説明

コードレス電話装置

【課題】子機で外線通話中に、親機、または、他の子機の数字キー押下操作によって、前記外線通話中の子機の通話に対してDTMF信号を送出できるようにする。
【解決手段】コードレス電話装置10は、コードレス電話装置10を構成する特定の子機30aが通話中に、音声自動応答システムに対して、コードレス電話装置10を構成する他の電話機の数値キー操作に応じたDTMF信号を前記音声自動応答システムに対して送出する音声自動応答モードを有しており、数値データ取得部413と、数値データ送出部414と、を備え、音声自動応答モードが有効に設定されている場合、数値データ取得部413は、他の電話機により操作された数値キーに応じた数値データを取得し、数値データ送出部414は、数値データ取得部が取得した数値データに基づいて音声自動応答システムに対してDTMF信号を送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードレス電話装置に関するものであり、特に、子機で外線通話中に、親機、または、他の子機の数字キー押下操作によって、前記外線通話中の子機の通話に対してDTMF信号を送出する動作モードを備えるようにしたコードレス電話装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、家庭用電話機、あるいは企業内の構内電話機としてコードレス電話装置が多く利用されている。コードレス電話装置は、電話回線にケーブル接続される親機と、この親機と無線で接続される1又は2台以上の子機とからなる。
【0003】
電話通信事業者は電話機を利用するユーザに対して様々のサービスを提供している。プッシュ式電話装置における音声自動応答サービスもそのようなサービスの1つである。音声自動応答サービスは、プッシュ式電話装置においてユーザによって入力された数値(数字キーを操作して入力された数値)を、DTMF(Dual Tone Multi Frequency)信号を利用することによって認識し、音声によりユーザに伝達した選択肢(1〜9の数値やアスタリスク記号あるいはシャープ記号に対応付けて音声案内された選択肢)のいずれをユーザが選択したかを識別するようにされる。このようなサービスは、企業のコールセンタなどにおいて数多く利用されている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1(特開2003−78625号公報)には、コールセンタ等において、顧客が希望するサービスを速やかに受けることができるようにした自動応答方法および自動応答装置の発明が開示されている。この自動応答方法および自動応答装置は、顧客から通信要求を受信した場合に、多階層構成をとる複数の選択肢をその構成に基づいて段階的に該顧客へ通知し、該選択肢に対する選択結果に基づいて、前記顧客に提供するサービスを特定する自動応答装置において、所定のサービスに直接対応付けられた特定選択肢を作成し、特定選択肢を顧客へ通知するように構成されたものである。
【0005】
また、下記の特許文献2(特開2000−151858号公報)には、アンケート調査などにおいて効率的に回答を収集でき、回答者の個人データも簡単に取得できるようにした電話料金精算システムに結合した電話回答収集システムの発明が開示されている。この電話回答収集システムは、通話料金不要の特定の電話番号が受付窓口番号として割り当てられており、一般の携帯電話がこの番号で発呼したときに自動応答してその発信者番号を回答者番号として取得して、前記回答者番号を一覧にした調査ファイルと、回答者番号ごとに電話料金割引ポイントを記録するための割引ポイントテーブルとを作成し、回答者からの着呼を受け付けるごとに、前記割引ポイントテーブルにおける該当番号のポイント欄に所定のポイントを加算するとともに、携帯電話の各契約者の電話番号ごとに電話料金を計算して管理する電話料金システムと適時に通信して前記割引ポイントテーブルに記録されている各番号ごとの電話料金割引ポイントを伝えるように構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−78625号公報
【特許文献2】特開2000−151858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に開示された発明においては、ユーザは音声案内によって提示された選択肢(数字に対応付けて案内される選択肢)について、電話機の数字キー(数字ボタン)を操作して所望の選択肢を自動応答システムに通知する。操作された数字はDTMF信号として自動応答システムに送られ、自動応答システムは受信したDTMF信号からユーザが操作した数字を解析することによりユーザが選択した選択肢を特定するようにされる。
【0008】
ユーザがこのような自動応答システムに対してコードレス電話装置を用いることが考えられる。その際、ユーザがコードレス電話装置の親機を用いて対応するとは限らず、子機を用いて対応することもある。その場合、ユーザは子機の受話部を耳にあて、音声で案内される選択肢およびその数字(番号)を聞いた上で、ユーザが選択しようとする選択肢に応じた数字の数字キー(数字ボタン)を押し下げする操作を行う必要がある。その際、子機の数字キー(数字ボタン)は頬に接近した状態にあり、所望の数字を正しく操作するには子機の受話部を耳から話して操作・入力部を目視できるようにして操作しなければならず、操作性に劣るという問題点が生じる。
【0009】
本願は、上記の問題点を解消すべくなされたものであり、子機で外線通話中に、親機、または、他の子機の数字キー押下操作によって、前記外線通話中の子機の通話に対してDTMF信号を送出可能にしたコードレス電話装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備えるコードレス電話装置であって、前記コードレス電話装置は、コードレス電話装置を構成する特定の子機が通話中に、音声自動応答システムに対して、コードレス電話装置を構成する他の電話機の数値キー操作に応じたDTMF信号を前記音声自動応答システムに対して送出する音声自動応答モードを有しており、数値データ取得部と、数値データ送出部と、を備え、前記音声自動応答モードが有効に設定されている場合、前記数値データ取得部は、前記他の電話機により操作された数値キーに応じた数値データを取得し、前記数値データ送出部は、前記数値データ取得部が取得した数値データに基づいて前記音声自動応答システムに対してDTMF信号を送出することを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるコードレス電話装置において、前記コードレス電話装置は、更に、他機設定部を備え、前記音声自動応答モードが有効に設定されている場合、前記他機設定部により、前記コードレス電話装置を構成する他の電話機を設定することを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかるコードレス電話装置において、前記他機設定部は、前記音声自動応答モードが設定された場合、前記コードレス電話装置を構成する親機を前記他機として自動的に設定することを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコードレス電話装置において、前記コードレス電話装置を構成する子機は、音声認識手段を備え、当該子機が通話中に、前記音声認識手段による解析により、音声自動応答システム特有のメッセージを識別した場合、前記音声自動応答モードに設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1にかかる発明においては、親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備えるコードレス電話装置であって、前記コードレス電話装置は、コードレス電話装置を構成する特定の子機が通話中に、音声自動応答システムに対して、コードレス電話装置を構成する他の電話機の数値キー操作に応じたDTMF信号を前記音声自動応答システムに対して送出する音声自動応答モードを有しており、数値データ取得部と、数値データ送出部と、を備え、前記音声自動応答モードが有効に設定されている場合、前記数値データ取得部は、前記他の電話機により操作された数値キーに応じた数値データを取得し、前記数値データ送出部は、前記数値データ取得部が取得した数値データに基づいて前記音声自動応答システムに対してDTMF信号を送出する。
【0015】
かかる構成によれば、コードレス電話装置を構成する通話中の子機により音声自動応答システムから伝えられたメッセージに対応して数値キーを操作してDTMF信号を送信して応答する場合に、通話中の子機を操作することなく(音声応答システムからのメッセージを聞きながら)、親機などの他機の数値キーを操作して応答することができるようになる。
【0016】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるコードレス電話装置において、コードレス電話装置は、更に、他機設定部を備え、前記音声自動応答モードが有効に設定されている場合、前記他機設定部により、前記コードレス電話装置を構成する他の電話機を設定する。従って、通話中の子機により音声自動応答システムから伝えられたメッセージに対応する際に、ユーザは親機、または、他の任意の子機を用いて数値キーを操作して応答することができるようになる。
【0017】
請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかるコードレス電話装置において、前記他機設定部は、前記音声自動応答モードが設定された場合、前記コードレス電話装置を構成する親機を前記他機として自動的に設定する。従って、通話中の子機により音声自動応答システムから伝えられたメッセージに対応する際に、ユーザは親機を用いて数値キーを操作して応答することができるようになる。
【0018】
請求項4にかかる発明においては、請求項1〜請求項3の何れかにかかるコードレス電話装置において、コードレス電話装置を構成する子機は、音声認識手段を備え、当該子機が通話中に、前記音声認識手段による解析により、音声自動応答システム特有のメッセージを識別した場合、前記音声自動応答モードに設定する。従って、通話中の子機により音声自動応答システムから伝えられたメッセージに対応する際に、ユーザは何の操作をすることなく、音声自動応答モードを用い、親機または他の子機を用いて数値キーを操作して応答することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用してなる実施例装置の全体図である。
【図2】本発明を適用してなる実施例装置の親機のブロック図である。
【図3】本発明を適用してなる実施例装置の子機のブロック図である。
【図4】子機の制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例装置の通話中子機の動作を示すフロー図である。
【図6】本実施例装置の他の電話機の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術的思想を具体化するためのコードレス電話装置を例示するものであって、本発明をこのコードレス電話装置に特定することを意図するものではなく、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって定められるものである。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明の実施例にかかるコードレス電話装置10の全体構成を示す図である。本実施例のコードレス電話装置10は、電話回線に接続された電話装置の親機20と、無線通信機能を介してこの親機20と接続される2台の子機30a,30bとを有してなる。更に、子機30aと30bとは、親機20を介在して無線接続される。尚、このコードレス電話システム10の通信方式はデジタルコードレス電話の通信方式である。
【0022】
次に、本発明の実施例にかかるコードレス電話装置10の回路構成を説明する。図2は、本発明の実施例にかかる親機20の構成を示すブロック図である。親機20は、制御部21、着信検出部22、回線接続部23、表示部24、操作部25、メモリ部26、ACアダプタ27、電源部28、送信部30、受信部31、周波数シンセサイザー32、送受信アンテナ33、受話器34などを備えて構成されている。
【0023】
制御部21は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にROM、フラッシュメモリなどのメモリ機能を備えており、このメモリに格納されている各種制御プログラムを読み出して処理を担う。
【0024】
回線接続部23は、電話回線と接続されて回線の解放閉結を行ったり、親機20の電話帳データに記憶されている電話番号情報に基づいて電話回線を通じた発呼処理を行う。又、回線接続部23は、回線の極性反転を検出する機能と、回線からの音声信号を検出する機能と、回線からのRBT(リングバックトーン)を検出する機能を有している。
【0025】
着信検出部22は、回路接続部23からの着信信号を受けて着信を検出すると共に、当該着信信号をパルス信号に波形整形して制御部21に出力する。尚、回線からのRBT(リングバックトーン)を検出する機能をこの着信検出部22に持たせても良い。
【0026】
表示部24は、液晶パネル等から構成される表示ユニットであり、制御部21からの制御信号に応じて、電話帳データである電話番号、通話時間や、通話料金などのテキストデータ等の適宜の表示を行う。
【0027】
操作部25は、数字や文字の入力などを行うためのテンキー、発呼および通話の開始などを操作するための通話キー、通話の終了などを操作するための終話キー、電話帳の検索・登録を行うための電話帳キー、その他の各種モードを設定するための操作を行うためのモード設定キー等から構成される。
【0028】
メモリ部26は、例えばフラッシュメモリによって構成され、氏名と電話番号とを対で複数格納可能な電話帳機能や、着信履歴や発信履歴を格納する機能等を有している。
【0029】
電源部28は、ACアダプタ27から所定の直流電圧を受けて、各回路構成要素に電源を供給する。
【0030】
送信部30と受信部31は、送受信アンテナ33を介して子機30との間に無線通信による通話リンクを確立させて、信号の送受信を行う。また、周波数シンセサイザー32は、当該子機との無線通信のための信号発振を担い、制御部21からの制御信号によって、送信部30と受信部31の送受信周波数を適宜切り換える。親機20は一定の時間間隔で親機20の現在の状態を示す状態通知情報を子機30に通知する。例えば、親機30が回線保留中か否か、あるいは留守電応答中か否かなど親機30の状態を示す状態通知情報が子機30に送信される。なお、留守電応答中とは、着信後自動的に回線接続して用件を録音し、録音動作が終了するまでの間をいう。
【0031】
受話器34は、通話用のスピーカ(SP)とマイク(MIC)とで構成される。スピーカ(SP)は、図示しない制御部21内の音声信号処理部で生成された電気信号を増幅して音声として出力する。マイク(MIC)は、音声を電気信号に増幅変換して制御部21内の音声信号処理部に出力する。
【0032】
次に、図3を参照しつつ、本発明の実施例にかかる子機30aの構成を説明する。なお、子機30bの構成も同様である。コードレス電話装置10の子機30aは、制御部41、表示部42、操作部43、メモリ部44、電源部45、充電部46、ACアダプタ47、送信部48、受信部49、周波数シンセサイザー50、送受信アンテナ51、レシーバ52などを備えて構成されている。これらの構成は基本的な機能は親機と変わらず、親機20と異なる構成のみ以下に説明する。
【0033】
電源部45は、充電式のバッテリーを内蔵し、子機30aの各回路構成要素に電源を供給する。充電部46は、子機30aが充電台(図示せず)に載置されている間、ACアダプタ47から与えられる直流電圧により電源部45のバッテリーの充電を行う。
【0034】
送信部48と受信部49は、送受信アンテナ51を介して親機20との間に無線通信による通話リンクを確立させて、信号の送受信を行う。また、周波数シンセサイザー50は、当該親機20との無線通信のための信号発振を担い、制御部41からの制御信号によって、送信部48と受信部49の送受信周波数を切り換える。
【0035】
子機30aは、充電台から取り上げられると、親機30に対して自動的に発呼接続を要求するクイック通話機能を備えたものであってもよく、また、子機30aが充電台に載置されている時には子機の表示部42を消灯状態にし、充電台から取り上げられると表示部42を点灯状態にする省電力制御を行う構成であってもよい。
【0036】
親機20から一定の時間間隔で送信される状態通知情報を記憶するメモリ26に記憶され、必要に応じて制御部41により参照される。子機30aは、この状態通知情報に基づいて、前記親機の状態を判別し、子機30aからの発呼を制御する。例えば、親機20が回線保留中あるいは留守電応答中などの所定の状態にあるか否かを判別して子機30aからの発呼を制限するなどの制御を行う。
【0037】
ここで、ユーザが前述したような自動応答システムに対して本発明の実施例にかかるコードレス電話装置10の子機30aを用いて応答する場合について説明する。その場合、ユーザは子機30aの受話部を耳にあて、音声で案内される選択肢およびその数字(番号)を聞いた上で、ユーザが選択しようとする選択肢に応じた数字の数字キー(数字ボタン)を押し下げする操作を行う必要がある。その際、子機30aの数字キー(数字ボタン)は頬に接近した状態にあり、所望の数字を正しく操作するには子機の受話部を耳から話して操作・入力部を目視できるようにして操作しなければならず、操作性に欠けていた。
【0038】
本発明にかかるコードレス電話装置10においては、上記のような場合に、通話中の子機30aではなく、親機20あるいは他の子機30bの数字キーを操作して入力された数値を、前記通話中の子機30aからの応答としてDTMF信号で送信する動作モードを設定することで、操作性を改善している。このため、子機30aの制御部41は、図4に示すように、モード設定部411、他機設定部412、数値データ取得部413、数値データ送出部414を備えて構成されている。
【0039】
モード設定部411は、子機30aが通話中に、上記のような音声自動応答システムからの通話である場合に、本発明による上記のDTMF信号送信を行う動作モード(以下、音声自動応答モードという)を有効に設定するための手段である。このモードを有効に設定する方法としては、(1)子機30aに設けた特定のモード設定キー(例えば、本モード設定用に割り当てられた機能キーなど)を操作する方法、(2)音声自動応答システムはコールセンタなどとの通話が一般的であり、ユーザが通話前に予測できる場合が多いので、メニュー画面に表示された選択項目にこのモード有効、無効の選択ボタンを設け、予め通話前にユーザが設定する方法(音声自動応答システムはコールセンタなどとの通話が一般的でありユーザを通話前に予測できる場合が多い)、(3)子機30aが音声認識機能を有している場合には、通話内容を音声認識により解析し、音声自動応答システム特有のメッセージ(例えば、〇〇の場合は1を、△△の場合は2を押して下さいなどのメッセージ)が含まれているか否かを判別して自動的に本モードを有効に設定する方法、など各種の方法を適宜採用することができる。
【0040】
他機設定部412は、本音声自動応答モードが有効に設定された場合に、音声自動応答システムが音声により提示した選択項目に対応する数字キーを入力するための他の電話機(コードレス電話装置を構成する親機20、子機30a、30bのうち、通話中でない他の特定の1つの電話機)を設定するものであり、割り当てられた特定のキーまたは画面に表示されたメニューから当該他の電話機を設定する。一般には、1つの子機30aで音声自動応答システムと通話中であるから、親機20を他の電話機として設定するのが自然である。従って、他の電話機を自動的に親機20とする場合は、必ずしも他機設定部412を必要としない。あるいは、本モードが有効に設定された場合の他機を、予めユーザが設定するようにし、通常、音声自動応答システムに応答する通話の際、ユーザがモード設定操作のみを行えばよいように構成してもよい。
【0041】
数値データ取得部413は、本音声自動応答モードにおいて、音声自動応答システムと通話中の子機30aに代わって、他機(他機設定部412により設定された親機20あるいは他の子機30b)において操作された数値キーに基づく数値データを取得するものである。数値データ取得部413により数値データを取得すると、数値データ送出部414は、子機30aが通話している音声応答システム(例えば、子機30aが通話接続中のコールセンタ)に対して当該数値をDTMF信号として送出する。
【0042】
以上の処理によって、子機30aにより音声自動応答システムから伝えられたメッセージに対応して数値キーを操作する場合に、通話中の子機30aを操作することなく(音声応答システムからのメッセージを聞きながら)、親機などの他機の数値キーを操作して応答することができるようになる。
【0043】
次に、図5、図6に示すフローチャートに基づいて、本実施例にかかるコードレス電話装置の音声自動応答システムに対応する処理の手順を説明する。なお、図5は、通話中の子機30aの処理手順を示すフローチャート、図6は、親機20または他の子機30bの処理手順を示すフローチャートである。
【0044】
子機30aの制御部41は、先ず、当該子機30aが通話中であるか否かを判別する(ステップS101)。通話中でなければ(ステップS101のNO)処理を終了し、通話中であれば(ステップS101のYES)ステップS102に進み、子機30aが音声自動応答モードに設定されているかを判別する。
【0045】
音声自動応答モードに設定されていなければ(ステップS102のNO)、ステップS106の処理に進み、音声自動応答モードに設定されていれば(ステップS102のYES)、ステップS103の処理で、子機30aに代わって数値キーを操作する他機を設定する。ここでは親機20が設定されたものとして、以下の説明を進める。ユーザは設定した他機(ここでは、親機20)の数値キーを用いて音声自動応答システムからのメッセージに対してユーザが所望する項目に該当する数値を操作する。
【0046】
次いで子機30aの数値データ取得部413は、設定された他機(親機20)から、ユーザによって操作された数値キーに対応する数値データを取得する(ステップS104)。数値データを取得すると、数値データ送出部414は、取得した数値データに従ったDTMF信号を子機30aが通話している音声応答システム(例えば、子機30aが通話接続中のコールセンタ)に対してDTMF信号として送出する(ステップS105)。
【0047】
DTMF信号の送出が終わると、制御部41は通話が終了したか否かを判別する(ステップS106)。通話終了でなければ(ステップS106のNO)、子機30aにおいて音声自動応答システムとの通話が継続されており、音声自動応答システムから受信する次のメッセージに対応する数値入力があるのでステップS104の処理に戻り、ステップS104、ステップS105の処理を繰り返す。通話終了(ステップS106のYES)であれば、ステップS107に進み回線を切断して処理を終了する。
【0048】
一方、親機20(設定された他機)は、図6に示すように数値キーの操作がなされたか否かを判別する(ステップS201)。数値キー操作がなければ(ステップS201のNO)、ステップS201の判別処理を繰返し、数値キー操作があれば(ステップS201のYES)、ステップS202の処理に進み、通話中の子機30aによってコードレス電話装置10が音声自動応答モードに設定されたか否かを判別する。
【0049】
音声自動応答モードに設定されていなければ(ステップS202のNO)、ステップS205の処理に進み、操作された数値キーに応じた通常の処理(例えば、親機30からの通話発信処理であれば、ダイヤル番号の送出など)を行い、音声自動応答モードに設定されていれば(ステップS202のYES)、ステップS204の処理に進み、子機30aにより、自機がDTMF信号を送出するための他機として設定された機器と一致しているか否かを判別する(ステップS203)。
【0050】
一致していなければ(ステップS203のNO)、ステップS205の処理に進み、操作された数値キーに応じた通常の処理を行い、一致していれば、ステップS204の処理に進み、操作された数値キーに応じた数値データ(入力数値)を子機30に送出する。そして、図5のフローチャートで説明したように、子機30aは、ステップS104の処理で親機20から送出された入力数値を取得する。
【0051】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、子機で外線通話中に、音声自動応答システムに応答する際に、親機、または、他の子機の数字キー押下操作によって、前記外線通話中の子機の通話に対してDTMF信号を送出することができるようになる。
【0052】
なお、上記の実施例の説明においては、音声自動応答システムに応答する通話中の子機30aにより音声自動応答モード、数値キー操作を行う他機の設定を行い、他機による数値キー操作に基づいてDTMF信号を送出する例を説明したが、本発明はこのような実施態様に限られるものではなく、例えば、親機20を用いて上記のモード設定や他機の設定、DTMF信号の送出を行うように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0053】
10・・・・コードレス電話装置
20・・・・親機
21・・・・制御部
22・・・・着信検出部
23・・・・回線接続部
24・・・・表示部
25・・・・操作部
26・・・・メモリ部
27・・・・メモリ
27・・・・ACアダプタ
28・・・・電源部
29・・・・録音・再生ユニット
30・・・・送信部
30a,30b・・・・無線子機
31・・・・受信部
32・・・・周波数シンセサイザー
33・・・・無線通信アンテナ
34・・・・受話器
41・・・・制御部
411・・・モード設定部
412・・・他機設定部
413・・・数値データ取得部
414・・・数値データ送出部
42・・・・表示部
43・・・・操作部
44・・・・メモリ部
45・・・・電源部
46・・・・充電部
47・・・・ACアダプタ
48・・・・送信部
49・・・・受信部
50・・・・周波数シンセサイザー
51・・・・無線通信アンテナ
52・・・・レシーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備えるコードレス電話装置であって、
前記コードレス電話装置は、コードレス電話装置を構成する特定の子機が通話中に、音声自動応答システムに対して、コードレス電話装置を構成する他の電話機の数値キー操作に応じたDTMF信号を前記音声自動応答システムに対して送出する音声自動応答モードを有しており、数値データ取得部と、数値データ送出部と、を備え、
前記音声自動応答モードが有効に設定されている場合、前記数値データ取得部は、前記他の電話機により操作された数値キーに応じた数値データを取得し、前記数値データ送出部は、前記数値データ取得部が取得した数値データに基づいて前記音声自動応答システムに対してDTMF信号を送出することを特徴とするコードレス電話装置。
【請求項2】
前記コードレス電話装置は、更に、他機設定部を備え、前記音声自動応答モードが有効に設定されている場合、前記他機設定部により、前記コードレス電話装置を構成する他の電話機を設定することを特徴とする請求項1に記載のコードレス電話装置。
【請求項3】
前記他機設定部は、前記音声自動応答モードが設定された場合、前記コードレス電話装置を構成する親機を前記他機として自動的に設定することを特徴とする請求項2に記載のコードレス電話装置。
【請求項4】
前記コードレス電話装置を構成する子機は、音声認識手段を備え、当該子機が通話中に、前記音声認識手段による解析により、音声自動応答システム特有のメッセージを識別した場合、前記音声自動応答モードに設定することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコードレス電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−114582(P2012−114582A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260320(P2010−260320)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】