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コーティング剤及び硬化被膜形成品
説明

コーティング剤及び硬化被膜形成品

【課題】基材の表面を保護するとともに防汚性を有し、基材が調湿機能を有する場合にはその調湿機能の低下を抑制することができるコーティング剤及び硬化被膜形成品を提供する。
【解決手段】側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂と、硬化剤と、撥水性防汚材料とを含有するコーティング剤であり、架橋性有機樹脂が、側鎖に親水基を有する架橋性アクリル樹脂であり、架橋性有機樹脂の側鎖の親水基が、アミド基及びカルボキシル基のうち少なくともいずれか一方の官能基であり、架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂であり、硬化剤がイソシアネート化合物であるコーティング剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装用建材に使用されるコーティング剤及び硬化被膜形成品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、我が国においては建造物の高気密化、高断熱化が進み、建造物内で発生した湿気が内部にこもりやすいという問題がある。
【0003】
建造物内における湿気は、結露を生じさせ、染み等の外観上の問題、腐朽菌やシロアリの発生による木質建材の腐食の問題等建造物として深刻な問題を引き起こすことがある。
【0004】
また、室内空間においてダニの繁殖やカビの発生を促進させ、皮膚の痒みや喘息等の健康上の問題をも引き起こすという問題もある。
【0005】
このような問題を解決するためには、調湿機能を有する材料を内装材として使用する方法が有効であり、無機多孔体を用いた壁紙等のシート状の建材(特許文献1)や無機多孔体を用いたボード状の建材(特許文献2)等の調湿性部材の使用が知られている。
【0006】
また、調湿性部材の表面を保護するために、調湿性部材の表面に樹脂層を設ける方法(特許文献3)や、珪藻土等の吸着剤を含む吸放質樹脂層上にフルオロアルキルシラン層を設ける方法(特許文献4)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭64−6181号公報
【特許文献2】特開平11−207853号公報
【特許文献3】特開2002−35534号公報
【特許文献4】特開2000−117913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1、特許文献2の調湿性部材では、無機多孔体の細孔に対して水蒸気が吸着、放散されるなどして調湿機能が発揮される。しかしながら、調湿性部材は、構造上多くの空隙を有するため表面強度が低く、汚れ成分を吸着しやすく、除去することも難しいという問題がある。
【0009】
特許文献3の方法では、表面に設けられた樹脂層によって調湿性部材が効果的に保護される。しかしながら、調湿性部材への水蒸気の透過が樹脂層によって遮断されるため、調湿性部材の調湿機能が低下するという問題がある。
【0010】
また特許文献4の方法では、フルオロアルキルシランの反応に高い温度を必要とするという問題があり、またフルオロアルキルシラン層そのものも細孔を多数有するため、入り込んだ汚れの除去は難しいという問題がある。またフルオロアルキルシラン層を設ける塗装工程が増えるため製造コストが高くなるという問題もある。
【0011】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、基材の表面を保護するとともに防汚性を有し、基材が調湿機能を有する場合にはその調湿機能の低下を抑制することができるコーティング剤及び硬化被膜形成品を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
【0013】
即ち、本発明のコーティング剤は、側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂と、硬化剤と、撥水性防汚材料とを含有することを特徴とする。
【0014】
このコーティング剤において、前記架橋性有機樹脂が、側鎖に親水基を有する架橋性アクリル樹脂であることが好ましい。
【0015】
また、前記コーティング剤において、前記架橋性有機樹脂の側鎖の親水基が、アミド基及びカルボキシル基のうち少なくともいずれか一方の官能基であることが好ましい。
【0016】
また、前記コーティング剤において、前記架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂であり、前記硬化剤がイソシアネート化合物であることが好ましい。
【0017】
さらに、前記コーティング剤において、前記撥水性防汚材料が、フッ素系樹脂であることが好ましい。
【0018】
さらにまた、前記コーティング剤において、前記撥水性防汚材料の含有率が、前記架橋性有機樹脂及び前記硬化剤の樹脂固形分の合計量に対して5質量%以上30質量%以下の範囲であることが好ましい。
【0019】
また、本発明の硬化被膜形成品は、前記のコーティング剤の硬化被膜が基材の表面に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のコーティング剤及び硬化被膜形成品によれば、基材の表面を保護するとともに防汚性を有し、基材が調湿機能を有する場合にはその調湿機能の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のコーティング剤について詳細に説明する。
【0022】
本発明のコーティング剤は、バインダー成分としての、側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂(以下、単に、架橋性有機樹脂ともいう)と、硬化剤と、撥水性防汚材料とを含有している。
【0023】
ここで、側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂とは、重合性不飽和二重結合を有するモノマー等の有機モノマーの重合体又は共重合体であって、硬化剤との架橋反応に寄与する反応性基を有し、重合体又は共重合体の側鎖に親水基を有している樹脂のことをいう。
【0024】
このようなコーティング剤は、例えば内装材等の基材に塗布され、架橋性有機樹脂と硬化剤との反応により架橋構造が付与された親水性樹脂層を形成し、撥水性防汚材料を含有する硬化被膜が基材の表面に形成される。
【0025】
この硬化被膜は透湿性を有しており、調湿機能を有する調湿性部材を基材として用いた場合には、調湿性部材の有する調湿機能の低下が抑制される。コーティング剤の硬化被膜において、このような効果が得られる理由は明確でないが、次のように推測される。
【0026】
架橋性有機樹脂と硬化剤との架橋反応の際、架橋性有機樹脂の側鎖に有する極性基である親水基の存在により、親水基間に何らかの相互作用が働き、湿度を通過しやすい膜構造が形成されたものと推測される。
【0027】
また、撥水性防汚材料は、表面エネルギーが低いため、硬化過程において塗膜表面に傾斜配向し、表面付近に効果的な防汚層を形成するものと推測される。
【0028】
コーティング剤の硬化被膜は、上記のとおり架橋構造が付与されているため、基材の保護層として良好な被膜硬度を有し耐久性が良好となる。また撥水性防汚材料による表面防汚性が付与されるため、耐薬品性や耐溶剤性等の物性も良好となる。
【0029】
次に、コーティング剤に使用されるバインダー成分としての、架橋性有機樹脂について説明する。
【0030】
架橋性有機樹脂の主鎖を構成する樹脂の種類としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリルシリコン樹脂等を挙げることができる。なかでもアクリル樹脂は、形成される硬化被膜の硬度と耐薬品性が良好であるので好ましい。
【0031】
架橋性有機樹脂の側鎖の親水基としては、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、アミノエチル基、ポリエーテル基、ポリグリセロール基、ウレア基、スルホ基、シラノール基、ホスホリルコリン基等を挙げることができる。
【0032】
なかでもカルボキシル基やアミド基を有する場合、形成される硬化被膜の透湿性が良好であるので好ましい。なお、架橋性有機樹脂の側鎖には、複数種の親水基を有していてもよい。
【0033】
架橋性有機樹脂は、例えば、親水基を有するモノマーと架橋反応に寄与する反応性基を有するモノマーとから調製することができる。さらに必要に応じて、Tgや相溶性等を調整する物性改良モノマーを加え、親水基を有するモノマーと架橋反応に寄与する反応性基を有するモノマーとを併せた3種のモノマーから調製することもできる。
【0034】
親水基を有するモノマーは、架橋性有機樹脂の側鎖に親水基を導入するためのモノマーであり、架橋反応に寄与する反応性基を有するモノマーは、架橋性有機樹脂に反応性基を導入するためのモノマーである。
【0035】
架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂であり、その親水基がアミド基又はカルボキシル基である場合、その原料となる各モノマーの具体例は次のとおりである。
【0036】
アミド基を有するモノマー(親水基を有するモノマー)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等を挙げることができる。
【0037】
カルボキシル基を有するモノマー(親水基を有するモノマー)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸ハーフエステル等のジカルボン酸誘導体等を挙げることができる。
【0038】
架橋反応に寄与する反応性基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(ダイセル化学社製「プラクセルFM1」)、ポリエチレングリコールモノアクリレート又はモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート又はモノメタクリレート等を挙げることができる。
【0039】
物性改良のモノマーとしては、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを挙げることができる。
【0040】
アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0041】
アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの具体例としては、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等を挙げるがことができる。
【0042】
以上のモノマーを常法により重合し規定の分子量に設定することで、架橋性有機樹脂を調製することができる。分子量は、例えば数平均分子量で、5000〜200000であることが好ましい。
【0043】
分子量がこの範囲であると、硬化剤との相溶性が良好であり、形成される硬化被膜の物性も良好となる。
【0044】
次にコーティング剤に使用される硬化剤について説明する。
【0045】
硬化剤は、架橋性有機樹脂の反応性基と架橋反応し得る官能基を有していれば特に制限されるものではなく、上述したように、架橋性有機樹脂の反応性基に応じて適宜選択される。
【0046】
例えば、架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂の場合、硬化剤としてはイソシアネート化合物であることが好ましい。
【0047】
このようなイソシアネート化合物は、溶剤型、無溶剤型、水分散型等いずれのものも利用することができる。構造としては、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネート等を挙げることができる。
【0048】
脂肪族イソシアネートの具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
【0049】
また、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体の変性体等も挙げることができる。
【0050】
脂環族イソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン(水添XDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)等の脂環族ジイソシアネートを挙げることができる。
【0051】
芳香族イソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、カルボジイミド変性のMDI等を挙げることができる。
【0052】
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、適当なブロック剤でブロックしたものを使用してもよいが、硬化被膜の黄変が起こりにくいヘキサメチレンジイソシアネート類を用いることが好ましい。
【0053】
架橋性有機樹脂と硬化剤との架橋反応は、公知の架橋反応が採用され、架橋性有機樹脂の反応性基と、この反応性基と架橋反応し得る官能基を有する硬化剤とは公知のものから適宜選択される。
【0054】
架橋反応の具体例としては、エポキシ基とアミノ基の反応、エポキシ基とカルボキシル基の反応、水酸基とカルボキシル基の反応、水酸基とシラノール基の縮合重合反応、水酸基とメラミン樹脂の反応、水酸基とイソシアネート基の反応等が例示される。
【0055】
なかでも水酸基とイソシアネート基の反応(ウレタン化反応)は、結合基自身が耐久性や耐薬品性に優れており、また、低温で反応が進むため基材に高い温度がかけにくい内装材等の用途に好適に用いられる。
【0056】
ウレタン化反応する架橋性有機樹脂と硬化剤として好適なものとしては、架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂、硬化剤がイソシアネート化合物である。
【0057】
このような架橋性有機樹脂と硬化剤とを用いたコーティング剤は、高い温度がかけにくい内装材等の用途に好適に用いられる。また、形成される硬化被膜は、耐久性や耐薬品性に優れ、被膜硬度も良好である。
【0058】
硬化剤の添加量は、架橋性有機樹脂の反応性基に応じて適宜設定される。例えば、側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂に対するイソシアネート化合物の添加量は、イソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)数とアクリルポリオール樹脂の水酸基(OH)数との比率(NCO/OH)が0.5〜2.0になるように設定されることが好ましい。この範囲内であれば、被膜硬度、密着性が良好な硬化被膜を得ることができる。
【0059】
次にコーティング剤に使用される撥水性防汚材料について説明する。
【0060】
撥水性防汚材料は、架橋性有機樹脂及び硬化剤、溶媒との相溶性が良いものであれば、特に制限されるものではないが、フッ素系樹脂であることが好ましい。
【0061】
撥水性防汚材料の具体例としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、及びフッ化ビニリデン等の含フッ素モノマーの単独重合、あるいはアクリル、シリコーン等、他のモノマーとの共重合によって得られる含フッ素樹脂が挙げられ、これらの中でも特に含フッ素シリコーン樹脂が好ましい。
【0062】
撥水性防汚材料は、塗膜中に保持される構造を持つ樹脂材料であることが好ましい。ワックス、オイル等の材料は、一時的な防汚性を付与することはできるが、環境温度下で溶融又は揮発する可能性があり、それによって防汚性が低下することが考えられる。
【0063】
撥水性防汚材料の含有率は、架橋性有機樹脂及び硬化剤の樹脂固形分の合計量に対して、5質量%以上30質量%以下の範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、防汚性、透湿性がともに発揮される。
【0064】
本発明のコーティング剤では、必要に応じて、希釈溶媒を用いることができる。具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の一塩基酸エステル系溶媒が挙げられる。
【0065】
また本発明のコーティング剤では、必要に応じて、ワックス、抗菌剤、防黴剤、艶消し剤、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜用いることができる。
【0066】
以上のような本発明のコーティング剤は、基材の表面に塗布され、架橋性有機樹脂と硬化剤との反応により硬化し、撥水性防汚材料を含有する硬化被膜が基材の表面に形成される。
【0067】
コーティング剤が塗布される基材としては、例えば、無機多孔体等を有する調湿機能を備えた調湿性部材等の内装材が挙げられる。もちろん、調湿機能を有しない非調湿性部材としての木質建材等であってもよい。
【0068】
基材の表面に形成される硬化被膜は、基材の表面保護や硬度強化に有効である。この硬化被膜は透湿性及び調湿性を有しており、基材として調湿性部材を用いた場合には、調湿性部材の有する調湿機能の低下が抑制される。また、基材として非調湿性部材を用いた場合には適度な調湿性が発揮される。
【0069】
硬化被膜の厚さは、基材の表面保護、硬化被膜の透湿性を考慮すると、1〜30μm、好ましくは5〜20μm程度になるように塗布することが望ましい。塗布回数は特に制限はなく、一回又は二回以上であってもよい。
【0070】
塗布方式としては、従来公知のフローコーター、ロールコーター、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法、ノズル法、巻き取り法、流し法、盛り付け、パッチング法等が挙げられる。また自動化にて塗布してもよく、手動にて塗布してもよい。
【0071】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【実施例】
【0072】
<実施例1>
架橋性有機樹脂として、側鎖にアミド基及びカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(ハリマ化成株式会社製、商品名:DH−21、樹脂固形分30%)54質量部に、撥水性防汚材料としてフッ素及びシリコーン成分を含有するポリオール樹脂(関東電化工業株式会社製、商品名:KD270R、樹脂固形分30%)4質量部、溶媒として酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)9質量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。
【0073】
次いで、硬化剤としてイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:D−170N、樹脂固形分100%、NCO含有率21%)5質量部を加え、さらによく攪拌してコーティング剤を得た。
【0074】
<実施例2>
架橋性有機樹脂として、側鎖にアミド基及びカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(ハリマ化成株式会社製、商品名:DH−21、樹脂固形分30%)54質量部に、撥水性防汚材料としてフッ素及びシリコーン成分を含有するポリオール樹脂(関東電化工業株式会社製、商品名:KD270R、樹脂固形分30%)6質量部、溶媒として酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)9質量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。
【0075】
次いで、硬化剤としてイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:D−170N、樹脂固形分100%、NCO含有率21%)5質量部を加え、さらによく攪拌してコーティング剤を得た。
【0076】
<実施例3>
架橋性有機樹脂として、側鎖にアミド基及びカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(ハリマ化成株式会社製、商品名:DH−21、樹脂固形分30%)36質量部に、撥水性防汚材料としてフッ素及びシリコーン成分を含有するポリオール樹脂(関東電化工業株式会社製、商品名:KD270R、樹脂固形分30%)15質量部、溶媒として酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)9質量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。
【0077】
次いで、硬化剤としてイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:D−170N、樹脂固形分100%、NCO含有率21%)5質量部を加え、さらによく攪拌してコーティング剤を得た。
【0078】
<実施例4>
架橋性有機樹脂として、側鎖にアミド基及びカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(ハリマ化成株式会社製、商品名:DH−21、樹脂固形分30%)45質量部に、撥水性防汚材料としてフッ素及びシリコーン成分を含有するポリオール樹脂(関東電化工業株式会社製、商品名:N3892、樹脂固形分35%)9質量部、溶媒として酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)10質量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。
【0079】
次いで、硬化剤としてイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:D−170N、樹脂固形分100%、NCO含有率21%)3.5質量部を加え、さらによく攪拌してコーティング剤を得た。
【0080】
<実施例5>
架橋性有機樹脂として、側鎖にアミド基及びカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(ハリマ化成株式会社製、商品名:DH−21、樹脂固形分30%)24質量部に、撥水性防汚材料としてフッ素及びシリコーン成分を含有するポリオール樹脂(関東電化工業株式会社製、商品名:KD270R、樹脂固形分30%)30質量部、溶媒として酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)15質量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。
【0081】
次いで、硬化剤としてイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:D−170N、樹脂固形分100%、NCO含有率21%)9質量部を加え、さらによく攪拌してコーティング剤を得た。
【0082】
<実施例6>
架橋性有機樹脂として、側鎖にアミド基及びカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(ハリマ化成株式会社製、商品名:DH−21、樹脂固形分30%)30質量部に、撥水性防汚材料としてフッ素及びアルコキシシランを含有するポリオール樹脂(関東電化工業株式会社製、商品名:N3997、樹脂固形分25%)1.5質量部、溶媒として酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)9質量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。
【0083】
次いで、硬化剤としてイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:D−170N、樹脂固形分100%、NCO含有率21%)4質量部を加え、さらによく攪拌してコーティング剤を得た。
【0084】
<比較例1>
架橋性有機樹脂として、側鎖にアミド基及びカルボキシル基を有するアクリルポリオール樹脂(ハリマ化成株式会社製、商品名:DH−21、樹脂固形分30%)54質量部に、溶媒として酢酸エチル(協和発酵ケミカル株式会社製)10質量部を加え、ディスパーを用いてよく撹拌した。
【0085】
次いで、硬化剤としてイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:D−170N、樹脂固形分100%、NCO含有率21%)4.5質量部を加え、さらによく攪拌してコーティング剤を得た。
【0086】
<鉛筆硬度の評価>
溶剤洗浄をしたアルマイト基材に、アプリケーターを用いて上記コーティング剤を塗布した後、80℃の乾燥炉で20分間乾燥、硬化させ硬化被膜を形成して試料とした。
【0087】
硬化被膜の膜厚を、膜厚計を用いて測定したところ10μmであった。この試料について、JIS K−5600に準じ、硬化被膜の鉛筆硬度を評価した。
【0088】
<防汚性の評価>
易接着ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラーU12)にアプリケーターを用いてコーティング剤を塗布した後、80℃の乾燥炉で20分間乾燥、硬化させ、硬化被膜を形成した。
【0089】
一般事務用インキ、油性マジックインキを硬化被膜に塗布後に除去した際の硬化被膜外観を評価した。評価の基準は下記の通りである。
外観非常に良好:○
外観良好:△
外観異常あり(汚染あり、硬化塗膜が剥離):×
【0090】
<透湿度の評価>
透湿性基材(透湿度:2000g/m、24h)にアプリケーターを用いて上記コーティング剤を塗布した後、80℃の乾燥炉で20分間乾燥、硬化させ、硬化被膜を形成して試料とした。この試料について、JIS Z 0208「防湿包装材料の透過湿度試験方法」B条件(25℃、90%RH)に準じ、評価を行った。評価の基準は下記の通りである。
【0091】
300g/m、24h以上:○
100g/m、24h以上300g/m、24h未満:△
100g/m、24h未満:×(該当なし)
以上の結果を表1に示す。
【0092】
【表1】

【0093】
評価結果から、側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂と硬化剤に、撥水性防汚材料を含有させた実施例1〜6に対して、撥水性防汚材料を含有しない比較例1は、防汚性が悪いことが確認された。
【0094】
撥水性防汚材の含有率を架橋性有機樹脂及び前記硬化剤の樹脂固形分の合計量に対して5質量%以上30質量%以下の範囲とした実施例1〜4は、鉛筆硬度、防汚性及び透湿度において、バランスの優れたコーティング剤であることが確認された。
【0095】
なお、実施例5では透湿度は中位評価(△)の結果を示しているが、これはコーティング剤として十分に実用的に有意である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側鎖に親水基を有する架橋性有機樹脂と、硬化剤と、撥水性防汚材料とを含有することを特徴とするコーティング剤。
【請求項2】
前記架橋性有機樹脂が、側鎖に親水基を有する架橋性アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤。
【請求項3】
前記架橋性有機樹脂の側鎖の親水基が、アミド基及びカルボキシル基のうち少なくともいずれか一方の官能基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング剤。
【請求項4】
前記架橋性有機樹脂が側鎖に親水基を有するアクリルポリオール樹脂であり、前記硬化剤がイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング剤。
【請求項5】
前記撥水性防汚材料が、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のコーティング剤。
【請求項6】
前記撥水性防汚材料の含有率が、前記架橋性有機樹脂及び前記硬化剤の樹脂固形分の合計量に対して5質量%以上30質量%以下の範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のコーティング剤。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のコーティング剤の硬化被膜が基材の表面に形成されていることを特徴とする硬化被膜形成品。

【公開番号】特開2013−95854(P2013−95854A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240110(P2011−240110)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】