説明

コーティング組成物

活性材料含有コーティングを基材上で形成させる方法であって、本方法は:
i)プラズマ環境内で化学結合形成反応する1種以上のガス状もしくは噴霧状液体および/または固体のコーティング形成材料、ならびに、プラズマ環境内で実質的に化学結合形成反応しない1種以上の活性材料を、大気圧〜低圧非熱平衡プラズマ放電および/またはこれから結果得られてくる励起ガス流中に導入するステップ
ii)該基材を、該基材表面上に沈着される噴霧状コーティング形成材料および少なくとも1種の活性材料の、結果的に得られてくる混合物に晒し、コーティングを形成させるステップ
を含み、ここで該基材が、ワイプ、家庭ケア用もしくは脱毛ケア用布もしくはスポンジ、または水溶性家庭クリーニング用単位用量製品でない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1種以上の活性材料を、プラズマ重合もしくはプラズマ促進化学蒸着(PE−CVD)を通じて得られるコーティング組成物中に取り込んでいくプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において使用される場合の用語<<活性材料(Active material(s))>>は、特定環境中に存在する場合1種以上の特定の機能を果たす1種以上の材料を意味するよう意図され、本願の場合、プラズマ環境内において化学結合形成反応しない化学種である。活性材料が明らかに、用語<<反応性>>から弁別されることが認められる。反応性材料もしくは化学種は、プラズマ環境内において化学結合形成反応する化学種を意味するよう意図される。該活性材料は勿論、そのコーティングプロセス後に反応することが可能であることがある。
【0003】
活性材料はしばしば低濃度で製剤製品中に存在しており、尚典型的に、該製剤製品中の最もコストのかかる成分である。例えば、太陽(光)ブロックエマルション製剤製品のUV吸収もしくは反射成分、あるいは、低温硬化製剤製品中のうっ血除去および/または鎮痛剤である。末端適用時点までの該活性材料の効果的な供給を確実にしていくのが、該製品の良好な効率に関する鍵となる必要性である。
【0004】
活性材料はしばしば、加工の間および末端使用前に保護される必要があり、末端使用の意図される時点において安全に放出および/または活性化あるいは同様にされ、効果的な性能および効果的なコスト両方のためである。これはしばしば、該活性材料を保護マトリックス中に取り込むか、保護コーティングを適用するか、もしくは、該活性材料を化学的に保護された形のマトリックス中に導入していくことにより達成される(つまり、保護末端基の存在が、もう1つ別の種と、該末端使用の環境中において反応するようにされ、該活性材料を放出させる)。前2つの保護方法は、一般的な用語においては、カプセル化の形と言われることがある。例えば、多くの医薬材料が、酸による分解に感受性であり、酸性の胃袋から、よりアルカリ性の腸管における効果的な放出および吸収前に、保護される必要がある。この場合、該カプセル化コーティングは、腸溶剤コーティングとして知られる。他の添加剤は、熱、湿気、もしくは、極端なpHから、加工していく間、マトリックス生成物中への取り込みの一部として保護されなくてはならない。
【0005】
供給前および/または供給間に活性材料を保護することと同様、該カプセル化コーティングもしくはマトリックスは、該活性材料の放出を制御するメカニズムとしても働くことがある。この放出制御もしくは放出維持は、制御された用量の該活性剤を、延長された期間、確実にする。放出制御は典型的に、拡散制御プロセスであり、ここでは該活性材料が、該カプセル化マトリックスもしくはコーティングを通して拡散し、または、該カプセル化材料が徐々に環境中に溶解し、この中において、該活性材料が放出される。
【0006】
ポリマーマトリックスおよびポリマーコーティングがしばしば、閉じ込め(カプセル化)および放出制御用媒体として使用される。広範囲のポリマー材料が、この目的のために使用されてきたが、セルロースのような天然巨大分子から、Degussaからの腸溶剤コーティング用のEUDRAGIT(登録商標)の範囲の製品のようなメタクリル酸およびメタクリレートのポリマーのような合成ポリマーまでである。コーティングの場合、これらはしばしば、伝統的なコーティングプロセスを使用して、溶媒から適用される。
【0007】
ポリマーコーティングが産業界全般に亘って広く使用され、これは容易に適用されて、形状の適応が可能なフィルム状コーティングを、広範囲の基材上で与えるからである。該ポリマーの機能は例えば、撥油性、(耐)水バリア、生体相容性、装飾(化粧)、接着、引き剥がれ等であり、しばしば、コーティングされた基材に設けられる。更なる範囲の方法が、該ポリマーコーティングからできたフィルムもしくは同様なものの供給および/または硬化のために使用される。ある1例として、ポリマー溶融物もしくは溶液が典型的に、機械的コーティングもしくは基材含浸により適用され、結果的に得られてくるポリマーコーティングが、例えば、熱、照射、および/または圧の適用によるような適切な硬化手法により、フィルム(皮膜)へと変換されていく。より最近では、薄くて形状の適応が可能なポリマーフィルム(皮膜)が基材上で、プラズマ重合もしくはプラズマ促進化学蒸着(PE−CVD)プロセスの仲介により、適用および/または沈着され得ることが実証されている。
【0008】
形状の適応が可能なポリマーフィルム(皮膜)は、プラズマ重合もしくはプラズマ促進化学蒸着(PE−CVD)プロセスを経由して適用され得る。化学蒸着は、熱せられた基材上での、化学反応からの蒸気相中の固体の沈着であり、熱せられた該基材近くもしくはこの上である。起きる該化学反応は、熱分解、酸化、浸炭、および窒化を包含してよい。典型的には、CVD反応に関する現象は並び順に、以降を含む。
i)適切な導入手段、例えば強制流による、反応容器中への反応ガスの導入
ii)該反応容器を通って基材表面に向かう該ガスの拡散
iii)基材表面とのガスの接触
iv)化学反応が、ガス(1種もしくは複数)と基材表面との間で起きる
v)基材表面からの、反応副生成物の脱着および拡散
【0009】
用語<<プラズマ>>は、密度および温度が多くの桁で変動する広範囲のシステム(系)をカバーする。ある幾つかのプラズマは非常に熱く、これらの全ての顕微鏡(レベルの)種(イオン、電子等)が適切な熱平衡にあり、該システム中へのそのエネルギーの流入は、原子/分子レベルでの衝突を通じて広く分布されており、例えば、炎およびプラズマ噴霧手法を包含し、これは、表面の、溶融固体での、非常に高温における爆発を含んでいる。しかしながら、低圧(例えば、100Pa)におけるもののような他のプラズマは、衝突が相対的に頻繁でないが、これらの構成種を広く異なる温度において持ち、<<非熱平衡>>プラズマと呼ばれる。これら非熱平衡プラズマにおいては、自由電子が非常に熱く、何千ケルビン(K)もの温度を有し、一方、(電気的)中性種およびイオン種は冷たいままである。これら自由電子は殆ど無視できる質量を持つので、該系全体での熱量は低く、該プラズマは室温近くで作動し、これゆえ、プラスチックもしくはポリマーのような温度感受性材料の加工を可能にしていて、損傷を与える熱的付加を、そのサンプルに強制しない。しかしながら、これら熱電子は、高エネルギーの衝突を通じて、ラジカルおよび励起種の豊かな源を作り出し、高い化学ポテンシャルエネルギーを有し、奥深い化学的および物理的反応性を有する。
【0010】
非熱平衡プラズマプロセスが、繊細で熱感受性のウェブ材料の形の基材のコーティングに関しては理想的であり、一般的に、結果的に得られてくるコーティングが、薄層を有してさえ、微小孔がないからである。該コーティングの光学特性、例えば色はしばしばカスタマイズされ得、プラズマコーティングはよく、非極性材料、例えばポリエチレンにさえ、鋼(例えば、金属反射材上の抗腐蝕皮膜)、テキスタイル等にと同様に接着する。
【0011】
プラズマ促進CVDの場合、そのガスは、プラズマを通って拡散するような向きにされる。如何なる適切なプラズマも、利用されてよい。例えば、グロー放電プラズマのような非熱平衡プラズマが、利用されてよい。そのグロー放電は、低圧において発生されてもよく、つまり、真空グロー放電もしくは大気圧近くにおいて(大気圧グロー放電)であるが、本発明に関しては、後者が好ましい。グロー放電プラズマのような均一な拡散誘電障壁放電は、ヘリウムのようなガス中において、高周波数電界(電場)により発生される。
【0012】
典型的には、プラズマは、2電極間のギャップ中において発生され、これらのうちの少なくとも1つが、誘電(絶縁)材料中において、閉じこめられ、コーティングされ、もしくは同様にされる。PE−CVDは、如何なる適切な温度においても利用されてよく、例えば、室温〜500℃の温度におけるプラズマである。
【0013】
Yasuda H、Plasma Polymerization、Academic
Press:Orlando、1985が、如何に、真空グロー放電が使用され、ガス相ポリマー前駆体を、連続フィルム(皮膜)中に重合してきたかを記載する。例として、プラズマ促進表面処理、および、フッ化炭素の沈着が、1970年代以来、疎油性表面調製に関して研究されてきた。当初、四フッ化炭素のような単純なフッ化炭素ガス前駆体が使用され、これは疎水性を向上させたが、顕著には疎油性を向上させなかった。引き続き、EP0049884に記載のように、過フッ化アルキル置換アクリレートのようなより高分子量のフッ素化前駆体が使用された。
【0014】
これら初期のプロセスは典型的に、結果的に、ポリマー化(重合)フッ化炭素コーティングの形成よりもむしろ、該前駆体の断片化およびその表面中へのフッ素の挿入を与えた。パルスプラズマ重合(もしくは放電調節)の発展は、Ryan,M、Hynes,A、Badyal,J、Chem.Mater.,1996、8(1)、37−42や、Chen X、Rajeshwar K、Timmons R、Chen J、Chyan O、Chem.Mater.,1996、8(5)、1067−77に記載のようであり、ポリマー化(重合)コーティングを生成させたが、この中においては、(原料)モノマーの特性および/または官能基が実質的に保持され、結果的に、そのバルクポリマーの多くの特性を保持しているポリマーコーティングの生成を与える。Coulson SR、Woodward IS、Badyal JPS、Brewer SA、Willis C、Langmuir、16、6287−6293(2000)が、高度に疎油性の表面の生成を記載し、長鎖過フッ化アクリレートもしくは過フッ化アルケン前駆体を使用している。
【0015】
真空グロー放電プロセスが、カプセル化および放出制御へのルート(経路)として研究されており、例えば、Colter,KD;Shen,M;Bell,AT、Biomaterials,Medical Devices,and Artificial Organs(1977)、5(1)、13−24が、フッ化ポリマーコーティングが適用され、ポリジメチルシロキサンエラストマーを通したステロイド活性材料の拡散を抑える方法を記載する。Kitade Tatsuya、Kitamura Keisuke、Hozumi Kei、Chemical&Pharmaceutical Bulletin(1987)、35(11)、4410−17が、真空グロー放電プラズマの適用を記載し、粉末化活性材料を、PTFE主体のコーティングで、溶解制御のためにコーティングする。WO99/10560は、更なる真空プラズマ法を記載し、そこでは、前駆体蒸気が、そのプラズマに導入され、カプセル化目的のコーティングを生成させる。
【0016】
2つの顕著な欠陥が、真空プラズマ法に関しては存在し、第1に、真空を求める必要性が、そのコーティングプロセスが、バッチ様フォーマット中において操作されることを必要とし、第2に、もし、真空が維持され、もしくは、前記活性材料が従来手段によりコーティングされるのであれば、該活性材料が、当該プラズマ中に、蒸気として導入されなければならず、次いで別個のステップにおいて、カプセル化プラズマコーティングでコーティングされなければならない。
【0017】
プラズマの1タイプは一般的に、拡散誘電障壁放電と言われる(大気圧グロー放電と言われ得るものの1つの形、Sherman,D.M.ら、J.Phys.D.:Appl.Phys.2005、38、547−554)。この用語は一般的に、グロー放電および誘電障壁放電両方をカバーするよう使用され、これにより、そのプロセスガスの崩壊が、そのプラズマギャップに対して横断的に一様に起き、結果的に、プラズマチャンバーの幅および長さに対して横断的に均一なプラズマを与える(Kogelschatz、U.2002、<<Filamentary,patterned,and diffuse barrier discharges>>、IEEE Trans.Plasma Sci.30,1400−8)。これらは、真空および大気圧両方において、発生されてよい。大気圧拡散誘電障壁放電の場合、ヘリウム、アルゴン、もしくは窒素を包含しているガスが、当該プラズマを発生させるためのプロセスガスとして利用され、高周波数(例えば、>1kHz)電力供給が使用され、電極間において、大気圧において、均一もしくは一様なプラズマを発生させる。拡散DBD形成の精確なメカニズムは尚、議論の対象であるが、積み重なっている証拠があり、Penningイオン化が決定的な役割を演じ、陰極表面からの第2の電子の発射と組み合わせたものである(例えば、Kanazawaら、J.Phys.D:Appl.Phys.1988、21、838;Okazakiら、Proc.Jpn.Symp.Plasma Chem.1989、2、95;Kanazawaら、Nuclear Instruments and Methods in Physical Research 1989、B37/38、842;ならびに,Yokoyamaら、J.Phys.D:Appl.Phys.1990、23、374参照)。大気圧グロー放電(APGD)のような大気圧拡散誘電放電プロセスは、代わりの均一なプラズマ源を与え、これは、真空プラズマ法の有益性の多くを持ち、と同時に、大気圧もしくはこの前後において作動する。APGDの使用は、1980年代に顕著に発展され、例えば、Kanazawa S、Kogoma M、Moriwaki T、Okazaki S、J.Phys.D:Appl.Phys.,21,838−840(1988)やRoth JR、Industrial Plasma Engineering Volume 2 Applications to Nonthermal Plasma Processing、Institute of Physics
Publishing、2001、37−73頁に記載されるようである。WO01/59809およびWO02/35576は、一連の広範囲APGDシステム(系)を記載し、これは、〜10mm離された対向している平行板状電極を横断して低周波数RF電圧をかけることにより、一様で均一なプラズマを常圧において与える。常圧および常温は、開放された周界の連続的なオンラインプロセスとの相容性を確実にする。
【0018】
重大な仕事が、大気圧グロー放電の安定化に関してなされており、<<Appearance of stable glow discharge in air,argon,oxygen,and nitrogen at atmospheric pressure using a 50 Hz source>>、Satiko Okazaki、Masuhiro Kogoma、Makoto Uehara、およびYoshihisa Kimura著、J.Phys.D:Appl.Phys.26(1993)889−892に記載されている。更に、US5414324(Rothら)において、定常状態グロー放電プラズマの、大気圧での、5cmまで離された1対の絶縁金属板電極間での発生が記載され、ラジオ周波数(RF)が、平均平方根(rms)ポテンシャル(電圧)1〜5kV、1〜100kHzのエネルギーを付与されている。この特許明細書は、電気的に絶縁された金属板電極の使用を記載する。この特許明細書は、板状電極の使用に関係している数多くの問題や、電極尖端での電気的降伏をなくすようにする必要性も記載する。
【0019】
これらの常温大気圧プラズマシステム(系)も使用されてきており、蒸気相のモノマーからのプラズマコーティングの沈着を実証している(つまり、大気圧PE−CVD)。例えば、EP0431951は、シランおよびジシラン蒸気を用いての表面処理を記載し、US6146724は、シロキサン蒸気前駆体からのバリアコーティングの沈着を記載する。
【0020】
WO02/28548は、固体もしくは液体前駆体の、大気圧プラズマ放電および/またはこれから結果得られてくるイオン化ガス流中への導入を可能にするプロセス(方法)を記載し、これはコーティングを基材上で形成させるためであり、そこでは該基材が、金属、セラミック、プラスチック、織繊維もしくは不織繊維、天然繊維、合成繊維、セルロース材料、および粉末を含む。この発明は、如何に、反応性コーティング前駆体の化学特性が実質的に保持されるかを記載する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明によれば、活性材料含有コーティングを基材上で形成させる方法が提供され、本方法は:
i)プラズマ環境内で化学結合形成反応する1種以上のガス状もしくは噴霧状液体および/または固体のコーティング形成材料、ならびに、プラズマ環境内で実質的に化学結合形成反応しない1種以上の活性材料を、大気圧〜低圧非熱平衡プラズマ放電および/またはこれから結果得られてくる励起ガス流中に導入するステップ
ii)該基材を、該基材表面上に沈着される噴霧状コーティング形成材料および少なくとも1種の活性材料の、結果的に得られてくる混合物に晒し、コーティングを形成させるステップ
を含み、ここで該基材が、ワイプ、家庭ケア用もしくは脱毛ケア用布もしくはスポンジ、または水溶性家庭クリーニング用単位用量製品でない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
調製されるこの結果得られてくるコーティングは、該基材のコーティングを含み、これは、該コーティング形成材料由来の該プラズマにより活性化されたコーティングからできたコーティングを含んでおり、該コーティング内にトラップ(捕捉)/カプセル化(封入)された該活性材料の粒子/分子を持っている。
【0023】
好ましくは、利用されるプラズマは、実質的に大気圧にある。好ましくは、該プラズマは、如何なる適切な温度においても発生され、好ましくは、室温(20℃)〜300℃の温度において作動し、典型的に、拡散誘電障壁放電プロセスの場合、30℃〜50℃の領域中の温度において利用される。活性化電子温度が個々に>1000℃であることがある一方、系全体が多くの場合、熱感受性である該捕捉活性種もしくは該コーティング材料を、崩壊もしくは不活性化させないよう充分低い温度において作動しなくてはならない。これゆえ、該プロセスは、例えば、300℃よりも有意に高い、つまり>1000℃のガス温度において作動する炎で処理する系(熱平衡プラズマ)を使用する高温においては実施できない。固体粒子を溶融させ、表面を<<爆発>>させることによりコーティングを生成させるのに使用されるプラズマガン(銃)のような炎の系は元来酸化的であり、このことは、沈着プロセスに適用される場合、有意な限界を持つことを意味するので、適切でない。このような高温ガス中においては、沈着されるコーティング中の前駆体の化学構造および/または官能基を維持するのは不可能である。
【0024】
如何なる適切な活性材料も利用されてよく、但し実質的に、プラズマ内で化学結合形成反応しない。適切な活性材料の例は、抗菌剤(例えば、4級アンモニウムおよび銀主体)、酵素、蛋白、DNA/RNA、医薬材料、UV遮断材料、抗酸化剤、難燃剤、化粧医薬品、治療もしくは診断材料、抗生物質、抗菌剤、抗真菌剤、化粧料、クレンザー、成長因子、アロエ、ビタミン、香料、農薬(フェロモン、殺虫剤、除草剤)、染料および色素、例えば、光発色染料および光発色色素、ならびに触媒を包含する。
【0025】
本発明において使用される活性材料(1種もしくは複数種)の化学的性質は一般的に、決定的ではない。如何なる固体もしくは液体材料をも含み得、本組成物の中に入り得るものであり、引き続いて適時、望まれる速度で放出される。
【0026】
治療活性材料が用いられてもよく、例えば、抗面皰剤、抗生物質、防腐剤、抗真菌剤、抗菌剤、殺生物剤、抗炎症剤、ヒアルロン酸含有材料、収斂剤、ホルモン、抗癌剤、禁煙組成物、心臓血管薬、ヒスタミンブロッカー、気管支拡張薬、鎮痛薬、抗不整脈薬、抗ヒスタミン薬(抗ヒ剤)、αブロッカー、βブロッカー、ACE阻害剤(ACEI)、利尿薬、抗凝固薬、鎮静薬、トランキライザー、抗痙攣薬、抗凝固剤、ビタミン、アンチエイジング剤、消化器および十二指腸潰瘍処置剤、抗セルライト剤、蛋白分解酵素、治癒因子、細胞成長用栄養、ペプチドその他を包含する。適切な治療活性材料の特定例は、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、マクロライド、エピネフリン、アンフェタミン、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツレート、カテコールアミン(カテコラミン)、ベンゾジアゼピン、チオペンタール、コデイン、モルヒネ、プロカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルホンアミド、チコナゾール、ペルブテロール、フロサミド、プラゾシン、プロスタグランジン、サルブタモール、インドメタシン、ジクロフェナック、グラフェニン、ジピリダモール、テオフィリン、およびレチノールを包含する。
【0027】
これら活性材料は、ナノ粒子、特にナノチューブを含んでよい。この用語ナノチューブは、本特許明細書において使用される場合、如何なるナノ構造および関連材料をも意味すると取られる。ナノチューブは、カーボンナノチューブ、例えば五酸化バナジウムのような他の材料のナノチューブ、ナノ構造(規則正しいものおよび定まっていないもの)、ならびに、例として、シリコン、硼素、錫、窒素、五酸化バナジウムのようなバナジウムと酸素との化合物主体の、もしくは、これらを含有し得る誘導体等の形であり得る。これらナノ構造は、nm長〜mm長の寸法を持ち得、同様に、nm幅〜μm幅である。該活性材料(1種もしくは複数種)は、非毒性クレンザーを含んでよく、例えば、p−クロロ−m−キシレノール(PCMX)非毒性クレンザーナノ粒子のような、ナノ粒子の形である。
【0028】
前記治療もしくは診断材料に加えて、活性材料は、香料、UV保護剤、シェービング製品、消臭剤、もしくは同様なもののような、化粧品成分であり得る。適切な化粧料が、当業者に知られている。本明細書において使用されてよい化粧料、パーソナルケア(脱毛装置関連以外)、化粧医薬品成分、および医薬賦形剤の例は、CTFA成分データーベースおよび医薬賦形剤のハンドブックに見出されることがあり、例えば、吸収剤、固化防止材料、抗酸化剤、帯電防止剤、収斂剤、バインダー、緩衝材料、充填材料、キレート材料、着色料、化粧用収斂剤、化粧用殺生物剤、消臭材料、皮膚軟化剤、外用鎮痛剤、皮膜形成剤、香料、香り成分、湿潤薬、溶菌材料、保湿材料、密閉性促進剤、不透明化材料、酸化還元材料、浸透促進剤、殺虫剤、可塑化剤、保存料、皮膚漂白材料、皮膚コンディショニング材料、皮膚保護剤、滑り修飾剤、可溶化材料、溶媒、日焼け止め材料、表面修飾剤、界面活性剤および乳化材料、懸濁材料、増粘材料、増加も減少も包含して粘度制御材料、UV光吸収剤を包含し得る。
【0029】
本発明による組成物中の活性材料として用いられてよい化粧料、パーソナルケア(脱毛ケア以外)、化粧医薬品成分、および医薬賦形剤は、例えば:
アルコール、脂肪アルコールおよびポリオール、アルデヒド、アルカノールアミン、アルコキシル化アルコール(例えば、アルコールおよび脂肪アルコールのポリエチレングリコール誘導体)、アルコキシル化アミド、アルコキシル化アミン、アルコキシル化カルボン酸、塩も包含してアミド(例えば、セラミド)、アミン、塩、アルキル置換誘導体も包含してアミノ酸、エステル、アルキル置換、およびアシル誘導体、ポリアクリル酸、アクリルアミドコポリマー(共重合体)、アジピン酸コポリマー、アルコール、アミノシリコーン、バイオポリマーおよび誘導体、ブチレンコポリマー、炭水化物(例えば、多糖、キトサン、および誘導体)、カルボン酸、カルボマー、エステル、エーテル、およびポリマーエーテル(例えば、PEG誘導体、PPG誘導体)、グリセリルエステルおよび誘導体、ハロゲン化合物、塩も包含してヘテロ環化合物、親水コロイドおよび塩も包含して誘導体、ゴム(例えば、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンゴム、天然ゴム)、イミダゾリン、無機材料(粘土、TiO、ZnO)、ケトン(例えば、カンファー、樟脳)、イソチオナート、ラノリンおよび誘導体、有機塩、塩も包含してフェノール(例えば、パラベン)、燐化合物(例えば、燐酸誘導体)、ポリアクリレートおよびアクリレートコポリマー、蛋白および酵素誘導体(例えば、コラーゲン)、塩も包含して合成ポリマー、シロキサンおよびシラン、ソルビタン誘導体、ステロール、スルホン酸および誘導体、ならびにワックス
を包含する。
【0030】
抗面皰材料のある幾つかの例は、本発明による組成物中の活性材料として利用されてよいものであるが、サリチル酸および硫黄を包含する。抗真菌材料のある幾つかの例は、ウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、およびポビドン沃素である。抗菌材料のある幾つかの例は、アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、Poloxamer188、およびポビドン沃素である。
【0031】
抗酸化剤のある幾つかの例は、本発明による組成物中の活性材料として利用されてよいものであるが、アセチルシステイン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、二パルミチン酸アスコルビル、メチルシラノールペクチン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、p−ヒドロキシアニソール、BHT、t−ブチルヒドロ(ハイドロ)キノン、カフェイン酸、Camellia Sinensis油、アスコルビン酸キトサン、グリコール酸キトサン、サリチル酸キトサン、クロロゲン酸、システイン、システインHCl、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリトルビン酸、ジアミルヒドロ(ハイドロ)キノン、ジ−t−ブチルヒドロ(ハイドロ)キノン、チオ二プロピオン酸ジセチル、ジシクロペンタジエン/t−ブチルクレゾールコポリマー、三オレイン酸ジガロイル、チオ二プロピオン酸ジラウリル、チオ二プロピオン酸ジミリスチル、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、イソケルシトリン、ジオスミウム、アスコルビル硫酸二ナトリウム、ルチニル二硫酸二ナトリウム、チオ二プロピオン酸ジステアリル、チオ二プロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、ヒドロ(ハイドロ)キノン、ヒドロキシルアミンHCl、ヒドロキシルアミン硫酸、チオグリコール酸イソオクチル、麹酸、マデカシコシド(Madecassicoside)、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビル燐酸マグネシウム、メラトニン、メトキシ−PEG−7、琥珀酸ルチニル、メチレンジ−t−ブチルクレゾール、アスコルビン酸メチルシラノール、ノルジヒドログアイアレチン酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、クロログルシノール、アスコルビルトコフェリル燐酸カリウム、チオジグリコールアミド、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ローズマリー酸、ルチン、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル/コレステリル燐酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、エリトルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、Melaleuca Aftemifolia(茶の木の油)、酢酸トコフェリル、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、テトラヒドロジフェルロイルメタン、リノレン酸/オレイン酸トコフェリル、チオジグリコール、琥珀酸トコフェリル、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス−5、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50、トコフェロール、トコフェルソラン、リノレン酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、トコキノン、o−トリルビグアニド、亜燐酸トリス(ノニルフェニル)、ユビキノン、および亜鉛ジブチルジチオカルバメートを包含する。
【0032】
殺生物剤のある幾つかの例は、フェノスルホン酸アルミニウム、フェノスルホン酸アンモニウム、バクチオール、臭化ベンザルコニウム、セチル燐酸ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム、サッカリン酸ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、カリウムフェノキシド、ベンゾキシキン、塩化ベンゾキソニウム、ビスピリチオン、硼酸、ブロモクロロフェン、カンファーメト硫酸ベンザルコニウム、カプタン、塩化セタルコニウム、臭化セテアラルコニウム、臭化セテチルジモニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、メト硫酸セトリモニウム、サッカリン酸セトリモニウム、トシル酸セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、クロラミンT、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸、クロルヘキシジン二グルコン酸、クロルヘキシジン二塩酸、p−クロロ−m−クレゾール、クロロフェン、p−クロロフェノール、クロロチモール、クロロキシレノール、クロルフェネシン、シクロピロックスオラミン、クリンバゾール、クロフルカルバン、クロトリマゾール、コールタール、コロイド状硫黄、o−シメン−5−オール、酢酸デカリニウム、塩化デカリニウム、ジブロモプロパミジン二イセチオン酸、ジクロロベンジルアルコール、ジクロロフェン、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、ジクロロ−m−キシレノール、ジヨードメチルトリルスルホン、ジメチロールエチレンチオウレア(尿素)、ジフェニルメチルピペラジニルベンズイミダゾール、臭化ドミフェン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、フルオロサラン、ホルムアルデヒド、グルタラール、ヘキサクロロフェン、ヘキサミジン、二イセチオン酸ヘキサミジン、ヘキサミジンジパラベン、ヘキサミジンパラベン、ヘキセチジン、ヒドロキシメチルジオキソアザビシクロオクタン、イクタモール、イソプロピルクレゾール、塩化ラピリウム、臭化ラウラルコニウム、塩化ラウラルコニウム、臭化ラウルトリモニウム、塩化ラウルトリモニウム、ラウルトリモニウムトリクロロフェノキシド、臭化ラウリルイソキノリニウム、サッカリン酸ラウリルイソキノリニウム、塩化ラウリルピリジニウム、酸化水銀、メテナミン、塩化メテンアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ミリスタルコニウム、サッカリン酸ミリスタルコニウム、臭化ミルトリモニウム、ノノキシノール−9沃素、ノノキシノール−12沃素、塩化オレアルコニウム、オキシキノリン、安息香酸オキシキノリン、硫酸オキシキノリン、PEG−2椰子油塩化ベンゾニウム、PEG−10椰子油塩化ベンゾニウム、ウンデシレン酸PEG−6、ウンデシレン酸PEG−8、フェノール、o−フェニルフェノール、サリチル酸フェニル、ピロクトンオラミン、ウンデシレン酸スルホスクシニル、カリウムo−フェニルフェノキシド、サリチル酸カリウム、トロクロセンカリウム、プロピオン酸、PVP−沃素、クアテルニウム−8、クアテルニウム−14、クアテルニウム−24、フェノスルホン酸ナトリウム、ナトリウムフェノキシド、o−フェニルフェノール酸ナトリウム、けつ岩油スルホン酸ナトリウム、ウスニン酸ナトリウム、チアベンダゾール、2,2’−チオビス(4−クロロフェノール)、チラム、トリアセチン、トリクロカルバン、トリクロサン、硼酸トリオクチルドデシル、ウンデシレンアミドプロピルアミンオキシド、ウンデシレネス−6、ウンデシレン酸、酢酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、硼酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、システイン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、乳酸亜鉛、フェノスルホン酸亜鉛、ピリチオン亜鉛、硫酸亜鉛、カルベンダジム、銅、シブトリン、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(尿素)、カルバミン酸3−ヨード−2−プロピルブチル、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、およびウンデシレン酸亜鉛である。
【0033】
本発明による組成物中の活性材料として利用されてよい外用鎮痛剤のある幾つかの例は、ベンジルアルコール、Capsicum(Frutescens)Oleoresin(蕃椒脂油)、サリチル酸メチル、カンファー(樟脳)、フェノール、カプサイシン、Juniper Tar(ネズノキタール)、ナトリウムフェノラート(ナトリウムフェノキシド)、Capsicum(Frutescens)(唐辛子)、メントール、レゾルシノール、ニコチン酸メチル、およびテレピン油(松脂)を包含する。
【0034】
本発明による組成物中の活性材料として利用されてよい酸化材料のある幾つかの例は、過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウム、カロー酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム、沃素酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、および二酸化ストロンチウムを包含する。
【0035】
本発明による組成物中の活性材料として利用されてよい還元材料のある幾つかの例は、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、システインアミンHCl、システイン、システインHCl、チオグリコール酸エタノールアミン、グルタチオン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、ヒドロ(ハイドロ)キノン、p−ヒドロキシアニソール、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、および亜鉛ホルムアルデヒドスルホキシラートを包含する。
【0036】
本発明による組成物中の活性材料として利用されてよい皮膚漂白材料のある例は、ヒドロ(ハイドロ)キノンを包含する。
【0037】
本発明による組成物中の活性材料として利用されてよい皮膚保護剤のある幾つかの例は、アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、ココアバター、鱈肝油、コロイド状オートミール、ジメチコーン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱油、ワセリン、鮫肝油、重炭酸ナトリウム、タルク、マンサクチンキ、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、および酸化亜鉛を包含する。
【0038】
該活性材料は、1種以上の殺虫剤、除草剤、および/または抗真菌剤を含んでよく、例えば、アリドクロルN,N−ジアリル−2−クロロアセタミド、CDEA2−クロロ−N,N−ジエチルアセタミド、エトニプロミド(RS)−2−[5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロフェノキシ]−N−エチルプロピオンアミドのようなアミド除草剤;シスアニリドcis−2,5−ジメチルピロリジン−1−カルボキシアニリド、フルフェナセート4’−フルオロ−N−イソプロピル−2−[5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ]アセトアニリド、ナプロアニリド(RS)−α−2−ナフトキシプロピオンアニリドのようなアニリド除草剤;ベンゾイルプロップN−ベンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)−DL−アラニン、フラムプロップ−M N−ベンゾイル−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−D−アラニンのようなアリールアラニン除草剤;ブタクロールN−ブトキシメチル−2−クロロ−2’,6’−ジエチルアセトアニリド、メタザクロール2−クロロ−N−(ピラゾール−1−イルメチル)アセト−2’,6’−キシリジド、プリナクロール(RS)−2−クロロ−N−(1−メチルプロピン−2−イル)アセトアニリドのようなクロロアセトアニリド除草剤;クロランスラム3−クロロ−2−(5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イルスルホンアミド)安息香酸、メトスラム2’,6’−ジクロロ−5,7−ジメトキシ−3’−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−スルホンアニリドのようなスルホンアニリド除草剤;ビラナフォス4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニンのような抗生物質除草剤;クロラムベン3−アミノ−2,5−ジクロロ安息香酸、2,3,6−TBA 2,3,6−トリクロロ安息香酸のような安息香酸除草剤;ビスピリバック2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)安息香酸のようなピリミジニルオキシ安息香酸除草剤;ピリチオバック2−クロロ−6−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルチオ)安息香酸のようなピリミジニルチオ安息香酸除草剤;クロルタール テトラクロロテレフタル酸のようなフタル酸除草剤;アミノピラリド4−アミノ−3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸のようなピコリン酸除草剤;キンクロラック3,7−ジクロロキノリン−8−カルボン酸のようなキノリンカルボン酸除草剤;CMAビス(水素メチルアルソン酸)カルシウム、MAMAメチルアルソン酸水素アンモニウム、亜砒酸ナトリウムのような砒素系除草剤;メソトリオン2−(4−メシル−2−ニトロベンゾイル)シクロヘキサン−1,3−ジオンのようなベンゾイルシクロヘキサンジオン除草剤;ベンフレサート2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチルベンゾフラン−5−イルエタンスルホネートのようなベンゾフラニルアルキルスルホン酸除草剤;カルボキサゾール メチル5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イルカルバメート、フェナスラム メチル4−[2−(4−クロロ−o−トリルオキシ)アセトアミド]フェニルスルホニルカルバメートのようなカルバメート除草剤;BCPC(RS)−sec−ブチル3−クロロカルバニレート、デスメディファム エチル3−フェニルカルバモイルオキシフェニルカルバメート、スウェップ メチル3,4−ジクロロカルバニレートのようなカルバニレート除草剤;ブトロキシジム(RS)−(EZ)−5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキ−2−セン−1−オン、テプラロキシジム(RS)−(EZ)−2−[1−[(2E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロヘキ−2−セン−1−オンのようなシクロヘキセンオキシム除草剤;イソキサクロルトール4−クロロ−2−メシルフェニル5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−4−イルケトンのようなシクロプロピルイソキサゾール除草剤;フルメジン2−メチル−4−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリル)−1,2,4−オキサジアジナン−3,5−ジオンのようなジカルボキシイミド除草剤;エタルフルラリンN−エチル−α,α,α−トリフルオロ−N−(2−メチルアリル)−2,6−ジニトロ−p−トルイジン、プロジアミン5−ジプロピルアミノ−α,α,α−トリフルオロ−4,6−ジニトロ−o−トルイジンのようなジニトロアニリン除草剤;ジノプロップ4,6−ジニトロ−o−シメン−3−オール、エチノフェンα−エトキシ−4,6−ジニトロ−o−クレゾールのようなジニトロフェノール除草剤;エトキシフェンO−[2−クロロ−5−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリルオキシ)ベンゾイル]−L−乳酸のようなジフェニルエーテル除草剤;アクロニフェン2−クロロ−6−ニトロ−3−フェノキシアニリン、ニトロフェン2,4−ジクロロフェニル4−ニトロフェニルエーテルのようなニトロフェニルエーテル除草剤;ダゾメット3,5−ジメチル−1,3,5−チアジアジナン−2−チオンのようなジチオカルバメート除草剤;ダラポン2,2−ジクロロプロピオン酸、クロロ酢酸のようなハロゲン化脂肪族除草剤;イマザピル(RS)−2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)ニコチン酸のようなイミダゾリノン除草剤;四硼酸二ナトリウム10水和物、アジ化ナトリウムのような無機除草剤;クロロキシニル3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベンゾニトリル、イオキシニル4−ヒドロキシ−3,5−ジヨードベンゾニトリルのようなニトリル除草剤;アニロフォスS−4−クロロ−N−イソプロピルカルバニロイルメチル−O,O−ジメチルホスホロジチオエート、グルフォシネート4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニンのような有機燐除草剤;クロメプロップ(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−トリルオキシ)プロピオンアニリド、フェンテラコール2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)エタノールのようなフェノキシ除草剤;MCPA(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)酢酸のようなフェノキシ酢酸除草剤;MCPB4−(4−クロロ−o−トリルオキシ)酪酸のようなフェノキシ酪酸除草剤;フェノプロップ(RS)−2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロピオン酸のようなフェノキシプロピオン酸除草剤;イソキサピリフォップ(RS)−2−[2−[4−(3,5−ジクロロ−2−ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオニル]イソキサゾリジンのようなアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤;ジニトラミンN,N−ジエチル−2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチル−m−フェニレンジアミンのようなフェニレンジアミン除草剤;ピラゾキシフェン2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノンのようなピラゾリルオキシアセトフェノン除草剤;ピラフルフェン2−クロロ−5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−1−メチルピラゾール−3−イル)−4−フルオロフェノキシ酢酸のようなピラゾリルフェニル除草剤;ピリダフォール6−クロロ−3−フェニルピリダジン−4−オールのようなピリダジン除草剤;クロリダゾン5−アミノ−4−クロロ−2−フェニルピリダジン−3(2H)−オン、オキサピラゾン5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−フェニルピリダジン−4−イルオキサミド酸のようなピリダジノン除草剤;フルロキシピル4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジルオキシ酢酸、チアゾピル2−ジフルオロメチル−5−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−イソブチル−6−トリフルオロメチルニコチン酸メチルのようなピリジン除草剤;イプリミダム6−クロロ−N−イソプロピルピリミジン−2,4−ジアミンのようなピリミジンジアミン除草剤;ジエタムクワット1,1’−ビス(ジエチルカルバモイルメチル)−4,4’−ビピリジニウム、パラクワット1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジニウムのような4級アンモニウム除草剤;シクロエートS−エチルシクロヘキシル(エチル)チオカルバメート、チオカルバジルS−ベンジルジ−sec−ブチルチオカルバメートのようなチオカルバメート除草剤;EXD O,O−ジエチルジチオビス(チオホルメート)のようなチオ炭酸除草剤;メチウロン1,1−ジメチル−3−m−トリル−2−チオウレア(尿素)のようなチオ尿素除草剤;トリアジフラム(RS)−N−[2−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチルエチル]−6−(1−フルオロ−1−メチルエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミンのようなトリアジン除草剤;シプラジン6−クロロ−N−シクロプロピル−N−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、プロパジン6−クロロ−N,N−ジイソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミンのようなクロロトリアジン除草剤;プロメトンN,N−ジイソプロピル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミンのようなメトキシトリアジン除草剤;シアナトリン2−(4−エチルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2−メチルプロピオニトリルのようなメチルチオトリアジン除草剤;ヘキサジノン3−シクロヘキシル−6−ジメチルアミノ−1−メチル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオンのようなトリアジノン除草剤;エプロナズN−エチル−N−プロピル−3−プロピルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミドのようなトリアゾール除草剤;カルフェントラゾン(RS)−2−クロロ−3−[2−クロロ−5−[4−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−4−フルオロフェニル]プロピオン酸のようなトリアゾロン除草剤;フロラスラム2’,6’,8−トリフルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアニリドのようなトリアゾロピリミジン除草剤;フルプロパシル2−クロロ−5−(1,2,3,6−テトラヒドロ−3−メチル−2,6−ジオキソ−4−トリフルオロメチルピリミジン−1−イル)安息香酸イソプロピルのようなウラシル除草剤;シクルロン3−シクロオクチル−1,1−ジメチルウレア(尿素)、モニスロン1−(5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−3−メチルウレア(尿素)のような尿素除草剤;クロロクスロン3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1,1−ジメチルウレア(尿素)、シドゥロン1−(2−メチルシクロヘキシル)−3−フェニルウレア(尿素)のようなフェニル尿素除草剤;フラザスルフロン1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)ウレア(尿素)、ピラゾスルフロン5−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸のようなピリミジニルスルホニル尿素除草剤;チフェンスルフロン3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)チオフェン−2−カルボン酸のようなトリアジニルスルホニル尿素除草剤;テブチウロン1−(5−tert−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,3−ジメチルウレア(尿素)のようなチアジアゾリル尿素除草剤;および/または、クロルフェナック(2,3,6−トリクロロフェニル)酢酸、メタゾール2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1,2,4−オキサジアゾリジン−3,5−ジオン、トリタック(RS)−1−(2,3,6−トリクロロベンジルオキシ)プロパン−2−オ
ールのような分類されない除草剤を包含している。
【0039】
難燃剤も、該活性材料として包含されてよい。これらは例えば、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモビフェニルオキシド、ジフェニルオキシベンゼン、エチレンビス−テトラブロモフタルイミド、ペンタブロモエチルベンゼン、アクリル酸ペンタブロモベンジル、トリブロモフェニルマレイン酸イミド、テトラブロモビスフェニルAおよびこの誘導体、ビス−(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス−(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ポリジブロモフェニレンオキシド、トリブロモフェニルアリルエーテル、ビス−ジブロモプロピルエーテル、テトラブロモフタル酸無水物およびこの誘導体、ジブロモネオペンチルグリコール、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ペンタブロモジフェニルオキシド、トリブロモスチレン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、テトラブロモキシレン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、トリフルオロプロペン、およびPVCのようなハロゲン主体の難燃剤を包含する。あるいは、燐酸(2,3−ジブロモプロピル)、燐、環状燐酸、燐酸トリアリール、ビス−メラミニウムペンテート、2環式燐酸ペンタエリトリトール、燐酸ジメチルメチル、ホスフィンオキシドジオール、燐酸トリフェニル、燐酸トリス−(2−クロロエチル)、トリクレイル、トリキシレニル、イソデシル、ジフェニル、エチルヘキシルジフェニルのような燐酸エステル、燐酸アンモニウムのような種々のアミンの燐酸塩、燐酸トリオクチル、トリブチル、もしくはトリス−ブトキシエチルエステルのような燐主体の難燃剤であってもよい。他の難燃剤活性材料は、テトラエチル鉛のようなテトラアルキル鉛化合物、ペンタカルボニル鉄、メチルシクロペンタジエニルトリカルボニルマンガン、メラミンおよびメラミン塩のような誘導体、グアニジン、ジカヤンジアミン、ポリジメチルシロキサンのようなシリコーン、スルファミン酸アンモニウム、アルミナ3水和物、および水酸化マグネシウムアルミナ3水和物を包含してもよい。
【0040】
本発明による組成物中の活性材料として利用されてよい日焼け止め材料のある幾つかの例は、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシ桂皮酸ジエタノールアミン、三オレイン酸ジガロイル、ジオキシベンゾン、4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサラート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン試薬、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、Padimate O、スルホン酸フェニルベンズイミダゾール、赤ワセリン、スリゾベンゾン、二酸化チタン、およびサリチル酸トロラミンを包含する。
【0041】
本発明による組成物中の活性材料として利用されてよいUV光吸収材料のある幾つかの例は、アセトアミノサロール、アラトインPABA、ベンザールフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1−12、3−ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファー加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボルネロン、ブメトリオゾール、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、酸化セリウム/シリカ、酸化セリウム/シリカタルク、シノキセート、メトキシ桂皮酸DEA、ジベンゾキサゾールナフタレン、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、三オレイン酸ジガロイル、ジイソプロピル桂皮酸メチル、ジメチルPABA、トシル酸エチルセテアリールジモニウム、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ビスエチルフェニルトリアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニル二スルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ジイソプロピル桂皮酸エチル、メトキシ桂皮酸エチル、エチルPABA、ウロカニン酸エチル、エトロクリレン、フェルラ酸、オクタン酸ジメトキシ桂皮酸グリセリル、グリセリルPABA、サリチル酸グリコール、ホモサレート、p−メトキシ桂皮酸イソアミル、サリチル酸イソプロピルベンジル、イソプロピルジベンゾイルメタン、メトキシ桂皮酸イソプロピル、アントラニル酸メンチル、サリチル酸メンチル、4−メチルベンジリデンカンファー、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、PABA、PEG−25PABA、ペンチルジメチルPABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシ桂皮酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、赤ワセリン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸TEA、サリチル酸TEA、テレフタリリデン二カンファースルホン酸、二酸化チタン、トリPABAパンテノール、ウロカニン酸、およびVA/クロトン酸/メタクリロキシベンゾフェノン−1コポリマーを包含する。
【0042】
本発明による組成物中の活性材料として利用されてよい触媒は、Pt、Rh、Ir、Ag、Au、Pd、Cu、Ru、Ni、Mg、Co、もしくは他の触媒活性のある金属のような金属を含有する粒子を包含してよい。Pt−Rh、Rh−Ag、V−Tiのような金属混合物、もしくは、他のよく知られた混合物も、使用されてよい。該金属は細かい粉末として、または、メタロセン、塩化物、カルボニル(一酸化炭素、CO)、硝酸塩、もしくは他のよく知られた形のような錯体として、その元素状態にあってもよい。CeOx、P、TiO、ZrOのような純粋な酸化物、または、アルミノシリケートもしくはペロブスカイトのような混合金属酸化物も、触媒活性を与え得る。あるいは、非金属触媒が使用されてもよい。このような非金属触媒の例は、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、もしくは燐酸を包含する。触媒もしくは同様なものの場合、該コーティング形成材料由来のコーティングは、活性材料を分散させ捕捉するようデザインされた単純なポリマーであってもよく、該活性材料が例えば触媒である場合、よく知られた触媒支持体相互作用を通じて、該触媒材料活性を促進するよう作用することがある。このような相互作用の例は、酸化セリウムに支持されたRh、アルミナに支持されたNi、Ce0.6Zr0.4に支持されたPt、酸化チタンおよび/またはチタンに支持されたCr、あるいは、酸化マグネシウムに支持されたPt−Pdにおいて見出されるものである。該活性材料は、粒子状ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような疎油性材料を含んでもよい。
【0043】
ポリマーマトリックス中に導電活性材料を分散させると、導電コーティングを与えることがある。該導電材料は、如何なる導電粒子、典型的には銀のものを含んでよいが、代わりの導電粒子が使用されてもよく、金、ニッケル、銅、種々の金属酸化物、および/または、カーボンナノチューブも包含してカーボン(炭素)、あるいは、メッキガラスまたはセラミックビーズを包含している。米国特許第6,599,446号明細書に記載のもののような導電性増強材料も、加えられてよい。
【0044】
本発明によるコーティング形成材料が、大気圧プラズマ内で、もしくは、PE−CVDプロセスの一部として反応性である前駆体材料であり、如何なる適切なコーティングをも調製するのに使用され得ると理解され、例えば、フィルム(皮膜)成長、もしくは、既存の表面の化学修飾に使用され得る材料も包含してである。本発明は、多くの異なるタイプのコーティングを形成させるのに使用されてよい。基材上で形成されるコーティングのタイプは、使用されるコーティング形成材料(1種もしくは複数種)により決まり、本発明は、コーティング形成モノマー材料(1種もしくは複数種)を基材表面上に(共)重合させるのに使用されてよい。
【0045】
該コーティング形成材料は、有機もしくは無機、固体、液体、もしくはガス状、または、これらの混合物であってもよい。適切な有機コーティング形成材料は、カルボキシレート、メタクリレート、アクリレート、スチレン、メタクリロニトリル、アルケンおよびジエン、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、および他のアルキルメタクリレート、ならびに、対応しているアクリレート、有機官能基を有するメタクリレートおよびアクリレートを包含しており、ポリ(エチレングリコール)アクリレートおよびメタクリレートを包含しており、グリシジルメタクリレート、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、およびフッ化アルキル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、フマル酸およびエステル、イタコン酸(およびエステル)、マレイン酸無水物、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化アルケン、例えば、過フッ化アルケン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレン、プロピレン、アリルアミン、ハロゲン化ビニリデン、ブタジエン、N−イソプロピルアクリルアミドのようなアクリルアミド、メタクリルアミド、エポキシ化合物、例えば、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドール、スチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(およびこのオリゴマー)、ビニルシクロヘキセンオキシド、ピロールおよびチオフェンならびにこれらの誘導体のような導電ポリマー、燐含有化合物、例えば、ホスホン酸ジメチルアリルを包含する。該コーティング形成材料は、アシル官能基を有する有機シロキサンおよび/またはシランをも含んでよい。
【0046】
適切な無機コーティング形成材料は、コロイド状金属を包含して、金属および金属酸化物を包含する。有機金属化合物も適切なコーティング形成材料であることがあり、チタン酸化合物、錫アルコキシド、ジルコン酸化合物、ならびに、ゲルマニウムおよびエルビウムのアルコキシドのような金属アルコキシドを包含している。しかしながら、本発明者らは、本発明が特に、シリコン含有材料を含んでいるコーティング形成組成物を使用して、シロキサン主体のコーティングを基材に設けることに有用性を持つことを見出した。本発明の方法における使用に適切なシリコン含有材料は、シラン(例えば、シラン、アルキルシラン、アルキルハロシラン、アルコキシシラン)、直鎖シロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)、および環状シロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン)を包含し、有機官能基を有する直鎖および環状シロキサン(例えば、Si−H含有、ハロゲン官能基、ならびに、ハロアルキル官能基を有する直鎖および環状シロキサン、例えば、テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトリ(ノナフルオロブチル)トリメチルシクロトリシロキサン)を包含している。異なるシリコン含有材料の混合物が、例えば、特化された必要性のために、基材コーティングの物性をテイラー・メードするのに使用されてもよい(例えば、熱特性、屈折率のような光学特性、および、粘性・弾性)。
【0047】
コーティングされる基材は、ワイプ、家庭ケア用もしくは脱毛ケア用布もしくはスポンジ、または水溶性家庭クリーニング用単位用量製品以外の、如何なる材料をも含んでよい。例えば、プラスチック、例えば、ポリオレフィンのような熱可塑性のもの、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(例えば、ポリアルキレンテレフタレート、特に、ポリエチレンテレフタレート)、ポリメタクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート、および、ヒドロキシエチルメタクリレートポリマー)、ポリエポキシド、ポリスルホン、ポリフェニレン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチレン、PTFEのようなポリフッ化アルカン、シリコーン感圧接着剤、シリコーンゲル、およびシリコーンエラストマーを包含してポリ(ジメチルシロキサン)のようなポリ(シロキサン)、フェノール性、エポキシ、およびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ならびに、これらのブレンドおよびコポリマー(共重合体)。好ましい有機ポリマー材料はポリオレフィンであり、特に、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。他の基材は、例えば、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、銅等からできた金属薄膜を包含する。
【0048】
前記基材は、平らなウェブの形(フィルム、紙、布、不織布、金属箔、粉末、および、成型もしくは加工成分)、または、チューブ(管)およびリボンのような押し出された形であってよい。粉末は、例えば、如何なる適切な材料、例えば、金属、金属酸化物、シリカおよびシリケート、カーボン(炭素)、有機粉末化基材、例えばカーボンブラック(黒鉛)、粘土、CaCO、タルク、シリカ、マイカ導電充填剤、TiOナノ粒子のような鉱物充填剤、TiO、ZrO、Fe、Al、SiO、B、LiO、NaO、PbO、ZnO、CaO、Pb、およびCuO、ならびに、混合酸化物のような金属酸化物、グラファイト、リン粒子、色素および同様なもの、メタロイド酸化物、混合酸化物、有機金属酸化物、有機メタロイド酸化物、有機混合酸化物樹脂および/または有機樹脂、炭酸ナトリウム、硝酸カリウム、シリコン金属粒子、シリコーンラバー団粒、MQもしくはT樹脂とよく言われるタイプのシロキサン樹脂、シロキサンワックス、および/または、EPDMおよびポリプロピレンのような有機ラバー団粒を包含してよい。
【0049】
前記基材が、合成および/または天然繊維、織もしくは不織繊維、粉末、シロキサン、布、織もしくは不織繊維、アルギネート(アルジナート)、セルロース、キトサン、コラーゲンのような天然繊維、生合成品、ヒト主体の組織主体の絆創膏、合成繊維、セルロース材料および粉末、あるいは、有機ポリマー材料ブレンド、ならびに、本出願人の同時に係属している特許出願WO01/40359に記載されるような有機ポリマー材料と混和性もしくは実質的に非混和性である有機シリコン含有添加剤の形であってよく、ワイプ、硬質表面クリーニング(洗浄)用布およびスポンジを除く。
【0050】
適用:
テキスタイルおよび不織布、粉末、医療用材料および創傷ケア、化粧品、家庭用ケア商品。ワイプ、硬質表面クリーニング(洗浄)用布およびスポンジを除く。
【0051】
該テキスタイルは、衣類(スポーツ、レジャー、医療、および/または軍事);不織材料、例えば、医療用ドレープ、および、液体濾過手段としての布帛、および、例えば水のセパレーター、食物および飲料での適用、あるいは、医療での適用;エアコンディショニングおよび換気用空気濾過手段、自動車、クリーンルーム、無菌室(産業用および医療用);化粧品ワイプを含んでよい。
【0052】
粉末:
例えば、香料、セパレーター(水、食物、飲料、および医療への適用)、および製剤用賦形剤のようなもの。
センサー:
例えば、化学およびバイオセンサーのようなもの。
【0053】
医療への適用:
包帯、ギブス、ギブス包帯、絆創膏、接着テープ、ゲル、ペースト、パッド、ガーゼ、脱脂綿、組織工学製品(例えば、生合成、ヒト主体の組織主体の絆創膏を包含して)、創傷ケア、ドラッグデリバリー製剤(経皮パッチ、局所用パッチ、医療用包帯、埋め込み可能なポンプ、移植片、および挿入物を包含して)および生体材料、医療装置(ステント、バイパス、浸透圧装置、および血液採集バッグを包含して)、外科用ドレープ、カテーテルおよび配管、コンタクトレンズ、外科インプラント、人工器官、絹糸、毛、楊枝、接着片(例えば、ホワイトニング用)、脱脂綿も包含して口腔ケア装置、ならびに、タブレット(錠剤)およびスティック(例えば、チュウイングガム)用のようなもの。
【0054】
建設への適用
床および壁の被覆のようなもの。
【0055】
前記プラズマを発生させる如何なる適切な手段も利用されてよく、例えば、コロナおよび拡散誘電障壁放電を包含している。大気圧プラズマ拡散誘電障壁放電を発生させる如何なる従来手段も、本発明において使用されてよく、例えば、大気圧プラズマジェット、大気圧マイクロ波グロー放電、および大気圧グロー放電である。
【0056】
好ましくは、本発明は、WO02/28548に記載のものと同様な設備を利用し、ここで、液体主体のポリマー前駆体がエアロゾルとして、大気圧プラズマ放電もしくはこれからの励起種中に導入される。しかしながら、反応性の該ポリマー前駆体は、グロー放電のような大気圧拡散誘電障壁放電内では非反応性である活性材料とも混合される。該活性材料は、該プラズマの環境中での反応を実質的に避けるよう選ばれる。本方法の、WO02/28548に比較した1利点は、活性材料が、プラズマ環境内では実質的に化学結合形成反応せずに、該プラズマによる沈着コーティング中に取り込まれてよく、その活性(特性)の消失がないことである。これゆえ、大気圧PE−CVDにより、液体前駆体を使用している場合同様、活性コーティングが容易に調製され得る。
【0057】
本方法の更なる利点は、該コーティングからの該活性材料の拡散が、該プラズマコーティングの特性により、制御されることがあることである。拡散は、架橋の増加により障害され、放出制御特性を与えることがある。拡散は、活性材料が該コーティングから放出されない点にまでも障害されることがあり、架橋密度の増加もしくはバリア(障壁)コーティングでの過剰なコーティングによる。先行技術を凌駕する本発明の利点は、液体および固体両方の噴霧状コーティング形成材料が使用されてよく、基材のコーティングを形成することであり、これは、本発明の方法が、大気圧条件下に行われていることによる。更に、該コーティング形成材料は、前記プラズマ放電もしくは結果的に得られてくる流れの中に、担体ガス非存在下に導入され得、つまり、直接、例えば、直接注入により導入され得、ここでは該コーティング形成材料が直接、該プラズマ中に注入される。
【0058】
典型的な拡散誘電障壁放電プラズマ発生装置に関しては、均一なプラズマが、3〜50mm、例えば、5〜25mmのギャップ内の1対の電極間に発生される。これゆえ、本発明は、フィルム、繊維、および粉末をコーティングするのに、特別な有用性を持つ。大気圧でのグロー放電のような定常状態の均一な拡散誘電障壁放電の発生は、好ましくは、隣接電極間に得られ、これらは5cmまで、使用されるプロセスガスに依り、離されてよい。これら電極は、ラジオ周波数のエネルギーを与えられており、平均平方根(rms)ポテンシャル1〜100kV、好ましくは、1〜30kVであり、1〜100kHz、好ましくは、15〜50kHzである。該プラズマを形成させるのに使用される電圧は典型的に、1〜30kV、最も好ましくは、2.5〜10kVとなるが、実際の値は、化学/ガスの選び方およびこれら電極間のプラズマ領域のサイズに依ることになる。
【0059】
如何なる適切な電極系も、利用されてよい。各電極は、誘電材料中に保持される金属板もしくは金属ガーゼもしくは同様なものを含んでよく、あるいは、例えば、本出願人の同時に係属している出願WO02/35576記載のタイプであってもよく、ここでは、電極、隣接誘電板、および冷却液分布システムを含有している電極ユニットが与えられ、これは、冷却導電液を該電極外側上に向けさせるためのものであり、該電極平面を覆う。各電極ユニットは、水を通さない箱を含み、これは片側が誘電板の形であり、これに、金属板もしくは金属ガーゼ電極が、該箱の内側上で取り付けられる。液体の入口および液体の出口もあり、クーラーおよび再循環ポンプ、および/または、スプレーノズルを取り込んでいる散布パイプを含んでいる液体分布システムにフィットされる。該冷却液は、該誘電板から離れた方の電極の表面を覆う。該冷却導電液は好ましくは水であり、金属塩もしくは可溶性有機添加剤のような導電性制御化合物を含有してよい。理想的には、該電極は、金属板もしくはメッシュ電極であり、該誘電板と接触している。該誘電板は、該電極の周界を越えて延び、該冷却液も、該誘電板を横断する向きにされ、該電極の周界を定めている少なくとも誘電部分を覆う。好ましくは、誘電板全体が、冷却液で覆われる。前記水は、端、角、もしくは、ワイヤメッシュ電極が使用される場合のメッシュ末端のような、該金属電極の如何なる境界、単独性、もしくは非一様性をも、電気的に不動態化させるよう振る舞う。
【0060】
もう1つ別の代わりのシステムでは、各電極は、本出願人の同時に係属している出願WO2004/068916記載のタイプであってよく、これは、本願優先日後に公開された。WO2004/068916では、各電極が、内壁および外壁を持っているハウジングを含み、ここでは、少なくとも該内壁が、誘電材料から形成され、該ハウジングは、少なくとも実質的に非金属製の導電材料を含有し、<<伝統的な>>金属板もしくはメッシュの代わりに、該内壁に直接接触している。このタイプの電極が好ましいのは、本発明者らが、本発明による電極を使用することにより、拡散誘電障壁放電を発生させると、この結果得られてくる均一なプラズマが、金属板電極を利用しているシステムに比較した場合、不均一性が抑えられて発生され得ることを同定したからである。金属板は決して直接、本発明における電極内壁に固定されず、好ましくは、該非金属導電材料が直接、該電極内壁と接触している。
【0061】
本願において言及される誘電材料は、適切なタイプであればよく、例は、ポリカーボネート、ポリエチレン、ガラス、積層ガラス、エポキシ充填積層ガラス、および同様なものを包含するが、これらに拘束されない。好ましくは、該誘電材料は充分な強度を持ち、該電極中の導電材料による、該誘電材料の如何なる彎曲もしくは崩れをも防ぐ。好ましくは、使用される誘電材料は、機械加工可能であり、厚さ50mmまで、より好ましくは厚さ40mmまで、最も好ましくは厚さ15〜30mmで設けられる。選択された誘電材料が充分透明でない場合、ガラスもしくは同様な窓が利用されてよく、発生されるプラズマの視覚による点検を可能にする。
【0062】
これら電極は、スペーサーもしくは同様なものの仲介により、離されてもよく、これも好ましくは誘電材料でできており、これにより、当該システム全体での誘電強度の上昇を効果的にするが、これは、該導電液体の端の間での放電の如何なるポテンシャルをも排除することによる。
【0063】
実質的に非金属製の該導電材料は、極性溶媒、例えば、水、アルコール、および/またはグリコール、あるいは、塩の水溶液、ならびにこれらの混合物のような液体であってよいが、好ましくは、塩の水溶液である。水が単独で使用される場合、好ましくは、水道水もしくはミネラルウォーターを含む。好ましくは、該水は、最大約25重量%までの、アルカリ金属塩、例えば、塩化ナトリウムもしくはカリウム、または、アルカリ土類金属塩のような、水溶性の塩を含有する。これは、このような電極中に存在する導電材料が実質的に完全な同調性を持ち、これにより、完全に均一な表面ポテンシャルをその誘電表面において持つからである。
【0064】
あるいは、この実質的に非金属製の該導電材料は、1種以上の導電ポリマー組成物の形であってよく、典型的には、ペーストの形で供給されてよい。このようなペーストは、マイクロプロセッサーチップのセットのような電子部品の接着および熱管理に、エレクトロニクス産業において、現在は使用される。これらのペーストは典型的に、充分な流動性を持ち、流動し、表面の不規則さに同調する。
【0065】
本発明による導電ポリマー組成物に適するポリマーは、シリコーン、ポリオキシポリオレフィンエラストマー、シリコーンワックスのようなワックス主体の熱溶融物、樹脂/ポリマーブレンド、シリコーンポリアミドコポリマー(共重合体)もしくは他のシリコーン有機コポリマーもしくは同様なもの、または、エポキシ、ポリイミド、アクリレート、ウレタン、もしくはイソシアナート主体のポリマーを包含してよい。これらポリマーは典型的に、導電粒子、典型的には銀のものを含有することになるが、代わりの導電粒子が使用されてよく、金、ニッケル、銅、種々の金属酸化物、および/または、カーボンナノチューブも包含してカーボン(炭素)、あるいは、メッキガラスまたはセラミックビーズを包含している。使用されてよい特定例のポリマーは、EP240648に記載の導電ポリマー、または、Dow Corning(登録商標)DA6523、Dow Corning(登録商標)DA6524、Dow Corning(登録商標)DA6526BD、およびDow Corning(登録商標)DA6533のような、Dow Corning Corporationにより販売の、銀充填有機ポリシロキサン主体の組成物、または、Ablebond(登録商標)8175(Ablestik Electronic Materials&Adhesivesから)、Epo−Tek(登録商標)H20E−PFC、もしくはEpo−Tek(登録商標)E30(Epoxy Technology Inc.)のような、銀充填エポキシ主体のポリマーを包含する。
【0066】
本発明による電極を用いて工業スケール(規模)で使用されてよい組み立て品のタイプの1例は、本発明による第1および第2の対の平行間隔電極を含んでいる大気圧プラズマ組み立て品が設けられているものであり、各々の対の電極の内側プレート(板)間のスペース(間隔)が、第1および第2のプラズマ帯を形成しており、ここで該組み立て品が更に、基材輸送手段を含み、引き続いて第1および第2のプラズマ帯を通して、ならびに、噴霧状液体もしくは固体のコーティング調製材料を、第1もしくは第2のプラズマ帯のうちの1つの中に導入するべく適合された噴霧器を通される。このような設備に関する基礎的なコンセプト(概念)は、本出願人の同時に係属している出願WO03/086031において記載され、本明細書において援用される。
【0067】
好ましい実施形態では、これら電極が垂直に並べられる。
【0068】
本明細書において前に記載されたように、材料を導電化させるための液体の使用の1つの主要な利点は、各対の電極が、各電極中に存在している異なる量の液体を持ち得ることであり、結果的に、異なるサイズのプラズマ帯、これゆえ異なるサイズの経路長を与え、こうして潜在的に、これら異なる対の電極間を通過する場合、1基材につき異なる反応時間を与える。このことは、第1のプラズマ帯中におけるクリーニング(清浄化)プロセスの反応時間期間が、経路長とは異なることがあり、および/または、第2のプラズマ帯中における反応時間が、異なっている量の導電化液体の、これら異なっている対の電極中への導入であることを意味することが考えられ、コーティングが該基材上に適用されていき、これらを変化させていくのに唯一の作用が含まれている場合である。好ましくは、同一量の液体が、電極対の各電極中において使用され、ここで両電極は、本明細書において前に記載されたようなものである。
【0069】
本発明に必要とされるプラズマを発生させる代わりの手段は、大気圧プラズマジェット(APPJ)の仲介による。APPJは、非熱平衡プラズマである。これは、1電極(針の形)もしくは2電極の形からなり、つまり、同心円上電極であって、これらにかぶさって、もしくは、これらの間に、それぞれプロセスガス、例えばヘリウムが供給される。充分高い電力およびポテンシャル(電圧)をかけていくことにより、プラズマが点火され、該プラズマにより発生されるイオン化および/または励起ガスが、ノズルを通して、該ノズル片から短距離の基材上に向けられる。APPJシステム(系)により生成されるプラズマは、これら電極間のスペース(空間。プラズマ帯)から、炎のような現象として向けられ、離れた対象を処理するのに使用され得る。本発明における使用に適するプラズマジェットシステム(系)用の数多くの代わりのデザインが、適切な噴霧器と共に供給される場合、本願図面により支援されながら、下に記載される。
【0070】
該コーティング形成材料は、如何なる従来手段を使用しても噴霧化されてよく、例えば、超音波ノズルである。噴霧化される該材料は、好ましくは、液体、もしくは、液体/固体スラリーの形である。この噴霧器は、好ましくは、滴のサイズ10〜100μm、より好ましくは10〜50μmのコーティング形成材料を生成させる。好ましい噴霧器は例えば、超音波ノズル、空気もしくは振動噴霧器を包含し、これらの中において、高周波数のエネルギーが、該液体に付与される。該振動噴霧器は、電磁気もしくはピエゾ電気(圧電気)伝達器を、開口部を通って放電される該液体流に高周波数発振を伝達するために使用してもよい。これらは、実質的に一様な液滴を創出する傾向にあり、そのサイズは、発振周波数の関数である。使用されてもよい適切な超音波ノズルは、Sono−Tek Corporation、Milton、New York、USA、もしくは、Lechler、GmbH、Metzingen、Germanyからの超音波ノズルを包含する。利用されてもよい他の適切な噴霧器は、ガス噴霧化ノズル、空気噴霧器、圧噴霧器、および同様なものも包含する。本発明の装置は、複数の噴霧器を包含してもよく、これは特に有用であることがあり、例えば、本装置が、2種の異なるコーティング形成材料から、コポリマーコーティングを基材上で形成させるのに使用されるものである場合、これらモノマーが非混和性であるか、もしくは、異なる相中にある場合、例えば、第1が固体であり、第2がガス状もしくは液体である場合である。
【0071】
好ましくは、適切な場合、該活性材料は、該コーティング形成材料が導入されるのと同一噴霧器を使用して、システム(系)中に導入される。しかしながら、該活性材料は、該系中に、第2の(複数の)噴霧器もしくは他の導入手段を経由して導入されてもよく、好ましくは同時に、該コーティング形成材料の導入を行う。如何なる適切な代わりの導入手段も利用されてよく、例えば、圧縮ガスおよび/または重力粉末供給機のようなものである。担体ガスが使用される場合、如何なる適切な担体ガスが利用されてもよいが、ヘリウムが好ましい。
【0072】
本発明における使用に適するプラズマを発生させるのに使用されるプロセスガスは、如何なる適切なガスであってもよいが、好ましくは、不活性ガスもしくは不活性ガス主体の混合物であり、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素、および、これらのガスのうちの少なくとも1種を含んでいる混合物、ヘリウムおよびアルゴンの混合物、もしくは、アルゴン主体の混合物であって、追加的にケトンおよび/または関連化合物を含有しているようなものである。これらのプロセスガスは単独、もしくは、潜在的に反応性のガスと組み合わせて利用されてもよく、例えば、アンモニア、O、HO、NO、エア(空気)、もしくは水素のようなものである。最も好ましくは、該プロセスガスは、ヘリウム単独、または、酸化もしくは還元ガスと組み合わせとされる。ガスの選択は、行われるプラズマプロセスに依る。酸化もしくは還元プロセスガスが必要とされる場合、好ましくは、90〜99%の稀ガスと1〜10%の酸化もしくは還元ガスとを含んでいる混合物中において利用されることになる。
【0073】
酸化条件下では、本方法は、酸素含有コーティングを該基材上で形成させるのに使用されてよい。例えば、シリカ主体のコーティングが、該基材表面上で、噴霧状シリコン含有コーティング形成材料から、形成され得る。還元条件下では、本方法は、酸素のないコーティングを形成させるのに使用されてよく、例えば、シリコンカーバイド主体のコーティングが、噴霧状シリコン含有コーティング形成材料から、形成されてもよい。
【0074】
窒素含有雰囲気中、窒素が、該基材表面に結合し得、窒素および酸素両方を含有している雰囲気中、硝酸塩が、該基材表面に結合および/または該基材表面で形成し得る。このようなガスは、コーティング形成物質に晒す前に、該基材表面を前処理するのに使用されてもよい。例えば、該基材の酸素含有プラズマ処理は、該基材と適用されるコーティングとの間に、向上した接着性を与えることがあり、酸素含有プラズマは、酸素ガスもしくは水のような酸素含有材料を、該プラズマに導入していくことにより、発生されるものである。
【0075】
1実施形態において、本発明のコーティングされる基材が、複数層の異なっている組成物でコーティングされてもよい。これらは、該基材を、複数のプラズマ領域に相対して通過させていくことにより、あるいは、繰り返し、該基材もしくは部分的にコーティングされた基材を、これらプラズマ領域に相対して通過させていくことにより、適用されてよい。適切な場合、該基材もしくは該プラズマの系が、互いに相対的に動いてもよい。如何なる適切な数のサイクルもしくはプラズマ帯が利用されてよく、適切に多重コーティングされた基材を達成する。該基材が、プラズマ帯を通過、プラズマ帯の隣を通過、その励起ガス流から離れて通過させられてよく、または、(通過させられず)これらから離れていてさえよく、該基材が、当該プラズマおよび/または励起ガス流により影響を受ける領域の外側に維持されるようにする。
【0076】
例えば、本発明により利用される基材が、複数のプラズマ領域に付されてもよく、これらの各々が異なって機能し得、例えば、第1のプラズマ領域が、該基材の表面を酸化していく手段として(例えば、酸素/ヘリウムプロセスガス中)、もしくは、第1のコーティングを適用していく手段として利用されることが考えられ、活性材料含有コーティングの適用が、第2のプラズマ領域中で行われてもよく、これは例えば、更なる保護コーティングの追加と共に後処理されてもされなくてもよい。本発明の方法はこれゆえ、関連する末端での使用に必要とされる如何なる数の必要とされるコーティング層にも適切である。
【0077】
尚更なる実施形態において、基材がコーティングされる場合、多重にプラズマ組み立て品を持っているよりもむしろ、単一プラズマ組み立て品が利用されてよく、これらの電極間に形成されるプラズマ帯を通過していく材料を動かしていく手段を有している。例えば、当初、該プラズマ帯を通過していく唯一の物質が、ヘリウムのようなプロセスガスであることも考えられ、これは、これら電極間にポテンシャルをかけることにより励起され、プラズマ帯を形成する。この結果得られてくるヘリウムプラズマが利用されてよく、該基材を清浄化および/または活性化し、これが、該プラズマ帯を通過、もしくは、相対される。次いで、1種以上のコーティング形成前駆体材料および前記活性材料が導入されてよく、これら1種以上のコーティング形成前駆体材料が、該プラズマ帯を通過していくことにより励起され、該基材を処理していく。該基材は、該プラズマ帯を通して動かされ、もしくは、相対されてよく、複数の機会に、多重層化を効果的にし、適切な場合、該コーティング形成前駆体材料(1種もしくは複数種)組成が変動されてよく、これは、1回以上の、例えば、コーティング形成前駆体材料および/または活性材料の導入を置き換え、追加、もしくは停止していくことによる。
【0078】
如何なる適切な非熱平衡プラズマ設備も使用されてよく、本発明の方法を行うが、大気圧拡散誘電障壁放電発生設備もしくは低圧グロー放電が、連続法もしくはパルス法で操作されてもよく、好ましい。
【0079】
該プラズマ設備は、WO03/085693に記載のようなAPPJの形であってもよい。そこでは、基材が、そのプラズマ源の下流に離れて置かれる。
【0080】
グロー放電のような大気圧拡散誘電障壁放電を発生させる如何なる従来手段も、本発明の方法において使用されてよく、例えば、大気圧プラズマジェット、大気圧マイクロ波グロー放電、および大気圧グロー放電である。典型的には、このような手段は、ヘリウム、アルゴン、もしくは窒素、または、これらのうちの少なくとも1種をそのプロセスガスとして含有している混合物を用いることになるが、ヘリウムプロセスガスが好ましく、高周波数(例えば、>1kHz)電力の供給が、均一な拡散誘電障壁放電を発生させる。
【0081】
低圧(グロー放電プラズマ)の場合、前記液体前駆体および前記活性材料は、好ましくは、容器中に保持されるか、もしくは、上記のような噴霧状液体噴霧器の形の反応容器中に導入される。該低圧プラズマは、そのプラズマ放電を加熱および/またはパルスしながら、液体前駆体および/または活性材料を用いて実施されてよいが、好ましくは、更なる加熱の必要なく、実施される。もし、加熱が必要とされれば、本発明による方法は、低圧プラズマ技術を使用しながら循環されてよく、つまり、該液体前駆体は、加熱することなく、プラズマ処理され、次いで、プラズマ処理などなしに、加熱され、あるいは、同時にされてもよく、つまり、液体前駆体の加熱およびプラズマの処理が、一緒に行われる。該プラズマは、ラジオ周波数、マイクロ波、もしくは直流(DC)のような、如何なる適切な源からの電磁照射により発生されてもよい。8〜16MHzのラジオ周波数(RF)の範囲が適切であり、RF13.56MHzが好ましい。低圧グロー放電の場合、如何なる適切な反応チャンバーも、利用されてよい。その電極システム(系)の電力は、1〜100Wであってよいが、好ましくは、連続低圧プラズマ手法に関して、5〜50Wの領域中にある。該チャンバーの圧は、如何なる適切な圧にまでも減圧されてよく、例えば、0.1〜0.001mbarであるが、好ましくは、0.05〜0.01mbarである。
【0082】
特に好ましいパルスプラズマ処理プロセスは、プラズマ放電を室温においてパルスすることを含んでいる。該プラズマ放電がパルスされ、特定の<<オン(on)>>の時間もしくは<<オフ(off)>>の時間を持つようにされ、非常に低い平均電力がかけられ、例えば、10W未満、好ましくは1W未満の電力である。<<オン(on)>>の時間は典型的に、10〜10000μ秒、好ましくは10〜1000μ秒であり、<<オフ(off)>>の時間は典型的に、1000〜10000μ秒、好ましくは1000〜5000μ秒である。噴霧状液体前駆体および前記活性材料(1種もしくは複数種)は、真空中に、添加ガスなしに、つまり直接注入により導入されてよいが、ヘリウムもしくはアルゴンのような添加プロセスガスも、必要と思われる場合、担体として利用されてよい。
【0083】
低圧プラズマの選択肢の場合、当該プラズマを形成させるプロセスガスは、大気圧のシステム(系)に関して記載されたようなものであってもよいが、あるいは、ヘリウムおよび/またはアルゴンのような稀ガスを含まなくてもよく、これゆえ純粋に、酸素、空気、もしくは代用酸化ガスであってもよい。
【実施例】
【0084】
本発明が今、添付の図面および実施例に言及して、詳細に例示される。
【0085】
サンプル調製
塩化セタルコニウム、塩化ベンザルコニウム、および塩化セチルピリジニウム(活性材料)の固体の塩が、アクリル酸もしくはメタクリル酸ポリエチレングリコール(PEG)に溶解された(コーティング形成材料、表1に記載されるとおり)。
【0086】
【表1】

【0087】
これらの塩に関する化学構造が、下に与えられる。
【0088】
【化1】

【0089】
該コーティング形成材料および該活性材料を含んでいる該前駆体溶液が次いで、図1に
示されるタイプの拡散誘電障壁放電組み立て品を使用して、ポリプロピレンおよびポリエ
ステルの布基材上に沈着された。
【0090】
今、図1に言及しながら、柔軟な該ポリプロピレンおよびポリエステルの布基材が、ガ
イドローラー70、71、および72の仲介により、該プラズマ組み立て品を通過させら
れた。ヘリウムプロセスガスの入口75、組み立て品の蓋76、および超音波ノズル74
が設けられており、噴霧状前駆体溶液を、プラズマ領域60中に導入するためである。両
プラズマ領域中で使用されたプラズマの電力は、0.4〜1.0kWの間で変動した。
【0091】
使用時に、100mm幅のウェブの柔軟な基材が、該プラズマ組み立て品を、1〜4m
/分の間で変動したスピードで、通過された。該基材が当初、ガイドローラー70に向け
られ、そして、ガイドローラー70を越えて、電極20aおよび26の間のプラズマ領域
25を通った。プラズマ領域25中の電極20aおよび26の間で発生されるプラズマが
、清浄化ヘリウムプラズマとして利用され、つまり、反応性材料は全く、プラズマ領域2
5中に向けられない。ヘリウムが、このシステム中に、入口75経由で導入された。蓋7
6が、このシステムの頂上部にかぶせられ、ヘリウムの逃亡を防ぐようにし、これは、ヘ
リウムが空気よりも軽いからである。プラズマ領域25を去っていく際、プラズマにより
清浄化された基材は、ガイド71を越え、下向きにされ、電極26および20bと上側ロ
ーラー72との間のプラズマ領域60を通る。プラズマ領域60はしかしながら、該基材
を、プラズマ処理された前駆体溶液でコーティングするのに利用され、これは液体の形で
、超音波ノズルを通して、25〜50μL/分の速度で導入される。
【0092】
該前駆体溶液はこれ自体、プラズマ領域60を通過していく時にプラズマ処理を受け、
該基材のためのコーティングを生成させていき、この中に、これら活性材料が保持される
。コーティングされた基材は次いで、プラズマ領域60を通過していき、コーティングさ
れ、次いで、ローラー72を越えて運ばれ、回収されるかもしくは更に、更なるプラズマ
処理で処理される。ローラー70および72は、ローラーに対して反対になるようなリー
ルであってよい。通過させたことにより、該基材を、プラズマ領域25中に、および、ロ
ーラー71上に導くよう適合される。
【0093】
表2は、これらサンプルを調製するのに使用されたコーティング条件を、対応している
分析への言及と共に記載する。
【0094】
【表2】

【0095】
サンプルが次いで、1片のコーティングされたフィルムを以降の溶液のうちの1種に
10分間、常温において浸しておくことにより、洗浄された。
pH 2 0.01M HCl
pH 7 HPLCグレード(等級)の水
pH12 0.01M NaOH
【0096】
全サンプルが次いで、軟X線を用いたサンプルの照射を含んでいるX線光電子スペクト
ル(XPS)分析、および、該サンプルの表面近くで発生される発光電子のエネルギー分
析に付された。XPSは、全元素(水素およびヘリウムを除いて)を検出できる能力を持
ち、定量的であり、10nm未満の分析深度からである。元素情報に加えて、XPSは、
元素の化学状態を、結合エネルギーシフトのコンセプト(概念)を通じて探索するのにも
使用される。この報告において引用される全ての値は、少なくとも3回の異なる分析の平
均である。
機器: Kratos Analytical Axis Ultra
サンプリング: 単色化Al K X線
得られるスペクトル:サーベイ、Na 1s、O 1s、N 1s、C 1s
【0097】
抗菌試験
抗菌試験が実施され、ISO846規格の変法(<<プラスチック−微生物の作用の評
価>>)を使用してのものであった。布およびプラスチックのサンプルが、菌の胞子の混
合懸濁に、完全培地存在下に、特定期間の時間(4週)、そして、特定条件の温度(28
℃±1℃)および湿度に晒された。これらの(培養)皿が2日毎に点検され、胞子の生存
度を確認した。最終および公式な点検は、インキュベート4週後に実施される。材料の広
い(抗菌)スペクトル効率が、0〜5の<<成育速度>>の尺度により、表3中において
求められる。この尺度は、視覚可能な菌の成育が、試験されている材料サンプル上で阻害
されるまでの程度を測るものであった。
【0098】
【表3】

【0099】
上のこれらサンプルは、基材をコーティングしているポリエチレングリコールPEG中
への4級アンモニウム界面活性(抗菌)剤の取り込みを実証する。該コーティングは、水
、酸、および塩基による洗浄に対して耐性である。
【0100】
これら4級塩溶液でコーティングされた全サンプルは、透明な親水性コーティングを生
じさせ、良好に基材を被覆していた。XPS分析が使用され、これら沈着されたコーティ
ング表面の化学(的性質)を探索した。本プラズマ沈着プロセスが、該基材表面上で、重
合コーティングを生成させることが示され、その前駆体の官能基を良好に保持していた。
【0101】
コーティングされたサンプル
図2aは、重合アクリル酸主体の前駆体に関する代表的なカーボン(炭素、C 1s)スペクトルを示す。該C 1sスペクトルは、C−C鎖とCOOH官能基の保持との両方を示す。該前駆体の幾らかの酸化も観測され、少量のC−OおよびC=O種の存在結果を与えていた。高分解能C 1sスペクトルの研究は、アクリル酸由来プラズマコーティングに関して以前に報告されたものに非常に似た化学(的性質)を解明した。各サンプルに関する組成分析が、表4に包含される。図2bは、アクリル酸PEG主体のコーティングに関するC 1sスペクトルを示し、グリコール官能基の良好な保持を表示している。これらのサンプルに関する炭素の化学(的性質)が、表6に見出されるかも知れない。
【0102】
重合された溶媒に加えて、全サンプルは、1〜2%の窒素を含有し、これは、前記4級
アンモニウム塩から生じている。高分解能スペクトルが、該4級アンモニウム構造が、本
プラズマ沈着プロセス間に保持されたことを解明した。図2aは、アクリル酸中において
重合された塩に関する典型的なスペクトルを示す。その窒素(N 1s)の核となるレベ
ルは、398〜404eVの範囲中において、ピークを示す。該コアレベルに合成ピーク
を合わせていくには、2本の重なっているピークを必要とした。その主要なピークは〜4
02eVにあり、4級アンモニウム構造の窒素に帰属される。第2のピークは〜400e
Vにあり、(電気的に)中性の化学(的性質)のNRに帰属される。これら4級アンモ
ニウム塩の相対濃度が、合計N含量の45〜73%で変動するのが見出され、表5および
表7から明らかであるとおりである。
【0103】
【表4】

【0104】
【表5】

【0105】
【表6】

【0106】
【表7】

【0107】
洗浄試験
沈着後、サンプルが、これらコーティングされたフィルムから切り出され、種々の洗浄
試験に付された。サンプルが、NaOH(aq)−pH12、水−pH7、およびHCl
(aq)−pH2中において洗浄された。
【0108】
全ての場合において、窒素は、該洗浄プロセスの間には失われず、全てのサンプルが、1%〜2%の窒素を、その表面において、洗浄前後に持っていた。しかしながら、4級アンモニウム塩の相対濃度は、該洗浄プロセスの関数として変化した。表8は、ある範囲のサンプルに関する、異なる洗浄条件下での代表的なデータを含有する。
【0109】
水もしくは酸を用いた洗浄することは典型的に、4級アンモニウム(−NR)として
存在するN量を低下させ、唯一の例外が、アクリル酸中の塩化セチルピリジニウムの酸洗
浄である。このことは、該表面からの、遊離の界面活性剤の除去を指し示す。
【0110】
この水酸化ナトリウム洗浄は遙かにより興味あるものであったが、我々がこれを、該4級アンモニウム塩の脱プロトン化に帰因させた。アクリル酸中の塩化セタルコニウムの場合、その−NRは完全に、−NRにまで脱プロトン化され、水酸化ナトリウム中において洗浄された場合(図2)、この捕捉された界面活性剤が充分に、適用された洗浄溶液に接近可能であることを指し示している。脱プロトン化は、酸中において洗浄された場合、一部逆行されているように見える。脱プロトン化が充分、酸中における洗浄の際、逆行されることを除き、似た効果が、PEG中の塩化セタルコニウムに関して観測される。
【0111】
アクリル酸コーティング中の塩化セチルピリジニウムは、水洗に対して非常に安定であ
り、この界面活性剤の良好な捕捉を指し示している。該コーティングをアルカリで洗浄す
る際、その−NRは一部、脱プロトン化され、約40%の該−NRのみが、その表面
においてアルカリの攻撃を受けることを指し示している。これは、該コーティングの物性
、もしくは、このアンモニウムカチオンの解離定数によるのかも知れない。該−NR
完全に、酸洗浄の際、−NRに戻る。似た効果が、アクリル酸中の塩化ベンザルコニウ
ムに関して観測され、ここではアルカリ洗浄の際、一部、−NRにまで変換され、酸洗
浄の際、ほぼ完全に、−NRにまで戻る。
【0112】
洗浄することにより、これらコーティングの炭素の化学(的性質)も変化した。これら
アクリル酸主体のコーティングは深刻なまでに、用いられた洗浄手順により、変化させら
れた。再び、前記水酸化ナトリウム洗浄が最も攻撃的であると判り、そのCOOH官能基
が完全に、ある幾つかのサンプルにおいては消えている。水酸化ナトリウム洗浄されたサ
ンプルに関するデータが、表9〜11に包含される。さほど深刻ではないが、全洗浄手順
が、そのCOOHのピークの低下に至る。
【0113】
これらPEG主体のコーティングは、これら洗浄処理からは、より損傷を受けなかった
。水酸化ナトリウムは、その窒素部分の化学(的性質)を変化させたが、該PEGポリマ
ーには、限られた効果しか持たなかった。水洗も、僅かな効果しか持たなかった。しかし
ながら、このHClでの洗浄は、そのC−O官能基に劇的な効果を持ち、該C−O種の殆
どが消えており、表12から明らかであるとおりである。
【0114】
【表8】

【0115】
【表9】

【0116】
【表10】

【0117】
【表11】

【0118】
【表12】

【0119】
処理済みポリエステル布の抗真菌活性
2週間のインキュベート後、処理および無処理布の見本が全体を、微生物で覆われた(成育速度=5、図1において示されるとおり)。一般的に、布の表面は、微生物の取り付きには良い支持体である(つまり、混入過程の第1段階)。
【0120】
4週間のインキュベート後、黴が、布の見本の表面において凝集し、<<セル皮膚>>を形成した。メスを使用しながら、このセル皮膚が除去され、布の表面が、立体顕微鏡により分析された。胞子および菌糸の痕跡は、処理および無処理布の縫合糸の間には検出されなかった。全ての布のサンプルは、該黴の皮膚を除去した後、きれいな表面を提示したが、これは、ポリエステルが、微生物に適切な栄養源でないからである。
【0121】
黴を除去していくために該サンプル表面を切屑した後に、全サンプルがアルコールに浸され、2回目の視覚観察に進んでいく前に、風乾された。結果は明らかに、4サンプルが色の変化(ピンク色、表13)を提示したことを示した。無処理サンプルおよびセタルコニウム処理サンプル両方が、色の変化を、4週間の微生物による攻撃後に示したが、基材の崩壊が起きたことを指し示している。他方、セチルピリジニウムおよびベンザルコニウム処理布のサンプルは、微生物処理に対して、非常に耐性である。布のきめおよび柔軟性の変化は、観察されなかった。
【0122】
【表13】

【0123】
以降の記載は、本発明において使用されてよい、代わりのプラズマジェット大気圧プラズマ発生システムの1つを記載すると意図される。
【0124】
図4は、単一電極の設計(デザイン)のプラズマジェットシステムに関する。このデザインはチューブ(管、7)からなり、適切な誘電材料(8)により囲まれている。プロセスガスが、開口部(6)に入る。単一電極(5)が、該チューブ外側に置かれ、これが、該誘電材料の層(8)中に封じ込められる。該電極は、適切な電力供給源に接続されている。対向電極は、必要とされない。電力がかけられると、局所的な電界(場)が、該電極の周りに形成される。これらは、該チューブ内の該ガスと相互作用してプラズマが形成され、これは、開口部(9)を通って出る。
【0125】
図5は、代わりのプラズマジェット電極のデザインに関する。単一の鋭い電極が、プラスチックチューブ内にハウジングされ、これを通って、エアロゾルおよびプロセスガスが流れる。電力が、この針状電極にかけられると、電界(場)が形成され、該プロセスガスがイオン化され、これは、前のデザインにおけるようである。6mmパイプが、該プラズマの出口において包含され、該プラズマガスの層流を維持する。これは、空気飛沫を最小化するよう作用し、これは、本装置を去った後に、該プラズマジェットを止めることになる。このデザインを用いれば、プラズマジェットを、ヘリウム、アルゴン、酸素、窒素、空気、およびこれらのガスの混合物を包含するある範囲のプロセスガスを使用しながら生成させるのが可能になる。これは、金属電極(12)が、適切なチャンバー(10)内にハウジングされているのを示す。このチャンバーは、ポリテトラフルオロエチレンのような適切な誘電材料から構築されてもよい。該プロセスガスおよび前駆体が、該チャンバー中に、該ハウジング中の1つ以上の開口部(11)を通って入る。電圧が、該電極にかけられると、該プロセスガスがイオン化され、結果得られてくるプラズマが、開口部(14)を通って出て行く向きにされる。出口パイプ(13)のサイズおよび形状を調整していくことにより、該プラズマの炎のサイズ、形状、および長さが、調整され得る。
【0126】
図6は、該エアロゾルおよびプロセスガスが、該プラズマ上流(15)に入る代わりのデザインを描く。代わりのデザインにおいて、該エアロゾルが直接、該プラズマ中に導入される。これは、第2のガス侵入地点(16)を、電極(17)尖端近くに位置させることにより、達成される。該エアロゾルは直接、この地点(16)において加えられ得、該プロセスガスの主要部は尚、該プラズマ領域上流(15)に入り続けている。あるいは、該プロセスガスの幾らか(もしくは全て)も、該電極尖端に隣接して、該エアロゾルと共に加えられ得る。このセットアップを使用して、該プラズマおよび前駆体が、適切な開口部(18)を通って出る。
【0127】
図7は、3D(3次元的な、立体的な)対象物および/またはチューブおよび/または導電基材の内側の処理に好ましい装置を描き、長いプラズマを発生させるようにも開発されてきた。前のように、電力を与えられた電極(19)が、プロセスガス(20)およびエアロゾル(21)と相互作用し、プラズマを生成させる。該プラズマの長さは、本装置を去る時に、該プラズマをチューブ(22)にまで持っていくことにより延ばされ得る。該プラズマがこのチューブ内に限られる限り、この時は該プラズマは、その外部雰囲気との相互作用により消されない。更に該プラズマ長を延ばすには、導電種(23)が、該チューブ中に挿入されてもよい。結果得られてくるプラズマは、適切な開口部(24)を通って出ていく前に、有意な距離に亘り延ばされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本明細書における実施例において使用されたようなプラズマ発生単位の一般図である。
【図2】a)アクリル酸、b)メタクリル酸PEG中で沈着された塩化セタルコニウムに関する高分解能炭素(C 1s)スペクトルである。
【図3】a)洗浄前、b)NaOH中での洗浄後の、アクリル酸中で沈着された塩化セタルコニウムに関する高分解能窒素(N 1s)スペクトルである。
【図4】本発明において利用されてよいプラズマジェット設備に関する代替デザインである。
【図5】本発明において利用されてよいプラズマジェット設備に関する代替デザインである。
【図6】本発明において利用されてよいプラズマジェット設備に関する代替デザインである。
【図7】本発明において利用されてよいプラズマジェット設備に関する代替デザインである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性材料含有コーティングを基材上で形成させる方法であって、本方法は:
i)プラズマ環境内で化学結合形成反応する1種以上のガス状もしくは噴霧状液体および/または固体のコーティング形成材料、ならびに、プラズマ環境内で実質的に化学結合形成反応しない1種以上の活性材料を、大気圧〜低圧非熱平衡プラズマ放電および/またはこれから結果得られてくる励起ガス流中に導入するステップ
ii)該基材を、該基材表面上に沈着される噴霧状コーティング形成材料および少なくとも1種の活性材料の、結果的に得られてくる混合物に晒し、コーティングを形成させるステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記コーティング形成材料が、前記プラズマ放電中に、1つ以上の噴霧器の仲介により導入される、請求項1の方法。
【請求項3】
前記活性材料が、前記プラズマ放電中に、前記コーティング形成材料と同一の噴霧器を通して導入される、請求項1もしくは2の方法。
【請求項4】
前記活性材料が、前記プラズマ放電中に、別個の活性材料導入手段により導入される、請求項1もしくは2の方法。
【請求項5】
前記活性材料導入手段が噴霧器、または、粉末の場合、圧縮ガスもしくは重力粉末供給器である、請求項4の方法。
【請求項6】
前記基材が、前記プラズマおよび/またはこれから結果得られてくる前記励起ガス流を通過させられる、請求項1〜5のいずれか1項の方法。
【請求項7】
前記基材表面(1)の処理が、前記プラズマ放電および/またはこれから結果得られてくる前記励起ガス流から離れて行われる、請求項1〜6のいずれか1項の方法。
【請求項8】
前記活性材料が、1種以上の、抗菌剤、酵素、蛋白、DNA/RNA、アロエ、ビタミン、香料、農薬、および/または触媒を含む、請求項1〜7のいずれか1項の方法。
【請求項9】
前記活性材料が、医薬活性材料、化粧医薬活性材料、治療活性材料、もしくは診断活性材料中の成分である、請求項1〜7のいずれか1項の方法。
【請求項10】
前記活性材料が、用いられることがある治療活性材料であり、例えば、抗面皰剤、抗生物質、防腐剤、抗真菌剤、抗菌剤、殺生物剤、抗炎症剤、収斂剤、ホルモン、抗癌剤、禁煙組成物、心臓血管薬、ヒスタミンブロッカー、気管支拡張薬、鎮痛薬、抗不整脈薬、抗ヒスタミン薬(抗ヒ剤)、αブロッカー、βブロッカー、ACE阻害剤(ACEI)、利尿薬、抗凝固薬、鎮静薬、トランキライザー、抗痙攣薬、抗凝固剤、ビタミン、アンチエイジング剤、消化器および十二指腸潰瘍処置剤、抗セルライト剤、蛋白分解酵素、治癒因子および細胞成長用栄養、ならびにペプチドを包含する、請求項1〜7のいずれか1項の方法。
【請求項11】
前記活性材料が、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、マクロライド、エピネフリン、アンフェタミン、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツレート、カテコールアミン(カテコラミン)、ベンゾジアゼピン、チオペンタール、コデイン、モルヒネ、プロカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルホンアミド、チコナゾール、ペルブテロール、フロサミド、プラゾシン、プロスタグランジン、サルブタモール、インドメタシン、ジクロフェナック、グラフェニン、ジピリダモール、テオフィリン、およびレチナールの1種以上から選択される、請求項10の方法。
【請求項12】
前記活性材料が、UV遮断材料、抗酸化剤、難燃剤、抗菌剤、抗真菌剤、化粧料、クレンザー、成長因子、アロエ、ビタミン、香料、農薬(フェロモン、殺虫剤、除草剤)、および触媒である、請求項1〜7のいずれか1項の方法。
【請求項13】
前記活性材料が、1種以上の、吸収剤、固化防止材料、抗酸化剤、帯電防止剤、収斂剤、バインダー、緩衝材料、充填材料、キレート材料、着色料、化粧用収斂剤、化粧用殺生物剤、消臭材料、皮膚軟化剤、外用鎮痛剤、皮膜形成剤、香料、香り成分、湿潤薬、溶菌材料、保湿材料、密閉性促進剤、不透明化材料、酸化還元材料、浸透促進剤、殺虫剤、可塑化剤、保存料、皮膚漂白材料、皮膚コンディショニング材料、皮膚保護剤、滑り修飾剤、可溶化材料、溶媒、日焼け止め材料、表面修飾剤、界面活性剤および乳化材料、懸濁材料、増粘材料、増加も減少も包含して粘度制御材料、UV光吸収剤である、請求項1〜7のいずれか1項の方法。
【請求項14】
前記基材が、プラズマ前処理および/または後処理される、請求項1〜13のいずれか1項の方法。
【請求項15】
複数のコーティングが前記活性材料を含有しており、前記基材上に適用される、請求項1〜14のいずれか1項の方法。
【請求項16】
前記活性材料が、殺虫、除草、および/または抗真菌活性材料である、請求項1〜7のいずれか1項の方法。
【請求項17】
プラズマ後処理が、活性材料のない更なるコーティングの、トップコート(最外層コーティング)としての適用を含む、請求項13の方法。
【請求項18】
プラズマ環境内で化学結合形成反応する1種以上のガス状もしくは噴霧状液体および/または固体のコーティング形成材料、ならびに、プラズマ環境内で実質的に化学結合形成反応しない1種以上の活性材料を、大気圧〜低圧プラズマ放電および/またはこれから結果得られてくる励起ガス流中に導入し、該基材を、噴霧状コーティング形成材料および活性材料の、結果的に得られてくるプラズマ処理混合物に晒すことにより得られる、活性材料含有材料でコーティングされた基材を含んでおり、ここで該基材が、ワイプ、家庭ケア用もしくは脱毛ケア用布もしくはスポンジ、または水溶性家庭クリーニング用単位用量製品でない、製品。
【請求項19】
プラズマ環境内で化学結合形成反応する1種以上のガス状もしくは噴霧状液体および/または固体のコーティング形成材料、ならびに、プラズマ環境内で実質的に化学結合形成反応しない1種以上の活性材料を、大気圧〜低圧プラズマ放電および/またはこれから結果得られてくる励起ガス流中に導入することにより形成される材料製品でコーティングされた基材を含んでおり、ここで該基材が、ワイプ、家庭ケア用もしくは脱毛ケア用布もしくはスポンジ、または水溶性家庭クリーニング用単位用量製品でない、製品。
【請求項20】
前記基材が、ワイプ、家庭ケア用もしくは脱毛ケア用布もしくはスポンジ以外のテキスタイル材料である、請求項18もしくは19の製品。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか1項の方法により得られる、コーティングされた基材。
【請求項22】
請求項18もしくは19のコーティングされた基材の、医薬としての、使用。
【請求項23】
請求項18もしくは19のコーティングされた基材の、治療適用医薬品製造における、使用。
【請求項24】
前記基材が、ワイプ、家庭ケア用もしくは脱毛ケア用布もしくはスポンジ、または水溶性家庭クリーニング用単位用量製品でない、請求項18もしくは19のコーティングされた基材の、包帯、ギブス、ギブス包帯、絆創膏、接着テープ、ゲル、ペースト、パッド、ガーゼ、脱脂綿、組織工学製品(例えば、生合成、ヒト組織主体の絆創膏)、ドラッグデリバリー製剤および生体材料、医療装置、外科用ドレープ、カテーテルおよび配管、コンタクトレンズ、外科インプラント、人工器官、絹糸、毛、楊枝、接着片(例えば、ホワイトニング用)、脱脂綿も包含して口腔ケア装置、ならびに、タブレット(錠剤)およびスティック(例えば、チュウイングガム)のための、使用。
【請求項25】
前記治療適用が、抗面皰剤、抗生物質、防腐剤、抗真菌剤、抗菌剤、殺生物剤、抗炎症剤、収斂剤、ホルモン、抗癌剤、禁煙組成物、心臓血管薬、ヒスタミンブロッカー、気管支拡張薬、鎮痛薬、抗不整脈薬、抗ヒスタミン薬(抗ヒ剤)、αブロッカー、βブロッカー、ACE阻害剤(ACEI)、利尿薬、抗凝固薬、鎮静薬、トランキライザー、抗痙攣薬、抗凝固剤、ビタミン、アンチエイジング剤、消化器および十二指腸潰瘍処置剤、抗セルライト剤、蛋白分解酵素、治癒因子および細胞成長用栄養、ならびにペプチドである、請求項23の使用。
【請求項26】
ピル、錠剤、カプセル、および/または粉末である、請求項19もしくは20のコーティングされた基材。
【請求項27】
絆創膏である、請求項20のコーティングされた基材。
【請求項28】
生理学的および/または医薬的に許容可能な担体上の、生理学的および/または医薬的に許容可能なコーティング中に捕捉された医薬活性材料成分を含んでいる、請求項18もしくは19のコーティングされた基材。
【請求項29】
請求項1〜18のいずれか1項の基材上での活性材料含有コーティングの調製における使用のための大気圧プラズマ組み立て品であって、1対の平行な空間的に離れた平らな電極を含んでおり、該対間に少なくとも1枚の誘電板を有し、1電極に隣接して、該誘電板ともう一方の誘電板もしくは該1対の電極のうちの1電極との間の該空間が、プラズマ領域を形成しており、該プラズマ領域に相対的に該基材を輸送手段を含んでおり、噴霧状液体もしくは固体のコーティング調製材料を、第1もしくは第2の該プラズマ領域のうちの1領域中に導入するよう適合された噴霧器を含んでおり、活性材料が該噴霧器もしくは代替導入手段を通して、第1もしくは第2の該プラズマ領域のうちの1領域中に導入されることを特徴とする、組み立て品。
【請求項30】
前記基材が、第1および第2の前記プラズマ領域を通して、ガイドローラーおよび/またはガイドリール(70、71、72)の仲介により輸送される、請求項29の組み立て品。
【請求項31】
請求項29もしくは30の、拡散誘電障壁放電。
【請求項32】
請求項29〜31のいずれか1項の柔軟な基材上での多層コーティングを調製するための大気圧プラズマ組み立て品であって、プラズマが、鉛直向きの電極間に発生され、これらは整列され、単回の通過、多段階処理、もしくは多層コーティングを可能にするよう適合される、組み立て品。
【請求項33】
基材を大気プラズマ処理する方法であって、請求項29〜32のいずれか1項の装置を使用することを含んでおり、ここで前記噴霧状固体もしくは液体コーティング調製材料が、前記噴霧器から前記プラズマ領域中に、重力による供給の仲介により輸送される、方法。
【請求項34】
前記コーティングが、プラズマ促進化学蒸着の仲介により適用される、請求項1〜17のいずれか1項の方法。
【請求項35】
前記基材が、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、テレフタレート、ポリメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートポリマー、ポリエポキシド、ポリスルホン、ポリフェニレン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチレン、ポリフッ化アルカン、ポリシロキサン、フェノール、エポキシ、もしくはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ならびに、これらのブレンドおよびコポリマーである、請求項1〜17のいずれか1項の方法。
【請求項36】
前記基材が、金属薄膜、フィルム(皮膜)、紙、布、不織布、金属箔からできた平らなウェブ、粉末、および/または、成型もしくは加工成分である、請求項1〜17のいずれか1項の方法。
【請求項37】
前記基材が、金属、金属酸化物、シリカおよびシリケート、カーボン(炭素)、有機粉末化基材、例えばカーボンブラック(黒鉛)、粘土、CaCO、タルク、シリカ、マイカ導電充填剤、TiOナノ粒子のような鉱物充填剤、TiO、ZrO、Fe、Al、SiO、B、LiO、NaO、PbO、ZnO、CaO、Pb、およびCuO、ならびに、混合酸化物のような金属酸化物、グラファイト、リン粒子、色素および同様なもの、メタロイド酸化物、混合酸化物、有機金属酸化物、有機メタロイド酸化物、有機混合酸化物樹脂および/または有機樹脂、炭酸ナトリウム、硝酸カリウム、シリコン金属粒子、シリコーンラバー団粒、MQもしくはT樹脂のようなシロキサン樹脂、シロキサンワックス、および/または、EPDMおよびポリプロピレンのような有機ラバー団粒を含んでいる粉末である、請求項1〜17のいずれか1項の方法。
【請求項38】
前記基材が、合成および/または天然繊維、織もしくは不織繊維、粉末、シロキサン、布、織もしくは不織繊維、アルギネート(アルジナート)、セルロース、キトサン、コラーゲンのような天然繊維、生合成品、ヒト主体の組織主体の絆創膏、合成繊維、セルロース材料および粉末、あるいは、有機ポリマー材料ブレンドの形である、請求項1〜17のいずれか1項の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−501069(P2008−501069A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512343(P2007−512343)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/GB2005/001828
【国際公開番号】WO2005/110626
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(502286568)ダウ・コーニング・アイルランド・リミテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】Dow Corning Ireland Limited
【住所又は居所原語表記】Unit 12, Owenacurra Business Park, Midleton, Co. Cork, Ireland
【Fターム(参考)】