンション116は、連続的な仕切りとして設定された障害物144を備えることである。この障害物144は、ロッド124の端を受容する受容コンパートメント142を部分的に規定する。
【0047】
図9において、コンベヤベルト110の各構成要素は、本発明の特徴をより明瞭に記述するため、符号を伴ってさらに詳細に列挙されている。図示されるように、リンク・エレメント112A乃至112Cのエッジ・エクステンション116A−116Cに設けられる突出部132A乃至132Cは、突出部が設けられたリンク・エレメント以外の一対のリンク・エレメントを連結するピボット・ロッドを保持するために隣接するリンク・エレメントの入口孔130A−130Cをブロックするように延びる。とりわけ、リンク・エレメント112Aのエッジ・エクステンション16Aに設けられた突出部132Aは、リンク・エレメント112Bの入口孔130Bをブロックするために延び、それによって、ピボット・ロッド124Bを保持する。このピボット・ロッド124Bは、リンク・エレメント112B及び112Cを相互接続するが、突出部132Aが設けられたリンク・エレメント112Aは相互接続しない。当然、このブロックする特徴は、その他の実施態様において異なる方法で設けられうる。しかしながら、本実施態様は、コンベヤベルト110を組み立てる間、入口孔130A−130Cが邪魔にならないようにしてピボット・ロッド124A−124Cの嵌入を容易にすることを可能にするという点で、有利である。
【0048】
図10及び図11は、本発明のさらに別の実施態様に係るコンベヤベルト210の、斜視図と側面図を示す。この点に関して、コンベヤベルト210は、上述した図1乃至図7に示す実施態様と実質的に同様である。従って、コンベヤベルト210の種々の詳細についての議論は、反復を避けるためにここでは割愛する。コンベヤベルト210の主要な特徴は、図10及び図11に示すように、リンク・エレメント212のエッジ・エクステンション216が、受容スロット234の深さよりも大きい長さ寸法を有する突出部232を備えることである。このように、コンベヤベルト210のリンク・エレメント212同士がたたみ込まれる際に、この突出部232は、隣接するリンク・エレメント212の受容スロット234内に部分的に受容されるのみであり、これによりこのリンク・エレメント212の完全な入れ子化を防いでいる。
【0049】
突出部232は受容スロット234の深さ寸法より長いことから、コンベヤベルト210の効果的な最小回転半径を制御することができる。言い換えると、この突出部232は、その端で2つの隣接するリンク・エレメント212同士がたたみ込まれうる程度を制限する。これは、コンベヤベルト210の最小回転半径を効率的に決定するので、コンベヤベルトは、特定の最小回転半径を必要とする用途に対して特にデザインされうる。当然、図10及び図11に示されるコンベヤベルト210は、単なる一実施態様であり、突出部232は、コンベヤベルト210が適用される特定の用途へのニーズに従って(受容スロットの深さに関連する)長さを有するようにデザインすることができる。図示の実施態様のエッジ・エクステンション216は、上述した方法でリンク・エレメント112のテンティングを防止するように、上部フランジ236及び下部フランジ238によって規定される受容スロット234も備えている。
【0050】
図12は、本発明のさらに別の実施態様に係るリンク・エレメント312を有するコンベヤベルト310のセグメントの微細構造を示す断面である。ここでも、コンベヤベルト310は、上述した実施態様と実質的に同様であり、それゆえ、種々の詳細は反復を避けるため、ここでは割愛する。しかしながら、リンク・エレメント312のエッジ・エクステンション316は、スロットを形成する受容スロット及びフランジを備えていない。このように、本実施態様において、突出部32は、隣接するリンク・エレメント312の入口孔330をブロックするためにのみ使用される。当然、この突出部332は、コンベヤベルト310の最小回転半径のさらなる制御を可能にするため、他の実施態様においてさらに延長することができる。しかしながら、その他の実施態様に関連する上記説明からして、受容スロットを設けることは、リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際に前記リンク・エレメント間のテンティングを防ぐという点で、有益であることは、明らかである。
【0051】
図13は、上記で説明した実施態様にいくらか類似する本発明のさらに別の実施態様に係るリンク・エレメント412を有するコンベヤベルト410のセグメントの微細構造を示す断面図を示す。しかしながら、図13で分かるように、リンク・エレメント412のエッジ・エクステンション416は、オプションの突出部を備えていない。このように、本実施態様において、隣接し相互に嵌合するリンク・エレメント412を相互接続するために、ピボット・ロッド424は入口孔430に嵌入され、さらに、リンク・エレメント412のエッジ・エクステンション416に設けられた横向き障害物444によって、ロッド受容コンパートメントに保持される。
【0052】
当然のことながら、本発明の図示された実施態様では突出部が設けられないため、入口孔430は開いている。その結果として、ピボット・ロッド424は入口孔430へ移動してさらに入口孔430を通過して意図せずに外され、これによってリンク・エレメント412が断絶してコンベヤベルト410が故障する原因となるという、潜在的なリスクが存在する。しかしながら、横向き障害物444が、ピボット・ロッド424の端が入口孔430へと移動するのを防ぐことから、この潜在的リスクはそれほど高くはない。なお、上述したように、ピボット・ロッド424は、リンク・エレメント412の向かい合う端にある横向き障害物444の端と端の間の寸法よりピボット・ロッド24がわずかに長くなるように長さが相応に寸法設定され、それゆえ、コンベヤベルト410の作動時において、ピボット・ロッドの抜けをさらに防ぐ。当然、ピボット・ロッド424が入口孔430を通って意図せずに外されるというリスクをさらに最小限にするために、入口孔をブロックする突出部を含む本発明の上述した実施態様のうち1つを活用することができる。
【0053】
図14は、本発明の別の態様に係る組立て方法を使用して組み立てられる上述の図13のコンベヤベルト410のセグメントを示す。最初に、リンク・エレメント412が図示のように相互に嵌合されるよう、隣接するリンク・エレメント412同士がたたみ込まれる。次に、ピボット・ロッド424が入口孔430に嵌入され、前記ピボット・ロッド424の一端は、リンク・エレメント412の反対側の端に設けられるエッジ・エクステンションのロッド受容コンパートメント(図示せず)に受容される。ピボット・ロッド424の長さによって、図14に図示されないピボット・ロッド424の他方の端は横向き障害物444を完全には越えず、ピボッド・ロッド424がロッド受容コンパートメント444へと移動することが可能になる。
【0054】
本発明の方法によれば、嵌合するリンク・エレメント412は、この後、矢印「A」の方向にわずかに引き伸ばされ、その結果、リンク・エレメント412の横方向の幅寸法がわずかに増加する。先述のように、このわずかな伸びは、リンク・エレメント412がわずかに変形可能なプラスチックまたはその他の適切な材料から好ましくは作られれば可能である。この嵌合するリンク・エレメント412のわずかな引き伸ばしは、ピボット・ロッド424の端がエッジ・エクステンション416の横向き障害物444を越え、矢印「B」で示されるようにロッド受容コンパートメント442へと移動することを可能とする。これらロッド受容コンパートメント442はその後、解放され、もはや引き伸ばされることなく通常のサイズに戻る。リンク・エレメント412が通常の横方向の幅寸法に戻ると、ピボット・ロッド424の端はロッド受容コンパートメント442内に完全に受容され、横向き障害物444によってその内部に保持される。嵌合するリンク・エレメント412はその後、使用中、図13に示すように、相互に離れる方向に展開されうる。例えばコンベアベルト410を補修するためにピボット・ロッド424を外すためには、単純に上述のステップを逆にすればよい。
【0055】
最後に、上に示され述べられた本発明の実施態様において、入口孔と横向き障害物はエッジ・エクステンションの誘導端に設けられ、その結果、操作する際にピボット・ロッドがエッジ・エクステンションの追従端へと移動して入口孔及び横向き障害物から離れる。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、他の実施態様ではエッジ・エクステンションの追従端に配置された入口孔及び横向き障害物を伴うように設定することもできる。そのような実施態様において、横向き障害物は、ピボット・ロッドが横向き障害物を強引に通って入口孔に並ぶことができないように、連続的な仕切りとして設定されるべきである。
【0056】
上記の観点から、本発明がピボット・ロッドの容易な取り付け及び保持を可能にするコンベヤベルトをどのようにして提供するか、明らかなはずである。特に、上述の実施態様のコンベヤベルトが、そのようなコンベヤベルトの使用と関連する多くの課題に対する総合的解決策をどのようにして提供するか、当業者には明らかなはずである。さらに、一実施態様にかかるコンベヤベルトが、どのようにして最小の回転半径を制御する機構をさらに提供する一方で、テンティングを防ぐかについてもまた、明らかなはずである。さらに、コンベヤベルトのユニーク且つ斬新な組立て方法を提供することもまた、明らかなはずである。
【0057】
本発明に係る種々の実施態様が示され且つ記述されたが、本発明はそれらに限定されない事が理解される。本発明は、当業者により変更されたり修正されたりできるし、また、さらに応用することもできる。従って、本発明は、上述した詳細に限定されるものではなく、全ての変更及び修正を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施態様に係る一対のリンク・エレメントを有するコンベヤベルトの断片の側面斜視図である。
【図2】図1に示すコンベヤベルトの微細構造図である。
【図3】図1に示すコンベヤベルトの側面図である。
【図4】リンク・エレメント同士がたたみ込まれている図1に示すコンベヤベルトの側面斜視図である。
【図5】図4に示すコンベヤベルトの微細構造図である。
【図6】図4に示すコンベヤベルトの端縁面図である。
【図7】図6に示す微細構造図に示すコンベヤベルトの断面図である。
【図8】本発明の別の実施態様に係るリンク・エレメントを有するコンベヤベルトの断片の微細構造を示す断面図である。
【図9】リンク・エレメント同士がたたみ込まれている図8のコンベヤベルトである。
【図10】本発明の別の実施例に係る一対のリンク・エレメントを有するコンベヤベルトのセグメントを側面斜視図である。
【図11】図10に示すコンベヤベルトの端縁面図である。
【図12】本発明のさらに別の実施例に係るリンク・エレメントを有するコンベヤベルトのセグメントの微細構造を示す断面図である。
【図13】本発明のさらに別の実施例に係るリンク・エレメントを有するコンベヤベルトのセグメントの微細構造を示す断面図である。
【図14】本発明の方法に係り組み立てられた図13のコンベヤベルトのセグメントを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリンク・エレメントであって、各リンク・エレメントは嵌合エクステンション及び周縁に少なくとも1つのエッジ・エクステンションを有し、前記複数の嵌合エクステンションは隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成し、横断ロッド開口部を含む、複数のリンク・エレメントと、
前記嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に受容され、これによって隣接するリンク・エレメントを相互接続する複数のピボット・ロッドと、を含むコンベヤベルトであって、
前記複数のリンク・エレメントのうちの前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションを通ってピボット・ロッドが嵌入可能になるよう寸法設定された入口孔と、突出部であって前記突出部が設けられた前記リンク・エレメント以外の一対のリンク・エレメントを連結するピボット・ロッドを保持するために隣接するリンク・エレメントの入口孔をブロックするように延出する突出部と、を含むことを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項2】
前記横断ロッド開口部の少なくともいくつかは、前記コンベヤベルトの前記複数のリンク・エレメント同士がたたみ込まれることを可能にするスロット状の開口部であることを特徴とする、請求項1記載のコンベヤベルト。
【請求項3】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、上部フランジおよび下部フランジによって規定される受容スロットを含み、前記受容スロットは、前記リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際に、隣接するリンク・エレメントの突出部を受容するよう寸法設定されていることを特徴とする、請求項2記載のコンベヤベルト。
【請求項4】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、ピボット・ロッドの端を受容するためのロッド受容コンパートメントをさらに含むことを特徴とする、請求項1記載のコンベヤベルト。
【請求項5】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、前記ロッド受容コンパートメントを少なくとも部分的に範囲決めする横向き障害物をさらに含むことを特徴とする、請求項4記載のコンベヤベルト。
【請求項6】
前記障害物は、連続的な仕切りであることを特徴とする、請求項5記載のコンベヤベルト。
【請求項7】
前記障害物は、少なくとも1つの突起であることを特徴とする、請求項5記載のコンベヤベルト。
【請求項8】
前記突起は、前記ピボット・ロッドの半径と実質的に同じ半径でカーブすることを特徴とする、請求項7記載のコンベヤベルト。
【請求項9】
前記突出部は、前記受容スロットの深さ寸法より長いことを特徴とする、請求項3記載のコンベヤベルト。
【請求項10】
ロッド・ドライブ開口部と、それ自体を介してピボット・ロッドを受容するためのカーブしたロッド面を有する横断的なスロット状の開口部とを有するドライブ・エクステンションをさらに備えることを特徴とする、請求項1記載のコンベヤベルト。
【請求項11】
複数のリンク・エレメントであって、各リンク・エレメントが、
隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成する複数の嵌合エクステンションであって各々がその中を通る横断ロッド開口部を含み、前記横断ロッド開口部の少なくともいくつかは前記コンベヤベルトの前記複数のリンク・エレメント同士がたたみ込まれることを可能にするスロット状の開口部である、複数の嵌合エクステンション、および、
前記リンク・エレメントの周縁にある少なくとも1つのエッジ・エクステンションであって、突出部と、前記リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際に隣接するリンク・エレメントを相互に連結するために隣接するリンク・エレメントの突出部を受容するよう寸法設定された受容スロットと、を含む、少なくとも1つのエッジ・エクステンションを含む、複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記ロッド開口部に受容され、これによって隣接するリンク・エレメントを相互接続する複数のピボット・ロッドと、を含むことを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項12】
前記受容スロットは、上部フランジ及び下部フランジによって規定されていることを特徴とする、請求項11記載のコンベヤベルト。
【請求項13】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは前記受容スロットに配置される入口孔をさらに含み、前記入口孔は、一対の隣接するリンク・エレメントの前記少なくとも1つのエッジ・エクステンション及び前記ロッド開口部を通ってピボット・ロッドが嵌入可能になるよう寸法設定されていることを特徴とする、請求項11記載のコンベヤベルト。
【請求項14】
前記突出部は、隣接するリンク・エレメント同士がたたみ込まれる際にピボット・ロッドを保持するために隣接するリンク・エレメントの入口孔をブロックする前記受容スロットまで延びることを特徴とする、請求項11記載のコンベヤベルト。
【請求項15】
前記突出部によって保持される前記ピボット・ロッドは、前記突出部が設けられた前記リンク・エレメント以外の一対のリンク・エレメントを相互接続することを特徴とする、請求項14記載のコンベヤベルト。
【請求項16】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、中でピボット・ロッドの一端を受容するためのロッド受容コンパートメントを含むことを特徴とする、請求項11記載のコンベヤベルト。
【請求項17】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、前記ロッド受容コンパートメントを少なくとも部分的に規定する横向き障害物をさらに含むことを特徴とする、請求項16記載のコンベヤベルト。
【請求項18】
前記障害物は、連続的な仕切りであることを特徴とする、請求項17記載のコンベヤベルト。
【請求項19】
前記障害物は、少なくとも1つの突起であることを特徴とする、請求項17記載のコンベヤベルト。
【請求項20】
前記少なくとも1つの突起は、前記ピボット・ロッドの半径と実質的に同じ半径でカーブすることを特徴とする、請求項19記載のコンベヤベルト。
【請求項21】
前記突出部は、前記受容スロットの深さ寸法よりも長いことを特徴とする、請求項11記載のコンベヤベルト。
【請求項22】
ロッド・ドライブ開口部と、それを介してピボット・ロッドを受容するためのカーブしたロッド面を有する横断的なスロット状の開口部とを有するドライブ・エクステンションをさらに備えることを特徴とする、請求項11記載のコンベヤベルト。
【請求項23】
複数のリンク・エレメントであって、各リンク・エレメントが、
隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成する複数の嵌合エクステンションであって各々がその中を通る横断ロッド開口部を含み、前記横断ロッド開口部の少なくともいくつかは前記コンベヤベルトの前記複数のリンク・エレメント同士がたたみ込まれることを可能にするスロット状の開口部である、複数の嵌合エクステンション、および、
前記リンク・エレメントの周縁にある少なくとも1つのエッジ・エクステンションであって、前記コンベヤベルトの前記周縁の前記リンク・エレメントがたたみ込まれる程度を制限してそれによって前記コンベヤベルトの最小の回転半径を定める突出部を含む、少なくとも1つのエッジ・エクステンション、を含む、複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記ロッド開口部に受容され、これによって隣接するリンク・エレメントを相互接続する複数のピボット・ロッドと、を含むことを特徴とする前記コンベヤベルト。
【請求項24】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、前記リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際に隣接するリンク・エレメントを相互に連結するために隣接するリンク・エレメントの突出部を受容するように寸法設定された受容スロットをさらに含み、これによって前記リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際にテンティングを防ぐことを特徴とする、請求項23記載のコンベヤベルト。
【請求項25】
前記突出部は、前記受容スロットの深さ寸法より長いことを特徴とする、請求項24記載のコンベヤベルト。
【請求項26】
複数のリンク・エレメントであって、各リンク・エレメントが、
隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成する複数の嵌合エクステンションを含み、前記複数の嵌合エクステンションはその中を通る横断ロッド開口部を含み、前記横断ロッド開口部の少なくともいくつかはスロット状の開口部である、複数の嵌合エクステンション、および
周縁にある少なくとも1つのエッジ・エクステンションであって、突出部と、前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションを通ってピボット・ロッドが嵌入可能になるよう寸法設定された入口孔とを含む、少なくとも1つのエッジ・エクステンションを含む、複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記ロッド開口部に受容され、これによって隣接するリンク・エレメントを相互接続する複数のピボット・ロッドと、を含むコンベヤベルトであって、
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションの前記突出部は、前記リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際にピボット・ロッドが外れることを防ぐことを特徴とする、前記コンベヤベルト。
【請求項27】
前記突出部は前記ピボット・ロッドを保持するための入口孔をブロックするよう延び、前記ピボット・ロッドは前記突出部が設けられた前記リンク・エレメント以外の一対のリンク・エレメントを相互接続することを特徴とする、請求項26記載のコンベヤベルト。
【請求項28】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、上部フランジ及び下部フランジによって規定される受容スロットをさらに含み、前記受容スロットは、前記リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際に隣接するリンク・エレメントの突出部を受容するよう寸法設定されていることを特徴とする、請求項26記載のコンベヤベルト。
【請求項29】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、中で前記ピボット・ロッドの一端を受容するためのロッド受容コンパートメントをさらに含むことを特徴とする、請求項26記載のコンベヤベルト。
【請求項30】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、前記ロッド受容コンパートメントを少なくとも部分的に規定する横向き障害物をさらに含むことを特徴とする、請求項26記載のコンベヤベルト。
【請求項31】
複数のリンク・エレメントであって、各リンク・エレメントは複数の嵌合エクステンションと周縁に少なくとも1つのエッジ・エクステンションとを有し、前記複数の嵌合エクステンションは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成し横断ロッド開口部を含む、複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に受容され、これによって隣接するリンク・エレメントを相互接続する複数のピボット・ロッドと、を含むコンベヤベルトであって、
前記複数のリンク・エレメントのうち少なくとも1つの前記リンク・エレメントの前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションを通ってピボット・ロッドが嵌入可能になるように寸法設定された入口孔と、中で前記ピボット・ロッドの一端を受容するロッド受容コンパートメントを少なくとも部分的に規定する横向き障害物とを含み、前記横向き障害物は、前記ピボット・ロッドの前記端が前記入口孔から前記ロッド受容コンパートメントへ強制的に入れられることを防ぐ、ことを特徴とする、前記コンベヤベルト。
【請求項32】
前記障害物は、連続的な仕切りであることを特徴とする、請求項31記載のコンベヤベルト。
【請求項33】
前記障害物は、少なくとも1つの突起であることを特徴とする、請求項31記載のコンベヤベルト。
【請求項34】
前記突起は、前記ピボット・ロッドの半径と実質的に同じ半径でカーブすることを特徴とする、請求項33記載のコンベヤベルト。
【請求項35】
前記障害物は、前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションの幅の一部分のみを横切って横幅方向に延びることを特徴とする、請求項31記載のコンベヤベルト。
【請求項36】
前記障害物は、前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションの全幅に渡って横幅方向に延びることを特徴とする、請求項31記載のコンベヤベルト。
【請求項37】
前記ピボット・ロッドが前記受容コンパートメントへ移動可能となるよう、前記ピボット・ロッドの前記端が前記横向き障害物を越えることを可能にするため、前記複数のリンク・エレメントの前記少なくとも1つが、横方向に延伸されるように調整されることを特徴とする、請求項31記載のコンベヤベルト。
【請求項38】
前記横断ロッド開口部の少なくともいくつかは、前記コンベヤベルトの前記複数のリンク・エレメント同士がたたみ込まれることを可能にするスロット状の開口部であることを特徴とする、請求項31記載のコンベヤベルト。
【請求項39】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションに配置され隣接するリンク・エレメントの入口孔をブロックするよう延出する突出部をさらに含むことを特徴とする請求項31記載のコンベヤベルト。
【請求項40】
前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは上部フランジ及び下部フランジによって規定される受容スロットをさらに含み、前記受容スロットは、前記リンク・エレメント同士がたたみ込まれる際に隣接するリンク・エレメントの突出部を受容するよう寸法設定されていることを特徴とする、請求項39記載のコンベヤベルト。
【請求項41】
複数のリンク・エレメントであって、各リンク・エレメントは、複数の嵌合エクステンションと周縁に少なくとも1つのエッジ・エクステンションとを有し、前記複数の嵌合エクステンションは、隣接するリンク・エレメントの嵌合エクステンションを受容するように合わせられた受容コンパートメントを形成し、横断ロッド開口部を含み、前記複数の嵌合エクステンションのうちいくつかの前記横断ロッド開口部はスロットである、前記複数のリンク・エレメントと、
前記複数の嵌合エクステンションの前記横断ロッド開口部に受容され、これによって隣接するリンク・エレメントを相互接続する複数のピボット・ロッドと、を含むコンベヤベルトであって、
前記複数のリンク・エレメントのうち少なくとも1つの前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションは、前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションを通ってピボット・ロッドが嵌入可能になるよう寸法設定された入口孔と、中で前記ピボット・ロッドの一端を受容するロッド受容コンパートメントを少なくとも部分的に規定する横向き障害物と、を含み、前記ロッド受容コンパートメントは、前記ピボット・ロッドの前記端が中で転置できるように、前記ピボット・ロッドの前記端よりも大きいことを特徴とする、コンベヤベルト。
【請求項42】
コンベヤベルトの組み立て方法であって、
複数のリンク・エレメントであって、各リンク・エレメントは横断ロッド開口部を有する複数の嵌合エクステンションと周縁に少なくとも1つのエッジ・エクステンションとを有し、前記少なくとも1つのエッジ・エクステンションが、入口孔と少なくとも部分的にロッド受容コンパートメントを規定する横向き障害物とを含む、複数のリンク・エレメントを用意し、
複数のピボット・ロッドを用意し、
一対の隣接するリンク・エレメントを相互に嵌め合わせ、
ピボット・ロッドを、前記嵌合した一対のリンク・エレメントのうちの1つの前記入口孔を通して、かつ、前記嵌合する一対のリンク・エレメントの前記横断ロッド開口部を通して嵌入させ、これによって前記嵌合した一対のリンク・エレメントを相互接続し、
前記ピボット・ロッドの一端が前記横向き障害物を越えられるように前記嵌合した一対のリンク・エレメントを横方向に引き伸ばし、
前記ピボット・ロッドの前記端を前記受容コンパートメントへと移動させるステップを含むことを特徴とする、コンベヤベルトの組立て方法。
【請求項43】
前記一対のリンク・エレメントが通常の寸法に戻ることを可能にするために前記引き伸ばされた嵌合する一対のリンク・エレメントを解放するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記障害物は、連続的な仕切りであることを特徴とする、請求項42記載の方法。
【請求項45】
前記障害物は、少なくとも1つの突起であることを特徴とする、請求項42記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−523024(P2007−523024A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554105(P2006−554105)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/002419
【国際公開番号】WO2005/082750
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(506278370)アシュワース・ブロス・インク (2)
【Fターム(参考)】