説明

コードエラーを減らすためのシステムを含む着脱可能な検査センサ容器

検査センサ容器(20)は、流体試料中の被検物質濃度を検査するために検査デバイス(10)に解放可能に装着されるように構成されている。検査センサ容器は、ハウジング(22)、容器(32)、ハウジングに形成された開口部(24)を含んでいる。ハウジングは複数のセンサを収容するように構成されている。ハウジングに形成された開口部は、検査でばいすによって検査される流体試料を含む検査センサを受け入れるように構成されている。開口部は検査される検査センサに接触するように構成される少なくとも二つの接触バネ(30a、30b)を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的には検査センサの容器に関し、特に、検査デバイスとともに用いて液体サンプルの被検物質濃度を決定するように構成された検査センサに対する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
正常ではない血液グルコース濃度レベルを持つ個人には、往々にして、血液グルコース濃度レベルを自己監視することが医学的には求められる。正常ではない血液グルコース濃度レベルは、糖尿病などの病気を含む、様々な理由によってもたらされ得る。血液グルコース濃度レベルを監視する目的は、濃度レベルを測定し、そのレベルが高すぎるのか又は低すぎるのかによって、レベルを正常な範囲内に戻すように矯正措置を施すことである。矯正措置を施す失敗は、個人に重大な逆効果を持ち得る。
【0003】
上述の血液グルコース濃度レベルの監視以外では、自己検査システムも、体液中の他の被検物質、例えば、血液中のコレステロール、アルコール、及びヘモグロビン、間質液、又は唾液中の化学物質の存在又は濃度を測定するために用いられる。
【0004】
人の血液グルコースレベルを監視する方法の一つは、携帯型で手で持てる大きさのグルコース検査デバイスを用いることである。これらのデバイスの携帯性は、ユーザがどんな状態であろうと、ユーザがユーザの血液グルコースレベルを簡便に検査することを可能とする。検査デバイスは、分析のために血液を採取する検査センサが入れられている。各々の検査にその一つが要求される検査センサは、グルコースによって血液グルコース濃度レベルを示すような測定可能な反応を生じる試薬を含む反応領域を含んでいる。検査センサは、その内部に収容されている試薬と反応させるために血液を採取する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
円形センサ収納容器又はカートリッジセンサ収納容器内に複数の検査センサ又は検査片(テストストリップ)を含む先行技術検査デバイスが存在する。先行技術円形センサ収納容器の一例は、米国特許5,575,403号公報で開示されている。先行技術円形センサ収納容器の一つの欠点は、容器に収容される検査センサが限られた数であることである。センサ収納容器内に収容される検査センサの数は、手で持てる大きさの検査デバイス内部のセンサ収納容器として利用可能な物理的空間によって限定される。従って、検査デバイスのサイズによって限定されない検査センサ容器に対する要望が存在する。
【0006】
加えて、検査デバイス内に配置される検査センサが適切な検査センサであることを保障したいという要望が存在する。さもなくば、検査センサの誤ったコード化が生じ、ユーザが誤った検査結果を信用してしまうことに繋がり得る。従って、誤ったコード化と、不適切な検査センサの使用を回避する検査システムに対する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある実施形態に従えば、流体試料(流体サンプル)中の被検物質濃度を検査する検査デバイスとともに用いるように構成された検査センサ容器が提供される。検査センサ容器は、複数の検査センサを収容するように構成されたハウジングを含んでいる。ハウジングは検査デバイスに解放可能に接続するように構成されている。複数の検査センサは、検査センサの端に少なくとも二つの電極を含んでいる。少なくとも一つのコネクタがハウジングに接続されている。少なくとも一つのコネクタは、ハウジングを検査デバイスに解放可能に接続するように構成されている。開口部がハウジングに形成されており、検査デバイスによって検査される流体試料を含む検査センサを受け入れるように構成されている。開口部は少なくとも二つの接触バネを含み、検査される検査センサに接触するように構成されている。
【0008】
本発明の別の実施形態に従えば、流体試料中の被検物質濃度を決定する方法が提供される。方法は、複数の検査センサを収容するように構成されたハウジングを含む検査センサ容器を備える動作を含んでいる。検査センサ容器は、少なくとも一つのコネクタを介して検査デバイスに解放可能に接続される。方法はまた、検査センサ容器の開口部を通って検査される流体試料を含み少なくとも二つの電極を含む検査センサを受け入れるステップを含んでいる。検査センサは少なくとも二つの電極を含んでいる。開口部は、少なくとも二つの接触バネを含んでいる。方法はさらに、少なくとも二つの接触バネを検査センサの少なくとも二つの電極に接触させるステップと、検査デバイスを介して被検物質濃度を測定するステップとを含んでいる。
【0009】
本発明のさらなる実施形態に従えば、流体試料中の被検物質濃度を検査するシステムが提供される。検査デバイス容器は、複数の検査センサを把持するハウジングと、検査される流体試料を含む検査センサを受け入れる開口部とを含んでいる。開口部は少なくとも二つの接触バネを含んでいる。システムはさらに、検査センサ容器の少なくとも二つの接触センサが、流体試料を含む検査センサに接触するときに、検査デバイスが流体試料中の被検物質濃度を決定するように、検査センサ容器に解放可能に接続し連通している検査デバイスを含んでいる。
【0010】
本発明のさらなる実施形態に従えば、流体試料中の被検物質濃度を検査する検査デバイスを用いるように構成された検査センサ容器が提供される。検査センサ容器は、複数の検査センサを把持するハウジングを含み、ハウジングは蓋を含んでいる。検査センサ容器はまた、第一端と第二端を含むバネを含んでいる。第一端は蓋に接続され、第二端はハウジング中の複数の検査センサの少なくとも一つと接続されている。第二端は、ユーザが蓋を開けたときに複数の検査センサの少なくとも一つを、一度に一つずつ、ハウジングの外に動かすように構成されている。
【0011】
本発明のさらなる実施形態に従えば、流体試料中の被検物質濃度を検査する検査デバイスを用いるように構成された検査センサ容器が提供される。検査センサ容器は、複数の検査センサを把持するハウジングを含んでいる。ハウジングは検査デバイスに開放可能に接続されるように構成されている。検査センサはさらに、ハウジングを検査デバイスに接続する少なくとも一つのコネクタと、検査センサの少なくとも一つが取り出されていると読んだときに検査デバイスだけが動作するように、複数の検査センサの少なくとも一つがハウジングから取り出されたときに計数するカウンタとを含んでいる。
【0012】
本発明の上述の概要は、本発明の各実施形態又はあらゆる側面を述べることを意図してはない。詳細な説明及び図は、本発明の実施形態の多くを説明するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一つの実施形態に従う検査デバイスの上面斜視図である。
【図2】本発明の一つの実施形態に従う検査センサ容器の上面斜視図である。
【図3】図2の検査センサ容器の上面斜視図である。
【図4】本発明の一つの実施形態に従う図1の検査デバイスに接続された図2の検査センサ容器の上面斜視図である。
【図5】本発明の一つの実施形態に従う全般的にAA−AA面で切り取られた図2の検査センサ容器の断面で、二つの接触バネを含む開口部を示す図である。
【図6】本発明の一つの実施形態に従う図5の二つの接触バネの拡大側面図である。
【図7】本発明の一つの実施形態に従う検査センサの一端に電極を含む検査センサの拡大上面図である。
【図8】本発明の一つの実施形態に従う図6の接触バネに接触する図7の検査センサの拡大上面図である。
【図9】本発明の別の実施形態に従う図6の接触バネに接触する図7の検査センサの拡大上面図である。
【図10】本発明の別の実施形態に従う全般的にAA−AA面で切り取られた図2の検査センサ容器の断面で、二つの接触バネを含む開口部を示す図である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態に従う検査センサ容器から検査センサが取り出す機構を含む検査センサ容器の断面側面図である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態に従う検査センサ容器から取り出された検査センサを示す検査センサ容器の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで図、最初に図1を参照すると、本発明の一つの実施形態に従う流体試料中の被検物質濃度を検査する検査デバイス10が示されている。以下の議論では、血液中のグルコース濃度を決定する検査デバイス10の使用を記述するが、本発明は他のタイプのサンプル中の他の被検物質の濃度の測定にも用いることができることは理解されよう。本発明を用いて測定され得る被検物質は、グルコース、脂質プロファイル(例えば、コレステロール、トリグルセリド、LDL、及びHDL)、ミクロアルブミン、ヘモグロビンA1c、フルクトース、乳酸、又はビリルビンを含んでいる。しかしながら、本発明はこれら特定の被検物質に限定されず、他の被検物質濃度が決定され得ることも意図されている。被検物質は、例えば、全血液サンプル、血清サンプル、血漿サンプル、又はISF(間質液)のような他の体液中及び尿中に存在し得る。
【0015】
検査デバイス10は、ディスプレイ12、少なくとも一つのユーザ入力機構14、及び少なくとも一つのコネクタ16を含んでいる。ディスプレイ12は様々なタイプのディスプレイのいずれをも含み得る。例えば、ディスプレイ12は、LCDディスプレイ、グラフィックディスプレイ、プラズマディスプレイ、バックリットディスプレイ、組み合わせセグメント/グラフィックディスプレイ又は他の適当なディスプレイを含み得る。ユーザ入力機構14は、ユーザが一つ以上のユーザ機構(ユーザフューチャー)に関連した選択をするのを許容するように構成され、例えば、ボタン、スクロールバー、タッチスクリーン、又はそれらのアイテムのいかなる組み合わせを含んでいる。
【0016】
少なくとも一つのコネクタ16は、検査センサ容器(例えば、図2を参照)を検査デバイス10に解放可能に接続するための接続機構を含んでいる。検査デバイス10は二つのコネクタ16a、16bを含むことが望ましい。コネクタ16は、ステンレス鋼、銅又は金属メッキされた物質などの金属材から構成されており、以下で記述するように、検査センサ容器内の金属材に接続されている。検査デバイス10はまた、被検物質濃度の読みなどを記憶するように構成された(図示されていない)メモリデバイスを含み得る。
【0017】
図2は、(図示されていない)複数の検査センサを含むように構成されたハウジング22を含む検査センサ容器20を示している。ハウジング22は、50個の検査センサまでを含む、どんな数の検査センサをも含み得る。本願の一つの実施形態に従えば、ハウジング22は成型された重合物質から構成されている。ハウジング22に成形された重合物質を用いることで、検査センサ容器20の構造剛性が増加する。検査センサ20は、試験センサ上に収容される試薬に乾燥環境を提供するために、乾燥剤と共に成型され得る。乾燥剤は検査センサ容器20と共に成型されてもよいし、小さなチャンバに収容されてもよい。図11及び12に示すように、検査センサ容器20はまた、ユーザが検査センサ容器20内に備えられるべき検査センサを挿入できるような蓋を含み得る。
【0018】
図2を参照すると、検査センサ容器20にはまた、開口部24が形成されている。開口部24は、検査デバイス10を介して検査をするための検査センサを受け入れる。図5に示すように、開口部24は、以下でより詳細に議論する、少なくとも二つの接触バネ30a、30bを含んでいる。開口部24は、長さが約0.5cmから約1.0cm、幅が約0.1cmから約0.2cmの寸法を取り得る。望ましくは、開口部24は、約0.5cm×約0.1cmである。検査センサ容器20中の開口部24は、検査デバイス10の少なくとも一つのコネクタ16と連通している。
【0019】
図3に示すように、検査センサ容器20はまた、検査デバイス10のすくなくとも一つのコネクタ16に対応する少なくとも一つのコネクタ32を含んでいる。コネクタ16、32は検査センサ容器20及び検査デバイス10に解放可能に接続されるように構成されている。望ましくは、検査デバイス10及び検査デバイス容器20は、それぞれ少なくとも二つのコネクタ16a、16b及び32a、32bを含む。ある実施形態では、二つのコネクタ16a、16b、32a、32bは、電流を流すために検査センサに接続される正及び負の電極として機能する。二つより多いコネクタも本発明では用いられ得ることは意図されている。これは、例えば、グルコース及びHA1Bのように、一つより多くの解析される基板を許容する。
【0020】
図4は、検査デバイス10に解放可能に接続された検査センサ容器20を示している。検査センサ容器20及び検査デバイス10は、検査センサ容器20及び検査デバイス10を一つのユニットとして付け合わることを許容するスナップフィット機構(スナップフィットフューチャー)を介して接続されるように構成し得る。一旦、接続されるとユーザは、(図7に示されている)検査センサ40を開口部24に挿入でき、検査するための流体試料を与えることが可能である。もし、検査センサ40が検査デバイス10と一緒に用いられることが適切である検査センサであれば、流体試料の検査が行われ得る。もし、検査センサ40適切な検査センサではなければ、検査デバイス10は所望の被検物質濃度に関して流体試料の検査を行わないだろう。
【0021】
ここで図5に移ると、検査センサ容器20の断面図が示されている。ハウジング22は(図示されていない)未使用の検査センサを含んでいる。開口部24は、コネクタ32a、32bに接着されている少なくとも二つの接触バネ30a、30bを含んでいる。二つの接触バネ30a、30b及びコネクタ32a、32bは、流体試料の被検物質濃度を検査するために電気信号を流すように動作する。二つの接触バネ30a、30bは、ステンレス鋼、銅又は金属メッキされた物質などの金属材から構成されて得る。
【0022】
二つの接触バネ30a、30bは、図6に示すように、異なる形状及び/又は長さであり得る。二つの接触バネ30a、30bはまた、開口部24内の様々な位置に配置され得る。図5に示した二つの接触バネ30a、30bは、コネクタ二つの接触バネ32a、32bから開口部24の略中心まで水平に延びている。二つの接触バネ30a、30bは、全般的に互いに平行で、適切な検査センサ40と一緒に用いるときには、正及び負の接点に対応する。
【0023】
図7の検査センサ40は、検査センサ40の一つの端に二つの電極42a、42bを含んでいる。図8に示すように、検査センサ40を検査センサ容器20の開口部に挿入すると、電極42aは、接触バネ30aに接触する。同様に、電極42bは、接触バネ30bに接触する。もし、適切な接触が、接触バネ30a、30bと電極42a、42bの間でなされるなら、検査デバイスは動作して、検査センサ40に収容されている流体試料44中の被検物質濃度を決定する。もし、もし一つの電極42aだけが接触バネ30aに接触する、又は一つの電極42aが間違った接触バネ30bに接触する、又は、電極42a、42bと接触バネ30a、30bの間で接触が起こらない、など適切ではない接触が起これば、検査デバイス10は被検物質濃度を検査する動作をしない。
【0024】
図9に示されている別の実施形態では、接触バネ130a、130bは特定の向きを有する検査センサ140の電極のみとだけ接触するように、接触バネ130a、130bは開口部24内の異なる位置に配置される。例えば、図9では、接触バネ130a、130bは、検査センサ140の一つの角に位置する電極142a、142bのみとだけ接触するように配置される。接触バネ130a、130b及び電極142a、142bがそれぞれ開口部24中及び検査センサ140上の特定の位置に配置されることを要求することは、正しい検査センサ140が特定の被検物質濃度の検査のために使用されたときのみ、検査デバイス10が動作可能であることを保障する。
【0025】
もし、例えば、図8に示すような電極42a、42bを有する検査センサ40が図9に示すような接触バネ130a、130bを有する開口部24に挿入されると、電極42a、42bは接触バネ130a、130bに接触しないので、検査デバイス10は動作して、被検物質濃度を決定することができない。よって、特定の検査センサ40が、本発明の検査センサ容器20及び検査デバイス10を含む特定のシステムに使用されるという要求のために、検査デバイス10は動作しない。
【0026】
図8及び9に記載された構成に加えて他の構成が、本発明によって意図されている。例えば、他の構成は、上側若しくは下側の角又は開口部24の対向する側のような開口部24中の別の位置の接触バネ30a、30bを有する、又はある角に一つの接触バネ30aと開口部24の別の角に別の接触バネ30bを有する、などから構成され得る。様々な他の構成が用いられ得ることも意図されている。
【0027】
誤ったコード化を避ける別の方法は、検査センサ40の形状に固有の検査センサ容器に開口部を設けることであることも意図されている。例えば、図10に示すような実施形態では、開口部224はぴったり合う形状又は構成を有する検査センサ240aを嵌め込むように形作られ又は構成されている。もし、ユーザがぴったり合う形状又は構成を有しない検査センサ240bを挿入しようと試みると、検査センサ240bは、開口部224には嵌らずに、可能な利用及び/又は適切ではない検査センサの誤ったコード化が回避されている。適切な形状(即ち、他の角とは異なる大きさを有する一つの特定の角を有する形状)を有する検査センサ240aのみが、検査システムを動作させることができる。よって、検査センサの交換可能性がないことは、誤りコード化及び適切ではない検査センサ240の使用を回避させる。これは、多くの数のセンサ240が利用可能で、且つあるタイプの検査センサのみが特定のタイプの検査(即ち、フルクトースの検査よりグルコースの検査)のために用いられるようなときには、特に重要である。
【0028】
本発明の検査センサ容器20はまた、ユーザがその中に収容されている検査センサ40を取り外すのを補助するための別の機構を含むように構成し得る。例えば、図11は、複数の検査センサ46からある検査センサ40を取り外すために開く蓋50を含む検査センサ容器20を示している。検査センサ容器20はまた、バネ52を含んでいる。バネ52の第一端54aは蓋50に接続されている。バネの第二端54bは、ハウジング22に収容されている複数のセンサの少なくとも一つ40に接触している。バネ52の第二端54bは、ふた50がユーザによって開けられたときに(図12参照)、検査センサ46の少なくとも一つをハウジング22の外部に取り外すように構成されている。
【0029】
バネ52の第二端54bは、ゴム材片又は留め具のような、検査センサ40に接触して検査センサ40を検査センサ容器20から取り外すのを補助する部材を含み得る。図12に示した実施形態では、蓋50が開くと、検査センサ40と接触しているバネ52の第二端54bが検査センサ容器20の蓋50に向かって前方に引っ張られる。この動作によって、検査センサ40の一部は検査センサ容器20の外部に導かれ、ユーザは容易な方法で検査センサ40を取り出すことが可能である。これは年配のユーザ又はそれほど器用ではないユーザにとっては、特に有用である。
【0030】
検査センサ40の検査センサ容器20からの取り外しの容易さをさらに増すために、検査センサ20は、複数の検査センサ46をハウジング22の蓋50に向かう方向に動かすことを補助する機構又はデバイス60を含み得る。機構又はデバイス60は、複数の検査センサ46を検査センサ容器20の蓋50に近づくような上方に動かすことによって検査センサ40の取り外しを容易にすることを手助けし、よって取り外しを容易になる。
【0031】
検査センサ容器20は全般的に長さが約50mmから約100mm、幅が約25mmから約60mm、及び深さが約5mmから約10mmの範囲の寸法を取り得る。好ましくは、寸法は長さが約75mm、幅が約50mm及び深さが約5mmである。
【0032】
本発明の別の実施形態によれば、検査センサ容器20は検査センサ容器20中の検査センサ40の数を数える(図示されていな)カウンタを含むように構成されている。複数の検査センサの一つ40がハウジング22から取り外されていると、カウンタは例えば、「−1」の読みを有する。そのような実施形態では、検査デバイス10はカウンタが「−1」を読んだときだけ作動する。もしカウンタが「−1」以外の別の数を読むと、検査デバイス10は作動しない。このことによって、特に検査センサ容器20が空であったり、ユーザが代替検査センサを用いて流体試料の検査をしようとしたときに、適切ではない検査センサ40が使用されることを回避する。
【0033】
本発明の特定の実施形態及び応用を示し記述してきたが、本発明はここに開示した正確な構造及び構成に限定されず、別の実施形態で画定される発明の範囲と主旨から逸脱しない範囲で先の記載からの様々な変形、変更及び変種は容易に認められることは理解されよう。
【0034】
代替実施形態A
流体試料中の被検物質濃度を検査する検査デバイスを用いるように構成された検査センサ容器であって、
端に少なくとも二つの電極を含む複数の検査センサを収容するように構成され、検査デバイスに解放可能に接続するように構成されたハウジングと、
ハウジングに接続され、ハウジングを検査デバイスに接続するように構成された少なくとも一つのコネクタと、
ハウジング内に形成され、検査デバイスによって検査される流体試料を含む検査センサを受け入れるように構成され、検査される検査センサに接触するように構成された少なくとも二つの接触バネを含む開口部と、
を含む検査センサ容器。
【0035】
代替実施形態B
少なくとも二つの接触バネは、検査センサ容器の開口部に所定の距離を隔てて配置されている、代替実施形態Aに記載の検査センサ容器。
【0036】
代替実施形態C
少なくとも二つの接触バネは、検査センサ容器の開口部に所定の位置に配置されている、代替実施形態Aに記載の検査センサ容器。
【0037】
代替実施形態D
少なくとも二つの接触バネは、検査される検査センサの少なくとも二つの電極に接触するように構成されている、代替実施形態Aに記載の検査センサ容器。
【0038】
代替実施形態E
少なくとも二つの接触バネは、所定のパターン又はデザインに基づいて少なくとも二つの電極と接触している、代替実施形態Dに記載の検査センサ容器。
【0039】
代替実施形態F
開口部は特定の形状を有する検査センサが入れるように構成されている、代替実施形態Aに記載の検査センサ容器。
【0040】
代替実施形態G
流体試料の被検物質濃度を決定する方法であって、
複数の検査センサを収容するように構成されたハウジングを含み、少なくとも一つのコネクタを介して検査デバイスに解放可能に接続される検査センサ容器を備えるステップと、
少なくとも二つの接触バネを含む検査センサ容器の開口部を通って、検査される流体試料を含み少なくとも二つの電極を含む検査センサを受け入れるステップと、
少なくとも二つの接触バネを検査センサの少なくとも二つの電極に接触させるステップと、
検査デバイスを介して被検物質濃度を測定するステップと、
を含む方法。
【0041】
代替実施形態H
少なくとも二つの接触バネ及び少なくとも二つの電極は、接触が生じるように所定の距離を隔てて配置されている、代替実施形態Gに記載の方法。
【0042】
代替実施形態I
少なくとも二つの接触バネ及び少なくとも二つの電極は、接触が生じるように所定の位置に配置されている、代替実施形態Gに記載の方法。
【0043】
代替実施形態J
少なくとも二つの接触バネは、所定のパターン又はデザインに基づいて少なくとも二つの電極と接触している、代替実施形態Gに記載の方法。
【0044】
代替実施形態K
開口部は特定の形状を有する検査センサが入れるように構成されている、代替実施形態Gに記載の方法。
【0045】
代替実施形態L
流体試料中の被検物質濃度を検査するシステムであって、
複数の検査センサを把持するハウジングと、検査される流体試料を含む検査センサを受け入れ、少なくとも二つの接触バネを含む開口部と、を含む検査デバイス容器と、
検査センサ容器の少なくとも二つの接触センサが、流体試料を含む検査センサに接触するときに、検査デバイスが流体試料中の被検物質濃度を決定するように、検査センサ容器に解放可能に接続し連通している検査デバイスと、
を含むシステム。
【0046】
代替実施形態M
流体試料中の被検物質濃度を検査する検査デバイスを用いるように構成された検査センサ容器であって、
複数の検査センサを把持し、蓋を含むハウジングと、
蓋に接続された第一端、及びハウジング中の複数の検査センサの一つと接続され、ユーザが蓋を開けたときに複数の検査センサの少なくとも一つを、一度に一つずつ、ハウジングの外に動かすように構成された第二端を含むバネと、
を含む検査センサ容器。
【0047】
代替実施形態N
さらに、複数の検査センサの少なくとも一つをハウジングの蓋に向かう方向に動かすのを補助し、少なくとも一つの検査センサの取り外しを容易にする機構を含む、代替実施形態Mに記載の検査センサ容器。
【0048】
代替実施形態O
バネの第二端は、複数の検査センサの少なくとも一つと接触するゴム材を含む、代替実施形態Mに記載の検査センサ容器。
【0049】
代替実施形態P
バネの第二端は、複数の検査センサの少なくとも一つと接触する留め具を含む、代替実施形態Mに記載の検査センサ容器。
【0050】
代替実施形態Q
流体試料中の被検物質濃度を検査する検査デバイスを用いるように構成された検査センサ容器であって、
複数の検査センサを把持し、検査デバイスに開放可能に接続されるように構成されているハウジングと、
ハウジングを検査デバイスに接続する少なくとも一つのコネクタと、
検査センサの少なくとも一つが取り出されていると読んだときに検査デバイスだけが動作するように、複数の検査センサの少なくとも一つがハウジングから取り出されたときに計数するカウンタと、
を含む検査センサ容器。
【0051】
発明は様々な変形及び様々な形状を許容する余地があるが、特定の実施形態を図面に例示する方法で示し、ここでは詳細に記載する。しかしながら、発明は開示した特定の形状に限定されることを意図していないことは理解されよう。むしろ、発明は全ての変形、均等、及び添付されたクレームで画定される発明の範囲と主旨に収まる代替を包含している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体試料中の被検物質濃度を検査する検査デバイスを用いるように構成された検査センサ容器であって、
端に少なくとも二つの電極を含む複数の検査センサを収容するように構成され、検査デバイスに解放可能に接続するように構成されたハウジングと、
ハウジングに接続され、ハウジングを検査デバイスに接続するように構成された少なくとも一つのコネクタと、
ハウジング内に形成され、検査デバイスによって検査される流体試料を含む検査センサを受け入れるように構成され、検査される検査センサに接触するように構成された少なくとも二つの接触バネを含む開口部と、
を含む検査センサ容器。
【請求項2】
少なくとも二つの接触バネは、検査センサ容器の開口部に所定の距離を隔てて配置されている、請求項1に記載の検査センサ容器。
【請求項3】
少なくとも二つの接触バネは、検査センサ容器の開口部に所定の位置に配置されている、請求項1に記載の検査センサ容器。
【請求項4】
少なくとも二つの接触バネは、検査される検査センサの少なくとも二つの電極に接触するように構成されている、請求項1に記載の検査センサ容器。
【請求項5】
少なくとも二つの接触バネは、所定のパターン又はデザインに基づいて少なくとも二つの電極と接触している、請求項4に記載の検査センサ容器。
【請求項6】
開口部は特定の形状を有する検査センサが入れるように構成されている、請求項1に記載の検査センサ容器。
【請求項7】
流体試料の被検物質濃度を決定する方法であって、
複数の検査センサを収容するように構成されたハウジングを含み、少なくとも一つのコネクタを介して検査デバイスに解放可能に接続される検査センサ容器を備えるステップと、
少なくとも二つの接触バネを含む検査センサ容器の開口部を通って、検査される流体試料を含み少なくとも二つの電極を含む検査センサを受け入れるステップと、
少なくとも二つの接触バネを検査センサの少なくとも二つの電極に接触させるステップと、
検査デバイスを介して被検物質濃度を測定するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
少なくとも二つの接触バネ及び少なくとも二つの電極は、接触が生じるように所定の距離を隔てて配置されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも二つの接触バネ及び少なくとも二つの電極は、接触が生じるように所定の位置に配置されている、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも二つの接触バネは、所定のパターン又はデザインに基づいて少なくとも二つの電極と接触している、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
開口部は特定の形状を有する検査センサが入れるように構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
流体試料中の被検物質濃度を検査するシステムであって、
複数の検査センサを把持するハウジングと、検査される流体試料を含む検査センサを受け入れ、少なくとも二つの接触バネを含む開口部と、を含む検査デバイス容器と、
検査センサ容器の少なくとも二つの接触センサが、流体試料を含む検査センサに接触するときに、検査デバイスが流体試料中の被検物質濃度を決定するように、検査センサ容器に解放可能に接続し連通している検査デバイスと、
を含むシステム。
【請求項13】
流体試料中の被検物質濃度を検査する検査デバイスを用いるように構成された検査センサ容器であって、
複数の検査センサを把持し、蓋を含むハウジングと、
蓋に接続された第一端、及びハウジング中の複数の検査センサの一つと接続され、ユーザが蓋を開けたときに複数の検査センサの少なくとも一つを、一度に一つずつ、ハウジングの外に動かすように構成された第二端を含むバネと、
を含む検査センサ容器。
【請求項14】
さらに、複数の検査センサの少なくとも一つをハウジングの蓋に向かう方向に動かすのを補助し、少なくとも一つの検査センサの取り外しを容易にする機構を含む、請求項13に記載の検査センサ容器。
【請求項15】
バネの第二端は、複数の検査センサの少なくとも一つと接触するゴム材を含む、請求項13に記載の検査センサ容器。
【請求項16】
バネの第二端は、複数の検査センサの少なくとも一つと接触する留め具を含む、請求項13に記載の検査センサ容器。
【請求項17】
流体試料中の被検物質濃度を検査する検査デバイスを用いるように構成された検査センサ容器であって、
複数の検査センサを把持し、検査デバイスに開放可能に接続されるように構成されているハウジングと、
ハウジングを検査デバイスに接続する少なくとも一つのコネクタと、
検査センサの少なくとも一つが取り出されていると読んだときに検査デバイスだけが動作するように、複数の検査センサの少なくとも一つがハウジングから取り出されたときに計数するカウンタと、
を含む検査センサ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−503857(P2010−503857A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528281(P2009−528281)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/019878
【国際公開番号】WO2008/033435
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)