説明

コードリーダ及びナビゲーションシステム

【課題】 住所等にコードを割り当てる作業を不要とし、かつ、ナビゲーション装置に住所等の情報を提供できるコードリーダを提供することである。
【解決手段】 バーコードパターン1が住所を表すことを示す種別コードADRと、住所の町域名を表す郵便番号と、住所の住所表示番号と、からバーコードパターン1を作成する。バーコードリーダ10は、バーコードパターン1を解読して、郵便番号を抽出し、郵便番号変換テーブル22を用いて、郵便番号を町域名に変換し、住所表示番号と結合して、住所データを作成する。バーコードリーダ10は、住所データをカーナビゲーション装置30に送信する。カーナビゲーション装置30は、受信した住所データを目的地として経路検索を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード(例えばバーコード)を読み込み、ナビゲーション装置に提供するコードリーダ及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、バーコードリーダは、変換テーブルを用いて、読み込んだバーコードを、都道府県市町村名、企業・店舗・施設名、住所、あるいは、電話番号に変換し、変換後の情報をカーナビゲーション装置に送信する。これにより、地図上の位置情報を簡単な操作で且つ確実に取得できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−61613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、住所等にバーコードを割り当てる作業が必要であり、煩雑である。特に、住所等は膨大であり、しかも、重複することなく割り当てなければならないので、作業の負担は大きい。
【0005】
そこで、本発明の目的は、住所等にコードを割り当てる作業を不要とし、かつ、ナビゲーション装置に住所等の情報を提供できるコードリーダ及びその関連技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によると、コードリーダは、郵便番号と、前記郵便番号が割り当てられた町域名と、を関連付けたテーブルと、郵便番号及び住所表示番号を表すコードパターンを読み込むスキャン手段と、前記スキャン手段が読み込んだ前記コードパターンを解読し、前記郵便番号及び前記住所表示番号を取得する解読手段と、前記テーブルを参照して、前記解読手段が取得した前記郵便番号に割り当てられた町域名を取得する町域名取得手段と、前記町域名取得手段が取得した前記町域名と、前記解読手段が取得した前記住所表示番号と、を結合して、住所を作成する住所作成手段と、前記住所作成手段が作成した前記住所を、目的地への経路案内を行うナビゲーション装置に与える住所提供手段と、を備える。
【0007】
この構成によれば、既存の情報、つまり、町域名が既に割り当てられている郵便番号をそのままコードパターンで表すことにより、住所に新たにコードを割り当てる作業を不要とし、全体としての労力の軽減を図ることができる。また、コードパターンをスキャンして、ナビゲーション装置に送信するだけで、ナビゲーション装置に目的地住所を入力でき、ユーザにとって、住所入力の煩わしさを軽減できる。
【0008】
本発明の第2の観点によると、コードリーダは、郵便番号及び/又は電話番号である位置特定情報を表すコードパターンを読み込むスキャン手段と、前記スキャン手段が読み込んだ前記コードパターンを解読し、前記位置特定情報を取得する解読手段と、前記解読手段が取得した前記位置特定情報を、目的地への経路案内を行うナビゲーション装置に与える位置特定情報提供手段と、を備える。
【0009】
この構成によれば、既存の情報、つまり、郵便番号や電話番号をそのままコードパターンで表すことにより、郵便番号や電話番号に新たにコードを割り当てる作業を不要とし、全体としての労力の軽減を図ることができる。また、コードパターンをスキャンして、ナビゲーション装置に送信するだけで、ナビゲーション装置に郵便番号や電話番号を入力でき、ユーザにとって、郵便番号や電話番号の入力の煩わしさを軽減できる。
【0010】
本発明の第3の観点によると、コードリーダは、住所、名称、郵便番号、及び、電話番号のうちのいずれか、一部、又は、全部である位置特定情報を表現するキャラクタコードを表すコードパターンを読み込むスキャン手段と、前記スキャン手段が読み込んだ前記コードパターンを解読し、前記位置特定情報を取得する解読手段と、前記解読手段が取得した前記位置特定情報を、目的地への経路案内を行うナビゲーション装置に与える位置特定情報提供手段と、を備える。
【0011】
この構成によれば、住所等をキャラクタコードで表現し、それをそのままコードパターンで表すことにより、住所等に新たにコードを割り当てる作業を不要とし、全体としての労力の軽減を図ることができる。また、コードパターンをスキャンして、ナビゲーション装置に送信するだけで、ナビゲーション装置に住所等を入力でき、ユーザにとって、住所等の入力の煩わしさを軽減できる。
【0012】
本発明の第4の観点によると、ナビゲーションシステムは、上記第1の観点によるコードリーダと、前記コードリーダが提供する住所が示す目的地への経路案内を行うナビゲーション装置と、を備える。
【0013】
この構成によれば、上記第1の観点によるコードリーダと同様の効果を奏する。
【0014】
本発明の第5の観点によると、ナビゲーションシステムは、上記第2の観点によるコードリーダと、前記コードリーダが提供する住所が示す目的地への経路案内を行うナビゲーション装置と、を備える。
【0015】
この構成によれば、上記第2の観点によるコードリーダと同様の効果を奏する。
【0016】
本発明の第6の観点によると、ナビゲーションシステムは、上記第3の観点によるコードリーダと、前記コードリーダが提供する住所が示す目的地への経路案内を行うナビゲーション装置と、を備える。
【0017】
この構成によれば、上記第3の観点によるコードリーダと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態によるカーナビゲーションシステム100で利用されるバーコードパターン1の作成規則の説明図である。
【図2】図1のバーコードパターン1が印刷された紙媒体3の例示図である。
【図3】本発明の実施の形態によるカーナビゲーションシステム100の電気的構成を示す図である。
【図4】図3のバーコードリーダ10のメモリ14に格納された郵便番号変換テーブル22の例示図である。
【図5】図3のバーコードリーダ10のMCU12による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0020】
本発明の実施の形態は、バーコードを利用して、カーナビゲーション装置への目的地の入力を簡易化するものである。
【0021】
ここで、バーコードとは、バーコード情報及びバーコードパターンを包括した表現であって、これらを厳密に区別する必要のないときは、単にバーコードなる用語を使用する。バーコード情報とは、数字、文字、及び記号等のキャラクタ列を意味する。バーコードパターンとは、バーコード情報を黒色バーと白色スペースとの組み合わせにより表現したパターンを意味する。なお、バーコード、バーコード情報、及びバーコードパターンには、同じ参照符合「1」を付する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態によるカーナビゲーションシステム100で利用されるバーコードパターン1の作成規則の説明図である。図1を参照して、目的地の住所が、「滋賀県草津市山寺町400」であるとする。この場合、町域名である「滋賀県草津市山寺町」を郵便番号「5250042」で表す。そして、バーコードパターン1が住所を表していることを示すコード「ADR」と、郵便番号「5250042」と、住所表示番号「400」と、を結合し、コード「ADR5250042400」を作成し、このコードを表すバーコードパターン1を作成する。コード「ADR」を種別コードと呼ぶこともある。なお、本実施の形態では、バーコードの体系として、Code128を採用する。
【0023】
以上のように、バーコードパターン1の先頭の3文字が種別コードであり、種別コードの後の7文字が郵便番号であり、郵便番号の後の文字列が住所表示番号である。
【0024】
ここで、住所は、文字部分とそれに続く数字部分とにより構成される。文字部分が町域名であり、数字部分が住所表示番号である。住所は、一般に、都道府県−(郡)−市町村・特別区−(政令指定都市の区)−町(丁)・字−街区符号−住居番号−方書といった構成、あるいは、都道府県−(郡)−市町村・特別区−(政令指定都市の区)−町(丁)・字−地番−(支号)−方書といった構成をとる。前者の場合、町域名は、都道府県−(郡)−市町村・特別区−(政令指定都市の区)−町(丁)・字であり、住所表示番号は、街区符号−住居番号−方書である。ただし、「丁」を示す番号は、町域名ではなく、住所表示番号に含まれる。後者の場合、町域名は、都道府県−(郡)−市町村・特別区−(政令指定都市の区)−町(丁)・字であり、住所表示番号は、地番−(支号)−方書である。ただし、「丁」を示す番号は、町域名ではなく、住所表示番号に含まれる。
【0025】
また、住所表示番号は、アルファベット及び数字並びにハイフンのみで構成する。具体的には次の通りである。住所表示番号に、アルファベット及び数字以外の文字が含まれる場合は、アルファベット及び数字以外の文字部分を省略し、かつ、省略した文字部分をハイフンで置き換え、それを住所表示番号として、バーコードパターン1を作成する。ただし、最後尾のアルファベット又は数字より後の文字は省略するだけでハイフンに置き換えない。また、住所表示番号に含まれるアルファベット及び数字であっても、ビル名やマンション名等、名称を表しているものは省略する。また、階層を表す「F」も省略する。例えば、住所表示番号が「1丁目1番1号ビルA棟5F501号」の場合、「1−1−1−A−5−501」として、バーコードパターン1を作成する。
【0026】
また、郵便番号のみで、住所(町域名及び住所表示番号)が表される場合があるが、この場合は、種別コード及び郵便番号のみで、バーコードパターン1を作成する。
【0027】
以上のような作成規則に従って作成されたバーコードパターン1が、雑誌等の紙媒体に印刷される。
【0028】
図2は、図1のバーコードパターン1が印刷された紙媒体3の例示図である。図2を参照して、この紙媒体3は、例えば、観光地や飲食店等のガイドブックである。そして、この紙媒体3には、観光地等の情報として、関連する写真5、その写真5や観光地等の説明を記載した説明欄7、及び、その観光地等の住所を表すバーコードパターン1が印刷される。
【0029】
ユーザは、後述のバーコードリーダ10によって、訪問したい観光地等の説明欄7の下部に印刷されたバーコードパターン1をスキャンする。バーコードリーダ10は、バーコードパターン1を解析し、バーコード情報1を取得し、それを住所に変換する。そして、ユーザが、バーコードリーダ10を操作して、後述のカーナビゲーション装置30に、バーコードパターン1が表す住所を送信する。すると、カーナビゲーション装置30は、受信した住所を目的地として、経路検索を行い、目的地まで案内する。
【0030】
図3は、本発明の実施の形態によるカーナビゲーションシステム100の電気的構成を示す図である。図3を参照して、このバーコードリーダ10は、MCU(Micro Controller Unit)12、メモリ14、スキャナ16、及び通信装置18を有する。スキャナ16は、バーコードパターン1を光学的に読み込む(スキャン)。バーコード読取方式は特に限定されず、任意の方式を採用できる。例えば、バーコード読取方式として、マニュアルスキャン方式、CCDスキャン方式、レーザスキャン方式、及びイメージャ方式などを採用できる。また、バーコードリーダの形状も特に限定されない。
【0031】
MCU12は、スキャナ16で読み取られたバーコードパターン1を解読してバーコード情報1を取得する。メモリ14は、RAM、ROM、及び/又はフラッシュメモリ等により構成され、バーコードパターン1を解読するためプログラムやバーコード情報1を住所に変換するプログラム等のコンピュータプログラム、図4に示す郵便番号変換テーブル22、その他必要なデータを格納する。
【0032】
図4を参照して、郵便番号変換テーブル22は、郵便番号と町域名とを関連付けたテーブルである。MCU12は、郵便番号変換テーブル22を参照して、バーコード情報1に関連付けられた町域名を取得する(郵便番号の町域名への変換)。そして、MCU12は、取得した町域名と、バーコード情報1に含まれた住所表示番号と、を結合し住所データを作成する。
【0033】
図3に戻って、通信装置18は、MCU12の制御の下、カーナビゲーション装置30の通信装置52や、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)と通信するための機能を有する。例えば、通信装置18は、USB及び/又はBluetooth(登録商標)といった通信規格に準拠した通信機能を有する。
【0034】
MCU12は、ユーザの操作に応答して、住所データをカーナビゲーション装置30に送信するよう、通信装置18に命令する。すると、通信装置18は、住所データを、カーナビゲーション装置30の通信装置52に送信する。
【0035】
一方、カーナビゲーション装置30は、プロセッサ32、メモリ34、位置検出器36、D/Aコンバータ44、スピーカ46、LCDドライバ48、LCD50(タッチパネル付)、通信装置52、ラジオ/TVチューナ38、ハードディスクドライブ(HDD)40、及び、CD/DVDドライブ42を含む。
【0036】
位置検出器36は、図示は省略したが、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、及び、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信するGPS受信機を含み、これらの出力に基づいて、カーナビゲーション装置30が搭載された車両の現在位置(緯度及び経度)を算出し、プロセッサ32に出力する。
【0037】
ラジオ/TVチューナ38は、テレビ放送電波に係るビデオ信号及びオーディオ信号を受信し、及び、ラジオ放送電波に係るオーディオ信号を受信して、プロセッサ32に出力する。HDD40は、プロセッサ32からアクセスされ、図示しない地図データベース等を格納する。CD/DVDドライブ42は、音楽CDやDVDから楽曲や映画の再生用データを読み出し、プロセッサ32に出力する。
【0038】
D/Aコンバータ44は、プロセッサ32から与えられたデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換して、スピーカ46に出力する。スピーカ46は、入力されたアナログオーディオ信号に応じた音声を出力する。このようにして、ラジオ/TVチューナ38が受信した信号に応じた音声およびCD/DVDドライブ42が読み出した信号に応じた音声を出力する。また、LCDドライバ48は、プロセッサ32から表示データを受け取り、それに基づいて、LCD50を駆動する。これにより、LCD50は、表示データに対応した映像を表示する。このようにして、CD/DVDドライブ42が読み出した信号に応じた映像を表示する。
【0039】
通信装置52は、プロセッサ32の制御の下、バーコードリーダ10の通信装置18や、その他のデバイス(例えば携帯電話機)と通信するための機能を有する。例えば、通信装置52は、USB及び/又はBluetoothといった通信規格に準拠した通信機能を有する。
【0040】
プロセッサ32は、HDD40の地図データベースにアクセスして、車両の現在位置から目的地までの経路を算出し、映像及び音声により、目的地まで案内する。例えば、プロセッサ32は、算出した目的地までの経路に基づき、地図上に現在位置及び経路を含んだ表示データを生成し、LCDドライバ48に与えることにより、LCD50に現在位置及び経路を含んだ地図を表示して、目的地までの案内を行なう。同時に、プロセッサ32は、進路変更等を指示するための音声データを生成し、D/Aコンバータ44に与えることにより、スピーカ46から音声を出力して、目的地までの案内を行なう。
【0041】
カーナビゲーション装置30は、目的地の検索モードとして、郵便番号モード、電話番号モード、名称モード、及び、住所モードを有する。
【0042】
郵便番号モードでは、ユーザは、LCD50のタッチパネルを操作して、郵便番号を入力する。すると、プロセッサ32は、図4の郵便番号変換テーブル22と同様のテーブル(HDD40に格納)を参照して、入力された郵便番号を町域名に変換し、LCD50に表示する。そして、ユーザは、LCD50のタッチパネルを操作して、住所表示番号を入力する。すると、プロセッサ32は、郵便番号が示す町域名と住所表示番号とにより表される住所を目的地として経路検索を行う。
【0043】
電話番号モードでは、ユーザは、LCD50のタッチパネルを操作して、電話番号を入力する。すると、プロセッサ32は、電話番号と住所(緯度及び経度で表されていてもよい)とを関連付けた電話番号変換テーブル(HDD40に格納)を参照して、入力された電話番号を住所に変換し、その住所を目的地として経路検索を行う。
【0044】
名称モードでは、ユーザは、LCD50のタッチパネルを操作して、目的地の名称を入力する。すると、プロセッサ32は、名称と住所(緯度及び経度で表されていてもよい)とを関連付けた名称変換テーブル(HDD40に格納)を参照して、入力された名称を住所に変換し、その住所を目的地として経路検索を行う。
【0045】
住所モードでは、ユーザは、LCD50のタッチパネルを操作して、目的地の住所を入力する。すると、プロセッサ32は、入力された住所を目的地として経路検索を行う。
【0046】
バーコードリーダ10が、カーナビゲーション装置30へ住所データを送信する際は、カーナビゲーション装置30が住所モードに設定される。この場合、ユーザが、カーナビゲーション装置30を操作して、住所モードに設定することもできるし、あるいは、バーコードリーダ10が、カーナビゲーション装置30を住所モードに設定する制御信号をカーナビゲーション装置30に与えることもできる。
【0047】
プロセッサ32は、住所モードにて、バーコードリーダ10から、住所データを受け取ると、その住所データが示す住所を目的として、経路検索を行う。このように、バーコードリーダ10を利用することにより、住所入力の煩雑さを軽減できる。
【0048】
図5は、図3のバーコードリーダ10のMCU12による処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5を参照して、ステップS1にて、MCU12は、スキャナ16が読み込んだバーコードパターン1を解読して、それが表すバーコード情報1を取得する。ステップS3にて、MCU12は、バーコード情報1の先頭の3文字が、コード“ADR”か否かを判断し、コード“ADR”の場合バーコード情報1が住所を表すのでステップS5に進み、それ以外はバーコード情報1をメモリ14に格納して処理を終了する。
【0049】
ステップS5にて、MCU12は、バーコード情報1から、種別コード“ADR”の後の7文字を郵便番号として抽出し、郵便番号の後の文字列を住所表示番号として抽出する。ステップS7にて、MCU12は、図4の郵便番号変換テーブル22を参照して、ステップS5で抽出した郵便番号を、町域名に変換する。ステップS9にて、MCU12は、ステップS7で得られた町域名と、ステップS5で抽出した住所表示番号と、を結合して、住所データを作成する。そして、ステップS11にて、MCU12は、ユーザの操作に応答して、通信装置18を介して、ステップS9で作成した住所データを、カーナビゲーション装置30の通信装置52に送信する。通信装置52は、受信した住所データをプロセッサ32に与える。
【0050】
さて、以上のように、本実施の形態によれば、既存の情報、つまり、町域名が既に割り当てられている郵便番号をそのままバーコードパターン1で表すことにより、住所に新たにバーコードを割り当てる作業を不要とし、全体としての労力の軽減を図ることができる。また、バーコードパターン1をスキャンして、カーナビゲーション装置30に送信するだけで、カーナビゲーション装置30に目的地住所を入力でき、ユーザにとって、住所入力の煩わしさを軽減できる。
【0051】
(第1の変形例)
【0052】
本実施の形態の第1の変形例では、郵便番号又は電話番号(総称して、「位置特定情報」と呼ぶこともある。)を、バーコードパターン1で表す。例えば、郵便番号が5250042の場合は、バーコードパターン1が郵便番号を表すことを示すコード“ZIP”を先頭に付加して、コード“ZIP5250042”を作成し、それをバーコードパターン1にする。また、例えば、電話番号が0775656050の場合は、バーコードパターン1が電話番号を表すことを示すコード“TEL”を先頭に付加して、コード“TEL0775656050”を作成し、それをバーコードパターン1にする。なお、コード“ZIP”及び“TEL”を種別コードと呼ぶこともある。
【0053】
バーコードリーダ10のMCU12は、スキャンされたバーコードパターン1を解読して、バーコード情報1を取得する。
【0054】
MCU12は、バーコード情報1の先頭が、コード“ZIP”である場合、通信装置18を介して、カーナビゲーション装置30を郵便番号モードに設定する制御信号をカーナビゲーション装置30に与える。すると、カーナビゲーション装置30は、郵便番号モードに設定される。そして、MCU12は、通信装置18を介して、郵便番号をカーナビゲーション装置30に送信する。カーナビゲーション装置30は、通信装置52経由で郵便番号を受け取り、上記した郵便番号モードの処理を実行する。
【0055】
一方、MCU12は、バーコード情報1の先頭が、コード“TEL”を含む場合、通信装置18を介して、カーナビゲーション装置30を電話番号モードに設定する制御信号をカーナビゲーション装置30に与える。すると、カーナビゲーション装置30は、電話番号モードに設定される。そして、MCU12は、通信装置18を介して、電話番号をカーナビゲーション装置30に送信する。カーナビゲーション装置30は、通信装置52経由で電話番号を受け取り、上記した電話番号モードの処理を実行する。
【0056】
なお、ユーザがカーナビゲーション装置30を操作して、郵便番号モード及び電話番号モードの設定を行うこともできる。
【0057】
さて、以上のように、第1の変形例によれば、既存の情報、つまり、郵便番号や電話番号をそのままバーコードパターン1で表すことにより、郵便番号や電話番号に新たにバーコードを割り当てる作業を不要とし、全体としての労力の軽減を図ることができる。また、バーコードパターン1をスキャンして、カーナビゲーション装置30に送信するだけで、カーナビゲーション装置30に郵便番号や電話番号を入力でき、ユーザにとって、郵便番号や電話番号の入力の煩わしさを軽減できる。
【0058】
(第2の変形例)
【0059】
本実施の形態の第2の変形例では、種別コード、並びに、住所、名称、郵便番号、又は、電話番号(総称して、「位置特定情報」と呼ぶこともある。)を、キャラクタコード(例えば、シフトJISコード)で表す。そして、キャラクタコードで表された種別コードの後尾に、キャラクタコードで表された位置特定情報を付加し、バーコードパターン1で表す。この場合、例えば、16進表記のキャラクタコードをバーコードパターン1で表す。なお、種別コードは、バーコードパターン1が何を表しているかを示すコードであり、郵便番号、電話番号、名称、及び、住所のいずれかを示す。郵便番号、電話番号、名称、及び、住所を示す種別コードは、それぞれ、コード“ZIC”、“TEC”、“NAC”、及び、“ADC”である。
【0060】
例えば、種別コード“ADC”を、シフトJISコード(16進表記)で表すと、「41 44 43」である。例えば、住所「滋賀県草津市山寺町400」を、シフトJISコード(16進表記)で表すと、「8E A0 89 EA 8C A7 91 90 92 C3 8E 73 8E 52 8E 9B 92 AC 34 30 30」となる。従って、この例では、キャラクタコード「41 44 43 8E A0 89 EA 8C A7 91 90 92 C3 8E 73 8E 52 8E 9B 92 AC 34 30 30」を、バーコードパターン1で表す。
【0061】
なお、第2の変形例では、バーコードパターン1が長くなるので、QRコード等の二次元コードを利用するほうが好ましい。
【0062】
さて、以上のように、第2の変形例によれば、住所等をキャラクタコードで表現し、それをそのままバーコードパターン1で表すことにより、住所等に新たにバーコードを割り当てる作業を不要とし、全体としての労力の軽減を図ることができる。また、バーコードパターン1をスキャンして、カーナビゲーション装置30に送信するだけで、カーナビゲーション装置30に住所等を入力でき、ユーザにとって、住所等の入力の煩わしさを軽減できる。
【0063】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0064】
(1)実施の形態、第1の変形例、及び、第2の変形例のうちの、二以上の組合せが可能である。
【0065】
(2)バーコードリーダ10の通信装置18とカーナビゲーション装置30の通信装置52との接続は、無線でもよいし、有線でもよい。また、バーコードリーダ10の通信装置18とPCとの接続は、無線でもよいし、有線でもよい。
【0066】
(3)上記では、種別コードをバーコードパターン1に含めたが、バーコードパターン1が表す内容の種別が一種類の場合は(例えば実施の形態)、種別コードは含めなくてよい。
【0067】
(4)バーコードリーダ10のメモリ14の一部に、ユーザ領域を割り当てることもできる。バーコードリーダ10がPCに接続されると、PCはバーコードリーダ10を記憶装置として認識する。従って、ユーザは、PCから、バーコードリーダ10のメモリ14に割り当てられたユーザ領域にアクセスして、住所、名称、郵便番号、及び、電話番号のうちのいずれか、一部、又は、全部である位置特定情報を入力することもできる。この場合、バーコードリーダ10は、ユーザの操作に応答して、メモリ14のユーザ領域に格納された位置特定情報をバーコードリーダ10に送信する。
【0068】
なお、バーコードリーダ10に、メモリカード等のリムーバブル記録媒体を装着可能とすることもできる。この場合、ユーザ領域は、リムーバブル記録媒体に設定されてもよい。この場合は、ユーザは、リムーバブル記録媒体をPCに装着して、ユーザ領域にアクセスして、位置特定情報を書込み、再びリムーバブル記録媒体をバーコードリーダ10に装着する。
【0069】
(5)バーコードリーダ10のメモリ14に格納された郵便番号変換テーブル22は、最新のものに更新可能である。インターネット等のネットワーク上のサーバには、常に最新の郵便番号変換テーブル22が格納される。ユーザは、PCにより、このサーバにアクセスして、最新の郵便番号変換テーブル22をダウンロードする。そして、ユーザは、バーコードリーダ10をPCに接続し、メモリ14に格納された郵便番号変換テーブル22を、ダウンロードした最新の郵便番号変換テーブル22で上書きする。
【0070】
また、バーコードリーダ10をPCに接続すると、PCが自動的にサーバに接続され、最新の郵便番号変換テーブル22のダウンロードサイトを表示することもできる。また、バーコードリーダ10をPCに接続すると、PCが自動的にサーバに接続され、PCが自動的に最新の郵便番号変換テーブル22をダウンロードして、自動的にメモリ14の郵便番号変換テーブル22を更新することもできる。
【0071】
さらに、バーコードリーダ10に、メモリカード等のリムーバブル記録媒体を装着可能とすることもできる。この場合、郵便番号変換テーブル22は、リムーバブル記録媒体に格納されてもよい。この場合は、ユーザは、リムーバブル記録媒体をPCに装着して、郵便番号変換テーブル22にアクセスして、郵便番号変換テーブル22を更新し、再びリムーバブル記録媒体をバーコードリーダ10に装着する。
【0072】
(6)バーコードリーダ10をカーナビゲーション装置30に内蔵することもできる。また、バーコードリーダ10として、携帯電話機等の携帯端末のバーコードリーダ機能を利用することもできる。
【0073】
(7)上記では、ナビゲーション装置の例として、カーナビゲーション装置30を挙げた。ただし、ナビゲーション装置は、現在位置を算出して目的地まで案内するものであれば、自動車用に限らず、徒歩用、自転車用、あるいはバイク用等であってもよい。
【0074】
(8)上記では、一次元コードである一次元バーコードを利用したが、二次元コードである二次元バーコードやQRコード等を利用することもできる。また、例えば、バーコードの代わりに、RFID(Radio Frequency Identification System)タグ等の電子タグ(ICタグ)を利用できる。ただし、この場合には、バーコードリーダ10に代えて、電子タグリーダ(ICタグリーダ)で電子タグに格納された情報を読み込む。そして、電子タグリーダ(ICタグリーダ)から、カーナビゲーション装置30に住所データ等を送信する。
【0075】
(9)実施の形態では、バーコード1を住所に変換した。ただし、MCU12は、住所をさらに、緯度経度データあるいは位置を特定するコード(以下、「位置特定コード」と呼ぶ。)に変換して、カーナビゲーション装置30に送信することもできる。もちろん、バーコード1を、緯度経度データや位置特定コードに直接変換することもできる。
【0076】
第1の変形例において、MCU12は、郵便番号を町域名に変換して、カーナビゲーション装置30に送信することもできるし、さらに町域名が示す町域の所定位置を、緯度経度データあるいは位置特定コードに変換して、カーナビゲーション装置30に送信することもできる。もちろん、町域名、並びに、緯度経度データ又は位置特定コードをカーナビゲーション装置30に送信することもできる。また、郵便番号を、緯度経度データや位置特定コードに直接変換することもできる。
【0077】
また、第1の変形例において、MCU12は、電話番号を住所に変換して、カーナビゲーション装置30に送信することもできるし、さらに住所を、緯度経度データあるいは位置特定コードに変換して、カーナビゲーション装置30に送信することもできる。もちろん、電話番号を、緯度経度データや位置特定コードに直接変換することもできる。
【0078】
(10)上記では、バーコード体系の例として、Code128を挙げた。ただし、体系はこれに限定されるものではなく、また、独自の体系を採用してもよい。
【0079】
(11)本明細書及び特許請求の範囲において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、若しくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、現在位置から目的地まで案内するナビゲーション装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1…バーコード、10…バーコードリーダ、22…郵便番号変換テーブル、30…カーナビゲーション装置、100…カーナビゲーションシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
郵便番号と、前記郵便番号が割り当てられた町域名と、を関連付けたテーブルと、
郵便番号及び住所表示番号を表すコードパターンを読み込むスキャン手段と、
前記スキャン手段が読み込んだ前記コードパターンを解読し、前記郵便番号及び前記住所表示番号を取得する解読手段と、
前記テーブルを参照して、前記解読手段が取得した前記郵便番号に割り当てられた町域名を取得する町域名取得手段と、
前記町域名取得手段が取得した前記町域名と、前記解読手段が取得した前記住所表示番号と、を結合して、住所を作成する住所作成手段と、
前記住所作成手段が作成した前記住所を、目的地への経路案内を行うナビゲーション装置に与える住所提供手段と、を備えるコードリーダ。
【請求項2】
郵便番号及び/又は電話番号である位置特定情報を表すコードパターンを読み込むスキャン手段と、
前記スキャン手段が読み込んだ前記コードパターンを解読し、前記位置特定情報を取得する解読手段と、
前記解読手段が取得した前記位置特定情報を、目的地への経路案内を行うナビゲーション装置に与える位置特定情報提供手段と、を備えるコードリーダ。
【請求項3】
住所、名称、郵便番号、及び、電話番号のうちのいずれか、一部、又は、全部である位置特定情報を表現するキャラクタコードを表すコードパターンを読み込むスキャン手段と、
前記スキャン手段が読み込んだ前記コードパターンを解読し、前記位置特定情報を取得する解読手段と、
前記解読手段が取得した前記位置特定情報を、目的地への経路案内を行うナビゲーション装置に与える位置特定情報提供手段と、を備えるコードリーダ。
【請求項4】
請求項1記載のコードリーダと、
前記コードリーダが提供する住所が示す目的地への経路案内を行うナビゲーション装置と、を備えるナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項2記載のコードリーダと、
前記コードリーダが提供する位置特定情報が示す目的地への経路案内を行うナビゲーション装置と、を備えるナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項3記載のコードリーダと、
前記コードリーダが提供する位置特定情報が示す目的地への経路案内を行うナビゲーション装置と、を備えるナビゲーションシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−79191(P2012−79191A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225422(P2010−225422)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】