説明

コーティング生地及びその製造方法

【課題】 外科医が手術中に逆に感染しないようにするための、外科医のための手術服または掛け布を製造するために使用される塗布繊維であるコーティング生地を提供する。
【解決手段】 繊維1と少なくとも前記繊維1の一部に供給された塗布膜層2を具備する生地であって、該塗布膜層2は前記繊維1の一部に液体が浸み込まないようにするために、該繊維1の一方側に、防水性を有して風を通しやすい塗布膜層2としてコーティングにより形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生地に関し、特にコーティングを施した生地に関する。
【背景技術】
【0002】
外科医の手術服および掛け布を含む伝統的な医療用の生地は、人々がコンパクトで、柔らかく、炎症を起こさせないと感じる不織布繊維で、一般に製造されている。
【特許文献1】特開2002−20956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、通常は、伝統的な医療用の生地は防水性ではない。そのため、手術中に、看者の血液または身体の液体が外科医の手術服および掛け布に浸みてしまい、手術中に外科医が逆に感染してしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来の問題点を解決するために、本発明は少なくとも繊維の一部にコーティングによって塗布膜層を形成した繊維を具備した生地を提供する。
塗布膜層は防水性を有して風通しが良く、そして繊維の塗布膜層を形成した部分に液体が浸みないようにしており、繊維に塗布膜層を重合してある。
【0005】
別の観点では、少なくとも防水性を有して風通しの良い塗布膜層を一部に形成するようにコーティングを施した繊維を具備した生地の製造方法を提供する。この生地はコーティングによる塗布膜層が繊維に重合するように、塗布した繊維を高温で加熱する。
【発明の効果】
【0006】
ここで提供する生地は、水、アルコール、血液、オイルのような液体が浸みるのを防ぐことができる。そのため、断熱衣服、実験服、防護帽子、くつカバー、オーバースリーブのような使い捨ての防護服やその付属品に、またベッドシート、まくらカバー、テーブルクロスおよび広げて使うシートのような家庭用防護製品に使用することができる。
【0007】
いくつかの実施において、ここで提供する生地は手術中に相互感染から人々を守ることができる外科医の手術服および掛け布のような医療用製品を作るために使用する。
【実施例】
【0008】
第1図は、本発明の一実施例による生地を描いた図である。生地は繊維1と繊維の一方側に供給される塗布膜層2を有する。
【0009】
第2図は、本発明の他の実施例による生地を描いた図である。塗布膜層2、3は繊維1の両側に塗られている。
【0010】
繊維1は通常、コットンまたはコットンとポリマーの混合で作られるスパンレース不織布繊維であるが、これに限定はされない。コットンとポリマーの混合は、ポリプロピレンまたはポリエステル繊維またはこれらを混合する技術で技術者に良く知られている。
【0011】
防水性を有して風を通しやすい塗布膜層2と塗布膜層3は、同じものまたは異なるものでもよく、伝統的に使用される技術で、例えば、ポリテトラフルオロエチレン塗布膜層、ポリウレタン塗布膜層、アクリル塗布膜層、またはこれらの混合塗布膜層の中から1つ選択してもよい。いくつかの実施において、塗布膜層はポリテトラフルオロエチレン塗布膜層またはポリウレタン塗布膜層である。本実施例では、塗布膜層はポリウレタン塗布膜層である。
【0012】
ここに提供する生地は、外科医の手術服や塗布膜層を形成した外科医の掛け布のような異なる製品を製造するのに使用することができる。
【0013】
ここに提供する生地を製造する方法は、少なくとも繊維の一部にコーティングを施して生地に塗布膜層を形成することを具備しており、そして塗布膜層が生地の繊維に架橋されるように、塗布した生地を高温で加熱することを必要とする。
【0014】
製造方法におけるコーティングとしての塗布をする工程は、回転スクリーン印刷塗布、ロール塗布、流し塗布、発泡塗布、スプレイ塗布、ナイフ塗布、転写式塗布またはこれらの混合塗布のいずれかによって実施される。
【0015】
その後、塗布膜層が形成された生地は、放射、噴射加熱およびシリンダー乾燥プロセッサーまたはこれらの混合の1つの方法によって乾燥される。その後、乾燥されたコーティング処理の施された生地は、通常100度〜200度の範囲(温度の範囲は、生地の特別の材質による)にある高温で、塗布した生地の繊維に架橋を生成するために加熱される。この工程は、加熱噴射によって行われる。
【0016】
繊維がコットンやポリマー、すなわちポリプロピレンまたはポリエステル繊維を用いたスパンレース不織布繊維の場合には、コットンとポリマーの比率は、65%〜95%対35%〜5%である。
コットン製のスパンレース不織布繊維と比較すると、コットンおよびポリマーからなるスパンレース不織布繊維は、低価格であり、より折り目がつかない効果を有する。
【0017】
本発明の一般概念および多くの実施例は、上記に開示されている。本発明の精神から離れない修正、代用、改良は本技術におけるこれらの熟練によって作ることができ、本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例による生地を描いた図である。
【図2】本発明の他の実施例による生地を描いた図である。
【符号の説明】
【0019】
1 繊維
2、3 塗布膜層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維と少なくとも前記繊維の一部に供給された塗布膜層を具備する生地であって、該塗布膜層は前記繊維の一部に液体が浸み込まないようにするために、該繊維の一方側に、防水性を有して風を通しやすい塗布膜層とされていることを特徴とする生地。
【請求項2】
前記塗布膜層は、ポリテトラフルオロエチレン塗布膜層、ポリウレタン塗布膜層、アクリル塗布膜層およびこれらの混合された塗布膜層のグループから少なくとも1つ選択されることを特徴とする請求項1記載の生地。
【請求項3】
前記繊維は、スパンレース不織布繊維であることを特徴とする請求項2記載の生地。
【請求項4】
前記スパンレース不織布繊維が、コットンまたはコットンとポリマーとからなることを特徴とする請求項3記載の生地。
【請求項5】
前記スパンレース不織布繊維は、コットンとポリマーとからなり、該コットンとポリマーの比率が65%〜95%対35%〜5%であることを特徴とする請求項4記載の生地。
【請求項6】
前記生地は、医療用の服または掛け布を製造するために使用されることを特徴とする請求項1記載の生地。
【請求項7】
a)繊維を供給する工程と、
b)少なくとも該繊維の一部に防水性を有して風を通さない塗布膜層を形成する工程と、
c)該塗布膜層が前記繊維に重合するように、塗布膜層が形成された繊維を高温で加熱する工程とを具備する生地の製造方法。
【請求項8】
前記c)の工程が、100度から200度の温度範囲を有する加熱噴射によって実施されることを特徴とする請求項7記載の生地の製造方法。
【請求項9】
前記b)の工程が、回転スクリーン印刷塗布、ロール塗布、流し塗布、発泡塗布、スプレイ塗布、ナイフ塗布、転写式塗布またはこれらの混合塗布のうち、いずれかひとつによって実施されることを特徴とする請求項7記載の生地の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−19323(P2009−19323A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180329(P2008−180329)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(508209657)穏健実業(深▲川▼)有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】WINNER INDUSTRIES(SHENZHEN) CO.,LTD
【Fターム(参考)】