説明

コーティングされたフィラメント

【課題】薬物送達に有用な、改良されたコーティングされたフィラメントを提供する。
【解決手段】本発明は、ビニルラクタムポリマーおよびラクトンポリマーから誘導されるポリマーを含むコーティングを含むフィラメントを提供する。本開示は、コーティングされたフィラメントを記載する。1つ以上のフィラメントが、種々の外科用デバイス、例えば、縫合糸、メッシュなどを形成するために利用され得る。これらフィラメントは、ビニルラクタム含有組成物でコーティングされる。実施形態では、この組成物は、ビニルラクタムポリマーおよびラクトンポリマーのブレンドを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(技術分野)
本開示は、フィラメントに関し、そしてより詳細には、コーティングされた外科用フィラメントに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の背景)
外科用フィラメントは、引張り強度、および一般には結び目(knot)再配置または結び目ずらし(run down)と称されるフィラメント上で結び目を特定場所にスライドする容易さのような、フィラメントの特定の物理的特徴を高めるためにコーティングされ得る。フィラメントコーティングとして、潤滑剤、油、接着剤、抗細菌剤および広範な種類のポリマー材料が挙げられる。先に発見されたフィラメントコーティングは、それらの意図された使用を実施するためには十分であったが、薬物送達の領域におけるフィラメントコーティングには改良の余地が残っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、薬物送達に有用な、改良されたコーティングされたフィラメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)ビニルラクタムポリマーおよびラクトンポリマーから誘導されるポリマーを含むコーティングを含むフィラメント。
(項目2)上記ビニルラクタムポリマーが、N−ビニル−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−カプロラクタム、N−ビニルメチルピロリドン、N−ビニルエチルピロリドン、N−ビニルメチルカプロラクタム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む、項目1に記載のフィラメント。
(項目3)上記ビニルラクタムポリマーが、ポリビニルピロリドンである、項目1に記載のフィラメント。
(項目4)上記ラクトンポリマーが、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、ジオキサノン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、デカラクトン、ピバロラクトン、ステアロラクトン、パルミトラクトン、トリメチレンカーボネートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位から誘導されるポリマーを含む、項目1に記載のフィラメント。
(項目5)上記ラクトンポリマーが、アルキレンオキシドモノマー単位をさらに含む、項目1に記載のフィラメント。
(項目6)上記ラクトンポリマーが、ラクトン−ポリアルキレンオキシドブロックコポリマーである、項目5に記載のフィラメント。
(項目7)上記コーティングが、親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性ポリマーをさらに含む、項目1に記載のフィラメント。
(項目8)上記親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性ポリマーが、アクリレート、ホスホリピド、ビニルポリマー、ラクトン、シリコーン、フェニル化ビニル化合物、ポリアミド、ポリアミン、ポリ酸、多価アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む、項目7に記載のフィラメント。
(項目9)上記コーティングが、金属塩または脂肪酸エステル塩をさらに含む、項目1に記載のフィラメント。
(項目10)上記フィラメントが、縫合糸である、項目1に記載のフィラメント。
(項目11)ベースコーティングおよびビニルタクタムコーティングを含む第2のコーティングを含む、フィラメント。
(項目12)上記ベースコーティングが、生体吸収性である、項目11に記載のフィラメント。
(項目13)上記ベースコーティングが、生体非吸収性である、項目11に記載のフィラメント。
(項目14)上記ビニルラクタムポリマーが、N−ビニル−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−カプロラクタム、N−ビニルメチルピロリドン、N−ビニルエチルピロリドン、N−ビニルメチルカプロラクタム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む、項目11に記載のフィラメント。
(項目15)上記第2のコーティングが、ポリビニルピロリドンを含む、項目11に記載のフィラメント。
(項目16)上記第2のコーティングが、アクリレート、ホスホリピド、ビニルポリマー、ラクトン、シリコーン、フェニル化ビニル化合物、ポリアミド、ポリアミン、ポリ酸、多価アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む第2のポリマーをさらに含む、項目11に記載のフィラメント。
(項目17)上記ベースコーティングまたは上記第2のコーティングのいずれかが、金属塩または脂肪酸エステル塩をさらに含む、項目11に記載のフィラメント。
(項目18)上記ベースコーティングまたは上記第2のコーティングのいずれかが、ラクトンポリマーをさらに含む、項目11に記載のフィラメント。
(項目19)上記フィラメントが、縫合糸である、項目11に記載のフィラメント。
(項目20)親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーのブレンドを含む相分離コーティングを含む、フィラメント。
(項目21)上記親水性ポリマーが、ビニルラクタムを含む、項目20に記載のフィラメント。
(項目22)上記疎水性ポリマーが、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、ジオキサノン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、デカラクトン、ピバロラクトン、ステアロラクトン、パルミトラクトンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む、項目20に記載のフィラメント。
(項目23)上記親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドンである、項目20に記載のフィラメント。
(項目24)親水性薬物をさらに含む、項目20に記載のフィラメント。
(項目25)疎水性薬物をさらに含む、項目20に記載のフィラメント。
(項目26)親水性薬物および疎水性薬物をさらに含む、項目20に記載のフィラメント。
(項目27)親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性ポリマーをさらに含む、項目20に記載のフィラメント。
(項目28)親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する上記生体適合性ポリマーが、ポリトリボレートである、項目27に記載のフィラメント。
(項目29)親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーのブレンドを含むフィラメントコーティングの相分離を制御する方法であって、親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性ポリマーを添加する工程、を包含する、方法。
(項目30)フィラメントにコーティングを付与する工程を包含し、ここで該コーティングが、ビニルラクタムポリマーおよびラクトンポリマーを含む、フィラメントをコーティングする方法。
【0005】
(要旨)
本開示は、コーティングされたフィラメントを記載する。1つ以上のフィラメントが、種々の外科用デバイス、例えば、縫合糸、メッシュなどを形成するために利用され得る。これらフィラメントは、ビニルラクタム含有組成物でコーティングされる。実施形態では、この組成物は、ビニルラクタムポリマーおよびラクトンポリマーのブレンドを含んでいる。実施形態では、このコーティングは、円滑な単一相の表面を形成する。その他の実施形態では、このコーティングは、フィラメント上に仕切られた複数相表面を形成する。実施形態では、上記フィラメントは、ビニルラクタムポリマーを含む組成物の付与の前にベースコーティングで予備コーティングされる。
【0006】
さらに、親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーのブレンドを含む複数相コーティングを含むフィラメントが記載される。実施形態では、上記のポリマーは、親水性薬物または疎水性薬物と組み合わされ得る。コーティングの相分離を制御する方法もまた開示される。
【発明の効果】
【0007】
薬物送達に有用な、改良されたコーティングされたフィラメントが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本開示は、ビニルラクタムポリマーを含むコーティングを有する外科用フィラメントに関する。本明細書中に記載されるコーティングされたフィラメントは、制限されないで、縫合糸、ステープル、メッシュ、パッチ、スリング、ステント、薬物送達デバイス、創傷包帯、織られたデバイス、不織デバイス、編み組みデバイス、結ばれるデバイス、接着バリア、およびその他の移植可能なデバイスを含む種々の医療デバイスを形成するために用いられ得る。このフィラメントは、モノフィラメントデバイスまたはマルチフィラメントデバイスを形成し得る。
【0009】
これらフィラメントは、フィラメントの意図される使用のために適切な物理的性質を有する任意の滅菌可能な生体適合性材料から形成され得る。これらフィラメントは、生体吸収性または生体非吸収性のいずれかである合成または天然ポリマーから作製され得る。適切な吸収性材料のいくつかの特定の非制限的な例は、トリメチレンカーボネート、カプロラクトン、ジオキサノン、グリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチド、それらのホモポリマー、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせを含む。上記フィラメントを形成するために利用され得る適切な非吸収性材料のいくつかの特定の非制限的な例は、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエチレンとポリプロピレンとのコポリマー、およびポリエチレンとポリプロピレンとのブレンドを含む。勿論、材料の組み合わせが上記フィラメントを形成するために用いられ得ることが理解されるべきである。
【0010】
フィラメントを作製するために適切な組成物を調製する方法、およびこのような組成物からフィラメントを作製するための技法は、当業者の範囲内である。
【0011】
本明細書中に記載されるフィラメントは、ビニルラクタムポリマーを含むコーティングを含む。任意のビニルラクタムポリマーが、コーティングを形成するために用いられる組成物に含められ得る。本明細書で用いられるとき、用語「ビニルラクタムポリマー」は、以下の式の少なくとも1つのラクタムモノマーから誘導され、それから合成され、またはそれとともに調製され得る任意のポリマーを意味する。
【0012】
【化1】

ここで、Rは、4、5、6または7員環のヘテロ環系を完成するために必要な、C−Cのアルキル、アルケニル、またはアルカジエニル架橋基を表し;そしてxは、0〜50の整数を表す。
【0013】
実施形態では、このビニルラクタムポリマーは、少なくとも1つのモノマー単位を含む:N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−カプロラクタム、N−ビニルメチルピロリドン、N−ビニルエチルピロリドン、N−ビニルメチルカプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルピペリドンおよびそれらの組み合わせ。上記ビニルラクタムポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーまたはセグメント化コポリマーのような、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。ビニルラクタムモノマーと共重合され得、生体適合性ポリマーを提供する任意のモノマーが、上記のコポリマーを形成するために用いられ得る。適切なコモノマーは、制限されないで、メタクリル酸、アクリル酸、アクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、ビニル官能化ホスホリルコリン、ヒドロキシルエチルメタクリレート、メタクリルアミド、ニイパム(niipam)などを含む。
【0014】
一般に、上記ビニルラクタムポリマーは、上記組成物コーティングの約0.01重量%〜約100重量%を占め得る。実施形態では、このビニルラクタムポリマーは、コーティングの約0.1重量%〜約25重量%を占める。
【0015】
実施形態では、上記コーティング組成物は、ビニルラクタムポリマーに加え、ラクトンポリマーを含む。任意の公知のラクトンポリマーが、フィラメントコーティングを形成することに用いられ得る。本明細書で用いられるとき、用語「ラクトンポリマー」は、以下の式の少なくとも1つのラクタムモノマーから誘導され、それから合成され、またはそれとともに調製され得る任意のポリマーを意味する。
【0016】
【化2】

ここで、R、R、RおよびR基は、独立して以下の1つを表し得る:酸素原子、カルボニル基、線状、分岐または環状のC〜C20のアルキル、アルケニル、アルカジエニル基。
【0017】
上記ラクトンポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、またはセグメント化コポリマーのような、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。ラクトンモノマーと共重合され得、生体適合性ポリマーを提供する任意のモノマーが、上記コポリマーを形成するために用いられ得る。適切なコモノマーは、制限されないで、アルキレンオキシド、アクリレート、アクリルアミドおよび糖類(例えば、デキストリン)を含む。実施形態では、ラクトンポリマーは、少なくとも1つの以下のモノマー単位を含む:ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、ジオキサノン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、デカラクトン、ピバロラクトン、ステアロラクトン、パルミトラクトン、トリメチレンカーボネートおよびそれらの組み合わせを含む。特に有用な実施形態では、上記ラクトンポリマーは、カプロラクトン、グリコリド、ラクチドおよびそれらの組み合わせを含む。
【0018】
一般に、上記ラクトンポリマーは、上記コーティングの約99重量%までを占め得る。実施形態では、上記ラクトンポリマーは、上記コーティングの約5重量%〜約95重量%までを占める。
【0019】
実施形態では、上記ビニルラクタムポリマーおよび上記ラクトンポリマーは、両方のポリマーが相互に可溶性であり、コーティング組成物を形成する溶媒中で合わせられ得る。適切な溶媒の例は、制限されないで、塩素化溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン、トリフルオロエタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テロラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、およびニトロエタンを含む。
【0020】
本明細書中に記載されるコーティングは、制限されないで、コーティング、浸漬、噴霧、ブラッシングまたは移植可能なデバイスの表面上に連続層を形成するための任意のその他の適切な技法を含む任意の技法によりフィラメントに付与され得る。用いられる特定の技法は、外科用フィラメントの特定の構築およびコーティングに含まれる材料のような種々の因子に基づき、当業者によって選択され得る。
【0021】
上記フィラメントコーティングは、単一層として、または複数層形態として外科用フィラメントに付与され得る。複数層形態の各層は、少なくとも1つの層がビニルラクタムポリマー含有組成物から形成されることを条件に、異なる組成物を含み得る。個々の層はまた、交互する層、サンドイッチ様構造、複数の単層およびこれらの組み合わせを含む任意の順序または形態で配列され得る。
【0022】
実施形態では、上記フィラメントは、ビニルラクタムポリマーを含む組成物の付与の前にベースコーティングで予備コーティングされ得る。このベースコーティング材料は、外科用フィラメントに付与され得る任意の生体適合性の天然または合成の生体吸収性または生体非吸収性材料を含む。有用なベースコーティング材料のいくつかの例は、制限されないで、シリコーン、蜜蝋、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、フィブリン、コラーゲン、フィブリノーゲン、アルブミン、アクリレート(ポリアクリレート、メタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルアクリル酸カリウム、アクリル酸ナトリウム、およびヒドロキシエトキシメチルアクリレートなど);ラクトンおよび環状ラクトン;ポリアミド;ポリアミン(ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニル硫酸)、ポリ(ビニルホウ酸)、ポリ(スチレンホウ酸)、ポリ(ビニルリン酸)、およびポリ(スチレンリン酸)など);ポリアルコール、エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸のモノエステル、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、およびジメチロールプロピオン酸、ポリエステルポリオール、およびポリエーテルポリオール;ホスホリピド;フェニル化ビニル化合物;酢酸ビニル;ラクトンアルコキシド;ポリブチレンテレフタレート;ポリアルキレンオキシド;ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなど);金属塩(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなど);ポリヒドロキシ酪酸;ポリヒドロキシアルカノエート;およびそれら組み合わせを含む。
【0023】
ビニルラクタムポリマーを含む第2のコーティングが、次いで、予備コーティングされたフィラメントに付与され得る。実施形態では、このビニルラクタムポリマーは、予備コーティングされたフィラメント上で別個の層を形成する。さらに、このビニルラクタムポリマーを含む第2のコーティングは、必要に応じて、本明細書で上記に記載のようなラクトンポリマーを含み得る。
【0024】
本開示の特定の実施形態によれば、本明細書に記載のコーティングは、有利に相分離し、仕切られたフィラメントコーティングを形成し得る。この仕切られたコーティングは、フィラメントの異なる部分に沿って位置決めされるコーティングの複数のポリマーを可能にする。これらポリマーの分離は、フィラメントの異なる部分に複数の薬物を送達することに有用であり得る。このような実施形態では、このフィラメントコーティングは、親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーのブレンドを含む。この親水性ポリマーは:ポリビニルアルコール、ビニルラクタム、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒドロキシ−エチルメタクリレート)、ポリメタクリルアミド、デキストラン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、多糖、ゼラチンおよびコポリマーからなる群から形成される、コポリマー、ホモポリマー、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり得る。上記疎水性ポリマーは:ε−カプロラクトン、グリコリド、1−ラクチド、d,l−ラクチド、d−ラクチド、メソ−ラクチド、トリメチレンカーボネート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、p−ジオキサノン、ジオキセパノン、Δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトン、6,8−ジオキサビシクロオクタン−7−オン、エチレンカーボネート、エチレンオキサレート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、およびその他の置換グリコリド、および置換ラクチドからなる群から形成される、コポリマー、ホモポリマー、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり得る。特に有用な実施形態では、上記コーティングは、ポリビニルピロリドンとラクトンポリマーとのブレンドを含む。
【0025】
仕切られたコーティングは、いずれかの相からの薬物送達を可能にする。例えば、親水性ポリマーは、コーティングされたフィラメントの特定部分に親水性薬物を送達することで有用であり得る。用語「薬物」は、抗微生物剤、麻酔剤、血管形成剤、線維症薬剤、抗有糸分裂薬、キレート剤、ペプチド、タンパク質、DNA、RNA、ヌクレオチド、リポソーム、鎮痛薬、血液製品、ホルモン、水溶性銀塩、成長因子などのような、治療効果を与え得る任意の作用剤を含むことが意味される。本発明のフィラメントコーティングで用いられ得る親水性薬物のいくつかの特定の非制限的な例は、シロリムス、タキソール、クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレン、リドカイン、ブピビカイン、チアミラールナトリウム、チオペンタールナトリウム、塩酸ケタミン、塩酸フルラゼパム、アモバルビタールナトリウム、フェノバルビタール、ブロモバレリルウレア、抱水クロラール、フェニトインナトリウム、エトトイン、フェノバルビタールナトリウム、トリメタジオン、プリミドン、エトスクシミド、カルバマゼピン、バルプロエートナトリウム、アセタミノフェン、フェナセチン、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、アミノピリン、アンチピリン、スルピリン、メピリゾール、塩酸チアラミド、クエン酸ペリキサゾール、ジクロフェナクナトリウム、アンフェナクナトリウム、塩酸ブプレノルフィン、酒石酸ブトルファノール、臭酸エプタゾシン、ジメンヒドリネート、塩酸ジフェニドール、dl−塩酸イソプレナリン、塩酸クロールプロマジン、マレイン酸レボメプロマジン、塩酸チオリダジン、塩酸フルフェナジン、チオチキセン、塩酸フルペンチキソール、ウチロフェノン薬物;塩酸フルロピパミド、塩酸モペロン、塩酸カルピプラミン、塩酸クロカプラミン、塩酸イミプラミン、塩酸デシプラミン、塩酸マプロチリン、塩酸クロルジアゼポキシド、クロラゼペート二カリウム、メプロバメート、塩酸ヒドロキシジン、塩酸サフラジン、塩酸テトロラカイン、塩酸プロカイン、エチルアミノベンゾエート、塩酸ジブカイン、塩酸リドカイン、クロルフェネシンカルバメート、メトカルバモール、塩化アセチルコリン、臭化ネオスティグミン、硫酸アトロピン、臭酸スコポラミン、塩酸パパベリン、塩酸ビペリデン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸アマンタジン、塩酸ピロヘプチン、塩酸プロフェナミン、レボドーパ、塩酸マザチコール、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、カフェインおよび安息香酸ナトリウム、dl−塩酸イソプロテレノール、塩酸ドーパミン、塩酸ドブタミン、塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール、塩酸ブプラノロール、マレイン酸チモロール、酒石酸メトプロロール、塩酸プロカインアミド、塩酸リドカイン、硫酸キニジン、アジマリン、塩酸ベラパミル、塩酸アプリンジン、ヒドロクロロチアジド、アセタゾールアミド、イソソルビド、エタクリニン酸、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、塩酸デラプリル、アラセプリル、塩酸ヒドララジン、臭化ヘキサメトニウム、塩酸クロニジン、塩酸ブニトロロール、塩酸プロプラノロール、メチルドーパ、硫酸グアネチジン、硫酸ベタニジン、塩酸フェニレフィリン、塩酸メトキサミン、塩酸ジルチアゼム、塩酸バラパミル、イソソルビドジニトレート、ニコランジル、クエン酸ニカメテート、ニコチン酸−酒石酸アルコール、塩酸トラゾリン、塩酸ニカルジピン、酒石酸イフェンプロジル、ピペリディノカルバメート、マレイン酸シネパジド、塩酸チアプリド、ジモルフォールアミン、酒石酸レバロールファン、塩酸ナロキソン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、プロドニソロン、ノレチトテロン、クエン酸クロミフェン、塩酸テトラサイクリン、サリチル酸メチル、塩酸イソチペンジル、ジフェンヒドラミン、プレドニソロン、エチルアミノベンゾエート、クロタミトン、サリチル酸、ナイスタチン、硝酸エコナゾール、塩酸クロコナゾール、ビタミンB、塩酸シクロチアミン、ビタミンB、ビタミンB6、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、パントテノール、パンテチン、ビオチン、アスコルビン酸、トラネキサム酸、エタムシレート、硫酸プロタミン、コルチシン、アロプリノール、トラザミド、グリミジンナトリウム、グリブゾール、塩酸メトフォルミン、塩酸ブフォルミン、オロチン酸、アザチオプリム、ラクツロース、塩酸ナイトロジェンマスタードN−オキシド、シクロホスファミド、チオ−TEPA、塩酸ニムスチン、チオイノシン、フロオロウラシル、テガフル、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、マイトマシインC、塩酸ダウロルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸プロカルバジン、シスプラチン、ベンジルペニシリンカリウム、アモキシシリン、ペニシリン、オキシシリン、メチシリン、カルベニシリン、アンピシリン、セファレキシン、セファゾリン、エリスロマイシン、酒石酸キタサマイシン、クロラムフェニコール、チアムフェニコール、塩酸ミノサイクリン、塩酸リンコマシイン、塩酸クリンダマイシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマシイン、硫酸フラジオマシイン、硫酸ゲンタマイシン、塩酸スペクチノマイシン、ネオマイシン、バンコマイシン、テトラサイクリン、シプロフロキサシン、スルファニリックアシドシクロセリン、スルフィソミジン、イソニアジド、エタンブトール、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダバリン、アジドチミジン、ジデオキシイノシン、ジデオキシシトシン、塩酸モルホリン、リン酸コデイン、塩酸コカイン、ペチジン、クエン酸フェンタニル、上記の任意の薬物のポリマー形態、およびこれらの組み合わせを含む。
【0026】
あるいは、疎水性ポリマーは、コーティングされたフィラメントの別の部分に疎水性薬物を送達することに有用であり得る。疎水性薬物のいくつかの非制限的な例は、非ステロイド系抗炎症剤、ジフルニザール、トリクロザン、サリチル酸、ジプラジドン、ラロキシフェン、パロキセチン、グリメピリド、アナグレリド、モダフィニル、パロキセチン、カルベルゴリン、レプラジニド、グリピジド、ベンゾジアゼピン、クロフィブラート、クロルフェニラミン、ジニトレート、ジゴキシン、ジギトキシン、酒石酸エルゴタミン、エストラジオール、フェノフィブレート、グリセオフルビン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、イソソルビド、メドロゲストン、オキシフェンブタゾン、プレドニゾロン、プレニドゾン、ポリチアジド、プロゲンステロン、スピロノラクトン、トルブタミド、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロ−ヘプテン−5−カルボキサミド、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−カルボキサミド、タキソイド、カンプトテシン、ドキソルビシン、ミケラミンB、ビンクリスチン、ブリオスタチン−1、ハロモン、シスプラチン、上記の任意の薬物のポリマー形態およびそれらの任意の組み合わせを含む。
【0027】
実施形態では、上記薬物または作用剤は、カップリング剤と組み合わされ得、本明細書中に記載される疎水性または親水性ポリマーと結合または相互作用する薬物の能力を増大する。これらカップリング剤は、上記薬物と上記疎水性または親水性ポリマーとの間の媒介物として作用する。
【0028】
このカップリング剤は、代表的には多価有機化合物であり、そして特に有用な実施形態では二価化合物である。このカップリング剤は生物学的に不活性であり得るか、またはそれ自体生物学的活性を所有し得る。このカップリング剤はまた、上記薬物またはポリマーの性質(例えば、分岐のため、架橋のためなど)を改変するために用いられ得るその他の求電子または求核官能基(水酸基、メルカプト基、アミン基、カルボン酸、スクシンイミジル基、およびその他)を含み得る。
【0029】
上記カップリング剤は、α−エステル(ラクテート、グリコレート)、e−カプロラクトン、オルト−エステルのようなその他の加水分解により生分解可能な基、またはアミノ酸のような酵素により生分解可能な基を取り込み得る。それは、ポリエチレングリコールのような水溶性の非生分解性セグメントであり得る。
【0030】
上記カップリング剤は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンウレタン、またはポリ(n−アルキルエステル)のような水不溶性の非生分解性セグメントであり得る。それは、ポリ(d,l−ラクチド)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ酸無水物、ポリ(オルトエステル)ポリ(グリコリド)、ポリ(l−ラクチド)ポリ(e−カプロラクトン)およびe−カプロラクトン、グリコリド、トリメチレンカーボネート、ジオキサノン、d,l−ラクチド、l−ラクチドおよびd−ラクチドのコポリマーのような、無定形または半結晶の生分解性ポリマーであり得る。
【0031】
上記カップリング剤は、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールブロックをもつPluronicブロックコポリマーのような、界面活性剤性質を有し得る。それは、ポリ(アクリル酸)およびポリ(アルギン酸)からのカルボン酸基、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸)(AMPS)からのスルホン酸基、ポリ(ビニルアルコール)、多糖およびポリ(アルギン酸)からの水酸基、およびポリ(L−リジン)、ポリ(2,2−ジメチルアミノエチルメタクリレート)およびポリ(アミノ酸)からのアミノ基を含む極性または荷電部分を有し得る。
【0032】
上記カップリング剤は、Pluronic F127およびポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)のような、熱可逆的ゲル化を受けるセグメントであり得る。それは、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタンなどのような構造的に強化するセグメントを取り込み得る。
【0033】
上記カップリング剤は、1〜25の炭素原子を有する多価の、分岐または非分岐の、飽和または不飽和の炭化水素鎖であり得、ここで、1つ以上(例えば、1、2、または3)の炭素原子は、必要に応じて、(−−O−−)、(−−S−−)または(−−NR−−)によって置換される。
【0034】
上記カップリング剤は、ペプチド、酵素、タンパク質、ヌクレオチド、アミノ酸、ポリアミノ酸またはポリペプチドであり得る。
【0035】
ここで、図1を参照して、フィラメント100は、ビニルラクタムポリマー112およびラクトンポリマー114を含むコーティング110を有して示される。コーティング110は、ビニルラクタムポリマー112およびラクトンポリマー114がフィラメント100の異なる部分上に位置決めされる、相分離されたコーティングとして示される。勿論、この開示によって単一相のコーティングが包含されることが理解されるべきである。図2では、複数層のコーティング210が、フィラメント200上に示される。ベースコーティング212は、ビニルラクタムポリマーを含む組成物から作製される外側コーティング214の付与の前にフィラメント200に付与される。
【0036】
このフィラメントコーティングはさらに、親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性のコポリマーを含み得ることがさらに想定される。この親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性のコポリマーの付加は、親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーを有するフィラメントコーティングの相分離を阻害する。得られるフィラメントコーティングは、相分離され、仕切られたコーティングよりはむしろ、単一の連続相である。親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する有用な生体適合性コポリマーのいくつかの例は、ラクトンポリマーと共重合された(ポリオキシエチレンおよびホリオキシプロピロピレンのような)ポリアルキレンオキシド類から形成されたコポリマーを含む。親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する特に有用な生体適合性コポリマーは、poloxamer188とのε−カプロラクトン、グリコリドの吸収性ポリマーである、polytribolate(登録商標)(Tyco Healthcare、Mansfield、Mass.の登録商標)である。
【0037】
実施形態では、上記フィラメントコーティングは、必要に応じた成分をさらに含み得る。本明細書で用いられるとき、必要に応じた成分は、上記フィラメントコーティングの約10重量%までを占め得、そして乳化剤、界面活性剤、色素、芳香剤などのような成分を含む。
【実施例】
【0038】
(実施例1)
1%ポリビニルピロリドン(PVP)、2%の10/90グリコリド/ε−カプロラクトンコポリマーおよび2%ステアロイル乳酸カルシウムを含むコーティング溶液が、塩化メチレン中に調製される。コーティング溶液が、40m/分のライン速度および約100℃のオーブン温度でDietzおよびSchellコーティング装置を用いてコーティングされていないPolysorb(登録商標)縫合糸に付与される。コーティングされた縫合糸は、減圧下40℃で一晩乾燥される。乾燥された溶液は、縫合糸の表面上に仕切られた多相コーティングを形成する。
【0039】
(実施例2)
Polysorb(登録商標)縫合糸は、2%の10/90グリコリド/ε−カプロラクトンコポリマーおよび2%ステアロイル乳酸カルシウムを含む組成物で予備コーティングされる。塩化メチレン中に1%PVPを含む上部コーティングが、40m/分のライン速度および約100℃のオーブン温度でDietzおよびSchellコーティング装置を用いて、予備コーティングされたPolysorb(登録商標)縫合糸に付与される。コーティングされた縫合糸は、減圧下40℃で一晩乾燥される。乾燥された溶液は、この縫合糸の表面上に円滑な単一相のコーティングを形成する。
【0040】
(実施例3)
1%ポリビニルピロリドン(PVP)、2%の10/90グリコリド/ε−カプロラクトンコポリマー、2%ステアロイル乳酸カルシウムおよび0.5%Polytribolate(登録商標)(市販され、入手可能な吸収性のε−カプロラクトン/グリコリド/poloxamer188のブロックコポリマー)を含むコーティング溶液が形成される。このコーティング溶液は、40m/分のライン速度および約100℃のオーブン温度でDietzおよびSchellコーティング装置を用いてコーティングされていないPolysorb(登録商標)縫合糸に付与される。コーティングされた縫合糸は、減圧下40℃で一晩乾燥れさる。乾燥された溶液は、この縫合糸の表面上に円滑な単一相のコーティングを形成する。
【0041】
種々の改変が本明細書中に開示された実施形態になされ得ることが理解される。従って、上記の説明は、制限的であるとして解釈されるべきではなく、単に好ましい実施形態の例示である。当業者は、本開示の範囲および思想内でその他の改変を想定する。コーティングされたフィラメントの種々の改変およびバリエーション、ならびにその使用は、先行する詳細な説明から当業者に明らかである。このような改変およびバリエーションは、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
【0042】
(要約)
本開示は、ビニルラクタムポリマーおよびラクトンポリマーを含む外科用フィラメントのためのコーティングを記載する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本明細書に記載される複数相の実施形態によるコーティングされたフィラメントの斜視図を示す。
【図2】図2は、本明細書に記載される複数層の実施形態によるコーティングされたフィラメントの斜視図を示す。
【符号の説明】
【0044】
100、200フィラメント
110、210コーティング
112ビニルラクタムポリマー
114ラクトンポリマー
212ベースコーティング
214外側コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニルラクタムポリマーおよびラクトンポリマーから誘導されるポリマーを含むコーティングを含むフィラメント。
【請求項2】
前記ビニルラクタムポリマーが、N−ビニル−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−カプロラクタム、N−ビニルメチルピロリドン、N−ビニルエチルピロリドン、N−ビニルメチルカプロラクタム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む、請求項1に記載のフィラメント。
【請求項3】
前記ビニルラクタムポリマーが、ポリビニルピロリドンである、請求項1に記載のフィラメント。
【請求項4】
前記ラクトンポリマーが、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、ジオキサノン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、デカラクトン、ピバロラクトン、ステアロラクトン、パルミトラクトン、トリメチレンカーボネートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位から誘導されるポリマーを含む、請求項1に記載のフィラメント。
【請求項5】
前記ラクトンポリマーが、アルキレンオキシドモノマー単位をさらに含む、請求項1に記載のフィラメント。
【請求項6】
前記ラクトンポリマーが、ラクトン−ポリアルキレンオキシドブロックコポリマーである、請求項5に記載のフィラメント。
【請求項7】
前記コーティングが、親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性ポリマーをさらに含む、請求項1に記載のフィラメント。
【請求項8】
前記親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性ポリマーが、アクリレート、ホスホリピド、ビニルポリマー、ラクトン、シリコーン、フェニル化ビニル化合物、ポリアミド、ポリアミン、ポリ酸、多価アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む、請求項7に記載のフィラメント。
【請求項9】
前記コーティングが、金属塩または脂肪酸エステル塩をさらに含む、請求項1に記載のフィラメント。
【請求項10】
前記フィラメントが、縫合糸である、請求項1に記載のフィラメント。
【請求項11】
ベースコーティングおよびビニルタクタムコーティングを含む第2のコーティングを含む、フィラメント。
【請求項12】
前記ベースコーティングが、生体吸収性である、請求項11に記載のフィラメント。
【請求項13】
前記ベースコーティングが、生体非吸収性である、請求項11に記載のフィラメント。
【請求項14】
前記ビニルラクタムポリマーが、N−ビニル−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−カプロラクタム、N−ビニルメチルピロリドン、N−ビニルエチルピロリドン、N−ビニルメチルカプロラクタム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む、請求項11に記載のフィラメント。
【請求項15】
前記第2のコーティングが、ポリビニルピロリドンを含む、請求項11に記載のフィラメント。
【請求項16】
前記第2のコーティングが、アクリレート、ホスホリピド、ビニルポリマー、ラクトン、シリコーン、フェニル化ビニル化合物、ポリアミド、ポリアミン、ポリ酸、多価アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む第2のポリマーをさらに含む、請求項11に記載のフィラメント。
【請求項17】
前記ベースコーティングまたは前記第2のコーティングのいずれかが、金属塩または脂肪酸エステル塩をさらに含む、請求項11に記載のフィラメント。
【請求項18】
前記ベースコーティングまたは前記第2のコーティングのいずれかが、ラクトンポリマーをさらに含む、請求項11に記載のフィラメント。
【請求項19】
前記フィラメントが、縫合糸である、請求項11に記載のフィラメント。
【請求項20】
親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーのブレンドを含む相分離コーティングを含む、フィラメント。
【請求項21】
前記親水性ポリマーが、ビニルラクタムを含む、請求項20に記載のフィラメント。
【請求項22】
前記疎水性ポリマーが、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、ジオキサノン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、デカラクトン、ピバロラクトン、ステアロラクトン、パルミトラクトンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマー単位を含む、請求項20に記載のフィラメント。
【請求項23】
前記親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドンである、請求項20に記載のフィラメント。
【請求項24】
親水性薬物をさらに含む、請求項20に記載のフィラメント。
【請求項25】
疎水性薬物をさらに含む、請求項20に記載のフィラメント。
【請求項26】
親水性薬物および疎水性薬物をさらに含む、請求項20に記載のフィラメント。
【請求項27】
親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性ポリマーをさらに含む、請求項20に記載のフィラメント。
【請求項28】
親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する前記生体適合性ポリマーが、ポリトリボレートである、請求項27に記載のフィラメント。
【請求項29】
親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーのブレンドを含むフィラメントコーティングの相分離を制御する方法であって、親水性特徴および疎水性特徴の両方を有する生体適合性ポリマーを添加する工程、を包含する、方法。
【請求項30】
フィラメントにコーティングを付与する工程を包含し、ここで該コーティングが、ビニルラクタムポリマーおよびラクトンポリマーを含む、フィラメントをコーティングする方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−272467(P2008−272467A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110761(P2008−110761)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】