説明

コンベヤ駆動装置

【課題】部品点数を削減して納期の短縮化とコストダウンを図り得ると共に、効率を高めて省エネルギ化とコンパクト化を図ることができ、更に外観向上をも図り得るコンベヤ駆動装置を提供する。
【解決手段】コンベヤ1の駆動軸2をダイレクトドライブ方式で回転駆動する永久磁石同期モータ3が、低保持力の永久磁石である可変磁石を備えた可変磁束モータ3aであり、回転数に応じて可変磁石に磁化電流を供給し磁束を制御することにより、可変磁束モータ3aが所定の回転数範囲内でトルク一定となるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、空港、郵便局、配送センター、トラックターミナル等の物流施設では荷物を運搬するためのベルトコンベヤやローラコンベヤ等のコンベヤが設置されている。これらの物流施設では、一つ一つの搬送物(ワーク)については、人が運べる重さ及び容積程度のものを運搬する。
【0003】
従来、コンベヤを駆動するためのモータとしては、構造や取扱いの簡便さ、安価なこと及び民生用として多種多容量の品揃えがあることから、インダクションモータ(誘導電動機)が汎用的に使用される。通常、前記の物流施設における前記コンベヤを駆動するためのインダクションモータの容量としては、0.2[kw]、0.4[kw]、0.75[kw]、1.5[kw]、2.2[kw]、3.0[kw]、3.7[kw]である七種類のモータが、その必要搬送トルクにより選定されるよう用意され、コンベヤの能力に応じて所望の容量のモータが選定されるようになっている。
【0004】
コンベヤを駆動する駆動源であるモータは、搬送するワークの速さ、必要な力に合わせて出力、つまりモータ容量を選定するが、一般に搬送するワークの速度に対して、電動機の回転速度は速く、回転力(トルク)は小さいものである。駆動源の出力P(W)は次式で表される。
[数1]
P=(T・N)/97.3
ここで、P:出力(W)、T:トルク(kgf・cm)、97.3:定数、N:回転数(rpm) ・・・(1)
【0005】
そして、前記コンベヤの駆動軸に対し減速機を介して前記選定されたモータが接続されるようになっている。(1)式によって、出力一定とすると、回転数Nを減らすと、トルクTを増加させることができ、つまり減速機は、速度を減速しながらトルクを増幅するのである。これにより、搬送するワークの速度や搬送必要力に対して、出力一定においては使いやすいインダクションモータを適用させることができる。
【0006】
尚、前述の如きコンベヤを駆動するモータと関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1、2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平06−280946号公報
【特許文献2】特開2005−263386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の如き従来のインダクションモータを適用したコンベヤ駆動装置においては、各種施設における様々なワークの搬送に適応させる、搬送するワークの速度や搬送必要力をカバーするため、モータ出力とその回転数に応じて、必要トルクと回転数から網羅していくと、前記容量の異なるモータ毎にそれぞれ減速比の異なる八種類前後の減速機を必要としていた。
【0009】
インダクションモータの場合、前述のように搬送するワークの速度に対して、電動機の回転速度は速く、回転力(トルク)は小さいものであり、たとえインバータにより電源周波数を変化させて周波数を小さくすることで電動機回転速度を遅くできても、トルクも小さくなってしまう。又、電動機の極数を増やすと回転速度は小さくできるが、スペースも小さくなって各極でのコイル巻きに制限ができ基本的にトルクも小さくなるし、トルクを変えないままで極数可変とするのは無理である。このように搬送力の確保ができないため、どうしてもトルクを増幅できる減速機を必要とするからである。
【0010】
このため、前記コンベヤの駆動部における構成部品も相当数の種類が必要となり、部品点数が増えて納期が長引くと共に、コストアップにもつながるという欠点を有していた。
【0011】
又、前記モータからコンベヤの駆動軸に至る回転力伝達経路中に減速機が設けられているため、効率が低下すると共に、装置全体をコンパクト化することが難しく、外観も悪くなるという不具合があった。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、インバータ装置によって通電制御する永久磁石モータについてその制御を工夫することでコンベヤ駆動装置に利用し、搬送するワークの速度に対して、電動機の回転速度をマッチングさせ、且つ、必要回転力(トルク)の確保可能なダイレクトドライブ駆動装置として適用することで、少品種のモータに限定できて、部品点数を削減して納期の短縮化とコストダウンを図り得ると共に、効率を高めて省エネルギ化とコンパクト化を図ることができ、更に外観向上をも図り得るコンベヤ駆動装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、コンベヤの駆動軸をダイレクトドライブ方式で回転駆動する、三相電源がベクトル制御インバータ装置から供給され、回転軸に固定された永久磁石回転子とその周囲外側に位置するステータとからなるインナーロータ型永久磁石同期モータを備えたコンベヤ駆動装置であって、
前記永久磁石同期モータは、前記回転子に設ける永久磁石の一部に低保持力の永久磁石で、かつ前記回転子鉄心中に回転子の径方向に平行に設ける可変磁石を備えた可変磁束モータであり、
前記ベクトル制御インバータ装置は、前記ステータの巻線に駆動電流を供給するインバータ主回路と、トルク一定制御器からなり、
前記トルク一定制御器は、
前記ステータの巻線に電流を通電する配線に配設された電流センサ、及び該電流センサにより検出された電流信号を変換して磁界と平行なD軸電流とこれに直交するQ軸電流とに分離する座標変換部とで作成したベクトル電流計測値を、前記コンベヤの駆動軸の設定回転数から演算された電流設定値とともに電圧指令演算部に入力し、該電圧指令演算部で演算され出力されたD軸電圧とQ軸電圧を、2相/3相変換し3相電圧信号を形成し、前記配線を介して各ステータ巻線に供給する直流電流のスイッチングを制御するPWM回路へ与えてステータに供給する電流をベクトル制御し、
前記コンベヤの駆動軸の設定回転数に応じた強度のD軸電流を、前記ステータの巻線を介して誘起電圧を発生する電流として前記可変磁石に供給し、前記回転子の径方向の磁束を制御することにより、
前記可変磁束モータが所定の回転数範囲内でトルク一定となるよう構成したことを特徴とするコンベヤ駆動装置にかかるものである。
【0014】
本発明のコンベヤ駆動装置は、
前記トルク一定制御器には、
前記可変磁石に供給するための、前記ステータの巻線を介して誘起電圧を発生するD軸電流、及びQ軸電流は、磁化モードとして段階的に設定されていることを特徴とするコンベヤ駆動装置にかかるものである。
【0015】
本発明のコンベヤ駆動装置において、
段階的に設定される前記磁化モードを切り替えるフラグは、
前記永久磁石同期モータの回転数として、300rmpから800rpmの何れかの数値を所定の設定回転数として立てることを特徴とするコンベヤ駆動装置にかかるものである。
【0016】
本発明のコンベヤ駆動装置は、
前記可変磁束モータは、回転子鉄心の中に高保磁力の永久磁石と低保磁力の永久磁石とを組合わせて配置するIPMモータであり、
前記可変磁石である低保磁力の永久磁石は、前記回転子鉄心の前記ステータ巻線発生の磁界による磁極部の両側に、回転子鉄心の中に埋め込まれ、磁極間の中心軸になるQ軸と一致する回転子の半径方向に沿って配置され、
高保磁力の永久磁石は、回転子鉄心内に埋め込まれ、2個の可変磁石により回転子内周側で挟まれるように回転子のほぼ周方向に配置され、回転子の周方向に対してほぼ直角方向に磁化されていることを特徴とするコンベヤ駆動装置にかかるものである。
【0017】
本発明のコンベヤ駆動装置は、
回転軸に固定された前記永久磁石回転子に固定された回転軸が中空のいわゆるホローシャフトになっていることを特徴とするコンベヤ駆動装置にかかるものである。
【0018】
前記コンベヤ駆動装置においては、単位長さ当りの搬送物重量の上限が50[kg/m]、
コンベヤ速度の上限が200[m/min]、
コンベヤ機長の上限が10[m]である一般物流用のコンベヤに適用することが有効となる。
【0019】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0020】
前述の如く、ココンベヤの駆動軸をダイレクトドライブ方式で回転駆動する、三相電源がベクトル制御インバータ装置から供給され、回転軸に固定された永久磁石回転子とその周囲外側に位置するステータとからなるインナーロータ型永久磁石同期モータを備え、永久磁石同期モータは、前記回転子に設ける永久磁石の一部に低保持力の永久磁石で、かつ前記回転子鉄心中に回転子の径方向に平行に設ける可変磁石を備えた可変磁束モータであり、電圧指令演算部で演算され出力されたD軸電圧とQ軸電圧を、2相/3相変換し3相電圧信号を形成し、前記配線を介して各ステータ巻線に供給し、コンベヤの駆動軸の設定回転数に応じた強度のD軸電流を、前記ステータの巻線を介して誘起電圧を発生する電流として前記可変磁石に供給し、前記回転子の径方向の磁束を制御することにより、
前記可変磁束モータが所定の回転数範囲内でトルク一定となるよう構成すると、一般物流用のコンベヤであれば、該コンベヤの能力にかかわらず、一種類か二種類程度の容量の永久磁石同期モータを用意することで対応が可能となり、減速機も不要となる。
【0021】
この結果、従来のコンベヤ駆動装置に比べて、容量の異なるモータ毎にそれぞれ減速比の異なる複数種類の減速機を必要としなくなるため、前記コンベヤの駆動部における構成部品も最小限で済み、部品点数が増えず納期が短くなると共に、コストアップも避けられる。
【0022】
又、前記永久磁石同期モータからコンベヤの駆動軸に至る回転力伝達経路中に減速機が設けられていないため、効率が良くなると共に、装置全体をコンパクト化することが可能となり、外観も良くなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のコンベヤ駆動装置によれば、部品点数を削減して納期の短縮化とコストダウンを図り得ると共に、効率を高めて省エネルギ化とコンパクト化を図ることができ、更に外観向上をも図り得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のコンベヤ駆動装置の実施例を示す概要構成図で、一部ケーシングを切除して内部断面を示す図でもある。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】本発明におけるトルク一定制御器のブロック図である。
【図4】永久磁石同期モータである可変磁束モータの回転子の断面図である。
【図5】図4の可変磁束モータの回転子に備えた固定磁石と可変磁石の磁気特性を示す特性図である。
【図6】本実施例のD軸電流による着磁磁界を作用させる前の初期状態における永久磁石の磁束を示す図である。
【図7】着磁磁界を作用させたときの永久磁石の磁束を示す図である。
【図8】本発明のコンベヤ駆動装置の実施例における可変磁束モータの回転数−トルク特性を示す線図である。
【図9】本発明のコンベヤ駆動装置の実施例における可変磁束モータをコンベヤに装着した状態を示す斜視図である。
【図10】本発明のコンベヤ駆動装置の実施例における可変磁束モータをコンベヤに装着した取り付け部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0026】
図1〜図7は本発明のコンベヤ駆動装置の実施例であって、コンベヤ1の駆動軸2をダイレクトドライブ方式で回転駆動する永久磁石同期モータ3を備えたコンベヤ駆動装置である。
【0027】
コンベヤ1は、例えば、ベルトコンベヤであって、その駆動軸2は頭部プーリに固定された駆動プーリ中心軸である場合でもよいし、例えば、ローラコンベヤであり、並列されている駆動ローラの親に当たる駆動ローラの中心軸を駆動軸2として他の駆動ローラをタイミングベルトやチェーンを介して回転させるように連動する場合でもよいし、例えばその他の形式例として、チェーン駆動で駆動部を駆動する元のスプロケットの中心軸を駆動軸2としたコンベヤの場合などでもよい。何れも、コンベヤ1の機側フレーム外側などから突出している駆動軸2を駆動する駆動源の技術である。
【0028】
前記永久磁石同期モータ3は、コンベヤ1の機側に設置しても可動部がむき出しのため触れると巻込み事故が発生するという問題のない、インナーロータ型の永久磁石同期モータ(一部の形式は一般にブラシレスDCモータといわれるものも含む)である。そして、この形式の永久磁石同期モータ3では、回転子表面に磁石が配置されたSPMモータ(Surface Permanent Magnet motor)、或いは回転子の中に磁石が埋め込まれたIPMモータ(Interior Permanent Magnet motor)として公知のものであるが、本実施例の場合、円筒状のケーシング4の軸線方向両端面には側板5,6が設けてあり、コンベヤ機側に近いほうの側板5の中心部に穿設された中心軸孔7aを介して前記永久磁石同期モータ3の内部の回転子12の同心中心に固定されケーシング4に軸受42を介して回動自在に支持される中空軸(ホローシャフト)41の中央孔部7に前記コンベヤ1の駆動軸2を挿入し、図示していないキーを駆動軸2と中空軸41それぞれの溝に打ち込んで固定することにより、該コンベヤ1の駆動軸2をダイレクトドライブ方式で回転駆動するようになっている。尚、コンベヤ機側に近いほうの側板5には周方向外側(下側)に突出したトルクアーム部5aが形成されており、該トルクアーム部5aは、図1、図2に示す如く、そのトルクアーム部5aに穿設された係止孔8にボルト9を僅かの隙間を介して挿入し、図10に示す如く、該ボルト9をコンベヤ1側のフレームに固定することで、コンベヤ一フレーム1に固定された前記ボルト9に対し係止孔8を介して係合されるようになっており、前記永久磁石同期モータ3が回転している際に、駆動軸2側のトルクに負けて該永久磁石同期モータ3自体が回転してしまうことを阻止し、且つ、前記永久磁石同期モータの始動時には、トルクアーム部5aの係止孔8とボルト9との隙間により、強大な始動トルクを一旦いなしてから回転させることで、駆動軸側や永久磁石同期モータ側の回転部分への無理な力がかかるのを分散するようになっている。
図1では側板5のみにトルクアーム部5aを備えた場合について示しているが、側板5,6の両方にトルクアーム部を備えていてもよい。
【0029】
前記永久磁石同期モータ3は、モータ回転軸である中空軸21に固定された回転子12と、その周囲外側に位置し各極ごとに巻線43を施すステータ44とからなるインナーロータ型である。
【0030】
前記永久磁石同期モータ3は、図1に示す如く、交流電源45に対し、直流電源17、分圧回路46及びインバータ主回路11を介して接続されており、特に回転子12の回転位置を検知して位置信号を出力するホールICなどの物理的位置検知手段は設けられていない。
【0031】
そして、本実施例では、前記永久磁石同期モータ3を、低保持力の永久磁石である可変磁石を備えた可変磁束モータ3aとし、回転数に応じて前記可変磁石に磁化電流を供給し磁束を制御することにより、前記可変磁束モータ3aが所定の回転数範囲内でトルク一定となるよう構成した点を特徴としている。
【0032】
このように構成した理由は、本発明者の研究の結果、単位長さ当りの搬送物重量の上限が50[kg/m]、コンベヤ速度の上限が200[m/min]、コンベヤ機長の上限が10[m]である一般物流用のコンベヤの場合、下記の[表1]に示されるように、所定の回転数範囲内でトルク一定となるモータであれば、従来のように、複数種類の容量のモータを用意する必要がなくなることが判明したためである。
【表1】

【0033】
前記可変磁束モータ3aは、図1、図3に示すトルク一定制御器10によりインバータ主回路11を介してトルク一定に制御されるよう構成されているが、この構成を説明するのに先立って、可変磁束モータ3aについて説明する。
【0034】
図4は、本発明における可変磁束モータ3aの回転子の断面図であり、この回転子12は、回転子鉄心13に、高保磁力の永久磁石である固定磁石15と低保磁力の永久磁石である可変磁石14を組み合わせて備えており、16は回転子鉄心13の磁極部を示している。
【0035】
永久磁石とは、その磁束量が一定不変なものではなく、通常の定格運転中に近い状態ではインバータ等から供給される電流によって磁束密度が概ね変化しないもののことを指し、このような永久磁石を本発明では固定磁石と言う。一方、前述の磁束密度が可変であるつまり、上記のような運転条件においてもインバータ等で流し得る電流によって磁束密度が変化するものを可変磁石と言う。
【0036】
このような可変磁石は、磁性体の材質や構造に依存して、ある程度の範囲で設計が可能である。例えば、最近のPMモータは、残留磁束密度Brの高いネオジム(NdFeB)磁石を用いることが多い。この磁石の場合、残留磁束密度Brが1.2T程度と高いため、大きなトルクを小さい装置サイズにて出力可能である。従来のPMモータの場合、通常の電流によって減磁しないことが要件であるが、このネオジム磁石(NdFeB)は約1000kA/mの非常に高い保持力Hcを有しているので、PMモータ用に最適な磁性体である。従って、固定磁石としては、残留磁束密度が大きく、保磁力の大きいネオジム磁石(NdFeB)が用いられる。
【0037】
一方、残留磁束密度が高く、保持力Hcの小さいアルニコAlNiCo(Hc=60〜120kA/m)やFeCrCo磁石(Hc=約60kA/m)といった磁性体を可変磁石として用いる。通常の電流量(インバータによって従来のPMモータを駆動する際に流す程度の電流量という意味)によって、ネオジム磁石による固定磁石の磁束密度(磁束量)は略一定であるが、アルニコAlNiCo磁石などの可変磁石の磁束密度(磁束量)は可変となる。
【0038】
図4に示すように、前記可変磁石14は回転子鉄心13の中に埋め込まれ、該可変磁石14は磁極間の中心軸になるQ軸と一致する回転子12の半径方向に沿って配置され、半径方向に対して直角方向に磁化される。固定磁石15は回転子鉄心13内に埋め込まれ、該固定磁石15は、2個の可変磁石14により回転子12内周側で挟まれるように回転子12のほぼ周方向に配置されている。固定磁石15は回転子12の周方向に対してほぼ直角方向に磁化される。つまり、回転子鉄芯13の磁極部の両側に、それぞれ隣接する磁極部との境界域に径方向に可変磁石14が配置され、固定磁石15は、回転子鉄芯13の磁極部において回転子12の径に直交する方向に配置してある。この構造により、可変磁石14はQ軸方向とその磁化方向が直交するため、Q軸電流の影響を受けず、D軸電流によって磁化される。
【0039】
図5は、前記可変磁石としてのアルニコ磁石(AlNiCo)、可変磁石としてのFeCrCo磁石、固定磁石としてのNdFeB磁石の磁気特性を示す図である。アルニコ磁石の保磁力(磁束密度が0になる磁界)は60〜120kA/mであり、NdFeB磁石の保磁力950kA/mに対して1/15〜1/8になる。また、FeCrCo磁石の保磁力は約60kA/mであり、NdFeB磁石の保磁力950kA/mに対して1/15になる。アルニコ磁石とFeCrCo磁石は、NdFeBの高保磁力磁石と比較してかなり低保磁力であることがわかる。本実施の形態では、可変磁石14の8〜15倍の保磁力を有する固定磁石15が用いられている。
【0040】
図4の回転子鉄心13の磁極部16は、2個の可変磁石14と1個の固定磁石15で取り囲まれるようにして形成されている。回転子鉄心13の磁極部16の中心軸方向がD軸、磁極間の中心軸方向がQ軸となる。したがって、可変磁石14は磁極間の中心軸となるQ軸方向に配置され、可変磁石14の磁化方向はQ軸に対して90°、又は−90°方向となっている。隣り合う可変磁石14において、互いに向かい合う磁極面は同極になるようにしてある。また、固定磁石15は磁極部16の中心軸となるD軸に対して直角方向に配置され、その磁化方向はD軸に対して0°、又は180°の方向となっている。隣り合う固定磁石15において、互いに磁極部16の向きは逆極性にしてある。
【0041】
このように構成された回転子12における可変磁石14であるFeCrCo磁石又はアルニコ磁石の保磁力は60〜120kA/mで小さく、これらの低保磁力の可変磁石14は200〜300kA/mの磁界で磁化できる。固定磁石15であるNdFeB磁石の保磁力は950kA/mと高く、約2400kA/mの磁界で磁化できる。つまり、可変磁石14は固定磁石15の約1/10の磁界で着磁できる。
【0042】
本実施の形態の回転子12を採用した永久磁石同期モータ3としての可変磁束モータ3aでは、固定子巻線に通電時間が極短時間(100μs〜1ms程度)となるパルス的な電流を流して磁界を形成し、可変磁石14に磁界を作用させる。着磁磁界を250kA/mとすると、理想的には可変磁石14には十分な着磁磁界が作用し、固定磁石15には着磁による不可逆減磁はない。
【0043】
図6は、本実施の形態のD軸電流による着磁磁界を作用させる前の初期状態における永久磁石の磁束を示す図であり、図7は着磁磁界を作用させたときの永久磁石の磁束を示す図である。尚、図6、図7での磁束分布は1極のみを示している。着磁磁界を形成するパルス電流は固定子の電機子巻線のD軸電流成分である。
【0044】
図7において、負のD軸電流による磁界は永久磁石にとっては減磁界となり、回転子12の磁極中心から可変磁石14と固定磁石15に対して磁化方向とほぼ逆方向に作用する。本実施の形態の回転子12を採用した可変磁束モータ3aにおいては、D軸電流による磁界は固定磁石15では永久磁石2個分(N極とS極の2個の永久磁石)に作用することになり、固定磁石15に作用する磁界は可変磁石14に作用する磁界の約半分になる。したがって、本実施の形態の回転子12を採用した可変磁束モータ3aでは、D軸電流による磁界は可変磁石14を磁化し易くなる。
【0045】
可変磁石14の保磁力は固定磁石15の1/10程度であり、さらに前述のように可変磁石14には固定磁石15の2倍の着磁磁界が作用することになる。可変磁石14は着磁磁界の方向に磁化され、図6の初期の磁化方向とは逆方向に磁化されている。そして、 D軸電流の大きさを変えて着磁磁界の強さを変化させることにより、可変磁石14の磁化状態を調整することが可能となる。すなわち、可変磁石14の磁力を低下させる状態、可変磁石14の磁束を0にさせる状態、可変磁石14の磁束を逆方向にさせる状態の3つの状態を作り出すことができる。一方、固定磁石15は保磁力が可変磁石14より10倍以上大きく、また、本実施の形態では固定磁石15に作用する着磁磁界は可変磁石14の1/2になる。したがって、可変磁石14を着磁する程度の磁界であれば固定磁石15は可逆減磁状態であり、着磁後でも固定磁石15は初期の状態の磁束を維持できる。
【0046】
上記本実施の形態の回転子12を採用した可変磁束モータ3aでは、回転子12のD軸電流により可変磁石14の鎖交磁束量を最大から0まで大きく変化でき、また磁化方向も正逆の両方向にできる。すなわち、固定磁石15の鎖交磁束を正方向とすると、可変磁石14の鎖交磁束を正方向の最大値から0、さらには逆方向の最大値まで広範囲に調整することができる。したがって、本実施の形態の回転子12では、可変磁石14をD軸電流で着磁することにより可変磁石14と固定磁石15を合わせた全鎖交磁束量を広範囲に調整することができる。
【0047】
従って、可変磁石14は固定磁石15の鎖交磁束と同方向(初期状態)で最大値になるようにD軸電流で磁化することにより、永久磁石によるトルクは最大値になるので、可変磁束モータ3aのトルク及び出力は最大に調整することができ、また、可変磁石14の磁束量を低下させ、全鎖交磁束量を下げることにより、可変磁束モータ3aのトルク及び出力は低下するよう調整することができる。
【0048】
次に、図1、図3に示すベクトル制御インバータ装置47は、前記ステータの巻線に駆動電流を供給するインバータ主回路11と、トルク一定制御器10からなり、該インバータ主回路11を制御するトルク一定制御器10について説明する。
【0049】
図3に示す直流電源17の直流電力を交流電力に変換して可変磁束モータ3aを回転駆動するインバータ主回路11は、トルク一定制御器10により制御されている。トルク一定制御器10は、任意の設定回転数18が入力された指令制御部19、回転角度センサ20、回転数制御器21、電流検出器22a,22b、座標変換部23、PWM回路24、座標変換部25、擬似微分器26、電圧指令演算部27、電流基準演算部28、磁化モード管理部29、磁束指令演算部30、及び磁化電流指令演算部31で構成されている。
【0050】
可変磁束モータ3aは、永久磁石同期モータ3であり、低保持力の永久磁石である可変磁石14(例えばアルニコ磁石)を有する。
【0051】
インバータ主回路11から可変磁束モータ3aに供給される電流Iu,Iwは、電流検出器22a,22bにより検出され、座標変換部23に入力され、この座標変換部23でD軸電流Id、Q軸電流Iqに変換され、電圧指令演算部27に入力される。また、インバータ主回路11は、本発明の磁化部にも対応し、可変磁束モータ3aの有する可変磁石14の磁束を制御するための磁化電流を供給する。
【0052】
可変磁束モータ3aのロータ回転角度は、回転角度センサ20により検出され、擬似微分器26に出力される。
【0053】
設定回転数18が入力された指令制御部19には、擬似微分器26からの回転子回転周波数ωRが入力されており、指令制御部19ではインバータ主回路11の出力周波数を認識することができる。ここで、擬似微分器26は、回転角度センサ20により検出された角度を微分して得た回転子回転周波数ωRを、前記指令制御部19と、回転数制御器21及び電圧指令演算部27に出力する。又、前記指令制御部19は、設定回転数18を電圧指令演算部27及び電流基準演算部28に出力する。
【0054】
回転数制御器21は、設定回転数18と、擬似微分器26により出力された回転子回転周波数ωRに基づき、可変磁束モータ3aが所望のトルク(一定トルク)になるように生成されたトルク指令Tm*を出力する。
【0055】
磁束指令演算部30は、設定回転数18に基づき可変磁石14の目標とする磁束値を演算して、磁束値に対応した磁束指令Φ*を生成する。磁化部であるインバータ主回路11は、磁束指令演算部30により生成された磁束指令に応じた磁化電流を可変磁石14に供給して磁束を制御する。
【0056】
電流基準演算部28は、回転数制御器21により出力されたトルク指令Tm*と磁束指令演算部30により出力された磁束指令Φ*とに基づき、D軸電流基準IdRとQ軸電流基準IqRとを演算する。ここで、トルクの一般式は、次式であり、Id,Iqを解くことにより決定される。
[式1]
トルク=φ×Iq+(Ld−Lq)×Id×Iq…(1)
【0057】
ここで、φは、総磁束(=固定磁石磁束+可変磁石磁束)を示す。また、Ldは、D軸インダクタンスであり、Lqは、Q軸インダクタンスである。したがって、(1)式は、磁束量やトルクの関数となる。実際には、Ld、Lqの非線形性があるため、電流基準演算部28は、トルクと磁束に応じたテーブルデータを有することによりId、Iqを求める。その際、電流基準演算部28は、最小な電流値(√(Id+Iq))にて、所定トルクが得られるような関係を選ぶ。
【0058】
磁化電流指令演算部31は、回転数制御器21により出力されたトルク指令Tm*と磁束指令演算部30により出力された磁束指令Φ*とに基づき、必要な磁化電流を計算し、磁化電流指令IdM,IqMを生成する。一般に、磁化電流は、可変磁石14のそれに至るまでの過去の磁化の履歴に依存するものである。そこで、磁化電流指令演算部31は、例えば過去の磁化の履歴と要求する磁束とに対する磁化電流をテーブル情報として有することにより、必要な磁化電流を算出することができる。磁化電流指令演算部31は、今回の磁束指令Φ*と可変磁石の磁化特性とに基づき、磁化電流目標値IdM*を算出して磁化モード管理部29に出力する。磁化電流を流すためには、高速かつ精度よく流すことが必要であるため、PI制御に代わりヒステリシスコンパレータなどで実現してもよい。
【0059】
電圧指令演算部27は、電流基準演算部28により演算されたD軸電流基準IdRとQ軸電流基準IqRとに基づき、当該基準にD軸電流Id及びQ軸電流Iqが一致するように電流が流れるよう、DQ軸電圧指令Vd*、Vq*を演算して生成する。その際、電圧指令演算部27は、電流偏差にPI制御を施し、DQ軸電圧指令を求める。
【0060】
ここで、磁化する際には、磁化部であるインバータ主回路11は、可変磁束モータ3aに過大な磁化電流を短時間で精度良く流すことが必要である。上述した電圧指令演算部27によるPI制御は、応答性が十分でなく、可変磁束モータ3aに過大な磁化電流を短時間で精度良く流すことが困難となることも考えられる。そこで、電圧指令演算部27は、例えば、磁化電流指令演算部31により算出された磁化電流に基づき、それぞれのD軸電流Id、Q軸電流Iqが一致するように、例えば、ヒステリシスコンパレータ方式等の瞬時比較制御方式を利用して、DQ軸電圧指令を算出することもできる。
【0061】
なお、磁化モード管理部29により磁化モードのフラグが立っている場合には、電圧指令演算部27は、磁化電流指令演算部31により生成されたD軸磁化電流指令IdMとQ軸磁化電流指令IqMとに基づき、当該指令にD軸電流Id及びQ軸電流Iqが一致するように電流が流れるよう、DQ軸電圧指令Vd*、Vq*を演算して生成する。
【0062】
座標変換部25は、電圧指令演算部27により出力されたD軸電圧指令Vd*、Q軸電圧指令Vq*を三相の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に座標変換し、PWM回路24に出力する。PWM回路24は、入力された三相の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に基づき、インバータ11のスイッチング素子をオンオフ制御する。
【0063】
磁化モード管理部29は、指令制御部19からの磁化要求に応じて、磁化電流指令演算部31及び電圧指令演算部27を制御して、可変磁束モータ3aのトルクを一定に保持する。
【0064】
磁化モード管理部29により磁化モードのフラグを立てる条件として、段階的に設定される磁化モードを切り替えるフラグは、可変磁束モータ3aの回転数として、300rmpから800rpmの何れかの数値を所定の設定回転数として立てることが好適である。コンベヤ駆動装置としては、この所定の設定回転数で磁化モードを段階的に切り替えるとトルク一定制御がやりやすい。
【0065】
即ち、回転数に応じて前記可変磁石14に磁化電流を供給し磁束を制御することにより、図8に示す如く、前記可変磁束モータ3aが所定の回転数範囲内でトルク一定となるよう構成することが可能となる。
【0066】
次に、上記実施例の作用を説明する。
【0067】
前述の如く、コンベヤ1の駆動軸2をダイレクトドライブ方式で回転駆動する永久磁石同期モータ3に、低保持力の永久磁石である可変磁石14を備えて可変磁束モータ3aとし、トルク一定制御器10を用いて、回転数に応じて前記可変磁石14に磁化電流を供給し磁束を制御することにより、前記可変磁束モータ3aが所定の回転数範囲内でトルク一定となるよう構成すると、一般物流用のコンベヤ1であれば、該コンベヤ1の能力にかかわらず、一種類か二種類程度の容量の可変磁束モータ3aで対応することが可能となり、減速機も不要となる。
【0068】
この結果、従来のコンベヤ駆動装置に比べて、容量の異なるモータ毎にそれぞれ減速比の異なる複数種類の減速機を必要としなくなるため、前記コンベヤの駆動部における構成部品も最小限で済み、部品点数が増えず納期が短くなると共に、コストアップも避けられる。
【0069】
又、前記可変磁束モータ3aからコンベヤ1の駆動軸2に至る回転力伝達経路中に減速機が設けられていないため、効率が良くなると共に、図9、図10に示す如く、装置全体をコンパクト化することが可能となり、外観も良くなる。
【0070】
因みに、インバータ入力電源を200[V]−50[Hz]とし、インバータ出力周波数を50[Hz]とした電源条件のもと、0.4[kW]の可変磁束モータ3a(本発明)と、0.4[kW]のインダクションモータ(従来)とを用いた負荷試験を行ったところ、試験結果は下記の[表2]に示されるようなものとなり、効率が約20[%]向上することが確認された。
【表2】

【0071】
更に、前記可変磁束モータ3aによれば、部品点数を削減して納期の短縮化とコストダウンを図り得ると共に、効率を高めて省エネルギ化とコンパクト化を図ることができ、更に外観向上をも図り得る。
【0072】
尚、本発明のコンベヤ駆動装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
1 コンベヤ
2 駆動軸
3 永久磁石同期モータ
3a 可変磁束モータ
10 トルク一定制御器
11 インバータ主回路
12 回転子
13 回転子鉄心
14 可変磁石
15 固定磁石
21 回転軸
23 座標変換部
24 PWM回路
27 電圧指令演算部
43 巻き線
44 ステータ
47 ベクトル制御インバータ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤの駆動軸をダイレクトドライブ方式で回転駆動する、三相電源がベクトル制御インバータ装置から供給され、回転軸に固定された永久磁石回転子とその周囲外側に位置するステータとからなるインナーロータ型永久磁石同期モータを備えたコンベヤ駆動装置であって、
前記永久磁石同期モータは、前記回転子に設ける永久磁石の一部に低保持力の永久磁石で、かつ前記回転子鉄心中に回転子の径方向に平行に設ける可変磁石を備えた可変磁束モータであり、
前記ベクトル制御インバータ装置は、前記ステータの巻線に駆動電流を供給するインバータ主回路と、トルク一定制御器からなり、
前記トルク一定制御器は、
前記ステータの巻線に電流を通電する配線に配設された電流センサ、及び該電流センサにより検出された電流信号を変換して磁界と平行なD軸電流とこれに直交するQ軸電流とに分離する座標変換部とで作成したベクトル電流計測値を、前記コンベヤの駆動軸の設定回転数から演算された電流設定値とともに電圧指令演算部に入力し、該電圧指令演算部で演算され出力されたD軸電圧とQ軸電圧を、2相/3相変換し3相電圧信号を形成し、前記配線を介して各ステータ巻線に供給する直流電流のスイッチングを制御するPWM回路へ与えてステータに供給する電流をベクトル制御し、
前記コンベヤの駆動軸の設定回転数に応じた強度のD軸電流を、前記ステータの巻線を介して誘起電圧を発生する電流として前記可変磁石に供給し、前記回転子の径方向の磁束を制御することにより、
前記可変磁束モータが所定の回転数範囲内でトルク一定となるよう構成したことを特徴とするコンベヤ駆動装置。
【請求項2】
前記トルク一定制御器には、
前記可変磁石に供給するための、前記ステータの巻線を介して誘起電圧を発生するD軸電流、及びQ軸電流は、磁化モードとして段階的に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ駆動装置。
【請求項3】
段階的に設定される前記磁化モードを切り替えるフラグは、
前記永久磁石同期モータの回転数として、300rmpから800rpmの何れかの数値を所定の設定回転数として立てることを特徴とする請求項2に記載のコンベヤ駆動装置。
【請求項4】
前記可変磁束モータは、回転子鉄心の中に高保磁力の永久磁石と低保磁力の永久磁石とを組合わせて配置するIPMモータであり、
前記可変磁石である低保磁力の永久磁石は、前記回転子鉄心の前記ステータ巻線発生の磁界による磁極部の両側に、回転子鉄心の中に埋め込まれ、磁極間の中心軸になるQ軸と一致する回転子の半径方向に沿って配置され、
高保磁力の永久磁石は、回転子鉄心内に埋め込まれ、2個の可変磁石により回転子内周側で挟まれるように回転子のほぼ周方向に配置され、回転子の周方向に対してほぼ直角方向に磁化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のコンベヤ駆動装置。
【請求項5】
前記回転子に固定された回転軸が中空のいわゆるホローシャフトになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコンベヤ駆動装置。
【請求項6】
単位長さ当りの搬送物重量の上限が50[kg/m]、
コンベヤ速度の上限が200[m/min]、
コンベヤ機長の上限が10[m]である一般物流用のコンベヤに適用するようにした請求項1記載のコンベヤ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−106480(P2013−106480A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250096(P2011−250096)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】