説明

コードレス電話装置

【課題】留守番録音機能が有効状態に設定していない状態において、子機に対する着信があり該当する子機が親機との通信可能な圏内に位置しない時には、自動的に留守番録音モードに切替えて通話内容を録音できるようにする。
【解決手段】親機20は留守番録音機能を有効または無効にする留守録モード設定部271と、子機30が通信圏内にあるか否かを判別する通信圏判別手段241と、発信元のメッセージを録音し、録音されたメッセージを再生する録音・再生ユニット29と、を備え、留守録モード設定部271の設定が留守録を無効にする設定がなされている場合に、特定の子機30に対する着信に対して、通信圏判別手段241が該当する子機30が通信圏内になるか否かを判別し、該子機30が通信圏にないと判別された場合、留守番録音機能を有効にし、録音・再生ユニット29に発信元のメッセージを録音する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信時に親機または子機が応答できない時に通話内容を録音して保存する留守番録音機能を有するコードレス電話機あるいはコードレス電話機能を備えたファクシミリ装置等のコードレス電話装置に関するものであり、特に、留守番録音機能が有効状態に設定していない状態において、子機に対する着信があり該当する子機が親機との通信可能な圏内に位置するか否かを判定し、その子機が通信圏外に位置する時には、自動的に留守番録音モードに切替えて通話内容を録音して保存するようにしたコードレス電話装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からオフィスや家庭において、公衆回線網に接続される加入電話のような固定電話装置の他、無線通信機能により結ばれる親機と1台又は複数台の子機からなるコードレス電話機が広く使用されている。また、近年では親機にファクシミリ機能を備えたコードレス電話装置も普及している。
【0003】
最近ではアナログのコードレス電話機に代わるものとしてデジタルコードレス電話機、デジタルコードレス電話システムが提供されておいる。デジタルコードレス電話システムは、一般には、パーソナルハンディフォン(PHS)と言われるものであり、このようなデジタルコードレス電話機は、家庭や事務所に設置している親機や、屋外に設置されている公衆基地局と通信する自営モード・公衆モードがあるが、これ以外に子機同士でトランシーバのように直接通信する子機間通信モードがある。
【0004】
また、近年はインターネットを用いたデータ通信を利用して音声信号を伝送する、IP電話システムも広く利用されており、IP電話システムの端末装置(電話端末)として、アナログあるいはデジタルのコードレス電話装置を用いることも行われている。
【0005】
デジタルコードレス電話機システムは、主装置(交換機)と、複数の親機と、さらに複数の子機とからなり、主装置(交換機)は、公衆電話回線網と接続し且つISDN回線で複数の親機と接続し、各親機は同一周波数F1を用いて送信と受信とを時間的に異ならせて子機との通信を行い、また、親機を介さず直接子機間で通信を行うこともできる。
【0006】
このようなコードレス電話装置においては、親機から子機を呼び出す場合、特定の子機を指定して呼び出す子機指定呼出しと、全ての子機を一斉に呼び出す内線一斉呼出しとを、ボタン操作により選択できるようになっている。そして、子機指定呼出しと内線一斉呼出しは、例えば、外部から着信した電話を指定された人に転送する場合、その人が居る場所が分かっているときは、子機指定呼出し機能を使って、その場所にある子機だけを呼出し、その人がどこに居るのか分からないときは、内線一斉呼出し機能を使って全ての子機を一斉に呼び出すというように使い分けることができる。
【0007】
また、一般的に通常の固定電話装置において、利用者が不在で着信に応答できない場合のために、発信元の通話音声を録音、保存しておき、後で利用者が録音された通話内容を再生して用件を確認できるようにした留守番録音機能(留守録機能)が提供されている。前述のような各種のコードレス電話装置においても、着信があった場合に親機または子機が応答できない時に通話内容を録音して保存する留守番録音機能が提供されているのが一般的である。IP電話システムに用いられるコードレス電話装置においても同様である。
【0008】
このような留守録音機能を備えたコードレス電話装置は、例えば、下記の特許文献1(特開平8−331261号公報)に開示されている。この特許文献1に開示されたコードレス電話装置は、留守番録音機能を有効にする設定がされた状態で、特定の子機に着信があった場合、親機は該当する子機に発信を行い、子機から応答がなかった時に親機から留守メッセージを発信元に送信し、発信元の通話(メッセージ)を録音して保存するように構成したものである。
【特許文献1】特開平8−331261号公報(図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したコードレス電話装置においては、親機および子機のそれぞれに特定の電話番号を割り当てることができる。特定の子機の電話番号に着信があった場合、親機は該当する電話番号の子機を呼び出して着信させる。上記特許文献1に記載されたコードレス電話装置のように、コードレス電話装置に留守番録音機能があり、親機において留守番録音機能を有効にする設定がなされていれば、呼び出した子機が応答できない場合であっても、発信元のメッセージを録音しておけば、子機の利用者は後でこのメッセージを呼び出して再生することができる。
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたコードレス電話装置では、親機において留守番録音機能を有効にする設定がなされていない状態で前述のように特定の子機の電話番号に着信があり、該当する子機を呼び出した際に、その子機が応答できない時には着信接続できず、また、留守番録音機能が設定されていないから、発信元のメッセージを録音することもできず、発信元の用件後で確認することができないという問題点があった。
【0011】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、留守番録音機能を有するコードレス電話装置において、親機が留守番録音機能を有効に設定していない状態で子機に対する着信があった場合、親機に子機が通信圏内にあるか否かを判別する通信圏判別手段を備え、子機が通信圏外にあると判別された場合には留守番録音機能を有効にして発信元のメッセージを録音するようになせば上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、留守番録音機能が有効状態に設定していない状態において、子機に対する着信があり該当する子機が親機との通信可能な圏内に位置しない時には、自動的に留守番録音モードに切替えて通話内容を録音できるコードレス電話装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
電話回線に接続される親機と、前記親機と無線接続される子機と、から構成されるコードレス電話装置において、
前記親機は留守番録音機能を有効または無効にする留守録モード設定部と、子機が通信圏内にあるか否かを判別する通信圏判別手段と、発信元のメッセージを録音し、録音されたメッセージを再生する録音・再生ユニットと、を備え、
前記留守録モード設定部の設定が留守録を無効にする設定がなされている場合に、特定の子機に対する着信に対して、前記通信圏判別手段が該当する子機が通信圏内になるか否かを判別し、該子機が通信圏にないと判別された場合、留守番録音機能を有効にし、前記録音・再生ユニットに発信元のメッセージを録音することを特徴とする。
【0014】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるコードレス電話装置において、子機は留守録表示領域を有する操作・表示部を備え、前記留守録表示領域には、自子機あての録音メーセージがある場合、留守録表示を表示することを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項3にかかる発明は、
電話回線に接続される親機と、前記親機と無線接続される子機と、子機に対応して設けられ親機と接続されたベースステーションから構成されるコードレス電話装置において、
親機は子機が通信圏内にあるか否かを判別する通信圏判別手段を備え、
前記ベースステーョンは留守番録音機能を有効または無効にする留守録モード設定部と、発信元のメッセージを録音し、録音されたメッセージを再生する録音・再生ユニットと、を備え、
前記親機は特定の子機に対する着信に対して、前記通信圏判別手段が該当する子機が通信圏内になるか否かを判別し、該子機が通信圏にないと判別された場合、
前記該当する子機に対応したベースステーションにおいて留守録モード設定部の設定が留守録を無効にする設定がなされている場合に、前記ベースステーョンは留守番録音機能を有効にし、前記録音・再生ユニットに発信元のメッセージを録音することを特徴とする。
【0016】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項3にかかるコードレス電話装置において、前記ベースステーションは留守録表示領域を有する操作・表示部を備え、前記留守録表示領域には、対応する子機あての録音メーセージがある場合、留守録表示を表示することを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1または請求項3にかかるコードレス電話装置において、前記コードレス電話装置は複数の子機を備え、親機と前記複数の子機にはそれぞれ特定の異なる電話番号が割り当てられ、任意の子機には携帯電話に対する電話番号が割り当てられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、以下のような有用な効果を奏することができる。すなわち、請求項1、請求項3にかかる発明においては、親機は、留守録モード設定部の設定が留守録を無効にする設定がなされている場合に、特定の子機に対する着信に対して、通信圏判別手段が該当する子機が通信圏内になるか否かを判別し、該子機が通信圏にないと判別された場合、留守番録音機能を有効にし、前記録音・再生ユニットに発信元のメッセージを録音するものであるから、留守録モードが設定されていない状態で子機に対する着信があり、その子機が通信圏外にあって応答できない時、発信元のメッセージを留守番録音することができるようになる。また、子機を携帯して外出する場合にその都度、留守番録音モードに設定しなくてもよくなる。
【0019】
また、請求項2、請求項4にかかる発明においては、それぞれ請求項1、請求項3にかかる発明において、子機に対する留守録のメッセージが保存されている場合、留守録表示がなされるため、該当する子機の利用者が外出から戻った時点ですぐに気がつくことができるようになる。
【0020】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項1または請求項3にかかる発明において、コードレス電話装置は複数の子機を備え、親機と前記複数の子機にはそれぞれ特定の異なる電話番号が割り当てられ、任意の子機には携帯電話に対する電話番号が割り当てられている。従って、留守録モードが設定されていない状態で携帯電話に対する電話番号が割り当てられた子機を含む特定の子機に対する着信があり、その子機が通信圏外にあって応答できない時、発信元のメッセージを留守番録音することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのコードレス電話装置を例示するものであって、本発明をこのコードレス電話装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のコードレス電話装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1にかかるコードレス電話装置10の外観を示す図である。以下の実施例1においては、コードレス電話装置10において、留守番録音機能の設定有無と特定の子機に対する着信があった場合の動作について説明する。
【0023】
コードレス電話装置10は親機20と子機30とが無線で接続された構成となっており、子機30から親機20を介して通話の受信、発信が行えるようになっている。このコードレス電話装置10はアナログコードレス電話装置、デジタルコードレス電話装置の何れであってもよく、また、IP電話システムの端末装置であってもよい。
【0024】
また、コードレス電話装置10には複数の子機30を備えることができ、また親機20と子機30にはそれぞれ特定の電話番号を割り当てることができる。また、子機30の何れかを携帯電話専用に割り当てることもできる。以下の説明においては、例えば、家庭に設置するIP電話機として2台の子機30を備えたコードレス電話装置10において、以下のように電話番号を割り当ててあるものとする。
【0025】
親機20電話番号・・・・・・・05012340001
子機30(1)電話番号・・・・05012340002
子機30(2)電話番号・・・・05012340003
親機20には着信時に、留守していて親機20または子機30で応答ができない場合に、発信元に留守メーセージを伝え、発信元の伝言(メッセージ)を録音する、いわゆる留守録の機能が備えられている。
【0026】
親機20は、図2のブロック図に示すように、電話回線制御部21、音声信号処理部22、無線部23、制御部24、マイク・スピーカ部25、操作・表示部26、メモリ27、アンテナ28を備えて構成されている。制御部24はマイクロプロセッサからなる制御回路であり、図示していないROM、RAMを備えている。ROMには各部動作を制御するプログラムを記憶しており、制御部24が通話時間の計時、通話料金の算出を行えるプログラムなども書き込まれている。RAMには制御部24の動作に必要な情報を記憶する。
【0027】
電話回線制御部21は公衆回線Nからの着信、公衆回線Nへの発信を制御するものであり、着信検出、ダイアルトーン検出などを行う。音声信号処理部22は受話音声信号を処理してマイク・スピーカ部25を介して出力し、あるいは、マイク・スピーカ部25を介して入力された送話音声を処理して音声信号に変換して送出する。無線部23はアンテナ28を介して子機30との間で発信信号、着信信号、送話音声信号、受信音声信号を通信する。
【0028】
操作・表示部26は、ディスプレイ、機能キー、数字キーなどから構成され、数字キーは発信の際の電話番号入力に用いられ、機能キーは種々の機能を選択したり設定したりするために用いられる。すなわち、機能キーを操作してディスプレイに所望の機能設定画面を表示してコードレス電話装置10の種々の機能設定をしたり、通信キャリアが提供する種々のサービス機能のオン・オフの設定をしたりすることができる。例えば、ナンバーディスプレイサービスやキャッチホンディスプレイサービス、ネームディスプレイサービスなどのオン・オフの設定ができる。
【0029】
メモリ27にはコードレス電話装置の各種機能の設定状況や、上記のナンバーディスプレイ関連サービスの設定状況などが記憶される他、ユーザが入力する電話帳、短縮ダイヤルの登録情報を記憶することができる。また、着信音切り替え機能を使用する場合には、着信音切り替え設定情報が記憶される。着信音切り替え設定情報はユーザが操作・表示部26から入力するものであり、ユーザによって入力された着信電話番号と着信音の種別が関係付けられ、設定情報として記憶されるとともに、各着信音の音源データが記憶される。音源データは、各種リムーバブル記録媒体から入力したり、他の機器で再生した音源データを録音して入力したりすることができる。
【0030】
本発明において、親機20にはテープレコーダのような録音・再生ユニット29が設けられ、通話の相手方の音声(メッセージ)を録音し、録音したメッセージを再生することができる。この録音・再生ユニット29は、留守録モード(留守番録音機能を有効にする設定)が設定されている時に動作する。このためメモリ27には留守録モード設定部271がもうけられ、操作・表示部26を用いて留守録モードが設定されるとメモリ27の留守録設定部271にその状態がほう記憶される。通常このようなモード設定は、フラグビットを「1」または「0」のデータを書き込むことで行われる。
【0031】
なお、複数コードレス電話装置10がデジタルコードレス電話である場合、録音・再生ユニットはデジタル音声信号を記録、読み出しできるメモリユニットを用いることができる。また、子機30が複数備えられている場合にはメモリユニットの領域を各子機対応に区分しておくことで各子機に対するメッセージを区分して保存することができる。
【0032】
また、親機20において制御部24は通信圏判別手段241を備えており、親機20が子機30を呼び出した際に、通信圏判別手段241は、該当する子機30が親機20と無線通信可能な通信圏内にあるか否かを判別する。子機30が通信圏内にあり親機20からの呼出し信号に対する応答信号を送信し、親機20がこれを受信したならば子機30に着信を接続する。
【0033】
親機20において留守録モードが設定されている場合、親機20または子機30(1)や子機30(2)の電話番号に着信があり、該当する電話機で応答できない場合には、回線接続して発信元に留守メセッージが送られる。発信元が通話においてメッセージを発音すると録音・再生ユニット29にそのメッセージが録音される。
【0034】
一方、親機20において留守録モードが設定されていない場合、特定の子機30、例えば子機30(2)に対する着信があった場合、子機30(2)が通信圏外にあり応答できないと、留守番録音機能が働かず、発信元のメッセージを残すことができない。そこで、本発明においては通信圏判別手段241によって子機30(2)が通信圏内にないことを判別すると、自動的に留守録モードを設定し、回線接続して親機20は発信元に留守メセッージを送り、発信元からメッセージが送られると録音・再生ユニット29にそのメッセージを録音する。
【0035】
子機30は、図3のブロック図に示されるように、音声信号処理部32、無線部33、制御部34、マイク・スピーカ部35、操作・表示部36、メモリ37、アンテナ38を備えて構成されている。制御部34はマイクロプロセッサからなる制御回路であり、図示していないROM、RAMを備えている。ROMには各部動作を制御するプログラムを記憶しており、制御部34が親機20と通信するためのプログラムなども書き込まれている。RAMには制御部34の動作に必要な情報を記憶する。
【0036】
音声信号処理部32は受話音声信号を処理してマイク・スピーカ部35を介して出力し、あるいは、マイク・スピーカ部35を介して入力された送話音声を処理して音声信号に変換して送出する。無線部33はアンテナ38を介して親機20との間で発信信号、送話音声信号、受信音声信号を通信する。
【0037】
操作・表示部36は、ディスプレイ、機能キー、数字キーなどから構成され、数字キーは発信の際の電話番号入力に用いられ、機能キーは種々の機能を選択したり設定したりするために用いられる。すなわち、機能キーを操作してディスプレイに所望の機能設定画面を表示して子機30の種々の機能設定をすることができる。操作・表示部36には子機30に対する留守番録音が親機20の録音・再生ユニット29に残されているか否かを表示し、再生を要求する確認ボタンを表示する留守録表示領域361が設けられている。従って、子機30の利用者は領域361に留守録表示があれば確認ボタンを操作して、録音・再生ユニット29に録音されているメッセージを再生して聞くことができる。
【0038】
メモリ37には子機30の各種機能の設定状況が記憶される他、ユーザが入力する電話帳、短縮ダイヤルの登録情報を記憶することができる。また、着信音切り替え機能を使用する場合には、子機30側で直接着信音を再生出力できるように音源データが記憶される。この音源データには、親機20から着信信号とともに送信される識別符号が対応付けられて記憶される。各着信音の音源データは、各種リムーバブル記録媒体から入力したり、他の機器で再生した音源データを録音して入力したりすることができる。
【0039】
図4は、以上説明した本発明の実施例にかかるコードレス電話装置10の親機20における動作手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、親機20の留守録モードは設定されていないものとする。ステップS10の処理において親機20は子機30への着信を検出すると、親機20はステップS11の処理において該当する子機30に呼出し信号を送出する。
【0040】
そして、ステップS12の処理において、通信圏判別手段241は呼び出した子機30が通信圏内にあるか否かを判別する。子機30が通信圏内にあれば、ステップS13の処理に進み、親機2は該当する子機30に接続し、ステップS14の処理において発信元との通話が開始される。ステップS15の処理において通話の終了判定が行われ、通話が終了していなければステップS15の処理を繰り返し、通話の終了が判定されればステップS16の処理において回線を切断して処理を終了する。
【0041】
一方、ステップS12の判別処理において子機30が通信圏内にない(圏外)と判別された場合、親機20はステップS17の処理に進み、留守録モードを設定し、ステップS18の処理において発信元が発音したメッセージを録音・再生手段ユニット29に録音する。ステップS19の処理において通話の終了判定が行われ、通話が終了していなければステップS19の処理を繰り返し、通話の終了が判定されればステップS16の処理において回線を切断して処理を終了する。
【実施例2】
【0042】
上記実施例1はコードレス電話装置10が親機20と子機30とで構成された例を説明したが、本発明はこの構成に限られるものではなく、親機20と子機30との間に設けたベースステーションを有する構成であってもよい。ベースステーションは例えば、子機30の充電器を兼ねたものであってもよく、子機30がベースステーョンに置かれていない状態で親機20から子機30への各種送信情報を保存したり、表示したりするものである。
【0043】
このようなベースステーションを備えたコードレス電話装置10の場合、実施例1において親機20に備えられていた留守録モード設定部271、録音・再生ユニット29をそれぞれの子機30に対応したベースステーションに設けることもできる。また、子機30の操作・表示部36に設けられた留守録表示領域361に相当する表示部を子機30に対応したベースステーションに設けることができる。
【0044】
以上、説明したように本発明の留守番録音機能を有するコードレス電話装置10によれば、親機20が留守録モードを設定していない状態で特定の子機30に対する着信があり、その子機30が通信圏外にある場合であっても、親機20が留守録モードに設定し、発信元のメッセージを録音することができる。なお、親機20が設定する留守録モードは当該子機への着信以後も継続して有効にしてもよく、当該子機への着信に対してのみ一時的に有効とするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例1にかかるコードレス電話装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施例1にかかる親機の構成を示すブロック図、
【図3】本発明の実施例1にかかる子機の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例1にかかる親機の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
10・・・・コードレス電話装置
20・・・・親機
21・・・・電話回線制御部
22・・・・音声信号処理部
23・・・・無線部
24・・・・制御部
241・・・通信圏判別手段
25・・・・マイク・スピーカ部
26・・・・操作・表示部
27・・・・メモリ
271・・・留守録モード設定部
28・・・・アンテナ
29・・・・録音・再生ユニット
30・・・・子機
32・・・・音声信号処理部
33・・・・無線部
34・・・・制御部
35・・・・マイク・スピーカ部
36・・・・操作・表示部
361・・・留守録表示領域
37・・・・メモリ
38・・・・アンテナ
N・・・・・公衆回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線に接続される親機と、前記親機と無線接続される子機と、から構成されるコードレス電話装置において、
前記親機は留守番録音機能を有効または無効にする留守録モード設定部と、子機が通信圏内にあるか否かを判別する通信圏判別手段と、発信元のメッセージを録音し、録音されたメッセージを再生する録音・再生ユニットと、を備え、
前記留守録モード設定部の設定が留守録を無効にする設定がなされている場合に、特定の子機に対する着信に対して、前記通信圏判別手段が該当する子機が通信圏内になるか否かを判別し、該子機が通信圏にないと判別された場合、留守番録音機能を有効にし、前記録音・再生ユニットに発信元のメッセージを録音することを特徴とするコードレス電話装置。
【請求項2】
前記コードレス電話装置の子機は留守録表示領域を有する操作・表示部を備え、前記留守録表示領域には、自子機あての録音メーセージがある場合、留守録表示を表示することを特徴とする請求項1に記載のコードレス電話装置。
【請求項3】
電話回線に接続される親機と、前記親機と無線接続される子機と、子機に対応して設けられ親機と接続されたベースステーションから構成されるコードレス電話装置において、
親機は子機が通信圏内にあるか否かを判別する通信圏判別手段を備え、
前記ベースステーョンは留守番録音機能を有効または無効にする留守録モード設定部と、発信元のメッセージを録音し、録音されたメッセージを再生する録音・再生ユニットと、を備え、
前記親機は特定の子機に対する着信に対して、前記通信圏判別手段が該当する子機が通信圏内になるか否かを判別し、該子機が通信圏にないと判別された場合、
前記該当する子機に対応したベースステーションにおいて留守録モード設定部の設定が留守録を無効にする設定がなされている場合に、前記ベースステーョンは留守番録音機能を有効にし、前記録音・再生ユニットに発信元のメッセージを録音することを特徴とするコードレス電話装置。
【請求項4】
前記ベースステーションは留守録表示領域を有する操作・表示部を備え、前記留守録表示領域には、対応する子機あての録音メーセージがある場合、留守録表示を表示することを特徴とする請求項3に記載のコードレス電話装置。
【請求項5】
前記コードレス電話装置は複数の子機を備え、親機と前記複数の子機にはそれぞれ特定の異なる電話番号が割り当てられ、任意の子機には携帯電話に対する電話番号が割り当てられていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のコードレス電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−66820(P2008−66820A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239825(P2006−239825)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】