説明

コーティング組成物およびその硬化方法

【課題】本発明は、コーティング組成物およびその硬化方法を提供する。
【解決手段】本発明のコーティング組成物は、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選択される熱可塑性樹脂;および、重合単位として少なくとも1種の単官能性または多官能性のアクリル酸ベースのモノマーと、エチレン性不飽和官能基を有するオリゴマーと、光開始剤とを含む放射線硬化性樹脂を含み、この場合において、放射線硬化性樹脂を、熱可塑性樹脂の重量に基づいて220〜1000%の量で用いる。本発明は、コーティング組成物の硬度を改良し、コーティングされた基材の傷または磨耗を防止し、かつ、歪みを引き起こすことなく基材に高い透明性をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング組成物に関する。本発明の組成物は、基材、特に光学用途の基材に適用して、基材の硬度を強化し、基材が傷つくことを防止する。
【背景技術】
【0002】
不注意な操作により、基材の表面が容易に傷つくかまたは摩耗すると、基材の外観および特性に悪影響を与える。特に、光学用基材は、輸送中の振動によって損傷されることが多い。現在、産業界で採用されている解決策は、基材の表面に保護フィルムを接着させることである。しかし、保護フィルムの利用はコストを増加させる。上述した課題を克服するために、有用となりうるアプローチは、基材の表面にコーティングを適用して、基材の硬度を改良し、コーティングされた基材の傷を防止することであろう。従来、UV硬化性樹脂は、通常、傷のつきにくい(耐スクラッチ性:scratch-resistant)コーティングとして用いられていた。UV硬化性樹脂は、短時間に反応することができ、かつ、ある程度の架橋を達成できるからである。しかし、UV硬化性樹脂の利用は、非硬化または不完全な硬化をもたらす不十分なUV光透過性によって制限される。さらに、架橋反応に起因して、UV硬化性樹脂は、応力または収縮速度の不調和を起こしやすく、歪みや亀裂を生じやすい。
【0003】
UV光透過性に伴う問題および従来の光硬化技術における非硬化または不十分な硬化に伴う問題を解決するため、そして熱可塑性樹脂が長時間で硬化するという事実を背景として、CN 10106347 A(US 2007/0066698 A1)には、少なくとも1種の充填剤;少なくとも1種のエチレン性単位または環式エーテル単位またはこれらの混合を含む少なくとも1種の硬化性モノマー;少なくとも1種の光開始剤;および、少なくとも1種の熱開始剤を含む二重硬化組成物が開示されている。CN10106347Aには、この二重硬化組成物を放射線に曝して少なくとも部分的に光硬化させ、さらに十分な熱を与えて熱硬化を開始させて、硬化した組成物を得ることが開示されている。
【0004】
US 5571297にはさらに、優れた接着特性を有するが、熱硬化を達成させるために長時間の加熱を必要とする従来用いられているフェノール樹脂に伴う問題に取り組み、かつ光硬化に伴う上述した欠点を防ぐための、二重硬化バインダーシステムが開示されている。US 5571297には、バインダー被膜でコーティングされた研削材が開示されている。このバインダー被膜は、望ましい効果を達成するために、放射線硬化性の少なくとも1つの官能基と、熱的に活性化された条件下で重合可能な少なくとも1つの官能基とを有する化合物を含む。
【0005】
特定の量の熱硬化性樹脂を、UV硬化性樹脂を含有するコーティングに組み込み、二重硬化プロセスを利用して効果的に架橋度の低いコーティングを生じさせることは、当分野において既に知られている。例えば、DE 19920799、US 4025407、およびUS 6835759は、このような技術を開示している。通常、使用する熱硬化性樹脂は、熱で硬化する樹脂(熱硬化樹脂)である。これらの熱硬化樹脂は、大きな内部応力を有し、歪みに伴う問題を十分に解決することができない。加えて、熱硬化樹脂の硬化は、通常、硬化剤(すなわち架橋剤)を必要とする。しかし、硬化剤が熱硬化樹脂と容易に反応し、これによって樹脂の分子量が長期にわたって増加するか、あるいは様々な反応度がもたらされて、樹脂の特性の変化がもたらされる。これらの場合では、樹脂は制限された期間内に消費されるべきであり、長期間の硬化には適していない。
【0006】
US 6835759には、放射線硬化性成分(a1)、熱硬化性性バインダー成分(a2)、熱硬化性架橋性化合物(a3)、および、場合により1種以上の反応性希釈剤(A4)を含むコーティング組成物であって、以下の式:
UV/TH=[a1+a4]NV/[a2+a3]NV
(式中、[a1+a4]NVは、成分(a1)および(a4)の不揮発性の総重量を表し、[a2+a3]NVは、成分(a2)および(a3)の不揮発性の総重量を表す)
によって得られる比を有するコーティング組成物が開示されている。好ましい実施態様では、UV/THは0.25〜0.50、最も好ましくは0.30〜0.45であり、揮発性蒸発物によって引き起こされる表面欠陥が低減され、さらに、所望の接着、特に、空隙のシーリングと接着との間の特に望ましいバランスが得られている。しかし、比UV/THが上記の範囲内である場合に、コーティング組成物の硬度および耐スクラッチ性が現実の用途に対して十分でない可能性がある。
【0007】
さらに、加工容易性のために、一般に用いられる二重硬化性樹脂は、通常70℃未満の低いガラス転移温度を有する。低いガラス転移温度を有する樹脂は、より容易に加工することができるが、これらは低い耐熱性を示す。低いガラス転移温度を有する樹脂と比較して、高いガラス転移温度を有する樹脂は、特に、これらの樹脂が光学フィルム、あるいは光またはランプからの熱の作用を受ける他の部品に用いられる場合に、より安定であり、より耐熱性である。温度が最高で80℃までである場合、材料の形状が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許第19920799号明細書
【特許文献2】米国特許第4025407号明細書
【特許文献3】米国特許第6835759号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このため、より高いガラス転移温度と、より良い耐熱性とを有する樹脂を使用する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
(a) ポリシクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選択される熱可塑性樹脂と、
(b) (b1) 重合単位として少なくとも1種の単官能性または多官能性のアクリル酸ベースのモノマーを含む放射線硬化性ポリマー、
(b2) エチレン性不飽和基を有するオリゴマー、および
(b3) 光開始剤
を含む放射線硬化性樹脂と
を含み、前記放射線硬化性樹脂を、前記熱可塑性樹脂の重量に基づいて220〜1000重量%の量で用いるコーティング組成物を提供する。
【0011】
本発明は、熱硬化性樹脂として、応力を和らげ、放射線硬化性樹脂の接着性を高める熱可塑性樹脂を選択し、よりよいコーティング特性を有するコーティング組成物を提供する。これによって、樹脂の加工性を高め、かつ、放射線硬化性樹脂の量比を高めてコーティング組成物の硬度を高める。基材に適用すると、本発明のコーティング組成物は、一旦硬化すると、基材の硬度を高め、基材の亀裂または損傷を防止し、基材に歪みを生じさせずに高い透過性を付与する。
【0012】
本発明のコーティング組成物において用いる熱可塑性樹脂は、ポリシクロオレフィン樹脂;ポリエステル樹脂〔例えば、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)など〕;ポリアクリレート樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)など〕;およびこれらの混合物からなる群から選択され、これらのうち、ポリアクリレート樹脂が好ましい。この熱可塑性樹脂は、ヒドロキシ、カルボキシ、アミド、ウレタン、およびエポキシ、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施態様では、熱可塑性樹脂としてポリアクリレート樹脂を用いる。このポリアクリレート樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、およびメタクリル酸ヒドロキシプロピル、ならびにこれらの混合からなる群から選択されるモノマーから誘導される重合単位を有し、これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、およびメタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、ならびにこれらの混合からなる群から選択されるモノマーから誘導される重合単位を有することが好ましい。
【0014】
この熱可塑性樹脂は、80℃より高いガラス転移温度を有し、好ましくは80℃〜250℃、より好ましくは85℃〜130℃のガラス転移温度を有し、104〜2x106の範囲の平均分子量、より好ましくは1.5x104〜3x105、2x104〜6x104の範囲の平均分子量を有する。
【0015】
本発明による放射線硬化性樹脂は、エネルギー線で照射した直後に硬化させることができる樹脂をいう。エネルギー線は、特定の波長範囲の光源、例えば、UV光、赤外線、可視光、または熱線(原子核線すなわち放射線)をいい、これらのうち、UV光が好ましい。照射強度は、100〜1000 mJ/cm2、好ましくは200〜800 mJ/cm2の範囲である。
【0016】
本発明のコーティング組成物に用いる放射線硬化性樹脂は、放射線硬化性ポリマー、エチレン性不飽和基を有するオリゴマー、および光開始剤を含む。放射線硬化性ポリマーは、重合単位として、単官能性または多官能性のアクリル酸ベースのモノマーを少なくとも1種含む。アクリル酸ベースのモノマーは、アクリル酸モノマー、アクリレートモノマー、好ましくはアクリレートモノマーである。本発明のために好適なアクリレートモノマーには、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、ポリエステルアクリレートモノマー、およびエポキシアクリレートモノマーであり、これらのうち、アクリレートモノマーおおびメタクリレートモノマーが好ましい。
【0017】
上述したアクリレートモノマーは、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-フェノキシエチル、エトキシル化2-フェノキシエチルアクリレート 、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、環式トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソオクチルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、エトキシル化1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノール-Aジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、エトキシル化2-メチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、およびトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0018】
コーティング組成物のフィルム形成を向上させるために、本発明の放射線硬化性樹脂は、エチレン性不飽和記を有するオリゴマーであって、103〜104の範囲の分子量を有するオリゴマーを含有する。好ましくは、このオリゴマーは、アクリレートオリゴマーであり、例えば、これらだけに限定されないが、ウレタンアクリレート(例えば、脂肪族ウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンヘキサアクリレート、および芳香族ウレタンヘキサアクリレートなど);エポキシアクリレート(例えば、ビスフェノール-Aエポキシジアクリレート、およびノボラックエポキシアクリレートなど);ポリエステルアクリレート(例えば、ポリエステルジアクリレートなど);またはホモ-アクリレート、またはこれらの混合物が含まれる。
【0019】
本発明のために有用な光開始剤は、光照射するとフリーラジカルを生じて、フリーラジカルの転移によって重合を引き起こす光開始剤である。本発明において有用な光開始剤には、例えば、これらだけに限定されないが、ベンゾフェノン、ベンゾイン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ならびにこれらの混合物が含まれる。好ましくは、光開始剤は、ベンゾフェノンまたは1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。
【0020】
本発明は、熱硬化性樹脂として、熱可塑性樹脂を選択する。これにより、放射線硬化性樹脂の応力を和らげ、接着性を高め、かつ、コーティング組成物により良いコーティング特性を与えることができ、これによって樹脂の加工性が高まり、放射線硬化性樹脂の量比が高まり、コーティング組成物の硬度が増強される。放射線硬化性樹脂の好適な量は、熱可塑性樹脂と比較して、得られるべき所望の生成物に依存する。硬化したコーティング組成物の硬度を高め、フィルムの歪みを引き起こすことなく、光学フィルムへのその用途のための硬化したコーティング組成物の耐スクラッチ性および耐歪み性を高めるために、放射線硬化性樹脂は、前記熱可塑性樹脂の重量に基づいて220〜1000重量%、好ましくは250〜500重量%の量で用いる。
【0021】
熱可塑性樹脂および放射線硬化性樹脂に加えて、本発明のコーティング組成物は、場合により、当技術分野で従来公知の添加剤を含んでいてよい。この添加剤は、例えば、これらだけに限定されないが、帯電防止剤、溶媒、光開始剤、拡散粒子、UV吸収剤、または無機微粒子である。
【0022】
コーティング組成物の加工または作製の際に、コーティング組成物自体またはコーティング組成物と他の材料との間の摩擦によって、静電気が生じる。静電気の発生により、大気中に遊離しているほこりが表面に凝集し、高価な電子素子の損傷を引き起こし、爆発性ガスまたは粉体の発火に起因する火災の原因さえ引き起こされる。したがって、本発明のコーティング組成物は、場合により帯電防止剤を含むことができる。
【0023】
帯電防止剤は、コーティング組成物に直接組み込むことができ、得られた組成物をさらに混合し加工する。本発明のために好適な帯電防止剤は、とくに限定されず、当業者に周知の任意の帯電防止剤、例えば、エトキシグリセリン脂肪酸エステル、第四級アミン化合物、脂肪族アミン誘導体、エポキシ樹脂(例えば、ポリエチレンオキシドなど)、シロキサン、または他のアルコール誘導体(例えば、ポリ(エチレングリコール)エステル、ポリ(エチレングリコール)エーテルなど)などであってよい。通常、プラスチック材料は、1015〜1016Ω/□(すなわちΩ/m2)の範囲の表面抵抗率を有する。帯電防止硬化が望まれる場合、1010〜1012Ω/□の範囲の表面抵抗率が好ましい。しかし、表面抵抗率が1012Ω/□より高い場合、帯電防止効果は良好ではない。
【0024】
本発明のコーティング組成物は、場合によりUV吸収剤を含む。本発明のために好適なUV吸収剤は、当業者に周知の任意のUV吸収剤であってよく、このUV吸収剤には、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアジン、ベンゾフェノン、またはサリチル酸誘導体が含まれる。代用として、UVを吸収する無機微粒子、例えば、酸化亜鉛、ジルコニア、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、もしくは炭酸カルシウム、またはこれらの混合物を、コーティング組成物中に用いることができる。上述した無機微粒子の粒径は、通常、1〜100 nm(ナノメートル)、好ましくは20〜50 nmの範囲である。
【0025】
本発明のコーティング組成物は、場合により拡散粒子を含む。本発明のために好適な拡散粒子は、当業者に公知の拡散粒子であり、これらには、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、またはシリコーン樹脂、またはこれらの混合物の有機微粒子が含まれる。
【0026】
本発明のコーティング組成物は、組成物の流動性を向上させるために、場合により溶媒を含み、これにより、コーティング組成物をより容易に基材に適用することができる。本発明のために好適な溶媒は、当業者に公知の溶媒であってよく、例えば、ベンゼン化合物、エステル、ケトン、またはこれらの混合物が含まれる。ベンゼン溶媒の非限定的な例には、ベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、およびp-キシレントルエン、ならびにこれらの混合物が含まれる。エステル溶媒の非限定的な例には、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、エトキシエチルアセテート、エトキシプロピルアセテート、およびモノメチルエーテルプロピレングリコールアセテート、ならびにこれらの混合物が含まれる。ケトン溶媒の非限定的な例には、アセトン、メチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトン、ならびにこれらの混合物が含まれる。
【0027】
本発明のコーティング組成物の成分の重量パーセントでの量は、特に限定されないが、好ましくは以下の通りである〔熱可塑性樹脂:10〜40%;放射線硬化性樹脂:20〜70%;帯電防止剤:3〜5%;無機微粒子:0〜16%;拡散粒子:0〜35%;溶媒:10〜40%〕。放射線硬化性樹脂の成分の重量パーセントでの量は、以下の通りである〔放射線硬化性ポリマー:放射線硬化性樹脂の重量に基づいて15〜45%;エチレン性不飽和基を有するオリゴマー:放射線硬化性樹脂の重量に基づいて30〜50%;光開始剤:放射線硬化性樹脂の重量に基づいて2〜10%〕。
【0028】
本発明のコーティング組成物は、基材の表面にコーティングまたは接着によって、好ましくはコーティングによって適用することができる。基材は、特に限定されず、その例には、セラミックタイル、木材、皮、石、ガラス、金属、紙、プラスチック、繊維、綿繊物、家庭電化製品、点灯装置、またはコンピュータケースが含まれる。好ましくは、基材は、ガラスまたはプラスチック基材、特に光学用途のためのガラスまたはプラスチック基材である。本発明の一実施態様によれば、本発明のコーティング組成物は、光源装置(例えば、宣伝用ライトボックスまたはフラットパネルディスプレイなど)(特に、液晶ディスプレイ(LCD)のパネルデバイスまたはバックライトモジュール)に接着またはコーティング法、好ましくはコーティング法によって適用して、基材の表面上に耐スクラッチ性層を形成させることができる。本発明の組成物を光学基材に適用すると、得られるコーティングされた基材は、ゆがむことなく平滑であり、したがって光学特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0029】
上述したプラスチック基材は、とくに限定されず、例えば、ポリエステル樹脂〔例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)など〕;ポリアクリレート樹脂〔例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)など〕;ポリイミド樹脂;ポリシクロオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリウレタン樹脂;トリアセテートセルロース(TAC);またはポリ乳酸(PLA)繊維、またはこれらの混合物である。好ましい基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィン樹脂、またはトリアセテートセルロース、またはこれらの混合物から形成された基材である。より好ましくは、基材は、ポリエチレンテレフタレートである。基材の厚さは、典型的には、所望する光学製品の要求次第であり、好ましくは約16μm〜約350μmの範囲である。
【0030】
本発明のコーティング組成物は、放射線照射および加熱を用いる二重硬化法(dual cure method)によって硬化させることができる。この二重硬化によって、急速な硬化に起因する極めて大きな内部応力によって引き起こされるコーティングされた基材に伴う歪みの問題を避けることができる。これは、収縮速度を効果的に制御することができるからである。本発明のコーティング組成物は、高い強度、良好な靭性、高い耐熱性、および高い硬度を示し、JIS K5400標準法に準拠して測定して3H以上の鉛筆硬度を有する。
【0031】
本発明のコーティング組成物は、例えば、攪拌器、溶解槽、ホモジナイザー、または分散混合器内で、上述した成分を適切な比で混合することによって製造することができる。
【0032】
本発明のコーティング組成物は、当量者に周知な任意の硬化法によって硬化させることができる。この場合において、放射線照射による硬化と加熱による硬化との順番は、特に限定されない。例えば、上述した成分を含有するコーティング組成物を調製し、十分加熱することができる。あるいは、コーティング組成物を上述した基材に適用し、そのコーティングされた基材を十分加熱することができる。コーティング組成物が溶媒を含有する場合、コーティング組成物またはコーティングされた基材をオーブンに入れて溶媒を蒸発させ、さらに、熱可塑性樹脂のガラス転位温度より高い温度に加熱し、その温度にて数分加熱して、組成物を硬化させることができる。
その後、コーティング組成物またはコーティングされた基材を放射線源からのエネルギー線に曝して放射線重合を起こさせる。適切な放射線源には、UV光、可視光、および高エネルギー線(電子線)が含まれ、中でもUV光が好ましい。エネルギー線の強度は、200〜800 mJ/cm2の範囲である。
【0033】
本発明の別の実施態様では、上述したコーティング組成物またはコーティングされた基材を、最初に放射線源からのエネルギー線に曝露させて放射線重合を起こさせる。エネルギー線の強度は、200〜800 mJ/cm2の範囲である。その後、コーティング組成物またはコーティングされた基材に十分な量の熱を与えて、コーティング組成物またはコーティングされた基材を熱可塑性樹脂のガラス転位温度より高い温度に加熱し、さらにコーティング組成物またはコーティングされた基材をその温度にて数分加熱する。
【0034】
所望する場合には、上述した工程を繰り返して、多層コーティングを得ることができる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例を用いて本発明をさらに例証するが、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0036】
[製造例1]
放射線硬化性樹脂配合物Aの調製:
250 mlのガラス瓶に15 gの酢酸エチルを入れた。高速で攪拌しながら、以下のアクリレートモノマー:ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート10 g、トリメチロールプロパントリメタクリレート2 g、ペンタエリトリトールトリアクリレート14 gと、オリゴマー:脂肪族ウレタンヘキサアクリレート[Etercure 6415-100, Eternal社]34.5 gと、光開始剤:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4.5 gを順次添加して、固体含量約80%を有する放射線硬化性樹脂配合物Aを100 gを得た。
【0037】
[実施例1]:〔放射線硬化性樹脂の量(24.86x80%)が、熱可塑性樹脂の量(30.14x30%)に基づいて220重量%である例〕
耐スクラッチ性層の製造:
250 mlのガラス瓶に、25 gの酢酸エチルを溶媒として入れた。高速で攪拌しながら、以下の物質:製造例1において調製した放射線硬化性樹脂配合物A(固体含量約80%を有するもの、Ethernal社)24.86 gと、熱可塑性樹脂:ポリメタクリル酸ポリオール樹脂[Eterac 7365-s-30, Eternal社](固体含量約30%および95℃のガラス転位温度Tgを有するもの)30.14 gと、帯電防止剤[GMB-36M-AS, Marubishi Oil Chem社] (固体含量約20%を有するもの)4.2 gを順番に添加して、約85 gの合計重量および固体含量約30%を有するコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、厚さ188μmのPET基材にRDSバーコーター♯8を使用してコーティングし、110℃にて1分間乾燥した。その後、100%のパワー、15 m/分の速度、250 mJ/cm2のエネルギー線、および室温に設定したUV照射装置[Fusion UV, F600V, 600 W/インチ, Hタイプの光源]内で4秒間曝露させることによって乾燥させて、約6μmのコーティング厚さを有する耐スクラッチ性層を得る。この耐スクラッチ性層を、さまざまな特性について試験した。得られた試験結果を下記表1に示す。
【0038】
[実施例2]:〔放射線硬化性樹脂の量(29.12x80%)が、熱可塑性樹脂の量(25.88x30%)に基づいて300重量%である例〕
耐スクラッチ性層の製造:
250 mlのガラス瓶に、25 gの酢酸エチルを溶媒として入れた。高速で攪拌しながら、以下の物質:製造例1において調製した放射線硬化性樹脂配合物A(固体含量約80%を有するもの、Ethernal社)29.12 gと、熱可塑性樹脂:ポリメタクリル酸ポリオール樹脂[Eterac 7365-s-30, Eternal社](固体含量約30%および95℃のガラス転位温度Tgを有するもの)25.88 gと、帯電防止剤[GMB-36M-AS, Marubishi Oil Chem社] (固体含量約20%を有するもの)4.2 gを順番に添加して、約85 gの合計重量および固体含量約30%を有するコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、厚さ188μmのPET基材にRDSバーコーター♯8を使用してコーティングし、110℃にて1分間乾燥した。その後、100%のパワー、15 m/分の速度、250 mJ/cm2のエネルギー線、および室温に設定したUV照射装置[Fusion UV, F600V, 600 W/インチ, Hタイプの光源]内で4秒間曝露させることによって乾燥させて、約6μmのコーティング厚さを有する耐スクラッチ性層を得る。この耐スクラッチ性層を、さまざまな特性について試験した。得られた試験結果を下記表1に示す。
【0039】
[実施例3]:〔放射線硬化性樹脂の量(38.08x80%)が、熱可塑性樹脂の量(16.92x30%)に基づいて600重量%である例〕
耐スクラッチ性層の製造:
250 mlのガラス瓶に、25 gの酢酸エチルを溶媒として入れた。高速で攪拌しながら、以下の物質:製造例1において調製した放射線硬化性樹脂配合物A(固体含量約80%を有するもの、Ethernal社)38.08 gと、熱可塑性樹脂:ポリメタクリル酸ポリオール樹脂[Eterac 7365-s-30, Eternal社](固体含量約30%および95℃のガラス転位温度Tgを有するもの)16.92 gと、帯電防止剤[GMB-36M-AS, Marubishi Oil Chem社] (固体含量約20%を有するもの)4.2 gを順番に添加して、約85 gの合計重量および固体含量約33%を有するコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、厚さ188μmのPET基材にRDSバーコーター#8を使用してコーティングし、110℃にて1分間乾燥した。その後、100%のパワー、15 m/分の速度、250 mJ/cm2のエネルギー線、および室温に設定したUV照射装置[Fusion UV, F600V, 600 W/インチ, Hタイプの光源]内で4秒間曝露させることによって乾燥させて、約6μmのコーティング厚さを有する耐スクラッチ性層を得る。この耐スクラッチ性層を、さまざまな特性について試験した。得られた試験結果を下記表1に示す。
【0040】
[実施例4]:〔放射線硬化性樹脂の量(41.25x80%)が、熱可塑性樹脂の量(13.75x30%)に基づいて800重量%である例〕
耐スクラッチ性層の製造:
250 mlのガラス瓶に、25 gの酢酸エチルを溶媒として入れた。高速で攪拌しながら、以下の物質:製造例1において調製した放射線硬化性樹脂配合物A(固体含量約80%を有するもの、Ethernal社)41.25 gと、熱可塑性樹脂:ポリメタクリル酸ポリオール樹脂[Eterac 7365-s-30, Eternal社](固体含量約30%および95℃のガラス転位温度Tgを有するもの)13.75 gと、帯電防止剤[GMB-36M-AS, Marubishi Oil Chem社] (固体含量約20%を有するもの)4.2 gを順番に添加して、約85 gの合計重量および固体含量約38%を有するコーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を、厚さ188μmのPET基材にRDSバーコーター#8を使用してコーティングし、110℃にて1分間乾燥した。その後、100%のパワー、15 m/分の速度、250 mJ/cm2のエネルギー線、および室温に設定したUV照射装置[Fusion UV, F600V, 600 W/インチ, Hタイプの光源]内で4秒間曝露させることによって乾燥させて、約6μmのコーティング厚さを有する耐スクラッチ性層を得る。この耐スクラッチ性層を、さまざまな特性について試験した。得られた試験結果を下記表1に示す。
【0041】
[比較例1]
商業的に入手可能な保護拡散フィルムであって、195μmの厚さを有し、粒径分布が1〜10μmである有機粒子をその基材表面上の分散層中に有するフィルム[PBS632L, Keiwa社]を、さまざまな特性について試験した。得られた試験結果を下記表1に示す。
【0042】
[比較例2]
商業的に入手可能な保護拡散フィルムであって、200μmの厚さを有し、粒径分布が1〜20μmである有機粒子をその基材表面上の分散層中に有するフィルム[D117VGZ, Tsujiden社]を、さまざまな特性について試験した。得られた試験結果を下記表1に示す。
【0043】
[比較例3]
商業的に入手可能な保護拡散フィルムであって、205μmの厚さを有し、粒径分布が1〜10μmである有機粒子をその基材表面上の分散層中に有するフィルム[PBS072, Keiwa社]を、さまざまな特性について試験した。得られた試験結果を下記表1に示す。
【0044】
[方法A]:
〔膜厚試験〕:
実施例1〜4および比較例1〜3のフィルムの厚さを、コーティング厚さゲージ(PIM-100, TESA社)を使用して1 N接触圧下で測定した。結果は上述した。
【0045】
[方法B]:
〔鉛筆硬度試験〕:
JIS-K-5400法に準拠して、試料(比較例は、基材の裏側の耐スクラッチ性層)の表面を、鉛筆硬度試験機[Elcometer 3086, SCRATCH BOY]を使用し、Mitsubishi pencil(2Hおよび3H)を用いて試験した。試験結果を下記表1に示す。
【0046】
〔表面抵抗試験〕:
試料(比較例は、基材の裏側の耐スクラッチ性層)の表面の表面抵抗を、Superinsulation Meter [EASTASIA TOADKK 社, SM8220&SME-8310, 500 V]を使用して測定した。試験結果を下記表1に示す。
【0047】
〔耐摩耗試験〕:
Linear Abraser [TABER 5750]を使用して、試験すべき3M BEF-III-10Tフィルム(長さ20 mm x 幅20 mm)を、300 gのプラットフォーム(領域:長さ20 mm x 幅20 mm)上に固定した。フィルムのプリズム構造層を上方に向けて、試験下のフィルムの耐スクラッチ性層の高圧下での耐摩耗性を試験した。この耐摩耗性試験は、2インチの試験路を用いて10サイクル/分の速度で10分間行った。試験結果を下記表1に示す。
【0048】
〔歪み試験〕:
試験フィルムを切り出して長さ100 mm x 幅100 mmの平面フィルムとし、120℃のオーブン内10分間に置いた後取り出して、室温に置いた(比較例は、基材の裏側の耐スクラッチ性層を上に向けたもの)。室温にまで冷却した後、すき間ゲージを使用して、フィルムの歪みのレベルを4つの角で測定(測定単位:ミリメートル(mm)、記録方法:例えば、0;0;0;0)し、これによって、試料の耐熱性および耐歪み性を評価した。試験結果を下記表1に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
表1に示した実施例および比較例の結果によれば、本発明の耐スクラッチ性フィルムは、良好な静電特性および高い硬度特性を有し、ゆがむことなく好ましい表面平坦性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) ポリシクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、およびこれらの混合物からなる群から選択される熱可塑性樹脂と、
(b) (b1) 重合単位として少なくとも1種の単官能性または多官能性のアクリル酸ベースのモノマーを含む放射線硬化性ポリマー、
(b2) エチレン性不飽和基を有するオリゴマー、および
(b3) 光開始剤
を含む放射線硬化性樹脂と
を含み、前記放射線硬化性樹脂を、前記熱可塑性樹脂の重量に基づいて220〜1000重量%の量で用いる、コーティング組成物。
【請求項2】
前記放射線硬化性樹脂を、前記熱可塑性樹脂の重量に基づいて250〜500重量%の量で用いる、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂が、ヒドロキシ、カルボキシ、アミド、ウレタン、およびエポキシ、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂がポリアクリレート樹脂である、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記ポリアクリレート樹脂が、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、またはメタクリル酸ヒドロキシプロピル、またはこれらの混合から誘導される重合単位を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂が、80℃より高いガラス転移温度を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂が、80℃〜250℃のガラス転移温度を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂が、104〜2x106の範囲の平均分子量を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記単官能性または多官能性のアクリル酸ベースのモノマーが、アクリレートモノマーである、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記アクリレートモノマーが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、ポリエステルアクリレートモノマー、またはエポキシアクリレートモノマーである、請求項9に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
前記アクリレートモノマーが、メタクリレートモノマーである、請求項9に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
前記エチレン性不飽和基を有するオリゴマーが、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ノボラックエポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、アクリレート、およびこれらの混合からなる群から選択されるアクリレートオリゴマーである、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記エチレン性不飽和基を有するオリゴマーが、103〜104の範囲の平均分子量を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記光開始剤が、ベンゾフェノン、ベンゾイン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
前記光開始剤が、ベンゾフェノンまたは1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項16】
エトキシグリセリン脂肪酸エステル、第四級アミン化合物、脂肪族アミン誘導体、ポリエチレンオキシド、シロキサン、およびアルコール誘導体からなる群から選択される帯電防止剤をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項17】
酸化亜鉛、ジルコニア、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、および炭酸カルシウム、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される無機微粒子をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項18】
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、もしくはシリコーン樹脂、またはこれらの混合物からなる群から選択される拡散粒子をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項19】
ベンゼン化合物、エステル、およびケトン、ならびにこれらの混合からなる群から選択される溶媒をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。

【公開番号】特開2009−149897(P2009−149897A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−325809(P2008−325809)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(500202322)長興化學工業股▲ふん▼有限公司 (30)
【Fターム(参考)】